説明

通信システムを構築する基地局装置および移動局装置、その移動局装置と基地局装置との通信方法、その方法をコンピュータに実現させるプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体

【課題】複数の各車両において検出された情報を、送信先の車両からの要求があったか否かに関わらず、かつ送信先の車両を予め登録することなく複数の車両に送信する。
【解決手段】ECUは、車両100から危険地点データを受信すると(S2102にてYES)、危険地点の道路交通情報や天候情報などの付加データを危険地点データに加えて編集データを生成するステップ(S2104)と、編集データを蓄積するステップ(2106)と、蓄積された編集データを加工した統合データを生成するステップ(S2108)と、統合データを記憶するステップ(S2110)と、コネクタに接続されている車両に統合データを充電ケーブルを介して送信するステップ(S2112)と、を含むプログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置と移動局装置との通信技術に関し、特に、基地局装置と複数の車両にそれぞれ搭載される移動局装置との通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
移動車両に搭載された移動局装置からの情報を受信して、基地局装置が走行中の車両の位置や状況を管理するAVM(Automatic Vehicle Monitoring)システムが、運送業界などに幅広く利用されるようになってきている。GPS(Global Positioning System )を利用したAVMシステムにおいては、移動局装置の位置情報や時刻情報が基地局装置に自動的に送信され、基地局装置の表示画面などに自動的に表示される。たとえば、特開2000−331294号公報(特許文献1)は、GPSにより移動局装置の情報をリアルタイムで収集し、基地局装置で収集した情報を記憶する情報収集システムを開示する。
【0003】
特許文献1に開示された情報収集システムは、多数の移動車両に設置され、GPSデータを基地局に送信する移動局装置と、多数の移動局装置よりのGPSデータに基づいて移動車両の運行制御を行なう基地局装置とで構成される。移動局装置は、複数の航法衛星よりの電波信号を受信し緯度や経度などのGPSデータを出力するGPS受信機と、GPS受信機よりのGPSデータを入力する手段と、車両のID(Identification)を記憶している車両IDメモリと、基地局よりの呼び出しに対応して、GPSデータ、車両の運行データなどを基地局装置に送信する通信手段と、車両の運行状態を入力するデータ入力部と、入力されたデータに基づいて該当するデータを生成するデータ生成部と、各種データを記憶するデータファイル部と、基地局装置との音声通話の入出力手段と、GPSデータと基地局装置より受信した地図データとを照合して表示部に現在位置などを表示する表示部とを含む。基地局装置は、移動局装置と通信接続する通信手段と、多数の移動局装置と巡回的かつ定時的に通信接続するポーリング制御部と、移動局装置へ送信するデータを入力するデータ入力部と、移動局装置より受信した車両データ、地図データ、車両運行データなどを記憶するマスタデータ部と、移動局装置より受信したデータや予め記憶しているデータなどに基づいて所定のデータを生成するデータ生成部と、記憶している移動局装置との音声通話の入出力手段とを含む。
【0004】
この公報に開示された情報収集システムによると、移動局装置は、GPSデータと基地局装置より受信した地図データとを照合して表示手段に現在位置などを表示するとともに、GPSデータ、車両の運行データなどを基地局装置に送信する。基地局装置は、これら受信したデータ類をマスタデータ部に記憶する。これにより、移動局の情報をリアルタイムで収集し、かつ基地局装置では収集した情報を時系列に記憶することができる。
【特許文献1】特開2000−331294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、移動局装置が搭載される車両の走行に関する情報は、移動局装置および基地局装置を所有する会社内の車両以外の車両にも有効に利用できる情報が存在する。たとえば、その会社内の車両の運転者が危険を感じた位置や時刻などの情報は、一般車両がその場所を走行する場合においても有効に利用できる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された情報収集システムにおいては、基地局装置と多数の移動局装置との通信において、巡回的かつ定時的に通信接続するポーリング制御を行なっており、基地局装置において予め登録されたIDの車両でないと基地局装置との通信ができない。そのため、基地局装置で収集した情報を、一般車両が利用することができない。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、基地局装置と複数の車両にそれぞれ搭載される移動局装置との間における通信システムを構築する基地局装置および移動局装置であって、複数の各車両において検出された情報を、送信先の車両からの要求があったか否かに関わらず、かつ送信先の車両を予め登録することなく、基地局装置から移動局装置に送信することができる通信システムを構築する基地局装置および移動局装置、その移動局装置と基地局装置との通信方法、その方法をコンピュータに実現させるプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る基地局装置は、複数の車両にそれぞれ搭載される移動局装置との間における通信システムを構築する。各車両には、ナビゲーション装置と、車両外部の電力供給装置に接続された電力線を経由して供給された電力を蓄電する蓄電機構とが搭載される。移動局装置は、車両が予め定められた条件を満たして走行した時の位置および時刻を含む走行データを検出し、電力線が接続されたことに対応して走行データを基地局装置に送信するとともに、電力線が接続されたことに対応して基地局装置から統合データを受信して統合データを車両の運転者に報知する。基地局装置は、電力線が接続されたことに対応して、電力線が接続された車両の移動局装置から、電力線を経由して走行データを受信するための手段と、複数の車両の移動局装置から受信した走行データを統合した統合データを生成するための生成手段と、電力線が接続されたことに対応して、電力線が接続された車両の移動局装置に、電力線を経由して統合データを送信するための送信手段とを含む。第11の発明に係る基地局装置における通信方法は、第1の発明に係る基地局装置と同様の要件を備える。
【0009】
第1または11の発明によると、移動局装置が搭載される車両が予め定められた条件(たとえば、車両の運転者が危険であると感じたという条件)を満たして走行した時の位置および時刻を含む走行データが移動局装置で検出される。その後、蓄電機構の充電時に電力線が車両に接続されると、基地局装置は、電力線が接続された車両の移動局装置から、電力線を経由して走行データを受信する。基地局装置は、電力線が接続されたすべての車両の走行データを受信する。そのため、基地局装置は、予め登録されていない不特定の複数の車両において検出された走行データを受信することができる。基地局装置は、複数の走行データを統合した統合データ(たとえば複数の走行データが統計処理されたデータ)を生成する。この統合データは、電力線が接続されたことに対応して、電力線を経由して移動局装置に送信される。すなわち、統合データは、蓄電機構の充電時に電力線が接続されたすべての車両に送信される。そのため、基地局装置は、複数の車両の走行データを統合した統合データを、送信先の車両からの要求の有無に関わらず、予め登録されていない不特定の車両に送信することができる。その結果、複数の車両において検出された情報を、送信先の車両からの要求があったか否かに関わらず、かつ送信先の車両を予め登録することなく送信することができる基地局装置を提供することができる。
【0010】
