試料を検査するための装置および対物光学系
【課題】フォトマスクなどの試料についての望まれない粒子や、パターンきず等の検査するためのデザインを提供する。
【解決手段】このシステムは、開口(絞り)およびフーリエフィルタリングのための外部瞳がなく、比較的緩い製造公差を提供し、ブロードバンド明視野やおよびレーザ暗視野イメージングおよび波長365nm以下における検査に適する。使用されるレンズは単一の材料を用いて形成または構成される。少なくとも1つの小さな折り返しミラー(304)およびマンジャンミラー(306)を含んでいる。第2の戻りイメージが第1のイメージから横方向にずれるように軸をはずして構成される。これによって、受光を許容する横方向分離および各イメージを別々に操作することが可能になる。
【解決手段】このシステムは、開口(絞り)およびフーリエフィルタリングのための外部瞳がなく、比較的緩い製造公差を提供し、ブロードバンド明視野やおよびレーザ暗視野イメージングおよび波長365nm以下における検査に適する。使用されるレンズは単一の材料を用いて形成または構成される。少なくとも1つの小さな折り返しミラー(304)およびマンジャンミラー(306)を含んでいる。第2の戻りイメージが第1のイメージから横方向にずれるように軸をはずして構成される。これによって、受光を許容する横方向分離および各イメージを別々に操作することが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的に光学イメージングの分野に関し、特に明視野および暗視やイメージングに適用されるカタディオプトリック光学システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この出願は、1996年7月22に出願の米国出願08/681,528「ブロードスペクトル紫外線カタディオプトリックイメージングシステム」の一部継続出願であり継続中の1997年8月7日出願の米国出願08/908,247「広範囲ズーム可能なウルトラブロードバンドUVマイクロスコープイメージングシステム」の一部継続出願である1998年3月24日出願の米国出願09/908,814「マルチモードイメージングのための高NAシステムの一部継続出願である。
【0003】
(関連技術の記載)
部分的に形成された集積回路またはフォトマスクなどの欠陥を見つけるために目的物の表面を検査する多くの光学的電子的システムが存在する。欠陥は、回路やフォトマスクの表面上にランダムに位置する粒子の形態や、スクラッチ(ひっかき傷)、プロセスバリエーションなどの形をとる。種々のイメージング技術が、このような欠陥の表面検査を行うために用いられており、各技術が欠陥のタイプに従って、異なった利点を有する。
【0004】
欠陥の検出について2つのよく知られたイメージング技術は、明視野イメージングと暗視野イメージングである。明視野イメージングは、顕微鏡システムにおいてよく利用される。明視野イメージングの利点は、生成されたイメージがすぐに識別できることである。イメージのサイズは、目的物のサイズに光学システムの倍率を乗算したサイズに正確になる。明視野イメージングは、イメージ比較およびコンピュータを利用した対象物比較のためのアルゴリズムプロセス、欠陥検出および分類とともにより容易に利用できる。
【0005】
暗視野イメージングは、目的物の表面における不規則性の検出に成功裡に用いられている。暗視野イメージングの利点は、平坦な鏡のような領域は、非常に少ない光を検出器に向けて散乱し、暗いイメージを生じることである。どのような表面の特徴や、対象からの突出物は、光を検出器に向けて散乱する。これによって、半導体ウエハのような対象の検査においては、暗視野イメージングは、暗い背景上に、特徴(造作)、粒子、その他の不規則性のイメージを生成する。
【0006】
暗視野イメージングの1つの利点は、これによって、光を散乱する小さな形状により大きな信号が得られることである。この大きな信号は、暗視野イメージングによりより小さな対象の形状を検出でき、明視野イメージングより高速の対象の検査が行えることである。他の利点は、フーリエフィルタリングが繰り返しパターン信号の最小化のために用いることができ、欠陥信号に対する雑音の比(SN比)を改善できることである。
【0007】
多くの暗視野イメージング技術は、異なるタイプの欠陥の検出を向上するために開発されている。これらの技術は、特定の照明機構や収集機構を、対象によって散乱されたり分散された光が最高の信号を提供するよう構成する。いくつかの光学システムは、異なる暗視野イメージング技術であって、レーザ方向性暗視野、二重暗視野、中央暗背景、およびリング暗視野を含む。
【0008】
明視野または暗視野イメージングのいずれを採用したときであって、300nm〜400nmの紫外レンジや、200〜300nmの深紫外線レンジ(ディープUVまたはDUV)、または100〜200nm(真空UVまたはVUV)の短波長照明を利用することが好ましい場合が多い。明視野イメージングにおいて、短波長照明は、より小さな対象の形状の検出がを可能とする解像度の向上が得られる。暗視野イメージングために、短波長照明照明により、散乱信号を大きく増加させ、より小さな対象の検出を可能として検査スピードを上昇し、また照明電力における要求を減少させることができる。さらに、明視野および暗視野イメージングは、短波長において材料の吸収および反射における変化の利益を得る。この異なる材料の短波長における吸収および反射の変化は、これら異なる材料の同定を助けることができる。また、多くの材料は、大きく増加する吸収をDUVおよびVUVの波長に有している。増加した吸収は、下方層の反射干渉を最小化することによって、半導体ウエハの検査などの上表面の光学的検査を改良を助ける。
【0009】
明視野および暗視野イメージングをサポートする光学システムは、ある限定されたスペクトルの帯域幅または波長レンジにわたる修正を必要とする。異なる波長は、分散分光(dispersion)として知られている異なるガラスインデックスを有するため、修正は必要である。従来のデザインでは、通常2つまたは3つのガラスタイプを用い、分散・分光の影響を補償する。これらの分散分光の影響についての補償は、カラーコレクション(色修正)と呼ばれる。UV、DUV、VUV波長レンジにおいて、カラーコレクション、より難しい。短波長において、ガラスの分散分光は非常に大きくなり、また修正することが難しい。さらに、短波長においては、非常に少ないガラス材料が修正に使用できる。
【0010】
365nmより短い波長において、非常に少ないガラス材料が高い透過性を有する。これら材料は、典型的に、シリカ、CaF2、MgF2、LiF2が含まれる。これら材料について、ハイエンドの光学システムにおいてに使用にはシリカが最も望ましい。シリカは、硬いガラスで低い熱膨張で、複屈折がなく、高いUVダメージしきい値(耐UV性)を有し、湿度の影響を受けにくい。CaF2、MgF2およびLiF2は、ヤン室ガラスであり、磨く(ポリッシュ)が難しく、高い熱膨張、いくらかの複屈折を有し、かつ湿度の影響を受けやすい。これらフッ素系ガラスでは、CaF2が光学ガラスとしての使用に最も望ましい。
【0011】
UV、DUV、VUV光学システムにおいて、使用するガラス材料の数を減少することは、色収差(color aberration)を修正するためには特別なチャレンジを必要とする。これは、特にシリカおよびCaF2が非常に大きな分散分光を生じるVUV波長レンジでの場合に正しい。非常に短い波長において、狭スペクトル帯域幅であっても、数多くの色収差の修正が必要となる。いくつかの重要な色収差は、第1および第2軸カラー、第1および第2横方向(ラテラル)から0、球面収差の色変化(クロマティックバリエーション)、コマの色変化(クロマティックバリエーション)を修正することを含む。
【0012】
例えば、157nmの波長において、CaF2が、高い透過性を有し、複屈折、水溶解、機械的な柔らかさについて大きな問題がない唯一の適性を有するガラス材料である。カラー修正のスタンダードは不可能である。なぜなら他のガラス材料が使用できないからである。
【0013】
現在利用できるシステムの他の問題は、このようなシステムが比較的短い間隔を光学システムと検査される表面の間に比較的短い間隔(ワーキングディスタンス)を有することである。フォトマスクの検査は、ワーキングディスタンスとして、イメージングシステムは、約6mmより大きいことが要求される。フォトマスク上に保護用の半透過フィルム(protectve pellicle)が存在するからである。長いワーキングディスタンスは、レーザ暗視野検査環境において望まれる。長いワーキングディスタンスを有するイメージングシステムは、対象の外側から表面を検査する照明を直接行うことを可能とする。典型的な環境下において、ワーキングディスタンスは、一般的に望まれる特性を有するためには4mmより大きい。なお、ワーキングディスタンスは、8mmより大きいことが好ましい。
【0014】
さらに、高開口数(NA:numerical aperture)により、高解像度のイメージングおよび大きな立体角の集光(コレクト)が可能となる。開口数0.8を達成することが望まれる。これは、垂直方向から53度の表面についての集光角に対応する。
【0015】
現在利用できるシステムにおけるさらなる問題は、相対的に高いNAシステムが存在するが、中心戻り光線は、開口数および他の光学的成分により暗くなる。このような中心が暗いと、イメージからの低周波数情報がとれず、望ましくない。
【0016】
また、現在利用できるシステムでは、内部瞳平面を含んでいる。この内部瞳平面を含むのは好ましくない。なぜなら、このシステムはアパーチャリング(開口)をすぐにサポートできないからである。特に、開口の形状の変化およびフーリエフィルタリングをサポートできない。
【0017】
最後に、現状のシステムは、フィールド(視野)サイズに限界がある。大きなフィールド(視野)サイズは、エリアイメージングにおいて重要なときがよくある。また、大きなフィールドサイズは、半導体ウエハやフォトマスクなどのための高速の検査を可能とする。フィールドサイズは、典型的には、収差のラテラルカラーおよびクロマティックバリエーション等によって限定される。収差修正は、色(クロマティック)修正、大きなスペクトル帯域幅、高開口数(NA)、長いワーキングディスタンス(作業距離)、中心の暗さがないこと、および外部瞳平面を組み合わせられるとき特に困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第5,717,518号明細書
【特許文献2】米国特許第5,052,763号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0736789号明細書
【0019】
2つの先行特許に、このタイプのイメージングをサポートする高開口数カタディオプトリックシステムが示されている。これらの特許は、シャファー他(Shafer el. al.)の米国特許第5,717,518号、およびチャン他(Chuang et.al.)の米国特許出願09/046,814号であり、両者ともKLA・テンコー(KLA−Tencor)コーポレーションに譲渡されており、全体が本出願に参考として取り得られる。
【0020】
米国特許5,717,518号には、高NA、ウルトラブロードバンドUVイメージングに用いられる装置が記載されている。この’518特許は、ブロードバンド明視野および多波長暗視野イメージングのための0.9NAシステムを提供する。この’518システムは、単一のガラス材料を用いた高度のクロマティック修正を有する。さらに、修正は、2つのガラス材料を用いることも可能である。この’518システムは、無色のフィールド(色消し:achromatized field)レンズグループを用いて2次およびより高次のラテラルカラーを修正する。このデザインは、限定されたワーキングディスタンス、中心が暗いこと、内部瞳、および相対的に厳しい製造公差といういくつかの限定がある。この手法におけるレーザ暗視野照明のための最初の方法は、レーザを球形ミラー素子の穴または開口(アパーチャー)を介し直接照射していた。このタイプの照明は、装置化するのが非常に複雑である。
【0021】
米国特許出願09/046,814には、ウルトラ高NA、狭帯域UVイメージングおよび多レーザ暗視野イメージング技術を組み合わせて単一の光学システムに取り込んだ装置が示されている。このデザインは、単一波長であり、開口数0.99までで動作する。この’814出願は、レーザ暗視野検査において理想的に利用される。しかし、いくつかの限定がある。すなわち、比較的狭いワークディスタンス、中心が暗い、狭い帯域幅、および相対的に小さい製造公差を有している。
【0022】
他のカタディオプトリックシステムが半導体リソグラフィーにおける利用のために開発されている。これらのシステムは、レジストがコートされたウエハ上に減少された倍率でフォトマスクをイメージングするためにデザインされている。2つの先行特許には、高開口数カタディオプトリックシステムであって、このイメージングをサポートするものが記載されている。特に、シン他(Singh et; al.)の米国特許5,052,763およびタカハシのヨーロッパ特許公開EP0736789−A2に示されている。
【0023】
’763特許には、カタディオプトリックシステムであって、高開口数イメージングに利用するものが示されている。この光学システムは、実質的に平坦なイメージフィールドを半導体リソグラフィーで要求される広いエリアわたって形成するようにデザインされている。このデザインは、入力光学システムにカーブしたフィールドを有するもの、カタディオプトリックリレーシステム、およびフィールドの曲率およびいくつかのものクロマティック収差をを修正する出力光学システム、を利用する。’763のデザインの限定は、限定されたワーキングディスタンスを有すること、内部瞳、狭帯域、内部ビームスプリッタ、およびきつい製造公差である。
【0024】
タカハシのヨーロッパ公開は、カタディオプトリックシステムであって高開口数のものである。この光学システムは、ウエハまで長距離とするために必要とされるカタディオプトリックミラー要素の直径を減少するようにデザインされている。タカハシのデザインは、内部瞳、多ガラス材料を用いる狭い帯域幅、およびきつい製造公差を有している。
【0025】
従って、明視野および暗視野表面検査を行うシステムであって、イメージ収差、イメージ収差のクロマティックバリエーション、広いスペクトルレンジに渡っての残留(二次およびさらに高次)横方向カラーイメージ収差を含む長手方向(軸方向)色および横方向色収差を修正する対物系を有するものを提供する。このようなシステムは、相対的に安価で、通常の環境で容易に運転できるべきである。また、これらシステムは、相対的に長いワーキングディスタンス、大きなフィールドサイズ、緩い製造公差を提供すべきである。このようなシステムは、UV、DUVまたはVUV波長、で動作し、高い開口数を有し、中心が暗くなく、アクセス可能な瞳平面を有するべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は、ブロードバンド明視野およびレーザ暗視野イメージングおよび検査の両方を好適にサポートするシステムを提供することを目的とする。
【0027】
また、本発明は、最小の数のガラスタイプ(単一ガラスタイプでもよい)を用いて高度の色修正(クロマティックコレクション)を行えるシステムを提供することを他の目的とする。
【0028】
さらに、本発明は、光学システムと検査表面の間の比較的長いワーキングディスタンス、高開口数を有し、中心が暗くないシステムを提供することを目的とする。
【0029】
さらに、本発明は、アパーチャリングおよびフーリエフィルタリングをサポートする外部瞳平面を有するシステムを提供することを目的とする。
【0030】
さらに、この発明は、相対的に緩い公差を有し、製造が比較的安く行えるシステムを提供することを目的とする。
【0031】
このような本発明の目的および他の目的は、カタディオプトリックシステムの個別の構成要素を光線と正確に予め決定されたマナー(方式)で、作用するように正しく構築することによって達成される。本発明は、カタディオプトリックシステム方法および装置であって、光学イメージングおよび検査のためのものである。ここに記載されるデザインアプローチは、基本的に365nm以下の波長における明視野および暗視野イメージングおよび検査に適している。多くの例において、このシステムにおいて利用するレンズは、フッ化カルシウムまたは融解シリカのような単一材料を用いて構成または製造される。
【課題を解決するための手段】
【0032】
第1の態様では、本カタディオプトリックシステムは、フォトマスク検査のための装置である。この態様においては、照射照明光学系または反射照明光学系のような光学要素と、長い距離のカタディオプトリックイメージング対物系、イメージ形成光学系および検出器から構成される。
【0033】
第2の態様では、この光学システムは、レーザ暗視野検査のための装置である。この装置は、レーザ照明要素などの照明光学系、長いワーキングディスタンスのカタディオプトリックイメージング対物系、外部瞳平面におけるフーリエフィルタまたはアパーチャイ、メージ形成光学系および検出器から構成される。いくつかの使いの態様の光学装置は、以下の詳細な説明で記載する。2つの基本的なカタディオプトリック対物系デザインアプローチは、これらの実施例で採用されている。2つのアプローチは、収差修正のためのマルチ内部イメージの利点を有し、また中心が暗いくないデザインが得られるという利点がある。第1のデザインアプローチでは、折り返し可能な反射レンズミラー要素が用いられる。例えば、光学軸が主反射要素の光学軸に対しある角度を有する。第2のデザインアプローチでは、反射レンズミラー要素は、光学軸が主反射要素の光学軸に対しほぼ一致した角度を有する。いずれのデザインアプローチにおいても、スペクトル帯域幅193nmで単一のガラス材料を用いた場合に、少なくとも1nmを修正できる。このデザインは、また157nmのスペクトル帯域幅の0.5nmを修正できる。さらに、第2ガラス材料の追加は、スペクトル帯域幅を増大させる。例えば、193nmにおいて、スペクトル帯域幅は、シリカおよびCaF2ガラスを用いることにより10nm以上増加できる。
【0034】
第2のデザインアプローチは、マンジャンミラーの光学軸が屈折成分の光学軸と一致またはほぼ一致する。このデザインは、比較的緩い製造公差を提供し、デザインの柔軟性を増加させる。
【0035】
イメージ形成光学系は、第1および第2の態様において、非常に重要である。2つの取りうるデザインオプションが、イメージ形成光学系として利用できる。これら2つのオプションは、デュアルモーション(二重動作)のヴァリフォーカル(可変焦点)ズームと、シングルモーション光学的補償ズームである。両ズームオプションは、第1および第2の態様において便利な倍率のレンジを提供する。これらのズームオプションは、ここに述べるカタディオプトリック対物アプローチと組み合わせることにより高品質のイメージ提供できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明により、いくつかの追加の利点が得られる。第1に、このデザインは、角レンズに単一のガラスタイプを使用して構成することができる。従って、イメージシステムの製造をブロードバンドUV、DUV、VUVへの適用のために単一の最高の屈折物質を利用して行える。
