説明

車両の前部車体構造

【課題】本発明は、左右一対のフロントサイドフレームとその前端部にクラッシュカンを備えた車両の前部車体構造において、エプロンレインフォースメントフォースメントの前部を支持する支持部材を設定しつつも、フロントサイドフレームの座屈機能等を確保して、車体前部の捩じれ剛性の低下や、衝突安全性能の低下等を防ぐことができる車両の前部車体構造を提供することを目的とする。
【解決手段】接合フランジ面部22は、そのほぼ全面を、連結フランジ部35に接合している。すなわち、フロントサイドフレーム1のフレーム位置より上方の高い位置まで、接合範囲を広げて、サポート部材20とフロントサイドフレーム1との結合強度を高めている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の前部車体構造に関し、特に、左右一対のフロントサイドフレームとその前端部にクラッシュカンを備えた車両の前部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両前部において、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、その前端部にクラッシュカンとを備えた車体構造が知られている。このような車体構造を採用することで、車両の衝突時には、車両前方から生じる衝突荷重(以下、前突荷重)を、クラッシュカンとフロントサイドフレームを座屈変形させることで吸収して、車室内への影響を緩和している。
【0003】
もっとも、最近では、さらに衝突安全性能を高めるために、フロントサイドフレームの上方に配置される左右一対のエプロンレインフォースメントを利用して、前突荷重の影響を緩和するものも提案されている。
【0004】
例えば、下記特許文献1においては、フロントサイドフレームとエプロンレインフォースメントで前突荷重を支持できるように、フロントサイドフレームの前方に設置されるバンパーレインフォースメントに、連結部材を介してエプロンレインフォースメントも連結することで、前突荷重を分散支持するものも提案されている。
【0005】
なお、下記特許文献2では、ヘッドランプの形状によって後方に位置するエプロンレインフォースメントの前端部を、上下方向に延びる支持部材(サイドステー)によって、フロントサイドフレームに支持する車体構造も開示されている。
【特許文献1】特開2005−231436号公報
【特許文献2】特開2007−091000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のように、一つのパンパーレインフォースメントに、フロントサイドフレームとエプロンレインフォースメントを連結すると、軽衝突の際においても、エプロンレインフォースメントに前突荷重が伝達されるため、修復コスト等が増加してしまう可能性がある。
【0007】
そこで、エプロンレインフォースメントの前方に車幅方向に延びる上部連結メンバーを設置して、この上部連結メンバーと左右一対のエプロンレインフォースメントを連結することで、フロントサイドフレームとは別の経路で、前突荷重を支持することが考えられる。このように、別の経路で前突荷重を支持することで、軽衝突の際には、エプロンレインフォースメントに前突荷重が作用しないため、修復コストの増加を防ぐことができる。
【0008】
また、近年では、ラジエータ等の車載部品を、フロントサイドフレーム前端よりも、さらに前方に位置させることが多くなっており、フロントサイドフレームの前端部のクラッシュカンを、車両前後方向に長く構成して、軽衝突時には、ラジエータが後退するように構成して、修復コストを低減しようとするものが考えられている。
【0009】
しかし、エプロンレインフォースメントとフロントサイドフレームが離間したものにおいて、フロントサイドフレームの前方に長いクラッシュカンを設けた場合には、パンパーレインフォースメントが車体の骨格部材として機能しなくなるため、車体前部の捩じれ剛性が低下して、車体振動の悪化、操安性の悪化を引き起こす可能がある。また、エプロンレインフォースメントとフロントサイドフレームが離間したままであると、衝突時に各々がバラバラに変形して衝突時の衝撃吸収性能が悪化するおそれもある。
【0010】
このため、例えば、前述の特許文献2で開示された支持部材のように、エプロンレインフォースの前端とフロントサイドフレームを、上下方向に延びる支持部材で連結することで、車幅方向に延びる上部連結メンバーを骨格部材として利用して、車体前部の捩じり剛性を高めると共に、衝撃吸収性能を高めることが考えられる。
【0011】
しかしながら、フロントサイドフレームの上面や側面に、直接ステー部材を連結すると、その連結部分をフロントサイドフレームとして有効利用することができず、座屈変形量等が減少するおそれが生じる。また、逆に、その連結部分を減少させてしまうと、車体前部の捩じれ剛性の低下等を十分に防ぐことができないという問題が生じる。
【0012】
