説明

運転支援装置

【課題】渋滞区間の交通流を改善する運転支援装置を提供することを課題とする。
【解決手段】渋滞区間における運転支援を行う運転支援装置であって、渋滞区間の平均速度を取得する平均速度取得手段と、平均速度取得手段で取得した渋滞区間の平均速度より高い速度を渋滞区間における上限速度として設定する上限速度設定手段と、上限速度設定手段で設定した渋滞区間における上限速度に基づいて運転支援(例えば、速度制御、情報提供)を行う運転支援手段とを備えることを特徴とし、渋滞区間において運転支援装置を搭載する車両が走行している割合を取得する走行割合取得手段を備え、上限速度設定手段は、走行割合取得手段で取得した走行割合に応じて上限速度を設定すると好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、渋滞区間における運転支援を行う運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
渋滞区間では、各車両が減速、停止、加速(発進)を繰り返し行っている。渋滞中に停止した場合、停止から加速時の発進の遅れが後続車の更なる渋滞の要因となり、渋滞解消が遅れる。特許文献1に記載の追従走行制御装置では、渋滞時の追従走行中に先行車両との車間距離が所定値以上開いた場合に即座に追従走行を解除せずに定速走行に移行し、渋滞時の無駄な加減速を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−44826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の追従制御装置では、渋滞中の無駄な加減速を抑制するために、渋滞区間における追従走行中に先行車両との車間距離が所定値以上開いた場合に定速走行に移行するが、適切な速度で定速走行を実施しないと、渋滞区間での平均速度が上がらず、交通流の改善(渋滞解消)には繋がらない。
【0005】
そこで、本発明は、渋滞区間の交通流を改善する運転支援装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る運転支援装置は、渋滞区間における運転支援を行う運転支援装置であって、渋滞区間の平均速度を取得する平均速度取得手段と、平均速度取得手段で取得した渋滞区間の平均速度より高い速度を渋滞区間における上限速度として設定する上限速度設定手段と、上限速度設定手段で設定した渋滞区間における上限速度に基づいて運転支援を行う運転支援手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この運転支援装置では、平均速度取得手段によって渋滞区間の平均速度を取得する。そして、運転支援装置では、上限速度設定手段によって渋滞区間の平均速度よりも高い速度を渋滞区間における上限速度として設定する。そして、運転支援装置では、運転支援手段によってその渋滞区間における上限速度に基づいて運転支援(例えば、介入制御によって速度制御、表示や音声による情報提供)を行う。渋滞区間で直前車が加速した場合、上限速度で加速を止め(直前車への追従を止め)、上限速度での定速走行を行うことにより、直前車との車間をあけることができ、渋滞中の加速も抑制できる。直前車が加速のあとに減速した場合、十分に確保された車間を徐々に詰めながら減速を抑制できるので、出来る限り停止しないように走行できる。その結果、自車及び後続車の停止回数が低減し、停止した場合の加速時の発進の遅れ回数も低減でき、渋滞区間での旅行時間を短縮できる。このように、運転支援装置によれば、渋滞区間における平均速度より高い速度を上限として運転支援を行うことにより、渋滞区間における停止回数を低減し、渋滞区間の交通流を改善できる。なお、上限速度を平均速度とした場合、渋滞区間の平均速度が回復せず、渋滞解消に繋がらない。
【0008】
本発明の上記運転支援装置では、渋滞区間において運転支援装置を搭載する車両が走行している割合を取得する走行割合取得手段を備え、上限速度設定手段は、走行割合取得手段で取得した走行割合に応じて上限速度を設定すると好適である。
【0009】
この運転支援装置では、走行割合取得手段によって渋滞区間を走行する全車両に対する当該運転支援装置を搭載する車両が走行している割合を取得する。そして、運転支援装置では、上限速度設定手段によりその車両の走行割合に応じて上限速度を設定する。この運転支援装置を搭載する車両の走行割合が多いほど、渋滞区間において平均速度より高い上限速度で走行する車両が多くなるので、上限速度をより高い速度に設定することにより、渋滞区間における平均速度がより上昇する。このように、運転支援装置では、運転支援装置を搭載する車両の走行割合に応じて上限速度を設定することにより、渋滞区間の交通流をより改善できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、渋滞区間における平均速度より高い速度を上限として運転支援を行うことにより、渋滞区間における停止回数を低減し、渋滞区間の交通流を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態に係るACCシステムの構成図である。
