説明

電子写真装置のセンサ位置決め機構

【課題】
従来の電子写真装置のセンサ位置決め機構は、反射型センサを中間転写ベルトを接触した状態で支持する例えば従動ロールの軸を基準にして位置決めプレートにより位置決めを行っており、位置決めプレートによりベルトと反射型センサの位置決めを精度よく行うことができるが、実印刷時において起こりうる、ベルト駆動の影響による振動の影響を受け、安定した検出が不可能となってしまう恐れがある。
【解決手段】
ベルトを支持するベルトユニットに、前記ベルトユニット内で移動可能な、反射型センサ固定位置を決定する為の突き当て部材を設け、前記突き当て部材は、前記ベルトユニット内の前記ベルトを支持するローラの軸を基準として回転可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いた印刷装置に用いるセンサ位置決め機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真装置のセンサ位置決め機構としては、反射型センサを中間転写ベルトを接触した状態で支持する例えば従動ロールの軸を基準にして位置決めプレートにより位置決めを行う(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−65397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、位置決めプレートにより、ベルトと反射型センサの位置決めを精度よく行うことができるが、実印刷時において起こりうる、ベルト駆動の影響による振動の影響を受け、安定した検出が不可能となってしまう恐れがある。
【0005】
また、位置決めプレートがベルトのアウトラインからはみ出す構成となる恐れがあり、その場合、ベルトを着脱する際に位置決めプレートに接触し、ベルトを破損してしまう恐れがある。
【0006】
本発明の目的は、ベルトと反射型センサの位置決めが精度よく行うことが可能であるとともに、実際のセンサ出力も安定して、精度よく検出することが可能であり、ベルト着脱時の障害とならないセンサ位置決め機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成する為に本発明は、ベルトを支持するベルトユニットに、前記ベルトユニット内で移動可能な、反射型センサ固定位置を決定する為の突き当て部材を設け、前記突き当て部材は、前記ベルトユニット内の前記ベルトを支持するローラの軸を基準として回転可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ベルトと反射型センサの位置決めが精度よく行うことが可能であるとともに、実際のセンサ出力も安定して、精度よく検出することが可能であり、ベルト着脱時の障害とならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明を実施例により説明する。
【実施例1】
【0010】
本実施例では中間転写ベルトを用いて説明するが、本発明は中間転写ベルトに限らず、感光体ベルト、搬送ベルト、転写ベルト、定着ベルト等にも適用可能である。
【0011】
図1、2は本発明の一実施例に基づく中間転写ベルトを用いた電子写真装置のセンサ位置決め機構の概略図である。
【0012】
図1、2において、1は中間転写ベルト、2は反射型センサ、3は突き当て部材、4はドライブロール、5はアイドラロールである。
【0013】
図1、2における中間転写ベルト1は図示しない中間転写ベルトユニットフレームに支持されたドライブロール4、アイドラロール5の他、複数のローラにより支持されており、それらにより形成される中間転写ベルトユニットは、図示しない電子写真装置本体に支持されている。
【0014】
反射型センサ2は、図示しない電子写真装置本体に直接、または反射型センサ2を支持する図示しないセンサホルダを介して、図示しない電子写真装置本体に支持されている。
【0015】
突き当て部材3は、例えば図1、2の様にアイドラロール5の中心軸を基準に回転可能となるように、図示しない中間転写ベルトユニットフレームに支持されている。
ここで、反射型センサ2は例えば、カラー電子写真装置において重要となる色ずれ補正用マークを検出するセンサ、または現像後のトナーの付着量補正用マークを検出するセンサ等である。
【0016】
図1は反射型センサ2を位置決めする際の概略図である。図1において、反射型センサ2を位置決めする際には、突き当て部材3を図示位置となるように回転させ、反射型センサ2を突き当てることにより、反射型センサ固定位置を決定し、図示しない電子写真装置本体に固定する。また、図1では突き当て部材3を反射型センサ2に直接突き当てているが、例えば反射型センサ2を支持するセンサホルダ等に突き当てて固定位置を決定しても良い。
【0017】
図2は、反射型センサ2位置決め時以外の突き当て部材3の位置を示す概略図である。図2において、突き当て部材3は反射型センサ2に接触していない。これにより、実印刷時に起こりうる中間転写ベルト1駆動の影響による振動が反射型センサ2に伝播することはない。また、中間転写ベルト1を着脱する際にも障害とならない。
【0018】
次に、図1、2を用いた電子写真装置の全体構成を図3の概略図を用いて説明する。
【0019】
印写ユニット6aは、感光体ベルト7a、帯電器8a、露光装置9a。現像機10a、清掃装置11aから構成されている。印写ユニット6bは、感光体ベルト7b、帯電器8b、露光装置9b。現像機10b、清掃装置11bから構成されている。印写ユニット6cは、感光体ベルト7c、帯電器8c、露光装置9c、現像機10c、清掃装置11cから構成されている。印写ユニット6dは、感光体ベルト7d、帯電器8d、露光装置9d。現像機10d、清掃装置11dから構成されている。
