説明

追跡システムおよびデバイスの位置を追跡する方法

高度のプライバシー保護を維持しながら、デバイスの位置を確実かつ高速に決定することができるようにするため、ワイヤレスネットワークにおいてデバイスの位置を決定する追跡システムを提供する。追跡システムは複数の追跡局を備え、各追跡局は少なくとも1つのデバイスとのワイヤレス通信に対応している。本システムは、追跡局の追跡アクティビティを制御する管理ユニットを備えたことを特徴とする。また、対応して、ワイヤレスネットワークにおいてデバイスの位置を追跡する方法を提供する。本方法は、好ましくは、上記の追跡システムとともに使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレスネットワークにおいてデバイスの位置を決定する追跡システムに関する。追跡システムは、複数の追跡局を備える。各追跡局は、少なくとも1つのデバイスとのワイヤレス通信に対応している。また、本発明は、ワイヤレスネットワークにおいてデバイスの位置を追跡する方法に関する。この方法において、追跡システムが、複数の追跡局を備える。各追跡局は、少なくとも1つのデバイスとのワイヤレス通信に対応している。
【背景技術】
【0002】
上記のような、ワイヤレスネットワークにおいてデバイスの位置を追跡する追跡システムおよび方法は、当技術分野において既知である。例えば、特許文献1は、複数の追跡局および追跡ゾーンを有する追跡システムを開示している。また、特許文献2には、ワイヤレスネットワークにおける追跡システムが記載されている。既知の追跡システムは、位置検出・位置決定を改善するために、隣接性の知識を利用する。
【0003】
別の既知の追跡システムでは、複数の追跡局を利用して、デバイスから放出される無線信号をスキャンすることにより、そのデバイスの位置を決定する。種々の形態の三角測量および三辺測量を用いて、デバイス位置を決定することができる。しかし、これは、追跡されるデバイスが無線信号を放出することを必要とする。通常、この無線信号は、無権限の聴取者による測定が可能なので、プライバシーやセキュリティに関していくつかの問題が生じる。
【0004】
追跡・位置決定システムは、ユーザの位置およびユーザ/デバイスの近接性を決定するために使用される。この種のサポートサービスに対する商業的関心が極めて高い。しかし、残念ながら、プライバシーについて大きな問題がある。このような問題は、位置/近接性の大規模な利用を妨げる主要な理由である。さらに、技術的問題として、配備コストが高いこと、情報を測定する速度、および測定の精度(例えば、屋内/屋外等の環境条件)に関する問題がある。
【0005】
追跡システムは、追跡目的以外のために発明された従来のワイヤレス技術(例えば、Bluetooth、UWB(Ultra-Wideband)、IEEE802.15.x)を追跡のために使用することがある。このようなワイヤレスネットワークは、近くのデバイスを発見する手段を提供する。これは通常、接続を確立する際に必要な最初のステップである。例えば、INQUIRYモードにあるBluetoothは、近くの「不可視」デバイスを発見することが可能である。このモードは、新規なハードウェアデバイスを導入することなく、追跡システムのために使用可能である。しかし、これらの技術は、上記のように、セキュリティ/プライバシーについて、より一層のリスクを伴う。というのは、それらの技術は異なる目的のために設計され、セキュリティ/プライバシーを考慮していない方法を使用しているからである。また、この方法は低速であるため、応用分野によっては適切でない場合がある。
【0006】
「不可視」デバイス、すなわち、ディスカバリ(発見)モードになっていないデバイスは、この方法では発見できない。上記のように、デバイスは、ユーザのプライバシーを保護するために不可視とすることが望まれる。しかし、特にBluetoothにおいて、また、他の従来および将来のワイヤレス技術においてもおそらくそうであるが、初期コンタクトがいったん確立されれば、デバイスは、例えばオペレーションを呼び出そうと試みることを通じて、近くの「不可視」デバイスの利用可能性をチェックすることができる。例えば、Bluetoothの場合、L2CAP(Logical Link Control and Adaptation Protocol)コネクションを確立し、「サービスディスカバリ」を実行すればよい。これは「デバイスをpingする」と呼ばれることがあるが、IPのpingではなく、技術的には実際にはpingではない。
【0007】
また、デバイスディスカバリおよびデバイス「ping」は、種々の特性により近くのデバイスを検出するために使用可能である。例えば、Bluetoothのディスカバリオペレーションよりも、Bluetoothの「ping」のほうがずっと高速である(7〜20秒に対して、0.8〜2秒[非特許文献1を参照])。これは、「ping」オペレーションを使用する別の理由を与える。発見の速さは、デバイスが不可視モードに留まることができることにとって有利である。他方、ディスカバリモードは、付近の複数のデバイスを同時に発見することがある。
【0008】
プライバシーおよびデバイス隠蔽の必要性が増大しているので、将来のワイヤレスネットワークは、より多くの、より厳格なセキュリティメカニズムを搭載することになるであろう。一例として、仮想アイデンティティ(DaidalosのV−IDを参照)の概念をサポートするための変動MACアドレスがある。この技術を利用すると、上記の「不可視」デバイスの検出はより一層複雑となる可能性があり、高度なサポートシステムを必要とする。
【0009】