第2の発明に係る基地局装置は、第1の発明の構成に加えて、電力線が移動局装置に接続されたか否かを判断するための手段をさらに含む。送信手段は、電力線が移動局装置に接続されたと判断されたときに、統合データを送信するための手段を含む。第12の発明に係る基地局装置における通信方法は、第2の発明に係る基地局装置と同様の要件を備える。
【0011】
第2または12の発明によると、蓄電機構の充電時に電力線が車両に接続されたときに、統合データが送信される。そのため、基地局装置は、電力線が接続された車両からの統合データの送信要求の有無に関わらず、蓄電機構の充電時に自動的に統合データを送信することができる。
【0012】
第3の発明に係る基地局装置は、第1または2の発明の構成に加えて、走行データに含まれる位置および時刻における交通情報および天候情報の少なくともいずれかである付加データを、走行データごとに生成するための手段をさらに含む。生成手段は、付加データを加えて統合データを生成するための手段を含む。第13の発明に係る基地局装置における通信方法は、第3の発明に係る基地局装置と同様の要件を備える。
【0013】
第3または13の発明によると、基地局装置において、走行データ検出時の交通情報や天候情報である付加データが統合データに加えられる。そのため、統合データを受信した車両においては、走行データに含まれる位置および時刻とともに、走行データ検出時の交通情報や天候情報を合わせて報知することができる。さらに、現在の交通情報や天候情報を取得できる車両においては、たとえば、走行データ検出時の交通情報や天候情報と現在の交通状況や天候状況とが一致したときに、統合データを報知することができる。
【0014】
第4の発明に係る基地局装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、予め定められた条件は、車両の運転者が危険であると感じたという条件である。統合データは、複数の車両の運転者が危険であると感じた時の位置を統計処理した情報を含む。第14の発明に係る基地局装置における通信方法は、第4の発明に係る基地局装置と同様の要件を備える。
【0015】
第4または14の発明によると、車両の運転者が危険であると感じて走行した時の位置および時刻を、統計処理した情報を含む統合データが生成される。たとえば、複数の車両の運転者が危険を感じた位置および時刻が格付けされた情報が生成される。これにより、車両の運転者は、統合データに含まれる複数の走行データについて、それぞれの危険度合を把握することができる。
【0016】
第5の発明に係る移動局装置は、複数の車両にそれぞれ搭載され、基地局装置との間における通信システムを構築する。各車両には、ナビゲーション装置と、車両外部の電力供給装置に接続された電力線を経由して供給された電力を蓄電する蓄電機構とが搭載される。基地局装置は、電力線が接続されたことに対応して移動局装置から走行データを受信し、複数の車両の移動局装置から受信した走行データを統合した統合データを生成して電力線が接続されたことに対応して移動局装置に送信する。移動局装置は、車両の走行状態を検出するための手段と、車両の運転者の生理的な状態を検出するための手段と、車両の走行状態および運転者の生理的な状態の少なくともいずれかに基づいて、運転者が危険であると感じたか否かを判断するための判断手段と、運転者が危険であると感じた時の車両の位置および時刻を含む走行データを検出するための手段と、電力線が接続されたことに対応して、基地局装置に、電力線を経由して走行データを送信するための手段と、電力線が接続されたことに対応して、基地局装置から、電力線を経由して統合データを受信するための手段と、統合データを車両の運転者に報知するための手段とを含む。第15の発明に係る移動局装置における通信方法は、第5の発明に係る移動局装置と同様の要件を備える。
【0017】
第5または15の発明によると、車両の走行状態(たとえば車両の速度や加速度など)および車両の運転者の生理的な状態(たとえば、心拍数、脈拍、血圧など)の少なくともいずれかに基づいて、運転者が危険であると感じたか否かが移動局装置で判断される。これにより、運転者が危険と感じたか否かを、運転者自らが判断するのではなく移動局装置により判断することができる。移動局装置は、運転者が危険であると感じた時の車両の位置および時刻を含む走行データを検出する。その後、蓄電機構の充電時に電力線が車両に接続されると、移動局装置は、基地局装置に電力線を経由して走行データを送信する。さらに、移動局装置は、電力線が接続されたことに対応して、複数の車両の走行データを統合した統合データを基地局装置から電力線を経由して受信する。すなわち、統合データは、蓄電機構の充電時に電力線が接続されたすべての車両に受信される。そのため、移動局装置は、統合データの送信を基地局装置へ要求することなく、自らの車両を基地局装置に予め登録することなく、基地局装置から統合データを受信することができる。その結果、基地局装置へ送信を要求することなく、搭載される車両を基地局装置に予め登録することなく、複数の各車両において検出された情報を受信することができる移動局装置を提供することができる。
【0018】
第6の発明に係る移動局装置においては、第5の発明の構成に加えて、判断手段は、車両の走行状態の変化量が予め定められた第1のしきい値より大きい場合および運転者の生理的な状態の変化量が予め定められた第2のしきい値より大きい場合の少なくともいずれかの場合に、運転者が危険であると感じたと判断するための手段を含む。第16の発明に係る移動局装置における通信方法は、第6の発明に係る移動局装置と同様の要件を備える。
【0019】
第6または16の発明によると、たとえば、車両の走行状態の変化量(たとえば車両の速度の変化量)が予め定められた第1のしきい値より大きい場合、および運転者の生理的な状態の変化量(たとえば運転者の心拍数の変化量)が予め定められた第2のしきい値より大きい場合の少なくともいずれかの場合に、運転者が危険であると感じたと判断される。そのため、たとえば、第1のしきい値および第2のしきい値を各運転者に応じて設定することにより、各運転者が危険と感じたか否かをより精度よく判断することができる。
【0020】
第7の発明に係る移動局装置においては、第6の発明の構成に加えて、第1のしきい値は、自車以外の物体との衝突を運転者が回避するときの車両の走行状態の変化量に基づいて定められる。第2のしきい値は、自車以外の物体との衝突を運転者が回避するときの運転者の生理的な状態の変化量に基づいて定められる。第17の発明に係る移動局装置における通信方法は、第7の発明に係る移動局装置と同様の要件を備える。
【0021】
第7または17の発明によると、自車以外の物体との衝突を運転者が回避するときの車両の位置および時刻を、走行データとして検出することができる。
【0022】
第8の発明に係る基地局装置は、複数の車両にそれぞれ搭載される移動局装置との間における通信システムを構築する。各車両には、ナビゲーション装置と、車両外部の電力供給装置に接続された電力線を経由して供給された電力を蓄電する蓄電機構とが搭載される。移動局装置は、時刻毎の車両の走行状態と時刻毎の車両の運転者の生理的な状態と時刻毎の車両の位置とを含むデータを検出し、電力線が接続されたことに対応してデータを基地局装置に送信するとともに電力線が接続されたことに対応して基地局装置から統合データを受信して、統合データを車両の運転者に報知する。基地局装置は、電力線が接続されたことに対応して、電力線が接続された車両の移動局装置から、電力線を経由してデータを受信するための手段と、データに含まれる車両の走行状態および運転者の生理的な状態に基づいて、車両が予め定められた条件を満たして走行したか否かを判断するための判断手段と、データに含まれる車両の位置および判断手段の判断結果に基づいて、車両が予め定められた条件を満たして走行した時の車両の位置および時刻を含む走行データを検出するための手段と、複数の車両の移動局装置から受信したデータに基づいて検出された複数の走行データを統合した統合データを生成するための手段と、電力線が接続されたことに対応して、電力線が接続された車両の移動局装置に、電力線を経由して統合データを送信するための手段とを含む。第18の発明に係る基地局装置における通信方法は、第8の発明に係る基地局装置と同様の要件を備える。
【0023】
