車両用電源装置およびこれを搭載した車両
【課題】 暖気時間を短縮して、いち早く効率的な走行を実現できる車両用電源装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 車両用電源装置10は、車両駆動用の電力を供給する燃料電池11と、燃料電池11と共に電力を供給する二次電池12と、燃料電池11近傍および二次電池12近傍に第1冷媒を循環する第1循環通路13と、を有する。
【解決手段】 車両用電源装置10は、車両駆動用の電力を供給する燃料電池11と、燃料電池11と共に電力を供給する二次電池12と、燃料電池11近傍および二次電池12近傍に第1冷媒を循環する第1循環通路13と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池および二次電池を有する車両用電源装置およびこれを搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池を搭載した車両の開発が盛んである。燃料電池搭載車両の中には、燃料電池に加えて二次電池も搭載し、燃料電池のエネルギーを補間するものがある。このような車両によれば、燃料電池の出力の過不足に対応して二次電池を充放電することによって、効率のよい走行が可能となる(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−99057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記技術を採用した車両においても、燃料電池および二次電池が動作するための適当な温度(以下、動作適温という)に到達するまでは、効率よく走行できない。つまり、燃料電池および二次電池が動作適温に到達するまでの暖気時間を開花するまでは、効率のよい走行ができない。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、暖気時間を短縮して、いち早く効率的な走行を実現できる車両用電源装置およびこれを搭載した車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の車両用電源装置は、車両駆動用の電力を供給する燃料電池と、前記燃料電池と共に電力を供給する二次電池と、前記燃料電池近傍および前記二次電池近傍に第1冷媒を循環する第1循環通路と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の車両用電源装置によれば、第1冷媒が燃料電池および二次電池近傍を循環する。燃料電池により加熱された第1冷媒が二次電池近傍を通過する。第1冷媒により二次電池が加熱されるので、二次電池が動作適温に到達するまでの時間、すなわち暖気時間を短縮できる。したがって、いち早く効率的な走行を車両に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0008】
図1は、車両の駆動系の該略構成図である。
【0009】
車両の駆動系は、車両用電源装置10、DC/DCコンバータ92、インバータ94、モータ96、前輪98を有する。
【0010】
車両用電源装置10は、車両の駆動に必要な電力を発生する。車両用電源装置10は、DC/DCコンバータ92およびインバータ94を介してモータ96に電力を供給する。この電力によりモータ96は、回転動力を発生する。回転動力は前輪98に伝達される。これにより、車両が駆動する。
【0011】
車両用電源装置10は、燃料電池11と二次電池12とを含む。燃料電池11は、燃料として消費される水素、酸素を連続して補給することにより発電する電池である。二次電池12は、充放電可能な電池である。二次電池12としては、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、鉛酸二次電池などが上げられる。二次電池12としては、好ましくは、リチウムイオン二次電池が用いられる。
【0012】
次に、上記駆動系の車両用電源装置10について、詳細な構成を説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図2は、車両用電源装置の構成図である。
【0014】
車両用電源装置10は、燃料電池11、二次電池12、循環通路(第1循環通路)13、電動ポンプ14、放熱器15および制御部16を含む。
【0015】
燃料電池11および二次電池12は、並んで配置されている。
【0016】
循環通路13は、内部に冷媒(第1冷媒)を流すための閉じた流路が形成されており、該流路に冷媒が充填されている。循環通路13は、燃料電池11の近傍および二次電池12の近傍に冷媒が通過するように配置されている。循環通路13内において、燃料電池11および二次電池12近傍を通過した冷媒は、放熱器15を通過して、再度、燃料電池11および二次電池12に供給される。循環通路13には、電動ポンプ14が接続されている。
【0017】
電動ポンプ14は、駆動すると、図中矢印で示すように、循環通路13内で冷媒を循環させる。
【0018】
放熱器15は、循環通路13に設けられている。放熱器15は、燃料電池11および二次電池12を通過して、それらの熱により加熱された冷媒を冷却する。ここで、放熱器15は、冷媒が所定温度以上にならないように、すなわち、燃料電池11を動作適温に維持できるように、冷媒温度を、たとえば、80度付近に維持する。
【0019】
制御部16は、電動ポンプ14に接続され、車両の始動に従って、電動ポンプ14を駆動制御する。
【0020】
次に、上記車両用電源装置の作用について説明する。
【0021】
図3は、車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【0022】
まず、制御部16は、車両が始動されたか否かを判断する(ステップS1)。車両が始動されていない場合(ステップS1:NO)、始動されるまで待機する。
【0023】
車両が始動された場合(ステップS1:YES)、制御部16は、電動ポンプ14を駆動する(ステップS2)。ここで、車両が始動されると、燃料電池11は放電を開始し、二次電池12も充放電を開始する。燃料電池11および二次電池12は、それぞれ自己発熱して温度が上昇する。したがって、電動ポンプ14の駆動により冷媒が循環し始めると、冷媒は燃料電池11を通過する際に、温度が上昇する。
【0024】
温度が上昇した冷媒は、二次電池12を通過する際に、二次電池12に熱を与える。したがって、二次電池12の温度が上昇する。つまり、冷媒を介して、燃料電池11の熱が、二次電池12に伝達される。
【0025】
以上のように、本実施形態では、燃料電池11を動作適温に維持するための循環通路13の途中に、二次電池12を配置している。したがって、燃料電池11の発熱により温度上昇した冷媒により、二次電池12が暖められる。これにより、二次電池12が最も効率良く充放電を実行できる温度に到達するまでの時間、すなわち、暖気時間を短縮できる。結果として、いち早く効率的な走行を車両に実現できる。
【0026】
特に、燃料電池11および二次電池12は、並んで配置されており、冷媒は、燃料電池11近傍を通過した直後に、二次電池12近傍を通過する。したがって、燃料電池11により暖められた冷媒が放熱器15により冷却される前に、効率良く二次電池12を加熱できる。
【0027】
さらに、暖気時間が経過した後、二次電池12がさらに温度上昇した場合、冷媒は、二次電池12を冷却するように作用する。したがって、二次電池12の温度が適当な作動温度に維持される。このように、燃料電池11の温度制御のための系を、二次電池12にも適用できるのは、燃料電池11の適当な動作温度が、二次電池12においても適当な動作温度であるからである。
【0028】
上記実施形態では、二次電池12にバイポーラ電池を用いることができる。バイポーラ電池を用いることにより、高出力でコンパクトな二次電池が得られ、車両に適用するのにより好適な車両用電源装置が得られる。