要約すると、従来のワイヤレス追跡システムでは通常、ディスカバリモードを利用し、ユーザのプライバシーを侵害し、通常は近くのデバイスを誰でもスキャンすることができる。これに関連する問題点は以下の通りである。
・デバイスをスキャンすることができるすべての者に、ユーザの位置および移動パターンが公開される
・物理的特性およびタイムアウト待機のため速度が遅い
・ユーザはディスカバリモードに切り替える必要がある。プライバシーに関する懸念が高まっているため、パブリックに発見可能なデバイスの使用は減少する可能性が高い。さらに、ディスカバリモードをオンにする必要があることは、操作性の問題を生じる。というのは、これは、従来のモバイルデバイスの一部では容易ではないからである。
【0010】
他の追跡システムが、特許文献3および特許文献4に記載されている。
【0011】
さらに他の追跡システムおよびBluetoothディスカバリメカニズムが、以下のウェブサイトに記載されている。
・http://www.bluetoothtracking.org/
・http://www.m-travel.com/news/2002/03/bluetooth_track.html
・http://www.loca-lab.org/
・http://media.csee.ltu.se/publications/2002/hallberg02bluetooth.pdf
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6717516B2号明細書
【特許文献2】米国特許第6674403B2号明細書
【特許文献3】米国特許第4884208号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0074769A1号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】http://www.sigmobile.org/mobisys/2006/posters/Handurukande.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、追跡システムおよびワイヤレスネットワークにおいてデバイスの位置を追跡する方法において、高度のプライバシー保護を維持しながら、デバイスの位置を確実かつ高速に決定することができるような改良およびさらなる展開を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、上記の目的は、請求項1の構成を備えた追跡システムおよび請求項20に記載のワイヤレスネットワークにおいてデバイスの位置を追跡する方法によって達成される。請求項1に記載の通り、本システムは、追跡局の追跡アクティビティを制御する管理ユニットを備えたことを特徴とする。請求項20に記載の通り、ワイヤレスネットワークにおいてデバイスの位置を追跡する方法は、管理ユニットによって、追跡局の追跡アクティビティを制御することを特徴とする。
【0016】
本発明によって認識されたこととして、追跡局の追跡アクティビティを制御する管理ユニットを備えた追跡システムによって、デバイスの位置を高速かつ確実に決定することが可能となる。このような管理ユニットにより、各追跡局の個別的かつ選択的な制御およびアクティビティが提供される。また、本発明の追跡システムおよび方法は、誰にでも可視的な無線信号を周期的にブロードキャストすることによるものではない。代わりに、本システムおよび方法は、既知のデバイスを「ping」することができる。これは、全体的なトラフィックを低減し、デバイスの位置の高速な検出および決定につながる。「ping」メカニズムが使用可能であることにより、セキュリティ/プライバシーのリスクは回避される。また、本発明のシステムおよび方法は、Bluetooth技術のような、従来の広く使用されている技術を使用可能である。
【0017】
本発明の好ましい実施形態において、追跡局は、デバイスをpingすることおよび/またはデバイスのオペレーションを呼び出すことに対応したものとしてもよい。「ping」モードを用いて、追跡局によって追跡されるデバイスは、隠蔽されたままとすることができ、発見モードにする必要はない。
【0018】
好ましくは、管理ユニットは、どのデバイスがどの追跡局によって、好ましくはどの時間間隔内に、pingされるべきかをスケジューリングすることに対応したものとしてもよい。これにより、すべての追跡局がすべてのデバイスを追跡する必要はなく、システムリソースを節減した非常に選択的な追跡プロセスが可能となる。このようなスケジューリングは、時間とともに動的に適応させることが可能である。
【0019】
好ましくは、スケジューリングは、それぞれのデバイスの過去の観測結果および/または過去の観測結果の重要性、および/または必要な精度もしくはQoS(サービス品質)に基づいてもよい。これは、何らかの移動パターンおよびそれぞれの確率を学習することを含んでもよい。その結果、追跡システムおよび方法は、ディスカバリまたはpingモードをスケジューリングする管理ユニットとともに、ワイヤレスディスカバリおよびpingを使用する。
【0020】
好ましい実施形態において、スケジューリングは、それぞれのデバイスの潜在的通路に基づいてもよい。潜在的通路に基づいて、管理ユニットは、このような通路の近くまたはこのような通路内にある追跡局をアクティベートしてもよい。
【0021】
好ましい特別のオペレーションにおいて、追跡局は、所定のデバイスを即時にpingするように、管理ユニットによって制御されてもよい。換言すれば、管理ユニットは、追跡局に対して、デバイスを即時にpingするように要求してもよい。その結果、応答性の高いシステムが実現可能である。
