説明

電子スイッチ制御システム及び電子スイッチ駆動方法

本発明は、電子スイッチに電気的に接続される制御回路に基づいて、様々なタイプの負荷を駆動することができ、広く使用される電子スイッチに関する。制御回路は、本スイッチの少なくとも導通の時点で、制御回路に電力を供給するように設計された電圧レギュレータブロックに接続される。従って、少なくとも一つの交流電圧源(4)と、少なくとも一つの電子スイッチ(1)と、少なくとも一つの負荷(5)と、少なくとも一つの制御回路(3)とを備え、交流電圧源(4)は、第1の電力端子(20)を介して電子スイッチ(1)の第1の導通端子(25)と電気的に接続され、電子スイッチ(1)の第2の導通端子(35)は、第1の負荷端子(40)を介して負荷(5)と接続され、負荷(5)は、第2の負荷端子(80)を介して第2の電力端子(30)と接続され、制御回路(3)は、第1の電位端子(101)、第2の電位端子(102)及び第3の電位端子(103)を備え、制御回路(3)は、トリガー端子(100)を介して電子スイッチ(1)に命令を出すように配置され、制御回路(3)は、電圧レギュレータブロック(200)と電気的に接続され、電圧レギュレータブロック(200)は、第1の電気接続端子(104)及び第3の電気接続端子(106)と、第1の導通端子(25)及び第2の導通端子(35)とをそれぞれ介して電子スイッチ(1)と電気的に接続され、電圧レギュレータブロック(200)は、電子スイッチ(1)の少なくとも導通の時点で制御回路(3)を稼動するように、最小電圧(Vmin)を供給するように配置される、電子スイッチ制御システム(10)が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々なタイプの負荷を駆動することができ、主電源からのノイズ及び干渉の影響を受けず、さらに電子スイッチに電気的に接続される制御回路に基づいて形成される、広く使用される電子スイッチ制御システムに関する。制御回路は、本スイッチにおける少なくとも導通の時点で、上記回路に電力を供給するように設計された電圧レギュレータブロックに接続される。
【0002】
また、本発明は、本発明の教示に従って電子スイッチを制御するように設計される、電子スイッチ駆動方法に関する。
【背景技術】
【0003】
自発的に機能を実行できる、特定の負荷に供給される交流電流を制御するための公知のデバイスは、一般にリレータイプの電子機械デバイス又はトライアック(登録商標)タイプの半導体スイッチを有する。
【0004】
上記デバイスは、上記スイッチ又は電子機械デバイスを有効にするための十分な電流容量を持つ電源をたいてい必要とする電子コマンド回路に接続され得る。
【0005】
上記スイッチの導通及びジャミングの瞬間に、電子コマンド回路に対して時間をかけて必要な電流を供給するように、通常、上記電源は主電源自体の電圧とつながっている。その電流は、電子コマンド回路を有効な状態にしておくのに十分な電流である。
【0006】
しかし、たいてい上記の電源は、電流の単位の1000分の1から100分の1までである比較的大電流を供給する大きさとし、その端子が交流電流の主電源の二つの端子に直接に接続される配置としなければならない。
【0007】
このタイプの接続は、上記した大電流レベルを供給する大きさのコンポーネントを電源に使用させ、さらに上記電源を主電源から生じる電圧と内部電源ラインに特有の全ての干渉及び電圧ノイズとにさらし、また適切なサイジング及びこの回路への損傷を避ける保護コンポーネントの使用も必要とする。上記解決策は、このデバイスをより高価で複雑にする。
【0008】
幾つかの先行技術は、特定の負荷を制御できる電子スイッチを提供しようとする。米国特許第4878010号は、電子スイッチに存在する残存電圧により電力が供給される電子スイッチ及びコマンド回路を開示する。上記の明細書で提案される配置は、多数のコンポーネントを有する電子配置をさらに提供し、本発明と比較して実質的により高価な回路を有する。
【0009】
さらに、上記米国特許第4878010号明細書は、この先で詳細に説明される本発明で提案されるような、主電源からのノイズ及び任意の干渉を取り除くことができる、有効なシステムの使用及び電子スイッチ制御方法に言及していない。
