説明

車載ナビゲーション装置及びコンピュータプログラム

【課題】運転者が車輌を走行させている場合に、車輌の状況に合わせて自宅等でテレビジョン番組を録画させることを可能にする。
【解決手段】録画予約を受付けた番組の放送開始時刻と、目的地への到着予定時刻とを比較し、目的地への到着予定時刻が録画予約を受付けた番組の放送開始時刻よりも遅い時刻である場合に、録画予約を受付けた番組の放送開始時刻以前の時刻に携帯電話機8による通信を行なって、指定された目的地に存在する録画装置11に録画予約の設定を行なわせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌用のナビゲーション装置、即ち車載ナビゲーション装置に関し、より具体的には、運転者が車輌を走行させている場合に、車輌の走行状況に合わせて自宅等でテレビジョン番組を録画させることを可能にした車載ナビゲーション装置に関する。また本発明は、そのような車載ナビゲーション装置を汎用コンピュータで実現するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車輌用のナビゲーション装置(車載ナビゲーション装置)は、それが搭載されている車輌の現在の推定位置(以下、単に現在位置という)を地図データとマップマッチングすることにより、道路上を走行しているように表示装置上に表示する機能、運転者又は同乗者が設定した目的地までの経路を自動的に探索して表示する機能、目的地への到着予定時刻(又は目的地までの所要時間)を推測して報知する機能などを有している。この場合、目的地としては運転者及び/又は同乗者の自宅を指定することが可能であることはいうまでもない。
【0003】
一方、近年では車載ナビゲーション装置の多機能化が進んでおり、通常は自車位置を地図画像上に表示するためのディスプレイにテレビジョン放送を表示することが可能にもなっている。特に近年のデジタルテレビジョン放送(地上及び衛星)の普及に伴って、テレビジョン受像機としての機能をも兼ね備えた車載ナビゲーション装置が普及している。更に、地上デジタルテレビジョン放送に関してはいわゆる「ワンセグ」と称される低画質ではあるが移動体向けに特化した放送も開始されている。
【0004】
また更に、携帯電話機を有線又は無線により接続することにより、データ通信が可能な車載ナビゲーション装置も実用化されている。なお、上述したデジタルテレビジョン放送に関しては、携帯電話機等の移動体通信装置から録画予約の設定を行なうことが可能な録画装置も実用化されている。
【0005】
ところで、車輌を運転中の運転者がテレビジョン放送を視聴することは法律で禁じられているが、運転者が視聴したい、又は録画したいテレビジョン番組の開始時刻までに自宅に帰着できない場合があり得る。このような場合、運転者は携帯電話機を利用して録画予約することが可能ではあるが、車輌を運転しながらの携帯電話機の操作は法律で禁じられている。また、車輌を停止させて携帯電話機を操作するとしても、視聴したいだけの番組であればその番組の放送開始時刻までに帰宅できればよいので、必ずしも録画予約を行なう必要はない。
【0006】
なお、引用文献1には、テレビジョン受像機を兼ねた車載ナビゲーション装置において、車輌が目的地へ到着するまでに放送が終了するか否かを識別可能な状態で電子番組表に表示する発明が開示されている。
【特許文献1】特開2002−320167号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1に開示されている発明は、車輌の運転者ではなく、同乗者が視聴している、又は視聴したいテレビジョン番組が車輌が目的地へ到着するまでに終了するか否か、換言すれば車輌の同乗者が車輌が目的地へ到着するまでの車輌が走行している間に、視聴している、又は視聴したいテレビジョン番組を最後まで視聴することが出来るか否かを案内することを目的としており、車輌が目的地、特に運転者及び/又は同乗者の自宅へ到着するまでに、運転者及び/又は同乗者が視聴したいテレビジョン番組を録画予約する必要があるか否かを案内するものではない。
【0008】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、車輌の運転者及び/又は同乗者が視聴したい、又は録画したいテレビジョン番組を車輌が運転者及び/又は同乗者の自宅へ到着する以前に確実に録画予約し得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の発明に係る車載ナビゲーション装置は、指定された目的地と自車の位置とに基づいて経路案内を行なうと共に、目的地への到着予定時刻を求めるナビゲーション手段を備えた車載ナビゲーション装置において、テレビジョン放送の番組の録画予約を受付ける手段と、録画予約を受付けた番組の放送開始時刻と、前記目的地への到着予定時刻とを比較する手段と、前記目的地への到着予定時刻が前記録画予約を受付けた番組の放送開始時刻よりも遅い時刻である場合に、前記録画予約を受付けた番組の放送開始時刻又はそれ以前の時刻に通信手段を介して前記指定された目的地に存在する録画装置に録画予約の設定を行なわせる設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
