電子部品搭載装置および電子部品実装方法
【課題】反り変形を生じやすい電子部品を半田接合によって実装する場合における接合不良を防止することができる電子部品搭載装置および電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【解決手段】下面に複数の半田バンプ16aが形成された電子部品16を基板に実装する電子部品実装において、当該電子部品のリフロー過程における反り変形の状態を示す部品反り情報に基づいて、複数の半田バンプのそれぞれに反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜7aをペースト転写ユニット24に形成する。これにより、各半田バンプ16aに過不足なく半田量を追加供給して、反り変形を生じやすい電子部品を半田接合によって実装する場合における接合不良を防止することができる。
【解決手段】下面に複数の半田バンプ16aが形成された電子部品16を基板に実装する電子部品実装において、当該電子部品のリフロー過程における反り変形の状態を示す部品反り情報に基づいて、複数の半田バンプのそれぞれに反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜7aをペースト転写ユニット24に形成する。これにより、各半田バンプ16aに過不足なく半田量を追加供給して、反り変形を生じやすい電子部品を半田接合によって実装する場合における接合不良を防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田バンプが形成された電子部品を基板に移送搭載して半田接合により実装するための電子部品搭載装置および電子部品実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子などの電子部品を回路基板に実装する形態として、半導体素子を樹脂基板に実装した半導体パッケージを半田バンプを介して回路基板に半田接合により実装する方法が用いられるようになっている。半田バンプを介して電子部品を基板に接合する半田接合においては、フラックスや半田ペーストなどの半田接合補助剤を半田バンプに供給した状態で半田バンプを基板の電極に着地させることが行われている。このため、電子部品搭載装置にはフラックスや半田ペーストを転写するための装置が配置される(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−305806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年電子機器の小型化・高機能化の進展に伴い、電子機器に組み込まれる電子部品は、高実装密度が求められて小型化・薄化が進行している。このため回路基板やこの回路基板に実装される半導体パッケージも剛性が低下し加熱による反り変形を生じやすいものとなっている。このため、下面に半田バンプが形成された半導体パッケージを基板に搭載した後のリフロー過程において、反り変形を生じた部分の半田バンプが浮き上がって、基板の電極との間に隙間を生じる傾向にある。
【0004】
このような半田バンプの浮き上がりに対しては半田ペーストの追加が有効であるが、上述の特許文献例のペースト膜形成装置では全ての半田バンプに対して均一厚さの塗膜によって半田ペーストを供給するようにしているため、反り変形による浮き上がりの程度によっては、ペーストの転写によってもなお半田バンプと電極との間の隙間をカバーすることができない。この結果、半田バンプが基板の接続用電極に正常に半田接合されず、導通不良や接合強度不足などの接合不良が生じやすい。
【0005】
そこで本発明は、反り変形を生じやすい電子部品を半田接合によって実装する場合における接合不良を防止することができる電子部品搭載装置および電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子部品搭載装置は、下面に複数の半田バンプが形成された電子部品を基板に移送搭載する電子部品搭載装置であって、前記電子部品を供給する部品供給部と、前記基板を保持して位置決めする基板保持部と、前記部品供給部から電子部品を取り出して前記基板保持部に保持された基板に移送搭載する搭載ヘッドと、前記搭載ヘッドを前記部品供給部と基板保持部との間で移動させるヘッド移動手段と、前記電子部品のリフロー過程における反り変形の状態を示す部品反り情報を記憶する部品反り情報記憶部と、前記搭載ヘッドの移動経路に配設され、前記半田バンプに転写される半田ペーストの塗膜を塗膜形成面に形成し、前記搭載ヘッドに保持された電子部品を前記塗膜形成面に対して下降させることにより前記複数の半田バンプに半田ペーストを転写するためのペースト転写ユニットと、前記ペースト転写ユニットを制御する制御部とを備え、前記ペースト転写ユニットは、スキージ駆動部によって駆動されて前記塗膜形成面上で水平移動および垂直移動を組み合わせた成膜動作を行うスキージを有し、前記制御部が前記スキージ駆動部を前記部品反
り情報に基づいて制御することにより、前記複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品の前記反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜を形成する。
【0007】
本発明の電子部品実装方法は、電子部品を供給する部品供給部と、前記基板を保持して位置決めする基板保持部と、前記部品供給部から電子部品を取り出して前記基板保持部に保持された基板に移送搭載する搭載ヘッドと、前記搭載ヘッドを前記部品供給部と基板保持部との間で移動させるヘッド移動手段と、前記電子部品のリフロー過程における反り変形状態を示す部品反り情報を記憶する部品反り情報記憶部と、前記搭載ヘッドの移動経路に配設され、前記塗膜形成面上で水平移動および垂直移動を組み合わせた成膜動作を行うスキージにより前記半田バンプに転写される半田ペーストの塗膜を塗膜形成面に形成するペースト転写ユニットと、前記ペースト転写ユニットを制御する制御部とを備えた電子部品搭載装置によって、下面に複数の半田バンプが形成された電子部品を基板に移送搭載して実装する電子部品実装方法であって、前記部品供給部から搭載ヘッドによって電子部品を取り出す工程と、前記ペースト転写ユニットの前記塗膜形成面に対して前記搭載ヘッドに保持された電子部品を下降させることにより、前記半田バンプに半田ペーストを転写するペースト転写工程と、前記電子部品を前記基板に搭載して前記半田バンプを前記基板の電極に前記半田ペーストを介して着地させる部品搭載工程とを含み、前記ペースト転写工程に先だって実行される前記成膜動作において、前記スキージを駆動するスキージ駆動部を前記制御部が前記部品反り情報に基づいて制御することにより、前記複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品の前記反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜を形成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、半田バンプに半田ペーストを供給するペースト転写工程に先だって実行される成膜動作において、複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品のリフロー過程における反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜を形成することにより、反り変形を生じやすい電子部品を半田接合によって実装する場合における接合不良を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品実装システムの構成を示すブロック図、図2は本発明の一実施の形態の電子部品実装システムにおける半田印刷の説明図、図3は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の平面図、図4は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置におけるペースト転写ユニットの構造説明図、図5は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置におけるペースト転写ユニットの動作説明図、図6は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の制御系の構成を示すブロック図、図7は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における部品反り情報およびスキージ移動データの説明図、図8は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法を示すフロー図、図9、図10は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図、図11は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における半田ペーストの転写量と半田接合不良との関係を示す説明図である。
