説明

車両の制御装置

【課題】車両の減速エネルギーの回収を効率的に行うことを前提として、車両の減速度の変化を緩和することを可能とした車両の制御装置を提供すること。
【解決手段】燃料カットの開始に伴ってオルタネータの目標発電電圧を高圧側に設定し(ST3)、燃料カットの終了に伴ってオルタネータの目標発電電圧を低圧側に設定(ST6)するECUを備える。ECUは、燃料カットを終了した後(ST1:NO)、所定時間経過後に(ST5:YES)、オルタネータの目標発電電圧の高圧側から低圧側へ設定する(ST6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両の制御装置に関する。特に、内燃機関の燃料カットのオンオフ制御および内燃機関に働く補機負荷の増減制御を行う車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車等の車両においては、燃費向上を目的として、減速時に燃料カットの条件が成立すると燃料カットを実行するものが普及している(例えば、特許文献1、2を参照。)。
【0003】
特許文献1に開示されている車両では、更に燃費の向上を図るために、燃料カットを実行するとともに、オルタネータの発電電圧を低圧側から高圧側へ切替えるようになっている。そして、エンジンの回転数が所定回転数より低くなると、燃料カットを終了する(燃料噴射を開始)と同時に、オルタネータの発電電圧を高圧側から低圧側に切替えるようになっている(例えば特許文献1を参照。)。
【0004】
一方、特許文献2に開示されている車両では、オルタネータの発電電圧を高圧側から低圧側へ切替えた状態で燃料カットを開始し、その後、燃料カットを終了する直前(燃料噴射を開始する直前)に、オルタネータの発電電圧を低圧側から高圧側に切替えるようになっている。燃料カットの終了(燃料噴射の開始)によって、エンジントルクは増加するため、燃料カットの終了は減速中の車両に対して減速度を低下させるように働く。逆に、オルタネータの発電電圧の低圧側から高圧側への切替えは、オルタネータの回転負荷を増加させるため、減速中の車両に対して減速度を増加させるように働く。したがって、特許文献2の車両では、燃料カットの終了によって発生する車両の減速度の低下と、オルタネータの発電電圧の低圧側から高圧側への切替えによって発生する車両の減速度の増加とを相殺することで車両の減速度の変化が緩和される。
【特許文献1】特開2006−94624号公報
【特許文献2】特開2001−182584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に開示されている車両では、燃料カットを終えて、燃料噴射を開始するタイミングとオルタネータの発電電圧を高圧側から低圧側に切替えるタイミングとが同期している。このため、減速中の車両の減速度は、瞬時に(燃料カット終了時)に大きく低下して、ドライバーに違和感を与えやすい。特に、車重の軽い車両でそのような現象が顕著に現れる。
【0006】
また、特許文献2に開示されている車両では、オルタネータの発電電圧を高圧側から低圧側へ切替えた状態で燃料カットを開始し、その後、燃料カットを終了する直前に、オルタネータの発電電圧を低圧側から高圧側に切替えるようになっている。このため、車両の減速時に発電電圧を高圧側に設定する時間が短くなり、車両の減速エネルギーの回収を効率的に行えないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、車両の減速エネルギーの回収を効率的に行うことを前提として、車両の減速度の変化を緩和することを可能とした車両の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するための手段として、本発明の車両の制御装置は、以下のように構成されている。すなわち、本発明の車両の制御装置は、内燃機関の燃料カットの開始に伴って前記内燃機関に働く補機負荷を増加させ、前記燃料カットの終了に伴って前記補機負荷を減少させる制御手段を備える車両の制御装置を前提とするものである。そして、前記制御手段は、燃料カットの終了と前記補機負荷の減少とを異なるタイミングで実行することを特徴としている。なお、上記補機は、内燃機関の出力軸の回転動力を利用して駆動される機器を指し、例えば、発電機、送風機、冷却装置、燃料装置、点火装置等が挙げられる。また、上記「内燃機関の燃料カットの開始に伴って前記内燃機関に働く補機負荷を増加させ」とは、燃料カットの開始タイミングと補機負荷の増加タイミングとが一致していても、互いに前後していてもよいことを意味している。
【0009】
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、燃料カットの終了と補機負荷の低減とが異なるタイミングで実行されることから、車両の減速度は段階的に低下する。このため、減速度が一度に大きく変化することが抑制され、その結果として、ドライバーが感じる違和感も抑制することが可能となる。また、仮に、補機負荷が減速エネルギーの回生機器(例えば発電機)であるとすれば、燃料カットの開始に伴って回生機器の負荷が高負荷側に設定され、その後、燃料カットの終了に前後して回生機器の負荷が低負荷側に設定される。このため、従来例に係る技術(燃料カットを終了する直前に、オルタネータの発電電圧を低負荷側から高負荷側に切替えるもの)と比較して、車両の減速中に回生機器を高負荷側にする時間を長くすることができ、車両の減速エネルギーの回収を効率的に行うことが可能となる。
