車両用情報提示装置
【課題】渋滞が発生して、車両が一時的に停止したときに、運転者がイライラすることを極力防止する。
【解決手段】本発明の車両用情報提示装置1は、走行中の車両が一時的に停止したことを検知する停止検知手段17を備え、車両の乗員が視認可能なものであって種々の情報を表示する表示手段7を備え、車両が一時的に停止している間に同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を表示手段7に表示する制御手段5を備える構成としたので、渋滞が発生して、車両が一時的に停止したときに、運転者は、表示手段7に表示された複数の情報を見ることができるから、楽しくすごすことができてイライラすることがなくなる。
【解決手段】本発明の車両用情報提示装置1は、走行中の車両が一時的に停止したことを検知する停止検知手段17を備え、車両の乗員が視認可能なものであって種々の情報を表示する表示手段7を備え、車両が一時的に停止している間に同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を表示手段7に表示する制御手段5を備える構成としたので、渋滞が発生して、車両が一時的に停止したときに、運転者は、表示手段7に表示された複数の情報を見ることができるから、楽しくすごすことができてイライラすることがなくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤信号や渋滞発生時等の車両が一時的に停止したときに運転者に情報を提示する車両用情報提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交通渋滞が発生した場合、渋滞の後方車両は、例えば赤信号が青信号に変わっても、前に進むことができない。この場合、後方車両の運転者は、前に進めるはずであるのに、前に進めず、しかも、その理由がわからないため(即ち、渋滞の先頭が見えず、その様子がわからないため)、かなりイライラする。このイライラを防止する構成の一例として、特許文献1に記載された構成が知られている。
【0003】
特許文献1に記載された構成においては、渋滞が発生したときに、渋滞の先頭車両は、その前方を撮影してこの撮影した画像を後方の車両へ送信し、渋滞の後方車両は、先頭車両の前方を撮影した画像を受信してその画像を表示装置に表示するように構成されている。この構成によれば、渋滞の後方車両の運転者は、渋滞の先頭の様子、例えば、渋滞の要因となっている交差点の様子(交差点を撮影した画像)を視認することができ、交差点の状況を把握することで、渋滞の要因がわかることから、運転者のイライラを防止することができる。
【特許文献1】特開2005−222241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成の場合、運転者のこれまでの経験に照らし合わせて、「まあ仕方がない」などとあきらめ半分、渋滞要因が解除されるまで待つことができることから、イライラを防止できるのである。しかし、渋滞の先頭車両の前方の画像を見ても、状況がよくわからないような場合には、運転者はやはりイライラしてしまう。また、前方の画像を見て、前方の状況を納得したとしても、イライラしないとは限らないし、毎回、前方の画像を見るだけでは、状況を納得できなくなるとも考えられる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、渋滞が発生して、車両が一時的に停止したときに、運転者がイライラすることを極力防止することができる車両用情報提示装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によれば、走行中の車両が一時的に停止したことを検知する停止検知手段と、前記車両の乗員が視認可能なものであって種々の情報を表示する表示手段と、前記車両が一時的に停止している間に同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を前記表示手段に表示する制御手段とを備える構成としたので、渋滞が発生して、車両が一時的に停止したときに、運転者は、表示手段に表示された複数の情報を見ることができるから、楽しくすごすことができてイライラすることがなくなる。そして、同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を表示手段に表示するように構成したので、運転者が表示された情報に集中し過ぎてしまうことを防止でき、運転者が情報を後に引きずらないようにすることができる。
【0007】
請求項2の発明によれば、表示手段に表示する情報として、表示手段の1画面で完結する情報を表示するように構成したので、運転者は表示された情報を容易に理解することができる。
【0008】
請求項3の発明によれば、運転者の現在の状態を検出する運転者状態検出手段と、検出された運転者の状態に基づいて所定の基準で長時間情報を表示可能であるか否かを判断する判断手段とを備え、長時間情報を表示可能であると判断されたときには、表示手段に長時間情報も表示するように構成したので、運転者は長時間情報を見ることが可能になり、より一層楽しく過ごすことができる。
【0009】
上記構成の場合、請求項4の発明のように、所定の基準の1つとして、運転者の現在の運転行動がデータベースに蓄積された運転者の過去の運転行動から大きく外れていることを検出したときに、運転者が通常の状態でないと判断し、長時間情報の表示を避けるように構成することが好ましい。
【0010】
また、請求項5の発明のように、所定の基準の1つとして、運転者の現在の感情を、運転者の声や、表情や、運転行動がデータベースに蓄積された運転者の過去の運転行動から大きく外れていることを検出したときに、運転者が通常の状態でないと判断し、長時間情報の表示を避けるように構成しても良い。
【0011】
請求項6の発明によれば、表示手段に表示する情報を、運転者を考慮して編集するように構成したので、運転者はより一層楽しく過ごすことができる。請求項7の発明によれば、表示手段に表示する最後の情報を、車両がまもなく発進するということをわかるようにする情報としたので、運転者は車両がまもなく発進するということがわかり、車両を発進させるための精神的な準備をすることができる。
【0012】
この場合、請求項8の発明のように、表示手段に表示する情報を、車両が発進するまでの時間がわかるように、時間経過に従って情報の表示輝度を薄くするように構成することが好ましい。このように構成しても、請求項7の発明とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0013】
また、請求項9の発明のように、走行中の車両が一時的に停止したことを検知する停止検知手段と、前記車両の乗員が視認可能なものであって種々の情報を表示する表示手段と、前記車両が一時的に停止している間に、同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を前記表示手段に表示する制御手段とを備え、前記表示手段に表示する最後の情報は、車両が発進直前であることを運転者に意図してもらうための情報であるように構成しても良い。
【0014】
この構成の場合、前記表示手段に異なる種類の複数の情報を表示するに際して、情報と情報の間はフェードイン・フェードアウトさせて情報を表示し、前記表示手段に表示する最後の情報は、フェードインさせずに、急に表示することにより、車両が発進直前であることを運転者に印象付けるように構成することがより一層好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、図1は、本実施例の車両用情報提示装置1の全体構成図である。この図1に示すように、車両用情報提示装置1は、自動車等の車両に搭載されるものであり、3つのセンシング系、即ち、外部情報センシング系2、車内情報センシング系3、車両情報センシング系4を備えている。また、車両用情報提示装置1は、演算装置(制御手段)5を中心に構成され、この演算装置5には、3つのセンシング系2、3、4、個人情報蓄積装置6、表示装置(表示手段)7、及び音声出力装置8が接続されている。
【0016】
外部情報センシング系2は、車外用カメラ9と車載外部通信装置10とから構成されている。車外用カメラ9は、自車両の前方画像を撮像するためのカメラであり、自車両の車室内外に設置される。車載外部通信装置10は、路車間通信や車々間通信を行う通信装置であり、路側インフラから、自車両の前方の交差点等に設置される路上機の信号状態(即ち、赤信号(停止信号)、青信号(進行信号)、黄信号(注意信号))、各信号状態の時間長、その路上機の設置位置(緯経度)等を含む交通信号情報を取得する。
【0017】
