説明

車両用ナビゲーション装置、方法およびプログラム

【課題】 立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しても、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報を適切に提供することのできる車両用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 車両用ナビゲーション装置1は、出発地から目的地までのメイン経路の情報を記憶するメイン経路情報記憶部7と、出発地から目的地までの間に立ち寄る立寄り候補地の情報を記憶する立寄り候補地情報記憶部8と、出発地から目的地までの間に立寄り候補地を経由する立寄り候補経路を決定する立寄り候補経路決定部12と、立寄り候補経路をメイン経路とともに画面に表示させる立寄り候補経路表示部16とを備える。立寄り候補経路表示部16は、離脱ポイントが出発地に近い順に画面に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーション装置に関し、特に、出発地から目的地までの間に立寄り候補地を経由する立寄り候補経路をメイン経路とともに表示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ナビゲーション装置は、出発地から目的地までの経路案内をして、ユーザの運転をサポートする装置である。このようなナビゲーション装置では、ユーザが出発地および目的地を設定すると、出発地から目的地までのメイン経路の探索が行われる。そして、探索されたメイン経路が、車両用ナビゲーション装置の画面に表示される。
【0003】
従来、車両用ナビゲーション装置として、出発地から目的地までの間に経由する経由地を設定することが可能なものが提供されている。例えば、そのような車両用ナビゲーション装置として、ユーザが立寄りを希望する経由地の属性や詳細条件を入力することにより、出発地から目的地までの間にその立寄り地を経由する最適ルート(立寄り候補経路)が全ルートの中から選出されるものが知られている。(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−201766号公報(第3−6頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の車両用ナビゲーション装置では、出発地から目的地までのメイン経路から立寄り候補経路へ離脱する位置(離脱ポイント)については考慮されていない。ユーザが車両を運転するときには、目的地が決まっている場合であっても、途中の立寄り候補地(経由地の属性や詳細条件)がはっきり決まっていない場合も少なくない。そのような場合には、出発地から目的地へ向かう途中で、ユーザがそのときの気分で立寄り候補地(経由地の属性や詳細条件)を変更することもある。また、ユーザは、出発地から目的地へ向かう途中で、以前から立寄ろうと考えていた立寄り候補地を思い出すこともある。
【0005】
その場合、従来の車両用ナビゲーション装置では、ユーザが立寄り候補地(経由地の属性や詳細条件)を再入力すると、再度、最適ルート(立寄り候補経路)が選出される。しかしながら、すでに、メイン経路から最適ルートへ離脱する離脱ポイントをユーザが通過してしまっていると、再選出された最適ルートは、最初に選出された最適ルートよりも遠回りのルートであることが少なくない。例えば、Uターン等をして離脱ポイントまでメイン経路を戻るようなルートが、最適ルートとして再選出されることが少なくない。そうすると、その立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザの意欲が低下してしまい、ユーザはその立寄り候補地へ立ち寄るのを諦めてしまう結果となるという問題があった。したがって、立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しては、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報が適切に提供されないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しても、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報を適切に提供することができる車両用ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両用ナビゲーション装置は、出発地から目的地までのメイン経路の情報を記憶するメイン経路情報記憶手段と、前記出発地から前記目的地までの間に立ち寄る複数の立寄り候補地の情報を記憶する立寄り候補地情報記憶手段と、前記複数の立寄り候補地の各々について、前記出発地から前記目的地までの間に前記立寄り候補地を経由する立寄り候補経路を決定する立寄り候補経路決定手段と、前記メイン経路から前記立寄り候補経路へ離脱する位置である離脱ポイントに基づいて、前記離脱ポイントが前記出発地に近い順に、前記複数の立寄り候補経路のうちの少なくとも一つを前記メイン経路とともに画面に表示させる立寄り候補経路表示手段と、を備えている。
【0008】
これにより、所定の立寄り候補地を経由する立寄り候補経路が、メイン経路からの離脱ポイントが出発地に近いものから順に画面に表示される。つまり、ユーザが途中で立寄り候補地を変更する場合、次に画面に表示される立寄り候補経路は、先に画面に表示された立寄り候補経路よりも離脱ポイントが出発地から遠いものである。そのため、ユーザが立寄り候補経路を選択するときには、メイン経路からの離脱ポイントが出発地に近いものから順に、立寄り候補経路が選択される可能性が高くなる。したがって、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザの意欲が低下するような遠回りの立寄り候補経路が選択される可能性が低くなる。例えば、Uターン等をして離脱ポイントまでメイン経路を戻るような立寄り候補経路がユーザによって選択される機会が減少する。また、この場合、立寄り候補経路は、メイン経路とともに画面に表示される。これにより、ユーザは、メイン経路からの離脱ポイントを画面上で確認することができる。そのため、ユーザは、車両が離脱ポイントを通過する前に、立寄り候補経路を選択することが可能になる。したがって、例えば、Uターン等をして離脱ポイントまでメイン経路を戻るような立寄り候補経路がユーザによって選択される機会が減少する。このようにして、立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しても、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報が適切に提供される。
【0009】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記立寄り候補経路決定手段は、前記メイン経路から離脱して前記立寄り候補地を経由するときの立寄り難度に基づいて、一つの前記立寄り候補経路を決定する。
【0010】
これにより、複数の立寄り候補経路の中から一つの立寄り候補経路が、立寄り難度に基づいて決定され、メイン経路とともに画面に表示される。例えば、立寄り候補地を経由するときの立寄り難度が最も低い立寄り候補経路のみが、メイン経路とともに画面に表示される。そうすると、ユーザが立寄り候補経路を選択するときには、最も立寄り難度の低いものが選択される。したがって、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザの意欲が低下するような遠回りの立寄り候補経路が選択される可能性が低くなる。
【0011】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記離脱ポイントに基づいて、前記離脱ポイントよりも前記出発地側寄りの前記メイン経路中の位置であって、前記メイン経路を走行しているユーザに対して前記立寄り候補経路の案内を通知する位置である案内ポイントを決定する案内ポイント決定手段を備え、前記立寄り候補経路表示手段は、前記案内ポイントが前記出発地に近い順に、前記複数の立寄り候補経路のうちの少なくとも一つを表示させる。
【0012】