このような本発明の第1の発明に係る車載ナビゲーション装置では、目的地への到着予定時刻が録画予約を受付けた番組の放送開始時刻よりも遅い時刻である場合に、自動的に録画予約の設定が行なわれる。
【0011】
また本発明の第2の発明に係る車載ナビゲーション装置は第1の発明において、前記比較手段は、前記ナビゲーション手段による目的地への到着予定時刻が変更された場合は、録画予約を受付けた番組の放送開始時刻と、変更後の前記目的地への到着予定時刻とを比較するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
このような本発明の第2の発明に係る車載ナビゲーション装置では第1の発明において、車輌の走行中において目的地への到着予定時刻が変更された場合にも、変更後の目的地への到着予定時刻と録画予約を受付けた番組の放送開始時刻とが比較される。
【0013】
また本発明の第3の発明に係る車載ナビゲーション装置は第1又は第2の発明において、前記比較手段は、任意の余裕時間を見込んで、前記録画予約を受付けた番組の放送開始時刻と到着予定時刻とを比較するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
このような本発明の第3の発明に係る車載ナビゲーション装置では第1又は第2の発明において、録画予約を受付けた番組の放送開始時刻と到着予定時刻とが比較される際に、任意に設定可能な余裕時間が見込まれる。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明に係る車載ナビゲーション装置によれば、運転者がたとえば自宅へ到着する前に放送が開始されるテレビジョン番組を、走行中の車輌から録画予約することが可能になるので、運転者はあせらずに車輌を走行させることが可能になる。
【0016】
また本発明の第2の発明に係る車載ナビゲーション装置によれば第1の発明において、車輌の走行中に目的地への到着予定時刻がなんらかの事情で変更された場合にも、対応可能になる。
【0017】
また本発明の第3の発明に係る車載ナビゲーション装置によれば第1又は第2の発明において、車輌が目的地へ到着した後の車庫入れ等の時間をも見込んでおけるので、運転者は余裕を持って行動することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明に係る車載ナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。本発明に係る車載ナビゲーション装置は、基本的には公知のナビゲーションシステムであり、CPU(制御部)、メモリ、GPS受信機等を含むナビゲーションシステム本体(以下、本体という)1を中心として、表示手段としてのディスプレイ2、スピーカ3、メモリカード装着部4、ディスクドライブ装置5、デジタルテレビジョン受信部6、携帯電話接続部7等が接続されている。
【0019】
ディスプレイ2はたとえば液晶パネルを使用した表示装置であり、主としてディスクドライブ装置5に記憶されている地図データに基づいて現在の推定位置(以下、単に現在位置という)を含む所定範囲の地図画像を表示する。勿論、ディスプレイ2に表示された地図画像上に所定のマークによって現在位置(通常は矢符状のマークによって現在位置と進行方向とが示される)が表示されることはいうまでもない。但し、通常はディスプレイ2には現在位置を含む所定範囲の地図画像が表示されるが、運転者が希望する地域の地図画像を運転者の操作に従って表示することも可能である。
【0020】
なお、ディスプレイ2にはタッチパネルが併設されており、運転者の操作入力を受け付ける操作入力受付手段としても使用される。また、図示しないが、ディスプレイ2に併設されたタッチパネルの他に、独立した操作パネルを備えることも、更にはリモートコントロール装置による操作を行なえる構成とすることも勿論可能である。なお、スピーカ3は合成音声によって種々の案内等を行なうために使用される。
【0021】
メモリカード装着部4は、種々のメモリカードを装着するためのインタフェイスであり、特定のタイプのメモリカード又は種々のメモリカードを装着するためのスロットが設けられている。このスロットにメモリカードが装着された場合、本体1はメモリカードからデータを読み込み、又は逆にメモリカードへデータを書き込むことが可能である。
【0022】
ディスクドライブ装置5はいわゆるハードディスクドライブ(CD,DVDドライブであってもよい)であり、主として地図データを記憶しているが、他にも種々の情報を記憶している。また、本発明の車載ナビゲーション装置を本体1のCPUが制御するためのコンピュータプログラムもディスクドライブ装置5に記憶されている。
