説明

閉塞性動脈疾患のためのアリールスルホンアミドぺリ置換二環式化合物

プロスタグランジン媒介疾患又は病態の治療又は予防のために有用なアシルスルホンアミドペリ置換縮合二環式環状化合物を開示する。化合物は一般式(I)で表されるものである。代表例は一般式(II)である。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、閉塞性動脈疾患及び関連するプロスタグランジン媒介障害の治療及び予防のためのぺリ置換二環式アリールスルホンアミドの化学的属(chemical genus)に関する。
【発明の背景】
【0002】
アテローム性動脈硬化症は、人類の大多数の致死性疾患(例えば、心筋梗塞及び末梢動脈閉塞性疾患(PAOD))のいくつかの基盤となる病理である。PAODは、四肢大動脈及び中動脈、特に下肢大動脈のアテローム性動脈硬化症を代表し、大動脈及び腸骨動脈を含む。それは、多くの場合、冠動脈疾患及び脳血管疾患と共存する。PAODを有する人々は、心筋梗塞や脳卒中などの他の血管イベントのリスクが増大する[Waters,RE,Terjung RL,Peters KG & Annex BH.J.Appl.Physiol.2004;Ouriel K.Lancet,2001,258:1257−64;Kroger,K.Angiology,2004,55:135−138]。臨床的に重大な病変部は、末梢血管を次第に狭くし、休息により通常軽減する歩行時の痛み(跛行)、虚血性潰瘍、壊疽、及び時には手足の切断の原因となることがある。医薬による治療は一般に効果が無いが、バイパス形成手術又は病変部を人工移植若しくは静脈移植で置き換える手術は、少なくとも再狭窄になるまでは、末梢血流を改善する[Haustein,K.O.,Int.J.Clin.Pharmacol.Ther.,35:266(1997)]。最近、ヒトの遺伝子連鎖研究により、プロスタグランジンE受容体サブタイプ3(EP3として知られる)をコードするPTGER3遺伝子のDNA変異体が、PAODになっている個人のリスクを増大することが発見されている(米国出願公開2003/0157599参照)。従って、EP3受容体に結合するプロスタグランジンE(PGE)アンタゴニストは、PAODのための有効な治療又は予防を提供することができる。
【0003】
多様な細胞外刺激に応答して、シクロオキシゲナーゼ及びシンターゼの連続的作用によって、アラキドン酸からプロスタグランジン類が速やかに生成される。プロスタグランジン類はそれらの合成部位のごく近傍で作用を及ぼす。これまで、8種類のプロスタノイド受容体がクローニングされ、特徴づけられている。これらの受容体は、増大しつつあるGタンパク質共役型受容体クラスの構成員である。PGEは、優先的にEP1、EP2、EP3、及びEP4受容体に結合する。PGDはDP及びFP受容体に、PGF2αはFP及びEP3受容体に、PGIはIP受容体に、そしてTXAはTP受容体に優先的に結合する。EP3受容体に結合するPGEは、イオン輸送の調節、胃腸管の平滑筋収縮、酸分泌、受精及び着床における子宮収縮、発熱並びに感覚過敏において重要な役割を果たすことが見出されている。EP3受容体は、多くの器官(例えば、腎臓、胃腸管、子宮及び脳)で検出されている。心臓血管系において、EP3は、血管内皮細胞及び平滑筋によって発現され、少なくとも4種のEP3イソ型がヒトの血小板に発現される[Paul,B.Z.,B.Ashby,and S.B.Sheth,Distribution of prostaglandin IP and EP receptor subtypes and isoforms in platelets and human umbilical artery smooth muscle cells.British Journal of Haematology,1998.102(5):p.1204−11]。
【0004】
プロスタノイドは、Gタンパク質共役型受容体(GPCRs)のスーパーファミリーに属する特異的膜受容体を介して作用するが、血小板機能調節を含む血管ホメオスタシスにおいて本質的役割を有している。プロスタノイドのうちで、トロンボキサンA2(TxA)は、血小板凝集の強力な刺激物質であり、一方プロスタグランジン(PG)Iは、その活性化を阻害する。それに対して、プロスタグランジンE(PGE)は、低濃度では血小板凝集を増強し、高濃度ではそれを阻害するという、血小板応答に二相性の効果を有することが報告されている。血小板凝集に対するPGEの刺激効果は主に、PGEによって活性化される受容体の4種類のサブタイプのうちの一つであるEP3受容体を介して及ぼされることが示されている。
【0005】
動脈血管壁におけるプロスタグランジン類の局所合成は、アテローム性動脈硬化症において深い役割を果たすことがある。健康な血管壁にはCOX−1のみが存在するのに対して、アテローム硬化斑にはCOX−1及びCOX−2の両方が存在する[Schonbeck,U.,et al.,Augmented expression of cyclooxygenase−2 in human atherosclerotic lesions.Am J Pathol,1999.155(4):p.1281−91;Cipollone,F.,et al.,Overexpression of functionally coupled cyclooxygenase−2 and prostaglandin E synthase in symptomatic atherosclerotic plaques as a basis of PGE−dependent plaque instability.Circulation,2001.104(8):p.921−7]。それらの発現増大は、プロスタグランジンEシンターゼの発現増大と一緒に、前記PGE産生増大を説明することができる。低密度リポタンパク質受容体(LDL−R)を欠く遺伝子組み換えマウスにおいて、COX−2の選択的阻害剤であるロフェコキシブを用いる治療により、PGE及び他のプロスタグランジン類の産生を減少させることによって、アテローム硬化斑形成を減少させることができる[Burleigh ME,Babaev VR,Oates JA,Harris RC,Gautam S,Riendeau D,Marnett LJ,Morrow JD,Fazio S,Linton MF.Cyclooxygenase−2 promotes early atherosclerotic lesion formation in LDL receptor−deficient mice.Circulation.2002 Apr 16;105(15):1816−23]。
【0006】
アテローム硬化斑の内部において、血管平滑筋細胞がEP3受容体を発現することが示されており、PGEがアテローム硬化斑形成の目印である血管平滑筋細胞の増殖及び遊走を促進する[Blindt R,Bosserhoff AK,vom Dahl J,Hanrath P,Schror K,Hohlfeld T,Meyer−Kirchrath J.Activation of IP and EP(3)receptors alters cAMP−dependent cell migration.Eur J Pharmacol.2002May24;444(1−2):31−7]。従って、慢性的に炎症を起こした血管が十分な量のPGEを産生し、血管平滑筋細胞(アテローム硬化性病変部形成に寄与する)及び血小板(血栓症に寄与する)のEP受容体を活性化することはもっともらしく思われる。局所的に産生されるPGE(血小板自体、血管壁成分、及び炎症細胞からの)は、それ自体では凝集を引き起こさないかもしれない最適下限量のプロトロンビン組織因子により、プロテインキナーゼCのプライミングを介して、血小板凝集を増強する。EP受容体の活性化により引き起こされる細胞内イベントは、PGIの効果を妨害すること、及び、一次凝集因子(例えば、コラーゲン)の効果を高めることにより、血小板凝集を高めることができる。従って、EP受容体の活性化は、アテローム性動脈硬化症に寄与し、そして、例えば、血管炎及びPAODの病理状態において観察される血栓症のリスクに寄与する。
【0007】
現行のPAOD治療は、心臓血管イベント(例えば、心筋梗塞及び脳卒中)のリスク増大に焦点をあてるか又は跛行の症状軽減を与える。これらの治療はすべて血小板機能に影響する。心臓血管イベントのリスクを減少する治療は、低用量アスピリン(血管壁によるPGI産生をなお許容しながら血小板凝集を減少させるに十分な)及び血小板アデノシン二リン酸受容体阻害剤(クロピドゲル)の阻害剤を含む。血小板アデノシン二リン酸受容体へのアデノシン二リン酸の結合は、血小板cAMPの低下を引き起こし、結果的に血小板の活性化及び凝集を引き起こす。跛行からの症状軽減を与える治療は、細胞内cAMP濃度を増加するように作用するシロスタゾールなどの血小板ホスホジエステラーゼ3型阻害剤を含む。血小板アデノシン二リン酸受容体阻害剤、又は血小板ホスホジエステラーゼ3型阻害剤は、直接に又は間接に作用して血小板のcAMP含有量を増加し、それにより、血栓形成を伴う血小板活性化及びその結果生じる凝集を阻害する。EP3に結合するPGEは、cAMPを減少するように作用する。従って、EP3受容体に結合するPGEのアンタゴニストは、血小板活性化及びその結果生じる凝集を引き起こすのに必要なPGE依存性のcAMP減少を妨害することにより、又は遊走を刺激するのに必要なPGE依存性の血管平滑筋細胞cAMP減少を妨害することにより、PAODにおいて治療的(therapeutic)利益を与えることが期待されよう。更に、前記アンタゴニストは、アテローム硬化斑形成を阻害又は減少することにより、疾患を緩和することができる。
【0008】
その上、プロスタグランジン類は、例えば、痛み、リウマチ熱・インフルエンザ若しくは他のウイルス感染と関連する発熱又は炎症、風邪、腰痛及び頸痛、骨の痛み、分娩後の痛み、月経困難症、頭痛、片頭痛、歯痛、捻挫及び挫傷、筋炎、神経痛、滑膜炎、慢性関節リウマチ・変形性関節疾患(変形性関節症)を含む関節炎、痛風及び強直性脊椎炎、滑液嚢炎、放射線及び腐食性薬品傷害を含むやけど、日焼け、外科手術及び歯科処置後の痛み、免疫及び自己免疫疾患;細胞性悪性形質転換又は転移性腫瘍増殖;糖尿病性網膜症、腫瘍脈管形成;月経困難症、早期分娩、喘息又は好酸球関連障害と関連するプロスタノイド誘発性平滑筋収縮;アルツハイマー病;緑内障;骨量減少;骨粗鬆症;パジェット病;消化性潰瘍、胃炎、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、憩室炎又は他の胃腸障害;胃腸出血;低プロトロンビン血症、血友病及び他の出血問題から選択される凝固障害;並びに腎臓疾患の様々な疾患状態に関係している。
【0009】
プロスタノイドの循環濃度は健康な諸個人では極めて低い[FitzGerald GA,Brash AR,Falardeau P & Oates JA.JCI 1981 68:12472−1275]のに対して、局所のPGE濃度は炎症状態では劇的に増加し得る。例えば、局所のPGE産生量は、大動脈腸骨動脈閉塞性疾患においてインビトロで、30倍を超える増加を示した[Reilly J,Miralles M,Wester W & Sicard G.Surgery,1999,126:624−628]。従って、慢性的に炎症を起こした血管が十分な量のPGEを産生して、血小板のEP受容体を活性化することはもっともらしく思われる。この環境において、EP受容体の活性化により引き起こされる細胞内イベントは、PGIの効果を妨害すること及びADPなどの一次凝集因子の効果を高めることにより、血小板凝集を高めることができる。従って、EP受容体の活性化は、血管炎及びアテローム性動脈硬化症などの病理状態で観察される血栓症に寄与することができる。末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)は、末梢大動脈、主に大腿動脈の管腔の閉塞の結果として主に高齢者を冒すアテローム硬化性の病気であり、心筋梗塞又は脳卒中のような血管イベントのリスク増大と関連する[Waters,RE,Terjung RL,Peters KG & Annex BH.J.Appl.Physiol.2004;Ouriel K.Lancet,2001,258:1257−64;Kroger,K.Angiology,2004,55:135−138]。いくつかの臨床研究は、プロスタグランジン類を用いる治療がPAODの症状を改善することを示しており[Reiter M,Bucek R,Stumpflen A & Minar E.Cochrane Database Syst.Rev.2004,1:CD000986;Bandiera G,Forletta M,Di Paola FM,Cirielli C.Int.Angiol.2003,22:58−63;Matsui K,Ikeda U,Murakami Y,Yoshioka T,Shimada K.Am.Heart J.2003,145:330−333]、PAODとプロスタノイド受容体機能の間の関連を支持している。
【0010】
オルト置換されたフェニルアシルスルホンアミド、及びプロスタグランジン媒介障害を治療するためのその有用性は、米国特許第6,242,493号明細書並びに2件の論文、Juteau et al.[BioOrg.Med.Chem.9,1977−1984(2001)]及びGallant et al.[BioOrg.Med.Chem.Let.12,2583−2586(2002)]に記載されている。前記の開示は参照することによりここに含まれる。
【発明の要約】
【0011】
或る観点において、本発明は、一般式I:
【化1】

で表される化合物に関する。
【0012】
(式中、A及びBは、一対の縮合5、6又は7員環を表す)前記縮合A/B環系は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される0〜4個のヘテロ原子を含有し、前記両環は更に、ハロゲン原子、−OH、低級アルキル基、−O−低級アルキル、フルオロ低級アルキル基、−O−低級フルオロアルキル、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、オキソ基、オキシド基、−CN、ニトロ基、−S−低級アルキル、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノアルキル基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、アシル基、カルボキサミド基、低級アルキルスルホキシド基、アシルアミノ基、フェニル基、ベンジル基、スピロチアゾリジニル基、フェノキシ基及びベンジルオキシ基から独立に選択される0〜4個の置換基で置換される。a及びbにより表される結節点は、それぞれ残基Y及びDの結合点を表し、a及びbは、前記縮合A/B環系で互いにペリ位の関係にある。d及びeにより表される結節点は、前記縮合A/B環系におけるA環とB環の間の縮合点を表す。各結節点a、b、d及びeは炭素原子又は窒素原子のいずれかであることができる。
Dは、0〜4個の置換基で更に置換されることのできる、アリール又はヘテロアリール環系である。置換基は、ハロゲン原子、−OH、低級アルキル基、−O−低級アルキル、フルオロ低級アルキル基、−O−低級フルオロアルキル、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、−CN、ニトロ基、−S−低級アルキル、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノアルキル基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、アシル基、カルボキサミド基、低級アルキルスルホキシド基、アシルアミノ基、フェニル基、ベンジル基、フェノキシ基及びベンジルオキシ基から独立に選択される。
Yは、鎖に0〜8個の原子を含むリンカーである。
Mは、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロシクリル基、置換されたヘテロシクリル基、C〜C20アルキル基及び置換されたC〜C20アルキル基から選択される。
は、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロアリール基、置換されたヘテロアリール基、及びCFから選択され;そして
Yが単一原子リンカーである場合に、Rは更に低級アルキル基であることができる。
【0013】
第2の観点において、本発明は、薬学的に許容可能な担体及び前記化合物又は前記化合物のエステル、薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を含む医薬製剤に関する。
【0014】
第3の観点において、本発明はプロスタグランジン媒介疾患又は病態の治療又は予防(prophylaxis)のための方法に関する。前記方法は、ここに記載の化合物の治療的有効量を哺乳動物に投与することを含む。前記疾患又は病態は、例えば、痛み、リウマチ熱・インフルエンザ若しくは他のウイルス感染と関連する発熱又は炎症、風邪、腰痛及び頸痛、骨の痛み、分娩後の痛み、月経困難症、頭痛、片頭痛、歯痛、捻挫及び挫傷、筋炎、神経痛、滑膜炎、慢性関節リウマチ・変形性関節疾患(変形性関節症)を含む関節炎、痛風及び強直性脊椎炎、滑液嚢炎、放射線及び腐食性薬品傷害を含むやけど、日焼け、外科手術及び歯科処置後の痛み、免疫及び自己免疫疾患であることができる。中枢神経系に浸透する本発明のEP3アンタゴニスト化合物は、特に痛みの治療技術に適している。
【0015】
血小板凝集を阻害し及び局所血流を増加させる本発明の化合物は、一次血栓塞栓症、血栓症及び閉塞性血管疾患の治療に有用である。前記化合物は有利に、他の血小板凝集阻害剤と組み合わせて及びコレステロールの生合成又は取り込みの阻害剤と組み合わせて使用することができる。更に前記化合物を有利に、シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤と組み合わせて使用し、炎症病態を治療することもできる。
【0016】
更に他の疾患又は病態、例えば、細胞性悪性形質転換又は転移性腫瘍増殖;糖尿病性網膜症、腫瘍脈管形成;月経困難症、早期分娩、喘息又は好酸球関連障害と関連するプロスタノイド誘発性平滑筋収縮;アルツハイマー病;緑内障;骨量減少;骨粗鬆症又はパジェット病;消化性潰瘍、胃炎、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、憩室炎又は他の胃腸障害;胃腸出血;低プロトロンビン血症、血友病及び他の出血問題から選択される凝固障害並びに腎臓疾患を治療することもできる。更に本発明の方法態様は、骨形成の促進方法、細胞保護方法及びアテローム性動脈硬化症の治療における斑(plaque)を減少する方法を含む。
【0017】
第4の観点において、本発明は、選択的プロスタノイド受容体(特に、EP3リガンド)のためのスクリーニング方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【0018】
前記一般式Iにより表される属の化合物は、EP3受容体のアンタゴニストである。それ故に、前記化合物は、上記のように、プロスタグランジン媒介病態(特に、閉塞性血管疾患)の治療及び予防において有用性を有する。
【0019】
本発明の組成物は、前記化合物の有効用量即ち医薬的有効量又は治療的有効量を含み、更に他の治療剤、例えば血小板凝集阻害剤(チロフィバン、ジピリダモール、クロピドグレル、チクロピジンなど);HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、メバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチン、フルバスタチンなど);及びシクロオキシゲナーゼ阻害剤を含むことができる。本発明の化合物と組み合わせて使用できる抗高脂血症剤の非限定例の更なるリストは米国特許第6,498,156号明細書の第5〜6欄に見出すことができる。前記米国特許明細書の開示は参照することによりここに含まれる。好ましいシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤は、シクロオキシゲナーゼ−1と比較してシクロオキシゲナーゼ−2に選択的な阻害剤である。本発明の好ましいシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤は、以下これらの又は他の既知のシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤に限定されるものではないが、ロフェコキシブ、メロキシカム、セレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、シミコキシブ(cimicoxib)、ジクロフェナク、スリンダク、エトドラク、ケトロラク、ケトプロフェン、ピロキシカム及びLAS−34475を含む。
【0020】
本発明の方法は、組成物及び製剤に対応する。この方法は、本発明によるペリ置換された縮合A/B環状化合物の治療的有効量を、治療の必要な患者に投与することを含む。更に本発明は、選択的プロスタノイド受容体アゴニスト及びアンタゴニストのスクリーニング方法も対象にしている。プロスタノイド受容体は、EP1、EP2、EP3、EP4、IP及びFP受容体を含む。選択的EP3リガンドは、大いに興味がある。前記リガンドに対して、この方法は、本発明の標識した化合物をクローニングしたヒトEP3受容体と接触させること及び試験化合物によるその置換を測定することを含む。
【0021】
本発明による属は、一般式I:
【化2】

(式中、A及びBは、一対の縮合5、6又は7員環を表し、Dは、アリール及びヘテロアリール環系である)で表される化合物を含む。1つの亜属において、Dは、置換されているか、又は、置換されていないフェニル基である。もう1つの亜属において、Dは、置換されているか、又は、置換されていないナフチル基である。第3の亜属において、Dは、置換されているか、又は、置換されていない単環式ヘテロアリール基である。第4の亜属において、Dは、置換されているか、又は、置換されていない二環式ヘテロアリール基である。或る実施態様において、Rは、フェニル基、置換されたフェニル基、5員環ヘテロアリール基、置換された5員環ヘテロアリール基、及びCFから選択される。
【0022】
A及びBの各々は独立に、5、6又は7員環を表す。縮合A/B環系は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される0〜4個のヘテロ原子を含有し、両方の環は更に、0〜4個の置換基で置換される。適当な置換基は、ハロゲン原子、−OH、低級アルキル基、−O−低級アルキル、フルオロ低級アルキル基、O低級フルオロアルキル、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、オキソ基、オキシド基、−CN、ニトロ基、−S−低級アルキル、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノアルキル基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、オルトエステル基、アシル基、カルボキサミド基、低級アルキルスルホキシド基、アシルアミノ基、フェニル基、ベンジル基、スピロチアゾリジニル基、フェノキシ基及びベンジルオキシ基を含む。縮合A/B環系が窒素原子又は硫黄原子を含むことができるので、置換基は、酸化物、例えばN→O及びS→Oを含むことができる。
【0023】
一つの亜属において、A/B環系は一対の縮合5員環である:
【化3】

【0024】
前記5/5環系の例は:
【化4】

である。
【0025】
もう一つの亜属において、A/B環系は一対の縮合6員環である:
【化5】

【0026】
前記6/6環系の例は:
【化6】

である。
【0027】
もう一つの亜属において、A/B環系は5及び6員環の対である:
【化7】

【0028】
前記5/6環系の例は、インドール、インドリン、インドロン、イサチン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾリノン、ベンゾフラン及びインダゾールである:
【化8】

