説明

車載用ナビゲーション装置及びプログラム

【課題】車両がこれから走行する経路上に存在する任意の信号機の現示を判定可能な車載用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】車載用ナビゲーション装置の情報記憶部に記憶された信号機データは、信号機番号、各信号機の設置位置情報、および現示を判定可能な信号現示情報を有し、信号機毎の現示と時刻との対応関係を示す情報を含む。これを前提とし、地図画面上で信号交差点を選択することで対象信号機を設定したことを判断すると(S10)、現在位置から対象信号機に到着するまでの経路を探索し(S31)、設定した経路上の信号機を地図データから読み出し(S60)、現在位置と経路上の最も近い信号機との間の所要時間、および、経路上で隣り合う信号機間の所要時間を算出して(S70)所要時間と信号機データ内の信号現示情報とから、各信号機の現示情報を予測することで(S80)対象信号機の到着時の現示を判定して報知する(S90)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行中の車両がこれから通過する予定の交通信号機(以下、信号機とする)に関する点灯状態を、運転者に報知するシステムとして、様々な技術が提案されている。
一例として、特許文献1には、車載ナビゲーション装置とある時点での信号機の点灯状態(以下、現示とする)に関する情報を複数の信号機について蓄積しているセンタとの間で通信を行い、自車両前方に位置する最も近い信号機の現示を運転者に報知するシステムが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2008−033774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載された技術もそうであるように、従来知られるような信号機の現示を報知する技術は、走行中の車両が最初に通過する信号機の現示を判定することを前提に構成されている。ここで、車両の走行しようとする経路上で、最初にさしかかる信号機のみならず、これから通過する予定の数個先の信号機について予め現示を予測する手段には、ニーズこそ有るものの、これを具現化した技術は未だ知られていない。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両がこれから走行する経路上に存在する任意の信号機の現示を判定可能な車載用ナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、車両の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、信号機の設置位置に関する設置位置情報、および各信号機の現示を判定可能な信号現示情報を取得する信号機情報取得手段と、設置位置情報に基づき、特定の信号機を対象信号機として設定する対象信号機設定手段と、現在位置情報と設置位置情報とに基づき、現在位置から対象信号機までの経路を探索する経路探索手段と、当該経路と信号現示情報とに基づき、対象信号機に車両が到着する時点における当該対象信号機の現示を判定する信号機現示判定手段と、当該信号機現示判定手段にて判定した対象信号機の現示を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
つまり、これから走行する経路上で自車両が最初に通過する信号機の現示のみならず、現在位置から複数個先にある信号機の現示をも判定可能とするのが、本発明の思想である。まず、判定対象とすべく任意の信号機を選んで対象信号機として設定すると、当該対象信号機までの経路を探索し、判定に用いる経路を一つ取得する。そこで、自車両が現在位置から対象信号機まで当該経路に沿って走行することを仮定し、信号機情報取得手段により取得される信号現示情報に基づき、対象信号機に到着する時点での現示を判定する。このように、本発明によれば、任意の対象信号機の現示を判定して報知することができる。
【0008】
また、本発明において、上記信号現示情報は、信号機の現示と時刻との対応関係を示す情報であることが例示される。この場合、信号機現示判定手段は、経路と信号機の設置位置情報とから経路の走行時間を算出し、当該経路の走行時間と信号現示情報とに基づき、対象信号機に到着した時点での現示を判定するように構成されていることが好ましい。例えば、信号現示情報として、個々の信号機の時刻に応じた現示を判定可能な情報を用いる場合、経路の走行時間に基づいて判定を行うようにすれば、各信号機に車両が到着する時刻とその時刻における信号機の現示を逐次求めることが可能となり、対象信号機の現示をより的確に判定することができるのである。
【0009】
また、本発明では、上記説明した例に代えて、信号現示情報として、複数の信号機における現示の対応関係を示す情報を用いてもよい。この場合、信号機現示判定手段は、経路上に存在する信号機を抽出し、当該経路上に存在する信号機と信号現示情報とに基づき、対象信号機に到着した時点での現示を判定するように構成されていることが好ましい。ここで、複数の信号機における現示の対応関係とは、例えば、車両が一の信号機「T1」を通過し、隣の信号交差点に位置する次の信号機「T2」に向かって進む場合に、当該車両が次の信号機「T2」に到着する時点での現示は進行信号となる確率が高い、といった具合に、連続する複数の信号機間にみられる現示の相関関係をいう。このような情報を用いる場合は、各信号機について個別に時刻毎の現示を知る必要がない。そのため、経路上に複数の信号機がある場合、当該複数の信号機について一連の現示の対応関係を参照することにより、対象信号機の現示を判定することができる。
【0010】
