説明

軸受装置

【課題】比較的低コストでありながら、潤滑性能を維持できる軸受装置を提供する。
【解決手段】シール13A、13Bのリップ径(φS)と、ころ12c、12cのPCD(φP)との間に、ハウジングの潤滑剤貯留部に連通する排油孔14bを設けたので、ハウジングの傾き位置に関わらず、ころ12c、12cを適切に潤滑することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油と気体とを混合して圧送する潤滑油供給装置を備えた軸受装置に関し、特に鉄鋼設備の圧延ローラなどを支承するのに好適な軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製鉄所において、精練を終了した溶鋼は連続鋳造法でスラブ、ブルーム、ビレットなどに鋳造されることが多い。連続鋳造設備の概略は次のようなものである。まず、溶鋼は取鍋からタンディッシュに注がれ、そこからさらに振動する水冷鋳型に注がれる。そして、鋳型内で表層部のみが凝固した鋳片は、ピンチロールによってスプレー部に引き出され(冷却水が散布される。)、内部全体が凝固する。その後、切断装置で所定の長さに切断され、鋳片ガイドロールによって次工程に搬送される。
【0003】
上記のような連続鋳造設備において、一般的に、ピンチロールや鋳片ガイドロール等のロールは、ころ軸受によりハウジングに対して回転自在に支持される。かかるロールの支持装置は、高温でしかも冷却水、水蒸気、スケール等の異物が多く存在する劣悪な環境下で運転されるため、特に軸受部の潤滑性やシール性の確保に配慮した構造になっている。例えば、鋳片ガイドロールの支持装置では、ハウジング内に両端開放型の自動調心ころ軸受を収容し、ハウジング側からグリースの連続給脂を行なうと共に、ロールとハウジングとの間を該軸受の両側においてそれぞれシール機構(オイルシール等)でシールすることによって、軸受部の良好な潤滑性を確保すると同時に、該軸受内への異物侵入を防止している場合が多い。
【0004】
上述した従来のロール支持装置では、シール機構本来のシール機能に加え、シール機構から連続して漏れるグリースがグリースシールとして機能することも期待できるので(グリースはハウジング内に100%封入された後も更に給脂され続けるので、シール機構から外部に連続して漏れ、これがグリースシールとして機能する。)、比較的良好なシール性が得られる。しかしながら、設備の運転時、ロール支持装置は多くの異物と接するため、異物がシール機構を通ってハウジング内に侵入することを完全に防止することは困難である。特に、ロール中央側に位置するシール機構には、散布される冷却水が直接降りかかったり、鋳片やロールに付着した冷却水等の異物がロールを伝わって流動してくるので、この部分から異物が侵入しやすい。そして、異物がシール機構を通ってハウジング内に一旦侵入すると、軸受部が両端開放型になっているため、その異物は軸受内部に容易に侵入し、軸受内部のグリースと混ざり合うことにより、軸受部の潤滑性低下、接触面の発錆等の弊害を生じさせ、軸受部の寿命を低下させる。
【0005】
かかる弊害を防止するため、ハウジングに収容するころ軸受を両端密封型にすることも考えられるが、軸受内部の潤滑を内封グリースによって行なうことになるので、内封グリースの高温劣化や漏れ出しによって潤滑不足に陥り易い。また、軸受内部への異物侵入を完全に防止するためには、両端部に装着するシール体の幅寸法を大きくとって、それらのシール構造を強固にする必要がある。そのために、軸受幅寸法の増大、それによるロール支持装置の大型化を招き、あるいは、決められた軸受寸法内でシール体の幅寸法を大きくしようとすると、ころ長さを縮小する必要が生じ、その結果、軸受負荷容量の低下につながる。従って、この種のロール支持装置に両端密封型のころ軸受を使用することは実用的とは言い難い。
【0006】
これに対し、特許文献1では、複列ころ軸受の一方の端部側からオイルエア潤滑を行うと共に、該軸受の他方の端部にシール体を設け、かつ、そのシール体にエア抜き通路を形成した軸受装置を開示する。「オイルエア潤滑」とは、微量給油潤滑法の一種であり、公知なように、圧縮空気流中に一定の時間間隔で微量の潤滑油を間欠的に噴射し、高速の空気流とともに潤滑部位に供給する潤滑法である。このような微量の潤滑油を含んだ空気流を「オイルエア」と呼ぶ。オイルエア中の潤滑油はミスト状にはならず、配管の内壁を伝わって潤滑部位まで運ばれる。オイルエア潤滑法は、内圧の増大による異物侵入抑制効果をねらったもので、環境汚染の問題がなく、また個々の軸受ごとに最適な量の潤滑油と空気を供給することができるという利点がある。