【0010】
最新技術の他の例として米国特許第4274045号に記載された配置が参照されるが、その電子スイッチを制御するための解決策にも、本発明と比較すると技術的及び経済的な欠点がある。
【0011】
米国特許第6396724号明細書には、連続電圧源が記載される。上記電圧源は、任意の電子回路が低動作電力を必要とするときにその電子回路を稼動させるための最小電圧を供給することができる。同様に、米国特許第6396724号は、本発明で提案されるような、電子スイッチを駆動するように適用された制御回路に電力を供給するように特別に設計されたアプリケーションを開示しない。
【0012】
米国特許出願第2005/0162140号は、例えば誘導電荷等の、交流電流での負荷を制御するように設計された、電子スイッチまたはスイッチ回路を示す。
【0013】
いずれの場合でも、米国特許出願第2005/0162140号に開示された内容は、本発明の教示に従う主電源からのノイズ及び干渉に対する耐性に関して特に有益な電子スイッチ駆動システムを提案しないことに注意すべきである。
【0014】
上記に基づき、本システム及び電子スイッチ制御方法は、先行技術と比較して、上記システムを実装するために使用するコンポーネントの数を減少させることに加えて、上記スイッチのために最も有効かつロバストな制御を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の第1の目的は、様々なタイプの負荷を駆動することができ、主電源からのノイズ及び干渉に対する耐性を提供し、さらに上記スイッチに電気的に接続される制御回路に基づいて形成される、広く使用される電子スイッチ駆動システムを提案することである。さらにこの制御回路は、電子スイッチの少なくとも導通の時点で制御回路に電力を供給するように設計された電圧レギュレータブロックに接続される。
【0016】
また、本発明の目的は、本発明の教示に従って、少なくとも電子スイッチの導通状態においてその電子スイッチを制御するように設計される、電子スイッチ駆動方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の目的を達成する一つの手段は、少なくとも一つの交流電圧源と、少なくとも一つの電子スイッチと、少なくとも一つの負荷と、少なくとも一つの制御回路とを備え、交流電圧源は、第1の電力端子を介して電子スイッチの第1の導通端子と電気的に接続され、電子スイッチの第2の導通端子は、第1の負荷端子を介して負荷と接続され、負荷は、第2の負荷端子を介して第2の電力端子と接続され、制御回路は、第1の電位端子、第2の電位端子及び第3の電位端子を備え、制御回路は、トリガー端子を介して電子スイッチに命令を出すように配置され、制御回路は、電圧レギュレータブロックと電気的に接続され、電圧レギュレータブロックは、第1の電気接続端子、第2の電気接続端子及び第3の電気接続端子を有し、制御回路は、第2の電位端子及び第3の電位端子と、第2の電気接続端子及び第3の電気接続端子とをそれぞれ介して、電圧レギュレータブロックと電気的に接続され、電圧レギュレータブロックは、第1の電気接続端子及び第3の電気接続端子と、第1の導通端子及び第2の導通端子とをそれぞれ介して、電子スイッチと電気的に接続され、電圧レギュレータブロックは、電子スイッチの少なくとも一回の導通の時点で、制御回路を稼動するために最小電圧を供給するように配置される、電子スイッチ制御システムによる。
【0018】
