説明

車両の運転支援方法及び運転支援装置

【課題】予め停車位置が分かっている場合に、車両運転者に必要以上のアクセル操作や急ブレーキを回避させ、省エネルギー運転を実行させることを可能とする車両の運転支援方法及び運転支援装置を提供する。
【解決手段】走行中の車両1のエンジンへの駆動力要求がなくなった場合に車両1が惰性走行で所定車速(制動開始速度V2)に減速するまでに到達可能な距離を演算する距離演算工程と、到達可能距離(惰性走行距離D1)に関する情報を車両運転者に報知する情報報知工程と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転支援方法及び運転支援装置に係り、特に省エネルギー走行を可能とする車両の運転支援方法及び運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現在の車両走行状況から、不適切な急加減速操作を判別して車両運転者にその旨を報知することで、省エネルギー運転支援を行う装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置では、走行路の属性に応じて所定の閾値以上の加速度が検出された場合に、不適切な運転操作が行われたと判別して、その旨を報知する。これにより、該装置では、車両走行中の省エネルギー運転を支援することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2007−303856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の運転支援装置では、車両が停車する前の省エネルギー運転支援を行うことができなかった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、予め停車位置が分かっている場合に、車両運転者に必要以上のアクセル操作や急ブレーキを回避させ、省エネルギー運転を実行させることを可能とする車両の運転支援方法及び運転支援装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、走行中の車両のエンジンへの駆動力要求がなくなった場合に車両が惰性走行で所定車速に減速するまでに到達可能な距離を演算する距離演算工程と、到達可能距離に関する情報を車両運転者に報知する情報報知工程と、を備えることを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明によれば、走行路前方の停止位置に停止することが予め分かっている場合、車両運転者は、この停止位置と自車との距離が到達可能距離と等しいかそれ以下となったときに、惰性走行を開始すれば、これ以降アクセルをオンにすることなく、停止位置まで到達できることを認識することができる。これにより、早い段階から、惰性走行を開始することができ、過剰な燃料消費の抑制や車両制動等により失われるエネルギーの削減が可能となる。
【0008】
また、本発明において好ましくは、情報報知工程では、前記到達可能距離に関する情報として、前記到達可能距離を表示装置により表示する。このように構成された本発明によれば、車両運転者は、惰性走行により走行可能な距離を目視により確認することができる。
【0009】
また、本発明において好ましくは、情報報知工程では、前記到達可能距離に関する情報として、車両が惰性走行により所定車速に減速する位置を、表示装置による地図表示上で表示する。このように構成された本発明によれば、車両運転者は、地図表示上で惰性走行により到達可能な位置を確認することができ、この到達可能位置と予め分かっている停止位置との位置関係により、適切なアクセルオフ操作を行うことができる。
【0010】
また、本発明において好ましくは、距離演算工程では、車両走行路の高度差に応じて、到達可能距離を演算する。このように構成された本発明によれば、車両走行路の高度差に応じて、到達可能距離を補正することができ、より正確な省エネルギー運転支援を行うことが可能となる。
【0011】
また、本発明において好ましくは、前記車両走行路の高度差を地図情報記憶装置に記憶された地図情報に基づいて算出する工程を更に備える。
【0012】
また、本発明において好ましくは、車両走行方向前方の停止位置を特定する工程と、停止位置と到達可能距離とに基づき、停止位置まで惰性走行するための惰性走行開始位置を特定する工程と、を更に備え、到達可能距離に関する情報が、惰性走行開始位置に関する情報を含む。このように構成された本発明によれば、車両運転者は、到達可能距離に関する情報に惰性走行開始位置に関する情報が含まれることにより、車両が惰性走行開始位置に到達したときを、アクセルオフのタイミングとして認識し、これにより惰性走行に移行することができる。
【0013】
また、本発明において好ましくは、惰性走行開始位置を通過した後の燃料消費量を演算する工程を更に備え、到達可能距離に関する情報が、燃料消費量に関する情報を含む。このように構成された本発明によれば、到達可能距離に関する情報が燃料消費量に関する情報を含むことにより、車両運転者は、惰性走行以降の過剰燃料消費量を認識することができる。これにより、車両運転者に省エネルギー運転を促すことができる。
【0014】