【特許文献1】特開平11−342459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、オイルエア潤滑によりハウジングに供給された潤滑油を、どのようにして回収するかという問題がある。近年においては、環境保護やエコロジーの観点から潤滑油を極力回収したいという要請がある。しかるに、ハウジング内に供給された潤滑油をシールリップから漏らす手法では、潤滑油の回収が難しいという問題がある。
【0008】
一方、オイルエア潤滑によりハウジングに供給された潤滑油をハウジング内に貯留させて、万が一潤滑油供給系に支障が生じた場合でも、復旧までの間、軸受を潤滑させようという試みがある。しかるに、ある種の連続鋳造設備において、まず鉛直方向下向きに鋳片を引き出した後、複数のローラを用いて徐々に水平方向に向きを変えるようにし、板厚を調整するものが知られている。このようなローラを軸受装置を用いて支持する際には、設置される際のハウジングの天地方向を様々な角度に傾ける必要が生じる。従って、ハウジングの固定位置に排油孔を設けるのみでは、ハウジングの傾きに応じて排油孔の位置が変わり、適切な排油を行えないという問題がある。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、比較的低コストでありながら、潤滑性能を維持できる軸受装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の軸受装置は、連続鋳造設備のロール支持装置に用いられる軸受装置であって、潤滑油を貯留可能なハウジングと、前記ハウジング内に配置され、回転軸を支持する転がり軸受と、前記転がり軸受に潤滑油を供給する潤滑油供給装置と、前記回転軸と前記ハウジングとの間をシールするシール装置とを有し、様々な方向に前記ハウジングを傾けて設置する軸受装置において、
前記潤滑油供給装置は、潤滑油を気体と混合して圧送する供給部と、前記供給部から前記ハウジング内まで延在する前記潤滑剤供給系路と、前記潤滑剤供給系路中に配置された逆止弁とを含み、
前記転がり軸受を潤滑するために前記ハウジング内に潤滑剤貯留部が形成されており、前記シール装置のリップ径と、前記転がり軸受のPCDとの間に、前記潤滑剤貯留部に連通する排油孔を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の軸受装置によれば、前記転がり軸受を潤滑するために前記ハウジング内に潤滑剤貯留部が形成されており、前記シール装置のリップ径と、前記転がり軸受のPCDとの間に、前記潤滑剤貯留部に連通する排油孔を設けたので、前記ハウジングの傾き位置に関わらず、前記転がり軸受を適切に潤滑することができる。尚、「PCD」とは転動体のピッチ円径をいい、例えば自動調心ころ軸受の場合、ころの長さの中心を基準として測定する。又、「シール装置のリップ径」とは、複数種類のシール装置が設けられている場合、シールリップ摺動径の最も大きなものをいうものとする。
【0012】
前記ハウジングは、本体と、前記本体に対して位置変更(例えば回転)可能に取り付けられる蓋部材とからなり、前記排油孔は前記蓋部材に形成されていると好ましいが、前記ハウジングの傾きに応じて適切となる高さ位置に、ドリルなどでハウジング又は蓋部材に穿孔しても良い。
【0013】
ところで、このように天地方向を様々な角度に傾けてハウジングを設置してゆくと、ハウジング内に貯留した潤滑油内に潤滑油供給路が浸かる角度になる場合もあるが、そうすると万が一潤滑油供給系に支障が生じたときに、潤滑油供給路を潤滑油が逆流して、貯留していた潤滑油が外部に流れ出してしまう恐れがある。これに対し、設置されるハウジングごとに、貯留した潤滑油内に浸からない位置に潤滑油供給路を設けることも考えられるが、異なるハウジングを個々に設計しなくてはならず、管理上の複雑さや、予備品の確保など多大なコストがかかる。
【0014】
それに対し、本発明のように前記潤滑剤供給系路中に逆止弁が配置されていれば、天地方向を様々な角度に傾けて前記ハウジングを設置したときに、貯留した潤滑油内に前記潤滑油供給路が浸かったハウジングにおいて、万が一潤滑油供給系路に支障が生じた場合にも、前記逆止弁により前記潤滑剤供給系路を潤滑油が逆流することが抑制され、前記ハウジング内に貯留していた潤滑油が前記ハウジングの外部に流れ出してしまうことが防止され、それにより前記転がり軸受の潤滑を確保できる。尚、「逆止弁」とは、一方向に流れる流体の量が、他方向に流れる流体の量より少なくなる機能を有する弁をいい、特に一方向に流れる流体の量がゼロに近いものが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる軸受装置を用いた連続鋳造設備の概略を示す斜視図である。図2は、連続鋳造設備に用いるローラユニットの斜視図である。
