車両用誘導経路探索装置
【課題】転者の優先する欲求、及び車両への負担を考慮しつつ、運転者への負担を極力低減した、簡単な車両の誘導が可能となる車両用誘導経路探索装置を提供する。
【解決手段】本発明は、車両の初期位置から目標位置までへの誘導経路を当該車両の運転者に提示する車両用誘導経路探索装置である。運転者は、自らの望む誘導経路の選択基準を入力しておく。初期位置から目標位置までへの誘導経路を複数割り出す誘導経路割り出し(S103)、割り出された誘導経路それぞれの誘導経路の特性を計算する(S104)。本発明の車両用誘導経路探索装置は、誘導経路の特性計算結果に基づいて入力された選択基準に沿う誘導経路を運転者に提示する。
【解決手段】本発明は、車両の初期位置から目標位置までへの誘導経路を当該車両の運転者に提示する車両用誘導経路探索装置である。運転者は、自らの望む誘導経路の選択基準を入力しておく。初期位置から目標位置までへの誘導経路を複数割り出す誘導経路割り出し(S103)、割り出された誘導経路それぞれの誘導経路の特性を計算する(S104)。本発明の車両用誘導経路探索装置は、誘導経路の特性計算結果に基づいて入力された選択基準に沿う誘導経路を運転者に提示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪のみを操舵する通常走行モードと、全ての車輪を操舵する特殊走行モードなどのモードが搭載された四輪独立操舵機構を有する車両において、運転車に対して誘導可能な経路を提供する車両用誘導経路探索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、四輪独立操舵機構を有する車両は、前輪のみの操舵による通常の走行モードに加えて、前輪後輪が同方向に操舵され、車両が平行移動(所謂カニ移動)する走行モードでの走行や、その場での旋回(信地旋回)を行う旋回モードでの走行を可能とする特殊走行モード等を有するものであり、このような四輪独立操舵機構を有する車両の例としては、例えば、特許文献1(特開平8−230708号公報)に、走行時の安定性を確保するために、前輪および/または後輪ステアリングにより複数のステアリングモードを選択可能なホイール式クレーンの、走行速度を検出し、その走行速度に基づいてリアステアリングロック作動、リアステアリングロック解除作動、あるいはステアリングモード切換作動の指令信号を出力するステアリング制御方法であって、走行速度が所定の値以下であることを検出したのち、リアステアリングロック解除の作動指令信号を出力することを特徴とするホイール式クレーンのステアリングモード切換制御方法が開示されている。また、このような四輪独立操舵機構を有する車両に対して、種々の施設内の通路に4輪駆動電気移動車両を走行させる際に、各施設に固有の通路制約条件に適合させて、車両を迅速的確に旋回または方向転換あるいは幅寄せできるようにして、車両を所望位置に円滑迅速に誘導する技術が特許文献2(特開2003−146234号公報)に開示されている。
【特許文献1】特開平8−230708号公報
【特許文献2】特開2003−146234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
四輪独立操舵機構を有する車両においては、車庫入れ時など、区域内の制約条件が厳しくなると、「その場で旋回」する動きや「平行移動」などを利用して車両を目標とする場所にまで移動させることができる。このような車両の操作においては、車庫入れ時など、移動に関して車両周辺の環境に制約がある区域において、車両を目標位置まで誘導する過程は、可能な経路のイメージ能力、その経路上をトレースする操作能力等、熟練度や、繁雑な操作等を、運転者に対して要求することとなる。そこで、四輪独立操舵機構を有する車両においては、車両用誘導経路探索装置を設けておき、運転者に対して、適当な経路を提示する仕組みを設けることとなる。
【0004】
四輪独立操舵機構付きの車両においては、四輪を独立に操舵・駆動するときにおいては、特定車輪への偏った負荷や、大きな操舵角変化による操舵エネルギー消費の増大等を、車両に対して強いることとなる。したがって、車載の車両用誘導経路探索装置が選択し、誘導経路として運転者に提示するものは、このような車両への負担を極力軽減したものであることがある。しかしながら、もう一方では、運転者にしてみれば、少々車両への負担があったとしても、最も短い時間で車庫入れしたい、などというニーズもある。
【0005】
従来の技術では以上のような様々な要因を考慮した上で車両誘導経路を行うものではなかった、という問題がある。そこで、本発明では、事前に誘導可能な経路を全て導出し、その中から、操舵エネルギー消費を最小にする、各車輪に対して偏った負荷をかけない、最短時間で誘導完了する、等の観点から最適な経路を選択し、それに沿って自動誘導することにより、運転者の優先する欲求、及び車両への負担を考慮しつつ、運転者への負担を極力低減した、簡単な車両の誘導が可能となるような車両用誘導経路探索装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両の初期位置から目標位置までへの誘導経路を探索する車両用誘導経路探索装置において、当該車両の初期位置から目標位置までへの誘導経路を割り出す誘導経路割り出し部と、該誘導経路割り出し部で割り出された誘導経路の少なくとも操舵エネルギーを計算する誘導経路特性計算部と、を具備し、該誘導経路特性計算部の計算結果に基づいて少なくとも操舵エネルギーが最小となる誘導経路を探索することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用誘導経路探索装置において、運転者の誘導経路選択基準を入力する誘導経路選択基準入力部を具備し、誘導経路を特性計算部の計算結果に基づいて該誘導経路選択基準入力部に入力された選択基準に沿う誘導経路を探索することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用誘導経路探索装置において、該誘導経路特性計算部は、車輪に作用する負担を計算し、該計算の結果、車輪負担が大きい場合には、その旨運転者に報知することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用誘導経路探索装置において、独立して操舵可能な複数の車輪を有し、該複数の車輪のうち所定の車輪のみを操舵する通常走行モードと、該複数の車輪の全てを操舵する特殊走行モードと、該特殊走行モードは、該複数の車輪の全てが同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モードと、前輪がハの字状、後輪が上下逆のハの字状に操舵され、略その場で車両が回転するその場回転モードのうち少なくとも1つを備え、該誘導経路割り出し部は、該通常走行モード及び該特殊走行モードによる誘導経路を割り出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本実施形態に係る車両用誘導経路探索装置によれば、誘導経路の少なくとも操舵エネルギーを計算し、少なくとも操舵エネルギーが最小となる誘導経路を探索するので、誘導経路を走行するに当たり操舵のために消費するエネルギーを小さくすることができる。
【0011】
さらに運転者の選択基準を入力し、入力された選択基準に沿う誘導経路を探索するので、操舵エネルギー以外の、例えば、誘導経路の中から、各車輪に対して偏った負荷をかけない、最短時間で誘導完了する、等の観点から運転者の優先する最適な経路を選択し、それに沿って自動誘導することにより、運転者の優先する欲求、及び車両への負担を考慮しつつ、運転者への負担を極力低減した、簡単な車両の誘導が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る車両用誘導経路探索装置のシステム構成の概略を示す図である。図1において、1はCPUや演算装置からなるECU(電子制御ユニット)、2は車両の周辺状況を撮影する撮像装置、3は車両の周囲の障害物などと車両との距離を計測する測距装置、5は車両の運転室内に設けられユーザーに対して所定のメッセージを報知する表示パネルなどからなる表示部、6は車両の運転席から運転者がモード指示などを行うための入力部、7は車両の各タイヤの状態のアーカイブであるタイヤ状態記憶部である。
