説明

車載用携帯用兼用ナビゲーション装置

【課題】歩行者用ナビゲーション装置として使用中に交通機関を利用するとこれを検知して経路案内表示及び音声案内を停止する。
【解決手段】 車載用携帯用兼用ナビゲーション装置の移動体への装着又は移動体からの脱着を検出する着脱検出手段と、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置のモード切替えを行うモード切替え手段と、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を装着した移動体の移動速度又は車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が移動体から脱着されているときの車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の歩行速度を検出する移動速度検出手段とを備え、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が移動体から脱着されているときの車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の歩行速度が所定速度以上であるときは車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者が交通機関において移動中と判断する制御手段を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車載用ナビゲーション装置としての機能と、歩行者用ナビゲーション装置としての機能を兼ね備えた車載用携帯用兼用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から自動車の現在位置と、使用者が入力した目的地までの経路を表示手段に表示し、入力された目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置が普及している。
【0003】
上記ナビゲーション装置は、自動車のダッシュボード内に嵌め込むインダッシュタイプと、自動車のダッシュボード上に取り付けを行うポータブルタイプとがあり、ダッシュボード上に取り付けるポータブルタイプのナビゲーション装置は、ダッシュボード上より着脱自在な構成がとられており自動車から取り外して自宅に持ち帰りTV鑑賞又は音楽鑑賞を行うことも可能とされている。
【0004】
また、最近ではポータブルタイプのナビゲーション装置において車載時は通常のナビゲーション装置として機能し、車から取り外して使用するときは歩行者用ナビゲーション装置として機能する車載用携帯用兼用のナビゲーション装置も出てきている。
【0005】
上記ナビゲーション装置は、移動体が歩行者であるか車両であるかを判別して、移動体と地図情報のマッチング条件を車載時と歩行者用に切替えることができ、これにより車載用と歩行用の異なる使用形態で最適な経路案内を行うことができる。
【特許文献1】特開2006−98120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1において、ナビゲーション装置を歩行者用として使用するとき、常に歩行において移動するとは限らず電車やバスといった公共の交通機関を利用して移動するケースも考えられる。
【0007】
このケースにおいて、例えば、目的地へ向かう途中に電車を利用して移動を行うとき、電車を利用して移動中に経路案内を行う必要はなく、また、電車内において音声による経路案内がスピーカから流れると周りの乗客の迷惑となる。
【0008】
本願発明は上記問題に鑑みなされたもので、移動体から脱着され歩行者用ナビゲーション装置として使用中に交通機関を利用して移動をするときはこれを検知し、音声案内の停止及び表示手段に経路案内表示を停止することで同じ交通機関に乗車している乗客の迷惑にならないナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の車載用携帯用兼用ナビゲーション装置では、
移動体に装着されたときは車載用ナビゲーション装置として機能し、前記移動体から脱着されたときは携帯用ナビゲーション装置として機能する車載用携帯用兼用ナビゲーション装置において、
前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置は、該車載用携帯用兼用ナビゲーション装置の前記移動体への装着又は該移動体からの脱着を検出する着脱検出手段と、
前記着脱検出手段により検出された前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置の前記移動体への装着又は該移動体からの脱着に基づき該車載用携帯用兼用ナビゲーション装置のモード切替えを行うモード切替え手段と、
前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が装着された前記移動体の移動速度又は該車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されているとき前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の歩行速度を検出する移動速度検出手段と、
前記移動速度検出手段により前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されているとき前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の歩行速度が検出されたとき、該検出された速度が所定速度以上であるときは、前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者が交通機関において移動中と判断する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記モード切替え手段は、前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体へ装着されると該車載用携帯用兼用ナビゲーション装置におけるモードを車載用モードに切替え、前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されると該車載用携帯用兼用ナビゲーション装置におけるモードを歩行者用モードに切替えることを特徴とする。
【0011】
前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置は、音声案内手段を備えており、前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されているとき、前記移動速度検出手段により検出された前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の移動速度が所定速度以上であるとき前記音声案内手段は、音声案内を行わないことを特徴とする。
【0012】
前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置は、表示手段を備えており、前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されているとき、前記移動速度検出手段により検出された前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の移動速度が所定速度以上であり且つ経路案内中であれば前記表示手段は経路案内を表示しないことを特徴とする。
【0013】
前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されているとき、前記移動速度検出手段により検出された前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の移動速度が所定速度以上であり且つ経路案内中のとき、使用者により所定操作が行われると前記表示手段に所定時間経路案内に関する情報を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
