説明

電極の形成方法及び発光素子の製造方法ならびに半導体素子及び発光素子

【課題】蒸着の回数などの工程数増加によるコストも抑えることができ、また電極のめくれ、ハガレの不良の発生を防ぐことを考慮しつつ、LEDランプ組立工程でのワイヤーボンド部のワイヤーと電極と間の圧着部分の密着強度の強い電極の形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、n型半導体結晶と発光層とp型半導体結晶とがこの順で形成された半導体結晶にオーミック電極を形成する方法であって、半導体結晶のp型半導体結晶の表面上に、少なくとも、第一金属層としてAuを蒸着させ、第一金属層上に第二金属層としてAuBe合金材料とAuの混合物を蒸着させてAuBe合金を形成し、第二金属層上に第三金属層としてAuを蒸着させ、その後熱処理を行ってオーミック電極を形成することを特徴とする電極の形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極の形成方法や発光素子の製造方法、半導体素子及び発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも発光層が(AlGa1−xIn1−yP(0≦x≦1,0≦y≦1)(以下AlGaInPとも表記)にて表される半導体結晶を用いた発光素子等では、p型半導体結晶の表面上に設けるオーミック電極として、以前からAuBe合金が用いられてきた。
【0003】
そのAuBe合金層を含む電極を成膜する方法として、量産工程の場合には、密着性ではスパッタよりは劣るが、生産性で優位性のある大型の蒸着機を用いることが多い。
また蒸着装置内で金属を加熱し蒸発させる手段としては、タングステンなどの高融点金属のボートを用いての抵抗加熱による方法と、電子ビームを金属ターゲットの表面に当てて加熱するEBガン方式が一般的に用いられている(例えば特許文献1,2参照)。
【0004】
また、半導体発光素子として用いる場合に、結晶の成長の順番や光の取り出しの都合でp型半導体結晶側が発光素子の上面になることが多い。その為、図6に示すように、半導体結晶3の表面上に、オーミック性の接触のオーミック層7を形成するのみでなく、その上にボンディングパッド9として、比較的厚めの金の層を形成してオーミック電極5とする必要がある。このボンディングパッドは、半導体素子とした後にLEDランプの組み立て工程時に、25μmφ程度の金線をワイヤーボンディングするための、金の比較的厚い1〜2μm程度のいわゆるボンディングパッドである。図6は、発光素子等に形成される電極の概略の一例を示した図である。
【0005】
また、電極パターン形成方法としては、蒸着前にレジストパターンを形成し、蒸着後の不要部分の材料を剥離するリフトオフ法、または、蒸着後に金属膜表面にレジストパターンを形成し、蒸着後に薬品でエッチングし、電極形状を形成するフォトリソ工程を用いた方法がある。
そして、その後、RTA(Rapid Thermal Annealing)や巻き線ヒーター加熱炉等で熱処理され、オーミック性の接触を得る。
【0006】
そのボンディングパッドを持つアノード電極の形成方法の基本的手法として従来から用いられているAuBe合金材料を蒸着し、その上にAuをボンディングパッドとして成膜した構造の電極は、ワイヤーボンディングが困難なことが多い。
これは、半導体結晶からのGa,Al,In、電極中のBeの拡散により、電極表面のボンディングパッド部分の金が変質するためと考えられる。
【0007】
この対策として、電極を2回に分けて形成する方法があり実際に用いられている(特許文献1参照)。
この方法では、まずオーミック層を一度形成し、その上に再度Auを蒸着し、ボンディングパッドを形成する。具体的には、オーミック層としてのAuBeを成膜し、フォトリソ、パターンエッチング、レジスト剥離、熱処理を行って所定の形状、寸法のオーミック電極を形成した後に、更に、ボンディングパッド層としAu層を成膜し、フォトリソ、マスクアライメント、パターンエッチング、レジスト剥離、熱処理の順に工程処理するものである。
【0008】
また、一度の蒸着で金属層の形成を行い、かつワイヤーボンダビリティも確保する方式もある。この方法では、AuBe合金層とAuパッド層の間にTi、Mo、Wなどの高融点金属やそれに近い金属が成膜される(例えば特許文献3−5参照)。