【0013】
なお、図1の車両用誘導経路探索装置のシステム構成においては、本発明の実施の形態に係る部分のみを図示しており、ECU(電子制御ユニット)には、本実施形態の車両用誘導経路探索装置のための制御以外の他の制御を行うためのセンサ類、またそれらのセンサ類のセンシング結果によって車両搭載の各種機器を制御する制御装置類、大容量記憶装置、通信装置などが接続されるものである。ECU(電子制御ユニット)には、不図示の不揮発性記憶手段が接続されており、当該不揮発性記憶手段は、本実施形態に係る車両用誘導経路探索装置を動作させるためのプログラム、及び前述したような他の制御のためのプログラムが記憶・格納されている。
【0014】
撮像装置2は、例えば、CCDカメラなどにより構成され、車両の前部及び後部に設けられて、これらにより車両の前方及びに広がる所定領域内の周辺状況を撮影するものである。この撮像装置2により撮影された周辺状況の画像データは、ECU1において画像処理され、車両用誘導経路探索のために利用される。撮像装置2は、車外に設けたCCDカメラなどで撮影した画像データを無線通信で車両に送信するように構成することもできる。
【0015】
測距装置3は、例えば、レーザーレーダー、或いはミリ波レーダー等からなる距離センサであり、障害物と車両との間を計測するものであり、この情報は、ECU1に入力され、車両用誘導経路探索のために利用される。
【0016】
表示部5は、例えば、液晶パネルのような表示装置であり、ECU1などから発信される所定の情報を、車両の運転室内に設けられユーザーに対して報知する。また、入力部6は、例えば、表示部5の表示面に設けられたタッチパネルなどで構成し、運転者が当該表示面に触れることによって、運転者の意志をECU1に伝達することができるようなユーザーインターフェイスとするとよい。
【0017】
タイヤ状態記憶部7は、不図示の磨耗をチェックするセンサ類や車両の移動経歴などからの情報をアーカイブしておくものであり、ECU1はタイヤ状態記憶部7を参照することによって、タイヤの磨耗状態を確認することができるものである。
【0018】
ここで、本実施形態の車両用誘導経路探索装置が搭載される車両は、四輪独立操舵機構を有する車両であり、車両に設けられた四輪の操舵角それぞれを独立に駆動して各種の走行モードを選択できるものである。本実施形態の車両用誘導経路探索装置が搭載される車両には、このような走行モードとして、前輪のみの操舵による通常走行モード、前輪後輪が同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モード(カニ移動モード)、前輪がハの字状、後輪が上下逆のハの字状に操舵され、その場で車両が旋回(信地旋回)する旋回モード等を備えるものである。
【0019】
図2は、本実施形態の車両用誘導経路探索装置のメインの制御フローを示す図である。図2の制御フローは、不図示の不揮発性記憶手段に記述された本実施形態の車両用誘導経路探索装置のプログラムに基づいて、図1におけるECU(電子制御ユニット)1、撮像装置2、測距装置3、表示部5、入力部6、タイヤ状態記憶部7が協働することによって実現される。当該プログラムは、車両全体の制御用プログラムの一つのルーチンである、というように考えることができる。
【0020】
図2において、ステップS100で処理が開始されると、まずステップS101に進み、撮像装置2、測距装置3の情報に基づいて、車両の周辺環境の認識がなされる。このステップにおいては、車両から前後左右の障害物(例:壁、境界線など)の位置、距離を認識したり、一時的な障害物(例:駐車車両、ごみなど)の位置、距離を認識したりする。
【0021】
次に、ステップS102において、撮像装置2、測距装置3、入力部6からの情報により、車両の初期位置/目標位置の認識がなされる。ここでは目標位置から現在位置までの相対的な位置関係、角度等が認識される。
【0022】
次に、ステップS103においては、誘導可能な経路割り出しのサブルーチンへととび、当該サブルーチンにおいて車両の初期位置ら目標位置までの複数の誘導経路の割り出しを行う。この誘導可能な経路割り出しのサブルーチンについては後に説明する。
【0023】
次のステップS104においては、複数の誘導可能経路の特性計算のサブルーチンへととび、ステップS103で割り出された複数の誘導可能経路のそれぞれの経路について、車両への負担、所要時間等の各経路の特性の計算がなされる。各誘導可能経路の特性計算のサブルーチンについては後に説明する。
【0024】
次のステップS105においては、ユーザー(運転者)による設定の確認を行う。図13は、本実施形態の車両用誘導経路探索装置の表示部5における表示例を示す図である。図示するように、運転者は、車両用誘導経路探索装置における誘導経路選択基準を「操舵エネルギー最小」、「駆動エネルギー最小」、「タイヤ負荷最小」、「最短時間」などのうちから選択することができるようになっている。運転者は表示部5上に設けられたタッチパネルなどの入力部6から自ら選択した誘導経路選択基準を入力できる。
【0025】
次のステップS106においては、タイヤ状態記憶部7を参照してタイヤの状態を確認する。例えば、運転者が「最短時間」を選択しており、最短時間の誘導経路で車両を移動すると、これまで負荷がかかっていたタイヤによりいっそうの負荷がかかることがタイヤ状態記憶部7の情報で判明することがある。このようなことをステップS106において確認しておく。
【0026】
次のステップS107においては、ユーザーに対して、ユーザーの選択通りに誘導をしてよいかどうかを最終確認する。ユーザーの選択した誘導経路選択基準によって選択された誘導経路では、前記のように、これまで負荷がかかっていたタイヤによりいっそうの負荷がかかることがタイヤ状態記憶部7の情報で判明することがある。このような場合に、タイヤへの負荷をさらにかけたとしても、ユーザーが選択した誘導経路での誘導を望むのかどうかをユーザーに確認する。
図14は、このような場合の、本実施形態の車両用誘導経路探索装置の表示部5における表示例を示す図である。この例では、タイヤ状態記憶部7の情報と誘導可能経路の特性計算とによって、例えば、右後輪への負荷(累積的な負荷も含めて)が大きいことが判明したときに、運転者に対して、選択した誘導経路であくまで誘導するのかを確認している様子を示している。なお、ユーザーの選択した誘導経路選択基準によって選択された誘導経路では、特にタイヤへの負担がかからないこともあるので、このような場合には、ステップS107は省略される。そして、誘導経路の特性の計算結果に基づいてユーザーの選択した誘導経路選択基準に沿う誘導経路を選ぶようにする。
【0027】
次のステップS108においては、最終的に選択された誘導経路によって、車両の自動誘導を行う。なお、車両の自動誘導は必ずしも必須ではなく、誘導経路に沿うように運転者をアシストするような機構を設けておくこともできる。車両用誘導経路探索装置の制御フローはステップS109に進み終了する。
【0028】
次に、先のメインフローチャートのステップS103の誘導可能な経路割り出しのサブルーチンについて説明する。図3は、本実施形態の車両用誘導経路探索装置の誘導可能な経路割り出しのサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【0029】
