説明

電子カードおよび電子タグ用の電子埋込物モジュール

開示された電子埋込物(100)、およびそのような電子埋込物を作製する方法は、回路基板(10)、回路基板に接着された複数の回路部品(20a〜20c)、底部カバーシート(104)、上部カバーシート(102)、および底部カバーシートと上部カバーシートの間の熱硬化性材料層(50)を含む。電子埋込物を用い、上部オーバーレイ(40)および底部オーバーレイ(30)を電子埋込物に適用するための従来機器を用いて、電子カード(1)を製造することができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年4月10日出願の米国特許仮出願第60/790,528号(参照により全体として本明細書に組み入れられる)について優先権および恩典を主張する。
【0002】
背景
本発明は概して、電子カードの分野に関し、より詳細には電子カード中で用いられる電子埋込物(electric inlay)の分野およびそのような電子埋込物を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に電子カードは、クレジットカード、銀行カード、IDカード、テレホンカード、セキュリティカード、スマートカード、または同様のデバイスとして用いることができる。電子カードは一般に、何層かのプラスチックシートをサンドイッチ配列に組み立てることにより構築される。さらに、電子カードは電子部品を含み、それらによって多くの機能を行なうことができる。
【0004】
欧州特許第0 350 179号(特許文献1)は、カードの二つの表面層の間に差し込まれたプラスチック材料層中に電子回路が封入されている、スマートカードを開示する。開示された方法は、高い引張り強さを有する保持部材を鋳型の片側に接触させる工程、その側にスマートカードの電子部品を配置する工程、およびその後、電子部品が封入されるように反応成形性ポリマー材料を鋳型に注入する工程をさらに含む。
【0005】
欧州特許出願第95400365.3号(特許文献2)は、非接触型スマートカードを作製するための方法を教示する。該方法は、固い枠を用いて、上部熱可塑性シートと下部熱可塑性シートの間の空隙中に電子モジュールを配置し、固定する。枠を下部熱可塑性シートに機械的に固定した後、空隙に重合性樹脂素材を充填する。
【0006】
米国特許第5,399,847号(特許文献3)は、三つの層、すなわち第1の外層、第2の外層、および中間層で構成される、クレジットカードを教示する。中間層は、熱可塑性結合材料を注入することにより形成され、それによりスマートカードの電子素子(例えばICチップおよびアンテナ)は中間層材料で包まれる。好ましくは結合材料は、空気と接触すると硬化する二つまたはそれ以上の化学反応成分を有する、コポリアミドの混合物または糊から構成される。このスマートカードの外層は、ポリ塩化ビニルまたはポリウレタンなどの様々なポリマー材料から構成することができる。
【0007】
米国特許第5,417,905号(特許文献4)は、プラスチックのクレジットカードを製造するための方法を教示する。該方法では、二つのシェルから構成された鋳型ツールが閉じて、そのようなカードを製造するための空洞を画定する。ラベルまたはイメージサポートが各鋳型シェル内に配置される。次に鋳型シェルを合わせて、鋳型に熱可塑性材料を注入し、カードを形成する。流入するプラスチックが、ラベルまたはイメージサポートを各鋳型面に押し付ける。
【0008】
米国特許第5,510,074号(特許文献5)は、実質的に平行な主側面を備えたカード本体、少なくとも片側に図形要素を備えた支持部材、およびチップに固定されたコンタクトアレイを含む電子モジュールを有するスマートカードを製造する方法を教示する。製造方法は概して、以下の工程を含む:(1) カードの体積および形状を画定する鋳型中に支持部材を配置する工程;(2) 鋳型の第1の主壁に支持部材を押し当てる工程;(3) 支持部材によって占められていない体積部分を満たすために、熱可塑性材料を空洞が画定する体積に注入する工程;ならびに(4)注入された材料が完全に凝固してしまう前に、熱可塑性材料中の適正位置に電子モジュールを挿入する工程。
【0009】
米国特許第4,339,407号(特許文献6)は、特異的なオリフィスと共に平坦部、溝および隆起が特異的に配置された壁を有する、キャリア形態の電子回路封入デバイスを開示する。鋳型の壁部分が、回路アセンブリを所与の配列に保持する。キャリアの壁は、スマートカードの電子回路の挿入を容易にするために、少し柔軟な材料で作られている。キャリアを外鋳型に差し込むことができる。これにより、キャリアの壁が互いに近づいて、熱可塑性材料が注入される間、部品は安全に整列して保たれる。鋳型内にキャリアを配置して固定するために、キャリアの壁の外側には、鋳型の壁上の移動止めに噛み合うように働く突起が有る。鋳型はまた、閉じ込められた気体を逃がすための穴を有する。
【0010】
米国特許第5,350,553号(特許文献7)は、射出成形鋳型中でプラスチックカードに、装飾パターンを製造し、電子回路をその中に配置した方法を教示する。該方法は、以下の工程を含む:(a) 射出成形機中の開口した鋳型空洞上にフィルム(例えば装飾パターンを持つフィルム)を導入し、配置する工程;(b) フィルムがその中の適所に固定され押しつけられるように鋳型空洞を閉じる工程;(c) 鋳型空洞中に電子回路チップを配置するために、鋳型の孔を通して該チップを該空洞中へ挿入する工程;(d) 鋳型空洞に熱可塑性支持組成物を注入して、一体型カードを形成する工程;(e) 余分の材料をすべて除去する工程;(f) 鋳型空洞を開く工程;および(g) カードを取り出す工程。
【0011】