本発明の目的を達成する第2の手段は、電子スイッチと、一つの交流電圧源と、負荷と、制御回路と、電圧レギュレータブロックとを含み、制御回路を介して電子スイッチの第2の導通端子と電子スイッチのトリガー端子の間の動作電圧を測定し、測定された動作電圧に基づいて、交流電圧源により供給される電圧の正の半周期において第1の時点に負荷に流れる電流があるかを判定し、測定された動作電圧に基づいて、交流電圧源により供給される電圧の負の半周期において第3の時点に負荷に流れる電流があるかを判定し、交流電圧源により供給される電圧の正の半周期において特定の電流がゼロ値に略近似すると、第1の時点から第2の時点までが算出される遅延時間をカウントし、交流電圧源により供給される電圧の負の半周期において特定の電流がゼロ値に略近似すると、第3の時点から第4の時点までが算出される遅延時間をカウントし、遅延時間をカウントし終えた時に、電子スイッチのトリガー端子に電気トリガーパルスを供給し、電圧の正の半周期及び電圧の負の半周期の両方において、電子スイッチがオフのとき、電圧レギュレータブロックを介して、制御回路に電力を供給するために、電気トリガーパルスの後に、最小電圧を供給するステップを含む電子スイッチ駆動方法を提供することによる。
【0019】
本発明は、添付の図面を参照して、ここにより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の対象である電子スイッチ制御システムの第1の概略図を示す。
【図2】本発明の教示に従った、特定の機能ブロックを強調表示した電子スイッチ制御システムの第2の概略図を示す。
【図3】本発明の教示に従った、好適な実施形態における、電圧レギュレータブロックのコンポーネントを強調表示した電子スイッチ制御システムの第3の概略図を示す。
【図4】本発明の対象である本システムの動作に係る電気信号特性の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の対象である制御システムに含まれる電子スイッチ1に係る全体の電気回路図を図示する。
【0022】
特に、本システムは少なくとも一つの交流電圧源4と、少なくとも一つの電子スイッチ1と、少なくとも一つの負荷5と、少なくとも一つの制御回路3とを備える。好ましくは、制御回路3は、マイクロコントローラの種類のデジタルプロセッサ、または、特に本発明のために設計されたデジタルシグナルプロセッサ(DSP)により構成される。
【0023】
上記交流電圧源4は、第1の電力端子20を介して電子スイッチ1の第1の導通端子25に電気的に接続される。
【0024】
上記電子スイッチ1は、例えばトライアック(登録商標)等のサイリスタタイプのデバイスまたは同種のもので構成できる。同じ電子スイッチ1は第2の導通端子35を有し、第2の導通端子35は第1の負荷端子40を介して負荷5と電気的に接続される。図2は、ここに提案される制御システムの概略図を示し、その機能ブロックの幾つかを強調表示している。
【0025】
同様に、図3は、本発明の好適な実施形態に係る詳細な説明図である。
【0026】
同図において、負荷5が第2の負荷端子80を介して第2の電力端子30と接続されることが示される。
【0027】
さらに、図3において、制御回路3が第1の電位端子101、第2の電位端子102及び第3の電位端子103を備え、上記制御回路3がトリガー端子100を介して電子スイッチ1に命令を出すように配置されることが示される。
【0028】
制御回路3は、トリガー端子100への電気トリガーパルスにより、電子スイッチ1を通る電流の導通の命令を出す。
【0029】
本システムの重要な特徴は、制御回路3と電気的に接続される電圧レギュレータブロック200の使用に関する。
【0030】
図3に示されるように、電圧レギュレータブロック200は、第1の電気接続端子104、第2の電気接続端子105及び第3の電気接続端子106を有する。
【0031】
好ましくは、制御回路3は、第2の電位端子102及び第3の電位端子103と、第2の電気接続端子105及び第3の電気接続端子106とをそれぞれ介して、電圧レギュレータブロック200に電気的に接続されることがさらに認められる。
【0032】
本発明の革新的な特徴は、電圧レギュレータブロック200は、第1の電気接続端子104及び第3の電気接続端子106と、第1の導通端子25及び第2の導通端子35とをそれぞれ介して、電子スイッチ1に電気的に接続されるという事実に関する。
【0033】
言い換えると、図2に図示されるように、電圧レギュレータブロック200は、並列接続で電子スイッチ1と電気的に接続されると言える。
【0034】
前述したように、上記配置により上記電圧レギュレータブロック200は主電源からの潜在的な過渡電流及びノイズの影響を受けない。
