説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】車両位置マークの表示の有無にかかわらず誘導経路上での車両の進行方向を容易に判断できるようにすることができる「車載用ナビゲーション装置」を提供する。
【解決手段】車載用ナビゲーション装置は、画面上で案内情報を提供する表示手段と、地図データ及び各種施設に関する情報を格納したメモリ手段と、前記表示手段及びメモリ手段に動作可能に接続された制御手段とを有する。
前記制御手段は、前記表示手段の画面上で目的地までの誘導経路33の案内を行っている状態で、当該誘導経路33に有料道路が含まれているときに、前記メモリ手段から当該誘導経路に含まれる有料道路に付帯する施設の情報(35、36、40〜42)を取得し、当該取得した施設の情報を、前記誘導経路上で車両の進行方向の左側に位置するように前記表示手段の画面上に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導経路に従って車両を目的地まで案内する車載用ナビゲーション装置に関し、特に、有料道路に付帯する施設(例えば、インターチェンジやパーキングエリア)の情報を地図上に表示する機能を備えた車載用ナビゲーション装置に関する。なお、以下の記述において特に定義しない限り、単に「車両」とは、自車を指すものとする。
【背景技術】
【0002】
従来の典型的な車載用ナビゲーション装置は、ナビゲーションに係る一切の処理を制御するCPU等の制御装置、地図データを予め記憶させたDVD(Digital Versatile Disk)−ROMやICメモリカード等の記憶装置、表示装置、GPS(Global Positioning System)受信機、ジャイロや車速センサ等の車両の現在位置及び現在方位を検出する検出装置等を有している。そして、制御装置により、車両の現在位置を含む地図データを記憶装置から読み出し、該地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像を表示装置の画面に表示すると共に、自車の現在位置を指示する車両位置マークを地図画像に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させたりして、車両が現在どこを走行しているのかを一目で判るようにしている。
【0003】
また、通常、車載用ナビゲーション装置には、ユーザ(例えば運転者)が所望の目的地を設定すると、その目的地に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるようにした経路誘導機能が搭載されている。この経路誘導機能によれば、地図データを用いて出発地から目的地までを結ぶ最適な経路を横型探索法又はダイクストラ法等のシミュレーション計算を行って自動探索し、その探索した経路を誘導経路として記憶しておき、走行中、地図画像上に誘導経路を他の道路とは色を変えて太く描画して画面表示したり、車両が誘導経路上の進路を変更すべき交差点に一定距離内に近づいたときに、地図画像上の進路を変更すべき交差点に進路を示す矢印を描画して画面表示したりすることで、ユーザを目的地まで案内する。
【0004】
経路探索時には、予めユーザが目的地を設定し、必要に応じて目的地に至る途中の経由地を設定する。また、必要であれば、各種の条件(有料道路優先で行くのか又は一般道路優先で行くのか等)も併せて設定する。ナビゲーション装置では、これらの設定されたデータに基づいて、目的地までの複数の経路の探索を行い、探索された経路を例えば色分けして表示し、その中からユーザが選択した1つの経路に従って経路案内を行う。
【0005】
このようなナビゲーション装置において、表示画面上に地図を表示するとともに、地図が表示されている範囲内にある施設の名称を表示することが行われている。例えば、特許文献1には、施設の名称を誘導経路と重複しないように表示画面上に表示し、誘導経路近傍の情報であるか否かを素早く把握できるようにする技術が開示されている。
【0006】
また、誘導経路に含まれる有料道路を表示する際には、表示画面上に有料道路に付帯する施設の情報としてIC(インターチェンジ)、JCT(ジャンクション)、SA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)等の各種施設の名称が誘導経路の左側又は右側に表示され、有料道路の出口等の情報を取得することができるようになっている。
【特許文献1】特開2000−46570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように従来の車載用ナビゲーション装置では、経路誘導機能により目的地に向けた経路案内を行う際に、有料道路に付帯する各種施設の名称も併せて当該道路の近傍に表示するようにしている。そして、このような状況で、自車が現在走行している誘導経路上で前方の施設等を確認したい場合に、ユーザによるリモコン操作等によって表示画面をスクロールし、所望の地域を表示画面に表示することがある。しかし、この場合に以下の不都合が生じる。
【0008】