また、車載外部通信装置10は、交通渋滞情報を提供する交通情報センタから、自車両の前方で発生している交通渋滞の渋滞区間の位置(緯経度)、渋滞区間の長さ、渋滞区間の通過予想時間等を含む交通渋滞情報を取得する。さらに、車載外部通信装置10は、自車両の外部に設置される情報センタとの間で各種情報の送受信を行ったり、自車両の周囲に存在する他車両との間で各種情報の送受信を行ったりすることが可能である。
【0018】
車内情報センシング系3は、主として、車内用カメラ11と視線・音声分析装置(運転者状態検出手段)12とから構成されている。車内用カメラ11は、自車両の運転者の顔画像や、自車両の同乗者の画像を撮像するものであり、自車両の車室内の所定位置に設置される。視線・音声分析装置12は、車内用カメラ11で撮像した運転者の顔画像や、音声入力装置(図示せず)から入力した運転者や同乗者の音声の分析結果(音声認識結果)から、運転者の視線方向(運転者の着座位置を原点とし、自車両の前後方向をX軸、横方向をY軸、上下方向をZ軸とするXYZ座標軸上にて表される)、運転者の運転状態、自車両の車室内の雰囲気を推定する。
【0019】
ここで、運転者の運転状態は、運転者の覚醒度、感情、漫然度合い等によって表される。運転者の覚醒度は、運転者の顔画像から運転者のまばたきの回数や速さを計測し、この計測結果から推定する。運転者の感情は、運転者の顔画像(口元や目の開き度合い)や、運転者の音声の大きさや運転者が発した言葉(単語)から推定するほか、運転者の音声の周波数の高低からも推定する。また、運転者の漫然度合いは、運転者の視線方向の変化の大小から推定する。
【0020】
また、車室内の雰囲気は、自車両の乗員の人数に影響されるので、乗員の人数を考慮する。例えば、自車両の乗員が運転者のみの場合には、運転者の運転状態から車室内の雰囲気(静寂、緊張、活発等)を推定する。一方、自車両の乗員が運転者と同乗者の場合には、会話の有無、会話が有る場合には笑い声、怒り声等、乗員の発した言葉(単語)、同乗者の画像等から車室内の雰囲気(静寂、緊張、活発等)を推定する。
【0021】
車両情報センシング系4は、操舵角センサ13、ブレーキペダル操作量検出センサ(以下、ブレーキセンサ)14、アクセルペダル操作量検出センサ(以下、アクセルセンサ)15、及び、ナビゲーションシステム16から構成されている。操舵角センサ13は、自車両のステアリングホイールの操舵角(自車両が直進状態であるときのステアリングホイールの操舵角を中立位置としたとき、その中立位置からの操舵角度)を検出するセンサである。ブレーキセンサ14は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み量を検出するセンサであり、アクセルセンサ15は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量を検出するセンサである。これらセンサ13、14、15から出力された検出信号は、演算装置5に与えられる。
【0022】
ナビゲーションシステム16は、何れも周知の図示しない車両位置検出部、操作スイッチ群、地図データ格納部、表示部等から構成されるものであり、演算装置5からの指令に応じて、ナビゲーションシステム16にて処理した各種情報や地図データ格納部に格納されている情報を演算装置5に出力する。
【0023】
個人情報蓄積装置6は、個人情報を蓄積するものであり、一般情報(氏名、年齢、職業、性別、既婚・未婚の別、子供の有無等)のほか、個人の趣味・趣向に関する情報も蓄積する。この個人の趣味趣向に関する情報とは、音楽、スポーツ、映画、ニュース、TV番組、買い物、食事、レジャー、テーマパーク等の種別毎に区分され、各種別毎の運転者の趣味・趣向に合致した内容(例えば、”音楽”では、ジャンル(クラシック、ジャズ、歌謡曲等)、曲名、アーティストの名称等)が示される。個人情報蓄積装置6は、演算装置5からの指令を受けて、一般情報と趣味・趣向に関する情報とからなる個人情報を出力する。また、個人情報蓄積装置6内の個人情報は、演算装置5により適宜更新されると共に、追加蓄積されるように構成されている。
【0024】
更に、個人情報蓄積装置6内には、車両情報センシング系4により検出された運転者の運転行動(ステアリング、ブレーキ、アクセル操作等)を蓄積したデータベースが設けられている。このデータベースのデータの更新追加等は、演算装置5により適宜行われる。
【0025】
表示装置7は、例えば液晶ディスプレイで構成されており、自車両の運転者や同乗者が視認可能な車室内に設置される。音声出力装置8は、図示しない増幅器、及び車室内に適宜設置されるスピーカで構成されている。
【0026】
演算装置5は、停止時間算出部(停止検知手段)17、シーン推定部18、状態推定部(運転者状態検出手段、判断手段)19、情報フィルタリング部20、個人適応部21、情報加工部22、表示制御部23、及び音声制御部24の各機能ブロックで構成されている。
【0027】
停止時間算出部17は、自車両の前方に存在する路上機(信号機)の停止信号(赤信号)や、交通集中による渋滞(交通渋滞)における自車両の前方に存在する前方車両の停止等の停止要因によって自車両が停止する場合の停止継続時間(以下、停止時間)を算出する。停止時間算出部17では、図2に示すように、上記停止要因に伴って自車両が停止する場合に、自車両の停止開始時間tsからその停止要因が解消されることで自車両が発進可能となる時間teまでの時間長を停止時間Xsとして算出する。
【0028】
この停止時間Xsは、自車両が路上機の停止信号に伴って停止する場合と、交通渋滞における自車両の前方に存在する前方車両の停止に伴って停止する場合とで、その算出方法が異なる。以下、停止時間Xsの算出方法について説明する。
【0029】
図3は、自車両が路上機の停止信号に伴って停止する場面を示している。このような場面では、車載外部通信装置10を介して路上機の交通信号情報を取得し、その取得した交通信号情報に含まれる停止信号の時間長を参照して、自車両の停止開始から停止信号が解除されるまでの実停止信号時間を算出する。そして、この実停止信号時間を停止時間Xsに含める。
【0030】
ここで、自車両が先頭となって路上機の停止信号で停止する場合には、実停止信号時間を停止時間Xsとすればよいが、図3に示すように、自車両が路上機の停止信号によって停止したときに、停止信号の路上機と自車両前方との間に停止中の他車両が存在する場合には、停止信号が解除されても停止中の他車両が発進しない限り、自車両は発進可能とならない。
【0031】
そこで、このような場合には、車両1台当たりの発進に要する時間(発進所要時間)を予め設定しておいて、その発進所要時間を実停止信号時間とともに停止時間Xsに含めて算出すればよい。なお、図3に示すように、停止信号の路上機と自車両前方との間に停止中の他車両が複数台存在する場合には、停止信号の路上機(路上機手前の停止線でもよい)と自車両との距離Lから他車両の総台数を推定し、上記発進所要時間に他車両の総台数を乗じた総発進所要時間を実停止信号時間とともに停止時間Xsに含めて算出すればよい。
【0032】
ここで、停止信号の路上機と自車両との距離Lは、車載外部通信装置10を介して取得した交通信号情報に含まれる路上機の設置位置(緯経度)と、ナビゲーションシステム16から取得できる自車両の現在位置(緯経度)とから算出することができる。この他、ナビゲーションシステム16の地図データを参照して路上機の設置位置を把握し、自車両の現在位置とから距離Lを取得してもよい。また、車々間通信を利用して、車載外部通信装置10を介して停止信号で停止中の他車両と車々間通信を行って、停止信号の路上機と自車両前方との間に存在する他車両の台数を直接取得するように構成してもよい。
【0033】
図4は、交通渋滞における自車両の前方に存在する前方車両の停止に伴って自車両が停止する場面を示している。このような場面では、先ず、交通情報センタからの交通渋滞情報を参照して、自車両が渋滞区間に位置するかどうかを判断する。そして、この判断の結果、渋滞区間に位置する場合に、自車両から前方に連なって停止中の前方車両(停止車両)の総発進所要時間を算出し、この総発進所要時間を停止時間Xsとする(に含める)。総発進所要時間は、自車両から前方に連なって停止中の停止車両の先頭の車両と自車両との距離Lから停止車両の台数を推定し、停止車両1台当たりの発進所要時間に停止車両の総台数を乗じることで算出できる。
【0034】
なお、自車両から前方に連なる停止車両の先頭の車両と自車両との距離Lは、車載外部通信装置10を介して自車両の外部から取得すればよい。また、車載外部通信装置10を利用して、前方に連なる停止車両と車々間通信を行って、自車両から前方に連なる停止車両の先頭の車両と自車両との間に存在する停止車両の台数を直接取得するように構成してもよい。
