説明

配線基板の製造方法

【課題】露光マスクを用いる際にマスクパターンにおける静電破壊を防止し得る配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の配線基板10の製造方法では、所定の導体層44の下層に感光性樹脂層を形成し、導電性遮光膜が形成されたマスクパターンを有する露光マスクを感光性樹脂層の表面に配置した状態で露光・現像を行ってめっきレジストを形成し、めっきレジストの開口部に導体パターンとなる金属めっき層を形成した後、エッチングにより金属めっき層の表面を除去する。マスクパターンは、製品形成領域に対応する第1導電性パターンと、枠部に対応する第2導電性パターンと、第1及び第2導電性パターンを電気的に接続する第3導電性パターンを含む。第3導電性パターンはエッチングで除去可能な細い線幅を有し、導体パターンが形成されない領域に配置できるため、マスクパターンの帯電時に図形パターン間の放電による静電破壊を防止可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の製品を形成すべき製品形成領域を有する中間製品に対し、露光マスクを用いて所定の導体層の導体パターンを形成する配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体チップ等の素子を載置し、外部の基材と素子との間を電気的に接続するためのパッケージが広く用いられている。パッケージの構造としては、例えば、中央にコア材を配置し、その上下に導体層及び絶縁層を交互に積層した配線積層部を形成した配線基板が知られている。このような構造の配線基板を製造する場合、各々の導体層に所定の導体パターンを形成するためのマスクパターンが描画された露光マスクを用意する必要がある。そして、導体層の表面にドライフィルムを挟んで露光マスクを配置した状態で、周知の手法で露光・現像を行った後にドライフィルムを除去することにより、所望の導体パターンを形成することができる。一般に、露光マスクは製造時の取り扱いによって帯電しやすいことが知られている。露光マスクが帯電した状態になると、クロム等の金属からなる複数の図形パターンの間の放電によって静電破壊が発生する可能性があるため、こうした静電破壊に対する対策を施した露光マスクが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−122295号公報
【特許文献2】特開2009−086384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、配線基板の製造工程においては、配線基板を多数個取りするための中間製品が用いられ、1つの中間製品に対する各工程では複数の配線基板が一括して処理される。そのため、中間製品に対応する露光マスクは、透明なガラス基板上に遮光性の金属からなるマスクパターンを描画したものであって、このマスクパターンは所定の導体層における複数の製品の導体形成部に対応する格子状のパターンから構成される。例えば、各々の配線基板の導体層にベタ状の導体パターンを形成する場合、露光マスクのマスクパターンは各々の図形パターンが近距離で隣接する配置になる。このような配置では、隣接する図形パターンの間の放電によって上記静電破壊の発生が顕著になる。また、中間製品の枠部にダミーの導体パターンを形成する構造が一般的に採用されるが、このような中間製品に対応する露光マスクでは、複数の製品に対応する図形パターンが枠部の導体パターンに近接配置されることによって上記静電破壊が生じる可能性がある。以上のように、露光マスクは、静電破壊の影響によってマスクパターンの各部でパターン欠損が生じ、製造歩留まりを低下させることが問題となる。露光マスクに対し、隣接するパターン間の距離を十分確保すれば、静電破壊が生じにくくなるが、このような配置は導体パターンの面積が制約されるので望ましくない。一方、上記特許文献1、2に開示された対策は、グレートーンのマスク(階調マスク)の使用が前提であり、露光マスクが複雑な構造で高コストになるため望ましくない。このように、従来の配線基板の製造工程においては、簡単な構造で低コストの露光マスクを用いて、マスクパターンの各部で発生する静電破壊を防止する手法は知られていなかった。
【0005】
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、露光マスクのマスクパターンの各部で発生する静電破壊を有効に防止し、簡単な構造の露光マスクを用いて配線基板の製造歩留まりを高めることが可能な配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の配線基板の製造方法は、絶縁層と導体層とを交互に積層した配線積層部を備え、1又は複数の製品を形成すべき製品形成領域と当該製品形成領域を取り囲む枠部とを有する中間製品を用いて形成される配線基板の製造方法であって、前記配線積層部に形成すべき所定の導体層の下層の絶縁層の上部に感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記所定の導体層における導体形成部に対応するマスクパターンを有する露光マスクを前記感光性樹脂層の表面に配置した