車載用携帯用兼用ナビゲーション装置の移動体への装着又は移動体からの脱着を検出する着脱検出手段と、着脱検出手段により検出された前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置の移動体への装着又は移動体からの脱着に基づき該車載用携帯用兼用ナビゲーション装置のモード切替えを行うモード切替え手段と、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が装着された移動体の移動速度又は車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が移動体から脱着されているとき前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置の所持者の歩行速度を検出する移動速度検出手段と、移動速度検出手段により前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が移動体から脱着されているとき前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の歩行速度が検出されたとき、検出された速度が所定速度以上であるときは、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者が交通機関において移動中と判断する制御手段と、を備えることで、歩行者用として使用中に交通機関を利用して移動を行ったときは、音声案内を停止するので周りの乗客の迷惑になる心配がなくなる。
【0015】
また、着脱検出手段により検出された車載用携帯用兼用ナビゲーション装置の車載への装着又は車載からの脱着に基づき車載用携帯用兼用ナビゲーション装置のモード切替えを行うモード切替え手段を備えることで、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を車載へ装着又は車載より脱着する度に自動的にモードが変更されるので、使用者が一々手動でモードの変更操作を行う必要がなくなる。
【0016】
更に、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が車載から脱着されているとき、移動速度検出手段により検出された車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の移動速度が所定速度以上であり且つ経路案内中のときは表示手段に経路案内は表示せず、目的地の方位、及び目的地までの距離等、使用者にとって必要最小限の情報のみを表示することで消費電力を低減させるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0017】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて説明する。但し、以下に示す実施例は、
本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであり、本発明
をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含
まれるその他の実施形態の車載用ナビゲーション装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0018】
本発明の車載用携帯用ナビゲーション装置について図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
まず、本車載用携帯用兼用ナビゲーション装置の内部構成を図1のブロック図を用いて説明する。
【0020】
入力手段10は、使用者が車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1の操作を行うためのスイッチであり、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1本体に設けられた釦、又は表示手段11に表示された操作アイコンに触れることで操作が可能なタッチパネルとしてもよい。
【0021】
表示手段11は、LCD等で構成され経路案内における地図や誘導経路などを表示する。
【0022】
表示手段11は、また、上記説明したように入力手段としての機能も果たす。
【0023】
スピーカ12は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1で行われる音声による経路案内を出力する音声出力手段である。
【0024】
地図データ部13は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1で行われる経路案内で用いられる地図データを記憶しており、地図データ部13は、車載用モードで用いる地図データと、歩行者用モードで用いる地図データとを夫々記憶している。
【0025】
これは、車載用モードにおいて経路案内を行うときに用いられる地図データと歩行者用モードにおいて経路案内を行うときに用いられる地図データとが異なるからである。
【0026】
車載用モードにおいて経路案内を行うときは、通常自動車が通る道、即ち車道を主の道路データとした地図データを用いるが、歩行者用モードにおいて経路案内を行うときは、歩行者が移動で使用する主の道は、車道ではなく歩道や、陸橋等であるので、歩行者用モードに用いる地図データは車載用モードで用いる地図データとは別に記憶しておく必要がある。
【0027】
また、地図データ部13に記憶された歩行者用モードに用いる地図データには、電車の路線に関するデータ及び路線バスの路線データ等が記憶されている。
【0028】
現在位置検出手段14は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1の現在位置を特定するものであり、GPSセンサ14a、ジャイロセンサ14b、車速センサ14c等の出力に基づいて現在位置を特定する。
【0029】
着脱検出手段15は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1の移動体への装着、又は車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1の移動体からの脱着を検出するものである。
【0030】
本車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1は、移動体に装着されているときは、外部電源から電源の供給を受け、外部電源とは、例えば、移動体が自動車であれば、自動車に設けられたシガーソケットから接続手段を介して電源の供給を受け、また、移動体から脱着されているときは、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1内に設けた内部電源から電源の供給を受ける。
【0031】
着脱検出手段15は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が外部電源と接続されていることを検出したときに車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体に装着されていると判断し、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が外部電源に接続されておらず内部電源から電源の供給を受けていることを検出したときは車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体から脱着されていると判断する。
【0032】
