説明

認知症の検出および治療

本出願は、認知症に関連する可能性がある変異を検出するための方法および材料に関する。例えば、PGRN核酸内で1つ以上の変異を検出するための方法および材料を提供する。本出願は、プログラニュリン(PGRN)発現のレベルを検出するための方法および材料もまた提供する。さらに、本出願は、神経変性疾患(例えば認知症)を有する哺乳動物を治療するための方法および材料に関する。例えば、哺乳動物においてPGRNポリペプチドレベルを増加させるための方法および材料を提供し、かつ哺乳動物においてPGRNポリペプチドのレベルを上昇させるために使用が可能な薬剤を同定するための方法および材料も提供する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
変異を含むPGRN核酸を哺乳動物が含むかどうかを判断するステップを含む、認知症を有することが疑われる哺乳動物において認知症を診断するための方法であって、変異を含む前記PGRN核酸の存在が、前記哺乳動物が認知症を有することを示す、方法。
【請求項2】
前記哺乳動物がヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記認知症が前頭側頭葉変性症である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記認知症が前頭側頭型認知症である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記PGRN核酸がPGRNポリペプチドの配列をコードする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記PGRN核酸が、PGRNポリペプチドの発現を制御するシス作用性制御エレメントである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記変異がヌクレオチド付加である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記変異がヌクレオチド欠失である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記変異がヌクレオチド置換である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記変異が、前記哺乳動物においてPGRNポリペプチドの発現を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記哺乳動物がヒトであり、かつ前記変異が、SEQ ID NO:1に記載のアミノ酸配列を有する上に前記アミノ酸配列に少なくとも1つの変異を含むPGRNポリペプチドを発現させる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記PGRNポリペプチドが、593アミノ酸残基よりも短い長さである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記変異が、前記哺乳動物において切断型PGRNポリペプチドを発現させる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
変異を含むPGRN核酸を哺乳動物が含むかどうかを判断するステップを含む、認知症を発症する危険性があるとして哺乳動物を分類するための方法であって、変異を含む前記PGRN核酸の存在が、前記哺乳動物が認知症を発症する危険があることを示す、方法。
【請求項15】
前記哺乳動物がヒトである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記認知症が前頭側頭葉変性症である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記認知症が前頭側頭型認知症である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記PGRN核酸がPGRNポリペプチドの配列をコードする、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記PGRN核酸が、PGRNポリペプチドの発現を制御するシス作用性制御エレメントである、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記変異がヌクレオチド付加である、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記変異がヌクレオチド欠失である、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記変異がヌクレオチド置換である、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記変異が、前記哺乳動物においてPGRNポリペプチドの発現を減少させる、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記哺乳動物がヒトであり、かつ前記変異が、SEQ ID NO:1に記載のアミノ酸配列を有する上に前記アミノ酸配列に少なくとも1つの変異を含むPGRNポリペプチドを発現させる、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
前記PGRNポリペプチドが、593アミノ酸残基よりも短い長さである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記変異が、前記哺乳動物において切断型PGRNポリペプチドを発現させる、請求項14に記載の方法。
【請求項27】
PGRNポリペプチドまたはPGRN mRNAの減少したレベルを哺乳動物が含むかどうかを判断するステップを含む、認知症を有することが疑われる哺乳動物において認知症を診断するための方法であって、前記減少したレベルの存在が、前記哺乳動物が認知症を有することを示す、方法。
【請求項28】
前記哺乳動物がヒトである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記認知症が前頭側頭葉変性症である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記認知症が前頭側頭型認知症である、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記哺乳動物がヒトであり、かつ前記PGRNポリペプチドが、SEQ ID NO:1に記載されたアミノ酸配列を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
PGRNポリペプチドの減少したレベルを前記哺乳動物が含むかどうかを判断するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
PGRN mRNAの減少したレベルを前記哺乳動物が含むかどうかを判断するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
PGRNポリペプチドまたはPGRN mRNAの減少したレベルを哺乳動物が含むかどうかを判断するステップを含む、認知症を発症する危険性があるとして哺乳動物を分類するための方法であって、前記減少したレベルの存在が、前記哺乳動物が認知症を発症する危険があることを示す、方法。
