説明

逆走検知装置、および、逆走通知方法

【課題】車両が逆走していることを、高速かつ確実にユーザに通知する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
本発明の逆走検知装置は、車両に対して情報を配信する路側機から、当該情報の受信対象とされる車両の到来方向を示すデータを受信する通知処理部と、車両の現在位置および進行方向を特定する現在位置算出部と、路側機から受信したデータで特定される車両の到来方向と、現在位置算出部が特定した進行方向と、を比較して、車両が逆走しているか否かを検出する逆走判定部と、逆走を検出した場合には、検出した旨を通知する表示処理部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆送検知装置、および、逆走通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路などの一方通行道路において、高速道路の入口と出口をドライバーが誤認して、逆走してしまうといったことがしばしば発生している。
【0003】
このような一方通行道路の逆走を防止するために、例えば、特許文献1には、車両の前方を撮像した画像を用いて、車両の逆走状態を検出することについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−163777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、撮像した画像の特徴抽出を行って、高精度に車両の逆走状態を検出しようとすると、車両の逆走をユーザに通知するまでに時間がかかってしまう。特に、高速道路を走行する場合には、なるべく早く、そして、なるべく確実に、車両の逆走をユーザに通知することが望まれている。
【0006】
本発明は、車両が逆走していることを、従来の技術と比較して高速かつ確実に、ユーザに通知する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本願発明の逆走検知装置は、車両に対して情報を配信する路側機から、当該情報の受信対象とされる車両が前記路側機に近づいてくる到来方向(「提供方向」と呼ばれる)を示すデータを受信する受信手段と、車両の進行方向を特定する進行方向特定手段と、前記受信手段が受信したデータから特定される前記到来方向と、前記進行方向特定手段が特定した前記進行方向と、を比較して、車両が逆走しているか否かを検出する逆走検出手段と、逆走を検出した場合には、検出した旨を通知する通知手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】地図データの概略データ構造を示す図である。
【図3】演算処理部の機能ブロック図である。
【図4】受信データの概略データ構造を示す図である。
【図5】車両情報の概略データ構造を示す図である。
【図6】(A)道路の上り車線と下り車線に、それぞれ、別個の路側機が設置されている場合の概要図である。(B)道路上を車両が逆走している場合の概要図である。
【図7】第1の逆走検出処理を示すフロー図である。
【図8】通知画面を表示した場合の表示例を示す図である。
【図9】上り車線と下り車線に別個に設けられていない路側機が、道路に設置されている場合の概略図である。
【図10】第2の逆走検出処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(マイクロフォン41、スピーカ42)と、入力装置5(タッチパネル51、ダイヤルスイッチ52)と、車速センサ6と、ジャイロセンサ7と、GPS受信装置8と、DSRC装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、を備えている。なお、ナビゲーション装置100は、車両に載置されている車載用ナビゲーション装置としてもよいし、携帯電話やPDAなどの携帯端末としてもよい。
【0011】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1に接続するためのI/F(インタフェース)24と、を有する。そして、演算処理部1は、各デバイスをバス25で相互に接続した構成からなる。そして、後述する各機能部(101〜108)は、CPU21がRAM22などのメモリに読み出したプログラムを実行することで実現される。
【0012】
例えば、演算処理部1は、各種センサ(6、7)やGPS受信装置8から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィック展開し、そこに現在地を示すマーク(或いは、車両の位置を示す車両マーク)を重ねてディスプレイ2に表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データを用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置4のスピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0013】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどで構成される。
【0014】
記憶装置3は、CD−ROMやDVD−ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成される。この記憶媒体には、例えば、地図データ310、音声データ、動画データ、等が記憶されている。