図3において、ステップS200でサブルーチンの処理が開始されると、まずステップS201に進み、1つの経路パターンを計算する。この経路パターンの具体例については後に示す。次に、ステップS202において、当該経路パターンによる車両の誘導が可能であるか、不可能であるかを判定する。不可能であれば、ステップS201に戻り、あらたな経路パターンについてトライをする。可能であれば、次にステップS203へと進み、全てのパターンを網羅したかどうかを判定する。この判定の結果、まだ完全に網羅していなかった場合には、ステップS201に戻り、また別の経路パターンについて計算を行う。ステップS203での判定の結果、全パターンのチェックが完了していたら、ステップS204に進み、リターンする。
【0030】
ここで、ステップS201における経路パターンの計算のイメージについて図面を参照しつつ説明する。図4乃至図9は、本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。経路パターンの種類としては、基本的には、(1)前輪のみの操舵による通常走行モードのみを利用する経路パターン、(2)前輪をハの字状、後輪を上下逆のハの字状として、操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターン、(3)前輪の操舵と逆位相で後輪を操舵させる4WSモードを利用する経路パターン、(4)操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターン、(5)前輪後輪が同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モード(カニ移動モード)を利用する経路パターンがあり、さらにこれらのパターンのうちいくつかのパターンを組み合わせることにより経路パターンを計算させることができる。これらの種々の経路パターンのうちいくつを試すようにするかは、車両用誘導経路探索装置を構成する上で適宜設定することができる。
【0031】
図4は、前輪のみの操舵による通常走行モードのみを利用する経路パターンの計算イメージである。図4は、車両を上部から俯瞰したものであり、車両ともに車輪の操舵角がわかるように車輪を明示している。また、斜線部は縁石、壁などの障害物、それ以外の場所は車両が通行可能な道路を示している。このような車両周辺の状況は、撮像装置2、測距装置3に取得されたデータによってECU(電子制御ユニット)1で計算される。車両の初期位置は(I)で示されており、車両の目標位置は(III)にて示されている。(II)は初期位置から目標位置までの間の車両の途中の移動状況を示している。O、O’は、それぞれ(II)における車両移動の際の旋回中心を示すものである。線Pと線Qとの内側部分は、基準軌道を操作することなく誘導ルートを計算できる範囲である。すなわち、車両の中心が、この2本の線内に有れば、図中丸印で示されるチェックポイントで車両が障害物部分にかかることなく、車両が移動することができることを示している。図4(A)は、線P上に車両の中心が有る場合の移動の様子を示しており、図4(B)は、線Q上に車両の中心が有る場合の移動の様子を示している。なお、これ以降の同様の図についても図4と同様の見方をするものとする。
【0032】
経路パターンの計算においては、(1)前輪のみの操舵による通常走行モードのみを利用する経路パターンや(3)前輪の操舵と逆位相で後輪を操舵させる4WSモードを利用する経路パターンを利用する場合には、まず基準となる軌道を、目標位置から逆算する。その基準軌道による計算で誘導可能であれば、それを(1)や(3)を利用した経路パターンとする。誘導不可の場合は、境界線(P、Q)を越えない様に基準軌道を平行移動させる。基準軌道の始点と現在位置を平行移動モードの動きでつなぐようにした誘導経路パターンを計算する。
【0033】
また、(2)前輪をハの字状、後輪を上下逆のハの字状として、操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンを計算するには、旋回中心を設定し、(例:車体中心)旋回時に必要な、前方、左方、右方の「はみ出す」量を計算する。次に、目標位置から旋回開始点を逆算する。その基準軌道による計算で誘導可能であれば、それを(2)を利用した経路パターンとする。誘導不可の場合は、境界線(P、Q)を越えない様に基準軌道を平行移動させる。基準軌道の始点と現在位置を平行移動モードの動きでつなぐようにした誘導経路パターンを計算する。
【0034】
図4は、(1)前輪のみの操舵による通常走行モードのみを利用する経路パターンの計算イメージであり、図5は、(2)前輪をハの字状、後輪を上下逆のハの字状として、操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンの計算イメージであり、図6は、(3)前輪の操舵と逆位相で後輪を操舵させる4WSモードを利用する経路パターンを利用する経路パターンの計算イメージである。
【0035】
図7(A)、(B)、(E)、(F)は、(4)操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターンの計算イメージを示している。図7の(C)、(D)は、既出の(2)前輪をハの字状、後輪を上下逆のハの字状として、操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンの計算イメージが参考として示すものである。図中、線Rは、車両左前隅を旋回の中心とした旋回モードに必要な、目標位置に対して前方へはみ出す距離を示す線であり、線Sは、車体中心の「その場回転」旋回モードに必要な、目標位置に対して前方へはみ出す距離を示す線であり、線Tは、車両の右後隅を旋回の中心として旋回モードに必要な、目標位置に対して前方へはみ出す距離を示す線である。
【0036】
図8は、(1)前輪のみの操舵による通常走行モードのみを利用する経路パターンと(5)前輪後輪が同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モードとを組み合わせた経路パターンの計算イメージを示している。図8(A)は、車両の移動開始位置と目標位置を示している。このような位置関係にあるときに、(1)の通常走行モードのみを利用する経路パターンでは、図8(B)に示すように障害物にあたってしまう。そこで、図8(C)に示すように、(5)の車両が平行移動する平行移動モードを利用して平行移動しておき、それから、(1)の通常走行モードを行う、というような経路の計算をする。
【0037】
図9は、(4)操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターンが特に有効である場合を示している。図9(A)は、車両の移動開始位置と目標位置を示している。このような位置関係にあるときに、(1)の通常走行モードのみを利用する経路パターンでは、図9(B)に示すように障害物にあたってしまう。また、(2)の車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンでも、図9(C)に示すように障害物にあたってしまう。そこで、図9(D)に示すように、(4)の操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターンを用いて経路パターンを割り出す。
【0038】
次に、先のメインフローチャートのステップS104の複数の誘導可能経路の特性計算のサブルーチンについて説明する。図10は、本実施形態の車両用誘導経路探索装置の誘導可能経路の特性計算のサブルーチンのフローチャートを示す図である。図10において、ステップS300でサブルーチンの処理が開始されると、まずステップS301に進み、所要時間を計算する。このとき、車両の移動時は一定の移動速度とし、移動モードの切り替え等の停止時には、一定の角速度で操舵角が変更されるものとして時間の換算がなされる。
【0039】
次に、ステップS302に進み、各誘導可能経路における各車輪の操舵角累計を計算する。
【0040】
