説明

車載システム

【課題】車両が盗難に遭った場合、車両の現在位置を特定、追跡するためには、車両側に監視センタ等と通信を行うための通信手段が必要となり、機器コストおよび運用コストを要していた。
【解決手段】高速道路通行料金の自動収受などに使われるETC車載装置(DSRC通信装置)と路側通信手段を用い、盗難車両と路側とで路車間通信を行って、特別な通信装置の追加の必要なく、既存通信インフラのみで盗難車両の現在位置を特定、追跡することを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第三者による車両の盗難を抑止することが可能な車載システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、道路上を走行する自家用車や貨物自動車などの自動車の台数が年々増加し、また消費者の高級志向も相まって車両単体の価格も向上している。また最近ではカーナビゲーション装置やカーテレビ装置などの高額車載機器が自動車に搭載されていることも少なくない。このような背景を受け、これら車両や車載機器を狙った車両盗難犯罪も年々増加している。
【0003】
この車両盗難を防止するための自衛手段として、一般にカーセキュリティ装置が販売されている。これは車両の振動や車内気圧や音圧の変化、不審者の車両近傍への接近などをセンサが検出して警報を発し、不審者を威嚇することで盗難を未然に防止するという製品である。
【0004】
だが、これらのカーセキュリティ装置は不審者に対する威嚇しかできず、警報装置が動作しなかった場合、警報装置を破壊された場合、また警報音が鳴っても周囲に誰もいなかった場合など、威嚇が無効化してしまった場合には、車両の盗難を防止することができなかった。
【0005】
そこで、このような場合の対応策として、従来技術を用いた一例について図面を参照しながら説明を行う。
【0006】
図5は従来技術のブロック構成図である。盗難検知装置512が第三者による車両の盗難行為を検出し、その情報を制御部530に出力する。制御部530は位置検出部510を用いて当該車両の現在位置情報を検出する。検出手段としては、GPS(Global Positioning System:全世界測位システム。以下GPS)衛星からの電波を受信して現在位置を検出する方法と、地磁気センサ504、ジャイロスコープ506、距離センサ508からの情報を用いて相対的な移動方向および移動距離を検出する方法がある。またはその両者を組み合わせる場合もある。制御部530は位置検出部510が検出した現在位置情報を通信部526を用いて無線で送信する。無線基地局541がこの電波を受信し、接続装置542と交換機543を経由して監視センタ547に盗難車両の現在位置情報が伝わる。
【0007】
このような構成により、車両が盗難された場合であっても、車両に設置されたこれらの構成要素により、その車両の現在位置情報が監視センタ547に伝わり、盗難車両の追跡が可能となる。
【特許文献1】特開2002−104137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記のような従来技術に係る構成では、盗難車両の現在位置を無線で監視センタ547に伝えるための通信部526が必要となり、車両側の機器コスト、運用コストがかかってしまう。またこの情報を受信する側にも、無線基地局541や接続装置542、交換機543などの機器コストや運用コストがかかってしまう。
【0009】
本発明は、係る場合であっても、既存の通信インフラのみで盗難車両の追跡を行うことを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の車載システムは、車両の盗難を検出するカーセキュリティ装置と、路側通信手段との通信を行うETC車載装置と、現在位置を検出しユーザに目的地までの道のりや距離、方角などを伝えるカーナビゲーション装置と、車両のステアリングやスロットル、ブレーキ、灯火器類を制御する車両制御手段とを備え、特別な通信装置を必要とせず、車両盗難時の車両位置情報を所轄の監視部署に送信することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の車載システムによれば、万一車両が盗難に遭った場合でも、逃走中の車両の位置を既存インフラ通信手段であるDSRC通信を用いて交通情報センタや警察に送信することができ、盗難車両の早期発見や追跡確保を可能とする。また必要に応じて盗難車両を強制的に停止することですみやかにかつ安全に車両確保を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の車載システムの実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における車載システムの構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態1において、本発明の構成と動作を具体的に説明する。