【0029】
先に示したように、環系を置換することができる。例えば:
【化9】

【0030】
Yは、鎖に0〜8個の原子を含むリンカーである。好ましくは、Yは、C〜Cアルキル基であり、そこで1又は2個の−CH−を、−O−、−C(=O)−、−CH=CH−、−CF−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−又は−N(アルキル)−により置き換えることができる。より好ましくは、Yは2原子鎖、即ちC又はCアルキル基であり、その一方又は両方の−CH−を前記指定の基によって置き換えることができる。或る実施態様において、Yは、−CH−、−O−、−OCH−、−S−、−SO−、及び−SO−から選択される。左手の結合は、A環又はB環への結合点を示す。
【0031】
Mは、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロシクリル基、置換されたヘテロシクリル基、C〜C20アルキル基及び置換されたC〜C20アルキル基から選択される。或る好ましい実施態様において、Mは、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロシクリル基及び置換されたヘテロアリール基から選択され、より好ましくは、フェニル基、置換されたフェニル基、ナフチル基、置換されたナフチル基、ヘテロアリール基及び置換されたヘテロアリール基から選択される。
【0032】
本発明の化合物は、塩として表されることができる。用語「薬学的に許容可能な塩」は、対イオンが薬学的に許容可能な非毒性の酸及び塩基から由来する塩を指す。本発明の化合物に適合する薬学的に許容可能な塩基付加塩は、以下に限定されないが、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛からつくられる金属塩、又は、リシン、N,N−ジアルキルアミノ酸誘導体(例えば、N,N−ジメチルグリシン、ピペリジン−1−酢酸及びモルホリン−4−酢酸)、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)及びプロカインからつくられる有機塩を含む。化合物が塩基性の残基を含む場合、本発明の化合物に適合する薬学的に許容可能な塩基付加塩は、無機酸及び有機酸を含む。例としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシレート)、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、炭酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、臭化物、塩化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ムチン酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などを挙げることができる。
《定義》
【0033】
本明細書の全体にわたり、用語及び置換基はその定義を保持する。
【0034】
アルキル基は、直鎖状、分岐状、又は環状炭化水素構造及びそれらの組み合わせを含むことを意味する。低級アルキル基は、炭素原子1〜6個のアルキル基を指す。低級アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−及びt−ブチル基などを挙げることができる。好ましいアルキル基及びアルキレン基は、C20以下のアルキル基である。シクロアルキル基はアルキル基の下位集合であり、炭素原子3〜8個の環状炭化水素基を含む。シクロアルキル基の例としては、c−プロピル基、c−ブチル基、c−ペンチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などを挙げることができる。
【0035】
〜C20の炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びそれらの組み合わせを含む。例としては、ベンジル基、フェネチル基、シクロヘキシルメチル基、カンホリル基及びナフチルエチル基を挙げることができる。
【0036】
アルコキシ基又はアルコキシル基は、親構造に酸素原子を介して結合する炭素原子1〜8個の直鎖状、分岐状、環状構造及びそれらの組み合わせの基を指す。例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などを挙げることができる。低級アルコキシ基は、1〜4個の炭素原子を含む基を指す。
【0037】
オキサアルキル基は、1個以上の炭素原子(及びそれに付属する水素原子)を酸素原子で置き換えたアルキル残基を指す。例としては、メトキシプロポキシ基、3,6,9−トリオキサデシル基などを挙げることができる。用語「オキサアルキル基」は、それが技術的に理解されているとおりの意味である[Naming and Indexing of Chemical Substaces for Chemical Abstracts,published by the American Chemical Society,¶196参照。但し¶127(a)の限定無し]。即ち化合物中の酸素原子がその隣接する原子に単結合で結合(エーテル結合を形成)している化合物を指す。同様に、チアアルキル基及びアザアルキル基は、1個以上の炭素原子をそれぞれ硫黄原子又は窒素原子で置き換えたアルキル残基を指す。例としては、エチルアミノエチル基及びメチルチオプロピル基を挙げることができる。置換基を指す用語「オキソ基」は、二重結合した酸素原子(カルボニル基)を意味する。従って、例えば、本発明の2−オキソキノリン基は次のようである:
【化10】

【0038】
アシル基は、親構造にカルボニル官能基を介して結合する炭素原子1〜8個の直鎖状、分岐状、環状構造、飽和、不飽和及び芳香族並びにそれらの組み合わせの基を指す。アシル残基の1個以上の炭素原子は、親構造に結合する点がカルボニル基にとどまる限り窒素原子、酸素原子又は硫黄原子で置き換えることができる。例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基などを挙げることができる。低級アシル基は1〜4個の炭素原子を含む基を指す。
【0039】
アリール基及びヘテロアリール基は、O、N、又はSから選択されるヘテロ原子を0〜3個含む5又は6員の芳香環基または複素芳香環基;O、N、又はSから選択されるヘテロ原子を0〜3個含む二環式9又は10員の芳香環系基又は複素芳香環系基;あるいは、O、N、又はSから選択されるヘテロ原子を0〜3個含む三環式13又は14員の芳香環系基又は複素芳香環系基を意味する。芳香族6〜14員の炭素環式環としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、インダン、テトラリン、及びフルオレンを挙げることができ、そして、5〜10員の芳香族複素環式環としては、例えば、イミダゾール、ピリジン、インドール、チオフェン、ベンゾピラノン、チアゾール、フラン、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ピリミジン、ピラジン、テトラゾール及びピラゾールを挙げることができる。
【0040】
アリールアルキル基は、アリール環に結合するアルキル残基を意味する。例えば、ベンジル基、フェネチル基などである。
【0041】
置換されたアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基などは、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、又はヘテロシクリル基の各残基における3個までのH原子を、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基(アルコキシカルボニル基ともいう)、カルボキサミド基(アルキルアミノカルボニル基ともいう)、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホキシド基、スルホン基、アシルアミノ基、アミジノ基、フェニル基、ベンジル基、ヘテロアリール基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、又はヘテロアリールオキシ基で置き換えているアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、又はヘテロシクリル基を指す。下記クレームにおいて、メチレンジオキシ基およびエチレンジオキシ基は、置換基として言及される。メチレンジオキシ基が環上の隣接炭素原子に結合するのに対して、エチレンジオキシ基は環上の隣接炭素原子又は同じ炭素原子のいずれかに結合することができ、後者の場合スピロチアゾリジニル基に類似のスピロジオキソール(ケタール)基を形成することができる。多様な選択肢が化合物114、144及び160の実例で説明される。
【0042】
用語「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を意味する。
【0043】
用語「プロドラッグ」は、インビボでより活性になる化合物を指す。インビボでの活性化は、化学的作用により又は酵素の仲介により実現することができる。胃腸管における微生物叢もインビボでの活性化に寄与できる。
【0044】
可変構造要素の特性記述において、A及びBが一対の縮合5、6又は7員環を表すこと並びに縮合A/B環系が窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される0〜4個のヘテロ原子を含有できることが述べられている。これらの環が完全に飽和した状態から芳香族の状態まで多様な不飽和度を示すことができるということを意味している。芳香族環及び部分的に不飽和な環が好ましい。
【0045】
可変構造要素の特性記述において、縮合環が、可変構造要素の定義のリストから選択される0〜4個の置換基で更に置換されることができるということが述べられている。次の構造式はその言葉の意味を説明する。この例において、縮合環は、3個の置換基、即ち−CH、−OH及びオキソ基で置換される:
【化11】

【0046】
本発明の化合物が放射能標識した形態で存在できること、即ち、前記化合物が通常天然に見出される原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を含有する1個以上の原子を含有することができるということは認識されるであろう。水素原子、炭素原子、リン原子、フッ素原子、及び塩素原子の放射性同位体は、それぞれH、H、13C、14C、15N、35S、18F、及び36Clを含む。これらの放射性同位体及び/又は他の原子の他の放射性同位体を含有する化合物は本発明の範囲内にある。トリチウム(即ちH)、及び炭素14(即ち14C)放射性同位体は、その製造容易性及び検出可能性のため特に好ましい。放射能標識した本発明の一般式Iaで表される化合物並びにそれらのプロドラッグは、一般に当業者によく知られた方法によって製造することができる。好都合なことに、前記放射能標識化合物は、放射能標識していない試薬の代わりに容易に入手可能な放射能標識した試薬を用いて、実施例及び反応工程式で開示した手順を実施することにより製造することができる。
【0047】
当業者なら理解されるであろうが、ここに使用する「化合物」という記述は、塩、溶媒和物、共結晶、及びその化合物の包接錯体を含むことを意味する。
【0048】
用語「溶媒和物」は、固体状態にある一般式Iの化合物であって、そこで適当な溶媒分子が結晶格子に組み込まれている化合物を指す。治療的投与に適した溶媒は、投与用量において生理学的に許容可能なものである。治療的投与に適した溶媒の例は、エタノール及び水である。水が溶媒のとき、溶媒和物は水和物と呼ばれる。一般に、溶媒和物は化合物を適当な溶媒に溶解し、冷却して又は反溶媒(antisolvent)を用いて溶媒和物を単離することにより形成される。溶媒和物は典型的には周囲条件下に乾燥されるか又は共沸される。共結晶は、2種以上の別個の分子を組み合わせて独自の結晶形態をつくるようにアレンジしたものであり、その物理的特性はそれの純粋な諸成分の特性とは異なるものである。薬学的共結晶は近年、例えば、イトラコナゾール[Remnar et al.J.Am.Chem.Soc.125,8456−8457(2003)参照]及びフルオキセチンの薬物の溶解性、製剤及び生体利用率を改良するために重要な興味の対象になってきている。包摂錯体はRemington:The Science and Practice of Pharmacy 19thEd.(1995)volume 1,page176−177に記載されている。最も一般的に用いられる包摂錯体は、シクロデキストリンとの包摂錯体であり、米国特許第5,324,718号及び第5,472,954号明細書に記載のように、添加剤及びポリマー(類)の添加の有無を含めて、天然及び合成のすべてのシクロデキストリン錯体が特にクレームの範囲内に包含される。Remington並びに‘718及び954号特許明細書の開示は、参照することによりここに含まれる。
【0049】
用語「治療(treating)又は予防(preventing)の方法」は、脂質障害と関連する諸症状及び/又は諸影響の改善(amelioration)、予防(prevention)又は軽減(relief)を意味する。ここに使用する用語「予防」は、急性症状の発現を未然に防ぐため又は緩和するために事前に医薬を投与することを指す。医学技術の当業者(本発明の方法クレームが向けられている)は、用語「予防する」が絶対的用語でないことを認識している。医学技術においては、病態の可能性又は重症度を実質的に少なくするために薬物の予防的(prophylactic)投与を指すことが理解されており、これが出願人のクレームにおいて意図する意味である。本明細書中に使用する、患者の「治療」への言及は、予防(prophylaxis)を含むことを意味している。本明細書の全体にわたり、様々な引用文献に言及している。これらの刊行物の開示はその全体が、あたかもここに書いたかのように、参照することによりここに含まれる。
【0050】
用語「哺乳動物」は、その辞書的意味で使用される。ヒトは哺乳動物の群に含まれ、ヒトは治療方法の好ましい対象である。
【0051】
ここに記載する化合物は、不斉中心を含むことができるので、鏡像異性体、ジアステレオマー、及び他の立体異性体を生じさせることができる。それぞれのキラル中心は、絶対立体化学の用語で(R)−又は(S)−と定義することができる。本発明は、すべてのそのような可能な異性体並びにそれらのラセミ体及び光学的に純粋な形態を含むことを意味する。光学的に活性な(R)−及び(S)−、又は(D)−及び(L)−異性体は、キラルシントン若しくはキラル試薬を用いて製造することができるし、又は従来技術を用いて分割することができる。ここに記載する化合物が、オレフィンの二重結合又は他の幾何学的不斉中心を含む場合で他に特に指定されない場合、化合物はE及びZ幾何異性体の両方を含むことを意味する。同じように、すべての互変異性体が含まれることも意味する。
【0052】
ここに使用するラセミ体化合物、アンビスケールミック(ambiscalemic)化合物及びスケールミック(scalemic)化合物つまり鏡像異性体的に純粋な化合物の図式的表現は、Maehr J.Chem.Ed.62,114−120(1985):から引き出している:楔形の実線及び破線は、キラルな元素の絶対配置を示すために使用され;波線及び単一の細線は、それが表す結合が生み出す立体化学的意味合いを何も示さず;実線及び破線の太線は、ラセミ体の性格を示すほかは図示されている相対配置を示す幾何学的記述子であり;楔形の輪郭線及び点線又は破線は不定の絶対配置の鏡像異性体的に純粋な化合物を示す。
【0053】
本明細書中の任意の炭素−炭素二重結合の立体配置は、便宜のためにのみ選択され、明示的に述べない場合は、特定の立体配置を示すことを意味しない。従って、任意にEとして描いた炭素−炭素二重結合は、Z、E、又はいずれかの割合の二者の混合物であることができる。
【0054】
「保護」、「脱保護」及び「保護した」官能基に関する用語は、本明細書中の至る所に出現する。前記用語は、当業者によく理解されており、一連の試薬を用いる逐次的処理を含む工程の文脈において使用される。その文脈において、保護基は、保護しないと反応してしまいその反応が望ましくないような工程段階において、官能基をマスクするために使用する。保護基は、その段階での反応を防ぐ、その後で除去して元の官能基を露出することができる。その除去つまり「脱保護」は、その反応(つまり、官能基が妨害となる反応)の完結後に行なわれる。従って、本発明の工程におけるように一続きの試薬を指定する場合、当業者は「保護基」としてふさわしい基を容易に想定することができる。その目的にふさわしい基は、化学のその分野の標準的教科書、例えばT.W.GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis[John Wiley & Sons,New York,1991]において議論されている。前記教科書は参照することによりここに含まれる。“Protection for the Hydroxyl Group,Including 1,2−and 1,3−Diols”(10〜86頁)に特別の注意が引かれる。
【0055】
Me、Et、Ph、Tf、Ts及びMsという略語は、それぞれメチル基、エチル基、フェニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、トルエンスルホニル基及びメタンスルホニル基を表す。有機化学者(即ち当業者)により使用される略語の包括的なリストはJournal of Organic Chemistryの各巻の第1号に出ている。“Standard List of Abbreviations”という表題の表に典型的に与えられているリストは、参照することによりここに含まれる。
【0056】
一般式Iで表される化合物をそのまま化学物質として投与することは可能であるが、それらを医薬組成物として与えるのが好ましい。更なる観点によれば、本発明は、一般式Iで表される化合物、又は薬学的に許容可能なその塩若しくはその溶媒和物を、1種以上の薬学的に許容可能な担体及び場合により1種以上の他の治療成分と一緒に含む医薬組成物を提供する。担体(類)は、他の製剤成分と適合性がよくその受容者に有害でないという意味で「許容可能な」ものでなければならない。
【0057】
製剤は、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、及び関節内を含む)、直腸及び局所(皮膚、頬側、舌下及び眼内を含む)投与に適した製剤を含む。もっとも適した経路は、受容者の病態と障害によって決めることができる。製剤は、単位投与形態で便利に提供することができ、薬学の技術においてよく知られている方法のいずれかで調製することができる。すべての方法は、一般式Iの化合物又は薬学的に許容可能なその塩若しくはその溶媒和物(「活性成分」)を、1種以上の補助的な成分を構成する担体とともに配合する段階を含む。一般に、製剤は、活性成分を液状担体若しくは細粒状固体担体又は両者とともに、均等に十分に配合し、次いで、必要な場合に、その生成物を望ましい製剤に成形することにより調製される。
【0058】
経口投与に適した本発明の製剤は、各々あらかじめ決めた量の活性成分を含むカプセル剤、カシェ剤若しくは錠剤のような個別単位として;散剤(微粉化散剤及びナノ粒子状散剤を含む)若しくは顆粒剤として;水性液体若しくは非水性液体中の液剤若しくは懸濁剤として;又は水中油型の液体乳剤若しくは油中水型の液体乳剤として提供することができる。活性成分はまた、巨丸剤、舐剤又はパスタ剤として提供することができる。
【0059】
錠剤は、任意に1種以上の補助的成分とともに、圧縮又は成形により製造することができる。圧縮錠剤は、散剤又は顆粒剤のような流動性の形態にある活性成分を、場合により、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、潤滑剤、界面活性剤又は分散剤とともに混合し、適当な機械の中で圧縮することにより調製することができる。成形錠剤は、不活性液状希釈剤で湿らせた粉末コンパウンドの混合物を適当な機械の中で成形することにより製造することができる。錠剤は、場合により、コーティングしたり印をつけたりすることができ、錠剤中の活性成分の持続放出、遅延放出又は制御放出を提供するように製剤化することができる。
【0060】
医薬組成物は「薬学的に許容可能な不活性担体」を含むことができ、この表現は、デンプン、ポリオール、顆粒化剤、微結晶セルロース、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を含む1種以上の不活性賦形剤を含むことを意味する。必要に応じて、開示した組成物の投薬錠剤は、標準的な水性又は非水性手法によりコーティングすることができる。「薬学的に許容可能な担体」は、制御放出手段も包含する。
【0061】
本発明の組成物はまた更に、場合により、他の治療成分、アンチケーキング剤、保存剤、甘味剤、着色剤、芳香剤、乾燥剤、可塑剤、染料等を含むこともできる。もちろん、前記任意の成分はいずれも、製剤の安定性を保証するために本発明の化合物と適合性がよくなければならない。
【0062】
成人に対する用量範囲は、一般に0.1μg〜10g/日である。錠剤又は個別単位で供給される他の体裁の形態は、そのような用量で、又は例えば0.1mg〜500mg、通常およそ5mg〜200mgを含む複数の個別単位として、有効な量の本発明の化合物を含むことができる。患者に投与される化合物の正確な量は、付き添う医師の責任であろう。しかしながら、採用する用量は、患者の年齢及び性、治療される正確な障害、及びその重症度を含む多数の因子に依存するであろう。投与頻度は個々の化合物及び投与形態の製剤の薬力学に依存するであろう。そしてそれは技術的によく知られた方法(例えば、制御又は持続放出錠剤、腸溶コーティングなど)により最適化することができる。
【0063】
併用療法は、それぞれ別々に製剤化して投与する2種以上の薬剤を投与することにより、又は2種以上の薬剤を単一製剤にして投与することにより達成できる。他の組み合わせもまた、併用療法に包含される。例えば、2種の薬剤を一緒に製剤化して、第3の薬剤を含む別の製剤と併せて投与することができる。併用療法において2種以上の薬剤を同時に投与することができるが、必要というわけではない。
【0064】
本発明の全体構想の代表的な約300個の化合物を合成した。それらの構造は、発明の名称“Sulfonamide Peri−substituted Bicyclics for Occlusive Artery Disease”及び“Carboxylic Acid Peri−substituted Bicyclics for Occlusive Artery Disease”の同日に出願される、2つの同時係属中の出願中に示される。両方とも参照によりここに含まれる。本発明の明細書中において請求される亜属の例としては、B01、B03、B04及びB13:
【化12】