米国特許第4,961,893号(特許文献8)は、集積回路チップを支持する支持素子を主な特徴とするスマートカードを教示する。支持素子を用いて鋳型空洞内部にチップを配置する。チップが完全にプラスチック材料中に包埋されるように、空洞にプラスチック材料を注入することにより、カード本体を形成する。複数の態様では、支持体の端部領域を、それぞれの鋳型の荷重支持表面の間に繋留する。支持素子は、完成したカードから剥ぎ取られるフィルムであってもよく、またはカードの一体部分として残るシートであってもよい。支持素子が剥取りフィルムである場合は、そこに含まれる任意の図形要素がカード上に移って可視のまま残る。支持素子がカードの一体部分として残る場合は、そのような図形要素がカードの表面に形成され、従ってカード使用者が見ることが可能になる。
【0012】
米国特許第5,498,388号(特許文献9)は、貫通開口部を有するカードボードを含むスマートカードデバイスを教示する。半導体モジュールをこの開口部に装着する。前記半導体モジュールの外部接続用の電極端子面のみが露出しているような状態で樹脂鋳型が形成されるように、樹脂を開口部に注入する。カードは、以下の工程により完成する:貫通開口部を有するカードボードを二つの向き合う成形用金型の下部鋳型に装着する工程、前記カードボードの開口部に半導体モジュールを装着する工程、下部金型に通じる湯口(gate)を有する上部金型を締め付ける工程、および、湯口を通して開口部の中に樹脂を注入する工程。
【0013】
米国特許第5,423,705号(特許文献10)は、熱可塑性射出成形材料で作製されたディスク本体、およびディスク本体に一体的に連結された積層を有するディスクを教示する。積層は、外側の透明な薄膜および内側の白い不透明な薄膜を含む。イメージング材料が、これらの薄膜の間に挟まれている。
【0014】
米国特許第6,025,054号(特許文献11)は、スマートカードの中核層となる熱硬化性材料中に電子デバイスを浸す際に適所に電子デバイスを保持するために低収縮率の糊を用いる、スマートカードを構築するための方法を開示する。
【0015】
一般に、上記の方法はすべて、電子機器上に配置される印刷されたオーバーレイのアセンブリ用に特殊化された機器を用いる工程を含む。この欠点を考慮して、自己完結的でありかつ様々な異なる電子カード中への組込みのために、カード製造会社に出荷されることが可能な電子埋込物を提供できることが必要である。さらに、印刷されたオーバーレイおよび薄層を電子埋込物に塗布できる従来のカード作製機器を使用することによって電子カードへの組込み可能な電子埋込物を作製できることが必要である。
【0016】
【特許文献1】欧州特許第0 350 179号
【特許文献2】欧州特許出願第95400365.3号
【特許文献3】米国特許第5,399,847号
【特許文献4】米国特許第5,417,905号
【特許文献5】米国特許第5,510,074号
【特許文献6】米国特許第4,339,407号
【特許文献7】米国特許第5,350,553号
【特許文献8】米国特許第4,961,893号
【特許文献9】米国特許第5,498,388号
【特許文献10】米国特許第5,423,705号
【特許文献11】米国特許第6,025,054号
【発明の開示】
【0017】
概要
本発明の一つの態様により、電子カード中で用いられる電子埋込物が提供される。電子埋込物は、回路基板、回路基板に接着された複数の回路部品、回路基板の下面に接着された底部カバーシート、回路基板の上面の上部に配置された上部カバーシート、および底部カバーシートと上部カバーシートの間の熱硬化性材料層を含むことができる。電子オーバーレイの全厚は、0.033インチ未満または0.028インチ未満であることができる。さらに、電子オーバーレイの全厚は、0.016インチを上回ることができる。
【0018】
本発明の別の態様によれば、電子埋込物、上部オーバーレイ、および底部オーバーレイを含む電子カードが開示される。電子埋込物は、回路基板、回路基板に接着された複数の回路部品、回路基板の底面に接着された底部カバーシート、回路基板の上面の上方に配置された上部カバーシート、および底部カバーシートと上部カバーシートの間の熱硬化性材料層を含むことができる。上部オーバーレイを電子埋込物の上面に接着することができ、一方、底部オーバーレイを電子埋込物の底面に接着することができる。さらに、ヒートシール被覆を上部カバーシートに配置することができ、別のヒートシール被覆を底部カバーシートに配置することができる。
【0019】
本発明の別の態様によれば、以下の工程を含む電子埋込物を製造するための方法が開示される:回路基板を提供する工程、複数の回路部品を回路基板へ貼り付ける工程、回路基板の底面を底部カバーシートに貼り付ける工程、回路基板および底部カバーシートを射出成形装置中へ入れる工程、回路基板の上面の上方に配置される上部カバーシートを射出成形装置中へ入れる工程、上部カバーシートと底部カバーシートの間へ熱硬化性ポリマー材料を注入する工程、ならびに上部カバーシートおよび底部カバーシートにヒートシール被覆を施す工程。
【0020】
本発明のさらに別の態様によれば、以下の工程を含む電子カードを製造する方法が開示される:回路基板を提供する工程、複数の回路部品を回路基板へ貼り付ける工程、回路基板の底面を底部カバーシートに貼り付ける工程、回路基板および底部カバーシートを射出成形装置中へ入れる工程、回路基板の上面の上方に配置される上部カバーシートを射出成形装置中へ入れる工程、上部カバーシートと底部カバーシートの間へ熱硬化性ポリマー材料を注入して、電子埋込物を作製する工程、電子埋込物を射出成形装置から取り出す工程、ならびに電子埋込物に接着するための上部オーバーレイおよび底部オーバーレイを提供する工程。
【0021】
一つの態様では、電子カードを作製する方法は、上部オーバーレイと底部オーバーレイの間に電子埋込物を配置してアセンブリを作製する工程、積層装置中にアセンブリを配置する工程、ならびにアセンブリに高温積層処理を施す工程を含む。
