説明

電子機器及びその生産方法

【課題】携帯電話機に代表される電子機器の生産性の改善を図ることを目的の一とする。
【解決手段】複数の部品を組み立てて完成される電子機器の生産方法に関し、一の部品を一又は複数の部品メーカーから供給を受ける場合において、当該一の部品の入出力特性が異なるものあるときに、当該部品の信号を受けて動作する機能回路の動作を制御する制御プログラムを、当該部品の入出力特性に応じて適宜変更し、完成されるべき電子機器の記録媒体にインストールすることを要旨とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子工学或いは生産技術の分野に属し、具体例として電子機器及びその生産技術、或いはビジネスモデルに関する。
【背景技術】
【0002】
消費電力を削減するために、周囲の明るさに応じて液晶表示画面の明るさを自動的に制御する携帯電話機が知られている。例えば、光センサが周囲の明るさを検知して、輝度信号を制御回路に出力し、該制御回路がバックライトの明るさを制御する携帯電話機がある(特許文献1参照)。また、通話時に利用者の身体の一部に覆われる場所に光センサを設置して、通話時に表示画面の照明を減光する携帯電話機などが知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−324239号公報
【特許文献2】特開2002−374348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
携帯電話機に代表される電子機器は、高機能若しくは高性能化を実現しつつ、低消費電力化を図る必要がある。また、これらの電子機器は激しいコスト競争にもさらされていることに加え、製品のライフサイクルが短く、システム設計に過剰な負担が強いられている実情がある。さらに、セットメーカーは、複数の部品メーカーから部品の供給を受けて、調達コストを下げるとともに部品の安定供給を図ることが必須の命題となっている。
【0004】
そこで本発明は、携帯電話機に代表される電子機器の生産性の改善を図ることを目的の一とする。また、携帯電話機に代表される電子機器において、仕様の異なる部品に柔軟に対応することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の部品を組み立てて完成される電子機器の生産方法に関し、一の部品を一又は複数の部品メーカーから供給を受ける場合において、当該一の部品の入出力特性が異なるものあるときに、当該部品の信号を受けて動作する機能回路の動作を制御する制御プログラムを、当該部品の入出力特性に応じて適宜変更し、完成されるべき電子機器の記録媒体にインストールすることを要旨とする。
【0006】
本発明の一は、表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器である。この電子機器は、部品メーカーにより供給される光センサの仕様が、低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサであり、その光センサの供給を受ける電子機器のセットメーカーにおいて、表示パネルを照明する光源部の輝度が外光照度が強くなると共に高くなるように、光源駆動部において外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成する制御プログラムを記録媒体にインストール可能な記録媒体を備えている。
【0007】
本発明の一は、表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器である。この電子機器は、一又は複数の部品メーカーにより供給される光センサの仕様が、高照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサと、低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサとの少なくとも二種類がある場合、いずれの仕様の光センサをも自由に選択可能とし、表示パネルを照明する光源部の輝度が外光照度が強くなると共に高くなるように、光源駆動部において外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成するための制御プログラムをインストール可能な記録媒体を備えている。
【0008】
本発明の一は、表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器である。この電子機器は、一又は複数の部品メーカーにより供給される光センサの仕様が、高照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する第1の光センサと、低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する第2の光センサとの少なくとも二種類がある場合、いずれの仕様の光センサをも自由に選択可能とし、表示パネルを照明する光源部の輝度が外光照度が強くなると共に高くなるように、光源駆動部において外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成する制御プログラムを、第1の光センサ又は第2の光センサの仕様に応じて記録媒体にインストール可能な記録媒体を備えている。