【0010】
また、本発明の車両の制御装置は、以下のようなものであってもよい。すなわち、本発明の車両の制御装置は、上記構成を備えるものにおいて、前記制御手段が燃料カットを終了した後、所定時間経過後に前記補機負荷を減少させるものである。
【0011】
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、実験、シミュレーション等により、車種毎の振動特性等に応じた最適値を上記所定時間に適用することで、ドライバーが感じる違和感を安定的に抑制することが可能となる。
【0012】
また、本発明の車両の制御装置は、上記何れかの構成を備えるものにおいて、前記補機負荷は、前記内燃機関の回転動力によって駆動される発電機の駆動負荷であり、前記補機負荷の増減は、前記発電機の目標発電電圧の増減により実行されるものであることが好ましい。
【0013】
また、本発明の車両の制御装置は、以下のようなものであってもよい。すなわち、本発明の車両の制御装置は、上記何れかの構成を備えるものにおいて、前記補機負荷の減少が徐変的に行われるものである。ここで、補機負荷の徐変的な減少とは、制御手段によって補機負荷の目標値が漸次引き下げられることにより実現されるものである。
【0014】
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、燃料カットの終了前又は後に実行される補機負荷(又は発電機の目標発電電圧)の減少動作が徐変的に行われるので、補機負荷(又は発電機の目標発電電圧)の変動時に生じる車両の減速度の変化が更に緩やかになり、ドライバーが感じる違和感を更に抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る車両の制御装置によれば、燃料カットの終了と補機負荷の低減とが異なるタイミングで実行されることから、車両の減速度は段階的に低下する。このため、減速度が一度に大きく変化することが抑制され、その結果として、ドライバーが感じる違和感も抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1の実施形態]
<車両の制御装置の構成>
以下、本発明の実施形態に係る車両の制御装置について説明する。図1は、車両の制御装置並びにこの制御装置によって制御されるエンジン100(内燃機関)、オルタネータ200(発電機)等を示している。なお、本発明の実施形態に係る車両の制御装置は、主にECU300によって構成される。
【0017】
図1に示すエンジン100は、4気筒ガソリンエンジンの1気筒分を示したものであって、燃焼室101を形成するピストン102および出力軸であるクランクシャフト103を備えている。ピストン102はコネクティングロッド104を介してクランクシャフト103に連結されており、ピストン102の往復運動がコネクティングロッド104によってクランクシャフト103の回転運動へと変換される。
【0018】
クランクシャフト103には、外周面に複数の突起(歯)105a・・105aを有するシグナルロータ105が取り付けられている。シグナルロータ105の側方近傍にはクランクポジションセンサ107(エンジン回転数センサ)が配置されている。クランクポジションセンサ107は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト103が回転する際にシグナルロータ105の突起105aに対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生する。
【0019】
エンジン100の燃焼室101には点火プラグ108が配置されている。点火プラグ108の点火タイミングはイグナイタ106によって調整される。イグナイタ106は、後述するECU300(電子制御ユニット)によって制御される。エンジン100のシリンダブロック109には、エンジン水温(冷却水温)を検出する水温センサ110が配置されている。
【0020】
エンジン100の燃焼室101には吸気通路111と排気通路112が通じている。吸気通路111と燃焼室101との間には、吸気バルブ113が設けられており、この吸気バルブ113を開閉駆動することにより、吸気通路111と燃焼室101とが連通または遮断される。また、排気通路112と燃焼室101との間には、排気バルブ114が設けられており、この排気バルブ114を開閉駆動することにより、排気通路112と燃焼室101とが連通または遮断される。これら吸気バルブ113および排気バルブ114の開閉駆動は、クランクシャフト103の回転が伝達される吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトの各回転によって行われる。
【0021】
