電子放出源の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法および電界放出ディスプレイ
本発明は、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法およびその電界放出ディスプレイに関する。さらに具体的には、本発明は、電極構造が形成される前に、電子放出源としての炭素ナノチューブの位置を決定して均一に成長させ、感光性レジストを用いて、選択的に均一に形成された前記炭素ナノチューブを画素単位に区分するスペーサを直接電極上に形成することにより、画素間の相互干渉現象である漏話を防止し且つ均一な電子放出によって画素の均一度を向上させることができる、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法および電界放出ディスプレイを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法 およびその電界放出ディスプレイ に係り、さらに具体的には、電極構造が形成される前に、電子放出源としての炭素ナノチューブの位置を決定して均一に成長させ、感光性レジストを用いて、前記選択的に均一に形成された炭素ナノチューブを画素単位に区分するスペーサを直接電極上に形成することにより、画素間の相互干渉現象である漏話 (cross-talk) を防止し且つ均一な電子放出によって画素の均一度を向上させることができる、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法および電界放出ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)は、真空中における電子放出を基礎としており、アノード電極に数千Vの電圧を加え、ゲート電極から電子放出源に数十Vの正電圧を加えることにより、強い電場の影響を受けた前記電子放出源から電子が放出された後、蛍光体でコートされたアノード電極に衝突して前記蛍光体を発光させることにより、表示装置の役割を果たす。前記FEDは、優れた明るさおよび解像度を有し、薄くて軽いという利点を持っており、次世代平板ディスプレイとして多くの研究が行われている。
【0003】
前記電界放出ディスプレイの電子放出源としては、シリコンチップまたはモリブデン(Mo)などの金属チップが主に用いられている。ところが、前記金属チップは、動作電圧が非常に高く、高電流放出によるチップの劣化によって漏れ電流が大きく、これにより素子の信頼性および性能が低下するという問題点があった。
【0004】
かかる問題点を解決するために、優れた機械的特性、電気的選択性および電子放出特性を有する炭素ナノチューブ(CNT)が電子放出源として用いられている。前記炭素ナノチューブは、炭素からなる炭素同素体であって、一つの炭素原子が他の炭素原子と六角形の蜂巣パターンで結合してチューブ形態を成しているため、多様な電気電子分野で応用されている。
【0005】
ところが、前記電界放出素子を用いた電界放出ディスプレイの場合、所望の位置にナノチューブを形成させる技術と炭素ナノチューブを垂直に配列する技術の不備によって画素間の相互干渉が発生し、電子放出効率が低下するという問題点があった。前記電界放出ディスプレイの初期開発段階に主に用いられた電界効果ディスプレイ用エミッターは、製作工程およびその構造が複雑であるという欠点を持っていた。さらに、半導体および金属を電子放出源として用いるためには高価のイオンビームを使用しなければならないので、電界放出ディスプレイへの適用は不可であるという問題点もあった。
【0006】
また、従来の電界放出ディスプレイは、スペーサが陽極基板と陰極基板との間に設置され、数十ミクロンから数ミリにわたる真空間隔を一定の幅に維持し、外部の大気圧力によって真空状態の陽極および陰極基板が崩壊することを防止し、素子の動作過程で画素間の相互干渉現象である漏話の発生を防止する役割を果たした。
【0007】
前記スペーサが備えるべき要件は次のとおりである。視覚的に見えてはならず(50〜100μmの幅、25:1以上のアスペクト比)、物理−化学的な耐久性がなければならず(FEDに要求される強度:14.7lbs/inch2=1.0lbs/12.1inch−diagonal)、熱工程における応力による損傷防止のために、上部基板および下部基板の熱膨張係数などが一致しなければならない。また、脱気体現象および蛍光体との反応性などが少なければならず、陰極−陽極間の絶縁が維持される範囲内で表面伝導性があって電荷蓄積が防止されなければならず、電気的降伏が起らないように2次電子の発生が少なければならない。
【0008】
前記スペーサは、フリット、ポリイミド、ガラス構造物(クロス(cross)、ピラー(pillar)、リブ(rib)、ボール(ball)など)、セラミック構造物、および光ファイバーなどを用いて形成している。スペーサの形成には主にガラス構造物および光ファイバーが用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように炭素ナノチューブを用いて電界放出素子を製造する方法は、拡散防止層、触媒金属層、絶縁膜などを形成した後、炭素ナノチューブを成長させなければならないため、工程が複雑であり、所望の位置に炭素ナノチューブを形成し難いという問題点があった。
【0010】
また、前述したようにスペーサを製造する場合、幅調節の限界性によって高解像度のディスプレイの製造には限界があるという問題点があった。
【0011】
また、最近、日本国の電界放出ディスプレイ製造メーカーであるノリタケ社は、一定の真空間隔と共にアノード電圧を上昇させて輝度を向上させ且つ画素間の漏話現象を減らすために、非常に精密なガラスリブ(rib)を使用するスペーサ製作技術を発表した[Junko Yotani, Sashiro Uemura, Takeshi Nagasako, Hiroyuki Kurachi, Hiromu Yamamda, Tomotaka Ezaki, Tsuyoshi Maesoba, Takehiro Nakao, Masaaki Ito, YahachiSaito, Motoo Yumura SID'04, Digest of technical paper, vol. I, 828, (2004)]。ところが、前記リブは、製作技術だけでなく、非常に精密で難しい配列技術が要求されるので、電界放出ディスプレイへの適用には多くの制約を伴うという問題点があった。
【0012】
したがって、上述した問題点を解決するために、本発明は、感光性レジストを用いて、電子放出源としての炭素ナノチューブを所望の位置に選択的且つ均一に成長させることが可能な方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、拡散防止層を形成することなく、基板に形成されたカソード電極の上に触媒金属層を形成した後、前記触媒金属層の上に、リソグラフィー工程を用いて、電界放出素子が形成されるべき部分にのみパターンを形成し、そのパターンに電界放出素子としての炭素ナノチューブを成長させることにより、電界放出ディスプレイの製造工程を単純化し、その製造コストを節減することを目的とする。
【0014】
また、リソグラフィー工程と感光性レジストを用いて、選択的に成長した炭素ナノチューブの上に、電界放出素子を画素単位に区分するスペーサを直接形成する方法を提供することにより、上部基板に形成された画素間の漏話を防止することを他の目的とする。
【0015】
また、前記電界放出素子としての炭素ナノチューブの成長が不要な領域のレジストを全て除去して、残留レジストによる二次的な反応可能性を減らすにより、炭素ナノチューブの特性低下を防止することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、下部基板の上にカソード電極と触媒金属層を形成する段階と、前記触媒金属層の上に感光性レジスト層を形成し、リソグラフィー工程によって所望の位置に所望の形状のパターンで電界放出素子の成長部を形成し、残りの部分の感光性レジストを除去する段階と、前記パターンで形成された電界放出素子の成長部に電界放出素子を成長させる段階とを含むことを特徴とする、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法を提供する。
【0017】
また、下部基板の上にカソード電極と触媒金属層を形成する段階と、前記触媒金属層の上に感光性レジスト層を形成する段階と、前記形成された感光性レジスト層における電界放出素子を形成すべき位置に所望のパターンを形成する段階と、前記パターンを除去して電界放出素子形成ホールを形成する段階と、前記電界放出素子形成ホールに電界放出素子を形成する段階とを含むことを特徴とする、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法を提供する。
【0018】
また、カソード電極および電子放出源を有する下部基板と、アノード電極および画素を有する上部基板と、前記下部基板と上部基板との間隔を維持し且つ内部を密封させるための隔壁とを含んでなる電界放出ディスプレイにおいて、前記下部基板の上に形成され、電界放出素子を画素領域に区分する隔壁兼用スペーサをさらに含むことを特徴とする、電界放出ディスプレイを提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電界放出ディスプレイの製造方法は、電極構造が形成される前に、電界放出素子としての炭素ナノチューブの位置を決定し、容易に所望の位置に形成することができる。
【0020】
また、感光性レジストを用いて、画素単位に区分することが可能なスペーサを形成し、電界放出素子の動作過程で発生する漏話を防止することにより、均一な電子放出によって画素の均一度を向上させることができる。
【0021】
また、前述したように電界放出素子を下部基板上の所望の位置に形成し、その放出素子を画素単位に区分するスペーサを用いて電界放出ディスプレイを実現することにより、大面積の実現および製造コストの節減といった効果を同時にもたらすことができる。
【0022】
また、本発明は、拡散防止層を必要とすることなく炭素ナノチューブを電界放出素子として形成する方法を提供することにより、電界放出ディスプレイの製造工程を単純化し、その製造コストを節減することができる。
【0023】
また、触媒金属層の上に感光性レジストを用いてリソグラフィー工程によって所望のパターンを形成した後、そのパターン上に電界放出素子としての炭素ナノチューブを成長させることにより、所望の位置に所望の形状の電界放出素子を形成することができる。
【0024】