【0009】
本発明の一は、表示パネルを有し、該表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器の生産方法に関する。部品メーカーにより供給される光センサの仕様が低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサである場合、その光センサの供給を受ける表示装置のセットメーカーにおいて、表示パネルを照明する光源部の輝度が、外光照度が強くなると共に高くなるように、光源駆動部で外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成する制御プログラムを記録媒体にインストールする。
【0010】
本発明の一は、表示パネルを有し、該表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器の生産方法に関する。一又は複数の部品メーカーにより供給される光センサの仕様が高照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサと、低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサとの少なくとも二種類がある場合、その異なる仕様の光センサの供給を受ける表示装置のセットメーカーにおいて、表示パネルを照明する光源部の輝度が、外光照度が強くなると共に高くなるように、光源駆動部において外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成する制御する制御プログラムを、光センサの仕様に応じて記録媒体にインストールする。
【0011】
本発明の一は、表示パネルを有し、該表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器の生産方法に関する。一又は複数の部品メーカーにより供給される光センサの仕様が高照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する第1の光センサと、低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する第2の光センサとの少なくとも二種類がある場合、その異なる仕様の光センサの供給を受ける表示装置のセットメーカーにおいて、高照度側の画面輝度を精密に制御したい場合には第1の光センサを選択し、低照度側の画面輝度を精密に制御したい場合には第2の光センサを選択し、そのいずれか一の光センサを選択した場合であっても、表示パネルを照明する光源部の輝度が、外光照度が強くなると共に高くなるように、光源駆動部において外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成する制御プログラムを、第1の光センサ又は第2の光センサの仕様に応じて記録媒体にインストールする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、互換性のある一の部品を一又は複数の部品メーカーから供給を受ける場合において、当該一の部品の出力特性が異なる場合であっても、当該部品の信号を処理する制御プログラムを当該部品の入出力特性に応じて適宜変更し電子機器の記録媒体にインストールすることで、仕様の異なる部品を容易に扱うことができ、生産性の改善を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細をさまざまに変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
【0014】
(電子機器のシステム)
図1は本形態に係る電子機器の機能ブロック図の一例を示す。電子機器100は、送受信部101、音声入力部102、光センサ部103、タイミング制御部106、照明駆動部109、音声出力部110、入力受付部111及び記録媒体112がシステム制御部105と接続されている。
【0015】
送受信部101は、フィルタ、アンプ等を含む無線信号を送受信する無線回路であり、システム御部105の指示に従い、音声、画像及び文字等の通信データを無線で送信し、また、電子機器100に送られて来る通信データを受信して、システム御部105に出力する。
【0016】
音声出力部110は圧電素子等からなるスピーカであり、システム制御部105から受け取った音声信号にしたがい音声を出力する。
入力受付部111は、電話番号及び電子メール等の数字及び文字を入力するためのテンキー等からなり、これらキーにより入力された数字及び文字などをシステム制御部101に出力する。
【0017】
照明光源部107は、LED(Light Emitting Diode)からなり、入力受付部111及び表示パネル104を照明するためのバックライトであり、照明駆動部109により発光の点灯又は消灯及び輝度が制御される。照明駆動部109の動作はシステム制御部105により行われる。
光センサ103はフォトダイオードなどからなり、システム制御部105に照度に関する信号を出力する。照明駆動部109の輝度制御は、光センサ103の出力信号によって制御される。
【0018】
