説明

道路検査方法及び道路検査車両

【課題】道路に関連する複数の構造物及び設備について、検査の効率化を図ることができる検査方法及び道路検査車両を提供すること。
【解決手段】検査車両1は、車両本体2に、熱赤外線カメラ3及び可視光線カメラ4と、振動センサ5と、走行音検出部6と、透水性検出部7と、ICタグ通信部8と、舗装面計測部9と、GPSアンテナ10と、制御装置11を備える。検査車両1は、道路を走行しながら、熱赤外線カメラ3及び可視光線カメラ4で舗装面を撮影し、舗装面の状態に応じた車両の振動を振動センサ5で検出し、走行音検出部6で車両の走行に伴って生じる音を検出し、透水性検出部7で舗装の透水性を検出し、予め道路の周辺に配置されたセンサの検出情報をICタグ通信部8で収集し、舗装面の形状を舗装面計測部9で収集する。収集された検査情報は、GPSアンテナ10で受信された位置情報が付与されて記憶装置12に記憶される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高速道路や一般道の構造物や設備に関する検査を走行しながら行う道路検査方法と、それに用いる道路検査車両に関する。
【背景技術】
【0002】
道路は、舗装のほか、路床、橋梁及び擁壁等の多種類の構造物で構成されており、道路交通の安全を確保するために、上記構造物の定期的な検査が必要である。
【0003】
従来より、道路の構造物の検査方法としては、検査対象の近接位置に検査員が赴き、検査対象に実質的に接触して検査を行ういわゆる接触検査が多く行われている。道路構造物としての橋梁に関して接触検査を行う場合、橋梁の桁や橋脚に設置された検査路に検査員が赴き、目視やハンマー打音検査等を行って異常を検知する。
【0004】
このような接触検査を行うには検査路が必要であり、また、検査が可能な領域が、検査路の周辺部分に限定される不都合がある。また、接触検査は、構造物の外観やハンマーの打音から異常を検知するので、検査員の経験の蓄積に基づく職人的な方法である。したがって、検査作業は労働集約的であり、作業効率が低く、その結果、コストが嵩む問題がある。さらに、検査路が高所に設置されている場合、検査員が危険に晒される問題がある。このような接触検査の問題は、橋梁に限らず、他の道路構造物についても同様に存在する。
【0005】
例えば、道路構造物としての舗装に関する検査では、轍掘れやポットホール等の表層の損傷を検査員が目視で検出する接触検査が行われている。このような舗装の接触検査を行うには、検査対象の車線について車両の通行規制を行う必要があるため、作業効率の低さに加えて、交通渋滞が生じる問題がある。
【0006】
このような問題を解決するため、検査車両により舗装の検査を行うことが提案されている。舗装の検査を行うための検査車両として、スリット状の光を照射する照射手段と、路面を撮影するカメラと、カメラから出力される撮像情報を処理する画像処理装置とを車両に搭載してなる路面計測装置が提案されている(特許文献1参照)。この路面計測装置は、検査対象の道路を走行しながら、照射手段で路面にスリット状の光を照射すると共に路面をカメラで撮影し、カメラから出力された画像信号を画像処理装置で解析することにより、道路の舗装面に生じる轍掘れ等の形状変化を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−101129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の路面計測装置は、舗装の形状変化を検出できるのみであり、舗装に関する他の検査や、舗装の下方に存在する橋梁本体や盛土等の他の構造物の検査を行うことはできない。したがって、上記路面計測装置が検出しない検査対象に関して接触検査を行う必要があるので、道路の検査に関する作業効率とコストの問題は、十分には解決されていない。
【0009】
そこで、本発明の課題は、道路に関する構造物及び設備の検査を全体として効率化することができ、その結果、コスト削減を行うことができる道路検査方法及び道路検査車両を提案することにある。また、劣化の原因を見出すことができる道路検査方法及び道路検査車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の道路検査方法は、道路を走行しながら、道路に関する複数種類の検査対象に関する検査情報を複数位置で採取し、複数種類の検査対象の間で共通の位置情報に関連付けて保存した後、保存した上記複数種類の検査情報のうちの少なくとも2種類の検査情報に基づいて、詳細検査を行う位置を特定することを特徴としている。
【0011】