【図2】図1のACCシステムの情報を入手する手段を説明するための模式図である。
【図3】図1のACCシステムによる渋滞区間における作用を説明するための渋滞区間内の車両の速度変化の一例である。
【図4】図1のACCシステムにおけるECUのメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図1のACCシステムにおけるECUの上限速度設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】上限速度マップの一例である。
【図7】本実施の形態に係るACCシステム搭載車を実際に用いたシミュレーション実験の分析結果である。
【図8】本実施の形態に係るACCシステム搭載車を実際に用いたシミュレーション実験における各車両の速度変化と自車両と直前車との車間距離変化である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明に係る運転支援装置の実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
本実施の形態では、本発明に係る運転支援装置を、車両に搭載されるACC[Adaptive Cruise Control]システムに適用する。本実施の形態に係るACCシステムは、自車前方に直前車が存在する場合には直前車との車間距離が目標車間距離になるように速度制御する追従走行制御を行い、直前車が存在しない場合には自車の速度が目標速度になるように速度制御する定常速度走行制御を行う。
【0014】
通常走行時の目標速度としては、例えば、ドライバによる操作によって設定された車速、ドライバがACCシステムを起動したときの車速がある。特に、渋滞走行時の目標速度としては、ACCシステムにおいて上限速度として設定される。また、目標車間距離としては、例えば、車速毎に予め設定された車間距離(車速が低いほど短い車間距離)がある。なお、追従走行制御では、車間距離ではなく、車間時間(=車間距離/車速)で制御を行ってもよい。
【0015】
図1〜図3を参照して、本実施の形態に係るACCシステム1について説明する。図1は、本実施の形態に係るACCシステムの構成図である。図2は、図1のACCシステムの情報を入手する手段を説明するための模式図である。図3は、図1のACCシステムによる渋滞区間における作用を説明するための渋滞区間内の車両の速度変化の一例である。
【0016】
ACCシステム1は、従来のACCシステムと同様の制御を行う通常走行モードと渋滞区間での特別な制御を行う渋滞区間走行モードがある。渋滞区間走行モードの場合(特に、直前車が検出されているとき)、ACCシステム1では、渋滞区間の平均速度よりも高い上限速度を設定し、直前車が上限速度以下の場合には追従走行制御を行い、直前車が上限速度を超える場合には上限速度での定常速度走行制御を行う。そのために、ACCシステム1は、自律センサ10、広域用路車間通信装置11、狭域用路車間通信装置12、車車間通信装置13、スロットルアクチュエータ20、ブレーキアクチュエータ21、ECU[Electronic Control Unit]30を備えている。
【0017】
本実施の形態では、自律センサ10、広域用路車間通信装置11、狭域用路車間通信装置12、車車間通信装置13が特許請求の範囲に記載する平均速度取得手段に相当し、狭域用路車間通信装置12や車車間通信装置13が特許請求の範囲に記載する走行割合取得手段に相当し、ECU30での処理が特許請求の範囲に記載する上限速度設定手段に相当し、ECU30での処理及びスロットルアクチュエータ20とブレーキアクチュエータ21が特許請求の範囲に記載する運転支援手段に相当する。
【0018】
自律センサ10は、車両において自車情報や直前車情報を検出するセンサである。自車情報は、例えば、自車の速度、位置である。自車情報を検出するセンサは、例えば、車速センサ、GPSセンサである。直前車情報は、例えば、レーダセンサでのレーダ情報(各反射点(各検出点)についての左右方向のスキャン角、送信時刻、受信時刻、受信強度など)である。このレーダ情報から、ECU30において直前車の有無の判断及び直前車との相対距離や相対速度等の算出ができる。直前車情報を検出するセンサは、例えば、ミリ波やレーザ光等を利用したレーダセンサである。自律センサ10は、自車情報、直前車情報を検出すると、その検出した自車情報、直前車情報をECU30に出力する。図2に示す例では、ACCシステム1を搭載した自車MVでは、自律センサ10によって自車MVの速度等を検出するとともに、直前車PVの車間距離や速度等を検出する。なお、直前車情報については、自車前方をカメラで撮像した画像情報等でもよい。
【0019】
広域用路車間通信装置11は、広域の道路交通情報を管理するセンタから送信される広域エリアの渋滞情報を広域通信で受信する通信装置である。広域エリアの渋滞情報は、例えば、渋滞が発生している位置情報、各渋滞区間の長さ情報や旅行時間である。広域の通信方法としては、例えば、FM多重放送である。広域用路車間通信装置11では、広域エリアの渋滞情報を受信すると、その広域エリアの渋滞情報をECU30に出力する。図2に示す例では、ACCシステム1を搭載した自車MVでは、遠方のセンタ(図示せず)から送信された電波Rを受信し、広域エリアの渋滞情報を入手する。