また、前記電界放出素子としての炭素ナノチューブの成長が不要な領域のレジストを全て除去して、残留レジストによる二次的な反応の可能性を減らすことにより、炭素ナノチューブの特性低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0026】
図1〜図3は本発明の電界放出ディスプレイを製造する方法において、リソグラフィー工程によって感光性レジストを用いて電子放出源としての炭素ナノチューブを所望の位置に選択的に成長させて電界放出素子を形成する方法の一実施形態を順次示す図である。
【0027】
まず、図1のようにガラス、石英、珪素またはアルミナ(Al-2O3)からなる基板100上に、所定のパターンを持つカソード電極110を形成し、そのカソード電極110上に、チタニウム(Ti)またはチタニウムにタングステン(W)などを混合したチタニウム合金を用いて拡散防止層120を形成する。次いで、前記拡散防止層120の上に触媒金属層130を形成する。この際、前記拡散防止層120は約5〜20nmの厚さに形成し、前記触媒金属層130の基板100側への拡散を防止する役割を担当する。ところが、場合に応じては、前記拡散防止層120は省略してもよい。
【0028】
また、前記触媒金属層130は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)またはコバルト(Co)などの単一金属、或いはコバルト−ニッケル、コバルト−鉄、ニッケル−鉄またはコバルト−ニッケル−鉄が合成された合金を用いて、リフトオフ法、熱蒸着法(thermal evaporation)、スパッタリング(sputtering)法、電子ビーム蒸着(electron beam evaporation)法または化学気相蒸着法などによって数nm〜数百nm、好ましくは3〜30nmの厚さに形成する。
【0029】
また、前記触媒金属層130を形成する別の方法としては、前記触媒金属層を基板の全面にまず塗布し、その上部に感光性レジストを塗布した後、露光させて所望のパターンの触媒金属層を形成するリソグラフィー方法を使用することもできる。
【0030】
次に、図2は前述したように形成された触媒金属層の上に電界放出素子としての炭素ナノチューブを選択的に成長させるためにパターンを持つフォトレジスト層を形成したことを示す図である。前記感光性レジスト層140は、拡散防止層120および触媒金属層130が形成された下部基板100の上にスピンコーティングによって形成する。この際、形成される感光性レジストは、スピンコーティングの速度を調整して0.3〜10μmの厚さを持たせる。また、前述したような厚さに形成された感光性レジストは、100〜250℃の温度で焼結した後、UVとフォトマスクを用いて必要な形態のパターン露光過程を行って現像する。その次に、600℃で30分間溶融過程を経て、非露光された部分に化学的変形を加えて電界放出素子形成ホール141を形成する。この際、前記電界放出素子形成ホール141は、電界放出ディスプレイの上部基板に形成された画素領域に応じて多様な形態を持つようにすることができる。
【0031】
図3は図2のように感光性レジスト層に形成された電界放出素子形成ホール141によって露出された触媒金属層130の上に炭素ナノチューブを成長させたことを示す図である。その反面、感光性レジスト140のある領域では炭素ナノチューブが成長しない。
【0032】
前記炭素ナノチューブは、約150〜800℃の内部温度および2Torrの内部圧力を持つプラズマ反応炉で前記基板をアニーリングした後、例えばメタン(CH4)、エチレン(C2H2)、プロピレン(C2H6)またはプロパン(C3H8)などの炭化水素類気体、および例えばアンモニア(NH3)または水素化物気体などの窒素または水素含有気体を共に供給して形成する。その一実施形態として上部電極を0V、下部電極を−600Vに固定し、透過制御電極の電圧を+300Vに供給すると同時にエチレン30sccmおよびアンモニア70sccmを供給する。
【0033】
前述したようにプラズマ化学気相蒸着(PECVD)装置の蒸着室内に供給されたメタン、エチレン、プロピレンまたはプロパンなどの炭化水素気体は、気体状態で炭素ユニット(C=CまたはC)と自由水素(H)にプラズマおよび熱分解され、前記分解された炭素ユニットは、感光性レジスト層140に形成された電界放出素子形成ホール141によって露出された触媒金属層130の金属粒子の表面に吸着され、時間経過に伴って触媒金属粒子の内部に拡散して溶解される。前述したような状態で持続的に炭素ユニットが供給されると、触媒金属粒子の触媒作用によって電界放出素子150としての炭素ナノチューブが一定の方向に成長する。前記触媒金属粒子の形態が円形または丸みのある形状の場合には、炭素ナノチューブの末端も円形または丸みのある形状に形成され、触媒金属粒子の末端が鋭い場合には炭素ナノチューブの末端も鋭く形成される。
【0034】
次に、図4および図5は図1〜図3に示したような方法で下部基板の上に電界放出素子としての炭素ナノチューブが形成されたことを示す図である。図4は感光性レジストの上に形成されたパターンが四角形の場合、感光性レジストのパターンにおいて四角形の炭素ナノチューブが形成された状態の写真であり、図5は感光性レジストの上に形成されたパターンが円形の場合、感光性レジストのパターンで円形の炭素ナノチューブが形成された状態を示す写真である。
【0035】
また、図6〜図9は本発明の電界放出ディスプレイを製造する方法において電子放出源としての炭素ナノチューブを所望の位置に選択的に成長させて電界放出素子を形成する方法の別の実施形態を順次示す図である。
【0036】
まず、図6はガラス、石英、珪素(シリコンウエハー)またはアルミナ(Al2O3)からなる基板200の上に、所定のパターンを持つカソード電極210を形成し、そのカソード電極210上に触媒金属層220を真空蒸着法によって形成する。
【0037】
また、前記触媒金属層220は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)またはコバルト(Co)などの単一金属、或いはコバルト−ニッケル、コバルト−鉄、ニッケル−鉄またはコバルト−ニッケル−鉄が合成された合金を用いて、リフトオフ法、熱蒸着法(thermal evaporation)、スパッタリング(sputtering)法、電子ビーム蒸着(electron beam evaporation)法または化学気相蒸着法などによって数nm〜数百nm、好ましくは10〜100nmの厚さに形成することが好ましい。
【0038】
前記触媒金属層220を形成する別の方法としては、前記触媒金属層を基板の全面にまず塗布し、その上部に感光性レジストを塗布した後、露光させて所望のパターンの触媒金属層を形成するリソグラフィー方法を使用することもできる。
【0039】
図7は前述したように形成された触媒金属層の上部に電界放出素子としての炭素ナノチューブを選択的に成長させるためにパターンを持つフォトレジスト層を形成したことを示す図である。前記感光性レジスト層230は、触媒金属層220が形成された下部基板200の上にスピンコーティングによって形成する。この際、形成される感光性レジストは、スピンコーティングの速度を調整して0.3〜10μmの厚さを持たせる。また、前述したような厚さに形成された感光性レジストは、100〜250℃の温度で焼結した後、UVとフォトマスクを用いて必要な形態のパターン露光過程を行って現像した後、電界放出素子が形成されるべき位置にパターンによって形成された電界放出素子成長部231を形成する。
【0040】
次に、図8は図7に示した電界放出素子成長部231以外の感光性レジスト層230と触媒金属層220を除去した状態を示す図である。選択的成長のために下部の触媒金属層をエッチング液を用いて除去し、或いは感光性レジストのみが除去された状態で基板を200〜800℃で1〜600分間溶融過程を経て処理し、炭素ナノチューブ成長のためのシードである電界放出素子成長部231を形成する。すなわち、電界放出素子としての炭素ナノチューブが成長しない部分の感光性レジストは除去され、電界放出素子が形成されるべき領域はレジストを触媒金属と反応させる。この際、前記基板熱処理条件は600℃で30分間溶融過程を行うことが好ましい。
【0041】
また、前記電界放出素子成長部231は、電界放出ディスプレイの上部基板に形成された画素領域に応じて多様な形態と模様を持つようにすることができ、所望の位置に選択的に形成することができる。
【0042】
この際、前記感光性レジスト層を形成するためのレジストとしては、無機レジスト、有機レジスト、有無機混合型レジストおよび感光型ガラスペーストのいずれか一つを使用する。
【0043】
次に、図9は図8の電界放出素子成長部231に炭素ナノチューブを成長させたことを示す図である。感光性レジストパターンとしての電界放出素子成長部231を有しない領域の触媒金属がカソード電極と基板中に拡散するため、炭素ナノチューブの成長が不可能になる。したがって、電界放出素子としての炭素ナノチューブは、触媒金属層の上に電界放出素子成長部を構成する感光性レジストが存在する場合にのみ触媒金属層の拡散なしで成長が可能になる。また、前記電界放出素子成長部は電界放出素子の成長過程で反応によってなくなる。
【0044】
前記炭素ナノチューブは、約150〜800℃の内部温度および2Torrの内部圧力を持つプラズマ反応炉で前記基板をアニーリングした後、 例えばメタン(CH4)、エチレン(C2H2)、プロピレン(C2H6)またはプロパン(C3H-8--)などの炭化水素類気体、およびアンモニア(NH3)または水素化物気体などの窒素または水素含有気体を共に供給して形成する。その一実施形態として上部電極を0V、下部電極を−600Vに固定し、透過制御電極の電圧を+300Vに供給すると同時にエチレン30sccmおよびアンモニア70sccmを供給する。
【0045】
前述したプラズマ化学気相蒸着(PECVD)装置の蒸着室内に供給されたメタン、エチレン、プロピレンまたはプロパンなどの炭化水素気体は、気体状態で炭素ユニット(C=CまたはC)と 自由水素(H)にプラズマおよび熱分解され、前記分解された炭素ユニットはカソード電極210の上に形成された電界放出素子成長部231の表面に吸着され、時間経過に伴って触媒金属粒子の内部に拡散して溶解される。前述したような状態で持続的に炭素ユニットが供給されると、触媒金属粒子の触媒作用によって電界放出素子が形成される。
【0046】
図10および図11は図6〜図9に示したような方法で下部基板の上に電界放出素子としての炭素ナノチューブが形成されたことを示す図である。すなわち、前記触媒金属層の上に感光性レジストで形成された電界放出素子成長部が円形であり、一定の間隔を維持する場合、その上部で成長した円形の炭素ナノチューブが形成された状態の側面および平面写真である。