状態で、前記感光性樹脂層を露光、現像し、前記マスクパターンに対応する開口部を有するめっきレジストを形成するレジスト形成工程と、前記めっきレジストの前記開口部に金属めっきを施して、前記マスクパターンに対応する導体パターンを有する金属めっき層を形成するめっき工程と、前記めっきレジストを除去するレジスト除去工程と、前記めっきレジストが除去された前記金属めっき層の表面を所定の厚みでエッチングするエッチング工程と、を含み、前記マスクパターンは、前記製品形成領域の導体形成部への露光光を遮光する第1導電性パターンと、前記枠部の導体形成部への露光光を遮光する第2導電性パターンと、前記第1導電性パターンと前記第2導電性パターンとの間を電気的に接続する1又は複数の配線パターンを含む第3導電性パターンと、を含み、前記第3導電性パターンは所定の線幅を有する線状のパターンからなり、前記金属めっき層のうち前記第3導電性パターンに対応して形成されたパターン部分が前記エッチング工程で除去されることを特徴としている。
【0007】
本発明の配線基板の製造方法によれば、中間製品を用いて複数の配線基板を製造する際、所定の導体層にめっきレジストを形成するために必要な露光マスクには、露光光を遮光する図形パターンからなる導電性パターンとして、製品形成領域の導体形成部に対応する第1導電性パターンと、枠部の導体形成部に対応する第2導電性パターンと、第1導電性パターンと第2導電性パターンとを電気的に接続する第3導電性パターンがそれぞれ形成される。このうち、第1及び第2導電性パターンの間の第3導電性パターンは、極めて細い所定の線幅を有する線状のパターン群であり、露光マスクによる露光・現像の後にエッチング工程において、第3導電性パターン群に対応するパターン部分が除去される。第3導電性パターンは、配線基板の実際の導体形成部には反映されないダミーの導体パターンであって、露光マスクの取り扱いに際して近距離に配置される配線基板及び枠部のそれぞれの図形パターン同士が帯電したときの導電パスとなり、これによりマスクパターンの静電破壊を防止する役割がある。そのため、第3導電性パターンの線幅を極めて細くすることで、所定の導体層に第3導電性パターンに対応するパターン部分が一旦形成されたとしても、そのパターン部分をエッチング工程で除去することができる。このように本発明の構造を有する露光マスクを用いて配線基板を製造することにより、マスクパターンの静電破壊に起因するパターン欠損を有効に防止することができる。
【0008】
本発明の配線基板を製造するに際し、上記各工程に制約されることなく多様な工程を付加することができる。例えば、前記露光マスクに関連する工程として、前記感光性樹脂層形成工程と、前記レジスト形成工程と、前記めっき工程と、前記レジスト除去工程に加えて、前記所定の導体層の下層の前記絶縁層の表面に金属薄膜層を形成する金属薄膜層形成工程を前記感光性樹脂層形成工程の前に付加してもよい。この場合、前記エッチング工程では、前記金属めっき層の表面と、前記金属薄膜層のうち前記金属めっき層が形成されていない部分の表面を所定の厚みでエッチングすればよい。これにより、所定の導体層の実際の導体パターンに制約されることなく、露光マスクに対し所望の導電パスに対応する第3導電性パターンを形成することができる。
【0009】
また、前記配線基板を構成する材料としては多様な材料を用いることができるが、例えば、前記導体層を構成する前記金属として、銅を用いることができる。この場合、前記めっき工程において、前記めっきレジストの開口部に電解銅めっきを施して、前記金属めっき層である銅めっき層を形成すればよい。
【0010】
前記中間製品の製品形成領域に、例えばN個の製品が含まれる場合、前記第1導電性パターンは、N個の製品のそれぞれに対応するN個の図形パターンから構成される。この場合、前記第3導電性パターンは、前記第1導電性パターンと前記第2導電性パターンとの間に加え、前記第1導電性パターンの隣接する図形パターン同士の間を接続する配線パターン群とすることができる。これにより、マスクパターンのうちの隣接する製品に対応する図形パターン同士による静電破壊を防止可能となる。
【0011】
前記配線積層部のうち、本発明の特徴を有する前記露光マスクを用いる所定の導体層は、複数の導体層のうちの少なくとも1つの導体層としてもよいが、前記配線積層部に含まれる全ての導体層としてもよい。静電破壊を生じやすい導体パターンを有する導体層については、本発明の特徴を有する前記露光マスクを用いることが望ましい。この場合、隣接する各々の製品の各導体層に、電源電圧又はグランドと電気的に接続されるベタ状の導体パターンが形成される場合は、広い面積を確保するために隣接する導体パターン同士が近距離で配置されるのが通常であるため、特に本発明の特徴を有する前記露光マスクを用いる効果が大きい。
【0012】