【0016】
図1において、溶融した鋼材FEが上部の導入部1から供給され、二列になった排出部2より鉛直方向可能に向かって板状に排出されるようになっている。板状の鋼材FEは、対向して配置されたローラユニット3の間を通過し、ローラにより徐々に板厚を調整され且つ徐々に水平になるよう方向付けされる。鋼材FEの両側に配置されたローラユニット3は、点線で概略図示されるようにチャンバ9により遮蔽されており、その内部は鋼材FEの高温と冷却用の水とに曝された劣悪な環境条件となっている。
【0017】
ローラユニット3は、鋼材FEの圧延用のローラ4と、ローラ4の両端を支持する軸受装置10とを含み、たとえば図2に示すように、5本のローラで1組となり、一対のローラユニット3を鋼材FEの両側に対向して配置している。
【0018】
図3は、鋼材FEに対して下方側に配置される1本のローラ4を支持する軸受装置10、10の断面図である。尚、鋼材FEに対して上方側に配置されるローラの支持構成も同様であるため説明を省略する。本実施の形態においては、軸受装置10,10は同じものを使用するが、転がり軸受が異なるものを用いてもよい。図3において、ローラ4は、鋼材FEを圧延する圧延部4aの軸線方向両側において、圧延部4aより小径であって同軸に配置された第1円筒部4bと、第2円筒部4cと、第3円筒部4dとを、この順序で両端側から設けている。
【0019】
図4は、図3で左方の軸受装置10を拡大して示す断面図である。尚、図3で右方の軸受装置10も同様の構成であるため説明を省略する。図4において、下面を固定されたハウジング本体11の内部には、大径部11aと小径部11bとが同軸に形成されている。大径部11a内には、自動調心ころ軸受12が配置されている。自動調心ころ軸受12は、大径部11aに嵌合する外輪12aと、ローラ4の第2円筒部4cに嵌合する内輪12bと、両輪12a、12b間に複列で配置されたころ12c、12cと、ころ12c、12cの間に配置された間座12dとからなる。外輪12aの中央には、潤滑油を通過させるための孔12eが形成されている。
【0020】
ハウジング本体11の小径部11bの内周には、2つのシール13A,13Bが固定されており、そのリップは、小径部11bに対向するローラ4の第3円筒部4dの外周面に当接している。尚、シール13A,13Bのリップの当接位置は、自動調心ころ軸受12のころ12c、12cの中心位置より半径方向内方となっている。これを言い換えると、シール13A,13Bのシールリップ径φSは、ころ12c、12cのPCD(ピッチ円径)φPより小径である。
【0021】
ハウジング本体11の大径部11aは、蓋部材14により遮蔽されている。ハウジング本体11と蓋部材14とで、ハウジングを構成する。蓋部材14の中央開口14aの内周には、シール15が固定されており、そのリップは、中央開口14aに対向するローラ4の第1円筒部4b(第3円筒部4dより小径)の外周面に当接している。従って、シール13A,13B,15により鋼材FEを冷却するための水などがハウジング本体11内部に侵入することが抑制され、自動調心ころ軸受12の長寿命を確保できるようになっている。
【0022】
ハウジング本体11の大径部11aの下面側には、内方端部が大径部11aに開口し孔12eに連通するとともに、外方端部がハウジング本体11の側面に開口した潤滑油供給路11cが形成されている。潤滑油供給路11cの外方端部は、ハウジング本体11の外部に配置された逆止弁16を介して、配管7(図3参照)に接続されている。
【0023】
図17は、図4に示す軸受装置を矢印XVII方向に見た図である。蓋部材14は、周方向に等間隔に配置された複数本(ここでは6本)のボルトBにより、ハウジング11に固定されている。蓋部材14は、軸線方向に貫通した排油孔14bを設けている。
【0024】
排油孔14bは、図17に示す状態では、その最も低い内周面の位置がころ12c、12cのPCDの最も低い位置と一致する。従って、かかる状態では、潤滑油供給路11cを介して外部より供給された潤滑油は、ハウジング本体11内において、ころ12c、12cのPCDの位置まで貯留されるので、後述するように、何らかの障害によりオイルエア潤滑の供給が中断されたような場合には、PCDの位置まで貯留された潤滑油によりころ12c、12cの転走面を潤滑することができる。
【0025】
ここで、ハウジング本体11を左右いずれかの方向に30度の範囲内で傾けたとする。すると、排油孔14bは、傾きに応じて位置が上がるが、最大でも排油孔14bの最も低い内周面の位置が、シール13A,13Bのシールリップ径の最も低い位置(又はそれより若干低い位置)になるようにしている(図17の点線参照)。これにより、潤滑油供給路11cを介して外部より供給された潤滑油は、シール13A,13Bからではなく、排油孔14bから排出されるようになり、排油孔14bを不図示の配管を用いてタンク等に接続することで、ハウジング本体11から排出される潤滑油を全て回収できることとなる。