次に、ステップS303へと進み、各車輪の操舵エネルギーの累計が計算される。ここで、図11乃至図12を参照しつつ、各車輪の操舵エネルギーの累計の計算について説明する。図11は、車両の操舵角の定義を示す図であり、図12は、車両の操舵角と操舵エネルギーのとの関係を示す図である。図11において、車両が操舵角は直進する方向に車輪が向いているときを0degとする。ここで、θdegは、車輪が右方向にきられた場合でも、又は左方向にきられた場合でも正の値を示すものとする。すなわち、θdegは0degからの乖離度を見るだけであって、方向については加味されていない値とする。図12(A)は、θdegが0deg以上の大きい操舵角から90deg方向に操舵角を大きくする時(例えば、0degから30degまで、25degから80degまで、など)の、操舵エネルギーを示している。これに見られるように、車両の速度が大きくなるほど、θdegが0degから増えるにつれて操舵角を多くするための操舵エネルギーは小さくなる。また、図12(B)は、θdegが0deg以上の大きい操舵角から0deg方向に操舵角を小さくする時(例えば、30degから0degまで、80degから25degまで、など)の操舵エネルギーを示している。これに見られるように、車両の速度が大きくなるほど、θdegが0degから増えるにつれて操舵角を小さくするための操舵エネルギーは大きくなる。以上のような操舵角と速度の関係を考慮しながら、ステップ301において操舵エネルギー累計を計算する。
【0041】
再び図10に戻り、ステップS304において、各車輪の駆動エネルギー累計を計算する。この駆動エネルギーは車両が移動するためのエネルギーであり、単位時間あたりの各車輪の移動量(回転数)に基づいて計算される。
【0042】
次に、ステップS305において、各車輪のタイヤ負荷累計を計算する。ここでは、単位時間当たりの各車輪の移動量(回転数)が大きいと、タイヤ負荷が増大するものと計算し、また、(特に停止時における)各車輪の舵角変更量が大きいと、タイヤ負荷が増大するなどとして計算する。これらの、計算結果は車両の各車輪毎について行われて、タイヤ状態記憶部7に累積的にアーカイブとして保存する。
【0043】
ステップS306にて、割り出した全ての誘導経路について特性計算がされたかどうかが判定される。判定の結果、全てではないと判断されると再びステップS301に戻る。ステップS306の判定で、全経路が済んでいるとされると、ステップS307へと進みリターンされる。
【0044】
次に、図15乃至図17を参照しつつ、その他の経路パターンの計算イメージをいくつか説明する。図15(A)は、別の車両等の特定の障害物がある場合の、図15(B)のように、(1)の通常走行モードのみを利用する経路パターンでは、特定の障害物に接触してしまう。そこで、図15(A)に示すような、(2)の操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンを選択する。
【0045】
図16は、極端に壁や縁石などの障害物に車両が寄っているときの例を示すものである。この場合、例えば図16(A)に示すように、(2)の操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターン、或いは図16(C)に示すように、(1)の通常走行モードのみを利用する経路パターン、では誘導することができないので、図16(B)に示すように、(4)の操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターンを用いたり、或いは、図16(D)に示すように、(5)の平行移動モード(カニ移動モード)を利用する経路パターンと(2)の操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンとを組み合わて用いたりする。
【0046】
図17も、極端に壁や縁石などの障害物に車両が寄っているときの例を示すものである。この場合、例えば図17(A)に示すように、(2)の操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターン、或いは図17(C)に示すように、(1)の通常走行モードのみを利用する経路パターン、では誘導することができないので、図17(B)に示すように、(4)の操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターンを用いたり、或いは、図16(D)に示すように、(5)の平行移動モード(カニ移動モード)を利用する経路パターンと(2)の操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンとを組み合わて用いたりする。
【0047】
以上、本実施形態に係る車両用誘導経路探索装置によれば、誘導経路の少なくとも操舵エネルギーを計算し、少なくとも操舵エネルギーが最小となる誘導経路を探索するので、誘導経路を走行するに当たり操舵のために消費するエネルギーを小さくすることができる。
【0048】
さらに運転者の選択基準を入力し、入力された選択基準に沿う誘導経路を探索するので、操舵エネルギー以外の、例えば、誘導経路の中から、各車輪に対して偏った負荷をかけない、最短時間で誘導完了する、等の観点から運転者の優先する最適な経路を選択し、それに沿って自動誘導することにより、運転者の優先する欲求、及び車両への負担を考慮しつつ、運転者への負担を極力低減した、簡単な車両の誘導が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置の構成の概略を示す図である。
【図2】本実施形態の車両用誘導経路探索装置のメインの制御フローを示す図である。
【図3】本実施形態の車両用誘導経路探索装置の誘導可能な経路割り出しのサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図10】本実施形態の車両用誘導経路探索装置の誘導可能経路の特性計算のサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図11】車両の操舵角の定義を示す図である。
【図12】車両の操舵角と操舵エネルギーのとの関係を示す図である。
【図13】本実施形態の車両用誘導経路探索装置の表示部5における表示例を示す図である。
【図14】本実施形態の車両用誘導経路探索装置の表示部5における表示例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【符号の説明】
【0050】
1・・・ECU(電子制御ユニット)、2・・・撮像装置、3・・・測距装置、5・・・表示部、6・・・入力部、7・・・タイヤ状態記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪のみを操舵する通常走行モードと、全ての車輪を操舵する特殊走行モードなどのモードが搭載された四輪独立操舵機構を有する車両において、運転車に対して誘導可能な経路を提供する車両用誘導経路探索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、四輪独立操舵機構を有する車両は、前輪のみの操舵による通常の走行モードに加えて、前輪後輪が同方向に操舵され、車両が平行移動(所謂カニ移動)する走行モードでの走行や、その場での旋回(信地旋回)を行う旋回モードでの走行を可能とする特殊走行モード等を有するものであり、このような四輪独立操舵機構を有する車両の例としては、例えば、特許文献1(特開平8−230708号公報)に、走行時の安定性を確保するために、前輪および/または後輪ステアリングにより複数のステアリングモードを選択可能なホイール式クレーンの、走行速度を検出し、その走行速度に基づいてリアステアリングロック作動、リアステアリングロック解除作動、あるいはステアリングモード切換作動の指令信号を出力するステアリング制御方法であって、走行速度が所定の値以下であることを検出したのち、リアステアリングロック解除の作動指令信号を出力することを特徴とするホイール式クレーンのステアリングモード切換制御方法が開示されている。また、このような四輪独立操舵機構を有する車両に対して、種々の施設内の通路に4輪駆動電気移動車両を走行させる際に、各施設に固有の通路制約条件に適合させて、車両を迅速的確に旋回または方向転換あるいは幅寄せできるようにして、車両を所望位置に円滑迅速に誘導する技術が特許文献2(特開2003−146234号公報)に開示されている。