を含む。
【0065】
本発明の化合物を、Abramovitz et al.[Bioch.Biophys.Acta,1473,285−293(2000)]の方法に従い、プロスタノイドEP3受容体への結合についてアッセイを行うことができる。以下の表における全実施例を合成し、キャラクタリゼーションし、EP3受容体結合について試験した。
【0066】
本発明の化合物を、インビトロで血小板凝集に対する効果についてアッセイを行うこともできる。ヒト血小板を用いる実験においては、一晩絶食した複数のヒトドナーから全血を採取する。各実験を一人の個人からの血液を用いて行う。げっ歯類動物を用いる実験においては、イソフルラン(Abbott)麻酔下に、複数の雌マウス又は雄ラットの心臓から全血を集める。それぞれラット及びマウス実験の場合、各実験に対して、2又は10匹のげっ歯類動物から血液をプールする。全例において、血液を3.8%クエン酸ナトリウム試験管(Greiner Bio−one)中に集める。多血小板血漿(PRP)は、ヒトについては25℃で100xgで15分間の遠心分離により、ラットについては150xgでの遠心分離により、マウスについては80xgで10分間の遠心分離により得る。貧血小板血漿は、残った血液について25℃で2,400xgで10分間の遠心分離により得る。オートカウンター(Model 920EO,Swelab)でカウント後、血小板を必要に応じて、0.9%NaCl等張液(Braun)を用いて、望ましい貯蔵濃度(200,000〜300,000個の血小板/μl)まで希釈する。
【0067】
血小板凝集は、定速電磁撹拌を備えた血小板アグリゴメーター(Model 490,Chronolog Cop.,Havertown,Pennsylvania,USA)を用いて、キュベット当たり容量500μlを用いて、吸光度により測定する。実験遂行中、血小板溶液を軽い水平振盪により連続的に撹拌する。コラーゲン(Sigma)及びPGE又はスルプロストン(Cayman Chemicals)を血小板凝集促進剤として使用する。このアッセイに用いる化合物を、100%DMSO溶液に溶解し保存した。希釈後、アッセイにおける最終DMSO濃度は0.1%v/vよりも低い。この濃度のDMSOはアッセイにおいて血小板凝集を抑制しないことが測定された。促進剤及びEP試験化合物を所望濃度の等張液に希釈する。S字状非線形回帰を用いて、血小板凝集を50%だけ抑制するのに必要な試験化合物濃度(IC50)を計算する。試験化合物のIC50値を、Windows(登録商標)用GraphPad Prism 3.02(GraphPad Software,San Diego California USA)を用いて計算する。
【0068】
肺血栓性塞栓症アッセイ:意識下雌C57BL/6マウスに試験化合物を経口投与して、30分後に、アラキドン酸を30mg/kg体重の用量で尾静脈内に注射して、血栓塞栓症を誘導する。生存をアラキドン酸投与後1時間で評価する。その長さの時間生存するマウスは通常完全に回復するからである。アラキドン酸注射は、赤外線灯下に短時間加温したマウスの側尾静脈を経由して与える(熱による尾静脈の膨張が注射を容易にする)。投与には0.5mLのインスリン注射筒(Becton Dickinson提供)を用いる。試験化合物及びアラキドン酸の両方について与える投与用量は、マウスの体重に適応させる(試験化合物に対する経口投与用量及びアラキドン酸溶液に対する静脈内投与用量は、それぞれ体重グラム当たり10μL及び5μLである)。血栓性塞栓症モデルにおいて、試験化合物(100mg/kg、経口)で処理したマウスの生存率を得る。
【0069】
一般に、本発明の化合物は、容易に入手可能な出発物質、試薬及び従来の合成手順を用いて、例えば下記のような一般的な反応工程式で説明される方法か、又は、その修正方法により調製することができる。これらの反応において、それ自体既知であるがここに言及していない変形方法を使用することも可能である。出発物質は、適当に置換された縮合A/B環化合物の場合、市販品として入手可能であるか又は当業者によく知られた方法により得ることができる。
【0070】
一般に、一般式Iで表される化合物は、反応工程式1〜16に示すように、適当に官能化され置換されたビシクロ核から調製することができる。特に、結節点“a”が窒素原子である場合、前記結節点を官能化して、パラジウムを介したSuzukiカップリング反応によりアリールアミン誘導体G3を得ることができ、更にそれは誘導体化されて、アリール結合したアミド、スルホンアミド、又はホスホアミドG5を得る(反応工程式1)。あるいは、パラジウムを介したSuzukiカップリング反応を介して、N−官能化中間体を転化し、アリールエステル誘導体G6を得て、更にそれは、アシルアジ化物のin−situ発生(generation)による加水分解並びにPhP(O)Nとの反応の後で、Curtius−再転位生成物、つまりアリールアミンG8を提供する。ヒドラジンを使用してエステルG6からアシル酸を調製した後に、硝酸イソアミルの反応によりアシルアジ化物中間体を生じさせることもできる。反応工程式2に示されるように、アミンG8をG8へ転化する。酸G7を例えばスルホンアミドと反応させて、アシルスルホンアミドG9を得る。以下の反応工程式では、Rは請求項の範囲においてMとして表される残基であり、Rは請求項の範囲においてRとして表される残基である。
【化13】

【化14】

【0071】
結節点“b”の炭素原子がエステル又はニトリル官能基を有する場合、アセトニトリルからin−situで生じたアニオンでの反応により、相当するβ−ヒドロキシアクリロニトリルG11(反応工程式3)、又は、β−アミノアクリルニトリルG15(反応工程式4)をそれぞれ得る。これらの中間体を次に環化して、5員(又は6員)複素環アミン(G12)を含有する窒素原子を得て、次にそれをアミン−誘導生成物G13へ転化する(反応工程式3及び4)。あるいは、反応工程式5に示されるように、芳香族ハロゲン化物二環式核はHeck反応を介して、α,β−不飽和ニトリルを提供し、これを、ヒドラジン又はアミジンと反応させてジヒドロ−複素環を得て、更にこれを、酸化的芳香化して複素環アミンG12を得ることができる。
【化15】

【化16】

【0072】
a−ヒドロキシ又はa−アミノアクリロニトリル誘導体(それぞれG11及びG15)とヒドロキシアミンとの反応によりアミノ−イソキサゾール誘導体G18を得て、これが位置特異性を有して示される生成物G19となる(反応工程式6)。
【化17】

【化18】

【0073】
二環式エステル核の加水分解の後に、相当するカルボン酸を得る。多様な5員アゾール誘導体へのエントリーを提供する前記中間体の多用途を反応工程式7に示す。ワンポット(one pot)反応において、酸をアミノ−チアジアゾールへ転化することができる(G22,式中Z=S)。相当するヒドラジド(G23)を臭化シアンで処理することから、相当するアミノ−オキサジアゾール(G22,式中Z=O)を得ることができる。あるいは、酸G20をセミカルバジドと反応させて、中間体G21を得ることができ、これを5又は6員複素環アミンへ転化することができ、次にこれを官能化して、一般式Iにより包含される生成物を得る。
【化19】

【0074】
前記実施例において、結節点“a=N”に対して、ペリ位置換されたリンカーアームのうちの1つが導入されている。二環式核に存在する置換基の両方が炭素原子を介して結合している場合に、アリール基に結合したアミン及び官能化したアミン基部分を、前述の実施例のように導入することができる。自然状態において求電子性である二環式系のために、第2の炭素原子に結合したペリ置換基を導入して多用な置換基を提供し、そこでは、炭素結節点への結合点がヘテロ原子を介している。炭素原子への結合点が硫黄原子を介している化合物を反応工程式8に示す。チオールの高い求核性のために、例えばG24の核の使用により、第2のペリ置換基の導入が可能になる。チオエーテルリンカーの形成によって、スルホキシド又はスルホン誘導生成物のその後の発生、すなわち、スルフィド、スルホキシド又はスルホンリンカーを有するビアリール誘導類縁化合物の形成が可能になる。反応工程式9は変異を提供するので、反応工程式3及び4に記載の化学反応に対する類縁化合物がインプット試薬及び中間体の自由度を与え、従って、生成物が多様になる。
【0075】
求電子性反応を介するアシルフラグメント(R2基を有する)の導入を可能にする実施例を、反応工程式16に示した。このことは、G90及びG91で表される類縁化合物の調製を導く。G90及びG91中に存在するベンジルカルボニル基を、例えば、アルコール又はCHへの還元、オキシムなどの形成によって、更に誘導体化することができる。
【化20】

【化21】

【0076】
相当するアザ(又はオキサ)結合したアリール/ヘテロアリール/アルキル基(R1)を調製するために、G34由来のG37により示される、イサチンに関連する反応性中間体を利用することができる(反応工程式10)。反応工程式10に示されるように、中間体37は、多様なアザ結合した化合物へのアクセスを可能にする。前記化合物はすべて二環式核への炭素原子に結合した結合により誘導される。イサチン由来の中間体のその他の変異を反応工程式11に示す。このアプローチは、ペリ置換二環式化合物を与え、核になる二環式系の炭素原子及び窒素原子を介して結合する官能基へのアクセスを可能にする。加えて、R1及びR2で終わるペリ位の置換基から遠位にある反応性カルボニル基を含有する重要な中間体G48へのアクセスは、反応工程式11に概説される様々な化学反応の応用を可能にする。これらの化学反応(例えば、ケタール形成、カルボニル基への付加、及び、DASTとの反応)は、G47〜G52に示される多様な官能基を有する類縁化合物へのアクセスを提供する。反応工程式10及び11にある類縁化合物は、一方又は両方の環が非芳香族性の環を含有する二環式核へのアクセスを可能にする。
【化22】

【化23】

【0077】
上記に概説した合成経路は本質的にすべて、一般式Iで表される化合物を得るために適切に誘導体化される、二環式核を利用するものである。以下の化学反応は、二環式核の構成部分として少なくともペリ位のフラグメントの導入を可能にする。反応工程式12にある化学反応は、3成分縮合反応を含み、その場合、α,γ−ジケトエステル(G54)がアルデヒド及び第一級アミンと反応して、単環式生成物G63を生じる。生成物G63は、例えばヒドラジン(又は一置換ヒドラジン)と反応して、ペリ置換二環式核(この場合、G64に示されるように、5−5環系)を与え、これが次いで結局、類縁化合物G56になる。α,β−不飽和エステルを相当するα,β−不飽和ニトリルへ変換し(反応工程式5における以下の化学反応)、5員(又は6員)複素環系を提供し、これを、5:5二環式核と結合させて、G58により表される、一般式Iに包含される化合物を提供する。
【化24】

【0078】
二環式核の形成に関する化学反応のその他の例は、反応工程式13及び14で概説される。これらの例は、ベンズイミダゾールベースの核の合成を示す。ペリ置換系を調製するために、G61〜G62の工程で、R1基を位置特異的に導入し、反応工程式14において、望ましい位置特異的R1基の導入は、OからNへのアシル基移動に続くアミドの第二級アミンへの還元によって達成される。この場合、閉環もまた、G70のように、望ましいペリ置換基を与える。その後、反応工程式11に記載される一連の工程の後で、中間体G62及びG70を誘導体化し、望ましい生成物G64及びG71をそれぞれ提供する。
【化25】

【化26】

【0079】
望ましいペリ位官能基を有する二環式核形成に関する化学反応のもう一つの例を、反応工程式15に示す。ここで、環状配置γ−ケト酸G74とアミンとの熱環化反応が、所要の二環式中間体G75を与える。次に、臭素化によって、望ましい変異を有するモチーフへ転化するためのいくつかのルートを与える重要な中間体が提供される。Suzuki反応経路を使用することによってG77を提供することができる。あるいは、臭化ビニルを相当する三置換不飽和エステル又はニトリルへ転化させることができ、これを、反応工程式[Jasbir:what scheme should this be?]6及び7に概要が説明されている化学反応の後で誘導化して、G80、G79及びG81をそれぞれ提供する。これらの化学反応は、本質的に非芳香族環系の合成を可能にし、更に、(a)環が5員環である、二環式環系の形成を与える。(a)環は環化反応間で生じるが、(b)環のサイズが合成の最初の工程で環状ケトンを用いて制御され、こうして“5−N”二環式系の形成が可能になる。サイズに加えて、環状ケトンにおけるヘテロ原子の存在及び置換基が、柔軟性をも与える。更に、第三級基の種類を変えることもでき、これを環状ケトンの工程で導入し、その位置化学を支配して著しい制御が可能になる。X5/X8の位置はヘテロ原子であることができ、及び/又はなお追加の置換基を含有することができる。
【化27】

【0080】
反応工程式16は、反応工程式8及び9に記載のものと比較して、炭素原子結合した二環式ペリ置換基の代替置換パターンを提供する。二環式核のインドール型と、適当に置換されたエステル又は保護されたアミンを有する環状ケトンとの反応は、C3位置での置換基の導入を可能にする。エステル又はアミンの官能化あるいは誘導体化を実施して、非アリールペリ置換基(G87又はアシルスルホンアミドとしての誘導形態)を提供することができ、あるいは、最初に、芳香化を行い、その後にアミン/酸置換基を誘導体化して、一般式Iに包含されるペリ置換された、二環式アリールスルホンアミド、アミド、ホスホラミドなどを発生させる。
【化28】

【0081】
G10(式中R=アルキル基(例えば、Me))を2−ブロモ酢酸で脱炭酸反応して、α−ブロモケトンG89(X=Br)を提供する。G89を次にチオ尿素と反応させて、2−アミノチアゾールG90を得る。次に、アミノチアゾールG90を、前述のものと同様の方法により誘導体化してG91を得る。これらの反応の連続(ブロモ酢酸のジアニオン及びチオ尿素での反応)を、例えばG78(反応工程式15)のその他のビシクロ核由来のエステルへ適応して、更に合成された相当する2−アミノチアゾールを提供することができる。
【化29】

【0082】
G10(式中R=H(カルボン酸))を相当する酸塩化物へ変換し、次にそれをジアゾメタンと反応させて、ジアゾケトンG89(X=N2)を提供する。中間体G89をシアンアミドと反応させ、その後で、ヒドロキシルアミンと反応させて、3−アミノ−1,2,4−オキサジアゾールG92を得る。G92のアミノ基を次に誘導体化(例えば、塩化スルホニルと共に)してG93(スルホンアミド)を提供する。
【0083】
ブロモアセチルクロリドを使用して、α−ブロモケトン官能基を、インドール由来の核(例えば、G83)のC−3位置へ組み込むこともできる。得られるα−ブロモケトンをチオ尿素と反応させて、インドール環のC−3位置へ付加される4−(2−アミノチアゾール)[G91に類似した]。得られる化合物のアミノ官能基を、前記のように更に合成することができる。反応工程式17に記載の方法は、重要な誘導体としてのアミノ−複素環の多様な範囲を形成する追加例を示し、本発明の属に関する化合物を提供する。
【0084】
最後に、いくつかの適当に官能化した二環式核は市販品として入手可能であるか、又は、その合成法が公表された文献に記載されているか若しくは当業者により推測することができるかいずれかである。これらのうちのいくつかの例は、具体的な実施例の一部として記載される。これらのいくつかを以下に要約する。
【0085】
結節点の一つが窒素原子である二環式系に対して、インドール誘導体は、容易にアクセス可能な有用な核として役立つ。4−ブロモ及び4−ヒドロキシインドールは、市販品として入手可能である。7位を置換されたインドール(例えば、7−COR、7−アルコキシ、7−ベンジルオキシなど)は、適当に置換された2−ニトロトルエンから、Batcho−Leimgruber化学反応により製造することができる(Org Synthesis Co,Vol.7)。このアプローチは、官能基操作により、7−Me、7−CHO、7−CN、及び7−OHインドールへのアクセスをも与える。あるいは、7−ハロインドールは、2−ハロアニリンから、Bartoli化学反応(Bartoli,G.et.al.Tett.Letters,1989,30,2129−2132)によりアクセス可能である。更に様々な7−置換インドールを、Snieckusの手順[SnieckusV.et.al.Org Letters 2003,1899−1902]に従って、オルトメタル化(directed ortho metalation)によるインドールの選択的官能化によって調製することもできる。これらの多様なアプローチは、他の置換インドール誘導体へのアクセスをも与える。[6:6]ベースの核である8−ヒドロキシテトラヒドロキノリンは、市販品として入手可能な8−ヒドロキシキノリンから還元により得ることができる。8−OH−1H−キノリン−2−オン、8−OH−3,4ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン。2,6−ジヒドロキシアニリン又は関連複素環は、5−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、5−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−2,3−ジオン、4−ヒドロキシ−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン、二環式誘導体に変換することができる。インドールベースの1,7−二置換又は3,4−二置換ビシクロ類縁化合物の酸化は、相当するオキシインドール誘導体を与える。様々なアニリンを、文献の手順を用いてイサチン類縁化合物に変換することができ、これらの例は、以下の具体的な実施例の項に記載される。一連の[5:5]ビシクロ核(例えば、イミダゾチアゾール及びピロロピラゾロン)の合成は、具体的な実施例に記載される。[6:5]ビシクロ核の多様な群はまた、核の合成の文献、例えばイミダゾピリジン及びイミダゾピリミジン[Katritzky A.R.et.al.JOC 2003,68,4935−37]、ピロロピリミド(pyrrolopyrimides)[Norman M.et.al.JMC 2000,43,4288−4312]に類似の方法で得ることもできる。次いで、これらの様々なビシクロ核を誘導体化して、一般式Iで表される類縁化合物を得ることができる。
【0086】
全体として、前記化学反応の範囲は、効力のあるプロスタノイドアンタゴニスト/アゴニストの製造を可能にする。この化学反応は、核構造の操作と最適官能基の導入を可能にし、望ましい疎水性/親水性バランスを与える;それは、望ましい位相学での、水素結合ドナー及びアクセプターの導入を可能にし;そして、それは、望ましい医薬特性及びADME特性(例えば、膜透過性、低血漿タンパク質結合、望ましい代謝プロフィールなど)を達成するのに適した望ましい物理的特性の調整を可能にする。生理化学的特性を調整する能力は、経口生体利用率に適した製剤を可能にし、それが今度は、望ましい薬理学的応答を達成するために哺乳動物に投与する投与量のサイズと頻度とを支配する制御を可能にする。代謝プロフィールを調整する能力は、薬物−薬物相互作用の可能性を最小限に抑えることを可能にする。従って、本発明の範囲は、研究のための有用なツールである適切なアイソザイム選択性を有する効力のあるプロスタノイドアンタゴニストの製造を提供するだけでなく、治療において価値のある化合物をも提供するものである。
【0087】
表1に示される以下の特定の非制限実施例は、本発明を例証するものである。表1の全体において、C(=O)であるB47以外は、‘X1’=CHであり;CHであるB43、B44,B45以外には、‘X2’がない;‘g’=C;NであるB02以外では‘h’=Cであり;‘b’及び‘d’=Cである。
【0088】
【表1】