【0035】
また、シーン推定部18は、自車両の運転者の(おかれた)状況を推定するもので、視線・音声分析装置12によって推定された運転者の運転状態と自車両の車室内の雰囲気の推定結果から推定する。このシーン推定部18においては、自車両の乗員の人数と車室内の雰囲気(静寂、緊張、活発等)から、例えば、同乗者がいない場合には、運転に集中している、漫然に運転している、運転に緊張している等、運転者一人の場合の運転者のおかれた状況を推定する。また、同乗者がいる場合には、同乗者とともに会話/音楽を楽しんでいる、同乗者が睡眠中で静寂である等、同乗者がいる場合の運転者のおかれた状況を推定する。
【0036】
状態推定部19は、車両情報センシング系4により検出された運転者の運転行動(ステアリング、ブレーキ、アクセル操作等)が、個人情報蓄積装置6内のデータベースに蓄積されている運転者の今までの運転行動(即ち、正常運転行動)と大きく異なっているか(大きく外れているか)否かを判断して、運転者の現在の感情(状態)がいつもの状態(正常状態)ではないか否かを判断(推定)する第1の判断機能を有している。この第1の判断機能が、所定の基準の1つで判断する機能である。
【0037】
更に、状態推定部19は、視線・音声分析装置12で取得された運転者の声、表情、頭の動き、視線等の生体情報から運転者の現在の感情(状態)を読み取り、この読み取った運転者の現在の状態(感情)が正常状態から外れているか否かを判断(推定)する第2の判断機能を有している。この第2の判断機能が、所定の基準の1つ(他の1つ)で判断する機能である。
【0038】
情報フィルタリング部20は、車載外部通信装置10を介して、外部の情報センタから自車両にて提供可能な情報(提供可能情報)を取得して情報サーバ(図示せず)に記憶すると共に、この情報サーバの記憶する提供可能情報の中から、個人適応部21から入力した個人情報(上述した一般情報や趣味・趣向に関する情報)に応じた情報、即ち、運転者の好みに合わせた情報を抽出(フィルタリング)する。ここで、情報サーバに記憶される提供可能情報には、抽出の際の手がかりとなる識別情報が付加されており、情報フィルタリング部20では、この識別情報と個人情報とが合致する提供可能情報を抽出する。
【0039】
情報加工部22は、情報フィルタリング部20にて抽出した提供可能情報(運転者の好みに合わせた情報)の中から、シーン推定部18において推定した自車両の運転者の(おかれた)状況に合った情報を選出(取得)する。そして、この選出した情報を、自車両が停止信号や交通渋滞によって停止している最中に運転者に提供することにより、運転者の意識を、イライラの原因である停止要因から提供される情報へ誘導し、イライラを防止するようにしている。
【0040】
ここで、情報加工部22は、上記選出した情報を自然言語処理等の技術を使用して加工することにより、加工した情報を提供するのに要する時間の長さが停止時間算出部17にて算出した停止時間Xsとほぼ等しくなるようにする。即ち、自車両が停止した(と判定した)タイミングで情報の提供を開始した後、停止時間Xs内に提供される情報の内容が完結するように、提供対象の情報の内容を加工(編集)する。この情報加工部22の加工処理の詳細については、後述する。
【0041】
そして、このように加工した情報を自車両の運転者に提供することで、自車両の運転者は、自車両を発進させる前までに、提供された情報の内容を一通り知り得ることができるようになる。このため、運転者の意識は、自車両を発進させた後に、提供された情報に引きずられることがなくなる。その結果、運転者の意識を運転操作に移す(運転操作に集中させる)ことができるようになる。本実施例の車両用情報提示装置1では、このようにして、発進後の運転操作に対する安全性が確保される。
【0042】
また、表示制御部23は、情報加工部22により加工された情報を、運転者個人に合わせて見やすさや配置を変化させて表示(提供)する。同様に、音声制御部24は、上記加工された情報を、運転者個人に合わせて聞こえやすく変化させて音声出力(提供)する。
【0043】
次に、提供対象の情報の加工制御について、図5ないし図11を参照して説明する。まず、図5のステップS10では、外部情報センシング系2、車内情報センシング系3、及び車両情報センシング系4からの情報を収集し、ステップS20では、停止時間算出部17により自車両の停止時間Xsを算出する。
【0044】
ステップS30では、シーン推定部18により運転者(のおかれた)状況を推定すると共に、ステップS40では、状態推定部19により運転者の状態(感情)を推定する。ステップS50では、個人適応部21により運転者の個人情報を取得し、ステップS60では、情報フィルタリング部20により運転者の趣味・趣向に適合する提供可能情報を抽出する。
【0045】
そして、ステップS70では、情報加工部22により、ステップS60にて抽出した提供可能情報の中から運転者(及び他の乗員)に提供する情報を選択すると共に加工する。この場合、まず、提供する情報を長時間情報と短時間情報に分けて、情報の内容を決定する。具体的には、長時間情報として、情報の種類(例えばTV、音楽、DVD等)を決定すると共に、提示する情報の内容を決定し、更に、複数の情報を用意する。同様にして、短時間情報として、情報の種類(例えばCM、4コママンガ、ゲーム等)を決定すると共に、提示する情報の内容を決定し、更に、複数の情報を用意する。
【0046】
図6(a)に、用意した長時間情報A〜Eと、短時間情報a〜fと、提示する最後の情報Z,Y,Xとを示す。これらの情報は、演算装置5内に設けられた提示情報データベースに記憶される。尚、各情報の内容については、後述する。
【0047】
続いて、ステップS80へ進み、情報加工部22により、運転者の状況や状態(感情、運転特性(行動)等)から長時間情報を提示できる状況であるか否かを判断する。ここで、長時間情報を提示できる状況であると判断された場合、ステップS80にて「YES」へ進み、ステップS90へ進む。ステップS90では、情報加工部22により長時間情報を含めた複数のランダムな情報、例えば図6(c)に一例として示すような情報(a、B、C、b)を用意する。
【0048】
一方、長時間情報を提示できない状況であると判断された場合、ステップS80にて「NO」へ進み、ステップS100へ進む。ステップS100では、情報加工部22により短時間情報のみからなる複数のランダムな情報、図6(b)に一例として示すような情報(a、c、d、f、b)を用意する。尚、上記各複数のランダムな情報の内容(情報の選択の方法等の加工内容)については、後述する。
【0049】
そして、ステップS110へ進み、提示する最後の情報(図6(b)中のZや図6(c)中のY等)を決定する。尚、最後の情報の内容については、後述する。続いて、ステップS120へ進み、表示制御部23や音声制御部24により、上記決定(用意)した情報を運転者に提示する。
【0050】
ここで、提示する情報の内容について説明する。まず、走行中に運転者が登録する情報、例えばナビゲーションシステムの情報等が用意されて提示される。また、乗員の有無、人数、曜日、時間帯から割出された情報(ベイジアン等を使用)、例えば聞いていた音楽、見ていたTVやDVD、行ったお店、観光スポット等の情報が用意されて提示される。また、インターネット登録情報、例えばグルメ、旅行、本、マンガ等の情報が用意されて提示される。
【0051】
更に、インターネットで募集した提示したい他人の情報、例えば若手芸人の漫才等の情報が用意されて提示される。更にまた、同じ音楽や同じTVを見ていた他人の情報等が用意されて提示される。また、地域の情報、例えばお店、観光スポット、その地域出身のアーティスト情報、ローカルラジオの情報等が用意されて提示される。
【0052】
一方、短時間情報とは、表示装置7の一画面に表示できてしまう情報(1画面で完結する情報、または、1画面で内容が理解できるような情報)であると共に、短時間で提示できてその内容を理解できる情報である。短時間情報は、主として静止画の情報であり、短時間で提示可能なものであれば動画の情報でも良い。
【0053】
長時間情報とは、動画やスライドショーの情報、スクロール表示可能な情報、即ち、提示するのに比較的長時間を要する情報である。最後の情報とは、車両の発進に備え、車両の運転に運転者の注意を向けさせるようにする情報であり、例えば車両の発進が近いことを示すメッセージの画像(図10、図11参照)や、それまで提示してきた情報と全く異なる情報であって車両の発進が近いことを運転者に想起させる情報や、運転者にとって意味のない情報(単なる図形のような情報)等である。
【0054】