【0047】
図12は本発明によって図1〜図3に示したような方法で形成された電界放出素子を有する下部基板の上に、上部基板に形成される画素単位に前記電界放出素子を区分するスペーサを形成したことを示す図である。図3のように電界放出素子150が形成されたアレイの上部に上部基板との間隔を考慮して一定の高さで絶縁性を持つ有機、無機または混合性レジストを形成し、これを画素間分離およびセルギャップ維持のためのスペーサとして使用する。
【0048】
次に、上部基板に形成される画素の領域に対応する部分の焼結されたレジストをデベロッパー(developer)またはエッチング液(etchant)を用いて除去し、残り領域のレジストをそのまま維持させてセルギャップを維持させる。この際、レジストの厚さは電極の構造に応じて多様に形成することができ、使用されるレジストとしては無機レジスト、有機レジスト、有・無機混合型レジストおよび感光型ガラスペーストのいずれか一つを使用する。
【0049】
また、図示してはいないが、図9のような電界放出素子240が形成された下部基板の上部にも前述の方法によってスペーサを形成することができる。
【0050】
前述したように、本発明は、上部基板に形成された電界放出素子を画素単位に区画するスペーサをレジストパターニングを用いて形成することにより、別途の隔壁を使用せず、これを隔壁として用いることができ、電界放出素子から放出される電子の方向を当該画素にのみ誘導し、他の電界放出素子から放出された電子によって相互干渉を起す漏話現象を防止することができる。
【0051】
次に、図13〜図18は本発明に係る選択的位置制御を用いた電界放出素子の形成方法と、電界放出素子を画素単位に区分するためのスペーサ形成方法を用いた電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【0052】
まず、図13は所定の大きさを持つ下部基板100の上にストライプ型などの所定のパターンを持つ多数のカソード電極110を一定の間隔で一方向に沿って形成し、前記カソード電極100の上に拡散防止層120、触媒金属層130および感光性レジスト層140を順次形成したことを示す図である。この際、前記拡散防止層120と触媒金属層130はカソード電極110と同じパターンを有し、前記感光性レジスト層140はスピンコーティングを用いて0.3〜10μmの厚さに形成する。
【0053】
次に、図14は図13のように形成された感光性レジスト層140を100〜250℃の温度で焼結した後、UVとフォトマスクを用いて必要な形態のパターン露光過程を行い、これを現象して、露光された部分のパターンを除去することにより、触媒金属層140を露出させた後、600℃で30分間溶融過程を経て電界放出素子形成ホール141を形成する。この際、前記電界放出素子形成ホール141は、フォトレジスト層140上に形成されるパターンの形態に応じて多様に形成することができ、好ましくは電界放出ディスプレイの上部基板に形成された画素領域に対応して形成する。
【0054】
次に、図15は図14のように下部基板100上の感光性レジスト層140に形成された電界放出素子形成ホール141に電界放出素子としての炭素ナノチューブが形成されたことを示す図である。前記炭素ナノチューブはプラズマ化学気相蒸着法または熱化学気相蒸着法を用いて形成する。
【0055】
次に、図16および図17は図15に示したように電界放出素子を持つ下部基板の上にスペーサを形成するためのレジスト160を積層したことを示す図である。前記レジスト160は、前記電界放出素子150としての炭素ナノチューブを含浸し、上部基板との間隔を考慮して一定の高さでスクリーンプリンティング、化学気相蒸着法またはスピンコーティング法で形成する。その後、感光性レジスト層140の焼結温度より高い100〜600℃で焼結し、焼結の前に上部基板に形成されたそれぞれの画素に対応する領域のレジストをデベロッパーを用いて除去することにより、画素単位に区分するスペーサ162を形成する。
【0056】
また、前記画素に対応する領域のレジストを除去する方法としては、選択的に成長した炭素ナノチューブ領域それぞれを開く方法、一つのピクセルを多数の部分に分けて開く方法、およびピクセル領域全体を開く方法のいずれか一つを選択して使用することができる。すなわち、電界放出素子としての炭素ナノチューブ領域、一つのピクセルを多数の部分に分けた領域、またはピクセル部分全体領域以外の全ての部分にスペーサを形成することができる。また、前記画素領域以外の縁部のスペーサを隔壁として使用するために厚く形成する。
【0057】
次に、図18は本発明によって製造された電界放出ディスプレイを示す図である。図17に示すように電界放出素子150と画素領域を区分するスペーサ162が形成された下部基板100の上に、アノード電極310と画素320が形成された上部基板300を付着させ、真空で密閉させて実装することにより製造される。
【0058】
前記上部基板300は、透明ガラスなどからなり、その一面にITO(Indium Tin Oxide) などの透明電極をアノード電極310として形成する。その後、前記アノード電極310の上に、赤色、緑色、青色の発光を起す蛍光体を用いて画素320を形成する。
【0059】
また、図13〜図16に示すように下部基板の上に電界放出素子を形成する方法の代わりに、図6〜図9のような方法で下部基板の上に電界放出素子を形成し、図16〜図18の方法を順次適用して電界放出ディスプレイを製造することもできる。
【0060】
上述したように製造された電界放出ディスプレイは、カソード電極とアノード電極との間に電界が印加されると、前記垂直方向に成長した炭素ナノチューブからなる電界放出素子から電子を放出し、放出された電子が画素と衝突することにより赤色、緑色および青色の光を放出する。この際、前記画素領域に放出される電子は画素単位区分のためのスペーサによって当該画素にのみ放出されるので、漏話を防止することができる。
【0061】
次に、図19は本発明によって製造された電界放出ディスプレイの他の実施形態を示すもので、図18に示すように電界放出素子150と画素領域を区分するスペーサ162が形成された下部基板100の上に、アノード電極310と画素320が形成された上部基板を付着させて形成されるが、前記上部基板300を付着させる前に前記画素領域を区分するスペーサの中間にゲート電極400をさらに形成したものである。前述したようにスペーサの中間にゲート電極400を形成する方法は、電界放出素子150が形成された下部基板の上に一定の高さでレジストを形成した後、そのレジストの上に、ゲート電極として用いる金属層を形成し、しかる後に、そのレジストの上にゲート電極としての金属層を形成した後、さらにレジスト層を形成して画素領域を区分するためにゲート電極の含まれたスペーサを形成することにより製造する。
【0062】
前述したように製造された電界放出ディスプレイは、カソード電極、アノード電極およびゲート電極を備えた三極電子放出表示素子であって、ゲート電極とカソード電極との間に印加された電界によって前記画素に電子が容易に衝突して発光することができ、二極電子放出表示素子に比べて低い電圧を使用することができる。
【0063】
以上、本発明について図示した実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態は発明を説明するためのものに過ぎない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、発明の詳細な説明から多様な変形または均等な実施が可能であることを理解することができるであろう。よって、本発明の真正な権利範囲は特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1〜図3は本発明の一実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図2】図1〜図3は本発明の一実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図3】図1〜図3は本発明の一実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図4】図1〜図3に示した本発明の一実施形態に係る選択的に成長した炭素ナノチューブを示す写真である。
【図5】図1〜図3に示した本発明の一実施形態に係る選択的に成長した炭素ナノチューブを示す写真である。
【図6】図6〜図9は本発明の他の実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図7】図6〜図9は本発明の他の実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図8】図6〜図9は本発明の他の実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図9】図6〜図9は本発明の他の実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図10】図6〜図9に示した本発明の他の実施形態に係る選択的に成長した炭素ナノチューブを示す写真である。
【図11】図6〜図9に示した本発明の他の実施形態に係る選択的に成長した炭素ナノチューブを示す写真である。
【図12】本発明の一実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子が形成された電界放出ディスプレイの下部基板の上に、電界放出素子を画素単位に区分するスペーサが形成されたことを示す図である。
【図13】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図14】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図15】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図16】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図17】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図18】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図19】本発明の他の実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造された電界放出ディスプレイの例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法 およびその電界放出ディスプレイ に係り、さらに具体的には、電極構造が形成される前に、電子放出源としての炭素ナノチューブの位置を決定して均一に成長させ、感光性レジストを用いて、前記選択的に均一に形成された炭素ナノチューブを画素単位に区分するスペーサを直接電極上に形成することにより、画素間の相互干渉現象である漏話 (cross-talk) を防止し且つ均一な電子放出によって画素の均一度を向上させることができる、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法および電界放出ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)は、真空中における電子放出を基礎としており、アノード電極に数千Vの電圧を加え、ゲート電極から電子放出源に数十Vの正電圧を加えることにより、強い電場の影響を受けた前記電子放出源から電子が放出された後、蛍光体でコートされたアノード電極に衝突して前記蛍光体を発光させることにより、表示装置の役割を果たす。前記FEDは、優れた明るさおよび解像度を有し、薄くて軽いという利点を持っており、次世代平板ディスプレイとして多くの研究が行われている。
