説明

車載用入力装置

【課題】 ドライバーによるブラインド操作性に優れ、走行中に誤操作し難い車載用入力装置を提供する。
【解決手段】 各種車載用電子機器201の操作入力に使用される車載用入力装置10であって、主制御部100が、ハプティックデバイス1の二次元操作面40上に位置指示入力可能領域43を離散的に設定する一方で、操作反力の制御モードとして、ハプティックデバイス1による領域43へ向かう操作面40上の位置指示操作が該領域43毎に定められた固有経路410に沿ってガイドされる形でなされる離散入力モードが、少なくとも車両走行中に設定されるとともに、その固有経路410は上方操作経路45が下方操作経路46よりも操作ストロークが長く設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−226301号公報
【0003】
近年の車両には、エアコンシステム、オーディオシステム、ナビゲーションシステム、走行制御システム、あるいは周辺監視システム等、様々な車載電子機器が搭載されるようになり、これに伴い車両のインパネ周りに配置される操作部の数も増加の一途をたどっている。その結果、もはや全ての操作部を単機能操作用の操作部だけで配置することは困難となっている。
【0004】
そこで、近年の車両には、1つの操作部で複数機能を操作可能な多機能集中操作部が多く配置されるようになった。具体的に言えば、センターコンソール部等にその多機能集中操作部を設けた入力装置が存在している。多機能集中操作部としては、十字キーやロータリースイッチ、2次元の可動範囲を有するジョイスティックやスライダー型のハプティックデバイス等がある。特許文献1には多機能集中操作部としてジョイスティックを設けた構成が開示されている。
【0005】
また、近年では、ドライバー専用の多機能集中操作部として、これをステアリングホイール上に設ける構成もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の多機能集中操作部には、ドライバー専用操作部としてステアリングホイール上に設けるにあたり、次のような課題があった。例えば、十字キーやロータリースイッチの場合、所定の操作方向への操作により、使用機能を送る又は戻す形で選択して操作するため、操作が煩わしい。さらに、現在の操作状態が直感的に分かり難いため、表示装置による内容表示に頼る形となり、ドライバーによるブラインド操作性が悪いとう課題もある。
【0007】
一方で、2次元の可動範囲を有するジョイスティックやスライダー型のハプティックデバイスの場合、機能メニューを自由にポインティングして選択操作できるため操作性は良い。ところが、走行中において、ドライバーが誤って触れて意図しない操作入力がなされる可能性があった。
【0008】
本発明の課題は、ドライバーによるブラインド操作性に優れ、走行中に誤操作し難い車載用入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の車載用入力装置は、
各種車載用電子機器の操作入力に使用される車載用入力装置であって、
車両のステアリングホイールに設けられるとともに、操作範囲が予め規定された二次元操作面上において位置指示操作を行なうためのハプティックデバイスと、
ハプティックデバイスになされる位置指示操作に対し操作反力を付与する操作反力付与手段と、
二次元操作面上の操作範囲内において位置指示入力のための1以上の選択可能領域を離散的に設定する選択可能領域設定手段と、
操作反力の制御モードとして、ハプティックデバイスによる選択可能領域へ向かう位置指示操作が、選択可能領域毎に定められた二次元操作面上の固有経路に沿ってガイドされるよう操作反力を制御する離散入力モードを有し、少なくとも車両走行中には該離散入力モードが設定される操作反力制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
上記本発明の構成によると、二次元操作面上の所定操作範囲に設けられた選択可能領域に対し位置指示入力するために、該操作範囲内で任意に位置指示操作可能なハプティックデバイスが、車両のステアリングホイールに設けられている。これにより、運転者は運転しながらでもこのハプティックデバイスを容易に操作可能となっている。さらに、少なくとも車両走行中においては、その任意の位置指示が制限されて、選択可能領域に向かう固有経路上しか位置指示操作ができなくなる。つまり、一定の経路を通らなければ選択可能領域に達することができず、その選択可能領域への位置指示入力ができなくなっている。これにより、運転中の操作で、意図しない選択可能領域を誤って位置指示入力する可能性が極めて低くなる。また、選択可能領域とその固有経路を覚えることで、該選択可能領域に対し意図的に位置指示入力をすることもできる。
【0011】
さらに、本発明の車載用入力装置では、各固有経路において、二次元操作面上の対応する選択可能領域へ向かう操作ストロークが、ハプティックデバイスの操作方向に応じて独自の長さに設定されていることを特徴としている。この構成によると、ハプティックデバイスの操作において、操作し易い方向の操作ストロークを長く、操作し難い方向の操作ストロークを短くとる等、ハプティックデバイスの操作方向に応じて適切な操作ストローク量を設定することができる。
【0012】
さらに、本発明の車載用入力装置において、操作反力制御手段は、操作反力の制御モードとして、上記の離散入力モードとともに、選択可能領域へ向かう位置指示操作が、二次元操作面上の操作範囲内において任意に可能となるよう操作反力を制御する任意入力モードとを有し、少なくとも車両走行中には離散入力モードを設定するようにできる。この構成によると、操作反力の制御モードとして、操作可能領域が規制された離散入力モードだけでなく、そうした規制に縛られることなく、ハプティックデバイスの位置指示操作をその二次元操作面上の操作範囲内でフリーに行なうことができる任意入力モードを設定できる。これにより、走行中に誤操作を防止できる離散入力モードと、操作性の高い任意入力モードとを状況に応じて使い分けることが可能となる。
【0013】
なお、本発明のハプティックデバイスは、ステアリングホイールが車両を直進させる基準ポジションにある状態において、ドライバーが該ステアリングホイールの左右側を把持した際に、把持した手の親指により操作可能な位置に設けられる。ステアリングホイールを把持した状態で最も自由に動く指は親指であるから、ハプティックデバイスがこの親指により操作可能であることは、操作性の面での利点となる。
【0014】
また、離散入力モードにおいては、全ての固有経路を含む固有経路全体を、二次元操作面上にて、対応する選択可能領域へ向かうためのハプティックデバイスの上側への操作をガイドする上方操作経路と、同じく対応する選択可能領域へ向かうためのハプティックデバイスの下側への操作をガイドする下方操作経路との双方を含んで設定することができる。そして、固有経路全体に、上方操作経路及び下方操作経路の双方が含まれて設定される場合には、上方操作経路の操作ストロークの方が下方操作経路の操作ストロークよりも長く定めることができる。ステアリングホイールに設けられるハプティックデバイスは、二次元操作平面上にて、上下左右方向の操作が可能となるように配置されるが、こうした操作は基本的には親指で行なうことが一般的となる。ところが、親指操作の場合、上側への操作については容易に行なうことができるが、下側には操作し難い。これは、親指の構造上、上側への操作ストロークは長くとれるが、下側への操作ストロークは長く取れないからである。上記構成によれば、上側に操作される操作ストロークの方が、下側に操作される操作ストロークよりも長く設定されているので、下側への操作が容易となる一方で、上側への操作は操作ストロークが長い分だけ操作負担が大きくなるので誤操作を生じ難くなる。
【0015】
上記固有経路全体は、二次元操作面上において、ハプティックデバイスの左右の操作方向に延出する共通経路に対し上方操作経路及び下方操作経路をつなげた形で定めることができる。共通経路を設けることで、固有経路全体をシンプルな形状とすることができ、ユーザーとって分かり易い固有経路となる。さらに、その共通経路を二次元操作面上に1つと定め、全ての上方操作経路及び下方操作経路をこれにつなげるように定めることができる。共通経路が1つに集約されていることで、固有経路全体はよりシンプルな形状になる。さらに、上記1つの共通経路につながる上方操作経路及び下方操作経路は、それぞれに対応する選択可能領域に対し直接つながる経路と定めることができる。ステアリングホイールに設けられたハプティックデバイスへの親指操作を考えてみると、親指付け根を基点にして動かす上下方向操作と、親指の屈曲を要求される左右方向操作とでは、上下方向操作の方が容易であることは明らかである。このため、選択可能領域に至る主となる操作を上下方向に定め、共通経路上を操作する補助的な操作を左右方向に定めることで、操作性を高め、より確実な選択可能領域への操作が可能となる。
【0016】
また、上方操作経路及び下方操作経路を、上記共通経路に対し垂直につながる直線経路として定めることができる。これにより、固有経路全体は一層シンプルな形状になり、ユーザーとってより分かり易い固有経路とすることができる。
【0017】
ところで、本発明の車載用入力装置において、車速を検出する車速検出手段を設けることができる。この場合、上述の操作反力制御手段が、検出される車速が予め定められた車速レベルを上回った場合に離散入力モードを設定し、検出される車速が車速レベル未満の場合には任意入力モードを設定するものとできる。これにより、車両停車中、さらには極めて低速な走行中においてのみ任意入力モードを許可し、その他の一定速度を超える走行時には離散入力モードに強制的に切り替えることができる。
【0018】
また、上述した本発明の位置指示入力は、二次元操作自由度を有するハプティックデバイスの位置指示操作による指示位置が選択可能領域となったことに基づいて実行されるものとできる。これにより、選択可能領域を位置指示するだけの簡易な操作で位置指示入力を行なうことができ、特別な入力操作を要することがない。なお、位置指示入力を行なうための位置指示入力操作部を、ハプティックデバイスとは別に設けることもできる。例えば、ステアリングホイール2左右の一方の側に上記ハプティックデバイスを設け、他方の側に位置指示入力操作部を設けて構成することもできる。また、ハプティックデバイスを、その二次元操作とは異なる方向に押圧操作が可能に構成して、この押圧操作により上記位置指示入力を行なうように構成こともできる。
【0019】
選択可能領域設定手段は、二次元操作面上の操作範囲内における選択可能領域の配置位置と、該選択可能領域への位置指示入力により実行される制御内容とを対応付けた設定パターンに基づいて、該選択可能領域を二次元操作面上の操作範囲内に離散的に設定するとともに、該選択可能領域に対して対応する該制御内容を割り当てるものとすることができる。これにより、設定パターン記憶部に予め記憶された設定パターンを読み出し、これに従って選択可能領域の離散配置と制御内容の割り付けを行なうことができる。