ところで、上述した複数の信号機における現示の対応関係は、複数の走行時間に関連付けられたものであってもよい。そして、信号機現示判定手段は、経路上に存在する信号機について、隣接する信号機間毎の走行時間を算出し、当該信号機間毎の走行時間と信号現示情報とに基づき、対象信号機に到着した時点での現示を判定するように構成されていることが好ましい。複数の走行時間に関連付けられた信号機間の現示の対応関係については、例えば、以下のように説明することができる。すなわち、一の信号機「T1」から次の信号機「T2」までの間を車両が走行する場合を例示すると、両信号機間の走行時間が30秒ならば次の信号機「T2」の現示は進行信号になるが、当該信号機間の走行時間が70秒ならば次の信号機「T2」の現示は停止信号になる、という具合に、到着時における各信号機の現示が走行時間に伴い可変であることをいう。このような対応関係を含んだ信号現示情報を、信号機間毎の走行時間に応じて参照するようにすれば、道路の渋滞状況や運転者毎の個人差などにより実際の走行時間が変動しうる点を考慮に入れることができるようになり、より精度良く対象信号機の現示を判定することが可能となる。
【0011】
なお、そうして判定された対象信号機の現示は、例えば、報知手段によって、当該対象信号機までの経路とともに地図上に表示されてユーザに報知されるといった方法で活用されることが好ましい。対象信号機が現在位置から複数個先にある信号機の場合、当該対象信号機に至るまでに交差点を経由する可能性が高いので、経路も複数考えられる。そして、対象信号機に到着するまでの走行時間および到着時における現示は、走行する経路によって当然異なるので、現示を経路とともに知る必要性が高い。そこで、経路と対象信号機の現示との両方が地図画面上に表示されれば、実際の走行に先立って複数個先の信号機の現示を判定するユーザにとって、判定結果および当該信号機までの経路が一目瞭然となってわかりやすい。また、このように地図画面とともに表示された判定結果をもとにすれば、目的地までにかかる走行時間や走行しやすい経路などの判断がより容易になる。
【0012】
なお、上述したように、現在位置から対象信号機までの経路は複数考えられる。したがって、経路探索手段にて現在位置から対象信号機までの経路を複数探索するものとし、信号機現示判定手段は、複数の経路について、対象信号機に車両が到着する時点での現示を判定し、報知手段は、複数の経路のうちの一の経路とそれに対応する対象信号機の現示とを地図上に表示するものとして構成されていることが例示される。このようにすれば、ユーザは複数の経路のうちの一つ一つの経路に対応付けて、対象信号機の各経路に応じた現示を把握することができる。また、例えば、ユーザが複数の経路の中から、信号機の現示を考慮に入れて最適な経路を選択するというように、現示の判定結果を活用することが可能となる。
【0013】
以上は、車載用ナビゲーション装置の発明として説明してきたが、次に示すようなプログラムの発明として実現することもできる。
すなわち、車両の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理、信号機の設置位置に関する設置位置情報、および各信号機の現示を判定可能な信号現示情報を取得する信号機情報取得処理、前記設置位置情報に基づき、特定の信号機を対象信号機として設定する対象信号機設定処理、前記現在位置情報と前記設置位置情報とに基づき、前記現在位置から前記対象信号機までの経路を探索する経路探索処理、前記経路と前記信号現示情報とに基づき、前記対象信号機に車両が到着する時点における前記対象信号機の現示を判定する信号機現示判定処理、そして前記信号機現示判定手段にて判定した前記対象信号機の現示を報知する報知処理を含むプログラムである。
このようなプログラムを実行することで、上記と同様の効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る第1実施形態の車載用ナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。車載用ナビゲーション装置1は、制御部10を中心に構成されており、この制御部10に接続される位置検出器20、地図データ記憶部30、操作スイッチ群40、通信部50、描画部60、音声出力部70、および、情報記憶部80を備えている。なお、制御部10は通常のコンピュータとして構成されており、内部には、CPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。また、描画部60には、ディスプレイ60aが電気的に接続されており、音声出力部70には、スピーカ70aが電気的に接続されている。
【0015】
位置検出器20は、いずれも周知の地磁気センサ21、ジャイロスコープ22、距離センサ23、及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System )受信機24等を有している。これらのセンサ等21−24は、各々が性質の異なる誤差を持っているため、相互に補完しながら使用される。なお、精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサ、各車輪の車輪速センサ等を用いてもよい。
【0016】
地図データ記憶部30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ及び地図データを記憶している。この地図データには、ノードを示すノードデータ、および道路をリンクとして示すリンクデータが含まれている。ノードデータは、ノード毎にノード番号、座標、および接続するリンクのリンク番号が対応付けられている。また、リンクデータは、リンク毎にリンク番号および進行方向が対応付けられている。本実施形態では、地図データ記憶部30を、ハードディスク装置(HDD)で構成している。なお、本実施形態ではHDDを用いたが、DVD−ROMやメモリカード等の他の媒体を用いても差し支えない。