【0010】
まず図1を参照して電子部品実装システムについて説明する。図1において電子部品実装システムは、いずれも電子部品実装用装置である印刷装置M1、印刷検査装置M2、電子部品搭載装置M3、リフロー装置M4の各装置を連結して構成される電子部品実装ライン1を通信ネットワーク2によって接続し、全体を管理コンピュータ3によって制御する構成となっている。本実施の形態においては、これらの複数の電子部品実装用装置により、下面に外部接続用の複数の半田バンプが形成された電子部品を基板に半田接合によって実装して実装基板を製造する。なお管理コンピュータ3を使用せずに、各電子部品実装用
装置を通信ネットワーク2によって接続する構成でもよい。
【0011】
印刷装置M1は、実装対象の基板に電子部品の半田バンプの配列に対応して形成された電極に、電子部品接合用の半田ペーストをスクリーン印刷する。印刷検査装置M2は、半田印刷後の基板を撮像して印刷された半田ペーストの平面位置を認識することにより印刷状態を検査する。電子部品搭載装置M3は、半田ペーストが印刷された基板に搭載ヘッドによって電子部品を搭載する。リフロー装置M4は、電子部品が搭載された基板を加熱することにより、半田バンプおよび半田ペーストを加熱溶融させて、電子部品を基板に半田接合する。
【0012】
図2は、印刷装置M1にて行われる半田印刷を示している。印刷装置M1はスクリーンマスク6およびスキージ機構8を備えており、スクリーンマスク6の下方には、基板保持部(図示省略)によって電子部品が実装される基板5が位置決めされて保持される。基板5の上面には実装対象の電子部品が接続される電極5a、5bが設けられている。スクリーンマスク6の上方には、2つの印刷スキージ9を昇降機構10によって昇降自在とした構成のスキージ機構8が配設されており、スキージ機構8は水平移動機構(図示省略)によって水平移動自在となっている。基板5をスクリーンマスク6の下面に当接させ、さらにスクリーンマスク6の上面に半田ペースト7を供給した状態で、印刷スキージ9をスクリーンマスク6の上面に摺接させながらスキージ機構8を水平移動させることにより、スクリーンマスク6に形成されたパターン孔(図示省略)を介して半田ペースト7が電極5a、5bに印刷される。
【0013】
次に、図3を参照して電子部品搭載装置M3の構造を説明する。図3において、基台11の中央部には搬送路12がX方向(基板搬送方向)に配列されている。搬送路12は、電子部品が実装される基板5を搬送し、電子部品実装位置に基板5を保持して位置決めする。したがって、搬送路12は基板5を保持して位置決めする基板保持部となっている。搬送路12の両側には、電子部品を供給する第1の部品供給部13Aおよび第2の部品供給部13Bが配設されている。
【0014】
第1の部品供給部13Aには、複数のテープフィーダ14が並設されている。テープフィーダ14は、端子型のチップ部品などの電子部品を保持したテープをピッチ送りして、以下に説明する搭載ヘッドのピックアップ位置にこれらの電子部品を供給する。第2の部品供給部13Bには、2つのトレイフィーダ15が並列に配設されており、2つのトレイフィーダ15はそれぞれ種類の異なる電子部品16を格子配列で搭載ヘッドのピックアップ位置に供給する。電子部品16には、BGAなど薄型の樹脂基板に半導体素子を実装した構成の半導体パッケージや、小型のバンプ付き部品などが含まれる。本実施の形態においては、電子部品16として上述の半導体パッケージなど、下面に形成された複数の半田バンプによって基板と接続されるものを対象としている。
【0015】
基台11のX方向の両端部には、Y軸テーブル17AおよびY軸ガイド17Bが配設されており、Y軸テーブル17A,Y軸ガイド17BにはX軸テーブル18が架設されている。さらにX軸テーブル18には搭載ヘッド19が装着されている。搭載ヘッド19は複数の単位搭載ヘッド20を備えた多連型の搭載ヘッドであり、基板認識カメラ21と一体的に移動する。
【0016】
X軸テーブル18、Y軸テーブル17Aを駆動することにより搭載ヘッド19はXY方向に移動し、第1の部品供給部13Aおよび第2の部品供給部13Bから電子部品を単位搭載ヘッド20の吸着ノズル20a(図9参照)によって取り出して、搬送路12上に位置決め保持された基板5に移送搭載する。X軸テーブル18、Y軸テーブル17Aは、搭載ヘッド19を第1の部品供給部13Aおよび第2の部品供給部13Bと搬送路12との
間で移動させるヘッド移動手段を構成する。
【0017】
搬送路12と第2の部品供給部13Bとの間の搭載ヘッド19の移動経路には、ラインカメラ23,ノズルストッカ22,ペースト転写ユニット24が配設されている。それぞれの部品供給部から電子部品をピックアップした搭載ヘッド19が基板5へ移動する途中で、搭載ヘッド19がラインカメラ23の上方を通過することにより、搭載ヘッド19に保持された状態の電子部品を認識する。
【0018】
ノズルストッカ22は、基板5に搭載される電子部品の種類に応じた吸着ノズルを複数種類収納しており、搭載ヘッド19がノズルストッカ22にアクセスすることにより、搭載対象の電子部品に応じた吸着ノズルを選択して装着することができるようになっている。ペースト転写ユニット24は、半田成分をフラックスに混入して粘性体とした半田ペーストを薄膜状態にして塗膜形成面に形成する機能を有している。搭載ヘッド19に保持された電子部品をペースト転写ユニット24の塗膜形成面に対して下降させることにより、電子部品の下面に形成された複数の半田バンプには、半田ペーストが転写により供給される。この半田ペーストの転写による供給は、半田バンプを基板5の電極と半田接合する際の半田量を追加することによって、半田接合の信頼性を向上させることを目的として行われるものである。
【0019】
次に図4を参照して、電子部品搭載装置M3に備えられたペースト転写ユニット24の構成について説明する。図4において、ベース部25の上面には平滑な塗膜形成面25aが設けられており、塗膜形成面25aには電子部品16に形成された半田バンプ16aに転写により供給するための半田ペースト7の塗膜7aが、スキージ28により半田ペースト7を延展する成膜動作によって形成される。
【0020】
ベース部25には、スキージ28に成膜動作を行わせる垂直移動機構26、水平移動機構27が設けられており、スキージ28は水平移動機構27に装着されている。垂直移動機構26,水平移動機構27、スキージ28は、スキージ駆動部35(図6参照)によって駆動される。すなわち、水平移動機構27を駆動することによりスキージ28は水平移動し、さらに垂直移動機構26を駆動することによりスキージ28は水平移動機構27と一体的に昇降する。したがって、スキージ28はスキージ駆動部35によって駆動されて、塗膜形成面25a上で水平移動および垂直移動を組み合わせた成膜動作を行う。これにより、塗膜形成面25aには半田ペースト7の塗膜が形成される。
【0021】
図5はスキージ28による成膜動作の1パターン例を示している。図5(a)はスキージ28によって塗膜形成面25a上面に半田ペースト7を初期膜厚t1で延展して均一な膜厚の塗膜7aを形成した状態を示している。この後、所望の膜厚分布を得るための成膜動作が開始される。すなわち図5(b)、図5(c)に示すように、スキージ28に垂直移動機構26、水平移動機構27によって水平移動および垂直移動を所定パターンで組み合わせた成膜動作を行わせることにより、塗膜7aの所定範囲に半田ペースト7が所望の断面形状でえぐり取られた形状の膜厚変更部7bを形成する。この膜厚変更部7bは、図5(d)に示す例では中央部の膜厚がt2、周辺部の膜厚がt1であるような膜厚分布となっており、スキージ28の成膜動作のパターンを変更することにより、ペースト転写ユニット24において任意の膜厚分布で塗膜7aを形成することができるようになっている。