【0020】
また、12は中間転写ベルトであり、13は中間転写ベルト12の清掃装置である。中間転写ベルト12と印写ユニット6a、6b、6c、6dが対向する位置には、それぞれ一次転写ロール14a、14b、14c、14dが中間転写ベルト12の内側に配置されている。
【0021】
印写ユニット6a、6b、6c、6dは、例えば印写ユニット6aがブラック、印写ユニット6bがシアン、印写ユニット6cがマゼンタ、印写ユニット6dがイエローとそれぞれ異なる色を有する。
【0022】
以下、印写ユニット6aの印刷動作について説明する。
【0023】
感光体ベルト7aは、図示しないコントローラからの印刷動作開始信号に基づいて回転を始めると共に、電子写真装置の印刷速度に相当する速度で回転し、印刷動作が終了するまで回転を続ける。感光体ベルト7aが回転を開始すると、帯電器8aに高電圧が印加され、ベルト感光体7a表面に例えば正の電荷が均一に帯電される。
【0024】
ドットイメージに変換された文字データや図形データが、露光装置9aのオン/オフ信号として図示しないコントローラから電子写真装置に送られると、感光体ベルト7a表面に露光装置9aよりレーザ光等が照射される部分と照射されない部分とが形成される。露光装置9aからのレーザ光等の照射により、感光体ベルト7a上の電荷が消失した部分が現像機10aと対向する位置に到達すると、正電荷に帯電したトナーが静電気により吸引されて感光体ベルト7a上にトナー像が形成される。感光体ベルト7a上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト12背面側にトナー像と逆極性の電荷を付与する一次転写ロール14aの作用によって中間転写ベルト12上に吸引される。なお、一次転写位置を通過した感光体ベルト7aは、清掃装置11aで清掃され、感光体ベルト7a上の残留トナーは、図示しない吸引ブロアにより吸引され、図示しない回収部へ回収され、次の印刷動作に備えられる。
【0025】
印写ユニット6aを通過した中間転写ベルト12は、印写ユニット6b、6c、6dで同様の印刷動作を経て、中間転写ベルト12上にカラー画像を形成する。中間転写ベルト12上に形成されたカラー画像は、二次転写器15により用紙16上に転写される。二次転写器15によりカラー画像を形成された用紙16は、図示しない定着装置に搬送され、到達した用紙16上のトナー像が用紙16に溶融定着される。
【0026】
また、二次転写位置を通過した中間転写ベルト12は、中間転写ベルトの清掃装置13で清掃され、中間転写ベルト12上の残留トナーは、図示しない吸引ブロアにより吸引され、図示しない回収部へ回収され、次の印刷動作に備えられる。
【0027】
以上の様な印刷動作を繰り返し、用紙16上にカラー画像が形成される。
【0028】
ここで、17は反射型センサであり、例えばカラー電子写真装置において重要となる色ずれ補正用マークを検出するセンサ、または現像後のトナーの付着量補正用マークを検出するセンサである。この反射型センサ17は、ベルトとの位置決め精度が重要となるが、本発明のセンサ位置決め機構を用いることにより、中間転写ベルト12を支持する中間転写ベルトユニットフレームに支持された突き当て部材に対して精度よく位置合せすることが可能となり、安定したセンサ出力を得ることが可能となる。
【0029】
また、前記突き当て部材3はアイドラロール5の中心軸を基準に回転可能となっており、位置決め時以外には反射型センサ2に接触せず、実印刷時には、中間転写ベルト1の駆動による振動の影響を受けることなく、安定したセンサ出力を得ることができる。また、中間転写ベルト1の着脱時には、中間転写ベルト1に突き当て部材が接触することなく、容易に中間転写ベルト1が着脱可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のセンサ位置決め機構におけるセンサ突き当て時の概略図である。
【図2】本発明のセンサ位置決め機構におけるセンサ突き当て時以外の概略図である。
【図3】本発明が適用される電子写真装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0031】
1…中間転写ベルト、2…反射型センサ、3…突き当て部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間転写ベルト、感光体ベルト、搬送ベルト、転写ベルト、定着ベルト等のベルト上に所定の検出用マークを生成し、前記マークを反射型センサにより検出し、該反射型センサにおける検出値を利用する電子写真装置において、前記ベルトを支持するベルトユニットに、前記ベルトユニット内で移動可能な前記反射型センサ固定位置を決定する為の突き当て部材を設けたことを特徴とする電子写真装置のセンサ位置決め機構。
【請求項2】
前記突き当て部材は、前記ベルトユニット内の前記ベルトを支持するローラの軸を基準として回転可能であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置のセンサ位置決め機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−215359(P2006−215359A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29199(P2005−29199)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】