そこで、本発明は、左右一対のフロントサイドフレームとその前端部にクラッシュカンを備えた車両の前部車体構造において、エプロンレインフォースメントの前部を支持する支持部材を設定しつつも、フロントサイドフレームの座屈機能等を確保して、車体前部の捩じれ剛性の低下や、衝突安全性能の低下等を防ぐことができる車両の前部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の車両の前部車体構造は、エンジンルーム下方で車両前後方向に延びるように設置された左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレーム前端部に結合されたクラッシュカンとを備えた車両の前部車体構造であって、前記フロントサイドフレームの上方で前後方向に延びるように設置された左右一対のエプロンレインフォースメントと、該エプロンレインフォースメントの前部間を車幅方向に延びて連結するように設置された連結部材と、前記エプロンレインフォースメントと前記連結部材との結合部位を上下方向に延びて支持する支持部材と、該支持部材を、前記フロントサイドフレームのクラッシュカンを結合するフランジ部に接合したものである。
上記構成によれば、支持部材を、クラッシュカンを結合するフランジ部に接合したことで、クラッシュカンを結合するフランジ部を利用して、支持部材をフロントサイドフレームに接合することができる。
このため、クラッシュカンを結合するフランジ部を有効利用して、支持部材のフロントサイドフレームへの結合強度を高めることができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、前記支持部材の接合部を、クラッシュカンの取付けボルトによって共締め固定するように構成したものである。
上記構成によれば、クラッシュカンの取付けボルトによって、支持部材の接合部を、フロントサイドフレームのフランジ部に共締め固定することになる。
よって、クラッシュカンの取付けボルトを利用して、支持部材とフロントサイドフレームの結合強度をさらに高めることができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、前記支持部材を、前記フロントサイドフレームのフランジ部に接合可能な車幅方向に延びる接合フランジ面部と、該接合フランジ面部の端部から車両前後方向に延びる前後方向面部と、を備えた開断面部材で構成したものである。
上記構成によれば、支持部材が、車幅方向に延びる接合フランジ面部と前後方向に延びる前後方向面部とを備えた開断面部材で構成されるため、支持部材が少なくとも断面L字状の開断面を有することになる。
このため、支持部材の車両前後方向及び車幅方向における支持剛性を高めつつも、支持部材が開断面であることから、前突荷重が作用した場合には、支持部材が容易に変形して、フロントサイドフレームの座屈変形量を確保できる。
よって、支持部材の支持剛性を高めつつも、フロントサイドフレームの衝撃吸収性能を維持することができる。
なお、前述の前後方向面部は、フロントサイドフレームの側面に接合することが考えられるが、この前後方向面部をフロントサイドフレームの車幅外側面に接合した場合には、フロントサイドフレーム間の車幅内方側空間を広く確保できるため、ラジエータ等の車載部品を容易にレイアウトできる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、前記支持部材の前記前後方向面部を、フロントサイドフレームの車幅内側面に接合すると共に、該前後方向面部の後端部から車幅方向外方側に延びる車幅方向面部を設けたものである。
上記構成によれば、支持部材の前後方向面部をフロントサイドフレームの車幅内側面に接合することで、支持部材をフロントサイドフレームの車幅内方側に位置させることができる。また、車幅外方側に延びる車幅方向面部を支持部材に設けたことで、フロントサイドフレームの上面に対しても支持部材を接合することができる。
よって、左右の支持部材間の取付けスパンをコンパクトにできるため、支持部材の支持剛性を高めることができ、車体前部の捩じれ剛性をさらに高めることができる。また、フロントサイドフレームに接合される範囲を広げることができるため、支持部材とフロントサイドフレームの結合強度も向上できる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、前記接合フランジ面部を、前後方向面部の前端部から車幅方向内方側に延びるように設けたものである。
上記構成によれば、接合フランジ面部が車幅方向内方側に延びるため、左右一対の支持部材を、それぞれ車幅内方側に位置させて、フロントサイドフレームに接合することができる。
よって、左右の支持部材間の取付けスパンを、よりコンパクトにすることができ、支持部材の支持剛性を高めることができる。
【0018】
この発明の一実施態様においては、前記左右一対のフロントサイドフレームの下方にサブフレームを設けて、該サブフレームの前端に、第二のクラッシュカンを設けたものである。
上記構成によれば、フロントサイドフレームの下方に位置するサブフレームに第二のクラッシュカンを設けることで、サブフレームも利用して、前突荷重の吸収を行なうことができる。