【0022】
次に図6を参照して、制御系の構成について説明する。制御部30はCPUを備えた全体制御部であり、以下に説明する各部の動作や処理を制御する。搭載データ記憶部31は、実装データなど、搭載ヘッド19による搭載動作を制御するために必要とされるデータを記憶する。部品反り情報記憶部32は、対象とする電子部品のリフロー過程における反
り変形状態に関するデータを記憶する。スキージ移動データ記憶部33は、スキージ28を移動させることにより行われる成膜動作のパターン、すなわちスキージ28の水平・垂直移動を組み合わせた動作パターンを、部品反り情報に対応して記憶する。ヘッド駆動部34は、搭載ヘッド19を移動させるための搭載ヘッド駆動モータ19Mを駆動する。スキージ駆動部35は、垂直移動機構26、水平移動機構27の駆動源である垂直方向駆動モータ26M、水平方向駆動モータ27Mを駆動する。
【0023】
ここで前述の部品反り情報およびスキージ移動データについて、図7を参照して説明する。本実施の形態に示す電子部品16のように、BGAなど薄型の樹脂基板を主体とする半導体パッケージは変形しやすく、特にリフロー時の加熱によって反り変形を生じやすいという特性がある。すなわち、常温の状態においては、図7(a)の(イ)に示す電子部品16のように全体がほぼフラットな状態であるが、加熱により両端部が上反り変形を示す場合がある。このとき、電子部品16の平面サイズ、厚み寸法、基板構成、すなわち樹脂材料や内部配線状態など、種々の要素によって、図7(a)の(ロ)、(ハ)、(ニ)に例示するように、異なった変形挙動を示す。
【0024】
(ロ)に示す電子部品16Aは、反り変形が比較的小さく両端部が小さい変位量d1だけ上方に変位するような変形特性を有しており、(ハ)に示す電子部品16Bは、反り変形が大きく、両端部がd1よりも大きい変位量d2だけ上方に変位するような変形特性を有している。また(ニ)に示す電子部品16Cは、中央部分の変形が少なく両端部のみが局部的に変位量d3だけ持ち上げられるような変形特性を有する例である。
【0025】
前述のようにこの反り変形は部品種類によって多様に異なっており、図7(a)の例示と反り方向が反対の場合もある。すなわち、電子部品の中央部が両端部に対して相対的に持ち上げられ、全体として上に凸となるような変形挙動を示す場合も存在する。これらの部品反り情報は、対象となる電子部品をその都度リフロー過程と同じ加熱条件で加熱して変形量を実測することにより求められ、部品反り情報記憶部32にこれらの情報が書き込まれる。なおこれらの情報が既に得られて既知データとなっている場合には、管理コンピュータ3によって通信ネットワーク2を介して部品反り情報記憶部32に書き込まれる。
【0026】
このように、電子部品がリフロー過程において反り変形挙動を示す場合には、下面に形成された半田バンプが基板の電極と離れる方向に変位することから、リーフロー過程の半田溶融時において、基板の電極上に印刷された半田ペーストが溶融した溶融半田と半田バンプが溶融した溶融半田とが一体化せず、いわゆる「半田オープン」となって正常な半田接合が阻害される場合がある。
【0027】
このような接合不良を防止するため、本実施の形態においては、リフロー過程における加熱によって部品反り変形の程度、すなわち半田バンプ16aが電極5aから離れる方向に変位する程度に応じて、半田バンプ16aに半田ペースト7を転写により追加供給し、「半田オープン」の発生を防止するようにしている。この半田ペースト7の追加供給は、ペースト転写ユニット24によって形成された塗膜7aに、単位搭載ヘッド20を保持された電子部品16を下降させて半田バンプ16aを塗膜7aに接触させることにより行われる。
【0028】
このときそれぞれの半田バンプ16aには、上述の「半田オープン」を防止するために必要とされる適正量の半田ペースト7が転写により供給される。すなわち図7(b)に示すように、反り変形により変位した半田バンプ16a*の、平均的な半田バンプ16に対する高さ差Δhに応じて、塗膜形成面25aに形成される塗膜7aの膜厚分布をスキージ28の成膜動作によって設定するようにしている。スキージ移動データは、このような膜厚分布を有する塗膜7aを形成するためのスキージ28による成膜動作のパターンを示す
ものであり、部品反り情報が部品反り情報記憶部32に書き込まれると、これにリンクしてスキージ移動データ記憶部33に書き込まれる。
【0029】
例えば、図7(a)の(イ)に示す電子部品16のように反り変形がほとんどない電子部品16については、それぞれの半田バンプ16aに均一な所望供給量の半田ペースト7を転写することができるよう、図7(b)(イ)に示すように、均一な全体膜厚t0の塗膜7aが形成される。これに対し、図7(a)(ロ)、(ハ)に示す電子部品16A、16Bのように、全体が湾曲した状態で反り変形を示すものに対しては、図7(b)(ロ)、(ハ)に示すように、その反り程度、すなわち両端部の変位量d1,d2に応じた全体膜厚t1、t2の塗膜7aをまず形成し、次いで全体の湾曲状態に応じた膜厚変更部7bを形成して、膜厚分布が各半田バンプ16aの高さ差Δhに応じたものとなるようにする。さらに、図7(a)(ニ)に示す電子部品16Cのように、中央部分の変形が少なく両端部のみが局部的に反り変形を生じている場合には、図7(b)(ニ)に示すように、変位量d3に応じた全体膜厚t3の塗膜7aを形成した後、その変形状態に応じた膜厚変更部7bを形成する。
【0030】
次に、この電子部品実装システムによる電子部品実装方法について、図8のフローに沿って各図を参照して説明する。この電子部品実装方法は、下面に複数の半田バンプ16aが形成された電子部品16を基板5に移送搭載して実装するものである。まずここでは第2の部品供給部13Bから、搭載ヘッド19によって電子部品16を取り出す(ST1)。
【0031】
次に、図9(a)に示すように、ペースト転写ユニット24の塗膜形成面25aに対して搭載ヘッド19に保持された電子部品16を下降させることにより、半田バンプ16aに半田ペースト7を転写する(ペースト転写工程)(ST2)。すなわち図9(b)に示すように、単位搭載ヘッド20に保持された電子部品16を塗膜7aに対して下降させて、各半田バンプ16aを塗膜7aに接触させことにより、図9(c)に示すように、電子部品16のそれぞれの半田バンプ16aには、以下に説明するように、所望転写量の半田ペースト7が転写される。
【0032】
このペースト転写工程に先だって実行される成膜動作においては、実装対象となる電子部品の種類に応じて部品反り情報記憶部32に記憶された部品反り情報が読み出され、さらにこの部品反り情報に対応したスキージ移動データがスキージ移動データ記憶部33から読み出される。そして制御部30は、このスキージ移動情報に基づいて、スキージ駆動部35を制御することにより、スキージ28に複数の半田バンプ16aのそれぞれに当該電子部品の反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペースト7を転写するための膜厚分布の塗膜を形成する成膜動作を行わせる(図5参照)。
【0033】
これにより、塗膜7aには当該電子部品16の部品反り情報に基づいた形状の膜厚変更部7bが形成される。すなわちスキージ28を駆動するスキージ駆動部35を制御部30が部品反り情報に基づいて制御することにより、複数の半田バンプ16aのそれぞれに当該電子部品の反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜7aを形成するようにしている。
【0034】
次いで電子部品16を基板5へ搭載する(ST3)。すなわち搭載ヘッド19を移動させて、図10(a)に示すように、半田ペースト7の転写後の電子部品16を保持した単位搭載ヘッド20を基板5上に位置させ、半田バンプ16aを基板5の電極5aに位置合わせする。次いで電子部品16を下降させて、図10(b)に示すように、電子部品16を基板5に搭載して半田バンプ16aを基板5の電極5aに半田ペースト7を介して着地させる(部品搭載工程)。
【0035】