【0014】
図1において、9はETC車載装置であり、DSRCアンテナ1、DSRC送受信手段2、ETC制御手段3、ユーザインターフェイス処理手段4、表示部5、入力部6、ICカード7で構成される。DSRCアンテナ1はDSRC通信を行う際の送受信アンテナであり、路側に設置されている路側通信手段24とのDSRC双方向通信を行う。DSRC送受信手段2はDSRCアンテナ1から受けたDSRC通信用電波を復調し、ETC制御手段3に出力する。またはETC制御手段3からの出力信号をDSRC通信用電波に変調し、DSRCアンテナ1に出力する。ユーザインターフェイス処理手段4はETC制御手段3とユーザとの連携を行い、表示部5を介してユーザに情報を提示し、また入力部6を介してユーザからの入力指示を受け、またICカード7を介してユーザの個人識別情報を受ける。13はカーセキュリティ装置であり、セキュリティ制御手段10、車両情報検出手段11、警報手段12で構成される。車両情報検出手段11は車両の振動や車内の気圧変化、車内の音圧変化、また車両周囲への接近など、車両の状態を検出してセキュリティ制御手段10に出力する。セキュリティ制御手段10は車両情報検出手段11からの信号を受けて車両が盗難状態にあるかどうかを判断し、警報手段12とETC制御手段3に制御信号を出力する。
【0015】
以上のように構成された車載システムについて、その動作を説明する。
【0016】
ETC車載装置9は主に高速道路の通行料金を自動的に収受するために開発された装置である。DSRCアンテナ1が高速道路の料金所の上部に設置された路側通信手段24とDSRC通信を行うことで、ETC車載装置9から路側通信手段24に対しては車両とユーザを識別するための個人識別情報を送信し、路側通信手段24からETC車載装置9に対しては高速道路の通行料金情報などを送信する。これらの双方向通信により、高速道路の料金所を通過する直前の車両およびユーザの情報を特定することができ、料金所ゲート開閉手段27が料金所のゲートを自動的に開けて当該車両を安全に通過させ、かつ高速道路施設運営者はユーザがあらかじめ設定した預金口座から通行料金を引き落とすことで自動的に通行料金を収受するというしくみである。このとき、路側通信手段24から送信された通行料金に関しては、表示部5によって画面表示や自動音声でユーザに伝える。またユーザの個人識別情報に関してはデータ改竄が困難なICカード7に格納されている。
【0017】
最近はこのDSRC通信を高速道路の自動料金収受用途だけでなく、ガソリンスタンドでの燃料購入代金の自動収受、ファーストフードなどの飲食店でのドライブスルーと呼ばれる車両に搭乗したままでの商品購入を可能とした購入形態での料金自動収受、また駐車場での駐車料金の自動収受などへの応用展開が検討されている。このようなDSRC応用が発展すれば、幹線道路上の信号機や道路標識などにも路側通信手段24が設置される可能性があり、あらゆる道路上でのDSRC路車間通信が行えることとなる。
【0018】
一方、ユーザがカーセキュリティ装置13を搭載した車両に対し、ユーザ以外の第三者が盗難目的で車両内部に侵入したり、車両の移動を試みた場合、おのずとドアの開閉に伴い車内の気圧や音圧が変化したり、ドア開閉行為や車両乗り込み行為、車両運搬行為により車両自体に振動が発生したりする。また侵入のためには車両に近づく必要もある。車両情報検出手段11はこれらの車内気圧変化検知、車内音圧変化検知、車両振動検知、車両周囲接近検知などの車両内部および周囲の状況変化を検知して、セキュリティ制御手段10にそれらの検出データを出力する。セキュリティ制御手段10は車両情報検出手段11から得られた情報を用いて、車両が盗難状態にあるのか否かを判断する。そして車両盗難であると判断した場合には、警報手段12に警報信号を出力し、これを受けて警報手段12は大音響の警報音を発して周囲に異常が発生したことを伝え、不審者を威嚇し、車両盗難を未然に防ぐことを可能としている。
【0019】
しかし、警報手段12が何らかの理由により警報音を発しなかった場合や、侵入者によって警報手段12を破壊されて警報音を強制的に止められてしまった場合、また周囲に人がいなくて車両盗難が誰にも認識されなかった場合、このカーセキュリティ装置13は車両盗難を抑止する術を持たないこととなる。
【0020】