さて、図6(b)、図6(c)に示すように、複数の情報を提示する場合、本実施例においては、同じ種類の情報が連続しないように制御している。これにより、運転者の注意を提示される情報からそらし(運転者が我にかえり)、運転者の注意を車両の運転の方へ向けるようにしている。
【0055】
また、本実施例においては、表示装置7に複数の情報を提示する場合(図6(b)、図6(c)参照)、車両が発進するまでの時間がわかるように、時間経過に従って情報の表示輝度を薄くするように構成している。この場合、情報の表示輝度を薄くするに際しては、表示装置7の輝度を薄くするように変化させてり、カラー表示からモノクロ表示に徐々に変化させたり、モザイクを少しずつかけていくように表示したりすることが好ましい。
【0056】
更に、本実施例においては、複数の情報を提示する場合(図6(b)、図6(c)参照)、情報と情報の間はフェードイン・フェードアウトさせて情報を表示している。そして、表示装置7に表示する最後の情報は、フェードインさせずに、急に表示することにより、車両が発進直前であることを運転者に印象付けるようにしている。
【0057】
上記構成によれば、車両の車速や前の車両との距離等から、渋滞時であると判断されると、運転者がイライラ且つ危険な運転をしないように、渋滞による一次的な停止毎に、1画面で内容が理解できるような情報を複数用意し、例えば4コマのお笑いマンガや、7時のニュース等をフェードイン、フェードアウトしながらスムーズに提示(表示及び必要に応じて音声出力)する。そして、最後に、車両の発進直前だということを運転者に教えるために、急に画面を切り替え、運転者の好みに関連した地域特有のCMやその日にまつわるニュース(即ち、それまで提示してきた情報と全く異なる情報であって車両の発進が近いことを運転者に想起させる情報)を提示し、車両の発進の準備を運転者に促すようにしている。
【0058】
次に、長時間情報を含んだ複数の情報を提示する他の例を、図7ないし図11を参照して説明する。この場合、運転者は、40代の女性で、旅行が好きであり、また、ショッピングが好きであるとする。運転の状況としては、赤信号で停止中であるとする。
【0059】
まず、旅行好きな運転者であるため、インターネットを介して旅行会社から人気のある北京の観光情報を取得しておき、車両が停止した時点で、図7に示すように、表示装置7に、上記北京の観光情報を表示する(図7には、文字を図示したが、実際には、北京の観光情報の静止画や動画を適宜表示する)。
【0060】
次に、運転者はショッピングが好きであるため、図8に示すように、表示装置7に、地図情報から付近に存在するブランドショップのCMの情報を表示する(図8には、文字を図示したが、実際には、ブランドショップのCMの情報の静止画や動画を適宜表示する)。この場合、上記ショップの場所も表示するように構成されている。
【0061】
この後は、車内のHDDに保存してある以前旅行に行ったときに撮影した写真を、図9に示すように、表示装置7に、順番にスライドショーの形式で表示する。そして、最後に、車両の発進を促すための情報、即ち、信号機が青に変わったことがわかる情報を、図10に示すように、表示装置7に表示する。
【0062】
尚、表示装置7に表示する最後の情報として、図11に示すような情報(運転再開のメッセージ)を表示するように構成しても良い。また、最後の情報としては、意味を持たない情報でも良いし、その日にまつわるニュースの情報でも良いし、現在地やその他の地域の風景の画像情報でも良いし、また、ナビゲーションシステム16による地図の画像情報でも良く、一瞬見てわかり後引くことなく終わるような情報であることが好ましい。要は、車両が発進直前であることを運転者に意図してもらうための情報であれば良い。
【0063】
また、最後の情報としては、同じシーンを繰り返すような動画情報であっても良い。更に、最後の情報として、音声で、「もうすぐ信号が変わります」、「もうすぐ発進です」等のメッセージを出力するように構成しても良い。
【0064】
尚、上記実施例においては、路上機を信号機に適用したが、これに限るものではなく、例えば、電波ビーコン、光ビーコンなど通信可能な路上機に適用することができる。また、通信手段もDSRC、無線LANなど種々の通信方式を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施例を示す車両用情報提示装置のブロック図
【図2】車両の停止時間を説明する図
【図3】車両が路上機の停止信号に伴って停止する場面を説明する図
【図4】車両が交通渋滞に伴って停止する場面を説明する図
【図5】フローチャート
【図6】(a)は提示情報データベースを示す図、(b)は短時間情報のみのランダムな情報を提示する例を示す図、(c)は長時間情報を含むランダムな情報を提示する例を示す図
【図7】提示する情報の一例を示す図
【図8】提示する情報の他の例を示す図
【図9】提示する情報の他の例を示す図
【図10】提示する最後の情報の一例を示す図
【図11】提示する最後の情報の他の例を示す図
【符号の説明】
【0066】
図面中、1は車両用情報提示装置、2は外部情報センシング系、3は車内情報センシング系、4は車両情報センシング系、5は演算装置(制御手段)、6は個人情報蓄積装置、7は表示装置(表示手段)、8は音声出力装置、9は車外用カメラ、10は車載外部通信装置、11は車内用カメラ、12は視線・音声分析装置(運転者状態検出手段)、13は操舵角センサ、14はブレーキペダル操作量検出センサ、15はアクセルペダル操作量検出センサ、16はナビゲーションシステム、17は停止時間算出部(停止検知手段)、18はシーン推定部、19は状態推定部(運転者状態検出手段、判断手段)、20は情報フィルタリング部、21は個人適応部、22は情報加工部、23は表示制御部、24は音声制御部を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤信号や渋滞発生時等の車両が一時的に停止したときに運転者に情報を提示する車両用情報提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交通渋滞が発生した場合、渋滞の後方車両は、例えば赤信号が青信号に変わっても、前に進むことができない。この場合、後方車両の運転者は、前に進めるはずであるのに、前に進めず、しかも、その理由がわからないため(即ち、渋滞の先頭が見えず、その様子がわからないため)、かなりイライラする。このイライラを防止する構成の一例として、特許文献1に記載された構成が知られている。
【0003】
特許文献1に記載された構成においては、渋滞が発生したときに、渋滞の先頭車両は、その前方を撮影してこの撮影した画像を後方の車両へ送信し、渋滞の後方車両は、先頭車両の前方を撮影した画像を受信してその画像を表示装置に表示するように構成されている。この構成によれば、渋滞の後方車両の運転者は、渋滞の先頭の様子、例えば、渋滞の要因となっている交差点の様子(交差点を撮影した画像)を視認することができ、交差点の状況を把握することで、渋滞の要因がわかることから、運転者のイライラを防止することができる。
【特許文献1】特開2005−222241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成の場合、運転者のこれまでの経験に照らし合わせて、「まあ仕方がない」などとあきらめ半分、渋滞要因が解除されるまで待つことができることから、イライラを防止できるのである。しかし、渋滞の先頭車両の前方の画像を見ても、状況がよくわからないような場合には、運転者はやはりイライラしてしまう。また、前方の画像を見て、前方の状況を納得したとしても、イライラしないとは限らないし、毎回、前方の画像を見るだけでは、状況を納得できなくなるとも考えられる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、渋滞が発生して、車両が一時的に停止したときに、運転者がイライラすることを極力防止することができる車両用情報提示装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によれば、走行中の車両が一時的に停止したことを検知する停止検知手段と、前記車両の乗員が視認可能なものであって種々の情報を表示する表示手段と、前記車両が一時的に停止している間に同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を前記表示手段に表示する制御手段とを備える構成としたので、渋滞が発生して、車両が一時的に停止したときに、運転者は、表示手段に表示された複数の情報を見ることができるから、楽しくすごすことができてイライラすることがなくなる。そして、同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を表示手段に表示するように構成したので、運転者が表示された情報に集中し過ぎてしまうことを防止でき、運転者が情報を後に引きずらないようにすることができる。