この後、電子部品16が搭載された基板5はリフロー装置M4に搬入される。そして図10(c)に示すように、基板5を電子部品16とともに半田融点温度以上に加熱して、半田バンプ16aおよび半田ペースト7中の半田成分を溶融させることにより、電子部品16を基板5に半田接合する(リフロー工程)(ST4)。このとき、電子部品16は熱変形を生じ、外縁部側が上向きに反るような変形挙動を示すことから、外縁部に位置する半田バンプ16aは、電子部品16とともに電極5aとの間の間隔が増大するように変位する。
【0036】
このような場合でも、各半田バンプ16aには当該電子部品16の部品反り情報に基づき、前述の所望転写量の半田ペースト7が転写により追加供給されていることから、反り変形により電極5aと半田バンプとの間隔が増大した部分において半田バンプ16aと電極5aとを半田接合するための半田量が不足することがない。すなわち、図10(c)に示すように、電子部品16の半田バンプ16aが溶融した半田成分は、半田ペースト7中の半田が溶融した半田成分と一体となって全ての半田バンプ16aを電極5aに正常に繋ぎ、導通不良や接合強度不足などの接合不良を生じることなく、電子部品16を電極5aに電気的に接続する半田接合部16bを良好に形成する。
【0037】
図11はこのような薄型の半導体パッケージを半田接合により実装する場合に生じやすい接合不良の例を示すものである。図11(a)は、このようにリフロー過程において両端部が情報に反りやすい電子部品16に対して、半田ペースト7の追加供給を行わずに搭載した例を示している。この場合には、リフロー過程において反り変形が生じた際、中央部に位置する半田バンプ16aは基板の電極5aと良好に半田接合するが、両端部近傍の半田バンプ16aの位置では半田ペースト7の量が不足する。この結果、本来電子部品16と電極5aとを完全に繋ぐべき半田接合部16bが健全に形成されず、未接合部Cを有する接合不良となる。
【0038】
また図11(b)は、このような電子部品16に対して、各半田バンプ16aに同一転写量の半田ペースト7の追加供給を行った例を示している。この場合には、リフロー過程において反り変形が生じた際、両端部近傍の半田バンプ16aの位置では、半田ペースト7の量が追加により適正量となって良好に半田接合が行われるが、中央部に位置する半田バンプ16aについては半田ペースト7の量が適正量よりも過剰となる。この結果この範囲においては過剰な半田が溶融状態において流動し、隣接する電極5a相互が半田によって連結される半田ブリッジBが発生する。
【0039】
これに対し本実施の形態に示す電子部品実装方法においては、前述のように電子部品の種類に応じて記憶された部品反り情報に基づいて複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品の反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペースト7が転写されることから、リフロー過程において各半田バンプ16aに半田ペースト7の過不足が生じることがない。 これにより、リフロー過程において反り変形を生じやすい薄型の半導体パッケージを半田接合によって基板に実装する場合における上述の接合不良を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の電子部品搭載装置および電子部品実装方法は、反り変形を生じやすい電子部品を半田接合によって実装する場合における接合不良を防止することができるという効果を有し、半田バンプが形成された薄型の半導体パッケージを基板に半田接合により実装する分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品実装システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品実装システムにおける半田印刷の説明図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の平面図
【図4】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置におけるペースト転写ユニットの構造説明図
【図5】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置におけるペースト転写ユニットの動作説明図
【図6】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の制御系の構成を示すブロック図
【図7】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における部品反り情報およびスキージ移動データの説明図
【図8】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法を示すフロー図
【図9】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図
【図10】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図
【図11】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における半田ペーストの転写量と半田接合不良との関係を示す説明図
【符号の説明】
【0042】
1 電子部品実装ライン
5 基板
7 ペースト
7a 塗膜
13A 第1の部品供給部
13B 第2の部品供給部
16 電子部品
16a 半田バンプ
19 搭載ヘッド
20 単位搭載ヘッド
24 ペースト転写ユニット
25a 塗膜形成面
28 スキージ
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田バンプが形成された電子部品を基板に移送搭載して半田接合により実装するための電子部品搭載装置および電子部品実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子などの電子部品を回路基板に実装する形態として、半導体素子を樹脂基板に実装した半導体パッケージを半田バンプを介して回路基板に半田接合により実装する方法が用いられるようになっている。半田バンプを介して電子部品を基板に接合する半田接合においては、フラックスや半田ペーストなどの半田接合補助剤を半田バンプに供給した状態で半田バンプを基板の電極に着地させることが行われている。このため、電子部品搭載装置にはフラックスや半田ペーストを転写するための装置が配置される(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−305806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年電子機器の小型化・高機能化の進展に伴い、電子機器に組み込まれる電子部品は、高実装密度が求められて小型化・薄化が進行している。このため回路基板やこの回路基板に実装される半導体パッケージも剛性が低下し加熱による反り変形を生じやすいものとなっている。このため、下面に半田バンプが形成された半導体パッケージを基板に搭載した後のリフロー過程において、反り変形を生じた部分の半田バンプが浮き上がって、基板の電極との間に隙間を生じる傾向にある。
【0004】
このような半田バンプの浮き上がりに対しては半田ペーストの追加が有効であるが、上述の特許文献例のペースト膜形成装置では全ての半田バンプに対して均一厚さの塗膜によって半田ペーストを供給するようにしているため、反り変形による浮き上がりの程度によっては、ペーストの転写によってもなお半田バンプと電極との間の隙間をカバーすることができない。この結果、半田バンプが基板の接続用電極に正常に半田接合されず、導通不良や接合強度不足などの接合不良が生じやすい。
【0005】