また、上記の目的を達成するために、本発明は、走行中の車両のエンジンへの駆動力要求がなくなった場合に車両が惰性走行で所定車速に減速されるまでに到達可能な距離を演算する距離演算手段と、到達可能距離に関する情報を車両運転者に報知する情報報知手段と、を備えることを特徴としている。
【0015】
また、本発明において好ましくは、情報報知手段は、表示装置を備え、到達可能距離に関する情報として、到達可能な距離を、表示装置により表示する。
また、本発明において好ましくは、情報報知手段は、表示装置を備え、到達可能距離に関する情報として、車両が惰性走行により所定車速に減速する位置を、表示装置による地図表示上で表示する。
【0016】
また、本発明において好ましくは、距離演算手段は、車両走行路の高度差に応じて、到達可能距離を演算するように構成されている。
また、本発明において好ましくは、距離演算手段は、地図情報を記憶する地図情報記憶装置を備え、前記車両走行路の高度差を前記地図情報に基づいて算出するように構成されている。
【0017】
また、本発明において好ましくは、車両走行方向前方の停止位置を特定する停止位置特定手段と、停止位置と到達可能距離とに基づき、停止位置まで惰性走行するための惰性走行開始位置を特定する惰性走行開始位置特定手段と、を更に備え、到達可能距離に関する情報が、惰性走行開始位置に関する情報を含む。
また、本発明において好ましくは、惰性走行開始位置を通過した後の燃料消費量を演算する燃料消費量演算手段を更に備え、到達可能距離に関する情報が、燃料消費量演算手段により演算された燃料消費量に関する情報を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明の車両の運転支援方法及び運転支援装置によれば、予め停車位置が分かっている場合に、車両運転者に必要以上のアクセル操作や急ブレーキを回避させ、省エネルギー運転を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は運転支援装置のブロック図、図2は省エネルギー運転制御の画面表示、図3は省エネルギー運転制御の説明図、図4は惰性走行距離の算出手法の説明図、図5は変形例に係る惰性走行距離の算出手法の説明図、図6は変形例に係る省エネルギー運転制御の画面表示、図7は変形例に係る惰性走行距離の算出手法の説明図、図8は図7における高度差取得の説明図、図9は惰性走行距離表示処理のフローチャート、図10は過剰消費燃料表示処理のフローチャート、図11は改変例に係る過剰消費燃料表示処理のフローチャートである。
【0020】
本実施形態では、本発明の車両の運転支援装置をナビゲーション装置に適用した例を示す。本実施形態の運転支援装置10は、制御部11と、センサ入力部12と、地図情報記憶装置としての記憶部13と、表示部14と、入力部15と、交通情報送受信部16とを備えている。
制御部11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、後述するように装置全体を制御する。
【0021】
センサ入力部12は、車速センサ21,ジャイロセンサ22,GPSセンサ23,車重センサ24,エンジンコントローラ25等の車両の各種センサ及びユニットからデータを受取り、このデータを制御部11に受け渡す。
車速センサ21は、自車両の移動に伴って得られる車速パルスを検出するセンサであり、制御部11はこの車速パルスを処理することにより、自車両の速度を計算する。
【0022】
ジャイロセンサ22は、自車両の進行方位を検出するセンサであり、制御部11はこの検出信号を処理することにより、自車両の相対的な方位を検出する。
GPSセンサ23は、GPS衛星からのGPS信号をアンテナやレシーバ等で検出するセンサであり、制御部11はこのGPS信号を処理することにより、地表における自車両の現在地の絶対的な位置座標や方位を計算する。
【0023】
車重センサ24は、サスペンションの沈み込み量を検出するセンサであり、制御部11はこの検出信号を処理することにより、自車両の重量を特定する。
エンジンコントローラ25は、車両のエンジン(図示せず)を制御するユニットであり、制御部11にエンジンへの燃料噴射量をあらわす信号やエンジン出力をあらわす信号を出力する。
【0024】
記憶部13は、制御部11が実行する各種の制御プログラム等を記憶するROMと、制御部11の作業領域であるRAMと、地図情報13aや各種データを記憶するハードディスク等から構成されている。地図情報13aは、道路地図描画用データや各種の図形データから構成されており、道路地図描画用データには、道路の高度データ,一時停止規制位置データ,交差点における交通信号配置データ等が含まれている。
【0025】
表示部14は、液晶モニター等の表示装置であり、制御部11の制御に基づいて、地図情報aに基づく地図情報や各種情報を含むナビゲーション情報を画面表示により乗員に提供する。なお、表示部14の画面表示に付随して音声指示を行う音声出力部をさらに設けてもよい。
入力部15は、操作スイッチ,リモコン,タッチパネル等によって構成され、乗員はこれにより、目的地位置,燃料単価,制動開始速度,制動距離等の各種指示命令及び情報を入力可能となっている。
【0026】
交通情報送受信部16は、車外に配置された交通情報システム26へ自車両の情報を提供し、一方、交通情報システム26から走行通路に配置された信号等の状態や自車両周辺の車両位置及び車速等の交通情報を取得する装置である。