【0029】
適用できるバイポーラ電池について簡単に説明する。
【0030】
図4はバイポーラ電池の概略構成を示す図である。
【0031】
バイポーラ電池は、集電体51の一方の面に正極52が形成され、他方の面に負極53が形成されたバイポーラ電極54を電解質層55を挟んで複数枚直列に積層してなる。
【0032】
正極52に含まれる主要な活物質には、リチウムと遷移金属との複合酸化物を使用できる。具体的には、LiCoO2などのLi・Co系複合酸化物、LiNiO2などのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMn2O4などのLi・Mn系複合酸化物、LiFeO2などのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。特に、LiFePO4が好ましい。LiFePO4を用いることによって、耐熱性に優れた二次電池を構成できる。
【0033】
また、負極53に含まれる主要な活物質には、カーボンもしくはリチウムと金属酸化物もしくは金属との複合酸化物を使用できる。特に、Li4Ti5O12が好ましい。Li4Ti5O12を用いることによって、耐熱性に優れた二次電池を構成できる。
【0034】
電解質層55は、イオン伝導性を有する高分子から構成される層であり、イオン伝導性を示すのであれば材料は限定されない。特に、主要な電解質として極性高分子およびリチウム塩が含まれることが好ましい。これにより耐熱性に優れ、かつ液漏れの虞がない。信頼性を向上できる。
【0035】
さらに、極性高分子はポリアルキレンオキシドであることが好ましい。ポリアルキレンオキシドはイオン電動度が高いからである。ポリアルキレンオキシドのなかでも特に高分子側鎖としてエチレンオキシド鎖を持つものを用いることが好ましい。信頼性の高い電源を構成できる。
【0036】
(第2実施形態)
第1実施形態とは異なる車両用電源装置10の構成について説明する。
【0037】
図5は車両用電源装置の構成図であり、5(A)はバイパス側に冷媒を流す様子を示す図、5(B)は放熱器側に冷媒を流す様子を示す図である。
【0038】
図5に示すように、第2実施形態においては、車両用電源装置10は、燃料電池11、二次電池12、電動ポンプ14、放熱器15、循環通路(第1循環通路)21、三方バルブ(第1切替手段)22、温度計(第1温度計)23、制御部24を含む。第1実施形態と同様の構成には、同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0039】
循環通路21は、内部に冷媒(第1冷媒)を流すための閉じた流路が形成されており、該流路に冷媒が充填されている。循環通路21は、燃料電池11の近傍および二次電池12の近傍に冷媒が通過するように配置されている。循環通路21には、電動ポンプ14が設けられている。
【0040】
電動ポンプ14は、駆動により図5(A)に示す矢印の方向に冷媒が循環させる。循環通路21は、二次電池12の先で、二通路に分岐している。二通路の一方には、放熱器15が接続されている。以下では、放熱器15が接続されている通路を、放熱通路25という。また、放熱器が接続されていない方の通路を、バイパス通路26という。
【0041】
三方バルブ22は、循環通路21が二通路に分かれる分岐点に配置されている。三方バルブ22は、冷媒を放熱通路25に流すか、バイパス通路26に流すかを切替可能である。三方バルブ22は、制御部24に接続され、流路の切替が制御されている。
【0042】
温度計23は、燃料電池11に取り付けられ、燃料電池11の温度を検出する。
【0043】
制御部24は、電動ポンプ14、三方バルブ22および温度計23に接続されている。制御部24は、車両の始動に基づいて電動ポンプ14を制御する。また、制御部24は、温度計23の検出結果に基づいて、三方バルブ22を制御する。
【0044】
次に、上記車両用電源装置の作用について説明する。
【0045】
図6は、車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【0046】
まず、制御部24は、車両が始動されたか否かを判断する(ステップS11)。車両が始動されていない場合(ステップS11:NO)、始動されるまで待機する。
【0047】
車両が始動された場合(ステップS11:YES)、制御部24は、三方バルブ22を制御して、バイパス通路26側を開状態、放熱通路25側を閉状態とする(ステップS12)。ここで、車両が始動されると、燃料電池11は放電を開始し、二次電池12も充放電を開始する。燃料電池11および二次電池12は、それぞれ自己発熱して温度が上昇し始める。
【0048】
続けて、制御部16は、電動ポンプ14を駆動する(ステップS13)。すると、図5(A)に矢印で示すように、冷媒がバイパス通路26を流れる。冷媒は、燃料電池11近傍を通過する際に燃料電池11の自己発熱により加熱され、二次電池12近傍を通過する際に二次電池12に熱が奪われる。つまり、冷媒を介して、燃料電池11の熱が、二次電池12に伝達される。
【0049】
温度計23により燃料電池11の温度T1が検出される(ステップS14)。検出された温度T1が、所定温度Ta以上か否かが判断される(ステップS15)。ここで、所定温度Taとは、燃料電池11の動作適温である。
【0050】
検出温度T1が所定温度Ta未満の場合(ステップS14:NO)、温度計23による温度検出を繰り返す。燃料電池11が十分に温まって、検出温度T1が所定温度Ta以上になったら(ステップS14:YES)、制御部24は、三方バルブ22を制御して、バイパス通路26側を閉状態、放熱通路25側を開状態とする(ステップS16)。これにより、図5(B)に矢印で示すように、冷媒が放熱通路25を流れ始める。
【0051】
以上のように、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、燃料電池11の温度を制御するための冷媒を通す循環通路21近傍に二次電池12も配置している。したがって、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0052】
加えて、第2実施形態では、燃料電池11の温度T1を検出して三方バルブ22を切替え、燃料電池11が動作適温になるまでは冷媒をバイパス通路26に通す。燃料電池11が動作適温になったら、冷媒を放熱通路25に通す。したがって、燃料電池11が動作適温になるまでは、冷媒が放熱器15により放熱されない。放熱されない冷媒は動作適温までは温度が次第に向上するので、冷媒による二次電池12の加熱がより促進される。
【0053】
一方、燃料電池11が動作適温になったら、冷媒が放熱器15を通り、冷却されて、循環通路21に循環される。したがって、燃料電池11および二次電池12の過熱が防止される。
【0054】
(第3実施形態)
さらに異なる車両用電源装置10の構成について説明する。
【0055】
図7は車両用電源装置の構成図であり、図7(A)は第1冷媒のみ循環する様子を示す図、図7(B)は第1冷媒および第2冷媒を循環する様子を示す図である。
【0056】
図7に示すように、第3実施形態においては、車両用電源装置10は、燃料電池11、二次電池12、第1電動ポンプ14、温度計23、第1循環通路31、熱交換器32、第2循環通路33、第2電動ポンプ(ポンプ)34、放熱器(第2放熱器)35および制御部36を含む。第1実施形態および第2実施形態と同様の構成には、同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0057】
第1循環通路31は、内部に閉じた通路が形成されており、該通路に第1冷媒が充填されている。第1循環通路31は、燃料電池11の近傍および二次電池12の近傍に第1冷媒が通過するように配置されている。第1循環通路31には、第1電動ポンプ14が設けられている。
【0058】