【0023】
デジタルテレビジョン受信部(以下、デジタルTV受信部という)6は、地上又は衛星デジタル放送の電波を受信するためのチューナと、チューナが受信した電波をディスプレイ2に表示するための処理回路等で構成されている。なお、デジタルTV受信部6をいわゆる「ワンセグ」用の受信部で構成してもよいことはいうまでもない。いずれにしろ、デジタルTV放送を受信可能であれば、電子番組表(EPG)をディスプレイ2に表示することも可能であることはいうまでもない。
【0024】
携帯電話接続部7は携帯電話機8を本体1に接続するためのインタフェイスである。なお、図示例では携帯電話接続部7は携帯電話機8と有線接続されているが、たとえばBluetooth 対応の無線接続であってもよい。
【0025】
携帯電話機8は携帯電話接続部7を介して本体1からの指示を受けることにより、自動的に発呼し、本体1から指示を受けた相手先へインターネットINを介してデータ通信を行なうことができる。なお、図1に示す例では、運転者の自宅10内に、インターネットINを介してデータ通信可能な録画装置11が設置されている。このような録画装置11は、インターネットINを介してデータ通信を行なうことにより、遠隔地からであっても録画予約の設定が可能になっている。
【0026】
なお、図1に示す例では、携帯電話機8を通信手段として利用しているが、インターネットINを介してデータ通信が可能であれば、たとえばPDA等の利用も可能である。また、本体1内に、インターネットINを介してデータ通信可能な通信手段としての通信モジュールを内蔵する構成も可能である。
【0027】
以上のような構成の本発明に係る車載ナビゲーション装置は基本的には従来のこの種の装置と同様に動作する。即ち、本体1は、GPS受信機により随時受信する人工衛星からの電波に基づいて車輌の絶対位置及び進行方位を検出し、この検出結果に図示しない各種センサの検出信号に基づく走行距離及び進行方位の変化を加味して現在位置を推定するための演算を行なう。そして、演算された現在位置を含む所定範囲の地図データがディスクドライブ装置5から読み出されてディスプレイ2に地図画像として表示されると共に、先に演算されている現在位置及び進行方向が地図画像上に重畳して表示される。また、目的地が設定されている場合には、本体1が出発地点から目的地までの走行予定経路を予めサーチし、この走行予定経路がディスプレイ2上に表示された地図画像上に重畳されて表示されると共に、右折,左折等の案内も適宜のタイミングでスピーカ3から合成音声によって行なわれる。
【0028】
また、本体1は、目的地が設定されている場合は、走行予定経路が一般道であるか又は高速道路(自動車専用道路を含む)であるか、またたとえば道路交通情報通信システム(VICS)により提供される渋滞情報、交通規制情報等に基づいて、目的地への到着予定時刻(目的地までの所要時間)を随時推定すると共に、必要に応じてディスプレイ2に表示することも可能である。なお、VICSは日本道路交通情報センターが提供する渋滞情報、交通規制情報等を走行中の車輌で受信することが可能なシステムである。
【0029】
次に、上述のような本発明の車載ナビゲーション装置の動作について、本体1(CPU)による制御手順を示す図2、図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。但し、図2、図3及び図4は一枚のフローチャートを分割して示している。またこのフローチャートに示す処理手順は、ディスクドライブ装置5に記憶されているコンピュータプログラムに従って本体1のCPUが実行する。なお、以下の説明は本発明の車載ナビゲーション装置が通常の動作を行なっている状態において、運転者の自宅10が目的地に指定された場合に、その運転者の自宅10に設置されている録画装置11に録画予約の設定を行なう例である。しかし、運転者の自宅10ではなく、たとえば運転者の勤務先、別荘等が目的地として指定された場合に以下の動作を本体1が実行するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0030】
本体1は運転者の自宅10が目的地として指定されたか否かを常時チェックしつつ(ステップS11)、運転者の自宅10が目的地として指定されない場合は(ステップS11でNO)、その時点で実行している処理を継続的に実行する(ステップS10)。運転者の自宅10が目的地に指定されると(ステップS11でYES)、本体1はフラグFをゼロリセット(F=0)し(ステップS12)、目的地として指定された運転者の自宅10の位置情報をメモリに記憶する(ステップS13)。なお、運転者の自宅10は以下の処理を実行するトリガとして予めたとえばディスクドライブ装置5にその位置情報が登録されている。なお、以下の処理を実行するトリガとしては、運転者の自宅10の他に、運転者の勤務先、別荘等を目的地として複数登録しておいてもよい。また、運転者ではなく、運転者の車輌に頻繁に同乗する人物、たとえば恋人、肉親等の自宅を登録しておいてもよい。