操作スイッチ群40は、ディスプレイ60aと一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチやリモコン装置等で構成され、各種入力に使用される。
【0017】
通信部50は、情報センタ90からの情報を受信する。本実施形態では、電話回線にて通信部50と情報センタ90との間で双方向通信が可能となっており、車載用ナビゲーション装置1は、各種情報を、情報センタ90から取得する。また、車載用ナビゲーション装置1からの情報が、プローブ情報として情報センタ90に蓄積される。さらにまた、情報センタ90には、VICS(登録商標、Vehicle Information and Communication System)センタからの交通情報が蓄積される。
【0018】
情報記憶部80は、地図データ記憶部30同様、例えばハードディスク装置として実現される記憶装置である。もちろんハードディスク装置以外で構成しても差し支えない。情報記憶部80は、信号機に関する各種情報を示す信号機データを記憶している。本実施形態では、信号機データが、信号機を特定可能な信号機番号、信号機の設置位置に関する設置位置情報、および各信号機の現示を判定するために用いられる信号現示情報を含む。
【0019】
ここで、本実施形態における上記信号機データの構成について、具体的に説明しておく。以下、前提として、本実施形態で信号機という場合、信号機の設置された交差点(以下、信号交差点という)単位で、当該信号交差点における複数の信号機をまとめて示すものとする。つまり、信号機番号とは、各信号機が設置された信号交差点を特定するための識別情報である。
【0020】
また、信号機データ内では、各信号機の地図データ内での設置位置、すなわち設置された信号交差点を示すノードのノード番号と信号機番号とが予め対応付けられていることによって、地図データ内で各信号機を特定することが可能となっている。本実施形態では、当該ノード番号が設置位置情報を構成している。さらに、信号機データには、各信号機番号と、当該信号機番号に対応する信号交差点への進入方向とに対応付けられた信号現示情報が含まれている。本実施形態においては、信号交差点に対応するノードに接続する各リンクのリンク番号と「上り」「下り」で例示される進行方向とにより、各信号交差点に車両が進入する進入方向が特定され、各信号機についての信号現示情報は当該リンク番号及びリンクの進行方向で特定された方向毎に構成されるものとなる。もちろん、「上り」「下り」でそれぞれ別のリンクが存在する場合には、リンク番号のみで進入方向が特定できる。なお、本実施形態における信号機番号はノード番号と対応付けられているため、信号機番号の代わりにノード番号を識別情報として用いることで、信号機を特定するようにしてもよい。
【0021】
第1実施形態の信号現示情報の構成を、図2を用いてさらに詳しく説明する。図2は、地図データを説明のために簡略化した図である。地図データ内において各ノードにて示される信号交差点に、信号機番号T0〜T12が付された信号機が設けられている。また、各リンクは、説明の便宜上、図2の紙面上方を「北」側としたとき、各信号交差点から東西南北に延びているものとする。そして、以下、例えば、信号機T9側から信号機T1のある信号交差点に進入するまでの道路に対応するリンクを、「信号機T1に南側から進入するリンク」ということにする。なお、実際の地図データにおいては、信号交差点への進入方向を、当該信号交差点への進入に先立って通過するリンクのリンク番号(例えば、信号交差点に対応するノードに接続するリンクのリンク番号)、およびリンクの進行方向で特定すればよい。
【0022】
本実施例では、信号現示情報は信号機の現示と時刻との対応関係を示す情報、つまり各信号機について時刻毎の現示の遷移を表す情報である。ここで、信号機の現示において、「青」は進行信号を示し、「赤」は停止信号を示すとともに、「赤」は「黄」を含むことを前提に説明を進める。例えば、信号機T1における信号現示情報を、当該信号機T1のある信号交差点への進入方向が「南から」のときは「7時0分0秒から7時2分0秒」の現示が「青」、「7時2分0秒から7時4分0秒」の現示が「赤」、という具合に構成することが例示される。この例によるとさらに、同じ信号機T1への進入方向が「西から」のときには「7時0分0秒から7時2分30秒」の現示が「赤」、「7時2分30秒から7時4分0秒」の現示が「青」、という具合に、各信号機の信号現示情報を、それぞれの進入方向についての複数の時系列データから構成する。
【0023】
続いて、上記の構成を有するナビゲーション装置1において実行される、信号機の現示情報判定処理を説明する。
図3は、第1実施形態でナビゲーション装置1にて実行される現示情報判定処理を示すフローチャートである。この処理は、ナビゲーション装置1にて、例えば所定時間間隔で、繰り返し実行される。
【0024】
最初のステップ(以下「ステップ」を単に記号Sで示す)10において、対象信号機を設定したか否かを判断する。ここで、「対象信号機を設定」することは、例えば、図4のような地図表示画面M上において、信号交差点などの信号機が存在する位置に対応して表示された信号機のアイコンの中から、操作スイッチ群40により対象信号機(図4中では、ポインタXにて示された信号機A)を選択する操作にて実行される。本実施例では、地図上において指定された位置からノードを特定し、当該ノードに対応する信号機を対象信号機として設定することが例示される。このように、対象信号機を設定したと判断された場合(S10:YES)、S20へ移行する。一方、対象信号機を設定していないと判断された場合(S10:NO)、以降の処理を実行せず、本現示情報判定処理を終了する。
【0025】
