説明

遊技機

【課題】遊技者の遊技意欲を維持または向上させることのできる遊技機を提供すること。
【解決手段】複数のリールと内部抽選手段とリール制御手段と入賞判定手段と遊技状態移行制御手段とリプレイ確率変動手段と特典付与手段とを備え、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せとして特典図柄組合せを含む複数種類の図柄組合せが設定され、内部抽選手段がボーナス成立状態ではボーナスが入賞するまで当該ボーナスの当選状態を維持するとともにボーナス以外の役の当否を決定する内部抽選を行い、入賞判定手段がボーナスの入賞形態を示す複数種類の図柄組合せのいずれかが表示されたことに基いてボーナスが入賞したと判定し、リール制御手段がリプレイ高確率状態とリプレイ低確率状態とでボーナスの入賞形態を示す複数種類の図柄組合せのうち特典図柄組合せと他の図柄組合せとの間の相対的な表示確率が異なるようにリールを停止させる制御を行うことを特徴とする遊技機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の操作に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行い、内部抽選の結果に基づいて遊技の結果をリールに配列された図柄の組合せを用いて表示し、表示された図柄組合せが役の入賞形態を示す図柄組合せである場合に、役が入賞したと判定して遊技媒体の払い出しなどを行う機能を備えている。
【0003】
ところで、この種の遊技機は、遊技者の遊技意欲を高めるために、構成、制御方法、演出方法などに様々な工夫が施される。その一例として、内部抽選の対象となる役に、複数の小役を設定して、該小役の入賞の態様に基づいて、遊技者に特典を付与するか否かを決定する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、2種の小役が内部抽選において重複して当選したときに、リールを特定のタイミングで停止させると、一方の小役が入賞するようにし、また、該特定のタイミング以外で停止させると他方の小役が入賞するようにしたスロットマシンが開示されている。そして同公報のスロットマシンでは、リールを特定のタイミングで停止させることによって、一方の小役の入賞形態を示す図柄組合せが表示され遊技者に特典を付与される。同公報には、このようにすることで、遊技者の技量に応じて特典が得られるようになっているため、技術介入を取り入れた遊技性を得ることができる等の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−043469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特典を付与するか否かを、特定の図柄組合せの表示に依存させて決定するような遊技性を構築する場合、上記特許文献1の遊技機のように、当選役の表示に依存させて行う方法では、特典が付与されるかどうかが、リールの停止操作を行う遊技者の技量に大きく依存することとなり、遊技機に設計どおりの遊技性を付与することが困難となる場合があった。
【0006】
また一つの役に複数の図柄組合せを対応させ、この表示によって特典を付与するか否かを決定するような態様では、どのように図柄組合せを表示させるかについて設計したとしても、図柄組合せの表示が遊技者の技量によって左右されて遊技性の制御が困難であった。すなわち、特定の役の入賞形態を示す図柄組合せを複数設定する場合には、各図柄組合せの表示確率を変化させることが難しく、従来の方法では、遊技者の技術介入によって設計通りの表示確率を得ることは難しかった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を構築し、遊技者の遊技意欲を維持または向上させることのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、ボーナス、小役およびリプレイを含む複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行い、当該内部抽選で当選した役を当選状態に設定する内部抽選手段と、前記複数のリールを遊技毎に回転させるとともに、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、前記複数のリールが停止した状態で、役毎に予め定められている入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたことに基づいて役が入賞したと判定する入賞判定手段と、通常状態で前記ボーナスに当選したことを契機として遊技状態をボーナス成立状態に移行させ、前記ボーナス成立状態で前記ボーナスが入賞したことを契機として遊技状態をボーナス状態へ移行させる制御を行う遊技状態移行制御手段と、前記ボーナス成立状態において、前記リプレイの当選確率が高いリプレイ高確率状態および前記リプレイの当選確率が前記リプレイ高確率状態よりも低いリプレイ低確率状態が存在するようにリプレイの当選確率を変動させるリプレイ確率変動手段と、前記ボーナスが特典図柄組合せの表示に基づいて入賞した場合、前記ボーナス状態もしくは前記ボーナス状態の終了後に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、を備えた遊技機に関し、前記ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せとして、前記特典図柄組合せを含む複数種類の図柄組合せが設定され、前記内部抽選手段が、前記ボーナス成立状態では、前記ボーナスが入賞するまで当該ボーナスの当選状態を維持するとともに、当該ボーナス以外の役の当否を決定する内部抽選を行い、前記入賞判定手段が、前記ボーナスの入賞形態を示す前記複数種類の図柄組合せのいずれかが表示されたことに基づいて前記ボーナスが入賞したと判定し、前記リール制御手段が、前記リプレイ高確率状態と前記リプレイ低確率状態とで、前記ボーナスの入賞形態を示す複数種類の図柄組合せのうち、前記特典図柄組合せと他の図柄組合せとの間の相対的な表示確率が異なるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが、特典図柄組合せを含んで複数種類設定され、それらの図柄組合せのうち特典図柄組合せの表示確率が、リプレイ高確率状態とリプレイ低確率状態とで互いに異なるように複数のリールの停止が制御される。したがって、内部抽選におけるボーナスや小役の当選確率を変化させることなく、ボーナスに対応する複数の図柄組合せの表示確率に相対的な差違を生じさせることができる。これにより、ボーナスに当選した後において、特典図柄組合せが表示されるか否かについての新たな遊技性が得られ、遊技者にボーナスの当否についての期待感に加えて、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せの表示に関する期待感を与えることができる。したがって、このような遊技機は、新たな遊技性が構築されたものであり遊技者の遊技意欲を維持または向上させることができる。
【0010】
(2)本発明の遊技機では、前記リール制御手段が、前記ボーナスおよび前記リプレイが共に当選状態に設定されている遊技においては、前記リプレイを示す図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させ、前記ボーナスのみが当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す複数種類の図柄組合せのうち、前記特典図柄組合せ以外の図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されることがあるように前記複数のリールを停止させ、前記ボーナスおよび前記小役が共に当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す前記特典図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されることがあるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことができる。
【0011】
このような遊技機は、特典図柄組合せが入賞判定ライン上に表示される確率が、リプレイ高確率状態とリプレイ低確率状態とで異なり、リプレイ高確率状態におけるほうが高くなっている。すなわち、リプレイ高確率状態においては、リプレイの当選確率が高く、不当選の確率が低い。他方、リプレイ低確率状態においては、リプレイの当選確率が低く、不当選の確率が高い。そして、ボーナスおよびリプレイが共に当選状態に設定された遊技では、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せが表示されるようになっている。そのため、リプレイがボーナスと同時に当選していない遊技であって、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを表示させることのできる遊技において、小役が当選する割合が、リプレイ高確率状態にあるほうがリプレイ低確率状態にあるよりも、相対的に大きくなっている。したがって、ボーナスに当選したときにリプレイ高確率状態にあると、特典図柄組合せが入賞しやすく、特典が付与されやすくなっている。
【0012】
すなわち、このような遊技機は、ボーナス当選後の内部抽選における、不当選の確率に対する小役の当選確率が、リプレイ高確率状態において、リプレイ低確率状態におけるよりも、相対的に大きくなっている。そのため、内部抽選においてボーナスに当選したときに、リプレイ高確率状態にあるほうが、リプレイ低確率状態にあるよりも、遊技者にとって有利な特典図柄組合せが表示されやすくなっている。これにより、遊技者にボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを表示させる際の期待感を与えることができる。
【0013】
(3)本発明の遊技機では、前記リール制御手段が、前記ボーナスおよび前記リプレイが共に当選状態に設定されている遊技においては、前記リプレイを示す図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させ、前記ボーナスのみが当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す前記特典図柄組合せを含む前記複数種類の図柄組合せをいずれも前記入賞判定ライン上に表示させることができるように前記複数のリールを停止させ、前記ボーナスおよび前記小役が共に当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す前記特典図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されることがあるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことができる。
【0014】
このような遊技機は、特典図柄組合せが入賞判定ライン上に表示される確率が、リプレイ高確率状態とリプレイ低確率状態とで異なり、リプレイ低確率状態におけるほうが高くなっている。そして、ボーナスおよびリプレイが共に当選状態に設定された遊技では、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せが表示されるようになっている。そのため、リプレイがボーナスと同時に当選していない遊技、すなわちボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを表示させることのできる遊技において、小役が当選する割合が、リプレイ高確率状態にあるほうがリプレイ低確率状態にあるよりも、相対的に大きくなっている。したがって、ボーナスに当選したときにリプレイ低確率状態にあると、特典図柄組合せを入賞させやすく、特典が付与されやすくなっている。
【0015】
すなわち、このような遊技機は、ボーナス当選後の内部抽選における不当選の確率が、リプレイ低確率状態におけるほうが、リプレイ高確率状態におけるよりも、相対的に大きくなっている。そのため、内部抽選においてボーナスに当選したときに、リプレイ低確率状態にあるほうが、リプレイ高確率状態にあるよりも、遊技者にとって有利な特典図柄組合せが表示されやすくなっている。これにより、遊技者にボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを表示させる際の期待感を与えることができる。
【0016】
(4)本発明の遊技機では、前記内部抽選の対象となる小役として特定小役が含まれ、前記リール制御手段が、前記ボーナスおよび前記リプレイが共に当選状態に設定されている遊技においては、前記リプレイを示す図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させ、前記ボーナスのみが当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す前記特典図柄組合せを含む前記複数種類の図柄組合せをいずれも前記入賞判定ライン上に表示させることができるように前記複数のリールを停止させ、前記ボーナスおよび前記特定小役が共に当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す前記特典図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されることがあるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことができる。
【0017】