よって、クラッシュカンと連結部材と第二のクラッシュカンを、それぞれ利用して、衝突時の衝撃吸収性能を高めることができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、車両前方側から、前記クラッシュカン、前記第二のクラッシュカン、前記連結部材の順番で位置するように設置したものである。
上記構成によれば、車両前方側からクラッシュカン、第二のクラッシュカン、連結部材の順番で位置するため、前面衝突時には、段階的にクラッシュカン、第二のクラッシュカン、連結部材の順で、衝突荷重を吸収させることができる。
よって、段階的に衝突荷重の吸収量を増加させることができ、衝突度合に応じた衝撃吸収性能を得ることができる。
【0020】
この発明の一実施態様においては、前記連結部材で連結されるエプロンレインフォースメントの前部が、平面視でフロントサイドフレームに略一致する位置に位置するように、前記エプロンレインフォースメントを前狭まりに傾斜するように形成したものである。
上記構成によれば、エプロンレインフォースメントが、その前部を平面視でフロントサイドフレームと略一致するように傾斜させているため、前突荷重を受けた際には、衝突角度に関わらず、フロントサイドフレームと同様にエプロンレインフォースメントに衝突荷重を伝達することが可能となり、より安定して衝撃吸収性能を高めることができる。
よって、フロントサイドフレームとエプロンレインフォースメントによって前突荷重を受ける際に、より確実に衝撃吸収を行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、クラッシュカンを結合するフランジ部を有効利用して、支持部材のフロントサイドフレームへの結合強度を高めることができる。
【0022】
よって、左右一対のフロントサイドフレームとその前端部にクラッシュカンを備えた車両の前部車体構造において、エプロンレインフォースメントの前部を支持する支持部材を設定しつつも、フロントサイドフレームの座屈機能を確保して、車体前部の捩じれ剛性の低下や、衝突安全性能の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳述する。
図1は本発明を採用した実施形態の車両の前部車体構造の前方斜視図であり、図2は前部車体構造の正面図であり、図3は前部車体構造の側面図であり、図4は前部車体構造の平面図である。
【0024】
図1に示すように、車両Vの前部には、エンジン(図示せず)等を収容するエンジンルームERを設けており、その車幅方向両側位置の下部には、車体の骨格部材である車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム1,1を設けている。
【0025】
このフロントサイドフレーム1,1の前端部には、同様に車両前後方向に延びる左右一対のメインクラッシュカン2,2を設置しており、このメインクラッシュカン2,2の前端には、車幅方向に延びるバンパーレインフォースメント3を設置している。
【0026】
また、フロントサイドフレーム1,1の上方には、エンジンルームERの上縁を構成する車体の骨格部材である左右一対のエプロンレインフォースメント4,4を設置している。このエプロンレインフォースメント4,4は、図4に示すように、平面視において、前部で車幅内方側に狭まるように傾斜する傾斜部4Aを有し、後部で前後方向に延びる直線部4Bを有するように形成している。なお、このエプロンレインフォースメント4の前端部4Aaは、フロントサイドフレーム1,1の前部の位置と略一致するように設定している。
【0027】
また、エプロンレインフォースメント4の前端4Aaには、車幅方向に延びる上部連結レインフォースメント5を連結している。この上部連結レインフォースメント5は、断面ダブルハット状の開断面メンバーで構成して、車体の骨格部材としての剛性を有するようにしている。
【0028】
さらに、フロントサイドフレーム1,1の下方には、フロントサスペンション装置のサスペンションアーム等(図示せず)を支持するサブフレーム6を設置している。このサブフレーム6は、具体的には図示しないが、平面視で略井形形状のフレーム体で構成しており、サスペンションアームの支持剛性を確保している。
【0029】
このサブフレーム6は、図3に示すように、フロントサイドフレーム1の前端1aと後端1bに、それぞれ弾性マウント部材Mを介して、取付けボルトBによって強固に締結固定されている。
【0030】
また、このサブフレーム6の前端部には、車両前後方向に延びる左右一対のサブクラッシュカン7,7を設置している(図3では一方のみ開示)。そして、このサブクラッシュカン7,7の前端にも、車幅方向に延びるサブバンパーレインフォースメント8を設置している。
【0031】
図1に示すように、フロントサイドフレーム1,1の車両前後方向中央の側方位置には、上下方向に立設するサスタワー部9,9を設けている。このサスタワー部9には、内部に図示しないダンパー装置を収容する略円柱状の空間を形成している。
【0032】
このサスタワー部9,9の車幅外方側には、前述のエプロンレインフォースメント4,4が位置するように設置しており、図4に示すように、傾斜部4Aと直線部4Bとが交わる屈曲部4Cがちょうど側方に位置するように設定している。