モード切替え手段16は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1における車載用モードと歩行者用モードの切替えを行うものであり、着脱検出手段15により、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体へ装着されたことが検出されると車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1におけるモードを車載用モードに切替えを行い、又、着脱検出手段15により、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体から脱着されたことが検出されると車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1におけるモードを歩行者用モードに切替えを行う。
【0033】
尚、このときモードが切替えられたことを表示手段11へ表示することで使用者はモードが切り替えられたことを認識することができる。
【0034】
経路探索手段17は、現在位置検出手段14により検出された現在位置から使用者が入力手段10を介して入力した目的地までの最適経路を探索するものであり、経路探索手段17は、着脱検出手段15の検出に基づきモード切替え手段16により切替えられたモードが車載用モードのときは車載用地図データを用いて経路探索を行い、モード切替え手段16により切替えられたモードが歩行者用モードのときは歩行者用地図データを用いて経路探索を行う。
【0035】
制御手段18は、図示しないROMに記憶された制御プログラムに基づき車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1内の各部を制御する。
【0036】
更に、制御手段18は、現在位置検出手段14における車速センサ14cからの出力に基づき車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を装着した移動体の移動速度、又は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体から脱着されているときの車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者の移動速度を検出する。
【0037】
次に、本車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1の動作についてフローチャート2、フローチャート3を用いて説明する。
【0038】
尚、フローチャート2は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を起動した時のモードが歩行者モードであるときの動作説明であり、フローチャート3は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を起動した時のモードが車載用モードであるときの動作説明である。
【0039】
まず、フローチャート2を用いて車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を起動した時のモードが歩行者モードであるときの動作説明を行う。
【0040】
車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が起動されると、まず、現在車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体に装着されているか否かの検出が着脱検出手段15により行われ、このとき車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体から脱着された状態、つまり歩行者用モードであることが検出され(ステップS1)、更に使用者により目的地の入力が行われると、経路探索手段17は、現在位置検出手段14により検出された現在位置と地図データ部13に記憶された歩行者用地図データとに基づき使用者が入力した目的地までの最適経路を探索し探索した経路を用いて経路案内を開始する(ステップS2のY)。
【0041】
このとき、使用者による目的地の入力がなく経路案内が開始されないときは(ステップS2のN)、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体へ装着されたか否かの検出を行い(ステップS3)、移動体への装着が検出されなかったときは(ステップS3のN)、ステップ2の処理に戻り再度使用者から目的地の入力があったか否かの検出を行う。
【0042】
ステップS3の処理において、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体へ装着されたことが検出されると(ステップS3のY)、モード切替え手段16は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1におけるモードを車載用モードに切替えを行う(ステップS4)。
【0043】
ステップS2の処理において経路案内が開始されると、制御手段18は、現在位置検出手段14における車速センサ14cの出力に基づき車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者の歩行速度の検出を行う(ステップS5)。
【0044】
ステップS5の処理において検出された車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者の歩行速度が例えば時速30km以上でれば(ステップS6のY)、制御手段18は車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者は、電車、バス等の交通機関を利用して移動中であると判断する(ステップS7)。
【0045】
ステップS6の処理において、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者の歩行速度が時速30km以下であるという検出がされると(ステップS6のN)、制御手段18は次に、経路案内は終了したか否かの検出を行い(ステップS8)、経路案内が終了したことが検出されると(ステップS8のY)、再度使用者により目的地の入力等が行われるまで待機状態となる。
【0046】
ステップS8の処理において、経路案内は継続中であることが検出されると(ステップS8のN)、ステップS5の処理に戻り、再度車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者の歩行速度の検出を行う。
【0047】
尚、本実施例において車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者が交通機関を利用しているか否かの判断基準として時速30kmという数値を記載したがこれに限ることはない。
【0048】
ステップS7の処理において、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者が交通機関を利用して移動中であることが検出されると、制御手段18は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1における表示手段11及びスピーカ12への電源供給を停止する。
【0049】
また、経路案内を表示手段11に表示しない間は、現在位置検出手段14により検出された現在位置と地図データ部13に記憶された地図データとのマップマッチング処理も行う必要がないので、制御手段18は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者が交通機関を利用して移動中は車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1におけるマップマッチング処理部(図示せず)への電源供給も停止する。
【0050】
本車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を歩行者用ナビゲーション装置として使用するときは、ナビゲーション装置内に設けた内部電源から電源供給を受け駆動しており、制御手段18は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1における各部への電源供給を制御する電源制御手段としての機能も果たしており、ステップS7の処理において、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者が交通機関を利用して移動中であることが検出されると、制御手段18は、表示手段11及びスピーカ12に対して電源供給を停止することで表示手段11への経路案内表示及びスピーカ12からの音声による経路案内を停止する(ステップS9)。