【0031】
次に本体1は、現在位置と、メモリに記憶された目的地として指定された運転者の自宅10との位置関係に基づいて、経路探索を実行する(ステップS14)。なおこの際に実行される経路探索そのものは従来の一般的な車載ナビゲーション装置により実行される公知の経路探索手法によればよい。次に本体1は経路探索の結果に基づいて、運転者の自宅10への到着予定時刻を求め(ステップS15)、求まった到着予定時刻をメモリに記憶する(ステップS16)。この到着予定時刻を求める手法は、従来の一般的な車載ナビゲーション装置により実行される公知の経路探索手法によればよい。
【0032】
この後、本体1は、運転者又は同乗者がディスプレイ2のタッチパネルを操作することによる録画予約指示の有無をチェックする(ステップS17)。録画予約の指示がなければ(ステップS17でNO)、本体1はフラグFの値をチェックする(ステップS19)。この時点でははフラグFの値は「0」であるので(ステップS19でNO)、本体1はステップS13へ処理を戻す。
【0033】
以上により、運転者の自宅10が目的地として指定された場合においても、録画予約の指示が与えられなければ、本体1は通常の車載ナビゲーション装置と同様に、時々刻々変化する現在位置に応じて運転者の自宅10までの経路探索を行ないつつ、到着予定時刻を求める。即ち、車輌が移動することにより、道路の混雑具合、交通規制の情報等に応じて、運転者の自宅10までの探索経路が変更される場合があり、またそれに応じて到着予定時刻も変化することはいうまでもない。
【0034】
運転者の自宅10が目的地として指定され、録画予約の指示が行なわれた場合(ステップS17でYES)、本体1はデジタルTV受信部6が受信しているTV放送の電波に基づいて、電子番組表(EPG)をディスプレイ2に表示し(ステップS18)、運転者又は同乗者により、予約する番組の指定が行なわれるか(ステップS20)、取消操作が行なわれるかを待機する(ステップS21)。取消操作が行なわれた場合(ステップS21でYES)、本体1はフラグFの値をチェックする(ステップS22)。この時点ではフラグFの値は「0」であるので(ステップS22でNO)、本体1はステップS13へ処理を戻す。この後の処理は先のステップS19において「NO」であった場合と同様である。
【0035】
予約する番組の指定が行なわれた場合(ステップS20でYES)、本体1は指定された番組の放送開始時刻を電子番組表から読み取ってメモリに記憶する(ステップS23)。次に本体1は、その時点での到着予定時刻と上記の番組の放送開始時刻とをメモリから読み出して比較する(ステップS24)。この比較の結果、到着予定時刻が放送開始時刻に任意の余裕時間αを見込んだ時刻よりも遅ければ(ステップS25でYES)、本体1は携帯電話接続部7を介して携帯電話機8に指示を与えることにより、運転者の自宅10の録画装置11の番組予約を実行する(ステップS26)。
【0036】
具体的には、本体1から携帯電話接続部7を介して携帯電話機8に指示(相手先電話番号、コマンド及びテレビジョン番組を特定する情報)が与えられる。携帯電話機8はこの指示に従って発呼し、インターネットINを介して運転者の自宅10に設置されている録画装置11に録画予約を実行させるためのコマンド及び録画予約の対象となるテレビジョン番組を特定する情報を与える。この結果、運転者の自宅10に設置されている録画装置11は車輌内で運転者(又は同乗者)が指定したテレビジョン番組の録画予約を設定する。
【0037】
より具体的には、たとえば指定されたテレビジョン番組の放送開始時刻が20:00(午後8時00分)であり、余裕時間αが15分に設定されている場合、「放送開始時刻−余裕時間α」は「19:45(午後7時45分)」になる。この場合に到着予定時刻が19:50(午後7時50分)である場合、ステップS25での判断結果は「YES」になる。従って、この場合には、本体1は携帯電話機8を携帯電話接続部7を介して操作することにより、運転者の自宅10の録画装置11に、先のステップS20において指定された録画予約を実行させる。
【0038】
逆に、たとえば放送開始時刻及び余裕時間αが上述の場合と同様であっても、到着予定時刻が19:40(午後7時40分)であれば、ステップS25での判断結果は「NO」になる。従って、この場合には、本体1は録画予約を実行させることはなく、フラグFを1に設定(F=1)し(ステップS33)、ステップS13へ処理を戻す。
【0039】
なお、録画予約が指定された番組が複数ある場合には、上述の処理をそれぞれの番組に付いて行なう必要があることはいうまでもない。
【0040】