本発明は、前記枠部に導体形成部が形成されない構造の前記中間製品を用いる配線基板の製造方法に対しても適用することができる。この場合の前記露光マスクには、前記マスクパターンとして、前記製品形成領域の前記複数の製品のそれぞれの導体形成部への露光光を遮光する複数の導電性パターンと、前記複数の導電性パターンのうち隣接する前記導電性パターンの間を電気的に接続する1又は複数の配線パターンとを形成すればよい。このような構造の露光マスクを用いる場合であっても、マスクパターンの静電破壊を防止する効果は同様である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、絶縁層と導体層を交互に積層した構造を有する配線基板を製造する際、所定の導体層を形成するときに用いる露光マスクのマスクパターンとして、隣接する図形パターン同士を電気的に接続する線状パターンを形成し、その線幅を極めて細くしたので、この線状パターンに対応して所定の導体層に形成されるパターン部分を容易に除去するとともに、露光マスクの図形パターン同士が近接する部分に導電パスを形成して放電により生じる静電破壊を防止することができる。これにより、露光マスクの静電破壊によるマスクパターンのパターン欠損を低減させ、簡単な構造で低コストな露光マスクを用いて配線基板の製造歩留まりの向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の配線基板における部分的な概略の断面構造図を示している
【図2】本実施形態の配線基板を多数個取りするための中間製品の模式的な上面図である。
【図3】本実施形態の配線基板に含まれる所定の導体層の導体パターンを形成する際に用いる露光マスクの模式的な平面図である。
【図4】図3の部分領域Raを拡大して示す図である。
【図5】本実施形態の配線基板の製造方法を説明する第1の断面構造図である。
【図6】本実施形態の配線基板の製造方法を説明する第2の断面構造図である。
【図7】本実施形態の配線基板の製造方法を説明する第3の断面構造図である。
【図8】本実施形態の配線基板の製造方法を説明する第4の断面構造図である。
【図9】本実施形態の配線基板の製造方法を説明する第5の断面構造図である。
【図10】本実施形態の配線基板の製造方法を説明する第6の断面構造図である。
【図11】本実施形態の配線基板の製造方法を説明する第7の断面構造図である。
【図12】本実施形態の配線基板の製造方法を説明する第8の断面構造図である。
【図13】本実施形態の配線基板の製造方法を説明する第9の断面構造図である。
【図14】本実施形態の配線基板の製造方法を説明する第10の断面構造図である。
【図15】本実施形態の配線基板の製造方法を説明する第11の断面構造図である。
【図16】本実施形態の配線基板の製造方法において、エッチング工程の前後における状態の変化を説明する図である。
【図17】図3の露光マスクの第1の変形例の模式的な平面図である。
【図18】図3の露光マスクの第2の変形例の模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に述べる実施形態は本発明を適用した形態の一例であって、本発明が本実施形態の内容により限定されることはない。以下の実施形態では、本発明の技術的思想を具体化した配線基板とその製造方法について説明する。
【0016】
まず、本実施形態の配線基板の具体的な構造及び特徴について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、本実施形態の一例である配線基板10における部分的な概略の断面構造図を示している。図2は、図1の配線基板10を多数個取りするための中間製品60の模式的な上面図を示している。図3は、配線基板10に含まれる所定の導体層の導体パターンを形成する際に用いる露光マスク70の模式的な平面図を示すともに、図4は、図3の部分領域Raを拡大して示す図である。
【0017】
図1に示す配線基板10は、全体を支持する平板状のコア基板11を配置するとともに、コア基板11の両面側には、それぞれ絶縁層及び導体層を交互に積層形成した配線積層部が配置されている。本実施形態の配線基板10は、例えば、半導体チップ等の部品を載置して外部の基材に接続するためのパッケージとして用いられる。コア基板11は、例えばガラス繊維を含んだエポキシ樹脂によって形成される。また、図1の構造のコア基板11としては、例えば、両面銅張り積層板を用いることができる。
【0018】
コア基板11の上面側には、導体層40、絶縁層30、導体層42、絶縁層32、導体層44、絶縁層34、複数の端子パッド46、ソルダーレジスト層36がこの順に積層形成されている。また、コア基板11の下面側には、導体層41、絶縁層31、導体層43、絶縁層33、導体層45、絶縁層35、複数の端子パッド47、ソルダーレジスト層37がこの順に積層形成されている。さらに、コア基板11と、その上下の導体層40、41及び絶縁層30、31には所定箇所を積層方向に貫通するスルーホール導体20が形成されている。スルーホール導体20の内部は、例えばガラスエポキシ等からなる閉塞体21で埋められている。なお、図1では、1個のスルーホール導体20を示しているが、コア基板11の各部に複数のスルーホール導体20を形成してもよい。
【0019】
導体層40〜45には、電源やグランド電位を供給するための導体パターンや信号を伝送する信号配線用の導体パターンが形成されている。導体層40〜45のうち、所定の導体層の導体パターンは、配線基板10の製造工程において後述の露光マスク70(図3)を用いて形成される。本実施形態の配線基板10の特徴は、露光マスク70を構成する図形パターンの形状と、対応する導体層の導体パターンの形状にあるが、具体的な構造と作用については後述する。なお、図1の例では、コア基板11の両側の導体層42、43は、スルーホール導体20の上端及び下端と接続されている。