システム制御部105は、音声、画像及び文字等の通信データを処理して電子機器100の動作を制御する。電子機器100の電源投入時には、記録媒体112からオペレーティング・プログラムを読み込んで動作を開始する。電子機器100の機能を発揮させるための初期画面は表示パネル104に表示される。この初期画面を生成する画像信号は、記録媒体112から読み出され、システム制御部105で処理された画像信号がタイミング制御部106を通して表示パネル104に出力される。また、システム制御部105は、送受信部101で受信した画像信号等を処理して表示パネル104に画像表示させる処理を行う。
【0019】
システム制御部105は、送受信部101に対し、音声信号を入出力し、送受信部101から音声信号を受け取り、また、音声出力部102に音声信号を出力する。さらに、システム制御部106は、入力受付部111から電子メールなどのデータを受け取り、このデータを送受信する処理を実施する。
【0020】
電子機器100が通話機能を有する場合には、システム制御部105において無線電話として一般的な処理を制御するDSP(Digital Signal Processor)等を有する。DSPは入力受付部111より電話番号が受付けられると、この電話番号の電話機に対して呼び出しを行い、外部より電話がかかってきた場合においても、呼び出し音を出すように音声出力部110を動作させる制御を行う。このような動作を行う場合でも、電子機器100は、利用者が動作状態を確認できるように、通話の待ち受け、呼び出し等の動作状態が表示パネル104に表示される。
【0021】
このように、表示パネル104には、電子機器100の動作に応じて様々な情報が表示されることとなる。そのため、利用者の視認性を良好に保つためには、表示パネル104の明るさを使用環境に応じて制御する必要がある。また、照明光源部107の機器全体に占める消費電力の割合が高いので、電子機器100の消費電力を低減するためには、表示パネル104の明るさをきめ細かく制御する必要がある。そのため、光センサ部103に求められる仕様は、電気機器100の用途によって異なってくる。
【0022】
(光センサの構成)
図2に光センサ103の構成を示す。光センサ103はフォトダイオード113と信号処理回路114で構成されている。信号処理回路114は、フォトダイオードの出力を検出する回路、当該出力の強弱に応じて信号を出力する回路が含まれる。フォトダイオード113は光センサ103の受光面側に設けられ、好適には略中央部に配置される。信号処理回路114はフォトダイオード113の周辺部分に配置されている。また、光センサ103の受光面の反対側には入出力端子115が配置されている。
【0023】
光センサ103がデジタル信号を出力するものである場合、その信号出力は、図3(A)(B)で示すように二種類のものがある。図3(A)は、低照度でカウント値が高く高照度になるにつてカウント値が減少するものと、同図(B)で示すように照度が高くなると共にカウント値が増加するものの二種類がある。光センサ103において、この二種類の出力態様は、電子機器に取り付けて用いる際にその用途に応じて選択することができる。例えば、電子機器の表示画面の明るさを制御するには、人間の生活環境である0.1〜6500ルクスの範囲で照度を検知する必要があり、この場合、光センサ103の出力態様としては図3(A)に示すように、低照度側でカウント値を高く出力するタイプのものが好ましい。
【0024】
図4は、図3(A)に示すように、低照度側でカウント値を高く出力する光センサ103の回路構成を示す。フォトダイオード113、増幅回路116、第1スイッチ117、第2スイッチ118、キャパシタ119、コンパレータ120(比較回路ともいう)を有する。フォトダイオード113は、一方の端子(陰極側)に高電源電位(Vdd)が供給され、他方の端子(陽極側)が増幅回路116の入力側に電気的に接続されている。増幅回路116は、フォトダイオード113の出力電流を増幅するための回路である。増幅回路116は低電源電位(Vss)が供給されている。フォトダイオード113及び増幅回路116を併せて、光検出回路121ともいう。また、第1スイッチ117の一方の端子は第1の電位(充電電位、またはVsetともいう)が供給され、他方の端子はキャパシタ119、及び第2スイッチ118の一方の端子、及びコンパレータ120の非反転入力端子に電気的に接続されている。キャパシタ119には低電源電位が供給されている。第2スイッチ118はコンパレータ120の非反転入力端子と増幅回路116の間に設けられている。コンパレータ120の反転入力端子には第2の電位(参照電位、またはVrefともいう)が供給され、コンパレータ120の出力端子より出力信号(以下、出力信号、Voutともいう)が出力される。
【0025】
図4で示す光センサ103は、第1スイッチ117を閉じて、キャパシタ119に第1の電位(Vset)を印加し、キャパシタ119の電荷量を一定に制御し、初期状態とする。その後、第1のスイッチ117を開き、所定のタイミングで第2のスイッチ118を閉じて、照度に応じてフォトダイオード113の光電流、すなわち電荷をキャパシタ119に一定期間充電するこの動作は、キャパシタ119から電荷を放電させる動作としても良い)。キャパシタ119への電荷の充電量又は放電量はフォトダイオード113が検知する照度によって異なるため、コンパレータ120でキャパシタ119の電位を検知することで、コンパレータ120の出力端子より出力される出力信号の電位の変化に要する時間を検出し、カウンター回路及びラッチ回路によってデジタル信号に変換することができる。