【0015】
図2は、地図データ310の概略データ構造を示す図である。図示するように、地図データ310は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)311ごとに、そのメッシュ領域に含まれている道路を構成する各リンクのリンクデータ320を含んでいる。
【0016】
リンクデータ320は、リンクの識別コード(リンクID)321ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報322、リンクを含む道路の種別情報323、リンクの長さを示すリンク長情報324、リンク旅行時間325、2つのノードにそれぞれ接続するリンクの識別コード(接続リンクID)326、などを含んでいる。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理することができる。
【0017】
図1に戻り、音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、ユーザやその他の搭乗者から発された音声などの、ナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。スピーカ42は、演算処理部1で生成された音声信号を出力する。これらのマイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配置されている。
【0018】
入力装置5は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示せず)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0019】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面に貼られた透過性のある操作パネルである。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0020】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、ダイヤルスイッチ52の回転角度を求める。
【0021】
車速センサ6、ジャイロセンサ7、及び、GPS受信装置8は、車両(ナビゲーション装置100)の現在位置(自車位置)などを検出するために使用される。車速センサ6は、車速を算出するために用いる車速データを出力するセンサである。ジャイロセンサ7は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、車両の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置8は、GPS衛星からの信号を受信し、車両とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、車両の現在位置や進行速度を測定する。
【0022】
DSRC装置9は、道路に設置されている路側機と、DSRC(Dedicated Short Range Communication)による無線通信を行う。ここで、DSRCは、専用狭域通信と呼ばれ、通信可能な距離は短い(数メートル〜数百メートル)が、特定のエリア内において、路側機との高速な通信(4Mbps程度)を実現する。
【0023】
路側機は、情報の送信対象としている車両の通常の到来方向(車両が路側機に近づいてくる方向)を示す方位(以下では、「提供方位」とよぶ)を送信し、DSRC装置9は、この提供方位を受信する。具体的には、路側機が上り車線を走行している車両に向けて情報を送信している場合には、DSRC装置9は、下り方向を示す提供方位を受信する。また、路側機が下り車線を走行している車両に向けて情報を送信している場合には、DSRC装置9は、上り方向を示す提供方位を受信する。これにより、路側機から提供方位を受信した車両は、提供方位と自車両の進行方向を比較して、自車両が正しい進行方向を向いているか判断する。なお、提供方位とともに受信した他の情報により、自車両に向けて送信された情報か否か判定することができる。
【0024】
また、DSRC装置9は、路側機が送信対象としている車両が走行すべき車線の種別を示すデータを、受信する。具体的には、路側機が上り車線を走行している車両に向けて情報を送信している場合には、DSRC装置9は、「上り車線」を示す車線の種別を受信する。また、路側機が下り車線を走行している車両に向けて情報を送信している場合には、DSRC装置9は、「下り車線」を示す車線の種別を受信する。上記の提供方位、車線の種別以外にも、DSRC装置9は、路側機周辺の交通情報などを受信する。
【0025】
なお、DSRC装置9は、発振器を内蔵し、DSRC装置9と路側機とが相互に電波を発信するアクティブ方式の通信を行ってもよいし、発振器を内蔵しないパッシブ方式の通信を行ってもよい。また、電波に代えて、光を用いた方式などによって通信を行うようにしてもよい。
【0026】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などのFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0027】
ビーコン受信装置11は、ビーコンから送られてくる渋滞情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報などを受信する。
【0028】