第1電動ポンプ14は、駆動により図7(A)に示す矢印の方向に第1冷媒を循環させる。第1循環通路には、熱交換器32が接続されている。
【0059】
熱交換器32は、第1循環通路31を含む系と、第2循環通路33を含む他の系とを熱交換する。
【0060】
他の系には、第2循環通路33、第2電動ポンプ34および放熱器35が含まれる。
【0061】
循環通路33は、循環通路31と同様に内部に第2冷媒を流すための流路が形成されており、該流路に第2冷媒が充填されている。
【0062】
第2循環通路33には、第2電動ポンプ34が取り付けられている。第2電動ポンプ34は、駆動により、第2循環通路33内の第2冷媒を循環させる。
【0063】
第2循環通路33には、さらに、放熱器35が設けられている。放熱器35は、通過する第2冷媒の温度が所定温度以上にならないように制御する。燃料電池11の動作適温が80度である場合、放熱器35は、80度以上にならないように第2冷媒を放熱する。
【0064】
制御部36は、電動ポンプ14、温度計23および電動ポンプ34に接続されている。制御部36は、車両の始動に基づいて第1電動ポンプ14を制御する。制御部36は、温度計23の検出結果に基づいて、第2電動ポンプ34の駆動を制御する。
【0065】
次に、上記車両用電源装置の作用について説明する。
【0066】
図8は、車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【0067】
まず、制御部36は、車両が始動されたか否かを判断する(ステップS21)。車両が始動されていない場合(ステップS21:NO)、始動されるまで待機する。
【0068】
車両が始動された場合(ステップS21:YES)、制御部36は、第1電動ポンプ14を駆動する(ステップS22)。第1電動ポンプ14が駆動すると、図7(A)に矢印で示すように、第1冷媒が第1循環通路31を流れる。ここで、車両が始動されると、燃料電池11は放電を開始し、二次電池12も充放電を開始する。燃料電池11および二次電池12は、それぞれ自己発熱して温度が上昇する。
【0069】
この間、温度計23により燃料電池11の温度T1が検出される(ステップS23)。検出された温度T1が、所定温度Ta以上か否かが判断される(ステップS24)。ここで、所定温度Taとは、燃料電池11の動作適温である。
【0070】
検出温度T1が所定温度Ta未満の場合(ステップS24:NO)、温度計23による温度検出を繰り返す。燃料電池11が十分に温まって、検出温度T1が所定温度Ta以上になったら(ステップS24:YES)、制御部36は、第2電動ポンプ34を駆動する(ステップS25)。これにより、図7(B)に矢印で示すように、第2冷媒が第2循環通路33を循環し始める。第2循環通路33を循環する第2冷媒は、熱交換器32において、第1循環通路31を循環する第1冷媒と熱交換される。熱交換により暖められた第2循環通路33の第2冷媒は、放熱器35を通過する際に冷却され、熱交換器32に供給される。
【0071】
以上のように、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、燃料電池11の温度を制御するための第1冷媒を通す循環通路21近傍に二次電池12も配置している。したがって、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0072】
加えて、第3実施形態では、燃料電池11の温度T1を検出して、燃料電池11が動作適温になるまでは第1循環通路31でのみ冷媒を循環させる。したがって、燃料電池11が動作適温になるまでは、第1冷媒が熱交換器32においてほとんど熱交換されない。第1冷媒が冷却されないので、次第に温度上昇する第1冷媒により、二次電池12の加熱がより促進される。
【0073】
一方、燃料電池11が動作適温になったら、第2循環通路33においても第2冷媒が循環される。したがって、熱交換器32には、常に放熱器35において冷却された第2冷媒が供給され、第1循環通路31の第1冷媒と熱交換される。結果として、冷却された第1冷媒が第1循環通路31を循環するので、燃料電池11および二次電池12は、動作適温以上に過熱されない。
【0074】
(第4実施形態)
さらに異なる車両用電源装置10の構成について説明する。
【0075】
図9は車両用電源装置の構成図であり、図9(A)は第1冷媒のみ循環する様子を示す図、図9(B)は第1冷媒および第2冷媒を循環する様子を示す図、図9(C)は二次電池をバイパスして第1冷媒を流す様子を示す図である。
【0076】
第4実施形態では、第3実施形態と略同様の構成に、一部新たな構成を付加している。したがって、第3実施形態と異なる点について説明する。
【0077】
図9に示すように、第4実施形態の車両用電源装置10は、第1循環通路31が途中で分岐されている。一方は、二次電池12に向かって第1冷媒が進む電池側通路41であり、もう一方は、二次電池12をバイパスして第1冷媒が進むバイパス通路(第2バイパス通路)42である。
【0078】
これらの通路を41、42の分岐の開始点には、三方バルブ43が設けられている。三方バルブ43は、冷媒の進行方向を、電池側通路41またはバイパス通路42に切替可能である。
【0079】
また、二次電池12には、第2温度計44が取り付けられている。第2温度計44は、二次電池12の温度を検出する。
【0080】
第3実施形態では、制御部36は、三方バルブ43および第2温度計44に接続されている。制御部36は、第2温度計44の検出結果に従って、三方バルブ43を制御する。
【0081】
次に、上記車両用電源装置の作用について説明する。
【0082】
図10は、車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【0083】
まず、制御部36は、車両が始動されたか否かを判断する(ステップS31)。車両が始動されていない場合(ステップS31:NO)、始動されるまで待機する。
【0084】
車両が始動された場合(ステップS31:YES)、制御部36は、三方バルブ43を制御して、電池側通路41側を開状態、バイパス通路42側を閉状態とする(ステップS32)。ここで、車両が始動されると、燃料電池11は放電を開始し、二次電池12も充放電を開始する。燃料電池11および二次電池12は、それぞれ自己発熱して温度が上昇し始める。
【0085】
続けて、制御部36は、第1電動ポンプ14を駆動する(ステップS33)。すると、図9(A)に矢印で示すように、第1冷媒が燃料電池11および二次電池12近傍を流れる。冷媒は、燃料電池11近傍を通過する際に燃料電池11の自己発熱により加熱され、二次電池12近傍を通過する際に二次電池12に熱が奪われる。つまり、冷媒を介して、燃料電池11の熱が、二次電池12に伝達される。
【0086】
この間、温度計23により燃料電池11の温度T1が検出される(ステップS34)。検出された温度T1が、所定温度Ta以上か否かが判断される(ステップS35)。ここで、所定温度Taとは、燃料電池11の動作適温である。
【0087】
検出温度T1が所定温度Ta未満の場合(ステップS35:NO)、温度計23による温度検出を繰り返す。燃料電池11が十分に温まって、検出温度T1が所定温度Ta以上になったら(ステップS35:YES)、制御部36は、第2電動ポンプ34を駆動する(ステップS36)。これにより、図9(B)に矢印で示すように、第2冷媒が第2循環通路33を循環し始める。第2循環通路33を循環する第2冷媒は、熱交換器32において、第1循環通路31を循環する第1冷媒と熱交換される。熱交換により暖められた第2循環通路33の第2冷媒は、放熱器35を通過する際に冷却され、熱交換器32に供給される。
【0088】
さらに、第2温度計44により、二次電池12の温度T2が検出される(ステップS37)。検出された温度T2が、所定温度Taよりも高く設定された設定温度Tb以上か否かが判断される(ステップS38)。ここで、設定温度Tbとは、二次電池12の動作適温よりも高い温度に設定されている。