このような遊技機は、特典図柄組合せが入賞判定ライン上に表示される確率が、リプレイ高確率状態とリプレイ低確率状態とで異なり、リプレイ高確率状態におけるほうが高くなっている。そして、ボーナスおよびリプレイが共に当選状態に設定された遊技では、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せが表示されるようになっている。そのため、リプレイがボーナスと同時に当選していない遊技であって、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを表示させることのできる遊技において、特定の小役が当選する割合が、リプレイ高確率状態にあるほうがリプレイ低確率状態にあるよりも、相対的に大きくなっている。したがって、ボーナスに当選したときにリプレイ高確率状態にあると、特典図柄組合せが入賞しやすく、特典が付与されやすくなっている。
【0018】
すなわち、このような遊技機は、ボーナス当選後の内部抽選における特定の小役の当選確率が、リプレイ高確率状態におけるほうが、リプレイ低確率状態におけるよりも、相対的に大きくなっている。そのため、内部抽選においてボーナスに当選したときに、リプレイ高確率状態にあるほうが、リプレイ低確率状態にあるよりも、遊技者にとって有利な特典図柄組合せが表示されやすくなっている。これにより、遊技者にボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを表示させる際の期待感を与えることができる。
【0019】
(5)本発明の遊技機では、前記リプレイ確率変動手段が、前記ボーナス状態が終了したことを契機として前記リプレイ高確率状態に移行させ、所定の役が入賞したことを契機として前記リプレイ低確率状態に移行させ、前記特典付与手段が、前記特典図柄組合せの入賞に基づいて移行した前記ボーナス状態の終了後の遊技において、前記所定の役の入賞、または入賞の回避を補助する演出を演出装置に実行させることができる。
【0020】
このような遊技機は、特典図柄組合せの入賞に基づいて移行したボーナス状態の終了後において、遊技者にとって有利なリプレイの抽選状態を維持させやすくすることができる。そのため、特典図柄組合せの入賞に基づいて移行したボーナス状態が終了した後であって、次のボーナスに当選し、当該ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを表示させるときに、特典図柄組合せが表示されやすくすることができる。したがって、このような遊技機は、特典図柄組合せの入賞に基づいて移行したボーナス状態が終了した後に、もう一度、特典図柄組合せの入賞に基づくボーナス状態に移行しやすい。よって、このような遊技機は、遊技者にとって有利な状態を連続して発生させやすい点で、新たな遊技性が構築され、遊技者の遊技意欲を維持または向上させることができる。
【0021】
(6)本発明の遊技機では、前記内部抽選手段が、前記通常状態で前記ボーナスが当選するときには、前記リプレイを重複して当選させ、前記リール制御手段が、前記リプレイの入賞形態を示す図柄組合せを、前記ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せに優先して、前記入賞判定ライン上に表示させるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことができる。
【0022】
このような遊技機は、遊技者が技量によって、ボーナスの入賞形態を示す複数の図柄組合せのいずれかを選択する余地を減少させることができる。そのため、このような遊技機は、設計にしたがった遊技性を実現することができる。
【0023】
(7)本発明の遊技機では、前記リール制御手段が、前記ボーナス成立状態において、前記ボーナスおよび前記小役が共に当選状態に設定されている遊技では、当該小役の入賞形態を示す図柄組合せに優先して当該ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが、前記入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことができる。
【0024】
このような遊技機は、遊技者がその技量によって、ボーナスの入賞形態を示す複数の図柄組合せのうち、特典図柄組合せ以外の図柄組合せを表示させないようにする余地を減少させることができる。そのため、このような遊技機は、設計したとおりの遊技性を実現しやすくなる。
【0025】
(8)本発明の遊技機では、前記リール制御手段が、停止操作が行われた時点で、当選役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、前記入賞判定ラインに対して引き込み範囲にある場合には、前記入賞判定ラインに当該図柄を引き込むように前記複数のリールを停止させる制御を行い、前記複数のリールのそれぞれの外周面には、前記ボーナスの入賞形態を示す複数種類の図柄組合せのうち、前記特典図柄組合せを構成する図柄および他の図柄組合せを構成する図柄が、停止操作のタイミングに関わらず前記引き込み範囲にあるように配列されていることができる。
【0026】
このような遊技機は、遊技者がその技量によって、ボーナスの入賞形態を示す複数の図柄組合せのうち、特典図柄組合せ以外の図柄組合せを表示させないようにする余地を減少させることができる。そのため、このような遊技機は、設計したとおりの遊技性を実現しやすくなる。
【0027】
(9)本発明の遊技機では、前記リプレイ確率変動手段は、前記ボーナスが当選した時点のリプレイの当選確率を、少なくとも前記ボーナスが入賞するまで引き継ぐことができる。
【0028】
このような遊技機は、特典図柄組合せが表示されるか否かが、ボーナスに当選した時点で決定されることになる。そのため、このような遊技機は、例えば、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを表示させることが苦手な遊技者に対して、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが表示させることができるまで、安心して遊技を行わせることができる。また、このような遊技機は、ボーナス成立状態において、リプレイの当選確率が変化しないため、安定した遊技性を実現することができる。
【0029】
(10)本発明の遊技機では、前記リプレイ確率変動手段は、前記ボーナス成立状態に移行したことを契機として、前記リプレイの当選確率を、前記リプレイ高確率状態に移行させることができる。
【0030】
このような遊技機は、ボーナス成立状態に移行した後の遊技における、遊技媒体の消費を抑えることができる。このような遊技機は、例えば、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せを表示させることが苦手な遊技者に対して、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが表示させることができるまで、安心して遊技を行わせることができる。また、このような遊技機は、ボーナス成立状態において、遊技媒体の消費が抑えられるため、安定した遊技性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図。
【図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図。
【図3】本発明の実施形態の遊技機における内部抽選テーブルを説明する図。
【図4】本発明の実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図。
【図5】本発明の実施形態の遊技機における入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図。
【図6】本発明の実施形態の遊技機における制御処理を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施形態の遊技機における制御処理を示すフローチャート。
【図8】本発明の変形例1の遊技機における制御処理を示すフローチャート。
【図9】本発明の変形例2の遊技機における制御処理を示すフローチャート。
【図10】本発明の変形例2の遊技機における内部抽選テーブルを説明する図。
【図11】本発明の変形例3の遊技機における制御処理を示すフローチャート。
【図12】本発明の変形例3の遊技機における内部抽選テーブルを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0033】
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【0034】
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0035】
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
【0036】
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
【0037】
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0038】
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールに関する図柄の表示位置の組合せによって入賞判定ラインL1〜L4が設定されている。
【0039】
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールに関する図柄の表示位置の組合せによって入賞判定ラインL1〜L4が設定されている。具体的には、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段の組合せによって入賞判定ラインL1が設定され、第1リールR1の上段、第2リールR2の上段、および第3リールR3の上段の組合せによって入賞判定ラインL2が設定され、第1リールR1の下段、第2リールR2の下段、および第3リールR3の下段の組合せによって入賞判定ラインL3が設定され、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の上段の組合せによって入賞判定ラインL4が設定されている。すなわち本実施形態の遊技機では、第1リールR1の上段および下段、第2リールR2の中段、並びに第3リールR3の上段および下段は、複数の入賞判定ラインに共通の表示位置となっており、第1リールR1の中段、第2リールR2の上段および下段、並びに第3リールR3の中段は、1の入賞判定ライン上の表示位置となっている。
【0040】
そして遊技結果は表示窓DW内の4本の入賞判定ラインL1〜L4のいずれかに停止表示された図柄組合せによって判断され、入賞判定ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。なお、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数である規定数が3枚に設定され、規定数のメダルが投入されたことに基づいて4本の入賞判定ラインL1〜L4の全てが有効化される。なお、規定数については遊技状態に応じて異なっていてもよく、規定数が複数種類設定されている場合には、規定数に応じて有効化される入賞判定ラインの数が異なっていてもよい。
【0041】
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
【0042】
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカー(図示省略)が複数設けられている。このスピーカーからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0043】
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(ベット操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(回転開始操作手段)SL、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1〜B3などが設けられている。
【0044】
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステップモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
【0045】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
【0046】
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
【0047】
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
【0048】
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
【0049】
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
【0050】
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段(制御基板)100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0051】
遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、リプレイ確率変動手段175、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
【0052】
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当する3枚のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー(回転開始操作手段)SLに対する第1リールR1〜第3リールR3の回転開始操作を許可する処理を行う。なお、本実施形態の遊技機ではスタートレバーSLの押下操作が、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
【0053】