この手法の目的は、熱処理時の相互拡散によるAu層の合金化を防ぐことにある。この製法の場合、AuBe、AuZn層などのオーミックを取るためのドーパント層の上に、Ti等の高融点金属、Auという順に一蒸着内で連続して成膜する。その後に、フォトリソ、パターンエッチング、レジスト剥離、熱処理と一度の工程で完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平06−93443号公報
【特許文献2】特開平09−232255号公報
【特許文献3】特開2000−200926号公報
【特許文献4】特開2006−40997号公報
【特許文献5】特開2007−317913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の特許文献1に記載のような2回に分けて電極を形成する方法では、上部の金は下部のオーミック層形成の際の500℃前後の30〜60分程度の熱処理の影響は受けずに、せいぜい350℃程度の2回目の熱処理で、下のオーミック電極に合金化される。従って、上部の金は、Ga,In,Beなどの拡散がほとんど無く、良好な金の状態を保っているので、ワイヤーボンダビリティは良好で、シアテストで80g程度の値が得られる。
しかし、欠点としては、それぞれの工程を2回繰り返すこととなり、コスト面で非常に不利なところにある。またAuBe合金層と上部のAu層がその間の微量な汚れなどでうまく合金化せず剥離する危険性もある。更に、突発的な部分的なハガレが2回の蒸着の界面で発生し、信頼性のおける品質とならないことも多い。
【0011】
そして、上述の特許文献3−5の製造方法で得られるオーミック電極は、Ti等のバリアー層としての金属層を含み、熱処理でのGaなどの金属の金中への拡散はある程度防ぐことができる。従って、ワイヤーボンディングが良好な状態も得られるが、十分とはいえない。また、AuBe(Be1wt%)/Ti/Auの構造で、LEDチップを製造した場合、ワイヤーボンディング工程だけでなく、素子工程中のシートの張替えなどにおいて粘着シートで電極を密着し別のシートに転写する際に結晶との密着不足で剥がれやめくれが発生することもあり、工程歩留りの低下だけではなく、不適合品の処理、再検査など余分に工数が発生し、製造コストが増加する。そして品質面においては信頼性の低下、工程管理面においては、再投入、納期の遅れが発生する。
更に、近年、ボンディングが高速化したため、更にボンディングが着きやすい電極構造が望まれている。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、蒸着の回数などの工程数増加によるコストも抑えることができ、また電極のめくれやハガレ等の不良の発生を防ぐことを考慮しつつ、LEDランプ組立工程でのワイヤーボンド部のワイヤーと電極と間の圧着部分の密着強度が従来に比べて強い電極の形成方法や発光素子の製造方法並びに半導体素子及び発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明では、少なくとも、キャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のn型半導体結晶と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される発光層と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表されるキャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のp型半導体結晶とがこの順で形成された半導体結晶にオーミック電極を形成する方法であって、前記半導体結晶のp型半導体結晶の表面上に、少なくとも、第一金属層としてAuを蒸着させ、該第一金属層上に第二金属層としてAuBe合金材料とAuの混合物を蒸着させてAuBe合金を形成し、該第二金属層上に第三金属層としてAuを蒸着させ、その後熱処理を行うことによってオーミック電極を形成することを特徴とする電極の形成方法を提供する。
【0014】
このように、p型半導体結晶の表面に、Au,AuBe合金,Auを順に蒸着させ、その後熱処理を行う。これによって、第一金属層がAuBeではなくAuとなり、蒸着時の密着強度が向上し、また熱処理後にBeを拡散させてオーミック接触を得るとともに、電極中のBe濃度を低くすることができる。またAuBe合金層上にもAuを設けることによって、更にBe濃度を低くすることができる。従ってAuに比べて硬く脆いAuBe合金からなる第二金属層の強度を従来に比べて強いものとすることができる。