【0037】
本発明の他の大きな利点は、第1、第2および高次のフォーカスにおける色変化および第1、第2および高次のラテラル色修正を修正する能力を含むこと、さらに球面、コマ、非点収差のような収差のクロマティックバリエーションを修正を行えることである。
【0038】
さらに、本発明によれば、広帯域、長いワーキングディスタンス、高開口数、および大きいフラットフィールドにより卓越した動作が得られることである。
【0039】
ここにおいては、本発明の重要な特徴について広く説明した。これは、以下の詳細な説明の理解を助けるためである。また、現在の各種技術を組み合わせることができる。本発明の目的および利点は、以下の詳細な説明および図面から当業者により明らかになるである。
【0040】
当業者は、本発明の目的を達成するための他の構成を本出願に記載のコンセプトから容易に導き出すことができるであろう。この発明の精神および範囲から離れない均等な構成は本発明の記載に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】波長365nm以下における光学イメージングおよび明視野およびリング暗視野検査の方法を示す図である。
【図2】波長365nm以下におけるレーザ暗視野を用いた光学イメージングおよび検査の方法を示す図である。
【図3】単一のガラス材料を利用する折り返し0.7NAカタディオプトリック対物系の例を示す図である。
【図4】マンジャンミラーに送出された光線およびマンジャンミラーから受光した光線のラテラル分離の効果を示す図である。
【図5】0.7NA、長いワーキングディスタンス、融解シリカのみを用いたを暗くないデザインの狭帯域収差修正を提供するデザインの態様を示す図である。
【図6】シリカおよびフッ化カルシウムを使用してシステムの帯域幅をさらに広げた折り返し0.7NAカタディオプトリック対物系を有する本発明の態様を示す図である。
【図7】単一のガラス材料を用いたインラインまたはストレートの0.7NAカタディオプトリック対物系を有する本発明の態様を示す図である。
【図8】フッ化カルシウムから構成されたレンズを用いて、波長157nmにおいて最適な本発明の態様を示す図である。
【図9】2つのガラス材料を用いて修正バンド幅を193nmから203nmに拡大した補発明の態様を示す図である。
【図10】バリフォーカル2モーションズームを用いたイメージ形成光学系の態様を示す図である。
【図11】バリフォーカルズームを用いて3つの異なる倍率を可能とした図である。
【図12】単一モーション光学的補償ズームを用いたイメージ形成光学系の態様を示す図である。
【図13】光学的補償ズームを用いた3つの異なる倍率を可能とした例である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1に、本発明の第1の実施の形態を示し、第1の実施の形態は、明視野又はリング暗視野検査方法を含む。この方法は、フォトマスク又はウェーハ検査に特に適しており、透過照明源101又は反射照明源105などの照明光学系と、長作用距離のカタディオプトリック結像対物レンズ102と、像(イメージ)形成光学系103と、検出器104と、を含む。ウェーハ検査の場合、反射光照明のみが必要とされる。長作用距離のカタディオプトリック対物レンズ及び像形成光学系の設計が、365nm以下の波長におけるフォトマスクの検査を可能にする技術である。単一の材質及び2つの材質を使う、このフォトマスク検査方法をサポートする光学設計は、実施の形態3から10として開示される。光学系及び検出器は全て、後に詳しく説明するように、照明の波長及びスペクトル帯域に対して、注意深く設計され、最適化される。
【0043】
異なる照明源をこの設計で用いてもよく、また異なる照明源が、透過光照明101及び反射光照明105に組入れられてもよく、また、実施の形態3から10の設計及び図3から図13に関する設計と共に組入れられてもよい。これらの光源は、レーザ及びランプを含むが、これらに限定されるものではない。365nm以下の波長では、アルゴン(364nm、351nm、333nm、275nm)、周波数変換レーザ(351nm、266nm、213nm)、ヘリウムカドミウム(325nm)、塩化キセノンエキシマ(308nm)、フッ化クリプトンエキシマ(248nm)、フッ化アルゴンエキシマ(193nm)、フッ素(157nm)、及びアルゴンエキシマ(128nm)を含む、多くの異なるレーザが利用可能である。これに加え、異なる波長のレーザが、周波数混合技法を使い、可能である。水銀キセノン(365−220nm)、カドミウムランプ(210−220nm)、重水素(deturium)(150−190nm)や、様々なエキシマランプなどの、多くの異なるランプ源が利用可能である。これらの源は、非常に異なるスペクトル帯域を有する場合がある。例えば、狭くされていないエキシマレーザ、帯域フィルタを有するランプ、又は周波数変換レーザのそれぞれが、1nm帯域又はそれ以下の光を生成できる。濾波されていないランプ又は、アーク灯、エキシマランプ、又は重水素ランプなどの、より大きな帯域フィルタを有するランプもまた、1nmより大きな帯域を有する、可能な源である。193nm及び157nmの波長で利用可能な光源は、比較的少ない。これらの光源のうち、エキシマレーザが、高速フォトマスク検査をサポートするために必要な輝度を有する。
【0044】
図1に示す実施の形態で使われる照明は、透過光源101で示すように透過光であってもよく、又は反射照明源105で示すように反射光であってもよく、又はその両方であってもよい。照明はまた、リング暗視野結像に必要なもののように、リング形式であってもよい。例えば、このリング照明は、リング形状の開口部を、照明システム内に位置する瞳平面(pupil plane)において、又はその近辺に配置することにより、得ることができる。この開口部は、瞳の光学軸近くの小さな照明角を妨げ、瞳の光学軸から離れる高い照明角を可能にする。このリングは好適には、カタディオプトリック対物レンズ又は像形成光学系の、同様のリングと一致されるべきであり、これにより、像においては、照明リングからの全ての光線が妨げられる。
【0045】
反射照明源の場合、システムによってビームスプリッタ/反射装置106が用いられることに留意されたい。透過照明源101を使う透過照明の場合、フォトマスク107は、透過照明源101と対物レンズ102との間に配置される。
【0046】
透過光のための照明システムは好適には、コンデンサ対物レンズを用いる。コンデンサ対物レンズの目的は、名目上、ウェーハ又はフォトマスク上の結像領域と同じ大きさの領域を照らすことである。コンデンサ対物レンズは、照明のためのみに使われるため、高い光学品質は必要とされない。このような対物レンズは、本発明によって提供されるカタディオプトリック対物レンズの性能を低減したものであってもよく、又は、単純に全屈折設計であってもよい。このような設計は、当業者には、本開示の提示により、達成可能である。反射光のための照明は、ビームスプリッタを使い、標準の顕微鏡と同様に実施される。
【0047】
長作用距離の結像対物レンズ102は、図3から図13に図示する、第3から第8の実施の形態で説明されるレンズ配列を含む。フォトマスク検査のために、これらの設計はいくつかの基本的な必要要件を満たすべきである。対物レンズ作用距離は、6mmより大きく、これにより、鋼線を保護するペリクルと干渉しないようにする。対物レンズは好適にはまた、照明源の帯域における収差に対してうまく修正されているべきである。利用可能な照明源の多くは、標準の種類の、単一材質の全屈折対物レンズ設計から得られる1−2nmの帯域よりも大きな帯域を有する。一例として、典型的に、1nm付近のスペクトル帯域を有する、狭くされていないエキシマレーザが挙げられる。第3から第8の実施の形態におけるカタディオプトリック設計は、この問題を取り扱う。
【0048】
対物レンズはまた、比較的大きな視野に対して結像する能力を有するべきである。大きな視野及び高いデータ取得速度は、フォトマスクの検査を可能な限り速くするために最も重要なことである。
【0049】
像形成光学系103は、照明源及びカタディオプトリック結像対物レンズのスペクトル帯域に対して修正される。像形成光学系103はまた、フォトマスク検査環境で必要とされる様々な拡大率が可能である。像形成光学系103及びカタディオプトリック対物レンズ102は、それぞれ及び一緒に、収差に対して完全に修正されていてもよい。このような収差の修正は、像形成光学系103及びカタディオプトリック対物レンズ102を別個の装置としてテストすることを可能にする。この代わりに、収差の修正は、カタディオプトリック対物レンズ102及び像形成光学系103に共有されてもよい。一般的には、共有収差修正のための光学設計は製作が簡易である場合があるが、像形成光学系及びカタディオプトリック対物レンズのテストは、より複雑である場合がある。
【0050】
像形成光学系又はカタディオプトリック対物レンズはこの代わりに、リング暗視野結像で必要とされるように、瞳平面において又はその近辺で、リング開口部を含むこともできる。この開口部は、照明の同様の開口部に対応し、全ての直接的な照明光が検出器に届くことを妨げるべきである。よって、照明開口部は、透過リングであり、結像開口部は、対応する不透明リングである。
【0051】
明視野結像及びリング暗視野結像の組合せもまた可能である。明視野及び暗視野は、一般的にこの分野で知られているように、別個の検出器上で組み合わされてもよく、又は同時に又は交互に、同一の検出器において組み合わされてもよい。明視野及び暗視野結像が同時に同一の検出器上で実行される場合、光エネルギの相対強度及び位相が、照明及び結像における適切な開口部によって訂正されてもよい。
【0052】
検出器104は好適には、検査システムで使われる高いデータ速度が可能な高速検出器である。検出器104は、一点ダイオードタイプの検出器であってもよく、又はCCD又は時間遅延及び集積(TDI)モードで動作中のCCDなどの面タイプの検出器であってもよい。理想的にはこの検出器は、高い量子効率、低ノイズ、及び、良い変調転送関数(modulation transfer function)(MTF)を有する。裏面が薄くされたCCDセンサが特に、この目的に適している。
【0053】
第2の実施の形態は、365nm以下におけるレーザ暗視野検査の方法であり、この実施の形態を図2に示す。図2に示す実施の形態は、特に、ウェーハ及びフォトマスク検査に適している。図2の装置は、レーザ照明素子201などの照明光学系と、長作用距離のカタディオプトリック結像対物レンズ202と、外部瞳平面におけるフーリエフィルタ又は開口部203と、像形成光学系204と、検出器205と、を含む。図2の構成において単一の材質を使うカタディオプトリック結像設計は好適には、1nm又はそれより低い帯域を有する照明源を使う。2つのガラス材料を使うカタディオプトリック結像装置は、1nmよりも大きい帯域を有する照明源を使う場合に達成可能である。
【0054】
このシステムに使うことのできる照明の種類は、明視野及びリング暗視野検査のための第1の実施の形態に使われるものと同様である。好適なエネルギ又は光源は、その方向性及び輝度から、レーザである。半導体検体のレーザ暗視野照明のための1つの方法又は装置は、対物レンズの外からの検体への直接的な照明である。このような構成では、検体から散乱した光のみが、カタディオプトリック対物レンズによって収集される。鏡のように反射したビームは、対物レンズの数値開口部を超えているため、収集されない。
【0055】
前に述べられたように、長作用距離結像対物レンズ202は、図3から図13について、第3から第8の実施の形態において説明される。レーザ暗視野検査のために、これらの設計は、いくつかの基本的な必要要件を満たす。図3から図13の設計によって提供される長作用距離は、結像システムの動作と干渉することなく、半導体検体環境における対物レンズ外からのレーザエネルギのウェーハへの伝達を単純化する。対物レンズは好適にはまた、照明源201の帯域上の収差に対してよく修正されている。利用可能な照明源の多くが、標準の種類の、単一材料の全屈折対物レンズ設計から得られる、1−2nmの帯域より大きい帯域を有する。この一例として、典型的に1nm付近のスペクトル帯域を有する、狭くされていないエキシマレーザが挙げられる。第3から第8の実施の形態のカタディオプトリック設計は、この問題を取り扱う。大きな視野及び高いデータ取得速度は、迅速なウェーハ又はフォトマスク検査を可能にするため、対物レンズ202は、大きな視野に対して結像する。
【0056】
対物レンズは好適にはまた、簡易にアクセス可能な瞳平面を有し、これにより、フーリエフィルタ又は開口部203によるものなどのフーリエ濾波又は開口をサポートする。フーリエ濾波は、ウェーハ上の反復パターンに起因するノイズを低減でき、これにより、より小さなランダムの欠陥を、よりたやすく検出することを可能にする。
【0057】
像形成光学系204は好適には、照明及びカタディオプトリック結像対物レンズ202のスペクトル帯域に対して修正されている。像形成光学系204は好適にはまた、暗視野検査システムによって必要とされる様々な拡大率をサポートする。像形成光学系204の1つの実現方法は、像形成光学系204とカタディオプトリック対物レンズ202とをそれぞれ収差に対して完全に修正することである。このようなシステムは、別個の装置としての像形成光学系204及びカタディオプトリック対物レンズ202の簡略化されたテストを可能にする。代替技法として、カタディオプトリック対物レンズ202と像形成光学系204との間での共有収差修正が挙げられる。このような方法は、機械的又は光学的により簡略である場合があるが、像形成光学系及びカタディオプトリック対物レンズのテストを複雑化する場合がある。
【0058】
前に述べた、図1に示す第1の実施の形態と同様に、図2の検出器205は好適には、検査システムで使われる高いデータ速度が可能な高速検出器である。検出器205は、一点ダイオードタイプの検出器であってもよく、又はCCD又はTDIモードで動作中のCCDなどの面タイプの検出器であってもよい。理想的にはこの検出器は、高い量子効率、低ノイズ、及び良いMTFを有する。このような検出器は、当業者には一般的に知られている。
【0059】
図1及び図2の設計は、明視野、レーザ方向暗視野、リング暗視野、及び同時明視野及び暗視野構成をサポートでき、これらの構成の各々は、UV波長、DUV波長、VUV波長の存在下で達成できる。深UV及びVUV領域内のCMP層の不透明度により、この対物レンズを使うシステムが、半導体ウェーハの表面欠陥及び微小な傷を見つけるために最適となる。
【0060】
明視野及び暗視野結像及び検査をサポートするために提示されるカタディオプトリック光学装置はまた、様々な他の応用法に使うためにも理想的である。設計は、当業者によって、可視領域から、深UV領域及び真空UV領域までの波長に対して、容易に最適化できる。より長い波長は、ガラス分散が少ないため、より大きな帯域に対して最適化できる。例えば、140nmよりも大きい帯域が、2つの材料設計及び300nmの中心波長において可能である。光エネルギは、より短い波長を含んでいてもよく、設計は、複数の波長の使用を許す。半導体検査のためには、開示される設計は、明視野、レーザ方向暗視野、リング暗視野、及び同時明視野及び暗視野構成をサポートできる。開示される光学設計はまた、サンプルクリアランス(sample clearance)のために長い作用距離が必要とされる、リソグラフィレンズとして又はリソグラフィシミュレーションにおいて、又は、微小電子機器開発用の研究ツールとして、又は蛍光測定として、又は生物学においての使用に最適である。非常に多様な光波長及びスペクトル帯域の存在下での応用法を提供できる、この対物レンズの能力のため、図1及び図2の設計は、蛍光測定に適している。
【0061】
図3に、本発明の第3の実施の形態を示す。この第3の実施の形態は、単一ガラス材料を用いる、折り返しの0.7NAのカタディオプトリック対物レンズ300の簡単な例である。この例は、収差修正及び対物レンズの機能を説明するためにここに示される。本開示に示される他の図面と同様に、図3は、左上端に、ミリメートルの単位で、関連する線の大きさの基準測定値を示す線を含む。
【0062】
また、本開示で示される他の図面と同様に、エネルギ源3000(図示せず)からの光は、図3の左側から入光するように図示される。
【0063】
エネルギ源3000からのエネルギは、望遠写真構成又は逆望遠写真構成に配置された、正のレンズ及び負のレンズのグループ301によって集光される。正のレンズは、配列の前段にあっても、後段にあってもよく、ここで、前段及び後段は、エネルギ源に対する相対的な用語である。ここでは、負のレンズ302が、正のレンズ303の前段にあり、負のレンズ302及び正のレンズ303が、正のレンズ及び負のレンズのグループ301を形成する。正の視野レンズ304が、レンズグループ301の焦点よりもいくらか前に位置する。形成される小さな像の近くには、V形状に配置された比較的小さな一対の平坦折り返しミラー305が配置される。第1の小さな平坦ミラー305aは、光を光学軸に対して90度に反射する。本発明の範囲から逸脱することなく、所望の応用法によって、なんらかの他の角度量を使ってもよい。
【0064】
発散光は次に、図3の底部に位置するマンジャンミラー306に進む。マンジャンミラーは、屈折性があり、反射性の背面を有するレンズ/ミラー素子である。マンジャンミラー306は、第1像を、第2の小さな平坦折り返しミラー305b上に、実質上単位拡大率で、再結像する。システムは、十分に軸から外れて実現され、これにより、戻る第2像は、第1像から横方向に十分に離れ、該横方向での分離距離が各別個の像の光学操作を可能にする。横方向の分離量によって、第2の小さな平坦ミラー305bによる、元の光学軸への光路の折り返しが可能になる。この効果を、図4に示す。
【0065】
図4によれば、実質上単位拡大率のマンジャンミラーリレーの視野内の入力光線は、視野の片側にあり、出力光線が反対側にある。図3から、第2の小さな折り返しミラー305bには、第2の視野レンズ307が続く。そこから、光は、下に説明する最終集光レンズ308まで進む。この最終集光レンズグループ308は、フォトマスク又は半導体ウェーハなどの検体の表面への、比較的長い作用距離を提供する。
【0066】
2つの視野レンズが図3の設計に存在しない場合、この設計は、マンジャンミラーを使うシャップマン(Schupmann)タイプの設計の応用を含む。従来の既知のシステムにおいて示されるように、マンジャンミラーは、シャップマンシステムの仮想像を実際の像に変換する手段を提供する。この新しい構成は、従来の設計に対して2つの重要な利点を提供する。掩蔽(暗くならない:obscuration)が存在しないことと、相対的に長い作用距離である。両方の利点が、小さな折り返しミラー305の新しい配列、実質上単位拡大率のマンジャンミラー306、及びシステム内の2つの中間像の存在の結果である。
【0067】