【0020】
設定パターンには、選択可能領域の配置位置と制御内容との対応関係が異なる複数のパターンを用意できる。そして、それら複数の設定パターンを切り替える設定パターン切替操作部を備えて構成することができる。これにより、選択可能領域の配置数に限界があったとしても、それ以上の数の制御内容を実行可能となる。
【0021】
また、設定パターンには、二次元操作面上の操作範囲内における選択可能領域の配置形態が互いに異なるものを含むことができる。例えば、1つの設定パターンを、制御内容が関連するもののみを集めて定めることができる。こうした場合、各制御内容に対応する選択可能領域の配置は、ユーザーの最も分かり易い配置形態に定めることが望ましい。ところが、各設定パターンにおいて設定される制御内容の数(選択可能領域の数ともいえる)は、各パターンで当然異なることが予想される。この場合、各設定パターンにおいて、二次元操作面上の操作範囲内における選択可能領域の配置形態を、該選択可能領域の数に応じた固有の配置形態に定めることができる。つまり、数によって選択可能領域の配置形態が定められているので、ユーザーは各パターンの配置形態を覚え易い。
【0022】
上記制御内容に、対応する選択可能領域への位置指示入力に基づいて、現在設定されている設定パターンを異なるパターンに切り替えるものが含まれていてもよい。この場合、設定パターンの切り替えにより、より多くの制御内容を実行することが可能となる。
【0023】
また、制御内容は、対応する選択可能領域への位置指示入力に基づいて、車載用電子機器の操作指示内容を指定し、当該操作指示内容を実行させる制御内容を含むこともできる。この構成によると、選択可能領域への位置指示入力により、車載用電子機器の各種機器機能を実行できる。
【0024】
さらに言えば、設定パターンは、複数の前記選択可能領域に対し、互いに異なる車載用電子機器又は該車載電子機器における機器機能を対応付けており、それら複数の選択可能領域に割り当てられる制御内容を、各選択可能領域への位置指示入力に基づいて、当該選択可能領域に対応する車載用電子機器又は機器機能に対し制御指示内容を指定して当該制御指示内容に基づく制御を実行させることができる設定パターンに切り替える内容とすることができる。つまり、上位階層の設定パターンにおいては、複数の選択可能領域に対し車載用電子機器又は機器機能が対応付けられており、それら各選択可能領域に割り当てられる制御内容が、対応する車載用電子機器又は機器機能に対し制御指示内容を指定して当該制御指示内容に基づく制御を実行させるための下位階層の設定パターンへの切り替えと定め、一方で、下位階層の設定パターンにおいては、複数の選択可能領域に対し、当該パターンに対応する車載用電子機器又は機器機能への制御指示内容が対応付けられており、それら各選択可能領域に割り当てられる制御内容が、対応する制御指示内容に基づく制御の実行と定めている。つまり、各々の設定パターンに階層構造を定めている。この構成によると、上位の設定パターンにて使用する機器又は機能を選択し、その上で、下位の設定パターンにて上位で選択した機器又は機能において使用する内容を選択するといった階層的な選択形態をとることができる。これにより、実行したい制御内容に容易に到達することができる。従って、ドライバーのブラインド操作に適する。
【0025】
また、制御内容には、離散入力モードにおいて、対応する選択可能領域への位置指示入力に基づき、対応する該選択可能領域以外の他の選択可能領域への位置指示入力を制限する操作反力の制御を、操作反力制御手段に実行させる内容を含めることができる。この構成によると、例えば、ある制御内容が実行されているときに操作が不要となる制御内容について、その制御が実行されないよう、該制御に対応する選択可能領域への位置指示入力を制限することができる。これにより、車両走行中の誤操作を効果的に防止できる。
【0026】
なお、上記したように設定パターンが複数あり、各設定パターンの中に異なる固有経路が設定されるものがある場合には、二次元操作面上にて、共通経路の発生位置を全設定パターンにおいて同一の位置に定め、さらに、該共通経路における上方操作経路及び下方操作経路の発生起点を予め定めておき、それら発生起点においてのみ上方操作経路及び下方操作経路を設定可能にしておくことができる。これにより、様々な設定パターンにおける固有経路全体の形状をユーザーが覚え易くなる。なお、設定パターンによっては、左右に延出する共通経路の左右両端部のいずれか又は双方に、当該端部にて上方操作経路及び下方操作経路を発生させず、当該端部を選択可能領域として定めることもできる。
【0027】
上記共通経路は、二次元操作面上において、操作反力の中立位置よりも下側に位置するように定めることができる。これにより、上方操作経路をより長く設定することが可能となる。
【0028】
一方で、共通経路は、二次元操作面上において、操作反力の中立位置を通過する位置に定めることもできる。この場合、共通経路上に中立位置があることで、各選択可能領域への操作経路がシンプルになり、操作性を高めることができる。
【0029】
また、下方操作経路には、対応する選択可能領域からさらに下方に延出する形で、位置指示入力を受け付けない選択不可経路を定めることができ、この場合、例えば、下方操作経路と選択不可経路とで、上方操作経路と同様の長さの操作ストロークを形成するようにできる。この構成によると、固有経路をなす操作可能領域を上下対称なシンプルな形状で設定し、選択可能領域の割り当て位置を上下で変えるだけで、簡易に実現することができる。
【0030】
ところで、本発明の車載用入力装置には、選択可能領域設定手段により設定されている選択可能領域の配置位置と、該選択可能領域に対応する制御内容との対応関係を視覚的に表示する操作内容表示手段を設けることができる。これにより、選択可能領域の配置形態と、各選択可能領域に対応する制御内容とを確実に把握できる。
【0031】
さらに、操作内容表示手段は、少なくとも離散入力モードにおいては、選択可能領域の配置位置とともに該配置位置に向かう固有経路を視覚的に図形表示するものとできる。これにより、車両走行中において、ハプティックデバイスがどのような操作経路を辿れば、目的とする選択可能領域に達することができるかを明確に把握できる。
【0032】
なお、本発明においては、各固有経路の操作ストロークがハプティックデバイスの操作方向に応じて固有の長さをとることを特徴としている。ところが、これら各操作ストローク量をそのまま反映して画面表示とすると、見辛くなる可能性がある。そこで、本発明における表示内容変更手段は、各固有経路に対応する選択可能領域へ向かう操作ストローク量に係る図形表示を、ハプティックデバイスによる実際のそれら操作ストローク量の長短関係とは無関係に表示するものとできる。特に、固有経路全体が、左右方向に延出する共通経路に上方操作経路及び下方操作経路をつなげた形のものである場合、さらに言えば、共通経路に上方操作経路及び下方操作経路が垂直につながるものである場合には、操作内容表示手段は、それら上方操作経路及び下方操作経路の操作ストローク量に係る図形表示を均一の長さにて表示することで、より見易い表示を実現することができる。
【0033】
また、操作内容表示手段により視覚表示される表示内容を、選択可能領域設定手段による設定パターンの切り替えに応じて、対応する内容に変更する表示内容変更手段を設けることができる。これにより、設定パターンが切り替えられた場合には表示内容も対応して切り替わるので、選択可能領域の配置形態と各選択可能領域に対応する制御内容とを確実に把握できる。
【0034】
操作内容表示手段は、運転席前方に表示面を備えた表示装置とすることができる。具体的に言えば、操作内容表示手段は、表示内容を運転席前方に位置するメーター表示部において表示するものとできるし、表示内容をフロントガラス上の運転席前方位置に投影表示するヘッドアップディスプレイとして構成することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車載用入力装置が組込まれた車両のコックピット図である。車両操作のためのステアリングホイール2には、車内に設置されているエアコン装置やオーディオ装置、ナビゲーション装置、通信装置等の1以上の車載電子機器を操作対象装置とし、これらの操作入力に使用されるハプティックデバイス1が配置されている。ハプティックデバイス1は、ポインティングデバイスとして構成されており、操作範囲が予め規定された二次元操作面40(図5又は図6参照)上において位置指示操作を行なうものである。
【0036】
ステアリングホイール2は、図2に示すように、運転者が運転操作時に把持するリング部2aと、中央のボス部2cと、これらを結合するスポーク部2dとから構成される。ボス部2cには、ホーン機構やエアバック機構が組込まれており、中央領域がエアバックの収納部とされるとともに、表面がホーンボタンとして構成されている。また、ステアリングホイール2が基準ポジション(車両が直進する操作状態:操舵中立位置)にある場合の、リング部2aの左右両側が、ドライバーによる把持部分2b,2bとされている。
【0037】
ハプティックデバイス1は、ボス部分2cのホーンボタンの左脇に設けられている。具体的に言えば、ハプティックデバイス1は、ステアリングホイール2が車両を直進させる基準ポジションにある状態で、運転者がリング部2aの左側(右側でもよい)の把持部分2bを把持した状態で操作可能な位置に配置されており、その把持部分2bを把持した左手(右側の場合は右手)、特にその親指により操作可能な位置に設けられている。
【0038】
図3は、ハプティックデバイス1の断面図である。ポインティングデバイスであるハプティックデバイス1は、ユーザーにより操作されるジョイスティック型操作部(操作部)21を有しており、主制御部(ECU)100は、基本的には、中立位置からずれるに伴い、操作されている方向に抗する操作反力をジョイスティック型操作部21に付加するようアクチュエータ(本実施形態においてはモータ)11,12を制御する(当然、操作反力は中立位置では付与されない)。なお、ハプティックデバイス1は、ジョイスティック型に限られず、スライダー型やトラックボール型の操作部を有していてもよい。また、本実施形態における中立位置は、二次元操作面40の幾何学的中心位置に設定されるものとする。
【0039】
ジョイスティック型操作部21は、球面状の操作面21aを有しており、裏側からは支柱24が延出して、収納部20に差し込まれている。支柱24の途中には球状部22が形成され、収納部20に設けられている軸受23でこれを支持することにより、支柱24は収納部20に対して揺動自在に支承されている。このジョイスティック型操作部21は、非操作時において自身の操作軸線Zが中立角度位置に保持されるとともに、操作時においては表示装置202に表示される画面50上で位置指示すべき方向に対応する方向に操作軸線Zが中立角度位置から傾斜するよう、中立角度位置への操作反力(復帰力)に抗して操作される。
【0040】