但し、携帯電話機8から運転者の自宅10の録画装置11へ録画予約の指示を与えようとしても、携帯電話機8に関しては、種々の事情により通信を行なえない場合、たとえばいわゆる通話圏外である場合等がある。従って、このような場合には本体1は実際に番組予約が実行できたか否かを判断する(ステップS27)。そして、実際に録画予約が実行できた場合には(ステップS27でYES)、本体1はフラグFをゼロリセット(F=0)し、ステップS13へ処理を戻す。
【0041】
一方、携帯電話機8が通信圏外である場合等のように、録画予約が出来なかった場合(ステップS27でNO)、本体1はその時点で求まっている到着予定時刻と、録画予約するように指定された番組の放送開始時刻に余裕時間を見込んだ時刻になっているか否かを判断する(ステップS29)。この判断の結果が「NO」であった場合、まだ時間に余裕があるので、本体1はフラグFを「1」にセット(F=1)し、ステップS13へ処理を戻す。
【0042】
ステップS29での判断の結果が「YES」であった場合、本体1は録画予約の実行は行なわずに、メモリカード装着部4に装着されているメモリカードに番組の録画を行ない(ステップS31)、フラグFをゼロリセット(F=0)し(ステップS32)、ステップS13へ処理を戻す。従って、たとえば携帯電話機8が運転者の自宅10と通話(データ通信)可能になった時点において既に録画予約するように設定された番組の放送の開始直前である場合には、録画予約されるのではなく、車載ナビゲーション装置のメモリカード装着部4に装着されているメモリカードに番組が録画される。このようにしてメモリカードに録画された番組は、車載ナビゲーション装置のディスプレイ2に表示再生させることも可能であるし、運転者の自宅10に設置されている録画装置11に接続されたTV受像機にメモリカードのスロットがあれば、そのTV受像機で再生することも可能である。
【0043】
なお、上述のメモリカードに代えて、ディスクドライブ装置5内の記憶媒体であるHDDに録画することも可能である。但しこの場合には、その番組はディスプレイ2でのみ再生表示が可能である。
【0044】
以上のようにして録画予約の指示があったが実際には録画予約を行なう必要がない場合にはフラグFが「1」にセットされるので、ステップS19での判断結果は「YES」になる。この場合、その時点で求まっている自宅10への到着予定時刻に基づいてステップS25での判断が行なわれる。即ち、本発明では車輌の走行中に時々刻々変化する到着予定時刻に基づいて、実際の録画予約が行なわれるか否かが判断される。これはたとえば、当初は到着予定時刻が録画予約を行なう必要はない時刻であったとしても、その後の車輌の実際の走行時間の変化(たとえば途中で渋滞に遭遇した場合、運転者自ら休憩した場合等)に応じて録画予約の必要性が判断されることを意味している。
【0045】
なお、一旦録画予約が実行された場合はフラグFがゼロリセット(F=0)されるので、その後に到着予定時刻が早まったとしても、録画予約が解除されることはない。これは、一旦実行した録画予約をわざわざ解除する必要がないためである。但し、到着予定時刻が早まった場合には、一旦実行した録画予約を解除するようにしてもよい。
【0046】
また、録画予約する番組が指定されたが到着時刻の関係で実際には録画予約が実行されていない場合に、再度ステップS17において異なる番組の予約を行なうことも勿論可能である。更に、録画予約する番組が指定されたが到着時刻の関係で実際には録画予約が実行されていない場合に、ステップS18において電子番組表が表示されたにもかかわらずステップS21において取消操作が行なわれた場合、既に録画予約するように指定された番組に関してはその指定は有効である。この場合、フラグFは「1」のままであるので、前述したステップS24へ処理が進められる。
【0047】
なお、余裕時間αは、車輌そのものが運転者の自宅10に到着したとしても、実際には車庫入れのための時間、荷物を降ろすための時間等が必要であるために、運転者が直ちに番組を視聴することは出来ない場合が一般的であることに鑑みて設定されている。この余裕時間αは、フローチャートには示していない処理により、運転者が任意に設定することが可能である。勿論、余裕時間αを設定しない(α=0)ことも可能である。
【0048】
以上のように本発明に係る車載ナビゲーション装置によれば、運転者がたとえば自宅へ到着する前に放送が開始されるテレビジョン番組を、走行中の車輌から録画予約することが可能になるので、運転者はあせらずに車輌を走行させることが可能になる。また、車輌の走行中に目的地への到着予定時刻がなんらかの事情で変更された場合にも、対応可能になる。更に、車輌が目的地へ到着した後の車庫入れ等の時間をも見込んでおけるので、運転者は余裕を持って行動することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る車載ナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る車載ナビゲーション装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る車載ナビゲーション装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る車載ナビゲーション装置による処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 本体(ナビゲーションシステム本体)