【0089】
《実施例1:B01の調製》
(4−ブロモ−1H−インド−ル−3−イル)−ナフタレン−2−イル−メタノン、I−1、の合成:4−ブロモインド−ル(5g、25.5mmol)の無水塩化メチレン溶液(100mL)に、MeMgBr(3Mエ−テル溶液、8.95mL、26.7mmol)を20℃で滴下しながら加えた。わずかな発熱が観察された(観察された最高温度は28°Cであった)。得られたオレンジ色の溶液は室温にて10分間攪拌し、次いでZnCl(1Mエ−テル溶液、76.5mL、76.5mmol)を添加ロ−トにより加えた。反応混合物は30分間攪拌した。塩化ナフトイル(5.1g、26.7mmol)の塩化メチレン(25mL)溶液を加えたところ、オレンジから暗赤色への色の変化が認められた。得られた混合物は室温にて一夜攪拌した。TLC(EtOAc/ヘキサン、1:2)により反応終了を確認したのち、飽和NHCl(100mL)により混合物をクエンチした。得られた懸濁液を15分間攪拌した。得られた固体は濾過したのちに、塩化メチレンで数回洗った。濾液は飽和NHCl、水、ブラインで洗い、乾燥(MgSO)、濾過し、真空濃縮した結果粗生成物(7g)が得られた。固体は10%HCl水溶液に入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層は水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果500mgの粗生成物が得られた。一緒に合わせた粗生成物(7.5g)はMTBE(15mL)で洗い、上澄みの溶媒を除き、固体はMTBE/ヘキサン、1:1(10mL)、に懸濁し、濾過した結果4.61gの純粋な題記の化合物が得られた。濾液を濃縮し残渣を、酢酸エチル/ヘキサン勾配を溶出液に用いた(1:3から1:1)カラム・クロマトグラフィ−(SiO)により精製した結果、2gの純粋な題記の化合物、I−1、が合計6.61g(収率74%)得られた。H NMR (400 MHz,CDCl3)で構造を確認した。
【0090】
(4−ブロモ−1−メチル−1H−インド−ル−3−イル)−ナフタレ−2−イル−メタノン、I−2、の合成:ヨ−ドメタン(4.55g、32mmol、2当量)を攪拌中のI−1(5.55g、15.9mmol、1当量)及びKCO(5.48g、39.6mmol、2.5当量)のアセトン(110mL)溶液に加えた。反応混合物は、室温にて一夜攪拌した。反応混合物を濃縮し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層は水(50mL)、ブライン(50mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、5.45g(94%)の題記の化合物、I−2、が褐色の油として得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)構造確認。
【0091】
4−ブロモ−1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル、I−3、の合成:1MのBHTHF(16.3mL、16.3mmol、3.3当量)のTHF溶液を15分間かけて攪拌中のI−2(1.8g、4.9mmol、1当量)の0℃のTHF溶液(48mL)に加え、ゆっくり室温まで温めた。次いで反応混合物を室温にて一夜攪拌した。MeOH(3mL)を5分間かけて滴下しながら加え、次いでMeOH(50mL)を追加した。溶媒は真空蒸発させ、さらにMeOH(50mL)を加えて真空蒸発させた。この操作を二度繰り返した結果2gの黄色の油が得られた。油はCHCl/ヘキサン、1:4(8mL)、に40℃で溶かし、室温まで冷やし、CHCl/ヘキサン勾配(1:4から1:1)を溶出液に用いたSiO(27g)のクロマトグラフィ−により精製した結果、I−3(1.04g、60%)が得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0092】
1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−カルボニトリル、I−4、の合成:I−3(200mg、0.571mmol、1当量)及びシアン化銅(I)(153mg、1.713mmol、3当量)の無水ジメチルアセトアミド溶液(0.83mL)はアルゴンにより15分間室温にて脱気し、2時間密封したバイアルの中にて210℃で加熱した。水及び酢酸エチル(それぞれ4mL)を二度加え、得られた懸濁液はセライト(Celite)を通して濾過した。残渣は酢酸エチル(2mL)で二度洗い、濾過した。有機層は分離し、水(4x4mL)、ブライン(4mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した結果、I−4(167mg、99%)、が褐色の油として得られ、これは放置することで結晶化させた。R 0.42(EtOAc/hexanes,1:3).MS(ESI):296(M−1),H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0093】
3−アミノ−3−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−アクリロニトリル、I−5、の合成:n−BuLi(1.6M、1.7mL、2.7mmol、10当量)のヘキサン溶液をI−4(80mg、0.27mmol、1当量)の無水アセトニトリル(111mg、2.7mmol、10当量)/THF(2mL)の−78℃の溶液に滴下しながら加えた。反応混合物は室温まで温め、1.5時間攪拌した。次いで反応物を飽和NHClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗い、蒸発させた結果粗生成物I−5(186mg)が暗褐色の油として得られた。R=0.52(EtOAc/hexanes,1:1).MS(AP):338(M+1).H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0094】
3−ヒドロキシ−3−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−アクリロニトリル、I−6、の合成。粗生成物I−5(186mg)のCHCl(2mL)溶液を10%HCl水溶液(2mL)と一緒に室温にて一夜攪拌した。有機層を分離し、セライトを通して濾過し、CHCl(2mL)で洗った。濾液を濃縮した結果、粗生成物I−6(106mg、定量的)が暗褐色の油として得られた。R=0.73(EtOAc/hexanes,1:1).MS(AP):338(M+1).H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0095】
5−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−1H−ピラゾ−ル−3−イルアミン、I−7、の合成。I−6(46mg、0.136mmol、1当量)及びヒドラジン水和物(68mg、1.36mmol、10当量)のエタノ−ル溶液(0.3mL)を100℃で一夜、次いで120℃で2時間加熱した。反応混合物は飽和NHClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗い、真空蒸発させた結果46mgの粗生成物が得られた。残渣はSiO(1g)のクロマトグラフィ−にかけて、酢酸エチル/ヘキサン勾配(1:4、1:3、1:1)、次いで純粋な酢酸エチルで溶出した結果、I−7(10mg、46%)が黄色の油として得られた。R=0.19(EtOAc).MS(AP):353(M+1).H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0096】
4、5−ジクロロ−チオフェン−2−硫酸[5−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−1H−ピラゾ−ル−3−イル]−アミド、B01、及び1−(4、5−ジクロロ−チオフェン−2−スルホニル)−5−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−1H−ピラゾ−ル−3−イルアミン、B02、の合成:I−7(12mg、0.034mmol、1当量)、2、3−ジクロロチオフェン−5−塩化スルホニル(8.6mg、0.034mmol、1当量)及びDMAP(0.2mg、0.0017mmol、0.05当量)のピリジン溶液(0.2mL)を室温にて1時間攪拌した。次いで反応物を10%HCl水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥した。溶液を真空濃縮した結果、スルホンアミド(23mg)の粗混合物が赤色の固体として得られた。この粗生成物は前記の反応で得られた粗生成物(9mg;7mg、0.02mmolのI−7の反応から得られた)と合わせた。一緒に合わせた粗混合物はSiO(2g)のクロマトグラフィ−にかけて、酢酸エチル/ヘキサン勾配(1:4から1:1)で溶出した結果、極性の少ないB02(6.7mg、22%)がオレンジ色の固体として得られた;R=0.26(EtOAc/hexanes,1:3);LC−MS(80%):ESI計算値567(M)実測値:568.9(M+1).H NMR(CDCl)3.72(s,3H),4.05(s,2H),4.70(br s,2H),5.29(s,1H),6.65(br s,1H),7.04(dd,J=8.8,0.8 Hz,1H),7.15(dd,J=8.8,2.0 Hz,1H),7.21(dd,J=8.0,7.2 Hz,1H),7.34(dd,J=8.4,1.2 Hz),7.35−7.42(m,3H),7.61(s,1H),7.66(d,J=8.4 Hz,1H),7.70−7.73(m,1H),7.75−7.78(m,1H),and B01(8mg,26%)as a red solid;R=0.41(EtOAc/hexanes,1:1);LC−MS(92%):ESI計算値566(M)実測値:567.3(M+1).H NMR(CDCl)3.72(s,3H),3.86(s,2H),6.47(s,1H),6.65(br s,1H),7.05(dd,J=7.2,0.8 Hz,1H),7.10(dd,J=8.8,2.0 Hz,1H),7.22(s,1H),7.25(d,J=8.0 Hz,1H),7.27(d,J=8.8 Hz,1H),7.34(br s,1H),7.36−7.41(m,3H),7.62−7.66(m,2H),7.73(dd,J=6.8,2.8 Hz,1H).
【0097】
《実施例2:B03の調製》
3−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−フェニルアミン、I−8、の合成。I−3(175mg、0.5mmol、1当量)、3−アミノベンゼンボロン酸水和物(103mg、0.75mmol、1.5当量)、水酸化バリウム(103mg、0.75mmol、1.5当量)及びテトラキストリフェニルホスヒン・パラジウム(58mg、0.05mmol、0.1当量)混合物のDME−HO(1:1、7.2mL)溶液を110℃で4時間、密封したバイアル中で加熱した。テトラキストリフェニルホスヒン・パラジウム(25mg、0.022mmol、0.4当量)及び炭酸セシウム(160mg、0.5mmol、1当量)を加え、反応物はさらに110°Cで3時間加熱した。テトラキストリフェニルホスヒン・パラジウム(58mg、0.05mmol、0.1当量)を加え、反応物は120℃で3時間加熱した。反応物は水/EtOAc(1:1)に分離し、水層をEtOAcで抽出した。有機層は小型SiO−セライトカラムで濾過した結果、0.32gの粗生成物が油として得られた。粗生成物をCHCl/ヘキサン勾配(1:3から2:3)を溶出液に用いたSiO(5g)のクロマトグラフィ−で精製した結果113mg(黄色固体として)が粗生成物として得られたが、これはTLC(EtOAc/ヘキサン、1:3)の結果から二つのスポットを含むことが分かっている。この粗生成物をMTBE(3mL)に溶かしてから、不純物はヘキサン(〜6mL)を加えて沈殿させた。混合物を−20℃に冷やして、不純物は濾過・除去した。母液を濃縮した結果I−8(64mg、35%)が黄色の結晶として得られた。R=0.17(EtOAc/hexanes,1:3);LC−MS(ESI):364(M+1)(95%).H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0098】
4、5−ジクロロ−チオフェン−2−スルホン酸[3−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−フェニル]−アミド、B03、の合成:I−8(20mg、0.055mmol、1当量)、2、3−ジクロロチオフェン−5−塩化スルホニル(14mg、0.055mmol、1当量)及びDMAP(0.3mg、0.0028mmol、0.05当量)のピリジン溶液(0.2mL)を室温にて2時間攪拌した。次いで反応物は10%HCl水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層は水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥した。溶液は濾過、真空濃縮した結果粗生成物(35mg)が赤色の油性固体として得られた。粗生成物をSiO(1g)のクロマトグラフィ−にかけて、酢酸エチル/ヘキサン勾配(3:17から1:1)で溶出して精製した結果B03(13mg、41%)が白色の泡として得られた。R=0.30(EtOAc/hexanes,1:3).LC−MS(92%):ESI計算値576(M)実測値:577.3(M−1).H−NMR(400 MHz,CDCl)3.74(s,2H),3.78(s,3H),6.03(br s,1H),6.76(s,1H),6.78(m,1H),6.83(dd,J=6.4,1.2 Hz,1H),7.01(dd,J=8.4,1.6 Hz,1H),7.07(s,1H),7.15(m,1H),7.18(m,1H),7.20(m,1H),7.25(m,1H),7.34(dd,J=6.4,0.8 Hz,1H),7.41−7.44(m,2H),7.63(m,1H),7.65(d,J=7.6,1H),7.79(m,1H).
【0099】
《実施例3:B04の調製》
4−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−フェニルアミン、I−9、の合成。I−3(175mg、0.5mmol、1当量)、4−(4、4、5、5−テトラメチル)−1、3、2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(164mg、0.75mmol、1.5当量)、テトラキストリフェニルホスヒン・パラジウム(58mg、0.05mmol、0.1当量)及び炭酸セシウム(244mg、0.75mmol、1.5当量)混合物のDME溶液(3.8mL)を120℃で3時間、密封したバイアルの中で加熱した。冷やした反応混合物は酢酸エチルで希釈し、小型SiO−セライトカラムを通して濾過した結果、0.34gの粗生成物が油として得られた。粗生成物はCHCl/ヘキサン勾配(1:3から1:1)を用いたSiO(2g)のクロマトグラフィ−にかけて精製した結果、I−9(88mg、49%)が白色の泡状の固体として得られた。R=0.22(EtOAc/hexanes,1:3);LC−MS(ESI):364(M+1)(96%).H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0100】
4、5−ジクロロ−チオフェン−2−スルホン酸[4−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−フェニル]−アミド、B04、の合成。I−9(20mg、0.055mmol、1当量)、2、3−ジクロロチオフェン−5−塩化スルホニル(14mg、0.055mmol、1当量)及びDMAP(0.3mg、0.0028mmol、0.05当量)のピリジン溶液(0.2mL)を室温にて2時間攪拌した。反応物は10%HCl水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層は水、ブラインで洗い、次いでMgSOで乾燥した。溶液を濾過し、真空濃縮した結果、粗生成物(39mg)が桃色の油として得られた。粗生成物はSiO(1g)のクロマトグラフィ−にかけ、酢酸エチル/ヘキサン、1:8、で溶出して精製した結果B04(8mg、25%)が、灰色がかった白い泡状の固体として得られた。R=0.30(EtOAc/hexanes,1:3).H−NMR(400 MHz,CDCl)3.72(s,2H),3.75(s,3H),6.54(br s,1H),6.66(s,1H),6.91(dd,J=7.2,1.2 Hz,1H),7.00−7.05(m,2H),7.05(s,1H),7.23(s,1H),7.24−7.28(m,3H),7.29(m,1H),7.33(dd,J=7.2,1.2 Hz,1H),7.40(m,2H),7.60(d,J=8.4 Hz,1H),7.61−7.7.64(m,1H),7.74−7.76(m,1H).LC−MS(89%):ESI計算値576(M)実測値:577.3(M−1).
【0101】
《実施例4:B17の調製》
N−[4−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−フェニル]−アセトアミド、B17、の合成。アリルアミンI−9(0.06mmol)のTHF溶液(0.2mL)にトリエチルアミン(2当量)、次いで2当量の無水酢酸を0℃で加えた。反応混合物を室温にて4時間攪拌した。反応混合物は真空濃縮し、酢酸エチルにより希釈したのちに10%HCl水溶液で洗った。有機層を分離し、水、ブラインで洗い、乾燥した結果粗生成物が得られた。この物質をカラム・クロマトグラフィ−で精製した結果、N−アセチル生成物、B17、が73%の収率で得られた。H NMR(CDCl)2.2(s,3H),3.73(s,3H),3.78(s,2H),6.62(s,1H),6.91(dd,J=6.8,1.2 Hz,1H),7.06(dd,J=8.4,1.6 Hz,1H),7.13(br s,1H),7.21−7.31(m,4H),7.29(s,1H),7.37−7.41(m,4H),7.61(d,J=8.4,1H),7.64−7.65(m,1H),7.73−7.75(m,1H).LCMS(APCI):405(M+1),94%.
【0102】
《実施例5:B18の調製
2、2、2−トリフルオロ−N−[4−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−フェニル]−アセトアミド、B18、の合成。アリルアミンI−9(0.06mmol)のTHF溶液(0.2mL)にトリエチルアミン(2当量)及び2当量の無水トリフルオロ酢酸を0℃で加えた。反応混合物を室温にて4時間攪拌した。反応混合物は真空濃縮し、酢酸エチルで希釈し、10%HCl水溶液で洗った。有機層を分離し、水、ブラインで洗い、乾燥、濾過し、真空濃縮した結果、粗生成物が得られた。この粗生成物をカラム・クロマトグラフィ−で精製した結果、N−トリフルオロアセチル生成物が51%の収率で得られた。 H NMR(CDCl)1.25(s,3H),3.77(s,3H),3.79(s,2H),6.71(s,1H),6.89(dd,J=6.4,0.8 Hz,1H),7(dd,J=8.4,1.2 Hz,1H),7.2(br s,1H),7.23−7.27(m,3H),7.29(s,1H),7.33−7.39(m,4H),7.57−7.6(m,2H),7.73−7.76(m,2H).LCMS(APCI):457(M−1),100%.
【0103】
《実施例6:B05の調製》
N−[4−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−フェニル]−メタンスルホンアミド、B05、の合成。I−9(50mg、0.138mmol)の0℃に冷やしたピリジン溶液(0.25mL)に塩化メタンスルホニル(31.6mg、2当量)を加えた。反応混合物を室温にて3時間攪拌した。反応混合物を真空濃縮し、10%HCl水溶液を加え、水層を酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、乾燥(MgSO)、濾過、そして真空濃縮した結果、粗生成物が得られた。粗生成物をカラム・クロマトグラフィ−にかけ、酢酸エチル/ヘキサン(1:4)で溶出して精製した結果、57mgの生成物、B05、が93.7%の収率で得られた。H NMR(CDCl)2.99(s,3H),3.76(s,3H),3.8(s,2H),6.54(br s,1H),6.7(s,1H),6.9(dd,J=7.2,0.8 Hz,1H),7.02(dd,J=8.4,1.6 Hz,1H),7.08(dd,J=8.4,2 Hz,2H),7.21(br s,1H),7.25−7.27(m,1H),7.28(dd,J=8.4,2 Hz,2H),7.33(dd,J=8.4,1.2 Hz,1H),7.37−7.4(m,2H),7.6(d,J=8.4 Hz,1H),7.62−7.65(m,1H),7.73−7.75(m,1H).LCMS(APCI−):439(M−1),100%.
【0104】
《実施例7:B08の調製》
C、C、C−トリフルオロ−N−[4−(1−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−4−イル)−フェニル]−メタンスルホンアミド、B08、の合成。I−9(50mg、0.138mmol)及びトリエチルアミン(14mg、2当量)の−78℃に冷やした塩化メチレン溶液(0.25mL)に無水トリフリック酸(58mg、1.5当量)の塩化メチレン溶液(0.25mL)を滴下しながら加えた。反応混合物をゆっくり室温まで温めて、4時間攪拌した。反応物は10%HCl水溶液でクエンチし、酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、乾燥し(MgSO)、濾過、真空濃縮した。粗生成物をたカラム・クロマトグラフィ−にかけ、酢酸エチル/ヘキサン(1:9)で溶出して精製した結果、40mgの生成物、B08、が58.8%の収率で得られた。 H NMR(CDCl)3.76(s,2H),3.78(s,3H),6.64(br s,1H),6.75(s,1H),6.88(dd,J=6.8,1.2 Hz,1H),6.97(dd,J=8.4,1.6 Hz,1H),7.1(dd,J=6.4,1.6 Hz,1H),7.22(br s,1H),7.25−7.27(m,3H),7.34(dd,J=8.4,1.2 Hz,1H),7.36−7.4(m,3H),7.59(d,J=8,1H),7.61−7.63(m,1H),7.73−7.76(m,1H).LCMS(APCI):494(M−1),100%.
【0105】
《実施例8:B10の調製》
7−ブロモ−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル、I−10、の合成:この化合物は既知の方法で調製された(Dobbs,A.,J.Org.Chem.,66,638−641(2001))。
【0106】
7−ブロモ−1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル、I−11、の合成:NaH(鉱油中60%、526mg、13.15mmol、1.5当量)をI−10(2g、8.77mmol、1当量)の−10℃のDMF溶液(30mL)に加えた。反応混合物を室温まで温めて、30分間攪拌した。2、4−塩化ジクロロベンジル(2.06g、10.52mmol、1.2当量)のDMF溶液(10mL)を2.5分間に渡り−10℃で加えた。反応混合物を室温まで温め、1時間攪拌した。反応混合物は攪拌中の10%HCl水溶液/水/エ−テル(1:1:2、40mL)の混合物に加えた。水層をエ−テル(2x10mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水(3x75mL)、ブライン(75mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した結果、粗生成物が褐色の固体として得られた。エ−テル(4mL)を粗生成物に加え、得られた懸濁液を−78℃に冷やした後に、濾過した結果、I−11(2.49g、73%)が、灰色がかった白い固体として得られた。R=0.70(EtOAc/hexanes,1:5).H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0107】
1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−カルボン酸エチルエステル、I−12、の合成。n−BuLi(ヘキサン中1.6M、0.97mL、1.55mmol、1.5当量)を7分間かけてアルゴン気相下で、I−11(400mg、1.03mmol、1当量)の−78℃のエ−テル溶液(7mL)に加えた。反応混合物を−78℃でさらに30分間攪拌した。次いでクロロギ酸エチル(0.2mL、2.07mmol、2当量)をゆっくりと反応混合物に加え、室温まで温め(水浴)室温にて30分間攪拌した。反応混合物は10%HCl水溶液(5mL)でクエンチした。有機層を水(2´10mL)、ブライン(10mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した結果、I−12(386mg、98%)が褐色の油として得られた。R=0.45(EtOAc/hexanes,1:19).MS(AP):380,382(M+1).H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0108】
1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−カルボン酸ヒドラジッド、I−13、の合成。I−12(114mg、0.3mmol、1当量)及びヒドラジン(0.1mL、1.5mmol、10当量)のエタノ−ル溶液(0.5mL)を密封したバイアルの中で120℃で一夜加熱した。反応混合物は10%HCl水溶液を用い、0℃でクエンチし、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した結果、粗生成物(100mg)が得られた。粗生成物をMTBEとともに摩砕した結果、純粋なI−13(72mg、66%)がベ−ジュ色の固体として得られた。R=0.52(EtOAc/ヘキサン、1:1)。MS(AP):366、368(M+1)。R=0.52(EtOAc/hexanes,1:1).MS(AP):366,368(M+1).H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0109】
5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イルアミン、I−14、の合成。重炭酸ナトリウム(16mg、0.188mmol、1当量)の水溶液(0.45mL)をI−13(69mg、0.18mmol、1当量)のジオキサン溶液(0.5mL)に室温で加え、5分間攪拌した結果懸濁液が得られた。臭化シアン(20mg、0.184mmol、1.02当量)を室温で加え、反応混合物を室温にて2時間攪拌した。ヘキサン(2mL)を加え、懸濁液を濾過した結果I−14(54mg、73%)がベ−ジュ色の固体として得られた。R=0.45(EtOAc/hexanes,1:1).LC−MS(ESI):391,393(M+1)(97%).H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0110】
N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−2、2、2−トリフルオロ−アセトアミド、B−10、の合成。無水トリフルオロ酢酸(13mg、0.061mmol、1.5当量)を−78℃のI−14(15mg、0.041mmol、1当量)のトリエチルアミン(8mg、0.082mmol、2当量)/塩化メチレン懸濁液(0.2mL)に加えた。反応混合物は室温にて10分間温めた。次いで反応混合物を10%HCl水溶液でクエンチし、塩化メチレンで抽出した。有機層を水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した結果、B10(17mg、91%)が黄色の固体として得られた。R=0.17(EtOAc/hexanes,1:1).H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.24(s,3H),5.60(s,2H),6.04(d,J=8.4 Hz,1H),7.20(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.34(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),7.46(br s,1H),7.48(d,J=2.0 Hz,1H),7.74(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H).LC−MS(90%):ESI計算値486(M)実測値:485.4(M−1).
【0111】
《実施例9:B11の調製》
N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−メタンスルホンアミド、B11、の合成。メタン塩化スルホニル(13mg、9μL、0.11mmol、2当量)をI−14(22mg、0.056mmol、1当量)のピリジン溶液(0.2mL)に、室温にて加えた。反応混合物は室温にて一夜攪拌し、次いで70℃で2時間加熱した。反応混合物は10%HCl水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した。得られた油はSiO(0.5g)のクロマトグラフィ−にかけて、酢酸エチル/ヘキサン勾配(1:3から1:1)で、次いで純粋な酢酸エチルで溶出した結果、B11(6.8mg、26%)がオレンジ色の固体として得られた。R=0.24(EtOAc).H−NMR(400 MHz,CDCl)2.05(s,3H),3.11(s,3H),5.60(s,2H),6.07(d,J=8.4 Hz,1H),7.00(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.01(s,1H),7.27(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.40(d,J=2.0 Hz,1H),7.50(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H).LC−MS(96%):ESI計算値470(M)実測値:469.2(M−1).
【0112】
《実施例10:B12の調製》
N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−2、4、5−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、B12、の合成。2、4、5−トリフルオロベンゼン塩化スルホニル(92mg、0.4mmol、4当量)のピリジン溶液(0.3mL)を、I−14(39mg、0.1mmol、1当量)およびDMAP(49mg、0.4mmol、4当量)の混合物に、室温にて加えた。反応混合物は90℃で2時間加熱した。次いで反応混合物は10%HCl水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した。得られた油はSiO(0.5g)のクロマトグラフィ−にかけて、CHClで溶出した結果、B12(10mg、17%)が黄色の油として得られた。R=0.40(EtOAc).H−NMR(400 MHz,CDCl)2.34(d,J=1.2 Hz,3H),5.64(s,2H),6.05(d,J=8.4 Hz,1H),6.97(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.03(s,1H),7.08(m,1H),7.29(dd,J=9.6,2.4 Hz,1H),7.35(d,J=2.0 Hz,1H),7.51(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.86(m,1H).LC−MS(95%):ESI計算値586(M)実測値:585.1(M−1).
【0113】