【0033】
サスタワー部9,9の前方側等には、略上下方向に延びて壁面状に広がるホイールエプロン10を設けている。このホイールエプロン10は、図示しない前輪形状に対応して円弧状に膨出形成されている。
【0034】
また、エンジンルームERの後方には、車室CRとエンジンルームERを仕切るダッシュパネル11を設置している。このダッシュパネル11は、上下方向及び車幅方向に延びて、両端部をサスタワー部9,9の後方側に接合するように構成している。
【0035】
このダッシュパネル11の中央下部には、上方に凹んだトンネル開口部12を形成している。このトンネル開口部12は、エンジンルームER内から車両後方側に延びる排気管等(図示せず)を案内するために形成している。
【0036】
ダッシュパネル11の上部には、車幅方向に延びるカウルボックス13を設置しており、このカウルボックス13を利用して、左右一対のエプロンレインフォースメント4,4の後端を連結している。また、このカウルボックス13は、その両端で、図示しない左右一対のフロントピラーの根元にも接合しており、車体剛性を高める車体の骨格部材としても機能している。
【0037】
また、バンパーレインフォースメント3の後方位置であって、上部連結レインフォースメント5より前方位置には、図示しないラジエータを設置している。このように、上部連結レインフォースメント5より前方位置にラジエータを設置することで、ラジエータの衝突時の後退スペースを確保するため、メインクラッシュカン2の前後方向長さL1を、比較的長めに設定している。具体的には、図3に示すように、サブクラッシュカン7の長さL2よりも約2倍程度長く形成している。
【0038】
このため、フロントサイドフレーム1,1の前端部1cとバンパーレインフォースメント3との距離が長くなり、また、メインクラッシュカン2の剛性も低いため、バンパーレインフォースメント3のフロントサイドフレーム1前部の連結手段としての機能が低下して、フロントサイドフレーム1を含めた車体前部の捩じり剛性が低下することになる。
また、左右一対のフロントサイドフレーム1,1と左右一対のエプロンレインフォースメント4,4との間が連結されていないと、前突時において、フロントサイドフレーム1,1とエプロンレインフォースメント4,4が、拘束されることなく自由に変形するため、衝撃吸収性能も低下するおそれがある。
【0039】
こうしたことから、本実施形態では、フロントサイドフレーム1の前端部1cと、エプロンレインフォースメント4及び上部連結レインフォースメント5の連結部位14を、上下方向に延びて連結するサポート部材20を設けている。
【0040】
すなわち、サポート部材20を設けることで、フロントサイドフレーム1の前端部1cを、エプロンレインフォースメント4と上部連結レインフォースメント5の連結部位14に連結できるため、フロントサイドフレーム1の前端部1cの拘束力が高まり、車体の捩じれ剛性を高めることができる共に、衝撃吸収性能を高めることができるのである。
【0041】
このサポート部材20の詳細構造について、図5〜図7によって説明する。図5はエンジンルーム下部内方側からみたサポート部材近傍の斜視図であり、図6は図5の分解斜視図であり、図7はエンジンルーム上部外方側からみたエプロンレインフォースメント等を除いたサポート部材近傍の斜視図である。
【0042】
図5に示すように、フロントサイドフレーム1は、平板状のアウタパネル31と、略ハット断面形状のインナパネル32を、上下の接合フランジ33,34で接合して、車両前後方向に延びる閉断面のフレーム体で構成している。このフロントサイドフレーム1は、前突荷重が作用した場合には、図示しない座屈変形手段により座屈変形するように構成している。
【0043】
このフロントサイドフレーム1の前端には、車幅方向及び上下方向に延びるように形成されたメインクラッシュカン2の連結フランジ部35を設けている。すなわち、フロントサイドフレーム1の延設方向と直交する方向に延びるフランジ(35)を、フロントサイドフレーム1の前端に設けているのである。
【0044】
この連結フランジ部35に対応するように、メインクラッシュカン2側にも、図7に示すように、締結フランジ部41を設けている。この締結フランジ部41は、メインクラッシュカン2の基部に接合された略長方形形状のプレート材によって構成しており、この締結フランジ部41でメインクラッシュカン2で受けた前突荷重をフロントサイドフレーム1に伝達するように構成している。
【0045】
メインクラッシュカン2は、略長方形閉断面の矩形筒状体で構成しており、比較的脆弱な板材で形成している。このため、バンパーレインフォースメント3から前突荷重を受けた際には、容易に座屈変形して衝撃を吸収することになる。
【0046】
図5に示すように、フロントサイドフレーム1の前部下方には、サブフレーム6を締結固定するためのフレーム締結部36を設けている。このフレーム締結部36は、略ボックス形状のブラケット部材をフロントサイドフレーム1下面、具体的にはインナパネル32の下面に接合することで構成している。
【0047】