【0035】
当業者は、通常、主電源の位相端子及びニュートラル端子に上記ブロックの端子を単に直接に接続することにより、上記ブロック200と類似した接続をなすであろうことを強調しておく。それは、本願において上記ブロック200を第1の電力端子20及び第2の電力端子30に接続することを示す。
【0036】
重要なため、ここに提案される電圧レギュレータブロック200は、電子スイッチ1の少なくとも一回の導通の時点で制御回路3を稼動するために、最小電圧Vminを供給するように配置されることを強調しておく。
【0037】
さらに、本発明の教示に従って、電圧レギュレータブロック200は、電子スイッチ1のジャミングの時点で制御回路3を稼動するために、最小電圧Vminを供給するように配置される。
【0038】
図3に示されるように、第3の電位端子103は、負荷5の第1の負荷端子40に電気的に接続される。
【0039】
さらに、電圧レギュレータブロック200は、第1の電気接続端子104を介して交流電圧源4の第1の電力端子20と電気的に接続される。
【0040】
本発明のさらなる特徴は、好適な実施形態に基づいて、電圧レギュレータブロック200に配置された、少なくとも二つの容量性素子90と94の間の電荷の移動により、最小電圧Vminが供給されるという事実に関する。上記容量性素子90、94は、様々なタイプの誘電体で形成され得る市販のコンデンサにより特徴付けられる。
【0041】
上記配置により、上記ブロック200はより単純になり、コンポーネントの数は減少し、装置の取り得る保守が容易になり、さらに最終製品のコストは減少する。
【0042】
既に述べたように、制御回路3は電圧レギュレータブロック200と電気的に接続され、電圧レギュレータブロック200は並列接続で電子スイッチ1と電気的に接続される。
【0043】
図3は、電圧レギュレータブロック200における電子回路の好ましい実施形態を図示する。同じ図2は、第1の容量性素子90が電流制限素子91と直列接続で電気的に接続されることを示す。
【0044】
上記電流制限素子91は、抵抗、インダクタまたはその組合せで構成することができる。電流制限素子91は、電子スイッチ1が導通を始めるときに作られるパルス電流のレベルの制限に関与し、これにより上記レギュレータブロック200のコンポーネントの整合性及び耐久性を保証する。
【0045】
また、図3は、本発明の対象である電圧レギュレータブロック200の好適な実施形態に従って、電流制限素子91が半導体電流素子92及び電圧調整素子93と電気的に接続されることを示す。
【0046】
好ましくは、半導体電流素子92及び電圧調整素子93は、それぞれダイオードデバイス及びツェナーダイオードデバイスである。電圧調整素子93は、第2の容量性素子94上の電圧が制御回路3の安全な稼動のための最大許容値を超えないことを保証する。
【0047】
図3には、第1の容量性素子90において、その端子の一つが第1の電力端子20と接続され、その第2の端子が電流制限素子91の端子と接続されることが示される。
【0048】
電流制限素子91の第2の端子は、半導体電流素子92のカソード及び電圧調整素子93のアノードと電気的に接続される。
【0049】
さらに図3には、半導体電流素子92がそのアノード端子から第2の容量性素子94と電気的に接続されることが示される。
【0050】
さらに、電圧調整素子93が、そのアノード端子から半導体電流素子92と電気的に接続され、そのカソード端子から第2の容量性素子94と電気的に接続されることが示される。
【0051】
言い換えると、図1から図3の点線で概略的に示される領域または汎用ブロック10により、好ましくはトライアック(登録商標)タイプの電子スイッチ1において、そのアノードの一つが交流電圧源4から生じるエネルギーを供給する第1の電力端子20に接続され、他方のアノードが負荷5にエネルギーを供給する第1の負荷端子40に接続される配置がもたらされることも認められる。上記電子スイッチ1は、制御回路3の第1の電位端子101と接続されるトリガー端子100を有する。
【0052】