これにより、所定の立寄り候補地を経由する立寄り候補経路が、立寄り候補経路の案内を通知する案内ポイントが出発地に近いものから順に画面に表示される。つまり、ユーザが途中で立寄り候補地を変更する場合、次に画面に表示される立寄り候補経路は、先に画面に表示された立寄り候補経路よりも案内ポイントが出発地から遠いものである。そのため、ユーザが立寄り候補経路を選択するときには、案内ポイントが出発地に近いものから順に、立寄り候補経路が選択される可能性が高くなる。この場合、案内ポイントは離脱ポイントよりも出発地側寄りの位置であるため、ユーザが案内ポイントから離脱ポイントへ到達するまでに距離的にも時間的にもある程度の余裕がある。そのため、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザは、ある程度余裕を持って離脱ポイントの地点で立寄り候補経路へ経路を変更することができる。すなわち、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザが、距離的や時間的な余裕がないために離脱ポイントを通過してしまうことが少なくなる。したがって、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザが離脱ポイントを通過してしまった結果、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザの意欲が低下するような立寄り候補経路が選択される可能性が低くなる。例えば、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザが離脱ポイントを通過してしまった結果、Uターン等をして離脱ポイントまでメイン経路を戻るような立寄り候補経路が選択される機会が減少する。
【0013】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記ユーザからの入力に基づいて、前記画面に表示された前記立寄り候補経路のうちの一つを立寄り経路として選択する立寄り経路選択手段を備え、前記立寄り候補経路表示手段は、前記立寄り経路決定手段によって前記立寄り候補経路から前記立寄り経路が選択されなかったときに、他の前記立寄り候補経路を前記画面に表示させ、前記立寄り経路決定手段によって前記立寄り候補経路から前記立寄り経路が選択されたときに、他の前記立寄り候補経路を前記画面に表示させない。
【0014】
これにより、画面に表示された立寄り候補経路を、立寄り経路としてユーザが選択しなかったときには、次の立寄り候補経路が画面に表示される。このとき、次に画面に表示される立寄り候補経路は、先に画面に表示された立寄り候補経路よりも離脱ポイント(または案内ポイント)が出発地から遠いものである。そのため、ユーザが立寄り候補経路を選択するときには、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザの意欲が低下するような遠回りの立寄り候補経路が選択される可能性が低くなる。したがって、立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しても、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報が適切に提供される。一方、画面に表示された立寄り候補経路を、立寄り経路としてユーザが選択したときには、次の立寄り候補経路が画面に表示されない。これにより、ユーザに過剰な情報が提供されるのを防ぐことができる。
【0015】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、複数の前記立寄り候補地から所定数の前記立寄り候補地を立寄り有力候補地として選出する立寄り有力候補地選出手段を備え、前記立寄り候補地の情報は、前記メイン経路から離脱して前記立寄り候補地に立ち寄るときの立寄り難度の情報を含み、前記立寄り有力候補地選出手段は、前記立寄り難度に応じて前記立寄り有力候補地の選出を行い、前記立寄り候補経路決定手段は、前記立寄り有力候補地を経由する立寄り候補経路を決定し、前記立寄り候補経路表示手段は、前記立寄り有力候補地の立寄り候補経路を前記メイン経路とともに画面に表示させる。
【0016】
これにより、メイン経路から離脱して立寄り候補地に立ち寄るときの立寄り難度に基づいて、複数の立寄り候補地の中から立寄り有力候補地の選出が行われる。例えば、立寄り難度が最も低い立寄り候補地が、立寄り有力候補地として選出される。そして、その立寄り有力候補地を経由する立寄り候補経路が画面に表示される。このようにして、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り有力候補地への立寄り候補経路の情報が、ユーザに適切に提供される。
【0017】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、複数の前記立寄り候補地から所定数の前記立寄り候補地を立寄り有力候補地として選出する立寄り有力候補地選出手段を備え、前記立寄り候補地の情報は、前記メイン経路から離脱して前記立寄り候補地に立ち寄るときの立寄り難度を考慮した前記立寄り候補地の立寄り価値の情報を含み、前記立寄り有力候補地選出手段は、前記立寄り価値に応じて前記立寄り有力候補地の選出を行い、前記立寄り候補経路決定手段は、前記立寄り有力候補地を経由する立寄り候補経路を決定し、前記立寄り候補経路表示手段は、前記立寄り有力候補地の立寄り候補経路を前記メイン経路とともに画面に表示させる。
【0018】
これにより、立寄り難度を考慮した立寄り価値に基づいて、複数の立寄り候補地の中から立寄り有力候補地の選出が行われる。例えば、立寄り価値が最も高い立寄り候補地が、立寄り有力候補地として選出される。そして、その立寄り有力候補地を経由する立寄り候補経路が画面に表示される。このようにして、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り有力候補地であり、かつ、ユーザの興味のありそうな立寄り有力候補地への立寄り候補経路の情報が、ユーザに適切に提供される。
【0019】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記ユーザが前記立寄り候補地に立ち寄ったか否かを示す立寄り履歴情報を記憶する立寄り履歴記憶手段と、前記ユーザが一度立ち寄ったことのある前記立寄り候補地に再び立ち寄るのを希望するか否かを示すユーザ属性を設定するユーザ属性設定手段と、前記立寄り履歴情報および前記ユーザ属性に基づいて、前記立寄り候補地の立寄り価値を更新する立寄り価値更新手段を備えている。
【0020】
これにより、立寄り履歴情報およびユーザ属性に基づいて、立寄り候補地の立寄り価値が更新される。例えば、一度立ち寄ったことのある立寄り候補地に再び立ち寄るのを希望しないというユーザ属性のユーザの場合には、ある立寄り候補地にそのユーザが立ち寄ったことがあるという立寄り履歴に応じて、その立寄り候補地の立寄り価値を下げる更新処理が行われる。したがって、いつも違う経由地(店舗など)に立ち寄るのを好むユーザに対しては、出発地と目的地が同じ場合であっても異なる立寄り候補地への立寄り候補経路が画面に表示される。一方、一度立ち寄ったことのある立寄り候補地に再び立ち寄るのを希望するというユーザ属性のユーザの場合には、ある立寄り候補地にそのユーザが立ち寄ったことがあるという立寄り履歴に応じて、その立寄り候補地の立寄り価値を上げる更新処理が行われる。したがって、いつも同じ経由地(店舗など)に立ち寄るのを好むユーザに対しては、出発地と目的地が同じ場合にはいつも同じ立寄り候補地への立寄り候補経路が画面に表示される。このようにして、立寄り候補地への立寄り候補経路の情報が、ユーザ属性に応じて適切に提供される。
【0021】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記立寄り有力候補地選出手段によって前記立寄り有力候補地の選出が行われるごとに、前記立寄り候補地の立寄り価値を異なる値に変更するゆらぎ処理を施すゆらぎ処理手段を備えている。
【0022】
これにより、立寄り有力候補地の選出が行われるたびに、一部または全部の立寄り候補地の立寄り価値が異なる値に変更される。そのため、次に立寄り有力候補地の選出を行うときには、異なる値に更新された立寄り価値に基づいて立寄り有力候補地の選出が行われるので、出発地と目的地が同じ場合であっても異なる立寄り候補地への立寄り候補経路が画面に表示される。したがって、いつも違う経由地(店舗など)に立ち寄るのを好むユーザに対して、ユーザの興味のありそうな立寄り有力候補地への立寄り候補経路の情報が提供される。
