説明

観光経路案内システム

【課題】 訪れるのに適当な観光地を探し出し、その観光地までの経路を容易に知ることができ、利用者が充分に観光を楽しむことが可能となる観光経路案内システムを提供すること。
【解決手段】 観光地の位置を示す観光地情報を記憶する記憶手段と、利用者の携帯端末機の現在地を示す現在地情報を受信する現在地情報受信手段と、現在地情報に基づいて、記憶手段に記憶された観光地情報のなかから、現在地との関係が所定の条件を満たす候補地を選択する選択手段と、候補地の観光地情報を、携帯端末機に送信する観光地情報送信手段と、利用者の操作によって、選択された目的地情報を受信する目的地情報受信手段と、目的地情報に応じた観光地情報と現在地情報とに基づいて、現在地から目的地までの経路を決定する経路決定手段と、経路情報を、携帯端末機に送信する経路情報送信手段とを備えた観光経路案内システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観光経路案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介して、パーソナルコンピュータの画面上で交通機関の乗り換え案内を提供するサービスがある。利用者は、このようなサービスが提供されているウェブサイトの入力画面で出発地、目的地等を入力して検索することにより、推奨経路、所要料金、所要時間等の情報を目的地へ出発する前に予め知ることができる。
【0003】
近年では、携帯電話機においてもこのようなサービスを利用することが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の携帯用経路探索装置によれば、例えば、移動の途中で目的地が変更になった場合であっても、その場で現在地から変更後の目的地までの経路等を検索することが可能である。
【0004】
【特許文献1】特開2001−63579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、観光旅行中の観光客のなかには、例えば、或る都市内の観光地を巡るという予定だけを立てて、どの観光地に行くかを決めずにその都市を訪れる観光客等、漠然とした予定だけを立てて具体的な目的地を決定していない観光客も多いが、これらのサービスを利用するためには、まず、パーソナルコンピュータや携帯電話機に目的地を入力しなければならない。
すなわち、このような観光客は、雑誌や、携帯電話機で観光地の情報が取得可能なウェブサイト等を利用して訪れたい観光地を探し出し、目的地として入力する必要がある。
ところが、雑誌や、携帯電話機で観光地の情報が取得可能なウェブサイト等で訪れたい観光地を探し出し、目的地として決定したとしても、その後、乗り換え案内を利用して経路等を検索した結果、その目的地が現在地から訪れるのに適した距離範囲内にない等のときには、訪れたい他の観光地を再び探し出さなければならず、このような繰り返しを観光旅行中に行うことは煩雑であるといった問題がある。
特に、雑誌やウェブサイト等においては、これらのメディアが極力多くの利用者に利用されるようにするために、通常、広く一般の利用者が利用し易いように編集された汎用性の高い観光地の情報が、数多く掲載されているため、上述したような手法では、結局、訪れるのに適当な観光地を探し出すことができないこともあり、充分に観光を楽しめない可能性があるといった問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、訪れるのに適当な観光地を探し出し、その観光地までの経路を容易に知ることができ、利用者が充分に観光を楽しむことが可能となる観光経路案内システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)少なくとも観光地の位置を示す観光地情報を複数記憶する記憶手段と、
利用者が所持する携帯端末機の現在地を示す現在地情報を、該携帯端末機から受信する現在地情報受信手段と、
上記現在地情報受信手段が受信した現在地情報に基づいて、上記記憶手段に記憶された複数の観光地情報のなかから、上記携帯端末機の現在地との関係が所定の条件を満たす候補地としての観光地を選択する選択手段と、
上記選択手段により選択された観光地の観光地情報を、上記携帯端末機に送信する観光地情報送信手段と、
上記観光地情報送信手段から観光地情報を受信した携帯端末機に対して、利用者の操作によって、該観光地情報が示す候補地としての観光地のなかから、目的地を選択する旨の指示が入力された際に該携帯端末機が送信する目的地情報を、該携帯端末機から受信する目的地情報受信手段と、
上記目的地情報受信手段が目的地情報を受信した際、該目的地情報に応じた観光地情報と上記現在地情報受信手段が受信した現在地情報とに基づいて、現在地から目的地としての観光地までの経路を決定する経路決定手段と、