さらに図3に従うと、既に述べたように、第1の容量性素子90において、その端子の一つが第1の電力端子20に接続され、その第2の端子が電流制限素子91の端子に接続される。さらに、上記制限素子91において、その他方の端子が好ましくはダイオードである半導体電流素子92のカソード及びツェナータイプの電圧調整素子93のアノードと接続され、半導体電流素子92において、そのアノードが制御回路3の第1の電位端子101と接続されることが示される。
【0053】
電圧調整素子93において、そのカソードは、負荷5にエネルギーを供給する第1の負荷端子40と接続される。
【0054】
さらに図3に従うと、半導体電流素子92のアノードと接続される制御回路3の第1の電位端子101は、第2の容量性素子94に接続される。そしてその第2の容量性素子94において、その他方の端子は、負荷5にエネルギーを供給する第1の負荷端子40に接続される。制御回路3は、第1の負荷端子40に接続される第2の電位端子102を有する。
【0055】
前述したように、上記した実施形態に基づいてここに提案される電圧レギュレータブロック200は、第1の容量性素子90と第2の容量性素子94の間の電荷の移動により、制御回路3へ最小電圧Vminを供給するように配置される。
【0056】
また、本発明は、一つの電子スイッチ1と、一つの交流電圧源4と、負荷5と、一つの制御回路3と、一つの電圧レギュレータブロック200と、を含む電子スイッチ駆動方法を提供する。
【0057】
図4は、上記電子スイッチ1を制御するための本願の方法を通して作用する大きさを示す。
【0058】
第1の導通端子25と第2の導通端子35の間に存在するスイッチの電圧VSonは、交流電圧源4により供給される電圧の増加と、電子スイッチ1が導通を始める瞬間まで蓄積している負荷5に存在する電圧の和で与えられることが知られる。
【0059】
スイッチ1の導通の時点で、第1の導通端子25と第2の導通端子35における電圧は、急にゼロに近い値に下がる。
【0060】
電気トリガーパルスIGがトリガー端子100に印加される結果、上記電子スイッチ1は導通を始める。
【0061】
上記電気トリガーパルスIGは、遅延時間Tdelayの後にトリガー端子100に供給される。そしてその遅延時間Tdelayは、第2の容量性素子94上の電圧が制御回路3の通常稼動を維持するのに十分な電圧となるために十分な時間とすべきである。
【0062】
この状態は、第2の容量性素子94により供給される電流ICが、上記制御回路3に電力を供給するのに十分な量であるときに発生する。この状態において、電子スイッチ1の第1の導通端子25と第2の導通端子35における電圧が最小電圧Vmin以上であるべきことに注目すべきである。
【0063】
通常、上記最小電圧Vminは略3Vであり、最大電圧は略5Vである。
【0064】
上記に基づいて、図4に示されるように、第2の時点M2において、電子スイッチ1が入りスイッチの電圧VSonがゼロに近い値に下がると、電子スイッチ1の第1の導通端子25と第2の導通端子35の間で観測されたのと略等しい電圧がその端子の間に生じる第1の容量性素子90は、パルス電流Iconによりその負荷を第2の容量性素子94に移し、制御回路3を稼動するのに十分なこの第2の容量性素子94における平均電圧レベルを維持する。
【0065】
前述したように、電子スイッチ1が導通を始める、低減された時間に基づいて第2の容量性素子94を通って流れる上記パルス電流は増大するので、制限素子91は、電子スイッチ1が導通を始めるときに作られるパルス電流のレベルの制限に関与する。
【0066】
第1の容量性素子90は、相補する半周期の間に最小電圧Vminを自身に再度蓄え、次の半周期で電子スイッチ1が入るとすぐ、再度、第2の容量性素子94へ他のパルス電流IConを供給する必要のある状態とみなす。
【0067】
従って、各半周期において、第1の容量性素子90と第2の容量性素子94の間の負荷の移動処理が発生し、第2の容量性素子94の端子に、制御回路3を稼動し続けるのに十分な電圧が保持される。
【0068】
また、重要なため、第2の容量性素子94の容量は、主電源の周波数の全周期の間、必要な最小電圧Vminを保持するのに十分な量とすべきことに注目する。そしてそれは基本的に制御回路3により流し出される電流のレベルに依存する。