S20では、S10にて設定された対象信号機が前回と同じ信号機か否かを判断する。この処理は、本現示情報判定処理を連続して行う場合において、かつ、連続して同一の信号機を対象信号機として設定したか否かを判断するものである。例えば、対象信号機として図2中の信号機T3を設定した場合、S20では、前回も信号機T3についての判定を行ったのか、を判断する。ここで、対象信号機が前回と同じ信号機であると判断された場合(S20:YES)、S30へ移行する。一方、本現示情報判定処理を直前に行わなかった場合を含め、対象信号機は前回と同じ信号機でない、と判断された場合(S20:NO)、S31に移行する。
【0026】
S20で対象信号機が前回と同じ信号機ではないと判断された場合に移行する31では、推奨ルート及び別ルートを探索する。つまり、車両の現在位置から対象信号機までの二の経路を探索する。本実施形態のS31にて実行される処理は、地図データ記憶部30に記憶された地図データおよび位置検出器20により検出された車両の現在位置を示す情報、例えば座標情報等に基づき、自車両の現在位置を検出し、設定された対象信号機までの経路を探索する処理である。なお、例えば、道路の走行距離や、通信部50にて情報センタ90から受信した交通情報に基づいた渋滞等、各種条件を反映して最適と判断される経路、すなわち「推奨ルート」を現在位置から対象信号機までの経路として選択する。さらに、「推奨ルート」の次に最適と判断される経路として、「別ルート」を設定する。例えば、S31の処理にて図5のR1に示す「対象信号機Aまでの推奨ルート」が探索されたのち、図6のR2に示す「別ルート」が探索される、という具合である。S31の処理を実行すると、S50に移行する。
【0027】
S30では、前回行った現示情報判定処理におけるS31によって探索された、別ルートがあるか否かを判断する。つまり、前回行った現示情報判定処理におけるS31によって、推奨ルート以外の経路が探索されたか否かを判断する。ここで別ルートがあると判断された場合(S30:YES)、S40に移行する。一方、別ルートがないと判断された場合(S30:NO)、S50に移行する。
【0028】
S50では、推奨ルートを、S60以降において対象信号機の現示を判定する際に用いる「経路」として設定する。S50の処理を実行すると、S60に移行する。
なお、S40では、前回行った現示情報判定処理において設定したルートと異なるルートを「経路」として設定する。具体的には、前回の現示情報判定処理で推奨ルートが「経路」として設定されていた場合には、別ルートを設定する。また、前回の現示情報判定処理で別ルートが「経路」として設定されていた場合には、推奨ルートを設定する。S40の処理を実行すると、S60に移行する。
【0029】
S60では、経路上の信号機を地図データから読み出す。具体的には、地図データ記憶部30に記憶された地図データ中で、経路上の各ノードに対応する各信号機の信号機番号および信号現示情報を、情報記憶部80から読み出すことが例示される。例えば、図2に示すように自車両の現在位置が信号機T1の手前であるとき、対象信号機として信号機T3を設定した場合は、S60の処理では、経路上の各信号機として信号機T1、信号機T2、および信号機T3の信号機データを抽出して読み出すことになる。
【0030】
続くS70では、現在位置と経路上の最も近い信号機との間の所要時間、および、経路上で隣り合う信号機間の所要時間を算出する。続いて、S80では、算出した所要時間から、各信号機の現示情報を予測する。具体的に図2を用いて説明すると、自車両の現在位置が信号機T9から信号機T1に向かって走行する間の位置であるとき、T1に南から進入して到達する時点で「7時3分0秒」であれば、現示が「赤」となり、そこで自車両が停止することがわかる。ここで、対象信号機を信号機T3とした場合において、信号機T1での停止時間を含めて現在位置からの走行時間として推定される所要時間を、例えば、「7時4分0秒」の時点で信号機T1の現示が「青」となってから信号機T2まで走行する場合の所要時間が1分である場合、1分後の「7時5分0秒」における信号機T2の現示が「青」、このとき信号機T2から信号機T3まで走行する場合の所要時間が5分、…という具合に、対象信号機T3に到達するまでの所要時間を算出していくことが考えられる。なお、当該所要時間は、例えば、経路の一般的な走行速度と経路の各地点間の走行距離とから算出してもよいし、渋滞情報などを考慮して求めたものであってもよい。
【0031】
そして、次に移行するS90では、対象信号機までの経路、所要時間、対象信号機の現示情報を報知する。この処理によると、具体的には、図4の地図表示画面Mにて設定された対象信号機Aについて、図5に示すように、経路R1と対象信号機の現示とを報知する。さらに、当該経路R1の途中で経由する各信号機の現示および当該各信号機間の所要時間を含んだ現示情報の判定結果表示画面I1が地図表示画面M上に表示される、といった方法で報知することが好ましい。また、続けて対象信号機Aまでの別の経路を通った場合の現示を判定したとき、例えば、図6に示すように、経路R2と対象信号機の現示とを報知し、さらに、当該経路R2の途中で経由する各信号機の現示および当該各信号機間の所要時間を含んだ現示情報の判定結果表示画面I2が地図表示画面M上に表示されるようにしてもよい。もしくは、経路R1と経路R2の二通りの経路のうちいずれかをユーザが選択しやすいように、図5と図6の二通りの判定結果表示画面を並列して表示するなど、異なる経路に応じて導かれる現示の異なる判定結果をわかり易く報知するのであれば、いかなる形態で報知されるようにしてもよい。なお、このS90による報知処理が完了した時点で、本現示情報判定処理を終了する。
【0032】
次に、本実施形態の車載用ナビゲーション装置1が奏する効果を説明する。