上記経路決定手段により決定された経路を示す経路情報を、上記携帯端末機に送信する経路情報送信手段と
を備えたことを特徴とする観光経路案内システム。
【0008】
(1)の発明によれば、利用者が所持する携帯端末機の現在地を示す現在地情報に基づいて、複数の少なくとも観光地の位置を示す観光地情報のなかから、現在地との関係が所定の条件(例えば、現在地からの距離が所定の距離以内であること、現在地から移動するために必要な時間が1時間以内であること等)を満たす候補地としての観光地が選択され、選択された観光地の観光地情報が利用者の携帯端末機に送信される。
このようにして利用者の携帯端末機に送信された観光地情報は、現在地との関係が所定の条件を満たした観光地情報であり、利用者が訪れるのに適当な観光地の観光地情報であるため、利用者は、送信された観光地情報のなかから訪れたい観光地を探し出して選択することができる。
また、(1)の発明によれば、利用者の操作によって、候補地としての観光地のなかから選択されて送信された目的地情報に応じた観光地情報と、現在地情報とに基づいて、現在地から目的地としての観光地までの経路を示す経路情報が利用者の携帯端末機に送信される。このように、利用者が目的地情報を送信すると、現在地から目的地としての観光地までの経路情報が利用者の携帯端末機に送信されるため、利用者は、現在地から観光地までの経路を簡便な操作で容易に知ることができる。
このように、(1)の発明によれば、訪れるのに適当な観光地を探し出すことができ、その観光地までの経路を簡便な操作で容易に知ることができるため、利用者は充分に観光を楽しむことが可能となる。
【0009】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)の観光経路案内システムであって、
上記選択手段は、上記現在地情報受信手段が受信した現在地情報に基づいて、上記記憶手段に記憶された複数の観光地情報のなかから、上記携帯端末機の現在地から所定範囲内にある観光地を選択することを特徴とする。
【0010】
(2)の発明によれば、利用者の現在地から所定範囲内にある観光地が、候補地としての観光地として選択され、選択された観光地の観光地情報が利用者の携帯端末機に送信される。従って、利用者は、現在地から所定範囲内にあり、訪れるのに適当な観光地のなかから、利用者が訪れたい観光地を探し出すことができる。
【0011】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)又は(2)の観光経路案内システムであって、
上記観光地情報送信手段から観光地情報を受信した携帯端末機に対して、利用者の操作によって、候補地を変更するための検索条件が入力された際に、該携帯端末機が送信する検索条件情報を、該携帯端末機から受信する検索条件情報受信手段を備え、
上記選択手段は、上記携帯端末機から検索条件情報を受信したとき、上記現在地情報受信手段が受信した現在地情報に基づいて、上記記憶手段に記憶された複数の観光地情報のなかから、上記携帯端末機の現在地との関係が上記検索条件を満たす候補地としての観光地を選択することを特徴とする。
【0012】
(3)の発明によれば、観光地情報を受信し、利用者の操作によって、候補地を変更するための検索条件が入力された際に携帯端末機から送信される検索条件情報を受信したとき、現在地情報に基づいて、複数の観光地情報のなかから、現在地との関係が検索条件を満たす候補地としての観光地を選択する。すなわち、利用者は、観光地情報を受信した際、候補地を変更するための検索条件を入力すると、現在地との関係が検索条件を満たす候補地としての観光地の観光地情報が利用者の携帯端末機に送信される。従って、利用者は、利用者の目的に応じた検索条件を入力して候補地を再検索することができるため、利用者が訪れたい観光地を探し出すことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の観光経路案内システムによれば、訪れるのに適当な観光地を探し出し、その観光地までの経路を容易に知ることができ、利用者が充分に観光を楽しむことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本実施形態に係る観光経路案内システムの一例を示すネットワーク構成図である。
観光経路案内システム1は、経路情報データベース11と、地図情報データベース12と、観光地情報データベース13と、これらのデータベースが接続されたサーバ10とから構成されている。
また、サーバ10、タクシー配車センター20、観光地管理施設端末機30、携帯電話機100は、インターネット40を介して有線又は無線により相互にデータの送受信を行うことが可能である。