【0020】
狭域用路車間通信装置12は、各エリア(センサ区間)の道路交通情報を管理するセンタから送信される狭域エリアの渋滞情報を狭域通信で受信する通信装置である。狭域エリアの渋滞情報は、例えば、センサ区間の車両台数(交通量)、平均速度、旅行時間である。狭域の通信方法としては、例えば、光ビーコン、電波ビーコンである。狭域用路車間通信装置12では、狭域エリアの渋滞情報を受信すると、その狭域エリアの渋滞情報をECU30に出力する。図2に示す例では、管制センタSでは、トラフィックカウンタT1,T2等のセンサによって検出されたセンサ区間の情報を収集し、その収集した情報から通過車両数、平均車速、旅行時間等を求め、その情報をビーコンBから送信する。ACCシステム1を搭載した自車MVでは、ビーコンBから送信された電波を受信し、狭域エリアの渋滞情報を入手する。
【0021】
なお、このような狭域の路車間通信では、ビーコン等を利用して車両から情報をセンタに送信することもできる。そこで、車両からACCシステム1搭載車両であることの情報をセンタに送信することにより、センタでセンサ区間においてACCシステム1の搭載車両が走行している割合(センサ区間内の全車両台数に対するシステム搭載車の割合)を算出し、そのシステム搭載車の走行割合情報も送信することができる。
【0022】
車車間通信装置13は、車車間通信可能な他車(特に、ACCシステム1を搭載の他車)との間で情報を送受信する通信装置である。送受信する情報としては、例えば、位置情報、速度情報、ACCシステム1を搭載しているか否かである。車車間通信装置13では、他車から送信された情報を受信すると、その情報をECU30に出力する。また、車車間通信装置13では、自律センサ10で検出した自車情報を他車に送信する。図2に示す例では、ACCシステム1を搭載した自車MVでは、車車間通信可能な他車OVからの電波を受信し、他車OVの情報を入手し、渋滞情報を検知する。
【0023】
これらの周辺の各他車の情報を用いて、ECU30において自車周辺での渋滞の有無を判断でき、渋滞の場合にはその渋滞区間の距離、平均速度等を算出できる。さらに、全車両が車車間通信可能であれば、ECU30において渋滞区間におけるACCシステム1の搭載車両の走行割合を算出できる。
【0024】
なお、渋滞情報を入手する手段としては、上記の自律センサ10、広域用路車間通信装置11、狭域用路車間通信装置12、車車間通信装置13のうちの少なくとも1つの手段があればよい。情報の精度としては、車車間通信装置13によって入手される情報、狭域用路車間通信装置12によって入手される情報、広域用路車間通信装置11によって入手される情報、自律センサ10によって入手される情報の順で精度の高い情報が得られる。なお、他に渋滞情報を入手できる手段があれば、その入手手段でもよい。
【0025】
スロットルアクチュエータ20は、スロットルバルブ(図示せず)の開度を調整するアクチュエータである。スロットルアクチュエータ20では、ECU30からのスロットル制御信号に応じて作動し、スロットルバルブの開度を調整する。
【0026】
ブレーキアクチュエータ21は、各輪のホイールシリンダ(図示せず)のブレーキ油圧を調整するアクチュエータである。ブレーキアクチュエータ21では、ECU30からのブレーキ制御信号に応じて作動し、ホイールシリンダのブレーキ油圧を調整する。
【0027】
ECU30は、CPU[CentralProcessing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等からなる電子制御ユニットであり、ACCシステム1を統括制御する。ACCECU30は、ROMに記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することにより、情報処理機能、上限速度設定機能、定常速度走行制御機能、追従走行制御機能を構成する。なお、定常速度走行制御機能と追従走行制御機能には、通常走行モードと渋滞区間走行モードがある。
【0028】
情報処理機能について説明する。ECU30では、自律センサ10から自車情報を入力し、自車の速度や位置を入手する。ECU30では、自車の速度の時間変化から自車の加速度を算出する。また、ECU30では、自律センサ10から直前車情報(レーダ情報等)を入力し、直前車情報に基づいて直前車の有無を判断するとともに、直前車が存在する場合には直前車との車間距離、相対速度及び直前車の速度を算出する。ECU30では、直前車の速度の時間変化から直前車の加速度を算出する。
【0029】
また、ECU30では、広域用路車間通信装置11から広域エリアの渋滞情報を入力し、自車を含む広域エリアでの渋滞の場所や長さを入手する。また、ECU30では、狭域用路車間通信装置12から狭域エリアの渋滞情報を入力し、自車前方のセンサ区間での車両台数、平均速度や旅行時間及びシステム搭載車の走行割合を入手する。また、ECU30では、車車間通信装置13から他車の情報を入力し、入力できた他車の情報に基づいて自車前方での渋滞の有無を判断するとともに、渋滞が有る場合にはその渋滞区間の距離、平均速度等を算出する。