そこで、セキュリティ制御手段10は車両の盗難を検知した場合、ETC制御手段3に対して車両盗難検知信号を出力する。ETC制御手段3はこの車両盗難検知信号を受けると、DSRC送受信手段2とDSRCアンテナ1を介して、路側通信手段24に対し盗難発生信号を送信する。盗難発生信号を受けた交通情報センタ25は警察署26などの捜査機関と連携し、盗難車両の追跡を行う。路側通信手段24は設置場所が明白なので、盗難車両がどの路側通信手段24と通信したかを調べるだけで、盗難車両の現在位置および逃走に使用している道路が明確になる。あとはこの盗難車両の位置や移動方向などの情報提供を受けた警察署26が緊急配備を敷くことで盗難車両を早急に確保することが可能となる。その際、通常のETCによる自動料金収受の場合には、ICカード7がユーザインターフェイス処理手段4と接続されていないとこの車両の個人識別が不可能となるため、料金の支払いができなくなる。そのためICカード7がない場合にはETCでの自動料金収受機能が正常に動作しないしくみとなっているが、この盗難車両の追跡という用途であれば課金は発生しないため、個人情報を格納したICカード7がユーザインターフェイス処理手段4と接続されていない場合においても前述した路車間通信による盗難車両の追跡が可能な構成とする。
【0021】
このように、本発明の車載システムは、車両が第三者によって盗難に遭い逃走された場合であっても、以上のような構成と動作により、DSRC車路間通信を行うことで盗難車両を追跡することができる車載システムを提供することが出来る。
【0022】
なお、本実施の形態においては、盗難発生信号を受けて警察署と連携する機関を公共機関である交通情報センタと定義したが、これは同様の連携処理を行うことができるのであれば民間の機関であっても同様の効果を得ることができる。またカーセキュリティ装置13とETC車載装置9は構成上別の構成案件として説明したが、これは両機能を統合した一体型の装置であっても同様の効果を得ることができる。
【0023】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における車載システムの構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態2において、本発明の構成と動作を具体的に説明する。本実施の形態2は実施の形態1の構成要素に加えて、ETC車載装置9の中に、セキュリティ制御手段10からの制御信号を用いてETC制御手段3に供給する電源の動作を制御することが可能な電源供給手段8を有する。それ以外の構成要素は実施の形態1と同一であり、同一の番号を付し、その説明は適宜省略するものとする。
【0024】
実施の形態1では車両を何らかの手段で乗り逃げされた場合の各構成要素の動作と本発明の効果を説明したが、仮に当該車両をトラックなどの別の運搬手段に積載されて運搬された場合や、レッカーなどでけん引された場合など、車両のエンジンや電源が停止している状態で盗難に遭った場合には、カーセキュリティ装置13は稼働可能だがETC車載装置9は稼働停止状態にあるため、DSRC路車間通信ができず、実施の形態1で説明した盗難車両の追跡を行うことができない。
【0025】
そこで、本実施の形態2では、セキュリティ制御手段10が車両の振動などで車両の盗難を検知した場合、電源供給手段8の状態を参照して、ETC車載装置9の電源がオンの状態であるかどうかを確認する。もしETC車載装置の電源がオフであった場合、セキュリティ制御手段10は電源供給手段8に対してETC車載装置9のための電源をオンにするよう指示を出す。これによりETC車載装置9が電源オン、すなわち稼働状態となった後は、本実施の形態2の動作は実施の形態1と同一の動作となり、車両の電源がオフの場合においても、車両盗難時には自動的にETC車載装置9の電源がオンとなってDSRC路車間通信が可能となり、盗難車両の追跡を可能としている。
【0026】
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における車載システムの構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態3において、本発明の構成と動作を具体的に説明する。本実施の形態3は実施の形態1および実施の形態2の構成要素に加えて、ETC車載装置9から制御される車両制御手段20とステアリング制御28、スロットル制御21、ブレーキ制御22、灯火器制御23を有する。それ以外の構成要素は実施の形態1および実施の形態2と同一であり、同一の番号を付し、その説明は適宜省略するものとする。
【0027】
実施の形態1および実施の形態2では、車両が盗難に遭った場合、DSRC路車間通信手段を用いて盗難車両の追跡を行うことを説明したが、追跡した後の盗難車両の確保は車両追跡情報を共有した警察機関に頼らざるを得ない。
【0028】