【0015】
サーバ10には、経路情報データベース11と、地図情報データベース12と、観光地情報データベース13が接続されている。サーバ10は、予め記憶されている所定のプログラムに従って、携帯電話機100から受信した情報(例えば、現在地情報、目的地情報、検索条件情報等)に応じてデータベースを参照し、種々の処理を行う。
【0016】
経路情報データベース11には、交通機関名、路線名、駅名、駅の位置(緯度、経度、高度)、時刻表、乗り継ぎに関する情報(例えば、異なる路線に乗り継ぎが行える駅や、乗り継ぎに必要な所要時間等)等が記憶されている。
【0017】
地図情報データベース12には、道路網、建築物の位置(緯度、経度、高度)等が記憶されている。
【0018】
記憶手段としての観光地情報データベース13には、観光地名、住所、観光地の位置(緯度、経度、高度)、最寄り駅名、付加情報(例えば、当該観光地に関する豆知識、当該観光地の見どころ、当該観光地近郊で利用できる割引クーポン、現在の混雑状況等)等の観光地に関する項目が観光地情報として記憶される。
観光地情報データベース13に記憶される観光地情報は、随時更新・登録可能であり、観光地の管理者は、インターネット40を介して観光地施設端末機30等から観光地情報を更新・登録することができる。
【0019】
タクシー配車センター20では、各タクシーの位置を随時更新記憶するデータベースを備えている。タクシー配車センター20は、サーバ10から受信した配車要求に基づいて、配車要求がされている位置からの距離が最短である位置を走行中のタクシーに対して配車要求を通知する。タクシー配車センター20は、配車を完了すると、受け付け番号及び到着までの時刻をサーバ10に送信する。
【0020】
利用者は、携帯電話機100を操作して、GPS衛星50から受信した現在地(緯度、経度、高度)を示す現在地情報をサーバ10に送信することにより、候補地としての観光地の観光地情報をサーバ10から取得することができ、さらに、候補地のなかから目的地を選択することにより目的地までの経路を取得することができる。
【0021】
携帯電話機100は、本発明に係る携帯端末機に相当するものである。なお、本発明に係る携帯端末機は、現在地情報を取得可能であり、サーバと通信回線を介してデータの送受信を行うことが可能であれば、特に限定されるものではなく、例えば、パーソナル・ディジタル・アシスタンツ、上記観光経路案内システムの専用の携帯端末機等を挙げることができる。
【0022】
図2は、図1に示した携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
携帯端末機100は、操作部104、液晶パネル106、無線部110、音声回路112、スピーカ114、マイク116、送受信アンテナ118、不揮発性メモリ120、マイクロコンピュータ122、二次電池124、GPS受信部126及びGPSアンテナ128を備えている。
【0023】
無線部110は、マイクロコンピュータ122により制御されて、送受信アンテナ118を通じて電波を媒体として基地局に対して送受信する。音声回路112は、無線部110からマイクロコンピュータ122を通じて出力された受信信号をスピーカ114に出力するとともに、マイク116から出力された音声信号を送信信号としてマイクロコンピュータ122を通じて無線部110に出力する。
【0024】
スピーカ114は、音声回路112から出力された受信信号を受信音声に変換して出力し、マイク116は、操作者から発せられた送信音声を音声信号に変換して音声回路112に出力する。
【0025】
不揮発性メモリ120は、例えば、サーバ10から送信された観光地情報、経路情報等の各種データや各種プログラムを不揮発的に記憶する。
二次電池124は、各回路に電力を供給する。マイクロコンピュータ122は、CPU、ROM及びRAMから構成されたもので、例えば、電話の発着信処理、電子メールの作成送受信処理、インターネット処理等を行う。なお、電子メールの送受信及びインターネットによるデータの送受信は、マイクロコンピュータ122が無線部110及び送受信アンテナ118を介して行う。
【0026】
GPS受信部126は、GPSアンテナ128を介してGPS衛星50から携帯電話機100の現在位置(緯度、経度、高度)を示す現在地情報を受信する。
マイクロコンピュータ122は、操作部104から観光案内を開始する入力があると、GPS受信部126を駆動し、現在地情報をメモリ120に順次記憶させる。
【0027】
図3は、本発明の観光経路案内システムにおいて実行される経路案内処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。
【0028】
