説明

電子部品の製造装置

【課題】装置の小型化が可能な電子部品の製造装置を提供する。
【解決手段】電子部品保持部50の型対向面50Aに、電子部品60を有する基板61を保持させると共に共通ピン53を型20に向けて立設する。共通ピン53が、離型シート30を貫通して、型20の上面20Aの共通ピン穴22に挿入されることにより、電子部品60が成型部21内の樹脂R中に位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(Light Emitting Diode)等の電子部品の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED等の電子部品を透明樹脂で封止する際には従来より様々な樹脂成型手法が用いられており、その一つにコンプレッション成型(圧縮成型)がある(例えば、特許文献1参照。)。コンプレッション成型では、上型と下型との間に樹脂を充填し、樹脂を加熱および加圧して所望の成型品を得るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−254266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のコンプレッション成型装置は、上型と下型とを正確に位置合わせするための駆動機構や位置決め機構、油圧式による加圧機構など、長大・重工な機構を必要としていた。そのため、装置費用やメンテナンス費用が増大すると共に広い設置面積が必要となっていた。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、小型化が可能な電子部品の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子部品の製造装置は、以下の(A)〜(C)の構成要素を備えたものである。
(A)樹脂が充填される成型部および共通ピン穴を上面に有する型
(B)型の成型部および共通ピン穴を覆う離型シート
(C)型に対向する面に、電子部品を有する基板が保持されていると共に共通ピンが型に向けて立設され、共通ピンが離型シートを貫通して共通ピン穴に挿入される電子部品保持部
【0007】
ここで共通ピンの「共通」とは、電子部品保持部上の基板と型とを同じピンが貫通することを意味している。
【0008】
本発明の電子部品の製造装置では、離型シートで覆われた成型部内に樹脂が充填されたのち、電子部品保持部の共通ピンが離型シートを貫通して、型の上面の共通ピン穴に挿入される。これにより、電子部品保持部に保持された基板上の電子部品が成型部内の樹脂中に位置決めされる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電子部品の製造装置によれば、電子部品保持部の型に対向する面に、電子部品を有する基板を保持させると共に共通ピンを型に向けて立設し、この共通ピンが、離型シートを貫通して、型の上面の共通ピン穴に挿入されるようにしている。よって、型と電子部品保持部との正確な位置合わせは不要となり、電子部品保持部を型の上面に載せることにより電子部品を成型部内の樹脂中に位置決めすることが可能となる。従って、装置の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電子部品の製造装置の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した張設部材の構成を表す斜視図および断面図である。
【図3】図1に示した電子部品の製造装置による電子部品の製造方法を工程順に表す断面図である。
【図4】図3に続く工程を表す断面図である。
【図5】図4に続く工程を表す断面図である。
【図6】図5に続く工程を表す断面図である。
【図7】図6に続く工程を表す断面図である。
【図8】図7に続く工程を表す断面図である。
【図9】従来の樹脂成型装置の構成を概略的に表す側面図および上面図である。
【図10】図8に続く工程を表す断面図である。
【図11】図10に続く工程を表す断面図である。
【図12】図11に続く工程を表す断面図である。
【図13】図12に続く工程を表す断面図である。