本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、3枚を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、メダル投入口MIに3枚を超えたメダルが投入された場合には、3枚を超えた分がクレジット(貯留)に加算される。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、3枚を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0054】
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0055】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバー(回転開始操作手段)SLの押下操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、内部抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
【0056】
内部抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段1911に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル記憶手段1911に、図3に示すような5種類の内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEが記憶されている。そして各内部抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびビッグボーナス(BB)などの各種の役が対応づけられている。
【0057】
なお本実施形態の遊技機では、小役として、ベル、および3種類のチェリーが用意されており、各内部抽選テーブルにおいて、内部抽選の対象となっているこれら4種類の小役が互いに重複して当選することがないように役と乱数値との対応関係が設定されている。また、本実施形態の遊技機では、ビッグボーナスは、リプレイと重複して当選するように役と乱数値との対応関係が設定されている。
【0058】
また本実施形態の遊技機では、通常状態、ボーナス成立状態(BB成立状態)、およびビッグボーナス状態(BB状態:ボーナス状態)という複数種類の遊技状態が設定可能とされており、内部抽選テーブル選択処理では遊技状態に応じて内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
【0059】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段1911に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0060】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段1912に格納される。
【0061】
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(本実施形態では小役およびリプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、当選したビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、当選したビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。なお、本実施形態の遊技機では、内部抽選において、ビッグボーナスはリプレイと共に当選し、当該遊技ではビッグボーナスおよびリプレイの抽選フラグが共に当選状態に設定されるが、次回以降の遊技では、リプレイの抽選フラグの当選状態はリセットされ、ビッグボーナスの抽選フラグは当選状態が維持されることになる。
【0062】
このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、ビッグボーナス(BB)以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行う。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選でビッグボーナス(BB)以外の役が当選した場合には、既に当選しているビッグボーナス(BB)の抽選フラグと内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)以外の役の抽選フラグとからなる2種類の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。なお、抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で役が当選しなかった場合には、既に当選しているビッグボーナス(BB)の抽選フラグを当選状態に維持する。
【0063】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバー(回転開始操作手段)SLの押下操作(回転開始操作)を行うことにより作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動して、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールに対応するストップボタンB1〜B3の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
【0064】
そしてリール制御手段130は、ストップボタン(停止操作手段)B1〜B3に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
【0065】
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1の停止操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2の停止操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3の停止操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
【0066】
また本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3が、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置は、ストップボタンB1〜B3の押下時点から各リールR1〜R3が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で入賞判定ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、当選した役に対応する図柄が入賞判定ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
【0067】
具体的には、リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算処理)と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段1913に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行っている。
【0068】
まずロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下操作が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。このようにすれば、ロジック演算処理で停止位置が決定される場合については、テーブル参照処理で停止位置を決定する必要がなくなるため、停止制御テーブルを設計する際に、全てのデータについて詳細な検証作業を行わなくてもよくなる分だけ遊技機の開発環境を改善することができる。
【0069】
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>ビッグボーナス(BB)>小役」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補の方が優先度が高くなるように優先度を求める。また、本実施形態の遊技機では、小役(ベルおよびチェリー)の優先順位については、重複当選することはないため、優先順位を定める必要はないが、重複当選する態様とすることも可能であり、その場合は、例えば、チェリーよりもベルのほうが優先順位が高くなるといったように、適宜優先順位を設定することができる。
【0070】
またロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
【0071】
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0072】
テーブル参照処理では、ロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段1913に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
【0073】
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下操作が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されていてもよい。
【0074】
また本実施形態の遊技機では、図4に示すように、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの外周面にリプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、およびボーナス図柄A「赤7」が、いずれも4コマ以内の間隔で配列されており、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに関わらず、これらの図柄を入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができるようになっている。
【0075】
さらに本実施形態の遊技機では、図4に示すように、第3リールR3の外周面に複数のボーナス図柄B「白7」が配列されており、ボーナス図柄A「赤7」同士の間隔、およびボーナス図柄B「白7」同士の間隔は、それぞれ4コマ以内となっているとともに、隣り合うボーナス図柄A「赤7」とボーナス図柄B「白7」との間隔は、4コマ以内となっているため、ストップボタンB3の押下タイミングに関わらず、ボーナス図柄A「赤7」あるいはボーナス図柄B「白7」のいずれかを入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができるようになっている。
【0076】
さらに図4に示すように、第1リールR1の外周面では、白チェリー図柄「WCH」、黒チェリー図柄「BCH」、および赤チェリー図柄「RCH」が、6番、13番、20番の位置に配置されている。このため、第1リールR1については、ストップボタンB1の押下タイミングにおいて、白チェリー図柄「WCH」、黒チェリー図柄「BCH」、および赤チェリー図柄「RCH」のそれぞれについて、入賞判定ラインに表示させることができる特定の区間が存在するようになっている。
【0077】
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段1914に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0078】
本実施形態の遊技機では、図4に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、ボーナス図柄A「赤7」、ベル図柄「BL」、各色のチェリー図柄「WCH」、「BCH」、「RCH」、リプレイ図柄「RP」が配列されている。また、第3リールR3の外周面に対しては、さらに、ボーナス図柄B「白7」が配列されている。さらに、第1リールR1および第2リールR2の外周面に対しては、ダミー図柄「DUM」が配列されている。そして各リールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって、図5に示すように、ビッグボーナス(BB)、リプレイ、ベル、および各色のチェリーの入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお図5に示す各色のチェリーの入賞形態を示す図柄組合せにおける「ANY」とは、対応するリールの外周面に配列されたいずれの図柄でもよいこと示す。
【0079】
本実施形態の遊技機では、図5に示すように、入賞判定ライン上に「赤7・赤7・赤7」および「赤7・赤7・白7」の図柄組合せのいずれかが表示された場合に、ビッグボーナス(BB)が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「RP・RP・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「BL・BL・BL」の図柄組合せが表示された場合、ベルが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「WCH・ANY・ANY」、「BCH・ANY・ANY」、「RCH・ANY・ANY」の図柄組合せのいずれかが表示された場合、チェリーが入賞したと判定される。
【0080】
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役(チェリー、ベル)が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ビッグボーナス(BB)が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0081】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。
