説明

遊技機

【課題】可動物を設ける場合においてスペース上の問題を解決するとともに、かつ遊技中
において遊技者に可動物を容易に認識させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技に関して所定の条件が成立すると、サブ制御基板86から第2駆動部6
6に制御信号が出力され、操作部40内部の空間部Mに収納されていた可動ユニット56
が第2駆動部66により上方向に移動される。そして、土台部58が操作部40の上面と
面一になる位置に到達すると、第2駆動部66による駆動が停止される。このとき、各キ
ャラクタ物60R、60M、60Lは、操作部40の外部に位置している状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の領域で停止表示された図柄の組合せに応じて所定量の遊技メダル又は
遊技球が払い出されるスロットマシンやパチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機の中には、筐体前面側から遊技者側に向けて突出して形成された操作部を
有するスロットマシンがある。この操作部には、外周面に複数の図柄が表示された回転リ
ールを回転させるスタートレバーと、回転リールの回転を停止させる停止ボタンなどが設
けられている。そして、この種のスロットマシンでは、操作部の下方に可動物が設けられ
ているものがある(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−153592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記スロットマシンでは所定の場合に操作部の下方に設けられた可動物が可動することになるが、遊技者は、遊技中において、操作部の上方に設けられた表示窓を通して回転リールの外周面に表示された図柄を見ているため、操作部の下方の可動物が可動しても、可動物が遊技者の視野に入らず、遊技者に認識され難いという問題がある。このため、遊技性を向上させるために可動物の可動方法やキャラクタ性をどれだけ改善しても、遊技者に認識されないため、遊技者の遊技に対する意識を変えるまでに至らなかった。また、スロットマシンやパチンコ機は筐体や筐体に設けられる操作部の寸法及び形状が予め決められているものがあり、可動物を設ける場合にはスペース上の問題が生じてしまう。すなわち、遊技者により認識され易くするために、可動物の可動方法を複雑にしたり、あるいは可動物の大きさを大きくしようとしても、可動物を設けるスペース上の問題から制限されてしまうことになる。
【0005】
そこで、本発明は、可動物を設ける場合においてスペース上の問題を解決するとともに、かつ遊技中において遊技者に可動物を容易に認識させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、筐体と前記筐体の前面部を覆う扉部と前記扉部の前面側から突出した操作部とを備えた遊技機であって、前記操作部の上面に形成された開口部と、前記開口部を開放又は閉塞する開閉部と、前記開閉部を駆動させる第1駆動部と、前記開口部と連通し前記操作部の内部に形成された空間部と、前記空間部に設けられ、前記空間部から前記開口部を介して前記操作部の外部に移動する可動部と、前記可動部を駆動させる第2駆動部と、を備え、前記可動部は、昇降可能な土台部と、前記土台部の上面に設けられる装飾部と、を有し、前記土台部の大きさは、前記装飾部が前記操作部の外部に突出した状態である場合に前記開口部を閉鎖可能な大きさであることを特徴とする。また、請求項2に記載の発明は、前記操作部又は前記可動部には、前記装飾部を覆う透明の保護部材が設けられることを特徴とする。
【0007】
また、本願の別発明1は、筐体と前記筐体の前面部を覆う扉部と前記扉部の前面側から突出した操作部とを備えた遊技機であって、前記操作部の上面に形成された開口部と、前記開口部を開放又は閉塞する開閉部と、前記開閉部を駆動させる第1駆動部と、前記開口部と連通し前記操作部の内部に形成された空間部と、前記空間部に設けられ、前記空間部から前記開口部を介して前記操作部の外部に移動する可動部と、前記可動部を駆動させる第2駆動部と、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0008】
また、本願の別発明2は、別発明1に記載の遊技機において、遊技に関する所定の条件が成立すると、前記開閉部が前記第1駆動部により駆動されて前記開口部を開放し、前記可動部が前記第2駆動部により駆動されて前記開口部を介して前記操作部の外部に移動することを特徴とする。
【0009】
また、本願の別発明3は、別発明1又は2に記載の遊技機において、前記可動部は、前記第2駆動部により、前記操作部の外部から前記開口部を介して前記空間部に移動可能に制御され、前記可動部が前記操作部の外部から前記開口部を介して前記空間部に移動した後、前記開閉部が前記第1駆動部により駆動されて前記開口部を閉塞することを特徴とする。
【0010】
また、本願の別発明4は、別発明1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機において、前記可動部は、前記空間部に着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本願の別発明5は、別発明1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機であって、前記筐体には、外周面に複数の図柄が表示された回転リールが設けられており、前記操作部には、前記回転リールの回転を開始させる回転開始部と前記回転リールの回転を停止させる回転停止部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本願の別発明6は、別発明5に記載の遊技機において、前記扉部には、前記回転リールの外周面に表示された前記図柄を遊技者に視認させるための表示窓が形成されており、前記可動部が前記操作部の外部に移動したときに、前記可動部は前記表示窓の下方に位置していることを特徴とする。
【0013】
また、本願の別発明7は、別発明1乃至6のいずれか1項に記載の遊技機において、前記可動部に設けられ、前記可動部が前記空間部に位置するときに前記開口部に向けて射光する照明部と、前記照明部の照明を制御する制御部と、を有し、前記可動部が移動する前に前記照明部が射光するように、前記照明部が前記制御部により制御されることを特徴とする。
【0014】
また、本願の別発明8は、別発明8に記載の発明は、別発明1乃至7のいずれか1項に記載の遊技機において、前記可動部は、昇降可能な土台部と、前記土台部の上面に設けられる装飾部と、を有し、前記操作部又は前記可動部には、前記装飾部を覆う透明の保護部材が設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、本願の別発明9は、別発明8に記載の遊技機において、前記土台部の大きさは、前記装飾部が前記操作部の外部に突出した状態である場合に前記開口部を閉鎖可能な大きさであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、2に記載の発明によれば、所定の場合には、開閉部が第1駆動部により駆動されて開口部を開放する。開口部が開放されると、空間部に位置していた可動部が第2駆動部により駆動されて操作部の外部に移動する。これにより、遊技者には当初見えていなかった可動部が突然に操作部の上面に出てくることになる。遊技者が操作部の上面に突然に出てきた可動部を見ることにより驚き、遊技者は遊技に対する意識を高めることができより一層遊技に集中することになる。このように、可動部を操作部の上面上から操作部の外部に移動させることにより、遊技者に可動部を確実に認識させることができる。さらに、可動部を操作部の空間部に設けることにより、操作部内部の既存のスペースを有効に利用することができる。これにより、可動部を設けるための部材やスペースを遊技機に別途設ける必要がなく、既存の構成部材のスペースを可動部の収納部としてそのまま用いることができる。この結果、可動部を設ける場合に遊技機の大きな設計変更が伴うことがなく、また遊技機の製造コストが増加することを防止できる。さらに、遊技機を大型化させる必要もない。また、操作部には装飾部を覆う透明の保護部材が設けられているため、可動部が操作部の外部に位置したときに装飾部は保護部材で覆われることになる。これにより、装飾部に直接接触することができなくなるため、装飾部が破損等してしまうことを防止できる。また、保護部材は透明であるため、内部の装飾部を保護部材の外部から容易に視認することができる。なお、保護部材が装飾部を常に覆うように、可動部自体に保護部材を設け、保護部材が可動部とともに移動可能となるように構成してもよい。また、土台部の大きさが開口部を閉鎖可能な大きさであるため、可動部が操作部の外部に移動し操作部と土台部とが面一になったときに開口部と土台部との間に隙間が生じることがない。これにより、可動部が操作部の外部に移動したときに開口部と土台部との間から空間部に異物が混入してしまうことを防止できる。また、開口部よりも大きい大きさの土台部を設けた場合であっても、可動部が操作部の外部に最大限に移動した際に開口部を覆うことができるので、開口部と土台部との間に隙間が生じることがなく空間部に異物が混入してしまうことを防止できる。ここで、「操作部」とは、遊技を進行させるために遊技者が操作を行う部位を指す。例えば、パチンコ遊技機においては、遊技球発射ハンドル又は各種操作ボタンなどが備えられている部位を指し、スロットマシンにおいては、メダル投入口、リール停止ボタンなどが備えられている部位などが挙げられる。
【0017】