【0027】
次に、制御部11のナビゲーション機能及び作用についてさらに説明する。
制御部11は、車速センサ21,ジャイロセンサ22,GPSセンサ23からの信号に基づいて、GPS航法測位,自律航法測位等により自車の現在地(自車位置)を逐次計算し、自車位置を特定する。
そして、制御部11は、入力部15からの目的地入力等に基づいて、ダイクストラ法等の経路探索アルゴリズムを使って、目的地までの誘導経路を、記憶部13から読み出した地図情報13aに基づいて計算することで、誘導経路を表す経路データを作成する。経路データには、経路上の道路及び誘導対象地点に関する各種情報が取り込まれる。
【0028】
経路データは、誘導経路のリンク情報やノード情報等からなり、記憶部13に一次記憶される。経路データの誘導経路は、目的地までの間に、通常、複数の誘導対象地点を経由するように構成されている。
制御部11は、このようにして特定された自車位置や誘導経路と地図情報13aに基づいて、地図情報表示を作成し、これを表示部14に出力し、車両運転者にナビゲーション情報として提供する。制御部11は、誘導経路に従って車両が走行できるように、誘導対象地点の手前で、乗員に対して画面や音声等による進行方向指示の誘導を行い、車両を経路誘導する。
【0029】
また、制御部11は、地図情報13aや、交通情報システム26から交通情報送受信部16を介して取得した交通情報に基づいて、走行経路上の自車両前方に位置する停止位置を特定する。そして、制御部11、この停止位置で停止するためにアクセルペダルを戻す(アクセルオフ)最適なアクセルオフタイミングと制動開始位置又は停止位置までの距離等の停止情報を、ナビゲーション情報に追加して表示部14に表示することで車両運転者に提供する。
【0030】
制御部11は、地図情報13aから停止位置として、例えば、一次停止標識,踏み切り,交通信号等の位置を取得する。制御部11は、取得した停止位置が一次停止標識,踏み切りである場合は、この位置を停止位置として特定する。
また、取得した停止位置が交通信号である場合は、交通情報システム26から走行路前方の交通信号の表示変更タイミングを取得する。
【0031】
制御部11は、現在位置から交通信号までの距離と自車速度から、その交通信号までの到達予測時間を算出し、現在時間からこの到達予測時間経過後の時間(交通信号通過予測時間)を推定する。制御部11は、取得した交通信号の表示変更タイミングに基づいて、推定した交通信号通過予測時間に、その交通信号の色が赤色又は黄色(「止まれ」表示)であると判定した場合に、この交通信号の位置を停止位置として特定する。
【0032】
図2は、表示部14が表示するナビゲーション情報表示の例であり、停止情報が付加されている。この例では、地図情報表示Aに示された走行路B上に、三角形状の自車位置マークCと、逆三角形状の制動開始位置マークDが表示されている。また、マークDの前方に一時停止規制のための停止線が表示されている。自車位置マークCは地図表示上の自車位置を示す表示であり、制動開始位置マークDは車両運転者に制動開始を促す位置を示す表示である。
【0033】
さらに、画面右下位置には、アクセルオフを指示する表示(「アクセルOFF」表示)Eと、過剰消費燃料に関する表示(過剰消費燃料表示)Fと、制動開始を指示する表示(「ブレーキON」表示)Gと、制動開始位置までの走行距離に関する表示Hが表示され、画面右上位置には、アクセルオフ状態で所定速度まで減速される間に走行可能な惰性走行距離に関する数値表示(惰性走行距離表示)Iが表示されている。また、走行路B上には、自車位置マークCから惰性走行距離だけ車両前方に延びるように、惰性走行距離に関する画像表示Jが表示されている。
【0034】
制御部11は、常時、惰性走行距離表示I及びJを表示させる。なお、本実施形態では、走行路B上で自車位置マークCから惰性走行距離前方を惰性走行到達位置に設定しており、惰性走行距離表示Jが、自車位置マークCから惰性走行到達位置まで延びる破線表示の形態であるが、これに限らず、惰性走行到達位置を所定のマークで表示してもよいし、惰性走行到達位置を車両運転者に認識可能とするように自車位置マークCから惰性走行到達位置までの走行路の色を変更表示してもよい。
【0035】
また、制御部11は、停止位置を特定した場合、制動開始位置マークDと、制動開始位置までの走行距離表示Hを表示させる。そして、制御部11は、自車両が停止位置から所定距離手前に到達したときに、表示部14に、惰性走行開始位置を知らせるアクセルオフ表示Eを点灯表示させ、車両運転者にアクセルペダルを戻すタイミングを指示する。さらに、制御部11は、自車両が制動開始位置まで到達すると、ブレーキオン表示Gを点灯表示させる。
なお、アクセルオフ表示E及びブレーキオン表示Gを画面表示と共に、又は、画面表示に代えて、音声により報知してもよい。また、ブレーキオン表示G及びその音声報知は、必ずしも行わなくてもよい。
【0036】
過剰消費燃料表示Fは、アクセルオフ表示Eに基づいて、アクセルペダルが戻されなかった場合に表示されるものであり、アクセルペダルが適切なタイミングで戻されなかったことにより余分に使用された過剰消費燃料が金額に換算して表示される。なお、過剰消費燃料表示Fを燃料の容量そのもので表示してもよい。