小さな折り返しミラー305は、様々な方法で実現できる。対物レンズ設計は、これらの折り返しミラーが、視野レンズの、内部像の反対側になるよう、最適化できる。対物レンズ設計はまた、小さな折り返しミラーが、マンジャンミラーに最も近い内部像側にあるように、最適化することもできる。また、プリズム又は複数のプリズムを、反射性表面に使うこともできる。2つのプリズムを反射性ミラーとして使うことができるように、反射性被覆を1つ又はそれ以上のプリズム表面に追加することもできる。この代わりに、1つのプリズムの2つの表面を被覆し、プリズムを反射性表面の両方として機能させることもできる。これは、光学軸の角度を定義するために、プリズム上で高精度の角度を磨く(polish)ことができるため、有利である。プリズムはまた、全反射モードで使用することもできる。これは、短い波長のため、又は広いスペクトル帯域のためなど、高効率の光学被覆が難しい場合に有利である。このモードでは、90度に近いプリズムの斜辺が、全反射で使われ、反射性表面を置換する。入射ビーム及び反射ビームとほぼ垂直なプリズムの表面は、透過効率を向上するため、反射防止コーティングをされてもよい。
【0068】
設計が2つの視野レンズを有する2つの位置のどちらかに、1つの視野レンズをシステムに追加することにより、軸等和色(secondary axial color)又は横原色(primary lateral color)のいずれかに対して、設計を修正する能力が提供される。軸原色は、シュンプマン(Schumpmann)原理に関連するものと同様に、マンジャンミラー素子306の正の屈折力とレンズの正の力とのバランスを取ることにより、視野レンズなしに修正される。2つの視野レンズ304及び307を、中間像近辺で使用することにより、軸等和色及び横原色の両方の修正を可能にする。この結果として、よい軸色修正を有する、かなり広いスペクトル領域を備えるが、軸等和色によって制限される設計が生じる。横等和色の修正は、システムの第1の半分とシステムの第2の半分との等和色のバランスを取ることにより達成できる。ここで、システムの第1の半分は入射エネルギ源からマンジャンミラー306の反射性部分までの全てのレンズを含み、レンズグループ301と、視野レンズ304と、第1の小さな折り返しミラー305aと、マンジャンミラー306と、を含む。この横等和色のバランスを取る方法は、図4のように生成される2つの中間像及び2つの別個の視野レンズ304及び307がシステム内に存在することにより、うまく機能する。既知のシステム同様に、第3軸色は、視野レンズ304及び307を、中間像の片側に、相当の距離移動させることにより、向上される。
【0069】
開示される本発明は、色収差を修正するための、特に説明されたミラー配列と関連する単一の屈折材料を必要とするカタディオプトリックシステムである。193nm近辺のエネルギ源波長の存在下での使用を目的とする設計では、好適なレンズ材料はシリカである。157nm近辺の波長での使用を目的とする同様の設計では、好適なレンズ材料はCaF2である。157nmの波長では、例えば、CaF2には、複屈折、水溶性、又は機械的な軟らかさにおいて深刻な問題が存在しないため、CaF2が好適である。更なる色修正もまた、2つのガラス材料を使うことにより達成できるが、このような配列は、追加の費用を必要とする場合があり、また、複屈折、水溶性、又は機械的な軟らかさにおける欠点を有する場合がある。
【0070】
1種類のガラスのみが使われ、様々な色収差を修正する場合には、特殊な問題が存在する。従来の設計は通常、2種類又は3種類のガラスを使い色収差を修正する。本発明は、特定のレンズ及びミラー構成によって、全てのレンズで使われる単一種類の材料の存在下で、この修正を実行する。非常に深いUVでは、シリカ及びCaF2の両方が高度に分散的であり、非常に短い波長での狭いスペクトル帯域でさえも、多くの独特な色収差の修正を必要とする場合がある。このような色収差は、軸原色及び軸等和色、横原色及び横等和色、球形収差(spherical aberration)の色偏差、及びコマの色偏差を含んでもよい。本発明においては、レンズ及びミラーの位置が、軸原色及び横原色の完全な修正を可能にする。軸等和色及び横等和色は、完全には修正できないが、比較的狭いスペクトル帯域において、十分に小さく保ち、許容範囲内とすることができる。球形収差及びコマの色偏差はまた、この小さな折り返しミラー及び二重視野レンズ設計を使い修正できる。図3の設計に存在する正の軸色寄与分(contribution)と負の軸色寄与分との物理的な分離距離、特に、設計内の、位置的に本質的に異なる位置への分離距離が、収差の色偏差を修正するために特殊な問題を生じる。色収差偏差の最小化は、図3に示されるものや、下に第4から第8の実施の形態に関して示されるもののように、レンズの力及び形状の、非常に特化した配列を必要とする。
【0071】
図3の設計は、光学システムと検査される表面との間、特にシステム内の最終レンズ308と結像される対象物又は検体309(図示せず)の表面との間に、長い作用距離を有する光学システムを提供する。図3の配列は更に、高い数値開口を有し、また、中心の掩蔽が存在しない。高い数値開口は、結像される表面の上の角度範囲が可能な限り大きい、高解像度結像及び収集を可能にする。0.8よりも大きい数値開口が、優良な性能と共に達成できる。0.8の数値開口は、表面の上で、法線から53度の角度まで収集することに対応する。
【0072】
更に、多くのカタディオプトリック光学システムと違い、図3の設計には、低周波数情報を妨げる中心掩蔽が存在しない。図3の設計には、この問題が存在せず、全ての低周波数情報の利用を可能とする。
【0073】
図3に示す設計はまた、比較的妥当な許容差を提供し、より簡易に製造できる。図3の設計における妥当な許容差の長所は、この設計が、いくつかの光学素子に対して非常に厳しい位置及び厚さ許容差を有する、多くの既知の高NA、広帯域システムに存在する問題点を克服することである。これらの厳しい許容差は、従来の設計を、生産環境で作り動作させるために、非常に高価、又は、場合によっては、不可能としてしまう場合がある。
【0074】
図5に、融解石英のみを使い、0.7NA、長作用距離、及び掩蔽されない設計を与える、追加の狭帯域収差修正を提供する、複雑化した形の設計を示す。対象物は、軸から0.25mmから0.75mm外れて伸び、設計は、192.8nmから193.8nmの1nmの帯域を有する。この種類の設計例の表面データを表1に示す。図5に示すシステムの性能は、高次軸色ではなく、色の収差の偏差のみによって制限される。他の形も可能であり、この場合には、本開示の提示により、当業者にとっては最小限の努力を必要とする。
【0075】
図5に示すように、レーザエネルギなどのエネルギは、エネルギ源5000(図示せず)から対物レンズ500へと発せられる。対物レンズ500は、レンズ配列530を含み、このレンズ配列530は、第1レンズ501及び第2レンズ502を有する第1レンズペア531と、これに続く、第3レンズ503と、第4レンズ504と、第5レンズ505と、を備える。エネルギは、レンズ配列530によって、視野レンズ506に向かって集められ、この視野レンズ506は次に、エネルギを小さな折り返しミラー又は反射表面、ここでは具体的には第1ミラー507に向ける。エネルギは、第1ミラー507からレンズ508及びマンジャンミラー509へと向けられ、マンジャンミラー509は、光エネルギを反射しレンズ508を通じて、小さな折り返しミラー又は反射表面の第2の部分、具体的には第2ミラー510に向けて戻す。
【0076】
図5において、光は、第2折り返しミラー510から視野レンズ533へと反射され、ここで視野レンズ533は、第1視野レンズ511と第2視野レンズ512とを備える。視野レンズ533から、光は、集光レンズ配列534へと送られ、この集光レンズ配列534は、第1集光レンズ513と、第2集光レンズ514と、第3集光レンズ515と、第4集光レンズ516と、第5集光レンズ517と、第6集光レンズ518と、第7集光レンズ519と、を含む。検査される検体又は表面520は、図5に図示していないが、図5の向きにおいて、対物レンズ500の右側に位置する。光エネルギは、検体に当たり、図5の対物レンズ500を通じて反射し、戻される。この代わりに、光エネルギは、検体を通じて透過し、図5に示すように右から左へと対物レンズ500を通って透過してもよい。
【0077】
【表1】
*表面の厚さは、表面が素子の「上流」側にある場合には表面の厚さを表し、表面が素子の「下流」側にある場合には、表面と次の表面との間の距離を表す。例えば、素子501の表面2は、81.983ミリメートルの半径を有し、レンズは5.000ミリメートルの厚さである。レンズ素子501の表面3は、18.305ミリメートルの半径を有し、次の表面である素子502の表面4から4.216ミリメートルの距離にある。
**設計に関連するが重要でないいくつかの素子は、図面には図示されていない。
【0078】
図6は、本発明の第4の実施形態を示す図である。図6は、2つの材料を用いて構成される、0.7NAの折り返し(folded)カタディオプトリック対物系を示す。この構成では、シリカとフッ化カルシウムとがシステムの帯域をさらに増強するために用いられている。フッ化カルシウムは、この構成では、視野レンズに加えられ、これら両レンズを色消し(achromats)にする。図6の構成は、193から225nmの光エネルギーに適正化されている。第4の実施形態のシステムにおけるサーフェスデータは、表2に示される。
【0079】
図6に示すように、光エネルギーやレーザエネルギーは、エネルギー源6000(図示せず)から伝播して対物系600に届けられる。対物系600は、レンズ群630を含み、このレンズ群は第1レンズ601と、第2レンズ602と、第3レンズ603と、第4レンズ604と、第5レンズ605と、第6レンズ606とを含んでなる。エネルギーはレンズ群630によって視野レンズ群631にフォーカスされ、この視野レンズ群は、第7レンズ607と第8レンズ608と、第9レンズ609と、第10レンズ610とを含んでなる。第8レンズ608と、第10レンズ610とは、フッ化カルシウム(CaF2)で形成されている。この視野レンズ群631は、光エネルギーを第1の小型折り返し(folding)ミラー又は反射面611に照射させ、この小型折り返しミラー反射面は、レンズ612とマンジャン(Mangin)ミラー613とにエネルギーを照射させる。光エネルギーは、マンジャンミラー613によって反射されてレンズ612に戻され、小型折り返しミラー又は反射面の第2の部分、特に第2ミラー614へ導かれる。
【0080】
光は、第2の折り返しミラー614で反射されて、第2の視野レンズ群632に至り、この第2の視野レンズ群は第1視野レンズ615と第2視野レンズ616と第3視野レンズ617とを含んでなる。第1視野レンズ615及び第3視野レンズ617は双方とも、フッ化カルシウムで形成される。視野レンズ群632から、光エネルギーがフォーカシングレンズ群633に伝播し、このフォーカシングレンズ群は第1フォーカシングレンズ618と、第2フォーカシングレンズ619と、第3フォーカシングレンズ621と、第4フォーカシングレンズ622と、第5フォーカシングレンズ623とを含む。対象標本(specimen)又は表面624が検査され、これらを図6には図示しないが、図6の対物系600の右側に配置される。
【0081】
【表2】
【0082】
帯域幅を増大させるため、第2のガラス材料の代りに回折性のある光学系を用いることもできる。この場合、当該回折性のある光学系は、適切な回折能力と回折角度とを備えるべく、特定の位相プロファイルをもって製造されなければならない。かかる構成は、ここでの開示を一旦参照すれば、当業者が実施できる。
【0083】
図5及び6に示した実施形態は2つのディスアドバンテージを有する。一つは、マンジャンミラーイメージリレーの光軸が、フォーカシングレンズの光軸に対して90度ずれていることである。この構成は、マンジャンミラーイメージリレーの光学要素に対して、角度及び位置に関する非常に高度な寛容性を要求する。これは製造の困難性やシステムコストの増大という結果をもたらし得る。この理由のため、当該90度ずれたパス(90 degree path)のレンズ要素の数を最小限に抑えることが望ましい。従って、90度ずれた光学軸は、この対物系の構成を制限し得る。第2に、絞り(aperturing)や、フーリエフィルタリングのための瞳面(pupil plane)が対物系の内部のコリメートされていない領域に配置される。これは、絞りやフィルタを導入する際に問題となる。さらに、瞳面がコリメートされていない領域にあるため、検査対象物のフーリエ面にないこととなる。これはフーリエフィルタの効率を著しく低減する。
【0084】
図7に示される、第5の実施形態は、マンジャンミラーイメージリレーと内部瞳面に関する、この90度曲げの問題を解決する。図7は、1つのガラス素材を用いたインライン又はストレート0,7NAカタディオプトリック対物系を示している。図7の構成はまた、構成の自由度と製造上の寛容性を緩和する。例えば、どれかのレンズが5ミクロンだけ中心からずれれば、なんら補償のための要素っを持たない場合、四分の一より小さいコマ(coma)の波を生じてしまう。偏心(decenter)又は傾斜(tilt)した要素を補償要素として用いれば、寛容性はより緩和される。図7の構成では、第2の内部像の後に、多少のレンズによる1つのベンド(bend)を含む。これらのレンズは、寛容性を著しく緩和させ、システムの製造可能性に影響を与えない傾向にある。図7の構成はさらに、外部の瞳面701が、絞りやフーリエフィルタリングのために配置されている。この瞳面は、コリメートされた領域にあり、そのため、対象物のフーリエ面に対応する。図7においては、対象物は0.25mmから、0,75mmだけ軸から離され、構成は、192.8〜193.8nmに対し、1nmの帯域幅を有する。
【0085】
図7に示されているように、光エネルギー又はレーザエネルギーは、エネルギー源7000(図示せず)から対物系700に伝播される。対物系700は、第1レンズ702と、第1視野レンズ703とを含む。この第1視野レンズ803は、光エネルギーを小型折り返しミラー又は反射面704に向けさせ、この小型折り返しミラー又は反射面は、エネルギーをフォーカシングレンズ705と706と、マンジャンミラー707とに向けさせる。マンジャンミラー707で反射され、戻ってきた光エネルギーは、フォーカシングレンズ706、705を透過し、先の小型折り返しミラー又は反射面704に導かれる。光エネルギーはそして第2視野レンズ708とフォーカシングレンズ群720を透過し、このフォーカシングレンズ群は第1フォーカシングレンズ709と、第2フォーカシングレンズ710と、第3フォーカシングレンズ711と、第4フォーカシングレンズ712と、第5フォーカシングレンズ713と、第6フォーカシングレンズ714と、第7フォーカシングレンズ716とを含む。対象標本(specimen)又は表面716が検査され、これらを図7には図示しないが、図7の対物系700の右側に配置される。光エネルギーは対象標本717に当たって反射されて図7の対物系に戻る。図7の構成で採用されるシステムに対するサーフェスデータは表3にリストされる。
【0086】
暗視野構成(darkfied arrangement)では、光エネルギーは、図2に示したような対象標本面に向けられる。光エネルギーは、対物系に向けて散乱され、つまり図7の構成の第7フォーカシングレンズ715に向かう。このような構成では、光エネルギーはシステムに戻って通過し、マンジャンミラー707にあたり、第1レンズ702を透過する。
【0087】
図7の構成は、外部瞳面701を有して、絞りやフーリエフィルタリングをサポートする。絞りは、図7の構成との関係で用いることができ、イメージングシステムにおける種々の絞りのコントロールを可能にする。例えば、ある絞りがオプションとして瞳面の位置に配置され、これにより全体的な解像度と、フォーカスの深度との制御を可能にする。フーリエフィルタリングは特に、レーザ暗視野イメージング等のアプリケーションで役に立つ。フーリエフィルタリングは、面上の欠陥(defect)についての信号対ノイズ比の増大により、反復するサーフェスパターンのフィルタリングを可能にする。
【0088】
【表3】
【0089】
図8に示す第6の実施形態は、図7に示した第5の実施形態に類似するが、157nmの波長に最適化されている。この波長の変更は、溶融(fused)シリカの代りにフッ化カルシウムを使用するよう材料の変更を要求する。193nmでの溶融シリカの屈折率(index)は、157nmでのフッ化カルシウムの屈折率(index)にほとんど同一であり、そのため、構成は、材料以外の大きな変更を要しない。しかしながら、157nmでのフッ化カルシウムの分散(dispersion)は、193nmでの溶融シリカの分散よりも大きく、構成のさらなる最適化のための若干の変更を要求される。図8に示した構成は、マンジャンミラーをフロントサーフェスミラーとメニスカスレンズとに分割するオプションを可能にし、これは、いくつかの場合に製造を簡易にする。この分割マンジャンミラーを用いる方法は、他の、図3〜図9に示すカタディオプトリック対物系の構成においても同様に採用できる。対象物は、軸から0.25mmから0.75mmだけ離され、この構成は、156.75〜157.25nmから0.5nmの帯域幅を有する。
【0090】
図8に示すように、光エネルギーは、エネルギー源8000(図示せず)から対物系800に伝播される。この対物系800は、図7に示した構成と同様に、外部に瞳面801を有する。対物系800は、第1レンズ802と第1視野レンズ803とを含む。この第1視野レンズ803は、光エネルギーを小型折り返しミラー又は反射面804に向け、この小型折り返しミラー又は反射面は、エネルギーをフォーカシングレンズ805,806及び807と、ミラー面808とに向ける。光エネルギーは、ミラー面808で反射して戻され、フォーカシングレンズ807,806及び805を透過し、先の小型折り返しミラー又は反射面804に戻る。光エネルギーは、そして、視野レンズ群820を透過し、この視野レンズ群は、第1視野レンズ809と第2視野レンズ810と第3視野レンズ811とを含む。光はそしてフォーカシングレンズ群821を透過し、このフォーカシングレンズ群は、第1フォーカシングレンズ812と、第2フォーカシングレンズ813と、第3フォーカシングレンズ814と、第4フォーカシングレンズ815と、第5フォーカシングレンズ816とを含む。対象標本(specimen)又は表面817が検査され、これらを図8には図示しないが、図8の対物系800の右側に配置される。光エネルギーは対象標本817に当たって反射されて図8の対物系に戻る。対象標本817からの光は、すでに図7の第5の実施形態で説明したように、瞳面801にて絞られ、又はフーリエフィルタリングされてもよい。図8の対物系を有するシステムに対するサーフェスデータは表4にリストされる。
【0091】
【表4】
【0092】