このように構成されることで、ジョイスティック型操作部21は、ユーザーが接触する接触面である操作面21aに沿った方向に可動可能とされており、ユーザーが自身の手(指先)とジョイスティック型操作部21との摩擦力を利用して操作を行なうタッチ操作式とされている。
【0041】
ジョイスティック型操作部21の操作面21aは、操作範囲が予め規定された二次元操作面であり、本実施形態においては、軸受23に指示されている球状部22を中心とする球面とされている。また、操作面21aの中央部には、ユーザーに中心位置を知らせるための中心位置触感認識部29が設けられている(本実施形態においては突起部であるが、凹部等でもよい)。これにより、ジョイスティック型操作部21の操作軸線Zが傾斜したことが少なくとも触感により可能(本実施形態では視認でも可能)となる。
【0042】
本実施形態におけるジョイスティック型操作部21は、操作面21aに沿った半球状の可動域とされ、その範囲内で自在に動かすことができる。すなわち、ユーザーは、自身の手(指先)が操作面21aに接触した箇所から、その接触面の面内方向のいずれの方向(360度)にも動かすことができる(可動域の端部を除く)。
【0043】
収納部20には、ジョイスティック型操作部21に対して操作が許容される方向に沿って力を付加することが可能なアクチュエータとして、モータ11,12が設置されている。モータ11,12は、直交するX軸,Y軸に対してそれぞれ設けられており、支柱24に対し図示しないギアを介して接続され、その回転運動を軸線方向(X軸,Y軸)に沿った直線運動に変換して支柱24に伝えることで、ジョイスティック型操作部21に対して力を与える。このモータ11,12は、主制御部100からの駆動信号に基づき、ジョイスティック型操作部21に対して操作方向に抗する操作反力を付加するように動作するものであり、本発明の操作反力発生手段として機能する。
【0044】
ハプティックデバイス1の操作部であるジョイスティック型操作部21は、二次元操作自由度を有するものであり、当該操作部による二次元操作入力変位を検出する操作入力変位検出部としてポジションセンサ13,14が設けられている。本実施形態におけるポジションセンサ13,14は、アクチュエータとしてのモータ11,12の回転軸に連結されたロータリエンコーダ23,24である。なお、操作入力変位検出部としてオプティカルイメージセンサ等を使用することもできる。これらポジションセンサ13,14によって検出された位置検出信号は、主制御部100に対してフィードバックされる。
【0045】
図4は、本発明の車載用入力装置の一例を示すブロック図である。図4に示す車載用入力装置10は、ステアリングホイール2に配置されたポインティングデバイス1と、該ポインティングデバイス1からの入力操作(位置指示操作及び位置指示入力)に伴う入力信号を受信する主制御部100とを主として構成されている。主制御部100は、車内ネットワークを構築する図示されないシリアル通信バスと接続しており、車載用入力装置10が操作対象とする1以上の外部機器201や、運転席前方に表示面を備える表示装置202と接続するとともに他のECUとも接続して、それらECUと通信(例えば車速信号の入力)が可能となっている。
【0046】
主制御部100は、CPU101と、図示されないROM及びRAM等の記憶部と、それら以外に設けられたハードディスクドライブや不揮発性メモリからなる外部記憶装置102と、を備えて構成される。また、CPU101は、ポインティングデバイス1から信号入力を受ける入出力部(図中のI/O)103,104と、アクチュエータ11,12に対し駆動信号を出力する駆動回路(図中のX駆動回路及びY駆動回路)111,112と接続している。ROMないし記憶装置102には、CPU101が実行する各種プログラム及びそれに必要なデータを記憶しており、CPU101がこれらプログラムを実行する際にはRAMがその作業領域として利用される。
【0047】
また、主制御部100は、基本的には、ポジションセンサ13,14からフィードバックされる位置検出信号によってジョイスティック型操作部21が操作されている方向を検知すると、その操作方向に抗する操作反力を付加するようにアクチュエータ31,32を駆動する。つまり、ポジションセンサ13,14からフィードバックされる位置検出信号に基づいて、ジョイスティック型操作部21に付与すべき操作反力の大きさと方向とを算出して、その算出結果が反映された駆動指令信号を駆動回路111,112に出力する形で、アクチュエータ(モータ)11,12の駆動制御を行なう。
【0048】
ところで、主制御部100は、ポインティングデバイス2の所定操作範囲を有した二次元操作面40上において、位置指示入力のための選択可能領域43を離散的に設定する(選択可能領域設定手段)とともに、ポインティングデバイス2になされる位置指示操作に対し操作反力を付与するアクチュエータ(操作反力付与手段)11,12に対する反力制御を実行する(操作反力制御手段)。具体的に言えば、操作反力の制御モードとして、ポインティングデバイス2による選択可能領域43(43a〜43h)へ向かう位置指示操作が、二次元操作面40上の操作範囲内において任意に可能となるよう操作反力を制御する任意入力モードと、同じく選択可能領域43(43a〜43h)へ向かう位置指示操作が、選択可能領域43(43a〜43h)毎に定められた二次元操作面40上の固有経路410(410A〜410H)に沿ってガイドされるよう操作反力を制御する離散入力モードとを有しており、少なくとも車両走行中には離散入力モードを設定するようになっている(操作反力制御手段)。主制御部100は、上記したシリアル通信バスを介して他のECUと接続し、車速情報を取得可能となっている(車速検出手段)ので、本実施形態における主制御部100は、該車速情報を取得して、上記2つのモード間の切り替えを行っている。
【0049】
図5及び図6は、任意入力モード及び離散入力モードにおける二次元操作面上の操作範囲を簡略的に示した図である。図5及び図6には、操作範囲を有した二次元操作面40が示されており、各二次元操作面40(図5(a)〜(f)、図4(a)〜(f))内にはそれぞれの所定位置に選択可能領域43(43a〜43h)が設定されている。各選択可能領域43には制御内容が割り付けられ、該選択可能領域43への位置指示入力により割り付けられた制御内容が実行される。
【0050】
本実施形態においては、主制御部100の記憶装置102に、選択可能領域43(43a〜43h)の配置位置(配置形態)と、各選択可能領域43への位置指示入力により実行される制御内容とを対応付けた設定パターンを、設定パターン情報として記憶している。主制御部100は、所定操作範囲を有した二次元操作面40上に、この設定パターンに基づいて、選択可能領域43を離散的に設定するとともに、該選択可能領域43に対して対応する該制御内容を割り当てる。
【0051】
設定パターンには、複数のパターンが用意されている。具体的に言えば、設定パターンには、所定操作範囲を有した二次元操作面40内における選択可能領域43(43a〜43h)の配置形態が互いに異なるものや、選択可能領域43の配置形態が同じであっても該選択可能領域43に割り付けられる制御内容が異なるもの、そして、選択可能領域43の配置形態もそれら各位置43に割り付けられる制御内容も異なるものが含まれる。
【0052】
なお、各設定パターンでは、所定操作範囲を有した二次元操作面40内における選択可能領域43(43a〜43h)の配置形態を、選択可能領域43の数に応じた固有の配置形態に定められている。本実施形態においては、図5又は図6に示すような6通りの配置形態を定めている。これにより、数によって選択可能領域43の配置形態が定められているので、ユーザーが配置形態を覚え易い。なお、ハプティックデバイス1がステアリングホイール2の右側に設けられていた場合には、図5及び図6に示す選択可能領域43の配置形態及び後述する固有経路410(410A〜410H)が左右対象に入れ替わった形で設けられる。
【0053】
各選択可能領域43(43a〜43h)に割り付けられた制御内容の実行は、ハプティックデバイス1による位置指示操作により選択可能領域43を選択し、選択した選択可能領域43にて位置指示入力を行なうことによりなされる。本実施形態における位置指示入力は、選択不可領域44から選択可能領域43への進入操作、又はある選択可能領域43から他の選択可能領域43への進入操作である。つまり、ハプティックデバイス2による位置指示操作において、新たな選択可能領域43に指示位置が切り替わったことに基づいて位置指示入力が受け付けられる。
【0054】
さらに、本実施形態においては、選択不可領域44から選択可能領域43へ、又はその逆の位置指示操作において、選択可能領域43への進入・離脱を操作触感により認識できるよう反力制御が実行される。具体的に言えば、選択可能領域43への進入・離脱時にクリック感が得られるように、選択可能領域43と選択不可領域44とにおける通常の操作反力(通常反力レベル)よりも大となる操作反力(操作触感反力レベル)を、それら双方の境界にて付与するように、主制御部100が操作反力を制御する。なお、この操作触感(クリック感)は、選択可能領域43と選択可能領域43との境界、ないしは隣接する選択可能領域43,43の境界においても生じるものとする。
【0055】
ここで、任意入力モード及び離散入力モードについて説明する。図5は、任意入力モードおける所定操作範囲を有した二次元操作面40を簡略的に示した図である。任意入力モードは、車両停車状態、さらには車両の徐行状態といった、車速が予め定められた車速閾値(車速レベル)を下回る場合に実行される制御モードであり、二次元操作面40上にて、中立位置40nから遠ざかるに従い該中立位置40nに戻す方向に予め定められた所定の操作反力が付与される以外、ハプティックデバイス1による選択可能領域43へ向かう位置指示操作を制限する操作反力は付与されない。
【0056】
他方、図6は、離散入力モードおける所定操作範囲を有した二次元操作面40を簡略的に示した図である。離散入力モードは、車速が上記車速閾値(車速レベル)を上回る場合に実行される制御モードであり、操作範囲40上には、操作制限領域42と操作許可領域41との2つの領域が設定される。具体的に言えば、各設定パターンにおいて、ハプティックデバイス1による選択可能領域43へ向かう位置指示操作が、それら選択可能領域43毎に定められた二次元操作面上の固有経路410(410A〜410H)に沿ってガイドされるよう操作反力が制御され、固有経路410上が操作許可領域41、それ以外が操作制限領域42と定められている。
【0057】