【0089】
検出された温度T2が設定温度Tb未満である場合(ステップS38:NO)、二次電池12の温度の検出が続行される。検出された温度T2が設定温度Tb以上である場合(ステップS38:YES)、制御部36は、三方バルブ43を制御して、電池側通路41側を閉状態、バイパス通路42側を開状態とする(ステップS39)。これにより、図9(C)に矢印で示すように、冷媒が二次電池12をバイパスして流れる。
【0090】
そして、検出された温度T2が設定温度Tb未満に戻ったか否かが判断される(ステップS40)。温度T2が設定温度Tb未満に戻っていない場合(ステップS40:NO)、三方バルブ43の状態が維持される。
【0091】
温度T2が設定温度Tb未満に戻った場合(ステップS40:YES)、制御部36は、三方バルブ43を制御して、電池側通路41側を開状態、バイパス通路42側を閉状態とする(ステップS41)。ステップS37からステップS41までの処理は、車両が運転停止になるまで繰り返される。
【0092】
以上のように、第4実施形態では、第3実施形態の構成に加え、三方バルブ43を設けている。したがって、急発進などにより燃料電池11の温度が二次電池の作動適温よりも急激に高くなり、該燃料電池11の温度が第1冷媒を通じて伝達される場合、即座に、三方バルブ43をバイパス通路42側に切替えられる。これにより、高温の第1冷媒が二次電池12近傍を通過することを防止でき、その熱が二次電池12に伝達されない。結果として、二次電池12の温度を作動温度に保持できる。
【0093】
第1冷媒の温度が燃料電池11の動作適温に戻ったら、再び、電池側通路41に冷媒を通すことにより、二次電池12の温度を適温に維持できる。
【0094】
(第5実施形態)
第5実施形態では、上記第1実施形態〜第4実施形態の車両用電源装置を駆動用電源として搭載して車両を構成する。
【0095】
参考までに、図11に車両用電源装置10を搭載する自動車100の該略図を示す。自動車100に搭載する車両用電源装置10は、上記説明した特性を有する。このため、二次電池が動作適温に到達するまでの時間、すなわち暖気時間が短い。自動車100は、いち早く効率的な走行を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】車両の駆動系の該略構成図である。
【図2】車両用電源装置の構成図である。
【図3】車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】バイポーラ電池の概略構成を示す図である。
【図5】車両用電源装置の構成図であり、5(A)はバイパス側に冷媒を流す様子を示す図、5(B)は放熱器側に冷媒を流す様子を示す図である。
【図6】車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】車両用電源装置の構成図であり、図7(A)は第1冷媒のみ循環する様子を示す図、図7(B)は第1冷媒および第2冷媒を循環する様子を示す図である。
【図8】車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】車両用電源装置の構成図であり、図9(A)は第1冷媒のみ循環する様子を示す図、図9(B)は第1冷媒および第2冷媒を循環する様子を示す図、図9(C)は二次電池をバイパスして第1冷媒を流す様子を示す図である。
【図10】車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】車両用電源装置を搭載する自動車の概略図である。
【符号の説明】
【0097】
10…車両用電源装置、
11…燃料電池、
12…二次電池、
13…第1循環通路、
14…電動ポンプ、
15…第1放熱器、
16、24、36…制御部、
21、31…第1循環通路、
22…三方バルブ、
23…第1温度計、
25…放熱通路、
26…バイパス通路、
32…熱交換器、
33…第2循環通路、
34…電動ポンプ、
35…放熱器、
41…電池側通路、
42…バイパス通路、
43…三方バルブ、
44…第2温度計、
51…集電体、
52…正極、
53…負極、
54…バイポーラ電極、
55…電解質層、
92…コンバータ、
94…インバータ、
96…モータ、
98…前輪、
100…自動車。
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池および二次電池を有する車両用電源装置およびこれを搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池を搭載した車両の開発が盛んである。燃料電池搭載車両の中には、燃料電池に加えて二次電池も搭載し、燃料電池のエネルギーを補間するものがある。このような車両によれば、燃料電池の出力の過不足に対応して二次電池を充放電することによって、効率のよい走行が可能となる(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−99057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記技術を採用した車両においても、燃料電池および二次電池が動作するための適当な温度(以下、動作適温という)に到達するまでは、効率よく走行できない。つまり、燃料電池および二次電池が動作適温に到達するまでの暖気時間を開花するまでは、効率のよい走行ができない。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、暖気時間を短縮して、いち早く効率的な走行を実現できる車両用電源装置およびこれを搭載した車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の車両用電源装置は、車両駆動用の電力を供給する燃料電池と、前記燃料電池と共に電力を供給する二次電池と、前記燃料電池近傍および前記二次電池近傍に第1冷媒を循環する第1循環通路と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の車両用電源装置によれば、第1冷媒が燃料電池および二次電池近傍を循環する。燃料電池により加熱された第1冷媒が二次電池近傍を通過する。第1冷媒により二次電池が加熱されるので、二次電池が動作適温に到達するまでの時間、すなわち暖気時間を短縮できる。したがって、いち早く効率的な走行を車両に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0008】
図1は、車両の駆動系の該略構成図である。
【0009】
車両の駆動系は、車両用電源装置10、DC/DCコンバータ92、インバータ94、モータ96、前輪98を有する。
【0010】
車両用電源装置10は、車両の駆動に必要な電力を発生する。車両用電源装置10は、DC/DCコンバータ92およびインバータ94を介してモータ96に電力を供給する。この電力によりモータ96は、回転動力を発生する。回転動力は前輪98に伝達される。これにより、車両が駆動する。
【0011】
車両用電源装置10は、燃料電池11と二次電池12とを含む。燃料電池11は、燃料として消費される水素、酸素を連続して補給することにより発電する電池である。二次電池12は、充放電可能な電池である。二次電池12としては、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、鉛酸二次電池などが上げられる。二次電池12としては、好ましくは、リチウムイオン二次電池が用いられる。
【0012】
次に、上記駆動系の車両用電源装置10について、詳細な構成を説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図2は、車両用電源装置の構成図である。
【0014】
車両用電源装置10は、燃料電池11、二次電池12、循環通路(第1循環通路)13、電動ポンプ14、放熱器15および制御部16を含む。