【0051】
このように、表示手段11及びスピーカ12への電源供給を停止する理由として、交通機関において移動中は、経路案内を必要としないので表示手段11に経路案内を表示する必要がなく、また、音声による経路案内を行う必要もないからである。
【0052】
また、音声による経路案内は、例えば電車やバスという交通機関内において報知されると他の乗客の迷惑となるので交通機関において移動中という判断がされたときはスピーカ12からの音声による経路案内は停止するようにする。
【0053】
図4は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体へ装着されたとき表示手段11に表示された経路案内図を示しており、図中Aは車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が装着された移動体の現在位置、Bは目的地の方位、Cは現在の時刻、Dは現在位置の地名、Eは目的地までの残距離、Fは目的地到着予定時刻を表しており、ステップS7の処理において車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1における表示手段11と、スピーカ12への電源の供給が停止されると、図5に示すように表示手段11には何も表示されなくなる。
【0054】
但し、表示手段11、スピーカ12への電源の供給が停止された状態で、例えば、使用者が表示手段11をタッチ又は車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1本体に設けられた所定釦を押すと、制御手段18は、所定時間表示手段11に対して電源の供給を行い、これにより図6に示すように、表示手段11には、目的地の方位、現在の時刻、現在位置の地名、目的地までの残距離等、経路案内に関する必要最低限の情報を表示することができ、これらの情報を使用者が把握できるようにしておく。
【0055】
尚、本車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1における地図データ部13に記憶された歩行者用モードで用いる地図データの中には電車の路線情報及び路線バスの路線情報等が記憶されており、表示手段11、スピーカ12への電源の供給が停止された状態で、例えば、使用者が表示手段11をタッチ又は車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1本体に設けられた所定釦を押したときに表示手段11に表示される経路案内に関する必要最低限の情報に、現在位置に最も近傍する駅、又はバス停の名称等、電車又は路線バスに関する路線情報を表示するようにしてもよい。
【0056】
但し、図6に示す目的地までの残距離Eは、現在位置から目的地までを直線距離で結んだ距離を残距離として表示する。
【0057】
これは、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者が交通機関を利用して移動中、制御手段18は、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1におけるマップマッチング処理部への電源の供給を行わないので、現在位置から目的地までの正確な距離が算出できないためである。
【0058】
尚、このとき表示手段11に表示する必要最低限の情報は使用者により予め設定できるようにしてもよく、また、必要最低限の情報を表示する所定時間も使用者により設定可能としてもよい。
【0059】
また、上記実施例においては、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者が交通機関を利用して移動中であることが検出されると、表示手段11及びスピーカ12への電源の供給を停止すると記載したが、例えば、使用者が交通機関を利用して移動中に車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1においてTVを視聴しようとしたとき、表示手段11への電源供給が停止されていては視聴することができない。
【0060】
このようなとき、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1の本体に設けた所定の釦等を操作することにより、制御手段18は、使用者がTV視聴を要求しているという判断をし、表示手段11及びスピーカ12への電源の供給を行うようにする。
【0061】
但し、スピーカ12からTVの音声が流れては本願発明における解決すべき課題に反してしまうので、交通機関を利用して移動中と判断された状態でのTV視聴では、音声はイヤホンを車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1に接続した状態でのみ出力するようにする。
【0062】
ステップS9の処理において表示手段11への経路案内表示及びスピーカ12からの音声による経路案内が停止されると、次に、制御手段18は、再度車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を所持した歩行者の歩行速度を現在位置検出手段14における車速センサ14cの出力に基づき検出し、このとき歩行速度が時速30km以下であることが検出されると(ステップS10のY)、再度表示手段11とスピーカ12への電源の供給を開始し、これにより表示手段11への経路案内表示及びスピーカ12からの音声による経路案内が再開される(ステップS11)。
【0063】
ステップS10の処理において、歩行速度が時速30km以上であることが検出されると(ステップS10のN)、交通機関を利用した移動が継続中であるという判断をし、ステップS9の処理に戻り表示手段11とスピーカ12への電源供給を引き続き停止する。
【0064】
ステップS11の処理において表示手段11への経路案内表示とスピーカ12からの音声による経路案内が開始されると、次に経路案内が終了したか否かの検出を行い(ステップS12)、ステップS12の処理において経路案内の終了が検出されると再度使用者により目的地の入力等が行われるまで待機状態となる。
【0065】
ステップS12の処理において経路案内の終了が検出されなかったときは(ステップS12のN)、ステップS6の処理に戻り経路案内を継続して行う。
【0066】
次にフローチャート3を用いて車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1を起動した時のモードが車載用モードであるときの動作説明を行う。
【0067】
フローチャート3もフローチャート2と同様、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が起動されると、まず、現在車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体に装着されているか否かの検出が着脱検出手段15により行われ、このとき車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体に装着された状態、つまり車載用モードであることが検出され(ステップS20)、使用者により目的地の入力が行われると、経路探索手段17は、現在位置検出手段14により検出された現在位置と地図データ部13に記憶された地図データとに基づき、使用者が入力した目的地までの最適経路を探索し、探索した経路を用いて経路案内を開始する(ステップS21のY)。
【0068】
ステップS21の処理において経路案内が開始されると、制御手段18は、次に経路案内が終了したか否かの検出を行い(ステップS22)、ステップS22の処理において経路案内が終了していないことが検出されると繰り返し経路案内が終了されたか否かの検出を行う。