【図14】完成した電子部品の構成を概略的に表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電子部品の製造装置の全体構成を概略的に表したものである。この電子部品の製造装置1は、LED等の電子部品の透明樹脂封止を行うためのコンプレッション成型方式の樹脂成型装置であり、基礎(ベース)10上に型20が設置され、この型20の上面は離型シート30で覆われている。離型シート30は、型20の周囲で張設部材40により支持されている。型20の上方には、電子部品保持部50が設けられている。電子部品保持部50の型20に対向する面(型対向面)50Aには、LED等の電子部品60を有する基板61が保持されている。電子部品保持部50の上方には、加圧部70が設けられている。
【0013】
型20は、上面20Aに、成型部21と、共通ピン穴22と、ガイドピン穴23とを有している。成型部21は、成型用の樹脂が充填される凹部である。共通ピン穴22は、電子部品保持部50との位置決めのためのものであり、電子部品保持部50に設けられた共通ピン51(後述)に対向する位置に設けられている。ガイドピン穴23は、電子部品保持部50の昇降移動を案内するためのガイドピン80(後述)の一端部を収容するものであり、型20の上面20Aの周縁部(成型部21および共通ピン穴22よりも外側)に設けられている。
【0014】
成型部21,共通ピン穴22およびガイドピン穴23は、離型シート30により覆われている。型20の上面20Aと離型シート30との間の空間は、型20および基礎10を貫通するバキューム穴24およびこのバキューム穴24に接続されたバキューム配管(図示せず)により、真空排気可能となっている。型20の上面20Aの周縁部(成型部21,共通ピン穴22およびガイドピン穴23よりも外側)には、型−離型シート間封止部材25が設けられている。型−離型シート間封止部材25は、型20の上面20Aと離型シート30との間の真空を保持するためのものである。
【0015】
型20は、共通ピン穴22の周囲に共通ピン穴封止部材22Aを有することが好ましい。後述するように電子部品保持部50に設けられた共通ピン53が離型シート30を貫通する際に、型20の上面20Aと離型シート30との間の真空破壊を抑えることが可能となる。
【0016】
また、型20は、ガイドピン穴23の周囲にガイドピン穴封止部材23Aを有することが好ましい。後述するようにガイドピン80が離型シート30を貫通する際に、型20の上面20Aと離型シート30との間の真空破壊を抑えることが可能となる。
【0017】
更に、型20は、成型部21に充填された樹脂を加熱するヒータ26を内蔵している。ヒータ26は、基礎10を貫通する真空保持機構付きの配線26Aを介して、ヒータの電気配線(図示せず)に接続されている。
【0018】
離型シート30は、樹脂の離型性を向上させるためのものであり、成型部21,共通ピン穴22およびガイドピン穴23を含めた、型20の上面20Aの全体を覆っている。図2は、離型シート30を支持する張設部材40の構成を表したものである。張設部材40は、環状の内側部材41および環状の外側部材42を有する二重枠構造を有しており、離型シート30の端縁を全周にわたって内側部材41および外側部材42の間に挟むことにより、離型シート30に張力をかけて支持するようになっている。このような張設部材40としては、例えば「グリップリング(テクノビジョン社製)」を用いることが可能である。
【0019】
張設部材40は、図1に示したように、トグルクランプ43によって基礎10上の台座44に固定されている。張設部材40の設置面40A(すなわち、離型シート30が張設部材40に支持されている位置)は、図1に示したように、型20の上面20Aよりも低いことが好ましい。張設部材40をこのような高さに固定することにより、離型シート30にかかる張力を更に増加させることが可能となる。
【0020】
図1に示した電子部品保持部50は、バキューム配管(図示せず)に接続されたバキューム穴51を有するバキュームプレートにより構成され、型対向面50Aに、電子部品60を有する基板61を真空吸着により保持するようになっている。また、電子部品保持部50の周縁部には、ガイドピン80(図1には図示せず、図7および図8参照。)の他端部を通すガイドピン貫通孔52を有している。
【0021】