【0026】
ハウジング本体11の傾きが30度を超えた場合には、ボルトBを取り外すことにより、蓋部材11とハウジング本体11との位相を60度毎に適宜変える(相対回転させる)ことができる。これにより排油孔14bの位置は、図17に示す最下位の状態に対して、常に±30度以内の位置になるように調整を行うことができる。尚、明らかであるが、ボルトBの数を8本にすれば45度毎に位相調整でき、10本にすれば36度毎に位相調整できる。
【0027】
図5は、逆止弁16の断面図である。図5において、管継手状の逆止弁16は、中空円筒状の本体16aの内部に、小径通路16bと、大径通路16cと、それら通路同士を接続するテーパ状のシート面16dとが形成され、大径通路16c内にはシート面16dに密着可能な接触面16eを先端側に備える弁体としてのポペット16fが配置されている。このポペット16fは、大径通路16c内において、その接触面16eがシート面16dに密着した位置と、シート面16dから離間した位置との間を、移動可能となっている。ポペット16fの側面にはスプリング受け用のフランジ部16gが形成されている。一方、大径通路16cの開放端側には、円盤状のスプリング受け16hが螺着されている。ここで、スプリング受け16hには流体通過穴16iが形成されている。また、スプリング受け16hとポペット16fのフランジ部16gとの間には、ポペット16fをシート面16dに向けて付勢するコイルバネ16jが配置されている。これにより逆止弁16の両端部のうち、コイルバネ16jの付勢方向側の端部が入口INとされ、逆方向側の端部が出口OUTとされる。
【0028】
逆止弁16によれば、入口INから出口OUTに向かう矢印A方向の潤滑油の流れは、配管7側のエア圧によりコイルバネ16jの付勢力に抗してポペット16fが押され、シート面16dより接触面16eが離隔するので許容される。一方、出口OUTから入口INに向かう矢印B方向の潤滑油の流れは、例え潤滑油供給路11cの内圧が高まったとしても、シート面16dに接触面16eが当接したままであるため阻止されることとなる。これにより、逆止弁16は一方向のみ潤滑油の流れを許容する。
【0029】
図3において、ハウジング本体11の潤滑油供給路11cは、逆止弁16及び配管7を介して混合器5に接続されている。供給部である混合器5は、オイルエア潤滑装置6から別々に供給されるオイル(潤滑油)と加圧エアとを混合し、配管7を介して圧送する機能を有する。配管7と潤滑油供給路11cとで潤滑油供給系路を構成する。又、混合器5と、配管7と、逆止弁16と、潤滑油供給路11cとで潤滑油供給装置を構成する。
【0030】
本実施の形態の動作について説明する。図1に示す連続鋳造設備において、鋼材FEの供給に応じて、ローラ4が毎分3回転程度の極低速で回転する。軸受装置10は、ハウジング本体11に対して自動調心ころ軸受12がローラ4を回転自在に支持し、且つ鋼材FEの圧延時に生じる大荷重に対してローラ4が撓んだ場合には、その撓みに応じて自動調心ころ軸受12が揺動することで、コジリなどの不具合が生じないようになっている。
【0031】
圧延時には、チャンバ9内は高温且つ水滴が飛散した状態となっている。本実施の形態によれば、混合器5から配管7を介してハウジング本体11内に供給された潤滑油は、同時に圧送される加圧エアによって、潤滑油供給路11c及び孔12eを介して、自動調心ころ軸受12の内部に供給され、ころ12c、12cの転動面を潤滑するようになっている。このように、加圧エアを用いて潤滑油を供給するオイルエア潤滑を用いることで、常にクリーンな潤滑油を供給できるとともに、ハウジング本体11の内圧を高めることで異物の侵入を抑制する効果がある。自動調心ころ軸受12の内部に供給された潤滑油は、ハウジング本体11の大径部11a内に貯留するが、余分な潤滑油は、排油孔14bより外部へと排出され、不図示のタンクに回収されるようになっている。
【0032】
ところで、偶発的な事故により混合器5や配管7に損傷が生じ、オイルエア潤滑の供給が中断されたような場合でも、鋼材FEの供給を直ちに停止することはできない。かかる場合、復旧までの間は、大径部11a内に貯留された潤滑油で自動調心ころ軸受12を潤滑することとなる。しかるに、図1に示す連続鋳造設備の場合、鋼材FEは、まず鉛直方向下方に向けて供給され、その後徐々に水平になるよう方向付けされるが、そのため軸受装置10のハウジング本体11は、図6に示すように、設置位置に応じて天地方向が変わるようになっている。尚、図6においては、ハウジング本体11を台形で示し、幅が狭い方を天側(鋼材側)とし、幅が広い方を地側とする。