本実施形態では、まず、判定対象とすべく任意の信号機を選んで対象信号機として設定すると、当該対象信号機までの経路を探索し、判定に用いる経路を一つ取得する。そこで、本実施形態によると、現示の判定対象に設定できる信号機は、自車両が最初に到着する信号機に限らず、地図表示画面上から任意に選択可能であることが大きな特徴である。そして、現在位置から対象信号機にたどり着くまでの経路は複数考えられるが、本実施形態では、設定した信号機について経路を一つ取得し、その経路に沿って走行することを仮定し、その経路上の対象信号機を含む各信号機に関して、信号現示情報を用いて到着時の現示を順に判定することができる。このようにして、本実施形態によると、各信号機に車両が到着する時刻とその時刻における信号機の現示を逐次求めることが可能となり、対象信号機が現在位置から複数個先の信号機であっても現示を的確に判定することが可能となる。
【0033】
また、特に、「推奨ルート」として道路の走行距離や渋滞等を考慮して最適と考えられる経路が自動で引かれるなど、実際の走行に即した経路を求める構成を採用し、あるいは、複数の経路に応じて複数の現示情報判定処理による判定結果を示すような構成とした。この構成により、到着までの好適な経路と到着時の現示とを含めて、判定結果情報を経路の候補を挙げて報知することができるため、ユーザがより走行し易い経路を選択するのに役立つ情報として、任意の信号機の現示に関する情報を提供することが可能となる。
【0034】
(第2実施形態)
ところで、上記第1実施形態は、情報記憶部80に記憶された信号機データ内の信号現示情報を「信号機の現示と時刻との対応関係を示す情報」として構成した例であるが、信号現示情報が「複数の信号機における現示の対応関係を示す情報」である場合は、以下に第2実施形態として例示する構成を採用することが好ましい。
そこで、本発明に係る第2実施形態の車載用ナビゲーション装置1の構成、および、この第2実施形態でナビゲーション装置1にて実行される現示情報判定処理について、第1実施例と異なる点を説明する。第2実施形態では、図1に示す車載用ナビゲーション装置1の情報記憶部80に記憶された信号機データ内に、複数の信号機における現示の対応関係を示す情報として、図7に例示する「信号機の系統情報」にて構成された信号現示情報を蓄積している。
【0035】
図7に示す信号機の系統情報にて具現化される、複数の信号機における現示の対応関係は、具体的には、第1実施形態の説明に用いたものと同一の地図データを示す図2を用いて以下のように説明することができる。すなわち、この信号機の系統情報は、例えば、車両が信号機T1を通過し、隣の信号交差点に位置する次の信号機T2に向かって進む場合に、当該車両が次の信号機T2に到着する時点で信号機T2の現示は「青」となる確率が高い、といった具合に、連続する複数の信号機間にみられる現示の相関関係にて構成されたデータである。
図7に示す本実施形態の信号機の系統情報は、対象信号機の現示を判定するための起点となる信号機である「通過信号機」毎に、その信号機のある信号交差点にどの方向から進入したかに応じて決まる、次の信号機に到着した時点で示されることが予測される現示を含んで構成されている。図7からわかるとおり、当該系統情報では、次の信号機に到着した時点で示されると予測される現示が「青」である場合、さらに次に到着する信号機について予測される到着時の現示を続けて示す。そして、到着時の現示が「赤」になると予測される信号機を終点として、「通過信号機」から当該「赤」となる信号機までの一連の信号機の現示を示すデータを構成している。
なお、図7によると、本実施形態では、表中に括弧を付した数字で上述の「信号機に到着するまでの所要時間」を秒単位で示している。このように、本実施形態における信号機の系統情報は、信号機間の所要時間に関する情報を含んだデータであってもよい。この信号機間の所要時間は、例えば、信号機に対応する停止線を通過してから次の信号機に対応する停止線に到着するまでの区間の走行にかかる平均の所要時間であり、車両の平均速度と当該区間の走行距離とから算出してもよく、あるいは、当該区間を走行した車両の走行時間がプローブ情報として蓄積されたデータから平均走行時間を取得し所要時間として用いてもよい。本実施形態では、この信号機間の所要時間に関する情報自体を現示の判定に用いる必要はないが、一実施態様として、ナビゲーション装置1にて信号機の現示とともに経路の所要時間を報知するために当該情報を用いることが例示される。
【0036】
ここで、第1実施形態と同じく、実際の地図データにおいては、各リンクに接続された信号交差点への進入方向を当該信号交差点への進入に先立って通過するリンクのリンク番号と進行方向とで特定することが好ましいが、本実施形態に係る図7の説明においては、便宜上、図2の紙面上方を「北」側とし、各信号交差点から東西南北に延びるリンクを用いて各信号交差点への進入方向を特定する際、「南から」、「西から」、等と言うことにする。また、図7の表中における「通過信号機」とは、「自車両が現在位置までに通過した信号機のうち、直近で通過した信号機」と定義される信号機をいう。したがって、図7の信号機の系統情報では、例えば、図2の信号機T1に信号機T9側から進入する場合、信号機T1への進入方向が「南から」となる。さらに、例えば、当該信号機T1に到達し、信号機T2に向かうとき、当該自車両の現在位置が信号機T1と信号機T2との間へ移動した時点で、信号機T1が通過信号機となる。
【0037】
本実施形態では、通過信号機「信号機Tn(n=1,2,…)」の、進入方向が「Dから(D=南,北,…)」の場合を基準とし、続いて通過する信号機の候補となる各信号機に到着する時点における現示を、各信号機の設置された信号交差点および当該信号交差点への進入方向(例えば、各信号交差点に対応するノードのノード番号と当該ノードに接続するリンクのリンク番号、およびリンクの進行方向)とともに「2つ目の信号機」、「3つ目の信号機」、・・・、と到着する順に系統的に並べて信号機の系統情報を構成している。