吸気通路111には、エアクリーナ115、熱線式のエアフローメータ117、吸気温センサ118およびエンジン100の吸入空気量を調整するための電子制御式のスロットルバルブ120などが配置されている。スロットルバルブ120はスロットルモータ121によって駆動される。スロットルバルブ120の開度はスロットルポジションセンサ122によって検出される。エンジン100の排気通路112には、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ123や三元触媒124などが配置されている。
【0022】
また、吸気通路111には燃料噴射用のインジェクタ125(燃料噴射弁)が配置されている。インジェクタ125には、燃料タンクから燃料ポンプによって所定圧力の燃料が供給され、吸気通路111に燃料が噴射される。この噴射燃料は吸入空気と混合されて混合気となってエンジン100の燃焼室101に導入される。燃焼室101に導入された混合気(燃料+空気)は点火プラグ108にて点火されて燃焼・爆発する。この混合気の燃焼室101内での燃焼・爆発によりピストン102が往復運動してクランクシャフト103が回転する。以上に説明したエンジン100の運転状態はECU300によって制御される。
【0023】
なお、上記エンジン100を搭載する車両には、アクセルペダルの開度(操作量)を検知し、その開度信号をECU300に出力するアクセル開度センサ130が更に設けられている。
【0024】
また、上記エンジン100を搭載する車両には、各種電源負荷などに電力を供給するためのバッテリ201およびオルタネータ200が設けられている。
【0025】
オルタネータ200は、プーリ、伝動ベルト等を介してエンジン100のクランクシャフト103に駆動連結されている。オルタネータ200は、エンジン100の回転動力によって駆動されて発電を行う。オルタネータ200で発電された電力は各種電気負荷212およびバッテリ201に供給される。
【0026】
オルタネータ200は、三相コイルとしてステータ202に巻回されたステータコイル203と、ステータコイル203の内側に位置するロータ204に巻回されたフィールドコイル205とを備えている。オルタネータ200は、フィールドコイル205を通電状態で回転させることにより、ステータコイル203に誘起電力を発生させ、誘起電流(三相交流電流)を整流器206により直流電流に変換してバッテリ201に供給する。また、オルタネータ200は、スイッチング回路207等により構成されるレギュレータ208を備えている。
【0027】
上記レギュレータ208は、フィールドコイル205を流れる電流(界磁電流)を操作することで、発電電圧を制御するものである。詳しくは、ステータコイル203の各出力端は、整流器206の交流入力端に個別に接続されており、そのうち、ステータコイル203の1つの出力端は、レギュレータ208の電圧検出端子Pを介してスイッチング回路207に接続されている。レギュレータ208内には、フィールドコイル205側からバッテリ端子B側へと向かうフライホイールダイオード209が接続されている。このフライホイールダイオード209のアノード側はスイッチング素子210を介して接地されている。こうした構成によれば、スイッチング回路207によりスイッチング素子210がオンオフ操作されることで、フィールドコイル205に流れる界磁電流を制御することができる。
【0028】
オルタネータ200およびレギュレータ208のバッテリ端子Bには、バッテリ201が接続されている。バッテリ201には、スイッチング素子211を介して、車載ヘッドランプやエアーコンディショナのブロアなどの電気負荷212が並列接続されている。
【0029】
なお、図1に示すように、オルタネータ200は、イグニッション端子IGおよびローサイド端子Lを備えており、これら端子間にチャージランプ213が接続され、且つイグニッション端子IGおよびバッテリ201間には、イグニッションスイッチ214が接続されている。
【0030】
ECU300は、各種センサの検出値を取り込み、これに基づき、スロットルモータ121やインジェクタ125、点火プラグ108等のエンジン100の各種アクチュエータを操作することで、エンジン100の出力を制御するエンジン制御手段として機能する。
【0031】
例えば、ECU300は、エンジン100の燃料カット開始条件が満たされた後、燃料カット終了条件が満たされるまでの間、燃料カットを実行する。ここで、燃料カットは、インジェクタ125からの燃料噴射を停止もしくは制限することにより行われる。
【0032】
本実施の形態では、エンジン1の回転数が予め定められた所定値(以下、「燃料カット基準回転数」ともいう。)以上であること、およびアクセルオフ状態であることが燃料カット開始条件となっている。このため、ECU300は、クランクポジションセンサ107からの信号に基づいて検出されるエンジン1の回転数が燃料カット基準回転数以上であり、且つ、アクセル開度センサ130からの信号に基づいてアクセルオフ状態が検出されると燃料カットを開始するようになっている。
【0033】