電子部品保持部50の型対向面50Aには、共通ピン53が型20に向けて立設されている。共通ピン53は、一端部が電子部品保持部50に固定され、基板61の共通ピン孔61Aを貫通し、他端部が基板61から突出している。この共通ピン53は、離型シート30を貫通して共通ピン穴22に挿入されることにより、電子部品保持部50と基板61と型20との三者の位置決めを行うものである。これにより、この電子部品の製造装置1では、小型化が可能となっている。
【0022】
電子部品保持部50は、共通ピン53が離型シート30を貫通して共通ピン穴22に挿入される動作位置P51(図9ないし図11参照。)および共通ピン53が共通ピン穴22から離脱した退避位置P52(図1参照。)の間で移動可能となっていることが好ましい。
【0023】
加圧部70は、型20および電子部品保持部50を被覆して基礎10と共に加圧室71(図11参照。)を形成する加圧位置P71と、型20および電子部品保持部50から離れた解放位置P72(図1参照。)との間で移動可能である。また、加圧部70は、加圧室71内部の真空排気機構として、バキューム配管(図示せず)に接続されたバキューム穴72を有している。
【0024】
加圧部70の内側天面には、押圧部材73が設けられている。押圧部材73は、加圧位置P71において電子部品保持部50の型20に対向しない面(すなわち上面)に接触し、電子部品保持部50を加圧するものであり、例えばゴム等の弾性材料により構成されている。
【0025】
また、加圧部70は、側面下部にレベルジャッキ機構74を備えていることが好ましい。これにより、押圧部材73が電子部品保持部50を均一に加圧することが可能となる。
【0026】
加圧部70の側面下端70Aは、レベルジャッキ機構74の下端74Aよりも高い位置にある。基礎10の、加圧部70の側面下端70Aに対向する位置には、加圧室封止部材11が設けられている。
【0027】
この電子部品の製造装置1は、例えば次のように動作する。
【0028】
図3ないし図14は、この電子部品の製造装置1を用いて電子部品60を樹脂封止する電子部品の製造方法を工程順に表したものである。なお、図3ないし図8では加圧部70を省略している。
【0029】
まず、図3に示したように、型20の上面20Aを離型シート30で覆い、離型シート30を張設部材40により張力をかけて支持する。一方、電子部品保持部50を退避位置P52に設置し、電子部品保持部50の型対向面50Aに、電子部品60を有する基板61を真空吸着により保持させると共に、共通ピン53を基板61の共通ピン孔61Aを貫通して型20Aに向けて立設する。なお、図4以降ではバキューム穴51を省略する。
【0030】
次いで、図4に示したように、バキューム穴24から排気することにより離型シート30と型20の上面20Aとの間の空気が排気され、離型シート30が型20の上面20Aに密着し、特に成型部21に密着する。離型シート30と型20の上面20Aとの間には真空が形成される。バキューム穴24からの排気は、一連の工程の間、継続される。
【0031】
続いて、図5に示したように、成型部21に適量の樹脂Rを注入する。
【0032】
そののち、図6に示したように、ガイドピン80の一端部を、型20のガイドピン穴23に離型シート30を貫通して挿入する。ガイドピン穴23の周囲にはガイドピン穴封止部材23Aが設けられているので、離型シート30がガイドピン80により貫通されても、離型シート30と型20の上面20Aとの間の真空は保持される。
【0033】
ガイドピン80を型20のガイドピン穴23に挿入したのち、図7に示したように、電子部品保持部50のガイドピン貫通孔52にガイドピン80の他端部を通し、型20に近づく方向(矢印A1方向)に移動(下降)させる。これにより、図8に示したように、電子部品保持部50が動作位置P51に到達し、共通ピン53が離型シート30を貫通して共通ピン穴22に挿入される。同時に、基板61上の電子部品60が成型部21内の樹脂R中に位置決め保持される。
【0034】
このように、この電子部品の製造装置1では、共通ピン53が離型シート30を貫通して共通ピン穴22に挿入されるようにしたので、型20と電子部品保持部50との正確な位置合わせは不要となり、電子部品保持部50を型20の上面20Aに載せることにより電子部品60を成型部21内の樹脂R中に位置決めすることが可能となる。よって、従来のような上型の駆動機構や下型との位置決め機構は不要となり、装置構成が簡素化され、装置の小型化が可能となる。従って、装置コストが大幅に削減され、設置場所の床の強化も不要となり、設置面積も著しく縮小可能となる。また、駆動機構が不要となることにより安全性が飛躍的に向上する。