【0030】
そして、ECU30では、入手できた情報に基づいて、自車前方の道路が渋滞中か否かを判断する。自車前方道路で渋滞中の場合、ECU30では、渋滞区間を特定し、渋滞区間における平均速度や走行割合を特定する。また、ECU30では、渋滞区間が終了する渋滞解消位置を特定する。そして、ECU30では、自車の現在位置が渋滞解消位置を通過したか否かを判定し、通過した場合には渋滞区間を抜けたと判断する。
【0031】
上限速度設定機能について説明する。自車前方道路で渋滞中の場合、ECU30では、渋滞区間における平均速度を入手できていない場合、渋滞定義速度に加算速度Xを加えた速度を上限速度とする。渋滞定義速度は、例えば、高速道路の場合には40[km/h]、一般道路の場合には20[km/h]である。また、ECU30では、渋滞区間における平均速度を入手できている場合、渋滞区間におけるシステム搭載車の走行割合が入手できている場合にはシステム搭載車の走行割合に応じて上限速度を設定し、渋滞区間におけるシステム搭載車の走行割合が入手できていない場合には渋滞区間における平均速度に加算速度Xを加えた速度を上限速度とする。
【0032】
加算速度X[km/h]は、渋滞区間全体の平均速度を現状の平均速度よりも上昇させるための速度であり、実験やシミュレーション等によって設定される。加算速度Xは、道路の種別(高速道路、都市高速道路、一般道路等)別に設定され、各道路種別の渋滞定義速度が高いほど大きな速度が設定されるようにするとよい。なお、加算速度Xは、上限速度が法定速度を超えない範囲の速度とする。
【0033】
渋滞区間においてシステム搭載車の走行割合が多いほど、上限速度を上限として走行する車両台数が多くなるので、渋滞区間全体における速度を上昇させることが可能となる。そこで、渋滞区間のシステム搭載車の走行割合に応じて上限速度を設定する場合、走行割合が多いほど、上昇速度として渋滞区間における平均速度により大きな加算速度を加えた速度を設定する。設定方法としては、例えば、渋滞区間の平均速度毎に走行割合に応じた上限速度を設定した上限速度マップを予め用意しておき、その上限速度マップに基づいて上限速度を設定する。走行割合に応じてどの程度の上限速度にするかは、実験やシミュレーション等によって設定される。
【0034】
定常速度走行制御機能について説明する。自車前方に直前車が存在せず、自車前方道路で渋滞中でない場合(通常走行モード)、ECU30では、一定時間毎に、自車の車速と目標速度との差に基づいて、自車速が目標速度になるために必要な目標加速度を演算する。目標加速度がプラス値の場合、ECU30では、目標加速度から目標駆動力を算出し、その目標駆動力になるために必要なスロットルバルブの目標開度を設定し、その目標開度をスロットル制御信号としてスロットルアクチュエータ20に出力する。一方、目標加速度がマイナス値(すわなち、目標減速度)の場合、ECU30では、その目標加速度から目標制動力を算出し、その目標制動力になるために必要な各輪のホイールシリンダのブレーキ油圧を設定し、そのブレーキ油圧をブレーキ制御信号としてブレーキアクチュエータ21に出力する。
【0035】
自車前方に直前車が存在せず、自車前方道路で渋滞中の場合、ECU30では、一定時間毎に、自車の車速と上限速度との差に基づいて、自車速が上限速度になるために必要な目標加速度を演算し、この目標加速度を用いて上記と同様の処理を行う。また、自車前方に直前車が存在し、自車前方道路で渋滞中の場合(渋滞区間走行モード)、ECU30では、直前車の速度が上限速度より高い場合、自車の車速と上限速度との差に基づいて、自車速が上限速度になるために必要な目標加速度を演算し、この目標加速度を用いて上記と同様の処理を行う。
【0036】
追従走行制御機能について説明する。自車前方に直前車が存在し、自車前方道路で渋滞中でない場合(通常走行モード)、ECU30では、一定時間毎に、直前車の加速度が0以上か否かを判定する。直前車の加速度が0以上の場合(加速追従走行制御)、直前車との車間距離と目標車間距離との差に基づいて、直前車との車間距離が目標車間距離になるために必要な目標加速度(プラス値)を演算する。そして、ECU30では、目標加速度から目標駆動力を算出し、その目標駆動力になるために必要なスロットルバルブの目標開度を設定し、その目標開度をスロットル制御信号としてスロットルアクチュエータ20に出力する。一方、直前車の加速度が0未満の場合(減速追従走行制御)、ECU30では、直前車との車間距離と目標車間距離との差に基づいて、直前車との車間距離が目標車間距離になるために必要な目標加速度(マイナス値:目標減速度)を演算する。そして、ECU30では、その目標加速度から目標制動力を算出し、その目標制動力になるために必要な各輪のホイールシリンダのブレーキ油圧を設定し、そのブレーキ油圧をブレーキ制御信号としてブレーキアクチュエータ21に出力する。
【0037】