【特許文献1】特開平8−230708号公報
【特許文献2】特開2003−146234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
四輪独立操舵機構を有する車両においては、車庫入れ時など、区域内の制約条件が厳しくなると、「その場で旋回」する動きや「平行移動」などを利用して車両を目標とする場所にまで移動させることができる。このような車両の操作においては、車庫入れ時など、移動に関して車両周辺の環境に制約がある区域において、車両を目標位置まで誘導する過程は、可能な経路のイメージ能力、その経路上をトレースする操作能力等、熟練度や、繁雑な操作等を、運転者に対して要求することとなる。そこで、四輪独立操舵機構を有する車両においては、車両用誘導経路探索装置を設けておき、運転者に対して、適当な経路を提示する仕組みを設けることとなる。
【0004】
四輪独立操舵機構付きの車両においては、四輪を独立に操舵・駆動するときにおいては、特定車輪への偏った負荷や、大きな操舵角変化による操舵エネルギー消費の増大等を、車両に対して強いることとなる。したがって、車載の車両用誘導経路探索装置が選択し、誘導経路として運転者に提示するものは、このような車両への負担を極力軽減したものであることがある。しかしながら、もう一方では、運転者にしてみれば、少々車両への負担があったとしても、最も短い時間で車庫入れしたい、などというニーズもある。
【0005】
従来の技術では以上のような様々な要因を考慮した上で車両誘導経路を行うものではなかった、という問題がある。そこで、本発明では、事前に誘導可能な経路を全て導出し、その中から、操舵エネルギー消費を最小にする、各車輪に対して偏った負荷をかけない、最短時間で誘導完了する、等の観点から最適な経路を選択し、それに沿って自動誘導することにより、運転者の優先する欲求、及び車両への負担を考慮しつつ、運転者への負担を極力低減した、簡単な車両の誘導が可能となるような車両用誘導経路探索装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両の初期位置から目標位置までへの誘導経路を探索する車両用誘導経路探索装置において、当該車両の初期位置から目標位置までへの誘導経路を割り出す誘導経路割り出し部と、該誘導経路割り出し部で割り出された誘導経路の少なくとも操舵エネルギーを計算する誘導経路特性計算部と、を具備し、該誘導経路特性計算部の計算結果に基づいて少なくとも操舵エネルギーが最小となる誘導経路を探索することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用誘導経路探索装置において、運転者の誘導経路選択基準を入力する誘導経路選択基準入力部を具備し、誘導経路を特性計算部の計算結果に基づいて該誘導経路選択基準入力部に入力された選択基準に沿う誘導経路を探索することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用誘導経路探索装置において、該誘導経路特性計算部は、車輪に作用する負担を計算し、該計算の結果、車輪負担が大きい場合には、その旨運転者に報知することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用誘導経路探索装置において、独立して操舵可能な複数の車輪を有し、該複数の車輪のうち所定の車輪のみを操舵する通常走行モードと、該複数の車輪の全てを操舵する特殊走行モードと、該特殊走行モードは、該複数の車輪の全てが同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モードと、前輪がハの字状、後輪が上下逆のハの字状に操舵され、略その場で車両が回転するその場回転モードのうち少なくとも1つを備え、該誘導経路割り出し部は、該通常走行モード及び該特殊走行モードによる誘導経路を割り出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本実施形態に係る車両用誘導経路探索装置によれば、誘導経路の少なくとも操舵エネルギーを計算し、少なくとも操舵エネルギーが最小となる誘導経路を探索するので、誘導経路を走行するに当たり操舵のために消費するエネルギーを小さくすることができる。
【0011】
さらに運転者の選択基準を入力し、入力された選択基準に沿う誘導経路を探索するので、操舵エネルギー以外の、例えば、誘導経路の中から、各車輪に対して偏った負荷をかけない、最短時間で誘導完了する、等の観点から運転者の優先する最適な経路を選択し、それに沿って自動誘導することにより、運転者の優先する欲求、及び車両への負担を考慮しつつ、運転者への負担を極力低減した、簡単な車両の誘導が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る車両用誘導経路探索装置のシステム構成の概略を示す図である。図1において、1はCPUや演算装置からなるECU(電子制御ユニット)、2は車両の周辺状況を撮影する撮像装置、3は車両の周囲の障害物などと車両との距離を計測する測距装置、5は車両の運転室内に設けられユーザーに対して所定のメッセージを報知する表示パネルなどからなる表示部、6は車両の運転席から運転者がモード指示などを行うための入力部、7は車両の各タイヤの状態のアーカイブであるタイヤ状態記憶部である。
【0013】
なお、図1の車両用誘導経路探索装置のシステム構成においては、本発明の実施の形態に係る部分のみを図示しており、ECU(電子制御ユニット)には、本実施形態の車両用誘導経路探索装置のための制御以外の他の制御を行うためのセンサ類、またそれらのセンサ類のセンシング結果によって車両搭載の各種機器を制御する制御装置類、大容量記憶装置、通信装置などが接続されるものである。ECU(電子制御ユニット)には、不図示の不揮発性記憶手段が接続されており、当該不揮発性記憶手段は、本実施形態に係る車両用誘導経路探索装置を動作させるためのプログラム、及び前述したような他の制御のためのプログラムが記憶・格納されている。
【0014】
撮像装置2は、例えば、CCDカメラなどにより構成され、車両の前部及び後部に設けられて、これらにより車両の前方及びに広がる所定領域内の周辺状況を撮影するものである。この撮像装置2により撮影された周辺状況の画像データは、ECU1において画像処理され、車両用誘導経路探索のために利用される。撮像装置2は、車外に設けたCCDカメラなどで撮影した画像データを無線通信で車両に送信するように構成することもできる。
【0015】
測距装置3は、例えば、レーザーレーダー、或いはミリ波レーダー等からなる距離センサであり、障害物と車両との間を計測するものであり、この情報は、ECU1に入力され、車両用誘導経路探索のために利用される。
【0016】
表示部5は、例えば、液晶パネルのような表示装置であり、ECU1などから発信される所定の情報を、車両の運転室内に設けられユーザーに対して報知する。また、入力部6は、例えば、表示部5の表示面に設けられたタッチパネルなどで構成し、運転者が当該表示面に触れることによって、運転者の意志をECU1に伝達することができるようなユーザーインターフェイスとするとよい。
【0017】
タイヤ状態記憶部7は、不図示の磨耗をチェックするセンサ類や車両の移動経歴などからの情報をアーカイブしておくものであり、ECU1はタイヤ状態記憶部7を参照することによって、タイヤの磨耗状態を確認することができるものである。
【0018】
