説明

車両用交流発電機

【課題】整流装置の放熱板の冷却効率を上昇させ、高品質及び高出力の車両用交流発電機を提供する。
【解決手段】固定子巻線を備えた固定子、該固定子の内周側に間隙を介して回転子を前記固定子内で回転可能に支持するフロントフレームおよびリアフレーム、前記回転子に取り付けられた冷却ファン、並びに一方の極性の電流を整流する第1極性側アームおよび他方の極性の電流を整流する第2極性側アームを具備し前記固定子巻線に発生した交流を整流する整流装置と前記整流装置を覆う保護カバーを備え、前記整流装置は、前記第1極性側アームを構成する整流素子を複数装着した第1放熱板20、第2極性側アームを構成する整流素子を複数装着した第2放熱板21、前記第1放熱版と第2放熱板の間に配置した波状に凹凸する接続板19を備え、前記第1放熱板と前記接続板および第2放熱板と前記接続板との間に前記冷却ファンによる冷却風の通路を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用交流発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両内においては電子機器の需要の増加に伴い、車両用交流発電機は高出力化の傾向にある。車両用交流発電機の高出力化に際しては、出力電流の増加に伴い各部の発熱量が増大し、これに伴う温度上昇により品質寿命が低下することになる。
【0003】
特に車両用交流発電機によって発電された交流電流を整流する整流素子は、発熱による温度の影響を大きく受け、耐熱温度を越えると急激に寿命が低下する。
【0004】
また、近年ではエンジルームの省スペース化により、車両用交流発電機が搭載される周囲の環境温度は上昇傾向にあり、出力電流の増加による発熱量の増大と合わせて整流素子の冷却性向上による温度低減は重要課題となっている。
【0005】
そこで、特許文献1では、整流装置の冷却効率向上のため、+極(正側のアーム)の整流素子と保護カバーの間、一極(負側のアーム)の整流素子はリヤフレームと第2放熱板の間に外部からの冷却風を効率よく流入及び通過させ、放熱板の冷却効率を上昇させることで整流素子の温度低減させる提案等がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−164538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、近年では車両側の電力需要は益々増加傾向にあり、車両用交流発電機の発電電力の大幅な増加に伴い、特許文献1の整流装置の冷却方式では、放熱板の放熱面積を確保することがスペース上確保できず、放熱板の冷却能力も飽和状態に達し、高出力化対応により整流素子の温度が耐熱温度を越え急激な寿命低下をもたらすことになる。
【0008】
本発明は、整流装置の放熱板の冷却効率を上昇させ、高品質及び高出力の車両用交流発電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
【0010】
固定子巻線を備えた固定子、該固定子の内周側に間隙を介して回転子を前記固定子内で回転可能に支持するフロントフレームおよびリアフレーム、前記回転子に取り付けられた冷却ファン、並びに一方の極性の電流を整流する第1極性側アームおよび他方の極性の電流を整流する第2極性側アームを具備し前記固定子巻線に発生した交流を整流する整流装置と前記整流装置を覆う保護カバーを備え、前記整流装置は、前記第1極性側アームを構成する整流素子を複数装着した第1放熱板、第2極性側アームを構成する整流素子を複数装着した第2放熱板、前記第1放熱版と第2放熱板の間に配置した波状に凹凸する接続板を備え、前記第1放熱板と前記接続板および第2放熱板と前記接続板との間に前記冷却ファンによる冷却風の通路を形成した。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、交流発電機の整流装置を構成する第1放熱板と第2放熱板との間に形成される冷却風の経路を、第1放熱板側と第2放熱板側にバランス良く分配することができるので、整流素子の冷却性能を向上させることのできる整流装置を備えた車両用交流発電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる車両用交流発電機の全体構成を示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる保護カバ-を外した状態の車両用交流発電機のリヤ側斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる整流器の斜視図。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかる整流器の分解図。
【図5】本発明の第1の実施形態にかかる整流器のリヤ側正面図。