図9に示される第7の実施形態は、図7及び8に示された、第5及び第6の実施形態に類似する。図9に示したこの構成は、ストレート0.7NAカタディオプトリック・アプローチであり、さらなる構成上のフレキシビリティを許容し、パフォーマンスを向上させ、製造上の寛容性を緩和する。さらに、図6の構成に似て、第2のガラス材料、フッ化カルシウムが帯域幅補正の向上のために用いられている。図9の構成は、193から203nmに適している。図9の構成は、アイピース群に1つのフッ化カルシウム要素をもち、中間イメージ(intermediate image)近傍に1つ、フッ化カルシウム/シリカの二重レンズ系(ダブレット)を有する。対象物は、軸から0.25mmから0.75mmだけ離れ、この構成は、193.3から203.3nmの帯域幅を有する。
【0093】
図9に示すように、光エネルギー又はレーザエネルギーがエネルギー源9000(図示せず)から対物系900に伝播する。図7及び図8に示した対物系の実施形態のように、外部の瞳面901が絞りやフーリエフィルタリングのために利用できる。対物系900は、第1レンズ902と、第1視野レンズ群930とを有し、第1視野レンズ群は、第1視野レンズ903と、第2視野レンズ904とを含む。この第1視野レンズ群930は、光エネルギーを小型折り返しミラー又は反射面905に向け、この小型折り返しミラー又は反射面は、エネルギーをフォーカシングレンズ906及び907と、マンジャンミラー908とに向ける。光エネルギーは、マンジャンミラー908で反射されて戻り、フォーカシングレンズ907及び906を透過して戻り、先の小型折り返しミラー又は反射面905に導かれる。光エネルギーはそして第2視野レンズ群931を透過し、この第2視野レンズ群931は、第3視野レンズ909と第4視野レンズ910と、第5視野レンズ911とを含む。光はそして、フォーカシングレンズ群932と透過し、このフォーカシングレンズ群は、第1フォーカシングレンズ912と、第2フォーカシングレンズ913と、第3フォーカシングレンズ914と、第4フォーカシングレンズ915と、第5フォーカシングレンズ916と、第6フォーカシングレンズ917と、第7フォーカシングレンズ918とを含む。対象標本(specimen)又は表面919が検査され、これらを図9には図示しないが、図9の対物系900の右側に配置される。光エネルギーは対象標本917にあたって反射され、図9の対物系900に戻る。
【0094】
図9の構成のサーフェスデータを表5にリストする。
【0095】
【表5】
【0096】
イメージングシステムの全体、例えば実施形態1から2と図1から2で説明されたものは、例えば実施形態3から6と図3から9で説明されたような対物系を必要とする。イメージ形成のための光学系は、異なる構成とすることができる。イメージ形成光学系は、単一の(single)倍率を作り出す能力を有しているスタティック・チューブレンズとすることもできる。スタティック・チューブレンズの構成では、異なる倍率は、異なるチューブレンズを用いることによって得られ、そのようなチューブレンズは当業者ならば容易に構成できる。別のイメージ形成光学系の構成は、ズーミング・チューブレンズである。ズーミング・チューブレンズは、幅広い倍率を得るのに1つの光学系だけしか要しない。2つの異なるズーミング・チューブレンズを用いた例が、以下に第7及び第8の実施形態として示される。イメージ形成光学系は、光源の波長とスペクトル帯域幅に適正化されていなければならない。
【0097】
図10に示される第7の実施形態は、複数焦点(varifocal)の2つのモーションズームを有して、倍率を変更するイメージ形成チューブレンズである。その構成方法は、「広いレンジのズーム機能を備えた超広帯域UV顕微鏡イメージングシステム(Ultra-Broadband UV Microscope Imaging System with Wide Range Zoom Capability)」と題された米国特許出願08/908,247であって、本発明が、その一部継続出願となっているものに類している。構成は、ステーショナリー二重レンズ(ダブレット)1020と、ズーミング群1021と、検出グループ1022とを有する。ステーショナリー二重レンズは、第1ダブレットレンズ1002と、第2ダブレットレンズ1003とを含む。ズーミング群は、第1ズームレンズ1004と、第2ズームレンズ1005と、第3ズームレンズ1006とを含む。検出部1022は、保護ウインドウ1007と検出器1008とを含む。倍率の変更は、ズーミング群を光軸に沿って移動し、保護ウインドウで再度フォーカス(refocus)するとともに検出器の位置を調整することで達成される。3つの倍率の例が図11に示される。低倍率のズーム位置1101は、トータルの長さが最も短く、ズーミング群1121は二重レンズ1120から離されたものとなる。中間的倍率1102では、二重レンズ1120から検出部1122までのトータルの長さが長くなり、二重レンズ1120からズーム群1121までの距離は短くなる。高倍率1103では、二重レンズ1120から検出部1122までの距離は最大となり、二重レンズ1120からズーム群1121までの距離は最小となる。38倍から152倍までのレンジの倍流を越えて、システムにおける二重レンズ1020から検出器1008までのトータルの長さは、320mmから880mmまで変化する。3つのレンズがズーミンググループ1021内で動き、その動きは全体で68mmである。図12の構成の瞳(pupil)1201は、図7に示した構成に一致する。当業者ならば、この開示を受けて、類似のチューブレンズを用いて図3から9の対物系の構成とともに他の構成を、本発明の範囲内で容易に構成できるであろう。また、当業者ならば、この開示により、他の倍率や他の倍率レンジを、複数焦点を有する2つのモーションズームにより構成することもできる。
【0098】
図10の構成についてのサーフェスデータは、表6にリストされる。
【0099】
【表6】
【0100】
図12に示される第8の実施形態は、倍率変更のために光学的に補償された単一モーションズームを用いたイメージ形成チューブレンズである。この構成方法は、デビッド・R・シェーファーによる論文、「可動要素を1つ用いるカタディオプティック光学的補償ズーミングシステム(Catadioptic optically compensated zooming system with one moving element)」,Proc SPIE Vol.2539, pp.235-240に開示されたものと似ている。構成は、第1二重レンズ1220と、ズーミング群1221と、ミラー1206と、第2二重レンズ1222と、検出器1210とを含む。第1二重レンズは、二重レンズ1202とそれに続く二重レンズ1203とを含む。ズーミング群は、第1ズームレンズ1204と、第2ズームレンズ1205とを含む。倍率変更は、ズーミング群1221を第1二重レンズ1220とズーミング群1221とミラー1206との光軸に沿って移動することで達成される。その他の動きは必要ない。
【0101】
2つの倍率の例が、図13に示される。低倍率ズーム位置1301では、ズーム群1321が第1二重レンズ1320にとても近い位置になる。中間的倍率1302では、ズーム群は第1に重レンズ1320と、ミラー1304との中央(in between)になる。高倍率1303では、ズーム群1321は、ミラー1304に比較的近い位置にくる。この構成では、倍率は、60倍から180倍以上となる。
【0102】
図12の構成の瞳1201は、図7により示した構成のものと一致する。図12の構成に対するサーフェスデータは、表7にリストされるものとなる。
【0103】
【表7】
【0104】
ここでは、特定の実施形態に関連づけて本発明を説明したが、さらなる変形例が本発明から得られることは理解されるであろう。この出願は、本発明のあらゆる変形例、利用、適用をカバーし、一般に、発明の原理(principles)及びここでの開示を出発点として、知られたカスタマイズ慣行の範囲でこの発明の技術分野にて到達できる部分も含むよう、意図されている。
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的に光学イメージングの分野に関し、特に明視野および暗視やイメージングに適用されるカタディオプトリック光学システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この出願は、1996年7月22に出願の米国出願08/681,528「ブロードスペクトル紫外線カタディオプトリックイメージングシステム」の一部継続出願であり継続中の1997年8月7日出願の米国出願08/908,247「広範囲ズーム可能なウルトラブロードバンドUVマイクロスコープイメージングシステム」の一部継続出願である1998年3月24日出願の米国出願09/908,814「マルチモードイメージングのための高NAシステムの一部継続出願である。
【0003】
(関連技術の記載)
部分的に形成された集積回路またはフォトマスクなどの欠陥を見つけるために目的物の表面を検査する多くの光学的電子的システムが存在する。欠陥は、回路やフォトマスクの表面上にランダムに位置する粒子の形態や、スクラッチ(ひっかき傷)、プロセスバリエーションなどの形をとる。種々のイメージング技術が、このような欠陥の表面検査を行うために用いられており、各技術が欠陥のタイプに従って、異なった利点を有する。
【0004】
欠陥の検出について2つのよく知られたイメージング技術は、明視野イメージングと暗視野イメージングである。明視野イメージングは、顕微鏡システムにおいてよく利用される。明視野イメージングの利点は、生成されたイメージがすぐに識別できることである。イメージのサイズは、目的物のサイズに光学システムの倍率を乗算したサイズに正確になる。明視野イメージングは、イメージ比較およびコンピュータを利用した対象物比較のためのアルゴリズムプロセス、欠陥検出および分類とともにより容易に利用できる。
【0005】
暗視野イメージングは、目的物の表面における不規則性の検出に成功裡に用いられている。暗視野イメージングの利点は、平坦な鏡のような領域は、非常に少ない光を検出器に向けて散乱し、暗いイメージを生じることである。どのような表面の特徴や、対象からの突出物は、光を検出器に向けて散乱する。これによって、半導体ウエハのような対象の検査においては、暗視野イメージングは、暗い背景上に、特徴(造作)、粒子、その他の不規則性のイメージを生成する。
【0006】
暗視野イメージングの1つの利点は、これによって、光を散乱する小さな形状により大きな信号が得られることである。この大きな信号は、暗視野イメージングによりより小さな対象の形状を検出でき、明視野イメージングより高速の対象の検査が行えることである。他の利点は、フーリエフィルタリングが繰り返しパターン信号の最小化のために用いることができ、欠陥信号に対する雑音の比(SN比)を改善できることである。
【0007】
多くの暗視野イメージング技術は、異なるタイプの欠陥の検出を向上するために開発されている。これらの技術は、特定の照明機構や収集機構を、対象によって散乱されたり分散された光が最高の信号を提供するよう構成する。いくつかの光学システムは、異なる暗視野イメージング技術であって、レーザ方向性暗視野、二重暗視野、中央暗背景、およびリング暗視野を含む。
【0008】
明視野または暗視野イメージングのいずれを採用したときであって、300nm〜400nmの紫外レンジや、200〜300nmの深紫外線レンジ(ディープUVまたはDUV)、または100〜200nm(真空UVまたはVUV)の短波長照明を利用することが好ましい場合が多い。明視野イメージングにおいて、短波長照明は、より小さな対象の形状の検出がを可能とする解像度の向上が得られる。暗視野イメージングために、短波長照明照明により、散乱信号を大きく増加させ、より小さな対象の検出を可能として検査スピードを上昇し、また照明電力における要求を減少させることができる。さらに、明視野および暗視野イメージングは、短波長において材料の吸収および反射における変化の利益を得る。この異なる材料の短波長における吸収および反射の変化は、これら異なる材料の同定を助けることができる。また、多くの材料は、大きく増加する吸収をDUVおよびVUVの波長に有している。増加した吸収は、下方層の反射干渉を最小化することによって、半導体ウエハの検査などの上表面の光学的検査を改良を助ける。
【0009】
明視野および暗視野イメージングをサポートする光学システムは、ある限定されたスペクトルの帯域幅または波長レンジにわたる修正を必要とする。異なる波長は、分散分光(dispersion)として知られている異なるガラスインデックスを有するため、修正は必要である。従来のデザインでは、通常2つまたは3つのガラスタイプを用い、分散・分光の影響を補償する。これらの分散分光の影響についての補償は、カラーコレクション(色修正)と呼ばれる。UV、DUV、VUV波長レンジにおいて、カラーコレクション、より難しい。短波長において、ガラスの分散分光は非常に大きくなり、また修正することが難しい。さらに、短波長においては、非常に少ないガラス材料が修正に使用できる。
【0010】
365nmより短い波長において、非常に少ないガラス材料が高い透過性を有する。これら材料は、典型的に、シリカ、CaF2、MgF2、LiF2が含まれる。これら材料について、ハイエンドの光学システムにおいてに使用にはシリカが最も望ましい。シリカは、硬いガラスで低い熱膨張で、複屈折がなく、高いUVダメージしきい値(耐UV性)を有し、湿度の影響を受けにくい。CaF2、MgF2およびLiF2は、ヤン室ガラスであり、磨く(ポリッシュ)が難しく、高い熱膨張、いくらかの複屈折を有し、かつ湿度の影響を受けやすい。これらフッ素系ガラスでは、CaF2が光学ガラスとしての使用に最も望ましい。
【0011】
UV、DUV、VUV光学システムにおいて、使用するガラス材料の数を減少することは、色収差(color aberration)を修正するためには特別なチャレンジを必要とする。これは、特にシリカおよびCaF2が非常に大きな分散分光を生じるVUV波長レンジでの場合に正しい。非常に短い波長において、狭スペクトル帯域幅であっても、数多くの色収差の修正が必要となる。いくつかの重要な色収差は、第1および第2軸カラー、第1および第2横方向(ラテラル)から0、球面収差の色変化(クロマティックバリエーション)、コマの色変化(クロマティックバリエーション)を修正することを含む。
【0012】
例えば、157nmの波長において、CaF2が、高い透過性を有し、複屈折、水溶解、機械的な柔らかさについて大きな問題がない唯一の適性を有するガラス材料である。カラー修正のスタンダードは不可能である。なぜなら他のガラス材料が使用できないからである。
【0013】
現在利用できるシステムの他の問題は、このようなシステムが比較的短い間隔を光学システムと検査される表面の間に比較的短い間隔(ワーキングディスタンス)を有することである。フォトマスクの検査は、ワーキングディスタンスとして、イメージングシステムは、約6mmより大きいことが要求される。フォトマスク上に保護用の半透過フィルム(protectve pellicle)が存在するからである。長いワーキングディスタンスは、レーザ暗視野検査環境において望まれる。長いワーキングディスタンスを有するイメージングシステムは、対象の外側から表面を検査する照明を直接行うことを可能とする。典型的な環境下において、ワーキングディスタンスは、一般的に望まれる特性を有するためには4mmより大きい。なお、ワーキングディスタンスは、8mmより大きいことが好ましい。
【0014】
さらに、高開口数(NA:numerical aperture)により、高解像度のイメージングおよび大きな立体角の集光(コレクト)が可能となる。開口数0.8を達成することが望まれる。これは、垂直方向から53度の表面についての集光角に対応する。
【0015】
現在利用できるシステムにおけるさらなる問題は、相対的に高いNAシステムが存在するが、中心戻り光線は、開口数および他の光学的成分により暗くなる。このような中心が暗いと、イメージからの低周波数情報がとれず、望ましくない。
【0016】
また、現在利用できるシステムでは、内部瞳平面を含んでいる。この内部瞳平面を含むのは好ましくない。なぜなら、このシステムはアパーチャリング(開口)をすぐにサポートできないからである。特に、開口の形状の変化およびフーリエフィルタリングをサポートできない。
【0017】
最後に、現状のシステムは、フィールド(視野)サイズに限界がある。大きなフィールド(視野)サイズは、エリアイメージングにおいて重要なときがよくある。また、大きなフィールドサイズは、半導体ウエハやフォトマスクなどのための高速の検査を可能とする。フィールドサイズは、典型的には、収差のラテラルカラーおよびクロマティックバリエーション等によって限定される。収差修正は、色(クロマティック)修正、大きなスペクトル帯域幅、高開口数(NA)、長いワーキングディスタンス(作業距離)、中心の暗さがないこと、および外部瞳平面を組み合わせられるとき特に困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第5,717,518号明細書
【特許文献2】米国特許第5,052,763号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0736789号明細書
【0019】
2つの先行特許に、このタイプのイメージングをサポートする高開口数カタディオプトリックシステムが示されている。これらの特許は、シャファー他(Shafer el. al.)の米国特許第5,717,518号、およびチャン他(Chuang et.al.)の米国特許出願09/046,814号であり、両者ともKLA・テンコー(KLA−Tencor)コーポレーションに譲渡されており、全体が本出願に参考として取り得られる。
【0020】
米国特許5,717,518号には、高NA、ウルトラブロードバンドUVイメージングに用いられる装置が記載されている。この’518特許は、ブロードバンド明視野および多波長暗視野イメージングのための0.9NAシステムを提供する。この’518システムは、単一のガラス材料を用いた高度のクロマティック修正を有する。さらに、修正は、2つのガラス材料を用いることも可能である。この’518システムは、無色のフィールド(色消し:achromatized field)レンズグループを用いて2次およびより高次のラテラルカラーを修正する。このデザインは、限定されたワーキングディスタンス、中心が暗いこと、内部瞳、および相対的に厳しい製造公差といういくつかの限定がある。この手法におけるレーザ暗視野照明のための最初の方法は、レーザを球形ミラー素子の穴または開口(アパーチャー)を介し直接照射していた。このタイプの照明は、装置化するのが非常に複雑である。
【0021】
米国特許出願09/046,814には、ウルトラ高NA、狭帯域UVイメージングおよび多レーザ暗視野イメージング技術を組み合わせて単一の光学システムに取り込んだ装置が示されている。このデザインは、単一波長であり、開口数0.99までで動作する。この’814出願は、レーザ暗視野検査において理想的に利用される。しかし、いくつかの限定がある。すなわち、比較的狭いワークディスタンス、中心が暗い、狭い帯域幅、および相対的に小さい製造公差を有している。
【0022】