【0022】
別の好ましい実施形態において、管理ユニットは、デバイスおよび/またはアイデンティティおよび/またはアクセスポリシーを登録する登録モジュールを備えてもよい。ユーザは、このような登録モジュールによって複数のデバイスおよび/またはアイデンティティを登録することができる。
【0023】
また、管理ユニットは、デバイスの追跡のアクティベーションおよび/または停止を行うアクティベーションモジュールを備えてもよい。アクティベーションモジュールを利用して、ユーザは、登録されたデバイスの追跡のアクティベーションおよび停止を行うことができる。登録およびアクティベーションにより、ユーザは、それぞれのデバイスの追跡を可能にするオプトイン(opt-in)を提供することができる。
【0024】
好ましくは、アクセスポリシーおよび/または優先度および/または所定のQoS(サービス品質)は、好ましくは追跡のアクティベーションの一部として決定可能である。このように、追跡のアクティベーションの一部として追跡の特性を決定することは、追跡システムの非常に簡単な取り扱いと、デバイスの位置を追跡する簡単な方法とを提供する。
【0025】
QoSに関して、ユーザは、測定時にQoSパラメータを直接指定するのではなく、ユーザ向けのパラメータ範囲(例えば、「歩行速度での保証された検出を確保する、標識を読みながら保証された検出を確保する、エリアに留まりながら保証された検出を確保する」)を指定する可能性が非常に高い。これらの2つのモジュールは、変動MAC(Media Access Control)アドレスを有する将来のワイヤレス技術をサポートするためにも使用される。
【0026】
好ましくは、管理ユニットは、サービスによる追跡情報へのアクセスを許可するアクセスモジュールを備えてもよい。
【0027】
別の好ましい実施形態において、管理ユニットは、他のシステムまたはソースからイベントおよび/または情報を受信するマッシュアップモジュールを備えてもよい。また、このようなマッシュアップモジュールは、他のシステムまたはソースとの通信を提供してもよい。外部の他のシステムとのマッシュアップは、他のシステムによる観測に基づいて追跡挙動を改善する可能性がある。このような他のシステムまたはソースは、好ましくは、GPS方式の位置決定システム、携帯電話および/またはカレンダーを含んでもよく、これらは関連するイベントを生成することが可能である。
【0028】
マッシュアップモジュールは、アクセス制御を有するAPI(Application Programming Interface)をさらに備えてもよい。
【0029】
本発明の別の好ましい実施形態において、管理ユニットは、デバイスの移動パターンまたは潜在的通路を予測する学習モジュールを備えてもよい。このような予測は、デバイスに関連する追跡局をスケジューリングするために使用可能である。
【0030】
さらに好ましくは、管理ユニットは、追跡局と通信する通信モジュールを備えてもよい。
【0031】
本発明の非常に簡単な実施形態において、管理ユニットは、ワイヤレスまたはケーブル接続によって追跡局に接続されてもよい。接続の特定の実現形態は、個別の適用事例に依存する。別の簡単な構成において、管理ユニットは、追跡局に統合されてもよい。
【0032】
追跡システムの非常に高速なオペレーションに関して、各追跡局は、相異なる優先度および/またはタイミングでスケジューリングされた複数のスキャン待ち行列を有してもよい。追跡管理ユニットは、デバイス検出に対する所望のQoSが満たされることを確認してもよい。管理ユニットは、スキャン対象のデバイスを追跡局の適正な待ち行列に挿入してもよい。
【0033】
広く使用可能なシステムを提供するため、各追跡局は、複数の無線インタフェースおよび/または同一技術の複数のインタフェースをサポートしてもよい。
【0034】
好ましくは、追跡システムは、表示システム、屋内誘導システムまたは監視システムの一部として実現されてもよい。しかし、他の応用も可能である。
【0035】
追跡システムへのユーザのオプトインにより、高レベルのプライバシーが実現される。特に、変動MACアドレスを有する将来のワイヤレスネットワークでは、このオプトインモードは非常に重要な機能である。また、「ping」オペレーションは時間がかかるため、pingされることが可能なデバイスの数は制限される。その結果、発見されることが可能なデバイスの数は制限される。
【0036】
本発明による追跡管理システムおよび方法の利点は、管理ユニットが、所定範囲内に入るデバイスを時々チェックしながら、特定のエリアで既に発見されているデバイスおよび/または精密なモニタリングを必要としているデバイスに対して高精度の測定を実行することができるように、「ping」アクティビティを管理できることである。このため、追跡デバイスの地理的位置に関する情報を利用して、与えられたデバイスがどこへ向かっているかを推定することができる。デバイスの所定の、または予測可能な通路に沿った追跡局に対して、追跡対象のデバイスが、前記追跡局に到達する可能性のあるデバイスの待ち行列に追加されてもよい。このようにして、システムは、付近のデバイスに対する良好なQoSを維持しながら、多数のデバイスを追跡することができる。
【0037】
好ましくは、追跡は、デバイスが所定範囲内に入る可能性があるという情報を位置決定システムが提供しているときにのみ開始されてもよい。これにより、追跡システムは、他のシステムからのイベントから利益を受けることが可能である。例えば、GPS方式の位置決定システムが、デバイスが付近にあり追跡範囲内に入る可能性があることを追跡システムに伝えたときにのみ、スキャンプロセスを開始してもよい。このため、さまざまな「マッシュアップAPI」が使用可能である。