【0037】
車両運転者は、停止情報により、自車位置前方に停止位置があることを確認し、適切なアクセルオフタイミングでアクセルペダルを戻し、さらに、適切なブレーキオンタイミングでブレーキペダルを踏み始めることができる。これにより、運転支援装置10は、車両運転者に対して車両の省エネルギー運転支援を行う。
【0038】
次に、図3に基づいて運転支援装置10が行う省エネルギー運転支援制御について説明する。
本実施形態の運転支援装置10は、上述のように、車両が走行路前方の予め設定した停止位置まで走行して停止する際、車両運転者がアクセルペダルを戻す最適なタイミングを指示し、不必要な燃料消費を抑制することで、省エネルギー運転支援を行うように構成されている。
【0039】
図3は、本実施形態による省エネルギー運転支援により、走行路上の位置(惰性走行開始位置)P1を速度V1で走行中の車両1が、走行路上の前方の位置(停止位置)P2で停止する場合の説明図である。
位置P1で車両運転者がアクセルペダルを戻し(アクセルオフ)、エンジンへの駆動力要求がなくなると、車両1は惰性(慣性)で走行を継続する。惰性走行中は、エンジン機械抵抗,トランスミッション機械抵抗,補機類抵抗,転動抵抗,空気抵抗等の機械抵抗や外力が車両1の推進力を妨げる負荷となり、車両1は速度V1から徐々に減速される。そして、位置P1から距離(惰性走行距離)D1だけ走行した位置(制動開始位置)P3で車両1の速度が速度V2(例えば、20km/時)になる。
【0040】
そして、位置P3で車両運転者がブレーキペダルを踏み始め(ブレーキオン)、車両運転者が車両1を適度な減速率でスムーズに停止させるようにブレーキ操作を行うと、車両1は、制動開始から距離(制動距離)D2(例えば、10m)だけ走行し停止する。この停止位置が位置P2となる。
このように車両1が停止すると、位置P1以降は停止するまで、車両運転者はアクセルペダルを踏んでおらず、これによりエンジンが走行のために必要な駆動力を発生させることがなく、また、車両停止時に急停車させることもないので、車両1は消費燃料を抑制することができる。
【0041】
例えば、車両1が位置P1を通過後、車両運転者が位置P3の手前に位置する位置P4までアクセルペダルを踏み続け、エンジンに駆動力を要求していた場合には、上述の惰性走行の場合と比べて、位置P1から位置P4までのアクセル操作によって燃料が無駄に消費される。また、このとき車両運転者が位置P3でブレーキペダルを踏み始めたとすると大きな制動力が必要となり、車両1は大きな減速率で急停止することになる。
このように、位置P1でアクセルオフする場合の方が、位置P4でアクセルオフする場合に比べて、燃料消費量が低減され、省エネルギー走行が可能となる。
【0042】
制御部11は、上記省エネルギー運転支援制御において、アクセルオフの最適タイミングをアクセルオフ表示Eにより車両運転者に指示する。
詳しくは、制御部11は、車速センサ21の検出パルスから算出される現在の速度V1をモニターしており、速度V1でアクセルオフして既定の速度V2に減速されるまでの惰性走行距離D1を算出し、表示部14によりこの走行距離D1を惰性走行距離表示Iに表示させる。なお、記憶部13に速度V2及び距離D2の設定値が予め記憶されている。
【0043】
そして、制御部11は、走行中に停止位置を特定した場合、地図情報13aから自車位置と停止位置との間の距離を算出し、この距離が、距離D1と距離D2の和(D1+D2)で求められる距離(惰性走行到達可能距離)D0と一致したとき(車両1が距離D0だけ停止位置から手前に到達したとき)、表示部14にアクセルオフ表示Eを表示させる。
【0044】
距離D2と速度V2は、適宜に設定可能である。例えば、距離D2は、速度V2で走行している車両を、ブレーキ操作により、適度な減速率でスムーズに停止させた場合に、その間に車両が走行する距離として設定することができる。
また、速度V2及び距離D2のいずれか又は双方をゼロ(V2=D2=0)に設定してもよい。双方をゼロに設定した場合は、計算上、車両1は、位置P1からの惰性走行により、位置P2に到達して停止する。
【0045】
次に、図4に基づいて、制御部11が、車両が速度V1から速度V2まで減速される間に惰性走行する距離D1(位置P1−P3間距離)及び惰性走行開始位置P1を算出する手順について説明する。
図4(A)に示すように、速度V1で走行中、位置P1でアクセルオフした場合、車両1には、運転を妨げ速度を減速させる力である抵抗力F1が掛かる。同様に、位置P3では、車両1に抵抗力F2が掛かる。この抵抗力は、車速,エンジン回転数,速度変化(加速度),車重,路面状況等のパラメータに依存する。
【0046】
記憶部13は、この抵抗力を求めるためのマップデータを記憶しており、制御部11は、これらのパラメータの現在値を車両センサ等からの信号に基づいて取得し、マップデータを用いて、抵抗力F1を決定する。なお、抵抗力F2は一定値に設定することができる。
速度V1で走行中の車両1のエネルギーE1、速度V2で走行中の車両1のエネルギーE2は、それぞれ次式で表される。なお、Mは、車重である。
1=1/2・M・V12 (1)
2=1/2・M・V22 (2)
また、速度低下により失われたエネルギーΔE(=E1−E2)は、次式で表される。