また、別発明1によれば、所定の場合には、開閉部が第1駆動部により駆動されて開口部を開放する。開口部が開放されると、空間部に位置していた可動部が第2駆動部により駆動されて操作部の外部に移動する。これにより、遊技者には当初見えていなかった可動部が突然に操作部の上面に出てくることになる。遊技者が操作部の上面に突然に出てきた可動部を見ることにより驚き、遊技者は遊技に対する意識を高めることができより一層遊技に集中することになる。このように、可動部を操作部の上面上から操作部の外部に移動させることにより、遊技者に可動部を確実に認識させることができる。
【0018】
さらに、可動部を操作部の空間部に設けることにより、操作部内部の既存のスペースを有効に利用することができる。これにより、可動部を設けるための部材やスペースを遊技機に別途設ける必要がなく、既存の構成部材のスペースを可動部の収納部としてそのまま用いることができる。この結果、可動部を設ける場合に遊技機の大きな設計変更が伴うことがなく、また遊技機の製造コストが増加することを防止できる。さらに、遊技機を大型化させる必要もない。
【0019】
別発明2によれば、遊技に関する所定の条件が成立すると、開閉部が第1駆動部により駆動されて開口部が開放され、可動部が第2駆動部により駆動されて操作部の外部に移動される。これにより、可動部の移動と遊技の状態とを関連付けさせることができ、可動部の移動により遊技者を興奮させることができる。この結果、遊技性を一層向上させることができる。
【0020】
ここで、「遊技に関する所定の条件」とは、遊技状態が大当り状態に移行した場合や、所定の遊技回数に達した場合、又は特定の演出態様を行う制御が選択された場合などが挙げられる。
【0021】
別発明3によれば、可動部が操作部の外部から空間部に移動した後、開閉部が第1駆動部により駆動されて開口部が閉塞される。これにより、可動部が遊技者の操作の邪魔になることがない。また、可動部が空間部に収納されているときには、開閉部の上面を別の用途に有効利用することができる。
【0022】
別発明4によれば、可動部が操作部に着脱可能に設けられているため、可動部のみを遊技機から取り外し、別の遊技機にそのまま装着することができる。これにより、可動部の互換性を向上させることができる。また、可動部のメンテナンス時には、可動部のみを遊技機から取り外すことにより、メンテナンス作業の効率を上げることができる。ここで、可動部の着脱を行う際は、遊技機の扉部を開放した状態で遊技機内部側から行うのが好ましい。遊技機内部側からのみ着脱可能にすることで、遊技者が可動部を取り外してしまうといった行為を防止できる。
【0023】
別発明5によれば、操作部に回転リールの回転を開始させる回転開始部と回転リールの回転を停止させる回転停止部とがそれぞれ設けられているスロットマシンの前記操作部に上記可動部を設けることにより、可動部をスロットマシンに設けることができる。ここで、スロットマシンの操作部はパチンコ機の操作部と比較して比較的高い位置に設けられているため、可動部は遊技者の目線の高さで移動することなる。これにより、可動部の移動を遊技者に確実に認識させることができる。
【0024】
別発明6によれば、可動部が操作部の外部に移動したときに、可動部は表示窓の下方に位置しているため、可動部の少なくとも一部が表示窓の前方に位置し遊技者から見て表示窓に可動部の少なくとも一部が被ってしまうことを防止できる。これにより、遊技者が回転リールの外周面に表示された図柄を見るときに、可動部が邪魔して図柄が見難くなってしまうことを防止できる。この結果、可動部によって遊技者が回転停止部を押すタイミングが狂わされることがないため、遊技者の操作性に悪影響を及ぼすことを防止できる。なお、本明細書において「可動部は表示窓の下方に位置している」とは、可動部の少なくとも一部が表示窓の前方に位置することにより遊技者から見て表示窓に可動部の少なくとも一部が被らないことを意味するものである。
【0025】
別発明7によれば、開閉部が駆動して開口部を開放すると、照明部が制御部により制御されて、可動部が移動する前に照明部が開口部に向けて射光する。ここで、照明部を射光させるタイミングとしては、可動部が移動する前ならば、開閉部が開放された後であってもよいし開閉部が開放される前であってもよい。これにより、可動部が出てくることを遊技者に視覚的観点から明確に報知することができる。
【0026】
別発明8によれば、操作部には装飾部を覆う透明の保護部材が設けられているため、可動部が操作部の外部に位置したときに装飾部は保護部材で覆われることになる。これにより、装飾部に直接接触することができなくなるため、装飾部が破損等してしまうことを防止できる。また、保護部材は透明であるため、内部の装飾部を保護部材の外部から容易に視認することができる。なお、保護部材が装飾部を常に覆うように、可動部自体に保護部材を設け、保護部材が可動部とともに移動可能となるように構成してもよい。
【0027】
別発明9によれば、土台部の大きさが開口部を閉鎖可能な大きさであるため、可動部が操作部の外部に移動し操作部と土台部とが面一になったときに開口部と土台部との間に隙間が生じることがない。これにより、可動部が操作部の外部に移動したときに開口部と土台部との間から空間部に異物が混入してしまうことを防止できる。また、開口部よりも大きい大きさの土台部を設けた場合であっても、可動部が操作部の外部に最大限に移動した際に開口部を覆うことができるので、開口部と土台部との間に隙間が生じることがなく空間部に異物が混入してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技機を構成する可動部が遊技機内部に収納された状態を示す遊技機全体の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る遊技機を構成する可動部が遊技機外部に露出した状態を示す遊技機全体の斜視図である。
【図3】前面扉を開いて遊技機の内部の構成を示した斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る遊技機を構成する可動部が遊技機内部に収納された状態を示す遊技機の要部の斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る遊技機を構成する可動部が遊技機外部に露出した状態を示す遊技機の要部の斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る遊技機を構成する可動部が遊技機内部に収納された状態を示す遊技機の要部の正面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る遊技機を構成する可動部が遊技機外部に露出した状態を示す遊技機の要部の正面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る遊技機の電気的構成を示す説明図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る遊技機の遊技制御処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係る遊技機に設定されている各種の遊技役と、それら遊技役を成立させるための図柄組合せを例示した説明図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る遊技機の変形例を構成する可動部が遊技機外部に露出した状態を示す遊技機の変形例全体の斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る遊技機を構成する可動部が遊技機内部に収納された状態を示す遊技機の正面図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る遊技機を構成する可動部が遊技機外部に露出した状態を示す遊技機の正面図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る遊技機を構成する可動部が遊技機内部に収納された状態を示す遊技機の側面図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る遊技機を構成する可動部が遊技機外部に露出した状態を示す遊技機の側面図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る遊技機の電子制御装置の一部の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係る遊技機の電子制御装置を構成するサブ制御基板を説明するための説明図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係る遊技機の電子制御装置を構成する発射制御基板を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、
本実施形態では本発明を遊技機の一例であるスロットマシンに適用した構成を説明する。
【0030】
図1乃至図3に示すように、スロットマシン10は、箱状に形成された筐体12を備え
ている。この筐体12の略中央には、リールユニット14が設けられている。このリール
ユニット14は、水平方向に並んで配置された3つのリール帯14A、14B、14Cを
備えている。各リール帯14A、14B、14Cは回転可能に設けられており、その外周
面には所定の図柄がそれぞれ表示されている。
【0031】
また、リールユニット14の上方には、遊技全体を司る後述の主制御基板84(図8参
照)が格納された主制御基板ユニット16と、各リール帯14A、14B、14Cを駆動
するための後述の回胴基板90(図8参照)が格納された回胴基板ユニット18がそれぞ
れ設けられている。
【0032】
また、リールユニット14の下方には、リヤスピーカ20が設けられている。また、リ
ヤスピーカ20の下方には、投入された遊技メダルが収集されるホッパ22と、遊技メダ
ルを回収する回収ボックス24と、遊技メダルを払い出すメダル払出装置26と、スロッ