【0038】
別の好ましい実施形態において、管理ユニットは、デバイスの1つ以上の追跡を実行するのに要する時間をスケジューリングしてもよい。このようにして、非常に効果的な追跡が可能である。
【0039】
1つの追跡局によって追跡可能なデバイスの数は、デバイスを検出するのに要する時間により制限されるので、本発明は、それぞれのスケジューリングされた追跡局によるデバイスのpingを最適化するシステムおよび方法を提供する。換言すれば、システムのスケールと、発見の速度とのバランスをとることができる。デバイスがスキャンされ、または個別にpingされる場合、単一のデバイスは高速に発見されるが、多くのデバイスを検出するには各デバイスを個別にpingする必要があるのでスケーリングの問題が生じる。このようなスケーリング問題は、複数の追跡局と、pingの高度なスケジューリングとによって対処することができる。これは本発明と、管理ユニットにより追跡局の追跡アクティビティを制御することの1つの利点である。
【0040】
本発明の追跡システムは、すべての種類の位置検出・接近型のシステムにとって高い商業的関連性を有する。これには、デジタルサイネージ、位置検出型の広告、案内システム、パーソナライズシステム(例えばIPTV用)、その他多数が含まれる。
【0041】
追跡システムの実現には、従来のデバイスにおけるさまざまな既存の技術が使用可能である。これにより、例えばBluetooth技術に基づいて、追跡局の安価な実装が可能となる。
【0042】
本発明のシステムおよび方法によれば、デバイスを発見モードにすることを回避することにより、プライバシーを保護することが可能である。また、ユーザのポリシーに基づいて、追跡された情報を誰が取得するかを制御することが可能である。プライバシー上の理由から、ユーザは、追跡されることに対するオプトインを要求されることがある。この場合、ユーザのデバイスの既知のプロパティを使用可能である。
【0043】
本発明のシステムおよび方法によれば、このような高いQoSが必要とされる場合にデバイスの高速な検出が可能である。追跡システムは、プライバシーおよび速度を保持しながら、より多くのデバイスをスキャンするために、種々の追跡局のアクティビティを高度にスケジューリングすることができる。学習アルゴリズムにより、システムは、予測と、予測に基づく追跡局のスケジューリングとを改善するために、ユーザの期待される挙動を学習することができる。
【0044】
また、システムによる観測に基づいて追跡挙動を改善するために、外部システムとのマッシュアップが可能である。このような外部システムとしては、位置に基づくシステム、カレンダーシステム、あるいは関連するイベントを生成する他の種類のシステムが挙げられる。
【0045】
追跡管理のこのような作用は、他のシステムからイベントまたは情報を受信することが可能なマッシュアップモジュールによって実現可能である。これは、例えば、GPS方式の位置決定システムが、ユーザが近づいていることを追跡システムに伝える場合であってもよい。また、携帯電話が、追跡エリア付近の基地局のセルIDを検出した場合であってもよい。あるいは、ユーザがエリアに到着するようにスケジューリングされていることをカレンダーが追跡システムに伝える場合であってもよい。マッシュアップモジュールを用いることで、追跡システムは、ユーザに関するさらなる知識に基づいて追跡アクションのスケジューリングを改善することができる。マッシュアップモジュールの使用は、登録およびアクティベーションの際に準備することができる。
【0046】
本発明は、以下に要約する好ましい特徴および性質を備えた追跡システムおよび方法を提供する。
・容量、パフォーマンスおよびQoSを向上させるように追跡システムを最適化する追跡管理ユニット。これは、ユーザまたはデバイスの移動パターンを予測しようと試みる学習モジュールを含んでもよい。
・複数のアイデンティティおよび複数のデバイスをサポートするオプトインモジュール。
・特殊なサービスに対するアクセス制御。
・目的アプリケーションに依存したQoSパラメータ。
・追跡挙動を改善するために追跡システムが他のシステムと連携することを可能にするマッシュアップモジュール。
【0047】
追跡システムまたは方法は、以下の重要な特徴を有するワイヤレスディスカバリおよびpingを利用してもよい。
・ディスカバリまたはpingモードをスケジューリングする管理ユニット。pingモードにおいて、管理ユニットは、デバイスの過去の観測結果、観測結果の重要性、および必要な精度/QoSに基づいて、どのデバイスがどの追跡局でpingされるかをスケジューリングする。これは、何らかの移動パターンおよびそれぞれの確率を学習することを含む。
・アクセスポリシー、優先度、およびQoS要求の設定を含む登録・アクティベーション・アクセスモジュール。これは、将来のMACアドレス変動ワイヤレス技術に対するサポートを含む。
・追跡挙動を改善するために、追跡システムを他のシステムに接続し、イベントを受信することを可能にするマッシュアップモジュール。
・追跡された情報をアプリケーションに送信するためのアクセス制御およびイベントを備えたAPI。
【0048】
追跡システムの管理ユニットは、以下のことにより、追跡局のスケジュールを最適化することができる。
・ユーザの過去の観測結果および潜在的通路を考慮に入れる。
・観測結果を分析することから潜在的通路を学習する。