【0082】
なお本実施形態の遊技機では、1種類の小役が複数の入賞判定ラインにおいて重複して入賞した場合に、払出制御手段150が、入賞した小役の配当に当該小役が入賞した入賞判定ラインの数を乗算した結果を、遊技におけるメダルの払出数として決定する。例えば、チェリーが入賞する場合には、必ず2本の入賞判定ライン上にチェリーの入賞形態が表示されるため、チェリーの入賞に伴うメダルの払出数は6枚となる。
【0083】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチが備えられてもよい。その場合、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチからの入力信号に基づいて払い出されたメダルの枚数を管理することができる。
【0084】
なおメダルのクレジット(貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、クレジット記憶領域(図示せず)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。また遊技の結果、リプレイまたはビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、図5に示すように、リプレイおよびビッグボーナスに対して配当が設定されていないため、ホッパーユニット320からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に0枚のメダルを払い出したとする処理(0枚処理)が行われる。
【0085】
このように本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、役が入賞したと判定された場合には、払出制御手段150が、メダルを払い出したり、クレジットメダルを追加したりする入賞時処理を実行する手段として機能する。
【0086】
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技の開始操作(遊技者によるスタートレバーSLの押下操作)を待機する。
【0087】
このように本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、リプレイが入賞したと判定された場合には、リプレイ処理手段160が、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を要さずに次回の遊技を行わせるリプレイ処理を入賞時処理として実行する手段として機能する。
【0088】
遊技状態移行制御手段170は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0089】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。また通常状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのうち、ビッグボーナス(BB)およびリプレイの重複当選領域が抽選対象として設定された内部抽選テーブルAまたは内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。
【0090】
本実施形態の遊技機では、通常状態は、リプレイが頻繁に当選する状態と、リプレイが当選しにくい状態とを有しており、リプレイの抽選状態に応じて通常状態での内部抽選で参照される内部抽選テーブルが選択される。具体的には、通常状態においてリプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態である場合には、内部抽選テーブルAを参照して内部抽選が行われ、通常状態においてリプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態である場合には、内部抽選テーブルAよりもリプレイの当選確率が高い内部抽選テーブルBを参照して内部抽選が行われる。
【0091】
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのうち、ビッグボーナス(BB)が抽選対象外であって、小役の当選確率が通常状態の遊技と同一となるように役と乱数値との対応関係が設定された内部抽選テーブルCまたは内部抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。
【0092】
本実施形態の遊技機では、ボーナス成立状態においても、リプレイが頻繁に当選する状態と、リプレイが当選しにくい状態とを有しており、リプレイの抽選状態に応じてボーナス成立状態での内部抽選で参照される内部抽選テーブルが選択される。具体的には、ボーナス成立状態においてリプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態である場合には、内部抽選テーブルCを参照して内部抽選が行われ、ボーナス成立状態においてリプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態である場合には、内部抽選テーブルCよりもリプレイの当選確率が高い内部抽選テーブルDを参照して内部抽選が行われる。
【0093】
またボーナス成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる制御を行う。
【0094】
ボーナス状態は、ボーナス成立状態においてビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せ、すなわち、本実施形態の遊技機では「赤7・赤7・赤7」または「赤7・赤7・白7」が、入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのうち、ビッグボーナス(BB)およびリプレイが内部抽選の対象から除外され、小役の当選確率が内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDよりも高く設定された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。すなわちボーナス状態は、他の遊技状態よりも小役が頻繁に当選するようになっており、他の遊技状態よりもメダルの払出しが行われやすい点で、遊技者に有利な遊技状態となっている。
【0095】
またボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた払出上限数(例えば、300枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ移行させる制御を行う。
【0096】
リプレイ確率変動手段175は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行う。本実施形態の遊技機では、リプレイの抽選状態として、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/1.5に設定されるリプレイ高確率状態、およびリプレイの抽選を行わないリプレイ無抽選状態という3種類の抽選状態が設定可能とされている。そして、リプレイ確率変動手段175は、リプレイの抽選状態を変化させることにより、各遊技状態の遊技で、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0097】
リプレイ高確率状態では、小役の当選確率がリプレイ低確率状態(内部抽選テーブルA、Cに対応する)と同一となり、かつリプレイの当選確率がリプレイ低確率状態の遊技よりも高くなるように、役と乱数値との対応関係が設定された内部抽選テーブル(内部抽選テーブルB、Dに対応する)を参照した内部抽選が行われる。
【0098】
すなわち、本実施形態の遊技機では、遊技状態が通常状態である場合に参照される内部抽選テーブルB、および遊技状態がボーナス成立状態である場合に参照される内部抽選テーブルDでは、リプレイの当選確率が約1/1.5となるように役と乱数値との対応関係が設定され、遊技状態が通常状態である場合に参照される内部抽選テーブルA、または遊技状態がボーナス成立状態である場合に参照される内部抽選テーブルCでは、リプレイの当選確率が約1/7.3となるように役と乱数値との対応関係が設定されている。すなわち本実施形態の遊技機におけるリプレイ高確率状態は、ボーナス状態に比して小役が頻繁には当選せず、また、リプレイ低確率状態に比してリプレイが頻繁に入賞するようになっており、通常状態よりも遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わない遊技が行われやすい点で、遊技者に有利な遊技が行われる状態となっている。なお、本実施形態の遊技機では、遊技状態がボーナス状態である場合に参照される内部抽選テーブルEでは、リプレイの当選区間が役と乱数値との対応関係に割り当てられておらず、ボーナス状態は、リプレイ無抽選状態となっている。
【0099】
本実施形態の遊技機では、リプレイの当選確率は、ボーナス状態の開始および終了、並びに小役であるチェリーの入賞を契機として変動する。
【0100】
本実施形態の遊技機では、リプレイ確率変動手段175は、初期状態としてリプレイの抽選状態をリプレイ低確率状態に設定し、遊技状態がボーナス状態に移行したことを契機にリプレイ無抽選状態に設定する。そして、ボーナス状態が終了したことを契機として、リプレイ高確率状態に設定し、内部抽選において参照されるテーブルとして、内部抽選テーブルBが選択される。リプレイ高確率状態は、通常状態およびボーナス成立状態のいずれにも設定されることができる。本実施形態の遊技機では、ボーナス状態が終了した後に、リプレイ高確率状態に移行する制御が行われ、このリプレイ高確率状態は、リプレイ低確率状態に移行しないかぎり、ボーナス状態に引き続く通常状態、および、通常状態に引き続くボーナス成立状態においても維持されることができる。
【0101】
一方、本実施形態の遊技機では、リプレイ確率変動手段175は、リプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態であって、内部抽選で当選したチェリーの入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示された場合に、リプレイの抽選状態をリプレイ低確率状態に設定する。したがって、本実施形態の遊技機では、ボーナス状態が終了した後に、リプレイ高確率状態に移行する制御が行われ、このリプレイ高確率状態は、内部抽選で当選したチェリーの入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示された場合に、リプレイ低確率状態に転落する。よって、本実施形態の遊技機では、小役であるチェリーが、いわゆる転落役の役割を有し、内部抽選で当選したチェリーの入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示された場合に、リプレイの抽選状態が、リプレイ高確率状態からリプレイ低確率状態に移行するようになっている。なお、本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス(BB)を示す図柄組合せが表示されて、遊技状態がボーナス状態に移行した場合、リプレイの抽選状態は、リプレイ無抽選状態に移行する。
【0102】
演出制御手段180は、演出データ記憶手段1921に記憶されている演出データに基づいてランプ、LED、液晶ディスプレイ等の表示装置330(演出装置の例)を用いて行う表示演出やスピーカー等の音響装置340(演出装置の例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカーから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0103】
本実施形態の遊技機では、演出制御手段180は、特典付与手段としての役割を備えている。本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、所定条件下で演出用フラグ記憶手段1922にATフラグを設定することにより演出状態をアシストタイム状態(AT状態:特別演出状態)に設定し、予め定められたAT状態の終了条件の成立に伴いATフラグをクリアすることによってAT状態を終了させる制御を行う。本実施形態の遊技機では、このようなAT状態が、特典図柄組合せの表示に基づいて遊技者に与えられる有利な状態となっている。
【0104】
具体的に説明すると、演出制御手段180は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せの一方である「赤7・赤7・赤7」(特典図柄組合せ)が入賞判定ライン上に表示されたことを契機として、演出用フラグ記憶手段1922にATフラグを設定して演出状態をAT状態に設定する。AT状態における演出は、本実施形態の遊技機では、チェリーの入賞の回避を補助する演出を行うが、このような演出は、特典図柄組合せが入賞判定ラインに表示されたことに基づいて移行したボーナス状態が終了した後の遊技において実行される。
【0105】
また演出制御手段180は、内部抽選においてビッグボーナス(BB)が当選した場合に、AT状態の終了条件が成立したと判断して、ATフラグをクリアすることによってAT状態を終了させる。なお、演出制御手段180は、ATフラグを設定する際に所定回数(例えば、200回)の遊技に相当する値(例えば、200)をAT終了判定カウンタ1924に書き込む処理を行うようにしてもよい。そして、このようにした上で、遊技毎にスタートレバーSLが押下されると、AT終了判定カウンタ1924の値から1回分の遊技に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新が行われるようにし、AT終了判定カウンタ1924の値が初期値(例えば、0)に達したときに、演出制御手段180が、AT状態の終了条件が成立したものと判断して、ATフラグをクリアすることによりAT状態を終了させるようにしてもよい。上記のAT終了判定カウンタ1924を用いたAT状態の終了条件と、ビッグボーナス(BB)の当選によるAT状態の終了条件とを併用する場合には、AT終了判定カウンタ1924の値が初期値に達することなくAT状態が終了する場合が生じるが、その場合は、AT終了判定カウンタ1924の値を初期値にリセットしてもよいし、AT終了判定カウンタ1924の値を次回のAT状態の開始時まで保持するようにしてもよい。