【0007】
請求項2の発明によれば、表示手段に表示する情報として、表示手段の1画面で完結する情報を表示するように構成したので、運転者は表示された情報を容易に理解することができる。
【0008】
請求項3の発明によれば、運転者の現在の状態を検出する運転者状態検出手段と、検出された運転者の状態に基づいて所定の基準で長時間情報を表示可能であるか否かを判断する判断手段とを備え、長時間情報を表示可能であると判断されたときには、表示手段に長時間情報も表示するように構成したので、運転者は長時間情報を見ることが可能になり、より一層楽しく過ごすことができる。
【0009】
上記構成の場合、請求項4の発明のように、所定の基準の1つとして、運転者の現在の運転行動がデータベースに蓄積された運転者の過去の運転行動から大きく外れていることを検出したときに、運転者が通常の状態でないと判断し、長時間情報の表示を避けるように構成することが好ましい。
【0010】
また、請求項5の発明のように、所定の基準の1つとして、運転者の現在の感情を、運転者の声や、表情や、運転行動がデータベースに蓄積された運転者の過去の運転行動から大きく外れていることを検出したときに、運転者が通常の状態でないと判断し、長時間情報の表示を避けるように構成しても良い。
【0011】
請求項6の発明によれば、表示手段に表示する情報を、運転者を考慮して編集するように構成したので、運転者はより一層楽しく過ごすことができる。請求項7の発明によれば、表示手段に表示する最後の情報を、車両がまもなく発進するということをわかるようにする情報としたので、運転者は車両がまもなく発進するということがわかり、車両を発進させるための精神的な準備をすることができる。
【0012】
この場合、請求項8の発明のように、表示手段に表示する情報を、車両が発進するまでの時間がわかるように、時間経過に従って情報の表示輝度を薄くするように構成することが好ましい。このように構成しても、請求項7の発明とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0013】
また、請求項9の発明のように、走行中の車両が一時的に停止したことを検知する停止検知手段と、前記車両の乗員が視認可能なものであって種々の情報を表示する表示手段と、前記車両が一時的に停止している間に、同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を前記表示手段に表示する制御手段とを備え、前記表示手段に表示する最後の情報は、車両が発進直前であることを運転者に意図してもらうための情報であるように構成しても良い。
【0014】
この構成の場合、前記表示手段に異なる種類の複数の情報を表示するに際して、情報と情報の間はフェードイン・フェードアウトさせて情報を表示し、前記表示手段に表示する最後の情報は、フェードインさせずに、急に表示することにより、車両が発進直前であることを運転者に印象付けるように構成することがより一層好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、図1は、本実施例の車両用情報提示装置1の全体構成図である。この図1に示すように、車両用情報提示装置1は、自動車等の車両に搭載されるものであり、3つのセンシング系、即ち、外部情報センシング系2、車内情報センシング系3、車両情報センシング系4を備えている。また、車両用情報提示装置1は、演算装置(制御手段)5を中心に構成され、この演算装置5には、3つのセンシング系2、3、4、個人情報蓄積装置6、表示装置(表示手段)7、及び音声出力装置8が接続されている。
【0016】
外部情報センシング系2は、車外用カメラ9と車載外部通信装置10とから構成されている。車外用カメラ9は、自車両の前方画像を撮像するためのカメラであり、自車両の車室内外に設置される。車載外部通信装置10は、路車間通信や車々間通信を行う通信装置であり、路側インフラから、自車両の前方の交差点等に設置される路上機の信号状態(即ち、赤信号(停止信号)、青信号(進行信号)、黄信号(注意信号))、各信号状態の時間長、その路上機の設置位置(緯経度)等を含む交通信号情報を取得する。
【0017】
また、車載外部通信装置10は、交通渋滞情報を提供する交通情報センタから、自車両の前方で発生している交通渋滞の渋滞区間の位置(緯経度)、渋滞区間の長さ、渋滞区間の通過予想時間等を含む交通渋滞情報を取得する。さらに、車載外部通信装置10は、自車両の外部に設置される情報センタとの間で各種情報の送受信を行ったり、自車両の周囲に存在する他車両との間で各種情報の送受信を行ったりすることが可能である。
【0018】
車内情報センシング系3は、主として、車内用カメラ11と視線・音声分析装置(運転者状態検出手段)12とから構成されている。車内用カメラ11は、自車両の運転者の顔画像や、自車両の同乗者の画像を撮像するものであり、自車両の車室内の所定位置に設置される。視線・音声分析装置12は、車内用カメラ11で撮像した運転者の顔画像や、音声入力装置(図示せず)から入力した運転者や同乗者の音声の分析結果(音声認識結果)から、運転者の視線方向(運転者の着座位置を原点とし、自車両の前後方向をX軸、横方向をY軸、上下方向をZ軸とするXYZ座標軸上にて表される)、運転者の運転状態、自車両の車室内の雰囲気を推定する。
【0019】
ここで、運転者の運転状態は、運転者の覚醒度、感情、漫然度合い等によって表される。運転者の覚醒度は、運転者の顔画像から運転者のまばたきの回数や速さを計測し、この計測結果から推定する。運転者の感情は、運転者の顔画像(口元や目の開き度合い)や、運転者の音声の大きさや運転者が発した言葉(単語)から推定するほか、運転者の音声の周波数の高低からも推定する。また、運転者の漫然度合いは、運転者の視線方向の変化の大小から推定する。
【0020】
また、車室内の雰囲気は、自車両の乗員の人数に影響されるので、乗員の人数を考慮する。例えば、自車両の乗員が運転者のみの場合には、運転者の運転状態から車室内の雰囲気(静寂、緊張、活発等)を推定する。一方、自車両の乗員が運転者と同乗者の場合には、会話の有無、会話が有る場合には笑い声、怒り声等、乗員の発した言葉(単語)、同乗者の画像等から車室内の雰囲気(静寂、緊張、活発等)を推定する。
【0021】
車両情報センシング系4は、操舵角センサ13、ブレーキペダル操作量検出センサ(以下、ブレーキセンサ)14、アクセルペダル操作量検出センサ(以下、アクセルセンサ)15、及び、ナビゲーションシステム16から構成されている。操舵角センサ13は、自車両のステアリングホイールの操舵角(自車両が直進状態であるときのステアリングホイールの操舵角を中立位置としたとき、その中立位置からの操舵角度)を検出するセンサである。ブレーキセンサ14は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み量を検出するセンサであり、アクセルセンサ15は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量を検出するセンサである。これらセンサ13、14、15から出力された検出信号は、演算装置5に与えられる。
【0022】
ナビゲーションシステム16は、何れも周知の図示しない車両位置検出部、操作スイッチ群、地図データ格納部、表示部等から構成されるものであり、演算装置5からの指令に応じて、ナビゲーションシステム16にて処理した各種情報や地図データ格納部に格納されている情報を演算装置5に出力する。
【0023】
個人情報蓄積装置6は、個人情報を蓄積するものであり、一般情報(氏名、年齢、職業、性別、既婚・未婚の別、子供の有無等)のほか、個人の趣味・趣向に関する情報も蓄積する。この個人の趣味趣向に関する情報とは、音楽、スポーツ、映画、ニュース、TV番組、買い物、食事、レジャー、テーマパーク等の種別毎に区分され、各種別毎の運転者の趣味・趣向に合致した内容(例えば、”音楽”では、ジャンル(クラシック、ジャズ、歌謡曲等)、曲名、アーティストの名称等)が示される。個人情報蓄積装置6は、演算装置5からの指令を受けて、一般情報と趣味・趣向に関する情報とからなる個人情報を出力する。また、個人情報蓄積装置6内の個人情報は、演算装置5により適宜更新されると共に、追加蓄積されるように構成されている。
【0024】
更に、個人情報蓄積装置6内には、車両情報センシング系4により検出された運転者の運転行動(ステアリング、ブレーキ、アクセル操作等)を蓄積したデータベースが設けられている。このデータベースのデータの更新追加等は、演算装置5により適宜行われる。
【0025】