【請求項35】
前記哺乳動物がヒトである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記認知症が前頭側頭葉変性症である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記認知症が前頭側頭型認知症である、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記哺乳動物がヒトであり、かつ前記PGRNポリペプチドが、SEQ ID NO:1に記載されたアミノ酸配列を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
PGRNポリペプチドの減少したレベルを前記哺乳動物が含むかどうかを判断するステップを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
PGRN mRNAの減少したレベルを前記哺乳動物が含むかどうかを判断するステップを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
SEQ ID NO:1に記載された少なくとも10個の連続したアミノ酸をコードするが、ただし前記少なくとも10個の連続したアミノ酸が、SEQ ID NO:1に記載の配列に対して少なくとも1つの変異を含むことを条件とする核酸配列を含み、少なくとも30ヌクレオチド長である、単離された核酸分子。
【請求項42】
ポリメラーゼ連鎖反応に起因する、請求項41に記載の単離された核酸分子。
【請求項43】
DNAである、請求項41に記載の単離された核酸分子。
【請求項44】
前記核酸配列が、SEQ ID NO:1に記載された少なくとも20個の連続したアミノ酸をコードするが、ただし前記少なくとも20個の連続したアミノ酸は、SEQ ID NO:1に記載された前記配列に対して少なくとも1つの変異を含むことを条件とする、請求項41に記載の単離された核酸分子。
【請求項45】
前記核酸配列が、SEQ ID NO:1に記載された少なくとも40個の連続したアミノ酸をコードするが、ただし前記少なくとも40個の連続したアミノ酸は、SEQ ID NO:1に記載された前記配列に対して少なくとも1つの変異を含むことを条件とする、請求項41に記載の単離された核酸分子。
【請求項46】
少なくとも50ヌクレオチド長である、請求項41に記載の単離された核酸分子。
【請求項47】
少なくとも100ヌクレオチド長である、請求項41に記載の単離された核酸分子。
【請求項48】
前記変異がアミノ酸置換である、請求項41に記載の単離された核酸分子。
【請求項49】
SEQ ID NO:2に記載された少なくとも15個の連続したヌクレオチドを有するが、ただし前記少なくとも15個の連続したヌクレオチドが、SEQ ID NO:2に記載された前記配列に対して少なくとも1つの変異を含むことを条件とする核酸配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項50】
ポリメラーゼ連鎖反応に起因する、請求項49に記載の単離された核酸分子。
【請求項51】
DNAである、請求項49に記載の単離された核酸分子。
【請求項52】
前記核酸配列が、SEQ ID NO:2に記載された少なくとも25個の連続したヌクレオチドを含むが、ただし前記少なくとも25個の連続したアミノ酸は、SEQ ID NO:2に記載された前記配列に対して少なくとも1つの変異を含むことを条件とする、請求項49に記載の単離された核酸分子。
【請求項53】
前記核酸配列が、SEQ ID NO:2に記載された少なくとも50個の連続したヌクレオチドを含むが、ただし前記少なくとも50個の連続したアミノ酸は、SEQ ID NO:2に記載された前記配列に対して少なくとも1つの変異を含むことを条件とする、請求項49に記載の単離された核酸分子。
【請求項54】
少なくとも50ヌクレオチド長である、請求項49に記載の単離された核酸分子。
【請求項55】
少なくとも100ヌクレオチド長である、請求項49に記載の単離された核酸分子。
【請求項56】
前記変異がヌクレオチド付加である、請求項49に記載の単離された核酸分子。
【請求項57】
前記変異がヌクレオチド欠失である、請求項49に記載の単離された核酸分子。
【請求項58】
前記変異がヌクレオチド置換である、請求項49に記載の単離された核酸分子。
【請求項59】
前記変異が、哺乳動物内部の内因性PGRN核酸内に存在する場合、前記哺乳動物においてPGRNポリペプチドの発現を減少させる、請求項49に記載の単離された核酸分子。
【請求項60】
前記変異が、ヒト内部の内因性PGRN核酸内に存在する場合、SEQ ID NO:1に記載のアミノ酸配列を有する上に前記アミノ酸配列に少なくとも1つの変異を含むPGRNポリペプチドを発現させる、請求項49に記載の単離された核酸分子。
【請求項61】
PGRNポリペプチドまたは前記PGRNポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸を哺乳動物に投与するステップを含む、神経変性疾患を有するかまたは前記神経変性疾患を発症することが疑われる哺乳動物を治療するための方法。
【請求項62】
前記哺乳動物がヒトである、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記哺乳動物が神経変性疾患を有する、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記神経変性疾患の症状が改善するという条件の下、前記PGRNポリペプチドまたは前記核酸が前記哺乳動物に投与される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記症状が少なくとも25パーセント改善する、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記哺乳動物が前記神経変性疾患を発症することが疑われる、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記神経変性疾患の症状の発症が遅延されるという条件の下、前記PGRNポリペプチドまたは前記核酸が前記哺乳動物に投与される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記発症が少なくとも5年間遅延される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記神経変性疾患が、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、および運動ニューロン疾患から成る群より選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項70】
前記PGRNポリペプチドを前記哺乳動物に投与するステップを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項71】
前記PGRNポリペプチドが、SEQ ID NO:1に記載されたアミノ酸配列を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記核酸を前記哺乳動物に投与するステップを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項73】