【0035】
このとき、共通ピン穴22の周囲には共通ピン穴封止部材22Aが設けられているので、離型シート30が共通ピン53により貫通されても、離型シート30と型20の上面20Aとの間の真空は保持される。
【0036】
また、電子部品保持部50はガイドピン80に案内されて退避位置P52から動作位置P51に移動するので、電子部品保持部50を水平に保って下降させることが可能となり、電子部品保持部50およびその上の基板61が傾いてしまうことが抑えられる。よって、樹脂Rの硬化によって得られるレンズの形状崩れが抑えられる。
【0037】
一方、従来のコンプレッション成型装置では、例えば図9に示したように、シャフト190を用いて上型150の駆動および下型120との位置決めを行っていたが、このシャフト180は、ローラ140に保持された離型シート130と下型120の上面120Aとの間の真空を保持するため、離型シート130を破らないよう設計されていた。つまり、離型シート130は下型120の上面120Aの一部のみ(成型部121の近傍)を被覆しており、シャフト180は離型シート130の外側(下型120の四隅)に設けられていた。このような従来構成では、シャフト180を設けることにより装置構成が複雑になると共に、下型120および上型150の大型化を招いていた。なお、図9では、図1に対応する構成要素には100番台の同一の符号を付している。
【0038】
再び図8に戻って説明する。図8に示したように共通ピン53を共通ピン穴22に挿入したのち、図10に示したように、ガイドピン80を除去し、加圧部70を、電子部品保持部50上方の解放位置P72から、型20に近づく方向(矢印A1方向)に移動(下降)させる。これにより、図11に示したように、加圧部70が加圧位置P71に到達し、型20および電子部品保持部50を包囲して、加圧部70と基礎10と加圧室封止部材11とで囲まれた加圧室71が形成される。このとき、加圧部70の側面下端70Aは加圧室封止部材11に接触しているが、レベルジャッキ機構74の下端74Aは基礎10には接触していない。また、押圧部材73も電子部品保持部50の上面には接触していない。この段階では、バキューム穴72による真空排気は行わず、加圧室内気圧Pchは大気圧である(Pch=Pair)。
【0039】
ここで、加圧室封止部材11の縮み代D1、レベルジャッキ機構74の下端74Aと基礎10との間の距離D2、および押圧部材73と電子部品保持部50との間の距離D3は、D1>D2>D3の関係を満たしていることが好ましい。D1>D2でない場合には、レベルジャッキ機構74の下端74Aが基礎10に接触する前に、加圧室封止部材11の縮みが限界に達して加圧部70の下降が不可能となる。D2>D3でない場合には、押圧部材73が電子部品保持部50の上面に接触する前に、レベルジャッキ機構74の下端74Aが基礎10に接触し、押圧部材73による加圧が不可能となる。
【0040】
加圧部70を下降させて加圧室71を形成したのちには、図12に示したように、加圧部70のバキューム穴72から排気を行うことにより、加圧室内気圧Pchは真空となる。従って、大気圧Pairによる加圧力Fが加圧部70にかかり、加圧部70は加圧室封止部材11を押しつぶし始める。
【0041】
排気が進むにつれて、同じく図12に示したように、押圧部材73が電子部品保持部50の上面に接触し、電子部品保持部50を加圧する。
【0042】
更に排気すると、同じく図12に示したように、レベルジャッキ機構74の下端74Aが基礎10に接触し、加圧室封止部材11の縮み寸法は一定で停止する。
【0043】
加圧室封止部材11の縮み代D1、レベルジャッキ機構74の下端74Aと基礎10との間の距離D2、および押圧部材73と電子部品保持部50との間の距離D3と、加圧室内気圧Pchを適宜に選択することにより、押圧部材73による加圧力を調整することが可能である。このとき、加圧部70への加圧力Fは、F=(Pch−Pair)×Sch(Schは加圧室71の水平方向断面積を表す)で求められる。
【0044】