トマシン10全体に電源を供給するための後述の電源基板92(図8参照)が格納された
電源ユニット28などがそれぞれ設けられている。
【0033】
また、電源ユニット28の前面側には、スロットマシン10の電源を投入するための電
源スイッチ30が設けられている。また、メダル払出装置26の払出口31から後述のコ
インシュータ32の受入口34に向けて払い出された遊技メダルは、コインシュータ32
を通って、後述の遊技メダル排出口36から排出されるようになっている。
【0034】
また、図1乃至図3に示すように、筐体12の前面側には、前面扉38が開閉可能に設
けられている。前面扉38の前面の略中央部には、前面扉38の前面から遊技者側に突出
した操作部40が形成されている。この操作部40の前面には、各リール帯14A、14
B、14Cの回転を開始するためのスタートレバー42が設けられている。また、この操
作部40の前面には、回転した各リール帯14A、14B、14Cの回転を停止するため
の各回胴停止ボタン44A、44B、44Cがそれぞれ設けられている。なお、各回胴停
止ボタン44A、44B、44Cは、各リール帯14A、14B、14Cにそれぞれ対応
している。また、操作部40の前面には、返却ボタン46が設けられている。この返却ボ
タン46とは、投入した遊技メダルがスロットマシン10の内部で詰まった場合に、遊技
メダルの詰まりを解消するために操作されるボタンである。
【0035】
また、操作部40の上面の遊技者から見て右側には、遊技メダルを投入するための遊技
メダル投入口48が設けられている。また、操作部40の上面の遊技者から見て右側であ
って遊技メダル投入口48の近傍には、精算ボタン50が設けられている。この精算ボタ
ン50とは、スロットマシン10の内部に貯留されている遊技メダルを外部に排出する際
に操作するボタンである。また、操作部40の上面の遊技者から見て左側には、クレジッ
トとして貯留されている遊技メダルを投入するための投入ボタン51が設けられている。
なお、遊技メダルの貯留とは、遊技メダルを実際に払い出す代わりに遊技メダルの枚数を
記憶しておくことをいう。
【0036】
また、図4乃至図7に示すように、操作部40の上面中央側には、開口部52が形成さ
れている。また、操作部40の上面には、開口部52を開放又は閉塞するための開閉板5
4が設けられている。すなわち、開閉板54は、開口部52の遊技者から見て右側部分を
開放又は閉塞する右側開閉板54Rと、開口部52の遊技者から見て左側部分を開放又は
閉塞する左側開閉板54Lと、で構成されている。右側開閉板54R及び左側開閉板54
Lは水平方向にスライド可能に設けられており、右側開閉板54R及び左側開閉板54L
がスライドすることにより開口部52の開放又は閉塞が可能となる。また、図8に示すよ
うに、右側開閉板54R及び左側開閉板54Lのスライドは、モータあるいはソレノイド
などの第1駆動部64(図8参照)により実現される。なお、この第1駆動部64による
駆動は、サブ制御基板86により制御される。
【0037】
また、図3乃至図7に示すように、操作部40の内部(前面扉38の裏面側)には、空
間部Mが形成されている。この空間部Mは、開口部52と連通するように形成されている
。この空間部Mには、可動ユニット56が収納されている。可動ユニット56は、前面扉
38の裏面側からネジなどで固定されており、着脱可能に組み付けられている。この可動
ユニット56は、平板状の土台部58を備えている。この土台部58の大きさは、開口部
52の大きさと同一か略同一となるように設定されている。また、土台部58の上面には
、装飾部としての3体のキャラクタ物60R、60M、60Lが設けられている。具体的
には、遊技者から見て右側には第1の姿勢をとっている人をモチーフにした右側キャラク
タ物60Rが設けられており、この右側キャラクタ物60Rの遊技者から見て左側には第
2の姿勢をとっている人をモチーフにした中央キャラクタ物60Mが設けられており、こ
の中央キャラクタ物60Mの遊技者から見て左側には第3の姿勢をとっている人をモチー
フにした左側キャラクタ物60Lが設けられている。各キャラクタ物60R、60M、6
0Lの姿勢はそれぞれ固定されていてもよいし、手足を動かすことにより姿勢が適宜変化
するように構成してもよい。
【0038】
また、土台部58の上面には、LEDなどで構成される複数の照明部62が取り付けら
れている。この照明部62は、垂直方向に向かって射光するものである。なお、各照明部
62の射光は、サブ制御基板86により制御される。
【0039】
また、図4乃至図7に示すように、土台部58の下面には、土台部58を上下方向に移
動させるための第2駆動部66が着脱可能に接続されている。この第2駆動部66は、空
間部Mの内部に着脱可能に設けられている。第2駆動部66として、例えば、プランジャ
型のソレノイドが用いられている。なお、第2駆動部66として、ソレノイドの代わりに
、モータやカムを用いて土台部58を上下方向に移動させてもよい。また、この第2駆動
部66による駆動は、サブ制御基板86により制御される。
【0040】
ここで、土台部58が操作部40の上面と面一になり、可動ユニット56が開口部52
の外部に完全に露出した場合には、各キャラクタ物60R、60M、60Lが後述の表示
窓68の前方に位置しないように、各キャラクタ物60R、60M、60Lの大きさが設
定されている。これにより、可動ユニット56が開口部52の外部に完全に露出した場合
でも、表示窓68に各キャラクタ物60R、60M、60Lが被ってしまうことがない。
【0041】
また、前面扉38の前面であって操作部40の上方の位置には、各リール帯14A、1
4B、14Cの外周面に表示された各図柄を遊技者に視認させるための表示窓68が形成
されている。遊技者は、この表示窓68を通して、回転表示・停止表示する各リール帯1
4A、14B、14Cの外周面に表示された各図柄を確認することができる。
【0042】
また、表示窓68の遊技者から見て右側には、遊技の状態を表示する表示パネル70が
設けられている。
【0043】
また、前面扉38の前面であって表示窓68の上方の位置には、演出表示装置72が設
けられている。この演出表示装置72は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており
、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。
また、演出表示装置72の左右両側には、スピーカ74がそれぞれ設けられている。また
、スピーカ74の上方には、各種のランプ類76が設けられている。
【0044】
また、前面扉38の前面であって操作部40の下方の位置には、遊技メダルが外部に排
出される遊技メダル排出口36が形成されている。
【0045】
また、図3に示すように、前面扉38の裏面側上部には、サブ制御基板ユニット78が
設けられている。また、サブ制御基板ユニット78の左右両側には、スピーカ74が接続
されている。このサブ制御基板ユニット78の内部には、サブ制御基板86が格納されて
おり、主制御基板84の制御信号を受けて演出表示装置72、各種ランプ類76、スピー
カ74、第1駆動部64、第2駆動部66及び各照明部62などを用いて行われる各種演
出の制御を司っている。
【0046】
また、前面扉38の裏面側であってサブ制御基板ユニット78の下方の位置には、表示
窓68が設けられている。また、前面扉38の裏面側であって表示窓68の下方の位置に
は、扉基板88が格納された扉基板ユニット80が設けられている。前面扉38の裏面側
であって扉基板ユニット80の下方には、操作部40の内部である空間部Mが位置してい
る。なお、この空間部Mには、上述した可動ユニット56が収納される。また、前面扉3
8の裏面側であって空間部Mの下方には、投入された遊技メダルの通路となるコインセレ
クタ82が設けられている。また、前面扉38の裏面側であってコインセレクタ82の下
方には、遊技メダルを遊技メダル排出口36に導くためのコインシュータ32が設けられ
ている。上記コインセレクタ82は、遊技メダル投入口48から投入された遊技メダルを
主に寸法に基づいて選別し、企画寸法に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有し
ている。遊技者がスタートレバー42を操作する前に遊技メダルを投入すると、遊技メダ
ルはコインセレクタ82によって選別され、規格を満足しているものだけがホッパ22内
に投入され、規格を満足していない遊技メダルは、コインシュータ32を通って遊技メダ
ル排出口36に返却されるようになっている。これに対して、スタートレバー42が操作
された後に遊技メダルが投入された場合には、コインセレクタ82内の通路が切り換わり
、投入された遊技メダルはコインシュータ32を通って遊技メダル排出口36に返却され
る。また、コインセレクタ82の内部には、図示しないメダルセンサが設けられており、
寸法規格を満たして受け入れられた遊技メダルはメダルセンサによって検出され、その検
出信号が主制御基板84に出力されるようになっている。
【0047】
次に、第1実施形態の遊技機の電気的構成について説明する。
【0048】
図8に示すように、スロットマシン10には、主制御基板84を中心として、サブ制御
基板86、扉基板88、回胴基板90、電源基板92等が電気的に接続されている。
【0049】
主制御基板84は、スロットマシン10で行われる遊技全体の進行や演出を司る基板で
ある。この主制御基板84には、CPU、ROM、RAMなどがバスによって互いにデー
タをやり取り可能に接続されて搭載されており、前面扉38に搭載された扉基板88から
、スタートレバー42が操作されたことを示す信号を受け取って、後述の遊技制御処理を
実行しながら、サブ制御基板86、扉基板88、回胴基板90などに対して制御コマンド