【0106】
本実施形態の遊技機では、演出制御手段180は、演出状態がAT状態に設定されている場合に、白チェリー、黒チェリーおよび赤チェリーのいずれかが当選した遊技で、当該チェリーの入賞の回避を補助する特別演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。
【0107】
具体的に説明すると、演出制御手段180は、演出状態がAT状態に設定されている遊技における内部抽選で、白チェリー、黒チェリーおよび赤チェリーのいずれかが当選したときに、当選したチェリーの入賞形態を示す図柄組合せにおける第1リールR1のチェリー図柄の色を遊技者に報知する演出を表示装置330や音響装置340などの演出装置に実行させる制御を行う。このようにすると、遊技者が停止操作を行う際に、転落役であるチェリーの入賞の回避を補助することができる。これにより、ボーナス状態が終了したことを契機に移行された、遊技者にとって有利なリプレイ高確率状態を、継続させやすくすることができる。
【0108】
さらに具体的には、本実施形態の遊技機では、白チェリー、黒チェリーおよび赤チェリーのそれぞれの入賞形態を示す図柄組合せを構成する第1リールR1の図柄が異なっており、白チェリーの入賞形態を示す図柄組合せを構成する第1リールR1の図柄である白チェリー図柄「WCH」と、黒チェリーの入賞形態を示す図柄組合せを構成する第1リールR1の図柄である黒チェリー図柄「BCH」と、赤チェリーの入賞形態を示す図柄組合せを構成する第1リールR1の図柄である赤チェリー図柄「RCH」とが、図4に示したように、第1リールR1の図柄配列において、互いに6コマの間隔を空けて離間して配列されている。したがって本実施形態の遊技機では、例えば、白チェリーの当選時に赤チェリー図柄「RCH」を狙ってストップボタンB1を押下すると、白チェリーを入賞させずに済み、黒チェリーの当選時に白チェリー図柄「WCH」を狙ってストップボタンB1を押下すると、黒チェリーを入賞させずに済み、赤チェリーの当選時に黒チェリー図柄「BCH」を狙ってストップボタンB1を押下すると、赤チェリーを入賞させずに済むようになっている。
【0109】
そして、演出状態がAT状態である遊技では、内部抽選で白チェリー、黒チェリーおよび赤チェリーのいずれかが当選した遊技において、その遊技において当選した当該チェリーの入賞の回避を補助する演出が実行される。このような演出の具体的な例としては、白チェリーが当選したときに、白チェリーの入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄の第1リールR1に対応する図柄である「WCH」を示す画像を表示し、黒チェリーが当選したときに、黒チェリーの入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄の第1リールR1に対応する図柄である「BCH」を示す画像を表示し、赤チェリーが当選しとときに、赤チェリーの入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄の第1リールR1に対応する図柄である「RCH」を示す画像を表示することが挙げられる。このようにすると、演出状態がAT状態である遊技では、表示された画像に対応する図柄が入賞判定ラインに停止しないように、遊技者がタイミングを見計らって第1リールR1に対応するストップボタンB1を押下することにより、当選した色のチェリーの入賞を回避させることが容易になる。また、このような演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、当選したチェリーの入賞を回避させやすくするために第1リールR1に対応するストップボタンB1の押下タイミングを報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、当選したチェリーを報知するランプを点灯させたり、音声をスピーカーから出力させたりすることができる。
【0110】
このように本実施形態では、演出状態がAT状態に設定され、演出が実行されると、当選したチェリーの入賞の回避を補助する演出が実行される。そのため、演出状態がAT状態に設定されていない場合に比べてリプレイ高確率状態からリプレイ低確率状態へ転落しにくくなっている。すなわちAT状態は、リプレイが頻繁に当選するRT状態を継続させやすい点で、遊技者に有利な状態となっている。なお、演出状態がAT状態に設定されていても、リプレイの抽選状態が既にリプレイ低確率状態に転落している場合には、このような演出を実行しないようにしてもよい。
【0111】
本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
【0112】
2.本実施形態の制御手法
続いて本実施形態の遊技機において採用されている各種の制御手法について、図6および図7に示すフローチャートに沿って説明する。図6および図7は、本実施形態の遊技機における遊技毎の制御処理を示すフローチャートである。
【0113】
本実施形態の遊技機では、図6に示すように、まず遊技を行うために必要なメダルの投入を受け付ける投入受付処理が行われる(ステップS100)。投入受付処理は、遊技者がメダル投入口MIにメダルを投入することにより投入されたメダルを投入状態に設定すること、および遊技者がベットボタンB0を押下してベットスイッチ220が作動することにより予め遊技機内にクレジットされたメダルを投入状態に設定することの少なくとも一方によって行われる。また、この処理では、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダルを要さずに、遊技機側で自動的に前回の遊技と同じ投入数のメダルを投入状態に設定する。そして遊技開始条件として設定されている規定投入数(本実施形態では3枚)のメダルの投入が完了すると(ステップS101でY)、スタートレバーSLの押下操作を待機する(ステップS102)。
【0114】
そして遊技者がスタートレバーSLを押下してスタートスイッチ230が作動すると(ステップS102でY)、内部抽選が行われるとともに(ステップS103)、第1リールR1〜第3リールR3を駆動するステップモータへ駆動パルスの供給が開始されて各リールの回転駆動が開始される(ステップS104)。内部抽選では、スタートスイッチ230の作動に伴って取得した乱数値を、遊技状態に応じて選択される内部抽選テーブルと比較することによって役の当否を決定し、当選した役(当選役)のフラグを内部当選状態に設定する。
【0115】
そして各リールの回転速度が所定速度に達すると(ステップS105でY)、ストップボタンB1〜B3に対する操作が有効化され(ステップS106)、ストップボタンの押下操作に応答して回転中のリールを停止させるリール停止制御を行う(ステップS107)。
【0116】
そして、全てのリールが停止されると(ステップS107)、各リールの停止状態に基づいて入賞判定処理が行われる(ステップS108)。本実施形態では、入賞判定ライン上に役の入賞形態を示す図柄組合せが表示されたか否かに基づいて、役の入賞の有無を判定する。そして入賞判定の結果、役が入賞した場合には(ステップS108でY)、入賞役に応じた入賞時処理を行って一連の処理を終了する(ステップS109)。
【0117】
続いて本実施形態の遊技機で採用されている特典図柄組合せの表示に関する制御手法を、図7を用いて具体的に説明する。図7に示すフローは、各遊技におけるフラグの状態に応じて表示させる図柄組合せを選択するフローを示している。
【0118】
まず、各遊技において、スタートレバーSLの押下操作による内部抽選で、ビッグボーナス(BB)の当選を待機する(ステップS201)。ビッグボーナス(BB)が当選状態に設定(ビッグボーナス(BB)のフラグがON)されたら(ステップS201でY)、フラグの成立状況を判定する(ステップS202)。
【0119】
本実施形態の遊技機では、上述したとおり内部抽選において、ビッグボーナス(BB)が当選した場合には、リプレイが重複して当選するため、ビッグボーナス(BB)が当選した遊技においては、ビッグボーナス(BB)およびリプレイのフラグが共に成立している。したがって、ビッグボーナス(BB)に当選した遊技では、同時当選の状況の判定において、ビッグボーナス(BB)およびリプレイが共に当選状態に設定されていることになり(ステップS201で「リプレイ」)、当該遊技では、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せが表示され(ステップS203)、本フローが終了する。
【0120】
一方、リプレイのフラグは持越不可能フラグであり、ビッグボーナス(BB)のフラグは持越可能フラグである。そのため、ビッグボーナス(BB)に当選した遊技(当該遊技は、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せが表示されて終了する。)の次以降の遊技は、ビッグボーナス(BB)のフラグが成立している状態で、内部抽選が行われる遊技となる。そうすると、ビッグボーナス(BB)に当選した遊技の次以降の遊技では、図7に示すフローにおいて、ビッグボーナス(BB)が当選状態に設定されており(ステップS201でY)、当該遊技の内部抽選の結果に基づいた、フラグの成立状況が判定される(ステップS202)。
【0121】
ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している場合は(ステップS202で「なし」)、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せのうち、特典図柄組合せ以外の図柄組合せを表示させて(ステップS204)本フローを終了する。なお本実施形態では、特典図柄組合せ以外の図柄組合せとして、「赤7・赤7・白7」を採用している。一方、ビッグボーナス(BB)のフラグおよび小役(各色のチェリーおよびベル)のフラグが共に成立している場合は(ステップS202で「小役」)、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せのうち、特典図柄組合せを表示させ(ステップS205)、本フローを終了する。なお本実施形態では、特典図柄組合せとして、「赤7・赤7・赤7」を採用している。
【0122】
本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス(BB)のフラグと、その他の役のフラグとが成立した状況に応じた図柄組合せを表示させて、上記のフローが終了される。既に述べたとおり、本実施形態の遊技機では、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」が表示されると、ボーナス状態に移行し、当該ボーナス状態の終了後には、リプレイ高確率状態に移行するとともに、転落役の入賞を回避する演出が実行される。そのため、ボーナス状態が終了した後のリプレイ高確率状態を継続させやすくなる。これに対して、特典図柄組合せ以外の図柄組合せ「赤7・赤7・白7」が表示されると、ボーナス状態に移行し、ボーナス状態の終了後に、リプレイ高確率状態に移行することとなるが、転落役の入賞を回避する演出が実行されず、ボーナス状態が終了した後のリプレイ高確率状態を継続させにくくなる。
【0123】
ここで、本実施形態の遊技機において、以下のような特有の遊技性が実現される。
【0124】
本実施形態の遊技機では、内部抽選においてビッグボーナス(BB)に当選し、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させることができる遊技において、特典図柄組合せが表示される確率は、当該遊技において選択されている内部抽選テーブルによって変化する。すなわち、本実施形態の遊技機では、図3に示す内部抽選テーブルD(ボーナス成立状態におけるリプレイ高確率状態)における、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示できる状態(ビッグボーナス(BB)およびリプレイが共に当選状態にない状態:図中Bと符号を付した領域)に対する、特典図柄組合せを表示できる状態(ビッグボーナス(BB)のフラグと小役が共に当選状態にある状態:図中Aと符号を付した領域)の割合(特典図柄組合せの表示確率)は、図3に示す内部抽選テーブルC(ボーナス成立状態におけるリプレイ低確率状態)における特典図柄組合せの表示確率(図中Bに対するAの割合)よりも大きくなっている。すなわち、本実施形態の遊技機では、特典図柄組合せの表示確率は、リプレイ高確率状態とリプレイ低確率状態とで、互いに異なっており、リプレイ高確率状態におけるほうが、特典図柄組合せの表示確率が相対的に高くなっている。
【0125】
そのため、本実施形態の遊技機では、リプレイ高確率状態において、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させる場合のほうが、リプレイ低確率状態において、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させる場合よりも、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」が表示されやすくなっている。
【0126】
なお、本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブルにおいて、リプレイ低確率状態およびリプレイ高確率状態の間で、小役の当選する確率は変わってない。しかし、上述したように、特典図柄組合せが表示される確率は、リプレイ低確率状態およびリプレイ高確率状態の間で、リプレイの当選する確率の違いに起因して相対的に相違している。