【0033】
図6より明らかであるが、鋼材FEより下方側に設けた軸受装置10の大部分は、潤滑油供給路11cが大径部11a(図4参照)より重力方向下方に位置するので、逆止弁16を設けないとすると、オイルエア潤滑が中断されたような場合、配管7を潤滑剤が逆流し、大径部11a内に貯留されている潤滑油が外部に流れ出してしまう恐れがある。本実施の形態によれば、図5に示すようにして、逆止弁16がハウジング本体11の潤滑油供給路11c側から潤滑油が漏れ出ることを阻止するので、ハウジング本体11の姿勢に関わらず、万が一混合器5や配管7に損傷が生じた場合でも、自動調心ころ軸受12の潤滑を確保することができる。従って、ハウジング本体11としては潤滑油供給路11cの位置が同じものを準備すれば足り、コストが大幅に低減され、部品管理が簡素化され、予備品の確保も容易となる。
【0034】
図7は、第2の実施の形態にかかる軸受装置10’の断面図である。本実施の形態においては、ポペットとしてボールを用いた逆止弁16’をハウジング本体11に内蔵した点のみが異なる。排油孔とボルトは図示を省略している。共通する点については、上述した実施の形態と同様であるため説明を省略する。本実施の形態によれば、混合器5からハウジング本体11に至るまでの配管7が簡素化され、設置が容易になる。
【0035】
図8は、上述した実施の形態に係る軸受装置を含むオイルエア供給装置(潤滑油供給装置ともいう)のシステム全体を示す概略図である。図8において、オイルエアの供給部として共通に用いられる混合器5は、メインユニット(図示せず)から供給される圧縮空気と目的流体である潤滑油(オイル)とを混合してオイルエアを生成し、そのオイルエアを均等に分配して複数の配管に送り出す装置である。
【0036】
混合器5には、複数の配管7a〜7f(図3の配管7に対応する、以下同じ)が接続してあるが、配管7b〜7eについては一部省略する(以下同じ)。ここで、分配器が設けられていない例では、配管7aに給油配管50aが接続してあり、給油配管50aには、逆止弁16Aを介して、例えば、目的流体の供給先となるハウジング本体11(潤滑対象物)が接続してある。
【0037】
一方、分配器32が設けられている例では、例えば、配管7fに分配器32が接続してあり、この分配器32には、複数の分配ポートが設けてあり、各分配ポートには、給油配管50nなどが接続してあり、給油配管50nには、逆止弁16Nを介して、例えば、目的流体の供給先となる対象物としてのハウジング本体11(潤滑対象物)が接続してある。
【0038】
また、混合器5には、圧縮空気を供給する圧縮空気配管20が接続してあり、この圧縮空気配管20には、電磁開閉弁21が介装してある。本実施の形態によれば、給油配管50a〜50nに接続された逆止弁16A〜16N(図5の逆止弁16に対応する、以下同じ)が、上述したように潤滑油の逆流を防止するようになっている。
【0039】
図9は、上述した実施の形態に係る軸受装置に用いることができるオイルエア供給装置(潤滑油供給装置ともいう)及びその異常検出方法について示す模式図である。以下に述べる実施の形態においては、上述の実施の形態の効果にかかる潤滑油の逆流防止に加え、異常検出が可能となっている。図9において、混合器5は、メインユニット(図示せず)から供給される圧縮空気と目的流体である潤滑油(オイル)とを混合してオイルエアを生成し、そのオイルエアを均等に分配して送り出す装置である。
【0040】
混合器5には、複数の配管7a〜7fが接続してある。ここで、分配器が設けられていない例では、配管7aに給油配管50aが接続してあり、給油配管50aには、逆止弁16Aを介して、例えば、目的流体の供給先となるハウジング本体11(潤滑対象物)が接続してある。
【0041】
一方、分配器32が設けられている例では、例えば、配管7fに分配器32が接続してあり、この分配器32には、複数の分配ポートが設けてあり、各分配ポートには、給油配管50nなどが接続してあり、給油配管50nには、逆止弁16Nを介して、例えば、目的流体の供給先となる対象物としてのハウジング本体11(潤滑対象物)が接続してある。
【0042】
また、混合器5には、圧縮空気を供給する圧縮空気配管20が接続してあり、この圧縮空気配管20には、電磁開閉弁21が介装してある。
【0043】
さて、本実施の形態では、配管7a〜7fには、それぞれ、上流側の逆止弁30a〜30fが流れ方向に介装してある。また、給油配管50a〜50nには、それぞれ、下流側の逆止弁16A〜16Nが流れ方向に介装してある。
【0044】