第8または18の発明によると、時刻毎の車両の走行状態(たとえば車両の速度や加速度など)と、時刻毎の車両の運転者の生理的な状態(たとえば、心拍数、脈拍、血圧など)と、時刻毎の車両の位置とを含むデータが移動局装置で検出される。その後、蓄電機構の充電時に電力線が車両に接続されると、基地局装置は、電力線が接続された車両の移動局装置から、電力線を経由してデータを受信する。基地局装置は、受信したデータに含まれる車両の走行状態および運転者の生理的な状態に基づいて、車両が予め定められた条件(たとえば、車両の運転者が危険であると感じたという条件)を満たして走行したか否かを判断手段により判断する。これにより、判断手段を移動局装置に備える必要がなく、複数存在する移動局装置の実装を簡略化できる。基地局装置は、受信したデータに含まれる車両の位置および判断手段の判断結果に基づいて走行データを検出し、複数の走行データを統合した統合データを生成する。この統合データは、電力線が接続されたことに対応して、電力線を経由して移動局装置に送信される。すなわち、統合データは、蓄電機構の充電時に電力線が接続されたすべての車両に送信される。そのため、基地局装置は、複数の車両の運転者が危険であると感じた時の車両の位置および時刻を、送信先の車両からの要求の有無に関わらず、予め登録されていない不特定の車両に送信することができる。その結果、複数の車両において検出された情報を、送信先の車両からの要求があったか否かに関わらず、かつ送信先の車両を予め登録することなく送信することができる基地局装置を提供することができる。
【0024】
第9の発明に係る基地局装置においては、第8の発明の構成に加えて、予め定められた条件は、車両の運転者が危険であると感じたという条件である。判断手段は、車両の走行状態の変化量が予め定められた第1のしきい値より大きい場合および運転者の生理的な状態の変化量が予め定められた第2のしきい値より大きい場合の少なくともいずれかの場合に、運転者が危険であると感じたと判断するための手段を含む。第19の発明に係る基地局装置における通信方法は、第9の発明に係る基地局装置と同様の要件を備える。
【0025】
第9または19の発明によると、たとえば、車両の速度の変化量が予め定められた第1のしきい値より大きい場合および運転者の心拍数の変化量が予め定められた第2のしきい値より大きい場合の少なくともいずれかの場合に、運転者が危険であると感じたと判断される。そのため、たとえば、第1のしきい値および第2のしきい値を各運転者に応じて設定することにより、各運転者が危険と感じたか否かをより精度よく判断することができる。
【0026】
第10の発明に係る基地局装置においては、第9の発明の構成に加えて、第1のしきい値は、自車以外の物体との衝突を運転者が回避するときの車両の走行状態の変化量に基づいて定められる。第2のしきい値は、自車以外の物体との衝突を運転者が回避するときの運転者の生理的な状態の変化量に基づいて定められる。第20の発明に係る基地局装置における通信方法は、第10の発明に係る基地局装置と同様の要件を備える。
【0027】
第10または20の発明によると、自車以外の物体との衝突を運転者が回避するときの車両の位置および時刻を、走行データとして検出することができる。
【0028】
第21に係る発明は、第11〜20のいずれかの発明に係る通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。第22に係る発明は、第11〜20のいずれかの発明に係る通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体である。
【0029】
第21または22の発明によると、車両に搭載されたコンピュータまたは車外に設置されたコンピュータ(汎用でも専用でもよい)を用いて、第11〜20のいずれかの発明に係る通信方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0031】
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る車両100、充電装置200、インターネットサーバ300、およびこれらを用いた通信システムのハードウェア構成について説明する。
【0032】
車両100は、蓄電装置を搭載し、蓄電装置の電力を使用して走行する車両であり、蓄電装置に対して外部から充電が可能な構成を有している。たとえば、車両100は、街中や家庭内に設けられた充電ステーションに設置される充電装置200からの電力により充電を行なう。
【0033】
充電時に充電ケーブルによって車両100と充電装置200とが接続されているときに、車両は必要な情報を取得する。この情報は、車載機器で再生、実行、解釈等に使用される情報であり、たとえば、カーナビゲーションで使用する情報や音楽データ、ECUのプログラムやECUが使用するデータ等が含まれる。この取得は、充電ケーブルを利用する電力線通信で行われる。
【0034】
充電装置200は、複数の車両100(100A、100B、100C等)との通信が可能である。充電装置200は、車両100の蓄電装置に電力を供給するとともに、車両100との情報通信を行なう。
【0035】
さらに、充電装置200は、外部のインターネットサーバ300から必要な情報をダウンロードする。たとえば、充電装置200とインターネットサーバ300とはADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線や光ファイバ回線等の高速な回線で結ばれている。インターネットサーバ300は、充電ステーション外部の情報配信センタに配置されるが、充電ステーション内に配置されるものであってもよい。充電しながら通信を行なうので、無線装置によるデータ通信とは違って、バッテリ上がりなどの心配が無いという利点がある。
【0036】
図2を参照して、本実施の形態に係る車両100および充電装置200についてさらに説明する。
【0037】
車両100は、車輪108と、車輪108を駆動するモータ106と、モータ106に三相交流電力を与えるインバータ104と、インバータ104に直流電力を供給するメインバッテリ102と、インバータ104など車両100を総合的に制御するECU1000とを含む。すなわち車両100は、電気自動車であるが、駆動用にモータとエンジンとを併用するハイブリッド自動車等にも本発明を適用することができる。
【0038】
車両100は、メインバッテリ102に外部から充電可能な構成を有する。すなわち車両100は、さらに、外部からたとえば交流100Vなどの商用電源を与える端子が設けられたコネクタ124と、コネクタ124に与えられた交流電力を直流電力に変換してメインバッテリ102に与える充電用AC/DC変換部110と、コネクタ124と充電用AC/DC変換部110とを接続するスイッチ122と、コネクタ124に充電装置200のコネクタ206が接続されたことを検出するコネクタ接続検出部120と、電力線通信部116とを含む。
【0039】
さらに、車両100は、カーナビゲーションシステム132と、走行状態センサ160と、ドライバ状態センサ162と、画像表示部164と、スピーカ部166と、入力部168とを含む。
【0040】
カーナビゲーションシステム132は、GPSアンテナ(図示せず)からの情報などに基づいて、車両100の走行情報(たとえば、走行位置の緯度、経度および時刻など)や、内蔵されるVICS(Vehicle Information and Communication System)から受信した渋滞情報や交通規制情報などの道路交通情報を検出し、これらの情報を表わす信号をECU1000に送信する。カーナビゲーションシステム132は、検出した走行位置を予め記憶した地図データにプロットした情報を画像表示部164に送信する。カーナビゲーションシステム132は、外部ネットワークとの通信により、晴れ、雨、雪などの最新の天候情報をダウンロードして検出する。なお、カーナビゲーションシステム132は、道路交通情報や天候情報を検出できるカーナビゲーションシステムに必ずしも限定されない。
【0041】
走行状態センサ160は、たとえば、車両の速度や車両の加速度などの車両の走行状態を検出し、検出した車両の走行状態を表わす信号をECU1000に送信する。
【0042】