【0015】
燃料電池11および二次電池12は、並んで配置されている。
【0016】
循環通路13は、内部に冷媒(第1冷媒)を流すための閉じた流路が形成されており、該流路に冷媒が充填されている。循環通路13は、燃料電池11の近傍および二次電池12の近傍に冷媒が通過するように配置されている。循環通路13内において、燃料電池11および二次電池12近傍を通過した冷媒は、放熱器15を通過して、再度、燃料電池11および二次電池12に供給される。循環通路13には、電動ポンプ14が接続されている。
【0017】
電動ポンプ14は、駆動すると、図中矢印で示すように、循環通路13内で冷媒を循環させる。
【0018】
放熱器15は、循環通路13に設けられている。放熱器15は、燃料電池11および二次電池12を通過して、それらの熱により加熱された冷媒を冷却する。ここで、放熱器15は、冷媒が所定温度以上にならないように、すなわち、燃料電池11を動作適温に維持できるように、冷媒温度を、たとえば、80度付近に維持する。
【0019】
制御部16は、電動ポンプ14に接続され、車両の始動に従って、電動ポンプ14を駆動制御する。
【0020】
次に、上記車両用電源装置の作用について説明する。
【0021】
図3は、車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【0022】
まず、制御部16は、車両が始動されたか否かを判断する(ステップS1)。車両が始動されていない場合(ステップS1:NO)、始動されるまで待機する。
【0023】
車両が始動された場合(ステップS1:YES)、制御部16は、電動ポンプ14を駆動する(ステップS2)。ここで、車両が始動されると、燃料電池11は放電を開始し、二次電池12も充放電を開始する。燃料電池11および二次電池12は、それぞれ自己発熱して温度が上昇する。したがって、電動ポンプ14の駆動により冷媒が循環し始めると、冷媒は燃料電池11を通過する際に、温度が上昇する。
【0024】
温度が上昇した冷媒は、二次電池12を通過する際に、二次電池12に熱を与える。したがって、二次電池12の温度が上昇する。つまり、冷媒を介して、燃料電池11の熱が、二次電池12に伝達される。
【0025】
以上のように、本実施形態では、燃料電池11を動作適温に維持するための循環通路13の途中に、二次電池12を配置している。したがって、燃料電池11の発熱により温度上昇した冷媒により、二次電池12が暖められる。これにより、二次電池12が最も効率良く充放電を実行できる温度に到達するまでの時間、すなわち、暖気時間を短縮できる。結果として、いち早く効率的な走行を車両に実現できる。
【0026】
特に、燃料電池11および二次電池12は、並んで配置されており、冷媒は、燃料電池11近傍を通過した直後に、二次電池12近傍を通過する。したがって、燃料電池11により暖められた冷媒が放熱器15により冷却される前に、効率良く二次電池12を加熱できる。
【0027】
さらに、暖気時間が経過した後、二次電池12がさらに温度上昇した場合、冷媒は、二次電池12を冷却するように作用する。したがって、二次電池12の温度が適当な作動温度に維持される。このように、燃料電池11の温度制御のための系を、二次電池12にも適用できるのは、燃料電池11の適当な動作温度が、二次電池12においても適当な動作温度であるからである。
【0028】
上記実施形態では、二次電池12にバイポーラ電池を用いることができる。バイポーラ電池を用いることにより、高出力でコンパクトな二次電池が得られ、車両に適用するのにより好適な車両用電源装置が得られる。
【0029】
適用できるバイポーラ電池について簡単に説明する。
【0030】
図4はバイポーラ電池の概略構成を示す図である。
【0031】
バイポーラ電池は、集電体51の一方の面に正極52が形成され、他方の面に負極53が形成されたバイポーラ電極54を電解質層55を挟んで複数枚直列に積層してなる。
【0032】
正極52に含まれる主要な活物質には、リチウムと遷移金属との複合酸化物を使用できる。具体的には、LiCoO2などのLi・Co系複合酸化物、LiNiO2などのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMn2O4などのLi・Mn系複合酸化物、LiFeO2などのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。特に、LiFePO4が好ましい。LiFePO4を用いることによって、耐熱性に優れた二次電池を構成できる。
【0033】
また、負極53に含まれる主要な活物質には、カーボンもしくはリチウムと金属酸化物もしくは金属との複合酸化物を使用できる。特に、Li4Ti5O12が好ましい。Li4Ti5O12を用いることによって、耐熱性に優れた二次電池を構成できる。
【0034】
電解質層55は、イオン伝導性を有する高分子から構成される層であり、イオン伝導性を示すのであれば材料は限定されない。特に、主要な電解質として極性高分子およびリチウム塩が含まれることが好ましい。これにより耐熱性に優れ、かつ液漏れの虞がない。信頼性を向上できる。
【0035】
さらに、極性高分子はポリアルキレンオキシドであることが好ましい。ポリアルキレンオキシドはイオン電動度が高いからである。ポリアルキレンオキシドのなかでも特に高分子側鎖としてエチレンオキシド鎖を持つものを用いることが好ましい。信頼性の高い電源を構成できる。
【0036】
(第2実施形態)
第1実施形態とは異なる車両用電源装置10の構成について説明する。
【0037】
図5は車両用電源装置の構成図であり、5(A)はバイパス側に冷媒を流す様子を示す図、5(B)は放熱器側に冷媒を流す様子を示す図である。
【0038】
図5に示すように、第2実施形態においては、車両用電源装置10は、燃料電池11、二次電池12、電動ポンプ14、放熱器15、循環通路(第1循環通路)21、三方バルブ(第1切替手段)22、温度計(第1温度計)23、制御部24を含む。第1実施形態と同様の構成には、同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0039】
循環通路21は、内部に冷媒(第1冷媒)を流すための閉じた流路が形成されており、該流路に冷媒が充填されている。循環通路21は、燃料電池11の近傍および二次電池12の近傍に冷媒が通過するように配置されている。循環通路21には、電動ポンプ14が設けられている。
【0040】
電動ポンプ14は、駆動により図5(A)に示す矢印の方向に冷媒が循環させる。循環通路21は、二次電池12の先で、二通路に分岐している。二通路の一方には、放熱器15が接続されている。以下では、放熱器15が接続されている通路を、放熱通路25という。また、放熱器が接続されていない方の通路を、バイパス通路26という。
【0041】
三方バルブ22は、循環通路21が二通路に分かれる分岐点に配置されている。三方バルブ22は、冷媒を放熱通路25に流すか、バイパス通路26に流すかを切替可能である。三方バルブ22は、制御部24に接続され、流路の切替が制御されている。
【0042】
温度計23は、燃料電池11に取り付けられ、燃料電池11の温度を検出する。
【0043】
制御部24は、電動ポンプ14、三方バルブ22および温度計23に接続されている。制御部24は、車両の始動に基づいて電動ポンプ14を制御する。また、制御部24は、温度計23の検出結果に基づいて、三方バルブ22を制御する。
【0044】
次に、上記車両用電源装置の作用について説明する。
【0045】
図6は、車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【0046】
まず、制御部24は、車両が始動されたか否かを判断する(ステップS11)。車両が始動されていない場合(ステップS11:NO)、始動されるまで待機する。
【0047】