また、第二金属層としてAuBe合金材料をそのまま蒸着させるのではなく、AuBe合金材料とAuの混合物を蒸着させることによって、電極中のBe濃度を従来に比べ更に低減させることができると共に、電極中にBeを安定して添加することができる。
そしてこれらの効果によって、オーミック性の接触を得ることができる程度にBe濃度を保つことができると共に、ワイヤーやp型半導体結晶と電極間との密着強度、電極自体の強度を従来に比べて強いものとすることができる。従って、良好なワイヤーボンダビリティ及び電極の不良の発生を低減させたオーミック電極を製造することができる。
【0015】
ここで、前記AuBe合金材料として、Be濃度が1〜2wt%のものを用いることが好ましい。
詳しくは後述するが、AuBe合金はBe1.1wt%辺りに共晶点を有しているため、AuBe合金材料中のBe濃度を低減させたものを用いる場合、Beが均一に分布しておらず、Be濃度が過不足する恐れがあり、バッチによってはBeが過多となり、また別のバッチではBeが不足する事態が発生する恐れがある。このため、合金材料としてBe濃度が安定しているBe濃度1〜2wt%のAuBe合金材料を用いることによって、オーミック電極中のBe濃度を、バッチ間であっても安定させることができる。
【0016】
また、前記熱処理後の前記第一金属層、前記第二金属層、前記第三金属層の合計のBe濃度が0.1〜0.5wt%となるように前記AuBe合金材料の量を調節することができる。
このように、熱処理後の第一金属層、第二金属層、第三金属層の合計のBe濃度が0.1〜0.5wt%となるようにAuBe合金材料の量を調節することによって、形成されたオーミック電極中のBe濃度をオーミック性を取ることができる範囲内に容易に制御することができ、またボンディングの際にワイヤーと電極の密着性に不良が発生する危険性を極力低下させることができる濃度範囲にBe濃度を抑制することができる。
【0017】
そして、前記第一金属層の厚さを5〜100nm、前記第二金属層の厚さを10〜200nm、前記第三金属層の厚さを5〜100nmとし、かつ厚さの合計を300nm以下とすることが好ましい。
上述の範囲の厚さとなるように各々の金属層を形成することによって、生産性を十分に高いものとすることができるとともに、各々の層が担っている役割の効果を十分に発揮させることができる。
【0018】
更に、前記第一金属層、前記第二金属層、前記第三金属層を形成する際に、更に、前記第三金属層の直上にTiからなる第四金属層、該第四金属層の直上にAuからなる第五金属層を形成することが好ましい。
このように、第三金属層上にTiからなる第四金属層を形成することによって、p型半導体結晶からのGa等の構成元素やAuBe層からのBeが、上部に形成するAuからなる第五金属層まで拡散することを強く抑制することができ、最表面層の第五金属層中の不純物濃度が高くなることを防止することができる。
また第四金属層上にAuからなる第五金属層を形成することによって、更に良好なワイヤーボンダビリティ特性を得ることができる。
【0019】
また、前記第四金属層の厚さを、50〜150nmとすることができる。
このように、第四金属層の厚さを上述のような範囲とすることによって、生産性を損なうことなく、GaやBe等の不純物が上部の第五金属層へ拡散することをより強く抑制することができる厚さ範囲とすることができる。
【0020】
そして、前記第五金属層の厚さを、1.5〜2μmとすることができる。
このように、第五金属層の厚さを上述の範囲内とすることによって、ワイヤーをボンディングする際に、更に高い密着強度を持たせることができる厚さとすることができる。
【0021】
更に、前記電極のパターンを、リフトオフ法、エッチング法のいずれかの方法により形成することができる。
リフトオフ法であれば、電極パターンの精度を十分に高いものとすることができる。またエッチング工程が不要であるため、環境負荷の大きな酸やアルカリ性の薬液を用いることを避けることができる。
またエッチング法であれば、短時間で、かつ高い精度で電極パターンを形成することができる。
【0022】
また、前記熱処理の熱処理条件を、不活性ガス雰囲気中で、400℃〜500℃、10〜100分とすることが好ましい。
このような熱処理条件で形成した金属層を合金化させることによって、確実に第一金属層にBeをオーミック抵抗がとれる程度に拡散させることができるとともに、各々の金属層が熱処理雰囲気と反応して劣化することを確実に避けることができる。