ドライバ状態センサ162は、たとえば、心拍数、脈拍、血圧などの運転者(ドライバ)の生理的な状態を検出し、検出した運転者の生理的な状態を表わす信号をECU1000に送信する。
【0043】
画像表示部164は、カーナビゲーションシステム132から送信される地図データや、ECU1000から送信される文字情報などを画像にして表示する。
【0044】
スピーカ部166は、カーナビゲーションシステム132およびECU1000から送信される音声情報などを出力する。
【0045】
入力部168は、車両100の運転者の要求などが入力される装置であり、運転者の要求を表わす信号をECU1000に送信する。
【0046】
ECU1000は、メインバッテリ102の充電状態SOC(State Of Charge)を監視し、かつ、コネクタ接続検出部120からの信号に基づいてコネクタ124にコネクタ206が接続されたか否かを判断する。
【0047】
ECU1000は、コネクタ124にコネクタ206が接続された場合に充電状態SOCがしきい値より低いときには、スイッチ122を開放状態から接続状態に遷移させ、充電用AC/DC変換部110を動作させて、外部から与えられる交流電力を直流電力に変換してメインバッテリ102の充電動作を行なう。ECU1000は、充電状態SOCがしきい値より高くなると、充電用AC/DC変換部110を停止させスイッチ122を開放状態にし、電力線通信部116を経由して充電装置200に給電停止要求を行なって充電を停止させる。
【0048】
充電装置200は、車両100側との通信を行なう電力線通信部210と、交流電源202と、充電ケーブル218と、充電ケーブル218の端部に設けられたコネクタ206と、充電ケーブル218に対して交流電源202を接続するスイッチ204と、送受信部232と、入力部212と、画像表示部214と、コネクタ接続検出部220と、スイッチ204の開閉などを制御するECU2000とを含む。
【0049】
ECU2000は、コネクタ接続検出部220からの信号に基づいてコネクタ124にコネクタ206が接続されたか否かを判断する。ECU2000は、コネクタ124にコネクタ206が接続された場合には、車両100側から充電装置200側に給電要求があったものと認識し、スイッチ204を閉じて交流電源202からの給電を開始させる。
【0050】
ECU2000は、さらに、車両100の入力部168に入力された運転者の要求や充電装置200の入力部212に入力されたユーザの要求により、インターネットサーバ300との情報通信を送受信部232により行なう。
【0051】
図3を参照して、本実施の形態に係る通信システムを構成するECU1000およびECU2000の機能について説明する。
【0052】
ECU1000は、危険地点判断部1010と、危険地点判断部1010に接続されたしきい値記憶部1012と、危険地点データ検出部1020と、危険地点データ記憶部1030と、統合データ記憶部1040と、危険地点走行予測部1050と、報知判断部1060とを含む。
【0053】
危険地点判断部1010は、走行状態センサ160からの信号に基づいて検出された車両100の走行状態(たとえば車速)、およびドライバ状態センサ162からの信号に基づいて検出された車両100の運転者の生理的な状態(たとえば心拍数)と、しきい値記憶部1012に記憶されたそれぞれのしきい値とに基づいて、運転者が危険と感じた地点であるか否かを判断する。
【0054】
危険地点データ検出部1020は、危険地点判断部1010で運転者が危険と感じた地点の走行位置の経度、緯度、時刻などの情報を、危険地点データとしてカーナビゲーションシステム132から検出し、危険地点データ記憶部1030に記憶する。なお、危険地点データ記憶部1030に記憶された危険地点データは、電力線通信部116を経由して充電装置200の電力線通信部210に送信される。
【0055】
統合データ記憶部1040は、充電装置200から電力線通信部116が受信した統合データを記憶する。
【0056】
危険地点走行予測部1050は、統合データ記憶部1040に記憶された統合データに基づいて、危険地点を走行するか否かの予測を行なう。
【0057】
報知判断部1060は、危険地点走行予測部1050の予測結果を、画像表示部164に表示し、かつスピーカ部166から音声で出力することにより、車両100が危険地点を走行すると予測される旨を運転者に報知する。
【0058】
ECU2000は、編集データ生成部2010と、付加データ記憶部2012と、編集データ蓄積部2020と、統合データ生成部2030と、統合データ記憶部2040とを含む。
【0059】
編集データ生成部2010は、車両100から送信される危険地点データに、付加データ記憶部2012に記憶される道路交通情報や天候情報などの付加データを加えて、編集データを生成する。なお、付加データ記憶部2012に記憶される付加データは、予め定められたサイクルタイムでインターネットサーバ300からダウンロードされて、最新の情報に更新される。
【0060】
編集データ蓄積部2020は、編集データ生成部2010で生成された編集データを蓄積する。
【0061】
統合データ生成部2030は、編集データ蓄積部2020に蓄積された複数の編集データを統合した統合データを生成する。統合データ生成部2030は、複数の車両の運転者が危険と感じた走行位置および時刻を格付けしたランキング情報を編集データに加えて、統合データを生成する。
【0062】
統合データ記憶部2040は、統合データ生成部2030で生成された統合データを記憶する。
【0063】
本実施の形態において、これらの機能は、ECU1000およびECU2000で実行されるプログラムにより実現される。これらのプログラムは記録媒体に記録されて市場を流通する場合もある。なお、これらの機能は、プログラム(ソフトウェア)ではなく、ハードウェアで構成してもよい。
【0064】
図4を参照して、本実施の形態に係る通信システムを構成するECU1000が危険地点データを検出する際に実行するプログラムの制御構造について説明する。
【0065】
ステップ(以下、ステップをSと略す)1100にて、ECU1000は、走行状態センサ160からの信号に基づいて、車両の走行状態を検出する。ECU1000は、車両の走行状態として、たとえば車速を検出する。なお、車両の走行状態として、車速を時間微分して車両の加速度を検出してもよい。
【0066】
S1102にて、ECU1000は、ドライバ状態センサ162からの信号に基づいて、車両100の運転者の生理的な状態を検出する。ECU1000は、運転者の生理的な状態として、たとえば運転者の心拍数を検出する。なお、運転者の生理的な状態として脈拍数、血圧値を検出してもよい。
【0067】
S1104にて、ECU1000は、車両の走行状態および運転者の生理的な状態に基づいて、運転者が危険と感じた地点であるか否かを判断する。ECU1000は、たとえば、車速の変化量および運転者の心拍数の変化量が、しきい値記憶部1012に記憶されたそれぞれのしきい値より大きい場合に、運転者が危険と感じた地点であると判断する。車速のしきい値は、自車以外の物体との衝突を運転者が回避するときの車両100の速度の変化量によって適宜定められる。運転者の心拍数のしきい値は、自車以外の物体との衝突を運転者が回避するときの運転者の心拍数の変化量によって適宜定められる。また、それぞれのしきい値は、各運転者が危険と感じた地点であるか否かを精度よく判断するために、各運転者に応じて設定される。なお、危険地点の判断方法はこれに限定されない。たとえば、車両の走行状態および運転者の生理的な状態のいずれか一方のみに基づいて、危険を感じたか否かを判断してもよい。運転者が危険と感じた地点であると判断されると(S1104にてYES)、処理はS1106に移される。そうでないと(S1104にてNO)、この処理は終了する。
【0068】
S1106にて、ECU1000は、危険地点データを検出する。ECU1000は、たとば、ナビゲーションシステム132からの走行位置の経度、緯度および時刻を、危険地点データとして検出する。
【0069】
S1108にて、ECU1000は、検出した危険地点データを危険地点データ記憶部1030に記憶する。
【0070】