本発明の道路検査方法及び道路検査車両により検査を行う道路は、舗装のほか、路床、橋梁、橋脚及び擁壁等の多種類の構造物で構成され、これらの構造物は、土、コンクリート及び金属等の多種類の材料を用いて形成されている。さらに、道路には、信号設備、防音設備及び防災設備等の種々の設備が設置されている。これらの構造物及び設備は、材料や、設置位置の環境や、通過車両の台数や、動作の頻度等に応じて劣化や損傷の進行度合が異なる。また、これらの構造物及び設備は、道路に沿って長距離に渡って存在する。このため、従来は、構造物又は設備の検査対象ごとに、検査対象の全てについて接触検査を行う全数検査が一般的であった。その結果、検査の作業効率が低く、コストが嵩み、また、接触検査の対象が高所等の場合には安全性の問題があった。本発明は、このような道路に関する検査に特有の課題に着目してなされたものである。
【0012】
上記課題に関し、本発明の道路検査方法は、道路を走行しながら、道路に関する複数種類の検査対象に関する検査情報を同時に採取するので、単一の検査対象の検査情報を収集するよりも、検査の効率を向上することができる。また、複数位置の検査情報を同時に採取するので、単一の位置の検査情報を収集するよりも、検査の効率を向上できる。その結果、検査コストを削減することができる。
【0013】
また、複数種類の検査対象に関する検査情報を、共通の位置情報に関連付けて保存するので、保存された検査情報を集計することにより、検査情報の間の相関性を見出すことができる。その結果、複数の検査情報に関連して生じる事象の原因を推定できる。また、走行による検査情報の収集を繰り返すことにより、道路の全体について、複数種類の検査対象の変化を定量的かつ容易に把握できるので、検査情報が採取される対象である構造物や設備に関し、劣化や損傷を効率的に検出できる。その結果、道路の検査に関する費用を削減できる。また、道路に関する構造物及び設備の健全度を、総合的に判断することができる。
【0014】
また、複数種類の検査情報のうちの少なくとも2種類の検査情報に基づいて、詳細検査を行う位置を特定するので、異常の可能性のある位置を詳細検査の候補として抽出することができる。抽出された位置で、詳細検査として、検査員が検査対象に接近して検査を行う接触検査を行うことにより、従来よりも高い効率で安価に検査を行うことができる。なお、詳細検査を行う位置を特定する方法としては、複数種類の検査情報のうちの第1の検査情報が所定の閾値を越える位置を抽出し、抽出された位置に関して第2の検査情報が所定の閾値を越える位置を絞り込むのが好ましい。この場合、少なくとも2種類の全ての検査情報を解析するよりも、解析処理の手間とコストを削減できる。ここで、第1の検査情報は車両の走行音であり、第2の検査情報は車両に作用した加速度であり、他の検査情報は、舗装面に投射したレーザ光の反射光を撮影した映像、又は、舗装面を撮影した可視光線映像であるのが好ましい。
【0015】
ここで、本発明の道路検査方法により採取する検査情報は、道路に関連して設置された構造物や設備に関する検査情報が広く該当し、道路に関連して設置された構造物には、舗装、路床、橋梁、橋脚、トンネル、護岸、水路、擁壁、基礎、盛土、土留、法面保護材及び地盤改良等の種々のものがある。これらの構造物は、鋼やステンレス等の金属、コンクリート及び土等の種々の材料で形成される。さらに、道路に関連して設置される設備には、信号設備、防音設備及び防災設備等の種々のものがある。これらに関する検査情報としては、例えば、構造物に生じる応力等の物理的特性値や、構造物のPH等の化学的特性値等がある。また、これらの構造物や設備の可視光画像や、温度分布を表す画像や、照射された走査光の反射状況を表す画像等がある。また、検査情報としては、構造物、設備及び道路交通に影響を及ぼす現象に関する情報が含まれ、例えば、雨量、地下水位、河川水位、浸出水量、日照状態及び空気汚損度等が該当する。
【0016】
また、検査情報を採取しながら道路を走行する速度は、道路検査車両の走行速度が道路交通に渋滞を生じさせない程度の速度であるのが好ましい。このような速度は、毎時キロメートルで表された制限速度の値から、20を差し引いた値の速度以上の速度と定義することができる。例えば、道路の制限速度が100km/hである場合、80km/h以上の速度を高速という。道路検査車両が道路を高速で走行することにより、道路交通に影響を与えることなく、道路の検査情報を収集できる。
【0017】
一実施形態の道路検査方法は、上記複数の検査情報の採取及び保存を伴う走行を、同一の道路につき所定期間おきに行うものである。
【0018】
上記実施形態によれば、同一の道路について、所定期間おきに採取された検査情報を集計することにより、上記道路に関して時系列に沿った検査情報の変化を把握できる。したがって、上記道路の検査対象の将来の変化を予測できる。また、時系列に沿った検査情報の間の相関性を見出すことができ、その結果、複数の検査情報に関連して生じる事象の原因を推定できる。また、検査対象に関連して将来に生じる事象を予測できる。その結果、道路に関する構造物及び設備の劣化や損傷を、軽微な段階で早期に発見して対処できるので、道路に関する補修及び維持費用の低減を図ることができる。
【0019】
本発明の道路検査車両は、上記道路検査方法を行うための道路検査車両であって、