【0023】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記メイン経路の目的地の情報に基づいて、前記ユーザの走行目的を示すシーンを推定するシーン推定手段を備え、前記立寄り有力候補地選出手段は、前記シーンに応じて前記立寄り有力候補地の選出を行う。
【0024】
これにより、シーン推定手段によって推定されたシーンに基づいて、複数の立寄り候補地の中から立寄り有力候補地の選出が行われる。例えば、ユーザの目的地が「実家」である場合には「帰省」というシーンが推定され、立寄り有力候補地として「土産物店」が選出される。このようにして、ユーザの興味のありそうな立寄り有力候補地への立寄り候補経路の情報が提供される。
【0025】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記立寄り候補地情報記憶手段は、前記立寄り候補地の情報として、前記ユーザが立寄りを希望した立寄り候補地として以前に登録した立寄り希望候補地の情報を記憶している。
【0026】
これにより、ユーザが以前に立ち寄ろうと思った立寄り希望候補地への立寄り候補経路が、画面に表示される。この場合、ユーザが以前に立ち寄ろうと思ったときに立寄り希望候補地として登録しておけば、ユーザがその立寄り希望候補地を忘れていても、出発地から目的地へ向かう途中で、立寄り希望候補地への立寄り候補経路が画面に表示される。このようにして、ユーザの興味のありそうな立寄り有力候補地への立寄り候補経路の情報が、ユーザに適切に提供される。
【0027】
本発明の車両用ナビゲーション方法は、出発地から目的地までのメイン経路の情報および前記出発地から前記目的地までの間に立ち寄る複数の立寄り候補地の情報に基づいて、前記複数の立寄り候補地の各々について、前記出発地から前記目的地までの間に前記立寄り候補地を経由する立寄り候補経路を決定し、前記メイン経路から前記立寄り候補経路へ離脱する位置である離脱ポイントに基づいて、前記離脱ポイントが前記出発地に近い順に、前記複数の立寄り候補経路のうちの少なくとも一つを前記メイン経路とともに画面に表示させる。
【0028】
これによっても、上記のように、所定の立寄り候補地を経由する立寄り候補経路が、メイン経路からの離脱ポイントが出発地に近いものから順に画面に表示されるので、ユーザが立寄り候補経路を選択するときには、メイン経路からの離脱ポイントが出発地に近いものから順に、立寄り候補経路が選択される可能性が高くなる。したがって、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザの意欲が低下するような遠回りの立寄り候補経路が選択される可能性が低くなる。また、立寄り候補経路は、メイン経路とともに画面に表示される。これにより、ユーザは、メイン経路からの離脱ポイントを画面上で確認することができるので、車両が離脱ポイントを通過する前に、立寄り候補経路を選択することが可能になる。したがって、例えば、Uターン等をして離脱ポイントまでメイン経路を戻るような立寄り候補経路がユーザによって選択される機会が減少する。このようにして、立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しても、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報が適切に提供される。
【0029】
本発明の車両用ナビゲーションプログラムは、メモリに格納されてナビゲーション機能を実現するためのプログラムであって、コンピュータを、出発地から目的地までのメイン経路の情報および前記出発地から前記目的地までの間に立ち寄る複数の立寄り候補地の情報に基づいて、前記複数の立寄り候補地の各々について、前記出発地から前記目的地までの間に前記立寄り候補地を経由する立寄り候補経路を決定する立寄り候補経路決定手段、前記メイン経路から前記立寄り候補経路へ離脱する位置である離脱ポイントに基づいて、前記離脱ポイントが前記出発地に近い順に、前記複数の立寄り候補経路のうちの少なくとも一つを前記メイン経路とともに画面に表示させる立寄り候補経路表示手段、として機能させる。
【0030】
これによっても、上記のように、所定の立寄り候補地を経由する立寄り候補経路が、メイン経路からの離脱ポイントが出発地に近いものから順に画面に表示されるので、ユーザが立寄り候補経路を選択するときには、メイン経路からの離脱ポイントが出発地に近いものから順に、立寄り候補経路が選択される可能性が高くなる。したがって、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザの意欲が低下するような遠回りの立寄り候補経路が選択される可能性が低くなる。また、立寄り候補経路は、メイン経路とともに画面に表示される。これにより、ユーザは、メイン経路からの離脱ポイントを画面上で確認することができるので、車両が離脱ポイントを通過する前に、立寄り候補経路を選択することが可能になる。したがって、例えば、Uターン等をして離脱ポイントまでメイン経路を戻るような立寄り候補経路がユーザによって選択される機会が減少する。このようにして、立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しても、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報が適切に提供される。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、離脱ポイントが出発地に近い順に、立寄り候補経路をメイン経路とともに画面に表示させる立寄り候補経路表示手段を設けることにより、立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しても、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報を適切に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態の車両用ナビゲーション装置、方法およびプログラムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、例えば、自動車に搭載されるカーナビゲーション装置として用いられる場合を例示する。このカーナビゲーション装置は、出発地から目的地までの間に立寄り候補地を経由する立寄り候補経路をメイン経路とともに表示するナビゲーション機能を有している。このナビゲーション機能は、カーナビゲーション装置のメモリやHDDに格納されているプログラムによって実現される。
【0033】
本発明の実施の形態のカーナビゲーション装置の構成を示すブロック図を図1に示す。ここでは、まず、カーナビゲーション装置1の主要な構成について概略を説明する。図1に示すように、カーナビゲーション装置1は、液晶画面などの表示部2と、リモコンやタッチパネルなどの入力部3を備えている。また、カーナビゲーション装置1は、メモリ等で構成された記憶部4と、CPU等で構成された第1演算処理部5および第2演算処理部6を備えている。
【0034】
カーナビゲーション装置1の記憶部4は、メイン経路の情報を記憶するメイン経路情報記憶部7と、複数の立寄り候補地(立寄り候補地A、B、C、D、…)の情報を記憶する立寄り候補地情報記憶部8と、ユーザごとの行動履歴を記憶する行動履歴記憶部9と、ユーザの立寄り履歴を記憶する立寄り履歴記憶部10を備えている。また、この記憶部4は、ユーザの現在の状況情報を記憶する状況情報記憶部11を備えている。ここでは、メイン経路情報記憶部7が、本発明のメイン経路情報記憶手段に相当し、立寄り候補地情報記憶部8が、本発明の立寄り候補地情報記憶手段に相当する。また、立寄り履歴記憶部10が、本発明の立寄り履歴記憶手段に相当する。
【0035】
カーナビゲーション装置1の第1演算処理部5は、複数の立寄り候補地の各々について立寄り候補経路を決定する立寄り候補経路決定部12と、立寄り候補地の立寄り価値を算定する立寄り価値算定部13と、複数の立寄り候補地から立寄り有力候補地(立寄り候補地A、C、D)を選出する立寄り有力候補地選出部14を備えている。ここでは、立寄り候補経路決定部12が、本発明の立寄り候補経路決定手段に相当し、立寄り有力候補地選出部14が、本発明の立寄り有力候補地選出手段に相当する。
【0036】