各固有経路410(410A〜410H)は、二次元操作面40上において、対応する選択可能領域43へ向かう操作ストロークが、ハプティックデバイス1の操作方向に応じた独自の長さに設定されている。本実施形態における固有経路410は、それら全体が、二次元操作面40上において、対応する選択可能領域43へ向かうためにハプティックデバイス1が上側に操作される上方操作経路45と、同じく対応する選択可能領域へ向かうために下側に向けて操作される下方操作経路46との双方を有するように設定可能である。そして、それら双方が設定される場合には、上方操作経路45の操作ストロークの方が下方操作経路46の操作ストロークよりも長く定められる。ステアリングホイール2に設けられるハプティックデバイス1は、車内空間における上下左右方向への操作が可能となるように配置されるとともに、こうした操作は基本的には親指で行なうことが一般的となる。ところが、親指操作の場合、上側への操作については容易に行なうことができるが、下側には操作し難い。これは、親指の構造上、上側への操作ストロークは長くとれるが、下側への操作ストロークは長く取れないからである。上記構成によれば、下側への操作は操作ストロークが短いため容易となる一方で、上側への操作は操作ストロークが長い分だけ操作負担が大きくなるので誤操作を生じ難くなる。
【0058】
また、上記固有経路410の経路全体は、二次元操作面40上において、ハプティックデバイス1の左右の操作方向に延出し、複数の固有経路410に共用される共通経路47に対し上方操作経路45及び下方操作経路46をつなげた形で定めることができる。共通経路47を設けることで、各固有経路410からなる経路全体をシンプルな形状となっている。本実施形態においては、上記共通経路47は、二次元操作面40上に1つと定められており、これに全ての上方操作経路45及び下方操作経路46をつなげるように定められている。共通経路が1つに集約されていることで、固有経路410の経路全体がよりシンプルな形状となっている。さらに、本実施形態においては、上記1つの共通経路47につながる上方操作経路45及び下方操作経路46は、それぞれに対応する選択可能領域43に対し直接つながる経路となっている。ステアリングホイール2に設けられたハプティックデバイス1への親指操作を考えてみると、親指付け根を基点にして動かす上下方向操作と、親指の屈曲を要求される左右方向操作とでは、上下方向操作の方が容易であることは明らかであるから、選択可能領域43に至る主となる操作を上下方向に定め、共通経路上を操作する補助的な操作を左右方向に定めることで、操作性を高め、より選択可能領域43に至る位置指示操作を確実に行なうことが可能となっている。
【0059】
また、本実施形態においては、上方操作経路45及び下方操作経路46を、上記共通経路47に対し垂直につながる直線経路として定められている。これにより、固有経路410の経路全体が一層シンプルな形状になり、ユーザーとってより分かり易い固有経路となっている。ただし、本発明においては、上方操作経路45は、自身に対応する選択可能位置に向かうためにハプティックデバイス1が上側に向けてガイド操作される経路、下方操作経路46は、自身に対応する選択可能位置に向かうためにハプティックデバイス1が下側に向けてガイド操作される経路であれば良く、必ずしも共通経路47に対しつながっている必要はないし、つながっていたとしても垂直である必要は無い。例えば、上記ガイド操作がなされる上方操作経路及び下方操作経路を、それぞれ対応する選択可能位置に至る最終の分岐点又は曲がり角から当該選択可能位置に向かう最終経路とし、該最終経路をなす上方操作経路の操作ストロークを、同じく該最終経路をなす下方操作経路の操作ストロークよりも長く設定することができる。また、上方操作経路及び下方操作経路を共通経路に対しそれぞれが異なる角度で延出して、それら角度に応じた操作ストロークを設定することもできるし、この場合さらに、上側に延出するものを下側に延出するものよりも操作ストロークを長く設定することもできる。
【0060】
また、本実施形態においては、設定パターンが複数あり、それら全ての設定パターンにおいて、二次元操作面40上に設定される共通経路47の発生位置を同一の位置に定めている(図6(c)〜図6(f)参照)。さらに、該共通経路47における上方操作経路45及び下方操作経路46の発生起点を予め定めておき、それら発生起点のみに上方操作経路45及び下方操作経路46がつながるように設定される(図6の(e)及び図6(f)参照:本実施形態における発生起点は共通経路47上の左端、中央、右端の3箇所であり、いずれも上下双方の操作経路45,46を発生可能とされている)。なお、設定パターンの中には、左右に延出する共通経路47の左右両端部のいずれか又は双方において、当該端部に上方操作経路45及び下方操作経路46の発生起点が定められているものの、当該発生起点から上方操作経路45及び下方操作経46路を発生されず、当該端部を選択可能領域43として定めた設定パターンもある(図6(c)及び図6(d)参照)。
【0061】
なお、本実施形態における共通経路47は、二次元操作面40上において、操作反力の中立位置40nよりも下側に位置している。
【0062】
なお、本実施形態における固有経路410は、図7に示すとおりである。選択可能領域43aへ向かう固有経路410Aは中立位置40nを含む中立領域41n及び経路410a、選択可能領域43bへ向かう固有経路410Bは中立領域41n及び経路410b、選択可能領域43cへ向かう固有経路410Cは中立領域41n及び経路410c、選択可能領域43dへ向かう固有経路410Dは中立領域41n及び経路410d、選択可能領域43eへ向かう固有経路410Eは中立領域41n及び経路410c,41c,410e、選択可能領域43fへ向かう固有経路410Fは中立領域41n及び経路410c,41c,410f、選択可能領域43gへ向かう固有経路410Gは中立領域41n及び経路410d,41d,410g、そして、選択可能領域43hへ向かう固有経路410Hは中立領域41n及び経路410d,41d,410hである。
【0063】
また、本実施形態においては、設定パターンの変更がない限り、離散入力モードと任意入力モードとの間の切り替えで選択可能領域43の変更が無い。このため、モード切り替え処理を簡易なものとできる。ただし、離散入力モードにおいては、選択可能領域43(43a〜43h)を操作制限領域42にまで広げて設定したところで、操作許可領域41上しか位置指示操作できないので、離散入力モードにおける実質的な選択可能領域43は、操作許可領域41内に存在するといってもよい。本発明においては、離散入力モードにおける選択可能領域43の設定方法は、少なくとも操作許可領域41(41a〜41h)のみが選択可能領域43に設定されるようになっていればよく、必ずしも本実施形態のように操作制限領域42まで広げた設定とする必要は無い。
【0064】
操作許可領域41から操作制限領域42に進入する位置指示操作がなされた場合には、その境界にて、ハプティックデバイス1をその方向に強く操作しても動かない程度の、通常レベルよりも大となる操作阻止レベルの操作反力が付与され、その進入操作が阻止される。つまり、操作制限領域42内におけるハプティックデバイス1による位置指示操作が禁止された状態となる。他方、操作許可領域41上においては、中立位置40nから遠ざかるに従い該中立位置40nに戻す方向に予め定められた所定の操作反力が付与されるが、これは上記任意入力モードと同様の、通常レベルの操作反力が付与されるものであり、特に操作が制限されるものではない。
【0065】
また、上記した2つの制御モードの切り替えは車速に応じて実行されるが、本実施形態において、車速の変更により生じる変化は、上記操作制限領域42を設けるための操作反力制御の設定変更のみであり、設定パターンまで変更するものではない。ただし、車速の変更により、制御モードを変更しつつ設定パターンも変更するような構成であっても問題は無い。
【0066】
また、本実施形態において、ハプティックデバイス1による操作対象に定められられる各種車載用電子機器201は、主制御部100に接続する外部機器である。例えば、「カーナビゲーション装置」や「カーエアコン」、「カーオディオ」等であり、これらの他にも、「視界支援機能」としての、「前方撮影カメラ」、「後方撮影カメラ」、「ヘッドアップディスプレイ(HUB)」、「側方撮影カメラ」、「駐車支援機能」、「夜間視界支援機能」、「後側方監視警報機能」であったり、「シート/ステアリングポジション変更機能」、「ミラーポジション変更機能」、「走行支援機能」を備える各種電子機器等を含むことができる。また、これら以外の機器機能を有した車載用電子機器及を含んでもよい。
【0067】
ところで、主制御部100には表示装置202が接続している。表示装置202は、設定されている選択可能領域43の配置位置と、該選択可能領域43に対応する制御内容との対応関係を視覚的に表示する操作内容表示手段として機能するとともに、その表示内容を、主制御部100による設定パターンの切り替えに応じて、対応する内容に変更する表示内容変更手段としても機能するものである。
【0068】
図8(a)及び(b)は、その表示画面50を簡略的に図示したものであり、画面51(50)は任意入力モード時の表示内容を示すポインタ選択画面を示しており、他方、画面52(50)は離散入力モード時の表示内容を示すポインタ選択画面である。図8の画面50(51,52)上には、各選択可能領域43に対応する位置53(53a,53b,53e,53f,53g,53h)に、対応する選択可能領域43の制御内容が文字表示されている。ただし、離散入力モードにおいては、各選択可能領域43に対応する配置位置53での制御内容の文字表示とともに、各配置位置53に向かう固有経路相当部分59が、現在設定されている実際の固有経路410に近い形状で視覚的に図形表示されている。他方、任意入力モードでは、離散入力モードにおいて固有経路410が表示されていた領域をつめて、各選択可能領域43の位置関係及びそれらの制御内容のみをシンプルに表示している。
【0069】
なお、本実施形態では、上記したように、各固有経路410(410A〜410H)において、自身に対応する選択可能領域43へ向かう操作ストローク量が、二次元操作面40の上下側において異なるように定められている。ところが、表示装置202における表示では、そうした各固有経路410の該操作ストローク量に係る図形表示が、ハプティックデバイス1による実際の操作ストロークの長短関係とは無関係に表示されている。つまり、表示装置202の表示では、少なくとも各固有経路410の概略形状さえ把握できればよいため、固有経路410を詳細に表現する必要は無い。本実施形態においては、図15に示すようなデザイン性を重視した表示となっている。図15においては、上方操作経路及び下方操作経路の操作ストローク量に係る図形表示55,56を均一の長さで表示し、デザイン性の向上を図っている。
【0070】
表示装置202に表示される選択可能領域43の制御内容は、図8に示すように、画像にて表示することができる。本実施形態においては、各選択可能領域43に対応する制御内容を文字表示した画像53(51a〜51h,52a〜52h)である。この場合、ハプティックデバイス1により位置指示操作がなされ、選択可能領域43が位置指示されると、その指示位置の画像53が強調表示される。これにより、ハプティックデバイス1による指示位置を視覚的に把握することができる。本実施形態においては、位置指示された領域を、それまでよりも明るい表示とするハイライト表示がなされる。なお、指示位置が選択可能領域43上となった場合には、同一の表示形態で表示されていた各選択可能領域43に対応する画像53のうち、位置指示されたものだけを強調表示して、他とは異なる表示状態としてもよい。具体的には、上記のようなハイライト表示や、文字と背景色の表示色が反転する形の強調表示を行なうことができる。