そこで本発明は、反り変形を生じやすい電子部品を半田接合によって実装する場合における接合不良を防止することができる電子部品搭載装置および電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子部品搭載装置は、下面に複数の半田バンプが形成された電子部品を基板に移送搭載する電子部品搭載装置であって、前記電子部品を供給する部品供給部と、前記基板を保持して位置決めする基板保持部と、前記部品供給部から電子部品を取り出して前記基板保持部に保持された基板に移送搭載する搭載ヘッドと、前記搭載ヘッドを前記部品供給部と基板保持部との間で移動させるヘッド移動手段と、前記電子部品のリフロー過程における反り変形の状態を示す部品反り情報を記憶する部品反り情報記憶部と、前記搭載ヘッドの移動経路に配設され、前記半田バンプに転写される半田ペーストの塗膜を塗膜形成面に形成し、前記搭載ヘッドに保持された電子部品を前記塗膜形成面に対して下降させることにより前記複数の半田バンプに半田ペーストを転写するためのペースト転写ユニットと、前記ペースト転写ユニットを制御する制御部とを備え、前記ペースト転写ユニットは、スキージ駆動部によって駆動されて前記塗膜形成面上で水平移動および垂直移動を組み合わせた成膜動作を行うスキージを有し、前記制御部が前記スキージ駆動部を前記部品反
り情報に基づいて制御することにより、前記複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品の前記反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜を形成する。
【0007】
本発明の電子部品実装方法は、電子部品を供給する部品供給部と、前記基板を保持して位置決めする基板保持部と、前記部品供給部から電子部品を取り出して前記基板保持部に保持された基板に移送搭載する搭載ヘッドと、前記搭載ヘッドを前記部品供給部と基板保持部との間で移動させるヘッド移動手段と、前記電子部品のリフロー過程における反り変形状態を示す部品反り情報を記憶する部品反り情報記憶部と、前記搭載ヘッドの移動経路に配設され、前記塗膜形成面上で水平移動および垂直移動を組み合わせた成膜動作を行うスキージにより前記半田バンプに転写される半田ペーストの塗膜を塗膜形成面に形成するペースト転写ユニットと、前記ペースト転写ユニットを制御する制御部とを備えた電子部品搭載装置によって、下面に複数の半田バンプが形成された電子部品を基板に移送搭載して実装する電子部品実装方法であって、前記部品供給部から搭載ヘッドによって電子部品を取り出す工程と、前記ペースト転写ユニットの前記塗膜形成面に対して前記搭載ヘッドに保持された電子部品を下降させることにより、前記半田バンプに半田ペーストを転写するペースト転写工程と、前記電子部品を前記基板に搭載して前記半田バンプを前記基板の電極に前記半田ペーストを介して着地させる部品搭載工程とを含み、前記ペースト転写工程に先だって実行される前記成膜動作において、前記スキージを駆動するスキージ駆動部を前記制御部が前記部品反り情報に基づいて制御することにより、前記複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品の前記反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜を形成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、半田バンプに半田ペーストを供給するペースト転写工程に先だって実行される成膜動作において、複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品のリフロー過程における反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜を形成することにより、反り変形を生じやすい電子部品を半田接合によって実装する場合における接合不良を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品実装システムの構成を示すブロック図、図2は本発明の一実施の形態の電子部品実装システムにおける半田印刷の説明図、図3は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の平面図、図4は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置におけるペースト転写ユニットの構造説明図、図5は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置におけるペースト転写ユニットの動作説明図、図6は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の制御系の構成を示すブロック図、図7は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における部品反り情報およびスキージ移動データの説明図、図8は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法を示すフロー図、図9、図10は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図、図11は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における半田ペーストの転写量と半田接合不良との関係を示す説明図である。
【0010】
まず図1を参照して電子部品実装システムについて説明する。図1において電子部品実装システムは、いずれも電子部品実装用装置である印刷装置M1、印刷検査装置M2、電子部品搭載装置M3、リフロー装置M4の各装置を連結して構成される電子部品実装ライン1を通信ネットワーク2によって接続し、全体を管理コンピュータ3によって制御する構成となっている。本実施の形態においては、これらの複数の電子部品実装用装置により、下面に外部接続用の複数の半田バンプが形成された電子部品を基板に半田接合によって実装して実装基板を製造する。なお管理コンピュータ3を使用せずに、各電子部品実装用
装置を通信ネットワーク2によって接続する構成でもよい。
【0011】
印刷装置M1は、実装対象の基板に電子部品の半田バンプの配列に対応して形成された電極に、電子部品接合用の半田ペーストをスクリーン印刷する。印刷検査装置M2は、半田印刷後の基板を撮像して印刷された半田ペーストの平面位置を認識することにより印刷状態を検査する。電子部品搭載装置M3は、半田ペーストが印刷された基板に搭載ヘッドによって電子部品を搭載する。リフロー装置M4は、電子部品が搭載された基板を加熱することにより、半田バンプおよび半田ペーストを加熱溶融させて、電子部品を基板に半田接合する。
【0012】
図2は、印刷装置M1にて行われる半田印刷を示している。印刷装置M1はスクリーンマスク6およびスキージ機構8を備えており、スクリーンマスク6の下方には、基板保持部(図示省略)によって電子部品が実装される基板5が位置決めされて保持される。基板5の上面には実装対象の電子部品が接続される電極5a、5bが設けられている。スクリーンマスク6の上方には、2つの印刷スキージ9を昇降機構10によって昇降自在とした構成のスキージ機構8が配設されており、スキージ機構8は水平移動機構(図示省略)によって水平移動自在となっている。基板5をスクリーンマスク6の下面に当接させ、さらにスクリーンマスク6の上面に半田ペースト7を供給した状態で、印刷スキージ9をスクリーンマスク6の上面に摺接させながらスキージ機構8を水平移動させることにより、スクリーンマスク6に形成されたパターン孔(図示省略)を介して半田ペースト7が電極5a、5bに印刷される。
【0013】
次に、図3を参照して電子部品搭載装置M3の構造を説明する。図3において、基台11の中央部には搬送路12がX方向(基板搬送方向)に配列されている。搬送路12は、電子部品が実装される基板5を搬送し、電子部品実装位置に基板5を保持して位置決めする。したがって、搬送路12は基板5を保持して位置決めする基板保持部となっている。搬送路12の両側には、電子部品を供給する第1の部品供給部13Aおよび第2の部品供給部13Bが配設されている。
【0014】
第1の部品供給部13Aには、複数のテープフィーダ14が並設されている。テープフィーダ14は、端子型のチップ部品などの電子部品を保持したテープをピッチ送りして、以下に説明する搭載ヘッドのピックアップ位置にこれらの電子部品を供給する。第2の部品供給部13Bには、2つのトレイフィーダ15が並列に配設されており、2つのトレイフィーダ15はそれぞれ種類の異なる電子部品16を格子配列で搭載ヘッドのピックアップ位置に供給する。電子部品16には、BGAなど薄型の樹脂基板に半導体素子を実装した構成の半導体パッケージや、小型のバンプ付き部品などが含まれる。本実施の形態においては、電子部品16として上述の半導体パッケージなど、下面に形成された複数の半田バンプによって基板と接続されるものを対象としている。