【0003】
前記電界放出ディスプレイの電子放出源としては、シリコンチップまたはモリブデン(Mo)などの金属チップが主に用いられている。ところが、前記金属チップは、動作電圧が非常に高く、高電流放出によるチップの劣化によって漏れ電流が大きく、これにより素子の信頼性および性能が低下するという問題点があった。
【0004】
かかる問題点を解決するために、優れた機械的特性、電気的選択性および電子放出特性を有する炭素ナノチューブ(CNT)が電子放出源として用いられている。前記炭素ナノチューブは、炭素からなる炭素同素体であって、一つの炭素原子が他の炭素原子と六角形の蜂巣パターンで結合してチューブ形態を成しているため、多様な電気電子分野で応用されている。
【0005】
ところが、前記電界放出素子を用いた電界放出ディスプレイの場合、所望の位置にナノチューブを形成させる技術と炭素ナノチューブを垂直に配列する技術の不備によって画素間の相互干渉が発生し、電子放出効率が低下するという問題点があった。前記電界放出ディスプレイの初期開発段階に主に用いられた電界効果ディスプレイ用エミッターは、製作工程およびその構造が複雑であるという欠点を持っていた。さらに、半導体および金属を電子放出源として用いるためには高価のイオンビームを使用しなければならないので、電界放出ディスプレイへの適用は不可であるという問題点もあった。
【0006】
また、従来の電界放出ディスプレイは、スペーサが陽極基板と陰極基板との間に設置され、数十ミクロンから数ミリにわたる真空間隔を一定の幅に維持し、外部の大気圧力によって真空状態の陽極および陰極基板が崩壊することを防止し、素子の動作過程で画素間の相互干渉現象である漏話の発生を防止する役割を果たした。
【0007】
前記スペーサが備えるべき要件は次のとおりである。視覚的に見えてはならず(50〜100μmの幅、25:1以上のアスペクト比)、物理−化学的な耐久性がなければならず(FEDに要求される強度:14.7lbs/inch2=1.0lbs/12.1inch−diagonal)、熱工程における応力による損傷防止のために、上部基板および下部基板の熱膨張係数などが一致しなければならない。また、脱気体現象および蛍光体との反応性などが少なければならず、陰極−陽極間の絶縁が維持される範囲内で表面伝導性があって電荷蓄積が防止されなければならず、電気的降伏が起らないように2次電子の発生が少なければならない。
【0008】
前記スペーサは、フリット、ポリイミド、ガラス構造物(クロス(cross)、ピラー(pillar)、リブ(rib)、ボール(ball)など)、セラミック構造物、および光ファイバーなどを用いて形成している。スペーサの形成には主にガラス構造物および光ファイバーが用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように炭素ナノチューブを用いて電界放出素子を製造する方法は、拡散防止層、触媒金属層、絶縁膜などを形成した後、炭素ナノチューブを成長させなければならないため、工程が複雑であり、所望の位置に炭素ナノチューブを形成し難いという問題点があった。
【0010】
また、前述したようにスペーサを製造する場合、幅調節の限界性によって高解像度のディスプレイの製造には限界があるという問題点があった。
【0011】
また、最近、日本国の電界放出ディスプレイ製造メーカーであるノリタケ社は、一定の真空間隔と共にアノード電圧を上昇させて輝度を向上させ且つ画素間の漏話現象を減らすために、非常に精密なガラスリブ(rib)を使用するスペーサ製作技術を発表した[Junko Yotani, Sashiro Uemura, Takeshi Nagasako, Hiroyuki Kurachi, Hiromu Yamamda, Tomotaka Ezaki, Tsuyoshi Maesoba, Takehiro Nakao, Masaaki Ito, YahachiSaito, Motoo Yumura SID'04, Digest of technical paper, vol. I, 828, (2004)]。ところが、前記リブは、製作技術だけでなく、非常に精密で難しい配列技術が要求されるので、電界放出ディスプレイへの適用には多くの制約を伴うという問題点があった。
【0012】
したがって、上述した問題点を解決するために、本発明は、感光性レジストを用いて、電子放出源としての炭素ナノチューブを所望の位置に選択的且つ均一に成長させることが可能な方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、拡散防止層を形成することなく、基板に形成されたカソード電極の上に触媒金属層を形成した後、前記触媒金属層の上に、リソグラフィー工程を用いて、電界放出素子が形成されるべき部分にのみパターンを形成し、そのパターンに電界放出素子としての炭素ナノチューブを成長させることにより、電界放出ディスプレイの製造工程を単純化し、その製造コストを節減することを目的とする。
【0014】
また、リソグラフィー工程と感光性レジストを用いて、選択的に成長した炭素ナノチューブの上に、電界放出素子を画素単位に区分するスペーサを直接形成する方法を提供することにより、上部基板に形成された画素間の漏話を防止することを他の目的とする。
【0015】
また、前記電界放出素子としての炭素ナノチューブの成長が不要な領域のレジストを全て除去して、残留レジストによる二次的な反応可能性を減らすにより、炭素ナノチューブの特性低下を防止することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、下部基板の上にカソード電極と触媒金属層を形成する段階と、前記触媒金属層の上に感光性レジスト層を形成し、リソグラフィー工程によって所望の位置に所望の形状のパターンで電界放出素子の成長部を形成し、残りの部分の感光性レジストを除去する段階と、前記パターンで形成された電界放出素子の成長部に電界放出素子を成長させる段階とを含むことを特徴とする、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法を提供する。
【0017】
また、下部基板の上にカソード電極と触媒金属層を形成する段階と、前記触媒金属層の上に感光性レジスト層を形成する段階と、前記形成された感光性レジスト層における電界放出素子を形成すべき位置に所望のパターンを形成する段階と、前記パターンを除去して電界放出素子形成ホールを形成する段階と、前記電界放出素子形成ホールに電界放出素子を形成する段階とを含むことを特徴とする、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法を提供する。
【0018】
また、カソード電極および電子放出源を有する下部基板と、アノード電極および画素を有する上部基板と、前記下部基板と上部基板との間隔を維持し且つ内部を密封させるための隔壁とを含んでなる電界放出ディスプレイにおいて、前記下部基板の上に形成され、電界放出素子を画素領域に区分する隔壁兼用スペーサをさらに含むことを特徴とする、電界放出ディスプレイを提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電界放出ディスプレイの製造方法は、電極構造が形成される前に、電界放出素子としての炭素ナノチューブの位置を決定し、容易に所望の位置に形成することができる。
【0020】
また、感光性レジストを用いて、画素単位に区分することが可能なスペーサを形成し、電界放出素子の動作過程で発生する漏話を防止することにより、均一な電子放出によって画素の均一度を向上させることができる。
【0021】
また、前述したように電界放出素子を下部基板上の所望の位置に形成し、その放出素子を画素単位に区分するスペーサを用いて電界放出ディスプレイを実現することにより、大面積の実現および製造コストの節減といった効果を同時にもたらすことができる。
【0022】
また、本発明は、拡散防止層を必要とすることなく炭素ナノチューブを電界放出素子として形成する方法を提供することにより、電界放出ディスプレイの製造工程を単純化し、その製造コストを節減することができる。
【0023】
また、触媒金属層の上に感光性レジストを用いてリソグラフィー工程によって所望のパターンを形成した後、そのパターン上に電界放出素子としての炭素ナノチューブを成長させることにより、所望の位置に所望の形状の電界放出素子を形成することができる。
【0024】
また、前記電界放出素子としての炭素ナノチューブの成長が不要な領域のレジストを全て除去して、残留レジストによる二次的な反応の可能性を減らすことにより、炭素ナノチューブの特性低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0026】
図1〜図3は本発明の電界放出ディスプレイを製造する方法において、リソグラフィー工程によって感光性レジストを用いて電子放出源としての炭素ナノチューブを所望の位置に選択的に成長させて電界放出素子を形成する方法の一実施形態を順次示す図である。
【0027】
まず、図1のようにガラス、石英、珪素またはアルミナ(Al-2O3)からなる基板100上に、所定のパターンを持つカソード電極110を形成し、そのカソード電極110上に、チタニウム(Ti)またはチタニウムにタングステン(W)などを混合したチタニウム合金を用いて拡散防止層120を形成する。次いで、前記拡散防止層120の上に触媒金属層130を形成する。この際、前記拡散防止層120は約5〜20nmの厚さに形成し、前記触媒金属層130の基板100側への拡散を防止する役割を担当する。ところが、場合に応じては、前記拡散防止層120は省略してもよい。