フロントサイドフレーム1の上方には、前述のエプロンレインフォースメント4が略車両前後方向に延びるように設置されている。このエプロンレインフォースメント4も、略ハット断面形状のアッパパネル51と略L字断面形状のロアパネル52を、接合フランジ53,54で接合することで、閉断面を構成するようにしている。
【0048】
このエプロンレインフォースメント4の前端上方には、車幅方向に延びる上部連結レインフォースメント5を設置している。上部連結レインフォースメント5は、略クランク形状に折り曲げ成形したメンバー体によって構成している。この上部連結レインフォースメント5は、前突荷重を受けて左右のエプロンレインフォースメント4,4に荷重を伝達する必要があるため、比較的高剛性の鋼材によって構成している。なお、具体的には図示しないが、この上部連結レインフォースメント5の中央には、ボンネットストライカを係止するボンネットラッチを設置している。
【0049】
このエプロンレインフォースメント4,4と上部連結レインフォースメント5の連結部位14の下方には、前述のサポート部材20を設置している。
【0050】
このサポート部材20は、図6に示すように、車両前後方向に延びる基面部21と、基面部21の前端から車幅内方側に延びる接合フランジ面部22と、基面部21の後端から車幅外方側に延びる車幅方向面部23と、車幅方向面部23の車幅外端から車両後方側に延びる後外方面部24とを備えた、略クランク形状の開放断面のブラケット材によって構成している。
【0051】
また、接合フランジ面部22の上端と、基面部21の上端と、車幅方向面部23の上端には、それぞれ、エプロンレインフォースメント4の下面に接合される上部接合部25a,25b,25cを車両後方側又は車幅内方側へ折り曲げ形成している。
さらに、基面部21の下端と車幅方向面部23の下端にも、フロントサイドフレーム1側に接合する下部接合部26a,26bを形成している。このうち、車幅方向面部23の下部接合部26bのみを車両後方側へ折り曲げ形成している。
【0052】
接合フランジ面部22は、そのほぼ全面を、前述の連結フランジ部35に接合している。すなわち、フロントサイドフレーム1のフレーム位置より上方の高い位置まで、接合範囲を広げて、サポート部材20とフロントサイドフレーム1との結合強度を高めている。
【0053】
特に、連結フランジ部35には、上方に突出する上方延設部35aを形成することで、さらに接合フランジ面部22の接合範囲を上方側に広げるように構成している。
【0054】
基面部21の下部接合部26aは、図5に示すように、フロントサイドフレーム1の車幅内側面1Aに接合している。また、車幅方向面部23の下部接合部26bは、フロントサイドフレーム1の上面1Bに接合している。
【0055】
このように、フロントサイドフレーム1の車幅内側面1Aと上面1Bに、サポート部材20を接合することで、サポート部材20の前後方向位置と車幅方向位置を確実に規定することができる。このため、サポート部材20による支持剛性を高めることができる。
【0056】
また、連結フランジ部35と締結フランジ部41には、締結ボルトSを相通する貫通穴37,42を複数形成している(図2、図6、図7参照)。また、連結フランジ部35の貫通穴37に対応するように(図6参照)、サポート部材20にも貫通穴27を形成している。
【0057】
これらの貫通穴37,42は、メインクラッシュカン2をフロントサイドフレーム1に締結固定するための穴であり、この貫通穴37,42に締結ボルトSを挿通して、メインクラッシュカン2をフロントサイドフレーム1に締結固定している。
【0058】
サポート部材20にも貫通穴37を形成したことで、サポート部材20とメインクラッシュカン2を、連結フランジ部35に対して共締め固定することが可能となり、サポート部材20のフロントサイドフレーム1への結合強度をより高めることができる。
【0059】
また、サポート部材20の上部は、複数の上部接合部25a,25b,25cでエプロンレインフォースメント4の下面に接合されるが、それぞれの上部接合部25a,25b,25cが略クランク状に接合されることで、エプロンレインフォースメント4や上部連結レインフォースメント5の車両前後方向の動きや車幅方向の動きを確実に抑えることができる。
【0060】
なお、この実施形態とは逆に、エプロンレインフォースメント4の下方に上部連結レインフォースメント5を設置して、上部連結レインフォースメント5にサポート部材20の上部を、接合するようにしてもよい。この場合も、サポート部材20の支持機能は同様に得ることができる。
【0061】
次に、図8によって、サポート部材20を設けたことによる車体の捩じれ剛性向上の作用について説明する。図8は、(a)が従来構造の車体前部のモデル図、(b)が本実施形態の車体前部のモデル図である。なお、モデル図の各構成要素は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
(a)に示すように、例えば、エプロンレインフォースメント4とフロントサイドフレーム1を連結する支持部材20´を、フロントサイドフレーム1に対してのみ接合する場合には、フロントサイドフレーム1の側面1A又は上面(モデル図は側面のみ図示)に、接合されるだけに過ぎない。