携帯電話機100において、携帯電話機100が備える操作部104が利用者により操作され、観光地案内を開始する旨の入力が行われると(ステップS100:YES)、マイクロコンピュータ122は、GPS受信部126を駆動して、現在地情報をGPS衛星50から取得し(ステップS101)、さらに現在地情報をサーバ10に送信する(ステップS102)。
【0029】
サーバ10は、現在地情報を受信すると(ステップS200)、観光する候補地としての観光地を選択する(ステップS201)。この処理において、サーバ10は、観光地情報データベース13を参照し、観光地の位置(緯度、経度、高度)に基づいて、受信した現在地情報が示す携帯電話機100の現在地からの距離が半径2km以内にある観光地を選択する。ステップS201の処理において、サーバ10は、携帯電話機100から現在地情報を受信する現在地情報受信手段として機能し、ステップS202の処理において、サーバ10は、候補地としての観光地を選択する選択手段として機能する。
【0030】
次に、サーバ10は、候補地として選択された観光地の観光地情報を携帯電話機100に送信する(ステップS202)。本実施形態においては、観光地情報の一部である観光地名を送信することとして説明するが、観光地情報のすべて又はその他の一部が送信されることとしてもよい。ステップS202の処理において、サーバ10は、候補地として選択された観光地の観光地情報を携帯電話機100に送信する観光地情報送信手段として機能する。
【0031】
携帯電話機100は、サーバ10からこの観光地情報を受信する(ステップS103)。
図4は、受信した観光地情報に基づいて携帯電話機100の液晶パネル106に表示される画面画像を示す図である。
図4では、サーバ10が候補地として選択した(ステップS201参照)観光地である「1.○○寺」、「2.△△神社」、「3.××公園」という観光地名が表示されていて、さらに、その下には、候補地を再検索するための「4.再検索」という文字が表示されている。これらの文字には、ハイパーリンクが設定されていて、利用者は、何れか1のハイパーリンクを選択することができる。
また、各観光地名の右側に表示されている「情報」という文字にもハイパーリンクが設定されていて、このハイパーリンクを選択すると当該観光地の付加情報(例えば、当該観光地に関する豆知識)を表示させることが可能である(図5参照)。
【0032】
ステップS104において、携帯電話機100は、利用者による目的地の選択入力、又は、候補地を変更するための検索条件の入力を受け付ける。
【0033】
ステップS104において目的地の選択入力があった場合、ステップS105において、携帯電話機100は、選択された目的地を示す目的地情報をサーバ10に送信する。
すなわち、図4に示す「1.○○寺」、「2.△△神社」、「3.××公園」の何れかの観光地が目的地として選択された場合には、携帯電話機100のマイクロコンピュータ122は、選択された目的地を示す目的地情報をサーバ10に送信する。
目的地情報とは、候補地のなかから選択された目的地としての観光地を示す情報である。
【0034】
一方、候補地を変更するための検索条件の入力があった場合、ステップS105において、携帯電話機100は、入力された検索条件を示す検索条件情報をサーバ10に送信する。
すなわち、図4に示す「4.再検索」が選択された場合には、図6に示すような、「1.半径1km以内」、「2.半径5km以内」、「3.半径10km以内」といった検索条件を入力するための選択肢(ハイパーリンクが設定された文字)が表示されるのであるが、利用者が何れかの検索条件を選択して入力すると、携帯電話機100のマイクロコンピュータ122は、選択された検索条件を示す検索条件情報をサーバ10に送信する。
検索条件情報とは、候補地を変更するための検索条件を示す情報である。
【0035】
サーバ10は、目的地情報又は検索条件情報を受信する(ステップS203)。すなわち、携帯電話機100から目的地情報が送信された場合には、該目的地情報を受信する一方、検索条件情報が送信された場合には、該検索条件情報を受信する。このとき、サーバ10が目的地情報を受信した場合は、受信した時刻をサーバ10が備える内蔵時計(図示せず)から取得する。
ステップS203において、サーバは、携帯電話機100から目的地情報を受信する目的地情報受信手段として機能するとともに、携帯電話機100から検索条件情報を受信する検索条件情報受信手段きとして機能する。
【0036】
次に、サーバ10は、検索条件情報を受信したか否かを判断する(ステップS204)。この処理において、検索条件情報を受信していたと判断した場合(ステップS204:YES)、処理をステップS201に戻す。そして、ステップS201においては、この検索条件情報に基づいて再度候補地としての観光地が選択されることになる。