【0020】
絶縁層30〜35及びソルダーレジスト層36、37は、例えばエポキシ樹脂などの絶縁材料によって形成されている。絶縁層30の所定箇所には、導体層40と導体層42とを積層方向に接続導通するビア導体50が設けられ、絶縁層32の所定箇所には、導体層42と導体層44とを積層方向に接続導通するビア導体52が設けられ、絶縁層34の所定箇所には、導体層44と端子パッド46とを積層方向に接続導通するビア導体54が設けられている。同様に、他方の絶縁層31、33、35には、上記ビア導体50、52、54に対応するビア導体51、53、55がそれぞれ設けられている。なお、図1では、ビア導体50〜55を各1個ずつ示しているが、それぞれの個数は特に制約されず、ビア導体50〜55の各々を複数設けてもよい。また、絶縁層34の表面には複数の端子パッド46が形成され、ソルダーレジスト層36の対応個所が開口されて複数の端子パッド46が露出している。一方、絶縁層35の表面には、比較的サイズが大きい複数の端子パッド47が形成され、ソルダーレジスト層37の対応個所が開口されて複数の端子パッド47が露出している。
【0021】
図1において、例えば、配線基板10を介して半導体チップを外部基材に接続する場合は、上方の複数の端子パッド46を半導体チップの複数のパッドに接合し、下方の複数の端子パッド47を、例えば複数の半田ボールを介して外部基材に接合すればよい。この場合、図1の断面構造では、複数の端子パッド46、ビア導体54、導体層44、ビア導体52、導体層42、スルーホール導体20、導体層43、ビア導体53、導体層45、ビア導体55、複数の端子パッド47を経由して、半導体チップと外部基材との間の電気的接続が可能となる。
【0022】
次に、本実施形態の中間製品60は、図2に示すように、矩形の平面形状に形成されている。中間製品60は、中央の矩形の製品形成領域61と、この製品形成領域61を取り囲む枠部62とに区画されている。また、製品形成領域61は、それぞれ製品(配線基板10)となるべき複数の単位領域61aにさらに区画されている。図2は上面図であるため、各々の単位領域61aに複数の端子パッド46が配置された状態が示されている。各々の単位領域61aのサイズは、例えば、矩形の1辺が45〜60mmの範囲内に形成される。配線基板10の製造工程では、例えば、隣接する単位領域61a同士の間、又は単位領域61aと枠部62との間を、それぞれ境界Lに沿って切断することにより複数の配線基板10を分離することができる。図2の例では、製品形成領域61における16個(4×4個)の単位領域61aに各1個ずつ全部で16個の配線基板10を得ることができる。なお、図2の構成は一例であって、中間製品60に含まれる単位領域61aの個数は特に制約されない。一方、枠部62には製品形成領域61と枠部62の導体密度を揃えるべく、導体層40〜45をそれぞれ取り囲む領域にベタ状の導体パターンが形成される。
【0023】
一方、本実施形態の配線基板10の製造工程で用いる露光マスク70は、図3に示すように、中間製品60と同様の矩形の平面形状を有し、透明なガラス基板71と、このガラス基板71の一面に描画された複数の図形パターンからなる導電性遮光膜であるマスクパターン72とが形成されている。マスクパターン72は、クロム等の金属から形成され、中間製品60の各単位領域61aの所定の導体層に対応する複数の製品導体パターンP1(第1導電性パターン)と、中間製品60の枠部62に対応する枠部導体パターンP2(第2導電性パターン)と、各々の製品導体パターンP1同士の間、あるいは各々の製品導体パターンP1と枠部導体パターンP2との間を電気的に接続する線状のダミーパターン群である線状導体パターンP3とに区分される。
【0024】
また、線状導体パターンP3には、各々の製品導体パターンP1と枠部導体パターンP2との間を電気的に接続する配線パターンP3a(第3導電性パターン)と、隣接する製品導体パターンP1同士の間を電気的に接続する配線パターンP3bとが含まれる。これらの配線パターンP3b、P3aは、いずれも極めて細い所定の線幅(例えば、1μm)に形成され、後述するように、配線基板10が完成した時点で所定の導体層の導体パターンとして残らないものである。図3の例では、各々の製品導体パターンP1の各辺に配線パターンP3a又はP3bが3本ずつ接続されているが、3本には制約されず各辺に1本以上の所望の本数の配線パターンP3a又はP3bを接続することができる。
【0025】
図3において、各々の製品導体パターンP1は、実際には複数のビア導体50〜55やその周囲のスペース部分を内包する構造を有するが、図3では簡単のため各々の製品導体パターンP1がベタ状の導体パターンである場合を示している。これにより、製品導体パターンP1に対応する図2の単位領域61aの所定の導体層には、例えば、電源電圧やグランド電位に接続されるベタ状の導体パターンを形成することができる。なお、かかる単位領域61aの所定の導体層には、部分的に信号配線が形成されていてもよいが、以下の説明では、単位領域61aの所定の導体層の大部分の領域にベタ状の導体パターンが形成されることを前提とする。