【0026】
(電子機器の構成)
このような光センサ103は、電子機器のセットメーカーにより、当該機器に組み込まれる。その一例として、図5は携帯電話機122の組立図の概要を示す。携帯電話機122は、操作スイッチ類123、マイクロフォン124などが備えられた操作部本体125と、主表示パネル126、副表示パネル127、スピーカ128などが備えられた表示部本体129とが蝶番130で開閉可能に連結されている。
【0027】
主表示パネル126と副表示パネル127は、光センサ103及び信号処理回路114を構成する各部品が実装された回路基板131と共に表示部本体129の筐体132に収納される。主表示パネル126及び副表示パネル127の画面を構成する部分は、筐体132に形成された開口窓から視認できように配置される。
【0028】
図6は、主表示パネル126と回路基板131を組み合わせたモジュールを示す。表示パネル126と回路基板131とはフレキシブル配線基板133で接続されている。回路基板131には、光センサ103の他に、システム制御部105、タイミング制御部106、照明駆動部109、半導体メモリで構成される記録媒体112などが実装されている。主表示パネル126が液晶パネルである場合には、照明光源部107が設けられ、発光ダイオード(LED)による光源108が設けられている。光源108の明るさは、照明駆動部109によって制御される。照明光源部107を実装する態様においては、照明駆動部109と発光ダイオード(LED)による光源108を一組としたモジュールを用いることもできる。
【0029】
図5及び図6では、携帯電話機について示したが、これに限定されず、本形態で示す電子機器の構成は、テレビジョン、コンピュータ及びPDA(Personal Digital Assistant)に代表される電子機器に広く適用することができる。
【0030】
(電子機器の生産方法)
図7は、本形態に係る複数の部品を組み立てて完成する、電子機器の生産方法の一例をフローチャートで示す。電子機器はセットメーカーにおいて、光センサA134、光センサB135及び他の部品137の供給を受けて組立138が行われる。ここで、光センサA134は図3(A)で示す出力特性を示すものとし、光センサB135は図3(B)で示す出力特性を示すものとする。
【0031】
出力特性の異なる光センサは端子の配置が共通であり、どちらの部品を選んでも同じ仕様の回路基板に実装可能である。光センサの選択136では、電子機器の仕様に応じて、いずれか一方の光センサを選択する。電子機器を動作させる制御プログラムを記録媒体にインストールする。
【0032】
この制御プログラムは、光センサの出力特性に対応して、その信号を処理する制御プログラムが用意されている。光センサ判別139において、電子機器に光センサAが装着されたのか、光センサBが装着されたのかを判別し、その判別結果に従って、制御プログラムAのインストール140又は制御プログラムBのインストール141が行われる。
【0033】
制御プログラムAは、低照度でカウント値が高く高照度になるにつてカウント値が減少する光センサAの出力を、照度が高くなるにつれ照明の輝度が高くなるように照明駆動部を動作させる信号を生成する。制御プログラムBは、照度が高くなると共にカウント値が増加する光センサBの出力を、照度が高くなるにつれ照明の輝度が高くなるように照明駆動部を動作させる信号を生成する。このように、制御プログラムの内容を変更することで、出力特性の異なる光センサであっても、自由に選択することができる。
【0034】
なお、記録媒体として不揮発性の半導体メモリが使用されるが、インストールという動作を伴わずに、制御プログラムが記録された不揮発性半導体メモリを回路基板に実装しても良い。電子機器の組立工程としては、その後、検査142を経て出荷143されることとなる。
【0035】
(ソフトウエアについて)
光センサの出力を所定なものとして、電子機器の動作を可能とする制御プログラム及びシステム制御部等の詳細を説明する。
【0036】
図1で示す構成として、光センサ103はデジタル信号を出力し、ディジタル出力値は16ビット(0〜65535)であるとする。光センサ103が受光した照度に比例したディジタル値を照明駆動部109の動作を制御する信号として扱えるように、システム制御部105を動作させるソフトウエアを記録媒体112に書き込む。
【0037】
制御プログラムの態様としては、以下の3種類がある。
(1)光センサ103からのディジタル値を受信し、そのディジタル値を照明駆動部109の制御信号として送信する制御プログラム(以下「制御プログラム1」とする)。
(2)光センサ103からのディジタル値を受信し、そのディジタル値を光センサ103が受光した照度に比例するように変換した後に、照明駆動部109の制御信号として送信する制御プログラム(以下「制御プログラム2」とする)。
(3)光センサ103からのディジタル値を受信し、そのディジタル値を変換するかどうかをシステム制御部105のポート1の状態により判定し、必要ならそのディジタル値を光センサ103が受光した照度に比例するように変換した後に照明駆動部109の制御信号として送信する制御プログラム(以下「制御プログラム3」とする)。
以下、上記(1)〜(3)の制御プログラムの動作について説明する。
【0038】