自車前方に直前車が存在し、自車前方道路で渋滞中の場合(渋滞区間走行モード)、ECU30では、一定時間毎に、直前車の速度が上限速度以下か否かを判定する。直前車の速度が上限速度以下の場合、ECU30では、一定時間毎に、直前車の加速度が0以上か否かを判定する。そして、ECU30では、直前車の加速度が0以上の場合には上記と同様の加速追従走行制御を行い、直前車の加速度が0未満の場合には上記と同様の減速追従走行制御を行う。この際、目標車間距離は、自車速等に応じた距離が設定され、自車速が低下するほど徐々に短くなるようにする。一方、直前車の速度が上限速度より高い場合、ECU30では、上記の定常走行制御機能での処理を行う。
【0038】
図2及び図3を参照して、自車が渋滞区間に入ったときの挙動について、従来のACCシステムで制御を行った場合とACCシステム1で制御を行った場合の挙動について説明する。図2に示す例では、サグ部で渋滞が発生し、サグ部から後方に渋滞区間が延びている。このような渋滞区間を走行中の各車両は、減速、停止、加速(発進)を繰り返す。そのため、車両が一旦停止すると、停止から加速時の発進が遅れると、その後続車の更なる渋滞の要因となる。
【0039】
図3の上のグラフには、渋滞区間において、従来のACCシステムを搭載した自車の速度Vm’とその直前車の速度Vpre’の時間変化を示している。この2台の車両の速度の時間変化Vm’,Vpre’からも判るように、直前車が減速、停止、加速(発進)を繰り返すと、従来のACCシステムの追従制御が行われる自車でも、少し遅れて、停止、加速(発進)を繰り返す。この際、従来のACCシステムの追従制御が行われる自車では、直前車が到達する速度と同程度の速度まで加速する。しかし、渋滞区間では上記したように加速の後に減速するので、直前車と同じように高い速度まで加速する必要はなく、無駄な加速となる。
【0040】
そこで、ACCシステム1では、渋滞区間における平均速度よりも高い上限速度を設定し、上限速度を上限として加速を止め、上限速度で定常走行する。図3の上のグラフには、渋滞区間の平均速度Vaveに対して上限速度Vupが設定されており、ACCシステム1を搭載した自車の速度Vmの時間変化も示している。この自車の速度時間変化Vmと直前車の速度時間変化Vpre’から判るように、自車は、直前車が上限速度Vupを超えて加速している場合でも、上限速度Vupまでで加速を止め、上限速度Vupで定速走行する。これによって、自車は、無駄な加速を抑制できるとともに、直前車との車間距離が広がる。この自車と直前車との車間距離と、直前車とその前方車との車間距離を比べると、自車と直前車との車間距離ほうが十分に広く余裕がる。そのため、直前車が加速の後に減速しているときに、自車も直前車の速度が上限速度以下になると減速するが、広い車間距離を徐々に詰めていくことにより自車の減速が直前車の減速よりも緩やかである。
【0041】
その結果、自車は、減速時に速度低下を抑えることができ、停止する回数も低減する。そのため、後続車も停止する回数も低減し、停止後の加速時の発進回数も低減する。図3の下のグラフには、渋滞区間において、ACCシステム1を搭載した自車の速度Vmとその後続車(ACCシステム1を搭載していない車両)の速度Vnの時間変化を示している。この自両の速度時間変化Vmと後続車の速度時間変化Vnから判るように、自車とともに後続車も上限速度までの加速となり、自車とともに後続車も停止しないようになる。これによって、渋滞区間全体での平均速度も徐々に上昇してゆき、旅行時間も短縮され、早く渋滞も解消する。したがって、渋滞区間内の全ての車両がACCシステム1を搭載して上記のような制御を行う必要はなく、渋滞区間内の一部の車両だけがACCシステム1を搭載して上記のような制御を行うだけで、渋滞区間での交通流の改善を図ることができる。
【0042】
図1を参照して、ACCシステム1における動作について説明する。特に、ECU30における処理については図4及び図5のフローチャートに沿って説明する。図4は、図1のACCシステムにおけるECUのメイン処理の流れを示すフローチャートである。図5は、図1のACCシステムにおけるECUの上限速度設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
自律センサ10では、一定時間毎に、自車の情報を検出し、その検出した自車情報をECU30に出力する。また、自律センサ10では、一定時間毎に、自車前方の直前車の情報を検出し、その検出した直前車情報をECU30に出力する。広域用路車間通信装置11では、センタから情報が送信される毎に、広域の渋滞情報を受信し、その受信した広域の渋滞情報をECU30に出力する。また、狭域用路車間通信装置12では、自車が狭域の情報提供エリアを通過する毎に、狭域の渋滞情報を受信し、その受信した狭域の渋滞情報をECU30に出力する。車車間通信装置13では、通信可能なエリア内に存在する他車から情報が送信される毎に、他車の情報を受信し、その受信した他車情報をECU30に出力する。ECU30では、センサ10や各通信装置11,12,13から情報が出力されると、それらの各情報を入力する。
【0044】