・すべての「ping」ジョブを実行するのに要する時間を管理する。
・エネルギー消費、特に追跡対象のモバイルデバイス上のエネルギー消費を最適化しようと試みる。
・不要な干渉を避けるために、無線スペクトルの利用を最適化しようと試みる。
・追跡対象がいつ近づく可能性があるかを学習するために他のシステムと連携する。
【0049】
さらに、「ブラインドディスカバリまたはユーザ追跡」に関して許容されることを制限するデータプライバシー規則を導入してもよい。しかし、ほとんどの規則は、ユーザが追跡されることに同意している場合に追跡を許容する。これは、オプトインモジュールを必要とするもう1つの理由である。このモジュールは、登録・アクティベーションモジュールの組合せにより実現してもよい。
【0050】
本発明を好適な態様で実施するにはいくつもの可能性がある。このためには、一方で請求項1および請求項20に従属する諸請求項を参照しつつ、他方で図面により例示された本発明の好ましい実施形態についての以下の説明を参照されたい。図面を用いて本発明の好ましい実施形態を説明する際には、本発明の教示による好ましい実施形態一般およびその変形例について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】複数の追跡局を有する追跡システムの模式図である。
【図2】本発明による追跡システムの好ましい実施形態において用いられる管理ユニットの模式図である。
【図3】本発明の一実施形態による追跡局との管理ユニットの通信の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、複数の追跡局を備えた追跡システムの例を模式的に示している。本実施形態は、見本市の例と考えてもよい。この例において、ワイヤレスデバイスは、任意個数の追跡局によって検出可能である。追跡局は、管理ユニット(図示せず)によって制御される。管理ユニットは、追跡局の追跡アクティビティを制御する管理システムを実行する。1つのオペレーションとして、1つ以上の追跡局をディスカバリモードから「ping」モードに、または「ping」モードからディスカバリモードに設定することがある。「ping」モードでは、さらに、どのデバイスがどの追跡局によってどの時間間隔にpingされるべきかをスケジューリングする。これは、追跡プロセスの速度に影響を及ぼし、時間とともに動的に適応させることが可能である。特別のオペレーションとして、管理ユニットは、追跡局に対して、デバイスを即時にpingするように要求することができる。これにより、応答性の高いシステムが実現可能である。
【0053】
図2は、本発明による好ましい追跡システムの管理ユニットを模式的に示している。管理ユニットは、一方で複数の追跡局と通信し、他方でサポートサービスおよびクライアントサービスと通信する。管理ユニットは、マッシュアップモジュール、サービスアクセスモジュール、オプトインモジュールおよび通信モジュールを備える。また、追跡局管理および経路学習のための追跡管理モジュールが設けられる。
【0054】
図3は、追跡局との管理ユニットの通信を模式的に示している。管理ユニットは、追跡管理局(tracking management station)として示され、図3の上部に配置されている。
【0055】
図3の追跡局は、追跡システム通信、追跡スケジュールおよび追跡デバイス管理のためのさまざまなモジュールを備える。さらに、3つの追跡モジュールが設けられる。
【0056】
本発明の実施形態は、以下の重要な特徴を備える。
【0057】
・登録:ユーザは、自分自身、自己の(複数の)アイデンティティ、および自己の(複数の)デバイスを登録することができる。
【0058】
・アクティベーション:ユーザは、自己のデバイスのうちの1つまたは複数を追跡のためにアクティベーションを行うように決定することができる。アクティベーションには、(複数の)通知されるべきサービスおよび(複数の)使用されるアイデンティティが含まれる。
アクティベーションは、デバイスがアクティベートされるべき追跡ネットワーク(例えば、大通りの商店と、大通りの商店街と、ガソリンスタンド)、デバイスがいつ追跡されるべきかのスケジュール、追跡管理システムがスキャンを計画するために使用可能な優先度およびQoS要求を含むことができる。使用されるワイヤレスシステムが許容する場合、各アクティベーションは、スキャンのために使用される物理パラメータ(例えば、MACアドレス、周波数等)も含む。
【0059】
・追跡システム:追跡システムは、追跡局と、追跡管理システムを実行する管理ユニットとからなる。管理ユニットまたは管理システムは、追跡局を調整する。
【0060】
・追跡局:各追跡局は、相異なる優先度およびタイミングでスケジューリングされた複数のスキャン待ち行列を有する。追跡管理システムは、ユーザ検出に対する所望のQoSが満たされることを確認する必要がある。また、追跡局は、ディスカバリモードに入ることが可能である。明らかに、追跡局は、複数の無線インタフェースと、同一技術の複数のインタフェース(例えば、複数のBluetoothドングル)とをサポートすることができる。
【0061】
・追跡管理:管理システムは、追跡対象のデバイスのセットを管理する。管理システムは、スキャン対象のデバイスを追跡局の適正な待ち行列に挿入する。また、管理システムは、追跡局に対して、発見モードまたはローピング(roping)モードにいつ入るかを命令する。第3に、管理システムは、追跡局によって観測された観測結果を受信し、それらを保存し、追跡システムの内部挙動を最適化するためにそれらを利用する。
【0062】