【0022】
一つの態様によれば、電子カード中で用いられる電子埋込物には、上面および底面を有する回路基板、回路基板の上面に接着された複数の回路部品、回路基板の上面の上方に配置された上部カバーシート、ならびに回路基板と上部カバーシートの間に位置する熱硬化性材料層が含まれる。
【0023】
別の態様によれば、電子カードは、上面と底面を有する回路基板と、回路基板の上面に接着された複数の回路部品と、回路基板の上面の上方に配置された上部カバーシートと、回路基板と上部カバーシートの間の熱硬化性材料層とを含む電子埋込物、電子埋込物の上面に接着された上部オーバーレイ、および回路基板の底面に接着された底部オーバーレイを含む。
【0024】
さらに別の態様によれば、電子埋込物を製造するための方法には、以下の工程が含まれる:上面と底面を有する回路基板を提供する工程、回路基板の上面に複数の回路部品を貼り付ける工程、回路基板を射出成形装置中へ入れる工程、回路基板の上面の上方に配置される上部カバーシートを射出成形装置中へ入れる工程、上部カバーシートと回路基板の間に熱硬化性ポリマー材料を注入する工程、ならびに上部カバーシートおよび回路基板の底面にヒートシール被覆を施す工程。
【0025】
さらに別の態様によれば、電子カードを製造する方法には、以下の工程が含まれる:上面と底面を有する回路基板を提供する工程、回路基板の上面に複数の回路部品を貼り付ける工程、回路基板を射出成形装置の中へ入れる工程、回路基板の上面の上方に配置される上部カバーシートを射出成形装置の中へ入れる工程、熱硬化性ポリマー材料を上部カバーシートと回路基板の間に注入して電子埋込物を作製する工程、電子埋込物を取り出す工程、および電子埋込物へ接着するための上部オーバーレイおよび底部オーバーレイを提供する工程。
【0026】
先の概説および次の詳述の両方とも単なる例示および説明であり、権利請求する本発明を限定するものではないことが理解されよう。
【0027】
好ましい態様の詳細な説明
本発明の一つの態様によれば、図1に示すように、電子カード1は、電子埋込物100、底部オーバーレイ30、および上部オーバーレイ40を含むことができる。図2に見られるように、電子埋込物100は、回路基板10、複数の回路部品20a〜20c、熱硬化性材料層50、上部カバーシート102、および下部カバーシート104を含むことができる。
【0028】
回路基板10は上面11および底面12を有する。本発明の一つの態様によれば、回路基板10は両面基板でもよい。従って回路基板10は、上面11および底面12に複数の回路配線14 (図3に示す)を搭載するように構成されうる。回路配線14は、回路基板10に貼り付けられた複数の回路部品20a〜20cを機能的に接続するように構成される。回路配線14は、回路部品が電子カード1の中で電気的機能を遂行できるように、複数の回路部品20a〜20cに電気的に接続する。
【0029】
回路配線14を、多くの様式で、回路基板の表面11および12上に設けることができる。例えば、回路基板10の上に導電性インクで回路配線14を形成してもよい。あるいは、回路配線14を回路基板10の上にエッチングしてもよい。
【0030】
回路基板10は、電子回路の収容に適した任意の公知の従来材料で構成される。例えば回路基板10を、ガラス織布で強化されたエポキシ樹脂による難燃性薄層で構成してもよい。この材料はFR-4ボードとしても知られている。または、回路基板10を、ポリエステルなどの導電性インクの貼付に適したプラスチック化合物で構成してもよい。
【0031】
図2に示しかつ下に述べるように、回路基板10を、複数の回路部品20a〜20cを収容して垂直方向に安定させるように構成する。複数の回路部品20a〜20cを、複数の方法のうち任意の一つによって、回路基板10に、具体的には回路配線14に接着させることができる。例えば、本発明の態様の一つでは、回路部品20a〜20cは導電性接着剤によって回路基板10に接続される。好ましくは、複数の回路部品を回路基板10上にはんだ付けする。複数の回路部品20a〜20cは、回路基板10の所望の任意の場所に配置することができる。電子カード1の目的および設計パラメータによって、回路配線14の位置および回路部品20a〜20cの位置が規定されるであろう。機能性もまた、どのような種類の回路部品20a〜20cが回路基板10に実装されるかを規定するであろう。
【0032】
単なる例示目的で、複数の回路部品20a〜20cは、バッテリー、LED、ボタン、またはスイッチのうちの一つであり得る。さらに、これらの回路部品の任意の一つまたはすべてが、回路基板10に実装されうる。さらに、追加の回路部品20a〜20cには、マイクロプロセッサーチップ、スピーカー、複数のLED26 (図7に示す)、フレキシブルディスプレー、RFIDアンテナ、およびエミュレーターが、非限定的に含まれる。図4を参照すると電子埋込物100の回路配置図が示されている。図4に示す回路基板10は、バッテリー25、マイクロプロセッサー22、およびボタン23が実装されている。電子埋込物100は、ボタン23に接続された回路部品として液晶ディスプレー24を含むことができる。液晶ディスプレー24を用いて、勘定残高などの情報をユーザーに表示してもよい。代替的にまたは追加して、電子埋込物100はスピーカー(図示せず)を含んでもよい。
【0033】
一般に、図2に示す部品は、厚さおよび長さが異なってもよい。例えば、電子埋込物100の厚さは0.03インチ未満でよい。しかし、電子埋込物100の全厚は、好ましくは0.016〜0.028インチである。したがって、これらの寸法によって、種々の公認の金融カード会社によって用いられている従来の機器に適合可能となるべき電子埋込物100に底部オーバーレイ30および上部オーバーレイ40を加えることができる。例にすぎないが、バッテリー25の厚さは0.016インチ、押しボタン23の厚さは0.020インチ、およびマイクロプロセッサー22の厚さは0.015インチであり得る。さらに、図2に示す電子カード1は、厚さ0.010インチのスピーカー(図示せず)を有することができよう。