(あるいは制御信号)を出力することにより、これら各種基板の動作を制御している。
【0050】
サブ制御基板86は、上記主制御基板84と同様に、CPU、ROM、RAMなどがバ
スによって互いにデータをやり取り可能に接続されて構成されている。また、サブ制御基
板86には、各種のランプ類76や、各種のスピーカ20、74、演出表示装置82、回
胴バックライト94などが接続されている。ここで、回胴バックライト94とは、各リー
ル帯14A、14B、14Cの内部に設けられており、各リール帯14A、14B、14
Cの外周面に表示された各図柄を裏側から照らすライトである。サブ制御基板86は、主
制御基板84から受け取った制御コマンドを解析して、各種ランプ類76、各種スピーカ
20、74、演出表示装置72、回胴バックライト94にそれぞれ制御信号を出力するこ
とにより、これらを用いた各種演出を行っている。
【0051】
また、サブ制御基板86には、第1駆動部64と第2駆動部66とがそれぞれ電気的に
接続されている。このため、サブ制御基板86により第1駆動部64に対して駆動に関す
る制御信号が出力されると、第1駆動部64はその制御信号に基づいて右側開閉板54R
及び左側開閉板54Lを水平方向にスライドさせる。これにより、操作部40の上面に形
成された開口部52を開放したり、あるいは閉塞したりすることが可能になる。また、サ
ブ制御基板86により第2駆動部66に対して駆動に関する制御信号が出力されると、第
2駆動部66はその制御信号に基づいて可動ユニット56を上下方向に移動(昇降)させ
る。これにより、空間部Mに収納された可動ユニット56を開口部52の外部に移動させ
ることができ、あるいは開口部52の外部にある可動ユニット56を空間部Mに収納する
ことが可能となる。
【0052】
また、サブ制御基板86には、照明部62が電気的に接続されている。このため、サブ
制御基板86から照明部62に対して射光に関する制御信号が出力されることにより、照
明部62の射光が制御される。具体的には、照明部62の射光パターンや射光タイミング
などが制御される。
【0053】
ここで、サブ制御基板86の第1駆動部64、第2駆動部66及び照明部62に対する
制御は、サブ制御基板86のRAM(図示省略)に格納された所定のプログラムに基づい
て実行される。具体的には、サブ制御基板86のRAMには、遊技に関する所定の条件(
例えば、後述の「BB遊技」や「RB遊技」など)が成立すると、各開閉板54R、54
Lが第1駆動部64により駆動されて開口部52を開放させ、可動ユニット56が可動す
る前に可動ユニット56の土台部58の上面に設けられた複数の照明部62を射光させ、
その後、可動ユニット56を第2駆動部66により駆動されて開口部52の外部に移動さ
せるためのプログラムが記憶されている。また、RAMには所定の遊技状態(「BB遊技
」や「RB遊技」以外の遊技状態)のときに、開口部52の外部に移動された可動ユニッ
ト56が第2駆動部66により駆動されて空間部Mに収納させた後、各開閉板54R、5
4Lが第1駆動部64により駆動されて開口部52を閉塞させるためのプログラムが記憶
されている。
【0054】
扉基板88には、コインセレクタ80と、貯留されている遊技メダルを投入するための
各種投入ボタン51と、各リール帯14A、14B、14Cの回転を開始させるためのス
タートレバー42と、回転している各リール帯14A、14B、14Cの回転を停止させ
るための回胴停止ボタン44A、44B、44Cと、貯留されている遊技メダルや投入さ
れた遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタン50と、遊技の状態を表示
する各種の表示パネル70などが接続されている。また、扉基板88は、主制御基板84
とデータをやり取り可能に接続されている。このため、前面扉38に設けられたスタート
レバー42、回胴停止ボタン44A、44B、44C、投入ボタン51、精算ボタン50
などを操作すると、扉基板88を介して、その信号を主制御基板84に供給することが可
能となる。また、コインセレクタ80に設けられたメダルセンサの検出信号も、扉基板8
8を介して主制御基板84に出力される。
【0055】
回胴基板90には、3つの各リール帯14A、14B、14Cをそれぞれ回転させるた
めの回胴モータ96A、96B、96Cと、それぞれのリール帯14A、14B、14C
の回転位置を検出するための回胴センサ98A、98B、98Cと、が電気的に接続され
ている。回胴基板90は、回胴センサ98A、98B、98Cによって各リール帯14A
、14B、14Cの回転位置を検出しながら、回胴モータ96A、96B、96Cを駆動
することにより、それぞれのリール帯14A、14B、14Cを所定の回転位置で停止さ
せることが可能となっている。なお、第1実施形態の遊技機では、回胴モータ96A、9
6B、96Cとして、ステッピングモータが用いられている。
【0056】
また、メダル払出装置26は、中継基板100を介して、主制御基板84に接続されて
いる。このメダル払出装置26は、主制御基板84からの制御信号に基づいて、所定枚数
の遊技メダルを払い出す動作を行う。また、メダル払出装置26には、遊技メダルが払い
出されたことを検知するために、図示しない払出センサが設けられている。遊技メダルが
払い出されると、払出センサで検知して、その検出信号が主制御基板84に出力される。
【0057】
また、これら各種基板で消費される電力は、電源基板92から供給されている。電源基
板92には100Vの交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧の直流電圧に変換
した後、それぞれの制御基板に供給している。図8では、電源基板92から電力が供給さ
れる様子を破線の矢印で表している。
【0058】
次に、スロットマシン10における遊技の進行について説明する。
【0059】
遊技を開始するにあたっては、遊技メダル投入口48から遊技メダルを投入して、メダ
ルのベットを行う。ベットする遊技メダル数は、通常、1枚または3枚に固定されている
。なお、遊技メダルがクレジットとして予め内部に貯留されている場合は、投入ボタン5
1を押すことにより、所定枚数の遊技メダルをベットすることも可能である。
【0060】
遊技メダルをベットして、スタートレバー42を操作すると、3つのリール帯14A、
14B、14Cが一斉に回転を開始する。各リール帯14A、14B、14Cの外周面に
は複数の図柄が表示されているため、各リール帯14A、14B、14Cが回転すると、
これら図柄が変動表示される。また、図1に示すように、前面扉38の操作部40には各
リール帯14A、14B、14Cに対応する各回胴停止ボタン44A、44B、44Cが
設けられている。このため、各リール帯14A、14B、14Cの回転中に回胴停止ボタ
ン44A、44B、44Cを押すと、押した回胴停止ボタンに対応するリール帯の回転が
停止され、これに伴い、変動表示されていた図柄が何れかの図柄で停止表示される。この
ようにして、3つのリール帯14A、14B、14Cの回転を停止させると、それぞれの
リール帯14A、14B、14Cで何れかの図柄が停止表示されて、所定の図柄組合せが
得られることになる。こうして得られた図柄組合せが、いわゆる「小役」と呼ばれる遊技
役を成立させる組合せである場合には、成立した遊技役に応じた遊技メダルが払い出され
る。ベットした遊戯メダル数が3枚であった場合には、1枚だけベットした場合の3倍の
遊技メダルの払い出しを受けることができる。
【0061】
また、次の理由から、ベットする遊技メダル数が多くなるほど、遊技役を成立させ易く
なっている。前面扉38に設けられた表示窓68は、各リール帯14A、14B、14C
に表示された3つの図柄を表示可能な大きさに設けられている。このため、各リール帯1
4A、14B、14Cの回転を停止させると、それぞれのリール帯14A、14B、14
Cで3つずつの図柄が停止表示されることになるから、横方向には上段・中段・下段の3
組の図柄組合せが得られ、斜め方向には2組の図柄組合せが得られる。このように図柄組
合せが得られる方向は「ライン」と呼ばれ、結局、横方向には3ライン、斜め方向には2
ラインの、合計5ラインが存在していることになる。ここで、ベットされた遊技メダルが
3枚の場合は、これら5ラインが全て有効となり、何れかのライン上で遊技役の図柄組合
せを揃えればよいが、1枚しか遊技メダルをベットしなかった場合は、有効なラインが限
定され、他のラインで遊技役の図柄組合せが揃っても、遊技役を成立させることはできな
い。すなわち、ベットする遊戯メダルの数が多い方が、遊技役を成立させ易くなっている

【0062】
また、遊技役には、「小役」の他に、いわゆる「ボーナス役」と呼ばれる役も設けられ
ており、ボーナス役を成立させる図柄組合せが得られた場合には、遊技状態が遊技者に有
利な状態に切り換わる。このボーナス役には、いわゆる「レギュラーボーナス役(RB役
)」と「ビッグボーナス役(BB役)」とが設けられている。RB役の場合は、遊技役を
成立させる図柄組合せの種類が増加し、これら遊技役が成立する確率が高くなる「RB遊
技」が行われる。また、BB役の場合は、RB役よりも遊技者にとってさらに有利な遊技
状態、すなわち、所定枚数(例えば、465枚)の遊技メダルが払い出されるまで「RB
遊技」を複数回行うことが可能な遊技状態に切り換わる。その結果、BB役が成立すると
、遊技者は多量の遊技メダルを獲得することが可能となる。
【0063】
以上のように、スロットマシン10では、遊技メダルをベットしてスタートレバー42
を操作することにより各リール帯14A、14B、14Cを一斉に回転させた後、回胴停
止ボタン44A、44B、44Cを押して各リール帯14A、14B、14Cの回転を停
止させる。そのときに得られた図柄組合せによって、遊技メダルが払い出されたり、ある
いは有利な遊技状態に切り換わったりしながら遊技が進行していく。そして、BB役が成