検査対象の可視光画像を撮影する可視光撮影部と、
検査対象の赤外線画像を撮影する赤外線撮影部と、
光投射部から投射された走査光の反射光に基づいて構造物又は設備の形状を計測する形状計測部と、
車両本体の走行に伴って生じる音を検出する走行音検出部と、
車両本体の走行に伴って生じる振動を検出する振動検出部と、
舗装面に照射した音波の減衰量に基づいて舗装面の透水性を検出する透水性検出部と、
上記可視光撮影部、赤外線撮影部、形状計測部、走行音検出部、振動検出部又は透水性検出部で収集された検査情報を位置情報に関連付けて格納する格納手段と
を備える。
【0020】
上記構成によれば、可視光撮影部で構造物又は設備を撮影することにより、撮影画像に基づいて、構造物又は設備の状態を検出することができる。また、赤外線撮影部で構造物又は設備を撮影することにより、撮影画像と構造物の形式に基づいて、構造物又は設備の内部損傷の有無を検出することができる。また、構造物又は設備へ光投射部から投射された走査光の反射光に基づいて、舗装面計測部によって構造物又は設備の形状を測定することができる。また、走行音検出部で、車両本体の走行に伴って生じる音を検出することにより、伸縮継手の異常の検出や、舗装の段差の存在や、轍の存在等といった舗装に関連する構造物の状態を検出することができる。また、車両本体の走行に伴って生じる振動を振動検出部で検出することにより、舗装や、舗装を支持する路盤や橋梁等の状態を検出できる。また、透水性検出部により、舗装面に照射した音波の減衰量に基づいて舗装面の透水性を計測することができる。ここで、透水性検出部は、舗装面に向けて音波を出射する音波発生部と、その反射音を採取する音波採取部とを有して構成される。
【0021】
ここで、上記車両本体の走行に伴って生じる音とは、構造物及び車両本体のいずれか又は両方から生じる音であり、例えば路面と車両本体の車輪との接触に伴って生じる音、構造物や設備が車両の走行に伴う力を受けて生じる音、車両本体の構成部品が走行の衝撃に起因して生じる音等が広く該当する。
【0022】
また、上記車両本体の走行に伴って生じる振動とは、構造物及び車両本体のいずれか又は両方から生じる振動であり、例えば舗装や橋梁の構成部分等の凹凸を通過することにより車両本体の構成部品に生じる振動や、車両本体の走行に伴って橋梁に生じる振動等が広く該当する。また、車両本体の構成部品に生じる振動には、車輪に連結された車軸の振動や、ステアリングホイールの振動等が該当する。
【0023】
上記可視光撮影部、赤外線撮影部、形状計測部、走行音検出部、振動検出部又は透水性検出部で収集された検査情報が、位置情報に関連付けられて格納手段に格納されるので、検査情報を収集した後、格納手段に格納された複数種類の検査情報を位置情報に基づいて照合することができる。これらの複数の検査情報を、各検査情報に設定した閾値に基づいて順次絞り込むことにより、従来よりも少ないデータ処理量で、検査対象の異常を検出することができる。
【0024】
一実施形態の道路検査車両は、検査対象に予め設置されたセンサで検出されたセンサ検出情報、又は、センサ検出情報に所定の処理が行われた2次情報を、無線通信を介して受信する受信部を備える。
【0025】
上記実施形態によれば、検査対象に予め設置されたセンサによって検出されたセンサ検出情報、又は、センサ検出情報に所定の処理が行われた2次情報を、受信部で無線通信を介して受信することにより、センサで特定される検査対象の状態を、容易に検出して収集できる。ここで、上記センサとして、RFID(Radio Frequency Identification;電波による個体識別)機能を有するセンサを設置できる。RFID機能を有するセンサを、道路の延長方向に沿って複数個設置することにより、検査対象の複数箇所におけるセンサ検出情報を容易に検出して収集できる。
【0026】
一実施形態の道路検査車両は、上記位置情報は、道路に設けられた距離表示及び/又はGPSにより特定する。
【0027】
上記実施形態によれば、道路に設けられた距離表示を撮影装置で撮影し、撮影情報を検査情報と関連付けて保存することにより、検査情報の採取位置を特定できる。また、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)の衛星から送信される位置情報を受信し、この位置情報を検査情報と関連づけて保存することにより、検査情報の採取位置を特定できる。
【0028】
一実施形態の道路検査車両は、上記センサは、歪センサ、変位センサ、水位センサ、温度センサ、気圧センサ、振動センサ及びPHセンサのうちの少なくとも一つである。
【0029】
上記実施形態によれば、歪センサにより、例えば道路に関連する構造物の変形の程度を検出でき、変位センサにより、例えば構造物の変位を検出でき、水位センサにより、例えば道路の近傍の河川及び湖沼の水位を検出できる。また、温度センサにより、例えば構造物の温度を検出でき、気圧センサにより、例えば道路の周辺の気圧を検出でき、また、振動センサにより、例えば構造物に生じる振動を検出できる。また、PHセンサにより、例えば構造物としてのコンクリートの変性を検出できる。