【0015】
基台11のX方向の両端部には、Y軸テーブル17AおよびY軸ガイド17Bが配設されており、Y軸テーブル17A,Y軸ガイド17BにはX軸テーブル18が架設されている。さらにX軸テーブル18には搭載ヘッド19が装着されている。搭載ヘッド19は複数の単位搭載ヘッド20を備えた多連型の搭載ヘッドであり、基板認識カメラ21と一体的に移動する。
【0016】
X軸テーブル18、Y軸テーブル17Aを駆動することにより搭載ヘッド19はXY方向に移動し、第1の部品供給部13Aおよび第2の部品供給部13Bから電子部品を単位搭載ヘッド20の吸着ノズル20a(図9参照)によって取り出して、搬送路12上に位置決め保持された基板5に移送搭載する。X軸テーブル18、Y軸テーブル17Aは、搭載ヘッド19を第1の部品供給部13Aおよび第2の部品供給部13Bと搬送路12との
間で移動させるヘッド移動手段を構成する。
【0017】
搬送路12と第2の部品供給部13Bとの間の搭載ヘッド19の移動経路には、ラインカメラ23,ノズルストッカ22,ペースト転写ユニット24が配設されている。それぞれの部品供給部から電子部品をピックアップした搭載ヘッド19が基板5へ移動する途中で、搭載ヘッド19がラインカメラ23の上方を通過することにより、搭載ヘッド19に保持された状態の電子部品を認識する。
【0018】
ノズルストッカ22は、基板5に搭載される電子部品の種類に応じた吸着ノズルを複数種類収納しており、搭載ヘッド19がノズルストッカ22にアクセスすることにより、搭載対象の電子部品に応じた吸着ノズルを選択して装着することができるようになっている。ペースト転写ユニット24は、半田成分をフラックスに混入して粘性体とした半田ペーストを薄膜状態にして塗膜形成面に形成する機能を有している。搭載ヘッド19に保持された電子部品をペースト転写ユニット24の塗膜形成面に対して下降させることにより、電子部品の下面に形成された複数の半田バンプには、半田ペーストが転写により供給される。この半田ペーストの転写による供給は、半田バンプを基板5の電極と半田接合する際の半田量を追加することによって、半田接合の信頼性を向上させることを目的として行われるものである。
【0019】
次に図4を参照して、電子部品搭載装置M3に備えられたペースト転写ユニット24の構成について説明する。図4において、ベース部25の上面には平滑な塗膜形成面25aが設けられており、塗膜形成面25aには電子部品16に形成された半田バンプ16aに転写により供給するための半田ペースト7の塗膜7aが、スキージ28により半田ペースト7を延展する成膜動作によって形成される。
【0020】
ベース部25には、スキージ28に成膜動作を行わせる垂直移動機構26、水平移動機構27が設けられており、スキージ28は水平移動機構27に装着されている。垂直移動機構26,水平移動機構27、スキージ28は、スキージ駆動部35(図6参照)によって駆動される。すなわち、水平移動機構27を駆動することによりスキージ28は水平移動し、さらに垂直移動機構26を駆動することによりスキージ28は水平移動機構27と一体的に昇降する。したがって、スキージ28はスキージ駆動部35によって駆動されて、塗膜形成面25a上で水平移動および垂直移動を組み合わせた成膜動作を行う。これにより、塗膜形成面25aには半田ペースト7の塗膜が形成される。
【0021】
図5はスキージ28による成膜動作の1パターン例を示している。図5(a)はスキージ28によって塗膜形成面25a上面に半田ペースト7を初期膜厚t1で延展して均一な膜厚の塗膜7aを形成した状態を示している。この後、所望の膜厚分布を得るための成膜動作が開始される。すなわち図5(b)、図5(c)に示すように、スキージ28に垂直移動機構26、水平移動機構27によって水平移動および垂直移動を所定パターンで組み合わせた成膜動作を行わせることにより、塗膜7aの所定範囲に半田ペースト7が所望の断面形状でえぐり取られた形状の膜厚変更部7bを形成する。この膜厚変更部7bは、図5(d)に示す例では中央部の膜厚がt2、周辺部の膜厚がt1であるような膜厚分布となっており、スキージ28の成膜動作のパターンを変更することにより、ペースト転写ユニット24において任意の膜厚分布で塗膜7aを形成することができるようになっている。
【0022】
次に図6を参照して、制御系の構成について説明する。制御部30はCPUを備えた全体制御部であり、以下に説明する各部の動作や処理を制御する。搭載データ記憶部31は、実装データなど、搭載ヘッド19による搭載動作を制御するために必要とされるデータを記憶する。部品反り情報記憶部32は、対象とする電子部品のリフロー過程における反
り変形状態に関するデータを記憶する。スキージ移動データ記憶部33は、スキージ28を移動させることにより行われる成膜動作のパターン、すなわちスキージ28の水平・垂直移動を組み合わせた動作パターンを、部品反り情報に対応して記憶する。ヘッド駆動部34は、搭載ヘッド19を移動させるための搭載ヘッド駆動モータ19Mを駆動する。スキージ駆動部35は、垂直移動機構26、水平移動機構27の駆動源である垂直方向駆動モータ26M、水平方向駆動モータ27Mを駆動する。
【0023】
ここで前述の部品反り情報およびスキージ移動データについて、図7を参照して説明する。本実施の形態に示す電子部品16のように、BGAなど薄型の樹脂基板を主体とする半導体パッケージは変形しやすく、特にリフロー時の加熱によって反り変形を生じやすいという特性がある。すなわち、常温の状態においては、図7(a)の(イ)に示す電子部品16のように全体がほぼフラットな状態であるが、加熱により両端部が上反り変形を示す場合がある。このとき、電子部品16の平面サイズ、厚み寸法、基板構成、すなわち樹脂材料や内部配線状態など、種々の要素によって、図7(a)の(ロ)、(ハ)、(ニ)に例示するように、異なった変形挙動を示す。
【0024】
(ロ)に示す電子部品16Aは、反り変形が比較的小さく両端部が小さい変位量d1だけ上方に変位するような変形特性を有しており、(ハ)に示す電子部品16Bは、反り変形が大きく、両端部がd1よりも大きい変位量d2だけ上方に変位するような変形特性を有している。また(ニ)に示す電子部品16Cは、中央部分の変形が少なく両端部のみが局部的に変位量d3だけ持ち上げられるような変形特性を有する例である。
【0025】
前述のようにこの反り変形は部品種類によって多様に異なっており、図7(a)の例示と反り方向が反対の場合もある。すなわち、電子部品の中央部が両端部に対して相対的に持ち上げられ、全体として上に凸となるような変形挙動を示す場合も存在する。これらの部品反り情報は、対象となる電子部品をその都度リフロー過程と同じ加熱条件で加熱して変形量を実測することにより求められ、部品反り情報記憶部32にこれらの情報が書き込まれる。なおこれらの情報が既に得られて既知データとなっている場合には、管理コンピュータ3によって通信ネットワーク2を介して部品反り情報記憶部32に書き込まれる。
【0026】
このように、電子部品がリフロー過程において反り変形挙動を示す場合には、下面に形成された半田バンプが基板の電極と離れる方向に変位することから、リーフロー過程の半田溶融時において、基板の電極上に印刷された半田ペーストが溶融した溶融半田と半田バンプが溶融した溶融半田とが一体化せず、いわゆる「半田オープン」となって正常な半田接合が阻害される場合がある。
【0027】
このような接合不良を防止するため、本実施の形態においては、リフロー過程における加熱によって部品反り変形の程度、すなわち半田バンプ16aが電極5aから離れる方向に変位する程度に応じて、半田バンプ16aに半田ペースト7を転写により追加供給し、「半田オープン」の発生を防止するようにしている。この半田ペースト7の追加供給は、ペースト転写ユニット24によって形成された塗膜7aに、単位搭載ヘッド20を保持された電子部品16を下降させて半田バンプ16aを塗膜7aに接触させることにより行われる。
【0028】