立した場合に最も多量の遊技メダルを獲得することができるから、遊技者はBB役を成立
させることを常に願いながら、遊技を継続することになる。
【0064】
こうした遊技の進行は、主制御基板84によって制御されている。以下では、主制御基
板84が遊技の進行を制御するために行っている処理内容について図9に示すフローチャ
ートに基づいて説明する。
【0065】
図9に示すように、遊技制御処理においては、先ず、遊技メダルがベットされているか
否かが判断される(S10)。具体的には、S10においては、遊技メダルが遊技メダル
投入口48から投入されたか否か、あるいは投入ボタン51が操作されたか否かが判断さ
れる。遊技メダル投入口48から投入された遊技メダルは、コインセレクタ80を通過す
る際にコインセレクタ80内に設けられたメダルセンサによって検出される。また、投入
ボタン51には接点スイッチ(図示省略)が内蔵されており、投入ボタン51が操作され
ると接点スイッチによって検出される。そして、メダルセンサや接点スイッチからの検出
信号は扉基板88を経由して主制御基板84に出力されるので、主制御基板84はこれら
の検出信号に基づいて遊技メダルがベットされたか否かを判断する。なお、「リプレイ役
」と呼ばれる特殊な遊技役が成立した場合には、遊技者は遊技メダルをベットしなくても
自動的にベットされるので、「リプレイ役」が成立した場合にも、遊技メダルがベットさ
れたものと判断される(S10:YES)。
【0066】
S10において、遊技メダルがベットされていないと判断された場合には(S10:N
O)、当該判断処理を繰り返し行うことによって、遊技メダルがベットされるまで待機す
る。一方、遊技メダルがベットされたと判断されれば(S10:YES)、スタートレバ
ー42が操作されたか否かが判断される(S20)。ここで、スタートレバー42には、
検出センサが組み込まれており、スタートレバー42を操作すると、その動きを検出する
ことが可能となっている。主制御基板84は、この検出センサの検出信号の出力に基づい
て、スタートレバー42が操作されたか否かを判断することができる。そして、遊技メダ
ルがベットされたにも拘わらず、スタートレバー42が操作されていないと判断された場
合(S20:NO)には、スタートレバー42が操作されるまで、当該判断処理を繰り返
しながら待機状態となる。一方、スタートレバー42が操作されたことが確認されたら(
S20:YES)、遊技を進行させるべく、以下の一連の処理が実行される。
【0067】
スタートレバー42が操作されると、直ちに内部抽選処理が行われる(S30)。この
内部抽選処理では、スタートレバー42が操作されたタイミングで内部抽選用の乱数を1
つ取得して、取得した乱数に応じて、遊技役を内部的に抽選する処理を行う。ここで、遊
技役が成立するためには、その遊技役に対応する所定の図柄組合せが得られるように、3
つのリール帯14A、14B、14Cを停止させなければならないが、それに先立ってス
ロットマシン10の内部では、何れの遊技役を成立させるかの抽選が行われており、この
抽選に当選しなければ、回胴停止ボタン44A、44B、44Cをどのようなタイミング
で押しても、遊技役の図柄組合せで各リール帯14A、14B、14Cを停止させること
はできないようになっている。そこで、スタートレバー42が操作されたら、先ず初めに
内部抽選を行って、何れの遊技役を成立させるか、あるいは何れの遊技役も成立させない
かを決定しておくのである。なお、内部抽選は、内部抽選用の乱数を周期的に更新してお
き、スタートレバー42が操作されたタイミングに従って乱数を取得して、得られた乱数
に基づいて遊技役の当否を決定している。
【0068】
内部抽選処理(S30)が実行されると、続いて、回胴回転始動処理が主制御基板84
により開始される(S40)。回胴回転始動処理(S40)では、所定の条件が満足され
ているか否か判断して、条件が満たされている場合は、3つのリール帯14A、14B、
14Cを一斉に回転させる処理である。本実施形態の回胴回転始動処理では、スタートレ
バー42が操作され、かつ、前回にリール帯14A、14B、14Cの回転が開始されて
から所定時間(例えば、4.1秒)以上経過していた場合にリール帯14A、14B、1
4Cの回転を開始することとして、主制御基板84から各回胴モータ96A、96B、9
6Cに対して駆動信号を出力する処理が行われる。
【0069】
こうして3つのリール帯14A、14B、14Cが一斉に回転させられると、主制御基
板84により、各リール帯14A、14B、14Cの回転を停止させるための回胴回転停
止処理が行われる(S50)。この回胴回転停止処理(S50)では、各リール帯14A
、14B、14Cの回転が開始され、回転速度が一定となってから所定時間(例えば、3
0秒)以内に回胴停止ボタン44A、44B、44Cが押されると、それぞれのリール帯
14A、14B、14Cで停止表示される図柄が決定され、その後、リール帯14A、1
4B、14Cの回転速度が減速されて、決定された図柄の位置でリール帯14A、14B
、14Cが停止される制御が行われる。また、停止表示される図柄を決定する際には、先
に行われた内部抽選の結果が参照され、何れの遊技役にも当選していなかった場合は、遊
技役が成立する図柄組合せを避けるように、各リール帯14A、14B、14Cの停止図
柄が決定される。
【0070】
図9に示した回胴回転停止処理(S50)では、以上のようにして、各リール帯14A
、14B、14Cでの停止図柄を決定し、決定した図柄で各リール帯14A、14B、1
4Cを停止させる処理が行われる。なお、以上については、各リール帯14A、14B、
14Cの回転速度が一定速度に達してから所定時間(例えば、30秒)以内に、回胴停止
ボタン44A、44B、44Cが押された場合について説明したが、所定時間が経過して
も回胴停止ボタン44A、44B、44Cが押されない場合には、時間が経過した時点で
ボタンが押されたものとして、上述した処理が行われる。
【0071】
以上のように、3つのリール帯14A、14B、14Cを停止させたら、主制御基板8
4により入賞が成立しているか否かが判断される(S60)。ここで、「入賞」とは、内
部抽選で遊技役に当選した後、その遊技役を成立させる図柄組合せが、有効ライン上に停
止表示されることをいう。回胴回転停止処理(S50)において説明したように、内部抽
選では遊技役に当選していても、回胴停止ボタン44A、44B、44Cを押すタイミン
グによっては、その遊技役に対応する図柄組合せが得られるとは限らない。そこで、主制
御基板84は、各リール帯14A、14B、14Cの回転を停止させた後、内部抽選で当
選した遊技役の入賞が成立しているか否かを判断するのである。
【0072】
ここで、本実施形態のスロットマシン10に設定されている各種の遊技役と、それら遊
技役を成立させるための図柄組合せの一例について、図10に基づいて説明する。図10
では、各遊技役に入賞したときに払い出される遊技メダルの枚数も示されている。図10
に示すように、本実施形態のスロットマシン10では、「BB役」、「RB役」、「ベル
の小役」、「プラムの小役」、「チェリーの小役」、「リプレイ役」などの遊技役が設定
されている。「BB役」に対応する図柄組合せは、「7−7−7」(赤字)あるいは「7
−7−7」(青字)の図柄組合せに設定されている。また、「RB役」に対応する図柄組
合せは、「バー−バー−バー」の図柄組合せに設定されている。また、「ベルの小役」に
対応する図柄組合せは「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せが設定されており、「プラムの
小役」に対応する図柄組合せは「プラム−プラム−プラム」の図柄組合せが設定されてい
る。また、「チェリーの小役」は、左のリール帯14Aが「チェリー」の図柄で停止表示
すれば、他のリール帯14B、14Cはどのような図柄で停止表示されても成立するよう
に設定されている。さらに、「リプレイ役」に対応する図柄組合せは、「リプレイ−リプ
レイ−リプレイ」の図柄組合せに設定されている。図9のS60では、各リール帯14A
、14B、14Cの回転が停止して、有効ライン上に得られた図柄組合せが、これら何れ
かの図柄組合せに該当しているか否かが判断される。そして、何れの図柄組合せにも該当
していない(すなわち、入賞していない)と判断された場合(S60:NO)には、図9
の遊技制御処理の先頭の処理(S10)に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待
機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処
理が再度実行される。
【0073】
次に、何れかの入賞が成立したと判断された場合(S60:YES)には、先ず初めに
、入賞した遊技役がリプレイ役であるか否かが主制御基板84により判断される(S70
)。そして、リプレイ役に入賞していた場合(S70:YES)には、リプレイ役に入賞
した遊技に投入されていた枚数の遊技メダルが自動的に再投入された後(S80)、図9
に示す遊技制御処理の先頭の処理(S10)に戻って遊技メダルがベットされたか否かが
判断される。この結果、ベットされていれば次の処理(S20)に進行し、ベットされて
いなければ再び遊技メダルがベットされるまで待機する。
【0074】
一方、入賞した遊技役がリプレイ役ではなかった場合(S70:NO)には、「BB役
」、「RB役」、「ベルの小役」、「プラムの小役」、「チェリーの小役」の何れかに入
賞していることになるので、入賞した遊技役に応じた枚数の遊技メダルを払い出すメダル
払出処理が実行される(S90)。このメダル払出処理(S90)は、主制御基板84の
内部で払い出すべき遊技メダルの枚数を求めた後、主制御基板84からメダル払出装置2
6に対して制御信号を出力することによって行われる。メダル払出装置26は、受け取っ