図8を参照して、制御プログラム1によってシステム制御部105が行うディジタル値出力処理を説明する。
(ステップ1)
システム制御部105は所定のタイミングにおいて、光センサ103へ照度読み取り命令を送信する。光センサ103はシステム制御部105から照度読み取り命令を受信すると、照度に比例したディジタル値O(0≦O≦65535)をシステム制御部105へ送信する。
(ステップ2)
システム制御部105は、光センサ103から送信されたディジタル値Oを受信する。
(ステップ3)
最後にシステム制御部105は、受信したOをそのままシステム制御部105からのディジタル出力値Oとして光源駆動部109へ送信する。
【0039】
このときの、光センサ103が受光する照度と、光センサ103からシステム制御部105へのディジタル出力値O、およびシステム制御部105から照明駆動部109へのディジタル出力値Oとの関係を図9に示す。光センサ103からのディジタル出力値Oおよびシステム制御部105からのディジタル出力値Oは、どちらも光センサ103が受光する照度と比例関係になる。
【0040】
図10を参照して、制御プログラム2によってシステム制御部105が行うディジタル値出力処理を説明する(光センサ103のディジタル出力値が照度に反比例する場合)。
(ステップ1)
システム制御部105は所定のタイミングにおいて、光センサ103へ照度読み取り命令を送信する。光センサ103はシステム制御部105から照度読み取り命令を受信すると、照度に反比例したディジタル値O(0≦O≦65535)をシステム制御部105へ送信する。
(ステップ2)
システム制御部105は、光センサ103から送信されたディジタル値Oを受信する。
(ステップ3)
次にシステム制御部105は、下記の式(1)により、Oに反比例するディジタル値Oを算出する。
= 65535 − O ・・・(1)
ここでOは照度に反比例した値であったから、Oは照度に比例する値となる。
(ステップ4)
最後にシステム制御部105は、上記の式により算出したOを光源駆動部109へ送信する。
以上の出力処理を行うことにより、システム制御部105は光センサ103が受光した照度に比例したディジタル値を光源駆動部109に送信することができる。
【0041】
このときの、光センサ103が受光する照度と、光センサ103からシステム制御部105へのディジタル出力値O、およびシステム制御部105から照明駆動部109へのディジタル出力値Oとの関係を図11に示す。光センサ103からのディジタル出力値Oは光センサ103が受光する照度に反比例するが、システム制御部105からのディジタル出力値Oは、光センサ103が受光する照度と比例関係になる。
【0042】
図12を参照して、制御プログラム3によってシステム制御部105が行うディジタル値出力処理を説明する(光センサ103のディジタル出力値が照度に比例する場合にも反比例する場合にも対応する場合)。
ここではポート1の電圧は以下のように設定しておくものとする。
(i)光センサ103のディジタル出力値が照度に比例する場合→低電圧(Low)
(ii)光センサ103のディジタル出力値が照度に反比例する場合→高電圧(High)
【0043】
(ステップ1)
システム制御部105は所定のタイミングにおいて、光センサ103へ照度読み取り命令を送信する。光センサ103はシステム制御部105から照度読み取り命令を受信すると、照度に応じたディジタル値O(0≦O≦65535)をシステム制御部105へ送信する。
(ステップ2)
システム制御部105は、光センサ103から送信されたディジタル値Oを受信する。
(判定)
次にシステム制御部105はポート1の状態を調べる。ポート1の電圧レベルがLowであればステップ3に、Highであればステップ4に進む。
(ステップ3)
ステップ3に進んだ場合、システム制御部105は照明駆動部109に送信するディジタル値OをOと等しくする。
(ステップ4)
ステップ4に進んだ場合、システム制御部105は照明駆動部109に送信するディジタル値Oを下記の式(1)により算出する。
= 65535 − O ・・・(1)
ここでOは照度に反比例した値であるから、Oは照度に比例する値となる。
(ステップ5)
最後にシステム制御部105は、ディジタル値Oを照明駆動部109へ送信する。システム制御部105は以上の出力処理を行うことにより、常に光センサ103が受光した照度に比例するディジタル値を照明駆動部109に送信することができる。
【0044】
以上のように、光センサの出力特性が異なる場合であっても、当該部品の信号を処理する制御プログラムを、当該部品の入出力特性に応じて適宜変更し電子機器の記録媒体にインストールすることで、仕様の異なる部品の扱いに柔軟に対応することができる。
【0045】
(さまざまな電子機器の態様)
本発明は、さまざまな電子機器に適用することができる。例えば、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、テレビジョン装置の画面の明るさを制御するために用いることができる。この場合、表示パネルは、上記で説明したように液晶パネルを用いることはもとより、エレクトロルミネセンスパネル、プラズマディスプレイパネルなど、さまざまな方式のものに対応することができる。
【0046】