【0030】
また、上記各センサは、各々のセンサが検出した情報である1次情報を所定のプロセスで処理して2次情報を生成する機能を有してもよい。例えば、歪センサが記憶装置と演算装置を有し、歪センサが検出した歪情報の変動の差分と歪情報の変化の回数に基づいて、演算装置が累積疲労損傷度を算出して記憶装置に記憶してもよい。この記憶装置に記憶された累積疲労損傷度の情報を、検査車両が接近したときに無線通信によって送信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態の道路検査車両を示す模式図である。
【図2】舗装の詳細検査を行うべき位置を特定する際に用いる情報の関係を示す図である。
【図3】橋梁の異常や伸縮継手の異常を検出する際に用いる情報の関係を示す図である。
【図4】鋼床版及び舗装の異常の原因を推定する際に用いる情報の関係を示す図である。
【図5】累積疲労損傷度センサと検査車両が通信する様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施形態の道路検査車両を示す模式図であり、道路としての高速道路を走行しながら道路に関する検査情報を収集するように構成されたものである。この検査車両1は、道路を走行しながら、複数種類の検査情報を複数位置で収集するものであり、車両本体2に、赤外線撮影部としての熱赤外線カメラ3と、可視光撮影部としての可視光線カメラ4と、振動検出部としての振動センサ5と、走行音検出部6と、透水性検出部7と、受信部としてのICタグ通信部8と、光投射部としてのレーザ装置を有する形状計測部としての舗装面計測部9と、GPSアンテナ10と、制御装置11と、記憶装置12を備える。
【0034】
熱赤外線カメラ3は、車両本体2の前部に設置され、走行する道路の舗装面を撮影し、この舗装面の温度分布を表す熱赤外線映像を検査情報として収集する。
【0035】
可視光線カメラ4は、車両本体2の前部に設置され、走行する道路の舗装面を撮影し、この舗装面の可視光線映像を検査情報として収集する。
【0036】
振動センサ5は加速度センサを含んで構成され、車体本体2の車軸の近傍に配置されて、車両本体2の鉛直方向の振動を検査情報として収集する。
【0037】
走行音検出部6は、車両本体1の室内に配置されたマイクロフォンであり、車両本体1が道路を走行するに伴って舗装や橋梁の伸縮継手に生じる音を検出するものである。走行音検出部6が検出した音の周波数分布に基づいて、舗装や伸縮継手の異常を検知するようになっている。
【0038】
透水性検出部7は、車体本体2の下部に配置され、道路の舗装面に向かって音を出射するスピーカと、スピーカからの音が舗装面で反射してなる反射音を採取するマイクロフォンとを有する。マイクロフォンで採取した反射音の所定の周波数帯における減衰レベルに基づいて、舗装の透水性を検出するようになっている。
【0039】
ICタグ通信部8は、電磁波を送受信するアンテナと、アンテナを介してICタグとデータ通信を行う制御部を有して構成され、ICタグリーダの機能を有する。ICタグ通信部8は、道路に関連する構造物や設備等に予め設置された複数のセンサと共に設置された複数のICタグと通信を行う。ICタグは、アンテナと、識別情報を格納した記憶部と、演算装置とが半導体チップに形成されて構成され、アンテナでICタグリーダからの電磁波を受けて生成した電力により、ICタグリーダと無線通信を行ってデータの授受を行うものである。道路の周辺に配置されたICタグ及びセンサに検査車両1が接近すると、ICタグがICタグ通信部8と無線通信を開始し、センサが検出したセンサ検出情報をICタグがICタグ通信部8に送信する。これにより、検査車両1が道路を走行するに伴い、道路の複数位置で複数種類の検査対象に配置されたセンサの検出情報を、ICタグ通信部8によって効率的に収集するようになっている。
【0040】
なお、ICタグ通信部8以外に、無線通信を介してセンサ検出情報を受信する他の手段を備えてもよい。すなわち、道路の構造物及び設備等に、センサと、このセンサの検出情報を無線通信により送信する無線通信手段とを設置し、センサに検査車両1が接近するに伴ってセンサの検出情報を無線通信で受信できれば、通信の形式や規格は限定されない。
【0041】
上記センサとして、構造物としての橋梁の鋼製部材に設置される歪センサや、コンクリート部材に設置される歪センサを用いることができる。上記歪センサにより、橋梁の部材の劣化又は形状変化を検出できる。
【0042】
また、上記センサとして、構造物としての盛土や切土等に設置される変位センサを用いることができる。上記変位センサにより、盛土や切土の地表面の変位を検出できる。さらに、盛土や切土の地下水位を検出する地下水位センサと組み合わせることにより、地下水位の変動と、盛土や切土の地表面の変位の動向に基づいて、盛土や切土の地すべりの発生を予測できる。