【0127】
そうすると、上述したとおり、特典図柄組合せが表示された場合には、AT状態に設定され、リプレイ高確率状態を継続させやすく、次回のビッグボーナス(BB)に当選するときに、リプレイ高確率状態である割合が大きくなる。すなわち、あるボーナス状態に移行するときに表示された図柄組合せが、特典図柄組合せであると、次のボーナス状態に移行するときに表示される図柄組合せが、もう一度特典図柄組合せとなりやすく、特典図柄組合せが、連続する2回目のボーナス状態において表示されやすくなるという現象を発生させることができる。これにより、遊技者には、一旦、特典図柄組合せの表示によってボーナス状態となると、次のビッグボーナス(BB)が当選した場合においても、特典図柄組合せが表示されやすくなるという、期待感を与えることができる。また、これにより、遊技者に、ビッグボーナス(BB)に当選した後において、特典図柄組合せが表示されるか否かについての関心を与えることができ、遊技者に、単にビッグボーナス(BB)の当否についての期待を持たせるだけでなく、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せの表示に関する期待感を与えることができる。このように、本実施形態の遊技機は、新たな遊技性が構築されたものであり遊技者の遊技意欲を維持または向上させることができる。
【0128】
なお、上記実施形態の遊技機では、AT状態を利用して、リプレイ高確率状態を維持しやすくする手法を採用しているが、本発明の遊技機は、このような実施形態には限定されず、例えば、AT状態を利用せずに、同様の遊技性を構築することもできる。このような手法としては、例えば、内部抽選テーブルにおいて、リプレイ高確率状態の転落役となっているチェリーの当選確率を低下させたテーブルをさらに準備して、特典図柄組合せの表示を契機として、これらの有利なテーブルを参照させるようにすることなどが挙げられる。このようにすると、上記実施形態と同様に、リプレイ高確率状態において、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させる場合のほうが、リプレイ低確率状態において、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させる場合よりも、特典図柄組合せが表示されやすくなる。このような、AT状態における演出を利用しない手法によっても、特典図柄組合せの表示でリプレイ高確率状態を継続させやすくなり、かつ、次回のビッグボーナス(BB)に当選するときに、リプレイ高確率状態において当選しやすくなり、さらに、ビッグボーナス(BB)を入賞させる遊技において、特典図柄組合せが、連続して表示されやすくなるという遊技性を構築することができる。これにより、遊技者に、一旦、特典図柄組合せの表示によってボーナス状態となると、次のビッグボーナス(BB)が当選した場合においても、特典図柄組合せが表示されやすくなるという期待感を与えることができる。
【0129】
なお、上記実施形態の遊技機は、リプレイ高確率状態の転落役がチェリーである場合を例示している。しかし、本実施形態の遊技機は、リプレイ高確率状態の転落役を、その他の役とすることもできる。その他の役としては、例えば、特殊リプレイを挙げることができる。特殊リプレイの入賞形態を示す図柄組合せには、ビッグボーナス(BB)、リプレイ、ベルおよびチェリーの入賞形態を示す図柄組合せ以外の任意の図柄組合せを割り当てることができる。そして、内部抽選テーブルにおいて、特殊リプレイの当選確率の高いものと低いものとを準備し、特典図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたことを契機として、特殊リプレイの当選確率が低い有利なテーブルを参照させ、特典図柄組合せ以外のビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたことを契機として、特殊リプレイの当選確率が比較的に高い不利なテーブルを参照させるようにすることによっても、上記実施形態で説明した遊技機と同様の遊技性を構築することができ、同様の効果を奏することができる。
【0130】
3.変形例
本発明の遊技機は、上述した実施形態の手法のほかに、以下に記すような種々の変形した実施の形態を採ることができる。
【0131】
3.1.変形例1
上述の実施形態の遊技機では、ビッグボーナス(BB)および小役のフラグが共に成立している遊技において、特典図柄組合せを表示させる形態であった。変形例1の遊技機では、複数の小役のうちの特定の小役のフラグがビッグボーナス(BB)のフラグと共に成立している遊技において、特典図柄組合せを表示させる制御を行う。変形例1の遊技機は、各遊技におけるフラグの成立状態に応じて表示させる図柄組合せが異なる以外は、上述の実施形態と同様である。したがって、以下の説明では、上述の実施形態の遊技機と同様の部材および制御手法等については、説明を省略する。
【0132】
図8に示すフローは、変形例1の遊技機の各遊技におけるフラグの状態に応じて表示させる図柄組合せを選択するフローを示している。変形例1の遊技機においても、ビッグボーナス(BB)に当選した遊技の次以降の遊技で、ビッグボーナス(BB)が当選状態に設定されており(ステップS201でY)、当該遊技の内部抽選の結果に基づいたフラグの成立状況が判定される(ステップS206)。
【0133】
変形例1の遊技機では、ベルを特定の小役としている。したがって、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している場合、および、ビッグボーナス(BB)とチェリー(特定の小役以外の小役)のフラグが共に成立している場合は(ステップS206で「なし、またはチェリー」)、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せのうち、特典図柄組合せ以外の図柄組合せを表示させて(ステップS204)本フローを終了する。一方、ビッグボーナス(BB)のフラグおよびベル(特定の小役)のフラグが同時に成立している場合は(ステップS206で「ベル」)、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せのうち、特典図柄組合せを表示させて(ステップS205)、本フローを終了する。
【0134】
変形例1の遊技機では、上述の実施形態の遊技機の説明において述べたと同様の効果を得ることができる。すなわち、リプレイ高確率状態において、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させる場合のほうが、リプレイ低確率状態において、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させる場合よりも、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」が表示されやすくなる。そうすると、特典図柄組合せによって、AT状態に設定され、リプレイ高確率状態を継続させやすくなり、次回のビッグボーナス(BB)に当選するときに、リプレイ高確率状態において当選しやすくなり、特典図柄組合せが、連続して表示されやすくなるという遊技性を構築できる。
【0135】
3.2.変形例2
上述の実施形態の遊技機では、ビッグボーナス(BB)および小役のフラグが共に成立している遊技においてのみ、特典図柄組合せを表示させる形態であった。変形例2の遊技機は、ビッグボーナス(BB)のみが当選状態に設定されている遊技においては、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せのうち、いずれでも表示させることができる制御を行うように変形したものである。
【0136】
変形例2の遊技機は、各遊技におけるフラグの状態に応じて表示させる図柄組合せが異なる以外は、上述の実施形態の遊技機と同様である。したがって、以下の説明では、上述の実施形態の遊技機と同様の部材および制御手法等については、説明を省略する。
【0137】
図9に示すフローは、変形例2の遊技機の各遊技におけるフラグの状態に応じて表示させる図柄組合せを選択するフローを示している。変形例2の遊技機においても、ビッグボーナス(BB)に当選した遊技の次以降の遊技では、ビッグボーナス(BB)が当選状態に設定されており(ステップS201でY)、当該遊技の内部抽選の結果に基づいたフラグの成立状況が判定される(ステップS202)。
【0138】
変形例2の遊技機では、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している場合は(ステップS202で「なし」)、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せのうち、特典図柄組合せを含むすべての図柄組合せを表示させることができ、そのうちのいずれかの図柄組合せを表示させて(ステップS207)本フローを終了する。一方、ビッグボーナス(BB)のフラグおよび小役のフラグが同時に成立している場合は(ステップS202で「小役」)、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せのうち、特典図柄組合せを表示させ(ステップS205)、本フローを終了する。
【0139】
したがって、変形例2の遊技機では、上述の実施形態の遊技機の説明で述べたと類似の効果を得ることができる。
【0140】
図10は、変形例2の遊技機に備えられる内部抽選テーブルの一例である。変形例2の遊技機では、上記実施形態の遊技機と同様に、内部抽選においてビッグボーナス(BB)に当選し、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させることができる遊技において、特典図柄組合せが表示される確率は、当該遊技において選択されている内部抽選テーブルによって変化する。そして、変形例2の遊技機では、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している状態(ビッグボーナス(BB)のみが当選状態にある状態:図中Cと符号を付した領域)では、特典図柄組合せに限らず、それ以外の図柄組合せも表示させることができる。また、ビッグボーナス(BB)と小役のフラグが共に成立している状態(ビッグボーナス(BB)と小役が共に当選状態にある状態:図中Aと符号を付した領域)では、特典図柄組合せのみを表示させることができる。
【0141】
このような変形例2の遊技機では、リプレイ高確率状態(図10における内部抽選テーブルDが選択されている状態)では、リプレイ低確率状態(図10における内部抽選テーブルCが選択されている状態)よりも特典図柄組合せ以外の図柄組合せが表示されうるハズレの領域が少ない。そのため、リプレイ高確率状態の遊技において、特典図柄組合せ以外の図柄組合せが表示される確率が、リプレイ低確率状態の遊技よりも、相対的に小さくなっている。よって、変形例2の遊技機においても、リプレイ高確率状態において、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させる場合のほうが、リプレイ低確率状態において、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させる場合よりも、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」が表示されやすくなる。したがって、上述の実施形態と同様に、特典図柄組合せによって、AT状態に設定され、リプレイ高確率状態を継続させやすくなり、次回のビッグボーナス(BB)に当選するときに、リプレイ高確率状態において当選しやすくなり、特典図柄組合せが、連続して表示されやすくなるという遊技性を構築できる。
【0142】
また、変形例2の遊技機において、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している場合(図9におけるステップS202で「なし」)は、「赤7・赤7・赤7」および「赤7・赤7・白7」のいずれでも表示させることができる。このような場合において、上記実施形態の遊技機が備える第3リールR3の図柄配列を用いると、ストップボタンB3の押下タイミングに依存せずに、「赤7」および「白7」の図柄のいずれかが入賞判定ライン上に引き込まれる。そのため、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している状態における遊技においては、遊技者によるストップボタンB3の押下タイミングによらず、ほぼ1/2の割合で「赤7」および「白7」が入賞判定ラインに表示されることになる。
【0143】
また、変形例2の遊技機において、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している場合に、「赤7・赤7・赤7」および「赤7・赤7・白7」のどちらの図柄組合せを表示させるかについて、これを抽選等によって決定することもできる。このようにすると、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している状態における遊技において、遊技者の技量(ストップボタンの押下タイミング等)に依存させずに、抽選においてあらかじめ設計した確率に基づいて、「赤7・赤7・赤7」および「赤7・赤7・白7」のいずれかを入賞判定ラインに表示させることができる。
【0144】
さらに、変形例2の遊技機において、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している場合に、「赤7・赤7・赤7」および「赤7・赤7・白7」のどちらの図柄組合せを表示させるかについて、これを遊技者の技量(ストップボタンの押下タイミング等)に依存させてもよい。例えば、上記実施形態の遊技機が備える第3リールR3の図柄配列を用いるときは、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立しているときに、次のようにする。