このように、電子部品の製造装置1では加圧室71内を真空排気することにより大気圧による加圧を行うようにしたので、従来の油圧式による大動力を用いた加圧機構は不要となる。よって、使用電力を大幅に削減することが可能となる。また、加圧室71内を排気して真空にすることにより、樹脂R中に存在する気泡も排気され、より良好な樹脂成型が可能となる。
【0045】
加圧室71内を排気したのちは、ヒータ26により樹脂Rを適宜加熱し、硬化させる。
【0046】
樹脂Rを硬化させたのち、図13に示したように、バキューム穴72より真空をリークさせることにより、加圧部70を取り外して解放位置P72に戻す。これにより、同じく図13に示したように、電子部品保持部50を型20から取り外すことが可能となる。このとき、離型シート30により、樹脂Rの型20への粘着が抑えられる。
【0047】
電子部品保持部50を型20から取り外したのちには、電子部品保持部50から共通ピン53を抜去し、基板61を電子部品保持部50から取り外す。これにより、図14に示したように、基板61上の電子部品60が樹脂Rよりなる樹脂層62により封止される。なお、この樹脂層62は、電子部品60であるLEDを封止すると共にレンズとしての機能も有している。
【0048】
このように本実施の形態では、電子部品保持部50の型対向面50Aに、電子部品60を有する基板61を保持させると共に共通ピン53を型20に向けて立設し、この共通ピン53が、離型シート30を貫通して、型20の上面20Aの共通ピン穴22に挿入されるようにした。よって、型20と電子部品保持部50との正確な位置合わせは不要となり、電子部品保持部50を型20の上面20Aに載せることにより電子部品60を成型部21内の樹脂R中に位置決めすることが可能となる。従って、従来のような上型の駆動機構や下型との位置決め機構は不要となり、装置構成が簡素化され、装置の小型化が可能となる。これにより、装置コストが大幅に削減され、設置場所の床の強化も不要となり、設置面積も著しく縮小可能となる。また、駆動機構が不要となることにより安全性が飛躍的に向上する。
【0049】
また、加圧室71内を真空排気することにより大気圧による加圧を行うようにしたので、従来の油圧式による大動力を用いた加圧機構は不要となる。よって、使用電力を大幅に削減することが可能となる。また、加圧室71内を排気して真空にすることにより、樹脂R中に存在する気泡も排気され、より良好な樹脂成型が可能となる。
【0050】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、成型部21がLEDのレンズを形成するための半球状である場合を例に挙げて説明したが、成型部21は樹脂成型品の形状に合わせて適宜な形状とすることが可能である。
【0051】
また、上記実施の形態では、電子部品60が液晶表示装置のバックライト用または照明用のLEDである場合を例に挙げて説明したが、本発明は、半導体レーザチップなど他の電子部品への適用も可能である。
【0052】
なお、本発明は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
樹脂が充填される成型部および共通ピン穴を上面に有する型と、
前記型の前記成型部および前記共通ピン穴を覆う離型シートと、
前記型に対向する面に、電子部品を有する基板が保持されていると共に共通ピンが前記型に向けて立設され、前記共通ピンが前記離型シートを貫通して前記共通ピン穴に挿入される電子部品保持部と
を備えた電子部品の製造装置。
(2)
前記電子部品保持部は、前記共通ピンが前記共通ピン穴に挿入される動作位置と前記共通ピンが前記共通ピン穴から離脱する退避位置との間で移動可能である
前記(1)記載の電子部品の製造装置。
(3)
前記電子部品保持部の移動を案内するガイドピンを備え、
前記型は、上面に、前記ガイドピンの一端部が入るガイドピン穴を有し、
前記電子部品保持部は、前記ガイドピンの他端部を通すガイドピン貫通孔を有し、
前記ガイドピンは前記離型シートを貫通して前記ガイドピン穴に挿入される
前記(2)記載の電子部品の製造装置。
(4)
前記型は、前記共通ピン穴の周囲に共通ピン穴封止部材を有し、前記ガイドピン穴の周囲にガイドピン穴封止部材を有する
前記(3)記載の電子部品の製造装置。
(5)
前記離型シートに張力をかけて支持する張設部材を備え、
前記離型シートが前記張設部材に支持されている位置は、前記型の上面よりも低い