図5を参照して、本実施の形態に係る通信システムを構成するECU1000が充電装置200と情報を送受信する際に実行するプログラムの制御構造について説明する。
【0071】
S1200にて、ECU1000は、コネクタ接続検出部120からの信号に基づいて、コネクタ124にコネクタ206が接続されたか否かを判断する。接続されたと判断されると(S1200にてYES)、処理はS1202に移される。そうでないと(S1200にてNO)、この処理は終了する。
【0072】
S1202にて、ECU1000は、危険地点データを充電装置200に送信する。S1204にて、ECU1000は、充電装置200から送信される統合データを受信する。統合データは、上述のよううに、複数の車両(自車のみならず他車を含む)の危険地点データと付加データとランキング情報とを含む情報である。S1206にて、ECU1000は、受信した統合データを記憶する。
【0073】
図6を参照して、本実施の形態に係る通信システムを構成するECU1000が危険地点を走行すると予測する際に実行するプログラムの制御構造について説明する。
【0074】
S1300にて、ECU1000は、ナビゲーションシステム132、危険地点データ記憶部1030および統合データ記憶部1040からの情報に基づいて、近い将来、危険地点を走行すると予測されるか否かを判断する。ECU1000は、たとえば、ナビゲーションシステム132からの車両の走行位置と走行方向とから車両の走行ルートを予測し、走行ルートに危険地点が含まれる場合に、危険地点を走行すると予測する。また、ECU1000は、目的地までのルートがナビゲーションシステム132に設定されている場合には、設定されたルートに危険地点が含まれる場合に、危険地点を走行すると予測する。危険地点を走行すると予測されると(S1300にてYES)、処理はS1302に移される。そうでないと(S1300にてNO)、この処理は終了する。
【0075】
S1302にて、ECU1000は、現在の時刻の時間帯が、予測された危険地点データが検出された時刻の時間帯と一致するか否かを判断する。一致すると(S1302にてYES)、処理はS1304に移される。そうでないと(S1302にてNO)、この処理は終了する。
【0076】
S1304にて、ECU1000は、現在の状況が、予測された危険地点の付加データの情報と一致するか否かを判断する。たとえば、ECU1000は、VICSから受信した現在の道路交通情報が、付加データの道路交通情報と一致するか否かを判断する。なお、カーナビゲーションシステム132が外部ネットワークとの通信で現在の天候情報をダウンロードしている場合には、ECU1000は、ダウンロードした現在の天候情報が、付加データの天候情報と一致するか否かを判断してもよい。また、ECU1000は、現道路交通情報および天候情報が、付加データの道路交通情報および天候情報と一致するか否かを判断するようにしてもよい。一致すると(S1304にてYES)、処理はS1306に移される。そうでないと(S1304にてNO)、この処理は終了する。
【0077】
S1306にて、ECU1000は、危険地点を走行すると予測される旨を運転者に報知する。ECU1000は、たとえば、危険地点を示す記号をプロットした地図データを画像表示部164に表示するとともに、危険地点を走行すると予測される旨をスピーカ部166に音声出力する。
【0078】
図7を参照して、本実施の形態に係る通信システムを構成するECU2000が車両100と情報を送受信する際に実行するプログラムの制御構造について説明する。
【0079】
S2100にて、ECU2000は、コネクタ接続検出部220からの信号に基づいて、コネクタ124がコネクタ206に接続されたか否かを判断する。接続されると(S2100にてYES)、処理はS2102に移される。そうでないと(S2100にてNO)、この処理は終了する。
【0080】
S2102にて、ECU2000は、車両100から危険地点データを受信したか否かを判断する。受信すると(S2102にてYES)、処理はS2104に移される。そうでないと(S2102にてNO)、処理はS2102に戻される。
【0081】
S2104にて、ECU2000は、付加データ記憶部2012に記憶される付加データを危険地点データに加えて、編集データを生成する。ECU2000は、たとえば、危険地点データが検出された時刻における、危険地点の道路交通情報や天候情報などを、付加データとして加えて編集データを生成する。
【0082】
S2106にて、ECU2000は、編集データを編集データ蓄積部2020に蓄積する。S2108にて、ECU2000は、編集データ蓄積部2020に蓄積された編集データ(コネクタ206に接続されている車両100以外の複数の車両からの情報を含む)を統合するとともに、複数の車両の運転者が危険と感じた走行位置および時刻を格付けしたランキング情報を加えて、統合データを生成する。
【0083】
S2110にて、ECU2000は、統合データを統合データ記憶部2040に記憶する。S2112にて、ECU2000は、コネクタ206に接続されている車両100に統合データを充電ケーブルを経由して送信する。
【0084】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る通信システムの動作について説明する。
【0085】
図8に示すように、車両100AがT字路に進入した際、右方向からバイクが飛び出してきた場合を想定する。さらに、説明の便宜上、車両100Aが検出した危険地点データを、車両100Aとは異なる車両100Bが利用する場合について説明する。
【0086】
車両100Aの車速が検出され(S1100)、車両100の運転者の心拍数が検出される(S1102)。車両100Aの運転者がバイクとの衝突を回避するために減速した時の車速の変化量および運転者の心拍数の変化量がそれぞれのしきい値より大きいと、車両100Aの運転者が危険と感じた地点であると判断され(S1104にてYES)、走行位置の経度、緯度および時刻が、危険地点データとして検出され(S1106)、記憶される(S1108)。このように、運転者が危険と感じた地点が車両100Aにより検出されて記憶されるため、運転者が危険と感じた地点を自ら記憶したり移動局装置に記憶させたりする必要はない。
【0087】
その後、車両100Aのメインバッテリ102を充電するために、車両100Aの運転者により車両100Aのコネクタ124に充電装置200のコネクタ206が接続されると(S1200にてYES)、危険地点データが充電ケーブルを経由して充電装置200に送信される(S1202)。これにより、充電装置200は、コネクタ206が接続されたすべての車両100Aの危険地点データを受信する。そのため、充電装置200は、予め登録されていない不特定の複数の車両100において検出された危険地点データを受信することができる。
【0088】
充電装置200においては、車両100Aから危険地点データを受信すると(S2102にてYES)、危険地点データの走行位置および時刻における道路交通情報と天候情報とを付加データとして加えた編集データが生成され(S2104)、蓄積される(S2106)。蓄積されている複数の編集データ(過去にコネクタ206に接続された複数の車両100の編集データを含む)が統合され、かつ運転者が危険と感じた走行位置および時刻を格付けしたランキング情報が加えられた、統合データが生成され(S2108)、記憶される(S2110)。この統合データが、コネクタ206に接続されている車両100Aに充電ケーブルを経由して送信される(S2112)。
【0089】
その後、車両100Aとは異なる車両100Bがコネクタ206に接続された場合であっても、上述のように、統合データが車両100Bに送信される。この統合データには、車両100Aの危険地点データが含まれている。これにより、充電装置200は、車両100Bに搭載されるメインバッテリ102の充電時に、コネクタ206に接続された車両100Bに、充電ケーブル218を経由して統合データを自動的に送信することができる。そのため、車両100Bにおいて、充電装置200に自車を予め登録することなく、車両100Aが検出した危険地点データを受信することができる。
【0090】