このため、フロントサイドフレーム1,1とサブフレーム6で構成される下側構造体Z1と、エプロンレインフォースメント4,4と上部連結レインフォースメント5で構成される上側構造体Z2との間で、車体中心軸P回りの捩じれ荷重が作用した際には、支持部材20′とフロントサイドフレーム1との間で引き剥がし方向の力が作用して、比較的小さな荷重であっても変形が生じて、車体の捩じれ変形が生じる。
【0063】
これに対して、(b)に示すように、サポート部材20を、車幅方向及び上下方向に延びる連結フランジ部35に接合する場合には、接合面が車幅方向及び上下方向に延びることになる。
このため、下側構造体Z1と上側構造体Z2との間で、車体中心軸P回りの捩じれ荷重が作用した際には、サポート部材20と連結フランジ部35との間で、せん断方向の力が作用するに過ぎないため、大きな荷重が作用しても、変形が生じにくく、車体の捩じれ変形を抑えることができる。
【0064】
このように、本実施形態では、サポート部材20の接合面を車幅方向及び上下方向に延びるように設定していることで、車体の捩じれ剛性を高めることができる。
【0065】
このため、フロントサイドフレーム1の上面1Bや側面1Aへの接合範囲を少なくても高い捩じれ剛性を得ることができる。
【0066】
よって、衝突時のフロントサイドフレーム1の座屈変形をできるだけ阻害することなく、サポート部材20をフロントサイドフレーム1に連結することができる。
【0067】
次に、図9によって、前突時の前部車体構造の変形挙動について説明する。図9は、(a)が前突前の側面模式図、(b)が前突初期の側面模式図、(c)が前突中期の側面模式図、(d)が前突後期の側面模式図である。なお、この模式図の各構成要素も、同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
(a)に示すように、車体前部V1には、フロントサイドフレーム1とエプロンレインフォースメント4とサブフレーム6が車両前後方向に延びるように設置されており、それぞれの前端には、メインクラッシュカン2とサブクラッシュカン7と上部連結レインフォースメント5を設置している。また、フロントサイドフレーム1とエプロンレインフォースメント4との間には、サポート部材20を設置している。
この車体前部V1に対して、被衝突体Wが前方から接近して来ることで、衝突(前突)が生じることになる。
【0069】
その後、(b)に示すように、被衝突体Wが車体前部V1に衝突すると、まず、衝突初期に、メインクラッシュカン2のみが座屈変形を開始して、フロントサイドフレーム1のみに前突荷重が作用する。このメインクラッシュカン2の座屈変形で図示しないラジエータも後方に後退する。
ここで、メインクラッシュカン2を長く設定しているため、軽衝突の場合には、メインクラッシュカン2のみが変形して、修復コストを削減できる。
【0070】
さらに衝突が進むと、(c)に示すように、サブクラッシュカン7も座屈変形を開始して、サブフレーム6に前突荷重が作用する。このように、サブフレーム6にも前突荷重が作用することで、複数のフレーム体(1,6)によって前突荷重を支持することができ、衝撃吸収性能を高めることができる。
また、サブクラッシュカン7を短く構成しつつも、後端位置を車両前後方向でメインクラッシュカン2と略一致させているため、メインクラッシュカン2の座屈変形挙動を阻害することなく、メインクラッシュカン2を全て座屈変形させることができる。
【0071】
さらに、大きな衝突の場合には、(d)に示すように、上部連結レインフォースメント5に被衝突体Wが衝突して、エプロンレインフォースメント4に衝突荷重が作用する。このように、エプロンレインフォースメント4にも前突荷重が作用することで、さらに多くのフレーム体(4,1,6)で前突荷重を支持することができ、衝突度合いに応じて衝撃吸収性能を高めることができる。
【0072】
また、サポート部材20でフロントサイドフレーム1と連結していることで、エプロンレインフォースメント4の変形挙動が安定することになり、車両の衝突特性を安定させることができる。
【0073】
さらに、このような大衝突になると、フロントサイドフレーム1も座屈変形することになるが、サポート部材20を連結フランジ部35に接合しているため、フロントサイドフレーム1の座屈変形にほとんど影響を与えることなく、サポート部材20を結合しておくことができる。
【0074】
加えて、エプロンレインフォースメント4の前部が、平面視で、前述のように前狭に傾斜して形成されて、フロントサイドフレーム1の位置と略一致するように形成されていることで、オフセット荷重が作用するような場合でも、フロントサイドフレーム1とエプロンレインフォースメント4が、ほぼ同時に変形することになり、安定した衝突挙動を得ることができる。
【0075】
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について説明する。