【0069】
ステップS22の処理において経路案内の終了が検出されると(ステップS22のY)、制御手段18は、次に車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体から脱着されたか否かを検出し(ステップS23)、ステップS23の処理において移動体からの脱着が検出されると(ステップS23のY)、モード切替え手段16により車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1のモードを歩行者用モードに切替えを行う(ステップS24)。
【0070】
ステップS23の処理において、移動体からの脱着が検出されなかったときは(ステップS23のN)、ステップ21の処理に戻り使用者から目的地の入力があったか否かの検出を行う。
【0071】
ステップS21の処理において、使用者により目的地の入力がなく経路案内が開始されないときは(ステップS21のN)、着脱検出手段15により、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体から脱着されたか否かの検出を行い(ステップS25)、移動体への脱着が検出されなかったときは(ステップS25のN)、ステップ21の処理に戻り使用者から目的地の入力があったか否かの検出を行う。
【0072】
ステップS25の処理において、車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1が移動体から脱着されたことが検出されると(ステップS25のY)、ステップS24の処理へ進み車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1のモードが歩行者用モードに切替えられる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1の内部構成を示したブロックである。
【図2】車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1の動作を示したフローチャート図である。
【図3】車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1の動作を示したフローチャート図である。
【図4】車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1における表示手段11に経路案内図を表示した図である。
【図5】車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1において、表示手段11とスピーカ12への電源供給を停止した状態を示す図である。
【図6】車載用携帯用兼用ナビゲーション装置1における表示手段11に経路案内における必要最低限の情報のみを表示した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1・・・・車載用携帯用兼用ナビゲーション装置
10・・・入力手段
11・・・表示手段
12・・・スピーカ
13・・・地図データ部
14・・・現在位置検出手段
14a・・GPSセンサ
14b・・ジャイロセンサ
14c・・車速センサ
15・・・着脱検出手段
16・・・モード切替え手段
17・・・経路探索手段
18・・・制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に装着されたときは車載用ナビゲーション装置として機能し、前記移動体から脱着されたときは歩行者用ナビゲーション装置として機能する車載用携帯用兼用ナビゲーション装置において、
前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置は、該車載用携帯用兼用ナビゲーション装置の前記移動体への装着又は該移動体からの脱着を検出する着脱検出手段と、
前記着脱検出手段により検出された前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置の前記移動体への装着又は該移動体からの脱着に基づき、該車載用携帯用兼用ナビゲーション装置のモード切替えを行うモード切替え手段と、
前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を装着した前記移動体の移動速度又は該車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されているときの前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の歩行速度を検出する移動速度検出手段と、
前記移動速度検出手段により、前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されているときの前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の歩行速度が検出されたとき、該検出された速度が所定速度以上であるときは前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者が交通機関において移動中と判断する制御手段と、を備えたことを特徴とする車載用携帯用兼用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記モード切替え手段は、前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体へ装着されると、該車載用携帯用兼用ナビゲーション装置におけるモードを車載用モードに切替え、前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されると、該車載用携帯用兼用ナビゲーション装置におけるモードを歩行者用モードに切替えることを特徴とする請求項1に記載の車載用携帯用兼用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置は、更に、音声案内手段を備えており、前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されているとき、前記移動速度検出手段により検出された前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の移動速度が所定速度以上であるとき、前記音声案内手段は音声案内を行わないことを特徴とする請求項1に記載の車載用携帯用兼用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置は、更に、表示手段を備えており、前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されているとき、前記移動速度検出手段により検出された前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の移動速度が所定速度以上であり且つ経路案内中のときは、前記表示手段は経路案内を表示しないことを特徴とする請求項1に記載の車載用携帯用兼用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置が前記移動体から脱着されているとき、前記移動速度検出手段により検出された前記車載用携帯用兼用ナビゲーション装置を所持した歩行者の移動速度が所定速度以上であり且つ経路案内中のとき、使用者により所定操作が行われると前記表示手段に所定時間前記経路案内に関する情報を表示することを特徴とする請求項1及び請求項4に記載の車載用携帯用兼用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−232647(P2008−232647A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68618(P2007−68618)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】