さらに、たとえば、車両100Aで検出された危険地点データに、危険地点データ検出時の走行位置および時刻における道路交通情報が付加データとして充電装置200で加えられる。そのため、統合データを受信する車両100Bにおいて、現在の交通状況や天候状況を取得できる場合には、走行データ検出時の道路交通情報と、現在の交通状況とが一致するか否かを判断することができる。
【0091】
さらに、統合データには、運転者が危険と感じた走行位置および時刻を格付けしたランキング情報が加えられているため、統合データを受信する車両100Bの運転者は、各危険地点データの危険度合を把握することができる。
【0092】
車両100Bに統合データが受信されると(S2104)、統合データが記憶される(S1206)。
【0093】
その後、車両100Bが走行している際に、車両100Aで検出された危険地点(図8に示したT字路)を走行すると予測され(S1300にてYES)、現在の時刻の時間帯が、車両100Aでの危険地点検出時の時間帯と一致し(S1302にてYES)、車両100Aでの危険地点検出時の道路交通情報が現在の道路交通情報と一致すると(S1304にてYES)、図9に示すように、図8に示すT字路上に危険地点を示す記号がプロットされた地図データが画像表示部164に表示されるとともに、危険地点を走行すると予測される旨がスピーカ部166に音声出力される。
【0094】
これにより、車両100Bの運転者は、自らが危険を感じた位置だけではなく他車の運転者が危険を感じた位置を予め警戒して運転することができ、危険を未然に防止できる。
【0095】
以上のように、本実施の形態に係る通信システムによれば、車両の運転者が危険と感じた位置を含む危険地点データが検出されて記憶される。メインバッテリの充電時に、車両は、充電ケーブルを経由して充電装置に危険地点データを送信するとともに、充電装置から統合データを受信する。この統合データには、付加データおよび複数の車両の危険地点データが含まれる。これにより、車両の運転者は、複数の運転者が危険を感じた位置を予め警戒して運転することができる。
【0096】
なお、本実施の形態に係る車両100は、図6のS1304およびS1306において、現在の状況が付加データの情報と一致する場合(S1304にてYES)に、危険地点を走行すると予測される旨を運転者に報知した(S1306)。これに対し、道路交通情報や天候情報を検出できない車両の場合には、S1304の処理を実行しないようにするとともに、S1306で危険地点を走行すると予測される旨と付加データとを運転者に報知するようにする。これにより、運転者は、危険地点を走行すると予測される旨が報知された際に、危険地点データ検出時の交通情報や天候情報を確認することができる。
【0097】
また、本実施の形態では図2において、モータで車輪を駆動する電気自動車を充電可能な車両の例として示した。しかし本発明は、動力分割機構によりエンジンの動力を車軸と発電機とに分割して伝達可能なシリーズ/パラレル型ハイブリッド自動車や、発電機を駆動するためにのみエンジンを用い、発電機により発電された電力を使うモータでのみ車軸の駆動力を発生させるシリーズ型ハイブリッド自動車にも適用できる。これらの構成は、いずれもバッテリに外部から充電を行なう可能性があり本発明が適用可能である。
【0098】
また、以上の実施の形態においては、車両外部の電気装置が充電装置であり、充電装置が交流電源を含む構成を例に挙げて説明したが、充電装置が直流電源を含む構成であってもよい。その場合には、たとえば図2において、交流電源202が直流電源に置き換えられ、充電用AC/DC変換部110がDC/DC変換部に置き換えられる。
【0099】
また、車両外部の電気装置が車両から電力の供給を受けるものであってもよい。その場合には、たとえば図2の充電用AC/DC変換部110がバッテリや車載用発電機から直流電力を受けて交流に変換して外部に供給するAC/DC変換部に置き換えられる。また、たとえば、外部に直流を供給する場合には、図2の充電用AC/DC変換部110がバッテリや車載用発電機から直流電力を受けて電圧変換して外部に供給するDC/DC変換部に置き換えられる。特に、ハイブリッド自動車は、非常時の電源装置としても使用が可能である。
【0100】
<第1の実施の形態の変形例>
第1の実施の形態において、車両100のEUC1000で行なう危険地点を走行しているか否かの判断を、充電装置200のECU2000が行なってもよい。
【0101】
具体的には、図3に示した機能ブロック図において、ECU1000に備えられる危険地点判断部1010、しきい値記憶部1012、危険地点データ検出部1020、および危険地点データ記憶部1030の機能を、ECU2000が備えるようにする。すなわち、車両100側で、車両100の走行位置、車両100の走行状態および車両100の運転者の生理的な状態を時刻毎に検出して記憶し、充電装置200側に送信し、図4に示したフローチャートにおいて車両100側で処理していた、危険地点を走行しているか否かの判断(S1104)、危険地点データの検出および記憶(S1106、S1108)の処理を、充電装置200側で行なうようにする。
【0102】
これにより、危険地点を走行しているか否かの判断、危険地点データの検出および記憶を、複数存在する車両100で行なう必要がなく、車両100の実装を簡略化できる。
【0103】
<第2の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る通信システムについて説明する。本実施の形態に係る通信システムを構成するECU2100は、上述の第1の実施の形態に係るECU2000と比較して、充電装置200とインターネットサーバ300との間で情報を送受信する際に実行するプログラムが追加される点が異なる。すなわち、本実施の形態に係るECU2100は、上述の図7のフローチャートに示す制御構造を備えたプログラムに加えて、図10のフローチャートに示す制御構造を備えたプログラムを実行する。これ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る通信システムの構成と同じ構成である。同じ構成については同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0104】
図10を参照して、本実施の形態に係る通信システムを構成するECU2100がインターネットサーバ300と情報を送受信する際に実行するプログラムの制御構造について説明する。
【0105】
S2200にて、ECU2100は、統合データのダウンロードが要求されたか否かを判断する。ECU2100は、たとえば、充電装置200の入力部212に統合データのダウンロードの要求を表わす信号が入力されたことを検出した場合に、統合データのダウンロードが要求されたと判断する。なお、ECU2100は、車両100の入力部168に統合データのダウンロードの要求を表わす信号が入力されたことを充電ケーブル218を経由して検出した場合に、統合データのダウンロードが要求されたと判断するようにしてもよい。要求されたと判断すると(S2200にてYES)、処理はS2202に移される。そうでないと(S2200にてNO)、この処理は終了する。
【0106】
S2202にて、ECU2100は、インターネットサーバ300に接続する。S2204にて、ECU2100は、インターネットサーバ300に記憶された統合データをダウンロードする。S2206にて、ECU2100は、ダウンロードした統合データを蓄統合データ記憶部2040へ記憶する。
【0107】
以上のように、本実施の形態に係る通信システムによれば、統合データのダウンロードが要求されると、充電装置はインターネットサーバに記憶された統合データをダウンロードして記憶する。これにより、上述の第1の実施の形態に係る通信システムの作用効果に加えて、充電装置は、直接接続されていない車両の危険地点データを取得することができる。そのため、車両は、より多くの車両の危険地点データを、充電装置から受信することができる。