【0069】
その状態において、命令パルスが供給されることなく、電子スイッチ1がONであるとき、制御回路3の電流の消費は著しく減少する。その電流は特定の自立した機能を実行するためにのみ必要となる。また、この状態において、第1の容量性素子90を通って流れ、かつ交流電圧源4により与えられる電圧の変化から生じる第2のパルス電流ICoffにより、第2の容量性素子94に電圧が保持される。上記第2のパルス電流ICoffは、通常、著しく低減される。
【0070】
さらに、本方法は、制御回路3を介して、電子スイッチ1の第2の導通端子35と電子スイッチ1のトリガー端子100の間の動作電圧Vopを測定し、測定された動作電圧Vopに基づいて、交流電圧源4により供給される電圧の正の半周期において第1の時点M1に負荷5に流れる電流Icがあるかを判定し、測定された動作電圧Vopに基づいて、交流電圧源4により供給される電圧の負の半周期において第3の時点M3に負荷5に流れる電流Icがあるかを判定し、交流電圧源4により供給される電圧の正の半周期において特定の電流Icがゼロ値に略近似すると、第1の時点M1から第2の時点M2まで算出される遅延時間Tdelayをカウントし、交流電圧源4により供給される電圧の負の半周期において特定の電流Icがゼロ値に略近似すると、第3の時点M3から第4の時点M4まで算出される遅延時間Tdelayをカウントし、遅延時間Tdelayをカウントし終えた時に、電子スイッチ1のトリガー端子100内に電気トリガーパルスIGを供給し、電圧の正の半周期及び電圧の負の半周期の両方において、電子スイッチ1がオフのとき、電圧レギュレータブロック200を介して、制御回路3に電力を供給するために、電気トリガーパルスIGの後に、最小電圧Vminを供給するステップの実行を提供する。
【0071】
上記を考慮して、ここに提案される発明の対象は、すでに参照された先行技術と比較して、有効かつロバストな電子スイッチについての、コンポーネントの数も減少させた制御システムと、様々なタイプの負荷を駆動する観点から特に有効な上記電子スイッチ1を駆動するための方法とを提供する。
【0072】
最後に、本発明は、例えば照明システム等において負荷5のONまたはOFFの切り替えのタイミング、例えば上記制御回路3に組み込まれたセンサによって観測された温度信号(サーモスタット)への反応、また例えば同じ回路により受信される赤外線信号等、制御回路3によって取得された任意の他の信号への取り得る反応等、多種多様な機能を実行可能な電子スイッチ制御システムを提供する。
【0073】
この場合、上記制御回路3で実行された機能が利用者によって定められた所望の状態にあるとみなされるとき、本システムは電子スイッチ1の導通状態に変化を起こす。
【0074】
好適な実施形態の例を説明したが、本発明の範囲が、添付の特許請求の範囲の内容によってのみ限定される他の可能な変形例、そこに含まれる潜在的な均等物を包含することが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの交流電圧源(4)と、少なくとも一つの電子スイッチ(1)と、少なくとも一つの負荷(5)と、少なくとも一つの制御回路(3)とを備え、
前記交流電圧源(4)は、第1の電力端子(20)を介して前記電子スイッチ(1)の第1の導通端子(25)と電気的に接続され、
前記電子スイッチ(1)の第2の導通端子(35)は、第1の負荷端子(40)を介して前記負荷(5)と接続され、
前記負荷(5)は、第2の負荷端子(80)を介して第2の電力端子(30)と接続され、
前記制御回路(3)は、第1の電位端子(101)、第2の電位端子(102)及び第3の電位端子(103)を備え、
前記制御回路(3)は、トリガー端子(100)を介して前記電子スイッチ(1)に命令を出すように配置され、
前記制御回路(3)は、電圧レギュレータブロック(200)と電気的に接続され、
前記電圧レギュレータブロック(200)は、第1の電気接続端子(104)、第2の電気接続端子(105)及び第3の電気接続端子(106)を有し、