【0026】
ここで、図4には、図3の部分領域Raとして、マスクパターン72における枠部導体パターンP2と、1個の製品導体パターンP1、ダミーパターンとしての線状導体パターンP3のうちの3本の配線パターンP3aを含む領域を示している。製品導体パターンP1と枠部導体パターンP2は間隔G2を置いて配置され、この部分に3本の配線パターンP3aが互いに間隔G1を置いて平行に配置されている。これらの配線パターンP3aはいずれも線幅Wを有する。例えば、製品導体パターンP1の矩形の1辺の長さが上述の45〜60mm程度であるとしたとき、各配線パターンP3aの線幅Wは1μm程度の極めて小さい値に設定される。なお、各配線パターンP3aの線長は間隔G2に一致する。図4の間隔G1、G2は所定の導体層の構成に応じて適宜に設定されるが、通常は、製品導体パターンP1の1辺の長さより小さく、かつ各配線パターンP3aの線幅Wより十分大きい値を取る。
【0027】
線状導体パターンP3の役割は、製造工程において露光マスク70を取り扱う際、金属の図形パターンが帯電したときの導電パスを形成することにある。すなわち、マスクパターン72の特定の図形パターンが帯電したとしても、線状導体パターンP3を経由して電流が流れるので、放電による露光マスク70の静電破壊を防止する効果が得られる。この場合、線状導体パターンP3は、中間製品60の所定の導体層において導体パターンが不要な領域に位置するため、後述の製造工程の初期段階で線状導体パターンP3に対応して所定の導体層に形成される導体パターンは、その後のエッチングで除去する必要がある。
【0028】
なお、図4の例では、製品導体パターンP1と枠部導体パターンP2との間の配線パターンP3aを示しているが、隣接する製品導体パターンP1の間の配線パターンP3bについても、同様の線幅W及び間隔G1で配置される。ただし、図4の例には限らず、製品導体パターンP1の周囲の複数の配線パターンP3a、P3bの本数や間隔G1については多様な設定が可能である。また、図4の例では、各々の線状パターンP3aは製品導体パターンP1の各辺に垂直な直線状に形成されるが、細い線幅Wで形成する限り、製品導体パターンP1の各辺となす角度は自在であり、かつ直線に限らず全部又は一部を曲線で形成してもよい。
【0029】
図3及び図4に示す構造を有する露光マスク70は、図1の配線基板10のうちの全ての導体層40〜45に対して適用してもよいが、導体層40〜45のうちの所望の導体層のみに適用してもよい。すなわち、導体層40〜45のうち、外周部にベタ状の導体パターンが配置される導体層に対しては上記構造の露光マスク70を用いることが望ましいが、外周部の付近で導体パターンが低密度であって静電破壊の可能性が小さい導体層に対して上記構造の露光マスク70を用いなくてもよい。このように、本発明は、少なくとも1層の所定の導体層に対して上記構造の露光マスク70を用いて配線基板10を製造する場合であっても適用可能である。
【0030】
次に、本実施形態の配線基板10の製造方法について、図5〜図15を参照して説明する。なお、以下に説明する製造方法では、図1の配線基板10のうち、所定の導体層としての2層の導体層44、45に対し、図3の露光マスク70を用いて導体パターンを形成する場合を前提にする。
【0031】
まず、図5に示すように、平板状のコア基板11を用意する。このコア基板11は、配線基板10を支持し得る高い剛性を有する樹脂からなり、その両面に銅箔11a、11bが貼着されている。上述したように、中間製品60においては、複数の配線基板10を多数個取りするため、例えば一辺が300mm程度の正方形の平面形状のコア基板11が用いられる。なお、図5〜図15では、理解の容易のため、中間製品60の全体構造は示さず、1個の配線基板10に対応する製品形成領域61の一部と、境界Lを介して製品形成領域61と隣接する枠部62の一部とを含む断面構造を図示している。
【0032】
次に図6に示すように、コア基板11の上下の各銅箔11a、11bに対し、例えば公知のサブトラクティブ法を用いて導体層40、41をそれぞれパターニングする。続いて、導体層40、41のそれぞれの表面に、エポキシ樹脂を主成分とするフィルム状絶縁樹脂材料を積層した後に硬化させることで、絶縁層30、31を形成する。なお、図6の導体層40、41のうち、境界Lの左側の製品形成領域61はダミー導体となる部分であって、後述の他の導体層42〜45の場合も同様である。
【0033】
次に図7に示すように、ドリル機を用いた孔あけ加工により、スルーホール導体20の形成位置に、コア基板11及び絶縁層30、31を貫く円筒形状の貫通孔を形成した後、この貫通孔に対して無電解銅めっき及び電解銅めっきを施すことによりスルーホール導体20を形成する。そして、スルーホール導体20の空洞部にエポキシ樹脂を主成分とするペーストを印刷した後、硬化することにより閉塞体21を形成する。また、絶縁層30、31の所定位置にレーザー加工を施してビアホールを開口し、デスミア処理を施した後にビアホール内にビア導体50、51を形成する。一方、絶縁層30、31のそれぞれの表面に電解銅めっきを施すことにより銅めっき層を形成し、例えば公知のサブトラクティブ法を用いて導体層42、43をそれぞれパターニングする。