【図6】図5のA−A部断面図。
【図7】図6のB−B部断面図。
【図8】図6のC−C部断面図。
【図9】本発明の第2の実施形態にかかる整流器のリヤ側正面図。
【図10】図9のE−E部断面図。
【図11】本発明の第3の実施形態にかかる整流器のリヤ側正面図。
【図12】図11のO−F部断面図。
【図13】図11のO−G部断面図。
【図14】本発明の第4の実施形態にかかる保護カバ-を外した状態の車両交流発電機のリヤ側正面図。
【図15】図14のJ−J部断面図。
【図16】図14のK−K部断面図。
【図17】図14のL−L部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0014】
[実施形態1]
本発明の第1の実施形態にかかる車両用交流発電機の構成について図1及び図2を用いて説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態による車両用交流発電機の全体構成を示す断面図で、図2は保護カバーを取外した状態の車両用交流発電機のリヤ側斜視図を示す。
【0016】
車両用交流発電機31は、回転子4と固定子5とを備えている。回転子4は、中心部にシャフト2を備え、その両側に磁性材料にて成形されたフロント側爪形磁極9とリヤ側爪形磁極10を備え、これらの爪形磁極は界磁巻線11を覆うように両側から挟むように配置される。フロント側爪形磁極9とリヤ側爪形磁極10とは、爪部が互いに対向し、かつ、一方の爪形磁極が他方の爪形磁極に噛み合うように配置される。
【0017】
回転子4は、固定子5の内周側に、僅かな空隙を介して対向配置されている。回転子4のシャフト2は、フロントベアリング3及びリヤベアリング8の内輪に挿通され、回転自在に支持されている。
【0018】
固定子5は、固定子鉄心6と固定子巻線7から構成される。固定子鉄心6は、環状に形成された薄板鋼板が複数枚積層され、内周側には突出した歯部(ティース)を備え、各歯部の間にスロットが形成されている。各々のスロットに各相の固定子巻線7が複数のティースをまたいで夫々のスロットに挿入され、装着される。固定子5の両端は、フロントフレーム16とリヤフレーム17によって保持されている。
【0019】
シャフト2の一方の端部には、プーリ1が取り付けられている。シャフト2の他方の端部には、スリップリング12が設けられ、ブラシ13と接触し、界磁巻線11に電力を供給している。更に、回転子4のフロント側爪形磁極9とリヤ側爪磁極10の両端面には、外周側に複数の羽根を有する冷却ファンであるフロントファン14とリヤファン15が設けられ、回転することによる遠心力によって、外部からの空気を導入し、内部を冷却した空気を外部に排出するように、空気を流通させるようになっている。
【0020】
フロント側の冷却風26は、フロントフレーム16の風窓からフロントファン14を通過し、固定子巻線7のコイルエンドに当てながら、フロントフレーム16の風窓から排出される。リヤ側の冷却風27は、保護カバー25の開口部から流入し、整流装置18とICレギュレータ30を通過し、リヤフレーム17の中央部の風窓から、リヤファン15を通過し、固定子巻線7のコイルエンドに当てながら、リヤフレーム17の風窓から排出される。
【0021】
固定子巻線7は、本例では2組の3相巻線で構成されており、それぞれの巻線の口出し線は、整流装置18に接続されている。整流装置18は、ダイオード等の整流素子から構成され、全波整流回路を構成している。例えばダイオードの場合、カソード端子は整流素子接続板19に接続されている。また、アノード側の端子は車両用交流発電機本体に電気的に接続されている。保護カバー25は整流装置18の保護の役割を果たしている。
【0022】
次に、発電動作について説明する。
【0023】
まず、エンジンの始動に伴ってクランクシャフトからベルトを介してプーリ1に回転が伝達され、シャフト2を介して回転子4が回転される。ここで、回転子4に設けられた界磁巻線11にスリップリング12を介してブラシ13から直流電流を供給すると界磁巻線11の内外周を周回する磁束が生じ、回転子4におけるフロント側爪形磁極9とリヤ側爪形磁極10にN極又はS極が周方向に交互に形成される。この界磁巻線11による磁束は、フロント側爪形磁極9のN極から固定子鉄心6をとおって固定子巻線7の周りを周回し、回転子4のリヤ側爪形磁極10のS極に到達することで回転子4と固定子5を周回する磁気回路が形成される。このように回転子に生じた磁束は固定子巻線7と鎖交し、U相,V相,W相の固定子巻線7のそれぞれに交流電圧が発生し、全体としては3相の交流電圧が生じる。
【0024】
このように発電された交流電圧は、ダイオード等の整流素子で構成された整流装置18によって、全波整流されて直流電圧に変換される。整流された直流電圧は、ICレギュレータ30で界磁巻線11に供給する電流を制御することで一定電圧になるように調整される。