すなわち、例えば、検索条件情報が「半径10km以内」といった検索条件であれば、サーバ10は、観光地情報データベース13を参照し、受信した現在地情報が示す携帯電話機100の現在地からの距離が半径10km以内にある観光地を選択することになる。
一方、検索条件情報を受信していないと判断した場合(ステップS204:NO)、処理をステップS205に移す。
【0037】
ステップS205において、サーバ10は、目的地までの経路を決定する。
この処理において、サーバ10は、地図情報データベース12を参照し、受信した現在地情報(ステップS200参照)が示す現在位置に基づいて、現在地から最寄りにある駅を検索し、最寄り駅までの経路及び移動に要する時間を算出する。
次に、地図情報データベース12を参照し、受信した目的地情報(ステップS203参照)に応じた観光地情報が示す目的地の最寄りにある駅を検索し、目的地から当該駅までの経路及び移動に要する時間を算出する。
次に、経路情報データベース11に記憶されている時刻表を参照し、目的地情報を受信した(ステップS203参照)時刻に基づいて、現在地の最寄り駅から目的地の最寄り駅までの経路(乗り換えを含む路線)、所要時間及び運賃を算出する。
そして、得られたこれらの経路、所要時間、運賃を合算し、現在地から目的地までの候補となる経路情報としてサーバ10の一時記憶手段(例えば、RAM等)に記憶する。
最寄り駅が複数ある場合(例えば、半径1km以内に複数の駅がある場合)には、この処理を夫々の駅に対して行い、得られた経路、所要時間、運賃を、候補となる経路情報としてサーバ10の一時記憶手段に記憶する。
また、サーバ10は、地図情報データベース12を参照し、目的地の位置と現在位置とに基づいてその距離を割り出し、現在地から目的地までタクシーを利用した場合の目安となる所要時間及び運賃を算出し、候補となる経路情報としてサーバ10の一時記憶手段に記憶する。
また、この経路情報には、現在地から目的地としての観光地までの地図データや、目的地情報を受信した(ステップS203参照)時刻と経路情報データベース11に記憶されている時刻表とに基づいて算出された、次の電車が発車するまでの時刻を示す時刻データ等が含まれている。
経路情報とは、現在地から目的地としての観光地までの経路に関する情報をいい、現在地から目的地までの経路(目的地までの順路)、所要時間、交通機関の運賃、現在地から目的地までの地図データ、次の交通機関(例えば、電車等)が発車するまでの時刻を示す時刻データ等を含む情報である。
ステップS205の処理において、サーバ10は、現在地から目的地としての観光地までの経路を決定する経路決定手段として機能する。
【0038】
次に、サーバ10は、決定した複数の経路のうち、どの交通機関を利用する経路を利用するかを選択するための交通機関選択情報を携帯電話機100に送信する(ステップS206)。
【0039】
携帯電話機100は、交通機関選択情報をサーバ10から受信する(ステップS106)。
図7は、受信した交通機関選択情報に基づいて携帯電話機100の液晶パネルに表示される画面を示す図である。
図7では、サーバ10が決定した経路(ステップS205参照)に基づいた交通機関名と最寄りの駅名が表示されている。これらの文字には、ハイパーリンクが設定されていて、利用者は、何れか1のハイパーリンクを選択することができる。
また、各交通機関名の下側には、目的地までの所要時間、当該交通機関を利用した場合の運賃、最寄り駅までの距離が表示されている。
【0040】
ステップS107において、携帯電話機100は、利用者による交通機関の選択入力を受け付ける。
【0041】
ステップS107において交通機関の選択入力があると、携帯電話機100は、選択された交通機関に係る経路情報を要求する要求情報をサーバ10に送信する(ステップS108)。
すなわち、図7に示す「1.A鉄道(B駅)」、「2.Cバス(Dバス停)」、「3.タクシー」の何れかの交通機関が選択された場合には、携帯電話機100のマイクロコンピュータ122は、選択された交通機関に係る経路情報を要求する要求情報をサーバ10に送信する。
【0042】
サーバ10は、要求情報を携帯電話機100から受信すると(ステップS207)、受信した要求情報に応じた経路情報を携帯電話機100に送信する(ステップS208)。とくにステップS207において、「3.タクシー」に係る経路情報を要求する要求情報を受信した場合には、サーバ10は、タクシー配車センター20に対して現在地情報(ステップS200参照)が示す場所にタクシーの配車要求を行い、受け付け番号及び到着までの時刻をタクシー配車センター20から受信した後、これらを経路情報として携帯電話機100に送信する。
ステップS208の処理において、サーバ10は、経路情報を、携帯電話機100に送信する経路情報送信手段として機能する。