各上流側逆止弁30a〜30fと、対応する下流側の逆止弁16A〜16Nとの間には、それぞれ圧力センサ40a〜40fが介装してある。すなわち、本実施の形態において、各上流側逆止弁30a〜30fに対応して対応する下流側の逆止弁16A〜16Nとの間に、そして分配器32がある場合には上流側逆止弁と対応する分配器との間にそれぞれ圧力センサ40a〜40fが介装してある。これにより、混合器5〜ハウジング本体11までの、又は、混合器5〜分配器32〜ハウジング本体11までの、配管7a〜7f,50a〜50n内の圧力を監視することができる。
【0045】
次に、図10(A)は、電磁開閉弁21の動きを表すグラフである。図10(B)は、給油配管50a〜50n内の正常時(漏れ無し)の圧力を表すグラフである。図10(C)は、給油配管50a〜50n内の異常時(漏れ有り)の圧力をそれぞれ表すグラフである。図10(D)は、漏れによる異常表示を表すグラフである。
【0046】
システム運転中は、電磁開閉弁21を常時開き、ある周期で、図10(A)のように、一定時間電磁開閉弁21を閉じる。
【0047】
正常時(漏れ無し)は、図10(B)のように、電磁開閉弁21を閉じたことにより、圧縮空気の供給が停止するため、多少供給圧は低下する。
【0048】
しかし、配管7a〜7f,50a〜50n内の圧力は、各一対の上流側逆止弁30a〜30fとそれぞれ対応する下流側の逆止弁16A〜16Nによって、これら逆止弁のクラッキング圧近傍の圧力に保たれる。また、電磁開閉弁21が再び開くことにより、圧縮空気が流れるため、供給圧は通常時まで再上昇する。
【0049】
一方、異常時(漏れ有り)は、図10(C)のように、電磁開閉弁21を閉じたことにより、供給圧は大気圧まで低下する。
【0050】
このため、電磁開閉弁21が開く前に、配管7a〜7f,50a〜50n内の圧力がそれぞれの圧力センサ40a〜40fの設定値より低下することで、システムは、図10(D)のように、この異常を表示する。
【0051】
なお、本実施の形態では、分配器32を用いる場合には、圧力センサの使用数量を削減することができる。
【0052】
このように、本実施の形態では、混合器5の近傍の配管7a〜7fに上流側の逆止弁30a〜30fをそれぞれ設置し、またハウジング本体11の近傍の配管50a〜50nに下流側の逆止弁16A〜16Nをそれぞれ設置し、運転中にオイルエアの供給を意図的に一時停止させ、圧縮されたオイルエア潤滑を上流側の逆止弁30a〜30fと下流側の逆止弁16A〜16Nの対応するものとによって、間に閉じ込め、且つ、上流側の逆止弁30a〜30fと下流側の逆止弁16A〜16Nとの対応するものと間に設置した各圧力センサ40a〜40fにて圧力を測定することにより、混合器5からハウジング本体11までの配管7a〜7f,50a〜50nの継ぎ手部などからのオイルエアの漏洩状態を測定することができる。
【0053】
言い換えると、本実施の形態は、運転中にある間隔で圧縮空気の供給を意図的に一定時間遮断することにより、上流側の逆止弁30a〜30fと下流側の逆止弁16A〜16Nの対応するものとの間に圧縮された空気を閉じ込める。この状態において、上流側の逆止弁30a〜30fと下流側の逆止弁16A〜16Nの対応するものとの間内に設置した圧力センサ40a〜40fにて、配管7a〜7f,50a〜50n内の圧力を測定することにより、混合器5〜ハウジング本体11まで、又は、混合器5〜分配器32〜ハウジング本体11までの漏洩状態を測定することができる。即ち、漏れがない場合には、圧力低下がなく、漏れがある場合には、圧力が大気圧まで低下する。
【0054】
図11は、本実施の形態の第1変形例に係るオイルエア供給装置を示す模式図である。本変形例に於いて、電磁開閉弁21は、通常、停止時「閉」状態にあり、圧縮空気を供給する際に、「開」状態に切り替えるように構成してある。
【0055】
また、上流側逆止弁は設けておらず、電磁開閉弁21と混合器5との間に、圧力センサ40が設けてある。この圧力センサ40は、電磁開閉弁21の下流側から、混合器5の上流側又は下流側、及び、下流側逆止弁16A〜16Nまでの間の圧力を検出することができる。
【0056】
この場合には、電磁開閉弁21の「閉状態」において、電磁開閉弁21の下流側から、混合器5の上流側又は下流側、及び、下流側逆止弁16A〜16Nまでの間に、万が一漏れが発生している場合には、その圧力を、圧力センサ40により検出することができる。従って、圧力センサ40の個数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0057】
図12は、本実施の形態の第2変形例に係るオイルエア供給装置を示す模式図である。本変形例に於いて、電磁開閉弁21の下流側で、混合器5の上流側との間に、上流側逆止弁30が介装してある.