すなわち、表示画面のスクロールにより誘導経路上で自車位置からかなり前方の場所を表示させると、誘導経路付近の施設の情報はもちろん表示されるが、自車位置を示す車両位置マークについては、スクロール量にもよるが、画面内から外れてしまう場合がある。車両位置マークが画面内の誘導経路上に表示されていればその車両位置マークが示す方向により自車の進行方向を把握できるので、特に不都合は無い。
【0009】
しかし、車両位置マークが画面内の誘導経路上に表示されない場合、自車の進行方向を容易に判断できない場合が起こりうる。特に、地図の「北」側が表示画面の上側になるように表示する、いわゆる「ノースアップ(North-up)方式」の表示態様を採用すると、例えば、誘導経路上を南向き(表示画面の下方向)に走行している場合、上記のように車両位置マークが画面上に表示されていないと進行方向を把握しづらいといった問題が生じる。また、南向き(表示画面の下方向)に限らず、これ以外の方向に向けて自車が走行している場合にも、車両位置マークが表示されていないと自車の進行方向を把握しづらい。
【0010】
かかる問題は、ノースアップ方式の表示態様に限らず、自車の進行方向が表示画面の上側に向くように表示する、いわゆる「ノーズアップ(Nose-up)方式」の表示態様の場合にも同様に起こり得る。
【0011】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、車両位置マークの表示の有無にかかわらず誘導経路上での車両の進行方向を容易に判断できるようにし、ひいてはユーザメリットを高めることができる車載用ナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の基本形態によれば、画面上で案内情報を提供する表示手段と、地図データ及び各種施設に関する情報を格納したメモリ手段と、前記表示手段及びメモリ手段に動作可能に接続された制御手段とを有し、前記制御手段は、前記表示手段の画面上で目的地までの誘導経路の案内を行っている状態で、当該誘導経路に有料道路が含まれているときに、前記メモリ手段から当該誘導経路に含まれる有料道路に付帯する施設の情報を取得し、当該取得した施設の情報を、前記誘導経路上で車両の進行方向の左側に位置するように前記表示手段の画面上に表示させることを特徴とする車載用ナビゲーション装置が提供される。
【0013】
本発明においては、車載用ナビゲーション装置において、誘導経路に有料道路が含まれているときに、その有料道路に付帯する施設の情報を車両の進行方向に向かって当該道路の左側だけに表示するようにしている。これにより、表示画面をスクロールしたことにより車両位置マークが表示されなくなっても、車両の進行方向を容易に判断することができる。特に、ノースアップ方式の表示態様を採用した場合に有効であり、ユーザメリットを高めることができる。
【0014】
また、上記の形態に係る車載用ナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記誘導経路に含まれる有料道路に付帯する施設の情報を、当該誘導経路以外の有料道路に付帯する施設の情報より強調した表示態様で前記表示手段の画面上に表示させるようにしてもよい。
【0015】
本発明においては、誘導経路の有料道路に付帯する施設の情報の表示を誘導経路以外の有料道路に付帯する施設の情報の表示と比較して相対的に強調して表示するようにしている。これにより、誘導経路がどこかをよりわかり易くすることができる。また、経路上のIC等の情報を把握しやすくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
(車載用ナビゲーション装置の構成)
図1は本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図中、1は地図データその他の案内データが記憶されている記憶媒体である。本実施形態では、このようなデータを記憶する記憶媒体としてDVD(DVD−ROM)を使用しているが、ハードディスク又はその他の記憶媒体を使用してもよい。ここに格納されている地図は、1/12500、1/25000、1/50000、1/100000等の各縮尺レベルに応じて適当な大きさの経度幅及び緯度幅に区切られており、この地図に含まれる道路、建築物、施設その他の各種物件は、経度及び緯度で表現された点(ノード)の座標集合として記憶されている。地図データは、(1)道路リスト、ノードテーブル、交差点構成ノードリスト等からなる道路レイヤ、(2)地図画像上に道路、建築物、公園、河川等を表示するための背景レイヤ、(3)市町村名などの行政区画名、道路名、交差点名、有料道路に付帯する施設の名称などを指示する文字や地図記号等を表示するための文字・記号レイヤなどから構成されている。
【0018】
また、2はナビゲーション装置本体10を操作するための操作ボタン等が設けられた操作部である。本実施形態では、操作部2にリモコン送信機及びリモコン受信機が含まれており、ユーザは手元のリモコン送信機でナビゲーション装置本体10を操作することもできる。
【0019】
また、5はGPS衛星から送られてくるGPS信号を受信して車両の現在位置の経度及び緯度を検出するGPS受信機、6は自立航法センサを示す。この自立航法センサ6は、車両回転角度を検出するジャイロ等の角度センサ6aと、一定の走行距離毎にパルスを発生する走行距離センサ6bとにより構成されている。
【0020】