また、燃料カット中に、車両の速度が低下してエンジン1の回転数が燃料カット基準回転数未満となることが燃料カット終了条件となっている。このほか、燃料カット中にアクセルペダルが踏まれることも燃料カット終了条件となっている。このため、ECU300は、クランクポジションセンサ107からの信号に基づいて検出されるエンジン1の回転数が燃料カット基準回転数未満となり、又はアクセル開度センサ130からの信号に基づいてアクセルオン状態が検出されると、燃料カットを終了するようになっている。
【0034】
なお、燃料カット開始条件および燃料カット終了条件は、上記に限定されず、上記以外の条件を燃料カット開始条件および燃料カット終了条件として設定してもよい。
【0035】
ECU300は、上記燃料カットのオンオフ状態に応じて、オルタネータ200を操作して発電量(目標発電電圧)を制御する発電制御手段としても機能する。ECU300は、オルタネータ200のレギュレータ208の入力端子Cに、発電電圧制御信号を出力する。例えば、発電電圧制御信号は2値信号であり、レギュレータ208は、発電電圧制御信号のデューティ比(周期に対するHi時間の比)に応じて目標発電電圧を増減する。例えば、レギュレータ208は、発電電圧制御信号のデューティ比が100%の場合、目標発電電圧が低圧側(例えば12.8V)となるように、また、発電電圧制御信号のデューティ比が0%の場合、目標発電電圧が高圧側(14.5V)となるように、スイッチング素子210をオンオフ制御する。レギュレータ208は、このオンオフ制御よって、バッテリ端子Bから入力されるバッテリ電圧VBが目標発電電圧に収束するようにフィールドコイル205の通電時間を調整する。すなわち、バッテリ電圧VBが低下し始めて放電量が過剰側になろうとする場合には、フィールドコイル205への通電時間の比率(以下、「F−DUTY」ともいう。)を上昇させることにより発電量を増加してバッテリ201の充電を行う。また、バッテリ電圧VBが上昇し始めて充電量が過剰側になろうとする場合には、F−DUTYを低下させることにより発電量を削減ないしゼロにして、バッテリ201の放電を行う。なお、オルタネータ200のF−DUTYは、オルタネータ200の出力端子FRからECU300に入力され、ECU300はこれによりスイッチング素子210の作動状態を把握する。
【0036】
<目標発電電圧切替え処理>
次に、ECU300による目標発電電圧切替え処理について図2のフローチャートに基づいて説明する。図2のフローチャートに示す処理は、ECU300において、燃料カットのオンオフ状態に伴ってオルタネータ200の目標発電電圧を増減する制御に関するものであり、例えば約0.01秒の周期で処理が行われる。なお、ECU300は、時間カウンタ値をその記憶部に記憶しており、後述する所定のステップにおいて時間カウンタ値を加算し又はクリアする。また、ECU300は、燃料カットフラグをその記憶部に記憶しており、燃料カット開始時に燃料カットフラグを「1」に設定し、燃料カット終了時に燃料カットフラグを「0」に設定する。
【0037】
ステップST1において、ECU300は、燃料カット中であるか否かの判断をする。この判断は、燃料カットフラグが「1」に設定されているか否かに基づいて行われる。ここで、肯定判断をした場合は、処理をステップST2へ、否定判断をした場合は処理をステップST4へ進める。
【0038】
ステップST2において、ECU300は、時間カウンタ値をクリアする(ゼロにする)。なお、時間カウンタ値が既にクリアされている場合は、その値(ゼロ)を維持する。
【0039】
ステップST3において、ECU300は、オルタネータ200の目標発電電圧を高圧側に設定する。すなわち、ECU300は、レギュレータ208の入力端子Cに対して、デューティ比0%の発電電圧制御信号を出力する。一方、この発電電圧制御信号が入力されたオルタネータ200(レギュレータ208)は、バッテリ端子Bから入力されるバッテリ201の電圧VBが高圧側の電圧(例えば14.5V)となるように、スイッチング素子210をオンオフ制御する。
【0040】
ステップST4において、ECU300は、時間カウンタ値のカウントアップを行う。
【0041】
ステップST5において、ECU300は、時間カウンタ値が所定値以上であるか否かを判断する。例えば、ステップST1:NO、ステップST4、ステップST5:NOおよびステップST3の処理周期が0.01秒であり、上記所定値が100であれば、上記所定時間は1秒となる。つまり、ステップST5においてECU300は、燃料カットの終了から所定時間(1秒)経過したか否かを判断することとなる。
【0042】
ステップST6において、ECU300は、オルタネータ200の目標発電電圧を低圧側に設定する。すなわち、ECU300は、レギュレータ208の入力端子Cに対して、デューティ比100%の発電電圧制御信号を出力する。一方、この発電電圧制御信号が入力されたオルタネータ200(レギュレータ208)は、バッテリ端子Bから入力されるバッテリ201の電圧VBが低圧側の電圧(例えば12.8V)となるように、スイッチング素子210をオンオフ制御する。
【0043】
<タイミングチャート>