【0071】
本実施形態における表示装置202は、図1において、運転席前方のステアリングホイール2の奥側に表示部4が設けられてなるメーター表示装置として構成されており、図15のような形でタコメータ4Aとスピードメータ4Bとの間の領域に、上記表示画面50(画面51,52)の表示がなされる。ただし、図15における画面52の表示は、固有経路相当部分59上において指示位置(ポインタ)50Pを発光させた形で行っている。
【0072】
また、本実施形態における表示装置202は、周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行なうための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、主制御部100から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行なう。表示装置202としては、他に有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。
【0073】
ところで、本実施形態の車載用入力装置10は、ハプティックデバイス1により選択可能領域43にて位置指示入力がなされると、主制御部100がその選択可能領域43に対応する制御内容を実行する。
【0074】
本実施形態における設定パターンは、各選択可能領域43に割り付けられる制御内容が関連するもののみが集められて設けられている。具体的に言えば、同一の機器201又は同一の機器機能に係る制御指示内容のみを集め、各選択可能領域43に割り付けた制御指示用の設定パターンである。具体的に言えば、図9(a)に示すように、各選択可能領域43a,43b,43e,43f,43g,43hに対し、「前方撮影カメラ」、「後方撮影カメラ」、「ヘッドアップディスプレイ(HUB)」、「側方撮影カメラ」、「駐車支援機能」、「夜間視界支援機能」、「後側方監視警報機能」といった「視界支援機能」のみを割り付けた設定パターンや、その他、図9(b)に示すように、各選択可能領域43a,43b,43e,43g,43hに対し、各種車両機能に関するもののみを割り付けた設定パターンを等である。なお、図9は離散入力モードにおける表示となっているが、任意入力モードにおいても同様である。
【0075】
また、設定パターンには、各選択可能領域43に、別の設定パターンに切り替える制御内容を割り付けた設定パターン切替用のものもある。この場合、各選択可能領域43には、切り替え先の設定パターンが対応付けられており、選択可能領域43への位置指示入力に基づいて、位置指示入力された該選択可能領域43に対応する設定パターンへの切り替えが実行されるとともに、表示装置202における表示内容を対応する内容に変更するように変更指示を出力する。
【0076】
なお、設定パターン切替用の選択可能領域43にて位置指示入力を行った直後、該選択可能領域43を位置指示するための一定の操作力を継続して付与していれば、ハプティックデバイス1の指示位置は、基本的には、その選択可能領域43と同位置のままとなる。ところが、当該選択可能領域43が、設定パターンの切り替えに伴い操作不可領域42に変更される場合は、操作中立40nに向けた操作阻止レベルの操作反力が直ちに付与され、ハプティックデバイス1による指示位置は、少なくとも操作許可領域41にまで強制的に押し戻される。操作力を付与していない状態であれば当然、中立位置40nにまで自動的に押し戻される。
【0077】
この設定パターンを切り替える設定パターンに関して、本実施形態においては、各選択可能領域43に対し、同一の車載用電子機器201又は車載電子機器201における同一の機器機能に関する制御指示内容が割り付けられ、位置指示入力に基づいて対応する制御指示内容が実行される下位階層の設定パターン(制御指示用設定パターン)と、設定パターンを切り替えるために各選択可能領域43に対し、互いに異なる車載用電子機器201又は機器機能に関する下位階層の設定パターンが割り付けられた上位階層の設定パターン(設定パターン切替用設定パターン)と、を有する形で構成されている。つまり、上位の設定パターンで使用する機器又は機能を選択し、下位の設定パターンで上位で選択した機器又は機能において使用する具体的な内容を選択するといった階層的な選択パターンの切替形態を有している。
【0078】
具体例を図10に示す。図10(a)は、使用する車載用電子機器210又はその機器機能を選択する上位階層の設定パターンである。この上位の設定パターンから、「ミラーポジション変更機能」を位置指示入力により選択すると、それよりも下位階層の設定パターンに切り替わる。この下位階層の設定パターンは、上位の階層で選択した機器又は機器機能に関連する制御内容が集められた設定パターンである。本実施形態においては、図10(b)に示すように、「ミラーポジション変更機能」に関連する制御内容を含む設定パターンであり、具体的にどのミラーを変更するかを選択する制御内容を有している。さらに、この設定パターンから、変更したいミラーを位置指示入力により選択すると、現在よりもさらに下位階層の設定パターンに切り替わる。この下位階層の設定パターンも、上位の階層で選択した機器又は機器機能に関連する制御内容が集められた設定パターンである。本実施形態においては、図10(c)に示すように、図10(b)で選択したミラーに関連する制御内容を含む設定パターンであり、ミラーを上下左右のどちら向きに傾斜させるかを決定する制御指示内容を含む設定パターンである。つまり、この図10(c)の設定パターンにおいては、各選択可能領域43に対し位置指示入力を行ったとしても設定パターンは変更されなず、その代わりに、位置指示入力を行った選択可能領域43の制御指示内容が実行される。ここでは、一度の選択(位置指示入力)により、予め定められた所定角度分だけのミラーの角度変更が実行される。なお、図10は離散入力モードにより示されているが、上記内容は任意入力モードにおいても当然適用される。
【0079】
ただし、この場合、下から上に階層を戻るための階層戻り操作部を設けることが望ましい。例えば、各下位階層の設定パターンに、上位階層に戻る制御内容が割り付けられた選択可能領域43を設け(離散入力モードにおいては対応する固有経路も設ける)、その選択可能領域43への位置指示入力を階層戻り操作とすることができる。また、ハプティックデバイス1において、ジョイスティック型操作部21による方向操作(位置指示操作)とは異なる方向への操作により階層戻り操作ができるように設けることもできる。例えば、図22に示すように、ジョイスティック型操作部21に押圧操作部としての機能(タクトスイッチ60が押圧操作部として機能する)を付与して、その押圧操作により階層戻り操作ができるようにしてもよい。また、階層戻り操作部をハプティックデバイス1とは別の操作部28として設けてもよい。例えば、図21に示すように、ステアリングホイール2のハプティックデバイス2とは逆側にて、該ステアリングホイール2を把持する他方の手で操作可能な位置、特にはその手の親指で操作可能な位置に設けることができる。
【0080】
また、設定パターンの中には、各選択可能領域43に割り付けられる制御内容の中に、予め定められた選択可能領域43への位置指示入力に基づいて、当該選択可能領域43以外の他の選択可能領域43への位置指示入力を制限する内容を有したものがある。つまり、選択可能領域43の中に、特定の選択可能領域43に位置指示入力があった場合に、位置指示入力が制限される位置指示入力制限領域がある。本実施形態においては、離散入力モードにおいて、当該位置指示入力制限領域43の位置指示入力が制限されるよう、その位置指示入力制限領域43の固有経路410の少なくとも一部を、操作許可領域41から操作制限領域42に切り替える形で実行される。ただし、この操作許可領域41から操作制限領域42への切り替えは、位置指示入力が制限されない選択可能領域43の固有経路410上では行なわれないものとする。
【0081】
具体的には、図11に示すオーディオ操作画面が表示されるようなオーディオ操作用の設定パターンにおいて、オーディオがOFFに操作されている場合には、図11(a)に示すように、中立領域か41nらオーディオのON/OFFを切り替える制御指示内容の選択可能領域43aまでしかポインタPを移動できない制限状態となる。つまり、固有経路410Aを除く全ての固有経路410が操作制限領域42に切り替えられている。一方で、オーディオをONする位置指示入力がされた場合には、図11(b)に示すように、選択可能領域43a,43b,43e,43f,43g,43hへ向かう全ての固有経路410に沿ったポインタPの移動が可能な移動可能状態となる。
【0082】
なお、図11(a)における符号49は、離散入力モードにおいて、オーディオON状態からOFF状態に切り替わるに伴い、ハプティックデバイス1による位置指示ができない操作阻止レベルの操作反力が付与される領域を視覚的に分かり易く示した部分であり、実際には操作制限領域42と同じ操作反力レベルが付与される領域である。つまり、図11(a)においては、領域49は、オーディオON状態における操作許可領域41n,41b,410b,41c,410c,41d,410d,41e,410e,41f,410f,41g,410g,41h,410hである。実際に、離散入力モードにおいて操作制限領域42に切り替わる操作制限対象領域である。
【0083】
ただし、これを表示装置202において表示する場合には、離散入力モードにおいて一部の操作許可領域41が操作制限領域42に切り替わった際に、それが一時的なものであることを認識できる形で、その操作制限対象領域49を表示する。図11(a)の場合、離散入力モードにおいて操作反力が切り替わる可能性がある一部の領域49では、操作制限領域42に切り替わった後でも切り替え前の操作許可領域41n,41b,410b,41c,410c,41d,410d,41e,410e,41f,410f,41g,410g,41h,410hが視覚的に認識できる形で表示される。また、図11(a)の場合、操作制限対象領域49は、操作許可領域41であるときには、他の操作許可領域41と同様の表示形態となっているが、操作制限領域42に切り替わった際には、切り替え前の操作許可領域41とは異なる表示形態で、かつ他の操作制限領域42とも異なる表示形態となる。これにより、領域49が操作禁止領域に切り替わった際に、それが一時的なものであることを、ユーザーは容易に認識することが可能となる。さらに、図11(a)の場合、操作制限対象領域49は、操作制限領域42に切り替わる際に、その周辺の操作制限領域42の一部を含めた形で、切り替え前の操作許可領域41及び他の操作制限領域42と異なる表示形態に切り替わるので、一時的なものであることが一層強調して表示される。
【0084】