【0028】
また、前記触媒金属層130は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)またはコバルト(Co)などの単一金属、或いはコバルト−ニッケル、コバルト−鉄、ニッケル−鉄またはコバルト−ニッケル−鉄が合成された合金を用いて、リフトオフ法、熱蒸着法(thermal evaporation)、スパッタリング(sputtering)法、電子ビーム蒸着(electron beam evaporation)法または化学気相蒸着法などによって数nm〜数百nm、好ましくは3〜30nmの厚さに形成する。
【0029】
また、前記触媒金属層130を形成する別の方法としては、前記触媒金属層を基板の全面にまず塗布し、その上部に感光性レジストを塗布した後、露光させて所望のパターンの触媒金属層を形成するリソグラフィー方法を使用することもできる。
【0030】
次に、図2は前述したように形成された触媒金属層の上に電界放出素子としての炭素ナノチューブを選択的に成長させるためにパターンを持つフォトレジスト層を形成したことを示す図である。前記感光性レジスト層140は、拡散防止層120および触媒金属層130が形成された下部基板100の上にスピンコーティングによって形成する。この際、形成される感光性レジストは、スピンコーティングの速度を調整して0.3〜10μmの厚さを持たせる。また、前述したような厚さに形成された感光性レジストは、100〜250℃の温度で焼結した後、UVとフォトマスクを用いて必要な形態のパターン露光過程を行って現像する。その次に、600℃で30分間溶融過程を経て、非露光された部分に化学的変形を加えて電界放出素子形成ホール141を形成する。この際、前記電界放出素子形成ホール141は、電界放出ディスプレイの上部基板に形成された画素領域に応じて多様な形態を持つようにすることができる。
【0031】
図3は図2のように感光性レジスト層に形成された電界放出素子形成ホール141によって露出された触媒金属層130の上に炭素ナノチューブを成長させたことを示す図である。その反面、感光性レジスト140のある領域では炭素ナノチューブが成長しない。
【0032】
前記炭素ナノチューブは、約150〜800℃の内部温度および2Torrの内部圧力を持つプラズマ反応炉で前記基板をアニーリングした後、例えばメタン(CH4)、エチレン(C2H2)、プロピレン(C2H6)またはプロパン(C3H8)などの炭化水素類気体、および例えばアンモニア(NH3)または水素化物気体などの窒素または水素含有気体を共に供給して形成する。その一実施形態として上部電極を0V、下部電極を−600Vに固定し、透過制御電極の電圧を+300Vに供給すると同時にエチレン30sccmおよびアンモニア70sccmを供給する。
【0033】
前述したようにプラズマ化学気相蒸着(PECVD)装置の蒸着室内に供給されたメタン、エチレン、プロピレンまたはプロパンなどの炭化水素気体は、気体状態で炭素ユニット(C=CまたはC)と自由水素(H)にプラズマおよび熱分解され、前記分解された炭素ユニットは、感光性レジスト層140に形成された電界放出素子形成ホール141によって露出された触媒金属層130の金属粒子の表面に吸着され、時間経過に伴って触媒金属粒子の内部に拡散して溶解される。前述したような状態で持続的に炭素ユニットが供給されると、触媒金属粒子の触媒作用によって電界放出素子150としての炭素ナノチューブが一定の方向に成長する。前記触媒金属粒子の形態が円形または丸みのある形状の場合には、炭素ナノチューブの末端も円形または丸みのある形状に形成され、触媒金属粒子の末端が鋭い場合には炭素ナノチューブの末端も鋭く形成される。
【0034】
次に、図4および図5は図1〜図3に示したような方法で下部基板の上に電界放出素子としての炭素ナノチューブが形成されたことを示す図である。図4は感光性レジストの上に形成されたパターンが四角形の場合、感光性レジストのパターンにおいて四角形の炭素ナノチューブが形成された状態の写真であり、図5は感光性レジストの上に形成されたパターンが円形の場合、感光性レジストのパターンで円形の炭素ナノチューブが形成された状態を示す写真である。
【0035】
また、図6〜図9は本発明の電界放出ディスプレイを製造する方法において電子放出源としての炭素ナノチューブを所望の位置に選択的に成長させて電界放出素子を形成する方法の別の実施形態を順次示す図である。
【0036】
まず、図6はガラス、石英、珪素(シリコンウエハー)またはアルミナ(Al2O3)からなる基板200の上に、所定のパターンを持つカソード電極210を形成し、そのカソード電極210上に触媒金属層220を真空蒸着法によって形成する。
【0037】
また、前記触媒金属層220は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)またはコバルト(Co)などの単一金属、或いはコバルト−ニッケル、コバルト−鉄、ニッケル−鉄またはコバルト−ニッケル−鉄が合成された合金を用いて、リフトオフ法、熱蒸着法(thermal evaporation)、スパッタリング(sputtering)法、電子ビーム蒸着(electron beam evaporation)法または化学気相蒸着法などによって数nm〜数百nm、好ましくは10〜100nmの厚さに形成することが好ましい。
【0038】
前記触媒金属層220を形成する別の方法としては、前記触媒金属層を基板の全面にまず塗布し、その上部に感光性レジストを塗布した後、露光させて所望のパターンの触媒金属層を形成するリソグラフィー方法を使用することもできる。
【0039】
図7は前述したように形成された触媒金属層の上部に電界放出素子としての炭素ナノチューブを選択的に成長させるためにパターンを持つフォトレジスト層を形成したことを示す図である。前記感光性レジスト層230は、触媒金属層220が形成された下部基板200の上にスピンコーティングによって形成する。この際、形成される感光性レジストは、スピンコーティングの速度を調整して0.3〜10μmの厚さを持たせる。また、前述したような厚さに形成された感光性レジストは、100〜250℃の温度で焼結した後、UVとフォトマスクを用いて必要な形態のパターン露光過程を行って現像した後、電界放出素子が形成されるべき位置にパターンによって形成された電界放出素子成長部231を形成する。
【0040】
次に、図8は図7に示した電界放出素子成長部231以外の感光性レジスト層230と触媒金属層220を除去した状態を示す図である。選択的成長のために下部の触媒金属層をエッチング液を用いて除去し、或いは感光性レジストのみが除去された状態で基板を200〜800℃で1〜600分間溶融過程を経て処理し、炭素ナノチューブ成長のためのシードである電界放出素子成長部231を形成する。すなわち、電界放出素子としての炭素ナノチューブが成長しない部分の感光性レジストは除去され、電界放出素子が形成されるべき領域はレジストを触媒金属と反応させる。この際、前記基板熱処理条件は600℃で30分間溶融過程を行うことが好ましい。
【0041】
また、前記電界放出素子成長部231は、電界放出ディスプレイの上部基板に形成された画素領域に応じて多様な形態と模様を持つようにすることができ、所望の位置に選択的に形成することができる。
【0042】
この際、前記感光性レジスト層を形成するためのレジストとしては、無機レジスト、有機レジスト、有無機混合型レジストおよび感光型ガラスペーストのいずれか一つを使用する。
【0043】
次に、図9は図8の電界放出素子成長部231に炭素ナノチューブを成長させたことを示す図である。感光性レジストパターンとしての電界放出素子成長部231を有しない領域の触媒金属がカソード電極と基板中に拡散するため、炭素ナノチューブの成長が不可能になる。したがって、電界放出素子としての炭素ナノチューブは、触媒金属層の上に電界放出素子成長部を構成する感光性レジストが存在する場合にのみ触媒金属層の拡散なしで成長が可能になる。また、前記電界放出素子成長部は電界放出素子の成長過程で反応によってなくなる。
【0044】
前記炭素ナノチューブは、約150〜800℃の内部温度および2Torrの内部圧力を持つプラズマ反応炉で前記基板をアニーリングした後、 例えばメタン(CH4)、エチレン(C2H2)、プロピレン(C2H6)またはプロパン(C3H-8--)などの炭化水素類気体、およびアンモニア(NH3)または水素化物気体などの窒素または水素含有気体を共に供給して形成する。その一実施形態として上部電極を0V、下部電極を−600Vに固定し、透過制御電極の電圧を+300Vに供給すると同時にエチレン30sccmおよびアンモニア70sccmを供給する。
【0045】
前述したプラズマ化学気相蒸着(PECVD)装置の蒸着室内に供給されたメタン、エチレン、プロピレンまたはプロパンなどの炭化水素気体は、気体状態で炭素ユニット(C=CまたはC)と 自由水素(H)にプラズマおよび熱分解され、前記分解された炭素ユニットはカソード電極210の上に形成された電界放出素子成長部231の表面に吸着され、時間経過に伴って触媒金属粒子の内部に拡散して溶解される。前述したような状態で持続的に炭素ユニットが供給されると、触媒金属粒子の触媒作用によって電界放出素子が形成される。
【0046】
図10および図11は図6〜図9に示したような方法で下部基板の上に電界放出素子としての炭素ナノチューブが形成されたことを示す図である。すなわち、前記触媒金属層の上に感光性レジストで形成された電界放出素子成長部が円形であり、一定の間隔を維持する場合、その上部で成長した円形の炭素ナノチューブが形成された状態の側面および平面写真である。
【0047】
図12は本発明によって図1〜図3に示したような方法で形成された電界放出素子を有する下部基板の上に、上部基板に形成される画素単位に前記電界放出素子を区分するスペーサを形成したことを示す図である。図3のように電界放出素子150が形成されたアレイの上部に上部基板との間隔を考慮して一定の高さで絶縁性を持つ有機、無機または混合性レジストを形成し、これを画素間分離およびセルギャップ維持のためのスペーサとして使用する。
【0048】
次に、上部基板に形成される画素の領域に対応する部分の焼結されたレジストをデベロッパー(developer)またはエッチング液(etchant)を用いて除去し、残り領域のレジストをそのまま維持させてセルギャップを維持させる。この際、レジストの厚さは電極の構造に応じて多様に形成することができ、使用されるレジストとしては無機レジスト、有機レジスト、有・無機混合型レジストおよび感光型ガラスペーストのいずれか一つを使用する。
【0049】
また、図示してはいないが、図9のような電界放出素子240が形成された下部基板の上部にも前述の方法によってスペーサを形成することができる。