表示装置7は、例えば液晶ディスプレイで構成されており、自車両の運転者や同乗者が視認可能な車室内に設置される。音声出力装置8は、図示しない増幅器、及び車室内に適宜設置されるスピーカで構成されている。
【0026】
演算装置5は、停止時間算出部(停止検知手段)17、シーン推定部18、状態推定部(運転者状態検出手段、判断手段)19、情報フィルタリング部20、個人適応部21、情報加工部22、表示制御部23、及び音声制御部24の各機能ブロックで構成されている。
【0027】
停止時間算出部17は、自車両の前方に存在する路上機(信号機)の停止信号(赤信号)や、交通集中による渋滞(交通渋滞)における自車両の前方に存在する前方車両の停止等の停止要因によって自車両が停止する場合の停止継続時間(以下、停止時間)を算出する。停止時間算出部17では、図2に示すように、上記停止要因に伴って自車両が停止する場合に、自車両の停止開始時間tsからその停止要因が解消されることで自車両が発進可能となる時間teまでの時間長を停止時間Xsとして算出する。
【0028】
この停止時間Xsは、自車両が路上機の停止信号に伴って停止する場合と、交通渋滞における自車両の前方に存在する前方車両の停止に伴って停止する場合とで、その算出方法が異なる。以下、停止時間Xsの算出方法について説明する。
【0029】
図3は、自車両が路上機の停止信号に伴って停止する場面を示している。このような場面では、車載外部通信装置10を介して路上機の交通信号情報を取得し、その取得した交通信号情報に含まれる停止信号の時間長を参照して、自車両の停止開始から停止信号が解除されるまでの実停止信号時間を算出する。そして、この実停止信号時間を停止時間Xsに含める。
【0030】
ここで、自車両が先頭となって路上機の停止信号で停止する場合には、実停止信号時間を停止時間Xsとすればよいが、図3に示すように、自車両が路上機の停止信号によって停止したときに、停止信号の路上機と自車両前方との間に停止中の他車両が存在する場合には、停止信号が解除されても停止中の他車両が発進しない限り、自車両は発進可能とならない。
【0031】
そこで、このような場合には、車両1台当たりの発進に要する時間(発進所要時間)を予め設定しておいて、その発進所要時間を実停止信号時間とともに停止時間Xsに含めて算出すればよい。なお、図3に示すように、停止信号の路上機と自車両前方との間に停止中の他車両が複数台存在する場合には、停止信号の路上機(路上機手前の停止線でもよい)と自車両との距離Lから他車両の総台数を推定し、上記発進所要時間に他車両の総台数を乗じた総発進所要時間を実停止信号時間とともに停止時間Xsに含めて算出すればよい。
【0032】
ここで、停止信号の路上機と自車両との距離Lは、車載外部通信装置10を介して取得した交通信号情報に含まれる路上機の設置位置(緯経度)と、ナビゲーションシステム16から取得できる自車両の現在位置(緯経度)とから算出することができる。この他、ナビゲーションシステム16の地図データを参照して路上機の設置位置を把握し、自車両の現在位置とから距離Lを取得してもよい。また、車々間通信を利用して、車載外部通信装置10を介して停止信号で停止中の他車両と車々間通信を行って、停止信号の路上機と自車両前方との間に存在する他車両の台数を直接取得するように構成してもよい。
【0033】
図4は、交通渋滞における自車両の前方に存在する前方車両の停止に伴って自車両が停止する場面を示している。このような場面では、先ず、交通情報センタからの交通渋滞情報を参照して、自車両が渋滞区間に位置するかどうかを判断する。そして、この判断の結果、渋滞区間に位置する場合に、自車両から前方に連なって停止中の前方車両(停止車両)の総発進所要時間を算出し、この総発進所要時間を停止時間Xsとする(に含める)。総発進所要時間は、自車両から前方に連なって停止中の停止車両の先頭の車両と自車両との距離Lから停止車両の台数を推定し、停止車両1台当たりの発進所要時間に停止車両の総台数を乗じることで算出できる。
【0034】
なお、自車両から前方に連なる停止車両の先頭の車両と自車両との距離Lは、車載外部通信装置10を介して自車両の外部から取得すればよい。また、車載外部通信装置10を利用して、前方に連なる停止車両と車々間通信を行って、自車両から前方に連なる停止車両の先頭の車両と自車両との間に存在する停止車両の台数を直接取得するように構成してもよい。
【0035】
また、シーン推定部18は、自車両の運転者の(おかれた)状況を推定するもので、視線・音声分析装置12によって推定された運転者の運転状態と自車両の車室内の雰囲気の推定結果から推定する。このシーン推定部18においては、自車両の乗員の人数と車室内の雰囲気(静寂、緊張、活発等)から、例えば、同乗者がいない場合には、運転に集中している、漫然に運転している、運転に緊張している等、運転者一人の場合の運転者のおかれた状況を推定する。また、同乗者がいる場合には、同乗者とともに会話/音楽を楽しんでいる、同乗者が睡眠中で静寂である等、同乗者がいる場合の運転者のおかれた状況を推定する。
【0036】
状態推定部19は、車両情報センシング系4により検出された運転者の運転行動(ステアリング、ブレーキ、アクセル操作等)が、個人情報蓄積装置6内のデータベースに蓄積されている運転者の今までの運転行動(即ち、正常運転行動)と大きく異なっているか(大きく外れているか)否かを判断して、運転者の現在の感情(状態)がいつもの状態(正常状態)ではないか否かを判断(推定)する第1の判断機能を有している。この第1の判断機能が、所定の基準の1つで判断する機能である。
【0037】
更に、状態推定部19は、視線・音声分析装置12で取得された運転者の声、表情、頭の動き、視線等の生体情報から運転者の現在の感情(状態)を読み取り、この読み取った運転者の現在の状態(感情)が正常状態から外れているか否かを判断(推定)する第2の判断機能を有している。この第2の判断機能が、所定の基準の1つ(他の1つ)で判断する機能である。
【0038】
情報フィルタリング部20は、車載外部通信装置10を介して、外部の情報センタから自車両にて提供可能な情報(提供可能情報)を取得して情報サーバ(図示せず)に記憶すると共に、この情報サーバの記憶する提供可能情報の中から、個人適応部21から入力した個人情報(上述した一般情報や趣味・趣向に関する情報)に応じた情報、即ち、運転者の好みに合わせた情報を抽出(フィルタリング)する。ここで、情報サーバに記憶される提供可能情報には、抽出の際の手がかりとなる識別情報が付加されており、情報フィルタリング部20では、この識別情報と個人情報とが合致する提供可能情報を抽出する。
【0039】
情報加工部22は、情報フィルタリング部20にて抽出した提供可能情報(運転者の好みに合わせた情報)の中から、シーン推定部18において推定した自車両の運転者の(おかれた)状況に合った情報を選出(取得)する。そして、この選出した情報を、自車両が停止信号や交通渋滞によって停止している最中に運転者に提供することにより、運転者の意識を、イライラの原因である停止要因から提供される情報へ誘導し、イライラを防止するようにしている。
【0040】
ここで、情報加工部22は、上記選出した情報を自然言語処理等の技術を使用して加工することにより、加工した情報を提供するのに要する時間の長さが停止時間算出部17にて算出した停止時間Xsとほぼ等しくなるようにする。即ち、自車両が停止した(と判定した)タイミングで情報の提供を開始した後、停止時間Xs内に提供される情報の内容が完結するように、提供対象の情報の内容を加工(編集)する。この情報加工部22の加工処理の詳細については、後述する。
【0041】
そして、このように加工した情報を自車両の運転者に提供することで、自車両の運転者は、自車両を発進させる前までに、提供された情報の内容を一通り知り得ることができるようになる。このため、運転者の意識は、自車両を発進させた後に、提供された情報に引きずられることがなくなる。その結果、運転者の意識を運転操作に移す(運転操作に集中させる)ことができるようになる。本実施例の車両用情報提示装置1では、このようにして、発進後の運転操作に対する安全性が確保される。
【0042】
また、表示制御部23は、情報加工部22により加工された情報を、運転者個人に合わせて見やすさや配置を変化させて表示(提供)する。同様に、音声制御部24は、上記加工された情報を、運転者個人に合わせて聞こえやすく変化させて音声出力(提供)する。
【0043】
次に、提供対象の情報の加工制御について、図5ないし図11を参照して説明する。まず、図5のステップS10では、外部情報センシング系2、車内情報センシング系3、及び車両情報センシング系4からの情報を収集し、ステップS20では、停止時間算出部17により自車両の停止時間Xsを算出する。
【0044】