【0145】
第1リールR1および第2リールR2の少なくとも一方が回転している状態で、遊技者によってストップボタンB3が押下された場合(第3リールR3が一番目または二番目に停止される場合)には、第3リールR3の押下検出位置において引き込み可能範囲内(押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分)にある「赤7」および「白7」の図柄のうち第3リールR3の表示位置の上段または下段に最も近い図柄を、当該第3リールR3の上段または下段に停止させるようにする。また、第1リールR1および第2リールR2の両方が停止された状態で、遊技者によってストップボタンB3が押下された場合(第3リールR3が三番目に停止される場合)には、第3リールR3の押下検出位置において、第1リールR1および第2リールR2で「赤7」の図柄が停止されている入賞判定ラインの第3リールR3の表示位置に対して引き込み可能範囲(押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分)となっている「赤7」および「白7」の図柄のうち最も近い図柄を、当該入賞判定ライン上に停止させる。このようにすれば、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している状態における遊技において、ストップボタンの押下タイミング(遊技者の技量)に依存させて、「赤7・赤7・赤7」および「赤7・赤7・白7」のいずれかを入賞判定ラインに表示させることができる。
【0146】
また、さらに、変形例2の遊技機において、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している場合に、「赤7・赤7・赤7」および「赤7・赤7・白7」のどちらの図柄組合せを表示させるかについて、これを遊技者の技量(ストップボタンの押下タイミング等)に依存させる手法として、上記実施形態の遊技機が備える第3リールR3の図柄配列とは異なる図柄配列を有する第3リールR3を用いることも可能である。この場合の第3リールR3の図柄配列としては、例えば、上記実施形態の遊技機が備える第3リールR3の図柄配列において、「白7」がストップボタンB3の押下タイミングによって、入賞判定ラインに引き込むことができないように配列されたものが挙げられる。このような図柄配列を有する第3リールR3を用いると、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している状態における遊技において、遊技者の技量(ストップボタンB3の押下タイミング等)によって、「赤7」および「白7」のどちらかの図柄(例えば「赤7」)を選択的に入賞判定ラインに表示させうるといった遊技性を実現することができる。
【0147】
3.3.変形例3
上述の実施形態の遊技機では、ビッグボーナス(BB)および小役のフラグが共に成立している遊技において、特典図柄組合せを表示させ、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している遊技において、特典図柄組合せ以外の図柄組合せを表示させる形態であった。変形例3の遊技機は、ビッグボーナス(BB)のみが当選状態に設定されている遊技においては、特典図柄組合せを表示させ、ビッグボーナス(BB)および小役のフラグが共に成立している遊技において、特典図柄組合せ以外の図柄組合せを表示させる制御を行うように変形したものである。
【0148】
変形例3の遊技機は、各遊技におけるフラグの状態に応じて表示させる図柄組合せが異なり、かつ、演出制御手段180による転落役(チェリー)の入賞を回避する演出のかわりに、転落役の入賞を補助する演出が実行される。これらの制御手法以外は、上述の実施形態と同様である。したがって、以下の説明では、上述の実施形態と同様の部材およびその他の制御手法等については、説明を省略する。
【0149】
図11に示すフローは、変形例3の遊技機の各遊技におけるフラグの状態に応じて表示させる図柄組合せを選択するフローを示している。変形例3の遊技機においても、ビッグボーナス(BB)に当選した遊技の次以降の遊技で、ビッグボーナス(BB)が当選状態に設定されており(ステップS201でY)、当該遊技の内部抽選の結果に基づいたフラグの成立状況が判定される(ステップS202)。
【0150】
変形例3の遊技機では、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している場合は(ステップS202で「なし」)、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せのうち、特典図柄組合せを表示させて(ステップS205)本フローを終了する。一方、ビッグボーナス(BB)のフラグおよび小役のフラグが同時に成立している場合は(ステップS202で「小役」)、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せのうち、特典図柄組合せ以外の図柄組合せを表示させ(ステップS204)、本フローを終了する。
【0151】
図10を用いて、変形例3の遊技機における遊技性について述べる。変形例3の遊技機でも、内部抽選においてビッグボーナス(BB)に当選し、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させることができる遊技において、特典図柄組合せが表示される確率は、当該遊技において選択されている内部抽選テーブルによって変化する。そして、変形例3の遊技機では、ビッグボーナス(BB)のフラグのみが成立している状態(ビッグボーナス(BB)のみが当選状態にある状態:図中Cと符号を付した領域)では、特典図柄組合せを表示させることができる。また、ビッグボーナス(BB)と小役のフラグが共に成立している状態(ビッグボーナス(BB)と小役が共に当選状態にある状態:図中Aと符号を付した領域)では、特典図柄組合せ以外の図柄組合せが表示される。
【0152】
このように変形例3の遊技機では、リプレイ高確率状態(図10における内部抽選テーブルDが選択されている状態)では、リプレイ低確率状態(図10における内部抽選テーブルCが選択されている状態)よりも特典図柄組合せが表示されうるハズレの領域が少ない。そのため、リプレイ高確率状態の遊技において、特典図柄組合せが表示される確率が、リプレイ低確率状態の遊技におけるよりも、相対的に小さくなっている。よって、変形例3の遊技機においては、リプレイ低確率状態においてビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させる場合のほうが、リプレイ高確率状態においてビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せを表示させる場合よりも、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」が表示されやすくなる。
【0153】
また、変形例3の遊技機では、特典図柄組合せの表示によって移行されるAT状態において実行される演出は、上述の実施形態とは逆に、リプレイ高確率状態からリプレイ低確率状態へ転落させやすくする演出を行う。そうすると、次回のビッグボーナス(BB)に当選するまでの間に、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態に転落しやすくなり、次回のビッグボーナス(BB)に当選したときに、特典図柄組合せが再び表示されやすくなるという遊技性を実現することができる。
【0154】
このような転落役の入賞を補助する演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、当選した色のチェリー(転落役)を入賞させやすくするために第1リールR1(ストップボタンB1)の押下タイミングを報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、当選したチェリーの色を報知するランプを点灯させたり、音声をスピーカーから出力させたりする。
【0155】
なお、特典図柄組合せが、リプレイ低確率状態において表示されやすくなるという変形は、上述の変形例2および変形例3の遊技機にも、更なる変形として適用することができる。そして、演出や内部抽選テーブルを適宜に変更することによって、特典図柄組合せの表示確率を変化させることに基づく各種の遊技性を実現することができる。
【0156】
3.4.変形例4
上記実施形態の遊技機では、内部抽選において、ビッグボーナス(BB)が当選するときには同時にリプレイが当選するように設定されていた。すなわち、図3の内部抽選テーブルAおよび内部抽選テーブルBでは、BBとリプレイがテーブル内の同じ領域に設定されている。これにより、ビッグボーナス(BB)に当選した遊技においては、リプレイが表示される制御となっていた。
【0157】
変形例4の遊技機では、図12に示すような内部抽選テーブルを採用する。図12に例示した内部抽選テーブルでは、通常状態において参照される内部抽選テーブルAおよび内部抽選テーブルBにおいて、ビッグボーナス(BB)が単独で当選する領域が設定されている。このような内部抽選テーブルを選択すると、上述の実施形態の遊技機で採用された制御手法(図7)および第1リールR1〜第3リールR3の図柄配列では、ビッグボーナス(BB)に当選した遊技で、特典図柄組合せ以外の図柄組合せ「赤7・赤7・白7」が入賞判定ラインに表示されることになる。これにより、特典図柄組合せ以外の図柄組合せのみが表示されることとなり、遊技者に特典が付与されないことになる。
【0158】
そこで、変形例4の遊技機では、リールの図柄配列を変形し、特典図柄組合せ以外の図柄配列が表示されることを、遊技者によるストップボタンの押下タイミングによって回避できるように構成される。このような図柄配列としては、例えば、上記の実施形態の遊技機の第3リールR3において、図柄「白7」が、5コマ以上離れて配置される領域(引込不可領域)を設定したものなどが挙げられる。このような配列を有すれば、ビッグボーナス(BB)に当選した遊技において、遊技者が引込不可領域を狙ってストップボタンB3を押下すれば、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが表示されないようにすることができる。そして、変形例4の遊技機では、その次の遊技からは、上記実施形態で述べたと同様に、内部抽選の結果に基づいたフラグの成立状況に応じた図柄組合せが表示される制御手法を行うようにする。
【0159】
なお、変形例4の遊技機では、第3リールR3で、図柄「白7」が、5コマ以上離れて配置される領域(引込不可能領域)を設定する手法を採用したが、このような引込不可能領域の大きさは、想定する遊技者の技量に応じて、適宜設計されることができる。
【0160】
変形例4の遊技機によれば、ビッグボーナス(BB)に当選した遊技におけるリールの停止操作において、遊技者に、特典図柄組合せ以外の図柄組合せを狙わせることで、次回の遊技以降で、特典図柄組合せを表示させることのできる遊技を待機させることができる。そのため、変形例4の遊技機によれば、例えば、各遊技に対する遊技者の期待度にメリハリを与えることができる。
【0161】
またなお、遊技者のストップボタンの押下タイミングによって、特典図柄組合せ以外の図柄組合せを入賞させないようにする制御を行うと、遊技者が全ての遊技において、特典図柄組合せ以外の図柄組合せが入賞しないタイミングでストップボタンを押下することによって、特典図柄組合せが表示されるまでボーナス状態に移行しないといった、意図しない遊技性が生じてしまう場合がある。このような場合には、例えば、いくつかの連続する遊技で、特典図柄組合せ以外の図柄組合せが入賞しないタイミングでストップボタンが押下されたときにはAT状態に移行しないというようなペナルティーを設定することや、遊技者のストップボタンの押下タイミングや、ボーナス成立状態の察知をかく乱するような演出を付加することなどの対策を講じることができる。
【0162】
3.5.その他の変形等
上記実施形態では、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」が表示されると、ボーナス状態に移行して当該ボーナス状態の終了後に、リプレイ高確率状態に移行するとともに、転落役の入賞を回避する演出が実行される遊技機を例示した。すなわち、上記実施形態の遊技機は、特典図柄組合せの表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後に、リプレイ高確率状態に移行するとともに転落役の入賞を回避する演出を行うAT状態(以下、このような状態を「ART状態」という。)に移行するものであった。したがって、上記実施形態の遊技機は、特典図柄組合せの表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後に移行する状態として、リプレイ高確率状態を継続させるようなART状態を採用して上述の遊技性を構築している。
【0163】
しかし、特典図柄組合せの表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後に移行する状態は、リプレイの当選確率に基づいて特典図柄組合せの表示確率が高まるような状態であれば、上記実施形態のようなART状態に限定されない。すなわち、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」の表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後、および特典図柄組合せ以外の図柄組合せ「赤7・赤7・白7」の表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後において、前者のほうが特典図柄組合せの表示確率が高くなる状態に移行する態様であれば、十分に上記の遊技性を構築することができる。
【0164】