次に、図3のタイミングチャートを用いて、各種の動作を説明する。図中(a1)は車速、(a2)は車両の減速度、(a3)は燃料カットのオンオフ状態(燃料カットフラグの状態)、(a4)は目標発電電圧、(a5)は、オルタネータ200の駆動負荷、(a6)は、エンジン100のクランクシャフト103に発生するトルクを示している。
【0044】
まず、時刻t1において、燃料カット開始条件が成立し、燃料カットが開始される(図3(a3)参照)。これにより、エンジン100のクランクシャフト103には、車両の慣性による負のトルクが発生し(図3(a6)参照)、車両の減速度が増加して(図3(a2)参照)、車速は低下する(図3(a1)参照)。
【0045】
また、ECU300は、燃料カットを開始したことにより、オルタネータ200の目標発電電圧を高圧側に設定する(図3(a4)、ステップST3参照)。すなわち、ECU300は、レギュレータ208の入力端子Cに対して、デューティ比0%の発電電圧制御信号を出力する一方、オルタネータ200は、バッテリ端子Bから入力されるバッテリ201の電圧VBが高圧側の電圧(例えば14.5V)となるように、スイッチング素子210をオンオフ制御する。このとき、オルタネータ200の駆動負荷も高くなる(図3(a5))。
【0046】
その後、時刻t1から時刻t2までの期間は、車両の慣性エネルギーによって、クランクシャフト103およびオルタネータ200が回転駆動されてバッテリ201が充電される。
【0047】
そして、時刻t2において、エンジン1の回転数が燃料カット基準回転数未満となることにより、或いは、アクセルペダルが踏み込まれることにより、燃料カット終了条件が成立すると、ECU300は燃料カットを終了する(図3(a3)参照)。これにより、エンジン100のクランクシャフト103には、エンジン100の燃焼開始によって正トルクが発生し(図3(a6)参照)、車両の減速度が低下(減少)する(図3(a2)参照)。
【0048】
時刻t2から所定時間経過時となる時刻t3において、ECU300は、オルタネータ200の目標発電電圧を低圧側に戻す(図3(a4)、ステップST6参照)。このとき、ECU300は、レギュレータ208の入力端子Cに対して、デューティ比100%の発電電圧制御信号を出力する一方、オルタネータ200は、バッテリ端子Bから入力されるバッテリ201の電圧VBが低圧側の電圧(例えば12.8V)となるように、スイッチング素子210をオンオフ制御する。このとき、オルタネータ200の駆動負荷は減少し(図3(a5)参照)車両の減速度が更に低下(減少)する(図3(a2)参照)。
【0049】
その後、時刻t4において、車両は停車し(図3(a1)参照)、車両の減速度はゼロとなる(図3(a2)参照)。
【0050】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の実施の形態に係る車両の制御装置によれば、燃料カットの終了と目標発電電圧の低圧側への切替え(目標発電電圧の低減)とが異なるタイミングで実行される。詳細には、燃料カットを終了した後、所定時間経過時にオルタネータ200の目標発電電圧が低圧側へ切替えられる。このことから、車両の減速度は、時刻t2と時刻t3とで段階的に低下し、一度に変化する減速度の変動量を抑制することでき、これにより、ドライバーが感じる違和感も抑制することができる。なお、ドライバーが感じる違和感をできるだけ抑制するために、上記所定時間は0.8〜1.2秒とすることが望ましい。
【0051】
また、本発明の第1の実施の形態に係る車両の制御装置によれば、燃料カットの開始に伴ってオルタネータ200の目標発電電圧が高圧側に設定され、その後、燃料カットの終了後にオルタネータ200の目標発電電圧が低圧側に設定される。このため、従来例に係る技術(燃料カットを終了する直前に、オルタネータの発電電圧を低圧側から高圧側に切替える制御装置)と比較して、車両の減速中において目標発電電圧を高圧側に設定する時間をより長く確保することが可能となり、車両の減速エネルギーの回収を効率的に行うことが可能となる。
【0052】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態と既述した第1の実施の形態とでは、主に、ECU300の制御プログラムの相違による目標発電電圧切替え処理が相違しており、その他(エンジン100、オルタネータ200等)は、第1の実施の形態におけるものと同様である。以下、第1の実施の形態との相違点について主に説明する。
【0053】
<目標発電電圧切替え処理>
第2の実施の形態における、ECU300による目標発電電圧切替え処理について図4のフローチャートに基づいて説明する。図4のフローチャートに示す処理は、ECU300において、燃料カットのオンオフ状態に伴ってオルタネータ200の目標発電電圧を増減する制御に関するものであり、例えば約0.01秒の周期で処理が行われる。なお、ECU300は、時間カウンタ値をその記憶部に記憶しており、後述する所定のステップにおいて時間カウンタ値を加算し又はクリアする。また、ECU300は、燃料カットフラグをその記憶部に記憶しており、燃料カット開始時に燃料カットフラグを「1」に設定し、燃料カット終了時に燃料カットフラグを「0」に設定する。
【0054】