【0043】
また、上記センサとして、道路の周辺の防災設備としての護岸、堤防及び堰堤に関連して、河川や湖沼に設置される水位センサを用いることができる。上記水位センサにより、河川や湖沼の水位を検出でき、検出された水位の変化動向を検討することにより、護岸や堤防の決壊等といった災害の発生を推定できる。
【0044】
また、上記センサとして、構造物としてのアスファルト舗装に設置される温度センサを用いることができる。上記温度センサにより、舗装の温度を検出でき、温度上昇に伴うアスファルト舗装の軟化を検知及び予測できる。
【0045】
また、上記センサとして、道路の周辺に配置された気圧センサを用いることができる。上記気圧センサにより、道路の周辺の気圧を検出でき、気温や雨量等の情報と併せて、天候の変化を予測できる。
【0046】
また、上記センサとして、構造物としての橋梁に設置される振動センサを用いることができる。上記振動センサにより、橋梁に生じる振動を検出でき、検出された振動の変化動向を検討することにより、橋梁の劣化を推定できる。
【0047】
また、上記センサとして、構造物としての橋梁のコンクリート部材に設置されるPHセンサを用いることができる。上記PHセンサにより、コンクリートのPH値を検出でき、コンクリートの中性化による劣化を検出できる。
【0048】
上記センサは、複数種類の検査対象について、道路の周辺の複数個所に予め配置されている。これらのセンサによって複数種類の複数個の検査対象から検出されたセンサ検出情報を、検査車両1が各センサの設置位置を通過することにより、ICタグ通信部8の無線通信によって収集する。
【0049】
舗装面計測部9は、光投射部としてのレーザ装置から、走行する道路の舗装面に道路の幅方向に延在する線状の走査光を出射する。走査光は、舗装面に対して傾斜した角度で入射する。これにより、レーザ装置から投射されるレーザ光の軌跡により、舗装面に対して傾斜した平面を形成する。このレーザ光が舗装面に投射された投射像をカメラで撮影している。このカメラは、レンズの軸を舗装面の法線方向に向くように設置されている。舗装面に傾斜角度をなして投射されたレーザ光の投射像を、法線方向からカメラで撮影することにより、舗装面の凹凸や轍による鉛直方向の段差が、道路の長手方向の投射像の変位として撮影される。この道路の長手方向の投射像の変位を、カメラの撮影画像から画像処理によって測定することにより、鉛直方向の段差を検出するようになっている。
【0050】
GPSアンテナ10は、車体本体2の上部に設置され、GPS(全地球測位システム)の衛星から送信される位置情報を受信する。この位置情報を、上記熱赤外線カメラ3や可視光線カメラ4の撮影映像や、ICタグ通信部8で収集したセンサ検出情報と関連づけて保存することにより、各々の機器で収集された検査情報の取得位置を特定するように構成されている。
【0051】
制御装置11は、上記熱赤外線カメラ3、可視光線カメラ4、振動センサ5、走行音検出部6、透水性検出部7、ICタグ通信部8、舗装面計測部9及びGPSアンテナ10に接続され、これらの機器の動作を制御すると共に、各機器で採取された情報を収集するようになっている。制御装置11は記憶装置12に接続されており、上記熱赤外線カメラ3、可視光線カメラ4、振動センサ5、走行音検出部6、透水性検出部7、ICタグ通信部8及び舗装面計測部9により収集された情報を、GPSアンテナ10で取得された位置情報と時間情報に関連付けて記憶装置12に格納する。
【0052】
上記構成の検査車両1により、制御装置11による制御のもと、熱赤外線カメラ3と、可視光線カメラ4と、振動センサ5と、走行音検出部6と、透水性検出部7と、ICタグ通信部8と、舗装面計測部9と、GPSアンテナ10とを作動させた状態で、検査対象の高速道路を走行する。検査車両1の走行中に、各装置によって収集された検査情報を、制御装置11を介して記憶装置12に記憶する。
【0053】
すなわち、上記熱赤外線カメラ3で撮影した舗装面の熱赤外線映像と、上記可視光線カメラ4で撮影した舗装面の可視光線映像を、GPSアンテナ10で受信された位置情報と時間情報に関連付けて記憶装置12に記憶する。
【0054】
また、振動センサ5で検出した振動情報を、位置情報と時間情報に関連付けて記憶装置12に記憶する。
【0055】
また、走行音検出部6で検出した音響情報を、位置情報と時間情報に関連付けて記憶装置12に記憶する。
【0056】
また、透水性検出部7で検出した音響情報を、位置情報と時間情報に関連付けて記憶装置12に記憶する。
【0057】
さらに、ICタグ通信部8で検出したセンサ検出情報を、位置情報と時間情報に関連付けて記憶装置12に記憶する。センサ検出情報は、橋梁の鋼製部材及びコンクリート部材の歪情報と、盛土及び切土の変位情報及び地下水位情報と、道路の近傍の河川及び湖沼の水位情報と、アスファルト舗装の温度情報と、道路の所定位置の気圧情報及び雨量情報と、橋梁の振動情報と、橋梁のコンクリート部材のPH値情報である。