例えば、対象信号機として信号機T3が設定されており、通過信号機が信号機T1であり南から通過した場合、続いて信号機T2を経由して、対象信号機T3に到達したときの現示は、図7の信号機の系統情報から、「2つ目の信号機」である「T2」は「青」、「3つ目の信号機」である「T3」は「青」、というように導かれる。
なお、上述したように、本実施形態では信号機が「赤」の場合を各通過信号機から連続したデータの終点とするため、対象信号機までの経路の途中に「赤」となる信号機があれば、その「赤」となる信号機を通過信号機として、当該信号機を起点としたデータを参照することになる。例えば、自車両が信号機T2のある信号交差点を「南から」通過して信号機T1に向かう途中であるとき、信号機の系統情報を以下のように参照すればよい。一例として、対象信号機として信号機T5を設定したとすると、図7の「通過信号機がT2で進行方向が南から」の場合を参照し、「2つ目の信号機」である「T1」が「赤」になることがわかる。ここで、「2つ目の信号機」が「赤」である場合の「3つ目の信号機」の現示はこのデータに示されないので、「通過信号機がT1で進行方向が東から」の場合を参照すれば、「2つ目の信号機」である「T5」の現示(但し、図7では図示を省略した)を判定することができる。
【0038】
続いて、上記の信号機の系統情報を用いるものとして構成された、第2実施形態のナビゲーション装置1による信号機の現示情報判定処理を説明する。
図8は、第2実施形態でナビゲーション装置1にて実行される現示情報判定処理を示すフローチャートである。本実施形態による現示情報判定処理では、図3にて説明したS60、S70、およびS80に代えて、図8に示すS61、S71、およびS81の各処理を実行するという点に、第1実施形態の現示情報判定処理との違いがある。なお、本実施形態による車載用ナビゲーション装置1は、自車両が直近に通過した信号機を「通過信号機」としてRAMにて記憶するように構成されていることが好ましい。このような構成によって、信号機の現示情報判定処理を実行する際に自車両が現在位置までに通過した信号機から直近の通過信号機を抽出して信号機の系統情報を読み出すことが容易となる。以下、車載用ナビゲーション装置1が当該構成を有することを前提として、S61、S71、およびS81の処理を説明する。
【0039】
本実施形態によると、S40またはS50の処理を実行したことに続いて、S61に移行する。S61では、現在位置までに通過した信号機から、直近で通過した信号機を“通過信号機”として抽出する。これは、上記説明した構成の車載用ナビゲーション装置1であれば、RAMにて記憶されている「通過信号機」を抽出することで実行できる。
【0040】
続いて、S71では、“通過信号機”及びそれを通過した方向に基づき、信号機の系統情報を読み出す。そして、続くS81にて、探索した経路と読み出した信号機の系統情報とから各信号機の現示情報を予測する。これらの処理により、上記に説明したように、図7に示すような信号機の系統情報のうち、通過信号機および進入方向に対応した信号機の系統情報を読み出し、当該読み出した信号機の系統情報の内の、探索した経路に沿った各信号機について予測される現示情報を抽出し、対象信号機について到着時の現示情報を判定するのに用いる。この処理に続いて、第1実施形態と同様にS90に移行して、対象信号機までの経路、所要時間、および対象信号機の現示情報を報知したのち、本処理を終了する。
なお、本実施形態のS90では、第1実施形態とは異なる方法で所要時間を算出することになる。具体的には、図7の信号機の系統情報から各信号機間の所要時間に関する情報を読み出し、当該各信号機間の所要時間を信号機間毎に、あるいは所要時間の合計を算出するなどの方法で経路全体の所要時間を取得し、対象信号機までの経路や到着時の対象信号機の現示情報とともに報知することが例示される。
また、上述したように、第2実施形態では信号機間毎の所要時間を現示情報の判定に用いる必要がないので、その変形例として、信号機の系統情報に当該所要時間を含むことなく構成することも考えられる。この場合、当該変形例における車載用ナビゲーション装置による報知処理のステップは、S90に代えて、「対象信号機までの経路および対象信号機の現示情報を報知する」のみのステップとなることが例示される。
【0041】
上述した第2実施形態によると、たとえ各信号機の独立した現示情報が不明であっても、信号現示情報として、上記で「通過信号機」として示したような基準となる一の信号機から、連続する複数の信号機間にみられる現示の相関関係を導くことで対象信号機の現示を判定することができる。したがって、各信号機についての時刻毎の現示を知ることを必要とせず、経路上の信号機について一連の現示の対応関係に基づいて対象信号機の現示を判定することが可能となるため、対象信号機の現示の判定がより円滑になる。したがって、対象信号機に到着するまでに他の各信号機で停止するか否かが予め組み込まれた情報により、到着までに走行する経路に応じた任意の対象信号機の現示を容易に判定することができる。
【0042】
(第3実施形態)
なお、上述した第2実施形態における信号現示情報としての「複数の信号機における現示の対応関係を示す情報」について、当該対応関係を、「複数の走行時間に関連付けられた、信号機間の現示の対応関係」としてもよい。その場合、図9に例示したごとく、一の信号機「T1」の現示が進行信号に切替わった直後に、当該一の信号機「T1」から次の信号機「T2」までの間を車両が走行する場合を例示すると、両信号機間の走行時間が30秒ならば次の信号機「T2」の現示は進行信号になるが、当該信号機間の走行時間が70秒ならば次の信号機「T2」の現示は停止信号になる、という具合に、到着時における各信号機の現示が走行時間に伴い可変である、といった信号機間の対応関係を含む信号機の系統情報にて、信号機データを構成することが好ましい。