2 ディスプレイ
4 メモリカード装着部
5 ディスクドライブ装置
6 デジタルTV受信部
7 携帯電話接続部
8 携帯電話機
10 (運転者の)自宅
11 録画装置
IN インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定された目的地と自車の位置とに基づいて経路案内を行なうと共に、目的地への到着予定時刻を求めるナビゲーション手段を備えた車載ナビゲーション装置において、
テレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信手段と、
該テレビジョン放送受信手段が受信した電子番組表を表示する表示手段と、
該表示手段に表示された電子番組表に基づいてテレビジョン放送の番組の録画予約を受付ける手段と、
録画予約を受付けた番組の放送開始時刻と、前記ナビゲーション手段が求めた目的地への到着予定時刻とを比較する手段と、
遠隔地の録画装置にデータ通信により録画予約の設定を行なう通信手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記目的地への到着予定時刻が前記録画予約を受付けた番組の放送開始時刻よりも遅い時刻である場合に、前記録画予約を受付けた番組の放送開始時刻以前に前記通信手段を介して前記指定された目的地に存在する録画装置に録画予約の設定を行なわせる設定手段と
を備えたことを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記比較手段は、前記ナビゲーション手段が求めた目的地への到着予定時刻が変更された場合は、録画予約を受付けた番組の放送開始時刻と、変更後の前記目的地への到着予定時刻とを比較するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記比較手段は、任意の余裕時間を見込んで、前記録画予約を受付けた番組の放送開始時刻と到着予定時刻とを比較するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項4】
テレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信手段と、該テレビジョン放送受信手段が受信した電子番組表を表示する表示手段と、遠隔地の録画装置にデータ通信により録画予約の設定を行なう通信手段とに接続されたコンピュータに、指定された目的地と自車の位置とに基づいて経路案内を行なわせると共に、目的地への到着予定時刻を求めさせるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、前記表示手段に表示された電子番組表に基づいてテレビジョン放送の番組の録画予約を受付けさせる手順と、
コンピュータに、録画予約を受付けた番組の放送開始時刻と、求められている目的地への到着予定時刻とを比較させる手順と、
前記比較の結果、前記目的地への到着予定時刻が前記録画予約を受付けた番組の放送開始時刻よりも遅い時刻である場合に、前記録画予約を受付けた番組の放送開始時刻以前に前記通信手段を介して前記指定された目的地に存在する録画装置に録画予約の設定を行なわせる手順と、
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記比較させる手順においてコンピュータに、求められた目的地への到着予定時刻が変更された場合は、録画予約を受付けた番組の放送開始時刻と、変更後の前記目的地への到着予定時刻とを比較させるようにしてあることを特徴とする請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記比較させる手順においてコンピュータに、任意の余裕時間を見込んで、前記録画予約を受付けた番組の放送開始時刻と到着予定時刻とを比較させるようにしてあることを特徴とする請求項4又は5に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−244854(P2008−244854A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82660(P2007−82660)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】