ここで、本実施形態の車両用誘導経路探索装置が搭載される車両は、四輪独立操舵機構を有する車両であり、車両に設けられた四輪の操舵角それぞれを独立に駆動して各種の走行モードを選択できるものである。本実施形態の車両用誘導経路探索装置が搭載される車両には、このような走行モードとして、前輪のみの操舵による通常走行モード、前輪後輪が同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モード(カニ移動モード)、前輪がハの字状、後輪が上下逆のハの字状に操舵され、その場で車両が旋回(信地旋回)する旋回モード等を備えるものである。
【0019】
図2は、本実施形態の車両用誘導経路探索装置のメインの制御フローを示す図である。図2の制御フローは、不図示の不揮発性記憶手段に記述された本実施形態の車両用誘導経路探索装置のプログラムに基づいて、図1におけるECU(電子制御ユニット)1、撮像装置2、測距装置3、表示部5、入力部6、タイヤ状態記憶部7が協働することによって実現される。当該プログラムは、車両全体の制御用プログラムの一つのルーチンである、というように考えることができる。
【0020】
図2において、ステップS100で処理が開始されると、まずステップS101に進み、撮像装置2、測距装置3の情報に基づいて、車両の周辺環境の認識がなされる。このステップにおいては、車両から前後左右の障害物(例:壁、境界線など)の位置、距離を認識したり、一時的な障害物(例:駐車車両、ごみなど)の位置、距離を認識したりする。
【0021】
次に、ステップS102において、撮像装置2、測距装置3、入力部6からの情報により、車両の初期位置/目標位置の認識がなされる。ここでは目標位置から現在位置までの相対的な位置関係、角度等が認識される。
【0022】
次に、ステップS103においては、誘導可能な経路割り出しのサブルーチンへととび、当該サブルーチンにおいて車両の初期位置ら目標位置までの複数の誘導経路の割り出しを行う。この誘導可能な経路割り出しのサブルーチンについては後に説明する。
【0023】
次のステップS104においては、複数の誘導可能経路の特性計算のサブルーチンへととび、ステップS103で割り出された複数の誘導可能経路のそれぞれの経路について、車両への負担、所要時間等の各経路の特性の計算がなされる。各誘導可能経路の特性計算のサブルーチンについては後に説明する。
【0024】
次のステップS105においては、ユーザー(運転者)による設定の確認を行う。図13は、本実施形態の車両用誘導経路探索装置の表示部5における表示例を示す図である。図示するように、運転者は、車両用誘導経路探索装置における誘導経路選択基準を「操舵エネルギー最小」、「駆動エネルギー最小」、「タイヤ負荷最小」、「最短時間」などのうちから選択することができるようになっている。運転者は表示部5上に設けられたタッチパネルなどの入力部6から自ら選択した誘導経路選択基準を入力できる。
【0025】
次のステップS106においては、タイヤ状態記憶部7を参照してタイヤの状態を確認する。例えば、運転者が「最短時間」を選択しており、最短時間の誘導経路で車両を移動すると、これまで負荷がかかっていたタイヤによりいっそうの負荷がかかることがタイヤ状態記憶部7の情報で判明することがある。このようなことをステップS106において確認しておく。
【0026】
次のステップS107においては、ユーザーに対して、ユーザーの選択通りに誘導をしてよいかどうかを最終確認する。ユーザーの選択した誘導経路選択基準によって選択された誘導経路では、前記のように、これまで負荷がかかっていたタイヤによりいっそうの負荷がかかることがタイヤ状態記憶部7の情報で判明することがある。このような場合に、タイヤへの負荷をさらにかけたとしても、ユーザーが選択した誘導経路での誘導を望むのかどうかをユーザーに確認する。
図14は、このような場合の、本実施形態の車両用誘導経路探索装置の表示部5における表示例を示す図である。この例では、タイヤ状態記憶部7の情報と誘導可能経路の特性計算とによって、例えば、右後輪への負荷(累積的な負荷も含めて)が大きいことが判明したときに、運転者に対して、選択した誘導経路であくまで誘導するのかを確認している様子を示している。なお、ユーザーの選択した誘導経路選択基準によって選択された誘導経路では、特にタイヤへの負担がかからないこともあるので、このような場合には、ステップS107は省略される。そして、誘導経路の特性の計算結果に基づいてユーザーの選択した誘導経路選択基準に沿う誘導経路を選ぶようにする。
【0027】
次のステップS108においては、最終的に選択された誘導経路によって、車両の自動誘導を行う。なお、車両の自動誘導は必ずしも必須ではなく、誘導経路に沿うように運転者をアシストするような機構を設けておくこともできる。車両用誘導経路探索装置の制御フローはステップS109に進み終了する。
【0028】
次に、先のメインフローチャートのステップS103の誘導可能な経路割り出しのサブルーチンについて説明する。図3は、本実施形態の車両用誘導経路探索装置の誘導可能な経路割り出しのサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【0029】
図3において、ステップS200でサブルーチンの処理が開始されると、まずステップS201に進み、1つの経路パターンを計算する。この経路パターンの具体例については後に示す。次に、ステップS202において、当該経路パターンによる車両の誘導が可能であるか、不可能であるかを判定する。不可能であれば、ステップS201に戻り、あらたな経路パターンについてトライをする。可能であれば、次にステップS203へと進み、全てのパターンを網羅したかどうかを判定する。この判定の結果、まだ完全に網羅していなかった場合には、ステップS201に戻り、また別の経路パターンについて計算を行う。ステップS203での判定の結果、全パターンのチェックが完了していたら、ステップS204に進み、リターンする。
【0030】
ここで、ステップS201における経路パターンの計算のイメージについて図面を参照しつつ説明する。図4乃至図9は、本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。経路パターンの種類としては、基本的には、(1)前輪のみの操舵による通常走行モードのみを利用する経路パターン、(2)前輪をハの字状、後輪を上下逆のハの字状として、操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターン、(3)前輪の操舵と逆位相で後輪を操舵させる4WSモードを利用する経路パターン、(4)操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターン、(5)前輪後輪が同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モード(カニ移動モード)を利用する経路パターンがあり、さらにこれらのパターンのうちいくつかのパターンを組み合わせることにより経路パターンを計算させることができる。これらの種々の経路パターンのうちいくつを試すようにするかは、車両用誘導経路探索装置を構成する上で適宜設定することができる。
【0031】
図4は、前輪のみの操舵による通常走行モードのみを利用する経路パターンの計算イメージである。図4は、車両を上部から俯瞰したものであり、車両ともに車輪の操舵角がわかるように車輪を明示している。また、斜線部は縁石、壁などの障害物、それ以外の場所は車両が通行可能な道路を示している。このような車両周辺の状況は、撮像装置2、測距装置3に取得されたデータによってECU(電子制御ユニット)1で計算される。車両の初期位置は(I)で示されており、車両の目標位置は(III)にて示されている。(II)は初期位置から目標位置までの間の車両の途中の移動状況を示している。O、O’は、それぞれ(II)における車両移動の際の旋回中心を示すものである。線Pと線Qとの内側部分は、基準軌道を操作することなく誘導ルートを計算できる範囲である。すなわち、車両の中心が、この2本の線内に有れば、図中丸印で示されるチェックポイントで車両が障害物部分にかかることなく、車両が移動することができることを示している。図4(A)は、線P上に車両の中心が有る場合の移動の様子を示しており、図4(B)は、線Q上に車両の中心が有る場合の移動の様子を示している。なお、これ以降の同様の図についても図4と同様の見方をするものとする。