【0050】
前述したように、本発明は、上部基板に形成された電界放出素子を画素単位に区画するスペーサをレジストパターニングを用いて形成することにより、別途の隔壁を使用せず、これを隔壁として用いることができ、電界放出素子から放出される電子の方向を当該画素にのみ誘導し、他の電界放出素子から放出された電子によって相互干渉を起す漏話現象を防止することができる。
【0051】
次に、図13〜図18は本発明に係る選択的位置制御を用いた電界放出素子の形成方法と、電界放出素子を画素単位に区分するためのスペーサ形成方法を用いた電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【0052】
まず、図13は所定の大きさを持つ下部基板100の上にストライプ型などの所定のパターンを持つ多数のカソード電極110を一定の間隔で一方向に沿って形成し、前記カソード電極100の上に拡散防止層120、触媒金属層130および感光性レジスト層140を順次形成したことを示す図である。この際、前記拡散防止層120と触媒金属層130はカソード電極110と同じパターンを有し、前記感光性レジスト層140はスピンコーティングを用いて0.3〜10μmの厚さに形成する。
【0053】
次に、図14は図13のように形成された感光性レジスト層140を100〜250℃の温度で焼結した後、UVとフォトマスクを用いて必要な形態のパターン露光過程を行い、これを現象して、露光された部分のパターンを除去することにより、触媒金属層140を露出させた後、600℃で30分間溶融過程を経て電界放出素子形成ホール141を形成する。この際、前記電界放出素子形成ホール141は、フォトレジスト層140上に形成されるパターンの形態に応じて多様に形成することができ、好ましくは電界放出ディスプレイの上部基板に形成された画素領域に対応して形成する。
【0054】
次に、図15は図14のように下部基板100上の感光性レジスト層140に形成された電界放出素子形成ホール141に電界放出素子としての炭素ナノチューブが形成されたことを示す図である。前記炭素ナノチューブはプラズマ化学気相蒸着法または熱化学気相蒸着法を用いて形成する。
【0055】
次に、図16および図17は図15に示したように電界放出素子を持つ下部基板の上にスペーサを形成するためのレジスト160を積層したことを示す図である。前記レジスト160は、前記電界放出素子150としての炭素ナノチューブを含浸し、上部基板との間隔を考慮して一定の高さでスクリーンプリンティング、化学気相蒸着法またはスピンコーティング法で形成する。その後、感光性レジスト層140の焼結温度より高い100〜600℃で焼結し、焼結の前に上部基板に形成されたそれぞれの画素に対応する領域のレジストをデベロッパーを用いて除去することにより、画素単位に区分するスペーサ162を形成する。
【0056】
また、前記画素に対応する領域のレジストを除去する方法としては、選択的に成長した炭素ナノチューブ領域それぞれを開く方法、一つのピクセルを多数の部分に分けて開く方法、およびピクセル領域全体を開く方法のいずれか一つを選択して使用することができる。すなわち、電界放出素子としての炭素ナノチューブ領域、一つのピクセルを多数の部分に分けた領域、またはピクセル部分全体領域以外の全ての部分にスペーサを形成することができる。また、前記画素領域以外の縁部のスペーサを隔壁として使用するために厚く形成する。
【0057】
次に、図18は本発明によって製造された電界放出ディスプレイを示す図である。図17に示すように電界放出素子150と画素領域を区分するスペーサ162が形成された下部基板100の上に、アノード電極310と画素320が形成された上部基板300を付着させ、真空で密閉させて実装することにより製造される。
【0058】
前記上部基板300は、透明ガラスなどからなり、その一面にITO(Indium Tin Oxide) などの透明電極をアノード電極310として形成する。その後、前記アノード電極310の上に、赤色、緑色、青色の発光を起す蛍光体を用いて画素320を形成する。
【0059】
また、図13〜図16に示すように下部基板の上に電界放出素子を形成する方法の代わりに、図6〜図9のような方法で下部基板の上に電界放出素子を形成し、図16〜図18の方法を順次適用して電界放出ディスプレイを製造することもできる。
【0060】
上述したように製造された電界放出ディスプレイは、カソード電極とアノード電極との間に電界が印加されると、前記垂直方向に成長した炭素ナノチューブからなる電界放出素子から電子を放出し、放出された電子が画素と衝突することにより赤色、緑色および青色の光を放出する。この際、前記画素領域に放出される電子は画素単位区分のためのスペーサによって当該画素にのみ放出されるので、漏話を防止することができる。
【0061】
次に、図19は本発明によって製造された電界放出ディスプレイの他の実施形態を示すもので、図18に示すように電界放出素子150と画素領域を区分するスペーサ162が形成された下部基板100の上に、アノード電極310と画素320が形成された上部基板を付着させて形成されるが、前記上部基板300を付着させる前に前記画素領域を区分するスペーサの中間にゲート電極400をさらに形成したものである。前述したようにスペーサの中間にゲート電極400を形成する方法は、電界放出素子150が形成された下部基板の上に一定の高さでレジストを形成した後、そのレジストの上に、ゲート電極として用いる金属層を形成し、しかる後に、そのレジストの上にゲート電極としての金属層を形成した後、さらにレジスト層を形成して画素領域を区分するためにゲート電極の含まれたスペーサを形成することにより製造する。
【0062】
前述したように製造された電界放出ディスプレイは、カソード電極、アノード電極およびゲート電極を備えた三極電子放出表示素子であって、ゲート電極とカソード電極との間に印加された電界によって前記画素に電子が容易に衝突して発光することができ、二極電子放出表示素子に比べて低い電圧を使用することができる。
【0063】
以上、本発明について図示した実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態は発明を説明するためのものに過ぎない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、発明の詳細な説明から多様な変形または均等な実施が可能であることを理解することができるであろう。よって、本発明の真正な権利範囲は特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1〜図3は本発明の一実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図2】図1〜図3は本発明の一実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図3】図1〜図3は本発明の一実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図4】図1〜図3に示した本発明の一実施形態に係る選択的に成長した炭素ナノチューブを示す写真である。
【図5】図1〜図3に示した本発明の一実施形態に係る選択的に成長した炭素ナノチューブを示す写真である。
【図6】図6〜図9は本発明の他の実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図7】図6〜図9は本発明の他の実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図8】図6〜図9は本発明の他の実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図9】図6〜図9は本発明の他の実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子を形成する過程を順次示す図である。
【図10】図6〜図9に示した本発明の他の実施形態に係る選択的に成長した炭素ナノチューブを示す写真である。
【図11】図6〜図9に示した本発明の他の実施形態に係る選択的に成長した炭素ナノチューブを示す写真である。
【図12】本発明の一実施形態に係る選択的位置制御を用いて電界放出素子が形成された電界放出ディスプレイの下部基板の上に、電界放出素子を画素単位に区分するスペーサが形成されたことを示す図である。
【図13】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図14】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図15】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図16】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図17】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図18】図13〜図18は本発明の一実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造される電界放出ディスプレイの製造工程を順次示す図である。
【図19】本発明の他の実施形態に係る電界放出素子の選択的位置制御および画素単位に区分するスペーサの形成方法によって製造された電界放出ディスプレイの例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部基板の上にカソード電極と触媒金属層を形成する段階と、
前記触媒金属層の上に感光性レジスト層を形成し、リソグラフィー工程によって所望の位置に所望の形状のパターンで電界放出素子成長部を形成し、残りの部分の感光性レジストを除去する段階と、
前記パターンで形成された電界放出素子成長部に電界放出素子を成長させる段階と
を含むことを特徴とする、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項1】
前記触媒金属層を形成する段階で使用される下部基板は、ガラス基板、石英基板、珪素基板(シリコンウエハー)およびアルミナ(Al2O3)基板のいずれか一つを使用することを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項2】
前記感光性レジストを除去した後、電界放出素子成長部以外の触媒金属層をエッチングして除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項3】
前記触媒金属層を形成する段階では、