ΔE=1/2(M・V12−M・V22) (3)
【0047】
なお、実際に車両1に掛かる抵抗力は、図4(B)の破線L2で示すように、変速機の変速段の切換えに伴い一定の割合では減少しないが、本実施形態では、計算の容易のため、同図(B)の実線L1で示すように、速度V1から速度V2に減速する間、抵抗力Fは一定の割合で減少するものと仮定している。これにより、速度の減少により失われたエネルギーΔE(=E1−E2)を次式で近似する。
ΔE=(F1+F2)・D1/2 (4)
【0048】
したがって、式3及び式4から、次式が導かれる。
(F1+F2)・D1/2=(M・V12−M・V22)/2 (5)
さらに、式5から次式が導かれる。
1=M・(V12−V22)/(F1+F2) (6)
【0049】
よって、制御部11は、現在の速度V1,制動開始速度V2,車重M,抵抗力F1及びF2に基づいて、式6を用いて、惰性走行距離D1を算出することができる。
そして、この場合、惰性走行開始位置P1は、停止位置(位置P2)から、惰性走行到達可能距離D0(=D1+D2)だけ手前に位置し、制御部11は、地図情報13aに基づいて、走行路上で停止位置P2から距離D0だけ手前の位置P1を特定する。
【0050】
なお、図5に示すように、無段変速機である連続可変トランスミッション(CVT)を有する車両では、破線L4で示すように、中速での抵抗力よりも低速での抵抗力の方が大きくなる。このように、抵抗力は中速から低速にかけて一定の割合では変化しないが、この場合も、計算の容易のため、実線L3で示すように、抵抗力が抵抗力F1から抵抗力F2にかけて一定の割合で変化するように近似してもよい。このように近似することにより、式6により惰性走行距離D1を算出することができる。
【0051】
なお、本実施形態では、計算の容易のため、速度変化又は走行距離に対して抵抗力が一定の割合で変化するように近似していたが、これに限らず、実際の速度変化に合わせたマップデータにより抵抗力を算出し、これにより、より精度よく惰性走行距離D1を算出してもよい。
【0052】
また、図6に基づいて、車両1が停止位置(位置P2)から距離D2以上手前で停止しなければならない場合について説明する。図3は車両1が停止位置(位置P2)から距離D2手前で停止可能な場合であったが、例えば停止位置が交通信号である場合には、前方車両の停車によって、必ずしも車両1が停止位置(位置P2)から距離D2手前又はその近傍に停止できるとは限らない。
図6に示すように、実線で示す車両1の前方に他の車両2,3が走行している場合、制御部11は、交通情報システム26から交通情報送受信部16を介して、交通信号の表示変更タイミングに加えて、車両2,3の位置及び車速を受け取る。
【0053】
制御部11は、車両1及び車両2,3の停止位置P2までのそれぞれの距離を算出し、算出した距離及び車速から、車両1が停止位置P2に到達するときに、破線で示すように車両2,3が停止位置P2で停止しているか否かを判定する。例えば、停止位置P2が交通信号である場合、取得した交通信号の表示変更タイミングに基づいて、車両2,3がこの交通信号に到達した時点での交通信号の「青」,「赤」,「黄」の状態を判定し、車両1と車両2,3が、この交通信号で同時に停止することになるか否かを判定する。
【0054】
車両1と車両2,3が同じ停止位置P2で停止することになると判定すると、制御部11は、車両2,3が停車する分だけ、位置P1及び位置P3を手前にずらす(位置P2から遠ざける)処理を行う。また、位置P2を所定距離手前にずらして仮想位置P2´を設定する。すなわち、制御部11は、車両2,3が停車するのに必要な調整距離D3を見積もり(例えば、距離D3=規定長さ×台数)、惰性走行開始位置P1,停止位置P2及び制動開始位置P3を距離D3だけ手前にずらす。したがって、位置P1は位置P2から距離(D1+D2+D3)手前に位置し、位置P3は位置P2から距離(D2+D3)手前に位置する。
【0055】
なお、停止位置P2から調整距離D3だけ手前にシフトさせた仮想停止位置P2´を停止位置に新たに設定し直して、この仮想停止位置P2´を基準に、距離(D1+D2)手前を惰性走行開始位置P1に設定し、距離D2手前を制動開始位置P3に設定するように制御部11の処理手順を構成してもよい。
【0056】
制御部11は、車両2,3が停止位置P2に停止すると判定すると、惰性走行到達可能距離D0を、距離(D1+D2+D3)で算出し、アクセルオフ指示を行う位置を特定する。なお、図3の場合は、調整距離D3がゼロの場合(D3=0)に相当する。
【0057】
次に、図7に基づいて、走行路の勾配θ又は高度差Hを考慮する場合について説明する。
図7に示すように、車両1が、勾配θの走行路を走行中、位置P1で速度V1,位置P3で速度V2で走行している場合、位置P1と位置P3の高度差Hを考慮すると、式5は次式に変更される。なお、gは、重力加速度である。
(F1+F2)・D1/2=(M・V12−M・V22)/2−M・g・H (7)
さらに、式7から次式が導かれる。
1=(M・V12−M・V22−2・M・g・H)/(F1+F2) (8)
【0058】
高度差Hを算出するために、制御部11は、まず、現在の速度V1,制動開始速度V2,車重M,抵抗力F1及びF2に基づいて、式6により、一旦、距離D1を算出する。そして、現在位置から走行路上の自車前方距離D1の位置の高度と、現在位置の高度とを、地図情報13aから取得し、その差を高度差Hに設定する。その後、この高度差Hを用いて式8により、距離D1を再計算して算出する。