具体的には、図7を用いて詳述した第2実施形態において、例えば所要時間を報知するために参照する参照用のデータとして「信号機間の所要時間」を含めて信号機の系統情報が構成されていたが、第3実施形態においては、図9に示すとおり「信号機間の所要時間」を信号機間毎に可変のパラメタである「信号機間を車両が走行する場合の走行時間」を推定して示すものとして、信号機の系統情報の構成に含めることが例示される。すなわち、図2、図7および図9を用いて説明すると、第2実施形態と第3実施形態では以下の違いがある。第2実施形態の場合は、通過信号機が信号機T1であり南から通過し対象信号機T3に到達したときの現示は、図7の信号機の系統情報から、「2つ目の信号機」である「T2」は「青」、「3つ目の信号機」である「T3」は「青」、というように導かれる。しかしながら、実際の走行においては、例えば、信号機「T1」と信号機「T2」との間で渋滞が発生する等、信号機間の走行時間が変動することが考えられる。このため、上記の例においては、通過信号機が信号機T1であり南から通過した場合、図9の信号機の系統情報から、「2つ目の信号機」である「T2」は「信号機T1−T2間」を30秒で走行すれば「青」になり、同じ「信号機T1−T2間」であっても70秒で走行すれば「赤」になる、と判定される。そのため、本実施形態では、上述したように実際の信号機間における走行時間を諸条件により推定した結果を「所要時間」として現示情報の判定に用いる構成が含まれている。
また、第3実施形態の現示情報判定処理においては、例えば、第2実施形態と同様に図8におけるS61までの処理を実行したのち、第1実施形態の図3におけるS70の処理と同様の処理を実行し、続いて第2実施形態でいうS71に代えて「“通過信号機”及びそれを通過した方向、ならびに、経路上で隣り合う信号機間について走行時間を推定して取得される所要時間に基づき、信号機の系統情報を読み出す」という処理を実行する。そののち、第2実施形態におけるS81、S90と同様の処理を行い、対象信号機までの経路、所要時間、および、対象信号機の到着時の現示情報を報知して終了する。
このように、信号機間毎について推定された走行時間に基づく所要時間により可変となるよう構成された、複数の信号機における対応関係を含んだ信号現示情報を、信号機間毎の所要時間に応じて参照するようにすれば、道路の渋滞状況や運転者毎の個人差などにより実際の走行時間が変動しうる点を考慮に入れて対象信号機の現示の判定ができるようになる。このようにして、より柔軟に実際の走行に対応させて、より精度良く、任意の対象信号機の現示を判定して報知するような車載用ナビゲーション装置を提供することができる。
【0043】
(他の実施形態)
以上、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施可能である。
例えば、上述した各実施形態では信号機番号にて信号交差点単位でまとめた複数の信号機を表すようにしたが、別の実施態様として、一個の信号機に一の信号機番号を対応させた信号機データの構成も例示される。この場合、例えば、一個の信号機について、設置された信号交差点に対応するノード番号と当該一個の信号機に向かって車両が信号交差点に進入する進入方向を特定可能な情報(例えば、信号交差点に対応するノードの、接続するリンクのリンク番号)とを信号機番号に対応付けることが挙げられる。このような変形例では、例えば、図2等に示した信号機の系統情報が、進行方向に代えて信号機番号を用いた構成となる。
【0044】
また、上述した各実施形態では対象信号機をユーザが選択して設定するものとしたが、例えば、道なりに連続する複数の信号機の現示を自動で報知する構成とする場合や、車載用ナビゲーション装置にて行う経路案内において経路上の所定個数先の信号機を対象として現示を報知する構成とする場合等、本発明では対象信号機を車載用ナビゲーション装置にて自動で設定するような構成としてもよい。本発明において対象信号機が自動で設定されるようにすれば、信号機の到着時における現示を報知することを含む様々な構成に応用できる。
なお、図5および図6に示した上記各実施形態において対象信号機の現示を報知する形態として例示した、信号機現示情報の表示画面は、図10の(a)および(b)に示すように、判定結果表示画面を表示せずに、経路および経路上の信号機の到着時の現示を地図画面上に描画された信号機のアイコンにて報知するものとしてもよい。すなわち、図10に示す(a)および(b)の例によると対象信号機のアイコン(図10にAで示すもの)自体が、その到着時の点灯状態を表すようになっている。また、対象信号機が設定されたとき、図10の(a)に示すとおり、地図画面において経路上の信号機に対応するもの以外の信号機のアイコンを表示させないようにしてもよい。さらに、単に対象信号機の現示を報知するのであれば、図10の(b)のように対象信号機のアイコンのみにて現示を報知することも考えられる。このようにすれば、地図画面の表示が煩雑にならず、ユーザから見て一目で対象信号機の現示が分かる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態の車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態における信号機現示情報判定処理に用いられる地図データを例示する説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態における信号機現示情報判定処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態の車載用ナビゲーション装置を用いて地図表示画面から特定信号機の設定を行うときの具体例を示す説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態の車載用ナビゲーション装置を用いた信号機現示情報表示画面を例示する説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態の車載用ナビゲーション装置を用いた信号機現示情報表示画面を例示する説明図である。