【0043】
携帯電話機100は、サーバ10から経路情報を受信する(ステップS109)。
例えば、ステップS107において図7に示す「1.A鉄道(B駅)」のように公共交通機関が選択された場合には、携帯電話機100の液晶パネル106には、図8に示すように、最寄り駅までの地図又は目的地までの地図を表示させる選択入力を受け付ける画面が表示され、例えば、「1.最寄り駅までの地図」が選択された場合には、図9に示すように、現在地を示す星印とB駅とを示す地図が経路情報として液晶パネル106に表示される。さらにその下側には、目的地情報を受信した(ステップS203)時刻と経路情報データベース11に記憶されている時刻表とに基づいて算出された、次の電車が発車するまでの時刻を示す経路情報としての「発車まで、あと5分です。」という文字が表示される。
このように、ステップS107において交通機関として公共交通機関が選択された場合には、経路情報として地図データや次の電車が発車するまでの時刻データが送信される。
【0044】
一方、例えば、ステップS107において図7に示す「3.タクシー」が選択された場合には、携帯電話機100の液晶パネル106には、例えば、図10に示すように、経路情報として受け付け番号及び到着までの時刻が表示される。
このように、ステップS107において交通機関としてタクシーが選択された場合には、経路情報として受け付け番号及び到着までの時刻データが送信される。
【0045】
本実施形態においては、経路情報として地図データや次の電車が発車するまでの時刻データ、又は、タクシーの受け付け番号及び到着までの時刻データが携帯電話機100に送信される場合について説明したが、本発明において携帯電話機100に送信される経路情報は、経路に関する情報であればどのような情報であってもよい。
【0046】
以上、本実施形態に係る観光経路案内システムによれば、利用者が所持する携帯電話機100の現在地を示す現在地情報に基づいて、複数の少なくとも観光地の位置を示す観光地情報のなかから、現在地からの距離が2km以内である観光地が候補地として選択され、選択された観光地の観光地情報が利用者の携帯電話機100に送信される。
このようにして利用者の携帯電話機100に送信された観光地情報は、現在地からの距離が2km以内である観光地の観光地情報であり、利用者が訪れるのに適当な観光地の観光地情報であるため、利用者は、送信された観光地情報のなかから訪れたい観光地を探し出して選択することができる。
また、利用者の操作によって、候補地としての観光地のなかから選択されて送信された目的地情報に応じた観光地情報と、現在地情報とに基づいて、現在地から目的地としての観光地までの経路を示す経路情報が利用者の携帯電話機100に送信される。このように、利用者が目的地情報を送信すると、現在地から目的地としての観光地までの経路情報が利用者の携帯電話機100に送信されるため、利用者は、現在地から観光地までの経路を簡便な操作で容易に知ることができる。
このように、本実施形態に係る観光経路案内システムによれば、訪れるのに適当な観光地を探し出すことができ、その観光地までの経路を簡便な操作で容易に知ることができるため、利用者は充分に観光を楽しむことが可能となる。
【0047】
また、本実施形態に係る観光経路案内システムによれば、観光地情報を受信し、利用者の操作によって、候補地を変更するための検索条件が入力された際に携帯電話機100から送信される検索条件情報を受信したとき、現在地情報に基づいて、複数の観光地情報のなかから、現在地との関係が検索条件を満たす候補地としての観光地を選択する。すなわち、利用者は、観光地情報を受信した際、候補地を変更するための検索条件を入力すると、現在地との関係が検索条件を満たす候補地としての観光地の観光地情報が利用者の携帯電話機100に送信される。従って、利用者は、利用者の目的に応じた検索条件を入力して候補地を再検索することができるため、利用者が訪れたい観光地を探し出すことができる。
【0048】
本実施形態においては、現在地からの距離が半径2km以内にある観光地を候補地として選択する場合について説明したが、本発明における所定の条件は、この例に限定されず、同一市町村内であること、現在地から移動するために必要な時間が所定時間以内(例えば、1時間以内)であること等であってもよい。
現在地から移動するために必要な時間が所定時間以内である候補地を選択する場合、現在地から最寄り駅までの移動時間、最寄り駅での交通機関の待ち時間、最寄り駅から利用する交通機関での移動時間、候補地となる観光地から当該観光地の最寄り駅までの移動時間等を合算することにより、所定時間以内である候補地を選択することが可能である。
【0049】