【0058】
また、上流側逆止弁30と混合器5との間に、圧力センサ40が設けてある。この圧力センサ40は、上流側逆止弁30の下流側から、混合器5の上流側又は下流側、及び、下流側逆止弁16A〜16Nまでの間の圧力を検出することができる。
【0059】
この場合には、電磁開閉弁21が「閉状態」の時、上流側逆止弁30の下流側から、混合器5の上流側又は下流側、及び、下流側逆止弁16A〜16Nまでの間に、万が一漏れが発生している場合には、その圧力を、圧力センサ40により検出することができる。従って、圧力センサ40の個数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0060】
次に、オイルやグリース等の非圧縮性流体を圧力下で対象物に搬送供給する別な実施の形態に係る非圧縮性流体搬送装置及びその異常検出方法について図13を参照して説明する。
【0061】
分配器101は、オイルやグリース等の非圧縮性流体洪給源100から圧送供給されるオイルやグリース等の非圧縮性流体(以下オイルとして説明する)とを適宜に分配して送り出す装置である。
【0062】
分配器101には、複数の配管7a〜7fが接続してある。配管7aに、配管105aが接続してあり、配管105aには、逆止弁16Aを介して、例えば、目的流体のオイル供給先となるハウジング本体11が接続してある。
【0063】
配管7fに示すように子分配器102が設けられている例では、例えば、配管7fに子分配器102が接続してあり、この子分配器102には、複数の分配ポートが設けてあり、各分配ポートには、配管105nなどが接続してあり、配管105nには、逆止弁16Nを介して、例えば、目的流体のオイル供給先となる対象物としてのハウジング本体11が接続してある。
【0064】
また、オイル供給源100から分配器101へのオイル供給配管120には、電磁開閉弁121が介装してある。
【0065】
さて、本実施の形態では、配管7a〜7fには、それぞれ、上流側の逆止弁130a〜130fが流れ方向に介装してある。また、下流側の配管105a〜105nには、それぞれ、下流側の逆止弁16A〜16Nが流れ方向に介装してある。
【0066】
上流側の各逆止弁130a〜130fと、対応する下流側の逆止弁16A〜16Nの間には、それぞれ、アキュムレータ150a〜150fと圧力センサ140a〜140fが介装してある。すなわち、本第2実施形態において、上流側の各逆止弁130a〜130fに対応して対応する下流側の逆止弁との間に、そして子分配器102がある場合には上流側の逆止弁と対応する子分配器102との間にそれぞれ圧力センサ140a〜140fが介装してある。これにより、逆止弁16A〜16Nまでの、又は、逆止弁130f〜131nまでの、配管104,105a〜105n内の圧力を監視することができる。
【0067】
システム運転中は、電磁開閉弁121を常時開き、ある周期で一定時間電磁開閉弁121を閉じる。
【0068】
正常時(漏れ無し)は、電磁開閉弁121を閉じたことにより、オイルの供給が停止孝るため、多少供給圧は低下する。
【0069】
しかし、配管104,105a〜105n内の圧力は、各一対の上流側逆止弁130a〜130fとそれぞれ対応する下流側の逆止弁16A〜16N間の供給路は密閉され、その時該配管内の圧力は対応するアキュムレータ150aから150fによって蓄圧されて逆止弁のクラッキング圧近傍の圧力に保たれる。また、電磁開閉弁121が再び開くことにより、圧縮空気が流れるため、供給圧は通常時まで再上昇する。
【0070】
一方、配管に漏れがある等の異常な場合には、運転中管内圧力によってアキュムレータ150aから150fによって蓄圧された一定量の体積が、開閉弁121の閉じたことにより管外に漏れ出した時点で管内圧力は、大気圧まで低下する。
【0071】
このため、電磁開閉弁121が開く前に、配管104,105a〜105n内の圧力がそれぞれの圧力センサ140a〜140fの設定値より低下することで、システムは、異常を表示することができる。
【0072】
なお、本実施の形態では、子分配器102を用いる場合には、圧力センサの使淵数量を削減することができる。
【0073】
このように、本実施の形態では、分配器101の近傍の配管7a〜7fに上流側の逆止弁130a〜130fをそれぞれ設置しているが、配管7a〜7fに代えて逆止弁130a〜130fを直接分配器101に取り付けることも可能である。
【0074】
またハウジング本体11の近傍の配管105a〜105nに下流側の逆止弁16A〜16Nをそれぞれ設置し、運転中にオイルの供給を意図的に一時停止させ、圧縮されたオイルを上流側の逆止弁130a〜130fと下流側の逆止弁16A〜16Nの対応するものとの間に設けられたアキュムレータ150aから150f内に閉じ込め、且つ、上流側の逆止弁130a〜130fと下流側の逆止弁16A〜16Nとの対応するものと間に設置した各圧力センサ140a〜140fにて圧力を測定することにより、逆止弁130a〜16A間の、および逆止弁130f〜16N間の配管や継ぎ手部などからのオイルの漏洩状態を測定することができる。
【0075】
アキュムレータに代えて、上流側の逆止弁130a〜130fと下流側の逆止弁16A〜16Nの対応するものとの間のオイル供給路に図16に示す如き蓄圧機能を有する可撓性の管路330、例えば螺旋状に巻いた鋼管フレキシブルホースを使用しても良い。
【0076】
次に、図14は、別な実施の形態の第1変形例に係るオイル供給装置を示す模式図である。本変形例に於いて、電磁開閉弁121は、通常、停止時「閉」状態にあり、オイル供給源100からオイルを供給する際に、「開」状態に切り替えるように構成してある。
【0077】
また、図13で示した上流側逆止弁は、ここでは設けておらず、電磁開閉弁121と、分配器101との間に、圧力センサ140が設けてある共にアキュムレータ150が設けてある。圧力センサ140は、電磁開閉弁121の下流側から、分配器101の上流側又は下流側、及び、下流側の逆止弁16A〜16Nまでの間の圧力を検出することができる。
【0078】