【図7】本発明の第2実施形態における信号機の系統情報の構成を例示する説明図である。
【図8】本発明の第2実施形態における信号機現示情報判定処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態における信号機の系統情報の構成を例示する説明図である。
【図10】本発明のその他の実施形態の車載用ナビゲーション装置を用いた、信号機現示情報表示画面の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1:車載用ナビゲーション装置、10:制御部(信号機情報取得手段、経路探索手段、信号機現示判定手段)、20:位置検出器(現在位置情報取得手段)、21:地磁気センサ、22:ジャイロスコープ、23:距離センサ、24:GPS受信機、30:地図データ記憶部、40:操作スイッチ群(対象信号機設定手段)、50:通信部(信号機情報取得手段)、60:描画部、60a:ディスプレイ(報知手段)、70:音声出力部、70a:スピーカ、80:情報記憶部、90:情報センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
信号機の設置位置に関する設置位置情報、および各信号機の現示を判定可能な信号現示情報を取得する信号機情報取得手段と、
前記設置位置情報に基づき、特定の信号機を対象信号機として設定する対象信号機設定手段と、
前記現在位置情報と前記設置位置情報とに基づき、前記現在位置から前記対象信号機までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路と前記信号現示情報とに基づき、前記対象信号機に車両が到着する時点における前記対象信号機の現示を判定する信号機現示判定手段と、
前記信号機現示判定手段にて判定した前記対象信号機の現示を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記信号現示情報は、信号機の現示と時刻との対応関係を示す情報であり、
前記信号機現示判定手段は、前記経路と前記設置位置情報とに基づいて、前記経路の走行時間を算出し、前記経路の走行時間と前記信号現示情報とに基づいて、前記対象信号機に車両が到着する時点における前記対象信号機の現示を判定することを特徴とする請求項1記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記信号現示情報は、複数の信号機における現示の対応関係を示す情報であり、
前記信号機現示判定手段は、前記経路と前記設置位置情報とに基づいて、前記経路上に存在する信号機を抽出し、前記経路上に存在する信号機と前記信号現示情報とに基づいて、前記対象信号機に車両が到着する時点における前記対象信号機の現示を判定することを特徴とする請求項1記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記対応関係は、複数の走行時間に関連付けられており、
前記信号機現示判定手段は、前記経路と前記経路上に存在する信号機とに基づいて、前記経路上に存在する信号機において隣接する信号機間毎の走行時間を算出し、前記信号機間毎の走行時間と前記信号現示情報とに基づいて、前記対象信号機に車両が到着する時点における前記対象信号機の現示を判定することを特徴とする請求項3記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記報知手段は、前記経路と前記対象信号機の現示とを、地図上に表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記経路探索手段は、前記現在位置から前記対象信号機までの経路を複数探索し、
前記信号機現示判定手段は、前記複数の経路毎に、前記対象信号機に車両が到着する時点における前記対象信号機の現示を判定し、
前記報知手段は、前記複数の経路のうちの一の経路と当該一の経路に対応する前記対象信号機の現示とを、地図上に表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
車両の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得処理と、
信号機の設置位置に関する設置位置情報、および各信号機の現示を判定可能な信号現示情報を取得する信号機情報取得処理と、
前記設置位置情報に基づき、特定の信号機を対象信号機として設定する対象信号機設定処理と、
前記現在位置情報と前記設置位置情報とに基づき、前記現在位置から前記対象信号機までの経路を探索する経路探索処理と、
前記経路と前記信号現示情報とに基づき、前記対象信号機に車両が到着する時点における前記対象信号機の現示を判定する信号機現示判定処理と、
前記信号機現示判定手段にて判定した前記対象信号機の現示を報知する報知処理と、
を含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−66059(P2010−66059A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230938(P2008−230938)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】