【0032】
経路パターンの計算においては、(1)前輪のみの操舵による通常走行モードのみを利用する経路パターンや(3)前輪の操舵と逆位相で後輪を操舵させる4WSモードを利用する経路パターンを利用する場合には、まず基準となる軌道を、目標位置から逆算する。その基準軌道による計算で誘導可能であれば、それを(1)や(3)を利用した経路パターンとする。誘導不可の場合は、境界線(P、Q)を越えない様に基準軌道を平行移動させる。基準軌道の始点と現在位置を平行移動モードの動きでつなぐようにした誘導経路パターンを計算する。
【0033】
また、(2)前輪をハの字状、後輪を上下逆のハの字状として、操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンを計算するには、旋回中心を設定し、(例:車体中心)旋回時に必要な、前方、左方、右方の「はみ出す」量を計算する。次に、目標位置から旋回開始点を逆算する。その基準軌道による計算で誘導可能であれば、それを(2)を利用した経路パターンとする。誘導不可の場合は、境界線(P、Q)を越えない様に基準軌道を平行移動させる。基準軌道の始点と現在位置を平行移動モードの動きでつなぐようにした誘導経路パターンを計算する。
【0034】
図4は、(1)前輪のみの操舵による通常走行モードのみを利用する経路パターンの計算イメージであり、図5は、(2)前輪をハの字状、後輪を上下逆のハの字状として、操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンの計算イメージであり、図6は、(3)前輪の操舵と逆位相で後輪を操舵させる4WSモードを利用する経路パターンを利用する経路パターンの計算イメージである。
【0035】
図7(A)、(B)、(E)、(F)は、(4)操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターンの計算イメージを示している。図7の(C)、(D)は、既出の(2)前輪をハの字状、後輪を上下逆のハの字状として、操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンの計算イメージが参考として示すものである。図中、線Rは、車両左前隅を旋回の中心とした旋回モードに必要な、目標位置に対して前方へはみ出す距離を示す線であり、線Sは、車体中心の「その場回転」旋回モードに必要な、目標位置に対して前方へはみ出す距離を示す線であり、線Tは、車両の右後隅を旋回の中心として旋回モードに必要な、目標位置に対して前方へはみ出す距離を示す線である。
【0036】
図8は、(1)前輪のみの操舵による通常走行モードのみを利用する経路パターンと(5)前輪後輪が同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モードとを組み合わせた経路パターンの計算イメージを示している。図8(A)は、車両の移動開始位置と目標位置を示している。このような位置関係にあるときに、(1)の通常走行モードのみを利用する経路パターンでは、図8(B)に示すように障害物にあたってしまう。そこで、図8(C)に示すように、(5)の車両が平行移動する平行移動モードを利用して平行移動しておき、それから、(1)の通常走行モードを行う、というような経路の計算をする。
【0037】
図9は、(4)操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターンが特に有効である場合を示している。図9(A)は、車両の移動開始位置と目標位置を示している。このような位置関係にあるときに、(1)の通常走行モードのみを利用する経路パターンでは、図9(B)に示すように障害物にあたってしまう。また、(2)の車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンでも、図9(C)に示すように障害物にあたってしまう。そこで、図9(D)に示すように、(4)の操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターンを用いて経路パターンを割り出す。
【0038】
次に、先のメインフローチャートのステップS104の複数の誘導可能経路の特性計算のサブルーチンについて説明する。図10は、本実施形態の車両用誘導経路探索装置の誘導可能経路の特性計算のサブルーチンのフローチャートを示す図である。図10において、ステップS300でサブルーチンの処理が開始されると、まずステップS301に進み、所要時間を計算する。このとき、車両の移動時は一定の移動速度とし、移動モードの切り替え等の停止時には、一定の角速度で操舵角が変更されるものとして時間の換算がなされる。
【0039】
次に、ステップS302に進み、各誘導可能経路における各車輪の操舵角累計を計算する。
【0040】
次に、ステップS303へと進み、各車輪の操舵エネルギーの累計が計算される。ここで、図11乃至図12を参照しつつ、各車輪の操舵エネルギーの累計の計算について説明する。図11は、車両の操舵角の定義を示す図であり、図12は、車両の操舵角と操舵エネルギーのとの関係を示す図である。図11において、車両が操舵角は直進する方向に車輪が向いているときを0degとする。ここで、θdegは、車輪が右方向にきられた場合でも、又は左方向にきられた場合でも正の値を示すものとする。すなわち、θdegは0degからの乖離度を見るだけであって、方向については加味されていない値とする。図12(A)は、θdegが0deg以上の大きい操舵角から90deg方向に操舵角を大きくする時(例えば、0degから30degまで、25degから80degまで、など)の、操舵エネルギーを示している。これに見られるように、車両の速度が大きくなるほど、θdegが0degから増えるにつれて操舵角を多くするための操舵エネルギーは小さくなる。また、図12(B)は、θdegが0deg以上の大きい操舵角から0deg方向に操舵角を小さくする時(例えば、30degから0degまで、80degから25degまで、など)の操舵エネルギーを示している。これに見られるように、車両の速度が大きくなるほど、θdegが0degから増えるにつれて操舵角を小さくするための操舵エネルギーは大きくなる。以上のような操舵角と速度の関係を考慮しながら、ステップ301において操舵エネルギー累計を計算する。
【0041】
再び図10に戻り、ステップS304において、各車輪の駆動エネルギー累計を計算する。この駆動エネルギーは車両が移動するためのエネルギーであり、単位時間あたりの各車輪の移動量(回転数)に基づいて計算される。
【0042】
次に、ステップS305において、各車輪のタイヤ負荷累計を計算する。ここでは、単位時間当たりの各車輪の移動量(回転数)が大きいと、タイヤ負荷が増大するものと計算し、また、(特に停止時における)各車輪の舵角変更量が大きいと、タイヤ負荷が増大するなどとして計算する。これらの、計算結果は車両の各車輪毎について行われて、タイヤ状態記憶部7に累積的にアーカイブとして保存する。
【0043】
ステップS306にて、割り出した全ての誘導経路について特性計算がされたかどうかが判定される。判定の結果、全てではないと判断されると再びステップS301に戻る。ステップS306の判定で、全経路が済んでいるとされると、ステップS307へと進みリターンされる。
【0044】
次に、図15乃至図17を参照しつつ、その他の経路パターンの計算イメージをいくつか説明する。図15(A)は、別の車両等の特定の障害物がある場合の、図15(B)のように、(1)の通常走行モードのみを利用する経路パターンでは、特定の障害物に接触してしまう。そこで、図15(A)に示すような、(2)の操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンを選択する。
【0045】