前記制御回路(3)は、前記第2の電位端子(102)及び前記第3の電位端子(103)と、前記第2の電気接続端子(105)及び前記第3の電気接続端子(106)とをそれぞれ介して前記電圧レギュレータブロック(200)と電気的に接続され、
前記電圧レギュレータブロック(200)は、前記第1の電気接続端子(104)及び前記第3の電気接続端子(106)と、前記第1の導通端子(25)及び前記第2の導通端子(35)とをそれぞれ介して前記電子スイッチ(1)と電気的に接続され、
前記電圧レギュレータブロック(200)は、前記電子スイッチ(1)の少なくとも一回の導通の時点で前記制御回路(3)を稼動するために最小電圧(Vmin)を供給するように配置されることを特徴とする電子スイッチ制御システム(10)。
【請求項2】
前記電圧レギュレータブロック(200)は、前記電子スイッチ(1)の一回のジャミングの時点で前記制御回路(3)を稼動するために最小電圧(Vmin)を供給するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の電子スイッチ制御システム(10)。
【請求項3】
前記第3の電位端子(103)は、前記負荷(5)の前記第1の負荷端子(40)と電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子スイッチ制御システム(10)。
【請求項4】
前記電圧レギュレータブロック(200)は、前記第1の電気接続端子(104)を介して前記交流電圧源(4)の前記第1の電力端子(20)と電気的に接続されることを特徴とする請求項2に記載の電子スイッチ制御システム(10)。
【請求項5】
前記電圧レギュレータブロック(200)に配置された、少なくとも二つの容量性素子(90、94)の間の電荷の移動により、最小電圧(Vmin)が供給されることを特徴とする請求項1に記載の電子スイッチ制御システム(10)。
【請求項6】
前記電圧レギュレータブロック(200)は、並列接続で前記電子スイッチ(1)と電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子スイッチ制御システム(10)。
【請求項7】
前記制御回路(3)は、電気トリガーパルスにより、前記電子スイッチ(1)を通る電流の導通の命令を出すことを特徴とする請求項1に記載の電子スイッチ制御システム(10)。
【請求項8】
少なくとも一つの交流電圧源(4)と、少なくとも一つの電子スイッチ(1)と、少なくとも一つの負荷(5)と、少なくとも一つの制御回路(3)とを備え、
前記交流電圧源(4)は、第1の電力端子(20)を介して前記電子スイッチ(1)の第1の導通端子(25)と電気的に接続され、
前記電子スイッチ(1)の第2の導通端子(35)は、第1の負荷端子(40)を介して前記負荷(5)と接続され、
前記負荷(5)は、第2の負荷端子(80)を介して第2の電力端子(30)と接続され、
前記制御回路(3)は、第1の電位端子(101)、第2の電位端子(102)及び第3の電位端子(103)を備え、
前記制御回路(3)は、トリガー端子(100)を介して前記電子スイッチ(1)に命令を出すように配置され、
前記制御回路(3)は、電圧レギュレータブロック(200)と電気的に接続され、
前記電圧レギュレータブロック(200)は、第1の電気接続端子(104)、第2の電気接続端子(105)及び第3の電気接続端子(106)を有し、
前記制御回路(3)は、前記第2の電位端子(102)及び前記第3の電位端子(103)と、前記第2の電気接続端子(105)及び前記第3の電気接続端子(106)とをそれぞれ介して前記電圧レギュレータブロック(200)と電気的に接続され、
前記電圧レギュレータブロック(200)は、並列接続で前記電子スイッチ(1)と電気的に接続されることを特徴とする電子スイッチ制御システム(10)。
【請求項9】
少なくとも一つの交流電圧源(4)と、少なくとも一つの電子スイッチ(1)と、少なくとも一つの負荷(5)と、少なくとも一つの制御回路(3)とを備え、
前記交流電圧源(4)は、第1の電力端子(20)を介して前記電子スイッチ(1)の第1の導通端子(25)と電気的に接続され、