また、本実施形態においては、候補地を変更する際、検索条件を入力するための選択肢のなかから選択する場合について説明したが、本発明における検索条件の入力方法は、この例に限定されず、例えば、距離、時間、キーワード等を直接入力することとしてもよい。
【0050】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施形態に係る観光経路案内システムの一例を示すネットワーク構成図である。
【図2】図1に示した携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の観光経路案内システムにおいて実行される経路案内処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。
【図4】携帯電話機の液晶パネルに表示される画面画像を示す図である。
【図5】携帯電話機の液晶パネルに表示される画面画像を示す図である。
【図6】携帯電話機の液晶パネルに表示される画面画像を示す図である。
【図7】携帯電話機の液晶パネルに表示される画面画像を示す図である。
【図8】携帯電話機の液晶パネルに表示される画面画像を示す図である。
【図9】携帯電話機の液晶パネルに表示される画面画像を示す図である。
【図10】携帯電話機の液晶パネルに表示される画面画像を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1 観光経路案内システム
10 サーバ
11 経路情報データベース
12 地図情報データベース
13 観光地情報データベース
20 タクシー配車センター
30 観光地管理施設端末機
40 インターネット
50 衛星
100 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも観光地の位置を示す観光地情報を複数記憶する記憶手段と、
利用者が所持する携帯端末機の現在地を示す現在地情報を、該携帯端末機から受信する現在地情報受信手段と、
前記現在地情報受信手段が受信した現在地情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された複数の観光地情報のなかから、前記携帯端末機の現在地との関係が所定の条件を満たす候補地としての観光地を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された観光地の観光地情報を、前記携帯端末機に送信する観光地情報送信手段と、
前記観光地情報送信手段から観光地情報を受信した携帯端末機に対して、利用者の操作によって、該観光地情報が示す候補地としての観光地のなかから、目的地を選択する旨の指示が入力された際に該携帯端末機が送信する目的地情報を、該携帯端末機から受信する目的地情報受信手段と、
前記目的地情報受信手段が目的地情報を受信した際、該目的地情報に応じた観光地情報と前記現在地情報受信手段が受信した現在地情報とに基づいて、現在地から目的地としての観光地までの経路を決定する経路決定手段と、
前記経路決定手段により決定された経路を示す経路情報を、前記携帯端末機に送信する経路情報送信手段と
を備えたことを特徴とする観光経路案内システム。
【請求項2】
前記選択手段は、前記現在地情報受信手段が受信した現在地情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された複数の観光地情報のなかから、前記携帯端末機の現在地から所定範囲内にある観光地を選択することを特徴とする請求項1に記載の観光経路案内システム。
【請求項3】
前記観光地情報送信手段から観光地情報を受信した携帯端末機に対して、利用者の操作によって、候補地を変更するための検索条件が入力された際に該携帯端末機が送信する検索条件情報を、該携帯端末機から受信する検索条件情報受信手段を備え、
前記選択手段は、前記携帯端末機から検索条件情報を受信したとき、前記現在地情報受信手段が受信した現在地情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された複数の観光地情報のなかから、前記携帯端末機の現在地との関係が前記検索条件を満たす候補地としての観光地を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の観光経路案内システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−292550(P2006−292550A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−113912(P2005−113912)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】