なお、上記実施形態においては、位置指示入力制限領域43への位置指示入力の制限を、主制御部100が、位置指示入力制限領域となる選択可能領域43を選択不可領域44に切り替える形でおこなってもよい。
【0085】
ところで、主制御部100の記憶装置102には、各種プログラムが記憶されている。具体的に言えば、設定パターンの切り替えを実行する設定パターン切替プログラムと、操作反力の制御モードを設定し、設定された制御モードに基づいて、ジョイスティック型操作部21に操作反力を発生させる操作反力発生プログラムと、選択可能領域43において位置指示入力を受け付ける位置指示入力受付プログラムと、が記憶されている。これらプログラムは、CPU101により実行され、本発明の選択可能領域設定手段(設定パターン切替プログラム)、操作反力制御手段(操作反力発生プログラム)として機能するものである。
【0086】
さらに、記憶装置102には、上記プログラムの実行に使用されるデータとして、設定パターン情報と、選択許可領域配置情報と、反力情報と、が記憶されている。設定パターン情報は、選択可能領域43の配置形態(図5及び図6参照)とその配置形態において該選択可能領域43に割り付けられる制御内容とを対応付けた複数の設定パターンに関する情報である。選択許可領域配置情報は、離散入力モードにおいてジョイスティック型操作部21の二次元操作面上に定められる操作許可領域41と操作制限領域42とを特定する座標データであり、さらに本実施形態においては操作制限対象領域49を特定する座標データでもある(図6参照)。反力情報は、ジョイスティック型操作部21の二次元操作面40上に定められる各種領域(操作許可領域41、操作制限領域42等)の反力設定値を特定する情報である。
【0087】
設定パターン切替プログラムの処理を、図12のフローチャートを用いて説明する。まず、S1は、設定パターンの指定待ち状態であり、S2にて、セットすべき設定パターンの指定がなければ、そのまま本プログラムは終了する。セットすべき設定パターンが指定されるとS3に進んで、指定された設定パターンに関するデータ(設定パターン情報)を記憶装置102から読み出し、S4にて設定パターンをセットする。具体的に言えば、S4では、S3で読み出した設定パターン情報に基づいて、当該設定パターンの選択可能領域43の配置形態を特定し、特定された配置形態に基づいて、ジョイスティック型操作部21の二次元操作面40上に各選択可能領域43を設定する。そして、設定された各選択可能領域43に対し、読み出した設定パターン情報に基づいて、対応する制御内容を割り付ける。S5では、S4でセットした設定パターンに対応する表示を実行するように、表示装置202に表示切替指令信号を出力し、本プログラムを終了する。なお、本プログラムは、所定間隔にて繰り返し実行されるものである。
【0088】
次に、操作反力発生プログラムの処理を、図13のフローチャートを用いて説明する。まず、S11では、現在の車両の車速Vを取得する。具体的には、他のECUから車速センサの検出値を取得する。そして、S12では、取得した車速値Vが予め定められた車速閾値(車速レベル:例えば5km/h)V0を上回るか否かを判定する。上回る場合はS13に進み、離散入力モードを設定する。他方、上回らない場合はS20に進み、任意入力モードを設定する。
【0089】
S13にて離散入力モードが設定されると、記憶装置102から、現在セットされている設定モードに対応する選択可能領域43の配置形態(図6参照)を特定する。続いて、選択許可領域配置情報を読み出し、特定された選択可能領域43の配置形態に対応する、離散入力モードにおける操作許可領域41(固有経路410)を特定する。
【0090】
S14では、離散入力モードに対応する表示を実行するように、表示装置202に表示切替指令信号を出力する。ただし、前回の表示においても、離散入力モードの表示がなされていた場合には、表示の変更は行なわずに、前回の表示内容を継続して表示する。
【0091】
S15では、操作ノブをなすジョイスティック型操作部21による、二次元操作面40上での指示位置を検出し、その指示位置を記憶装置102の所定記憶領域に記憶する。そして、S16にて、その指示位置と、前回の指示位置との差分を算出して、指示位置の変位量を算出する。ただし、初回は、中立位置40nからの差分を算出するものとする。そして、S17にて、指示位置が移動したか否かを判定する。指示位置がそのままであると判定された場合は、本プログラムを終了する。ただし、本プログラムは所定周期で繰り返し実行されるものである。S17で、指示位置が移動したと判定された場合にはS18に進む。
【0092】
S18及びS19では、ジョイスティック型操作部21に対し、指示位置及び操作方向に応じた操作反力を付与する処理を行なう。具体的に言えば、まずは、S13において設定された選択許可領域41と、それ以外の領域である選択制限領域42との境界を特定する(S18)。その上で、ジョイスティック型操作部21による位置指示操作により、指示位置が操作許可領域41から操作許可領域41に変位するものであれば、通常反力レベルの操作反力を操作方向とは逆向きに付与するよう、CPU101がX駆動回路111及びY駆動回路112に出力する駆動指令内容を算出する(S18)。他方、ジョイスティック型操作部21による位置指示操作により、指示位置が操作許可領域41から操作制限領域42への指示位置の変位であれば、その操作を阻止する、通常反力レベルよりも大きい操作阻止レベルの操作反力を操作方向とは逆向きに付与するよう、CPU101がX駆動回路111及びY駆動回路112に出力する駆動指令内容を算出する(S18)。なお、各操作反力の大きさは、記憶装置102から反力情報を読み出し、これに基づいて設定する。そして、CPU101は、算出された駆動指令内容を反映した駆動指令信号をX駆動回路111及びY駆動回路112に対し出力し、アクチュエータ11,12を駆動制御する(S19)。アクチュエータ11,12を駆動したら、S11に戻る。
【0093】
また、本実施形態においては、ハプティックデバイス1による選択不可領域44から選択可能領域43への指示位置の移動操作により、位置指示入力となる。このため、操作許可領域41上において、選択不可領域44から選択可能領域43への進入時及び選択可能領域43から選択不可領域44への離脱時と、ある選択可能領域43から別の選択可能領域43への進入及び離脱時に、クリック感が得られるように、それら双方の境界にて通常反力レベルよりも大となる触感反力レベルの操作反力を操作方向とは逆向きに付与するよう、CPU101がX駆動回路111及びY駆動回路112に出力する駆動指令内容を算出する(S18)。なお、触感反力レベルの操作反力の大きさは、記憶装置102から反力情報を読み出し、これに基づいて設定する。
【0094】
S20にて任意入力モードが設定されると、記憶装置102から、現在セットされている設定モードに対応する選択可能領域43の配置形態(図5参照)を特定する。任意入力モードにおいては、ジョイスティック型操作部21による二次元操作面40の全面が選択許可領域41となる。
【0095】
S21では、任意入力モードに対応する表示を実行するように、表示装置202に表示切替指令信号を出力する。ただし、前回の表示においても、任意入力モードの表示がなされていた場合には、表示の変更は行なわずに、前回の表示内容を継続して表示する。
【0096】
S22では、操作ノブをなすジョイスティック型操作部21の二次元操作面40上における指示位置を検出し、その指示位置を記憶装置102の所定記憶領域に記憶する。そして、S23にて、その指示位置と、前回の指示位置との差分を算出して、指示位置の変位量を算出する。ただし、初回は、中立位置40nとの差分を算出するものとする。S24では、指示位置が移動したか否かを判定する。指示位置がそのままであると判定された場合は、本プログラムを終了する。ただし、本プログラムは所定周期で繰り返し実行されるものである。S24で、指示位置が移動したと判定された場合にはS25に進む。
【0097】
S25及びS26では、ジョイスティック型操作部21に対し、指示位置及び操作方向に応じた操作反力を付与する処理を行なう。具体的に言えば、まずは、ジョイスティック型操作部21の二次元操作面40上の全ての領域において、通常反力レベルの操作反力を操作方向とは逆向きに付与するよう、CPU101がX駆動回路111及びY駆動回路112に出力する駆動指令内容を算出する(S25)。なお、通常反力レベルの操作反力の大きさは、記憶装置102から反力情報を読み出し、これに基づいて設定する。そして、CPU101は、算出された駆動指令内容を反映した駆動指令信号をX駆動回路111及びY駆動回路112に対し出力し、アクチュエータ11,12を駆動制御する(S26)。アクチュエータ11,12を駆動したら、S11に戻る。
【0098】
次に、位置指示入力受付プログラムの処理を、図14のフローチャートを用いて説明する。まず、S41では、位置指示入力の有無を判定する。なお、本プログラムも所定周期で繰り返し実行されるものである。位置指示入力があった場合にはS42に進み、位置指示入力のあった位置が選択可能領域であるかを判定する。本実施形態においては、選択可能領域への位置指示操作が位置指示入力に相当するので、ここでの否定は生じない。位置指示入力が選択可能領域でなされていた場合には、S43にて、当該選択可能領域の制御内容を、現在適用されている設定パターン情報を記憶装置102から読み出す。
【0099】
S44では、読み出した制御内容が設定パターンを切り替えるものであるか否かを判定する。設定パターンを切り替えるものであればS45に進み、S43で読み出した制御内容に基づく設定パターンを指定する。これにより、図12のS2にて、設定パターンの指定があったと判定され、続く処理にて設定パターンの切り替えが実行される。
【0100】
S44で読み出した制御内容が設定パターンを切り替えるものでなければ、46に進む。S46では、S43で読み出した制御内容に基づく制御を実行する。例えば、車載用電子機器又はその機能の実行や、制御パラメータの変更をするための制御指示情報の出力等を行なう。
【0101】
なお、S45又はS46が終了した場合、さらには、S41又はS42のいずれかで否定の方向(NO)に進んだ場合は、本プログラムを終了するただし、本プログラムも所定周期で繰り返し実行されるものである。
【0102】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0103】