【0058】
さらに、舗装面計測部9のカメラで撮影した舗装面におけるレーザ光の投射像を、位置情報と時間情報に関連付けて記憶装置12に記憶する。
【0059】
検査車両1は、検査情報としての上記熱赤外線映像及び可視光線映像と、振動情報と、音響情報と、センサ検出情報を、道路の制限速度で走行しながら収集する。したがって、道路交通に影響を与えることなく、道路の検査情報を収集できる。なお、道路に渋滞を引き起こすことなく検査情報を収集するには、制限速度よりも約20km/h低い範囲内の速度で走行すればよい。
【0060】
検査車両1が高速道路の検査対象区間を走行して検査情報を収集した後、記憶装置12に記憶された検査情報としての映像及び情報を解析する。
【0061】
図2は、本実施形態の道路検査方法において、検査車両1が収集した検査情報に基づいて、舗装の詳細検査を行うべき位置を特定する際に用いる情報の関係を、模式的に示した図である。まず、検査車両1が走行して収集した全ての検査情報のうち、走行音検出部6で検出されて記憶装置12に格納された走行音データd1を第1の検査情報として読み出す。この走行音データのうち、閾値としての所定の音圧の値を越えた走行音のデータを抽出し、この走行音データに対応する位置情報に基づいて道路上の位置を抽出する。続いて、抽出された位置に関し、第2の検査情報としての加速度の値を、振動センサ5で検出されて記憶装置12に格納された振動データd2から読み出す。抽出された位置に関して読み出された振動データのうち、閾値としての所定の加速度の値を越えた振動データを抽出し、この振動データに対応する位置情報に基づいて道路上の位置を絞り込む。この絞り込まれた位置に関して、舗装面計測部9で収集された舗装面計測データd3のうちのレーザ光の投射像を解析し、画像処理によって舗装面の凹凸の形状と大きさを算出する。これと共に、絞り込まれた位置に関して、可視光線カメラ4で撮影された可視光線映像データd4に基づく映像を表示装置に表示し、検査員が凹凸の様子を確認する。これら舗装面計測データd3に基づいて算出された舗装面の形状と、可視光線映像データd4に基づく映像とから、舗装面の損傷の可能性が高い位置を特定する。特定された位置に、検査員を派遣して接触検査を行う。
【0062】
このように、本実施形態の道路の検査方法によれば、検査車両1が高速道路を走行して収集した検査情報を、第1の検査情報としての走行音データd1と、第2の検査情報としての振動データd2とで順次絞り込んで位置を特定し、特定された位置に関して舗装面計測データd3に基づくレーザ光の投射像の解析を行うと共に、可視光線データd4に基づく映像の確認を行って、詳細検査を行うべき位置を特定する。したがって、検査車両1により採取された全ての検査情報を解析する場合と比較して、解析を行うべき対象を効果的に絞り込むことができるので、解析にかかる手間とコストを効果的に削減できる。また、接触検査を行う位置を比較的高い精度で絞り込むことができるので、全体として、道路に関する検査効率を向上できて、検査コストを削減することができる。
【0063】
ところで、走行音データd1と振動データd2と舗装面計測データd3に基づいて、図3に示すように、橋梁の異常や伸縮継手の異常を検出することができる。すなわち、走行音検出部6で検出された第1の検査情報としての走行音データd1には、橋梁の伸縮継手を車輪が乗り越える音が含まれている。この走行音データd1のうちの所定の閾値を超える走行音には、橋梁の伸縮継手の損傷や異常な段差に起因する異常走行音が含まれる。ここで、振動センサ5で検出された振動データd2のうち、上記走行音データd1から閾値に基づいて抽出された位置に対応する振動データd2から、車両本体の加速度の値を確認することにより、閾値を超えた走行音が、異常走行音であるか否かを判定することができる。さらに、舗装面計測部9で収集された舗装面計測データd3としてのレーザ光の投射像を解析することにより、走行音が閾値を超えた位置に、伸縮継手が存在するか否か、また、段差による異常な変位が存在するか否かを高精度に判定することができる。こうして、複数の検査情報について、所定の検査情報に閾値を設定し、閾値を超えた位置と同じ位置に関する他の検査情報と照らし合わせることにより、橋梁の異常や伸縮継手の異常を検出することができる。
【0064】