このときそれぞれの半田バンプ16aには、上述の「半田オープン」を防止するために必要とされる適正量の半田ペースト7が転写により供給される。すなわち図7(b)に示すように、反り変形により変位した半田バンプ16a*の、平均的な半田バンプ16に対する高さ差Δhに応じて、塗膜形成面25aに形成される塗膜7aの膜厚分布をスキージ28の成膜動作によって設定するようにしている。スキージ移動データは、このような膜厚分布を有する塗膜7aを形成するためのスキージ28による成膜動作のパターンを示す
ものであり、部品反り情報が部品反り情報記憶部32に書き込まれると、これにリンクしてスキージ移動データ記憶部33に書き込まれる。
【0029】
例えば、図7(a)の(イ)に示す電子部品16のように反り変形がほとんどない電子部品16については、それぞれの半田バンプ16aに均一な所望供給量の半田ペースト7を転写することができるよう、図7(b)(イ)に示すように、均一な全体膜厚t0の塗膜7aが形成される。これに対し、図7(a)(ロ)、(ハ)に示す電子部品16A、16Bのように、全体が湾曲した状態で反り変形を示すものに対しては、図7(b)(ロ)、(ハ)に示すように、その反り程度、すなわち両端部の変位量d1,d2に応じた全体膜厚t1、t2の塗膜7aをまず形成し、次いで全体の湾曲状態に応じた膜厚変更部7bを形成して、膜厚分布が各半田バンプ16aの高さ差Δhに応じたものとなるようにする。さらに、図7(a)(ニ)に示す電子部品16Cのように、中央部分の変形が少なく両端部のみが局部的に反り変形を生じている場合には、図7(b)(ニ)に示すように、変位量d3に応じた全体膜厚t3の塗膜7aを形成した後、その変形状態に応じた膜厚変更部7bを形成する。
【0030】
次に、この電子部品実装システムによる電子部品実装方法について、図8のフローに沿って各図を参照して説明する。この電子部品実装方法は、下面に複数の半田バンプ16aが形成された電子部品16を基板5に移送搭載して実装するものである。まずここでは第2の部品供給部13Bから、搭載ヘッド19によって電子部品16を取り出す(ST1)。
【0031】
次に、図9(a)に示すように、ペースト転写ユニット24の塗膜形成面25aに対して搭載ヘッド19に保持された電子部品16を下降させることにより、半田バンプ16aに半田ペースト7を転写する(ペースト転写工程)(ST2)。すなわち図9(b)に示すように、単位搭載ヘッド20に保持された電子部品16を塗膜7aに対して下降させて、各半田バンプ16aを塗膜7aに接触させことにより、図9(c)に示すように、電子部品16のそれぞれの半田バンプ16aには、以下に説明するように、所望転写量の半田ペースト7が転写される。
【0032】
このペースト転写工程に先だって実行される成膜動作においては、実装対象となる電子部品の種類に応じて部品反り情報記憶部32に記憶された部品反り情報が読み出され、さらにこの部品反り情報に対応したスキージ移動データがスキージ移動データ記憶部33から読み出される。そして制御部30は、このスキージ移動情報に基づいて、スキージ駆動部35を制御することにより、スキージ28に複数の半田バンプ16aのそれぞれに当該電子部品の反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペースト7を転写するための膜厚分布の塗膜を形成する成膜動作を行わせる(図5参照)。
【0033】
これにより、塗膜7aには当該電子部品16の部品反り情報に基づいた形状の膜厚変更部7bが形成される。すなわちスキージ28を駆動するスキージ駆動部35を制御部30が部品反り情報に基づいて制御することにより、複数の半田バンプ16aのそれぞれに当該電子部品の反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜7aを形成するようにしている。
【0034】
次いで電子部品16を基板5へ搭載する(ST3)。すなわち搭載ヘッド19を移動させて、図10(a)に示すように、半田ペースト7の転写後の電子部品16を保持した単位搭載ヘッド20を基板5上に位置させ、半田バンプ16aを基板5の電極5aに位置合わせする。次いで電子部品16を下降させて、図10(b)に示すように、電子部品16を基板5に搭載して半田バンプ16aを基板5の電極5aに半田ペースト7を介して着地させる(部品搭載工程)。
【0035】
この後、電子部品16が搭載された基板5はリフロー装置M4に搬入される。そして図10(c)に示すように、基板5を電子部品16とともに半田融点温度以上に加熱して、半田バンプ16aおよび半田ペースト7中の半田成分を溶融させることにより、電子部品16を基板5に半田接合する(リフロー工程)(ST4)。このとき、電子部品16は熱変形を生じ、外縁部側が上向きに反るような変形挙動を示すことから、外縁部に位置する半田バンプ16aは、電子部品16とともに電極5aとの間の間隔が増大するように変位する。
【0036】
このような場合でも、各半田バンプ16aには当該電子部品16の部品反り情報に基づき、前述の所望転写量の半田ペースト7が転写により追加供給されていることから、反り変形により電極5aと半田バンプとの間隔が増大した部分において半田バンプ16aと電極5aとを半田接合するための半田量が不足することがない。すなわち、図10(c)に示すように、電子部品16の半田バンプ16aが溶融した半田成分は、半田ペースト7中の半田が溶融した半田成分と一体となって全ての半田バンプ16aを電極5aに正常に繋ぎ、導通不良や接合強度不足などの接合不良を生じることなく、電子部品16を電極5aに電気的に接続する半田接合部16bを良好に形成する。
【0037】
図11はこのような薄型の半導体パッケージを半田接合により実装する場合に生じやすい接合不良の例を示すものである。図11(a)は、このようにリフロー過程において両端部が情報に反りやすい電子部品16に対して、半田ペースト7の追加供給を行わずに搭載した例を示している。この場合には、リフロー過程において反り変形が生じた際、中央部に位置する半田バンプ16aは基板の電極5aと良好に半田接合するが、両端部近傍の半田バンプ16aの位置では半田ペースト7の量が不足する。この結果、本来電子部品16と電極5aとを完全に繋ぐべき半田接合部16bが健全に形成されず、未接合部Cを有する接合不良となる。
【0038】
また図11(b)は、このような電子部品16に対して、各半田バンプ16aに同一転写量の半田ペースト7の追加供給を行った例を示している。この場合には、リフロー過程において反り変形が生じた際、両端部近傍の半田バンプ16aの位置では、半田ペースト7の量が追加により適正量となって良好に半田接合が行われるが、中央部に位置する半田バンプ16aについては半田ペースト7の量が適正量よりも過剰となる。この結果この範囲においては過剰な半田が溶融状態において流動し、隣接する電極5a相互が半田によって連結される半田ブリッジBが発生する。
【0039】
これに対し本実施の形態に示す電子部品実装方法においては、前述のように電子部品の種類に応じて記憶された部品反り情報に基づいて複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品の反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペースト7が転写されることから、リフロー過程において各半田バンプ16aに半田ペースト7の過不足が生じることがない。 これにより、リフロー過程において反り変形を生じやすい薄型の半導体パッケージを半田接合によって基板に実装する場合における上述の接合不良を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の電子部品搭載装置および電子部品実装方法は、反り変形を生じやすい電子部品を半田接合によって実装する場合における接合不良を防止することができるという効果を有し、半田バンプが形成された薄型の半導体パッケージを基板に半田接合により実装する分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品実装システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品実装システムにおける半田印刷の説明図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の平面図
【図4】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置におけるペースト転写ユニットの構造説明図