・アクセスモジュール:このモジュールは、アクティベーションに対して観測結果を要求するためのAPIを提供する。また、このモジュールは、与えられたアクティベーションに対する要求をチェックし、無権限の要求およびイベントをフィルタリングするモジュールも含む。
【0063】
・マッシュアップモジュール:種々の他のシステム(例えば、GPS方式の位置決定システムやオンラインカレンダー)に追跡システムを接続することを可能にする。これは、デバイスの初期検出を最適化するために使用可能である。
【0064】
使用事例
スーパーマーケットの場合:
本発明は、スーパーマーケットや商店街の機能向上のために使用可能である。ユーザに提供されるサービスにおいて、まず、ユーザは、買い物リストを設定することができる。第2に、ユーザがスーパーマーケットに行くと、スーパーマーケットは、ユーザを所望の商品まで誘導し、特別の提案についてユーザに知らせるシステムを提供する。
【0065】
そのためには、ユーザは、追跡アクティベーションを含めて、スーパーマーケットに買い物リストを送信する。商店に到着すると、追跡システムがユーザのモニタリングを開始する。最適化のため、追跡システムは、商店が複数のゾーンに分割され、各ゾーンが1つ以上の追跡局によって追跡されるように設定されている。追跡管理システムまたはユニットはそれらのゾーンを知っており、過去の測定結果から、ユーザがゾーンの端の局によって追跡されるとき、ユーザが別のゾーンに移動する可能性があることを知っている。その場合、当該他のゾーン内の追跡局に対して、より低いスケジュールでデバイスをスキャンするように命令する。当該他のゾーンで観測されると、追跡管理システムまたはユニットは、ゾーンAで追跡されることからデバイスを削除し、ゾーンB内の追跡局に対して、より高いレートでデバイスをpingするように命令する。
【0066】
追跡が使用されるサービスは、サービスの応答性を高くし、ユーザによって良好に受信されることを確実にするため、商店の一部のエリアでは追跡のQoSを高くすることが必要な場合がある。その場合、追跡システムは、ユーザが商店の特定のゾーンに入ったら、スキャンレートを増大させるように決定することができる。
【0067】
ユーザの案内のため、追跡局は、公共表示システムと統合されてもよい。
【0068】
見本市の場合:
この場合、来場者は、見本市ブースでのミーティングをスケジューリングする。測定をサポートするため、ユーザは、システムに対して、自分を追跡することを許可するとともに、いつそのブースに行く予定であるかを記述した自己のカレンダーへのアクセスも許可する。スケジューリングされた時刻に、追跡システムはユーザを探索し、ユーザについて主催者に通知する。これは、マッシュアップモジュールの使用例である。
【0069】
この場合、追跡局は、各ブースに配備してもよく、管理システムは、見本市管理者によって運営されてもよい。
【0070】
使用事例の詳細:
(1)スーパーマーケット
追跡管理システムは、スーパーマーケット内のネットワーク(有線または無線)に接続されたサーバマシン上で動作する。複数の追跡局が、例えば、出入口エリア、レジ、店内ディスプレイの前、利用頻度の高い棚付近に設置される。追跡局は、以下のものを装備する。
・通常の消費者デバイスのディスカバリおよびpingのためのBluetoothドングル
・エンドユーザデバイスの近距離ワイヤレス検出を有するNFC(Near Field Communication, 近距離通信)タッチポイント
【0071】
Bluetooth対応の標準的な携帯電話はBluetoothによって扱われ、NFC対応の特殊な携帯電話やNFC対応ポイントカード(Customer Loyalty card)はNFCリーダによって扱われる。出入口のようなエリアでは、追跡局は、スキャン容量を増大させるため、複数のBluetoothリーダを装備する。
【0072】
追跡管理システムは、顧客が(登録モジュールを用いて)自己のデバイスを登録することを可能にするウェブサーバおよびアプリケーションも動作させる。また、アプリケーションは、顧客が買い物リストを編集することを可能にする。買い物リストの編集が終了すると、顧客は、追跡システムをアクティベートし、商店に行く特定の時刻を設定する。
【0073】
また、顧客は、自己の携帯電話上でGPS追跡アプリケーションをアクティベートする。GPS追跡アプリケーションは、GPS座標をインターネット上のサーバへ送信する。また、顧客は、GPS座標が商店に近づいた場合、(マッシュアップモジュールを用いて)「エリア内」イベントを商店へ送信するようにサーバに命令する。
【0074】
商店に入ると、アクティベートされたユーザが検出され、システム全体を通じて追跡される。ユーザの位置情報は「商店誘導システム」に公開される。「商店誘導システム」は、ユーザを、そのユーザの買い物リスト上の商品まで導く。
【0075】
(2)見本市の場合
この場合、エンドユーザは、必要に応じてMACアドレスを変更可能な新しいタイプのMACを動作させるBluetoothまたはUWBシステムを装備する。この新しい機能は、ユーザのプライバシーを保護するために、将来のワイヤレス標準に含まれる可能性がある。見本市システムは、追跡管理ユニットおよび追跡局を提供する。これらはさらに、「ミーティング機能」を提供する。「ミーティング機能」においては、参加者が、見本市でのミーティングの予約を行い、道順を知ることができる。システムセットアップの一部として、エンドユーザは、自己のアイデンティティおよびデバイスを(選択されたアイデンティティに対する正しいMACとともに)追跡管理システムに登録し、その情報への「ミーティング機能」のアクセスを許可する。