車両が始動された場合(ステップS11:YES)、制御部24は、三方バルブ22を制御して、バイパス通路26側を開状態、放熱通路25側を閉状態とする(ステップS12)。ここで、車両が始動されると、燃料電池11は放電を開始し、二次電池12も充放電を開始する。燃料電池11および二次電池12は、それぞれ自己発熱して温度が上昇し始める。
【0048】
続けて、制御部16は、電動ポンプ14を駆動する(ステップS13)。すると、図5(A)に矢印で示すように、冷媒がバイパス通路26を流れる。冷媒は、燃料電池11近傍を通過する際に燃料電池11の自己発熱により加熱され、二次電池12近傍を通過する際に二次電池12に熱が奪われる。つまり、冷媒を介して、燃料電池11の熱が、二次電池12に伝達される。
【0049】
温度計23により燃料電池11の温度T1が検出される(ステップS14)。検出された温度T1が、所定温度Ta以上か否かが判断される(ステップS15)。ここで、所定温度Taとは、燃料電池11の動作適温である。
【0050】
検出温度T1が所定温度Ta未満の場合(ステップS14:NO)、温度計23による温度検出を繰り返す。燃料電池11が十分に温まって、検出温度T1が所定温度Ta以上になったら(ステップS14:YES)、制御部24は、三方バルブ22を制御して、バイパス通路26側を閉状態、放熱通路25側を開状態とする(ステップS16)。これにより、図5(B)に矢印で示すように、冷媒が放熱通路25を流れ始める。
【0051】
以上のように、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、燃料電池11の温度を制御するための冷媒を通す循環通路21近傍に二次電池12も配置している。したがって、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0052】
加えて、第2実施形態では、燃料電池11の温度T1を検出して三方バルブ22を切替え、燃料電池11が動作適温になるまでは冷媒をバイパス通路26に通す。燃料電池11が動作適温になったら、冷媒を放熱通路25に通す。したがって、燃料電池11が動作適温になるまでは、冷媒が放熱器15により放熱されない。放熱されない冷媒は動作適温までは温度が次第に向上するので、冷媒による二次電池12の加熱がより促進される。
【0053】
一方、燃料電池11が動作適温になったら、冷媒が放熱器15を通り、冷却されて、循環通路21に循環される。したがって、燃料電池11および二次電池12の過熱が防止される。
【0054】
(第3実施形態)
さらに異なる車両用電源装置10の構成について説明する。
【0055】
図7は車両用電源装置の構成図であり、図7(A)は第1冷媒のみ循環する様子を示す図、図7(B)は第1冷媒および第2冷媒を循環する様子を示す図である。
【0056】
図7に示すように、第3実施形態においては、車両用電源装置10は、燃料電池11、二次電池12、第1電動ポンプ14、温度計23、第1循環通路31、熱交換器32、第2循環通路33、第2電動ポンプ(ポンプ)34、放熱器(第2放熱器)35および制御部36を含む。第1実施形態および第2実施形態と同様の構成には、同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0057】
第1循環通路31は、内部に閉じた通路が形成されており、該通路に第1冷媒が充填されている。第1循環通路31は、燃料電池11の近傍および二次電池12の近傍に第1冷媒が通過するように配置されている。第1循環通路31には、第1電動ポンプ14が設けられている。
【0058】
第1電動ポンプ14は、駆動により図7(A)に示す矢印の方向に第1冷媒を循環させる。第1循環通路には、熱交換器32が接続されている。
【0059】
熱交換器32は、第1循環通路31を含む系と、第2循環通路33を含む他の系とを熱交換する。
【0060】
他の系には、第2循環通路33、第2電動ポンプ34および放熱器35が含まれる。
【0061】
循環通路33は、循環通路31と同様に内部に第2冷媒を流すための流路が形成されており、該流路に第2冷媒が充填されている。
【0062】
第2循環通路33には、第2電動ポンプ34が取り付けられている。第2電動ポンプ34は、駆動により、第2循環通路33内の第2冷媒を循環させる。
【0063】
第2循環通路33には、さらに、放熱器35が設けられている。放熱器35は、通過する第2冷媒の温度が所定温度以上にならないように制御する。燃料電池11の動作適温が80度である場合、放熱器35は、80度以上にならないように第2冷媒を放熱する。
【0064】
制御部36は、電動ポンプ14、温度計23および電動ポンプ34に接続されている。制御部36は、車両の始動に基づいて第1電動ポンプ14を制御する。制御部36は、温度計23の検出結果に基づいて、第2電動ポンプ34の駆動を制御する。
【0065】
次に、上記車両用電源装置の作用について説明する。
【0066】
図8は、車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【0067】
まず、制御部36は、車両が始動されたか否かを判断する(ステップS21)。車両が始動されていない場合(ステップS21:NO)、始動されるまで待機する。
【0068】
車両が始動された場合(ステップS21:YES)、制御部36は、第1電動ポンプ14を駆動する(ステップS22)。第1電動ポンプ14が駆動すると、図7(A)に矢印で示すように、第1冷媒が第1循環通路31を流れる。ここで、車両が始動されると、燃料電池11は放電を開始し、二次電池12も充放電を開始する。燃料電池11および二次電池12は、それぞれ自己発熱して温度が上昇する。
【0069】
この間、温度計23により燃料電池11の温度T1が検出される(ステップS23)。検出された温度T1が、所定温度Ta以上か否かが判断される(ステップS24)。ここで、所定温度Taとは、燃料電池11の動作適温である。
【0070】
検出温度T1が所定温度Ta未満の場合(ステップS24:NO)、温度計23による温度検出を繰り返す。燃料電池11が十分に温まって、検出温度T1が所定温度Ta以上になったら(ステップS24:YES)、制御部36は、第2電動ポンプ34を駆動する(ステップS25)。これにより、図7(B)に矢印で示すように、第2冷媒が第2循環通路33を循環し始める。第2循環通路33を循環する第2冷媒は、熱交換器32において、第1循環通路31を循環する第1冷媒と熱交換される。熱交換により暖められた第2循環通路33の第2冷媒は、放熱器35を通過する際に冷却され、熱交換器32に供給される。
【0071】
以上のように、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、燃料電池11の温度を制御するための第1冷媒を通す循環通路21近傍に二次電池12も配置している。したがって、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0072】
加えて、第3実施形態では、燃料電池11の温度T1を検出して、燃料電池11が動作適温になるまでは第1循環通路31でのみ冷媒を循環させる。したがって、燃料電池11が動作適温になるまでは、第1冷媒が熱交換器32においてほとんど熱交換されない。第1冷媒が冷却されないので、次第に温度上昇する第1冷媒により、二次電池12の加熱がより促進される。
【0073】
一方、燃料電池11が動作適温になったら、第2循環通路33においても第2冷媒が循環される。したがって、熱交換器32には、常に放熱器35において冷却された第2冷媒が供給され、第1循環通路31の第1冷媒と熱交換される。結果として、冷却された第1冷媒が第1循環通路31を循環するので、燃料電池11および二次電池12は、動作適温以上に過熱されない。
【0074】
(第4実施形態)
さらに異なる車両用電源装置10の構成について説明する。
【0075】