【0034】
図2に示すように、底部カバーシート104を回路基板10の底面12に接着する。底部カバーシート104を任意の数の公知の方法によって、回路基板10に接着することができる。好ましくは底面12を、感圧接着テープまたはスプレー式接着剤を用いて底部カバーシート104に接着する。底部カバーシート104は、任意の適切な材料から構成されうるが、好ましくは、底部カバーシート104はポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PETG、または任意の他の適切な材料で構成される。底部カバーシート104は、例えば厚さ0.001〜0.002インチであり、PVCに適合するヒートシール被覆106をカバーシートの外側に含むことができる。底部オーバーレイ30をPVCで作製することができるので、ヒートシール被覆106はPVCと適合性であり得る。
【0035】
回路基板10の上面の上方に配置された上部カバーシート102を図2に示す。上部カバーシート102は任意の適切な材料で構成することができ、例えば上部カバーシート102は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PETG、または任意の他の適切な材料でよい。底部カバーシートと同様に、上部カバーシートは、例えば厚さ0.001〜0.002インチであり、カバーシートの外側にPVCと適合するヒートシール被覆106を含むことができる。上部オーバーレイ40をPVCで作製することができるので、ヒートシール被覆106は、PVCと適合性であり得る。
【0036】
以前に述べたように、電子埋込物100の全厚、ならびに上部カバーシート102および底部カバーシート104の厚さは、変動可能である。上の例に加えて、厚さ0.010インチ程度と薄い、または厚さ0.200インチ程度と厚い、電子カード1の他の例も含まれ得る。さらに、上部カバーシートおよび底部カバーシートは0.010インチ〜0.200インチの範囲の厚さであることができる。したがって、電子埋込物100の全厚、ならびに上部カバーシート102および底部カバーシート104などの個別の部分の厚さは、電子カード1の特定の用途および所望の寸法に依存することになろう。
【0037】
図2に示すように、熱硬化性材料層50は、回路基板10の上面と上部カバーシート102の間に位置する。さらに、熱硬化性材料層50は、回路基板10の底面11より下方で、底部カバーシート104の上方の領域に存在する。好ましくは、熱硬化性材料層50は、熱硬化性ポリマー材料で構成される。例えば、熱硬化性材料層50はポリウレアで構成されてもよい。
【0038】
ポリウレアは、イソシアネート成分と樹脂混合物成分の反応生成物に由来する公知のエラストマーである。イソシアネートは本来、芳香族でも脂肪族でもあり得る。それはモノマー、ポリマーまたはイソシアネートの任意の異なる反応物、疑似プレポリマー、またはプレポリマーであり得る。プレポリマー、または疑似プレポリマーを、アミン末端を有するポリマー樹脂または水酸基末端を有するポリマー樹脂で作製することができる。樹脂混合物は、アミン末端を有するポリマー樹脂、および/またはアミン末端を有する鎖延長剤で構成しなければならない。アミン末端を有するポリマー樹脂は、いかなる意図的な水酸基部分も有しない。全ての水酸基は、アミン末端を有するポリマー樹脂への不完全な変換の結果である。樹脂混合物はまた、添加剤または非主要成分を含んでもよい。これらの添加剤は、ポリオール担体中に予め分散された色素などの水酸基を含んでもよい。通常は、樹脂混合物は触媒を含まない。
【0039】
純粋なポリウレアなどのポリウレア配合物を熱硬化性材料層50として用いることによって、電子埋込物100は、電子埋込物100に上部オーバーレイ102および底部オーバーレイ104を加えて電子カード1を形成する際に高温積層処理で用いられる高温積層温度に耐えることが可能になる。そのような高温積層温度には、250〜300°Fの範囲が含まれ得る。
【0040】
別の態様によれば、図7に示すように、電子埋込物100は底部カバーシート104を含まない。複数の回路部品20a〜20cが、回路基板10の上に配置される。上部カバーシート102は、熱硬化性材料層50が上部カバーシート102の底面と回路基板10の上面との間に配置されている実装済み回路基板10の上方に配置される。PVCと適合するヒートシール被覆106を、回路基板10の底面12に塗布する。底部オーバーレイ30をPVCで作製することができるので、ヒートシール被覆106はPVCと適合性であり得ることが好ましい。
【0041】
熱硬化性材料層50の注入が完了し、電子埋込物の取出しと出荷の提供ができたならば、公認金融カード会社へ電子埋込物を出荷してもよく、該会社が残りの上部オーバーレイ40および底部オーバーレイ30を加えることになろう。
【0042】
存在する場合、ヒートシール被覆106の底面に底部オーバーレイ30を接着することができる。ヒートシール被覆がない場合は、底部オーバーレイ30を底部カバーシート104または回路基板10の底面に接着することができる。ヒートシール被覆106を用いるならば、これは、電子埋込物100に底部オーバーレイ30を接着するための高温積層処理を容易にするであろう。底部オーバーレイ30は任意の適切な材料で構成されうるが、好ましくは底部オーバーレイ30は、ポリ塩化ビニル(PVC)または同様の材料で構成される。本発明の一つの態様によれば、ヒートシール被覆106と接しかつ/または底部カバーシート104もしくは回路基板10と接する底部オーバーレイ30の表面は、印刷情報を有する。または、印刷情報を底部オーバーレイ30の外側表面に配置してもよい。例えば、底部オーバーレイ30は、名前、有効期限、およびカード番号を含む、標準的なクレジットカードと一致する印刷情報を含むことができる。