そこで、本実施の形態3は盗難車両の追跡をしながら、盗難車両が安全な場所に移動したのを確認した後、交通情報センタ25もしくは警察署26から車両を停止させるための車両強制停止信号を盗難車両に対して発信する。この車両強制停止信号は、路側通信手段24、DSRCアンテナ1、DSRC送受信手段2などを介してETC制御手段3に入力される。ETC制御手段3は車両制御手段20に対し、車両を停止させる指示を出す。車両停止指示を受けた車両制御手段20は、盗難車両をすみやかに停止させるため、スロットル制御21を用いて盗難車両のエンジンの回転数制御を行い、エンジンの回転数を徐々に落とし、またブレーキ制御22を用いて盗難車両のブレーキ制御を行い、盗難車両の速度を強制的に落とさせる。またステアリング制御28を用いて強制的に盗難車両のステアリング操作を行い、盗難車両の進行方向を制御して安全な場所に誘導する。また灯火器制御23を用いて盗難車両のハザードランプを点滅させたり方向指示器を点滅させたりして、速度を落としつつある盗難車両に対して後続車両が追突しないように注意を促す。またステアリング制御を行って盗難車両の進路を変更する場合、後続車両と接触しないよう、車両情報検出手段11からの車両周囲情報を用いてステアリング制御28を制御する。
【0029】
このようにして本実施の形態3は、盗難車両を追跡しながら、警察署などから強制的に盗難車両を安全な場所に停止させる措置を行うことで、すみやかに盗難車両を確保することを可能としている。
【0030】
なお、本実施の形態においては、盗難車両を制御する手段として、ステアリング制御、スロットル制御、ブレーキ制御を用いる場合を説明したが、これらは全てを使う場合でなくても、このうちのどれかを選択して使う場合においても、同様の効果を得ることができる。
【0031】
(実施の形態4)
図4は本発明の実施の形態4における車載システムの構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態4において、本発明の構成と動作を具体的に説明する。本実施の形態4は実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3の構成要素に加えて、GPSアンテナ14、GPS受信手段15、地図情報蓄積手段16、カーナビゲーション制御手段17、表示手段29、電源供給手段18で構成されるカーナビゲーション装置19を有する。それ以外の構成要素は実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3と同一であり、同一の番号を付し、その説明は適宜省略するものとする。カーナビゲーション装置19は、GPSアンテナ14とGPS受信手段15でGPS衛星からの電波を受信し、カーナビゲーション制御手段17で現在位置を算出し、地図情報蓄積手段16から得られた現在位置周辺地図の上に車両の現在位置を重ね合わせ、表示手段29に表示して自車位置をユーザに知らせることが可能である。
【0032】
実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3では、車両の追跡にはDSRC通信を用いた路車間通信を利用すると説明したが、地域によっては主要な幹線道路であってもDSRC通信を行うための路側通信手段24を設置していない場合も考えられる。その場合、盗難車両検知のサンプリング数が減ることとなり、盗難車両追跡の精度が低下してしまい、警察による盗難車両確保が困難となる場合がある。また実施の形態3で、交通情報センタ25もしくは警察署26から遠隔操作を行い、ステアリング制御28を用いて強制的に盗難車両のステアリング操作を行い、盗難車両を安全な場所に誘導すると説明したが、そのためには盗難車両が走行している付近の詳細な地形や道路状況、建物配置などの情報、また詳細な盗難車両走行位置情報が必要となるが、DSRC通信だけではこれらの情報入手は非常に困難である。
【0033】
そこで、本実施の形態4では、盗難車両の現在位置を特定するためのカーナビゲーション装置19を備えている。カーナビゲーション装置19が検出した盗難車両の現在位置情報は、ETC車載装置9および路側通信手段24を介して交通情報センタ25もしくは警察署26に送られ、盗難車両をどこで安全に停止させることができるかを判断し、盗難車両のステアリング制御やスロットル制御、ブレーキ制御などを強制的に行い、他の通行車両に危害を加えずに安全に盗難車両を強制停止することが可能である。
【0034】