ステップST21において、ECU300は、燃料カット中であるか否かの判断をする。この判断は、燃料カットフラグが「1」に設定されているか否かに基づいて行われる。ここで、肯定判断をした場合は、ステップST22へ、否定判断をした場合はステップST24へ処理を進める。
【0055】
ステップST22において、ECU300は、時間カウンタ値をクリアする(ゼロにする)。なお、時間カウンタ値が既にクリアされている場合は、その値(ゼロ)を維持する。
【0056】
ステップST23において、ECU300は、オルタネータ200の目標発電電圧を高圧側に設定する。詳細は、第1の実施の形態におけるステップST3での説明と同様である。
【0057】
ステップST24において、ECU300は、時間カウンタ値のカウントアップを行う。
【0058】
ステップST25において、ECU300は、時間カウンタ値が所定値以上であるか否かを判断する。例えば、ステップST21:NO、ステップST24、ステップST25:NOおよびステップST23の処理周期が0.01秒であり、上記所定値が100であれば、上記所定時間は1秒となる。つまり、ステップST25においてECU300は、燃料カットの終了から所定時間(1秒)経過したか否かを判断することとなる。
【0059】
ステップST26において、ECU300は、オルタネータ200の目標発電電圧として、現在の目標発電電圧の値から予め設定された減算値αだけ減算した値を設定する。この結果、ECU300は、レギュレータ208の入力端子Cに対して、上記減算後の目標発電電圧に相当するデューティ比の発電電圧制御信号を出力することとなる。一方、この発電電圧制御信号が入力されたオルタネータ200(レギュレータ208)は、バッテリ端子Bから入力されるバッテリ201の電圧VBが上記減算後の目標発電電圧となるように、スイッチング素子210をオンオフ制御する。この結果、燃料カットから予定時間経過時より、繰返しステップST26における処理を経る毎にオルタネータ200の目標発電電圧は徐変的に(徐々に)、所定時間(例えば0.5〜1.5秒程度)を掛けて低下(減少)し、最終的に低圧側の発電電圧となる。例えば減算値α=0.2とすれば、目標発電電圧が14.5Vから12.8Vまで低下するのに要する時間は、0.85秒(=(14.5−12.8)/0.2)となる。
【0060】
<タイミングチャート>
次に、図5のタイミングチャートを用いて、各種の動作を説明する。図中(b1)は車速、(b2)は車両の減速度、(b3)は燃料カットのオンオフ状態(燃料カットフラグの状態)、(b4)はオルタネータ200の目標発電電圧、(b5)は、オルタネータ200の駆動負荷、(b6)は、エンジン100のクランクシャフト103に発生するトルクを示している。
【0061】
まず、時刻t1において、燃料カット開始条件が成立し、燃料カットが開始される(図5(b3)参照)。これにより、エンジン100のクランクシャフト103には、車両の慣性による負のトルクが発生し(図5(b6)参照)、車両の減速度が増加して(図5(b2)参照)、車速は低下する(図5(b1)参照)。
【0062】
また、ECU300は、燃料カットを開始したことにより、オルタネータ200の目標発電電圧を高圧側に設定する(図5(b4)、ステップST23参照)。すなわち、ECU300は、レギュレータ208の入力端子Cに対して、デューティ比0%の発電電圧制御信号を出力する一方、オルタネータ200は、バッテリ端子Bから入力されるバッテリ201の電圧VBが高圧側の電圧(例えば14.5V)となるように、スイッチング素子210をオンオフ制御する。このとき、オルタネータ200の駆動負荷も高くなる(図5(b5))。
【0063】
その後、時刻t1から時刻t2までの期間は、車両の慣性エネルギーによって、クランクシャフト103およびオルタネータ200が回転駆動されてバッテリ201が充電される。
【0064】
そして、時刻t2において、エンジン1の回転数が燃料カット基準回転数未満となることにより、或いは、アクセルペダルが踏み込まれることにより、燃料カット終了条件が成立すると、ECU300は燃料カットを終了する(図5(b3)参照)。これにより、エンジン100のクランクシャフト103には、エンジン100の燃焼開始によって正トルクが発生し(図5(b6)参照)、車両の減速度が低下する(図5(b2)参照)。
【0065】
時刻t2から所定時間経過時となる時刻t3より時刻t4において、ECU300は、オルタネータ200の目標発電電圧を徐変的に低圧側に戻す(図5(b4)、ステップST26参照)。このとき、オルタネータ200の駆動負荷は徐々に低下するため(図5(b5)参照)、車両の減速度の低下は緩やかに進行する(図5(b2)参照)。
【0066】
その後、時刻t5において、車両は停車し(図5(b1)参照)、車両の減速度はゼロとなる(図5(b2)参照)。
【0067】
以上の説明から明らかなように、本発明の第2の実施の形態に係る車両の制御装置によれば、燃料カットの終了後、所定時間経過時(例えば1秒経過時)に目標発電電圧の低圧側への切替えが開始され、オルタネータ200の目標発電電圧は、高圧側から低圧側へ徐々に変化するようになっている。これにより、オルタネータの駆動負荷も高負荷から低負荷へ徐々に低下し、その結果、車両の減速度の変化(特に時刻t3〜時刻t4)を緩やかにすることができ(図5(b2)参照)、これにより、ドライバーが感じる違和感を抑制することができる。