【0025】
次に図2ないし図8を用いて本実施形態による車両用交流発電機の整流装置の構成について説明する。
【0026】
図3は本発明の第1の実施形態による整流器の斜視図である。図4は本発明の第1の実施形態による整流装置を分解した図である。図5は本発明の第1の実施形態による整流装置をリヤ側からの正面図である。図6は図5のA−A部断面図である。図7は
図6のB−B部断面図である。図8は図6のC−C部断面図である。
【0027】
図3及び図4に示すように車両用交流発電機31に搭載される整流装置18においては、第1の放熱板20と第2放熱板21が対向配置され、第1放熱板20には+極(正側アーム)の整流素子22が6個装着され、第2放熱板21には−極(負側アーム)の整流素子23が6個装着されている。
【0028】
第1放熱板20と第2放熱板21との間には、各整流素子を結線し全波整流回路を構成する整流素子接続板(接続端子板)19を備え、該端子板は第1放熱板20と第2放熱板21との間に一定の電気的絶縁距離を保つ機能を兼ねている。
【0029】
整流素子接続板19は、樹脂成形品の絶縁材部19aとその内部にインサート成型された鉄製または銅製のターミナル19bを備え、前記各々の整流素子を結線し整流回路を構成する。また、固定子巻線7とICレギュレータ30と接続することで車両用交流発電機31として機能する。
【0030】
整流装置18は、図2に示すようにリヤフレーム17に搭載される。また整流装置18の第2放熱板21はリヤフレーム17に直接接触し、−極の整流素子23で発生した発熱量を第2放熱板21に伝達し、リヤフレーム17に直接放熱させることで放熱面積を確保し冷却性の向上をはかる構成である。
【0031】
第1放熱板20側は保護カバー25内のスペースを効率良く利用し、保護カバー側の内周側に複数の冷却フィンを設置し放熱面積を拡大し、これに外部から流入した冷却風を直接当てることで+極の整流素子を冷却させる。
【0032】
特に内周側の冷却フィンの間では、回転軸方向に通過する冷却風の風速は早く、この部分に冷却フィンを数多く設けるこことにより冷却効果を飛躍的に向上することができる。
【0033】
しかしながら、前述したように、近年の車両側における電力需要拡大ため、高出力化の車両用交流発電機の出力電流が大幅に増大する。
【0034】
そこで、本発明では、さらに第1放熱板20と第2放熱板21の間を通過する冷却風を効率化することで整流装置20の冷却性を向上させる。
【0035】
具体的な実施形態を図5〜図8に基づき説明する。
【0036】
第1放熱板20と第2放熱板21との間の冷却風は比較的流速が早いため近傍の放熱板は熱伝達率が高く、整流素子の冷却に効果がある。
【0037】
従来では、第1放熱板20と第2放熱板21の間の整流素子接続板19は、第2放熱板に接するような構成である。このため、第1放熱板20と第2放熱板21の間にある整流器接続板19の熱伝達率が低くなり冷却性が悪い。なお、第1放熱板20には部分的に凹状に設けられた空隙が複数あり、その空隙を冷却風が通過するため第1放熱板20は熱伝達率が高く、+極の整流素子22の温度低減に寄与していた。
【0038】
本発明では、第1放熱板20の冷却性を損なわず、第2放熱板21の冷却性を向上させる。
【0039】
図5は本実施形態の整流装置のリヤ側からの正面図であり、図6は、図5のA−A部断面図である。
【0040】
図6に示すように本発明では整流素子接続板19が1方では第1放熱板20と接しており、その反対側は第2放熱板21と離れて空間29が形成されている。また、一方では、第1放熱板20と離れており空間28が形成されており、その反対側は第2放熱板21と接している。すなわち整流素子接続板19は波状に形成されている。
【0041】
このため、図6のB−B部断面図である図7に示すように、第1放熱板20と整流素子接続板19との間の空隙28を冷却風27aが従来と同様に通過する。このため第1放熱板20の熱伝達率は損なわれず、+極の整流素子22の温度は従来通りである。
【0042】
また、図6のC−C部断面図である図8に示すように、第2放熱板21と整流素子接続板19との間の空隙29を冷却風27bが通過するようになり、第2放熱板21の冷却性が向上し、−極の整流素子23の温度は低減される。
【0043】
このように、整流素子接続板(端子板)19を波状に構成することにより、第1放熱板20と第2放熱板21の間の冷却風をバランスよく、第1放熱板20側と第2放熱板21側に分配することができる。このため、+極の整流素子22の冷却性を損なわず、−極の整流素子23の温度低減が可能となる。
【0044】