このようなアルゴリズムにより、走行路に高度変化がある場合、距離D1を補正することができる。
【0059】
そして、この場合、惰性走行開始位置P1は、停止位置P2から、惰性走行到達可能距離D0(=D1+D2)だけ手前に位置し、制御部11は、地図情報13aに基づいて、走行路上で停止位置P2から距離D0だけ手前の位置P1を特定する。
【0060】
なお、走行路が図8に示すような高度プロファイルを有している場合には、式6により、距離D1を算出した後、地図情報13aに基づいて、現在位置から走行路上で距離D1前方の位置までの間で最も標高が高い位置P5を特定し、この最高位置P5の高度と、現在位置の高度との差を高度差Hとして算出することができる。
【0061】
また、制御部11は、アクセルオフ表示Eによりアクセルオフを指示した後、車両運転者がアクセルペダルを完全に戻さなかった場合には、エンジンコントローラ25から受け取った燃料供給量を表す信号に基づいて、アクセルオフ指示後にエンジンに噴射された燃料供給量を累積加算する。そして、制御部11は、車両停止時に、アクセルオフ指示後、惰性走行のみで走行し停止した場合の仮想燃料供給量をマップデータから算出し、累積加算した燃料供給量(過剰消費燃料量)から、仮想燃料供給量を差し引いて、実質的な過剰消費燃料量を算出する。
【0062】
制御部11は、実質的な過剰消費燃料量に入力部15から入力された燃料単価を乗じて、実質過剰消費燃料の金額を算出し、これを過剰消費燃料表示Fにより表示部14に表示させる。
これにより、車両運転者は、過剰に消費した燃料を金額として認識することができ、その結果、車両運転者に省エネルギー運転の実行を促すことが可能となる。
【0063】
次に、図9乃至図11に基づいて、制御部11の省エネルギー運転支援制御の各処理フローについて説明する。
図9は、惰性走行距離D1の表示処理フローである。この処理は、走行中、継続的に繰り返し行われる。なお、図9に示す処理は、図3に示した例(走行路の高度差を考慮しない場合)で行われる処理に対応する。
【0064】
制御部11は、車両1の現在の車速V1,エンジン回転,加速度,車重等を各種センサ及びユニットから取得し、また、制動開始速度V2を記憶部13から取得し(ステップS1)、これらのデータに基づいて、マップデータから、アクセルペダルを戻した状態で速度V1,V2においてそれぞれ車両1に掛かる抵抗力F1,F2を求める(ステップS2)。
【0065】
次いで、距離演算手段としての制御部11は、車重Mを車重センサ24から読み込み、車重M、既に読み込んでいる速度V1,V2及び求めた抵抗力F1,F2に基づいて、式6を用いて、惰性走行距離D1を算出する(ステップS3)。
なお、図7に示した例(走行路の高度差を考慮する場合)では、ステップS3の処理で一旦算出した距離D1を用いて、地図情報13aに基づいて、現在位置から距離D1以内の走行路上で現在位置と最も高度差がある位置を取得し、その高度差Hを用いて、式8から補正された距離D1を算出する。
【0066】
そして、制御部11は、表示部14により、算出した惰性走行距離D1を惰性走行距離表示Iに表示すると共に、惰性走行距離表示Jを表示する(ステップS4)。
このようにして、走行中、表示部14には、アクセルをオフにしたときの惰性走行距離及び惰性走行到達位置が表示され、車両運転者は、停止位置との位置関係を確認しながら運転することができる。
【0067】
図10は、アクセルオフ指示,ブレーキオン指示及び過剰消費燃料表示の処理フローである。この処理は、走行中、継続的に繰り返し行われる。
制御部11は、まず、停止位置特定手段として停止位置を特定する処理を行う(ステップS11)。この処理では、上述のように、地図情報13aから自車両前方の走行路上にある停止位置を検出し、また、交通情報システム26からの交通情報により、走行路上にある停止位置に関する情報を取得し、停止位置を特定する。また、制御部11は、特定した停止位置から制動距離D2だけ手前の位置を制動開始位置に設定し、表示部14に、地図情報表示Aの制動開始位置に制動開始位置マークDを表示させる。
【0068】
次いで、制御部11は、現在の車速等に基づいて、惰性走行距離D1,惰性走行到達可能距離D0(=D1+D2)を算出し(ステップS12)、さらに、地図情報13aに基づいて、現在位置から特定した停止位置までの距離を算出する(ステップS13)。
そして、惰性走行開始位置特定手段としての制御部11は、現在位置から特定した停止位置までの距離が、距離D0以下であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0069】
距離D0が特定した停止位置までの距離以下でない場合(ステップS14;No)、制御部11は、処理ステップS12を繰り返す。
一方、距離D0が特定した停止位置までの距離以下である場合(ステップS14;Yes)、車両1が停止位置から距離D0以内に到達したので、制御部11は、アクセルオフ表示Eを表示部14に表示させ、過剰燃料噴射量の累積加算を開始する(ステップS15)。なお、燃料消費量演算手段としての制御部11は、過剰燃料噴射量の累積加算処理を、車両停止まで別ルーチンで継続する。