【0043】
本発明の別の態様によれば、底部オーバーレイ30は透明であるか、または「2/5 透明/白印刷」であってよい。「2/5 透明/白印刷」とは、オーバーレイが、0.005インチの印刷された白色PVC層と、該0.005インチ層の印刷面上の0.002インチの透明な薄層とを含むことを意味する。当然ながら、厚さ0.005インチ未満の印刷された白色PVC層および/または厚さ0.002インチ未満の透明な薄層などの他の型のオーバーレイを用いることもできる。
【0044】
回路基板10の上面の上方に配置された上部オーバーレイ40を、図1に示す。上部オーバーレイ40は任意の適切な材料で構成されうり、例えば上部オーバーレイ40は、ポリ塩化ビニル(PVC)または同様の材料から構成されてもよい。本発明の一つの態様によれば、熱硬化性材料層50に接する上部オーバーレイ40の表面は、印刷情報を有する。または、上部オーバーレイ40の外側表面が印刷情報を有してもよい。例えば、上部オーバーレイ40は、名前、有効期限、およびカード番号を含む、標準的なクレジットカードと一致する印刷情報を含むことができる。
【0045】
本発明の別の態様によれば、上部オーバーレイ40は、透明であるか、または上述のように「2/5 透明/白印刷」であってよい。底部オーバーレイ30と同様に、厚さ0.005インチ未満の印刷された白色PVC層および/または厚さ0.002インチ未満の透明な薄層などの他の型のオーバーレイを用いることもできる。
【0046】
以前に言及したように、電子カード1および電子埋込物100の全体の寸法には、特別な注意が必要である。特にISO 07816基準を満たす金融カードを製造するためには、完成したカードは、厚さ0.033インチ(すなわち0.76mm)を越えてはならない。したがって、上部オーバーレイ40、底部オーバーレイ30、および電子埋込物100の厚さを、互いに独立して考慮することはできない。例えば、上部オーバーレイ40および底部オーバーレイ30の両方が2/5 透明/白色印刷を含む場合は、オーバーレイはそれぞれ厚さ0.007インチとなる。したがって、電子埋込物100の厚さは、0.019インチを超えてはならない。しかし、上部オーバーレイ40または底部オーバーレイ30が厚さ0.007インチ未満である場合は、上部オーバーレイ40、底部オーバーレイ30、および電子埋込物100の厚さの合計が0.033インチを超過しない限り、埋込物100の厚さをより大きくすることができる。
【0047】
これらの配列の他の種類もまた考慮する。例えば、上部カバーシート102を使用する代わりに、離型剤を利用してもよい。そのような構成では、回路基板10上に回路部品が配置され、回路基板10は底部カバーシート104上に配置され、熱硬化性材料層50は、回路部品、回路基板10、および底部カバーシート104の上に配置される。鋳型からの電子埋込物の分離を容易にするために、シリコンスプレーなどの離型剤が鋳型の上部に塗布される。離型剤の残渣は、上部および底部オーバーレイを付加するための高温積層処理が行なわれる前に、電子埋込物から取り除かれる。
【0048】
本発明による電子カードを製造する方法について、以下で述べる。
【0049】
最初に、回路基板10を提供する。回路基板10は上面11および底面12を有する。回路配線14が、回路基板10の上面11に存在する。または、回路基板は、上面11および底面12に回路配線14を有する両面基板であってよい。
【0050】
次に、複数の回路部品20a〜20cを回路基板10上に配置し、回路基板10の上面および/または底面上の回路配線14に電気的に接続する。回路部品20a〜20cは、両面性の導電テープの使用を含む複数の方法の任意の一つによって接続してもよい。好ましくは、複数の回路部品20a〜20cを、従来のはんだ付け処理によって接続する。
【0051】
次に、回路基板10の底面12を底部カバーシート104に貼り付ける。好ましくは、感圧接着テープまたはスプレー式接着剤を用いて、底面12を底部カバーシート104に接着する。別の態様によれば、回路基板の底面12は底部カバーシート104に接着されない。この態様では、回路基板が底部カバーシート104として機能する。
【0052】
底部カバーシート104を有するまたは有しない回路基板10を、次に、完全な1枚のシートとして射出成形装置に入れる。射出成形装置中に上部カバーシート102を配置し、上部カバーシート102が回路基板10の上面11の上方にあるように配置する。具体的には、射出成形装置は、反応射出成形機(個々に「RIM」と呼ばれることが多い)であってもよい。これらの機械は上部鋳型シェルおよび底部鋳型シェルを備えており、それらは、ポリマー材料(例えばPVC)のシート少なくとも1枚に対して低温(cold)低圧形成操作を行って上部カバーシート102および底部カバーシート104を作製することができる。そのような上部および底部鋳型シェルは、ポリマー材料成形技術の当業者に周知の様式で協働する。
【0053】
次に射出成形装置は、上部カバーシート102と回路基板10/底部カバーシート104の間に、ノズル60 (図5に示す)を介して熱硬化性ポリマー材料を注入し、熱硬化性ポリマー材料から熱硬化性材料層50を形成する。好ましくは、先に言及したように、熱硬化性ポリマー材料はポリウレアであってよいが、他の適切な材料を用いることもできる。
【0054】