【0076】
予約時刻が近づくと、「ミーティング機能」サービスが、追跡サービスに対して、より高いQoSで当該参加者を追跡するように伝える。そして、当該参加者をミーティングに案内する。
【0077】
重要な特徴は以下の通りである。
1)追跡局を制御し、どのデバイスをどの期間にスキャンするかを規定する追跡管理システムまたはユニット。また、追跡管理システムまたはユニットは、過去の観測結果および潜在的通路に関する知識を用いて、デバイスを追跡するのに要するスキャン回数を最小化する。
技術的改善:本発明の1つの主要な特徴は、追跡ゾーンの管理を許可し、それにより、ずっと多くのデバイスが追跡されることを可能にすることである。
【0078】
2)複数のアイデンティティおよび複数のデバイスの登録:
技術的改善:この特徴により、ユーザは、事前に自己のアイデンティティおよびデバイスを登録することができ、後のアクティベーションが容易になる。これは、ユーザのためにシステムを設計し、オプトインを許可するために必要なステップでもある。
【0079】
3)複数のアイデンティティ、情報取得を許可された複数のサービスの限定されたセット、追跡のために使用されるアイデンティティ、および他のオペレーションパラメータ(例えば、所望のQoS、時間スケジュール)によるアクティベーション:
技術的改善:実際のオプトインステップ。また、動作ポリシー(例えば、どのサービスに追跡情報を送信し、どのQoSを使用するか)を設定することが可能となる。両方とも、ユーザによる制御を向上させる。
【0080】
4)アクセスモジュール:APIを提供し、サービスのアクセスが、与えられたアクティベーションに一致することをチェックする。
技術的改善:アクセス機能およびアクセス制御、すなわち、アクティベーション中に設定されたポリシーをチェックする機能。
【0081】
本発明の実施形態の利点は以下の通りである。
・追跡管理システムまたはユニット:個別の追跡局のスケジューリングが可能である。これにより、追跡システムの容量および速度を向上させ、ユーザを「隠蔽」モードに保持し、エネルギー消費(モバイルデバイス上の)を低減し、追跡システムを用いたサービスの必要に応じてQoSを適応させることができる。
【0082】
・登録およびアクティベーションによるユーザオプトイン:複数のアイデンティティ、複数のデバイス、およびQoSパラメータを使用する追加的利益を有するオプトイン機能
【0083】
・他のサービスとのマッシュアップ
【0084】
・デバイスが非発見モードに留まることを可能にすること、およびオプトイン(追跡システムが「不可視/発見不可」モードで対象を追跡できる)によるプライバシー保護
【0085】
・速度:サポートされる技術の一部について、pingモードはディスカバリモードよりも高速なので、サービス品質を向上させることができる
【0086】
・従来の技術とともに使用可能:Bluetooth対応デバイスに対する変更は不要
【0087】
・追跡システムは、変動MACアドレスを有する将来のワイヤレス技術を利用可能である
【0088】
本発明は以下のように使用可能である。
・表示ソリューションの一部として。これにより、誰が近くにいるかがわかるディスプレイが得られる。
・対象を絞った広告のために:スーパーマーケット、商店街、駐車場用の屋内誘導システム
・監視システムのために:許可された人を検出し、「誤った」警告(フォールスアラーム)を防止する
・屋内誘導システムにおいて:顧客を店内の所望の場所に導く
・ヘルスケアおよびアンビエント情報化介護(Ambient Assisted Living, AAL)において:人々を追跡するために使用可能
・デジタルホームテクノロジーとの関連で:家庭でユーザを追跡する。例えば、マルチメディア追従アプリケーション(音楽が部屋から部屋へと追従する)
【0089】
上記の説明および添付図面の記載に基づいて、当業者は本発明の多くの変形例および他の実施形態に想到し得るであろう。したがって、本発明は、開示した具体的実施形態に限定されるものではなく、変形例および他の実施形態も、添付の特許請求の範囲内に含まれるものと解すべきである。本明細書では特定の用語を用いているが、それらは総称的・説明的意味でのみ用いられており、限定を目的としたものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスネットワークにおいてデバイスの位置を決定する追跡システムにおいて、該追跡システムは複数の追跡局を備え、各追跡局は少なくとも1つのデバイスとのワイヤレス通信に対応しており、
追跡局の追跡アクティビティを制御する管理ユニットを備えたことを特徴とする、追跡システム。
【請求項2】
追跡局が、デバイスをpingすることおよび/またはデバイスのオペレーションを呼び出すことに対応していることを特徴とする請求項1に記載の追跡システム。
【請求項3】
管理ユニットは、どのデバイスがどの追跡局によって、好ましくはどの時間間隔内に、pingされるべきかをスケジューリングすることに対応していることを特徴とする請求項1または2に記載の追跡システム。
【請求項4】
スケジューリングが、それぞれのデバイスの過去の観測結果および/または過去の観測結果の重要性、および/または必要な精度もしくはQoS(サービス品質)に基づくことを特徴とする請求項3に記載の追跡システム。
【請求項5】
スケジューリングが、それぞれのデバイスの潜在的通路に基づくことを特徴とする請求項3または4に記載の追跡システム。
【請求項6】