【0070】
次いで、制御部11は、地図情報13aに基づいて、現在位置と停止位置との間の距離を算出し、算出した距離が制動距離D2以下であるか否かを判定する(ステップS16;No)。停止位置までの距離が距離D2以下でない場合(ステップS16;No)、制御部11は、処理ステップS16を繰り返す。
一方、停止位置までの距離が距離D2以下である場合(ステップS16;Yes)、制御部11は、ブレーキオン表示Gを表示部14に表示させる(ステップS17)。
【0071】
次いで、制御部11は、車速センサ21からの信号に基づき、車両が停止したか否かを判断する(ステップS18)。車両が停止していないと判断した場合(ステップS18;No)、処理ステップS18を繰り返す。
一方、車両が停止したと判断した場合(ステップS18;Yes)、燃料消費量演算手段としての制御部11は、アクセルオフ指示後に累積加算した燃料供給量から、マップデータにより算出した仮想燃料供給量を差し引いて、実質過剰消費燃料量を算出する(ステップS19)。
【0072】
次いで、制御部11は、実質過剰消費燃料量に入力部15から入力された燃料単価を乗じて過剰消費燃料量を金額に換算し、表示部14に過剰消費燃料表示Fを表示させ(ステップS20)、処理を終了する。
【0073】
また、図10に示した処理フローは、停車時に過剰消費燃料表示Fを表示部14に表示させる処理であったが、これに限らず、図11に示すように、アクセルオフ指示後、走行中に逐次、過剰消費燃料表示Fを表示するように構成してもよい。
図11の処理ステップS21乃至S25は、図10の処理ステップS11乃至S15と同じである。
【0074】
処理ステップS25で過剰燃料噴射量の累積加算処理が開始した後、燃料消費量演算手段としての制御部11は、アクセルオフ指示後に累積加算した燃料供給量から、マップデータにより算出した仮想燃料供給量を差し引いて、実質過剰消費燃料量を算出する(ステップS26)。
【0075】
そして、制御部11は、実質過剰消費燃料量に入力部15から入力された燃料単価を乗じて過剰消費燃料量を金額に換算し、表示部14に過剰消費燃料表示Fを表示させる(ステップS27)。
次いで、制御部11は、処理ステップS16と同様の処理を処理ステップS28で実行する。処理ステップS28で、停止位置までの距離が距離D2以下でない場合(ステップS28;No)、制御部11は、処理ステップS26を繰り返す。
【0076】
一方、停止位置までの距離が距離D2以下である場合(ステップS28;Yes)、制御部11は、ブレーキオン表示Gを表示部14に表示させ(ステップS29)、処理を終了する。
このように、図11の処理フローでは、アクセルオフ指示後、逐次過剰消費燃料表示Fがカウントアップ表示される。この過剰消費燃料表示Fにより、車両運転者は、過剰な燃料消費を行っていることを確認することができる。
【0077】
以上のように、本実施形態では、車両走行中アクセルオフとした場合に、所定速度(制動開始速度V2)まで減速された状態で、惰性走行により停止位置の所定距離(制動距離D2)手前に到達できる位置に達したときに、アクセルオフを車両運転者に指示するように構成されている。これにより、車両運転者は、アクセルをオフにしても、停止位置まで到達可能であることを早期に認識することができ、早い段階から惰性走行を開始することができる。この結果、追加的に過剰消費燃料を使用することが抑制されると共に、車両制動等により失われるエネルギーが削減され、燃費を向上させて省エネルギー運転を行うことが可能となる。
【0078】
また、本実施形態では、アクセルオフ指示後に使用した過剰消費燃料に関する情報(過剰消費燃料表示F)を車両運転者に報知するように構成されている。これにより、車両運転者は、理想的な減速・停車操作の未達成、すなわち過剰に燃料を消費したことを数値で確認することができ、車両運転者に省エネルギー運転を促すことが可能となる。
【0079】
また、本実施形態では、停止位置から所定の制動距離手前の位置で、ブレーキオン表示Gを表示することで、車両運転者に適切な制動開始タイミングを報知することができ、これにより、スムーズな制動操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施形態における運転支援装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における省エネルギー運転制御の画面表示である。
【図3】本発明の実施形態における省エネルギー運転制御の説明図である。
【図4】本発明の実施形態における惰性走行距離の算出手法の説明図である。
【図5】本発明の実施形態における変形例に係る惰性走行距離の算出手法の説明図である。
【図6】本発明の実施形態における変形例に係る省エネルギー運転制御の画面表示である。
【図7】本発明の実施形態における変形例に係る惰性走行距離の算出手法の説明図である。
【図8】図7における高度差取得の説明図である。
【図9】本発明の実施形態における惰性走行距離表示処理のフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態における過剰消費燃料表示処理のフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態における改変例に係る過剰消費燃料表示処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