この実施形態では、エプロンレインフォースメント4と上部連結レインフォースメント5との連結部位14を上下方向に延びて支持するサポート部材20を、フロントサイドフレーム1のメインクラッシュカン2を結合する連結フランジ部35に接合している。
これにより、メインクラッシュカン2を結合する連結フランジ部35を利用して、サポート部材20をフロントサイドフレーム1に接合することができる。
このため、メインクラッシュカン2を結合する連結フランジ部35を有効利用して、サポート部材20のフロントサイドフレーム1への結合強度を高めることができる。
【0076】
よって、左右一対のフロントサイドフレーム1,1とその前端部にメインクラッシュカン2,2を備えた車両の前部車体構造において、エプロンレインフォースメント4の前部を支持するサポート部材20を設定しつつも、フロントサイドフレーム1の座屈機能等を確保して、車体前部の捩じれ剛性の低下や、衝突安全性能の低下等を防ぐことができる。
【0077】
また、この実施形態では、サポート部材20の接合フランジ面部22を、メインクラッシュカン2の締結ボルトSによって共締め固定するようにしている。
これにより、メインクラッシュカン2の締結ボルトSによって、サポート部材20の接合フランジ面部22を、フロントサイドフレーム1の連結フランジ部35に、共締め固定することになる。
よって、メインクラッシュカン2の締結ボルトSを利用して、サポート部材20とフロントサイドフレーム1の結合強度を、さらに高めることができる。
【0078】
また、この実施形態では、サポート部材20を、フロントサイドフレーム1の連結フランジ部35に結合可能な車幅方向に延びる接合フランジ面部22と、この接合フランジ面部22の端部から車両前後方向に延びる基面部21と、を備えた開断面部材で構成している。
これにより、サポート部材20が、接合フランジ面部22と基面部21とを備えた開断面部材で構成されるため、サポート部材20が少なくとも断面L字状の開断面を有することになる。
このため、サポート部材20の車両前後方向及び車幅方向における支持剛性を高めつつも、サポート部材20が開断面であることから、前突荷重が作用した場合には、サポート部材20が容易に変形して、フロントサイドフレーム1の座屈変形を阻害することはない。
よって、サポート部材20の支持剛性を高めつつも、フロントサイドフレーム1の衝撃吸収性能を維持することができる。
なお、この実施形態では、基面部21をフロントサイドフレーム1の車幅内側面1Aに接合しているが、車幅外側面に接合してもよい。このように、基面部21をフロントサイドフレーム1の車幅外側面に接合した場合には、フロントサイドフレーム1,1間の車幅内方側空間を広く確保できるため、ラジエータ等の車載部品を容易にレイアウトすることができる。
【0079】
また、この実施形態では、サポート部材20の基面部21を、フロントサイドフレーム1の車幅内側面1Aに接合すると共に、基面部21の後端から車幅外方側に延びる車幅方向面部23を設けている。
これにより、サポート部材20をフロントサイドフレーム1の車幅内方側に位置させることができる。また、車幅外方側に延びる車幅方向面部23をサポート部材20に設けたことで、フロントサイドフレーム1の上面1Bに対してもサポート部材20を接合することができる。
よって、左右のサポート部材20,20間の取付けスパンをコンパクトにできるため、サポート部材20の支持剛性を高めることができ、車体前部の捩じれ剛性をさらに高めることができる。また、フロントサイドフレーム1に接合される範囲を広げることができるため、サポート部材20とフロントサイドフレーム1の結合強度も向上できる。
【0080】
また、この実施形態では、サポート部材20の接合フランジ面部22を、基面部21の前端から車幅内方側に延びるように設けている。
これにより、接合フランジ面部22が車幅内方側に延びるため、左右一対のサポート部材20,20を、それぞれ車幅内方側に位置させて、フロントサイドフレーム1,1に接合することができる。
よって、左右のサポート部材20,20間の取付けスパンをよりコンパクトにすることができ、サポート部材20の支持剛性を高めることができる。
【0081】
また、この実施形態では、左右一対のフロントサイドフレーム1,1の下方にサブフレーム6を設けて、このサブフレーム6の前端に、サブクラッシュカン7を設けている。
これにより、サブフレーム6も利用して、前突荷重の吸収を行なうことができる。
よって、メインクラッシュカン2と上部連結レインフォースメント5とサブクラッシュカン7を、それぞれ利用して、衝突時の衝撃吸収性能を高めることができる。
【0082】
また、この実施形態では、車両前方側から、メインクラッシュカン2、サブクラッシュカン7、上部連結レインフォースメント5の順番で位置するように設置している。
これにより、前面衝突時には、段階的にメインクラッシュカン2、サブクラッシュカン7、上部連結レインフォースメント5の順で、衝突荷重を吸収させることができる。
よって、段階的に衝突荷重の吸収量を増加させることができ、衝突度合いに応じた衝撃吸収性能を得ることができる。
【0083】