前記触媒金属層は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)およびコバルト(Co)などの遷移金属のいずれか一つ、或いはコバルト−ニッケル、コバルト−鉄、ニッケル−鉄およびコバルト−ニッケル−鉄が合成された合金のいずれか一つを用いて形成することを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項4】
前記触媒金属層を形成する段階では、
前記触媒金属層は、熱蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、および化学気相蒸着法のいずれか一つを用いて数nm〜数百nm、好ましくは10〜100nmの厚さに形成することを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項5】
前記感光性レジスト層を形成する段階では、
前記感光性レジスト層は、スピンコーティング方法またはスリットコーティング法によって0.3〜10μmの厚さに形成することを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項6】
前記感光性レジスト層を形成する段階では、
前記感光性レジスト層を形成するために使用されるレジストは、無機レジスト、有機レジスト、有無機混合型レジストおよび感光型ガラスペーストのいずれか一つを用いて形成することを特徴とする、請求項6に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項7】
前記電界放出素子成長部を形成することは、
前記感光性レジストを100〜250℃の温度で焼結する段階と、
前記焼結された感光性レジストに対してUVおよびフォトマスクを用いて必要な形態のパターン露光過程を行った後、これを現像し、電界放出素子が形成されるべき位置にパターン以外の部分の感光性レジストを除去する段階と、
前記パターン部分の焼結された感光性レジストと触媒金属層を基板の温度が200〜800℃に維持される状態で1〜600分間溶融し、炭素ナノチューブ形成のためのシードである電界放出素子成長部を形成する段階と
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項8】
前記電界放出素子成長部を形成する段階では、
前記基板の熱処理時間は、温度が上昇するにつれて減少することを特徴とする、請求項8に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項9】
前記電界放出素子を成長させる段階では、
前記電界放出素子は、炭素ナノチューブを用いて成長させることを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項10】
前記炭素ナノチューブを成長させることは、
前記下部基板をアニーリング(熱処理)する段階と、
前記アニーリングされた下部基板に炭化水素気体を供給しながらプラズマ化学気相蒸着を行う段階と
を含むことを特徴とする、請求項10に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項11】
前記電界放出素子を形成した後、下部基板の上に電界放出素子が含浸されるようにレジスト層を形成する段階と、
前記レジスト層において電界放出素子が画素単位に区分されるように画素に対応する領域のレジストを除去するためのパターンを形成する段階と、
前記パターンを除去して電界放出素子を露出させることにより、画素単位に区分されるスペーサが自動的に形成される段階と
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項12】
前記レジスト層を形成する段階では、
前記レジストは、無機レジスト、有機レジスト、有無機混合型レジストおよび感光型ガラスペーストのいずれか一つを用いて形成されることを特徴とする、請求項12に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項13】
前記レジスト層にパターンを形成した後、100〜600℃で焼結させる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項14】
前記レジスト層のパターン部分を除去することは、
デベロッパー利用法、ドライエッチング法およびウエットエッチング法のいずれか一つを採ることを特徴とする、請求項12に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項15】
前記画素に対応する領域のレジストを除去するためのパターンを形成することは、
選択的に成長した炭素ナノチューブ領域それぞれを開く方法、一つのピクセルを多数の部分に分けて開く方法、およびピクセル領域全体を開く方法のいずれか一つを採ることを特徴とする、請求項12に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項16】
下部基板の上にカソード電極と触媒金属層を形成する段階と、
前記触媒金属層の上に感光性レジスト層を形成する段階と、
前記形成された感光性レジスト層における電界放出素子を形成すべき位置に所望のパターンを形成する段階と、
前記パターンを除去して電界放出素子形成ホールを形成する段階と、
前記電界放出素子形成ホールに電界放出素子を形成する段階と
を含むことを特徴とする、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項17】
前記感光性レジスト層を形成する段階では、
前記感光性レジスト層は、スピンコーティングによって0.01〜10μmの厚さに形成することを特徴とする、請求項17に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項18】
前記感光性レジスト層にパターンを形成した後、100℃〜250℃の温度で高温熱処理によって焼結させることを特徴とする、請求項17に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項19】
前記電界放出素子を成長させる段階では、
前記電界放出素子は、炭素ナノチューブを用いて成長させることを特徴とする、請求項17に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項20】
前記炭素ナノチューブを成長させることは、
前記下部基板をアニーリングする段階と、
前記アニーリングされた下部基板に炭化水素気体を供給しながらプラズマ化学気相蒸着を行う段階と
を含んでなることを特徴とする、請求項20に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項21】
前記電界放出素子を形成した後、下部基板の上に電界放出素子が含浸されるようにレジスト層を形成する段階と、
前記レジスト層に、電界放出素子が画素単位に区分されるように画素に対応する領域のレジストを除去するためのパターンを形成する段階と、
前記パターンを除去して電界放出素子を露出させることにより、画素単位に区分されるスペーサが自動的に形成される段階と
をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項22】
前記レジスト層を形成する段階では、
前記レジスト層のレジストは、無機レジスト、有機レジスト、有無機混合型レジストおよび感光型ガラスペーストのいずれか一つを用いて形成することを特徴とする、請求項22に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項23】
前記レジスト層にパターンを形成した後、100〜600℃デ焼結させる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項24】
前記レジストのパターン部分を除去することは、
デベロッパー利用法、ドライエッチング法およびウエットエッチング法のいずれか一つを採ることを特徴とする、請求項22に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項25】
前記画素に対応する領域のレジストを除去するためのパターンを形成することは、
選択的に成長した炭素ナノチューブ領域それぞれを開く方法、一つのピクセルを多数の部分に分けて開く方法、およびピクセル領域全体を開く方法のいずれか一つを採ることを特徴とする、請求項22に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項26】
カソード電極および電子放出源を有する下部基板と、アノード電極および画素を有する上部基板と、前記下部基板と前記上部基板との間隔を維持し、内部を密封させるための隔壁とからなる電界放出ディスプレイにおいて、
前記下部基板の上に形成され、電界放出素子を画素領域に区分する隔壁兼用スペーサをさらに含むことを特徴とする、電界放出ディスプレイ。
【請求項27】
前記スペーサはレジストを用いて形成されたことを特徴とする、請求項27に記載の電界放出ディスプレイ。
【請求項28】
前記スペーサは、電子放出源としての炭素ナノチューブ領域、一つのピクセルを多数の部分に分けた領域、またはピクセル部分全体領域以外の部分に形成されたことを特徴とする、請求項27に記載の電界放出ディスプレイ。
【請求項29】
前記スペーサの中間にはゲート電極がさらに形成されたことを特徴とする、請求項27に記載の電界放出ディスプレイ。
【請求項1】
下部基板の上にカソード電極と触媒金属層を形成する段階と、
前記触媒金属層の上に感光性レジスト層を形成し、リソグラフィー工程によって所望の位置に所望の形状のパターンで電界放出素子成長部を形成し、残りの部分の感光性レジストを除去する段階と、
前記パターンで形成された電界放出素子成長部に電界放出素子を成長させる段階と
を含むことを特徴とする、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項1】
前記触媒金属層を形成する段階で使用される下部基板は、ガラス基板、石英基板、珪素基板(シリコンウエハー)およびアルミナ(Al2O3)基板のいずれか一つを使用することを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項2】
前記感光性レジストを除去した後、電界放出素子成長部以外の触媒金属層をエッチングして除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項3】
前記触媒金属層を形成する段階では、