前記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の電子部品の製造装置。
(6)
前記型が設置される基礎と、
前記型および前記電子部品保持部を被覆して前記基礎と共に加圧室を形成する加圧位置、並びに前記型および前記電子部品保持部から離れた解放位置の間で移動可能であると共に、前記加圧室内部の真空排気機構を有する加圧部と、
前記加圧部の内側天面に設けられ、前記加圧位置において前記電子部品保持部の前記型に対向しない面に接触する押圧部材と
を備えた前記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の電子部品の製造装置。
(7)
前記加圧部の側面下部に、レベルジャッキ機構を備えた
前記(6)記載の電子部品の製造装置。
(8)
前記型は、前記成型部に充填された樹脂を加熱するヒータを備えた
前記(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の電子部品の製造装置。
【符号の説明】
【0053】
1…電子部品の製造装置、10…基礎、11…加圧室封止部材、20…型、20A…上面、21…成型部、22…共通ピン穴、22A…共通ピン穴封止部材、23…ガイドピン穴、23A…ガイドピン穴封止部材、24…バキューム穴、25…型−離型シート間封止部材、26…ヒータ、30…離型シート、40…張設部材、40A…設置面、43…トグルクランプ、50…電子部品保持部、50A…型対向面、51…バキューム穴、52…ガイドピン貫通孔、53…共通ピン、60…電子部品、61…基板、70…加圧部、71…加圧室、72…バキューム穴、73…押圧部材、80…ガイドピン、P51…動作位置、P52…退避位置、P71…加圧位置、P72…解放位置、R…樹脂。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂が充填される成型部および共通ピン穴を上面に有する型と、
前記型の前記成型部および前記共通ピン穴を覆う離型シートと、
前記型に対向する面に、電子部品を有する基板が保持されていると共に共通ピンが前記型に向けて立設され、前記共通ピンが前記離型シートを貫通して前記共通ピン穴に挿入される電子部品保持部と
を備えた電子部品の製造装置。
【請求項2】
前記電子部品保持部は、前記共通ピンが前記共通ピン穴に挿入される動作位置と前記共通ピンが前記共通ピン穴から離脱する退避位置との間で移動可能である
請求項1記載の電子部品の製造装置。
【請求項3】
前記電子部品保持部の移動を案内するガイドピンを備え、
前記型は、上面に、前記ガイドピンの一端部が入るガイドピン穴を有し、
前記電子部品保持部は、前記ガイドピンの他端部を通すガイドピン貫通孔を有し、
前記ガイドピンは前記離型シートを貫通して前記ガイドピン穴に挿入される
請求項2記載の電子部品の製造装置。
【請求項4】
前記型は、前記共通ピン穴の周囲に共通ピン穴封止部材を有し、前記ガイドピン穴の周囲にガイドピン穴封止部材を有する
請求項3記載の電子部品の製造装置。
【請求項5】
前記離型シートに張力をかけて支持する張設部材を備え、
前記離型シートが前記張設部材に支持されている位置は、前記型の上面よりも低い
請求項1記載の電子部品の製造装置。
【請求項6】
前記型が設置される基礎と、
前記型および前記電子部品保持部を包囲して前記基礎と共に加圧室を形成する加圧位置、並びに前記型および前記電子部品保持部から離れた解放位置の間で移動可能であると共に、前記加圧室内部の真空排気機構を有する加圧部と、
前記加圧部の内側天面に設けられ、前記加圧位置において前記電子部品保持部の前記型に対向しない面に接触する押圧部材と
を備えた請求項1記載の電子部品の製造装置。
【請求項7】
前記加圧部の側面下部に、レベルジャッキ機構を備えた
請求項6記載の電子部品の製造装置。
【請求項8】
前記型は、前記成型部に充填された樹脂を加熱するヒータを備えた
請求項1記載の電子部品の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−146925(P2012−146925A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6064(P2011−6064)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】