また、この第1演算処理部5は、立寄り候補経路の案内をユーザに通知するメイン経路中の位置である案内ポイントを決定する案内ポイント決定部15と、立寄り候補経路をメイン経路とともに表示部2(液晶画面)に表示させる立寄り候補経路表示部16と、表示された立寄り候補経路のうちの一つを立寄り経路として選択する立寄り経路選択部17を備えている。ここでは、案内ポイント決定部15が、本発明の案内ポイント決定手段に相当する。また、立寄り候補経路表示部16が、本発明の立寄り候補経路表示手段に相当し、立寄り経路選択部17が、本発明の立寄り経路選択手段に相当する。
【0037】
カーナビゲーション装置1の第2演算処理部6は、ユーザ属性(ユーザが一度立ち寄ったことのある立寄り候補地に再び立ち寄るのを希望するか否か)を設定するユーザ属性設定部18と、ユーザ属性に基づいて立寄り候補地の立寄り価値を更新する立寄り価値更新部19を備えている。ここでは、ユーザ属性設定部18が、本発明のユーザ属性設定手段に相当し、立寄り価値更新部19が、本発明の立寄り価値更新手段に相当する。
【0038】
また、この第2演算処理部6は、立寄り候補地の立寄り価値を異なる値に変更するゆらぎ処理を施すゆらぎ処理部20と、ユーザの走行目的を示すシーン(通勤、買い物、帰省など)を推定するシーン推定部21を備えている。ここでは、ゆらぎ処理部20が、本発明のゆらぎ処理手段に相当し、シーン推定部21が、本発明のシーン推定手段に相当する。
【0039】
つづいて、カーナビゲーション装置1の各構成について詳細に説明する。ここでは、まず、カーナビゲーション装置1の記憶部4の各構成について説明する。図2は、メイン経路情報記憶部7に記憶されるメイン経路情報の一例を示した説明図である。図2に示すように、メイン経路情報は、出発地から目的地までのメイン経路の情報を有している。図2では、出発地を出て、道路Aを進み、交差点Aで右折し、道路Bを進み、交差点Bを左折して、道路Cを進み、目的地へ到着する経路が例示されている。なお、出発地は、ユーザが手動で所定の出発地を設定してもよく、また、カーナビゲーション装置1に備えられたGPS機能により、車両の現在位置の情報を入手して自動的に出発地として設定してもよい。
【0040】
図3は、立寄り候補地情報記憶部8に記憶される立寄り候補地情報の一例を示した説明図である。この立寄り候補地情報は、複数の立寄り候補地(立寄り候補地A、B、C、D、…)の各々について、立寄り候補地の名称(名称A、B、C、D、…)、立寄り候補地の住所(住所A、B、C、D、…)、立寄り候補地の電話番号(電話番号A、B、C、D、…)の情報を有している。また、立寄り候補地情報は、立寄り候補地の種別(レストラン、土産物店、ガソリンスタンド、サービスエリアなど)の情報を有している。
【0041】
図3に示すように、立寄り候補地情報は、各立寄り候補地について、立寄り難度の情報を有している。立寄り難度は、出発地から目的地までの途中でメイン経路から離脱して立寄り候補地を経由するときの立寄り難さを示す値である。立寄り難度は、その値が小さいほど、立寄り候補地に立ち寄るのが容易であることを示す。例えば、立寄り候補地の場所がメイン経路の近くである場合や、立寄り候補地の場所がメイン経路から若干離れていても比較的短時間で立ち寄ることができる場合には、立寄り難度の値が小さい。一方、立寄り難度の値が大きいほど、その立寄り候補地に立ち寄るのが難しいことを示す。例えば、立寄り候補地の場所がメイン経路から遠い場合や、立寄り候補地の場所がメイン経路に比較的近くても道路事情(一方通行や渋滞など)により行くのに時間がかかる場合には、立寄り難度が大きい。
【0042】
このような立寄り難度の値は、出発地から目的地までの間にその立寄り候補地を経由する立寄り候補経路を作成したときのコスト値から算出される。本実施の形態では、立寄り難度は「0」から「9」までの10段階の値をとる。図3に示した例では、立寄り候補地Aの立寄り難度は「1」であり、立寄り候補地Aに立ち寄るのは比較的容易である。一方、立寄り候補地Bの立寄り難度は「3」であり、立寄り候補地Bに立ち寄るのは比較的困難である。
【0043】
図3に示すように、立寄り候補地情報は、各立寄り候補地について、評価点数の情報を有している。評価点数は、立寄り候補地の評価を点数で示した値である。評価点数は、その値が大きいほど立寄り候補地の評価が高く、その値が小さいほど立寄り候補地の評価が低いことを示す。例えば、美味しいという評判のレストランや人気のあるレストラン等は、評価点数が比較的高い。
【0044】
また、図3に示すように、立寄り候補地情報は、各立寄り候補地について、立寄り価値の情報を有している。立寄り価値は、立寄り難度を考慮に入れた立寄り候補地の価値を示す値である。本実施の形態では、下記の式1を用いることによって、立寄り候補地の立寄り価値が評価点数と立寄り難度から算出される。
立寄り価値=評価点数×(1−立寄り難度/10) (式1)
【0045】
図3に示した例では、立寄り候補地Aの立寄り価値は「81(=90×0.9)」であり、立寄り候補地Dの立寄り価値は「63(=90×0.7)」である。このように、立寄り価値が同じ値「90」である立寄り候補地Aと立寄り候補地Dであっても、立寄り難度の違いが考慮されて、立寄り価値の値が互いに異なる値となる。
【0046】
上記のような立寄り候補地情報は、インターネット等のネットワークを通じて、様々な立寄り候補地の情報を収集して、立寄り候補地情報記憶部8に記憶されている。また、ユーザは、携帯端末やパーソナルコンピュータ等を用いて、以前に興味を持った立寄り候補地の情報を立寄り候補地情報記憶部8に登録しておくことができる。すなわち、立寄り候補地情報記憶部8には、ユーザが立ち寄るのを希望した立寄り候補地として、以前に登録した立寄り希望候補地の情報が記憶されている。本実施の形態では、例えば、立寄り候補地Cが、ユーザが以前に登録した立寄り希望候補地である。この場合、図3に示すように、立寄り希望候補地(立寄り候補地C)の評価点数の値は、比較的高い値(例えば「100」)に設定されている。
【0047】
また、例えば、インターネット等のネットワークを通じて接続されるサーバに、複数のユーザが登録した立寄り候補地情報を集めておき、その中から立寄り候補地情報を収集することもできる。例えば、複数のユーザの立寄り候補地情報を、ユーザのタイプ別(嗜好別)にサーバに集めておく。そして、所定のアプリケーションを用いて、自分(実際のユーザ)に近いタイプ(嗜好)のユーザ(他のユーザ)の立寄り候補地情報を検索して、自分の立寄り希望候補地として、立寄り候補地情報記憶部8に記憶させることも可能である。
【0048】
図4は、行動履歴記憶部9に記憶されるユーザ行動履歴の一例を示した説明図である。このユーザ行動履歴は、ユーザが過去に訪れたことのある目的地(目的地X、Y、Z、…)と、目的地の種別(会社、デパート、実家など)の情報を有している。また、ユーザ行動履歴は、目的地に到着したときの到着時刻と、その日が平日であるか休日であるかの情報を有している。
【0049】
図5は、立寄り履歴記憶部10に記憶されるユーザ立寄り履歴の一例を示した説明図である。ユーザ立寄り履歴は、ユーザが過去に立寄り候補地(立寄り候補地A、B、C、D、…)に立ち寄ったことがあるか否かの情報を有している。本実施の形態では、ユーザが目的地として立寄り候補地を訪れた場合にも、ユーザがその立寄り候補地(目的地)に立ち寄ったことがあるとして取り扱われる。
【0050】
図6は、状況情報記憶部11に記憶される状況情報の一例を示した説明図である。状況情報は、現在の時刻と、現在の天気と、本日が平日であるか休日であるかの情報を有している。また、状況情報は、ユーザが設定した目的地と、目的地の種別の情報を有している。また、状況情報は、ユーザの運転する車両の現在位置と、目的地への到着予定時刻と、シーン推定部21によって推定されたシーンの情報を有している。
【0051】
図6の例では、現在の時刻は「10:00」、天気は「晴れ」であり、本日は「休日」である。また、目的地は「目的地Z」であり、その種別は「実家」である。カーナビゲーション装置1のGPS機能によって得られる車両の現在位置(座標)は(x,y)であり、目的地への到着予定時刻は「11:10」である。そして、この場合、後述するようにシーン推定部21で推定されるシーンは「帰省」である。
【0052】
つぎに、カーナビゲーション装置1の第1演算処理部5の各構成について説明する。第1演算処理部5の立寄り候補経路決定部12は、複数の立寄り候補地の各々について、出発地から目的地までの間に立寄り候補地を経由する立寄り候補経路を決定する。図7(a)には、立寄り候補経路の説明図が示されている。図7(a)では、出発地から目的地までのメイン経路が実線で図示されており、立寄り候補地を経由する立寄り候補経路が点線で図示されている。
【0053】