一般に低温低圧形成条件とは、熱硬化性ポリマー材料の温度が上部カバーシート102および底部カバーシート104/回路基板10の熱変形温度より低く、かつ圧力が約500psiより低い、形成条件を意味する。好ましくは、低温形成温度は、上部カバーシート102および底部カバーシート104/回路基板10の熱変形温度を少なくとも100°F下回る。多くのポリ塩化ビニル(PVC)材料の熱変形温度は、約230°Fである。したがって、本発明におけるそのようなPVCシートの低温形成に用いられる温度は、約130°F以下である。
【0055】
本発明の一つの態様によれば、より好ましい低温低圧形成手順は、好ましくはほぼ大気圧〜約500psiの範囲の圧力下における約56°F〜約160°Fの範囲の温度での熱硬化性ポリマー材料の注入を伴う。本発明の別の態様では、電子埋込物100に注入される熱硬化性ポリマー材料の温度は、好ましくは約80〜120psiの範囲の注入圧力下で、約65°F〜約70°Fの間である。
【0056】
注入処理中は、上部カバーシートと底部カバーシートの間に熱硬化性材料が流れることができるように、湯口を用いる。一方、本処理においては湯道を用いることはなく、その結果、電子埋込物100のシートは平らになる。上部カバーシート102および底部カバーシート104/回路基板10の上にヒートシール被覆106を用いる場合は、処理中の任意の適切な時点で被覆を付加できることにも注目するべきである。例えば、カバーシートを鋳型へ挿入する前に、または電子埋込物のシートを鋳型から取り出した後で、ヒートシール被覆を付加することができる。
【0057】
熱硬化性ポリマー材料の注入の後に、射出成形装置から成形構造物を取り出す。本発明の一つの態様によれば、複数の電子埋込物100を1枚の成形シート上に形成する。図3は、1枚のシート上に形成された複数の電子埋込物を表す。他の態様によれば、注入されるシートは、単一の電子埋込物100、電子埋込物100の単一の帯または列、あるいは電子埋込物のアレイに対応することができる。例えば、注入されるシートは、七つの電子埋込物の三つの列を含むことができ、これにより、既存のカード製造業者は、自身の既存の機器および現在用いている処理を用いて電子カードを製造することができる。電子埋込物100の剛性は、電子埋込物100の個別の部品それぞれの組成において用いられる材料に依存する。
【0058】
その後、電子埋込物シート100を取り出す。次に上部オーバーレイ40および底部オーバーレイ30を電子埋込物100に適用して、電子カード/電子タグ1を形成する。例えば、カード製造業者は、電子埋込物100のシートを受け取り、高温積層処理を用いて電子埋込物に上部オーバーレイ40および底部オーバーレイ30を接着してもよい。ヒートシール被覆の使用は、オーバーレイを接着するための高温積層処理を容易にすることができる。さらに、上部オーバーレイ40および底部オーバーレイ30にPVC材料を用いる場合、ヒートシール被覆はPVCと適合性であり得る。高温積層処理は約250°F〜約320°Fの温度範囲で行うことができる。この理由で、純粋なポリウレアはそのような温度に耐えることができるため、望ましい。
【0059】
使用可能な高温積層処理の例が、米国特許第5,817,207号に提示されており、それは参照により本明細書に組み入れられる。そのような処理の一例を図6に示す。この例では、電子埋込物のシート202を、上部オーバーレイ40と底部オーバーレイ30の間に配置する。これらの層を、プラスチックカード製造分野において周知の型の積層装置204中に配置する。積層装置204は、その間に配置された物品に動圧を印加するための、上部および下部の圧盤206および208を含む。動圧を印加する能力に加えて、制御された圧盤206および208は加熱および冷却サイクルの両方を提供しうり、かつサイクルタイムを調節するためのサイクルタイマーを含むことができる。埋込物のシート202ならびに上部オーバーレイ40および底部オーバーレイ30はアセンブリ222を形成し、これは第1および第2の積層プレート210および212の間に配置され、上部または底部オーバーレイのいずれかに少なくとも一面のざらざらした外側表面を提供するために、プレートの一方はつや消し仕上げとすることができる。さらに、第1および第2の積層パッド214および216が積層プレート210および212の外側に配置され、かつ、第1および第2の鋼板218および220が積層パッド214および216の外側に配置される。図6においては、アセンブリ222が圧盤206と208の間の適所にあることを示す。
【0060】
アセンブリ222が積層装置204中の適所に配置されたら、好ましくはアセンブリ222に殆どまたは全く動圧を印加することなく圧盤206および208を閉じることにより、最初の積層サイクルを開始する。5分間を超える期間の間、好ましくは7〜10分間の範囲で、圧盤206および208の温度を250°F〜320°Fの範囲まで上昇させて、加熱サイクルを開始する。上述のようにアセンブリに加熱サイクルを適用したら、積層装置40の動圧を増加させて、上部オーバーレイ40および底部オーバーレイ30の電子埋込物への接着を促進する。加熱サイクルの間に印加される動圧および加熱サイクルの長さは、特に電子埋込物のシート202の大きさに応じて変動しうる。例えばサイクル時間は10〜15分間の範囲であってよい。
【0061】
上記の加熱サイクルに続いて、積層装置204はアセンブリ222に冷却サイクルを適用し、その期間中およそ10〜15分間、圧盤206および208が約40°F〜65°Fに冷却されるまで、積層装置204の動圧を好ましくは約25%増大させる。その後、さらなる処理のために、完成したアセンブリ222を積層装置204から取り出す。
【0062】