また、この実施形態では、上部連結レインフォースメント5で連結されるエプロンレインフォースメント4,4の前部が、平面視でフロントサイドフレーム1,1に略一致する位置に位置するように、エプロンレインフォースメント4,4を前狭まりに傾斜(4a,4a)するように形成している。
これにより、前突荷重を受けた際には、衝突の角度に関わらず、フロントサイドフレーム1,1と同様にエプロンレインフォースメント4,4に衝突荷重を伝達することが可能となり、より安定して衝撃吸収性能を高めることができる。
よって、フロントサイドフレーム1,1とエプロンレインフォースメント4,4で、前突荷重を受ける際に、より確実に衝撃吸収を行うことができる。
【0084】
以上、この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
この発明の連結部材は、実施形態の上部連結レインフォースメント5に対応し、
以下、同様に、
クラッシュカンは、メインクラッシュカン2,2に対応し、
支持部材は、サポート部材20に対応し、
接合部は、接合フランジ面部22に対応し、
前後方向面部は、基面部21に対応し、
第二のクラッシュカンは、サブクラッシュカン7,7に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車両の前部車体構造に適用する実施形態を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明を採用した実施形態の車両の前部車体構造の前方斜視図。
【図2】前部車体構造の正面図。
【図3】前部車体構造の側面図。
【図4】前部車体構造の平面図。
【図5】エンジンルーム下部内方側からみたサポート部材近傍の斜視図。
【図6】図5の分解斜視図。
【図7】エンジンルーム上部外方側からみたエプロンレインフォースメント等を除いたサポート部材近傍の斜視図。
【図8】(a)が従来構造の車体前部のモデル図、(b)が本実施形態の車体前部のモデル図。
【図9】(a)が前突前の側面模式図、(b)が前突初期の側面模式図、(c)が前突中期の側面模式図、(d)が前突後期の側面模式図。
【符号の説明】
【0086】
1…フロントサイドフレーム
2…メインクラッシュカン
4…エプロンレインフォースメント
5…上部連結レインフォースメント
6…サブフレーム
7…サブクラッシュカン
20…サポート部材
22…接合フランジ面部
35…連結フランジ部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンルーム下方で車両前後方向に延びるように設置された左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレーム前端部に結合されたクラッシュカンとを備えた車両の前部車体構造であって、
前記フロントサイドフレームの上方で車両前後方向に延びるように設置された左右一対のエプロンレインフォースメントと、
該エプロンレインフォースメントの前部間を車幅方向に延びて連結するように設置された連結部材と、
前記エプロンレインフォースメントと前記連結部材との結合部位を上下方向に延びて支持する支持部材と、
該支持部材を、前記フロントサイドフレームのクラッシュカンを結合するフランジ部に接合した
車両の前部車体構造。
【請求項2】
前記支持部材の接合部を、クラッシュカンの取付けボルトによって共締め固定するように構成した
請求項1記載の車両の前部車体構造。
【請求項3】
前記支持部材を、前記フロントサイドフレームのフランジ部に接合可能な車幅方向に延びる接合フランジ面部と、
該接合フランジ面部の端部から車両前後方向に延びる前後方向面部と、
を備えた開断面部材で形成した
請求項1又は2記載の車両の前部車体構造。
【請求項4】
前記支持部材の前記前後方向面部を、フロントサイドフレームの車幅内側面に接合すると共に、
該前後方向面部の後端部から車幅方向外方側に延びる車幅方向面部を設けた
請求項3記載の車両の前部車体構造。
【請求項5】
前記接合フランジ面部を、前後方向面部の前端部から車幅方向内方側に延びるように設けた
請求項4記載の車両の前部車体構造。
【請求項6】
前記左右一対のフロントサイドフレームの下方にサブフレームを設けて、
該サブフレームの前端に、第二のクラッシュカンを設けた
請求項1〜5いずれか記載の車両の前部車体構造。
【請求項7】
車両前方側から、前記クラッシュカン、前記第二のクラッシュカン、前記連結部材の順番で位置するように設置した
請求項6記載の車両の前部車体構造。
【請求項8】
前記連結部材で連結されるエプロンレインフォースメントの前部が、平面視でフロントサイドフレームに略一致する位置に位置するように、前記エプロンレインフォースメントを前狭まりに傾斜するように形成した
請求項1〜7いずれか記載の車両の前部車体構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−866(P2010−866A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160610(P2008−160610)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】