さらに他の方法によれば、検査車両1で収集された検査情報のうち、可視光線映像と熱赤外線映像とに基づいて、検査対象の異常の原因を推定することができる。図4は、道路構造物としての鋼床版及び舗装の異常の原因を推定する際に用いる情報の関係を、模式的に示した図である。すなわち、検査車両1によって検査情報が収集された道路の区間のうち、鋼床版上に舗装が設けられた区間に関し、可視光線カメラ4からの可視光線映像データd4と、熱赤外線カメラ3からの赤外線映像データd5を照らし合わせる。また、舗装面計測部9からの舗装面計測データd3を照らし合わせる。これらのデータを照らし合わせた結果、所定位置において、赤外線映像データd5から検出された温度分布形状が、その位置の鋼床版の内部構造の形状と一致すると共に、可視光線映像データd4による舗装面の状態に異常が検出されない場合、内部構造に、温度分布を招く異常が生じている場合を推定することができる。具体的には、鋼床版が、道路の長手方向に延びる断面U字状のUトラフを幅方向に複数個配列し、これらUトラフの上に鋼板が溶接されて構成されている場合、赤外線データd5には、通常はUトラフの設置形状と一致する温度分布領域が検出される。しかし、Uトラフ内に水が溜まると、Uトラフの一部に通常の温度分布とは異なる温度分布が検出されるので、この場合は、Uトラフと鋼板との間に亀裂等の損傷が存在し、この損傷部分を通じてUトラフ内に水が浸入したと推定される。
【0065】
一方、熱赤外線カメラ3からの赤外線映像データd5から検出された温度分布形状が、その位置の鋼床版の内部構造の形状と一致せず、可視光線カメラ4からの可視光線映像データd4による舗装面の状態に異常が検出されない場合、鋼床版よりも上方かつ舗装の表面よりも下方に、温度分布を招く異常が生じていると推定することができる。具体的には、鋼床版の内部構造に一致しない不定型の温度分布が検出された場合、この温度分布領域は、鋼板の表面よりも上方の舗装内部に、水が滞留していると判断できる。
【0066】
このように、本実施形態の道路検査方法によれば、検査車両1で複数種類の検査対象の情報を収集するので、異なる検査情報の間の相関性を見出すことができる。したがって、単一種類の検査情報では不可能であった、構造物の内部の異常を検知することや、異常の原因を推定することが可能となる。
【0067】
また、ICタグ通信部8で収集した複数種類のセンサ検出情報に基づいて、各検査対象の現状の把握や、将来の予測等を行なうことができる。
【0068】
すなわち、道路が盛土の上に設置された区間に関し、地下水位センサで検出された盛土中の地下水位が基準値を越え、また、変位検出センサで検出された盛土の変位が許容値を超えた場合、盛土の地すべりの発生を予測できる。
【0069】
また、歪センサで検出された橋梁の鋼製部材及びコンクリート部材の歪に基づいて、部材に作用する荷重の変化を検出できる。
【0070】
また、水位センサで検出された河川及び湖沼の水位に基づいて、道路の浸水や堤防の決壊等の災害を予測できる。
【0071】
また、温度センサで検出されたアスファルト舗装の温度に基づいて、温度上昇に伴う舗装の軟化を検知できる。
【0072】
また、気圧センサで検出された気圧に基づいて、気温センサで検出する気温や雨量センサで検出する雨量と併せて、天候の変化を予測できる。
【0073】
また、振動センサで検出された振動に基づいて、橋梁の健全度を検知できる。
【0074】
また、PHセンサで検出されたPH値に基づいて、コンクリートの中性化による劣化の進行度合いを検知できる。
【0075】
上記各センサは、各々が検出したセンサ検出情報に所定の処理を行う演算装置と、演算装置で処理された2次情報を格納する記憶装置と、記憶装置に格納された情報をICタグ通信部8に送信する送信装置を備えるのが好ましい。
【0076】
図5は、道路構造物としての橋梁の主桁20に設置された累積疲労損傷度センサ21により、検査対象である主桁20の疲労損傷度を検出して検査車両1に送信する様子を示した模式図である。
【0077】
図5に示すように、累積疲労損傷度センサ21は、主桁20の歪を検出する歪センサ22と、歪センサ22からの出力信号を処理して歪の変動に伴う差分を検出し、この歪の差分と歪の発生回数とに基づいて累積疲労損傷度を算出する演算装置としての演算回路23と、演算回路23で算出された累積疲労損傷度の情報を記憶すると共に無線通信機能を有する記憶通信回路24を備える。この累積疲労損傷度センサ21は、橋梁を車両が通過するに伴って主桁20に生じる歪を歪センサ22が検出し、歪センサ22の検出値に基づいて演算回路23が累積疲労損傷度を算出して記憶通信回路24が記憶する。そして、検査車両1が橋梁を通過する際に、記憶通信回路24が累積疲労損傷度の情報を送信し、送信された累積疲労損傷度の情報を検査車両1のICタグ通信部8が収集する。このように、累積疲労損傷度センサ21は、歪センサ22と共に演算回路23と記憶通信回路24を備えるので、単に歪センサ21の検出値を送信するよりも、データ量が小さく、かつ、有効な情報を検査車両1に送信することができる。
【0078】
このように、上記検査車両1によれば、複数種類の検査情報を同時に採取できるので、単一の対象の検査を行うよりも、検査の効率を向上することができる。
【0079】
また、上記検査車両1によれば、効率的な検査が可能であるから、高頻度の検査が可能となり、したがって、道路の全体について、複数種類の検査対象の変化をきめ細かく把握できる。その結果、劣化や損傷に関する早期の対処が可能となり、補修及び維持費用の低減を図ることができる。