《実施例11:B13の調製》
4、5−ジクロロ−チオフェン−2−スルホン酸{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−アミド、B13、の合成。2、3−ジクロロチオフェン−5−塩化スルホニル(75mg、0.3mmol、3当量)のピリジン溶液(0.20mL)をI−14(39mg、0.1mmol、1当量)/DMAP(37mg、0.3mmol、3当量)のピリジン溶液(0.15mL)に室温にて加えた。反応混合物は70℃で2時間加熱した。次いで反応混合物は10% HCl水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した。得られた油はSiO(1g)のクロマトグラフィ−にかけ、CHClで溶出した結果、B13(17mg、27%)が白色の固体として得られた。R=0.38(EtOAc).
H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.30(d,J=0.8 Hz,3H),5.59(d,J=0.4 Hz,2H),5.92(d,J=8.4 Hz,1H),7.15(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.24(dd,J=9.6,2.0 Hz,1H),7.27(m,1H),7.45(br s,1H),7.70(dd,J=8.4,2.8 Hz,1H),7.71(s,1H).LC−MS(96%):ESI計算値606(M)実測値:605.4(M−1).
【0114】
《実施例12:B06の調製》
7−ブロモ−1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル、I−15、の合成。NaH(鉱油中60%、263mg、10.5mmol、1.5当量)のDMF懸濁液(20mL)に−10℃の7−ブロモ−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル、I−10(1g、4.38mmol、1当量)を加えた。反応混合物を室温に温めて、30分間攪拌した。3、4−ジフルオロ臭化ベンジル(0.95g、4.6mmol、1.05当量)を2.5分間かけて−10℃で加えた。反応混合物は室温まで温めて1時間攪拌した。反応混合物を10%HCl水溶液/水/エ−テル(1:1:2、40mL)の撹拌中の溶液にくわえた。層を分離し、水層はエ−テル(2x20mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層は水(3x75mL)、ブライン(25mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した結果、粗生成物が褐色の油として得られた。粗生成物をカラム・クロマトグラフィ−にかけ、酢酸エチル/ヘキサン(2.5%)で溶出し精製した結果、1.4gのI−15が90%の収率で得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0115】
4−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−フェニルアミン、I−16、の合成。I−15(345mg、0.974mmol)、4−(4、4、5、5−テトラメチル)−1、3、2−ジオキサボラン−2−イル)アニリン(320mg、1.46mmol)、テトラキストリフェニルホスヒン・パラジウム(60mg、0.048mmol)及び炭酸セシウム(476mg、1.46mmol)の混合物のDMF溶液(4mL)を密封したバイアル中で、120℃で3時間加熱した。反応混合物は室温に冷やし、水及びEtOAcの層に分離した。水層はEtOAc(2x20mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、乾燥(MgSO4)、濃縮した。粗生成物は10%−20%EtOAc/ヘキサン混合溶媒によるSiOのクロマトグラフィ−にかけた結果、I−16(180mg、収率50.6%)が白色の泡として得られた。
H−NMR(400 MHz,CDCl),2.31(s,3H),3.75(br s,2H),4.86(s,2H),6.19−6.22(m,1H),6.27−6.32(m,1H),6.59(dd,J=8.4,2 Hz,2H),6.71(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),6.85(s,1H),6.88−6.91(m,1H),6.94(dd,J=8.4,2 Hz,2H),7.17(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H).
LCMS(ESI):367(M+1),91%.
【0116】
N−{4−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−フェニル}−メタンスルホンアミド、B06、の合成。I−16(50mg、0.136mmol)の0℃のピリジン溶液(0.25mL)に、メタン塩化スルホニル(31.3mg、2当量)を加えた。反応混合物を室温にて3時間攪拌した。反応混合物は真空濃縮し、10%HCl水溶液を加え、次いで水層を酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、乾燥し(MgSO)、濾過、真空濃縮した。粗生成物はカラム・クロマトグラフィ−にかけ、酢酸エチル/ヘキサン(1:4)で溶出し精製した結果、57mgのB06(収率50%)が得られた。 H−NMR(400 MHz,CDCl),2.32(s,3H),3.1(s,3H),4.83(s,2H),6.1−6.13(m,1H),6.16−6.21(m,1H),6.5(br s,1H),6.69(dd,J=9.6,2.4 Hz,1H),6.84−6.91(m,2H),7.1−7.14(m,overlap,4H),7.23(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H).LCMS(ESI−):443(M−1),97%.
【0117】
《実施例13:B07の調製》
N−{4−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−フェニル}−C、C、C−トリフルオロ−メタンスルホンアミド、B07、の合成。I−16(63mg、0.172mmol)及びトリエチルアミン(35mg、2当量)の、−78℃の塩化メチレン溶液(0.7mL)に、無水トリフリック酸(48.5mg、1.5当量)の塩化メチレン溶液(0.25mL)を滴下しながら加えた。反応混合物はゆっくり室温まで温めて4時間攪拌した。反応物は10%HCl水溶液でクエンチし、酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、乾燥し(MgSO)、濾過、真空濃縮した。粗生成物はカラム・クロマトグラフィ−にかけ、酢酸エチル/ヘキサン(1:9)で溶出して精製した結果、40mgの生成物、B07、が収率36.5%で得られた。 H−NMR(400 MHz,CDCl),2.34(s,3H),4.8(s,2H),6.05−6.06(m,1H),6.1−6.15(m,1H),6.69(dd,J=9.2,2.4 Hz,1H),6.83−6.89(m,2H),6.91(s,1H),7.12−7.2(m,4H),7.25(dd,J=9.2,2.4 Hz,1H).LCMS(APCI):497(M−1),97%.
【0118】
《実施例14:B14の調製》
1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−カルボニトリル、I−17、の合成。I−15(1.1g、3.106mmol、1当量)及びシアン化銅(I)(834mg、9.32mmol、3当量)の無水ジメチルアセトアミド溶液(3.5mL)はアルゴンで15分間室温にて脱気し、次いで密封したバイアルの中で210℃で1.5時間加熱した。水及びEtOAc(それぞれ30mL)を加え、混合物を濾過した。残渣を酢酸エチルで洗った。有機層を分離し、水(3x50mL)、ブライン(30mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、I−17(903mg、97%)が固体の化合物として得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0119】
(Z)−3−アミノ−3−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−アクリロニトリル、I−18、の合成。n−BuLi(1.6M、5.8mL、9.324mmol、4当量)を、−78℃のジイソプロピルアミン(1.3ml、9.324mmol、4当量)の無水THF溶液(4mL)に滴下しながら加えた。I−17の無水アセトニトリル(0.49mL)/THF(1.8mL)溶液を加えた。反応混合物は室温まで温めて、1.5時間攪拌した。反応物は飽和NHCl水溶液(20mL)でクエンチし、酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機層はブラインで洗い、乾燥、真空濃縮した結果粗生成物、I−18(754mg)が暗褐色の油として得られたが、これは室温に放置することで結晶化させた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0120】
5−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−2−メチル−2H−ピラゾ−ル−3−イルアミン、I−19、の合成。I−18(150mg、0.438mmol)のイソプロパノ−ル(0.2mL)/酢酸(0.2mL)混合溶液にメチルヒドラジン(100mg、0.115ml、2.19mmol、5当量)を室温にて加えた。反応混合物を100℃で一夜加熱した。反応混合物を真空濃縮し、水と酢酸エチル層に分離した。有機層を水、ブラインで洗い、乾燥(MgSO)、濾過、そして真空濃縮した結果、100mgの粗生成物が得られた。シリカゲルのカラム・クロマトグラフィ−にかけ、塩化メチレンで溶出し精製した結果、40mgのI−19が、収率25%で得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0121】
N−{5−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−2−メチル−2H−ピラゾ−ル−3−イル}−メタンスルホンアミド、B14、の合成。I−19(18mg、0.048mmol)のピリジンとの混合物(0.1mL)にメタン塩化スルホニル(12mg、2当量)を0℃で加えた。混合物を室温にて2時間攪拌し、次いで60℃で6時間加熱した。反応混合物は真空濃縮し、酢酸エチル(10mL)で希釈した。有機層を10%HCl水溶液(2mL)、水、ブラインで洗い、乾燥し(MgSO)、濾過、真空濃縮した結果、20mgの粗生成物が得られた。粗生成物をエ−テル/ヘキサン(2:1)混合物と一緒に摩砕し、濾過した結果、14mgのB14が得られた。 H NMR(CDCl)2.32(s,3H),2.99(s,3H),3.92(s,3H),5.29(s,2H),6.07(s,1H),6.13(br s,1H),6.27−6.32(m,1H),6.32−6.36(m,1H),6.83(dd,J=9.6,2.4 Hz,1H),6.9(dd,J=8.4,2 Hz,1H),6.95(s,1H),7.25(dd,J=8.8,2.8 Hz,1 H).LCMS(ESI−):448(M−1),89%.
【0122】
《実施例15:B15の調製》
4、5−ジクロロ−チオフェン−2−スルホン酸{5−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−2−メチル−2H−ピラゾ−ル−3−イル}−アミド、B15、の合成。I−19(15mg、0.04mmol)及び2、3−ジクロロチオフェン−5−塩化スルホニル(12.2mg、0.048mmol)混合物のピリジン溶液(0.1mL)を60℃で一夜加熱した。TLC分析によれば、反応による変換は〜50%に過ぎなかった。DMAP(9.8mg、2当量)を加え、混合物を再度60℃で一夜加熱した。反応混合物を真空濃縮し、酢酸エチルで抽出後10%HCl水溶液で洗った。有機層を水、ブラインで洗い、乾燥(MgSO)、濾過、真空濃縮した結果、20mgの粗生成物が得られた。粗生成物を1%MeOH/塩化メチレンを用いた分取用TLCで精製した結果、10mgのB15が得られた。 H NMR(CDCl)2.24(s,3H),3.65(s,3H),5.31(s,2H),5.98(br s,1H),6.29−6.32(m,1H),6.46−6.51(m,1H),6.79(dd,J=9.6,2.4 Hz,1H),7.05−7.14(m,2H),7.29(dd,J=9.2,2.4 Hz,1 H),7.34(s,1H),7.50(br s,1H).LCMS(ESI−):585(M−1),91%.
【0123】
《実施例16:B16の調製》
1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−カルボン酸、エチルエステル、I−20、の合成。n−BuLi(1.6Mヘキサン中、0.64mL、1.01mmol、1.2当量)を7分間かけて、アルゴン気相下、7−ブロモ−1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル、I−15(300mg、0.847mmol、1当量)の−78℃のジエチルエ−テル溶液(15mL)に加えた。反応混合物を−78℃でさらに30分間攪拌した。クロロ蟻酸エチル(0.09mL、1mmol、1.2当量)を反応混合物に滴下しながら加え、混合物を室温まで温めて、30分間攪拌した。反応混合物は10%HCl水溶液(5mL)でクエンチし、エ−テル(15mL)で希釈した。有機層を分離し、水(2x10mL)、ブライン(10mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した結果、粗生成物であるエステルが褐色の油として得られた。この残渣をカラム・クロマトグラフィ−にかけ、酢酸エチル/ヘキサン(1:19)で溶出して精製した結果、260mgのI−20が得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0124】
3−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−3−オキソ−プロピオニトリル、I−21、の合成。乾燥アセトニトリル(50μL、1.1当量)をn−BuLi(2.5Mヘキサン中、0.375ml、0.93mmol、1.25当量)の−78℃の無水THF溶液(1.5mL)に加えた。この混合物を30分間攪拌し、次いでI−20のTHF溶液(1.5mL)を滴下しながら加えた。反応混合物は3時間室温で攪拌した。反応物は水、次いで10%HCl水溶液を加えてクエンチした。混合物を10分間攪拌し、次いで酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、乾燥、濾過、真空濃縮した結果、280mgの粗生成物I−27が得られた。H−NMR(500MHz,CDCl)で構造を確認した。生成物I−21はこれ以上精製することなく次の段階に使用された。
【0125】
5−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イルアミン、I−22、の合成。I−21(160mg、0.46mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(86mg、1.21mmol、2.6当量)混合物のエタノ−ル溶液(2.8mL)に水酸化ナトリウム(48mg、1.21mmol、2.6当量)水溶液(0.6mL)を加えた。得られた混合物を1時間環流した。反応混合物は水(2mL)、塩化メチレン(5mL)で希釈し、10%HCl水溶液を用いてpHを1に調整した。有機層を分離し、水層のpHをNaHCO3により8に調整し、酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、真空濃縮した結果80mgの粗中間体が得られた。この残渣を2NのHCl水溶液(0.2mL)と混ぜ、100℃で3時間加熱した。混合物は室温まで冷やし、pHを飽和NaHCOで8に調整した。混合物を塩化メチレンで数回抽出し、一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、乾燥、濾過、そして真空濃縮した結果100mgの粗混合物である3−アミノ及び5−アミノイソオキサゾ−ル異性体が得られた。この粗生成物をシリカゲルのカラム・クロマトグラフィ−にかけて塩化メチレンで溶出して精製した結果35mgのI−22が得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0126】
N−{5−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イル}−メタンスルホンアミド、B16、の合成。I−22(30mg、0.084mmol)のピリジン溶液(0.2mL)にメタン塩化スルホニル(19mg、0.168mmol、2当量)を滴下しながら加えた。得られた混合物を60℃で6時間加熱した。混合物を真空濃縮し、酢酸エチルで希釈し、10%HCl水溶液で洗った。有機層を水、ブラインで洗い、乾燥、濾過、真空濃縮した結果30mgの粗生成物が得られた。粗生成物を1%MeOH/塩化メチレンを用いて分取用TLCで精製した結果10mgのB16が得られた。 H−NMR(400 MHz,CDCl),2.33(s,3H),3.15(s,3H),5.18(s,2H),6.19(s,1H),6.39(m,1H),6.5(m,1H),6.93−6.99(m,2H),7.0(s,1H),7.2(br s,1H),7.39(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H).LCMS(ESI−):435(M−1),88%.
【0127】
《実施例17:B19の調製》
(N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−3、4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、B19、の合成。3、4−ジフルオロベンゼンス塩化ルホニル(159mg、0.75mmol、2.5当量)のピリジン溶液(0.5mL)をI−14(117mg、0.3mmol、1当量)及びDMAP(92mg、0.75mmol、2.5当量)のピリジン溶液(0.8mL)に室温で加えた。反応混合物を80℃で0.5時間攪拌した。反応混合物は10%HCl水溶液(4mL)でクエンチし、EtOAc(4mL)で抽出した。有機層を水(3x4mL)、ブライン(2mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。得られた油(154mg)をヘキサン(4mL)と一緒に摩砕し、濾過した結果145mgの固体が得られた。この固体は、CHCl(50mL)、EtOAc/ヘキサン、1:3(30mL)、EtOAc/ヘキサン、1:1(30mL)を用いたSiO(フラッシュ、2g)のクロマトグラフィ−にかけた結果、褐色の油が得られた。この油をヘキサン(2mL)と一緒に摩砕した結果、題記の化合物、B−19(33mg、19%)、が褐色の固体として得られた。R=0.40(EtOAc),H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.24(s,3H),5.54(br s,2H),5.86(d,J=8.0 Hz,1H),7.08(dd,J=8.0,2.4 Hz,1H),7.15(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),7.18(d,J=2.0 Hz,1H),7.38(s,1H),7.57−7.64(m,2H),7.68(br s,1H),7.86(m,1H).
LC−MS(85%):ESI計算値566(M)実測値:565.3(M−1).
【0128】
《実施例18:B20の調製》
(3、4−ジクロロ−N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−ベンゼンスルホンアミド、B20、の合成。新たに調製したLDA(0.525mmol、2.1当量)のTHF溶液(0.5mL)をI−14(98mg、0.25mmol、1当量)及びHMPA(87mg、0.50mmol、2.1当量)の−78℃のTHF溶液(0.5mL)に5分間かけて滴下しながら加えた。反応混合物は15分間−78℃で攪拌した。3、4−ジクロロベンゼン塩化スルホニル(153mg、0.625mg、2.5当量)のTHF溶液(0.5mL)を3分間かけて滴下しながら加え、反応混合物をゆっくり1時間かけて−0℃に温め、次いで1時間−0℃で攪拌し、そして1時間かけて室温までゆっくり温めた。反応混合物を−78℃に冷やし、10%HCl水溶液(4mL)をゆっくり加えてクエンチし、EtOAc(2x4mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層は水(2x4mL)、ブライン(4mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、粗生成物(140mg)がオレンジ色の油として得られた。CHClを用いたSiO(フラッシュ、2g)のクロマトグラフィ−による精製の結果、粗生成物(10mg)が黄色の油として得られた。油をヘキサンで洗った結果、題記の化合物、B20、(10mg、7%)が黄色味を帯びた固体として得られた。H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.34(s,3H),5.57(s,2H),6.00(d,J=8.4 Hz,1H),6.94(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.01(s,1H),7.22(dd,J=6.4,2.0 Hz,1H),7.50(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.62(d,J=8.8 Hz,1H),7.78(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),8.50(d,J=2.0 Hz,1H).LC−MS(91%):ESI計算値598(M)実測値:599.1(M+1).
【0129】
《実施例19:B21の調製》
B21の合成。塩化ジフェニルホスフィン酸(diphenylphosphinic chloride)(35mg、0.15mmol、1.5当量)のピリジン溶液(0.1mL)をI−14(39mg、0.1mmol、1当量)及びDMAP(1.2mg、0.01mmol、0.1当量)の60℃のピリジン溶液(0.3mL)に加えた。反応混合物を攪拌し、60℃で16時間加熱した。反応混合物は10%HCl水溶液(2mL)でクエンチし、EtOAc(2x2mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水(3x4mL)、ブライン(4mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。得られた油(59mg)を、ヘキサン(2x1mL)次いでエ−テル(1.5mL)と一緒に摩砕し、濾過した結果、B21(29mg、49%)が白色の固体として得られた。R=0.37(EtOAc/hexanes,1:1).H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.29(s,3H),5.60(br s,2H),5.91(d,J=8.4 Hz,1H),7.00(br s,1H),7.16(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.40(br s,1H),7.43(s,1H),7.46−7.58(m,7H),7.66(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),7.75−7.80(m,4H).LC−MS(91%):ESI計算値592(M)実測値:591.2(M−1).
【0130】
《実施例20:B22の調製》
{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−ホスホルアミド酸ビス−(2、4−ジクロロ−フェニル)エステル、B−22、の合成。ビス(2、4−ジクロロフェニル)クロロホスフェイト(chlorophosphate)(73mg、0.18mmol、1.2当量.)のピリジン溶液(0.2mL)をI−14(59mg、0.15mmol、1当量)及びDMAP(1.8mg、0.015mmol、0.1当量)の室温のピリジン溶液(0.2mL)に加えた。反応混合物を攪拌し、60℃で2時間、次いで70℃で1時間加熱した。反応混合物を−78℃に冷やし、10%HCl水溶液(4mL)を加えてクエンチし、EtOAc(2x2mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水(3x2mL)、ブライン(2mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。得られた油(130mg)をヘキサン(2mL)、次いでMTBE(1mL)と一緒に摩砕し、濾過した結果、題記の化合物、B−22(29mg、25%)、が白色の固体として得られた。R=0.22(EtOAc/hexanes,1:1).H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.30(d,J=0.8 Hz,3H),5.62(s,2H),5.95(d,J=8.4 Hz,1H),7.16(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.20(dd,J=9.6,1.6,1H),7.30(dd,J=8.8,2.4,1H),7.44(d,J=2.4 Hz,1H),7.45(s,1H),7.47(d,J=2.8 Hz,1H),7.51(d,J=2.4 Hz,1H),7.53(d,J=1.2 Hz,1H),7.55(d,J=0.8 Hz,1H),7.69(dd,J=2.4,0.8 Hz,1H),7.73(dd,J=8.8,2.8 Hz,1H).LC−MS(87%):ESI計算値762(M)実測値:761.1(M−1).
【0131】
《実施例21:B23の調製》
一般的手順、A−1。対応する塩化アクリル(0.30mmol、1.2当量)のTHF溶液(0.15mL)を1分間かけてI−14(98mg、0.25mmol、1当量)及びcat.DMAP(1.5mg、0.0125mmol、0.05当量)の室温のピリジン溶液(0.6mL)に加え、反応混合物を室温にて3から16時間攪拌した。反応混合物を〜−70℃に冷やし(ドライアイス−アセトン浴)、次いで10%HCl水溶液(4mL)を加えた。混合物をEtOAc(2x2mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水(3x4mL)、ブライン(4mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、粗生成物が油として得られた。この油はヘキサン(2mL)を加えて結晶化させた。得られた固体をエ−テル/ヘキサン、1:1(2mL)で洗った結果題記の化合物が得られた。
【0132】
(N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−4−フルオロ−ベンズアミド、B23、の合成。次の一般的手順、A−1、により70mg(55%)のB23が白色固体として単離された。R 0.15(EtOAc/ヘキサン、1:1)。H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.32(d,J=0.8 Hz,3H),5.66(br s,2H),6.00(d,J=8.4 Hz,1H),7.18(dd,J=6.4,2.0 Hz,1H),7.33(dd,J=9.6,2.4 Hz,1H),7.41(t,J=8.8 Hz,2H),7.45(d,J=2.0 Hz,1H),7.49(br s,1H),7.73(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),8.06−8.09(m,2H).LC−MS(92%):ESI計算値514(M)実測値:513.3(M−1).
【0133】
《実施例22:B24の調製》
(イソオキサゾ−ル−5−カルボン酸{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−アミド、B24、の合成。次の一般的手順、A−1、により41mg(34%)のB24が白色固体として単離された。R 0.17(EtOAc/hexanes,1:1).
H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.32(d,J=0.8 Hz,3H),5.65(br s,2H),6.01(d,J=8.4 Hz,1H),7.17(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.34(dd,J=9.6,2.8 Hz,1H),7.36−7.46(m,2H),7.46(d,J=2.0 Hz,1H),7.49(s,1H),7.74(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),8.86(br s,1H).
LC−MS(90%):ESI計算値485(M)実測値:484.3(M−1).
【0134】
《実施例23:B25の調製》
(3、5−ジクロロ−N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−ベンズアミド、B25、の合成。次の一般的手順、A−1、により52mg(37%)のB25が白色固体として単離された。R 0.31(EtOAc/hexanes,1:2).H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.32(d,J=1.2 Hz,3H),5.64(br s,2H),6.01(d,J=8.4 Hz,1H),7.18(dd,J=8.0,2.0 Hz,1H),7.33(dd,J=9.6,2.0 Hz,1H),7.44(d,J=2.0 Hz,1H),7.49(br s,1H),7.74(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.86(d,J=2.0 Hz,1H),7.95(br s,1H),8.0(d,J=1.6 Hz,2H).LC−MS(78%):ESI計算値564(M)実測値:563.1(M−1).
【0135】
《実施例24:B26の調製》
(N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−3、4−ジフルオロ−ベンズアミド、B26、の合成。次の一般的手順、A−1、により76mg(57%)のB26が白色固体として単離された。R 0.54(EtOAc/hexanes,1:1).H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.32(d,J=0.8 Hz,3H),5.65(br s,2H),6.01(d,J=8.4 Hz,1H),7.17(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.33(dd,J=9.2,2.4 Hz,1H),7.45(d,J=2.0 Hz,1H),7.49(br s,1H),7.66(q,J=8.4 Hz,1H),7.23(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),7.90(br s,1H),8.02−8.08(m,1H),12.28(br s,1H).LC−MS(92%):ESI計算値532(M)実測値:531.1(M−1).
【0136】
《実施例25:B27の調製》