図3は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、表示処理部103と、通信処理部104と、受信データ解析部105と、現在位置算出部106と、車両情報生成部107と、逆走判定部108と、を有する。
【0029】
主制御部101は、演算処理部1の各部を統括して制御する処理を行う。
【0030】
入力受付部102は、入力装置5に入力されたユーザからの要求を受け付け、その要求内容を解析する。入力受付部102は、解析結果に応じたデータを主制御部101に通知する。例えば、入力受付部102は、ナビゲーション装置100に、電源の供給、切断を指示する要求、等を受け付け、主制御部101に通知する。また、入力受付部102は、ナビゲーション装置100が有する各種機能の設定に関する入力データを受け付け、主制御部101に通知する。
【0031】
表示処理部103は、ディスプレイ2に、地図や、施設を示す施設アイコン、ユーザに通知する各種メッセージ(例えば、車両が逆走していることを通知するためのメッセージ)、等を表示させる。具体的には、表示処理部103は、ディスプレイ2に表示させるための描画コマンドを生成して通知する。なお、表示処理部103は、地図をディスプレイ2にに表示させる際には、表示が要求された領域(例えば、ナビゲーション装置100の現在位置付近の領域)にある地図データを記憶装置3から抽出し、指定された縮尺、描画方式で、道路、その他の地図構造物、現在位置、目的地、等を描画するように地図描画コマンドを生成する。また、表示処理部103は、ディスプレイ2に表示させた地図上に、車両の位置を示す車両マークや各種設定画面などを表示させる。
【0032】
通信処理部104は、DSRC装置9と、道路に設置されている路側機と、のDSRC方式の通信を制御する。具体的には、通信処理部104は、路側機からのダウンリンクで使用される周波数帯の電波をスキャンし、受信電波の電界強度が予め設定されている下限値以上である場合に、路側機の通信エリアに進入したものとして、路側機と通信を開始する。そして、通信処理部104は、路側機との通信を開始した後、路側機から送信された提供方位などのデータを受信する。データの受信後、通信処理部104は、路側機との通信を終了させる。なお、通信処理部104は、路側機との通信を開始後に認証処理を行い、特定のナビゲーション装置100のみが、路側機から送信された提供方位などのデータを受信できるようにしてもよい。
【0033】
受信データ解析部105は、通信処理部104が路側機から受信したデータを解析して、後述する逆走判定部108が車両の逆走を判定するために用いる特定のデータを抽出し、受信データ110として、RAM22などのメモリに蓄積する。具体的には、受信データ解析部105は、通信処理部104を介して路側機から受信したデータのうち、通信先の路側を識別する路側機識別情報111と、路側機が情報の送信対象としている車両の通常の到来方向を示す提供方位112と、路側機が送信対象としている車両が走行すべき車線の種別を示す車線種別113と、通信先の路側機周辺の渋滞情報などを含む交通情報114と、が受信データ110としてメモリに記憶する。
【0034】
図4は、受信データ110の概略データ構造を示す図である。図示するように、受信データ110は、通信先の路側機識別情報111ごとに、提供方位112と、車速種別113と、交通情報114と、が対応付けられている。
【0035】
ここで、路側機識別情報111は、例えば、路側機ごとに割り当てられている文字列(数字列)からなる。また、提供方位112は、例えば、「北」、「北西」といった方位を示す文字列や、「方位30度」、「方位60度」といった方位を示す情報からなる。また、車線種別113は、例えば、「上り車線」、「下り車線」、「第1の上り車線」、「第2の上り車線」、「分岐車線」といった、車線の種別を示す文字列からなる。また、交通情報114は、リアルタイムの渋滞情報や、過去の時間帯ごとの渋滞データ(統計データ)などからなる。
【0036】
図3に戻り、現在位置算出部106は、車両(ナビゲーション装置100)の現在位置を算出する。具体的には、現在位置算出部104は、車速センサ6で出力された車速データに基づいて算出した車両(ナビゲーション装置100)の進行速度、および、ジャイロセンサ7で検出した角速度データを各々積分した結果得られる距離データおよび角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から移動後(自車走行後)の位置(X’,Y’)を定期的に演算する。また、演算結果を用いて、マップマッチ処理することにより、形状の相関が最も高い道路(リンク)上に現在位置を合わせ込む。また、定期的にGPS受信装置8の出力データを用いて現在位置を修正する。なお、車両(ナビゲーション装置100)が停止しているときには、GPS受信装置8の出力データだけを用いて現在位置を求めてもよい。
【0037】
車両情報生成部107は、後述する逆走判定部108が車両の逆走を判定するために用いる車両に関する情報(車両情報120)を生成する。具体的には、車両情報生成部107は、現在位置算出部106が算出した、車両(ナビゲーション装置100)の現在位置121と、車両が位置(走行)している道路のリンクID321に対応する走行リンク122と、車両が走行(位置)している車線の種別を示す走行車線種別123と、車両の進行方向124と、を車両情報120として、RAM22などのメモリに記憶する。
【0038】