図16は、極端に壁や縁石などの障害物に車両が寄っているときの例を示すものである。この場合、例えば図16(A)に示すように、(2)の操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターン、或いは図16(C)に示すように、(1)の通常走行モードのみを利用する経路パターン、では誘導することができないので、図16(B)に示すように、(4)の操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターンを用いたり、或いは、図16(D)に示すように、(5)の平行移動モード(カニ移動モード)を利用する経路パターンと(2)の操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンとを組み合わて用いたりする。
【0046】
図17も、極端に壁や縁石などの障害物に車両が寄っているときの例を示すものである。この場合、例えば図17(A)に示すように、(2)の操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターン、或いは図17(C)に示すように、(1)の通常走行モードのみを利用する経路パターン、では誘導することができないので、図17(B)に示すように、(4)の操舵車両の略中心以外を旋回の中心(任意の旋回中心軸)とし旋回するモードを利用する経路パターンを用いたり、或いは、図16(D)に示すように、(5)の平行移動モード(カニ移動モード)を利用する経路パターンと(2)の操舵車両の略中心を旋回の中心としその場で旋回するモードを利用する経路パターンとを組み合わて用いたりする。
【0047】
以上、本実施形態に係る車両用誘導経路探索装置によれば、誘導経路の少なくとも操舵エネルギーを計算し、少なくとも操舵エネルギーが最小となる誘導経路を探索するので、誘導経路を走行するに当たり操舵のために消費するエネルギーを小さくすることができる。
【0048】
さらに運転者の選択基準を入力し、入力された選択基準に沿う誘導経路を探索するので、操舵エネルギー以外の、例えば、誘導経路の中から、各車輪に対して偏った負荷をかけない、最短時間で誘導完了する、等の観点から運転者の優先する最適な経路を選択し、それに沿って自動誘導することにより、運転者の優先する欲求、及び車両への負担を考慮しつつ、運転者への負担を極力低減した、簡単な車両の誘導が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置の構成の概略を示す図である。
【図2】本実施形態の車両用誘導経路探索装置のメインの制御フローを示す図である。
【図3】本実施形態の車両用誘導経路探索装置の誘導可能な経路割り出しのサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図10】本実施形態の車両用誘導経路探索装置の誘導可能経路の特性計算のサブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図11】車両の操舵角の定義を示す図である。
【図12】車両の操舵角と操舵エネルギーのとの関係を示す図である。
【図13】本実施形態の車両用誘導経路探索装置の表示部5における表示例を示す図である。
【図14】本実施形態の車両用誘導経路探索装置の表示部5における表示例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る車両用操作装置による経路パターン計算のイメージ図である。
【符号の説明】
【0050】
1・・・ECU(電子制御ユニット)、2・・・撮像装置、3・・・測距装置、5・・・表示部、6・・・入力部、7・・・タイヤ状態記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の初期位置から目標位置までへの誘導経路を探索する車両用誘導経路探索装置において、
当該車両の初期位置から目標位置までへの誘導経路を割り出す誘導経路割り出し部と、
該誘導経路割り出し部で割り出された誘導経路の少なくとも操舵エネルギーを計算する誘導経路特性計算部と、を具備し、
該誘導経路特性計算部の計算結果に基づいて少なくとも操舵エネルギーが最小となる誘導経路を探索することを特徴とする車両用誘導経路探索装置。
【請求項2】
運転者の誘導経路選択基準を入力する誘導経路選択基準入力部を具備し、
誘導経路を特性計算部の計算結果に基づいて該誘導経路選択基準入力部に入力された選択基準に沿う誘導経路を探索することを特徴とする請求項1に記載の車両用誘導経路探索装置。
【請求項3】
該誘導経路特性計算部は、車輪に作用する負担を計算し、該計算の結果、車輪負担が大きい場合には、その旨運転者に報知することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用誘導経路探索装置。
【請求項4】
独立して操舵可能な複数の車輪を有し、該複数の車輪のうち所定の車輪のみを操舵する通常走行モードと、
該複数の車輪の全てを操舵する特殊走行モードと、
該特殊走行モードは、該複数の車輪の全てが同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モードと、前輪がハの字状、後輪が上下逆のハの字状に操舵され、略その場で車両が回転するその場回転モードのうち少なくとも1つを備え、
該誘導経路割り出し部は、該通常走行モード及び該特殊走行モードによる誘導経路を割り出すことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用誘導経路探索装置。
【請求項1】
車両の初期位置から目標位置までへの誘導経路を探索する車両用誘導経路探索装置において、
当該車両の初期位置から目標位置までへの誘導経路を割り出す誘導経路割り出し部と、
該誘導経路割り出し部で割り出された誘導経路の少なくとも操舵エネルギーを計算する誘導経路特性計算部と、を具備し、
該誘導経路特性計算部の計算結果に基づいて少なくとも操舵エネルギーが最小となる誘導経路を探索することを特徴とする車両用誘導経路探索装置。
【請求項2】
運転者の誘導経路選択基準を入力する誘導経路選択基準入力部を具備し、
誘導経路を特性計算部の計算結果に基づいて該誘導経路選択基準入力部に入力された選択基準に沿う誘導経路を探索することを特徴とする請求項1に記載の車両用誘導経路探索装置。
【請求項3】
該誘導経路特性計算部は、車輪に作用する負担を計算し、該計算の結果、車輪負担が大きい場合には、その旨運転者に報知することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用誘導経路探索装置。
【請求項4】
独立して操舵可能な複数の車輪を有し、該複数の車輪のうち所定の車輪のみを操舵する通常走行モードと、
該複数の車輪の全てを操舵する特殊走行モードと、
該特殊走行モードは、該複数の車輪の全てが同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モードと、前輪がハの字状、後輪が上下逆のハの字状に操舵され、略その場で車両が回転するその場回転モードのうち少なくとも1つを備え、
該誘導経路割り出し部は、該通常走行モード及び該特殊走行モードによる誘導経路を割り出すことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用誘導経路探索装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−24195(P2008−24195A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200207(P2006−200207)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】
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