(N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−2、4−ジフルオロ−ベンズアミド、B27、の合成。次の一般的手順、A−1、により55mg(41%)のB27が白色固体として単離された。R 0.80(EtOAc/hexanes,1:1).H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.32(d,J=0.8 Hz,3H),5.67(s,2H),5.98(d,J=8.4 Hz,1H),7.17(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.25(dt,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.31(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.43−7.46(m,1H),7.49(s,1H),7.49(d,J=2.4 Hz,1H),7.73(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),7.79(q,J=7.2 Hz,1H),12.33(br s,1H).LC−MS(100%):APCI計算値530(M)実測値:531.0(M+1).
【0137】
《実施例26:B28の調製》
(2、4−ジクロロ−N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−ベンズアミド、B28、の合成。次の一般的手順、A−1、により105mg(74%)のB28が白色固体として単離された。R 0.60(EtOAc/hexanes,1:1).H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.32(d,J=0.8 Hz,3H),5.67(s,2H),5.94(d,J=8.4 Hz,1H),7.17(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.28(br d,J=8.4 Hz,1H),7.48(br s,1H),7.52(d,J=1.6 Hz,1H),7.60(dd,J=8.0,2.0 Hz,1H),7.65(d,J=8.0 Hz,1H),7.73(dd,J =8.8,2.4 Hz,1H),7.80(d,J=2.0 Hz,1H),12.52(br s,1H).LC−MS(100%):APCI計算値563(M)実測値:564.0(M+1).
【0138】
《実施例27:B29の調製》
(2、2−ジフルオロ−ベンゾ[1、3]ジオキソ−ル−5−カルボン酸{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−アミド、B29、の合成。次の一般的手順、A−1、により60mg(35%)のB29が黄色味を帯びた固体として単離された。R 0.27(EtOAc/hexanes,1:2).H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.32(d,J=0.8 Hz,3H),5.65(br s,2H),6.00(d,J=8.4 Hz,1H),7.18(dd,J=8.0,2.0 Hz,1H),7.36(br q,J=8.0 Hz,2H),7.45(d,J=2.0 Hz,1H),7.49(br s,1H),7.67(br t,J=8.0 Hz,2H),7.74(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),12.42(br s,1H).LC−MS(100%):APCI計算値574(M)実測値:575.2(M+1).
【0139】
《実施例28:B30の調製》
(フラン−2−カルボン酸{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、3、4]オキサジアゾ−ル−2−イル}−アミド、B30、の合成。次の一般的手順、A−1、により80mg(55%)のB30が黄色味を帯びた固体として単離された。R 0.23(EtOAc/hexanes,1:1).H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.32(d,J=0.8 Hz,3H),5.66(br s,2H),5.99(d,J=8.4 Hz,1H),6.75(dd,J=3.6,2.0 Hz,1H),7.17(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.33(dd,J=8.8,2.8 Hz,1H),7.44(d,J=2.0 Hz,1H),7.48(s,1H),7.57(d,J=3.2 Hz,1H),7.72(dd,J=8.8,2.8 Hz,1H),8.03(d,J=0.8 Hz,1H),12.15(br s,1H).LC−MS(100%):APCI計算値484(M)実測値:485.2(M+1).
【0140】
《実施例29:B31の調製》
4、5−ジクロロ−チオフェン−2−スルホン酸{5−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イル}−アミド、B31、の合成。I−22(42mg、0.117mmol)のピリジン懸濁液(0.2mL)にDMAP(28mg、0.23mmol、2当量)を加えた。この混合物を70℃で溶液になるまで加熱し、次いで2、3−ジクロロチオフェン−5−塩化スルホニル(58mg、0.23mmol、2当量)を加えた。反応混合物はこの温度で2時間攪拌した。冷やした反応混合物は油状になるまで濃縮し、10%HCl水溶液(1mL)を加えた。混合物をEtOAc(2x5mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を10%HCl水溶液(1mL)、水(2x3mL)、ブライン(2x3mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、55mgの粗生成物が得られた。40%から10%のヘキサン/塩化メチレンを用いたカラム・クロマトグラフィ−による精製を行った結果、12mgのB31(収率18%)が得られた。 H−NMR(400 MHz,CDCl),2.32(s,3H),5.09(s,2H),6.31(s,1H),6.41(m,1H),6.44−6.49(m,1H),6.92−6.99(m,overlap,2H),6.96(s,1H),7.4(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),7.47(s,1H),7.97(br s,1H).LC/MS(ESI−):572(M−1),96%.
【0141】
《実施例30:B32の調製》
3−アミノイソオキサゾ−ルのスルホン化のための一般的手順(A−2)。5mLバイアルに、対応する3−アミノイソオキサゾ−ル(1当量)、ピリジン(1mL/0.80mmol)、DMAP(2当量)を入れた。この反応混合物を75℃に加熱し、塩化スルホニル(2−3.5当量)を正確に2−3分後に加えた。直ぐに懸濁液が形成されるが、この反応混合物を75℃で1時間、加熱、攪拌した。反応混合物を室温まで冷やし、10%HCl水溶液(10mL/0.80mmol)を加えた。混合物をEtOAc(10mL)で抽出した。有機層を水(2x10mL)、ブライン(10mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、粗生成物が油として得られた。生成物をSiOのフラッシュ・クロマトグラフィ−(0.05mmolの3−アミノイソオキサゾ−ルあたり1gのCHClを出発の溶出液として使用)を用いて精製した結果、計画した化合物が固体として得られた。
【0142】
(N−{5−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イル}−3、4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、B32、の合成。I−22(143mg、0.40mmol)及び3、4−ジフルオロベンゼン塩化スルホニル(212mg、1.00mmol)から一般的手順、A−2、により、93mg(44%)の題記の化合物が黄色固体として得られた(ヘキサン)。 R 0.18(CHCl−MeOH,19:1).H−NMR(400 MHz,CDCl)2.32(d,J=1.2 Hz,3H),5.10(s,2H),6.25(s,1H),6.34−6.39(m,1H),6.40−6.45(m,1H),6.86−6.95(m,2H),6.97(s,1H),7.33(m,1H),7.39(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.67−7.72(m,1H),7.74−7.78(m,1H),8.10(br s,1H).LC−MS(96%):ESI計算値 532.9(M−1)実測値:532.6.
【0143】
《実施例3:B33の調製》
(N−{5−[1−(3、4−ジフルオロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イル}−2、4、5−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、B33、の合成。I−22(143mg、0.40mmol)及び2、4、5−トリフルオロベンゼン塩化スルホニル(323mg、1.40mmol)から、次の一般的手順A−2、により35mg(16%)の題記の化合物が黄色固体(ヘキサン)として得られた。R 0.13(CHCl−MeOH,19:1).H−NMR(400 MHz,CDCl)2.32(d,J=0.8 Hz,3H),5.10(s,2H),6.23(s,1H),6.33−6.41(m,1H),6.41−6.46(m,1H),6.87−6.94(m,2H),6.97(s,1H),7.12(m,1H),7.38(dd,J=8.8,1.6 Hz,1H),7.80(m,1H),8.25(br s,1H).LC−MS(97%):ESI計算値 550.5 実測値:550.7.
【0144】
《実施例32:B34の調製》
3−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−3−オキソ−プロピオニトリル、I−23、の合成。−78℃のn−BuLi(2.5Mヘキサン中、13.7mL、2.25当量)中の90ml無水THF混合物に、アセトニトリル(1.6ml、30.26mmol、2当量)を5分間かけて加えた。この懸濁液をこの温度にて0.5時間攪拌し、次いでI−12(5.75g、15.13mmol)の無水THF溶液(40mL)を20分間かけて加えた。混合物は10 ℃に温めてから、10%HCl水溶液をゆっくり加えてクエンチした。混合物をEtOAc(2x100mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水(2x50mL)、ブライン(50mL)で洗い、NaSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した結果、5.9gのI−23が油として得られた。これは次の段階に、さらに生成することなく使用された。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0145】
5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イルアミン、I−24、の合成。粗生成物I−23(1g、2.66mmol)のEtOH/水(1:1、54mL)混合液にNaOH(124mg、3.06mmol)及び硫酸ヒドロキシルアミン(486mg、2.93mmol)を加えた。混合物を80℃で22時間加熱した。反応混合物を室温まで冷やし、最初の体積の半分まで濃縮し、次いで酢酸エチル(2x50mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水(2x20mL)、ブライン(20mL)で洗い、乾燥(MgSOで)、濾過、そして濃縮した結果、900mgの褐色の油が得られた。この残渣を20%から30%のEtOAc/ヘキサンを用いたカラム・クロマトグラフィ−で精製した結果、290mgの生成物、I−24(収率29%)が得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0146】
4、5−ジクロロ−チオフェン−2−スルホン酸{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イル}−アミド、B34、の合成。I−24(180mg、0.447mmol)のピリジン懸濁液(0.5mL)にDMAP(81mg、0.67mmol、1.5当量)を加えた。この混合物を溶液になるまで70℃で加熱し、2、3−ジクロロチオフェン−5−塩化スルホニル(140mg、0.536mmol、1.2当量)を加えた。反応混合物をこの温度で3時間攪拌した。冷やした反応混合物を濃縮して油とし、EtOAc(15mL)で希釈した。有機層を10%HCl水溶液(2x3mL)、水(2x3mL)、ブライン(2x3mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、280mgの粗残渣が得られた。この残渣を20%から50%のEtOAc/ヘキサンを用いたカラム・クロマトグラフィ−で精製した結果、100mgの生成物、B34(収率35%)が得られた。H−NMR(400 MHz,CDCl),2.32(s,3H),5.05(s,2H),6.24(d,J=8 Hz,1H),6.34(s,1H),6.9(s,1H),6.97(dd,J=8.8,2.8 Hz,1H),7.03(dd,J=8.8,2 Hz,1H),7.3(d,J=2,1H),7.41(dd,J=8.8,2.8 Hz,1H),7.45(s,1H),7.55(br s,1H).LC/MS(ESI−)604,97%.
【0147】
《実施例33:B35の調製》
N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イル}−3、4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、B35、の合成。I−24(94mg、0.24mmol)のピリジン懸濁液(0.3mL)にDMAP(44mg、0.36mmol、1.5当量)を加えた。この混合物を溶液になるまで70℃で加熱し、3、4−ジフルオロベンゼン塩化スルホニル(64.4mg、0.0.28mmol、1.2当量)を加えた。反応混合物をこの温度で3時間攪拌した。冷やした反応混合物を油になるまで濃縮し、10%HCl水溶液(2mL)を加えた。混合物はEtOAc(3x10mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水(2x5mL)、ブライン(5mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、100mgの残渣が得られた。この残渣を20%から50%のEtOAc/ヘキサンを用いたカラム・クロマトグラフィ−により生成した結果、20mgの生成物、B35(収率15%)が得られた。H−NMR(400 MHz,CDCl),2.32(s,3H),5.05(s,2H),6.18(d,J=8.4 Hz,1H),6.29(s,1H),6.89(s,1H),6.93(dd,J=9.2,2.4 Hz,1H),7.01(dd,J=8.4,2 Hz,1H),7.27−7.31(m,overlap,1H),7.28(d,J=2 Hz,1H),7.4(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),7.47(br s,1H),7.64−7.66(m,1H),7.7−7.74(m,1H).LC/MS(APCI−)565,91%,
【0148】
《実施例34:B36の調製》
(N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イル}−2、4、5−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、B36、の合成。一般的な手順、A−2、に従った結果、I−24(156mg、0.40mmol)及び2、4、5−トリフルオロベンゼン塩化スルホニル(185mg、0.80mmol)から、64mg(27%)の題記の化合物が黄色の固体(ヘキサン)として得られた。R 0.15(CHCl−MeOH,19:1).H−NMR(400 MHz,CDCl)2.31(d,J=1.2 Hz,3H),5.03(s,2H),6.17(d,J=8.4 Hz,1H),6.26(s,1H),6.89(s,1H),6.92(dd,J=8.8,2.8 Hz,1H),7.02(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.11(m,1H),7.28(d,J=2.4 Hz,1H),7.39(dd,J=8.4,2.8 Hz,1H),7.75(m,1H),8.00(br s,1H).LC−MS(96%):ESI計算値 585(M)実測値:584.1(M−1).
【0149】
《実施例35:B37の調製》
(3、4−ジクロロ−N−{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イル}−ベンゼンスルホンアミド、B37、の合成。一般的な手順、A−2、に従った結果、I−24(156mg、0.40mmol)及び3、4−ジクロロベンゼン塩化スルホニル(196mg、0.80mmol)から、103mg(43%)の題記の化合物が黄色の固体(ヘキサン)として得られた。R 0.18(CHCl−MeOH,19:1).H−NMR(400 MHz,CDCl)2.32(d,J=0.8 Hz,3H),5.02(s,2H),6.19(d,J=8.4 Hz,1H),6.31(s,1H),6.90(s,1H),6.94(dd,J=9.2,2.4 Hz,1H),7.02(dd,J=8.0,2.0 Hz,1H),7.27(d,J=2.0 Hz,1H),7.40(dd,J=8.8,1.6 Hz,1H),7.57(d,J=8.4 Hz,1H),7.67(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.92(br s,1H),7.97(d,J=2.0 Hz,1H).LC−MS(98%):ESI計算値 599(M)実測値:598.3(M−1).
【0150】
《実施例36:B38の調製》
7−ブロモ−5−フルオロ−3−メチル−(1−ナフタレン−2−イルメチル)−1H−インド−ル、I−25、の合成。I−10からI−11への変換と同様の方法でI−10(4.8g、21.04mmol)、NaH(1.26g、31.57mmol)、2−(ブロモメチル)ナフタレン(5.58g、25.25mmol)及びDMF(90mL)から、7.00g(90%)の化合物I−25が淡褐色の固体(ヘキサン)として得られた。R 0.33(hexanes/acetone,9:1).H−NMR(400 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0151】
5−フルオロ−3−メチル−1−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−7−カルボン酸エチルエステル、I−26、の合成。I−11からI−12を調製するのと同様の方法で、I−25(7.00g、19.01mmol)、2.5N BuLi(11.4mL、28.50mL)、クロロ蟻酸エチル(3.63mL、38.02mmol)、無水エ−テル(120mL)から、7.09g(定量的)のI−26が褐色油状化合物として得られた。R 0.36(hexanes/acetone,9:1).H−NMR(400 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0152】
3−(5−フルオロ−3−メチル−1−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−7−イル)−3−オキソ−プロピオニトリル、I−27、の合成。I−12からI−23への変換に記載と同様の方法で、化合物I−27はI−26(7.06g、19.53mmol)から得られた。得られた粗油(7.16g、定量的)をヘキサン(15mL)と一緒に摩砕して得られた固体は、濾過しヘキサン(2x5mL)で洗った結果、I−27(5.56g、80%)が淡褐色の固体としてられた。Rf 0.06(hexanes/acetone,9:1).1H−NMR(400 MHz,CDCl3)で構造を確認した。
【0153】
5−(5−フルオロ−3−メチル−1−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−7−イル)−イソオキサゾ−ル−3−イルアミン、I−28、の合成。I−23からI−24への変換に記載と同様の方法で、I−27(4.43g、12.43mmol)から、化合物I−28(1.69g、37%)がオレンジ色の固体として得られた。Rf 0.33(CHCl)。Rf 0.33(CHCl).H−NMR(400 MHz,CDCl3)2.32(d,J=0.8 Hz,3H),5.32(s,2H),5.45(s,1H),6.89(dd,J=9.6,2.4 Hz,1H),6.91(dd,J=8.8,1.6 Hz,1H),7.01(s,1H),7.21(br s,1H),7.34(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),7.39−7.44(m,2H),7.65(d,J=8.0 Hz,1H),7.65−7.69(m,1H),7.73−7.77(m,1H).
【0154】
(3、4−ジフルオロ−N−[5−(5−フルオロ−3−メチル−1−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−7−イル)−イソオキサゾ−ル−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド、B38、の合成。一般的な手順、A−2、に従った結果、I−28(297mg、0.80mmol)及び3、4−ジフルオロベンゼン塩化スルホニル(340mg、1.60mmol)から題記の化合物、B38(106mg、24%)、がオレンジ色の固体として得られた。Rf 0.14(CHCl).H−NMR(400 MHz,CDCl3)2.31(d,J=0.8 Hz,3H),5.22(s,2H),6.19(s,1H),6.84(dd,J=8.4,1.6 Hz,1H),6.91(dd,J=9.2,2.8 Hz,1H),6.99(s,1H),7.07(dq,J=8.0,1.6 Hz,1H),7.14(s,1H),7.41(dd,J=5.6,2.4 Hz,1H),7.42−7.45(m,2H),7.51−7.55(m,1H),7.62−7.70(m,3H),7.74−7.76(m,1H),7.92(br s,1H).LC−MS(98%):ESI−計算値 547.56 実測値:546.4(M−1).
【0155】
《実施例37:B39の調製》
(2、4、5−トリフルオロ−N−[5−(5−フルオロ−3−メチル−1−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−7−イル)−イソオキサゾ−ル−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド、B39、の合成。一般的な手順、A−2、に従った結果、I−28(149mg、0.40mmol)及び2、4、5−トリフルオロベンゼン塩化スルホニル(185mg、0.80mmol)から、題記の化合物、B39(42mg、19%)が、灰色がかった白い固体として得られた。Rf 0.26(CHCl−MeOH,19:1).H−NMR(400 MHz,CDCl3)2.31(d,J=0.8 Hz,3H),5.22(s,2H),6.18(s,1H),6.85(dd,J=8.8,2.0 Hz,1H),6.89(dd,J=9.2,2.4 Hz,1H),6.95(dd,J=9.2,4.8 Hz,1H),6.99(s,1H),7.14(s,1H),7.38(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H),7.43−7.46(m,2H),7.63−7.77(m,4H),8.09(br s,1H).LC−MS(94%):ESI−計算値 565.55 実測値:564.6(M−1).
【0156】
《実施例38:B40の調製》
(3、4−ジクロロ−N−[5−(5−フルオロ−3−メチル−1−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−7−イル)−イソオキサゾ−ル−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド、B40、の合成。一般的な手順、A−2、に従った結果、I−28(149mg、0.40mmol)及び3、4−ジクロロベンゼン塩化スルホニル(196mg、0.80mmol)から題記の化合物、B40(76mg、33%)が、灰色がかった白色の固体として得られた。Rf 0.31(CHCl−MeOH,19:1).H−NMR(400 MHz,CDCl3)2.31(d,J=0.8 Hz,3H),5.22(s,2H),6.20(s,1H),6.84(dd,J=8.4,1.6 Hz,1H),6.91(dd,J=8.4,1.6 Hz,1H),6.99(s,1H),7.14(s,1H),7.35(d,J=8.8 Hz,1H),7.40(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.42−7.45(m,2H),7.56(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),7.63(d,J=7.6 Hz,2H),7.74−7.76(m,1H),7.95(d,J=2.4 Hz,1H),8.00(br d,J=4.5 Hz,1H).LC−MS(93%):ESI−計算値 581(M)実測値:580.3(M−1).
【0157】
《実施例39:B41の調製》
(4、5−ジクロロ−チオフェン−2−スルホン酸5−(5−フルオロ−3−メチル−1−ナフタレン−2−イルメチル−1H−インド−ル−7−イル)−イソオキサゾ−ル−3−イル]−アミド、B41、の合成。一般的な手順、A−2、に従った結果、I−28(149mg、0.40mmol)及び2、3−ジクロロチオフェン−5−塩化スルホニル(201mg、0.80mmol)から題記の化合物、B41(132mg、33%)、が灰色がかった白色の固体として得られた。R 0.10(CHCl−MeOH,19:1).H−NMR(400 MHz,CDCl)2.32(d,J=0.8 Hz,3H),5.26(s,2H),6.23(s,1H),6.86(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),6.95(dd,J=9.2,2.8 Hz,1H),7.00(s,1H),7.19(br s,1H),7.39−7.43(m,3H),7.63−7.66(m,2H),7.74−7.76(m,1H),7.98(s,1H).LC−MS(99%):ESI計算値 587(M)実測値:586.2(M−1).
【0158】
《実施例40:B42の調製》
1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−カルボン酸、I−29、の合成。2NのNaOH水溶液(7.1mL、14.20mmol、5当量)、メタノ−ル(3mL)及びTHF(3mL)から成る溶液中の化合物I−11(1.08g、2.84mmol、1当量)を攪拌し、密封したバイアル中にて、85℃で1.5時間加熱した。反応混合物を−70℃に冷やし、10%HCl(20mL)の添加によりクエンチした。混合物はEtOAc(50mL)で抽出し、有機層を水(3x50mL)、ブライン(50mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。得られた固体は濾過し、ヘキサンで洗った結果、I−29(694mg、69%)が灰色がかった白色の固体として得られた。R 0.22(EtOAc/hexanes,1:3).H−NMR(400 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0159】
1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−カルボン酸イミノメチレンアミド、I−30、の合成。塩化オキサリル(0.99mL、1.98mmol、1.2当量)をI−29(580mg、1.65mmol)のTHF溶液(7mL)に、アルゴン気相下で室温にて加えた。反応混合物を室温にて30分間攪拌し、次いで濃縮した結果、黄色の結晶が得られた。2NのNaOH水溶液(1.65mL、3.29mmol、2当量)をシアナミド(138mg、3.294mmol、2当量)のTHF溶液(7mL)に加え、室温にて20分間攪拌し、次いで2分間かけて、I−29及び塩化オキサリルのTHF懸濁液(2mL)に加えた。反応混合物を室温にて30分間攪拌した。反応混合物を濃縮し、水(4mL)、次いで10%HCl水溶液(2mL)を加え、水層をEtOAc(8mL)で抽出した。有機層は水洗(2x6mL)し、MgSOで乾燥し、濾過、真空濃縮した結果オレンジ色の油(400mg)が得られた。この油をヘキサン(4mL、2mL)で洗った結果、題記の化合物、I−30(325mg、52%)が、黄色味を帯びた粉末として得られた。R 0.30(EtOAc).MS:ESI計算値375(M)実測値:374.3(M−1).H−NMR(400 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0160】
(5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、2、4]オキサジアゾ−ル−3−イルアミン、I−31、の合成。ピリジン(0.5mL)をI−30(113mg、0.3mmol、1当量)及びヒドロキシルアミン(21mg、1当量)の混合物に加え、反応混合物を45℃で16時間、次いで60℃で1時間、加熱、攪拌した。反応混合物を室温に冷やしたのちに、10%HCl水溶液(4mL)及びEtOAc(4mL)の混合物に注いだ。有機層を水(3x6mL)、ブライン(4mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、粗生成物(136mg)がオレンジ色の油として得られた。CHCl/ヘキサン、1:1(20mL)、CHCl(20mL)を用いた、SiO(フラッシュ、2g)のクロマトグラフィ−による精製の結果、粗生成物(45mg)が油として得られた。この油をヘキサンと共に摩砕した結果、題記の化合物、I−31(30mg、26%)、が白色の粉末として得られた。R 0.78(EtOAc/hexanes,1:1).H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.31(d,J=0.8 Hz,3H),5.70(s,2H),5.89(d,J=8.4 Hz,1H),6.35(s,2H),7.16(dd,J=8.8,2.0 Hz,1H),7.32(dd,J=9.6,2.4 Hz,1H),7.47(s,1H),7.54(d,J=2.4 Hz,1H),7.71(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H).LC−MS(99%):(ESI+)計算値390(M)実測値:391.2(M+1).
【0161】