前記触媒金属層は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)およびコバルト(Co)などの遷移金属のいずれか一つ、或いはコバルト−ニッケル、コバルト−鉄、ニッケル−鉄およびコバルト−ニッケル−鉄が合成された合金のいずれか一つを用いて形成することを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項4】
前記触媒金属層を形成する段階では、
前記触媒金属層は、熱蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、および化学気相蒸着法のいずれか一つを用いて数nm〜数百nm、好ましくは10〜100nmの厚さに形成することを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項5】
前記感光性レジスト層を形成する段階では、
前記感光性レジスト層は、スピンコーティング方法またはスリットコーティング法によって0.3〜10μmの厚さに形成することを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項6】
前記感光性レジスト層を形成する段階では、
前記感光性レジスト層を形成するために使用されるレジストは、無機レジスト、有機レジスト、有無機混合型レジストおよび感光型ガラスペーストのいずれか一つを用いて形成することを特徴とする、請求項6に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項7】
前記電界放出素子成長部を形成することは、
前記感光性レジストを100〜250℃の温度で焼結する段階と、
前記焼結された感光性レジストに対してUVおよびフォトマスクを用いて必要な形態のパターン露光過程を行った後、これを現像し、電界放出素子が形成されるべき位置にパターン以外の部分の感光性レジストを除去する段階と、
前記パターン部分の焼結された感光性レジストと触媒金属層を基板の温度が200〜800℃に維持される状態で1〜600分間溶融し、炭素ナノチューブ形成のためのシードである電界放出素子成長部を形成する段階と
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項8】
前記電界放出素子成長部を形成する段階では、
前記基板の熱処理時間は、温度が上昇するにつれて減少することを特徴とする、請求項8に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項9】
前記電界放出素子を成長させる段階では、
前記電界放出素子は、炭素ナノチューブを用いて成長させることを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項10】
前記炭素ナノチューブを成長させることは、
前記下部基板をアニーリング(熱処理)する段階と、
前記アニーリングされた下部基板に炭化水素気体を供給しながらプラズマ化学気相蒸着を行う段階と
を含むことを特徴とする、請求項10に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項11】
前記電界放出素子を形成した後、下部基板の上に電界放出素子が含浸されるようにレジスト層を形成する段階と、
前記レジスト層において電界放出素子が画素単位に区分されるように画素に対応する領域のレジストを除去するためのパターンを形成する段階と、
前記パターンを除去して電界放出素子を露出させることにより、画素単位に区分されるスペーサが自動的に形成される段階と
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項12】
前記レジスト層を形成する段階では、
前記レジストは、無機レジスト、有機レジスト、有無機混合型レジストおよび感光型ガラスペーストのいずれか一つを用いて形成されることを特徴とする、請求項12に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項13】
前記レジスト層にパターンを形成した後、100〜600℃で焼結させる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項14】
前記レジスト層のパターン部分を除去することは、
デベロッパー利用法、ドライエッチング法およびウエットエッチング法のいずれか一つを採ることを特徴とする、請求項12に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項15】
前記画素に対応する領域のレジストを除去するためのパターンを形成することは、
選択的に成長した炭素ナノチューブ領域それぞれを開く方法、一つのピクセルを多数の部分に分けて開く方法、およびピクセル領域全体を開く方法のいずれか一つを採ることを特徴とする、請求項12に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項16】
下部基板の上にカソード電極と触媒金属層を形成する段階と、
前記触媒金属層の上に感光性レジスト層を形成する段階と、
前記形成された感光性レジスト層における電界放出素子を形成すべき位置に所望のパターンを形成する段階と、
前記パターンを除去して電界放出素子形成ホールを形成する段階と、
前記電界放出素子形成ホールに電界放出素子を形成する段階と
を含むことを特徴とする、電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項17】
前記感光性レジスト層を形成する段階では、
前記感光性レジスト層は、スピンコーティングによって0.01〜10μmの厚さに形成することを特徴とする、請求項17に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項18】
前記感光性レジスト層にパターンを形成した後、100℃〜250℃の温度で高温熱処理によって焼結させることを特徴とする、請求項17に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項19】
前記電界放出素子を成長させる段階では、
前記電界放出素子は、炭素ナノチューブを用いて成長させることを特徴とする、請求項17に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項20】
前記炭素ナノチューブを成長させることは、
前記下部基板をアニーリングする段階と、
前記アニーリングされた下部基板に炭化水素気体を供給しながらプラズマ化学気相蒸着を行う段階と
を含んでなることを特徴とする、請求項20に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項21】
前記電界放出素子を形成した後、下部基板の上に電界放出素子が含浸されるようにレジスト層を形成する段階と、
前記レジスト層に、電界放出素子が画素単位に区分されるように画素に対応する領域のレジストを除去するためのパターンを形成する段階と、
前記パターンを除去して電界放出素子を露出させることにより、画素単位に区分されるスペーサが自動的に形成される段階と
をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項22】
前記レジスト層を形成する段階では、
前記レジスト層のレジストは、無機レジスト、有機レジスト、有無機混合型レジストおよび感光型ガラスペーストのいずれか一つを用いて形成することを特徴とする、請求項22に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項23】
前記レジスト層にパターンを形成した後、100〜600℃デ焼結させる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項24】
前記レジストのパターン部分を除去することは、
デベロッパー利用法、ドライエッチング法およびウエットエッチング法のいずれか一つを採ることを特徴とする、請求項22に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項25】
前記画素に対応する領域のレジストを除去するためのパターンを形成することは、
選択的に成長した炭素ナノチューブ領域それぞれを開く方法、一つのピクセルを多数の部分に分けて開く方法、およびピクセル領域全体を開く方法のいずれか一つを採ることを特徴とする、請求項22に記載の電界放出素子の選択的位置制御を用いた電界放出ディスプレイの製造方法。
【請求項26】
カソード電極および電子放出源を有する下部基板と、アノード電極および画素を有する上部基板と、前記下部基板と前記上部基板との間隔を維持し、内部を密封させるための隔壁とからなる電界放出ディスプレイにおいて、
前記下部基板の上に形成され、電界放出素子を画素領域に区分する隔壁兼用スペーサをさらに含むことを特徴とする、電界放出ディスプレイ。
【請求項27】
前記スペーサはレジストを用いて形成されたことを特徴とする、請求項27に記載の電界放出ディスプレイ。
【請求項28】
前記スペーサは、電子放出源としての炭素ナノチューブ領域、一つのピクセルを多数の部分に分けた領域、またはピクセル部分全体領域以外の部分に形成されたことを特徴とする、請求項27に記載の電界放出ディスプレイ。
【請求項29】
前記スペーサの中間にはゲート電極がさらに形成されたことを特徴とする、請求項27に記載の電界放出ディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2009−532844(P2009−532844A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504127(P2009−504127)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001656
【国際公開番号】WO2007/114655
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(508300242)インダストリー アカデミック コーオペレイション ファウンデーション オブ キョンヒー ユニヴァーシティー (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001656
【国際公開番号】WO2007/114655
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(508300242)インダストリー アカデミック コーオペレイション ファウンデーション オブ キョンヒー ユニヴァーシティー (2)
【Fターム(参考)】
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