ECU30では、それら入力した各情報に基づいて、自車の前方道路状況(渋滞場所、渋滞の長さ、渋滞区間の平均速度(Vave)、渋滞解消位置(Dend)等)を入手する(S10)。そして、ECU30では、自車の前方道路で渋滞中か否かを判定する(S11)。S11で渋滞中でないと判定した場合、ECU30では、通常走行モードでの目標速度に基づいて定常速度走行制御を行い、加速が必要な場合にはスロットル制御信号をスロットルアクチュエータ20に出力し、減速が必要な場合にはブレーキ制御信号をブレーキアクチュエータ21に出力する(S12)。スロットルアクチュエータ20では、スロットル制御信号を入力した場合、スロットル制御信号に応じて作動し、スロットルバルブの開度を調整する。また、ブレーキアクチュエータ21では、ブレーキ制御信号を入力した場合、目標油圧に応じて作動し、ホイールシリンダのブレーキ油圧を調整する。これによって、自車では、速度が目標速度になるように調整される。
【0045】
S11で渋滞中と判定した場合、ECU30では、入力した各種情報に基づいて、渋滞区間におけるシステム搭載車の走行割合を入手する(S13)。そして、ECU30では、入手した走行割合に基づいて渋滞区間における上限速度(Vup)を設定する(S14)。この上限速度の設定処理について、後で詳細に説明する。
【0046】
ECU30では、自律センサ10から入力した情報に基づいて、自車前方の直前車の情報を入手する(S15)。そして、ECU30では、その直前車情報に基づいて、直前車が検出されたか否かを判定する(S16)。S16にて直前車が検出されていないと判定した場合、ECU30では、渋滞区間の上限速度(Vup)に基づいて定常速度走行制御を行い、加速が必要な場合にはスロットル制御信号をスロットルアクチュエータ20に出力し、減速が必要な場合にはブレーキ制御信号をブレーキアクチュエータ21に出力する(S17)。スロットルアクチュエータ20又はブレーキアクチュエータ21では、上記と同様に動作する。これによって、自車では、渋滞区間において直前車が存在しないので、速度が上限速度(Vup)の定速になるように調整される。
【0047】
S16にて直前車が検出されたと判定した場合、ECU30では、渋滞区間走行モードに移行する(S18)。そして、ECU30では、自律センサ10から入力した情報に基づいて直前車の速度(Vpre)を算出し(S19)、直前車の速度(Vpre)が上限速度(Vup)以下か否かを判定する(S20)。S20にて直前車の速度(Vpre)が上限速度(Vup)より高いと判定した場合、ECU30では、渋滞区間の上限速度(Vup)に基づいて定常速度走行制御を行い、加速が必要な場合にはスロットル制御信号をスロットルアクチュエータ20に出力し、減速が必要な場合にはブレーキ制御信号をブレーキアクチュエータ21に出力する(S21)。スロットルアクチュエータ20又はブレーキアクチュエータ21では、上記と同様に動作する。これによって、自車では、渋滞区間において直前車が存在するが、速度が上限速度(Vup)の定速になるように調整される。
【0048】
S20にて直前車の速度(Vpre)が上限速度(Vup)以下と判定した場合、ECU30では、自律センサ10から入力した情報に基づいて直前車の加速度(Apre)を算出し(S22)、直前車の加速度(Apre)が0より小さいか否かを判定する(S23)。S23にて直前車の加速度(Apre)が0より小さいと判定した場合、ECU30では、予め設定された目標車間距離に基づいて減速追従走行制御を行い、ブレーキ制御信号をブレーキアクチュエータ21に出力する(S24)。ブレーキアクチュエータ21では、上記と同様に動作する。これによって、自車では、渋滞区間において直前車に追従して減速する。S23にて直前車の加速度(Apre)が0以上と判定した場合、ECU30では、予め設定された目標車間距離に基づいて加速追従走行制御を行い、スロットル制御信号をスロットルアクチュエータ20に出力する(S25)。スロットルアクチュエータ20では、上記と同様に動作する。これによって、自車では、渋滞区間において直前車に追従して加速する。
【0049】
そして、ECU30では、自律センサ10から入力した情報に基づいて自車の現在位置を入手し、自車の現在位置が渋滞解消位置(Dend)を通過したか否かを判定する(S26)。S26にて自車の現在位置が渋滞解消位置(Dend)を通過していないと判定した場合、ECU30では、S19の処理に戻り、渋滞区間走行モードの制御を継続する。
【0050】
S26にて自車の現在位置が渋滞解消位置(Dend)を通過したと判定した場合、ECU30では、渋滞区間走行モードを終了するとともに通常走行モードに移行し、直前車の加速度(Apre)が0より小さい場合には減速追従走行制御を行い、直前車の加速度(Apre)が0以上の場合には加速追従走行制御を行う(S27)。これによって、自車では、直前車に追従して加減速する。
【0051】
上限速度(Vup)の設定処理について説明する。ECU30では、渋滞情報を入手できているか否かを判定する(S30)。S30にて渋滞情報が入手できていないと判定した場合、ECU30では、入手できるまで待つ。
【0052】