また、7は液晶パネル等の表示装置であり、ナビゲーション装置本体10は、この表示装置7に車両の現在位置の周囲の地図を表示したり、出発地から目的地までの誘導経路や車両マーク及びその他の案内情報を表示する。8は音声によりユーザに案内情報を提供するためのスピーカーである。
【0021】
ナビゲーション装置本体10は以下のものから構成されている。11はDVD1からの地図データの読み取りを制御するDVDコントローラである。12はDVD1から読み出した地図データを一時的に記憶するバッファメモリである。13は操作部2と接続されるインタフェース、16はGPS受信機5と接続されるインタフェース、17は自立航法センサ6と接続されるインタフェースである。
【0022】
18はマイクロコンピュータにより構成される制御部である。制御部18は、インタフェース16、17から入力される情報を基に車両の現在位置を検出したり、DVDコントローラ11を介してDVD1から所定の地図データをバッファメモリ12に読み出したり、バッファメモリ12に読み出された地図データを用いて設定された探索条件で出発地から目的地までの誘導経路を探索するなど、種々の処理を実行する。
【0023】
19はバッファメモリ12に読み出された地図データを用いて地図画像を生成する地図描画部、20は動作状況に応じた各種メニュー画面(操作画面)や車両位置マーク及びカーソル等の各種マークを生成する操作画面・マーク発生部である。
【0024】
21は制御部18で探索した誘導経路を記憶する誘導経路記憶部、22は誘導経路を描画する誘導経路描画部である。誘導経路記憶部21には、制御部18によって探索された誘導経路の全ノードが出発地から目的地まで記憶される。誘導経路描画部22は、地図を表示する際に、誘導経路記憶部21から誘導経路情報(ノード列)を読み出して、誘導経路を他の道路とは異なる色及び線幅で描画する。
【0025】
23は画像合成部であり、地図描画部19で描画された地図画像に、操作画面・マーク発生部20で生成した各種マークや操作画面、誘導経路描画部22で描画した誘導経路などを重ね合わせて表示装置7に表示させる。
【0026】
24は音声出力部であり、制御部18からの信号に基づいて音声信号をスピーカー8に供給する。
【0027】
以上のように構成された車載用ナビゲーション装置において、DVD1は「メモリ手段」に、表示装置7は「表示手段」に、制御部18は「制御手段」にそれぞれ対応している。
【0028】
本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置は、後述するように、有料道路に付帯する施設の情報を表示するときの動作態様が異なる点を除いて、基本的には従来の車載用ナビゲーション装置と同様に以下の動作を行う。
【0029】
すなわち、制御部18は、GPS受信機5で受信したGPS信号と自立航法センサ6で検出された信号とに基づいて車両の現在位置を検出する。そして、DVD1から車両の現在位置の周囲の地図データを読み出してバッファメモリ12に格納する。地図描画部19は、バッファメモリ12に読み出された地図データに基づいて地図画像を生成し、表示装置7に車両の現在位置の周囲の地図画像を表示する。
【0030】
また、制御部18は、車両の移動に伴ってGPS受信機5及び自立航法センサ6から出力された信号に基づいて車両の現在位置を検出し、その検出結果に応じて、表示装置7に表示された地図画像に車両位置マークを重ね合わせ、車両の移動に伴って車両位置マークを移動させたり、地図画像をスクロール表示する。
【0031】
さらに、ユーザが操作部2を操作して目的地を設定すると、制御部18は、車両の現在位置を出発点とし、出発点から目的地までを結ぶ最もコストが低い経路をDVD1の地図データを用いて探索する。そして、探索により得られた経路を誘導経路として誘導経路記憶部21に記憶し、地図画像上にその誘導経路を重ねて表示させる。また、制御部18は車両の走行に伴って適宜案内情報を出力し、車両を目的地まで誘導経路に沿って走行するように案内する。
【0032】
本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置は、その基本的な特徴として、誘導経路となる有料道路に付帯する施設の情報の名称をすべて車両の進行方向の左側に位置するように表示している。かかる表示態様とすることで、ユーザは、表示画面上の自車の進行方向を直感的に認識しやすくなる。特に、ノースアップ方式の表示態様を採用した表示画面をスクロールし、車両位置マークが表示されなくなった場合でも、自車の進行方向を容易に把握することが可能となる。
【0033】
また、更なる特徴として、誘導経路の有料道路に付帯する施設の情報の表示を誘導経路以外の有料道路に付帯する施設の情報の表示と比較して相対的に強調して表示するようにしている。かかる表示態様とすることにより、誘導経路上の施設の情報が強調され、誘導経路及び誘導経路上の情報が把握しやすくなる。
【0034】
図2(a)及び(b)は、本実施形態のナビゲーション装置が行う有料道路に付帯する施設の情報の名称表示に係る画面表示例を示したものである。また、図2(c)は比較のために、従来の有料道路に付帯する施設の情報の名称表示に係る画面表示例を示したものである。
【0035】