他のカタディオプトリックシステムが半導体リソグラフィーにおける利用のために開発されている。これらのシステムは、レジストがコートされたウエハ上に減少された倍率でフォトマスクをイメージングするためにデザインされている。2つの先行特許には、高開口数カタディオプトリックシステムであって、このイメージングをサポートするものが記載されている。特に、シン他(Singh et; al.)の米国特許5,052,763およびタカハシのヨーロッパ特許公開EP0736789−A2に示されている。
【0023】
’763特許には、カタディオプトリックシステムであって、高開口数イメージングに利用するものが示されている。この光学システムは、実質的に平坦なイメージフィールドを半導体リソグラフィーで要求される広いエリアわたって形成するようにデザインされている。このデザインは、入力光学システムにカーブしたフィールドを有するもの、カタディオプトリックリレーシステム、およびフィールドの曲率およびいくつかのものクロマティック収差をを修正する出力光学システム、を利用する。’763のデザインの限定は、限定されたワーキングディスタンスを有すること、内部瞳、狭帯域、内部ビームスプリッタ、およびきつい製造公差である。
【0024】
タカハシのヨーロッパ公開は、カタディオプトリックシステムであって高開口数のものである。この光学システムは、ウエハまで長距離とするために必要とされるカタディオプトリックミラー要素の直径を減少するようにデザインされている。タカハシのデザインは、内部瞳、多ガラス材料を用いる狭い帯域幅、およびきつい製造公差を有している。
【0025】
従って、明視野および暗視野表面検査を行うシステムであって、イメージ収差、イメージ収差のクロマティックバリエーション、広いスペクトルレンジに渡っての残留(二次およびさらに高次)横方向カラーイメージ収差を含む長手方向(軸方向)色および横方向色収差を修正する対物系を有するものを提供する。このようなシステムは、相対的に安価で、通常の環境で容易に運転できるべきである。また、これらシステムは、相対的に長いワーキングディスタンス、大きなフィールドサイズ、緩い製造公差を提供すべきである。このようなシステムは、UV、DUVまたはVUV波長、で動作し、高い開口数を有し、中心が暗くなく、アクセス可能な瞳平面を有するべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は、ブロードバンド明視野およびレーザ暗視野イメージングおよび検査の両方を好適にサポートするシステムを提供することを目的とする。
【0027】
また、本発明は、最小の数のガラスタイプ(単一ガラスタイプでもよい)を用いて高度の色修正(クロマティックコレクション)を行えるシステムを提供することを他の目的とする。
【0028】
さらに、本発明は、光学システムと検査表面の間の比較的長いワーキングディスタンス、高開口数を有し、中心が暗くないシステムを提供することを目的とする。
【0029】
さらに、本発明は、アパーチャリングおよびフーリエフィルタリングをサポートする外部瞳平面を有するシステムを提供することを目的とする。
【0030】
さらに、この発明は、相対的に緩い公差を有し、製造が比較的安く行えるシステムを提供することを目的とする。
【0031】
このような本発明の目的および他の目的は、カタディオプトリックシステムの個別の構成要素を光線と正確に予め決定されたマナー(方式)で、作用するように正しく構築することによって達成される。本発明は、カタディオプトリックシステム方法および装置であって、光学イメージングおよび検査のためのものである。ここに記載されるデザインアプローチは、基本的に365nm以下の波長における明視野および暗視野イメージングおよび検査に適している。多くの例において、このシステムにおいて利用するレンズは、フッ化カルシウムまたは融解シリカのような単一材料を用いて構成または製造される。
【課題を解決するための手段】
【0032】
第1の態様では、本カタディオプトリックシステムは、フォトマスク検査のための装置である。この態様においては、照射照明光学系または反射照明光学系のような光学要素と、長い距離のカタディオプトリックイメージング対物系、イメージ形成光学系および検出器から構成される。
【0033】
第2の態様では、この光学システムは、レーザ暗視野検査のための装置である。この装置は、レーザ照明要素などの照明光学系、長いワーキングディスタンスのカタディオプトリックイメージング対物系、外部瞳平面におけるフーリエフィルタまたはアパーチャイ、メージ形成光学系および検出器から構成される。いくつかの使いの態様の光学装置は、以下の詳細な説明で記載する。2つの基本的なカタディオプトリック対物系デザインアプローチは、これらの実施例で採用されている。2つのアプローチは、収差修正のためのマルチ内部イメージの利点を有し、また中心が暗いくないデザインが得られるという利点がある。第1のデザインアプローチでは、折り返し可能な反射レンズミラー要素が用いられる。例えば、光学軸が主反射要素の光学軸に対しある角度を有する。第2のデザインアプローチでは、反射レンズミラー要素は、光学軸が主反射要素の光学軸に対しほぼ一致した角度を有する。いずれのデザインアプローチにおいても、スペクトル帯域幅193nmで単一のガラス材料を用いた場合に、少なくとも1nmを修正できる。このデザインは、また157nmのスペクトル帯域幅の0.5nmを修正できる。さらに、第2ガラス材料の追加は、スペクトル帯域幅を増大させる。例えば、193nmにおいて、スペクトル帯域幅は、シリカおよびCaF2ガラスを用いることにより10nm以上増加できる。
【0034】
第2のデザインアプローチは、マンジャンミラーの光学軸が屈折成分の光学軸と一致またはほぼ一致する。このデザインは、比較的緩い製造公差を提供し、デザインの柔軟性を増加させる。
【0035】
イメージ形成光学系は、第1および第2の態様において、非常に重要である。2つの取りうるデザインオプションが、イメージ形成光学系として利用できる。これら2つのオプションは、デュアルモーション(二重動作)のヴァリフォーカル(可変焦点)ズームと、シングルモーション光学的補償ズームである。両ズームオプションは、第1および第2の態様において便利な倍率のレンジを提供する。これらのズームオプションは、ここに述べるカタディオプトリック対物アプローチと組み合わせることにより高品質のイメージ提供できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明により、いくつかの追加の利点が得られる。第1に、このデザインは、角レンズに単一のガラスタイプを使用して構成することができる。従って、イメージシステムの製造をブロードバンドUV、DUV、VUVへの適用のために単一の最高の屈折物質を利用して行える。
【0037】
本発明の他の大きな利点は、第1、第2および高次のフォーカスにおける色変化および第1、第2および高次のラテラル色修正を修正する能力を含むこと、さらに球面、コマ、非点収差のような収差のクロマティックバリエーションを修正を行えることである。
【0038】
さらに、本発明によれば、広帯域、長いワーキングディスタンス、高開口数、および大きいフラットフィールドにより卓越した動作が得られることである。
【0039】
ここにおいては、本発明の重要な特徴について広く説明した。これは、以下の詳細な説明の理解を助けるためである。また、現在の各種技術を組み合わせることができる。本発明の目的および利点は、以下の詳細な説明および図面から当業者により明らかになるである。
【0040】
当業者は、本発明の目的を達成するための他の構成を本出願に記載のコンセプトから容易に導き出すことができるであろう。この発明の精神および範囲から離れない均等な構成は本発明の記載に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】波長365nm以下における光学イメージングおよび明視野およびリング暗視野検査の方法を示す図である。
【図2】波長365nm以下におけるレーザ暗視野を用いた光学イメージングおよび検査の方法を示す図である。
【図3】単一のガラス材料を利用する折り返し0.7NAカタディオプトリック対物系の例を示す図である。
【図4】マンジャンミラーに送出された光線およびマンジャンミラーから受光した光線のラテラル分離の効果を示す図である。
【図5】0.7NA、長いワーキングディスタンス、融解シリカのみを用いたを暗くないデザインの狭帯域収差修正を提供するデザインの態様を示す図である。
【図6】シリカおよびフッ化カルシウムを使用してシステムの帯域幅をさらに広げた折り返し0.7NAカタディオプトリック対物系を有する本発明の態様を示す図である。
【図7】単一のガラス材料を用いたインラインまたはストレートの0.7NAカタディオプトリック対物系を有する本発明の態様を示す図である。
【図8】フッ化カルシウムから構成されたレンズを用いて、波長157nmにおいて最適な本発明の態様を示す図である。
【図9】2つのガラス材料を用いて修正バンド幅を193nmから203nmに拡大した補発明の態様を示す図である。
【図10】バリフォーカル2モーションズームを用いたイメージ形成光学系の態様を示す図である。
【図11】バリフォーカルズームを用いて3つの異なる倍率を可能とした図である。
【図12】単一モーション光学的補償ズームを用いたイメージ形成光学系の態様を示す図である。
【図13】光学的補償ズームを用いた3つの異なる倍率を可能とした例である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1に、本発明の第1の実施の形態を示し、第1の実施の形態は、明視野又はリング暗視野検査方法を含む。この方法は、フォトマスク又はウェーハ検査に特に適しており、透過照明源101又は反射照明源105などの照明光学系と、長作用距離のカタディオプトリック結像対物レンズ102と、像(イメージ)形成光学系103と、検出器104と、を含む。ウェーハ検査の場合、反射光照明のみが必要とされる。長作用距離のカタディオプトリック対物レンズ及び像形成光学系の設計が、365nm以下の波長におけるフォトマスクの検査を可能にする技術である。単一の材質及び2つの材質を使う、このフォトマスク検査方法をサポートする光学設計は、実施の形態3から10として開示される。光学系及び検出器は全て、後に詳しく説明するように、照明の波長及びスペクトル帯域に対して、注意深く設計され、最適化される。
【0043】
異なる照明源をこの設計で用いてもよく、また異なる照明源が、透過光照明101及び反射光照明105に組入れられてもよく、また、実施の形態3から10の設計及び図3から図13に関する設計と共に組入れられてもよい。これらの光源は、レーザ及びランプを含むが、これらに限定されるものではない。365nm以下の波長では、アルゴン(364nm、351nm、333nm、275nm)、周波数変換レーザ(351nm、266nm、213nm)、ヘリウムカドミウム(325nm)、塩化キセノンエキシマ(308nm)、フッ化クリプトンエキシマ(248nm)、フッ化アルゴンエキシマ(193nm)、フッ素(157nm)、及びアルゴンエキシマ(128nm)を含む、多くの異なるレーザが利用可能である。これに加え、異なる波長のレーザが、周波数混合技法を使い、可能である。水銀キセノン(365−220nm)、カドミウムランプ(210−220nm)、重水素(deturium)(150−190nm)や、様々なエキシマランプなどの、多くの異なるランプ源が利用可能である。これらの源は、非常に異なるスペクトル帯域を有する場合がある。例えば、狭くされていないエキシマレーザ、帯域フィルタを有するランプ、又は周波数変換レーザのそれぞれが、1nm帯域又はそれ以下の光を生成できる。濾波されていないランプ又は、アーク灯、エキシマランプ、又は重水素ランプなどの、より大きな帯域フィルタを有するランプもまた、1nmより大きな帯域を有する、可能な源である。193nm及び157nmの波長で利用可能な光源は、比較的少ない。これらの光源のうち、エキシマレーザが、高速フォトマスク検査をサポートするために必要な輝度を有する。
【0044】
図1に示す実施の形態で使われる照明は、透過光源101で示すように透過光であってもよく、又は反射照明源105で示すように反射光であってもよく、又はその両方であってもよい。照明はまた、リング暗視野結像に必要なもののように、リング形式であってもよい。例えば、このリング照明は、リング形状の開口部を、照明システム内に位置する瞳平面(pupil plane)において、又はその近辺に配置することにより、得ることができる。この開口部は、瞳の光学軸近くの小さな照明角を妨げ、瞳の光学軸から離れる高い照明角を可能にする。このリングは好適には、カタディオプトリック対物レンズ又は像形成光学系の、同様のリングと一致されるべきであり、これにより、像においては、照明リングからの全ての光線が妨げられる。
【0045】
反射照明源の場合、システムによってビームスプリッタ/反射装置106が用いられることに留意されたい。透過照明源101を使う透過照明の場合、フォトマスク107は、透過照明源101と対物レンズ102との間に配置される。
【0046】
透過光のための照明システムは好適には、コンデンサ対物レンズを用いる。コンデンサ対物レンズの目的は、名目上、ウェーハ又はフォトマスク上の結像領域と同じ大きさの領域を照らすことである。コンデンサ対物レンズは、照明のためのみに使われるため、高い光学品質は必要とされない。このような対物レンズは、本発明によって提供されるカタディオプトリック対物レンズの性能を低減したものであってもよく、又は、単純に全屈折設計であってもよい。このような設計は、当業者には、本開示の提示により、達成可能である。反射光のための照明は、ビームスプリッタを使い、標準の顕微鏡と同様に実施される。
【0047】
長作用距離の結像対物レンズ102は、図3から図13に図示する、第3から第8の実施の形態で説明されるレンズ配列を含む。フォトマスク検査のために、これらの設計はいくつかの基本的な必要要件を満たすべきである。対物レンズ作用距離は、6mmより大きく、これにより、鋼線を保護するペリクルと干渉しないようにする。対物レンズは好適にはまた、照明源の帯域における収差に対してうまく修正されているべきである。利用可能な照明源の多くは、標準の種類の、単一材質の全屈折対物レンズ設計から得られる1−2nmの帯域よりも大きな帯域を有する。一例として、典型的に、1nm付近のスペクトル帯域を有する、狭くされていないエキシマレーザが挙げられる。第3から第8の実施の形態におけるカタディオプトリック設計は、この問題を取り扱う。
【0048】
対物レンズはまた、比較的大きな視野に対して結像する能力を有するべきである。大きな視野及び高いデータ取得速度は、フォトマスクの検査を可能な限り速くするために最も重要なことである。
【0049】
像形成光学系103は、照明源及びカタディオプトリック結像対物レンズのスペクトル帯域に対して修正される。像形成光学系103はまた、フォトマスク検査環境で必要とされる様々な拡大率が可能である。像形成光学系103及びカタディオプトリック対物レンズ102は、それぞれ及び一緒に、収差に対して完全に修正されていてもよい。このような収差の修正は、像形成光学系103及びカタディオプトリック対物レンズ102を別個の装置としてテストすることを可能にする。この代わりに、収差の修正は、カタディオプトリック対物レンズ102及び像形成光学系103に共有されてもよい。一般的には、共有収差修正のための光学設計は製作が簡易である場合があるが、像形成光学系及びカタディオプトリック対物レンズのテストは、より複雑である場合がある。
【0050】
像形成光学系又はカタディオプトリック対物レンズはこの代わりに、リング暗視野結像で必要とされるように、瞳平面において又はその近辺で、リング開口部を含むこともできる。この開口部は、照明の同様の開口部に対応し、全ての直接的な照明光が検出器に届くことを妨げるべきである。よって、照明開口部は、透過リングであり、結像開口部は、対応する不透明リングである。
【0051】
明視野結像及びリング暗視野結像の組合せもまた可能である。明視野及び暗視野は、一般的にこの分野で知られているように、別個の検出器上で組み合わされてもよく、又は同時に又は交互に、同一の検出器において組み合わされてもよい。明視野及び暗視野結像が同時に同一の検出器上で実行される場合、光エネルギの相対強度及び位相が、照明及び結像における適切な開口部によって訂正されてもよい。
【0052】
検出器104は好適には、検査システムで使われる高いデータ速度が可能な高速検出器である。検出器104は、一点ダイオードタイプの検出器であってもよく、又はCCD又は時間遅延及び集積(TDI)モードで動作中のCCDなどの面タイプの検出器であってもよい。理想的にはこの検出器は、高い量子効率、低ノイズ、及び、良い変調転送関数(modulation transfer function)(MTF)を有する。裏面が薄くされたCCDセンサが特に、この目的に適している。
【0053】
第2の実施の形態は、365nm以下におけるレーザ暗視野検査の方法であり、この実施の形態を図2に示す。図2に示す実施の形態は、特に、ウェーハ及びフォトマスク検査に適している。図2の装置は、レーザ照明素子201などの照明光学系と、長作用距離のカタディオプトリック結像対物レンズ202と、外部瞳平面におけるフーリエフィルタ又は開口部203と、像形成光学系204と、検出器205と、を含む。図2の構成において単一の材質を使うカタディオプトリック結像設計は好適には、1nm又はそれより低い帯域を有する照明源を使う。2つのガラス材料を使うカタディオプトリック結像装置は、1nmよりも大きい帯域を有する照明源を使う場合に達成可能である。
【0054】
このシステムに使うことのできる照明の種類は、明視野及びリング暗視野検査のための第1の実施の形態に使われるものと同様である。好適なエネルギ又は光源は、その方向性及び輝度から、レーザである。半導体検体のレーザ暗視野照明のための1つの方法又は装置は、対物レンズの外からの検体への直接的な照明である。このような構成では、検体から散乱した光のみが、カタディオプトリック対物レンズによって収集される。鏡のように反射したビームは、対物レンズの数値開口部を超えているため、収集されない。
【0055】
前に述べられたように、長作用距離結像対物レンズ202は、図3から図13について、第3から第8の実施の形態において説明される。レーザ暗視野検査のために、これらの設計は、いくつかの基本的な必要要件を満たす。図3から図13の設計によって提供される長作用距離は、結像システムの動作と干渉することなく、半導体検体環境における対物レンズ外からのレーザエネルギのウェーハへの伝達を単純化する。対物レンズは好適にはまた、照明源201の帯域上の収差に対してよく修正されている。利用可能な照明源の多くが、標準の種類の、単一材料の全屈折対物レンズ設計から得られる、1−2nmの帯域より大きい帯域を有する。この一例として、典型的に1nm付近のスペクトル帯域を有する、狭くされていないエキシマレーザが挙げられる。第3から第8の実施の形態のカタディオプトリック設計は、この問題を取り扱う。大きな視野及び高いデータ取得速度は、迅速なウェーハ又はフォトマスク検査を可能にするため、対物レンズ202は、大きな視野に対して結像する。
【0056】