【0034】
次に図8に示すように、導体層42、43のそれぞれの表面に、エポキシ樹脂を主成分とするフィルム状絶縁樹脂材料を積層した後に硬化させることで、絶縁層32、33を形成する。そして、絶縁層32、33の所定位置にレーザー加工を施して、それぞれビア導体52、53となるべきビアホール52a、53aを開口する。
【0035】
次に図9に示すように、絶縁層32、33のそれぞれの表面に無電解銅めっきを施し、銅薄膜層73、74を形成する(金属薄膜層形成工程)。銅薄膜層73、74は、例えば0.5μm程度の厚みを有する。このとき、絶縁層32、33の表面に加え、ビアホール52a、53aのそれぞれの表面も銅薄膜層73、74で覆われた状態になる。
【0036】
次に図10に示すように、絶縁層32、33上の銅薄膜層73、74のそれぞれにドライフィルム80、81を被覆する(感光性樹脂層形成工程)。このドライフィルム80、81は、例えば、エポキシ樹脂などからなる感光性樹脂層であり、例えば25μm程度の厚みを有する。この状態で、図11に示すように、ドライフィルム80、81に対して図3の構造を有する露光マスク70a、70bをそれぞれ配置し、例えば、紫外線等の露光光を所定時間だけ照射する。
【0037】
このとき、露光マスク70a、70bは、ガラス基板71(図3)のうち導体パターンを形成すべき位置に導電性遮光膜であるマスクパターン72が形成される。図11の露光マスク70a、70bのマスクパターン72は、境界Lの右側の製品導体パターンP1と、境界Lの左側の枠部導体パターンP2と、境界Lの近傍の線状導体パターンP3に含まれる1本の配線パターンP3aとを含んでいる。露光により、ドライフィルム80、81のうち、露光マスク70a、70bのマスクパターン72が存在しない領域が光硬化するので、この状態で現像を行う。
【0038】
現像の結果、図12に示すように、ドライフィルム80、81のうち、マスクパターン72の直下の部分が除去され、めっきレジスト82、83が形成される(めっきレジスト形成工程)。次いで、図13に示すように、めっきレジスト82、83が存在しない領域に電解銅めっきを施すことにより、めっきレジスト82、83の開口部分に、それぞれマスクパターン72に対応する銅めっき層84、85が形成される(めっき工程)。このとき、銅めっき層84、85のうち、ビアホール52a、53a(図11)の内部領域がビア導体52、53となる。また、境界Lの近傍では、銅めっき層84、85のうち、上記配線パターンP3aに対応する部分を、パターン部分84a、85aとして表している。なお、銅めっき層84、85は、その直下の銅薄膜層73、74と一体化されるが、銅めっき層84、85の直下の銅薄膜層73、74については図示を省略している。
【0039】
次に図14に示すように、剥離液などを用いてめっきレジスト82、83を除去する(レジスト除去工程)。これにより、露光マスク70a、70bのマスクパターン72に対応する導体パターンを有する導体層44、45が形成される。このとき、銅めっき層84、85が形成されない部分には、銅薄膜層73、74が露出した状態になっている。また、境界Lの近傍のパターン部分84a、85aは、図4の配線パターンP3aと同様の極めて細い線幅(紙面垂直方向)を有している。
【0040】
次に図15に示すように、導体層44、45のうち、銅めっき層84、85のそれぞれの表面と、露出した銅薄膜層73、74の表面とを、いずれも所定の厚みでエッチングして粗化する(エッチング工程)。ここで、図16を参照して、エッチング工程の前後における状態の変化を説明する。まず、図16(A)は、エッチング工程前におけるパターン部分84aを含む銅めっき層84と銅薄膜層73の状態を模式的に示している。この状態で、浸漬法やスプレー法を用いて所定の腐食液を導体層44、45の表面に接触させることで上記エッチング工程が行われる。
【0041】
そして、図16(B)は、エッチング工程後における図16(A)と同様の部分を模式的に示している。図16(B)に示すように、銅めっき層84の表面がエッチング工程により粗化されるとともに、露出した銅薄膜層73及びパターン部分84aのそれぞれが除去される。よって、絶縁層32のうち、パターン部分84aの直下の表面部32aと、除去された銅薄膜層73の直下の表面部32bがそれぞれ露出する。例えば、エッチング工程の厚みを1μm以上に設定し、パターン部分84aの線幅と銅薄膜層73の厚みがともに1μm以下であるときは、パターン部分84aの全てと銅薄膜層73の露出部分の全てをエッチングにより除去することができる。これに対し、銅めっき層84は十分な厚みを有するので、エッチング工程により表面が粗化されるにとどまるものである。
【0042】