【0023】
また、本発明では、少なくとも、キャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のn型半導体結晶と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される発光層と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表されるキャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のp型半導体結晶とをこの順で形成して半導体結晶を作製する工程と、本発明に記載の電極の形成方法を用いて前記p型半導体結晶の表面に電極を形成する工程と、前記電極を形成した前記半導体結晶をダイシングする工程とを含むことを特徴とする発光素子の製造方法を提供する。
【0024】
上述のように、本発明の電極の形成方法によって形成されたオーミック電極は、ワイヤーとオーミック電極間やオーミック電極とp型半導体結晶間との密着強度が従来に比べて強いものとなっている。このため、このような電極の形成方法を用いてオーミック電極が形成された発光素子は、表面に形成されたオーミック電極がワイヤーやp型半導体結晶と強く密着しているため、剥がれ等の電極起因の不良が従来に比べて少ないものとすることができる。すなわち、高品質な発光素子を高歩留りで製造することができる。
【0025】
ここで、前記電極の表面積を、前記ダイシング後の前記p型半導体結晶の表面積の50%以下とすることができる。
このような面積の電極であれば、発光層からの光の取り出し量を十分に確保することができ、従って発光輝度の強い発光素子を製造することができる。
【0026】
そして、本発明では、少なくとも、キャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のn型半導体結晶と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される発光層と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表されるキャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のp型半導体結晶とがこの順で形成された半導体結晶にオーミック電極が形成された半導体素子であって、前記電極は、少なくとも、前記p型半導体結晶に近い側から順に第一金属層、第二金属層、第三金属層とからなり、前記第一金属層はAu蒸着層、前記第二金属層はAuBe合金材料とAuの混合物を蒸着させたAuBe合金層、前記第三金属層はAu蒸着層からなるものに熱処理を加えたものであることを特徴とする半導体素子を提供する。
【0027】
このように、p型半導体結晶の表面に形成されたオーミック電極を、少なくとも、p型半導体結晶に近い側から順に第一金属層、第二金属層、第三金属層とし、第一金属層をAu蒸着層、第二金属層をAuBe合金材料とAuの混合物を蒸着させたAuBe合金層、第三金属層をAu蒸着層からなるものとし、そしてこれらの層に熱処理を加えたものとする。
このように、p型半導体結晶にAuBe合金層を直接接触させるのではなくAu蒸着層を設けたものとすることによって、p型半導体結晶との密着性に難のあるAuBe合金層が直接半導体結晶に接触することを避けることができるため、p型半導体結晶と電極間の密着強度を従来に比べて十分に強いものとすることができる。
【0028】
また、熱処理が加えられたものであるため、熱処理の際にBeが第一金属層側に拡散するため、p型半導体結晶と電極間の抵抗を十分に小さなものとしてオーミックコンタクトをとることができる。
そして、AuBe合金層上にもAu蒸着層(第三金属層)が設けられているため、熱処理の際にBeがこの第三金属層にも拡散するため、オーミック電極中のトータルのBe濃度を従来より更に低くすることができ、Auに比べて硬く脆いAuBe合金層の強度を従来に比べて強いものとすることができる。
これらの結果によって、電極中のBe濃度を、オーミック性の接触が得られる水準に保つことができるとともに、ワイヤーとのボンダビリティや電極強度が従来に比べて良好なものとなっており、不良が従来に比べて大幅に少ない半導体素子となっている。
【0029】