出発地から目的地までの間に所定の立寄り候補地を経由する立寄り候補経路は、理論上、数多く存在するが、本実施の形態の立寄り候補経路決定部12は、メイン経路から離脱してその立寄り候補地を経由するときの立寄り難度に基づいて、一つの立寄り候補経路を決定する。例えば、出発地から目的地までの間にその立寄り候補地を経由する立寄り候補経路を作成したときの立寄り難度(コスト値)が最も小さい経路を、立寄り候補経路として決定する。
【0054】
立寄り価値算定部13は、上述のように、立寄り候補地の評価点数と立寄り難度から立寄り価値を算定する。具体的には、上記の式1を用いることによって、立寄り候補地の立寄り価値が評価点数と立寄り難度から算出される。
【0055】
立寄り有力候補地選出部14は、立寄り候補地の立寄り価値に応じて立寄り有力候補地を選出するとともに、シーンに応じて立寄り有力候補地の選出を行う。本実施の形態では、立寄り有力候補地選出部14では、シーンに対応する種別の立寄り候補地のうち、立寄り価値が高いものから順に3つの立寄り候補地が立寄り有力候補地として選出される。例えば、シーンが「買い物」である場合には、買い物に行く途中にレストランで食事をすることが多いので、そのシーンに対応する種別「レストラン」の立寄り候補地が選出される。また、シーンが「帰省」である場合には、帰省する途中で土産物を買うことが多いので、そのシーンに対応する種別「土産物店」の立寄り候補地が選出される。
【0056】
例えば、図3に示すような立寄り候補地の情報の場合であって、シーンが「買い物」である場合には、まず、すべての立寄り候補地(立寄り候補地A、B、C、D、…)の中から、そのシーンに対応する種別「レストラン」の立寄り候補地(立寄り候補地A、C、D、…)が選出される。そして、それらの立寄り候補地(立寄り候補地A、C、D、…)の中から立寄り価値が高い順に3つの立寄り候補地(立寄り候補地A、C、D)が、立寄り有力候補地として選出される。
【0057】
案内ポイント決定部15は、メイン経路を車両で走行しているユーザに立寄り候補経路の案内を通知する位置である案内ポイントを決定する。ここで、図7(a)を用いて、案内ポイントの決定について説明する。案内ポイント決定部15は、まず、図7(a)において実線で図示したメイン経路から点線で図示した立寄り候補経路が離脱する地点Sを離脱ポイントとして決定する。そして、離脱ポイントSから所定の距離(例えば300m)だけ出発地側寄りの地点Gを案内ポイントとして決定する。このようにして、案内ポイント決定部15では、離脱ポイントSに基づいて案内ポイントGが決定される。
【0058】
立寄り候補経路表示部16は、立寄り候補経路の一つをメイン経路とともに表示部2(液晶画面)に表示させる。例えば、図7(a)では、出発地から目的地までのメイン経路が実線で図示されており、立寄り候補地を経由する立寄り候補経路が点線で図示されている。なお、実際の表示部2(液晶画面)では、例えば、メイン経路を赤色で表示し、立寄り候補経路を青色で表示してもよい。
【0059】
立寄り経路選択部17は、表示部2(液晶画面)に表示された立寄り候補経路の一つを、立寄り経路として選択する。例えば、ユーザが入力部3(リモコンやタッチパネル)で「選択」の操作を行うことにより、立寄り経路としての選択が行われる。また、実際にユーザが運転する車両が、メイン経路から離脱して立寄り候補経路上を走行するのをGPS機能で探知することにより、立寄り経路としての選択が行われたものとして取り扱ってもよい。例えば、図7(b)において三角印で示される車両の現在位置が、立寄り候補経路上に移ったことをGPS機能によって探知すると、その立寄り候補経路が立寄り経路として選択されたものとして取り扱う。
【0060】
一方、ユーザが入力部3(リモコンやタッチパネル)で「非選択」の操作を行うと、表示されていた立寄り候補経路が立寄り経路として選択されないことになる。また、実際にユーザが運転する車両が、離脱ポイントを過ぎてもメイン経路上を走行しているのをGPS機能で探知したときには、その立寄り候補経路は立寄り経路として選択されなかったものとして取り扱われる。
【0061】
本実施の形態では、立寄り候補経路表示部16は、案内ポイントGが出発地に近い順に、立寄り候補経路をメイン経路とともに表示部2(液晶画面)に表示させる。以下、図8(a)〜(c)を用いて、立寄り候補経路の表示の仕方を説明する。
【0062】
例えば、3つの立寄り候補地(立寄り候補地A、C、D)が立寄り有力候補地として選出された場合、図8(a)に示すように、まず、これらの立寄り有力候補地(立寄り候補地A、C、D)のうち案内ポイントGAが最も出発地に近い立寄り候補地Aの立寄り候補経路が表示される。
【0063】
ユーザが立寄り候補地Aの立寄り候補経路を立寄り経路として選択したときには、他の立寄り候補地(立寄り候補地C、D)の立寄り候補経路は表示部2(液晶画面)に表示されない。一方、ユーザが立寄り候補地Aの立寄り候補経路を立寄り経路として選択しなかったときには、図8(b)に示すように、残りの立寄り有力候補地(立寄り候補地C、D)のうち案内ポイントGCが出発地に次に近い立寄り候補地Cの立寄り候補経路が表示される。
【0064】
そして、ユーザが立寄り候補地Cの立寄り候補経路を立寄り経路として選択したときには、他の立寄り候補地(立寄り候補地D)の立寄り候補経路は表示部2(液晶画面)に表示されない。一方、ユーザが立寄り候補地Cの立寄り候補経路を立寄り経路として選択しなかったときには、図8(c)に示すように、残りの立寄り有力候補地(立寄り候補地D)の立寄り候補経路が表示される。
【0065】
このように、本実施の形態では、立寄り有力候補地(立寄り候補地A、C、D)の立寄り候補経路は、案内ポイントGA、GC、GDが出発地に近い順に表示される。つまり、必ずしも立寄り有力候補地(立寄り候補地A、C、D)の立寄り価値が高い順に表示されるとは限らない。ここで、案内ポイントGは、離脱ポイントSから所定の距離(例えば300m)だけ出発地側寄りの地点であるので、本実施の形態では、立寄り有力候補地(立寄り候補地A、C、D)の立寄り候補経路は、離脱ポイントSA、SC、SDが出発地に近い順に表示されているともいえる。
【0066】
つぎに、カーナビゲーション装置1の第2演算処理部6の各構成について説明する。第2演算処理部6のユーザ属性設定部18は、入力部3(リモコンやタッチパネル)からユーザの入力を受け付けてユーザ属性の設定を行う。ここで、ユーザ属性とは、そのユーザが同じ立寄り候補地にもう一度立ち寄るのを希望するか否かを示すものである。例えば、いつも同じ経由地(店舗など)に何度も繰返し訪れるのを好むユーザは「同じ立寄り候補地を希望する」というユーザ属性を入力する。一方、いつも違う経由地(店舗など)に訪れるのを好むユーザは「同じ立寄り候補地を希望しない」というユーザ属性を入力する。このようなユーザからの入力を受け付けて、ユーザ属性が設定される。
【0067】
立寄り価値更新部19は、ユーザ立寄り履歴とユーザ属性に基づいて、立寄り候補地の立寄り価値を更新する。本実施の形態では、「同じ立寄り候補地を希望する」というユーザ属性のユーザの場合には、ある立寄り候補地にそのユーザが立ち寄ったことがあるという立寄り履歴に応じて、その立寄り候補地の評価点数を上げる。つまり、ユーザが立寄り候補地に立ち寄るたびに、その立寄り候補地の評価点数を上げる更新処理が行われる。例えば、ユーザが立寄り候補地に立ち寄るたびに、その立寄り候補地の評価点数を「10」だけ上げる。
【0068】
一方、「同じ立寄り候補地を希望しない」というユーザ属性のユーザの場合には、ある立寄り候補地にそのユーザが立ち寄ったことがあるという立寄り履歴に応じて、その立寄り候補地の評価点数を下げる。つまり、ユーザが立寄り候補地に立ち寄るたびに、その立寄り候補地の評価点数を下げる更新処理が行われる。例えば、ユーザが立寄り候補地に立ち寄るたびに、その立寄り候補地の評価点数を「10」だけ下げる。
【0069】
ゆらぎ処理部20は、立寄り有力候補地の選出が行われるたびに、一部または全部の立寄り候補地の評価点数を異なる値に変更するゆらぎ処理を行う。例えば、ゆらぎ処理部20は、一部の立寄り候補地の評価点数を「5」だけ上げて、残りの立寄り候補地の評価点数を変更しないゆらぎ処理を行う。または、ゆらぎ処理部20は、一部の立寄り候補地の評価点数を「5」だけ下げて、残りの立寄り候補地の評価点数を変更しないゆらぎ処理を行う。あるいは、ゆらぎ処理部20は、一部の立寄り候補地の評価点数を「5」だけ上げて、残りの立寄り候補地の評価点数を「5」だけ下げるゆらぎ処理を行う。