図5は、車両情報120の概略データ構造を示す図である。図示するように、車両情報120は、現在位置121と、走行リンク122と、走行車線種別123と、進行方向124と、が対応付けられている。
【0039】
ここで、現在位置121は、例えば、車両の現在位置を示す座標情報からなる。また、走行リンク122は、例えば、車両が位置している道路のリンクID321からなる。また、走行車両種別123は、例えば、「上り車線」、「下り車線」、「第1の上り車線」、「第2の上り車線」、「分岐車線」といった、車両が走行(位置)している車線の種別を示す文字列からなる。また、進行方向124は、例えば、「北」、「北西」といった方位を示す文字列や、「方位30度」、「方位60度」といった方位を示す情報からなる。
【0040】
図3に戻り、逆走判定部108は、車両が逆走しているか否かを判別する処理を行う。具体的には、逆走判定部108は、上り車線と下り車線にそれぞれ別個の路側機が設置されている場合には、受信データ110に含まれている提供方位112と、車両情報120に含まれている進行方向124と、を比較して、車両が逆走しているか否か判別する。例えば、逆走判定部108は、提供方位112が示す方位と、進行方向124の方向と、が一致する場合(又は、所定の許容範囲内にある場合)に、車両が逆走していると判定し、一致しない場合に、逆走していない(正常に走行している)と判定する。
【0041】
図6(A)は、道路の上り車線と下り車線に、それぞれ、別個の路側機(上り車線用の路側機200a、下り車線用の路側機200b)が設置されている場合の概要図である。図示するように、上り車線用の路側機200aは、上り車線を走行している車両に対して、上述したデータ(提供方位112など)を送信しており、下り車線用の路側機200bは、下り車線を走行している車両に対して、上述したデータ(提供方位112など)を送信している。すなわち、各路側機(200a、200b)が車両とDSRC方式による通信を行うための通信エリアは、車線(上り車線、下り車線)ごとに区別される。
【0042】
図示する例では、道路の延長方向が東西の方向であり、上り車線の上り方向が西方向、下り車線の下り方向が東方向であり、このとき、上り車線用の路側機200aは、通信エリアに進入してきた車両に向けて、「東」の提供方位112を送信し、下り車線用の路側機200bは、通信エリアに進入してきた車両に向けて、「西」の提供方位112を送信している。
【0043】
上り車線を走行している車両50aは、通信エリアに進入すると、上り車線用の路側機200aから送信されているデータ(提供方位112など)を受信し、受信した提供方位112と、進行方向124と、を比較して、車両の逆走を検出する。同様に、下り車線を走行している車両50bは、通信エリアに進入すると、下り車線用の路側機200bから送信されているデータ(提供方位112など)を受信し、受信した提供方位112と、進行方向124と、を比較して、車両の逆走を検出する。道路を正常に走行している場合には、各車両(50a、50b)は、それぞれ、各路側機(200a、200b)から受信した提供方位112と、進行方向124と、が一致しないため、車両の逆走をユーザに通知することはしない。
【0044】
図6(B)は、道路上を車両が逆走している場合の概要図である。図示するように、下り車線を、逆走している車両50b(逆走車)は、下り車線用の路側機200bから受信した提供方位112(「西」)と、進行方向124(「西」)と、が一致するため、車両の逆走をユーザに通知する。
【0045】
また、上り車線と下り車線にそれぞれ別個の路側機が設置されておらず、1つの路側機が、上り車線を走行している車両と下り車線を走行している車両の両方に対して、上述したデータ(提供方位112など)を送信する場合には、逆走判定部108が逆走を検出する処理は上記と異なる。その場合の検出処理については、後述する。
【0046】
また、逆走判定部108は、車両の逆走を検出した場合には、表示処理部103を介して、車両が逆走していることをユーザに通知するためのメッセージを、ディスプレイ2に表示する。これとともに、逆走判定部108は、車両が逆走していることをユーザに通知するための音声を、スピーカ42から出力するようにしてもよい。
【0047】
次に、上記構成からなるナビゲーション装置100の特徴的な動作について説明する。図7は、ナビゲーション装置100の演算処理部1が行う第1の逆走検出処理を示すフローチャートである。ここで、第1の逆走検出処理とは、上り車線と下り車線にそれぞれ別個の路側機が設置されている場合において、演算処理部1が車両の逆走を検出する処理をいう。
【0048】
演算処理部1の主制御部101は、通信処理部104が路側機との通信を開始するまで待機し(ステップS101;No)、通信処理部104が路側機との通信を開始した場合に(ステップS101;Yes)、第1の逆走検出処理を開始する。具体的には、通信処理部104が、路側機からの受信電波の電界強度が、予め設定されている下限値以上であると判定した場合に、路側機との通信を開始し、このとき、主制御部101は、第1の逆走検出処理を開始する。
【0049】