【0068】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態と既述した第1の実施の形態とでは、主に、ECU300の制御プログラムの相違による目標発電電圧切替え処理が相違しており、その他(エンジン100、オルタネータ200等)は、第1の実施の形態におけるものと同様である。以下、第1の実施の形態との相違点について主に説明する。
【0069】
<目標発電電圧切替え処理>
第3の実施の形態における、ECU300による目標発電電圧切替え処理について図6のフローチャートに基づいて説明する。図6のフローチャートに示す処理は、ECU300において、燃料カットのオンオフ状態に伴ってオルタネータ200の目標発電電圧を増減する制御に関するものであり、例えば約0.01秒の周期で処理が行われる。なお、ECU300は、燃料カットフラグをその記憶部に記憶しており、燃料カット開始時に燃料カットフラグを「1」に設定し、燃料カット終了時に燃料カットフラグを「0」に設定する。また、ECU300は、予め2種類の回転数閾値をその記憶部に記憶している。これらの回転数閾値は、目標発電電圧の切替制御に供される回転数閾値(以下「第1回転数Vn」ともいう。)と、燃料カットの終了制御に供される回転数閾値(以下「第2回転数VL」ともいう。)である。ここで、第1回転数Vnは、第2回転数VLより高い回転数となっている。本実施形態では、燃料カット開始条件となるエンジン1の回転数は、第1回転数Vn以上となっており、燃料カット終了条件となるエンジン1の回転数は、第2回転数VL未満となっている。
【0070】
ステップST31において、ECU300は、燃料カット中であるか否かの判断をする。この判断は、燃料カットフラグが「1」に設定されているか否かに基づいて行われる。ここで、否定判断をした場合は、ステップST32へ、肯定判断をした場合はステップST34へ処理を進める。
【0071】
ステップST32において、ECU300は、燃料カット開始条件が成立しているか否かを判断する。すなわち、エンジン1の回転数が第1回転数Vn以上で且つアクセルオフという燃料カット開始条件が成立しているか否かを判断する。燃料カット開始条件が成立している場合は、処理をステップST33に進め、燃料カット開始条件が成立していない場合は、一旦このルーチンを抜ける。
【0072】
ステップST33において、ECU300は、燃料カットフラグを「1」に設定するとともに、燃料カットを開始する。
【0073】
ステップST34において、ECU300は、アクセルペダルがオン状態であるか否かをアクセル開度センサ130からの入力信号により判断する。ここで、否定判断をした場合は、処理をステップST35に進め、肯定判断をした場合は、処理をステップST38へ進める。
【0074】
ステップST35において、ECU300は、エンジン回転数が第1回転数Vn以上か否かを判断する。ここで、否定判断をした場合は、処理をステップST36へ進め、肯定判断をした場合は、処理をステップST39へ進める。
【0075】
ステップST36において、ECU300は、エンジン回転数が第2回転数VL以上か否かを判断する。ここで、肯定判断をした場合は、処理をステップST37へ進め、否定判断をした場合は、処理をステップST38へ進める。
【0076】
ステップST37において、ECU300は、オルタネータ200の目標発電電圧を低圧側に設定する。既に低圧側に設定されているときは、その設定を維持する。詳細は、第1の実施の形態のステップST6での説明と同様である。
【0077】
ステップST38において、ECU300は、燃料カットフラグを「0」に設定するとともに、燃料カットを終了する。
【0078】
ステップST39において、ECU300は、オルタネータ200の目標発電電圧を高圧側に設定する。既に高圧側に設定されているときは、その設定を維持する。詳細は、第1の実施の形態のステップST3での説明と同様である。
【0079】
<タイミングチャート>
次に、図7のタイミングチャートを用いて、各種の動作を説明する。図中(c1)は車速、(c2)は車両の減速度、(c3)は燃料カットのオンオフ状態(燃料カットフラグの状態)、(c4)は目標発電電圧、(c5)は、オルタネータ200の駆動負荷、(c6)は、エンジン100のクランクシャフト103に発生するトルクを示している。
【0080】
まず、時刻t1において、燃料カット開始条件が成立し、燃料カットが開始される(図7(c2)参照)。これにより、エンジン100のクランクシャフト103には、車両の慣性による負のトルクが発生し(図7(c6)参照)、車両の減速度が増加して(図7(c2)参照)、車速は減少する(図7(c1)参照)。
【0081】
また、ECU300は、燃料カットを開始したことにより、オルタネータ200の目標発電電圧を高圧側に設定する(図7(c4)、ステップST39参照)。詳細は、第1の実施の形態におけるステップST3での説明と同様である。このとき、オルタネータ200の駆動負荷も高くなる(図7(c5))。