対物レンズは好適にはまた、簡易にアクセス可能な瞳平面を有し、これにより、フーリエフィルタ又は開口部203によるものなどのフーリエ濾波又は開口をサポートする。フーリエ濾波は、ウェーハ上の反復パターンに起因するノイズを低減でき、これにより、より小さなランダムの欠陥を、よりたやすく検出することを可能にする。
【0057】
像形成光学系204は好適には、照明及びカタディオプトリック結像対物レンズ202のスペクトル帯域に対して修正されている。像形成光学系204は好適にはまた、暗視野検査システムによって必要とされる様々な拡大率をサポートする。像形成光学系204の1つの実現方法は、像形成光学系204とカタディオプトリック対物レンズ202とをそれぞれ収差に対して完全に修正することである。このようなシステムは、別個の装置としての像形成光学系204及びカタディオプトリック対物レンズ202の簡略化されたテストを可能にする。代替技法として、カタディオプトリック対物レンズ202と像形成光学系204との間での共有収差修正が挙げられる。このような方法は、機械的又は光学的により簡略である場合があるが、像形成光学系及びカタディオプトリック対物レンズのテストを複雑化する場合がある。
【0058】
前に述べた、図1に示す第1の実施の形態と同様に、図2の検出器205は好適には、検査システムで使われる高いデータ速度が可能な高速検出器である。検出器205は、一点ダイオードタイプの検出器であってもよく、又はCCD又はTDIモードで動作中のCCDなどの面タイプの検出器であってもよい。理想的にはこの検出器は、高い量子効率、低ノイズ、及び良いMTFを有する。このような検出器は、当業者には一般的に知られている。
【0059】
図1及び図2の設計は、明視野、レーザ方向暗視野、リング暗視野、及び同時明視野及び暗視野構成をサポートでき、これらの構成の各々は、UV波長、DUV波長、VUV波長の存在下で達成できる。深UV及びVUV領域内のCMP層の不透明度により、この対物レンズを使うシステムが、半導体ウェーハの表面欠陥及び微小な傷を見つけるために最適となる。
【0060】
明視野及び暗視野結像及び検査をサポートするために提示されるカタディオプトリック光学装置はまた、様々な他の応用法に使うためにも理想的である。設計は、当業者によって、可視領域から、深UV領域及び真空UV領域までの波長に対して、容易に最適化できる。より長い波長は、ガラス分散が少ないため、より大きな帯域に対して最適化できる。例えば、140nmよりも大きい帯域が、2つの材料設計及び300nmの中心波長において可能である。光エネルギは、より短い波長を含んでいてもよく、設計は、複数の波長の使用を許す。半導体検査のためには、開示される設計は、明視野、レーザ方向暗視野、リング暗視野、及び同時明視野及び暗視野構成をサポートできる。開示される光学設計はまた、サンプルクリアランス(sample clearance)のために長い作用距離が必要とされる、リソグラフィレンズとして又はリソグラフィシミュレーションにおいて、又は、微小電子機器開発用の研究ツールとして、又は蛍光測定として、又は生物学においての使用に最適である。非常に多様な光波長及びスペクトル帯域の存在下での応用法を提供できる、この対物レンズの能力のため、図1及び図2の設計は、蛍光測定に適している。
【0061】
図3に、本発明の第3の実施の形態を示す。この第3の実施の形態は、単一ガラス材料を用いる、折り返しの0.7NAのカタディオプトリック対物レンズ300の簡単な例である。この例は、収差修正及び対物レンズの機能を説明するためにここに示される。本開示に示される他の図面と同様に、図3は、左上端に、ミリメートルの単位で、関連する線の大きさの基準測定値を示す線を含む。
【0062】
また、本開示で示される他の図面と同様に、エネルギ源3000(図示せず)からの光は、図3の左側から入光するように図示される。
【0063】
エネルギ源3000からのエネルギは、望遠写真構成又は逆望遠写真構成に配置された、正のレンズ及び負のレンズのグループ301によって集光される。正のレンズは、配列の前段にあっても、後段にあってもよく、ここで、前段及び後段は、エネルギ源に対する相対的な用語である。ここでは、負のレンズ302が、正のレンズ303の前段にあり、負のレンズ302及び正のレンズ303が、正のレンズ及び負のレンズのグループ301を形成する。正の視野レンズ304が、レンズグループ301の焦点よりもいくらか前に位置する。形成される小さな像の近くには、V形状に配置された比較的小さな一対の平坦折り返しミラー305が配置される。第1の小さな平坦ミラー305aは、光を光学軸に対して90度に反射する。本発明の範囲から逸脱することなく、所望の応用法によって、なんらかの他の角度量を使ってもよい。
【0064】
発散光は次に、図3の底部に位置するマンジャンミラー306に進む。マンジャンミラーは、屈折性があり、反射性の背面を有するレンズ/ミラー素子である。マンジャンミラー306は、第1像を、第2の小さな平坦折り返しミラー305b上に、実質上単位拡大率で、再結像する。システムは、十分に軸から外れて実現され、これにより、戻る第2像は、第1像から横方向に十分に離れ、該横方向での分離距離が各別個の像の光学操作を可能にする。横方向の分離量によって、第2の小さな平坦ミラー305bによる、元の光学軸への光路の折り返しが可能になる。この効果を、図4に示す。
【0065】
図4によれば、実質上単位拡大率のマンジャンミラーリレーの視野内の入力光線は、視野の片側にあり、出力光線が反対側にある。図3から、第2の小さな折り返しミラー305bには、第2の視野レンズ307が続く。そこから、光は、下に説明する最終集光レンズ308まで進む。この最終集光レンズグループ308は、フォトマスク又は半導体ウェーハなどの検体の表面への、比較的長い作用距離を提供する。
【0066】
2つの視野レンズが図3の設計に存在しない場合、この設計は、マンジャンミラーを使うシャップマン(Schupmann)タイプの設計の応用を含む。従来の既知のシステムにおいて示されるように、マンジャンミラーは、シャップマンシステムの仮想像を実際の像に変換する手段を提供する。この新しい構成は、従来の設計に対して2つの重要な利点を提供する。掩蔽(暗くならない:obscuration)が存在しないことと、相対的に長い作用距離である。両方の利点が、小さな折り返しミラー305の新しい配列、実質上単位拡大率のマンジャンミラー306、及びシステム内の2つの中間像の存在の結果である。
【0067】
小さな折り返しミラー305は、様々な方法で実現できる。対物レンズ設計は、これらの折り返しミラーが、視野レンズの、内部像の反対側になるよう、最適化できる。対物レンズ設計はまた、小さな折り返しミラーが、マンジャンミラーに最も近い内部像側にあるように、最適化することもできる。また、プリズム又は複数のプリズムを、反射性表面に使うこともできる。2つのプリズムを反射性ミラーとして使うことができるように、反射性被覆を1つ又はそれ以上のプリズム表面に追加することもできる。この代わりに、1つのプリズムの2つの表面を被覆し、プリズムを反射性表面の両方として機能させることもできる。これは、光学軸の角度を定義するために、プリズム上で高精度の角度を磨く(polish)ことができるため、有利である。プリズムはまた、全反射モードで使用することもできる。これは、短い波長のため、又は広いスペクトル帯域のためなど、高効率の光学被覆が難しい場合に有利である。このモードでは、90度に近いプリズムの斜辺が、全反射で使われ、反射性表面を置換する。入射ビーム及び反射ビームとほぼ垂直なプリズムの表面は、透過効率を向上するため、反射防止コーティングをされてもよい。
【0068】
設計が2つの視野レンズを有する2つの位置のどちらかに、1つの視野レンズをシステムに追加することにより、軸等和色(secondary axial color)又は横原色(primary lateral color)のいずれかに対して、設計を修正する能力が提供される。軸原色は、シュンプマン(Schumpmann)原理に関連するものと同様に、マンジャンミラー素子306の正の屈折力とレンズの正の力とのバランスを取ることにより、視野レンズなしに修正される。2つの視野レンズ304及び307を、中間像近辺で使用することにより、軸等和色及び横原色の両方の修正を可能にする。この結果として、よい軸色修正を有する、かなり広いスペクトル領域を備えるが、軸等和色によって制限される設計が生じる。横等和色の修正は、システムの第1の半分とシステムの第2の半分との等和色のバランスを取ることにより達成できる。ここで、システムの第1の半分は入射エネルギ源からマンジャンミラー306の反射性部分までの全てのレンズを含み、レンズグループ301と、視野レンズ304と、第1の小さな折り返しミラー305aと、マンジャンミラー306と、を含む。この横等和色のバランスを取る方法は、図4のように生成される2つの中間像及び2つの別個の視野レンズ304及び307がシステム内に存在することにより、うまく機能する。既知のシステム同様に、第3軸色は、視野レンズ304及び307を、中間像の片側に、相当の距離移動させることにより、向上される。
【0069】
開示される本発明は、色収差を修正するための、特に説明されたミラー配列と関連する単一の屈折材料を必要とするカタディオプトリックシステムである。193nm近辺のエネルギ源波長の存在下での使用を目的とする設計では、好適なレンズ材料はシリカである。157nm近辺の波長での使用を目的とする同様の設計では、好適なレンズ材料はCaF2である。157nmの波長では、例えば、CaF2には、複屈折、水溶性、又は機械的な軟らかさにおいて深刻な問題が存在しないため、CaF2が好適である。更なる色修正もまた、2つのガラス材料を使うことにより達成できるが、このような配列は、追加の費用を必要とする場合があり、また、複屈折、水溶性、又は機械的な軟らかさにおける欠点を有する場合がある。
【0070】
1種類のガラスのみが使われ、様々な色収差を修正する場合には、特殊な問題が存在する。従来の設計は通常、2種類又は3種類のガラスを使い色収差を修正する。本発明は、特定のレンズ及びミラー構成によって、全てのレンズで使われる単一種類の材料の存在下で、この修正を実行する。非常に深いUVでは、シリカ及びCaF2の両方が高度に分散的であり、非常に短い波長での狭いスペクトル帯域でさえも、多くの独特な色収差の修正を必要とする場合がある。このような色収差は、軸原色及び軸等和色、横原色及び横等和色、球形収差(spherical aberration)の色偏差、及びコマの色偏差を含んでもよい。本発明においては、レンズ及びミラーの位置が、軸原色及び横原色の完全な修正を可能にする。軸等和色及び横等和色は、完全には修正できないが、比較的狭いスペクトル帯域において、十分に小さく保ち、許容範囲内とすることができる。球形収差及びコマの色偏差はまた、この小さな折り返しミラー及び二重視野レンズ設計を使い修正できる。図3の設計に存在する正の軸色寄与分(contribution)と負の軸色寄与分との物理的な分離距離、特に、設計内の、位置的に本質的に異なる位置への分離距離が、収差の色偏差を修正するために特殊な問題を生じる。色収差偏差の最小化は、図3に示されるものや、下に第4から第8の実施の形態に関して示されるもののように、レンズの力及び形状の、非常に特化した配列を必要とする。
【0071】
図3の設計は、光学システムと検査される表面との間、特にシステム内の最終レンズ308と結像される対象物又は検体309(図示せず)の表面との間に、長い作用距離を有する光学システムを提供する。図3の配列は更に、高い数値開口を有し、また、中心の掩蔽が存在しない。高い数値開口は、結像される表面の上の角度範囲が可能な限り大きい、高解像度結像及び収集を可能にする。0.8よりも大きい数値開口が、優良な性能と共に達成できる。0.8の数値開口は、表面の上で、法線から53度の角度まで収集することに対応する。
【0072】
更に、多くのカタディオプトリック光学システムと違い、図3の設計には、低周波数情報を妨げる中心掩蔽が存在しない。図3の設計には、この問題が存在せず、全ての低周波数情報の利用を可能とする。
【0073】
図3に示す設計はまた、比較的妥当な許容差を提供し、より簡易に製造できる。図3の設計における妥当な許容差の長所は、この設計が、いくつかの光学素子に対して非常に厳しい位置及び厚さ許容差を有する、多くの既知の高NA、広帯域システムに存在する問題点を克服することである。これらの厳しい許容差は、従来の設計を、生産環境で作り動作させるために、非常に高価、又は、場合によっては、不可能としてしまう場合がある。
【0074】
図5に、融解石英のみを使い、0.7NA、長作用距離、及び掩蔽されない設計を与える、追加の狭帯域収差修正を提供する、複雑化した形の設計を示す。対象物は、軸から0.25mmから0.75mm外れて伸び、設計は、192.8nmから193.8nmの1nmの帯域を有する。この種類の設計例の表面データを表1に示す。図5に示すシステムの性能は、高次軸色ではなく、色の収差の偏差のみによって制限される。他の形も可能であり、この場合には、本開示の提示により、当業者にとっては最小限の努力を必要とする。
【0075】
図5に示すように、レーザエネルギなどのエネルギは、エネルギ源5000(図示せず)から対物レンズ500へと発せられる。対物レンズ500は、レンズ配列530を含み、このレンズ配列530は、第1レンズ501及び第2レンズ502を有する第1レンズペア531と、これに続く、第3レンズ503と、第4レンズ504と、第5レンズ505と、を備える。エネルギは、レンズ配列530によって、視野レンズ506に向かって集められ、この視野レンズ506は次に、エネルギを小さな折り返しミラー又は反射表面、ここでは具体的には第1ミラー507に向ける。エネルギは、第1ミラー507からレンズ508及びマンジャンミラー509へと向けられ、マンジャンミラー509は、光エネルギを反射しレンズ508を通じて、小さな折り返しミラー又は反射表面の第2の部分、具体的には第2ミラー510に向けて戻す。
【0076】
図5において、光は、第2折り返しミラー510から視野レンズ533へと反射され、ここで視野レンズ533は、第1視野レンズ511と第2視野レンズ512とを備える。視野レンズ533から、光は、集光レンズ配列534へと送られ、この集光レンズ配列534は、第1集光レンズ513と、第2集光レンズ514と、第3集光レンズ515と、第4集光レンズ516と、第5集光レンズ517と、第6集光レンズ518と、第7集光レンズ519と、を含む。検査される検体又は表面520は、図5に図示していないが、図5の向きにおいて、対物レンズ500の右側に位置する。光エネルギは、検体に当たり、図5の対物レンズ500を通じて反射し、戻される。この代わりに、光エネルギは、検体を通じて透過し、図5に示すように右から左へと対物レンズ500を通って透過してもよい。
【0077】
【表1】
*表面の厚さは、表面が素子の「上流」側にある場合には表面の厚さを表し、表面が素子の「下流」側にある場合には、表面と次の表面との間の距離を表す。例えば、素子501の表面2は、81.983ミリメートルの半径を有し、レンズは5.000ミリメートルの厚さである。レンズ素子501の表面3は、18.305ミリメートルの半径を有し、次の表面である素子502の表面4から4.216ミリメートルの距離にある。
**設計に関連するが重要でないいくつかの素子は、図面には図示されていない。
【0078】
図6は、本発明の第4の実施形態を示す図である。図6は、2つの材料を用いて構成される、0.7NAの折り返し(folded)カタディオプトリック対物系を示す。この構成では、シリカとフッ化カルシウムとがシステムの帯域をさらに増強するために用いられている。フッ化カルシウムは、この構成では、視野レンズに加えられ、これら両レンズを色消し(achromats)にする。図6の構成は、193から225nmの光エネルギーに適正化されている。第4の実施形態のシステムにおけるサーフェスデータは、表2に示される。
【0079】
図6に示すように、光エネルギーやレーザエネルギーは、エネルギー源6000(図示せず)から伝播して対物系600に届けられる。対物系600は、レンズ群630を含み、このレンズ群は第1レンズ601と、第2レンズ602と、第3レンズ603と、第4レンズ604と、第5レンズ605と、第6レンズ606とを含んでなる。エネルギーはレンズ群630によって視野レンズ群631にフォーカスされ、この視野レンズ群は、第7レンズ607と第8レンズ608と、第9レンズ609と、第10レンズ610とを含んでなる。第8レンズ608と、第10レンズ610とは、フッ化カルシウム(CaF2)で形成されている。この視野レンズ群631は、光エネルギーを第1の小型折り返し(folding)ミラー又は反射面611に照射させ、この小型折り返しミラー反射面は、レンズ612とマンジャン(Mangin)ミラー613とにエネルギーを照射させる。光エネルギーは、マンジャンミラー613によって反射されてレンズ612に戻され、小型折り返しミラー又は反射面の第2の部分、特に第2ミラー614へ導かれる。
【0080】
光は、第2の折り返しミラー614で反射されて、第2の視野レンズ群632に至り、この第2の視野レンズ群は第1視野レンズ615と第2視野レンズ616と第3視野レンズ617とを含んでなる。第1視野レンズ615及び第3視野レンズ617は双方とも、フッ化カルシウムで形成される。視野レンズ群632から、光エネルギーがフォーカシングレンズ群633に伝播し、このフォーカシングレンズ群は第1フォーカシングレンズ618と、第2フォーカシングレンズ619と、第3フォーカシングレンズ621と、第4フォーカシングレンズ622と、第5フォーカシングレンズ623とを含む。対象標本(specimen)又は表面624が検査され、これらを図6には図示しないが、図6の対物系600の右側に配置される。
【0081】
【表2】
【0082】
帯域幅を増大させるため、第2のガラス材料の代りに回折性のある光学系を用いることもできる。この場合、当該回折性のある光学系は、適切な回折能力と回折角度とを備えるべく、特定の位相プロファイルをもって製造されなければならない。かかる構成は、ここでの開示を一旦参照すれば、当業者が実施できる。
【0083】
図5及び6に示した実施形態は2つのディスアドバンテージを有する。一つは、マンジャンミラーイメージリレーの光軸が、フォーカシングレンズの光軸に対して90度ずれていることである。この構成は、マンジャンミラーイメージリレーの光学要素に対して、角度及び位置に関する非常に高度な寛容性を要求する。これは製造の困難性やシステムコストの増大という結果をもたらし得る。この理由のため、当該90度ずれたパス(90 degree path)のレンズ要素の数を最小限に抑えることが望ましい。従って、90度ずれた光学軸は、この対物系の構成を制限し得る。第2に、絞り(aperturing)や、フーリエフィルタリングのための瞳面(pupil plane)が対物系の内部のコリメートされていない領域に配置される。これは、絞りやフィルタを導入する際に問題となる。さらに、瞳面がコリメートされていない領域にあるため、検査対象物のフーリエ面にないこととなる。これはフーリエフィルタの効率を著しく低減する。
【0084】