第1の逆走検出処理を開始後、通信処理部104は、ステップS101で通信を開始した通信先の路側機から送信されているデータを受信する(ステップS102)。具体的には、通信処理部104は、路側機から送信されている路側機識別情報111と、提供方位112と、車線種別113と、交通情報114と、を受信する。ここで、通信先の路側機が、上り車線用の路側機200aの場合には、上り車線を走行する車両の通常の到来方向(下り方向)を示す提供方位112を受信する。一方、通信先の路側機が、下り車線用の路側機200bの場合には、下り車線を走行する車両の通常の到来方向(上り方向)を示す提供方位112を受信する。なお、車線種別113及び交通情報114については、ステップS102において、路側機から送信されていなくてもよい。また、通信処理部104は、上記の各データ(111〜114)以外のデータを、受信してもよい。
【0050】
そして、受信データ解析部105は、ステップS102で通信処理部104が受信したデータ(少なくとも提供方位112を含む)を解析し、受信データ110としてメモリに記憶する(ステップS103)。具体的には、受信データ解析部105は、通信処理部104を介して路側機から受信したデータのうち、路側機識別情報111と、提供方位112と、車線種別113と、交通情報114と、を抽出し、各データ(111〜114)を対応付けた受信データ110を生成する。そして、受信データ解析部105は、生成した受信データ110を、RAM22などのメモリに記憶する。
【0051】
次に、現在位置算出部106と車両情報生成部107は、協働して、車両の進行方向を特定する(ステップS104)。具体的には、まず、現在位置算出部106が、車両の現在位置121を算出する。さらに、現在位置算出部106は、連続して算出した車両の位置から、車両の進行方向124を算出する。ここで、例えば、連続して算出した車両の位置が、移動前の位置(X,Y)と、移動後の位置(X’,Y’)である場合、現在位置算出部106は、車両の進行方向として、(X’−X,Y’−Y)を求める。なお、移動前の位置(X,Y)および移動後の位置(X’,Y’)は、ともに緯度経度に対応する絶対座標であるため、(X’−X,Y’−Y)を求めることは、車両の進行方向の方位を求めることに相当する。また、現在位置算出部106は、ジャイロセンサ7の出力値から求められる車両方位を、車両の進行方向として特定してもよい。
【0052】
そして、現在位置算出部106は、先に算出した現在位置121と、進行方向124を用いて、マップマッチ処理することにより、形状の相関が最も高い道路(リンク)を特定する。このとき、車両情報生成部107は、現在位置算出部106が特定した道路(リンク)に対応するリンクID321をリンクデータ320から抽出し、抽出したリンクID321を、車両が走行している道路のリンク(走行リンク122)として生成する。さらに、現在位置算出部106は、現在位置121を用いて、車両が走行している車線の種別(上り車線、下り車線、など)を特定する(走行車線種別123を特定する)。
【0053】
そして、車両情報生成部107は、現在位置算出部106が算出した車両の現在位置121および進行方向124と、車両情報生成部107が生成した走行リンク122と、現在位置算出部106が特定した走行車線種別123と、を対応付けた車両情報120を生成して、メモリに記憶する。
【0054】
続いて、逆走判定部108は、受信データ110に含まれている提供方位122と、車両情報120に含まれている進行方向124と、を比較して、車両が逆走しているか否か判別する(ステップS105)。具体的には、逆走判定部108は、提供方位112が示す方位と、進行方向124の方向と、が一致する場合には(ステップS105;一致)、車両が逆走していると判定し、処理をステップS106に移行する。一方、提供方位112が示す方位と、進行方向124の方向と、が不一致の場合には(ステップS105;不一致)、車両は逆走していないと判定し、第1の逆走検出処理を終了する。
【0055】
ステップS106に処理が移行すると、逆走判定部108は、車両が逆走していることをユーザに通知する処理を行う(ステップS106)。具体的には、逆走判定部108は、車両が逆走していることをユーザに通知するためのメッセージが含まれる通知画面800を生成し、生成した通知画面800をディスプレイ2に表示する。
【0056】
図8は、ディスプレイ2に通知画面800を表示した場合の表示例を示す図である。図示するように、通知画面800には、例えば、「道路を逆走しています!!至急、確認してください!!」といったメッセージが含まれている。
【0057】
また、逆走判定部108は、メッセージをディスプレイ2に表示するとともに、スピーカ42から、所定の音声(例えば、アラーム音)を出力する。
【0058】
ステップS106の処理を終了後、逆走判定部108は、第1の逆走検出処理を終了する。
【0059】
以上のように、車両内に設置されているナビゲーション装置100から、車両の逆走を通知することにより、ユーザは、車両の逆走を、確実に知ることができる。
【0060】
次に、上り車線と下り車線にそれぞれ別個の路側機が設置されていない場合(1つの路側機が、上り車線を走行している車両、或いは、下り車線を走行している車両に向けて、提供方位112、車線種別113などを送信している場合)における、ナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0061】
図9は、上り車線と下り車線に別個に設けられていない路側機(共用の路側機200c)が、道路に設置されている場合の概略図である。共用の路側機200cは、上り車線用の路側機200aや下り車線用の路側機200bと同様に、送信対象としている車両に向けて、上述したデータ(提供方位112、車線種別113など)を送信している。例えば、共用の路側機200cは、上り車線を走行している車両50aを送信対象として、上述したデータを送信する。また、共用の路側機200cは、下り車線を走行している車両50bを送信対象として、上述したデータを送信してもよい。ただし、図示するように、1つの共用の路側機200cが車両とDSRC方式による通信を行うための通信エリアは、上り車線と下り車線にまたがっているため、送信対象ではない車両(反対車線を走行している車両)も、上述したデータを受信することになる。