次に図1に戻って、導体層44、45のそれぞれの上層に、エポキシ樹脂を主成分とするフィルム状絶縁樹脂材料を積層した後に硬化させることで、絶縁層34、35を形成する。そして、絶縁層34、35に、上述のビア導体50、51と同様の手法で、ビア導体54、55を形成する。続いて、絶縁層34、35のそれぞれの表面に電解銅めっきを施すことにより銅めっき層を形成し、例えば公知のサブトラクティブ法を用いて、上部の複数の端子パッド46と下部の複数の端子パッド47をそれぞれパターニングする。続いて、絶縁層34の上面と絶縁層35の下面に、それぞれ感光性エポキシ樹脂を塗布して硬化させることにより、ソルダーレジスト層36、37を形成する。その後、上部のソルダーレジスト層36に開口部をパターニングするとともに、下部のソルダーレジスト層37に開口部をパターニングする。以上の手順により、図1に示す配線基板10が完成する。
【0043】
なお、図5〜図15では、製品導体パターンP1と枠部導体パターンP2との間の配線パターンP3aの部分を参照して説明したが、隣接する製品導体パターンP1の間の配線パターンP3bの部分に関しても、上記の各工程を同様に適用することができる。
【0044】
以上述べたように、本実施形態の配線基板10の製造方法により、露光マスク70において、所定の導体層のうち本来は導体パターンが不要な領域に対応する線状導体パターンP3を予め形成した上で、エッチング工程によって線状導体パターンP3に対応するパターン部分を除去することができる。そのため、露光マスク70の取り扱いに伴い、いずれかの製品導体パターンP1が帯電したとき、隣接する枠部導体パターンP2との間の配線パターンP3a、あるいは隣接する他の製品導体パターンP1との間の配線パターンP3bが導電パスとなるので、各パターンの放電による静電破壊を有効に防止することができる。その結果、露光マスク70の各製品導体パターンP1の部分的なパターン欠損が低減する効果が得られ、これにより製造歩留まりの向上が可能となる。
【0045】
なお、上記の効果を得る前提として、線状導体パターンP3の線幅Wは、少なくともエッチング工程にて除去される厚みに比べて小さく設定するが求められる。ただし、所定の導体層において線状導体パターンP3に対応するパターン部分が最終的に残らない限り、エッチング工程以外の手法を採用してもよい。例えば、露光マスク70による露光の際に、露光装置から照射する紫外線等の露光光の波長に応じて所定の分解能が定まるが、線状導体パターンP3の線幅Wを露光光の分解能より小さく設定すれば、露光・現像後にめっきレジストの開口部が形成されず、最終的な導体パターンは形成されないので、本実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、線状導体パターンP3の線幅Wは、本発明の効果を得られる限り、本実施形態の例(1μm)には限定されない。
【0046】
以上、本実施形態に基づき本発明の内容を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で多様な変更を施すことができる。図17及び図18は、図3に示した露光マスク70の変形例を示している。図17に示す変形例に係る露光マスク70は、図2とは異なり枠部62が設けられない中間製品60に対応するものであり、マスクパターン72には枠部62に対応する枠部導体パターンP2が形成されていない。そのため、図3の配線パターンP3aも形成されず、隣接する製品導体パターンP1間の配線パターンP3bのみが形成されている。一方、図18に示す変形例に係る露光マスク70は、中間製品60の構造は図2と同様であるが、マスクパターン72には、隣接する製品導体パターンP1間の配線パターンP3bが形成されず、各々の製品導体パターンP1と枠部導体パターンP2との間の配線パターンP3aのみが形成されている。なお、本発明の効果を奏する限り、図3、図17、図18に示した各構造には限定されず、多様な構造の露光マスク70を用いることができる。
【0047】
また例えば、本実施形態では、図3の露光マスク70を用いて導体パターンを形成する所定の導体層が、図1の配線基板10の導体層44、45である場合を説明したが、これに限られることなく、所定の導体層が全ての導体層であってもよく、あるいは1層の導体層のみであってもよい。また、本実施形態では、コア基板11の両側に配線積層部が形成される構造の配線基板10について説明したが、コア基板11の片側にのみ配線積層部が形成される構造や、コア基板11を設けない構造を採用してもよい。また、本実施形態では、露光マスク70の各図形パターンが矩形である場合を説明したが、矩形以外であっても、第3導電性パターンとの電気的な接続が可能な形状の図形パターンとしてもよい。さらに、配線基板10の構造や、製造方法の具体的な工程に関し、上記実施形態により本発明の内容が限定されるものではなく、本発明の作用効果を得られる限り適宜に変形して本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10…配線基板
11…コア基板
20…スルーホール導体
21…閉塞体
30、31、32、33、34、35…絶縁層
36、37…ソルダーレジスト層
40、41、42、43、44、45…導体層
46、47…端子パッド
50、51、52、53、54、55…ビア導体
60…中間製品
61…製品形成領域
61a…単位領域
62…枠部
70…露光マスク
71…ガラス基板
72…マスクパターン
73、74…銅薄膜層
P1…製品導体パターン
P2…枠部導体パターン
P3…線状導体パターン
P3a、P3b…配線パターン
80、81…ドライフィルム