また、前記AuBe合金材料として、Be濃度が1〜2wt%のものが用いられたものとすることが好ましい。
このように、Be濃度が安定しているBe濃度1〜2wt%のAuBe合金をAuBe合金材料として用いたものであれば、電極中のBe濃度が安定した半導体素子とすることができる。
【0030】
そして、前記熱処理後の前記第一金属層、前記第二金属層、前記第三金属層の合計のBe濃度が0.1〜0.5wt%とすることが好ましい。
このように、熱処理後の第一金属層、第二金属層、第三金属層の合計のBe濃度を0.1〜0.5wt%とすることによって、形成された電極とp型半導体結晶との間の抵抗を小さなものとすることができるとともに、ボンディングの際にワイヤーと電極の密着性に不良が発生する危険性を極力低下させることができる範囲のBe濃度とすることができる。
【0031】
更に、前記第一金属層の厚さが5〜100nm、前記第二金属層の厚さが10〜200nm、前記第三金属層の厚さが5〜100nmであり、かつ厚さの合計が300nm以下とすることが好ましい。
このように、各々の金属層の厚さや合計の厚さを上述の範囲とすることによって、蒸着にかかる時間が長時間ではなく、またその役割が確実に発揮される厚さとすることができ、製造コストの低減と品質向上の両立を図ることができる。
【0032】
また、前記電極は、更に、前記第三金属層の直上にTiからなる第四金属層と、該第四金属層の直上にAuからなる第五金属層とを有するものに熱処理を加えたものとすることが好ましい。
このように、第三金属層上にTiからなる第四金属層が形成されたものとすることによって、AuBe層からのBeやp型半導体結晶からのGa等の不純物が第五金属層まで拡散することを強く抑制することができ、また第四金属層によってGaやBeの拡散が抑制されているため、第四金属層上にAuからなる第五金属層によって、更に良好なワイヤーボンダビリティ特性のオーミック電極を得ることができる。
【0033】
そして、前記第四金属層は、厚さが50〜150nmとすることが好ましい。
このように、第四金属層の厚さを50〜150nmとすることによって、生産性を損なうことなく、GaやBe等の不純物が上部の第五金属層へ拡散することを確実に抑制することができる厚さとすることができる。
【0034】
更に、前記第五金属層は、厚さが1.5〜2μmとすることが好ましい。
第五金属層が上述のような厚さであれば、ワイヤーをボンディングする際に、密着強度を十分に確保することができる。
【0035】
更に、本発明では、本発明に記載の半導体素子からダイシングされたものであることを特徴とする発光素子を提供する。
上述のように、本発明の半導体素子は、オーミック電極が、ワイヤーやp型半導体結晶と強く密着しているものであるため、このようなオーミック電極を備えた半導体素子からダイシングされた発光素子は、表面に形成された電極がワイヤーやp型半導体結晶と強く密着したものであるため、電極周りの不良が従来に比べて格段に少ないものとなっている。
【0036】
ここで、前記電極の面積が、前記ダイシング後の前記p型半導体結晶の表面積の50%以下とすることが好ましい。
このように、電極の面積がダイシング後のp型半導体結晶の表面積の50%以下であれば、発光層からの光の取り出し量を十分に高いものとすることができる。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、本発明によれば、蒸着の回数などの工程数増加によるコストも抑えることができ、また電極のめくれやハガレ等の不良の発生を防ぐことができるとともに、LEDランプ組立工程でのワイヤーボンド部のワイヤーと電極と間の圧着部分の密着強度が従来に比べて強い電極の形成方法や発光素子の製造方法並びに半導体素子及び発光素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の半導体素子(a)と、その表面に形成されたオーミック電極(b)の概略の一例を示した図である。
【図2】本発明の電極の形成方法の一例を示した工程フローである。
【図3】AuBe合金の状態図である。
【図4】実施例1及び比較例1の発光素子のオーミック電極の概略を示した図である。
【図5】実施例1及び比較例1の発光素子のオーミック電極の様子を観察した画像である。
【図6】発光素子等に形成される電極の概略の一例を示した図である。
【図7】一般的な発光素子の製造工程の流れの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明についてより具体的に説明する。