【0062】
図示する例では、道路の延長方向が東西の方向であり、上り車線の上り方向が西方向、下り車線の下り方向が東方向であり、このとき、共用の路側機200cは、通信エリアに進入してきた車両に向けて、例えば、上り車線を走行する車両の通常の到来方向(下り方向)に対応する「東」の提供方位112を送信している。これとともに、共用の路側機200cは、送信対象としている車両が走行すべき車線の種別に対応する「上り車線」といった車線種別113も、通信エリアに進入してきた車両に向けて送信している。なお、図示する例において、共用の路側機200cは、通信エリアに進入してきた車両に向けて、下り車線を走行する車両の通常の到来方向(上り方向)に対応する「西」の提供方位112を送信する場合には、これとともに、「下り車線」といった車線種別113を送信する。
【0063】
通信エリアに進入した車両(50a、50b)は、共用の路側機200cから送信されているデータ(提供方位112、車線種別113など)を受信し、受信した提供方位112と進行方向124との比較、及び、受信した車線種別113と走行車線種別123との比較、を行って車両の逆走を検出する。
【0064】
ここで、図示する例で、共用の路側機200cから「東」を示す提供方位112と、「上り車線」を示す車線種別113が送信されている場合、進行方向124が「西」であり、走行車線種別123が「上り車線」である車両50aは、正常に走行していると検出される。また、進行方向124が「東」であり、走行車線種別123が「上り車線」である車両50aは、逆走車と検出される。また、進行方向124が「東」であり、走行車線種別123が「下り車線」である車両50bは、正常に走行していると検出される。また、進行方向124が「西」であり、走行車線種別123が「下り車線」である車両50bは、逆走車と検出される。
【0065】
すなわち、2種類のデータとも一致する場合、或いは、2種類のデータとも一致しない場合には、その車両(50a、50b)は逆走車と検出され、2種類のデータのうち一方が一致し、他方が不一致の場合には、その車両(50a、50b)は正常に走行していると検出されることになる。
【0066】
図10は、ナビゲーション装置100の演算処理部1が行う第2の逆走検出処理を示すフローチャートである。ここで、第2の逆走検出処理とは、上り車線と下り車線に別個に設けられていない路側機(共用の路側機200c)が、送信対象の車両に向けて情報を発信している場合において、演算処理部1が車両の逆走を検出する処理をいう。
【0067】
第1の逆走検出処理と同様に、演算処理部1の主制御部101は、通信処理部104が路側機との通信を開始するまで待機し(ステップS201;No)、通信処理部104が路側機との通信を開始した場合に(ステップS201;Yes)、第2の逆走検出処理を開始する。
【0068】
第2の逆走検出処理を開始後、通信処理部104は、ステップS201で通信を開始した通信先の路側機200cから送信されているデータを受信する(ステップS202)。具体的には、第1の逆走検出処理と同様に、通信処理部104は、路側機200cから送信されている路側機識別情報111と、提供方位112と、車線種別113と、交通情報114と、を受信する。ここで、通信先の路側機200cからは、送信対象としている車両の通常の到来方向を示す提供方位112と、送信対象の車両が走行すべき車線の種別を示す車線種別113と、を受信する。
【0069】
そして、受信データ解析部105は、第1の逆走検出処理と同様に、ステップS202で通信処理部104が受信したデータ(少なくとも提供方位112および車線種別113を含む)を解析し、受信データ110としてメモリに記憶する(ステップS203)。
【0070】
次に、現在位置算出部106と車両情報生成部107は、協働して、第1の逆走検出処理と同様に、車両の進行方向124、及び、さらに、走行車線種別123を特定する(ステップS204、ステップS205)。また、このとき、車両情報生成部107は、第1の逆走検出処理と同様に、車両情報120を生成して、メモリに記憶する。
【0071】
続いて、逆走判定部108は、受信データ110に含まれている提供方位122と、車両情報120に含まれている進行方向124と、を比較する(ステップS206)。具体的には、逆走判定部108は、提供方位112が示す方位と、進行方向124の方向と、が一致する場合には(ステップS206;一致)、処理をステップS208に移行する。一方、提供方位112が示す方位と、進行方向124の方向と、が不一致の場合には(ステップS206;不一致)、処理をステップS207に移行する。
【0072】
処理がステップS207に移行すると、逆走判定部108は、受信データ110に含まれている車線種別113と、車両情報120に含まれている走行車線種別123と、を比較する(ステップS207)。具体的には、逆走判定部108は、車線種別113と、走行車線種別123と、が一致する場合には(ステップS207;一致)、車両は逆走していないと判定し、第2の逆走検出処理を終了する。一方、車線種別113と、走行車線種別123と、が不一致の場合には(ステップS207;不一致)、車両が逆走していると判定し、処理をステップS209に移行する。