図13はテレビジョン装置144であり、筐体145、表示パネル146、光センサ部147を含む。スピーカー部148 、支持台149が付随するものとして含まれていても良い。表示パネル146は透過型の液晶ディスプレーであり、このテレビジョン装置144では、図1で示すシステムによりバックライトの明るさを制御するように構成されている。
【0047】
このような構成により、テレビジョン装置144において、設置環境の明るさに応じて表示画面の明るさを自動的に調節することができる。それにより、視認性を良くすることができ、また消費電力を低減することができる。
【0048】
テレビジョン装置の生産者にとっては、互換性のある光センサを一又は複数の部品メーカーから供給を受け、当該光センサの出力特性が異なる場合であっても、当該光センサの信号を処理する制御プログラムを適宜変更してテレビジョン装置の記録媒体にインストールすることで、生産性の改善を図ることができる。
【0049】
図14は、室内の天井や壁に照明装置150を取り付けた態様を示す。この照明装置150の光源にはエレクトロルミネセンスパネルが用いられている。照明装置150の操作はリモコン装置151によって行う。このとき、リモコン装置151の光センサ147により室内の明るさを検出することにより、照明装置150の明るさを制御することができる。この場合において、光センサ152として図3(A)で示すような出力特性のものを使用することにより、居住に適した150〜300ルクスの明るさ、読書等に適した300〜500ルクスの明るさをきめ細かく制御することができる。
【0050】
照明装置の生産者にとっては、互換性のある光センサを一又は複数の部品メーカーから供給を受け、当該光センサの出力特性が異なる場合であっても、当該光センサの信号を処理する制御プログラムを適宜変更して照明装置のリモコンに設けられた記録媒体にインストールすることで、生産性の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】電子機器の機能ブロック図。
【図2】光センサの構成を示す図。
【図3】光センサの出力特性を説明する図。
【図4】低照度側でカウント値を高く出力する光センサの回路構成を示す図。
【図5】携帯電話機の概要を示す図。
【図6】主表示パネルと回路基板を組み合わせたモジュールを示す図。
【図7】複数の部品を組み立てて完成する電子機器の生産方法の一例を示すフローチャート。
【図8】制御プログラム1によってシステム制御部が行うディジタル値出力処理を行う方法を示すフローチャート。
【図9】ディジタル出力値O、およびシステム制御部から照明駆動部へのディジタル出力値Oとの関係を示す図。
【図10】制御プログラム2によってシステム制御部が行うディジタル値出力処理を行う方法を示すフローチャート。
【図11】ディジタル出力値O、およびシステム制御部から照明駆動部へのディジタル出力値Oとの関係を示す図。
【図12】制御プログラム3によってシステム制御部が行うディジタル値出力処理を行う方法を示すフローチャート。
【図13】テレビジョン装置の一例を示す図。
【図14】照明装置の一例を示す図。
【符号の説明】
【0052】
100 電子機器
101 送受信部
102 音声入力部
103 光センサ
104 表示パネル
105 システム制御部
106 タイミング制御部
107 照明光源部
108 光源
109 照明駆動部
110 音声出力部
111 入力受付部
112 記録媒体
113 フォトダイオード
114 信号処理回路
115 入出力端子
116 増幅回路
117 第1スイッチ
118 第2スイッチ
119 キャパシタ
120 コンパレータ
121 光検出回路
122 携帯電話機
123 操作スイッチ類
124 マイクロフォン
125 操作部本体
126 主表示パネル
127 副表示パネル
128 スピーカ
129 表示部本体
130 蝶番
131 回路基板
132 筐体
133 フレキシブル配線基板
134 光センサA
135 光センサB
136 光センサ選択
137 他の部品
138 組立
139 光センサ判別
140 制御プログラムAのインストール
141 制御プログラムBのインストール
142 検査
143 出荷
144 テレビジョン装置
145 筐体
146 表示パネル
147 光センサ部
148 スピーカー部
149 支持台
146 照明装置
148 リモコン装置
147 光センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルを有し、該表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器であって、
一又は複数の部品メーカーにより供給される光センサの仕様が、
高照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサと、
低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサとの、
少なくとも二種類がある場合において、
いずれの仕様の光センサをも自由に選択可能とするように、
前記表示パネルを照明する光源部の輝度が外光照度が強くなると共に高くなるように、
光源駆動部において、外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成するための制御プログラムをインストール可能な記録媒体を備えたこと