まず、一般的な化合物半導体素子を用いた発光素子の製造方法の一例を、図を参照して説明する。図7は、一般的な発光素子の製造工程の流れの一例を示した図である。
【0040】
まず、図7(a)に示すように、n型のGaP基板(n−GaP層)21の上に、AlGaInPかならる発光層22、p型GaPエピタキシャル層(p−GaP層)23を気相成長によって形成する。
【0041】
その後、図7(b)に示すように、n型GaP基板21の裏面側にAuSiNi合金層24を蒸着装置で成膜する。その後蒸着装置から取り出して、フォトリソ工程とエッチング工程で電極形状を形成した後、熱処理してオーミック電極とし、n側電極24を形成する。
【0042】
次に、図7(c)に示すように、p型GaPエピタキシャル層23の上面にAuBe層を300nm、その上に、Ti層を80nm、その上にAu層を1.5μmを蒸着装置で成膜する。
そして、フォトリソ、Au層のエッチング、Ti層のエッチング、AuBe合金層のエッチングと続けて電極形状のエッチング処理を行い、レジスト剥離、400〜500℃の温度での熱処理工程を経て、オーミック接触のp側電極25を形成して、半導体素子26を作製する。
このp側電極25は、例えば、p−GaP層の半導体結晶と接触する下層がAuBe層(300nm)、上層がAu層から構成される。ここで、p側電極25の厚みは通常、1〜2μm程度である。
【0043】
そして図7(d)に示すように、半導体素子26を素子毎にダイシングまたはブレーキングなどの方法で、切断、素子分離させ、発光素子27を得る。
尚、上記例示ではn型のGaP基板を用いる場合について説明したが、n型GaP基板のみならずn型GaAs基板を用いることができる。
【0044】
ここで、p型のオーミック電極にAuBe合金を用いる場合、蒸着後の層構造状態からオーミック接触を得るために熱処理を行うことが必須であり、これにより、オーミック電極内部、または下部のp型半導体結晶との間で相互拡散が起き、結晶中のGa、Al、InなどとBeは電極表面まで到達する。
この拡散は、オーミック電極中にTi層を設けない場合は、その傾向は著しい。
【0045】
その結果、最表面のAu層を1〜2μmと厚くしても、結果としてはオーミック電極のワイヤーボンダビリティが損なわれることとなる。
またヒビ割れなどが発生する場合もある。これは、電極表面のざらつき、白曇りなどの状態になり、ランプ組立工程でのチップのピックアップのための画像認識性を低下させることともなる。
【0046】
また、AuBe合金層は、熱処理によりp型半導体結晶との間で合金層を作る。
しかし、この合金層部分からのランプ組み立て時のワイヤーボンディングで、剥離が発生することがある。見た目には電極ごと電極下部の結晶がえぐれた状態のクラックが入る。つまり電極のハガレではなく、電極下部の合金層に沿って結晶が電極形に割れてしまう現象が起きて、LEDランプとしては致命的な故障となる。さらに、ランプになった後にAuBe合金層とTi層の間での剥離も発生することもある。またTi層そのものもエッチング液でサイドエッチされ、めくれ、剥離の原因となる。
【0047】
すなわち、BeがAuBe合金層からp型半導体結晶側にはオーミック接触を得るためのドーパントとして拡散し、また、逆の方向、つまり電極表層のワイヤーボンディング用のAu層側にもBeが拡散する。
たとえTi層をバリアー層に入れた構造のオーミック電極であっても、SIMSの分析からその拡散は完全には防げないことが判った。
ここで、Au中にGaやBeなどの不純物が混入すると、Au層は硬化してしまい、ワイヤーボンディングの超音波熱圧着で付きにくくなる。このことから、オーミック電極中のBe濃度を下げることが望ましいことが判った。
【0048】
また、発光素子、特に発光ダイオードの量産に当たり、一枚の半導体素子ウェーハからチップのサイズにより1万個から4万個程度の素子が得られる。実際の量産では、月に千万個単位〜数億個単位の発光ダイオードが量産されることとなる。産業用、民生用に用いられランプとして、信号、屋外の大型表示機等に用いられる場合には、使用個数も一台当たり数百から万の単位の個数が用いられる。
従って、故障やオーミック接触の抵抗が高いための順方向電圧VFが高い場合には、表示機内の光量のばらつきなどの不具合につながりかねない。また、故障率は使用する数に比例し、大きく上昇し、その手直しのコストも大きい。