【0073】
また、処理がステップS208に移行すると、逆走判定部108は、受信データ110に含まれている車線種別113と、車両情報120に含まれている走行車線種別123と、を比較する(ステップS208)。具体的には、逆走判定部108は、車線種別113と、走行車線種別123と、が一致する場合には(ステップS208;一致)、車両は逆走していると判定し、処理をステップS209に移行する。一方、車線種別113と、走行車線種別123と、が不一致の場合には(ステップS208;不一致)、車両が逆走していないと判定し、第2の逆走検出処理を終了する。
【0074】
ステップS209に処理が移行すると、逆走判定部108は、第1の逆走検出処理と同様に、車両が逆走していることをユーザに通知する処理を行う(ステップS209)。
【0075】
ステップS209の処理を終了後、逆走判定部108は、第2の逆走検出処理を終了する。
【0076】
以上のように、上り車線と下り車線に別個に路側機が設けられていない場合であっても、車両内のナビゲーション装置100から、車両の逆走を通知することができる。
【0077】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0078】
例えば、上記実施形態では、通信処理部104は、路側機(200a〜c)から提供方位112そのものを受信している。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、通信処理部104は、提供方位112に代わるデータを受信し、受信データ解析部105が、受信したデータを用いて、提供方位112を推定するようにしてもよい。具体的には、通信処理部104は、提供方位112に代えて、道路上において位置的に連続して設置されている路側機から、各路側機の位置を示す座標情報を受信し、受信データ解析部105が、連続して受信した座標情報の差分を求めて得られる方位を、提供方位112として特定してもよい。
【0079】
また、提供方位112に代わるデータを受信して、提供方位112を推定する場合には、本発明は、DSRC方式以外の通信によっても、車両の逆走を検出することができるようになる。例えば、路側機(200a〜c)とDSRC方式の通信を行うDSRC装置9の代わりに、FM多重放送受信装置10やビーコン受信装置11から、各装置(10、11)の位置を示す座標情報を受信すれば、受信データ解析部105は、受信した座標情報を用いて、提供方位112を求めることができる。
【0080】
従って、本発明は、ナビゲーション装置100と路側機との間での無線通信の方式を、DSRC方式に限定するものではない。
【0081】
また、上記実施形態では、第2の逆走検出処理において、提供方位112と車両の進行方向124とを比較(ステップS206)した後に、車線種別113と走行車線種別123とを比較(ステップS207、ステップS208)して、車両の逆走を検出している。しかし、本発明は、処理の順序をこの順序に限定しない。例えば、逆走判定部108は、車線種別113と走行車線種別123とを比較した後に、提供方位112と車線の進行方向124とを比較して、車両の逆走を検出するようにしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態において、第1の逆走検出処理と第2の逆走検出処理のどちらの処理によって車両の逆走を検出するかについて、ナビゲーション装置100が切り替え可能なようにしてもよい。この場合、例えば、上述した上り車線用の路側機200aおよび下り車線用の路側機200bは、共用の路側機200cと区別可能な識別子を含む路側機識別情報111を、送信対象の車両に送信すればよい。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は、受信した路側機識別情報111に含まれている識別子に応じて、第1の逆走検出処理と第2の逆走検出処理のどちらの処理によって車両の逆走を検出するかを決定する。具体的には、記憶装置3に、路側機識別情報111に含まれる識別子と、第1の逆走検出処理又は第2の逆走検出処理と、を対応付けているテーブルを予め記憶しておき、主制御部101は、路側機から受信した路側機識別情報111に含まれる識別子に対応する逆走検出処理を、当該テーブルを参照して特定する。これによって、ナビゲーション装置100は、路側機の種類に応じて、車両の逆走を検出するための処理(第1の逆走検出処理、或いは、第2の逆走検出処理)を、切り替えることができるようになる。
【0083】
また、ナビゲーション装置100は、車両の現在位置に応じて、車両の逆走を検出するための処理(第1の逆走検出処理、或いは、第2の逆走検出処理)を、切り替えるようにしてもよい。この場合には、例えば、記憶装置3に、車両の現在位置を分類するデータ(領域、リンク、など)と、第1の逆走検出処理又は第2の逆走検出処理と、を対応付けているテーブルを予め記憶しておき、主制御部101は、車両の現在位置に対応する逆走検出処理を、当該テーブルを参照して特定すればよい。
【符号の説明】