【0070】
シーン推定部21は、ユーザ行動履歴と状況情報(目的地などの情報)に基づいて、ユーザの走行目的を示すシーン(通勤、買い物、帰省など)を推定する。例えば、シーン推定部21では、過去のユーザ行動履歴から、「休日」の「11:00」頃に「実家」に到着する場合には、ユーザが実家に帰省する目的で車両を運転していることが多いという傾向が得られる。したがって、現在の状況情報から、目的地の種別が「実家」であり「休日」の「11:00」頃に到着する予定である場合には、「帰省」というシーンが推定される。
【0071】
また、シーン推定部21では、過去のユーザ行動履歴から、「休日」の「13:30」頃に「デパート」に到着する場合には、ユーザがデパートに買い物に行く目的で車両を運転していることが多いという傾向が得られる。したがって、現在の状況情報から、目的地の種別が「デパート」であり「休日」の「13:30」頃に到着する予定である場合には、「買い物」というシーンが推定される。
【0072】
また、シーン推定部21では、過去のユーザ行動履歴から、「平日」の「8:30」頃に「会社」に到着する場合には、ユーザが会社に通勤する目的で車両を運転していることが多いという傾向が得られる。したがって、現在の状況情報から、目的地の種別が「会社」であり「平日」の「8:30」頃に到着する予定である場合には、「通勤」というシーンが推定される。
【0073】
以上のように構成されたカーナビゲーション装置1について、図9のデータフローダイアグラム(DFD)を用いてその動作を説明する。ここでは、本発明の特徴であるナビゲーション機能の動作、すなわち、立寄り候補経路をメイン経路とともに表示するナビゲーション機能の動作を説明する。
【0074】
図9に示すように、本実施の形態のカーナビゲーション装置1のシーン推定部21では、過去のユーザ行動履歴と現在の状況情報に基づいて、シーンの推定が行われる(S1)。例えば、過去のユーザ行動履歴と現在の状況情報から、目的地の種別が「デパート」であり「休日」の「13:30」頃に到着する予定である場合には、「買い物」というシーンが推定される。
【0075】
また、立寄り価値算定部13では、過去のユーザ立寄り履歴と現在の状況情報と立寄り候補地情報に基づいて、立寄り価値の算定が行われる(S2)。例えば、立寄り候補地(立寄り候補地A、B、C、D、…)の立寄り価値が、上記の式1を用いることにより、評価点数と立寄り難度から算出される。
【0076】
このとき立寄り価値の算定に用いられる立寄り候補地の評価点数は、ユーザ立寄り履歴とユーザ属性に基づいて、立寄り価値更新部19により更新された値である。また、この立寄り候補地の評価点数は、立寄り有力候補地の選出が行われるたびに、ゆらぎ処理部20によってゆらぎ処理が行われた値である。また、ユーザが予め登録した立寄り希望候補地(立寄り候補地C)の評価点数の値は、比較的高い値に設定されている。
【0077】
また、このとき立寄り価値の算定に用いられる立寄り難度は、現在の状況情報に基づいて、出発地から目的地までの間にその立寄り候補地を経由する立寄り候補経路を作成したときのコスト値から算出された値である。
【0078】
次に、立寄り有力候補地選出部14において、シーンと立寄り価値の情報を用いて、立寄り有力候補地の選出が行われる(S3)。本実施の形態では、立寄り候補地の立寄り価値に応じた立寄り有力候補地の選出が行われるとともに、シーンに応じた立寄り有力候補地の選出が行われる。
【0079】
例えば、シーンが「買い物」である場合には、すべての立寄り候補地(立寄り候補地A、B、C、D、…)の中から、そのシーンに対応する種別「レストラン」の立寄り候補地(立寄り候補地A、C、D、…)が選出される。そして、それらの立寄り候補地(立寄り候補地A、C、D、…)の中から立寄り価値が高い順に3つの立寄り候補地(立寄り候補地A、C、D)が、立寄り有力候補地として選出される。
【0080】
その後、案内ポイント決定部15において、立寄り有力候補地の情報とメイン経路情報に基づいて、立寄り有力候補地の案内ポイントの決定が行われる(S4)。具体的には、まず、メイン経路から立寄り候補経路が離脱する地点Sを離脱ポイントとして決定し、その離脱ポイントSから所定の距離(例えば300m)だけ出発地側寄りの地点Gを案内ポイントとして決定する。このようにして、各立寄り有力候補地(立寄り候補地A、C、D)の案内ポイントGA、GC、GDの決定が行われる(図8参照)。
【0081】
そして、立寄り候補経路表示部16では、立寄り有力候補地(立寄り候補地A、C、D)およびその案内ポイントGA、GC、GDの情報とメイン経路情報に基づいて、メイン経路とともに表示部2(液晶画面)に表示する立寄り候補経路の決定が行われる(S5)。
【0082】
例えば、3つの立寄り候補地(立寄り候補地A、C、D)が立寄り有力候補地として選出された場合、まず、これらの立寄り有力候補地(立寄り候補地A、C、D)のうち案内ポイントGAが最も出発地に近い立寄り候補地Aの立寄り候補経路が、表示部2(液晶画面)に表示される立寄り候補経路として決定される。そして、立寄り候補地Aの立寄り候補経路がメイン経路とともに表示部2(液晶画面)に表示される(図8(a)参照)。
【0083】
その後、ユーザが立寄り候補地Aの立寄り候補経路を立寄り経路として選択したときには、他の立寄り候補地(立寄り候補地C、D)の立寄り候補経路は表示部2(液晶画面)に表示されない。一方、ユーザが立寄り候補地Aの立寄り候補経路を立寄り経路として選択しなかったときには、残りの立寄り有力候補地(立寄り候補地C、D)のうち案内ポイントGCが出発地に次に近い立寄り候補地Cの立寄り候補経路が表示される(図8(b)参照)。
【0084】
そして、ユーザが立寄り候補地Cの立寄り候補経路を立寄り経路として選択したときには、他の立寄り候補地(立寄り候補地D)の立寄り候補経路は表示部2(液晶画面)に表示されない。一方、ユーザが立寄り候補地Cの立寄り候補経路を立寄り経路として選択しなかったときには、残りの立寄り有力候補地(立寄り候補地D)の立寄り候補経路が表示される(図8(c)参照)。
【0085】
このような本実施の形態のカーナビゲーション装置1によれば、離脱ポイントSが出発地に近い順に、立寄り候補経路をメイン経路とともに画面に表示させる立寄り候補経路表示部16を設けることにより、立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しても、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報を適切に提供することができる。
【0086】
すなわち、本実施の形態では、所定の立寄り候補地を経由する立寄り候補経路が、メイン経路からの離脱ポイントSが出発地に近いものから順に画面に表示される。つまり、ユーザが途中で立寄り候補地を変更する場合、次に画面に表示される立寄り候補経路は、先に画面に表示された立寄り候補経路よりも離脱ポイントSが出発地から遠いものである。そのため、ユーザが立寄り候補経路を立寄り経路として選択するときには、メイン経路からの離脱ポイントSが出発地に近いものから順に、立寄り候補経路が立寄り経路として選択される可能性が高くなる。したがって、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザの意欲が低下するような遠回りの立寄り候補経路が立寄り経路として選択される可能性が低くなる。例えば、Uターン等をして離脱ポイントSまでメイン経路を戻るような立寄り候補経路がユーザによって立寄り経路として選択される機会が減少する。
【0087】
また、この場合、立寄り候補経路は、メイン経路とともに画面に表示される。これにより、ユーザは、メイン経路からの離脱ポイントSを画面上で確認することができる。そのため、ユーザは、車両が離脱ポイントSを通過する前に、立寄り候補経路を立寄り経路として選択することが可能になる。したがって、例えば、Uターン等をして離脱ポイントSまでメイン経路を戻るような立寄り候補経路がユーザによって立寄り経路として選択される機会が減少する。このようにして、立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しても、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報が適切に提供される。
【0088】