図9は車両用電源装置の構成図であり、図9(A)は第1冷媒のみ循環する様子を示す図、図9(B)は第1冷媒および第2冷媒を循環する様子を示す図、図9(C)は二次電池をバイパスして第1冷媒を流す様子を示す図である。
【0076】
第4実施形態では、第3実施形態と略同様の構成に、一部新たな構成を付加している。したがって、第3実施形態と異なる点について説明する。
【0077】
図9に示すように、第4実施形態の車両用電源装置10は、第1循環通路31が途中で分岐されている。一方は、二次電池12に向かって第1冷媒が進む電池側通路41であり、もう一方は、二次電池12をバイパスして第1冷媒が進むバイパス通路(第2バイパス通路)42である。
【0078】
これらの通路を41、42の分岐の開始点には、三方バルブ43が設けられている。三方バルブ43は、冷媒の進行方向を、電池側通路41またはバイパス通路42に切替可能である。
【0079】
また、二次電池12には、第2温度計44が取り付けられている。第2温度計44は、二次電池12の温度を検出する。
【0080】
第3実施形態では、制御部36は、三方バルブ43および第2温度計44に接続されている。制御部36は、第2温度計44の検出結果に従って、三方バルブ43を制御する。
【0081】
次に、上記車両用電源装置の作用について説明する。
【0082】
図10は、車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【0083】
まず、制御部36は、車両が始動されたか否かを判断する(ステップS31)。車両が始動されていない場合(ステップS31:NO)、始動されるまで待機する。
【0084】
車両が始動された場合(ステップS31:YES)、制御部36は、三方バルブ43を制御して、電池側通路41側を開状態、バイパス通路42側を閉状態とする(ステップS32)。ここで、車両が始動されると、燃料電池11は放電を開始し、二次電池12も充放電を開始する。燃料電池11および二次電池12は、それぞれ自己発熱して温度が上昇し始める。
【0085】
続けて、制御部36は、第1電動ポンプ14を駆動する(ステップS33)。すると、図9(A)に矢印で示すように、第1冷媒が燃料電池11および二次電池12近傍を流れる。冷媒は、燃料電池11近傍を通過する際に燃料電池11の自己発熱により加熱され、二次電池12近傍を通過する際に二次電池12に熱が奪われる。つまり、冷媒を介して、燃料電池11の熱が、二次電池12に伝達される。
【0086】
この間、温度計23により燃料電池11の温度T1が検出される(ステップS34)。検出された温度T1が、所定温度Ta以上か否かが判断される(ステップS35)。ここで、所定温度Taとは、燃料電池11の動作適温である。
【0087】
検出温度T1が所定温度Ta未満の場合(ステップS35:NO)、温度計23による温度検出を繰り返す。燃料電池11が十分に温まって、検出温度T1が所定温度Ta以上になったら(ステップS35:YES)、制御部36は、第2電動ポンプ34を駆動する(ステップS36)。これにより、図9(B)に矢印で示すように、第2冷媒が第2循環通路33を循環し始める。第2循環通路33を循環する第2冷媒は、熱交換器32において、第1循環通路31を循環する第1冷媒と熱交換される。熱交換により暖められた第2循環通路33の第2冷媒は、放熱器35を通過する際に冷却され、熱交換器32に供給される。
【0088】
さらに、第2温度計44により、二次電池12の温度T2が検出される(ステップS37)。検出された温度T2が、所定温度Taよりも高く設定された設定温度Tb以上か否かが判断される(ステップS38)。ここで、設定温度Tbとは、二次電池12の動作適温よりも高い温度に設定されている。
【0089】
検出された温度T2が設定温度Tb未満である場合(ステップS38:NO)、二次電池12の温度の検出が続行される。検出された温度T2が設定温度Tb以上である場合(ステップS38:YES)、制御部36は、三方バルブ43を制御して、電池側通路41側を閉状態、バイパス通路42側を開状態とする(ステップS39)。これにより、図9(C)に矢印で示すように、冷媒が二次電池12をバイパスして流れる。
【0090】
そして、検出された温度T2が設定温度Tb未満に戻ったか否かが判断される(ステップS40)。温度T2が設定温度Tb未満に戻っていない場合(ステップS40:NO)、三方バルブ43の状態が維持される。
【0091】
温度T2が設定温度Tb未満に戻った場合(ステップS40:YES)、制御部36は、三方バルブ43を制御して、電池側通路41側を開状態、バイパス通路42側を閉状態とする(ステップS41)。ステップS37からステップS41までの処理は、車両が運転停止になるまで繰り返される。
【0092】
以上のように、第4実施形態では、第3実施形態の構成に加え、三方バルブ43を設けている。したがって、急発進などにより燃料電池11の温度が二次電池の作動適温よりも急激に高くなり、該燃料電池11の温度が第1冷媒を通じて伝達される場合、即座に、三方バルブ43をバイパス通路42側に切替えられる。これにより、高温の第1冷媒が二次電池12近傍を通過することを防止でき、その熱が二次電池12に伝達されない。結果として、二次電池12の温度を作動温度に保持できる。
【0093】
第1冷媒の温度が燃料電池11の動作適温に戻ったら、再び、電池側通路41に冷媒を通すことにより、二次電池12の温度を適温に維持できる。
【0094】
(第5実施形態)
第5実施形態では、上記第1実施形態〜第4実施形態の車両用電源装置を駆動用電源として搭載して車両を構成する。
【0095】
参考までに、図11に車両用電源装置10を搭載する自動車100の該略図を示す。自動車100に搭載する車両用電源装置10は、上記説明した特性を有する。このため、二次電池が動作適温に到達するまでの時間、すなわち暖気時間が短い。自動車100は、いち早く効率的な走行を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】車両の駆動系の該略構成図である。
【図2】車両用電源装置の構成図である。
【図3】車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】バイポーラ電池の概略構成を示す図である。
【図5】車両用電源装置の構成図であり、5(A)はバイパス側に冷媒を流す様子を示す図、5(B)は放熱器側に冷媒を流す様子を示す図である。
【図6】車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】車両用電源装置の構成図であり、図7(A)は第1冷媒のみ循環する様子を示す図、図7(B)は第1冷媒および第2冷媒を循環する様子を示す図である。
【図8】車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】車両用電源装置の構成図であり、図9(A)は第1冷媒のみ循環する様子を示す図、図9(B)は第1冷媒および第2冷媒を循環する様子を示す図、図9(C)は二次電池をバイパスして第1冷媒を流す様子を示す図である。
【図10】車両用電源装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】車両用電源装置を搭載する自動車の概略図である。
【符号の説明】
【0097】
10…車両用電源装置、
11…燃料電池、
12…二次電池、
13…第1循環通路、
14…電動ポンプ、
15…第1放熱器、
16、24、36…制御部、
21、31…第1循環通路、
22…三方バルブ、
23…第1温度計、
25…放熱通路、
26…バイパス通路、
32…熱交換器、
33…第2循環通路、
34…電動ポンプ、
35…放熱器、
41…電池側通路、
42…バイパス通路、
43…三方バルブ、
44…第2温度計、
51…集電体、
52…正極、
53…負極、
54…バイポーラ電極、
55…電解質層、
92…コンバータ、
94…インバータ、
96…モータ、
98…前輪、