【図5】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置におけるペースト転写ユニットの動作説明図
【図6】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の制御系の構成を示すブロック図
【図7】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における部品反り情報およびスキージ移動データの説明図
【図8】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法を示すフロー図
【図9】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図
【図10】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図
【図11】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における半田ペーストの転写量と半田接合不良との関係を示す説明図
【符号の説明】
【0042】
1 電子部品実装ライン
5 基板
7 ペースト
7a 塗膜
13A 第1の部品供給部
13B 第2の部品供給部
16 電子部品
16a 半田バンプ
19 搭載ヘッド
20 単位搭載ヘッド
24 ペースト転写ユニット
25a 塗膜形成面
28 スキージ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面に複数の半田バンプが形成された電子部品を基板に移送搭載する電子部品搭載装置であって、
前記電子部品を供給する部品供給部と、前記基板を保持して位置決めする基板保持部と、前記部品供給部から電子部品を取り出して前記基板保持部に保持された基板に移送搭載する搭載ヘッドと、前記搭載ヘッドを前記部品供給部と基板保持部との間で移動させるヘッド移動手段と、前記電子部品のリフロー過程における反り変形の状態を示す部品反り情報を記憶する部品反り情報記憶部と、前記搭載ヘッドの移動経路に配設され、前記半田バンプに転写される半田ペーストの塗膜を塗膜形成面に形成し、前記搭載ヘッドに保持された電子部品を前記塗膜形成面に対して下降させることにより前記複数の半田バンプに半田ペーストを転写するためのペースト転写ユニットと、前記ペースト転写ユニットを制御する制御部とを備え、
前記ペースト転写ユニットは、スキージ駆動部によって駆動されて前記塗膜形成面上で水平移動および垂直移動を組み合わせた成膜動作を行うスキージを有し、前記制御部が前記スキージ駆動部を前記部品反り情報に基づいて制御することにより、前記複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品の前記反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜を形成することを特徴とする電子部品搭載装置。
【請求項2】
電子部品を供給する部品供給部と、前記基板を保持して位置決めする基板保持部と、前記部品供給部から電子部品を取り出して前記基板保持部に保持された基板に移送搭載する搭載ヘッドと、前記搭載ヘッドを前記部品供給部と基板保持部との間で移動させるヘッド移動手段と、前記電子部品のリフロー過程における反り変形状態を示す部品反り情報を記憶する部品反り情報記憶部と、前記搭載ヘッドの移動経路に配設され、前記塗膜形成面上で水平移動および垂直移動を組み合わせた成膜動作を行うスキージにより前記半田バンプに転写される半田ペーストの塗膜を塗膜形成面に形成するペースト転写ユニットと、前記ペースト転写ユニットを制御する制御部とを備えた電子部品搭載装置によって、下面に複数の半田バンプが形成された電子部品を基板に移送搭載して実装する電子部品実装方法であって、
前記部品供給部から搭載ヘッドによって電子部品を取り出す工程と、前記ペースト転写ユニットの前記塗膜形成面に対して前記搭載ヘッドに保持された電子部品を下降させることにより、前記半田バンプに半田ペーストを転写するペースト転写工程と、前記電子部品を前記基板に搭載して前記半田バンプを前記基板の電極に前記半田ペーストを介して着地させる部品搭載工程とを含み、
前記ペースト転写工程に先だって実行される前記成膜動作において、前記スキージを駆動するスキージ駆動部を前記制御部が前記部品反り情報に基づいて制御することにより、前記複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品の前記反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜を形成することを特徴とする電子部品実装方法。
【請求項1】
下面に複数の半田バンプが形成された電子部品を基板に移送搭載する電子部品搭載装置であって、
前記電子部品を供給する部品供給部と、前記基板を保持して位置決めする基板保持部と、前記部品供給部から電子部品を取り出して前記基板保持部に保持された基板に移送搭載する搭載ヘッドと、前記搭載ヘッドを前記部品供給部と基板保持部との間で移動させるヘッド移動手段と、前記電子部品のリフロー過程における反り変形の状態を示す部品反り情報を記憶する部品反り情報記憶部と、前記搭載ヘッドの移動経路に配設され、前記半田バンプに転写される半田ペーストの塗膜を塗膜形成面に形成し、前記搭載ヘッドに保持された電子部品を前記塗膜形成面に対して下降させることにより前記複数の半田バンプに半田ペーストを転写するためのペースト転写ユニットと、前記ペースト転写ユニットを制御する制御部とを備え、
前記ペースト転写ユニットは、スキージ駆動部によって駆動されて前記塗膜形成面上で水平移動および垂直移動を組み合わせた成膜動作を行うスキージを有し、前記制御部が前記スキージ駆動部を前記部品反り情報に基づいて制御することにより、前記複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品の前記反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜を形成することを特徴とする電子部品搭載装置。
【請求項2】
電子部品を供給する部品供給部と、前記基板を保持して位置決めする基板保持部と、前記部品供給部から電子部品を取り出して前記基板保持部に保持された基板に移送搭載する搭載ヘッドと、前記搭載ヘッドを前記部品供給部と基板保持部との間で移動させるヘッド移動手段と、前記電子部品のリフロー過程における反り変形状態を示す部品反り情報を記憶する部品反り情報記憶部と、前記搭載ヘッドの移動経路に配設され、前記塗膜形成面上で水平移動および垂直移動を組み合わせた成膜動作を行うスキージにより前記半田バンプに転写される半田ペーストの塗膜を塗膜形成面に形成するペースト転写ユニットと、前記ペースト転写ユニットを制御する制御部とを備えた電子部品搭載装置によって、下面に複数の半田バンプが形成された電子部品を基板に移送搭載して実装する電子部品実装方法であって、
前記部品供給部から搭載ヘッドによって電子部品を取り出す工程と、前記ペースト転写ユニットの前記塗膜形成面に対して前記搭載ヘッドに保持された電子部品を下降させることにより、前記半田バンプに半田ペーストを転写するペースト転写工程と、前記電子部品を前記基板に搭載して前記半田バンプを前記基板の電極に前記半田ペーストを介して着地させる部品搭載工程とを含み、
前記ペースト転写工程に先だって実行される前記成膜動作において、前記スキージを駆動するスキージ駆動部を前記制御部が前記部品反り情報に基づいて制御することにより、前記複数の半田バンプのそれぞれに当該電子部品の前記反り変形の状態に応じた所望転写量の半田ペーストを転写するための膜厚分布の塗膜を形成することを特徴とする電子部品実装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−66624(P2008−66624A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245227(P2006−245227)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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