た制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルの払い出しを行う。
【0075】
こうして遊技メダルが払い出されたら、次に、入賞した遊技役が「RB役」であるか否
かが主制御基板84により判断される(S100)。RB役に入賞していた場合(S10
0:YES)は、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が実行された後(S110)、S
10の処理に戻って上述した一連の処理が行われる。ここで、レギュラーボーナス遊技(
RB遊技)とは、次のような遊技である。すなわち、所定回数(例えば、12ゲーム)の
遊技が行われるか、所定回数(例えば、8回入賞するまで)だけ入賞が成立するまでの間
、遊技役を成立させる図柄の組合せが増加し、そして内部抽選で当選する確率も高い確率
に設定されている。このため、レギュラーボーナス遊技では、遊技者は多量の遊技メダル
を獲得することが可能であり、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。なお、レギ
ュラーボーナス遊技中は、RB役やBB役に入賞することはない。
【0076】
一方、入賞した遊技役が「RB役」ではないと判断された場合(S100:NO)には
、「BB役」であるか否かが主制御基板84により判断される(S120)。BB役に入
賞していた場合(S120:YES)には、ビッグボーナス遊技(BB遊技)が実行され
た後(S130)、S10の処理に戻って上述した一連の処理が行われる。ここで、ビッ
グボーナス遊技(BB遊技)とは、所定枚数(例えば、465枚)の遊技メダルが払い出
されるまで、前述したレギュラーボーナス遊技を複数回、連続的に発生させることが可能
な遊技状態である。つまり、ビッグボーナス遊技は、「RB役」の入賞が成立するまでの
導入遊技と、「RB役」の入賞成立後のレギュラーボーナス遊技と、から構成されるもの
で、所定枚数(例えば、465枚)の遊技メダルが払い出されるまで、導入遊技とレギュ
ラーボーナス遊技とを繰り返し行う遊技である。そして、ビッグボーナス遊技中に払い出
された遊技メダルの枚数が所定枚数(例えば、465枚)に到達すると、ビッグボーナス
遊技は終了する。このため、ビッグボーナス遊技は、上述したレギュラーボーナス遊技よ
りも、更に多量の遊技メダルを獲得することが可能であり、遊技者にとってさらに有利な
遊技状態となっている。
【0077】
これに対して、入賞した遊技役が「BB役」でもないと判断された場合(S120:N
O)には、「リプレイ役」、「RB役」、「BB役」の何れでもないから、「小役」に入
賞していたことになる。この小役の入賞に対する遊技メダルの払い出しは、S90で既に
行われている。このため、この場合には、図9に示す遊技制御処理の先頭の処理(S10
)に戻って遊技メダルがベットされたか否かが判断された後、上述した一連の処理が繰り
返される。
【0078】
以上のように、本実施形態のスロットマシン10では、遊技メダルを投入し、スタート
レバー42を操作して内部抽選を行い、回胴停止ボタン44A、44B、44Cを押して
、各リール帯14A、14B、14Cの図柄を、内部抽選に当選した遊技役に対応する図
柄組合せで停止表示させることを繰り返すことによって遊技が進行していく。そして、入
賞が成立した場合には、入賞した遊技役に応じた枚数の遊技メダルが、メダル払出装置2
6から払い出され、メダル排出口36から排出される。
【0079】
次に、第1実施形態の遊技機の作用について説明する。
【0080】
図1、図4及び図6に示すように、遊技をする前には、可動ユニット56は、操作部4
0の内部に形成された空間部Mに収納されている。この状態では、遊技者は、可動ユニッ
ト56を視認することができない。また、操作部40の開口部52は各開閉板54R、5
4Lにより閉塞された状態となっているため、空間部Mに埃やゴミなどが混入することを
防止できる。また、開口部52は各開閉板54R、54Lで閉塞されているため、各開閉
板54R、54Lの上面のスペースを別の用途に使用することができる。さらに、可動ユ
ニット56が操作部40の内部にある空間部Mに収納されているため、遊技者がスタート
レバー42や回胴停止ボタン44A、44B、44Cを操作する際に可動ユニット56が
邪魔になることがない。
【0081】
ここで、遊技に関して所定の条件が成立し、BB遊技やRB遊技に突入すると、サブ制
御基板86から第1駆動部64に制御信号が出力される。サブ制御基板86から第1駆動
部64に制御信号が出力されると、右側開閉板54R及び左側開閉板54Lが第1駆動部
64により水平方向にスライドさせられる。これにより、開口部52が開放される。
【0082】
次に、開口部52が開放されると、サブ制御基板86から照明部62に射光に関する制
御信号が出力される。これにより、照明部62は垂直方向に射光する。なお、このとき、
複数の照明部62は、それぞれ別々の射光タイミング及び射光パターンで射光制御される
ことにより、遊技者に認識を一層高めることができる。また、照明部62は可動ユニット
56を構成する土台部58に取り付けられているため、開口部52が開放されると、可動
ユニット56が出でくることを遊技者に明確に認識させることができる。この結果、遊技
者の遊技に対する意識を高めることができ、遊技者を遊技に一層集中させることができる

【0083】
次に、サブ制御基板86から第2駆動部66に制御信号が出力される。図2、図5及び
図7に示すように、サブ制御基板86から第2駆動部66に制御信号が出力されると、可
動ユニット56が第2駆動部66により上方向に移動される。そして、土台部58が操作
部40の上面と面一になる位置に到達すると、第2駆動部66による駆動が停止される。
このとき、各キャラクタ物60R、60M、60Lは、開口部52の外部に位置している
状態となる。このように、各キャラクタ物60R、60M、60Lが遊技者の目前にいき
なり登場してくるため、遊技環境の演出を一層華やかにすることができる。また、遊技者
に有利な遊技状態(「BB役」あるいは「RB」役)が成立していることも相まって、遊
技者の気分を高揚させ、遊技により一層集中させることができる。この結果、遊技性をさ
らに向上させることができる。
【0084】
ここで、各キャラクタ物60R、60M、60Lの上側先端部は表示窓68の下方に位
置しているため、表示窓68に各キャラクタ物60R、60M、60Lが被ってしまうこ
とがない。これにより、遊技者が表示窓68を介して図柄を見る際に、各キャラクタ物6
0R、60M、60Lが遊技者の視線上に入ることがない。このため、遊技者が各リール
帯14A、14B、14Cの外周面に表示された図柄を見るときに、可動ユニット56が
邪魔して図柄が見難くなってしまうことを防止できる。この結果、可動ユニット56によ
って遊技者が回胴停止ボタン44A、44B、44Cを押すタイミングが狂わされること
がないため、可動ユニット56が遊技者の操作性に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0085】
また、土台部58の大きさは、開口部52の大きさと同一又は略同一となるように設定
されているため、土台部58と操作部40の上面が面一になったときに土台部58と開口
部52の内側との間に隙間が生じることがない。これにより、可動ユニット56が開口部
52の外部に移動したときに開口部52の内側と土台部58との間から操作部40の内部
にある空間部Mに異物が混入してしまうことを防止できる。
【0086】
さらに、可動ユニット56を操作部40内部の空間部Mに設けることにより、操作部4
0内部の既存のスペースを有効に利用することができる。これにより、可動ユニット56
を設けるための部材やスペースをスロットマシンに別途設ける必要がなく、既存の構成部
材のスペースを可動ユニット56の収納部としてそのまま用いることができる。この結果
、可動ユニット56を設ける場合にスロットマシン10の大きな設計変更が伴うことがな
く、また、スロットマシン10の製造コストが増加することを防止できる。さらに、スロ
ットマシン10を大型化させる必要もない。
【0087】
また、可動ユニット56が操作部40に対して着脱可能に設けられているため、可動ユ
ニット56のみをスロットマシン10から取り外し、別のスロットマシンにそのまま装着
することができる。これにより、可動ユニット56の互換性を向上させることができる。
また、可動ユニット56のメンテナンス時には、可動ユニット56のみをスロットマシン
10から取り外すことにより、メンテナンス作業の効率を上げることができる。なお、第
1駆動部64及び第2駆動部66も操作部40に対して着脱可能に設けることにより、第
1駆動部64及び第2駆動部66のみをスロットマシン10から取り外し、別のスロット
マシンにそのまま装着することができ、また、第1駆動部64及び第2駆動部66のみを
スロットマシン10から取り外して容易にメンテナンス作業をすることができる。さらに
、可動ユニット56や各駆動部64、66が商品寿命の際は、可動ユニット56や各駆動
部64、66をスロットマシン10から取り出して新しいものに換えるだけで容易に対処
することができる。また、可動ユニット56の着脱作業は前面扉38を開放しないと行え
ないようになっており、遊技者が勝手に可動ユニット56を取り外そうとしても、可動ユ
ニット56が前面扉38の裏面側に固定されているので、可動ユニット56の盗難、紛失
を防ぐことができる。
【0088】
また、可動ユニット56をスロットマシン10の操作部40に設けることにより、スロ
ットマシン10の操作部40がパチンコ機の操作部と比較して比較的高い位置に設けられ
ているため、可動ユニット56を遊技者の目線の高さで移動させることができる。これに
より、可動ユニット56の移動を遊技者に確実に認識させることができる。
【0089】