S30にて渋滞情報が入手できていると判定した場合、ECU30では、渋滞区間の平均速度(Vave)が入手できているか否かを判定する(S31)。S31にて渋滞区間の平均速度(Vave)が入手できていないと判定した場合、ECU30では、渋滞定義速度に加算速度X[km/h]を加え(S32)、上限速度(Vup)として決定する(S36)。例えば、高速道路の場合、渋滞定義速度を40[km/h]とすると、40+X[km/h]が上限速度(Vup)になる。
【0053】
S31にて渋滞区間の平均速度(Vave)が入手できていると判定した場合、ECU30では、システム搭載車の走行割合を入手できているか否かを判定する(S33)。S33にてシステム搭載車の走行割合が入手できていないと判定した場合、ECU30では、渋滞区間の平均速度(Vave)に加算速度X[km/h]を加え(S34)、上限速度(Vup)として決定する(S36)。例えば、渋滞区間の平均速度(Vave)を30[km/h]とすると、30+X[km/h]が上限速度(Vup)になる。
【0054】
S33にてシステム搭載車の走行割合が入手できていると判定した場合、ECU30では、システム搭載車の走行割合に応じて上限速度を算出し(S35)、上限速度(Vup)として決定する(S36)。例えば、図6に、渋滞区間の平均速度(Vave)が30[km/h]の場合の上限速度マップの一例を示す。この上限速度マップの場合、システム搭載車の走行割合が5%の場合には上限速度として40[km/h]が設定され、10%の場合には上限速度として45[km/h]が設定され、20%の場合には上限速度として50[km/h]が設定されている。実際の走行割合が上限速度マップに設定される数値以外の数値の場合、その実際の走行割合の数値に応じて補間して上限速度を算出する。あるいは、上限速度マップに設定される数値の中から実際の走行割合の数値に最も近い値を選択し、その選択した上限速度マップ内の走行割合の上限速度をそのまま設定する。
【0055】
図7及び図8を参照して、本実施の係るACCシステム1を搭載した車両を実際に用いて行ったシミュレーション実験について説明する。図7は、本実施の形態に係るACCシステム搭載車を実際に用いたシミュレーション実験の分析結果である。図8は、本実施の形態に係るACCシステム搭載車を実際に用いたシミュレーション実験における各車両の速度変化と自車両と直前車との車間距離変化である。
【0056】
このシミュレーション実験では、自動車専用道路におけるサグ部を含む8kmの走行車線道路と追越車線道路に実際に渋滞を発生させ、その渋滞区間の車両の中にACCシステム1を搭載した車両を5%の割合でランダムに走行させた。この渋滞区間では、平均速度が35km/h程度であった。
【0057】
図7には、このシミュレーション実験に対する分析結果を示している。上限速度を30[km/h]に設定した場合、渋滞区間の停止回数は3.67[回]低減し、その低減効果は54.28[%]であった。渋滞区間の旅行時間は130.91[s]増加し、その増加率は30.10[%]であった。渋滞区間のCO排出量は114.94[g]低減し、その低減効果は8.57[%]であった。渋滞区間の平均速度は3.32[m/s]低下し、その低下率は22.80[%]であった。上限速度を30[km/h]に設定した場合、渋滞区間の平均速度よりも低い速度なので、渋滞区間全体の平均速度が低下し、旅行時間が長くなっている。
【0058】
上限速度を40[km/h]に設定した場合、渋滞区間の停止回数は4.64[回]低減し、その低減効果は61.04[%]であった。渋滞区間の旅行時間は64.50[s]低減し、その低減効果は14.83[%]であった。渋滞区間のCO排出量は230.74[g]低減し、その低減効果は17.20[%]であった。渋滞区間の平均速度は2.44[m/s]上昇し、その回復効果は16.74[%]であった。
【0059】
上限速度を45[km/h]に設定した場合、渋滞区間の停止回数は3.95[回]低減し、その低減効果は51.96[%]であった。渋滞区間の旅行時間は64.78[s]低減し、その低減効果は14.90[%]であった。渋滞区間のCO排出量は217.404[g]低減し、その低減効果は16.21[%]であった。渋滞区間の平均速度は2.45[m/s]上昇し、その回復効果は16.21[%]であった。
【0060】
上限速度を40[km/h]や45[km/h]に設定した場合、渋滞区間の平均速度よりも高い速度なので、停止回数が減少するとともに渋滞区間全体の平均速度が上昇し、旅行時間が短くなっている。さらに、CO排出量も減少している。このように、システム搭載車が5%でも、上限速度を渋滞区間の平均速度よりも高く設定することにより、渋滞区間での交通流の改善効果が十分に得られることが実証された。
【0061】
図8には、このシミュレーション実験において、任意のシステム搭載車とその前後のシステム非搭載車の速度の時間変化及びそのシステム搭載車とその直前のシステム非搭載車との車間距離の時間変化の一例を示している。このシステム搭載車の上限速度は、40[km/m](=約11[m/s])である。システム搭載車の速度変化V1を実線の太線で示し、システム搭載車の直前のシステム非搭載車の速度変化V2を破線で示し、システム搭載車の後続のシステム非搭載車の速度変化V3、V4を実線の細線で示し、システム搭載車とその直前のシステム非搭載車との車間距離変化L1を一点鎖線で示している。