積層装置204からアセンブリ222を取り出した後、アセンブリの上部オーバーレイおよび底部オーバーレイのいずれか一方または両方に印刷インキ層を塗布することができる。これを、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、ローラー塗り、スプレー印刷、石版印刷、および他の適切な印刷技術などの多種多様な印刷技術を用いて行うことができる。さらに、電子オーバーレイシートに上部オーバーレイおよび底部オーバーレイを適用した後、シートを切断して個々の電子カードを形成する。
【0063】
本出願の開示から、電子カード製造のための電子埋込物を提供することが可能であって、ここで電子埋込物へのオーバーレイの適用は、現在の産業界で用いられている既存機器によって遂行することができる。したがって、クレジットカード製造会社は、例えば機器費用が低減されるのでより低コストな様式で容易に電子カードを作製することができる。
【0064】
本発明の開示を考慮すれば、本発明の範囲および趣旨の中に他の態様および改変が存在しうることを当業者は認識するであろう。従って、本開示から当業者が到達可能であり本発明の範囲および趣旨の中にあるすべての改変は、本発明のさらなる態様として含まれるべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に述べるように定義される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
本発明のこれらおよび他の特徴、局面、および長所は、上記の明細書、添付の特許請求の範囲、および添付の図面(後に簡潔に述べる)中に示される例示的な態様から明確になるであろう。
【図1】本発明の一態様による電子カードを示す模式図である。
【図2】本発明の一態様による、電子カード用の電子埋込物の断面図である。
【図3】本発明の一態様による電子埋込物の作製に使用するための回路基板のシートの平面図である。
【図4】本発明の一態様による回路部品が接着された回路基板を示す。
【図5】電子埋込物および、上部カバーシートと底部カバーシートの間に熱硬化性材料を注入するために使用するノズルの模式図である。
【図6】本発明の一態様による積層装置中の、電子埋込物、上部オーバーレイ、および底部オーバーレイを含むアセンブリの断面図である。
【図7】本発明の一態様による電子カード用の電子埋込物の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および底面を有する回路基板;
回路基板の上面に接着された複数の回路部品;
回路基板の底面に接着された底部カバーシート;
回路基板の上面の上方に配置された上部カバーシート;および
底部カバーシートと上部カバーシートの間の熱硬化性材料層
を含む、電子埋込物(electronic inlay)。
【請求項2】
0.033インチ未満の全厚を有する、請求項1記載の電子埋込物。
【請求項3】
電子オーバーレイの全厚が0.028インチ未満である、請求項1記載の電子埋込物。
【請求項4】
電子オーバーレイの全厚が0.016インチを越える、請求項1記載の電子埋込物。
【請求項5】
上部カバーシートの表面にヒートシール被覆をさらに含む、請求項1記載の電子埋込物。
【請求項6】
底部カバーシートの表面にヒートシール被覆をさらに含む、請求項1記載の電子埋込物。
【請求項7】
熱硬化性材料層がポリウレアを含む、請求項1記載の電子埋込物。
【請求項8】
上部カバーシートおよび底部カバーシートがポリ塩化ビニルを含む、請求項1記載の電子埋込物。
【請求項9】
熱硬化性材料が250〜320°Fの範囲の高温積層処理温度に耐えることができる、請求項1記載の電子埋込物。
【請求項10】
上面および底面を有する回路基板、
回路基板の上面に接着された複数の回路部品、
回路基板の底面に接着された底部カバーシート、
回路基板の上面の上方に配置された上部カバーシート、および
底部カバーシートと上部カバーシートの間の熱硬化性材料層
を含む、電子埋込物;
電子埋込物の上面に接着された上部オーバーレイ;ならびに
電子埋込物の底面に接着された底部オーバーレイ
を含む、電子カード。
【請求項11】
上部カバーシートに配置された第1のヒートシール被覆および底部カバーシートに配置された第2のヒートシール被覆をさらに含む、請求項10記載の電子カード。
【請求項12】
熱硬化性材料層がポリウレアを含む、請求項10記載の電子カード。
【請求項13】
上部カバーシートおよび底部カバーシートがポリ塩化ビニルを含む、請求項10記載の電子カード。
【請求項14】
上部オーバーレイおよび底部オーバーレイがポリ塩化ビニルを含む、請求項10記載の電子カード。
【請求項15】
熱硬化性材料が250〜320°Fの範囲の高温積層処理温度に耐えることができる、請求項10記載の電子カード。
【請求項16】
上面および底面を有する回路基板を提供する工程;
回路基板の上面に複数の回路部品を貼り付ける工程;
感圧接着テープまたはスプレー式接着剤を用いて、回路基板の底面を底部カバーシートに貼り付ける工程;
回路基板および底部カバーシートを射出成形装置中へ入れる工程;
回路基板の上面の上方に配置される上部カバーシートを射出成形装置中へ入れる工程;
熱硬化性ポリマー材料を上部カバーシートと底部カバーシートの間へ注入する工程;ならびに
ヒートシール被覆を上部カバーシートおよび底部カバーシートに施す工程
を含む、電子埋込物を製造するための方法。
【請求項17】
熱硬化性ポリマー材料が、250〜320°Fの範囲の高温積層処理温度に耐えることができる、請求項16記載の方法。
【請求項18】
上面および底面を有する回路基板を提供する工程;
複数の回路部品を回路基板の上面に貼り付ける工程;
感圧接着テープまたはスプレー式接着剤を用いて、回路基板の底面を底部カバーシートに貼り付ける工程;
回路基板および底部カバーシートを射出成形装置中に入れる工程;
回路基板の上面の上方に配置される上部カバーシートを射出成形装置中へ入れる工程;