一方、BB役やRB役の遊技が終了すると、サブ制御基板86から第2駆動部66に制
御信号が出力される。サブ制御基板86から第2駆動部66に制御信号が出力されると、
可動ユニット56が第2駆動部66により下方向に移動される。これにより、可動ユニッ
ト56は、操作部40の内部にある空間部Mに収納される。
【0090】
そして、サブ制御基板86から第1駆動部64に制御信号が出力される。サブ制御基板
86から第1駆動部64に制御信号が出力されると、第1駆動部64により右側開閉板5
4R及び左側開閉板54Lが水平方向にスライドさせられる。これにより、開口部52が
閉塞される。このように、可動ユニット56が操作部40の内部にある空間部Mに完全に
収納されるため、可動ユニット56が遊技者の操作に対して邪魔になることがない。
【0091】
また、可動ユニット56が空間部Mに収納されると、サブ制御基板86から照明部62
に制御信号が出力され、各照明部62の射光が停止される。
【0092】
なお、図11に示すように、操作部40の上面上であって開口部52又はその近傍に、
可動ユニット56が開口部52の外部に移動したときに各キャラクタ物60R、60M、
60Lを覆う透明のカバー部材102を設けるようにしてもよい。これにより、可動ユニ
ット56が開口部52の外部に露出したときに、各キャラクタ物60R、60M、60L
は常にカバー部材102で覆われることになる。この結果、可動ユニット56に直接接触
することができなくなるため、可動ユニット56が破損等してしまうことを防止できる。
また、カバー部材102は透明であるため、内部の可動ユニット56をカバー部材102
の外部から容易に視認することができる。また、カバー部材102を空間部Mに収納でき
る程度の大きさに設定し、可動ユニット56の各キャラクタ物60R、60M、60Lを
常に覆うことができるようにカバー部材102を土台部58に設け、カバー部材102を
可動ユニット56と共に移動させるように構成してもよい。
【0093】
上述した実施形態では、可動ユニット56が移動するのはBB遊技やRB遊技が開始さ
れた時としたが、内部抽選によってBB役やRB役が当選してからBB遊技やRB遊技が
開始されるまでの遊技中(BB又はRB内部当選状態)に可動ユニット56が移動するも
のとしてもよい。こうすることで、可動ユニット56が移動した時にBB役又はRB役に
内部当選していることを遊技者に報知することができる。
【0094】
次に、本発明の第2実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、
本実施形態では本発明を遊技機の一例であるパチンコ機に適用した構成を説明する。
【0095】
図1に示すように、第2実施形態に係る遊技機であるパチンコ機200の前面部は、主
として外枠202と、中枠204と、前面枠206と、上皿部208と、下皿部210と
、から構成されている。
【0096】
図12乃至図15に示すように、外枠202は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組
立て固着したものである。中枠204は、全体がプラスチック製で、外枠202に対して
開閉可能に軸支されている。
【0097】
前面枠206は全体がプラスチック製であり、前面枠206には遊技盤(図省略)を前
方から視認するべく、遊技盤に形成された遊技領域(図示省略)の形状に対応して略円形
に形成された開口部212が形成されている。また、前面枠206の裏面には、ガラス板
214がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とす
れば、遊技盤に形成された遊技領域はガラス板214の後方に位置するようになっている
。なお、本実施形態では、ガラス板214を前面枠206の裏面側に取り付けた構成を例
にとり説明したが、例えば、前面枠206の前面側にガラス枠により取り付けてもよい。
また、ガラス板214に替えて、透明な樹脂板を前面枠206に取り付けることができる

【0098】
また、この前面枠206は、パチンコ機200の前面部全体の約2/3のサイズを占め
、中枠204の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16の上部中
央には、2個のLED216がそれぞれ取り付けられている。
【0099】
また、前面枠206の下方には、前面扉207が中枠204の左端に対して開閉可能と
なるように軸支されている。この前面扉207には、遊技側に突出する上皿部208が設
けられている。この上皿部208の表面中央部には、所定の効果音を出力するスピーカ2
18が設けられている。また、上皿部208のスピーカ218の両側には、各種操作スイ
ッチ220がそれぞれ取り付けられている。
【0100】
ここで、上皿部208の上面上であって左右両側には、開口部(図示省略)がそれぞれ
形成されている。また、上皿部208には、駆動により開口部を開放又は閉塞する開閉板
(開閉部)が設けられている。この開閉板(開閉部)は、上皿部208に着脱可能に設け
られた第1駆動部280(図16参照)により駆動され、水平方向にスライドする。また
、上皿部208の内部には、開口部と連通する空間部Mが形成されている。また、空間部
Mの内部には、可動ユニット222が着脱可能に設けられている。この可動ユニット22
2は、土台部224と、土台部224の上面に取り付けられたキャラクタ物226と、で
構成されている。また、土台部224には、上皿部208に着脱可能に設けられた第2駆
動部282(図16参照)が接続されている。土台部224は、第2駆動部282により
駆動され、上下方向に移動する。さらに、土台部224には、垂直方向に射光する複数の
照明部284(図16参照)が取り付けられている。
【0101】
また、第1駆動部280、第2駆動部282及び照明部284はサブ制御基板256と
それぞれ電気的に接続されており、これら各部はサブ制御基板256からの制御信号を受
けて作動する。
【0102】
なお、第1駆動部280、第2駆動部282及び照明部284は、第1実施形態の遊技
機に用いられる第1駆動部64、第2駆動部66及び照明部62と同様の構成である。
【0103】
また、上皿部208の下側には、下皿部210が設けられている。この下皿部210の
略中央には、パチンコ機200の内部から遊技球を排出するための排出口228が形成さ
れている。また、下皿部210の遊技者から見て右側には、発射装置ユニットを操作する
ための発射ハンドル230が設けられている。さらに、下皿部210の遊技者から見て左
側には、灰皿240が設けられている。
【0104】
次に、パチンコ機200を構成する電子制御装置250について説明する。
【0105】
図16に示すように、電子制御装置250は、主制御基板252と、払出制御基板25
4と、サブ制御基板256と、発射制御基板258と、を備えている。
【0106】
主制御基板252は、CPU252Aと、ROM252Bと、を備えている。また、主
制御基板252は、中継端子板260を介して、始動口スイッチ262と、大入賞口スイ
ッチ264と、ゲートスイッチ268と、カウントスイッチ270と、にそれぞれ電気的
に接続されている。また、主制御基板252は、中継端子板272を介して、普通電動役
物ソレノイド274と、大入賞口ソレノイド276と、図柄表示装置278と、にそれぞ
れ電気的に接続されている。
【0107】
また、主制御基板252のCPU252Aは、ROM252Bに記憶されたデータに基
づいて、普通電動役物ソレノイド274、大入賞口ソレノイド276、図柄表示装置27
8及びサブ制御基板256をそれぞれ制御する。また、主制御基板252のCPU252
Aは、遊技全体を司り主として当否判定(例えば、普通図柄抽選処理、特別図柄抽選処理
)などの遊技状態を判断するものであり、この判断した遊技状態に沿った遊技環境を実現
させるようにサブ制御基板256及び払出制御基板254を直接的に制御する。また、主
制御基板252のCPU252Aは、第1駆動部280、第2駆動部282、照明部28
4、演出表示基板286、アンプ基板288、装飾駆動基板290及び演出ボタン基板2
92をサブ制御基板256を介して間接的に制御する。
【0108】
払出制御基板254は、中継端子板294を介して、ガラス枠スイッチ296と、外部
タンクスイッチ298と、タンクスイッチ300と、にそれぞれ電気的に接続されている
。また、払出制御基板254は、中継端子板302を介して、エラーLED304に電気
的に接続されている。また、払出制御基板254は、下皿満タンスイッチ306に電気的
に接続されている。また、払出制御基板254は、中継端子板308を介して、球貸表示
基板310と、球貸装置312と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、球貸表示
基板310には、球貸スイッチ314と、返却スイッチ316と、がそれぞれ電気的に接
続されている。また、払出制御基板254は、中継端子板318を介して、払出モータ3
20と払出スイッチ322にそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板2
54は、発射制御基板258に電気的に接続されている。
【0109】
図16及び図17に示すように、サブ制御基板256は、第1駆動部280と、第2駆
動部282と、照明部284と、演出表示基板286と、アンプ基板288と、装飾駆動
基板290と、演出ボタン基板292と、がそれぞれ電気的に接続されている。
【0110】
また、演出表示基板286は、演出表示装置324と演出表示ROM326にそれぞれ
電気的に接続されている。
【0111】
また、アンプ基板288には、所定の効果音を出力する各種スピーカ218が電気的に
接続されている。また、装飾駆動基板290には、各種LED・ランプ216が電気的に