ステップS30では、シーン推定部18により運転者(のおかれた)状況を推定すると共に、ステップS40では、状態推定部19により運転者の状態(感情)を推定する。ステップS50では、個人適応部21により運転者の個人情報を取得し、ステップS60では、情報フィルタリング部20により運転者の趣味・趣向に適合する提供可能情報を抽出する。
【0045】
そして、ステップS70では、情報加工部22により、ステップS60にて抽出した提供可能情報の中から運転者(及び他の乗員)に提供する情報を選択すると共に加工する。この場合、まず、提供する情報を長時間情報と短時間情報に分けて、情報の内容を決定する。具体的には、長時間情報として、情報の種類(例えばTV、音楽、DVD等)を決定すると共に、提示する情報の内容を決定し、更に、複数の情報を用意する。同様にして、短時間情報として、情報の種類(例えばCM、4コママンガ、ゲーム等)を決定すると共に、提示する情報の内容を決定し、更に、複数の情報を用意する。
【0046】
図6(a)に、用意した長時間情報A〜Eと、短時間情報a〜fと、提示する最後の情報Z,Y,Xとを示す。これらの情報は、演算装置5内に設けられた提示情報データベースに記憶される。尚、各情報の内容については、後述する。
【0047】
続いて、ステップS80へ進み、情報加工部22により、運転者の状況や状態(感情、運転特性(行動)等)から長時間情報を提示できる状況であるか否かを判断する。ここで、長時間情報を提示できる状況であると判断された場合、ステップS80にて「YES」へ進み、ステップS90へ進む。ステップS90では、情報加工部22により長時間情報を含めた複数のランダムな情報、例えば図6(c)に一例として示すような情報(a、B、C、b)を用意する。
【0048】
一方、長時間情報を提示できない状況であると判断された場合、ステップS80にて「NO」へ進み、ステップS100へ進む。ステップS100では、情報加工部22により短時間情報のみからなる複数のランダムな情報、図6(b)に一例として示すような情報(a、c、d、f、b)を用意する。尚、上記各複数のランダムな情報の内容(情報の選択の方法等の加工内容)については、後述する。
【0049】
そして、ステップS110へ進み、提示する最後の情報(図6(b)中のZや図6(c)中のY等)を決定する。尚、最後の情報の内容については、後述する。続いて、ステップS120へ進み、表示制御部23や音声制御部24により、上記決定(用意)した情報を運転者に提示する。
【0050】
ここで、提示する情報の内容について説明する。まず、走行中に運転者が登録する情報、例えばナビゲーションシステムの情報等が用意されて提示される。また、乗員の有無、人数、曜日、時間帯から割出された情報(ベイジアン等を使用)、例えば聞いていた音楽、見ていたTVやDVD、行ったお店、観光スポット等の情報が用意されて提示される。また、インターネット登録情報、例えばグルメ、旅行、本、マンガ等の情報が用意されて提示される。
【0051】
更に、インターネットで募集した提示したい他人の情報、例えば若手芸人の漫才等の情報が用意されて提示される。更にまた、同じ音楽や同じTVを見ていた他人の情報等が用意されて提示される。また、地域の情報、例えばお店、観光スポット、その地域出身のアーティスト情報、ローカルラジオの情報等が用意されて提示される。
【0052】
一方、短時間情報とは、表示装置7の一画面に表示できてしまう情報(1画面で完結する情報、または、1画面で内容が理解できるような情報)であると共に、短時間で提示できてその内容を理解できる情報である。短時間情報は、主として静止画の情報であり、短時間で提示可能なものであれば動画の情報でも良い。
【0053】
長時間情報とは、動画やスライドショーの情報、スクロール表示可能な情報、即ち、提示するのに比較的長時間を要する情報である。最後の情報とは、車両の発進に備え、車両の運転に運転者の注意を向けさせるようにする情報であり、例えば車両の発進が近いことを示すメッセージの画像(図10、図11参照)や、それまで提示してきた情報と全く異なる情報であって車両の発進が近いことを運転者に想起させる情報や、運転者にとって意味のない情報(単なる図形のような情報)等である。
【0054】
さて、図6(b)、図6(c)に示すように、複数の情報を提示する場合、本実施例においては、同じ種類の情報が連続しないように制御している。これにより、運転者の注意を提示される情報からそらし(運転者が我にかえり)、運転者の注意を車両の運転の方へ向けるようにしている。
【0055】
また、本実施例においては、表示装置7に複数の情報を提示する場合(図6(b)、図6(c)参照)、車両が発進するまでの時間がわかるように、時間経過に従って情報の表示輝度を薄くするように構成している。この場合、情報の表示輝度を薄くするに際しては、表示装置7の輝度を薄くするように変化させてり、カラー表示からモノクロ表示に徐々に変化させたり、モザイクを少しずつかけていくように表示したりすることが好ましい。
【0056】
更に、本実施例においては、複数の情報を提示する場合(図6(b)、図6(c)参照)、情報と情報の間はフェードイン・フェードアウトさせて情報を表示している。そして、表示装置7に表示する最後の情報は、フェードインさせずに、急に表示することにより、車両が発進直前であることを運転者に印象付けるようにしている。
【0057】
上記構成によれば、車両の車速や前の車両との距離等から、渋滞時であると判断されると、運転者がイライラ且つ危険な運転をしないように、渋滞による一次的な停止毎に、1画面で内容が理解できるような情報を複数用意し、例えば4コマのお笑いマンガや、7時のニュース等をフェードイン、フェードアウトしながらスムーズに提示(表示及び必要に応じて音声出力)する。そして、最後に、車両の発進直前だということを運転者に教えるために、急に画面を切り替え、運転者の好みに関連した地域特有のCMやその日にまつわるニュース(即ち、それまで提示してきた情報と全く異なる情報であって車両の発進が近いことを運転者に想起させる情報)を提示し、車両の発進の準備を運転者に促すようにしている。
【0058】
次に、長時間情報を含んだ複数の情報を提示する他の例を、図7ないし図11を参照して説明する。この場合、運転者は、40代の女性で、旅行が好きであり、また、ショッピングが好きであるとする。運転の状況としては、赤信号で停止中であるとする。
【0059】
まず、旅行好きな運転者であるため、インターネットを介して旅行会社から人気のある北京の観光情報を取得しておき、車両が停止した時点で、図7に示すように、表示装置7に、上記北京の観光情報を表示する(図7には、文字を図示したが、実際には、北京の観光情報の静止画や動画を適宜表示する)。
【0060】
次に、運転者はショッピングが好きであるため、図8に示すように、表示装置7に、地図情報から付近に存在するブランドショップのCMの情報を表示する(図8には、文字を図示したが、実際には、ブランドショップのCMの情報の静止画や動画を適宜表示する)。この場合、上記ショップの場所も表示するように構成されている。
【0061】
この後は、車内のHDDに保存してある以前旅行に行ったときに撮影した写真を、図9に示すように、表示装置7に、順番にスライドショーの形式で表示する。そして、最後に、車両の発進を促すための情報、即ち、信号機が青に変わったことがわかる情報を、図10に示すように、表示装置7に表示する。
【0062】
尚、表示装置7に表示する最後の情報として、図11に示すような情報(運転再開のメッセージ)を表示するように構成しても良い。また、最後の情報としては、意味を持たない情報でも良いし、その日にまつわるニュースの情報でも良いし、現在地やその他の地域の風景の画像情報でも良いし、また、ナビゲーションシステム16による地図の画像情報でも良く、一瞬見てわかり後引くことなく終わるような情報であることが好ましい。要は、車両が発進直前であることを運転者に意図してもらうための情報であれば良い。
【0063】
また、最後の情報としては、同じシーンを繰り返すような動画情報であっても良い。更に、最後の情報として、音声で、「もうすぐ信号が変わります」、「もうすぐ発進です」等のメッセージを出力するように構成しても良い。
【0064】
尚、上記実施例においては、路上機を信号機に適用したが、これに限るものではなく、例えば、電波ビーコン、光ビーコンなど通信可能な路上機に適用することができる。また、通信手段もDSRC、無線LANなど種々の通信方式を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施例を示す車両用情報提示装置のブロック図
【図2】車両の停止時間を説明する図
【図3】車両が路上機の停止信号に伴って停止する場面を説明する図