また、+極の整流素子22の温度と−極の整流素子23の温度を均等化するには、図6に示すように第1放熱板側の空隙幅W1と空隙高さh1、第2放熱板側の空隙幅W2と空隙高さh2を調整するとよい。本実施形態では、第1放熱板側の空隙高さh1と第1放熱板側の空隙高さh2は等しくし、第1放熱板側の空隙幅W1と第2放熱板側の空隙幅W2を調整することにより+極の整流素子の温度と−極の整流素子の温度をバランスさせてた。この図の例の場合、第1放熱板側の空隙幅W1に対し、第2放熱板側の空隙幅W2を1.1〜1.3倍としている。なお、空隙幅W1、W2は4.5mm以上、空隙高さh1、h2は3.2mm以上が望ましい。
【0045】
[実施形態2]
次に第2実施形態を図9と図10に基づいて説明する。
【0046】
図9は第2の実施形態にかかる整流器のリヤ側正面図である。
【0047】
図10は図9のC−C部断面図である。
【0048】
この実施形態では、第1放熱板側の空間28に第1放熱板20に形成した冷却フィン20aを設配置する。これにより放熱面積の拡大を図ことができる。また、この部分に冷却風27aを当てることにより、第1放熱板の熱伝達を向上させ、+極の整流素子22の温度を低減させることができる。
【0049】
また、第2放熱板側の空間29も同様に第1放熱板21の冷却フィン21aを設けることにより、放熱面積の拡大を図ることができる。またこの部分に冷却風28aを当てることにより、第1放熱板の熱伝達を向上させ、−極の整流素子23の温度を低減させることができる。このように、第1実施形態に比して、第1放熱板側の空隙28と第2放熱板側の空隙29に、冷却フィンを設置することで、整流装置の冷却性を更に向上させることができる。
【0050】
[実施形態3]
第3の実施形態を図11、図12、図13に基づいて説明する。
【0051】
図11は第3の実施形態による整流器のリヤ側正面図である。図12は図11のO−F部断面図である。図13は図11のO−G部断面図である。
【0052】
図12に示すように第1放熱板側の空間28に+極の整流素子22を配置し、冷却風27aを第1放熱板側の空間28を通過させる共に+極の整流素子22を直接冷却することで温度低減効果を向上することができる。
【0053】
また、図13に示すように第2放熱板側の空間29に−極の整流素子23を配置し、冷却風27bを第1放熱板側の空間29を通過させる共に+極の整流素子23を直接冷却することで温度低減効果を向上することができる。さらには、−極の整流素子23とリヤフレーム17が直接接触し、放熱面積が大きいリヤフレーム17に直接放熱されるため、−極の整流素子23の温度低減効果は上昇する。
【0054】
本実施形態においては、第1実施形態及び第2実施形態に比して第1放熱板側の空隙28に+極の整流素子22を配置し、第2放熱板側の空間29に−極の整流素子23することで、空間を通過する冷却風を直接整流素子の冷却に利用でき、整流装置の冷却性を向上させる効果がある。
【0055】
[実施形態4]
第4の実施形態を図14、図15、図16、図17に基づいて説明する。
【0056】
図14は第4の実施形態による車両用交流発電機のリヤ側正面図である。図15はJ−J部断面図である。図16は図15のK−K部断面図である。
【0057】
本実施形態では、図15に示すように第1放熱板側の空間28に+極の整流素子22を配置し、冷却風27aを第1放熱板側の空間28を通過させる共に+極の整流素子22を直接冷却することで温度低減効果を上昇させる。また、第2放熱板21とリヤフレーム17との空隙17aを設け、図16に図15のK−K部を断面した図を示すが、第2放熱板21とリヤフレーム17との間の空隙17aに冷却風27cを通過させ、第2放熱板21を冷却することができる。
【0058】
また、図17に示すように第2放熱板側の空間29に−極の整流素子23を配置し、冷却風27bを第1放熱板側の空間29を通過させると共に+極の整流素子23を直接冷却することで温度低減効果を向上させる。さらには、−極の整流素子23とリヤフレーム17は直接接触し、放熱面積が大きいリヤフレーム17に直接放熱されるため、−極の整流素子23の温度低減効果は上昇する。
【0059】
本実施形態においては、−極の整流素子23とリヤフレーム17を直接接触させ、リヤフレーム17に放熱させると共に、−極の整流素子23部分以外の第2放熱板21とリヤフレーム17間には、空隙を設け冷却風を通過させる。このため第3実施例に比して冷却効率を上げることができる。
【0060】
以上、本発明の各実施例について説明したが、他に採用可能な構成を以下に列挙する。
【0061】
上記した各実施例では、回転電機の一実施形態として車両用交流発電機について説明を行ったが、発電と駆動を兼ねたモータジェネレータ等の車両用発電電動機にも適用することができる。
【0062】
上記各実施例では、2組の三相巻線を備えた固定子巻線を例に整流装置の構成を述べたが、1組の三相巻線を備えた固定子巻線でも用いることができ、+極の整流素子、−極の整流素子は実施例の半分の数で構成できる。
【0063】
また、以上の実施例では、整流素子としてPn接合を用いたダイオードを前提に説明したが整流素子としてスイッチング素子(パワートランジスタ、MOSFET等)を用いることもできる。