この場合には、電磁開閉弁121の「閉状態」において、電磁開閉弁121の下流側から、分配器101の上流側又は下流側、及び、逆止弁16A〜16Nまでの間に、万が一漏れが発生している場合には、その圧力を、圧力センサ140により検出することができる。従って、圧力センサ140の個数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0079】
また、本変形例において、逆止弁16A〜16Nのオイル供給路の少なくとも一部を蓄圧機能を有する適宜可撓性の管路とすることによりアキュムレータ150に代えることができる。上記各実施形態においては、逆止弁を使用しているが、これら逆止弁の全部または一部を図15に示すごときリリーフ弁等の安全弁230にしても良く、また逆止弁の機能を有している配管接続用のコネクタであってもよい。
【0080】
以上、本発明を実施例を参照して説明してきたが、本発明は上記実施例に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。たとえば、自動調心ころ軸受に限らず、種々の転がり軸受を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】第1の実施の形態にかかる軸受装置を用いた連続鋳造設備の概略を示す斜視図である。
【図2】連続鋳造設備に用いるローラユニットの斜視図である。
【図3】鋼材FEに対して下方側に配置される1本のローラ4を支持する軸受装置10、10の断面図である。
【図4】図3で左方の軸受装置10を拡大して示す断面図である。
【図5】逆止弁16の断面図である。
【図6】ハウジング本体11が設置位置に応じて天地方向が変わる状態を示す概略図である。
【図7】第2の実施の形態にかかる軸受装置10’の断面図である。
【図8】本実施の形態に係る軸受装置を含むオイルエア供給装置(潤滑油供給装置ともいう)のシステムを示す概略図である。
【図9】別な本実施の形態に係る軸受装置に用いることができるオイルエア供給装置及びその異常検出方法について示す模式図である。
【図10】図10(A)は、電磁開閉弁21の動きを表すグラフである。図10(B)は、給油配管50a〜50n内の正常時(漏れ無し)の圧力を表すグラフである。図10(C)は、給油配管50a〜50n内の異常時(漏れ有り)の圧力をそれぞれ表すグラフである。図10(D)は、漏れによる異常表示を表すグラフである。
【図11】本実施の形態の第1変形例に係るオイルエア供給装置を示す模式図である。
【図12】本実施の形態の第2変形例に係るオイルエア供給装置を示す模式図である。
【図13】別な実施の形態に係る非圧縮性流体搬送装置及びその異常検出方法について示す模式図である。
【図14】別な実施の形態の第1変形例に係るオイル供給装置を示す模式図である。
【図15】逆止弁の代わりに用いることができる安全弁230を示す図である。
【図16】アキュムレータに代えて用いることができる、例えば螺旋状に巻いた鋼管フレキシブルホースの図である。
【図17】図4に示す軸受装置を矢印XVII方向に見た図である。
【符号の説明】
【0082】
1 導入部
2 排出部
3 ローラユニット
4 ローラ
4a 圧延部
4b 第1円筒部
4c 第2円筒部
4d 第3円筒部
5 混合器
6 オイルエア潤滑装置
7 配管
7a〜7f 配管
7a〜7f,50a〜50n 配管
9 チャンバ
10 軸受装置
11 ハウジング本体
11a 大径部
11b 小径部
11c 潤滑油供給路
12 自動調心ころ軸受
12a 外輪
12b 内輪
12c ころ
12d 間座
12e 孔
13A,13B シール
14 蓋部材
14a 中央開口
14b 排油孔
15 シール
16,16A〜16N 逆止弁
16a 本体
16b 小径通路
16c 大径通路
16d シート面
16e 接触面
16f ポペット
16g フランジ部
16h スプリング受け
16i 流体通過穴
16j コイルバネ
20 圧縮空気配管
21 電磁開閉弁
30 逆止弁
31 逆止弁
32 分配器
40 圧力センサ
50a 給油配管
100 オイル供給源
101 分配器
102 子分配器
104 配管
105a〜105n 配管
120 オイル供給配管
121 電磁開閉弁
130a〜130f 逆止弁
140 圧力センサ
140a〜140f 圧力センサ
150 アキュムレータ
150a〜150f アキュムレータ
230 安全弁
330 管路
FE 鋼材
IN 入口
OUT 出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続鋳造設備のロール支持装置に用いられる軸受装置であって、潤滑油を貯留可能なハウジングと、前記ハウジング内に配置され、回転軸を支持する転がり軸受と、前記転がり軸受に潤滑油を供給する潤滑油供給装置と、前記回転軸と前記ハウジングとの間をシールするシール装置とを有し、様々な方向に前記ハウジングを傾けて設置する軸受装置において、
前記潤滑油供給装置は、潤滑油を気体と混合して圧送する供給部と、前記供給部から前記ハウジング内まで延在する前記潤滑剤供給系路と、を含み、
前記転がり軸受を潤滑するために前記ハウジング内に潤滑剤貯留部が形成されており、前記シール装置のリップ径と、前記転がり軸受のPCDとの間に、前記潤滑剤貯留部に連通する排油孔を設けたことを特徴とする軸受装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、本体と、前記本体に対して位置変更可能に取り付けられる蓋部材とからなり、前記排油孔は前記蓋部材に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
【請求項3】
前記潤滑剤供給系路中に逆止弁が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−126269(P2008−126269A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−314040(P2006−314040)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】