1,2,3 車両
10 運転支援装置
11 制御部
12 センサ入力部
13 記憶部
13a 地図情報
14 表示部
15 入力部
16 交通情報送受信部
A 地図情報表示
B 走行路
C 自車位置マーク
D 制動開始位置マーク
0 惰性走行到達可能距離
1 惰性走行距離
2 制動距離
E アクセルオフ表示
F 過剰消費燃料表示
G ブレーキオン表示
H 制動開始位置までの走行距離表示
I,J 惰性走行距離表示
1 惰性走行開始位置
2 停止位置
3 制動開始位置
1 速度
2 制動開始速度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行中の車両のエンジンへの駆動力要求がなくなった場合に車両が惰性走行で所定車速に減速するまでに到達可能な距離を演算する距離演算工程と、
前記到達可能距離に関する情報を車両運転者に報知する情報報知工程と、
を備えたことを特徴とする車両の運転支援方法。
【請求項2】
前記情報報知工程では、前記到達可能距離に関する情報として、前記到達可能な距離を表示装置により表示することを特徴とする請求項1に記載の車両の運転支援方法。
【請求項3】
前記情報報知工程では、前記到達可能距離に関する情報として、車両が惰性走行により所定車速に減速する位置を、表示装置による地図表示上で表示することを特徴とする請求項1に記載の車両の運転支援方法。
【請求項4】
前記距離演算工程では、車両走行路の高度差に応じて、前記到達可能距離を演算することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両の運転支援方法。
【請求項5】
前記車両走行路の高度差を地図情報記憶装置に記憶された地図情報に基づいて算出する工程を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の車両の運転支援方法。
【請求項6】
車両走行方向前方の停止位置を特定する工程と、
前記停止位置と前記到達可能距離とに基づき、前記停止位置まで惰性走行するための惰性走行開始位置を特定する工程と、を更に備え、
前記到達可能距離に関する情報が、前記惰性走行開始位置に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両の運転支援方法。
【請求項7】
前記惰性走行開始位置を通過した後の燃料消費量を演算する工程を更に備え、
前記到達可能距離に関する情報が、前記燃料消費量に関する情報を含むことを特徴とする請求項6に記載の車両の運転支援方法。
【請求項8】
走行中の車両のエンジンへの駆動力要求がなくなった場合に車両が惰性走行で所定車速に減速されるまでに到達可能な距離を演算する距離演算手段と、
前記到達可能距離に関する情報を車両運転者に報知する情報報知手段と、
を備えたことを特徴とする車両の運転支援装置。
【請求項9】
前記情報報知手段は、表示装置を備え、前記到達可能距離に関する情報として、前記到達可能な距離を、前記表示装置により表示することを特徴とする請求項8に記載の車両の運転支援装置。
【請求項10】
前記情報報知手段は、表示装置を備え、前記到達可能距離に関する情報として、車両が惰性走行により所定車速に減速する位置を、前記表示装置による地図表示上で表示することを特徴とする請求項8に記載の車両の運転支援装置。
【請求項11】
前記距離演算手段は、車両走行路の高度差に応じて、前記到達可能距離を演算するように構成されていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の車両の運転支援装置。
【請求項12】
前記距離演算手段は、地図情報を記憶する地図情報記憶装置を備え、前記車両走行路の高度差を前記地図情報に基づいて算出するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の車両の運転支援装置。
【請求項13】
車両走行方向前方の停止位置を特定する停止位置特定手段と、
前記停止位置と前記到達可能距離とに基づき、前記停止位置まで惰性走行するための惰性走行開始位置を特定する惰性走行開始位置特定手段と、を更に備え、
前記到達可能距離に関する情報が、前記惰性走行開始位置に関する情報を含むことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の車両の運転支援装置。
【請求項14】
前記惰性走行開始位置を通過した後の燃料消費量を演算する燃料消費量演算手段を更に備え、
前記到達可能距離に関する情報が、前記燃料消費量演算手段により演算された燃料消費量に関する情報を含むことを特徴とする請求項13に記載の車両の運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−244167(P2009−244167A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92518(P2008−92518)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】