例えば、表示装置202は、メーター表示装置ではなく、図16に示すヘッドアップディスプレイ装置であってもよい。図16に示すヘッドアップディスプレイ装置202は、運転者前方に位置するウインドシールドWSの下側から車両の内側へ延出するインストルメントパネルIPの内部に表示器が配設されており、表示画像を映し出した液晶パネル203に対しバックライト204で光を照射すると、液晶パネル203を透過した光がウインドシールドWSに入射し、運転席に着座した運転者DRの目に向けて反射されることで、表示画像50(51又は52)が虚像として運転者DRに捕らえられる。図15と同様の表示画像50(51又は52)を表示することができる。また、図1のセンターコンソールCCに設けられたディスプレイ(車室前方のセンターに位置するセンターディスプレイ)5に表示画像50(51又は52)を表示してもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、主制御部100が、離散入力モードにおいて、特定の選択可能領域43への位置指示入力に基づき、その選択可能領域43以外に定められた他の選択可能領域(位置指示入力制限領域)43への位置指示入力を制限するものであったが、離散入力モード及び任意入力モードとは無関係に、主制御部100が、車両の走行状態に基づいて、主制御部100は、予め定められた選択可能領域(位置指示入力制限領域)43への位置指示入力を制限し、それに伴う表示装置202の表示切り替えを実行することができる。即ち、予め定められた走行状態となることを条件(入力制限実行条件)として、その条件を満足したときに、対応する位置指示入力制限領域43への位置指示入力を制限することができる。
【0105】
具体的には、予め定められた車両の走行状態となることを条件(入力制限実行条件)に、主制御部100が、位置指示入力制限領域となる選択可能領域43の固有経路410の一部又は全てを、操作許可領域41から操作制限領域42となるよう反力設定を切り替える形で行なう。なお、位置指示操作が制限される可能性がある領域は、位置指示入力制限領域43の固有経路410の一部又は全てであり、この領域を操作制限対象領域48ということができる。この操作制限対象領域48は、位置指示入力制限領域となる選択可能領域43の固有経路410のうち、位置指示入力制限領域とはならない選択可能領域43と共通する固有経路を除く経路部分に設定される。
【0106】
例えば、車両の走行状態を定めるパラメータとして車速がある。従って、検出される車速に基づいて、予め定められた選択可能領域(位置指示入力制限領域)43での位置指示入力が制限されるよう、操作反力を制御するように構成できる。より具体的に言えば、主制御部100が、車速が予め定められた車速閾値(車速レベル)を上回っていることを条件(入力制限実行条件)に、位置指示入力制限領域をなす選択可能領域43において位置指示入力が制限されるよう操作反力を制御し、車速がその車速閾値を下回った場合にはその制限を解除するようにに構成できる。
【0107】
さらに、位置指示入力制限領域をなす選択可能領域43に、予め定められた車載用電子機器201又はその機器機能に対応する制御内容を割り当てることができる。これにより、車両走行中に実行する必要のない車載用電子機器201又はその一部の機器機能、あるいは車両走行中に実行されるべきでない車載用電子機器201又はその一部の機器機能を、車両走行中において強制的に実行できないようにできる。図17では、車速一定以上での車両走行中に駐車支援機能の使用が制限された、ハプティックデバイス1の二次元操作平面40を示している。
【0108】
なお、車両の走行状態として車速を定めた場合には、入力制限実行条件と、任意入力モードから離散入力モードへ切り替えるモード切替条件とを同一に定めることもできる。つまり、任意入力モードから離散入力モードに切り替わるに伴い、任意入力モードにおいては位置指示入力可能であった選択可能領域43のうち特定のもの(位置指示入力制限領域)が、位置指示入力できなくなるよう、主制御部100が操作反力を制御するように構成できる。具体的には、離散入力モードへの切り替えに伴い、位置指示入力制限領域をなす選択可能領域43上への位置指示操作が阻止されるよう、その固有経路の少なくとも一部(上記操作制限対象領域48)を操作制限領域42に設定することで実現できる。
【0109】
逆に、車速が予め定められた車速レベルを下回った場合に、位置指示入力制限領域48での位置指示入力を制限し、車速がその車速レベルを上回った場合にはその制限を解除するようにも構成できる。例えば、離散入力モードから任意入力モードに切り替わるに伴い、離散入力モードにおいては位置指示入力可能であった選択可能領域43のうち特定のもの(位置指示入力制限領域48)が、任意入力モードにおいて位置指示入力できなくなるよう、主制御部100が操作反力を制御するように構成できる。
【0110】
また、上記車両の走行状態とは、車速のみで定められる状態だけではなく、シフトポジションによっても定めることができる。従って、例えば、シフトポジションがドライブに入っていることを条件(入力制限実行条件)に、上記した、車速が予め定められた車速レベルを上回ったことをときと同様の位置指示入力制限を実行できる。また、シフトポジションがパーキングに入っていることを条件(入力制限実行条件)に、上記した、車速が予め定められた車速レベルを下回ったときと同様の位置指示入力制限を実行できる。
【0111】
また、入力制限対象領域として、車両の後進に関連する車載用電子機器又はその機器機能に関する制御内容が割り付けられた選択可能領域43を定め、シフトポジションがバックに入っていないことを条件(入力制限実行条件)に、その位置指示入力を制限するようにしてもよい。車両後進に関連する機器機能としては、バックモニタのような駐車支援機能等があり、図17に示すような形で、対応する選択可能領域43bの位置指示入力を制限できる。
【0112】
また、上記車両の走行状態として、ヘッドライトの点灯・非点灯を含めることができる。従って、例えば、ヘッドライトが点灯されていないことを条件(入力制限実行条件)に、夜間走行に関連する機器機能に関する制御内容が割り付けられた選択可能領域43の位置指示入力を制限するようにしてもよい。夜間走行に関連する機器機能としては、ナイトビジョンのような夜間視界支援機能等があり、図18に示すような形で、対応する選択可能領域43fの位置指示入力を制限できる。
【0113】
上記のように、車両走行状態に係る予め定められた入力制限実行条件を満足したときに、該条件に対応する位置指示入力制限領域をなす選択可能領域43に対し、その位置指示入力を制限するための制御は、主制御部100により実行される。具体的に言えば、主制御部100の記憶装置102に、車両走行状態に基づく位置指示入力制限を実行するための位置指示入力制限プログラムを記憶しておき、これをCPU101に実行することでなされる。以下、位置指示入力制限プログラムの処理を、図19のフローチャートを用いて説明する。
【0114】
まず、先に述べた実施形態において、記憶装置102に記憶される設定パターン情報を、各設定パターンとともに、それら各設定パターンに対し制限情報を対応付けた情報とする。制限情報とは、対応する設定パターンにおいて位置指示入力の制限の対象となる選択可能領域43(入力制限対象領域)と、その制限を実行するための条件(入力制限実行条件)とを対応付けた情報である。
【0115】
S31では、現在の設定パターンに、ハプティックデバイス1による位置指示入力を制限すべき制御内容があるか否かを判定する。具体的には、記憶装置102から現在セットされている設定パターンの設定パターン情報を読み出し、現在の設定パターンに対応付けられた制限情報から判定する。現在の設定パターンに入力制限対象領域があればS32に進み、無ければ本プログラムを終了する。なお、本プログラムは所定周期で繰り返し実行されるものである。
【0116】
S32では、S31で読み出した制限情報に基づいて、入力制限対象領域とその入力制限実行条件とを特定する。そして、S33では、入力制限実行条件に関連する車両の走行状態を取得する。ここでは、入力制限実行条件に関連する車両の走行状態が車速であり、車速が予め定められた車速値(例えば5km/h)を上回ることが条件として定められているものとする。
【0117】
S34では、取得した走行状態が、入力制限実行条件を満たすか否かを判定する。本実施形態においては、S33で取得した車速が予め定められた車速値を上回る場合に、入力制限実行条件を満たすとしてS35に進む。他方、予め定められた車速値を上回らない場合は入力制限実行条件を満たさないとされてS38に進む。
【0118】
S35では、入力制限対象領域をなす選択可能領域43を特定して、S36にて、当該選択可能領域43への位置指示入力の制限を開始する。具体的は、当該選択可能領域43を操作制限領域42として設定する。そして、該位置指示入力制限領域48が操作制限領域42となったことを、表示装置202において表示し、本プログラムを終了する。
【0119】
なお、ここでは、入力制限実行条件と、離散入力モードへの切替条件が同一に定められている。従って、入力制限対象領域をなす選択可能領域43は、離散入力モードへの切り替えに伴い、当該選択可能領域43及びその固有経路410の一部又は全て(操作制限対象領域48)が操作制限領域42に設定される。これにより、入力制限対象領域をなす選択可能領域43への位置指示操作が阻止され、ハプティックデバイス1による位置指示入力ができなくなる。ただし、入力制限対象領域とはならない他の選択可能領域43と共通の経路は、操作制限領域42に設定しないものとする。
【0120】
他方、S38では、入力制限実行条件を満たさなかったので、現在、入力制限対象領域をなす選択可能領域43にて位置指示入力が制限された状態である場合にはこれを解除し、S39にて表示装置202の表示ももとの状態に戻す。なお、S38及びS39において、現在が上記制限状態でなければ現状を維持し、表示もそのままとする。S39実行後は、本プログラムを終了する。これにより、走行状態に基づいた一部の選択可能領域43の位置指示入力制限を実行することができる。
【0121】
なお、上記実施形態においては、位置指示入力制限領域43への位置指示入力の制限を、予め定められた車両の走行状態となることを条件(入力制限実行条件)に、主制御部100が、位置指示入力制限領域となる選択可能領域43を選択不可領域44に切り替える形でおこなってもよい。
【0122】
ところで、本発明においては、両領域43,44の位置指示操作を触感で区別できるようにしておくことが望ましい。上記全ての実施形態においては、選択可能領域43の位置指示操作と選択不可位置44の位置指示操作が区別されるように、両境界にクリック感を発生させる操作反力の制御が実行されていたが、例えば、両領域43,44で、操作反力の大きさを異なるものとしてもよい。
【0123】
また、上記全ての実施形態において、ハプティックデバイス1は、ステアリングホイール2の左右いずれかに設けられていたが、図20に示すように、上記基準ポジションにおけるステアリングホイール2の左右双方に設けてもよい。この場合、左右で互いに異なる設定パターンを割り当てることができる。なお、符号にRが付された部分は右側ハプティックデバイスに対応する部分であり、符号にLが付された部分は左側ハプティックデバイスに対応する部分である。
【0124】
また、上記全ての実施形態において、選択可能領域43への位置指示入力は、選択不可位置44から選択可能領域43への位置指示操作、あるいはある選択可能領域43から他の選択可能領域43への位置指示操作によりなされていたが、位置指示入力を行なう専用の操作部(位置指示操作入力部)により行なってもよい。例えば、図21に示すように、ステアリングホイール2において、ハプティックデバイス1が設けられる側とは逆側に、位置指示入力を行なうための位置指示操作入力部29を別途設けてもよい。