前記核酸が、SEQ ID NO:2に記載されたヌクレオチド配列を含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記PGRNポリペプチドが、SEQ ID NO:1に記載されたアミノ酸配列を含む、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記核酸が、ウイルスベクターを使用して投与される、請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記ウイルスベクターが、アデノ随伴ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、およびアデノウイルスベクターから成る群より選択される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
(a)(i)変異を有するPGRN核酸または(ii)PGRNポリペプチドまたはPGRN mRNAの減少したレベルを有する哺乳動物を取得するステップ、および
(b)前記哺乳動物におけるPGRNポリペプチドのレベルを増加させる薬剤を前記哺乳動物に投与するステップ
を含む、神経変性疾患を有するかまたは前記神経変性疾患を発症することが疑われる哺乳動物を治療するための方法。
【請求項78】
前記哺乳動物がヒトである、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記哺乳動物が神経変性疾患を有する、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記神経変性疾患の症状が改善するという条件の下、前記薬剤が前記哺乳動物に投与される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記症状が少なくとも25パーセント改善する、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記哺乳動物が前記神経変性疾患を発症することが疑われる、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
前記神経変性疾患の症状の発現が遅延されるという条件の下、前記薬剤が前記哺乳動物に投与される、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記発症が少なくとも5年間遅延される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記神経変性疾患が、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、および運動ニューロン疾患から成る群より選択される、請求項77に記載の方法。
【請求項86】
前記薬剤が、17β−エストラジオール、エンドセリン、プロピオン酸テストステロン、リゾホスファチジン酸、cAMP、およびエチニルエストラジオールから成る群より選択される、請求項77に記載の方法。
【請求項87】
前記薬剤が非ステロイド性抗炎症薬である、請求項77に記載の方法。
【請求項88】
前記非ステロイド性抗炎症薬が、イブプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク、ナプロキセン、およびアスピリンから成る群より選択される、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記薬剤がPPARアゴニストである、請求項77に記載の方法。
【請求項90】
前記PPARアゴニストが、ゲムフィブロジル、フェノフィブレート、クロフィブレート、ロサグリタゾン(rosaglitazone)、ピオグリタゾン、トログリタゾン、シグリタゾン(ciglitazone)、およびL165,041から成る群より選択される、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
(a)分裂したPGRN配列に対してヘテロ接合またはホモ接合である体細胞および胚細胞を含む非ヒト哺乳動物に対して試験薬剤を投与するステップ、ならびに
(b)(i)神経変性疾患の症状が前記非ヒト哺乳動物において改善したかどうか、または(ii)PGRNポリペプチドまたはPGRN mRNA発現のレベルが前記非ヒト哺乳動物で増加したかどうかを判断するステップ
を含む、哺乳動物において神経変性疾患を治療するための薬剤を同定するための方法であって、
前記改善の存在または前記増加したレベルの存在が、前記試験薬剤が神経変性疾患を治療するための薬剤であることを示す、方法。
【請求項92】
前記非ヒト哺乳動物がマウスである、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記非ヒト哺乳動物が、微小管関連タンパク質タウ、TAR DNA結合タンパク質43、およびアミロイド前駆体タンパク質から成る群より選択されるポリペプチドをコードする外因性核酸を含む、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記非ヒト哺乳動物が、体細胞および胚細胞に前記外因性核酸を含むトランスジェニックマウスである、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記非ヒト哺乳動物が、SEQ ID NO:1に記載のアミノ酸配列を有する上に前記アミノ酸配列に少なくとも1つの変異を含むポリペプチドをコードする外因性核酸を含む、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記非ヒト哺乳動物が、体細胞および胚細胞に前記外因性核酸を含むトランスジェニックマウスである、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記非ヒト哺乳動物が、前記分裂したPGRN配列に対してホモ接合である体細胞および胚細胞を含む、請求項91に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2009−538631(P2009−538631A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513441(P2009−513441)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/070008
【国際公開番号】WO2008/019187
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(501083115)メイヨ・ファウンデーション・フォー・メディカル・エデュケーション・アンド・リサーチ (27)
【出願人】(508352229)ザ ユニバーシティー オブ マンチェスター (1)
【出願人】(508352230)ユニバーシティー オブ ブリティッシュ コロンビア (1)
【出願人】(508353547)ブイアイビー ブイゼットダブリュ (1)
【出願人】(508353570)ユニバーシテイト アントワープ (1)
【Fターム(参考)】