図2(a)は、ノースアップ方式の表示態様を採用した誘導経路の画面表示の一例である。ノースアップ方式の表示態様が採用されている場合には、表示画面30にノースアップ指示マーク31が表示されている。表示画面30に表示された地図画像30aには、車両の現在位置を示す車両位置マーク32と共に、目的地へ向かう誘導経路33が表示される。ここに、誘導経路33はユーザが識別し易いように他の道路34とは異なる表示態様(例えば、目立つ色で表示したり、線幅を太くしたりする)で表示される。
【0036】
図2(a)に示す画面表示例では、誘導経路33の車両の進行方向に向かって左側(図では誘導経路の右側)にIC35及びPA36のそれぞれの名称が表示されている。しかも、目立つようにハッチングで強調して表示されている。
【0037】
図2(b)に示す画面表示例は、ユーザがナビゲーション装置の操作部2を操作して、図2(a)に示す地図画像30aをスクロールし、現在の走行位置よりも先の方の地図を表示している一例である。表示画面30に表示された地図画像30bに、目的地へ向かう誘導経路33が表示される。図2(a)と同様に、誘導経路33は、他の道路37、38とは異なる表示態様で表示される。ただし、車両位置マーク32は、表示画面をスクロールしたために表示されていない。
【0038】
また、誘導経路ではない道路38に付帯する施設43、44の名称はそれぞれ道路38の右側、左側に表示されている。これに対して誘導経路33に付帯するJCT40、SA41及びIC42のそれぞれの名称は誘導経路33の一方の側(図では、誘導経路の右側)だけに表示されている。このように、誘導経路33の一方の側だけに施設の名称を表示することにより、車両位置マーク32が表示されていなくても、車両の進行方向を把握することができる。なお、本発明においては、車両の進行方向の左側にJCT等を表示するようにしている。
【0039】
図2(c)は比較のため、図2(a)に示す地図画像30aをスクロールした後の従来の表示の一例を示した図である。表示画面30に表示された地図画像30cに、目的地へ向かう誘導経路33が表示される。図2(a)と同様に、誘導経路33は他の道路37、38とは異なる表示態様で表示される。また、車両位置マーク32は表示されていない。
【0040】
また、誘導経路ではない道路38に付帯する施設43、44の名称はそれぞれ道路38の右側、左側に表示されている。さらに、誘導経路33に付帯するJCT45、SA46及びIC47の名称は、それぞれ誘導経路33の左側、右側及び左側に表示される。この場合、車両位置マーク32が表示されていないために、自車の進行方向を知ることは困難である。
(有料道路に付帯する施設の情報表示)
以下、本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置が行う有料道路に付帯する施設の情報表示処理について、その処理フローの一例を示す図3を参照しながら説明する。
【0041】
まず、ステップS11では、経路探索の目的地を取得する。目的地はユーザ(例えば運転者)が、操作部2からの入力操作により設定する。また、本実施形態では、有料道路を利用する場合を対象とし、探索条件として有料道路優先という条件を設定する。
【0042】
次のステップS12では、経路探索を行う。経路探索は、入力された目的地のデータと、GPS受信機5及び自立航法センサ6の各出力信号に基づき検出した車両の現在位置を出発地として設定された出発地のデータとに基づき、出発地から目的地までが入る範囲の地図データと経路探索用の道路データとを、DVDコントローラ11を制御してDVD1からバッファメモリ12に読み出し、さらに誘導経路記憶部21に格納されているデータを参照して、出発地から目的地まで、最短距離で結ぶ誘導経路を横型探索法などにより探索する。検索結果は誘導経路記憶部21に格納される。
【0043】
次のステップS13では、探索した誘導経路の案内を開始する。経路誘導はステップS12の経路探索結果に基づいた経路案内情報を表示装置7の画面を介してユーザに提供する。すなわち、画面上には地図の表示を行うとともに、誘導経路33や車両位置マーク32等を表示する。
【0044】
次のステップS14では、経路誘導を終了するか否かを判定する。すなわち、電源スイッチがオフになったとき又はナビゲーション装置が使用状態でないときは処理を終了し、それ以外のときはステップS15に移行する。
【0045】
次のステップS15では、制御部18が、画面表示する地図データ及び誘導経路が記憶されている誘導経路記憶部21を参照し、画面表示する地図データ上に有料道路があるか否かを判定する。地図データ上に有料道路があると判定された場合は、ステップS16に移行し、地図データ上に有料道路がないと判定された場合は、ステップS13に戻り、通常の経路誘導を継続する。
【0046】
次のステップS16では、制御部18が、画面表示する地図データ及び誘導経路記憶部21を参照し、画面表示する有料道路が誘導経路に含まれる有料道路か否かを判定する。誘導経路に含まれる有料道路と判定された場合はステップS17に移行し、誘導経路に含まれない有料道路と判定された場合はステップS18に移行する。
【0047】