【0125】
また、ハプティックデバイス1は、位置指示操作を行なうためのものであるが、これに位置指示操作入力部を設けてもよい。例えば、ジョイスティック型操作部21を操作軸線Z方向に押圧操作(プッシュ操作)することにより、スイッチ部61が押圧付勢され、主制御部100にスイッチ信号が出力される。具体的に言えば、ジョイスティック型操作部21の接触面21aが操作軸線Z方向に押圧操作されることにより、該ジョイスティック型操作部21の裏側から延出する支柱24の先端部(後端部)により、タクトスイッチ60のスイッチ部61が押圧付勢されるとともに、接触面21aへの押圧操作が解除されることで、図示されないタクトスイッチ30内部のばね材料によりジョイスティック型操作部21は押圧操作前の元の位置に復帰保持されるようになっている。
【0126】
つまり、この実施形態におけるハプティックデバイス1は、所定範囲を有する二次元操作面上にて位置指示操作を行なうための、二次元の操作自由度を有した位置指示操作部として機能するとともに、位置指示操作方向とは異なる方向(本実施形態においてはZ方向)に押圧操作が可能な押圧操作部としても機能するように構成されている。そして、ハプティックデバイス1は、該二次元操作面上の所定操作範囲20内において選択可能領域43へ向かう位置指示操作を可能とし、さらに、上記押圧操作により位置指示入力を可能としている。
【0127】
なお、各選択可能領域43への固有経路410の設定は、上記実施形態のものに限られない。例えば、図23に示すように、共通経路47を、二次元操作面40上において、操作反力の中立位置40nを通過する位置に定めることができる。ジョイスティック型操作部21は、操作力が付与されていないときには、必ずこの中立位置40n位置しているので、各選択可能領域43への位置指示操作が総じて容易となる。また、図24に示すように、下方操作経路46には、対応する選択可能領域43からさらに下方に延出する形で、位置指示入力を受け付けない選択不可経路46aを定め、下方操作経路46と選択不可経路46aとで、上側に対称に位置する上方操作経路45と同様の長さ(操作ストローク量)を有するように定めることもできる。
【0128】
また、図23及び図24の実施形態における任意入力モードは、図5に示すように定めてもよいが、図25に示すように、離散入力モードの選択可能領域43の配置形態を反映した上下非対称の形態を有するものであってもよい。この場合、選択不可領域44iを操作制限領域42に定めてもよい。
【0129】
また、離散入力モードを図6のように設定する上記実施形態において、共通経路47が、二次元操作面40上における操作反力の中立位置40nを通過するように、該中立位置40nそのものを、二次元操作面40の幾何学的中心位置よりも下方位置に定めておいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の実施形態に係る車載用入力装置が組込まれた車両のコックピット図。
【図2】本発明のハプティックデバイスを搭載したステアリングホイールの第一実施例を示す外観図。
【図3】ハプティックデバイスの構成の概略を示す断面図。
【図4】本発明の車載用入力装置の一例を示すブロック図。
【図5】任意入力モードにおける二次元操作面を簡略的に示した図。
【図6】離散入力モードにおける二次元操作面を簡略的に示した図。
【図7】本実施形態における固有経路を示す図。
【図8】任意入力モード及び離散入力モードにおける表示装置の画面表示例。
【図9】制御指示用の設定パターンを説明する図。
【図10】設定パターンの階層移動を説明する図。
【図11】位置指示入力に基づき操作制限が実行される設定パターンを説明する図。
【図12】設定パターン切替プログラムの処理の流れを示すフローチャート。
【図13】操作反力発生プログラムの処理の流れを示すフローチャート。
【図14】位置指示入力受付プログラムの処理の流れを示すフローチャート。
【図15】メーター表示装置による画面表示例。
【図16】HUD表示装置の搭載例。
【図17】ある入力制限実行条件により一部の選択可能領域が入力制限されているハプティックデバイスの二次元操作平面を簡略的に示した第一の図。
【図18】ある入力制限実行条件により一部の選択可能領域が入力制限されているハプティックデバイスの二次元操作平面を簡略的に示した第二の図。
【図19】位置指示入力制限プログラムの処理の流れを示すフローチャート。
【図20】本発明のハプティックデバイスを搭載したステアリングホイールの第一実施例を示す外観図。
【図21】本発明のハプティックデバイスを搭載したステアリングホイールの第二実施例を示す外観図。
【図22】図3とは異なる実施形態においてハプティックデバイスの構成の概略を示す断面図。
【図23】離散入力モードにおける、図6とは異なる二次元操作面を簡略的に示した図。
【図24】離散入力モードにおける、図6及び図23とは異なる二次元操作面を簡略的に示した図。
【図25】図23及び図24の実施例に対応する任意入力モードの二次元操作面を簡略的に示した図。
【符号の説明】
【0131】
1 ハプティックデバイス(触覚提示装置)
2 ステアリングホイール
11,12 アクチュエータ(モータ:操作反力発生手段)
20 収納部
21 ジョイスティック型操作部(操作部)
40 二次元操作面
40n 中立位置
41 操作許可領域
42 操作制限領域
43 選択可能領域
44 選択不可領域
45 上方操作経路
46 下方操作経路
47 共通経路
410 固有経路
100 主制御部
101 CPU
102 記憶装置
201 各種外部装置(各種車載用電子機器:エアコン装置やオーディオ装置、ナビゲーション装置、通信装置等)
202 表示装置(操作内容表示手段、表示内容変更手段)
Z 操作軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載用電子機器の操作入力に使用される車載用入力装置であって、
車両のステアリングホイールに設けられるとともに、操作範囲が予め規定された二次元操作面上において位置指示操作を行なうためのハプティックデバイスと、
前記ハプティックデバイスになされる位置指示操作に対し操作反力を付与する操作反力付与手段と、
前記二次元操作面上の前記操作範囲内において位置指示入力のための1以上の選択可能領域を離散的に設定する選択可能領域設定手段と、
前記操作反力の制御モードとして、前記ハプティックデバイスによる前記選択可能領域へ向かう位置指示操作が、前記二次元操作面上の前記操作範囲内において任意に可能となるよう前記操作反力を制御する任意入力モードと、同じく前記選択可能領域へ向かう位置指示操作が、前記選択可能領域毎に定められた前記二次元操作面上の固有経路に沿ってガイドされるよう前記操作反力を制御する離散入力モードとを有し、少なくとも車両走行中には前記離散入力モードが設定される操作反力制御手段と、
を備えるとともに、各前記固有経路において、前記二次元操作面上の対応する前記選択可能領域へ向かう操作ストロークが、前記ハプティックデバイスの操作方向に応じて独自の長さに設定されていることを特徴とする車載用入力装置。
【請求項2】
前記選択可能領域設定手段は、前記二次元操作面上の前記操作範囲内における前記選択可能領域の配置位置と、該選択可能領域への前記位置指示入力により実行される制御内容とを対応付けた設定パターンに基づいて、該選択可能領域を該二次元操作面上に離散的に設定するとともに、該選択可能領域に対して対応する該制御内容を割り当てるものである請求項1記載の車載用入力装置。
【請求項3】
全ての前記固有経路を含む固有経路全体には、前記二次元操作面上において、対応する前記選択可能領域へ向かうための前記ハプティックデバイスの上側への操作をガイドする上方操作経路と、同じく対応する前記選択可能領域へ向かうための前記ハプティックデバイスの下側への操作をガイドする下方操作経路との双方を含むことができ、前記上方操作経路と前記下方経路の双方がある場合には、前記上方操作経路の操作ストロークの方が前記下方操作経路の操作ストロークよりも長く定められる請求項1又は請求項2に記載の車載用入力装置。
【請求項4】
前記固有経路全体は、前記二次元操作面上において、前記ハプティックデバイスの左右の操作方向に延出する1つの共通経路を有し、当該共通経路に対し、自身に対応する前記選択可能領域に直接つながる前記上方操作経路及び同じく自身に対応する前記選択可能領域に直接つながる前記下方操作経路をつなげた形で定められてなる請求項3記載の車載用入力装置。
【請求項5】
前記上方操作経路及び前記下方操作経路が、前記共通経路に対し垂直につながるよう直線経路として定められている請求項4記載の車載用入力装置。
【請求項6】
前記共通経路は、前記二次元操作面上において、前記操作反力の中立位置よりも下側に位置している請求項4又は請求項5記載の車載用入力装置。
【請求項7】
前記共通経路は、前記二次元操作面上において、前記操作反力の中立位置を通過する位置に定められている請求項4又は請求項5記載の車載用入力装置。
【請求項8】
前記下方操作経路には、対応する前記選択可能領域からさらに下方に延出する形で、前記位置指示入力を受け付けない選択不可経路が定められている請求項6又は請求項7に記載の車載用入力装置。
【請求項9】
前記ハプティックデバイスは、前記ステアリングホイールが前記車両を直進させる基準ポジションにある状態で、ドライバーが該ステアリングホイールの左右側を把持した際に、把持した手の親指により操作可能な位置に設けられている請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車載用入力装置。
【請求項10】
前記選択可能領域設定手段により設定されている各前記選択可能領域の配置位置と、それら選択可能領域に対応する前記制御内容との対応関係を視覚的に表示し、各前記選択可能領域に対応する前記固有経路を図形表示する一方で、各前記固有経路に対応する前記選択可能領域へ向かう操作ストローク量に係る図形表示を、前記ハプティックデバイスによる実際のそれら操作ストローク量の長短関係とは無関係に表示する操作内容表示手段を備える請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の車載用入力装置。
【請求項11】
請求項3記載の要件を備え、
前記操作内容表示手段は、前記上方操作経路及び前記下方操作経路の操作ストローク量に係る図形表示を均一の長さにて表示する請求項10記載の車載用入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−53874(P2009−53874A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−219082(P2007−219082)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】