【0108】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの構造を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの構造を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムを構成する、車両に搭載されるECUの制御構造を示すフローチャート(その1)である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムを構成する、車両に搭載されるECUの制御構造を示すフローチャート(その2)である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムを構成する、車両に搭載されるECUの制御構造を示すフローチャート(その3)である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムを構成する、充電装置に搭載されるECUの制御構造を示すフローチャートである。
【図8】危険地点を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムを搭載する車両の表示画面を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る通信システムを構成する、充電装置に搭載されるECUの制御構造を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0110】
100,100A,100B,100C 車両、102 メインバッテリ、104 インバータ、106 モータ、108 車輪、110 充電用AC/DC変換部、116,210 電力線通信部、120 コネクタ接続検出部、122,204 スイッチ、124,206 コネクタ、132 カーナビゲーションシステム、160 走行状態センサ、162 ドライバ状態センサ、164,214 画像表示部、166 スピーカ部、168,212 入力部、200 充電装置、202 交流電源、218 充電ケーブル、232 送受信部、300 インターネットサーバ、1000,2000,2100 ECU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両にそれぞれ搭載される移動局装置との間における通信システムを構築する基地局装置であって、各前記車両には、ナビゲーション装置と、車両外部の電力供給装置に接続された電力線を経由して供給された電力を蓄電する蓄電機構とが搭載され、前記移動局装置は、前記車両が予め定められた条件を満たして走行した時の位置および時刻を含む走行データを検出し、前記電力線が接続されたことに対応して前記走行データを前記基地局装置に送信するとともに前記基地局装置から統合データを受信して、前記統合データを前記車両の運転者に報知し、
前記基地局装置は、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記電力線が接続された車両の前記移動局装置から、前記電力線を経由して前記走行データを受信するための手段と、
前記複数の車両の移動局装置から受信した走行データを統合した統合データを生成するための生成手段と、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記電力線が接続された車両の前記移動局装置に、前記電力線を経由して前記統合データを送信するための送信手段とを含む、基地局装置。
【請求項2】
前記基地局装置は、前記電力線が前記移動局装置に接続されたか否かを判断するための手段をさらに含み、
前記送信手段は、前記電力線が前記移動局装置に接続されたと判断されたときに、前記統合データを送信するための手段を含む、請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記基地局装置は、前記走行データに含まれる位置および時刻における交通情報および天候情報の少なくともいずれかである付加データを、前記走行データごとに生成するための手段をさらに含み、
前記生成手段は、前記付加データを加えて前記統合データを生成するための手段を含む、請求項1または2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記予め定められた条件は、前記車両の運転者が危険であると感じたという条件であり、
前記統合データは、前記複数の車両の運転者が危険であると感じた時の位置を統計処理した情報を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の基地局装置。
【請求項5】
複数の車両にそれぞれ搭載され、基地局装置との間における通信システムを構築する移動局装置であって、各前記車両には、ナビゲーション装置と、車両外部の電力供給装置に接続された電力線を経由して供給された電力を蓄電する蓄電機構とが搭載され、前記基地局装置は、前記電力線が接続されたことに対応して前記移動局装置から走行データを受信し、前記複数の車両の移動局装置から受信した走行データを統合した統合データを生成して前記電力線が接続されたことに対応して前記移動局装置に送信し、
前記移動局装置は、
前記車両の走行状態を検出するための手段と、
前記車両の運転者の生理的な状態を検出するための手段と、
前記車両の走行状態および前記運転者の生理的な状態の少なくともいずれかに基づいて、前記運転者が危険であると感じたか否かを判断するための判断手段と、
前記運転者が危険であると感じた時の前記車両の位置および時刻を含む走行データを検出するための手段と、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記基地局装置に、前記電力線を経由して前記走行データを送信するための手段と、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記基地局装置から、前記電力線を経由して前記統合データを受信するための手段と、
前記統合データを前記車両の運転者に報知するための手段とを含む、移動局装置。
【請求項6】
前記判断手段は、前記車両の走行状態の変化量が予め定められた第1のしきい値より大きい場合および前記運転者の生理的な状態の変化量が予め定められた第2のしきい値より大きい場合の少なくともいずれかの場合に、前記運転者が危険であると感じたと判断するための手段を含む、請求項5に記載の移動局装置。
【請求項7】
前記第1のしきい値は、自車以外の物体との衝突を前記運転者が回避するときの前記車両の走行状態の変化量に基づいて定められ、
前記第2のしきい値は、自車以外の物体との衝突を前記運転者が回避するときの前記運転者の生理的な状態の変化量に基づいて定められる、請求項6に記載の移動局装置。
【請求項8】
複数の車両にそれぞれ搭載される移動局装置との間における通信システムを構築する基地局装置であって、各前記車両には、ナビゲーション装置と、車両外部の電力供給装置に接続された電力線を経由して供給された電力を蓄電する蓄電機構とが搭載され、前記移動局装置は、時刻毎の前記車両の走行状態と時刻毎の前記車両の運転者の生理的な状態と時刻毎の前記車両の位置とを含むデータを検出し、前記電力線が接続されたことに対応して前記データを前記基地局装置に送信するとともに前記基地局装置から統合データを受信して、前記統合データを前記車両の運転者に報知し、
前記基地局装置は、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記電力線が接続された車両の前記移動局装置から、前記電力線を経由して前記データを受信するための手段と、
前記データに含まれる前記車両の走行状態および前記運転者の生理的な状態に基づいて、前記車両が予め定められた条件を満たして走行したか否かを判断するための判断手段と、
前記データに含まれる前記車両の位置および前記判断手段の判断結果に基づいて、前記車両が予め定められた条件を満たして走行した時の前記車両の位置および時刻を含む走行データを検出するための手段と、
前記複数の車両の移動局装置から受信したデータに基づいて検出された複数の前記走行データを統合した統合データを生成するための手段と、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記電力線が接続された車両の前記移動局装置に、前記電力線を経由して前記統合データを送信するための手段とを含む、基地局装置。