(5−ジクロロ−チオフェン−2−スルホン酸{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−[1、2、4]オキサジアゾ−ル−3−イル}−アミド、B42の合成。LDA(0.537mmol、2.1当量)の新たに調製したTHF溶液(0.5mL)を−78℃のI−31(100mg、0.256mmol、1当量)及びHMPA(96mg、0.537mmol、2.1当量)のTHF溶液(0.5mL)に滴下しながら2分間かけて加えた。反応混合物を10分間、−78℃で攪拌した。2、3−ジクロロチオフェン−5−塩化スルホニル(161mg、0.639mg、2.5当量)のTHF溶液(0.5mL)を2分間かけて滴下しながら加え、反応混合物を1時間かけて−18℃までゆっくり温めて、1時間−18℃で攪拌し、1時間かけて室温までゆっくり温めた。反応混合物を10%HCl水溶液(4mL)及びEtOAc(4mL)の混合液に注いだ。有機層を水(3x4mL)、ブライン(4mL)で洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、粗生成物(134mg)がオレンジ色の油として得られた。SiO(フラッシュ、5g)のクロマトグラフィ−にかけてCHCl/ヘキサン、1:2(30mL)、CHCl/ヘキサン、1:1(10mL)、CHCl(10mL)、EtOAc(10mL)を用いてこの油を精製した結果、粗生成物(40mg)が黄色の油として得られた。この油をEtOAc/ヘキサン、1:4(30mL)を用いたSiO(フラッシュ、2g)のクロマトグラフィ−で精製した結果、部分精製の生成物(35mg)が黄色の油として得られた。この油をCHCl−ヘキサン、2:1から再結晶化した結果、題記の化合物、B42(15mg、9%)、が白色の固体として得られた。R 0.10(EtOAc/hexanes,1:1).H−NMR(400 MHz,DMSO−d)2.31(s,3H),5.59(s,2H),5.89(d,J=8.8 Hz,1H),7.13(dd,J=8.4,2.4 Hz,1H),7.26(d,J=1.6 Hz,1H),7.37(dd,J=9.6,2.4 Hz,1H),7.46(s,1H),7.68(s,1H),7.74(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H).LC−MS(93%):ESI計算値604(M)実測値:603.1(M−1).
【0162】
《実施例41:B43の調製》
4−ブロモ−1−メチル−1H−インド−ル、I−32、の合成。NaH(鉱油中60%、600mg、15mmol)のDMF溶液(20mL)に4−ブロモ−1H−インド−ル(1.96g、10mmol)を−10℃で加えた。撹拌中の混合物を10分間で室温まで温めたのち、−10℃に再冷却し、次いでヨ−ドメタン(6.7g、50mmol)を−10℃で加えた。反応混合物を室温にて3時間攪拌し、CHCl(〜200mL)で希釈した。反応混合物を水(3x200mL)、ブラインで洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過、溶媒の除去の後に、3gの粗生成物、I−32、が得られた。この化合物はさらに精製することなく、次の段階に使用された。
H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0163】
1−メチル−4−(ナフタレン−2−イルオキシ)−1H−インド−ル、I−33、の合成。I−32(2.4g、11.42mmol)、CuI(217mg、1.142mmol)、N、N−ジメチルグリシンHCl塩(480mg、3.42mmol)、2−ナフト−ル(2.47g、17.14mmol)及びCsCO(7.42g、22.84mmol)の混合物のジオキサン溶液(22mL)をアルゴン気相下にて105℃で2日間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒の除去後、残渣をシリカゲルのカラム・クロマトグラフィ−にかけ、2%酢酸エチル/ヘキサンを溶出液に用いて精製した結果、2.161−メチル−4−(ナフタレン−2−イルオキシ)−1H−インド−ル、I−33(収率83%)が得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0164】
2−ブロモ−1−[1−メチル−4−(ナフタレン−2−イルオキシ)−1H−インド−ル−3−イル]−エタノン、I−34、の合成。I−33(500mg、1.83mmol)の−70℃の無水塩化メチレン溶液(10mL)に塩化ジメチルアルミニウム(ヘキサン中の1M溶液、2.74mL、2.74mmol)を、温度が−65℃より低く維持できるような速度で加えた。塩化ジメチルアルミニウムの添加終了後、ドライアイス−アセトン浴を水−塩−氷浴に置き換えて、溶液を−10℃まで温めた。この温度で、ブロモアセチル・クロリド(0.23mL、2.74mmol)を加えた。反応混合物はこの温度で1時間攪拌した。TLCの分析によれば、反応は完全であった。撹拌中に水(9mL)をゆっくり加えた。水層は塩化メチレン(3x15mL)で抽出した。一緒に合わせた有機抽出物は水、ブラインで洗い、乾燥、濃縮した結果、500mgの粗生成物が得られた。エ−テルと一緒に摩砕した結果450mgのI−34(収率62%)が得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0165】
4−[1−メチル−4−(ナフタレン−2−イルオキシ)−1H−インド−ル−3−イル]−チアゾ−ル−2−イルアミン、I−35、の合成。I−34(220mg、0.558mmol)及びチオ尿素(51mg、0.67mmol)のエタノ−ル懸濁液(5mL)を2時間、加熱、還流した。終了後、反応混合物を室温に冷やし、水で希釈し、飽和NaHCO水溶液で塩基性にした。懸濁液を濾過で除液し、水洗、乾燥した。エ−テルで摩砕した結果、200mgのI−35が白色の固体として得られ、収率は96%であった。H−NMR(400 MHz,CDCl),3.83(s,3H),4.76(br s,2H),6.7(dd,J=7.2,1.2 Hz,1H),7.01(s,1H),7.12−7.25(m,2H),7.28−7.3(m,2H),7.34−7.43(m,2H),7.6(s,1H),7.64(d,J=8 Hz,1H),7.78−7.81(m,2H).LC/MS(ESI+)372:98%.
【0166】
スルホンアミドの一般的な合成手順、(A−3)。
I−35(0.1mmol)の無水THF溶液(0.3mL)にNaH溶液(2当量、油中分散60%)を加えた。反応混合物を室温にて15分間攪拌し、次いで対応する塩化スルホニル(2当量)を加えた。添加終了後、混合物を10%HCl水溶液で酸性とし、EtOAc(2x5mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、乾燥、濃縮した結果、粗生成物が得られた。5%MeOH/塩化メチレンを用いた分取用TLCにより精製した結果、目的とする生成物が得られた。
【0167】
4、5−ジクロロ−チオフェン−2−スルホン酸{4−[1−メチル−4−(ナフタレン−2−イルオキシ)−1H−インド−ル−3−イル]−チアゾ−ル−2−イル}−アミド、B43、の合成。化合物、B43、は次の一般的手順、A−3、により合成された。H−NMR(400 MHz,CDCl),3.89(s,3H),6.32(s,1H),6.81(dd,J=7.6,1.2 Hz,1H),6.96(m,1H),7.19−7.38(m,4H),7.38(s,1H),7.41−7.45(m,2H),7.61(d,J=7.6 Hz,1H),7.73(d,J=8.8 Hz,1H),7.79−7.81(m,1H),10.6(br s,1H).LC/MS(ESI−)586:98%.
【0168】
《実施例42:B44の調製》
3、4−ジフルオロ−N−{4−[1−メチル−4−(ナフタレン−2−イルオキシ)−1H−インド−ル−3−イル]−チアゾ−ル−2−イル}−ベンゼンスルホンアミド、B44、の合成。化合物、B43、は次の一般的手順、A−3、により合成された。 H−NMR(400 MHz,CDCl),3.87(s,3H),6.28(s,1H),6.79(dd,J=7.6,1.2 Hz,1H),7.21−7.27(m,4H),7.3(d,J=2.4 Hz,1H),7.38(s,1H),7.39−7.45(m,2H),7.52−7.56(m,1H),7.59−7.61(m,1H),7.65−7.69(m,1H),7.71(s,1H),7.78−7.8(m,1H),10.57(br s 1H).LC/MS(AP+)547:98%,
【0169】
《実施例43:B45の調製》
3−[1−メチル−4−(ナフタレン−2−イルオキシ)−1H−インド−ル−3−イル]−3−オキソ−プロピオニトリル、I−36、の合成。シアン酢酸(130mg、1.51mmol)、無水酢酸(1.5g、1.5mL、15.1mmol)及びI−33(412mg、1.51mmol)を50℃で15分間加熱した。TLC分析の結果、出発材料は存在しなかった。混合物を室温に冷やし、固体を沈殿させた。混合物をエ−テル(5mL)で希釈し、濾過した。固体をエ−テル(10mL)と共に摩砕した。濾過、風乾後に、346mg(収率67%)のI−36が淡黄色の化合物として得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0170】
5−[1−メチル−4−(ナフタレン−2−イルオキシ)−1H−インド−ル−3−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イルアミン、I−37、の合成。I−36(360mg、1.05mmol)、硫酸ヒドロキシルアミン(104mg、1.15mmol)及び水酸化ナトリウム(50.4mg、1.26mmol)の、エタノ−ル/水(1:1、5mL)の混合懸濁液を80℃で24時間加熱した。反応が完了しなかったので、水酸化ナトリウム(50mg)及び硫酸ヒドロキシルアミン(100mg)を追加した。混合物を100℃で24時間加熱した。反応混合物を最初の体積の半分まで濃縮してから、36%のHCl(0.25mL)を加えた。反応混合物を100℃で3時間加熱した。混合物を室温まで冷やし、油になるまで濃縮してから、酢酸エチル(10mL)で抽出した。溶液を10%NaOH水溶液で洗った。この塩基性水層を酢酸エチル(3x10mL)で抽出した。一緒に合わせた抽出物を水、ブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、濃縮した結果、褐色の固体(400mg)が得られた。この粗生成物を30%の酢酸エチル/ヘキサンを用いたシリカゲルのカラム・クロマトグラフィ−で精製した結果、120mgのI−37(収率、32%)が得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0171】
3、4−ジフルオロ−N−{5−[1−メチル−4−(ナフタレン−2−イルオキシ)−1H−インド−ル−3−イル]−イソオキサゾ−ル−3−イル}−ベンゼンスルホンアミド、B45、の合成。I−37(90mg、0.253mmol)の無水THF溶液(0.8mL)にNaH(21mg、0.51mmol、油中分散60%)を加えた。反応混合物を室温にて15分間攪拌し、次いで3、4−ジフルオロベンゼン塩化スルホニル(83mg、0.38mmol)を加えた。反応混合物を室温にて24時間攪拌した。反応完了後、混合物は10%HCl水溶液で酸性にし、EtOAcで抽出した。一緒に合わせた抽出物は水、ブラインで洗い、乾燥、濃縮した結果、粗生成物が得られた。この粗生成物を10、15、20%の酢酸エチル/ヘキサンを用いたカラム・クロマトグラフィ−で精製した結果、39mg(収率、37%)のB45が得られた。 H−NMR(400 MHz,CDCl),3.89(s,3H),6.41−6.47(m,1H),6.79(dd,J=7.6,0.8 Hz,1H),6.99(s,1H),7.02(m,1H),7.18(d,J=8,0.8 Hz,1H),7.26(t,J=8.4,1H),7.38−7.48(m,5H),7.68(s,1H),7.7(d,J=8 Hz,1H),7.84(d,J=8,1H),7.90(d,J=8.8,1H),8.39(br s,1H).LC/MS(APCI+)532:100%,
【0172】
《実施例44:B46の調製》
5−ブロモ−2−(2、5−ジメチル−ピロ−ル−1−イル)−ピリジン、I−38、の合成。5−ブロモ−ピリジン−2−イルアミン(3.28g、19mmol)、アセトニルアセトン(2.17g、19mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.95g)混合物のトルエン溶液(20mL)を、ディ−ン・スタ−ク・トラップを用いて一夜還流した。反応混合物を真空濃縮し、EtOAc(50mL)で希釈してから、水(2x10mL)、10%NaHCO水溶液、水、ブラインで洗い、MgSO4で乾燥し、濾過、濃縮した結果、4.2gの残渣が得られた。2%から4%のEtOAc/ヘキサンを用いたシリカゲルのカラム・クロマトグラフィ−によりこの残渣を精製した結果、3gの生成物、I−38、が得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0173】
2−(2、5−ジメチル−ピロ−ル−1−イル)−5−(4、4、5、5−テトラメチル−[1、3、2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン、I−39、の合成。I−38(220mg、0.876mmol)の−78℃の無水THF溶液(10mL)にn−BuLi(2.5Mヘキサン中、0.43mL、1.095mmol)を加えた。反応混合物をこの温度で15分間攪拌し、次いで2−イソプロポキシ−4、4、5、5−テトラメチル−1、3、2−ジオキサボロラン(0.36mL、1.75mmol)を滴下して加えた。混合物を−78℃で1時間攪拌し、次いでアセトン−ドライアイス浴から外し、混合物を0℃まで温めて、この温度で飽和NHClを用いてクエンチした。混合物を室温にて15分間攪拌し、次いでEtOAc(2x10mL)で抽出した。一緒に合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗い、NaSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、300mgのI−39が得られた。この物質の純度は次の段階に使用するのに十分と思われた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0174】
1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−7−[6−(2、5−ジメチル−ピロ−ル−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル、I−40、の合成。I−39(300mg、1mmol)のDME溶液(4mL)にI−11(258mg、0.66mmol)、次いで炭酸セシウム(326mg、1mmol)を加えた。混合物に5分間アルゴンを泡立てて通気し、懸濁液を脱気してから、Pd(PhP)触媒(46mg、0.04mmol)を加え、反応混合物を100℃で3.5時間攪拌した。反応物は室温まで冷やした後に、水で希釈した。混合物をEtOAc(2x15mL)で抽出した。一緒に合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗い、NaSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、400mgの残渣が得られた。シリカゲルのカラム・クロマトグラフィ−による精製の結果、100mgのI−40が得られた。
H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0175】
5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−ピリジン−2−イルアミン、I−41、の合成。I−40(95mg、0.198mmol)、トリエチルアミン(110μL、0.792mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸(158mg、2.28mmol)混合物を、EtOH(1.2mL)、水(0.4mL)、クロロホルム(0.2mL)混合溶媒にとかした溶液を密封したバイアル中で、90℃で24時間加熱した。TLCの分析によれば反応は不完全であった。追加のヒドロキシルアミン塩酸(130mg)を混合物に加え、100℃で1日間加熱した。反応混合物を室温まで冷やし、濃縮し、次いで10%のHCl水溶液をpHが2になるまで加え、混合物をエ−テルで抽出した。水層を6NのNaOH水溶液を用いてpH=9になるように塩基性化し、酢酸エチル(3x10mL)で抽出した。一緒に合わせた抽出液は水、ブラインで洗い、NaSO乾燥し、濾過、濃縮した結果、120mgの残渣が得られた。10%から50%までの酢酸エチル/ヘキサンを用いたシリカゲルのカラム・クロマトグラフィ−によりこの残渣を精製した結果、50mgのI−40(出発材料)及び30mgのI−41が得られた。
【0176】
4、5−ジクロロ−チオフェン−2−スルホン酸{5−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−ピリジン−2−イル}−アミド、B46、の合成。I−41(12mg、0.03mmol)のピリジン(0.15mL)との混合物を2、3−ジクロロチオフェン−5−塩化スルホニル(12mg、0.045mmol)に室温にて加えた。反応混合物を室温にて5時間攪拌した。TLCの分析によれば生成物は形成されなかった。この時点でDMAP(4mg)を加え、混合物を室温にて24時間攪拌した。ピリジンを真空下で除き、10%HCl水溶液(1mL)を加え、混合物を酢酸エチル(2x4mL)で抽出した。一緒に合わせた抽出物をブラインで洗い、NaSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、20mgの残渣が得られた。この残渣を濾過後にメタノ−ル(0.15mL)と共に摩砕した結果、8mgのB46が得られた。 H−NMR(400 MHz,CDCl),2.34(s,3H),4.94−5.03(m,2H),5.97(d,J=8.4,1H),6.67(dd,J=8.8,2.4,1H),6.93(s,1H),7.04(dd,J=8,2 Hz,1H),7.1(d,J=2,1H),7.24−7.33(m,4H),7.45(s,1H),8.08(br s,1H).LC/MS(ESI−)614:>80%
【0177】
《実施例45:B47の調製》
2−メチル−2−アリルシクロヘキサノン、I−42、の合成。5℃の水素化ナトリウム(1当量;鉱油中に分散60%)のジメトキシエチレン・グリコ−ル溶液に、窒素気相下にて2−メチルシクロヘキサノン(1当量)を滴下しながら加えた。溶液は室温まで温めたのちに、80℃で1.5時間加熱した。次いで溶液を室温まで、次いで5℃まで冷やした。臭化アリル(1当量)を滴下しながら加えたのちに、反応混合物を80℃で1.5時間加熱した。反応物は室温まで冷やしてから、水(〜14当量)を滴下しながら加えた。水層を二度エチルエ−テルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮後、粗生成物を2.5%エチルエ−テルのヘキサン溶液を用いたシリカゲルのクロマトグラフィ−で精製した結果、化合物I−42が35%の収率で得られた。H NMR
【0178】
(1−メチル−2−オキソ−シクロヘキシル)−酢酸、I−43、の合成。窒素気相下にある1−メチル−1−アリルシクロヘキサノン、I−42、のH℃HCN/CClの二相性溶液に、NaIO(20当量)次いでRuCl・HOを加えた。反応物を室温で一夜攪拌した。2−プロパノ−ル(〜88当量)を滴下しながら加えたところ、反応混合物は黒く変色した。混合物を水及びエチルエ−テルで希釈し、セライト・パッドを通して濾過し、パッドをエチルエ−テルで洗った。水層をジクロロメタン及び酢酸エチルで抽出した。一緒に合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空濃縮した結果、化合物、I−43、が定量的に得られた。H NMRで構造を確認した。
【0179】
ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オンズ、I−44、調製のための一般的手順(A−4)。(1−メチル−2−オキソ−シクロヘキシル)−酢酸、I−43(1当量)、の溶液及び適切なベンジルアミン(1当量)のm−キシレン溶液を145℃で3時間、加熱、還流した。反応物は真空濃縮し、残渣は、粗生成物のまま利用するか、若しくは、精製したシリカゲルのクロマトグラフィ−にかけヘキサンのジクロロメタン溶液(10−20%)を溶出液に用いて精製した結果、求めていた生成物、I−44、が得られた。生成物の構造はH NMRにより証明された。
【0180】
ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オンズ、I−45、の臭素化のための一般的手順(A−5):適切なヘキサヒドロ−インド−ル−2−オン、I−44の0℃のジクロロメタン溶液に臭素(1当量)を滴下して加えた。反応混合物を、臭素の色が消えるまで攪拌し、次いでさらに5分間攪拌した。トリエチルアミン(3当量)を一度に加えてから、反応混合物を室温にて10分間攪拌した。反応物は水洗し(3x)、硫酸マグネシウムで乾燥した。ジクロロメタン溶液を濾過、真空濃縮した。残渣は粗生成物のままで次の段階に持ってゆくか、若しくは、精製したシリカゲルのクロマトグラフィ−にかけ、ジクロロメタンを溶出液に用いて精製した結果、適切な臭化ビニル、I−45、が得られた。生成物の構造はH NMRにより証明された。
【0181】
1−(3−メトキシ−ベンジル)−3a−メチル−1、3、3a、4、5、6−ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オン、I−44、の合成:次の一般的手順、A−4、により(1−メチル−2−オキソ−シクロヘキシル)−酢酸(I−43)がI−44へ、変換された。H−NMRと一致。
【0182】
7−ブロモ−1−(3−メトキシ−ベンジル)−3a−メチル−1、3、3a、4、5、6−ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オン、I−45、の合成:次の一般的手順、A−5、により、1−(3−メトキシ−ベンジル)−3a−メチル−1、3、3a、4、5、6−ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オン、I−44はI−45へ変換された。H−NMRと一致。
【0183】
7−(1−エトキシ−ビニル)−1−(3−メトキシ−ベンジル)−3a−メチル−1、3、3a、4、5、6−ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オン、I−46、の合成。臭化I−45(350mg、1mmol)の乾燥ジオキサン溶液(5mL)にトリブチル(1−エトキシビニル)スズ(390mg、1.05mmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(36mg、0.05mmol)を加えた。反応混合物を密封したバイアル中にて、100℃で24時間加熱した。反応混合物を室温まで冷やし、真空濃縮し、塩化メチレン(10mL)で希釈後、セライトの短いプラグを通して濾過した。このプラグを二〜三回塩化メチレンで洗った。溶媒除して、粗生成物の残渣は、精製したシリカゲルのカラム・クロマトグラフィ−にかけ、ヘキサン及び2%酢酸エチル/ヘキサンを用いて精製した結果、224mgのI−46(収率、65.7%)が得られた。 H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0184】
7−アセチル−1−(3−メトキシ−ベンジル)−3a−メチル−1、3、3a、4、5、6−ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オン、I−47、の合成。I−46(220mg、0.645mmol)のTHF溶液(5mL)に2NのHCl水溶液(2mL)を室温にて加えた。反応混合物を室温にて2時間 攪拌した。反応混合物を水とエ−テル(20mL、1:1)の層に分離した。混合物を分離用ロ−トに移し、有機層を分けた。水層をエ−テル(3x15mL)で抽出した。一緒に合わせた抽出物を水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、203mgのI−47が得られた。H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0185】
7−(2−ブロモ−アセチル)−1−(3−メトキシ−ベンジル)−3a−メチル−1、3、3a、4、5、6−ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オン、I−48、の合成。7−アセチル−1−(3−メトキシ−ベンジル)−3a−メチル−1、3、3a、4、5、6−ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オン、I−47(160mg、0.511mmol)のジオキサン/クロロホルム(1:1、2mL)混合溶液に、臭素(81.8mg、26μL)を、3秒毎に一滴の割合で加えた。反応混合物を室温にて2時間攪拌した。混合物を濃縮してから、酢酸エチル(10mL)で希釈、水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、208mgのI−48が得られた。この生成物は次の段階に使用できるだけの、十分な純度を有していると思われた。 H−NMR(500 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0186】
7−(2−アミノ−チアゾ−ル−4−イル)−1−(3−メトキシ−ベンジル)−3a−メチル−1、3、3a、4、5、6−ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オン、I−49の合成。7−(2−ブロモ−アセチル)−1−(3−メトキシ−ベンジル)−3a−メチル−1、3、3a、4、5、6−ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オン、I−48(200mg、0.51mmol)、チオ尿素(34mg、0.51mmol)の混合物のエタノ−ル(2mL)溶液を80℃で3時間加熱した。混合物は濃縮し、酢酸エチル(15mL)で抽出し、10%の酢酸ナトリウム溶液(3mL)で洗った。有機層を分け、水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、150mgの粗生成物が得られた。エ−テルと共に摩砕した結果、75mgのI−49が得られた。 H−NMR(500 MHz,CDCl
【0187】
3、4−ジフルオロ−N−{4−[1−(3−メトキシ−ベンジル)−3a−メチル−2−オキソ−2、3、3a、4、5、6−ヘキサヒドロ−1H−インド−ル−7−イル]−チアゾ−ル−2−イル}−ベンゼンスルホンアミド、B47、の合成。7−(2−アミノ−チアゾ−ル−4−yl)−1−(3−メトキシ−ベンジル)−3a−メチル−1、3、3a、4、5、6−ヘキサヒドロ−インド−ル−2−オン、I−49(45mg、0.122mmol)のピリジン溶液(0.2mL)に、DMAP(30mg、0.24mmol)を加えた。この混合物は70℃で加熱し、3、4−ジフルオロベンゼン塩化スルホニル(52mg、0.24mmol)を加えた。溶液は懸濁液となり、反応は10分間で完了した。混合物を室温に冷やし、濃縮・乾固した。残渣を酢酸エチル(4mL)で希釈し、10%のHCl水溶液で洗った。水層をもう一度酢酸エチルで抽出した。一緒に合わせた抽出物を水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、70mgの粗生成物が得られた。酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を溶出溶媒に用いた分取用シリカゲルTLCで精製した結果、35mgのB47(収率53%)が得られた。 H−NMR(400 MHz,CDCl),1.21(s,3H),1.61−1.67(m,2H),1.77−1.83(m,2H),2.18−2.27(m,2H),2.24(dd,J=16,4.8 Hz,2H),3.73(s,1H),3.99(d,J=16 Hz,1H),5.03(d,J=16 Hz,1H),5.95(s,1H),6.36(d,J=7.6 Hz,1H),6.38(s,1H),6.68(dd,J=8.4,2 Hz,1H),7(t,J=8 Hz,1H),7.23−7.29(m,2H),7.66−7.76(m,2H).LC/MS(ESI+)546:93%.
【0188】
《実施例46:B09の調製》
4−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル)−フェニルアミン、I−50、の合成。I−10(220mg、0.96mmol)、4−(4、4、5、5−テトラメチル)−1、3、2−ジオキサボラン−2−イル)アニリン(316mg、1.44mmol)、テトラキストリフェニルホスヒン・パラジウム(56mg、0.048mmol)及び炭酸セシウム(470mg、1.44mmol)の混合物のDMF溶液(4mL)を密封したバイアルの中で、110℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷やした後に、水及びEtOAcの層に分離した。水層をEtOAc(2x20mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、乾燥(MgSO)、濃縮した結果、250mgの粗生成物が得られた。この粗生成物をSiOのクロマトグラフィ−にかけ20%のEtOAc/ヘキサン溶媒混合物を用いて精製した結果、I−50(120mg、収率52%)が白色の泡として得られた。
H−NMR(400 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0189】
N−[4−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル)−フェニル]−メタンスルホンアミド、I−51、の合成。4−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル)−フェニルアミン、I−50(120mg、0.5mmol)のピリジン溶液(0.3mL)を0℃に冷やし、塩化メタンスルホニル(114.55mg、2当量)を加えた。反応混合物を室温にて3時間攪拌した。混合物を濃縮し、10%のHCl水溶液を加え、この水溶性混合物をEtOAc(2x10mL)で抽出した。一緒に合わせた有機層を水、ブラインで洗い、乾燥し(MgSO)、濾過、濃縮した結果、残渣が得られた。この残渣をカラム・クロマトグラフィ−(SiO)にかけて20%のEtOAc/ヘキサン溶媒混合物を用いて精製した結果、95.5mgのI−51(収率60%)が得られた。H−NMR(400 MHz,CDCl)で構造を確認した。
【0190】
N−{4−[1−(2、4−ジクロロ−ベンジル)−5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル]−フェニル}−メタンスルホンアミド、B09、の合成。NaH(鉱油中60%、24mg、0.59mmol、2当量)のDMF懸濁液(2mL)に−10℃のN−[4−(5−フルオロ−3−メチル−1H−インド−ル−7−イル)−フェニル]−メタンスルホンアミド、I−51(95mg、0.298mmol、1当量)を加えた。反応混合物を室温まで温めて、30分間室温にて攪拌した。反応混合物を0℃に冷やし、2、4−ジクロロ塩化ベンジル(71mg、0.36mmol、1.2当量)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温まで温めてから、4時間攪拌した。反応混合物10%HCl水溶液(10mL)でクエンチし、エ−テル(3x20mL)で抽出した。一緒に合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗い、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した結果、残渣が得られた。この残渣をカラム・クロマトグラフィ−にかけ、7%EtOAc/ヘキサンを溶出液に用いて精製した結果、38mgのB09(収率30%)が得られた。 1H−NMR(400 MHz,CDCl):2.34(s,3H),3.07(s,3H),4.83(s,2H),5.99(d,J=8 Hz,1H),6.37(br s,1H),6.7(dd,J=9.6,2.4 Hz,1H),6.86(s,1H),6.99(dd,J=8.4,2 Hz,1H),7.03(s,4H),7.2(d,J=2 Hz,1H),7.26(dd,J=8.8,2.4 Hz,1H).LCMS(ESI−):447,99%.
【0191】
本発明の化合物のプロスタノイドEP3レセプタ−に対する結合はAbramovitz et al.による方法[Bioch.Biophys.Acta,1473,285−293(2000)]で検定した。チャ−ト1はカラム2に活性を示す。IC50の化合物<1μMは、+++;IC50の化合物は1−10μMは++;そしてIC50の化合物>10μMは+として示される。
《図表1》