【符号の説明】
【0064】
1 プーリ
2 シャフト
3 フロントベアリング
4 回転子
5 固定子
6 固定子鉄心
7 固定子巻線
8 リヤベアリング
9 フロント側爪磁極
10 リヤ側爪磁極
11 界磁巻線
12 スリップリング
13 ブラシ
14 フロントファン
15 リヤファン
16 フロントフレーム
17 リヤフレーム
17a 第2放熱板とリヤフレームの空隙
18 整流装置
19 整流素子接続板
19a 絶縁材部
19b 接続ターミナル
20 第1放熱板
21 第2放熱板
22 +極の整流素子
23 −極の整流素子
24 Bターミナルボルト
25 保護カバー
26 フロント側冷却風
27 リヤ側冷却風
27a 第1放熱板と整流素子接続板との空隙を通過する冷却風
27b 第2放熱板と整流素子接続板との空隙を通過する冷却風
27c 第2放熱板とリヤフレームとの空隙を通過する冷却風
28 第1放熱板と整流素子接続板の空隙
29 第2放熱板と整流素子接続板の空隙
30 車両用交流発電機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子巻線を備えた固定子、該固定子の内周側に間隙を介して回転子を前記固定子内で回転可能に支持するフロントフレームおよびリアフレーム、前記回転子に取り付けられた冷却ファン、並びに一方の極性の電流を整流する第1極性側アームおよび他方の極性の電流を整流する第2極性側アームを具備し前記固定子巻線に発生した交流を整流する整流装置と前記整流装置を覆う保護カバーを備え、
前記整流装置は、
前記第1極性側アームを構成する整流素子を複数装着した第1放熱板、第2極性側アームを構成する整流素子を複数装着した第2放熱板、前記第1放熱版と第2放熱板の間に配置した波状に凹凸する接続板を備え、前記第1放熱板と前記接続板および第2放熱板と前記接続板との間に前記冷却ファンによる冷却風の通路を形成したことを特徴とする車両用交流発電機。
【請求項2】
請求項1記載の車両用交流発電機において、
前記第1放熱板と前記接続板との間に形成される空隙の幅は、第2放熱板と前記接続板との間に形成される空隙の幅よりも大であることを特徴とする車両用交流発電機。
【請求項3】
請求項1記載の車両用交流発電機において、
前記第2放熱板はリヤフレームに接触して固定したことを特徴とする車両用交流発電機。
【請求項4】
請求項1記載の車両用交流発電機において、
前記一方の極性は正極性であり、他方の極性は負極性であることを特徴とする車両用交流発電機。
【請求項5】
請求項1記載の車両用交流発電機において、
前記第1放熱板と前記接続板の間に形成された空隙には第1放熱板に形成された冷却フィンを配置し、第2放熱板と前記接続板との間に形成された空隙には第2放熱板に形成された冷却フィンを配置したことを特徴とする車両用交流発電機。
【請求項6】
請求項1記載の車両用交流発電機において、
前記第1放熱板と前記接続板の間に形成された空隙には第1極性側アームを構成する整流素子を配置し、第2放熱板と前記接続板との間に形成された空隙には第2極性側アームを構成する整流素子を配置したことを特徴とする車両用交流発電機。
【請求項7】
固定子巻線を備えた固定子、該固定子の内周側に間隙を介して回転子を前記固定子内で回転可能に支持するフロントフレームおよびリアフレーム、前記回転子に取り付けられた冷却ファン、冷却ファンを覆う保護カバー、並びに一方の極性の電流を整流する第1極性側アームおよび他方の極性の電流を整流する第2極性側アームを具備し前記固定子巻線に発生した交流を整流する整流装置を備え、
前記整流装置は、
前記第1極性側アームを構成する整流素子を複数装着した第1放熱板、第2極性側アームを構成する整流素子を複数装着した第2放熱板、前記第1放熱版と第2放熱板の間に配置した波状に凹凸する接続板を備え、前記第1放熱板と前記接続板および第2放熱板と前記接続板との間に前記冷却ファンによる冷却風の通路を形成し、
前記第1放熱板と前記接続板の間に形成された空隙には第1極性側アームを構成する整流素子を配置し、第2放熱板と前記接続板との間に形成された空隙には第2極性側アームを構成する整流素子を配置するとともに、
第2放熱板の前記第2極性アームを構成する整流素子を配置した部分の近傍以外の部分に接する前記リアフレームには冷却風を通すための凹部を設けたことを特徴とする車両用交流発電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−193596(P2011−193596A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56089(P2010−56089)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】