追跡局が、所定のデバイスを即時にpingするように、管理ユニットによって制御されることが可能であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項7】
管理ユニットが、デバイスおよび/またはアイデンティティおよび/またはアクセスポリシーを登録する登録モジュールを備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項8】
管理ユニットが、デバイスの追跡のアクティベーションおよび/または停止を行うアクティベーションモジュールを備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項9】
アクセスポリシーおよび/または優先度および/または所定のQoS(サービス品質)が、好ましくは追跡のアクティベーションの一部として決定可能であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項10】
管理ユニットが、サービスによる追跡情報へのアクセスを許可するアクセスモジュールを備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項11】
管理ユニットが、他のシステムまたはソースからイベントおよび/または情報を受信し、および/または他のシステムまたはソースと通信するマッシュアップモジュールを備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項12】
他のシステムまたはソースが、好ましくは、GPS方式の位置決定システム、携帯電話および/またはカレンダーを含むことを特徴とする請求項11に記載の追跡システム。
【請求項13】
マッシュアップモジュールが、アクセス制御を有するAPI(Application Programming Interface)を備えたことを特徴とする請求項11または12に記載の追跡システム。
【請求項14】
管理ユニットが、デバイスの移動パターンまたは潜在的通路を予測する学習モジュールを備えたことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項15】
管理ユニットが、追跡局と通信する通信モジュールを備えたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項16】
管理ユニットが、追跡局に統合されたことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項17】
各追跡局が、相異なる優先度および/またはタイミングでスケジューリングされた複数のスキャン待ち行列を有することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項18】
各追跡局が、複数の無線インタフェースおよび/または同一技術の複数のインタフェースをサポートすることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項19】
追跡システムが、表示システム、屋内誘導システムまたは監視システムの一部として実現されることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に記載の追跡システム。
【請求項20】
ワイヤレスネットワークにおいてデバイスの位置を追跡する方法において、該方法は、好ましくは請求項1ないし19のいずれか1項に記載の追跡システムとともに使用され、該追跡システムは複数の追跡局を備え、各追跡局は少なくとも1つのデバイスとのワイヤレス通信に対応しており、
管理ユニットによって、追跡局の追跡アクティビティを制御することを特徴とする、ワイヤレスネットワークにおいてデバイスの位置を追跡する方法。
【請求項21】
管理ユニットが、所定範囲内に入るデバイスを時々チェックしながら、特定のエリアで既に発見されているデバイスおよび/または精密なモニタリングを必要としているデバイスに対して高精度の測定を実行することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
デバイスの所定の、または予測可能な通路に沿った追跡局に対して、追跡対象のデバイスが、前記追跡局に到達する可能性のあるデバイスの待ち行列に追加されることを特徴とする請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
追跡は、デバイスが所定範囲内に入る可能性があるという情報を位置決定システムが提供しているときにのみ開始されることを特徴とする請求項20ないし22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
管理ユニットが、デバイスの1つ以上の追跡を実行するのに要する時間をスケジューリングすることを特徴とする請求項20ないし23のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−517126(P2012−517126A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546718(P2011−546718)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000601
【国際公開番号】WO2010/086188
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(508342183)エヌイーシー ヨーロッパ リミテッド (101)
【氏名又は名称原語表記】NEC EUROPE LTD.
【Fターム(参考)】