熱硬化性ポリマー材料を上部カバーシートと底部カバーシートの間に注入して、電子埋込物を形成する工程;
電子埋込物を取り出す工程;ならびに
電子埋込物へ接着するための上部オーバーレイおよび底部オーバーレイを提供する工程
を含む、電子カードを製造するための方法。
【請求項19】
熱硬化性ポリマー材料がポリウレアを含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
上部オーバーレイと底部オーバーレイの間に電子埋込物を配置してアセンブリを作成する工程;
積層装置中にアセンブリを配置する工程;および
アセンブリに対して高温積層処理を行う工程
をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項21】
積層装置中に設置する前にヒートシール被覆を上部カバーシートおよび底部カバーシートに施す、請求項20記載の方法。
【請求項22】
高温積層処理を250〜320°Fの範囲の高温積層処理温度で行なう、請求項20記載の方法。
【請求項23】
上面および底面を有する回路基板;
回路基板の上面に接着された複数の回路部品;
回路基板の上面の上方に配置された上部カバーシート;ならびに
回路基板と上部カバーシートの間の熱硬化性材料層
を含む、電子埋込物。
【請求項24】
0.033インチ未満の全厚を有する、請求項23記載の電子埋込物。
【請求項25】
電子オーバーレイの全厚が0.028インチ未満である、請求項23記載の電子埋込物。
【請求項26】
電子オーバーレイの全厚が0.016インチを越える、請求項23記載の電子埋込物。
【請求項27】
上部カバーシートの表面にヒートシール被覆をさらに含む、請求項23記載の電子埋込物。
【請求項28】
回路基板の底面にヒートシール被覆をさらに含む、請求項23記載の電子埋込物。
【請求項29】
熱硬化性材料層がポリウレアを含む、請求項23記載の電子埋込物。
【請求項30】
上部カバーシートがポリ塩化ビニルを含む、請求項23記載の電子埋込物。
【請求項31】
熱硬化性材料が250〜320°Fの範囲の高温積層処理温度に耐えることができる、請求項23記載の電子埋込物。
【請求項32】
上面および底面を有する回路基板、
回路基板の上面に接着された複数の回路部品、
回路基板の上面の上方に配置された上部カバーシート、および
回路基板と上部カバーシートの間の熱硬化性材料層
を含む、電子埋込物;
電子埋込物の上面に接着された上部オーバーレイ;ならびに
回路基板の底面に接着された底部オーバーレイ
を含む、電子カード。
【請求項33】
上部カバーシートに配置された第1のヒートシール被覆および回路基板の底面に配置された第2のヒートシール被覆をさらに含む、請求項32記載の電子カード。
【請求項34】
熱硬化性材料層がポリウレアを含む、請求項32記載の電子カード。
【請求項35】
上部カバーシートがポリ塩化ビニルを含む、請求項32記載の電子カード。
【請求項36】
上部オーバーレイおよび底部オーバーレイがポリ塩化ビニルを含む、請求項32記載の電子カード。
【請求項37】
熱硬化性材料が250〜320°Fの範囲の高温積層処理温度に耐えることができる、請求項32記載の電子カード。
【請求項38】
上面および底面を有する回路基板を提供する工程;
複数の回路部品を回路基板の上面に貼り付ける工程;
回路基板を射出成形装置中へ入れる工程;
回路基板の上面の上方に配置される上部カバーシートを射出成形装置中へ入れる工程;
熱硬化性ポリマー材料を上部カバーシートと回路基板の間に注入する工程;ならびに
ヒートシール被覆を上部カバーシートおよび回路基板の底面に施す工程
を含む、電子埋込物を製造するための方法。
【請求項39】
熱硬化性ポリマー材料が250〜320°Fの範囲の高温積層処理温度に耐えることができる、請求項38記載の方法。
【請求項40】
上面および底面を有する回路基板を提供する工程;
複数の回路部品を回路基板の上面に貼り付ける工程;
回路基板を射出成形装置中へ入れる工程;
回路基板の上面の上方に配置される上部カバーシートを射出成形装置中に入れる工程;
熱硬化性ポリマー材料を上部カバーシートと回路基板の間へ注入して、電子埋込物を作製する工程;
電子埋込物を取り出す工程;ならびに
電子埋込物に接着するための上部オーバーレイおよび底部オーバーレイを提供する工程
を含む、電子カードを製造するための方法。
【請求項41】
熱硬化性ポリマー材料がポリウレアを含む、請求項40記載の方法。
【請求項42】
上部オーバーレイと底部オーバーレイの間に電子埋込物を設置して、アセンブリを作成する工程;
アセンブリを積層装置中に配置する工程;および
アセンブリに対して高温積層処理を行う工程
をさらに含む、請求項40記載の方法。
【請求項43】
積層装置中に配置する前に、ヒートシール被覆を上部カバーシートおよび回路基板に施す、請求項40記載の方法。
【請求項44】
高温積層処理を250〜320°Fの範囲の高温積層処理温度で行なう、請求項42記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−533760(P2009−533760A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505377(P2009−505377)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/007446
【国際公開番号】WO2007/126748
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(507332239)イノベイティア インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】