前記電子スイッチ(1)の第2の導通端子(35)は、第1の負荷端子(40)を介して前記負荷(5)と接続され、
前記負荷(5)は、第2の負荷端子(80)を介して第2の電力端子(30)と接続され、
前記制御回路(3)は、第1の電位端子(101)、第2の電位端子(102)及び第3の電位端子(103)を備え、
前記制御回路(3)は、トリガー端子(100)を介して前記電子スイッチ(1)に命令を出すように配置され、
前記制御回路(3)は、電圧レギュレータブロック(200)と電気的に接続され、
前記電圧レギュレータブロック(200)は、並列接続で前記電子スイッチ(1)と電気的に接続され、
前記電圧レギュレータブロック(200)は、第1の容量性素子(90)及び第2の容量性素子(94)を有し、
前記第1の容量性素子(90)は、直列接続で電流制限素子(91)と電気的に接続され、
前記電流制限素子(91)は、半導体電流素子(92)及び電圧調整素子(93)と電気的に接続され、
前記半導体電流素子(92)は、前記第2の容量性素子(94)と電気的に接続され、
前記電圧調整素子(93)は、前記半導体電流素子(92)及び前記第2の容量性素子(94)と電気的に接続され、
前記電圧レギュレータブロック(200)は、前記第1の容量性素子(90)と前記第2の容量性素子(94)の間の電荷の移動により、前記制御回路(3)に最小電圧(Vmin)を供給するように配置されることを特徴とする電子スイッチ制御システム(10)。
【請求項10】
電子スイッチ(1)と、交流電圧源(4)と、負荷(5)と、制御回路(3)と、電圧レギュレータブロック(200)と、を含み、
前記制御回路(3)を介して、前記電子スイッチ(1)の第2の導通端子(35)と前記電子スイッチ(1)のトリガー端子(100)の間の動作電圧(Vop)を測定し、
前記測定された動作電圧(Vop)に基づいて、前記交流電圧源(4)により供給される電圧の正の半周期において第1の時点(M1)に前記負荷(5)に流れる電流(Ic)があるかを判定し、
前記測定された動作電圧(Vop)に基づいて、前記交流電圧源(4)により供給される電圧の負の半周期において第3の時点(M3)に前記負荷(5)に流れる電流(Ic)があるかを判定し、
前記交流電圧源(4)により供給される電圧の正の半周期において特定の電流(Ic)がゼロ値に略近似すると、前記第1の時点(M1)から第2の時点(M2)までが算出される遅延時間(Tdelay)をカウントし、
前記交流電圧源(4)により供給される電圧の負の半周期において特定の電流(Ic)がゼロ値に略近似すると、前記第3の時点(M3)から第4の時点(M4)までが算出される遅延時間(Tdelay)をカウントし、
前記遅延時間(Tdelay)をカウントし終えた時に、前記電子スイッチ(1)の前記トリガー端子(100)に電気トリガーパルス(IG)を供給し、
前記電圧の正の半周期及び前記電圧の負の半周期の両方において、前記電子スイッチ(1)がオフのとき、前記電圧レギュレータブロック(200)を介して、前記制御回路(3)に電力を供給するために、前記電気トリガーパルス(IG)の後に、最小電圧(Vmin)を供給するステップを含むことを特徴とする電子スイッチ駆動方法。
【請求項11】
前記電圧レギュレータブロック(200)に配置された、少なくとも二つの容量性素子(90、94)の間の電荷の移動により、最小電圧(Vmin)が供給されることを特徴とする、請求項10に記載の電子スイッチ駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−524426(P2012−524426A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505001(P2012−505001)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【国際出願番号】PCT/BR2010/000129
【国際公開番号】WO2010/118495
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(508020638)ワールプール,ソシエダッド アノニマ (24)
【Fターム(参考)】