82、83…めっきレジスト
84、85…銅めっき層
84a、85a…パターン部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と導体層とを交互に積層した配線積層部を備え、1又は複数の製品を形成すべき製品形成領域と当該製品形成領域を取り囲む枠部とを有する中間製品を用いて形成される配線基板の製造方法であって、
前記配線積層部に形成すべき所定の導体層の下層の絶縁層の上部に感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、
前記所定の導体層における導体形成部に対応するマスクパターンを有する露光マスクを前記感光性樹脂層の表面に配置した状態で、前記感光性樹脂層を露光、現像し、前記マスクパターンに対応する開口部を有するめっきレジストを形成するレジスト形成工程と、
前記めっきレジストの前記開口部に金属めっきを施して、前記マスクパターンに対応する導体パターンを有する金属めっき層を形成するめっき工程と、
前記めっきレジストを除去するレジスト除去工程と、
前記めっきレジストが除去された前記金属めっき層の表面を所定の厚みでエッチングするエッチング工程と、
を含み、
前記マスクパターンは、
前記製品形成領域の導体形成部への露光光を遮光する第1導電性パターンと、
前記枠部の導体形成部への露光光を遮光する第2導電性パターンと、
前記第1導電性パターンと前記第2導電性パターンとの間を電気的に接続する1又は複数の配線パターンを含む第3導電性パターンと、
を含み、
前記第3導電性パターンは所定の線幅を有する線状のパターンからなり、前記金属めっき層のうち前記第3導電性パターンに対応して形成されたパターン部分が前記エッチング工程で除去されることを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記感光性樹脂層形成工程の前に、前記所定の導体層の下層の前記絶縁層の表面に、金属薄膜層を形成する金属薄膜層形成工程を更に含み、
前記エッチング工程では、前記金属めっき層の表面に加えて、前記金属薄膜層のうち前記金属めっき層が形成されていない部分の表面を前記所定の厚みでエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記第1導電性パターンは、前記製品形成領域のN個の製品のそれぞれに対応するN個の図形パターンからなり、
前記第3導電性パターンは、前記N個の図形パターンのうち隣接する前記図形パターン同士を接続する1又は複数の配線パターンを更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記めっき工程では、前記めっきレジストの前記開口部に電解銅めっきを施して、前記金属めっき層である銅めっき層を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記所定の導体層には、電源電圧又はグランド電位と電気的に接続されるベタ状の前記導体パターンが形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記所定の導体層は、前記配線積層部に含まれる全ての導体層であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項7】
絶縁層と導体層とを交互に積層した配線積層部を備え、複数の製品を形成すべき製品形成領域を有する中間製品を用いて形成される配線基板の製造方法であって、
前記配線積層部に形成すべき所定の導体層の下層の絶縁層の上部に感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、
前記所定の導体層における導体形成部に対応するマスクパターンを有する露光マスクを前記感光性樹脂層の表面に配置した状態で、前記感光性樹脂層を露光、現像し、前記マスクパターンに対応する開口部を有するめっきレジストを形成するレジスト形成工程と、
前記めっきレジストの前記開口部に金属めっきを施して、前記マスクパターンに対応する導体パターンを有する金属めっき層を形成するめっき工程と、
前記めっきレジストを除去するレジスト除去工程と、
前記めっきレジストが除去された前記金属めっき層の表面を所定の厚みでエッチングするエッチング工程と、
を含み、
前記マスクパターンは、
前記製品形成領域の前記複数の製品のそれぞれの導体形成部への露光光を遮光する複数の導電性パターンと、
前記複数の導電性パターンのうち隣接する前記導電性パターンの間を電気的に接続する1又は複数の配線パターンと、
を含み、
各々の前記配線パターンは所定の線幅を有する線状のパターンであり、前記金属めっき層のうち前記配線パターンに対応して形成されたパターン部分が前記エッチング工程で除去されることを特徴とする配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−168342(P2012−168342A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29195(P2011−29195)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】