100…自動車。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両駆動用の電力を供給する燃料電池と、
前記燃料電池と共に電力を供給する二次電池と、
前記燃料電池近傍および前記二次電池近傍に第1冷媒を循環する第1循環通路と、
を有する車両用電源装置。
【請求項2】
前記燃料電池の温度を検出する第1温度計と、
前記第1循環通路の一部を二通路に分岐し、前記第1冷媒の進行方向を切替可能な第1切替手段と、
前記二通路の一方に接続され、通過する前記第1冷媒を放熱する第1放熱器と、
前記第1温度計による検出温度が所定温度未満の場合、前記二通路のうち、前記第1放熱器が接続されていない方の第1バイパス通路に前記第1冷媒が通るように、前記第1切替手段を制御する制御手段と、
をさらに有する請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1温度計による検出温度が前記所定温度以上になると、前記第1バイパス通路側を閉じて、前記第1放熱器側に前記第1冷媒が通るように、前記第1切替手段を制御する請求項2に記載の車両用電源装置。
【請求項4】
第2冷媒が循環可能な第2循環通路と、前記第2冷媒の循環を始動または停止するポンプと、前記第2循環通路に接続され前記第2冷媒を放熱する第2放熱器と、を含む系と、
前記第1冷媒と前記系の第2冷媒とを熱交換する熱交換器と、
前記第1温度計による検出温度が所定温度未満の場合、前記ポンプを駆動せず、該所定温度以上となったら、前記第2冷媒を前記第2放熱器により冷却するために、前記ポンプを駆動する制御手段と、
をさらに有する請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項5】
前記二次電池の温度を検出する第2温度計と、
前記二時電池をバイパスして前記第1冷媒が通過するための第2バイパス通路と、
前記第1冷媒の進行方向を前記二次電池側か前記第2バイパス通路側かを切替可能な第2切替手段と、
前記第2温度計の検出結果が、前記所定温度より高く設定された設定温度以上の場合、前記第1冷媒が前記第2バイパス通路を通過するように、前記第2切替手段を制御する制御手段と、
をさらに有する請求項2〜4のいずれか一項に記載の車両用電源装置。
【請求項6】
前記所定温度とは、前記燃料電池の動作に適した温度である請求項2〜5のいずれか一項に記載の車両用電源装置。
【請求項7】
前記二次電池と前記燃料電池とは、並んで配置されており、
前記第1冷媒は、前記燃料電池近傍を通過した直後に、前記二次電池近傍を通過する請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用電源装置。
【請求項8】
前記二次電池は、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を電解質層を挟んで複数枚直列に積層してなるバイポーラ電池である請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用電源装置。
【請求項9】
前記正極に含まれる主要な活物質がLiFePO4である請求項8に記載の車両用電源装置。
【請求項10】
前記負極に含まれる主要な活物質がLi4Ti5O12である請求項8または9に記載の車両用電源装置。
【請求項11】
前記電解質層に含まれる主要な電解質が極性高分子およびリチウム塩を含んでなる請求項8〜10のいずれか一項に記載の車両用電源装置。
【請求項12】
前記極性高分子がポリアルキレンオキシドである請求項11に記載の車両用電源装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の車両用電源装置を搭載した車両。
【請求項1】
車両駆動用の電力を供給する燃料電池と、
前記燃料電池と共に電力を供給する二次電池と、
前記燃料電池近傍および前記二次電池近傍に第1冷媒を循環する第1循環通路と、
を有する車両用電源装置。
【請求項2】
前記燃料電池の温度を検出する第1温度計と、
前記第1循環通路の一部を二通路に分岐し、前記第1冷媒の進行方向を切替可能な第1切替手段と、
前記二通路の一方に接続され、通過する前記第1冷媒を放熱する第1放熱器と、
前記第1温度計による検出温度が所定温度未満の場合、前記二通路のうち、前記第1放熱器が接続されていない方の第1バイパス通路に前記第1冷媒が通るように、前記第1切替手段を制御する制御手段と、
をさらに有する請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1温度計による検出温度が前記所定温度以上になると、前記第1バイパス通路側を閉じて、前記第1放熱器側に前記第1冷媒が通るように、前記第1切替手段を制御する請求項2に記載の車両用電源装置。
【請求項4】
第2冷媒が循環可能な第2循環通路と、前記第2冷媒の循環を始動または停止するポンプと、前記第2循環通路に接続され前記第2冷媒を放熱する第2放熱器と、を含む系と、
前記第1冷媒と前記系の第2冷媒とを熱交換する熱交換器と、
前記第1温度計による検出温度が所定温度未満の場合、前記ポンプを駆動せず、該所定温度以上となったら、前記第2冷媒を前記第2放熱器により冷却するために、前記ポンプを駆動する制御手段と、
をさらに有する請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項5】
前記二次電池の温度を検出する第2温度計と、
前記二時電池をバイパスして前記第1冷媒が通過するための第2バイパス通路と、
前記第1冷媒の進行方向を前記二次電池側か前記第2バイパス通路側かを切替可能な第2切替手段と、
前記第2温度計の検出結果が、前記所定温度より高く設定された設定温度以上の場合、前記第1冷媒が前記第2バイパス通路を通過するように、前記第2切替手段を制御する制御手段と、
をさらに有する請求項2〜4のいずれか一項に記載の車両用電源装置。
【請求項6】
前記所定温度とは、前記燃料電池の動作に適した温度である請求項2〜5のいずれか一項に記載の車両用電源装置。
【請求項7】
前記二次電池と前記燃料電池とは、並んで配置されており、
前記第1冷媒は、前記燃料電池近傍を通過した直後に、前記二次電池近傍を通過する請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用電源装置。
【請求項8】
前記二次電池は、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を電解質層を挟んで複数枚直列に積層してなるバイポーラ電池である請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用電源装置。
【請求項9】
前記正極に含まれる主要な活物質がLiFePO4である請求項8に記載の車両用電源装置。
【請求項10】
前記負極に含まれる主要な活物質がLi4Ti5O12である請求項8または9に記載の車両用電源装置。
【請求項11】
前記電解質層に含まれる主要な電解質が極性高分子およびリチウム塩を含んでなる請求項8〜10のいずれか一項に記載の車両用電源装置。
【請求項12】
前記極性高分子がポリアルキレンオキシドである請求項11に記載の車両用電源装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の車両用電源装置を搭載した車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−111116(P2006−111116A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300001(P2004−300001)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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