図7に示される、第5の実施形態は、マンジャンミラーイメージリレーと内部瞳面に関する、この90度曲げの問題を解決する。図7は、1つのガラス素材を用いたインライン又はストレート0,7NAカタディオプトリック対物系を示している。図7の構成はまた、構成の自由度と製造上の寛容性を緩和する。例えば、どれかのレンズが5ミクロンだけ中心からずれれば、なんら補償のための要素っを持たない場合、四分の一より小さいコマ(coma)の波を生じてしまう。偏心(decenter)又は傾斜(tilt)した要素を補償要素として用いれば、寛容性はより緩和される。図7の構成では、第2の内部像の後に、多少のレンズによる1つのベンド(bend)を含む。これらのレンズは、寛容性を著しく緩和させ、システムの製造可能性に影響を与えない傾向にある。図7の構成はさらに、外部の瞳面701が、絞りやフーリエフィルタリングのために配置されている。この瞳面は、コリメートされた領域にあり、そのため、対象物のフーリエ面に対応する。図7においては、対象物は0.25mmから、0,75mmだけ軸から離され、構成は、192.8〜193.8nmに対し、1nmの帯域幅を有する。
【0085】
図7に示されているように、光エネルギー又はレーザエネルギーは、エネルギー源7000(図示せず)から対物系700に伝播される。対物系700は、第1レンズ702と、第1視野レンズ703とを含む。この第1視野レンズ803は、光エネルギーを小型折り返しミラー又は反射面704に向けさせ、この小型折り返しミラー又は反射面は、エネルギーをフォーカシングレンズ705と706と、マンジャンミラー707とに向けさせる。マンジャンミラー707で反射され、戻ってきた光エネルギーは、フォーカシングレンズ706、705を透過し、先の小型折り返しミラー又は反射面704に導かれる。光エネルギーはそして第2視野レンズ708とフォーカシングレンズ群720を透過し、このフォーカシングレンズ群は第1フォーカシングレンズ709と、第2フォーカシングレンズ710と、第3フォーカシングレンズ711と、第4フォーカシングレンズ712と、第5フォーカシングレンズ713と、第6フォーカシングレンズ714と、第7フォーカシングレンズ716とを含む。対象標本(specimen)又は表面716が検査され、これらを図7には図示しないが、図7の対物系700の右側に配置される。光エネルギーは対象標本717に当たって反射されて図7の対物系に戻る。図7の構成で採用されるシステムに対するサーフェスデータは表3にリストされる。
【0086】
暗視野構成(darkfied arrangement)では、光エネルギーは、図2に示したような対象標本面に向けられる。光エネルギーは、対物系に向けて散乱され、つまり図7の構成の第7フォーカシングレンズ715に向かう。このような構成では、光エネルギーはシステムに戻って通過し、マンジャンミラー707にあたり、第1レンズ702を透過する。
【0087】
図7の構成は、外部瞳面701を有して、絞りやフーリエフィルタリングをサポートする。絞りは、図7の構成との関係で用いることができ、イメージングシステムにおける種々の絞りのコントロールを可能にする。例えば、ある絞りがオプションとして瞳面の位置に配置され、これにより全体的な解像度と、フォーカスの深度との制御を可能にする。フーリエフィルタリングは特に、レーザ暗視野イメージング等のアプリケーションで役に立つ。フーリエフィルタリングは、面上の欠陥(defect)についての信号対ノイズ比の増大により、反復するサーフェスパターンのフィルタリングを可能にする。
【0088】
【表3】
【0089】
図8に示す第6の実施形態は、図7に示した第5の実施形態に類似するが、157nmの波長に最適化されている。この波長の変更は、溶融(fused)シリカの代りにフッ化カルシウムを使用するよう材料の変更を要求する。193nmでの溶融シリカの屈折率(index)は、157nmでのフッ化カルシウムの屈折率(index)にほとんど同一であり、そのため、構成は、材料以外の大きな変更を要しない。しかしながら、157nmでのフッ化カルシウムの分散(dispersion)は、193nmでの溶融シリカの分散よりも大きく、構成のさらなる最適化のための若干の変更を要求される。図8に示した構成は、マンジャンミラーをフロントサーフェスミラーとメニスカスレンズとに分割するオプションを可能にし、これは、いくつかの場合に製造を簡易にする。この分割マンジャンミラーを用いる方法は、他の、図3〜図9に示すカタディオプトリック対物系の構成においても同様に採用できる。対象物は、軸から0.25mmから0.75mmだけ離され、この構成は、156.75〜157.25nmから0.5nmの帯域幅を有する。
【0090】
図8に示すように、光エネルギーは、エネルギー源8000(図示せず)から対物系800に伝播される。この対物系800は、図7に示した構成と同様に、外部に瞳面801を有する。対物系800は、第1レンズ802と第1視野レンズ803とを含む。この第1視野レンズ803は、光エネルギーを小型折り返しミラー又は反射面804に向け、この小型折り返しミラー又は反射面は、エネルギーをフォーカシングレンズ805,806及び807と、ミラー面808とに向ける。光エネルギーは、ミラー面808で反射して戻され、フォーカシングレンズ807,806及び805を透過し、先の小型折り返しミラー又は反射面804に戻る。光エネルギーは、そして、視野レンズ群820を透過し、この視野レンズ群は、第1視野レンズ809と第2視野レンズ810と第3視野レンズ811とを含む。光はそしてフォーカシングレンズ群821を透過し、このフォーカシングレンズ群は、第1フォーカシングレンズ812と、第2フォーカシングレンズ813と、第3フォーカシングレンズ814と、第4フォーカシングレンズ815と、第5フォーカシングレンズ816とを含む。対象標本(specimen)又は表面817が検査され、これらを図8には図示しないが、図8の対物系800の右側に配置される。光エネルギーは対象標本817に当たって反射されて図8の対物系に戻る。対象標本817からの光は、すでに図7の第5の実施形態で説明したように、瞳面801にて絞られ、又はフーリエフィルタリングされてもよい。図8の対物系を有するシステムに対するサーフェスデータは表4にリストされる。
【0091】
【表4】
【0092】
図9に示される第7の実施形態は、図7及び8に示された、第5及び第6の実施形態に類似する。図9に示したこの構成は、ストレート0.7NAカタディオプトリック・アプローチであり、さらなる構成上のフレキシビリティを許容し、パフォーマンスを向上させ、製造上の寛容性を緩和する。さらに、図6の構成に似て、第2のガラス材料、フッ化カルシウムが帯域幅補正の向上のために用いられている。図9の構成は、193から203nmに適している。図9の構成は、アイピース群に1つのフッ化カルシウム要素をもち、中間イメージ(intermediate image)近傍に1つ、フッ化カルシウム/シリカの二重レンズ系(ダブレット)を有する。対象物は、軸から0.25mmから0.75mmだけ離れ、この構成は、193.3から203.3nmの帯域幅を有する。
【0093】
図9に示すように、光エネルギー又はレーザエネルギーがエネルギー源9000(図示せず)から対物系900に伝播する。図7及び図8に示した対物系の実施形態のように、外部の瞳面901が絞りやフーリエフィルタリングのために利用できる。対物系900は、第1レンズ902と、第1視野レンズ群930とを有し、第1視野レンズ群は、第1視野レンズ903と、第2視野レンズ904とを含む。この第1視野レンズ群930は、光エネルギーを小型折り返しミラー又は反射面905に向け、この小型折り返しミラー又は反射面は、エネルギーをフォーカシングレンズ906及び907と、マンジャンミラー908とに向ける。光エネルギーは、マンジャンミラー908で反射されて戻り、フォーカシングレンズ907及び906を透過して戻り、先の小型折り返しミラー又は反射面905に導かれる。光エネルギーはそして第2視野レンズ群931を透過し、この第2視野レンズ群931は、第3視野レンズ909と第4視野レンズ910と、第5視野レンズ911とを含む。光はそして、フォーカシングレンズ群932と透過し、このフォーカシングレンズ群は、第1フォーカシングレンズ912と、第2フォーカシングレンズ913と、第3フォーカシングレンズ914と、第4フォーカシングレンズ915と、第5フォーカシングレンズ916と、第6フォーカシングレンズ917と、第7フォーカシングレンズ918とを含む。対象標本(specimen)又は表面919が検査され、これらを図9には図示しないが、図9の対物系900の右側に配置される。光エネルギーは対象標本917にあたって反射され、図9の対物系900に戻る。
【0094】
図9の構成のサーフェスデータを表5にリストする。
【0095】
【表5】
【0096】
イメージングシステムの全体、例えば実施形態1から2と図1から2で説明されたものは、例えば実施形態3から6と図3から9で説明されたような対物系を必要とする。イメージ形成のための光学系は、異なる構成とすることができる。イメージ形成光学系は、単一の(single)倍率を作り出す能力を有しているスタティック・チューブレンズとすることもできる。スタティック・チューブレンズの構成では、異なる倍率は、異なるチューブレンズを用いることによって得られ、そのようなチューブレンズは当業者ならば容易に構成できる。別のイメージ形成光学系の構成は、ズーミング・チューブレンズである。ズーミング・チューブレンズは、幅広い倍率を得るのに1つの光学系だけしか要しない。2つの異なるズーミング・チューブレンズを用いた例が、以下に第7及び第8の実施形態として示される。イメージ形成光学系は、光源の波長とスペクトル帯域幅に適正化されていなければならない。
【0097】
図10に示される第7の実施形態は、複数焦点(varifocal)の2つのモーションズームを有して、倍率を変更するイメージ形成チューブレンズである。その構成方法は、「広いレンジのズーム機能を備えた超広帯域UV顕微鏡イメージングシステム(Ultra-Broadband UV Microscope Imaging System with Wide Range Zoom Capability)」と題された米国特許出願08/908,247であって、本発明が、その一部継続出願となっているものに類している。構成は、ステーショナリー二重レンズ(ダブレット)1020と、ズーミング群1021と、検出グループ1022とを有する。ステーショナリー二重レンズは、第1ダブレットレンズ1002と、第2ダブレットレンズ1003とを含む。ズーミング群は、第1ズームレンズ1004と、第2ズームレンズ1005と、第3ズームレンズ1006とを含む。検出部1022は、保護ウインドウ1007と検出器1008とを含む。倍率の変更は、ズーミング群を光軸に沿って移動し、保護ウインドウで再度フォーカス(refocus)するとともに検出器の位置を調整することで達成される。3つの倍率の例が図11に示される。低倍率のズーム位置1101は、トータルの長さが最も短く、ズーミング群1121は二重レンズ1120から離されたものとなる。中間的倍率1102では、二重レンズ1120から検出部1122までのトータルの長さが長くなり、二重レンズ1120からズーム群1121までの距離は短くなる。高倍率1103では、二重レンズ1120から検出部1122までの距離は最大となり、二重レンズ1120からズーム群1121までの距離は最小となる。38倍から152倍までのレンジの倍流を越えて、システムにおける二重レンズ1020から検出器1008までのトータルの長さは、320mmから880mmまで変化する。3つのレンズがズーミンググループ1021内で動き、その動きは全体で68mmである。図12の構成の瞳(pupil)1201は、図7に示した構成に一致する。当業者ならば、この開示を受けて、類似のチューブレンズを用いて図3から9の対物系の構成とともに他の構成を、本発明の範囲内で容易に構成できるであろう。また、当業者ならば、この開示により、他の倍率や他の倍率レンジを、複数焦点を有する2つのモーションズームにより構成することもできる。
【0098】
図10の構成についてのサーフェスデータは、表6にリストされる。
【0099】
【表6】
【0100】
図12に示される第8の実施形態は、倍率変更のために光学的に補償された単一モーションズームを用いたイメージ形成チューブレンズである。この構成方法は、デビッド・R・シェーファーによる論文、「可動要素を1つ用いるカタディオプティック光学的補償ズーミングシステム(Catadioptic optically compensated zooming system with one moving element)」,Proc SPIE Vol.2539, pp.235-240に開示されたものと似ている。構成は、第1二重レンズ1220と、ズーミング群1221と、ミラー1206と、第2二重レンズ1222と、検出器1210とを含む。第1二重レンズは、二重レンズ1202とそれに続く二重レンズ1203とを含む。ズーミング群は、第1ズームレンズ1204と、第2ズームレンズ1205とを含む。倍率変更は、ズーミング群1221を第1二重レンズ1220とズーミング群1221とミラー1206との光軸に沿って移動することで達成される。その他の動きは必要ない。
【0101】
2つの倍率の例が、図13に示される。低倍率ズーム位置1301では、ズーム群1321が第1二重レンズ1320にとても近い位置になる。中間的倍率1302では、ズーム群は第1に重レンズ1320と、ミラー1304との中央(in between)になる。高倍率1303では、ズーム群1321は、ミラー1304に比較的近い位置にくる。この構成では、倍率は、60倍から180倍以上となる。
【0102】
図12の構成の瞳1201は、図7により示した構成のものと一致する。図12の構成に対するサーフェスデータは、表7にリストされるものとなる。
【0103】
【表7】
【0104】
ここでは、特定の実施形態に関連づけて本発明を説明したが、さらなる変形例が本発明から得られることは理解されるであろう。この出願は、本発明のあらゆる変形例、利用、適用をカバーし、一般に、発明の原理(principles)及びここでの開示を出発点として、知られたカスタマイズ慣行の範囲でこの発明の技術分野にて到達できる部分も含むよう、意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を検査する方法であって、
光エネルギー源からの光エネルギーを供給し、
前記光エネルギー源から受け取った光エネルギーを折り返しミラーによって折り返し、第1イメージを形成し、
前記第1イメージをマンジャンミラーに伝え、これによってマンジャンミラーに光エネルギーを反射させ、
前記マンジャンミラーからの光エネルギーを第2レンズ部に向け、これによって、マンジャンミラーからの光エネルギーにより前記第1イメージからずれた第2イメージを形成し、
前記第2イメージを前記試料に与えるステップを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
光エネルギー源からの光エネルギーを受け取り、
前記光エネルギー源からの光を第1レンズ部、フィールドレンズ部を介し、前記折り返しミラーに与えるステップを含む方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
さらに、
前記第2レンズ部に向けるステップの後に、イメージ形成光学系を介し検出器に光エネルギーを向けるステップを含む方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
さらに、
前記試料から検出を行う箇所を少なくとも6mm離す分離要素を含む方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
さらに、
前記第2レンズ部に向けるステップから受けた光エネルギーをフーリエフィルタリングするステップを含む方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記方法は、複数のレンズを用い、この複数のレンズは単一の材料から構成されている方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
さらに、
前記第2レンズ部に向けるステップに引き続き、光エネルギーを第2折り返しミラーに向けるステップを含む方法。
【請求項8】
試料を検査するための対物光学系であって、
受け取ったエネルギーを折り返す折り返しミラーであって、所定の方向の入力光線を生成する折り返しミラーと、
前記入力光線を受け取る屈折レンズ/ミラー要素であって、前記入力光線の方向から変位した方向の出力光線を生成する屈折レンズ/ミラーと、
瞳平面を提供するレンズ部であって、前記屈折レンズ/ミラー要素およびレンズ部は、0.70を超える開口数を有する対物光学系。
【請求項9】
請求項8に記載の対物光学系であって、
さらに、
第1フォーカスレンズ部と、
第1フィールドレンズ部と、
第2フィールドレンズ部と、
第2フォーカスレンジ部と、
を含む対物光学系。
【請求項10】
請求項9に記載の対物光学系であって、
前記対物光学系に向けて送出されたエネルギーは、前記第1フォーカスレンズ部と、第1フィールドレンズ部と、第2フィールドレンズ部と、第2フォーカスレンジ部と、を引き続き通過する対物光学系。
【請求項11】
請求項8に記載の対物光学系であって、
さらに、
第2折り返しミラーであって、前記屈折レンズ/ミラー部からエネルギーを受け取り、このエネルギーを前記第2フィールドレンズ部に送る第2折り返しミラーを含む対物光学系。
【請求項12】
請求項9に記載の対物光学系であって、
前記第1フォーカスレンズ部は、少なくとも1つのレンズを含み、前記第1フィールドレンズ部少なくとも1つのレンズを含み、前記第2フィールドレンズ部は少なくとも1つのレンズを含み、前記第2フォーカスレンジ部は少なくとも1つのレンズを含み、このシステム内のすべてのレンズは単一の材料を用いて構成されている対物光学系。
【請求項13】
請求項12に記載の対物光学系において、
前記単一のガラス材料は、融解シリカおよびフッ化カルシウムからなるグループから選ばれた1つを含む対物光学系。
【請求項14】
請求項8に記載の対物光学系において、
前記システムは、0.7を越える開口数を提供する対物光学系。
【請求項15】
請求項8に記載の対物光学系において、
前記システムは、内部ビームスプリッターを利用しない対物光学系。
【請求項16】
請求項8に記載の対物光学系において、
光エネルギーは、前記システムに、エキシマレーザ、バンドパスフィルタを備えたランプ、周波数変換レーザ、重水素レーザの中の1つによって発生される対物光学系。
【請求項17】
試料を検査する装置であって、
光エネルギー発生源を用いて光エネルギーを提供する手段と、
前記光エネルギー源からの受け取った光エネルギーを折り返しミラーに伝達し、第1イメージを形成する手段と、
前記第1イメージを屈折レンズ/ミラー部に伝え、反射光エネルギーを生成する手段と、