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式:
【化1】

(式中、
A及びBは、一対の縮合5、6又は7員環を表し、前記縮合A/B環系は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される0〜4個のヘテロ原子を含有し、前記両環は更に、ハロゲン原子、−OH、低級アルキル基、−O−低級アルキル、フルオロ低級アルキル基、−O−低級フルオロアルキル、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、オキソ基、オキシド基、−CN、ニトロ基、−S−低級アルキル、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノアルキル基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、アシル基、カルボキサミド基、低級アルキルスルホキシド基、アシルアミノ基、フェニル基、ベンジル基、スピロチアゾリジニル基、フェノキシ基及びベンジルオキシ基から独立に選択される0〜4個の置換基で置換され;
a及びbは、それぞれ残基Y及びDの結合点を表し、a及びbは、前記縮合A/B環系で互いにペリ位の関係にあり;
d及びeは、前記縮合A/B環系におけるA環とB環の間の縮合点を表し;
Dは、アリール又はヘテロアリール環系であり、前記環系は、更に、ハロゲン原子、−OH、低級アルキル基、−O−低級アルキル、フルオロ低級アルキル基、−O−低級フルオロアルキル、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、−CN、ニトロ基、−S−低級アルキル、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノアルキル基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、アシル基、カルボキサミド基、低級アルキルスルホキシド基、アシルアミノ基、フェニル基、ベンジル基、フェノキシ基及びベンジルオキシ基から独立に選択される0〜4個の置換基で置換され;
Yは、鎖に0〜8個の原子を含むリンカーであり;
Mは、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロシクリル基、置換されたヘテロシクリル基、C〜C20アルキル基及び置換されたC〜C20アルキル基から選択され;
は、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロアリール基、置換されたヘテロアリール基、及びCFから選択され;
Yが単一原子リンカーである場合に、Rは更に低級アルキル基であることができる)
で表される化合物。
【請求項2】
YがC〜Cアルキル基から選択され、そこで1又は2個の−CH−を、−O−、−C(=O)−、−CH=CH−、−CF−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−又は−N(アルキル)−により置き換えることができる、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Yが鎖に1原子又は2原子を含むリンカーである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Yが、−CH−、−O−、−OCH−、−S−、−SO−、−SO−から選択され;並びに左手の結合が、A環又はB環への結合点を示す、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Dが、0〜4個の置換基で置換されるフェニル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Dが、0〜4個の置換基で置換されるナフチル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Dが、0〜4個の置換基で置換される単環式ヘテロアリール基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Dが、0〜4個の置換基で置換される二環式ヘテロアリール基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
が、フェニル基、置換されたフェニル基、5員環ヘテロアリール基、置換された5員環ヘテロアリール基、及びCFから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Mが、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロシクリル基、及び置換されたヘテロアリール基から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Mが、フェニル基、置換されたフェニル基、ナフチル基、置換されたナフチル基、ヘテロアリール基、及び、置換されたヘテロアリール基から選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
A/B環系が一対の縮合5員環:
【化2】

である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
A/B環系が一対の縮合6員環:
【化3】

である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
A/B環系が縮合5及び6員環の対:
【化4】

である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
A/B環系がインドールである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、又は前記化合物の塩、水和物、若しくはエステルの治療的有効量を哺乳動物に投与することを含む、プロスタグランジン媒介疾患又は病態の治療及び/又は予防方法。
【請求項17】
前記疾患又は病態が、
痛み、リウマチ熱・インフルエンザ若しくは他のウイルス感染と関連する発熱又は炎症、風邪、月経困難症、頭痛、片頭痛、捻挫及び挫傷、筋炎、神経痛、滑膜炎、慢性関節リウマチ・変形性関節疾患(変形性関節症)を含む関節炎、痛風及び強直性脊椎炎、滑液嚢炎、放射線及び腐食性薬品傷害を含むやけど、日焼け、免疫及び自己免疫疾患;
細胞性悪性形質転換又は転移性腫瘍増殖;
糖尿病性網膜症、腫瘍脈管形成;
月経困難症、早期分娩、喘息又は好酸球関連障害と関連するプロスタノイド誘発性平滑筋収縮;
アルツハイマー病;
緑内障;
骨量減少;
骨粗鬆症;
パジェット病;
消化性潰瘍、胃炎、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、憩室炎又は他の胃腸障害;胃腸出血;
低プロトロンビン血症、血友病及び他の出血問題から選択される凝固障害;
腎臓疾患;
血栓症、心筋梗塞、脳卒中;並びに
閉塞性血管疾患
から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記疾患が閉塞性血管疾患である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、又は前記化合物の塩、水和物若しくはエステルの治療的有効量を哺乳動物に投与することを含む、アテローム性動脈硬化症の治療において斑を減少させるため方法。
【請求項20】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、又は前記化合物の塩、水和物若しくはエステルの治療的有効量を哺乳動物に投与することを含む、骨形成の促進のための又は細胞保護のための方法。
【請求項21】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、又は前記化合物の塩、水和物若しくはエステル並びにシクロオキシゲナーゼ阻害剤の治療的有効量を哺乳動物に投与することを含む、痛み、炎症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、脳卒中又は血管閉塞性障害の治療又は予防のための方法。
【請求項22】
薬学的に許容可能な担体と、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物とを含む医薬組成物。
【請求項23】
血小板凝集阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、抗高脂血症剤、及びシクロオキシゲナーゼ阻害剤から選択される追加の治療剤を含む、請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項24】
前記血小板凝集阻害剤が、チロフィバン、ジピリダモール、クロピドグレル、及びチクロピジンから選択される、請求項23に記載の医薬製剤。
【請求項25】
前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、メバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチン、及びフルバスタチンから選択される、請求項23に記載の医薬製剤。
【請求項26】
前記シクロオキシゲナーゼ阻害剤が、
ロフェコキシブ、メロキシカム、セレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、シミコキシブ、ジクロフェナク、スリンダク、エトドラク、ケトロラク、ケトプロフェン、ピロキシカム、及びLAS−34475から選択される、請求項23に記載の医薬製剤。
【請求項27】
標識した請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物を、プロスタノイド受容体と接触させること、及び、試験化合物によるその置換を測定することを含む、選択的プロスタノイド受容体リガンドのためのスクリーニング方法。
【請求項28】
前記標識した化合物をクローン化されたヒトEP3受容体と接触させること、及び、試験化合物によるその置換を測定することを含む、選択的EP3リガンドのための請求項27に記載のスクリーニング方法。
【請求項29】
一般式:
【化5】

(式中、
A及びBは、一対の縮合5、6又は7員環を表し、前記縮合A/B環系は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される0〜4個のヘテロ原子を含有し、前記両環は更に、ハロゲン原子、−OH、低級アルキル基、−O−低級アルキル、フルオロ低級アルキル基、−O−低級フルオロアルキル、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、オキソ基、オキシド基、−CN、ニトロ基、−S−低級アルキル、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノアルキル基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、アシル基、カルボキサミド基、低級アルキルスルホキシド基、アシルアミノ基、フェニル基、ベンジル基、スピロチアゾリジニル基、フェノキシ基及びベンジルオキシ基から独立に選択される0〜4個の置換基で置換され;
a及びbは、それぞれ残基Y及びDの結合点を表し、a及びbは、前記縮合A/B環系で互いにペリ位の関係にあり;
d及びeは、前記縮合A/B環系におけるA環とB環の間の縮合点を表し;
Uが、C=O又はP=Oであり;
Dは、アリール又はヘテロアリール環系であり、前記環系は、更に、ハロゲン原子、−OH、低級アルキル基、−O−低級アルキル、フルオロ低級アルキル基、−O−低級フルオロアルキル、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、−CN、ニトロ基、−S−低級アルキル、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノアルキル基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、アシル基、カルボキサミド基、低級アルキルスルホキシド基、アシルアミノ基、フェニル基、ベンジル基、フェノキシ基及びベンジルオキシ基から独立に選択される0〜4個の置換基で置換され;
Yは、鎖に0〜8個の原子を含むリンカーであり;
Mは、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロシクリル基、置換されたヘテロシクリル基、C〜C20アルキル基及び置換されたC〜C20アルキル基から選択され;
は、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロアリール基、置換されたヘテロアリール基、及びCFから選択され;
Yが単一原子リンカーである場合に、Rは更に低級アルキルであることができる)
で表される化合物。
【請求項30】
UがC=Oである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
UがP=Oである、請求項29に記載の化合物。
【請求項32】
A/B環系がインドールである、請求項31又は32に記載の化合物。
【請求項33】
YがCHである、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
Mがアリール基又は置換されたアリール基である、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
Dがフェニル基又はオキサジアゾリル基である、請求項32に記載の化合物。
【請求項36】
がフェニル基、置換されたフェニル基、5員環ヘテロアリール基、置換された5員環ヘテロアリール基、CH及びCFから選択される、請求項35に記載の化合物。

【公表番号】特表2008−515980(P2008−515980A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536818(P2007−536818)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/036558
【国際公開番号】WO2006/044405
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(307047494)
【Fターム(参考)】