【0084】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声入出力装置、5・・・入力装置、6・・・車速センサ、7・・・ジャイロセンサ、8・・・GPS受信装置、9・・・DSRC装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・車載ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・表示処理部、104・・・通信処理部、105・・・受信データ解析部、106・・・現在位置算出部、107・・・車両情報生成部、108・・・逆走判定部、110・・・受信データ、111・・・路側機識別情報、112・・・提供方位、113・・・車線種別、114・・・交通情報、120・・・車両情報、121・・・現在位置、122・・・走行リンク、123・・・走行車線種別、124・・・進行方向、200a・・・上り車線用の路側機、200b・・・下り車線用の路側機、200c・・・共用の路側機、800・・・通知画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆走検知装置であって、
車両に対して情報を配信する路側機から、当該情報の受信対象とされる車両が前記路側機に近づいてくる到来方向を示すデータを受信する受信手段と、
車両の進行方向を特定する進行方向特定手段と、
前記受信手段が受信したデータから特定される前記到来方向と、前記進行方向特定手段が特定した前記進行方向と、を比較して、車両が逆走しているか否かを検出する逆走検出手段と、
逆走を検出した場合には、検出した旨を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする逆走検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の逆走検知装置であって、
前記逆走検出手段は、
前記受信手段が受信したデータから特定される前記到来方向と、前記進行方向特定手段が特定した前記進行方向と、が一致する場合に、車両が逆走していると検出する、
ことを特徴とする逆走検知装置。
【請求項3】
逆走検知装置であって、
車両に対して情報を配信する路側機から、当該情報の受信対象とされる車両が前記路側機に近づいてくる到来方向を示すデータとともに、当該車両の走行車線の種別を示すデータを受信する受信手段と、
車両の進行方向を特定する進行方向特定手段と、
車両の現在位置を算出して、当該車両が走行している走行車線の種別を特定する車線種別特定手段と、
前記受信手段が受信したデータから特定される前記到来方向と、前記進行方向特定手段が特定した前記進行方向と、を比較し、かつ、前記受信手段が受信した走行車線の種別と、前記車線種別特定手段が特定した走行車線の種別と、を比較して、車両が逆走しているか否かを検出する逆走検出手段と、
逆走を検出した場合には、検出した旨を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする逆走検知装置。
【請求項4】
請求項3に記載の逆走検知装置であって、
前記逆走検出手段は、
前記受信手段が受信した走行車線の種別と、前記車線種別特定手段が特定した走行車線の種別と、が不一致の場合には、
前記受信手段が受信したデータから特定される前記到来方向と、前記進行方向特定手段が特定した前記進行方向と、が一致する場合でも、車両は逆走していないと検出する、
ことを特徴とする逆走検知装置。
【請求項5】
請求項3に記載の逆走検知装置であって、
前記逆走検出手段は、
前記受信手段が受信したデータから特定される前記到来方向と、前記進行方向特定手段が特定した前記進行方向と、が一致し、かつ、前記受信手段が受信した走行車線の種別と、前記車線種別特定手段が特定した走行車線の種別と、が一致する場合、
又は、
前記受信手段が受信したデータから特定される前記到来方向と、前記進行方向特定手段が特定した前記進行方向と、が不一致で、かつ、前記受信手段が受信した走行車線の種別と、前記車線種別特定手段が特定した走行車線の種別と、が不一致の場合、
に車両が逆走していると検出する、
ことを特徴とする逆走検知装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか1項に記載の逆走検知装置であって、
前記走行車線の種別は、上り車線、下り車線、を示す、
ことを特徴とする逆走検知装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の逆走検知装置であって、
前記受信手段は、専用狭域通信によって前記路側機から前記データを受信する、
ことを特徴とする逆走検知装置。
【請求項8】
逆走検知装置における逆走通知方法であって、
前記逆走検知装置は、車両に対して情報を配信する路側機と通信を行う通信手段と、制御手段と、を備え、
前記通信手段が、
前記路側機から、前記情報の受信対象とされる車両が前記路側機に近づいてくる到来方向を示すデータを受信する受信ステップ、を行い、
前記制御手段が、
車両の進行方向を特定する進行方向特定ステップと、
前記受信ステップで受信したデータから特定される前記到来方向と、前記進行方向特定ステップが特定した前記進行方向と、を比較して、車両が逆走しているか否かを検出する逆走検出ステップと、
逆走を検出した場合には、検出した旨を通知する通知ステップと、
を行うことを特徴とする逆走通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−277127(P2010−277127A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126127(P2009−126127)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】