次のステップS17では、誘導経路となっている有料道路に付帯する施設であるJCT35やIC36等の名称を表示する。本実施形態では、有料道路に付帯する施設の名称は、車両の進行方向左側に位置するように表示する。また、施設の名称を表示する際に、誘導経路上の施設の名称は、誘導経路以外の道路上の施設の名称表示よりも強調した表示態様で表示するようにしてもよい。なお、強調した表示態様とするために、施設の名称が目立つような色で表示したり、文字を太線で表示してもよい。
【0048】
一方、ステップS18では、誘導経路となっていない有料道路に付帯する施設の名称を通常の位置に表示する。すなわち、これらの施設の名称は有料道路の左側に表示したり、右側に表示したりしている。また、施設の名称を表示する際に、誘導経路に含まれる有料道路に付帯する施設の名称よりもトーンダウンした表示態様で表示するようにしてもよい。
【0049】
次に、ステップS19では、制御部18において、操作部2からの操作による出力信号に基づいて、表示画面に対するスクロール操作があった(YES)か否(NO)かを判定する。地図画面のスクロール操作は、例えば、誘導経路の案内中に、画面に表れていない誘導経路の前方部分を確認しようとするときに行われる。
【0050】
画面スクロール操作があったと判定された場合は、ステップS20に移行し、画面スクロールがなかったと判定された場合は、ステップS13に移行し、経路誘導を継続する。
【0051】
次のステップS20では、制御部18からの制御の下に画像合成部23を介して表示装置7の表示画面上で、スクロール操作に基づき地図を移動させて表示する。この後、ステップS15に戻って上記の処理を繰り返す。
【0052】
なお、本実施形態においては、誘導経路が表示される画面表示にノースアップ方式の表示態様を採用した場合について説明したが、ノーズアップ方式の表示態様に対しても同様に適用可能であることはもちろんである。
【0053】
以上説明したように、本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置においては、誘導経路に有料道路が含まれるとき、その有料道路に付帯するすべての施設の表示を車両の進行方向に向かって誘導経路の左側に表示する。これにより、表示画面をスクロールしたことにより車両位置マークが表示されなくなっても、車両の進行方向を容易に判断することができる。特に、ノースアップ方式の表示態様を採用した場合に有効である。
【0054】
また、本実施形態においては、誘導経路の有料道路に付帯する施設の情報の表示を誘導経路以外の有料道路に付帯する施設の情報の表示よりも強調して表示するようにしている。これにより、誘導経路がどこかをよりわかりやすくすることができ、誘導経路に付帯する施設の情報をより把握しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)、図2(b)は有料道路に付帯する施設の情報表示に係る画面表示例を示す図である。図2(c)は従来の有料道路に付帯する施設の情報表示に係る画面表示例を示す図である。
【図3】図1の車載用ナビゲーション装置が行う有料道路に付帯する施設の情報表示処理の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0056】
1… DVD、
2…操作部、
5…GPS受信機、
6…自立航法センサ、
7…表示装置、
8…スピーカー、
10…ナビゲーション装置本体、
18…制御部、
30…表示画面、
30a、30b、30c…地図画像、
31…ノースアップ指示マーク、
32…車両位置マーク、
33…誘導経路、
35、36、40、41、42、43、44、45、46、48、49…施設情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上で案内情報を提供する表示手段と、
地図データ及び各種施設に関する情報を格納したメモリ手段と、
前記表示手段及びメモリ手段に動作可能に接続された制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記表示手段の画面上で目的地までの誘導経路の案内を行っている状態で、当該誘導経路に有料道路が含まれているときに、前記メモリ手段から当該誘導経路に含まれる有料道路に付帯する施設の情報を取得し、当該取得した施設の情報を、前記誘導経路上で車両の進行方向の左側に位置するように前記表示手段の画面上に表示させることを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記誘導経路に含まれる有料道路に付帯する施設の情報を、当該誘導経路以外の有料道路に付帯する施設の情報より強調した表示態様で前記表示手段の画面上に表示させることを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記表示手段の画面上に目的地までの誘導経路を、地図の北側が画面の上側になるような表示態様で表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−177791(P2006−177791A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−371691(P2004−371691)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】