また、本実施の形態では、複数の立寄り候補経路の中から一つの立寄り候補経路が、立寄り難度に基づいて決定され、メイン経路とともに画面に表示される。例えば、立寄り候補地を経由するときの立寄り難度が最も低い立寄り候補経路のみが、メイン経路とともに画面に表示される。そうすると、ユーザが立寄り候補経路を立寄り経路として選択するときには、最も立寄り難度の低いものが立寄り経路として選択される。したがって、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザの意欲が低下するような遠回りの立寄り候補経路が立寄り経路として選択される可能性が低くなる。
【0089】
また、本実施の形態では、所定の立寄り候補地を経由する立寄り候補経路が、立寄り候補経路の案内を通知する案内ポイントGが出発地に近いものから順に画面に表示される。つまり、ユーザが途中で立寄り候補地を変更する場合、次に画面に表示される立寄り候補経路は、先に画面に表示された立寄り候補経路よりも案内ポイントGが出発地から遠いものである。そのため、ユーザが立寄り候補経路を立寄り経路として選択するときには、案内ポイントGが出発地に近いものから順に、立寄り候補経路が立寄り経路として選択される可能性が高くなる。
【0090】
この場合、案内ポイントGは離脱ポイントSよりも出発地側寄りの位置であるため、ユーザが案内ポイントGから離脱ポイントSへ到達するまでに距離的にも時間的にもある程度の余裕がある。そのため、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザは、ある程度余裕を持って離脱ポイントSの地点で立寄り候補経路へ経路を変更することができる。すなわち、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザが、距離的や時間的な余裕がないために離脱ポイントSを通過してしまうことが少なくなる。したがって、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザが離脱ポイントSを通過してしまった結果、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザの意欲が低下するような立寄り候補経路が立寄り経路として選択される可能性が低くなる。例えば、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザが離脱ポイントSを通過してしまった結果、Uターン等をして離脱ポイントSまでメイン経路を戻るような立寄り候補経路が立寄り経路として選択される機会が減少する。
【0091】
また、本実施の形態では、画面に表示された立寄り候補経路を、立寄り経路としてユーザが選択しなかったときには、次の立寄り候補経路が画面に表示される。このとき、次に画面に表示される立寄り候補経路は、先に画面に表示された立寄り候補経路よりも離脱ポイントS(または案内ポイントG)が出発地から遠いものである。そのため、ユーザが立寄り候補経路を立寄り経路として選択するときには、立寄り候補地へ立ち寄ろうとするユーザの意欲が低下するような遠回りの立寄り候補経路が立寄り経路として選択される可能性が低くなる。したがって、立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しても、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報が適切に提供される。一方、画面に表示された立寄り候補経路を、立寄り経路としてユーザが選択したときには、次の立寄り候補経路が画面に表示されない。これにより、ユーザに過剰な情報が提供されるのを防ぐことができる。
【0092】
また、本実施の形態では、立寄り難度を考慮した立寄り価値に基づいて、複数の立寄り候補地(立寄り候補地A、B、C、D、…)の中から立寄り有力候補地の選出が行われる。例えば、立寄り価値が高い順に3つの立寄り候補地(立寄り候補地A、C、D)が、立寄り有力候補地として選出される。そして、その立寄り有力候補地を経由する立寄り候補経路が画面に表示される。このようにして、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り有力候補地であり、かつ、ユーザの興味のありそうな立寄り有力候補地への立寄り候補経路の情報が、ユーザに適切に提供される。
【0093】
また、本実施の形態では、立寄り履歴情報およびユーザ属性に基づいて、立寄り候補地の立寄り価値が更新される。例えば、一度立ち寄ったことのある立寄り候補地に再び立ち寄るのを希望しないというユーザ属性のユーザの場合には、ある立寄り候補地にそのユーザが立ち寄ったことがあるという立寄り履歴に応じて、その立寄り候補地の立寄り価値を下げる更新処理が行われる。したがって、いつも違う経由地(店舗など)に立ち寄るのを好むユーザに対しては、出発地と目的地が同じ場合であっても異なる立寄り候補地への立寄り候補経路が画面に表示される。一方、一度立ち寄ったことのある立寄り候補地に再び立ち寄るのを希望するというユーザ属性のユーザの場合には、ある立寄り候補地にそのユーザが立ち寄ったことがあるという立寄り履歴に応じて、その立寄り候補地の立寄り価値を上げる更新処理が行われる。したがって、いつも同じ経由地(店舗など)に立ち寄るのを好むユーザに対しては、出発地と目的地が同じ場合にはいつも同じ立寄り候補地への立寄り候補経路が画面に表示される。このようにして、立寄り候補地への立寄り候補経路の情報が、ユーザ属性に応じて適切に提供される。
【0094】
また、本実施の形態では、立寄り有力候補地の選出が行われるたびに、一部または全部の立寄り候補地の立寄り価値が異なる値に変更される。そのため、次に立寄り有力候補地の選出を行うときには、異なる値に更新された立寄り価値に基づいて立寄り有力候補地の選出が行われるので、出発地と目的地が同じ場合であっても異なる立寄り候補地への立寄り候補経路が画面に表示される。したがって、いつも違う経由地(店舗など)に立ち寄るのを好むユーザに対して、ユーザの興味のありそうな立寄り有力候補地への立寄り候補経路の情報が提供される。
【0095】
また、本実施の形態では、シーン推定部21によって推定されたシーンに基づいて、複数の立寄り候補地の中から立寄り有力候補地の選出が行われる。例えば、ユーザの目的地が「実家」である場合には「帰省」というシーンが推定され、立寄り有力候補地として「土産物店」が選出される。このようにして、ユーザの興味のありそうな立寄り有力候補地への立寄り候補経路の情報が提供される。
【0096】
また、本実施の形態では、ユーザが以前に立ち寄ろうと思った立寄り希望候補地への立寄り候補経路が、画面に表示される。この場合、ユーザが以前に立ち寄ろうと思ったときに立寄り希望候補地として登録しておけば、ユーザがその立寄り希望候補地を忘れていても、出発地から目的地へ向かう途中で、立寄り希望候補地への立寄り候補経路が画面に表示される。このようにして、ユーザの興味のありそうな立寄り有力候補地への立寄り候補経路の情報が、ユーザに適切に提供される。
【0097】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0098】
例えば、上記の実施の形態では、一つの立寄り候補経路をメイン経路とともに表示部2(液晶画面)に表示させる例について説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、ユーザに過剰な情報を提供することにならない限り、二つ以上の立寄り候補経路を表示部2(液晶画面)表示させてもよい。
【0099】
また、上記の実施の形態では、立寄り候補地の立寄り価値に応じて立寄り有力候補地の選出を行う例について説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、立寄り難度の立寄り難度に応じて立寄り有力候補地の選出を行ってもよい。
【0100】
その場合には、メイン経路から離脱して立寄り候補地に立ち寄るときの立寄り難度に基づいて、複数の立寄り候補地の中から立寄り有力候補地の選出が行われる。例えば、立寄り難度が最も低い立寄り候補地が、立寄り有力候補地として選出される。そして、その立寄り有力候補地を経由する立寄り候補経路が画面に表示される。したがって、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り有力候補地への立寄り候補経路の情報が、ユーザに適切に提供される。
【産業上の利用可能性】
【0101】