【図4】車両が交通渋滞に伴って停止する場面を説明する図
【図5】フローチャート
【図6】(a)は提示情報データベースを示す図、(b)は短時間情報のみのランダムな情報を提示する例を示す図、(c)は長時間情報を含むランダムな情報を提示する例を示す図
【図7】提示する情報の一例を示す図
【図8】提示する情報の他の例を示す図
【図9】提示する情報の他の例を示す図
【図10】提示する最後の情報の一例を示す図
【図11】提示する最後の情報の他の例を示す図
【符号の説明】
【0066】
図面中、1は車両用情報提示装置、2は外部情報センシング系、3は車内情報センシング系、4は車両情報センシング系、5は演算装置(制御手段)、6は個人情報蓄積装置、7は表示装置(表示手段)、8は音声出力装置、9は車外用カメラ、10は車載外部通信装置、11は車内用カメラ、12は視線・音声分析装置(運転者状態検出手段)、13は操舵角センサ、14はブレーキペダル操作量検出センサ、15はアクセルペダル操作量検出センサ、16はナビゲーションシステム、17は停止時間算出部(停止検知手段)、18はシーン推定部、19は状態推定部(運転者状態検出手段、判断手段)、20は情報フィルタリング部、21は個人適応部、22は情報加工部、23は表示制御部、24は音声制御部を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行中の車両が一時的に停止したことを検知する停止検知手段と、
前記車両の乗員が視認可能なものであって種々の情報を表示する表示手段と、
前記車両が一時的に停止している間に、同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を前記表示手段に表示する制御手段とを備えてなる車両用情報提示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記表示手段に表示する情報として、前記表示手段の1画面で完結する情報を表示するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用情報提示装置。
【請求項3】
運転者の現在の状態を検出する運転者状態検出手段と、
検出された運転者の状態に基づいて所定の基準で長時間情報を表示可能であるか否かを判断する判断手段とを備え、
前記制御手段は、長時間情報を表示可能であると判断されたときには、前記表示手段に長時間情報も表示するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用情報提示装置。
【請求項4】
前記所定の基準の1つとして、運転者の現在の運転行動がデータベースに蓄積された運転者の過去の運転行動から大きく外れていることを検出したときに、運転者が通常の状態でないと判断し、長時間情報の表示を避けるように構成されていることを特徴とする請求項3記載の車両用情報提示装置。
【請求項5】
前記所定の基準の1つとして、運転者の現在の感情を、運転者の声や、表情や、運転行動がデータベースに蓄積された運転者の過去の運転行動から大きく外れていることを検出したときに、運転者が通常の状態でないと判断し、長時間情報の表示を避けるように構成されていることを特徴とする請求項3記載の車両用情報提示装置。
【請求項6】
前記表示手段に表示する情報は、運転者を考慮して編集されるように構成されていることを特徴とする請求項4または5記載の車両用情報提示装置。
【請求項7】
前記表示手段に表示する最後の情報は、車両がまもなく発進するということをわかるようにする情報であることを特徴とする請求項5記載の車両用情報提示装置。
【請求項8】
前記表示手段に表示する情報は、車両が発進するまでの時間がわかるように、時間経過に従って情報の表示輝度を薄くするように構成したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の車両用情報提示装置。
【請求項9】
走行中の車両が一時的に停止したことを検知する停止検知手段と、
前記車両の乗員が視認可能なものであって種々の情報を表示する表示手段と、
前記車両が一時的に停止している間に、同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を前記表示手段に表示する制御手段とを備え、
前記表示手段に表示する最後の情報は、車両が発進直前であることを運転者に意図してもらうための情報であることを特徴とする車両用情報提示装置。
【請求項10】
前記表示手段に異なる種類の複数の情報を表示するに際して、情報と情報の間はフェードイン・フェードアウトさせて情報を表示し、
前記表示手段に表示する最後の情報は、フェードインさせずに、急に表示することにより、車両が発進直前であることを運転者に印象付けるように構成したことを特徴とする請求項9記載の車両用情報提示装置。
【請求項1】
走行中の車両が一時的に停止したことを検知する停止検知手段と、
前記車両の乗員が視認可能なものであって種々の情報を表示する表示手段と、
前記車両が一時的に停止している間に、同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を前記表示手段に表示する制御手段とを備えてなる車両用情報提示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記表示手段に表示する情報として、前記表示手段の1画面で完結する情報を表示するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用情報提示装置。
【請求項3】
運転者の現在の状態を検出する運転者状態検出手段と、
検出された運転者の状態に基づいて所定の基準で長時間情報を表示可能であるか否かを判断する判断手段とを備え、
前記制御手段は、長時間情報を表示可能であると判断されたときには、前記表示手段に長時間情報も表示するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用情報提示装置。
【請求項4】
前記所定の基準の1つとして、運転者の現在の運転行動がデータベースに蓄積された運転者の過去の運転行動から大きく外れていることを検出したときに、運転者が通常の状態でないと判断し、長時間情報の表示を避けるように構成されていることを特徴とする請求項3記載の車両用情報提示装置。
【請求項5】
前記所定の基準の1つとして、運転者の現在の感情を、運転者の声や、表情や、運転行動がデータベースに蓄積された運転者の過去の運転行動から大きく外れていることを検出したときに、運転者が通常の状態でないと判断し、長時間情報の表示を避けるように構成されていることを特徴とする請求項3記載の車両用情報提示装置。
【請求項6】
前記表示手段に表示する情報は、運転者を考慮して編集されるように構成されていることを特徴とする請求項4または5記載の車両用情報提示装置。
【請求項7】
前記表示手段に表示する最後の情報は、車両がまもなく発進するということをわかるようにする情報であることを特徴とする請求項5記載の車両用情報提示装置。
【請求項8】
前記表示手段に表示する情報は、車両が発進するまでの時間がわかるように、時間経過に従って情報の表示輝度を薄くするように構成したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の車両用情報提示装置。
【請求項9】
走行中の車両が一時的に停止したことを検知する停止検知手段と、
前記車両の乗員が視認可能なものであって種々の情報を表示する表示手段と、
前記車両が一時的に停止している間に、同じ種類の情報が連続しないようにして複数の情報を前記表示手段に表示する制御手段とを備え、
前記表示手段に表示する最後の情報は、車両が発進直前であることを運転者に意図してもらうための情報であることを特徴とする車両用情報提示装置。
【請求項10】
前記表示手段に異なる種類の複数の情報を表示するに際して、情報と情報の間はフェードイン・フェードアウトさせて情報を表示し、
前記表示手段に表示する最後の情報は、フェードインさせずに、急に表示することにより、車両が発進直前であることを運転者に印象付けるように構成したことを特徴とする請求項9記載の車両用情報提示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−186250(P2008−186250A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19396(P2007−19396)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】
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