【0062】
システム搭載車の速度変化V1は、基本的には直前車を追従して走行するので直前車の速度変化V2に応じて変化しているが、直前車の速度V2が40[km/m]を超えると40[km/m]の定速となる。後続車の速度変化V3,V4は、システム搭載車の速度変化V1に応じて変化しており、直前車の速度V2が40[km/m]を超えてもシステム搭載車と同様に40[km/m]の定速となる。また、システム搭載車と直前車との車間距離L1は、直前車の速度V2が40[km/m]を超えると、システム搭載車が40[km/h]の定速となるので、広がってゆく。この広くなった車間距離を利用することにより、直前車の減速時には、システム搭載車も減速するが、システム搭載車の速度変化V1と直前車の速度変化V2から判るようにシステム搭載車の減速が直前車よりも抑えられている。その結果、直前車が停止(速度=0[m/s])しても、システム搭載車は停止していない。さらに、システム搭載車の後続車も停止回数が減少している。
【0063】
このACCシステム1によれば、渋滞区間において平均速度より高い上限速度を設定して速度制御を行うことにより、無駄な加速を低減するとともに直前車加速時に車間距離を十分に確保できるので、渋滞区間における停止回数を低減し、渋滞区間の交通流を改善できる。渋滞区間における停止回数が減るので、停止からの発進遅れが減り、渋滞区間での旅行時間(通過時間)を短縮できる。また、渋滞区間における平均速度より高い上限速度を設定しているので、渋滞区間における平均速度が上昇し、渋滞区間での旅行時間を短縮できる。その結果、早期の渋滞解消に繋がるとともに、CO排出量も削減できる。なお、渋滞区間においてACCシステム1を搭載する車両が一部でも(例えば、渋滞区間の車両全体の5%の台数でも)、上記の渋滞区間での交通流改善効果が十分に得られる。
【0064】
さらに、ACCシステム1によれば、渋滞区間においてACCシステム1を搭載する車両の走行割合に応じて上限速度を設定することにより、渋滞区間における平均速度をより上昇させることができ、渋滞区間の交通流をより改善できる。
【0065】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0066】
例えば、本実施の形態ではACCシステムに適用したが、自動運転システム、情報提供システム等の他の運転支援装置にも適用可能である。
【0067】
また、本実施の形態ではACCシステムのECUにおいて渋滞区間における上限速度を設定する構成としたが、渋滞情報を収集するセンタにおいて同様の手法によって上限速度を設定し、その上限速度を路車間通信を利用して各車両に通知するようにしてもよい。
【0068】
また、本実施の形態ではACCシステムに適用し、ブレーキアクチュエータやスロットルアクチュエータを用いて速度制御(介入制御)によって最適速度に調整する構成としたが、画面表示や音声出力等によってドライバに目標速度(特に、渋滞区間における上限速度)を提供し、ドライバがその目標速度で走行するように誘導するようにしてもよい。
【0069】
また、本実施の形態では渋滞区間における上限速度をシステム搭載車の走行割合に応じて設定する構成としたが、システム搭載車の走行割合に関係なく、上限速度を設定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…ACCシステム、10…自律センサ、11…広域用路車間通信装置、12…狭域用路車間通信装置、13…車車間通信装置、20…スロットルアクチュエータ、21…ブレーキアクチュエータ、30…ECU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
渋滞区間における運転支援を行う運転支援装置であって、
渋滞区間の平均速度を取得する平均速度取得手段と、
前記平均速度取得手段で取得した渋滞区間の平均速度より高い速度を渋滞区間における上限速度として設定する上限速度設定手段と、
前記上限速度設定手段で設定した渋滞区間における上限速度に基づいて運転支援を行う運転支援手段と
を備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
渋滞区間において前記運転支援装置を搭載する車両が走行している割合を取得する走行割合取得手段を備え、
前記上限速度設定手段は、前記走行割合取得手段で取得した走行割合に応じて上限速度を設定することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−81924(P2012−81924A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231596(P2010−231596)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】