以上のように、本発明にかかる車両用ナビゲーション装置は、立寄り候補地がはっきり決まっていないユーザに対しても、ユーザが気軽に立ち寄れそうな立寄り候補経路の情報を適切に提供することができるという効果を有し、例えば、自動車に搭載されるカーナビゲーション装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本実施の形態のカーナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態のメイン経路情報の説明図である。
【図3】本実施の形態の立寄り候補地情報の説明図である。
【図4】本実施の形態のユーザ行動履歴の説明図である。
【図5】本実施の形態のユーザ立寄り履歴の説明図である。
【図6】本実施の形態の状況情報の説明図である。
【図7】(a)立寄り候補経路の説明図である。 (b)立寄り候補経路(立寄り経路として選択後)の説明図である。
【図8】(a)立寄り候補地Aへの立寄り候補経路の説明図である。 (b)立寄り候補地Bへの立寄り候補経路の説明図である。 (c)立寄り候補地Cへの立寄り候補経路の説明図である。
【図9】本実施の形態のカーナビゲーション装置の動作説明のためのデータフローダイアグラム(DFD)である。
【符号の説明】
【0103】
1 カーナビゲーション装置
7 メイン経路情報記憶部
8 立寄り候補地情報記憶部
9 行動履歴記憶部
10 立寄り履歴記憶部
11 状況情報記憶部
12 立寄り候補経路決定部
13 立寄り価値算定部
14 立寄り有力候補地選出部
15 案内ポイント作成部
16 立寄り候補経路表示部
17 立寄り経路選択部
18 ユーザ属性設定部
19 立寄り価値更新部
20 ゆらぎ処理部
21 シーン推定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地までのメイン経路の情報を記憶するメイン経路情報記憶手段と、
前記出発地から前記目的地までの間に立ち寄る複数の立寄り候補地の情報を記憶する立寄り候補地情報記憶手段と、
前記複数の立寄り候補地の各々について、前記出発地から前記目的地までの間に前記立寄り候補地を経由する立寄り候補経路を決定する立寄り候補経路決定手段と、
前記メイン経路から前記立寄り候補経路へ離脱する位置である離脱ポイントに基づいて、前記離脱ポイントが前記出発地に近い順に、前記複数の立寄り候補経路のうちの少なくとも一つを前記メイン経路とともに画面に表示させる立寄り候補経路表示手段と、
を備えたことを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記立寄り候補経路決定手段は、前記メイン経路から離脱して前記立寄り候補地を経由するときの立寄り難度に基づいて、一つの前記立寄り候補経路を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記離脱ポイントに基づいて、前記離脱ポイントよりも前記出発地側寄りの前記メイン経路中の位置であって、前記メイン経路を走行しているユーザに対して前記立寄り候補経路の案内を通知する位置である案内ポイントを決定する案内ポイント決定手段を備え、
前記立寄り候補経路表示手段は、前記案内ポイントが前記出発地に近い順に、前記複数の立寄り候補経路のうちの少なくとも一つを表示させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ユーザからの入力に基づいて、前記画面に表示された前記立寄り候補経路のうちの一つを立寄り経路として選択する立寄り経路選択手段を備え、
前記立寄り候補経路表示手段は、前記立寄り経路決定手段によって前記立寄り候補経路から前記立寄り経路が選択されなかったときに、他の前記立寄り候補経路を前記画面に表示させ、前記立寄り経路決定手段によって前記立寄り候補経路から前記立寄り経路が選択されたときに、他の前記立寄り候補経路を前記画面に表示させないことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項5】
複数の前記立寄り候補地から所定数の前記立寄り候補地を立寄り有力候補地として選出する立寄り有力候補地選出手段を備え、
前記立寄り候補地の情報は、前記メイン経路から離脱して前記立寄り候補地に立ち寄るときの立寄り難度の情報を含み、
前記立寄り有力候補地選出手段は、前記立寄り難度に応じて前記立寄り有力候補地の選出を行い、
前記立寄り候補経路決定手段は、前記立寄り有力候補地を経由する立寄り候補経路を決定し、
前記立寄り候補経路表示手段は、前記立寄り有力候補地の立寄り候補経路を前記メイン経路とともに画面に表示させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項6】
複数の前記立寄り候補地から所定数の前記立寄り候補地を立寄り有力候補地として選出する立寄り有力候補地選出手段を備え、
前記立寄り候補地の情報は、前記メイン経路から離脱して前記立寄り候補地に立ち寄るときの立寄り難度を考慮した前記立寄り候補地の立寄り価値の情報を含み、
前記立寄り有力候補地選出手段は、前記立寄り価値に応じて前記立寄り有力候補地の選出を行い、
前記立寄り候補経路決定手段は、前記立寄り有力候補地を経由する立寄り候補経路を決定し、
前記立寄り候補経路表示手段は、前記立寄り有力候補地の立寄り候補経路を前記メイン経路とともに画面に表示させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記ユーザが前記立寄り候補地に立ち寄ったか否かを示す立寄り履歴情報を記憶する立寄り履歴記憶手段と、
前記ユーザが一度立ち寄ったことのある前記立寄り候補地に再び立ち寄るのを希望するか否かを示すユーザ属性を設定するユーザ属性設定手段と、
前記立寄り履歴情報および前記ユーザ属性に基づいて、前記立寄り候補地の立寄り価値を更新する立寄り価値更新手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記立寄り有力候補地選出手段によって前記立寄り有力候補地の選出が行われるごとに、前記立寄り候補地の立寄り価値を異なる値に変更するゆらぎ処理を施すゆらぎ処理手段を備えたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記メイン経路の目的地の情報に基づいて、前記ユーザの走行目的を示すシーンを推定するシーン推定手段を備え、
前記立寄り有力候補地選出手段は、前記シーンに応じて前記立寄り有力候補地の選出を行うことを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記立寄り候補地情報記憶手段は、前記立寄り候補地の情報として、前記ユーザが立寄りを希望した立寄り候補地として以前に登録した立寄り希望候補地の情報を記憶することを特徴とする請求項1ないし請求項9に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項11】
出発地から目的地までのメイン経路の情報および前記出発地から前記目的地までの間に立ち寄る複数の立寄り候補地の情報に基づいて、前記複数の立寄り候補地の各々について、前記出発地から前記目的地までの間に前記立寄り候補地を経由する立寄り候補経路を決定し、
前記メイン経路から前記立寄り候補経路へ離脱する位置である離脱ポイントに基づいて、前記離脱ポイントが前記出発地に近い順に、前記複数の立寄り候補経路のうちの少なくとも一つを前記メイン経路とともに画面に表示させることを特徴とする車両用ナビゲーション方法。
【請求項12】
メモリに格納されてナビゲーション機能を実現するためのプログラムであって、
コンピュータを、
出発地から目的地までのメイン経路の情報および前記出発地から前記目的地までの間に立ち寄る複数の立寄り候補地の情報に基づいて、前記複数の立寄り候補地の各々について、前記出発地から前記目的地までの間に前記立寄り候補地を経由する立寄り候補経路を決定する立寄り候補経路決定手段、
前記メイン経路から前記立寄り候補経路へ離脱する位置である離脱ポイントに基づいて、前記離脱ポイントが前記出発地に近い順に、前記複数の立寄り候補経路のうちの少なくとも一つを前記メイン経路とともに画面に表示させる立寄り候補経路表示手段、
として機能させることを特徴とする車両用ナビゲーションプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−20334(P2008−20334A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−192620(P2006−192620)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】