【請求項9】
前記予め定められた条件は、前記車両の運転者が危険であると感じたという条件であり、
前記判断手段は、前記車両の走行状態の変化量が予め定められた第1のしきい値より大きい場合および前記運転者の生理的な状態の変化量が予め定められた第2のしきい値より大きい場合の少なくともいずれかの場合に、前記運転者が危険であると感じたと判断するための手段を含む、請求項8に記載の基地局装置。
【請求項10】
前記第1のしきい値は、自車以外の物体との衝突を前記運転者が回避するときの前記車両の走行状態の変化量に基づいて定められ、
前記第2のしきい値は、自車以外の物体との衝突を前記運転者が回避するときの前記運転者の生理的な状態の変化量に基づいて定められる、請求項9に記載の基地局装置。
【請求項11】
複数の車両にそれぞれ搭載される移動局装置との間における通信システムを構築する基地局装置における通信方法であって、各前記車両には、ナビゲーション装置と、車両外部の電力供給方法に接続された電力線を経由して供給された電力を蓄電する蓄電機構とが搭載され、前記移動局装置は、前記車両が予め定められた条件を満たして走行した時の位置および時刻を含む走行データを検出し、前記電力線が接続されたことに対応して前記走行データを前記基地局装置に送信するとともに前記基地局装置から統合データを受信して、前記統合データを前記車両の運転者に報知し、
前記基地局装置における通信方法は、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記電力線が接続された車両の前記移動局装置から、前記電力線を経由して前記走行データを受信するステップと、
前記複数の車両の移動局装置から受信した走行データを統合した統合データを生成する生成ステップと、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記電力線が接続された車両の前記移動局装置に、前記電力線を経由して前記統合データを送信する送信ステップとを含む、通信方法。
【請求項12】
前記通信方法は、前記電力線が前記移動局装置に接続されたか否かを判断するステップをさらに含み、
前記送信ステップは、前記電力線が前記移動局装置に接続されたと判断されたときに、前記統合データを送信するステップを含む、請求項11に記載の通信方法。
【請求項13】
前記通信方法は、前記走行データに含まれる位置および時刻における交通情報および天候情報の少なくともいずれかである付加データを、前記走行データごとに生成するステップをさらに含み、
前記生成ステップは、前記付加データを加えて前記統合データを生成するステップを含む、請求項11または12に記載の通信方法。
【請求項14】
前記予め定められた条件は、前記車両の運転者が危険であると感じたという条件であり、
前記統合データは、前記複数の車両の運転者が危険であると感じた時の位置を統計処理した情報を含む、請求項11〜13のいずれかに記載の通信方法。
【請求項15】
複数の車両にそれぞれ搭載され、基地局装置との間における通信システムを構築する移動局装置における通信方法であって、各前記車両には、ナビゲーション装置と、車両外部の電力供給装置に接続された電力線を経由して供給された電力を蓄電する蓄電機構とが搭載され、前記基地局装置は、前記電力線が接続されたことに対応して前記移動局装置から走行データを受信し、前記複数の車両の移動局装置から受信した走行データを統合した統合データを生成して前記電力線が接続されたことに対応して前記移動局装置に送信し、
前記移動局装置における通信方法は、
前記車両の走行状態を検出するステップと、
前記車両の運転者の生理的な状態を検出するステップと、
前記車両の走行状態および前記運転者の生理的な状態の少なくともいずれかに基づいて、前記運転者が危険であると感じたか否かを判断する判断ステップと、
前記運転者が危険であると感じた時の前記車両の位置および時刻を含む走行データを検出するステップと、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記基地局装置に、前記電力線を経由して前記走行データを送信するステップと、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記基地局装置から、前記電力線を経由して前記統合データを受信するステップと、
前記統合データを前記車両の運転者に報知するステップとを含む、通信方法。
【請求項16】
前記判断ステップは、前記車両の走行状態の変化量が予め定められた第1のしきい値より大きい場合および前記運転者の生理的な状態の変化量が予め定められた第2のしきい値より大きい場合の少なくともいずれかの場合に、前記運転者が危険であると感じたと判断するステップを含む、請求項15に記載の通信方法。
【請求項17】
前記第1のしきい値は、自車以外の物体との衝突を前記運転者が回避するときの前記車両の走行状態の変化量に基づいて定められ、
前記第2のしきい値は、自車以外の物体との衝突を前記運転者が回避するときの前記運転者の生理的な状態の変化量に基づいて定められる、請求項16に記載の通信方法。
【請求項18】
複数の車両にそれぞれ搭載される移動局装置との間における通信システムを構築する基地局装置における通信方法であって、各前記車両には、ナビゲーション装置と、車両外部の電力供給装置に接続された電力線を経由して供給された電力を蓄電する蓄電機構とが搭載され、前記移動局装置は、時刻毎の前記車両の走行状態と時刻毎の前記車両の運転者の生理的な状態と時刻毎の前記車両の位置とを含むデータを検出し、前記電力線が接続されたことに対応して前記データを前記基地局装置に送信するとともに前記基地局装置から統合データを受信して、前記統合データを前記車両の運転者に報知し、
前記基地局装置における通信方法は、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記電力線が接続された車両の前記移動局装置から、前記電力線を経由して前記データを受信するステップと、
前記データに含まれる前記車両の走行状態および前記運転者の生理的な状態に基づいて、前記車両が予め定められた条件を満たして走行したか否かを判断する判断ステップと、
前記データに含まれる前記車両の位置および前記判断ステップの判断結果に基づいて、前記車両が予め定められた条件を満たして走行した時の前記車両の位置および時刻を含む走行データを検出するステップと、
前記複数の車両の移動局装置から受信したデータに基づいて検出された複数の前記走行データを統合した統合データを生成するステップと、
前記電力線が接続されたことに対応して、前記電力線が接続された車両の前記移動局装置に、前記電力線を経由して前記統合データを送信するステップとを含む、通信方法。
【請求項19】
前記予め定められた条件は、前記車両の運転者が危険であると感じたという条件であり、
前記判断ステップは、前記車両の走行状態の変化量が予め定められた第1のしきい値より大きい場合および前記運転者の生理的な状態の変化量が予め定められた第2のしきい値より大きい場合の少なくともいずれかの場合に、前記運転者が危険であると感じたと判断するステップを含む、請求項18に記載の通信方法。
【請求項20】
前記第1のしきい値は、自車以外の物体との衝突を前記運転者が回避するときの前記車両の走行状態の変化量に基づいて定められ、
前記第2のしきい値は、自車以外の物体との衝突を前記運転者が回避するときの前記運転者の生理的な状態の変化量に基づいて定められる、請求項19に記載の通信方法。
【請求項21】
請求項11〜20のいずれかに記載の通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項22】
請求項11〜20のいずれかに記載の通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−64538(P2008−64538A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−241379(P2006−241379)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】