前記屈折レンズ/ミラー部からの屈折した光エネルギーをレンズ部を通過させるとともに、検査のために前記試料に向け、これによって、屈折レンズ/ミラー部からの屈折した光エネルギーにより前記第1イメージからずれた第2イメージを形成する手段を含む装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置において、
さらに、
フォーカスを行う第1フォーカス手段と、
第1フィールドレンズ部と、
第2フィールドレンズ部と、
フォーカスを行う第2フォーカス手段と、
を含む装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、
前記装置に向けて送出されたエネルギーは、前記第1フォーカス手段と、第1フィールドレンズ部と、前記折り返しミラー、前記屈折レンズ/ミラー要素、第2フィールドレンズ部と、第2フォーカス手段と、を引き続き通過する装置。
【請求項20】
請求項17に記載の装置であって、
さらに、
第2折り返しミラーであって、前記屈折レンズ/ミラー部からエネルギーを受け取り、このエネルギーを前記第2フィールドレンズ部に送る第2折り返しミラーを含む装置。
【請求項21】
請求項17に記載の装置であって、
前記第1フォーカス手段は、少なくとも1つのレンズを含み、前記第1フィールドレンズ部は少なくとも1つのレンズを含み、前記第2フィールドレンズ部は少なくとも1つのレンズを含み、前記第2フォーカス手段は少なくとも1つのレンズを含み、このシステム内のすべてのレンズは単一の材料を用いて構成されている対物光学装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、
前記単一のガラス材料は、融解シリカおよびフッ化カルシウムからなるグループから選ばれた1つを含む装置。
【請求項23】
請求項17に記載の装置において、
前記対物光学系は、0.7を越える開口数を提供する装置。
【請求項24】
請求項17に記載の装置において、
前記装置は、内部ビームスプリッタを利用しない装置。
【請求項25】
請求項17に記載の装置において、
光エネルギーは、前記システムに、エキシマレーザ、バンドパスフィルタを備えたランプ、周波数変換レーザ、重水素レーザの中の1つによって発生される装置。
【請求項26】
試料のイメージを作る装置であって、
照明システムと、
カタディオプトリック対物光学系と、
イメージ形成光学系と、
検出器と、
を含み、
前記イメージ形成光学系は、前記イメージ形成光学系の開口数0.7を超えて動作する装置。
【請求項27】
請求項26に記載の装置において、
前記照明システムは、所定の中心波長およびスペクトル帯域幅を有し、前記カタディオプトリック対物光学系およびイメージ形成光学系は、前記中心波長およびスペクトル帯域幅に対応している装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置において、
前記照明の中心波長は、大きくても365nmである装置。
【請求項29】
請求項26に記載の装置において、
前記試料は、フォトマスク、半導体ウエハの中の1つを含む装置。
【請求項30】
請求項29に記載の装置において、
照明システムは、光送出照明および反射照明の中の1つを含み、試料がフォトマスクを含むときに光送出照明が採用される装置。
【請求項31】
請求項30に記載の装置において、
前記照明システムは、明視野イメージングおよびリング暗視野イメージングの中の1つを含む装置。
【請求項32】
請求項30に記載の装置において、
前記照明システムは、
エキシマレーザ、
エキシマランプ、
アルゴンレーザ、
アークランプ、
重水素ランプ、
中空カソードランプ、
メタルハライドランプ、
固体レーザ、
周波数変換固体レーザ、
周波数アップコンバートレーザ、
の中の少なくとも1つを含む装置。
【請求項33】
請求項26に記載の装置において、
照明システムの帯域幅は、
光学バンドパスフィルタ、
光学干渉フィルタ、
プリズム、
グレーティング、
回折光学系、
の中の1つを用いて狭帯域化される装置。
【請求項34】
請求項26に記載の装置において、
さらに、
前記照明システムから送出された光を集光するとともに、前記光を公称のサイズに対応する所定の結像領域にフォーカスするコンデンサ対物光学系を含む装置。
【請求項35】
請求項26に記載の装置において、
前記イメージ形成光学系は、単一のガラス材料から構成された複数のレンズを含む装置。
【請求項36】
請求項35に記載の装置において、
前記単一のガラス材料は、シリカおよびフッ化カルシウムの中の1つを含む装置。
【請求項37】
請求項26に記載の装置において、
前記イメージ形成光学系は、2つのガラス材料から構成される複数のレンズを含む装置。
【請求項38】
請求項26に記載の装置において、
前記イメージ形成光学系は、
1つのガラス材料で構成される複数のレンズと、
少なくとも1つの回折表面と、
を含む装置。
【請求項39】
試料を検査するカタディオプトリックイメージングシステムであって、
カタディオプトリック対物系と、
イメージ形成光学系と、
を有し、
前記システムの前記カタディオプトリック対物系は、約0.3nm以上の帯域幅で動作するように修正されているシステム。
【請求項40】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記イメージ形成光学系は、前記試料から6mm以上離れているシステム。
【請求項41】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記イメージ形成光学系は、単一の材料で構成された複数のレンズを含むシステム。
【請求項42】
請求項41に記載のシステムにおいて、
前記単一の材料は、シリカおよびフッ化カルシウムの中の1つを含むシステム。
【請求項43】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記イメージ形成光学系は、
2つのガラス材料、
または1つのガラス材料および1以上の回折表面、
の中の1つで構成された複数のレンズを含むシステム。
【請求項44】
請求項43に記載のシステムにおいて、
前記単一の材料は、シリカおよびフッ化カルシウムの中の1つを含むシステム。
【請求項45】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記システムは、10nm以上の帯域幅にわたって使用されるシステム。
【請求項46】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記システムは、開口数約0.4以上を有するシステム。
【請求項47】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記イメージ形成光学系は、倍率のレンジを得るための単一モーション光学補償ズームを含むシステム。
【請求項1】
試料を検査する方法であって、
光エネルギー源からの光エネルギーを供給し、
前記光エネルギー源から受け取った光エネルギーを折り返しミラーによって折り返し、第1イメージを形成し、
前記第1イメージをマンジャンミラーに伝え、これによってマンジャンミラーに光エネルギーを反射させ、
前記マンジャンミラーからの光エネルギーを第2レンズ部に向け、これによって、マンジャンミラーからの光エネルギーにより前記第1イメージからずれた第2イメージを形成し、
前記第2イメージを前記試料に与えるステップを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
光エネルギー源からの光エネルギーを受け取り、
前記光エネルギー源からの光を第1レンズ部、フィールドレンズ部を介し、前記折り返しミラーに与えるステップを含む方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
さらに、
前記第2レンズ部に向けるステップの後に、イメージ形成光学系を介し検出器に光エネルギーを向けるステップを含む方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
さらに、
前記試料から検出を行う箇所を少なくとも6mm離す分離要素を含む方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
さらに、
前記第2レンズ部に向けるステップから受けた光エネルギーをフーリエフィルタリングするステップを含む方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記方法は、複数のレンズを用い、この複数のレンズは単一の材料から構成されている方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
さらに、
前記第2レンズ部に向けるステップに引き続き、光エネルギーを第2折り返しミラーに向けるステップを含む方法。
【請求項8】
試料を検査するための対物光学系であって、
受け取ったエネルギーを折り返す折り返しミラーであって、所定の方向の入力光線を生成する折り返しミラーと、
前記入力光線を受け取る屈折レンズ/ミラー要素であって、前記入力光線の方向から変位した方向の出力光線を生成する屈折レンズ/ミラーと、
瞳平面を提供するレンズ部であって、前記屈折レンズ/ミラー要素およびレンズ部は、0.70を超える開口数を有する対物光学系。
【請求項9】
請求項8に記載の対物光学系であって、
さらに、
第1フォーカスレンズ部と、
第1フィールドレンズ部と、
第2フィールドレンズ部と、
第2フォーカスレンジ部と、
を含む対物光学系。
【請求項10】
請求項9に記載の対物光学系であって、
前記対物光学系に向けて送出されたエネルギーは、前記第1フォーカスレンズ部と、第1フィールドレンズ部と、第2フィールドレンズ部と、第2フォーカスレンジ部と、を引き続き通過する対物光学系。
【請求項11】
請求項8に記載の対物光学系であって、
さらに、
第2折り返しミラーであって、前記屈折レンズ/ミラー部からエネルギーを受け取り、このエネルギーを前記第2フィールドレンズ部に送る第2折り返しミラーを含む対物光学系。
【請求項12】
請求項9に記載の対物光学系であって、
前記第1フォーカスレンズ部は、少なくとも1つのレンズを含み、前記第1フィールドレンズ部少なくとも1つのレンズを含み、前記第2フィールドレンズ部は少なくとも1つのレンズを含み、前記第2フォーカスレンジ部は少なくとも1つのレンズを含み、このシステム内のすべてのレンズは単一の材料を用いて構成されている対物光学系。
【請求項13】
請求項12に記載の対物光学系において、
前記単一のガラス材料は、融解シリカおよびフッ化カルシウムからなるグループから選ばれた1つを含む対物光学系。
【請求項14】
請求項8に記載の対物光学系において、
前記システムは、0.7を越える開口数を提供する対物光学系。
【請求項15】
請求項8に記載の対物光学系において、
前記システムは、内部ビームスプリッターを利用しない対物光学系。
【請求項16】
請求項8に記載の対物光学系において、
光エネルギーは、前記システムに、エキシマレーザ、バンドパスフィルタを備えたランプ、周波数変換レーザ、重水素レーザの中の1つによって発生される対物光学系。
【請求項17】
試料を検査する装置であって、
光エネルギー発生源を用いて光エネルギーを提供する手段と、
前記光エネルギー源からの受け取った光エネルギーを折り返しミラーに伝達し、第1イメージを形成する手段と、
前記第1イメージを屈折レンズ/ミラー部に伝え、反射光エネルギーを生成する手段と、
前記屈折レンズ/ミラー部からの屈折した光エネルギーをレンズ部を通過させるとともに、検査のために前記試料に向け、これによって、屈折レンズ/ミラー部からの屈折した光エネルギーにより前記第1イメージからずれた第2イメージを形成する手段を含む装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置において、
さらに、
フォーカスを行う第1フォーカス手段と、
第1フィールドレンズ部と、
第2フィールドレンズ部と、
フォーカスを行う第2フォーカス手段と、
を含む装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、
前記装置に向けて送出されたエネルギーは、前記第1フォーカス手段と、第1フィールドレンズ部と、前記折り返しミラー、前記屈折レンズ/ミラー要素、第2フィールドレンズ部と、第2フォーカス手段と、を引き続き通過する装置。
【請求項20】
請求項17に記載の装置であって、
さらに、
第2折り返しミラーであって、前記屈折レンズ/ミラー部からエネルギーを受け取り、このエネルギーを前記第2フィールドレンズ部に送る第2折り返しミラーを含む装置。
【請求項21】
請求項17に記載の装置であって、
前記第1フォーカス手段は、少なくとも1つのレンズを含み、前記第1フィールドレンズ部は少なくとも1つのレンズを含み、前記第2フィールドレンズ部は少なくとも1つのレンズを含み、前記第2フォーカス手段は少なくとも1つのレンズを含み、このシステム内のすべてのレンズは単一の材料を用いて構成されている対物光学装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、
前記単一のガラス材料は、融解シリカおよびフッ化カルシウムからなるグループから選ばれた1つを含む装置。
【請求項23】
請求項17に記載の装置において、
前記対物光学系は、0.7を越える開口数を提供する装置。
【請求項24】
請求項17に記載の装置において、
前記装置は、内部ビームスプリッタを利用しない装置。
【請求項25】
請求項17に記載の装置において、
光エネルギーは、前記システムに、エキシマレーザ、バンドパスフィルタを備えたランプ、周波数変換レーザ、重水素レーザの中の1つによって発生される装置。
【請求項26】
試料のイメージを作る装置であって、
照明システムと、
カタディオプトリック対物光学系と、
イメージ形成光学系と、
検出器と、
を含み、
前記イメージ形成光学系は、前記イメージ形成光学系の開口数0.7を超えて動作する装置。
【請求項27】
請求項26に記載の装置において、
前記照明システムは、所定の中心波長およびスペクトル帯域幅を有し、前記カタディオプトリック対物光学系およびイメージ形成光学系は、前記中心波長およびスペクトル帯域幅に対応している装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置において、
前記照明の中心波長は、大きくても365nmである装置。
【請求項29】
請求項26に記載の装置において、
前記試料は、フォトマスク、半導体ウエハの中の1つを含む装置。
【請求項30】
請求項29に記載の装置において、
照明システムは、光送出照明および反射照明の中の1つを含み、試料がフォトマスクを含むときに光送出照明が採用される装置。
【請求項31】
請求項30に記載の装置において、
前記照明システムは、明視野イメージングおよびリング暗視野イメージングの中の1つを含む装置。
【請求項32】
請求項30に記載の装置において、
前記照明システムは、
エキシマレーザ、
エキシマランプ、
アルゴンレーザ、
アークランプ、
重水素ランプ、
中空カソードランプ、
メタルハライドランプ、
固体レーザ、
周波数変換固体レーザ、
周波数アップコンバートレーザ、
の中の少なくとも1つを含む装置。
【請求項33】
請求項26に記載の装置において、
照明システムの帯域幅は、
光学バンドパスフィルタ、
光学干渉フィルタ、
プリズム、
グレーティング、
回折光学系、
の中の1つを用いて狭帯域化される装置。
【請求項34】
請求項26に記載の装置において、
さらに、
前記照明システムから送出された光を集光するとともに、前記光を公称のサイズに対応する所定の結像領域にフォーカスするコンデンサ対物光学系を含む装置。
【請求項35】
請求項26に記載の装置において、
前記イメージ形成光学系は、単一のガラス材料から構成された複数のレンズを含む装置。
【請求項36】
請求項35に記載の装置において、
前記単一のガラス材料は、シリカおよびフッ化カルシウムの中の1つを含む装置。
【請求項37】
請求項26に記載の装置において、
前記イメージ形成光学系は、2つのガラス材料から構成される複数のレンズを含む装置。
【請求項38】
請求項26に記載の装置において、
前記イメージ形成光学系は、
1つのガラス材料で構成される複数のレンズと、
少なくとも1つの回折表面と、
を含む装置。
【請求項39】
試料を検査するカタディオプトリックイメージングシステムであって、
カタディオプトリック対物系と、
イメージ形成光学系と、
を有し、
前記システムの前記カタディオプトリック対物系は、約0.3nm以上の帯域幅で動作するように修正されているシステム。
【請求項40】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記イメージ形成光学系は、前記試料から6mm以上離れているシステム。
【請求項41】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記イメージ形成光学系は、単一の材料で構成された複数のレンズを含むシステム。
【請求項42】
請求項41に記載のシステムにおいて、
前記単一の材料は、シリカおよびフッ化カルシウムの中の1つを含むシステム。
【請求項43】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記イメージ形成光学系は、
2つのガラス材料、
または1つのガラス材料および1以上の回折表面、
の中の1つで構成された複数のレンズを含むシステム。
【請求項44】
請求項43に記載のシステムにおいて、
前記単一の材料は、シリカおよびフッ化カルシウムの中の1つを含むシステム。
【請求項45】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記システムは、10nm以上の帯域幅にわたって使用されるシステム。
【請求項46】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記システムは、開口数約0.4以上を有するシステム。
【請求項47】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記イメージ形成光学系は、倍率のレンジを得るための単一モーション光学補償ズームを含むシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−47951(P2011−47951A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244939(P2010−244939)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【分割の表示】特願2001−510034(P2001−510034)の分割
【原出願日】平成12年6月22日(2000.6.22)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【分割の表示】特願2001−510034(P2001−510034)の分割
【原出願日】平成12年6月22日(2000.6.22)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]