例えば、上記実施形態では、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」の表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後、転落役のあるリプレイ高確率状態に移行させたが、転落役のないリプレイ高確率状態に移行させてもよい。そして、特典図柄組合せ以外の図柄組合せ「赤7・赤7・白7」の表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後は、転落役のないリプレイ高確率状態に比較してリプレイ低確率状態に移行しやすい状態(例えば、転落役のあるリプレイ高確率状態)、またはリプレイ低確率状態(通常状態)に移行させるようにする。このようにすれば、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」の表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後、転落役の入賞を回避する演出を行うことなく、上記の遊技性を構築することができる。なお、このような変形においては、リプレイ確率変動手段175が、特典付与手段としての役割を備えることになる。
【0165】
また、例えば、上記実施形態では、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」の表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後、リプレイ高確率状態からの転落役の入賞を回避する演出を行うART状態に移行させたが、転落役のないリプレイ高確率状態に移行させた上で他の演出を実行させてもよい。このような演出としては、遊技者にとってより有利となる演出が挙げられ、例えば、リールの停止操作のタイミングに、入賞するか否かが依存する小役(例えば、払い出し枚数の多い小役)の入賞を補助する演出を行う態様や、第1リールR1〜第3リールR3の停止操作の順序に入賞するか否かが依存する小役の入賞を補助する演出を行う態様などを例示することができる。そして、特典図柄組合せ以外の図柄組合せ「赤7・赤7・白7」の表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後は、転落役のないリプレイ高確率状態に比較してリプレイ低確率状態に移行しやすい状態(例えば、転落役のあるリプレイ高確率状態)、またはリプレイ低確率状態(通常状態)に移行させるようにする。このようにしても、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」の表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後、および特典図柄組合せ以外の図柄組合せ「赤7・赤7・白7」の表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後において、前者のほうが特典図柄組合せの表示確率が高くなる状態に移行する態様となるため、十分に上記の遊技性を構築することができる。その上、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」の表示に基づいて移行したボーナス状態の終了後において、さらに遊技者にとって有利な遊技を行わせることができる。なお、このような変形においては、リプレイ確率変動手段175が、特典付与手段としての役割を備えることになる。
【0166】
以上の実施形態および変形例等では、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せとして、特典図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」およびそれ以外の図柄組合せ「赤7・赤7・白7」を用いた遊技機を例示した。しかし、本発明の遊技機は、各リールにおける図柄配列の許容範囲内で、さらに他の図柄組合せを、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せとして採用してもよい。
【0167】
また、以上の実施形態および変形例で述べた変形は、単独あるいは複数の態様を互いに組み合わせて、実施形態の遊技機に対して適用することができる。これにより各態様の単独の効果または各態様の組み合わせによる相乗的な効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0168】
BX 収納箱、UD 前面上扉、DD 前面下扉、DW 表示窓、
L1〜L4 入賞判定ライン、DS 遊技情報表示部、LCD 液晶ディスプレイ、
R1 第1リール、R2 第2リール、R3 第3リール、
B0 ベットボタン、SL スタートレバー、B1〜B3 ストップボタン、
MI メダル投入口、MO メダル払い出し口、MP メダル受け皿、
100 遊技制御手段、105 投入受付手段、110 乱数発生手段、
120 内部抽選手段、130 リール制御手段、140 入賞判定手段、
150 払出制御手段、160 リプレイ処理手段、170 遊技状態移行制御手段、
175 リプレイ確率変動手段、180 演出制御手段、
190 記憶手段、1911 内部抽選テーブル記憶手段、
1912 抽選フラグ記憶手段、1913 停止制御テーブル記憶手段、
1914 入賞判定テーブル記憶手段、
1921 演出データ記憶手段、1922 演出用フラグ記憶手段、
1924 AT終了判定カウンタ、210 メダル投入スイッチ、
220 ベットスイッチ、230 スタートスイッチ、240 ストップスイッチ、
310 リールユニット、315 リールインデックス、320 ホッパーユニット、
330 表示装置、340 音響装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、
ボーナス、小役およびリプレイを含む複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行い、当該内部抽選で当選した役を当選状態に設定する内部抽選手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させるとともに、停止操作を契機として、前記内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
前記複数のリールが停止した状態で、役毎に予め定められている入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたことに基づいて役が入賞したと判定する入賞判定手段と、
通常状態で前記ボーナスに当選したことを契機として遊技状態をボーナス成立状態に移行させ、前記ボーナス成立状態で前記ボーナスが入賞したことを契機として遊技状態をボーナス状態へ移行させる制御を行う遊技状態移行制御手段と、
前記ボーナス成立状態において、前記リプレイの当選確率が高いリプレイ高確率状態および前記リプレイの当選確率が前記リプレイ高確率状態よりも低いリプレイ低確率状態が存在するようにリプレイの当選確率を変動させるリプレイ確率変動手段と、
前記ボーナスが特典図柄組合せの表示に基づいて入賞した場合、前記ボーナス状態もしくは前記ボーナス状態の終了後に遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
を備えた遊技機であって、
前記ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せとして、前記特典図柄組合せを含む複数種類の図柄組合せが設定され、
前記内部抽選手段が、
前記ボーナス成立状態では、前記ボーナスが入賞するまで当該ボーナスの当選状態を維持するとともに、当該ボーナス以外の役の当否を決定する内部抽選を行い、
前記入賞判定手段が、
前記ボーナスの入賞形態を示す前記複数種類の図柄組合せのいずれかが表示されたことに基づいて前記ボーナスが入賞したと判定し、
前記リール制御手段が、
前記リプレイ高確率状態と前記リプレイ低確率状態とで、前記ボーナスの入賞形態を示す複数種類の図柄組合せのうち、前記特典図柄組合せと他の図柄組合せとの間の相対的な表示確率が異なるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1において、
前記リール制御手段が、
前記ボーナスおよび前記リプレイが共に当選状態に設定されている遊技においては、前記リプレイを示す図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させ、
前記ボーナスのみが当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す複数種類の図柄組合せのうち、前記特典図柄組合せ以外の図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されることがあるように前記複数のリールを停止させ、
前記ボーナスおよび前記小役が共に当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す前記特典図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されることがあるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1において、
前記リール制御手段が、
前記ボーナスおよび前記リプレイが共に当選状態に設定されている遊技においては、前記リプレイを示す図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させ、
前記ボーナスのみが当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す前記特典図柄組合せを含む前記複数種類の図柄組合せをいずれも前記入賞判定ライン上に表示させることができるように前記複数のリールを停止させ、
前記ボーナスおよび前記小役が共に当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す前記特典図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されることがあるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1において、
前記内部抽選の対象となる小役として特定小役が含まれ、
前記リール制御手段が、
前記ボーナスおよび前記リプレイが共に当選状態に設定されている遊技においては、前記リプレイを示す図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させ、
前記ボーナスのみが当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す前記特典図柄組合せを含む前記複数種類の図柄組合せをいずれも前記入賞判定ライン上に表示させることができるように前記複数のリールを停止させ、
前記ボーナスおよび前記特定小役が共に当選状態に設定されている遊技においては、前記ボーナスの入賞形態を示す前記特典図柄組合せが前記入賞判定ライン上に表示されることがあるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、
前記リプレイ確率変動手段が、
前記ボーナス状態が終了したことを契機として前記リプレイ高確率状態に移行させ、所定の役が入賞したことを契機として前記リプレイ低確率状態に移行させ、
前記特典付与手段が、
前記特典図柄組合せの入賞に基づいて移行した前記ボーナス状態の終了後の遊技において、前記所定の役の入賞、または入賞の回避を補助する演出を演出装置に実行させることを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、
前記内部抽選手段が、
前記通常状態で前記ボーナスが当選するときには、前記リプレイを重複して当選させ、
前記リール制御手段が、
前記リプレイの入賞形態を示す図柄組合せを、前記ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せに優先して、前記入賞判定ライン上に表示させるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかにおいて、
前記リール制御手段が、
前記ボーナス成立状態において、前記ボーナスおよび前記小役が共に当選状態に設定されている遊技では、当該小役の入賞形態を示す図柄組合せに優先して当該ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが、前記入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかにおいて、
前記リール制御手段が、
停止操作が行われた時点で、当選役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、前記入賞判定ラインに対して引き込み範囲にある場合には、前記入賞判定ラインに当該図柄を引き込むように前記複数のリールを停止させる制御を行い、
前記複数のリールのそれぞれの外周面には、
前記ボーナスの入賞形態を示す複数種類の図柄組合せのうち、前記特典図柄組合せを構成する図柄および他の図柄組合せを構成する図柄が、停止操作のタイミングに関わらず前記引き込み範囲にあるように配列されていることを特徴とする遊技機。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかにおいて、
前記リプレイ確率変動手段は、
前記ボーナスが当選した時点のリプレイの当選確率を、少なくとも前記ボーナスが入賞するまで引き継ぐことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−87618(P2011−87618A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241256(P2009−241256)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】