なお、本実施の形態では、どこで盗難車両を停止させるかという場所の選択については、交通情報センタ25もしくは警察署26が判断するとしたが、これはカーナビゲーション装置19からの現在位置情報および車両周辺情報を用いてETC制御手段3が判断し、その結果車両制御手段20を制御して車両を強制停止させるという構成であっても同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の車載システムは、車両が盗難に遭った場合でも、既存通信インフラを活用することで、機器設置や運用に関わるコストをかけることなく、盗難車両の追跡を行うことが可能な車載システムに関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態1に係る車載システムのブロック構成図
【図2】本発明の実施の形態2に係る車載システムのブロック構成図
【図3】本発明の実施の形態3に係る車載システムのブロック構成図
【図4】本発明の実施の形態4に係る車載システムのブロック構成図
【図5】従来技術のブロック構成図
【符号の説明】
【0037】
1 DSRCアンテナ
2 DSRC送受信手段
3 ETC制御手段
4 ユーザインターフェイス処理手段
5 表示部
6 入力部
7 ICカード
8 電源供給手段
9 ETC車載装置
10 セキュリティ制御手段
11 車両情報検出手段
12 警報手段
13 カーセキュリティ装置
14 GPSアンテナ
15 GPS受信手段
16 地図情報蓄積手段
17 カーナビゲーション制御手段
18 電源供給手段
19 カーナビゲーション装置
20 車両制御手段
21 スロットル制御
22 ブレーキ制御
23 灯火器制御
24 路側通信手段
25 交通情報センタ
26 警察署
27 料金所ゲート開閉手段
28 ステアリング制御
29 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
DSRC通信(Dedicated Short−Range Communication:狭域通信技術、以下、DSRC)を用いて車両と路側との通信を行うDSRC送受信手段と、
前記DSRC送受信手段を介してETC(Electronic Toll Collection System:自動料金収受システム、以下、ETC)などの路車間通信を制御するETC制御手段と、
振動や音圧変化などの車両内外の状況を検出する車両情報検出手段と、
車両外に警報を発する警報手段と、
前記車両情報検出手段からの情報を用いて車両盗難を判断するセキュリティ制御手段と、
GPSアンテナからの電波を用いて受信処理を行うGPS受信手段と、
道路地図情報を蓄積した地図情報蓄積手段と、
前記GPS受信手段と前記地図情報蓄積手段を用いて自車位置の特定と地図上への表示、目的地への誘導を行うカーナビゲーション制御手段と、
前記ETC制御手段からの信号を受けて車両の動作状態を制御する車両制御手段を備え、
前記セキュリティ制御手段と前記カーナビゲーション制御手段からの信号により前記ETC制御手段が路側通信手段との通信を行うことを特徴とする車載システム。
【請求項2】
前記DSRC送受信手段および前記ETC制御手段は、自動料金収受用途以外に、交通情報センタとの間で車両情報の送信や車両制御信号の受信などの路車間通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の車載システム。
【請求項3】
前記ETC制御手段は、自動料金収受用途以外の場合においては個人識別情報が書き込まれたICカードがなくても路側通信手段と通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の車載システム。
【請求項4】
前記セキュリティ制御手段は、前記ETC制御手段の動作に必要な電源の供給を制御することを特徴とする請求項1に記載の車載システム。
【請求項5】
前記セキュリティ制御手段は、前記カーナビゲーション制御手段の動作に必要な電源の供給を制御することを特徴とする請求項1に記載の車載システム。
【請求項6】
前記カーナビゲーション制御手段は、前記セキュリティ制御手段からの信号に基づき、自車位置や移動方向などの情報を前記ETC制御手段に送信することを特徴とする請求項1に記載の車載システム。
【請求項7】
前記車両制御手段は、前記ETC制御手段からの指示に基づき、車両運転者の意志とは無関係に強制的に車両の速度制御や進行方向制御、制動制御、灯火器制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車載システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−204038(P2008−204038A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37546(P2007−37546)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】