【0082】
その後、時刻t1から時刻t3までの期間は、車両の慣性エネルギーによって、クランクシャフト103およびオルタネータ200が回転駆動されてバッテリ201が充電される。
【0083】
時刻t2において、燃料カット中にエンジン1の回転数が第1回転数Vn未満になると、オルタネータ200の目標発電電圧が低圧側に設定され(図7(c4)参照)、オルタネータ200の駆動負荷は低下する(図7(c5)参照)。これにより、車両の減速度が低下(減少)する(図7(c2)参照)。
【0084】
更に、時刻t3において、エンジン回転数が第2回転数VL未満になると、燃料カット終了条件が成立して燃料カットが終了される(図7(c3)、ステップST38参照)。これにより、エンジン100のクランクシャフト103には、エンジン100の燃焼開始によって正トルクが発生し(図7(c6)参照)、車両の減速度が更に低下(減少)する(図7(c2)参照)。
【0085】
その後、時刻t4において、車両は停車し(図7(a1)参照)、車両の減速度はゼロとなる(図7(a2)参照)。
【0086】
以上の説明から明らかなように、本発明の第3の実施の形態に係る車両の制御装置によれば、燃料カットの終了とオルタネータ200の目標発電電圧の低圧側への切替え(目標発電電圧の低減)とが異なるタイミングで実行される。詳細には、燃料カット中にオルタネータ200の目標発電電圧の低圧側への切替えを行った後、燃料カットの終了を行うようになっている。このことから、車両の減速度は、時刻t2と時刻t3とで段階的に低下し、一度に変化する減速度の変動量を抑制することでき、これにより、ドライバーが感じる違和感も抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、エンジンの燃料カットのオンオフ制御およびエンジンに作用する発電機の駆動負荷の増減制御を行う自動車の制御装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】車両の制御装置並びにこの制御装置によって制御されるエンジン、オルタネータ等を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る車両の制御装置における目標発電電圧切替え処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る車両の制御装置における各種の処理動作を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る車両の制御装置における目標発電電圧切替え処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る車両の制御装置における各種の処理動作を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る車両の制御装置における目標発電電圧切替え処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る車両の制御装置における各種の処理動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0089】
100 エンジン(内燃機関)
107 クランクポジションセンサ
125 インジェクタ
130 アクセル開度センサ
200 オルタネータ(発電機)
201 バッテリ
208 レギュレータ
300 ECU(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の燃料カットの開始に伴って前記内燃機関に働く補機負荷を増加させ、前記燃料カットの終了に伴って前記補機負荷を減少させる制御手段を備える車両の制御装置であって、
前記制御手段は、燃料カットの終了と前記補機負荷の減少とを異なるタイミングで実行することを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両の制御装置において、
前記制御手段は、燃料カットを終了した後、所定時間経過後に前記補機負荷を減少させることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両の制御装置において、
前記補機負荷は、前記内燃機関の回転動力によって駆動される発電機の駆動負荷であり、前記補機負荷の増減は、前記発電機の目標発電電圧の増減により実行されるものであることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の制御装置において、
前記補機負荷の減少は徐変的に行われることを特徴とする車両の制御装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−19129(P2010−19129A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178747(P2008−178747)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】