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
表示パネルを有し、該表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器であって、
一又は複数の部品メーカーにより供給される光センサの仕様が、
高照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する第1の光センサと、
低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する第2の光センサとの、
少なくとも二種類がある場合において、
いずれの仕様の光センサをも自由に選択可能とするように、
前記表示パネルを照明する光源部の輝度が、外光照度が強くなると共に高くなるように、
光源駆動部において、外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成する制御プログラムを、前記第1の光センサ又は前記第2の光センサの仕様に応じて記録媒体にインストール可能な記録媒体を備えたこと
を特徴とする電子機器。
【請求項3】
表示パネルを有し、該表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器であって、
部品メーカーにより供給される光センサの仕様が、
低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサであり、
その光センサの供給を受ける電子機器のセットメーカーにおいて、
前記表示パネルを照明する光源部の輝度が、外光照度が強くなると共に高くなるように、
光源駆動部において、外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成する制御プログラムを記録媒体にインストール可能な記録媒体を備えたこと
を特徴とする電子機器。
【請求項4】
表示パネルを有し、該表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器の生産方法であって、
一又は複数の部品メーカーにより供給される前記光センサの仕様が、
高照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサと、
低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサとの、
少なくとも二種類がある場合において、
その異なる仕様の光センサの供給を受ける前記表示装置のセットメーカーにおいて、
前記表示パネルを照明する光源部の輝度が、外光照度が強くなると共に高くなるように、
光源駆動部において、外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成する制御する制御プログラムを、前記光センサの仕様に応じて記録媒体にインストールすること
を特徴とする電子機器の生産方法。
【請求項5】
表示パネルを有し、該表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器の生産方法であって、
一又は複数の部品メーカーにより供給される前記光センサの仕様が、
高照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する第1の光センサと、
低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する第2の光センサとの、
少なくとも二種類がある場合において、
その異なる仕様の光センサの供給を受ける前記表示装置のセットメーカーにおいて、
高照度側の画面輝度を精密に制御したい場合には第1の光センサを選択し、
低照度側の画面輝度を精密に制御したい場合には第2の光センサを選択し、
そのいずれか一の光センサを選択した場合であっても、
前記表示パネルを照明する光源部の輝度が、外光照度が強くなると共に高くなるように、
光源駆動部において、外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成する制御プログラムを、前記第1の光センサ又は前記第2の光センサの仕様に応じて記録媒体にインストールすること
を特徴とする電子機器の生産方法。
【請求項6】
表示パネルを有し、該表示パネルの画面輝度を、外光照度を検出する光センサによって調節可能とした電子機器の生産方法であって、
部品メーカーにより供給される前記光センサの仕様が、
低照度になると共にカウント数が増加するデジタル照度信号を出力する光センサである場合において、
その光センサの供給を受ける前記表示装置のセットメーカーにおいて、
前記表示パネルを照明する光源部の輝度が、外光照度が強くなると共に高くなるように、
光源駆動部において、外光照度の増加と共に光源部の輝度が高くなる制御信号を生成する制御プログラムを記録媒体にインストールすること
を特徴とする電子機器の生産方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−8581(P2010−8581A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166073(P2008−166073)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】