【0080】
また、ICタグ通信部8により、予め道路の周辺に設置された複数種類の複数個のセンサによるセンサ検出情報を収集するので、道路に関する広範囲にわたる検査情報を、容易に収集することができる。
【0081】
上記検査車両1による検査情報の収集は、所定の期間として例えば数ヶ月の期間をおいて定期的に行なうのが好ましい。上記検査情報を定期的に収集し、集計することにより、時系列に沿った検査情報の変化を把握できる。したがって、検査対象の将来の変化を予測できる。また、時系列に沿った検査対象の損傷の変化を把握できる。また、時系列に沿った検査情報の間の相関性を見出すことができ、その結果、複数の検査情報に関連して生じる事象の原因を推定し、また、検査対象に関連して将来に生じる事象を予測できる。例えば、橋梁のコンクリート部材に関して、雨量の変化と、PH値の変化と、振動モードの変化との間の相関性を見出すことにより、原因を酸性雨と推定し、かつ、コンクリート部材の劣化の進行度を予測できる。
【0082】
上記実施形態において、位置情報をGPSにより特定したが、道路に設けられた距離表示により特定してもよい。例えば、道路の距離表示としてのキロポストを可視光線カメラ4で撮影して他の検査情報に関連付けて保存し、この可視光画像のキロポスト像から判別される数値により、位置情報を特定してもよい。
【0083】
また、上記実施形態において、検査車両1は、検査情報を採取する手段として、熱赤外線カメラ3、可視光線カメラ4、振動センサ5、走行音検出部6、透水性検出部7、ICタグ通信部8及び舗装面計測部9を備えたが、検査情報の採取手段はこれらに限定されず、他の装置を含んでもよく、また、これらのいずれかが無くてもよい。
【0084】
また、上記実施形態において、検査車両1は、道路としての高速道路を走行して高速道路に関する検査情報を収集したが、高速道路以外の一般道等を走行して当該道路に関する検査情報を収集してもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 検査車両
2 車両本体
3 熱赤外線カメラ
4 可視光線カメラ
5 振動センサ
6 走行音検出部
7 透水性検出部
8 ICタグ通信部
9 舗装面計測部
10 GPSアンテナ
11 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を走行しながら、道路に関する複数種類の検査対象に関する検査情報を、複数位置で採取し、複数種類の検査対象の間で共通の位置情報に関連付けて保存した後、保存した上記複数種類の検査情報のうちの少なくとも2種類の検査情報に基づいて、詳細検査を行う位置を特定することを特徴とする道路検査方法。
【請求項2】
請求項1に記載の道路検査方法において、
上記複数の検査情報の採取及び保存を伴う走行を、同一の道路につき所定期間おきに行うことを特徴とする道路検査方法。
【請求項3】
請求項1に記載の道路検査方法を行うための道路検査車両であって、
検査対象の可視光画像を撮影する可視光撮影部と、
検査対象の赤外線画像を撮影する赤外線撮影部と、
光投射部から投射された走査光の反射光に基づいて構造物又は設備の形状を計測する形状計測部と、
車両本体の走行に伴って生じる音を検出する走行音検出部と、
車両本体の走行に伴って生じる振動を検出する振動検出部と、
舗装面に照射した音波の減衰量に基づいて舗装面の透水性を検出する透水性検出部と、
上記可視光撮影部、赤外線撮影部、形状計測部、走行音検出部、振動検出部又は透水性検出部で収集された検査情報を位置情報に関連付けて格納する格納手段と
を備えることを特徴とする道路検査車両。
【請求項4】
請求項3に記載の道路検査車両において、
検査対象に予め設置されたセンサで検出されたセンサ検出情報、又は、センサ検出情報に所定の処理が行われた2次情報を、無線通信を介して受信する受信部を備えることを特徴とする道路検査車両。
【請求項5】
請求項3に記載の道路検査車両において、
上記位置情報は、道路に設けられた距離表示及び/又はGPSにより特定することを特徴とする道路検査車両。
【請求項6】
請求項4に記載の道路検査車両において、
上記センサは、歪センサ、変位センサ、水位センサ、温度センサ、気圧センサ、振動センサ及びPHセンサのうちの少なくとも一つであることを特徴とする道路検査車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−242293(P2011−242293A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115594(P2010−115594)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(508061549)阪神高速技術株式会社 (20)
【Fターム(参考)】