接続されている。さらに、演出ボタン基板292には、操作スイッチ220が電気的に接
続されている。
【0112】
また、図18に示すように、発射制御基板258は、発射駆動基板328を介して、発
射モータ330と、発射停止スイッチ332と、タッチスイッチ334にそれぞれ電気的
に接続されている。また、発射制御基板258は、球送りソレノイド336に電気的に接
続されている。
【0113】
次に、第2実施形態に係る遊技機の作用について説明する。
なお、第1実施形態に係る遊技機の作用と同様の作用及び効果については、その説明を
適宜省略する。
【0114】
図12及び図14に示すように、遊技をする前には、可動ユニット222は、上皿部2
08の内部に形成された空間部Mに収納されている。この状態では、遊技者は、可動ユニ
ット222を視認することができない。また、上皿部208の開口部は開閉板により閉塞
された状態となっているため、空間部Mに埃やゴミなどが混入することを防止できる。ま
た、開口部は開閉板で閉塞されているため、開閉板の上面のスペースを別の用途に使用す
ることができる。さらに、可動ユニット222が上皿部208の内部にある空間部Mに収
納されているため、遊技者が発射ハンドル230を操作する際に可動ユニット222が邪
魔になることがない。
【0115】
ここで、遊技に関して所定の条件が成立し、大当り遊技(例えば、確変大当り遊技や通
常大当り遊技)に突入すると、サブ制御基板256から第1駆動部280に制御信号が出
力される。サブ制御基板256から第1駆動部280に制御信号が出力されると、開閉板
が第1駆動部280により水平方向にスライドさせられる。これにより、開口部が開放さ
れる。
【0116】
次に、開口部が開放されると、サブ制御基板256から照明部284に射光に関する制
御信号が出力される。これにより、照明部284は垂直方向に射光する。なお、このとき
、複数の照明部284は、それぞれ別々の射光タイミング及び射光パターンで射光制御さ
れることにより、遊技者に認識を一層高めることができる。また、照明部284は可動ユ
ニット222を構成する土台部224に取り付けられているため、開口部が開放されると
、可動ユニット222が出でくることを遊技者に明確に認識させることができる。この結
果、遊技者の遊技に対する意識を高めることができ、遊技者を遊技に一層集中させること
ができる。
【0117】
次に、サブ制御基板256から第2駆動部282に制御信号が出力される。図13及び
図15に示すように、サブ制御基板256から第2駆動部282に制御信号が出力される
と、可動ユニット222が第2駆動部282により上方向に移動される。そして、土台部
224が上皿部208の上面と面一になる位置に到達すると、第2駆動部282による駆
動が停止される。このとき、キャラクタ物226は、上皿部208の外部に位置している
状態となる。このように、キャラクタ物226が遊技者の目前にいきなり登場してくるた
め、遊技環境の演出を一層華やかにすることができる。また、遊技者に有利な遊技状態(
大当り遊技)が成立していることも相まって、遊技者の気分を高揚させ、遊技により一層
集中させることができる。この結果、遊技性をさらに向上させることができる。
【0118】
また、土台部224の大きさは、開口部の大きさと同一又は略同一となるように設定さ
れているため、土台部224と上皿部208の上面が面一になったときに土台部224と
開口部の内側との間に隙間が生じることがない。これにより、可動ユニット222が上皿
部208の外部に移動したときに開口部の内側と土台部224との間から上皿部208の
内部にある空間部Mに異物が混入してしまうことを防止できる。
【0119】
さらに、可動ユニット222を上皿部208内部の空間部Mに設けることにより、上皿
部208内部の既存のスペースを有効に利用することができる。これにより、可動ユニッ
ト222を設けるための部材やスペースをパチンコ機200に別途設ける必要がなく、既
存の構成部材のスペースを可動ユニット222の収納部としてそのまま用いることができ
る。この結果、可動ユニット222を設ける場合にパチンコ機200の大きな設計変更が
伴うことがなく、また、パチンコ機200の製造コストが増加することを防止できる。さ
らに、パチンコ機200を大型化させる必要もない。
【0120】
また、可動ユニット222が上皿部208に対して着脱可能に設けられているため、可
動ユニット222のみをパチンコ機200から取り外し、別のパチンコ機にそのまま装着
することができる。これにより、可動ユニット222の互換性を向上させることができる
。また、可動ユニット222のメンテナンス時には、可動ユニット222のみをパチンコ
機200から取り外すことにより、メンテナンス作業の効率を上げることができる。なお
、第1駆動部280及び第2駆動部282も上皿部208に対して着脱可能に設けること
により、第1駆動部280及び第2駆動部282のみをパチンコ機200から取り外し、
別のパチンコ機にそのまま装着することができ、また、第1駆動部280及び第2駆動部
282のみをパチンコ機200から取り外して容易にメンテナンス作業をすることができ
る。さらに、可動ユニット222や各駆動部280、282が商品寿命の際は、可動ユニ
ット222や各駆動部280、282をパチンコ機200から取り出して新しいものに換
えるだけで容易に対処することができる。
【0121】
一方、大当たり遊技が終了すると、サブ制御基板256から第2駆動部282に制御信
号が出力される。サブ制御基板256から第2駆動部282に制御信号が出力されると、
可動ユニット222が第2駆動部282により下方向に移動される。これにより、可動ユ
ニット222は、上皿部208の内部にある空間部Mに収納される。
【0122】
そして、サブ制御基板256から第1駆動部280に制御信号が出力される。サブ制御
基板256から第1駆動部280に制御信号が出力されると、第1駆動部280により開
閉板が水平方向にスライドさせられる。これにより、開口部が閉塞される。このように、
可動ユニット222が上皿部208の内部にある空間部Mに完全に収納されるため、可動
ユニット222が遊技者の操作に対して邪魔になることがない。
【0123】
なお、上述した第1および第2実施形態では、照明部62が射光するタイミングを開閉
板54が開口部52を開放したときに射光するものとしたが、照明部62が射光するタイ
ミングとして開閉板54が開口部52を開放する前に射光するものとしてもよい。こうす
ることで、開口部52が開放されてから照明部62が射光する間に一瞬の時間差が生じて
しまうことを防止することができる。
【0124】
また、上述した第1および第2実施形態では、開閉板54が開口部52を閉鎖している
状態では空間部Mに収容された可動ユニット56を視認することはできないようにしてい
たが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、開閉板54をマジックミラーで
形成し、所定の条件で開閉板54に向けて照明部62を射光することとしてもよい。マジ
ックミラーに射光することで空間部Mに収容された可動ユニット56が視認可能となり、
遊技者に特別な演出が開始されたことを報知することができる。したがって、可動ユニッ
ト56が操作部40の外部に移動してくること予期させる効果的な演出を行うことができ
るので遊技の興趣を高めることができる。
【符号の説明】
【0125】
10 スロットマシン(遊技機)
12 筐体
14A、14B、14C リール帯(回転リール)
38 前面扉(扉部)
40 操作部
44A、44B、44C 回胴停止ボタン(回転停止部)
52 開口部
54 開閉板(開閉部)
56 可動ユニット(可動部)
58 土台部
60R 右側キャラクタ物(装飾部)
60M 中央キャラクタ物(装飾部)
60L 左側キャラクタ物(装飾部)
62 照明部
64 第1駆動部
66 第2駆動部
68 表示窓
86 サブ制御基板(制御部)
102 カバー部材(保護部材)
200 パチンコ機(遊技機)
202 外枠(筐体)
207 前面扉(扉部)
208 上皿部(操作部)
222 可動ユニット(可動部)
224 土台部
226 キャラクタ物(装飾部)
256 サブ制御基板(制御部)
280 第1駆動部
282 第2駆動部
284 照明部
M 空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と前記筐体の前面部を覆う扉部と前記扉部の前面側から突出した操作部とを備えた遊技機であって、
前記操作部の上面に形成された開口部と、
前記開口部を開放又は閉塞する開閉部と、
前記開閉部を駆動させる第1駆動部と、
前記開口部と連通し前記操作部の内部に形成された空間部と、
前記空間部に設けられ、前記空間部から前記開口部を介して前記操作部の外部に移動する可動部と、
前記可動部を駆動させる第2駆動部と、を備え
前記可動部は、昇降可能な土台部と、前記土台部の上面に設けられる装飾部と、を有し、
前記土台部の大きさは、前記装飾部が前記操作部の外部に突出した状態である場合に前記開口部を閉鎖可能な大きさであることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記操作部又は前記可動部には、前記装飾部を覆う透明の保護部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−50756(P2011−50756A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245096(P2010−245096)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【分割の表示】特願2006−76618(P2006−76618)の分割
【原出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】