従って、オーミック電極部の接触抵抗は低く、かつ安定していることが望まれる。また、良好な接触抵抗であっても剥離しては致命的な故障となるため、密着強度はできるだけ強いことが求められる。
【0049】
実際に、量産工程での品質安定のために、蒸着工程においては、均一な膜厚を確保するために、いろいろな手段で蒸着装置、成膜工程を管理してきた。
例えば大型蒸着機では、数百枚のウェーハが貼り付けられた基板ホルダーを自転、公転させ、蒸着装置内の物理的位置、蒸着材の蒸発する蒸気の入射角度などが均一になるようにその条件を最適化しての操業を行って均一化と安定化の努力が行われてきた。しかしこれには限界があるため、その他の改善手法が当然求められてきている。
【0050】
そこで、オーミック電極中のBe濃度を従来に比べて低くすること、特にワイヤーボンダビリティの向上を図るべく、本発明者らは鋭意検討を重ねた。
その結果、AuBe合金層を形成する際に、蒸着源にAuBe合金材料をそのまま用いるのではなく、AuBe合金材料とAuの混合物を用いることを知見した。
【0051】
更に、AuBe合金材料とAuの混合物を蒸着させる前後にAuを連続して蒸着させ、熱処理の際にBeをこの上下のAu層に拡散させることで、オーミック接触を得るとともに、全体として電極中のBe濃度を低減させることができることを知見した。
この上記知見を基に、本発明者らは本発明を完成させた。
【0052】
以下、本発明について図を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は、本発明の半導体素子と、その表面に形成されたオーミック電極の概略の一例を示した図である。
【0053】
本発明の半導体素子10は、図1(a)に示すように、例えば、少なくとも、各々が(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される、キャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のn型半導体結晶11と、発光層12と、キャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のp型半導体結晶13とがこの順で形成された半導体結晶と、p型半導体結晶13の表面に形成されたp型のオーミック電極15と、n型半導体結晶11の表面に形成されたn型のオーミック電極14とからなるものである。
ここで、上記例示ではn型半導体結晶としてAlGaInPにて表される半導体結晶の例を示したが、本発明はこれに限定されず、n型半導体結晶としてはGaAsを用いることができる。
【0054】
そしてp型のオーミック電極15は、図1(b)に示すように、少なくとも、p型半導体結晶13に近い側から順に第一金属層16、第二金属層17、第三金属層18とからなり、第一金属層16はAu蒸着層、第二金属層17はAuBe合金材料とAuの混合物を蒸着させたAuBe合金層、第三金属層18はAu蒸着層からなるものに、熱処理を加えたものである。
【0055】
このように、p型半導体結晶にAuBe合金材料を直接蒸着させたものとするのではなく、まずAu蒸着層を設けたものとすることによって、p型半導体結晶との密着がAuに比べて弱いAuBeとp型半導体結晶が直接接触することを避けることができる。これによって、p型半導体結晶と電極間の密着強度を従来に比べて強いものとすることができる。
また、熱処理が加えられているため、この熱処理の際にBeが第二金属層から第一金属層側に拡散し、p型半導体結晶と電極の接触をオーミック性の接触とすることができ、抵抗を小さなものとすることができる。
【0056】
さらに、AuBe合金層上にもBeの拡散先としてのAu蒸着層(第三金属層)が設けられたものであるため、全体としてオーミック電極中のBe濃度が従来に比べてより低いものとなっている。
これら以上の結果によって、p型半導体結晶とオーミック接触しており、またワイヤーとのボンダビリティや電極強度が従来に比べて良好なオーミック電極が形成された半導体素子とすることができる。
【0057】
また、第二金属層17の蒸着源として用いる混合物中のAuBe合金材料として、Be濃度が1〜2wt%のものが用いられたものとすることができる。
このように、Be濃度が安定している1〜2wt%のAuBe合金をAuBe合金材料として用いたものであれば、更にオーミック電極中のBe濃度が低く、且つ安定した半導体素子とすることができる。
【0058】
そして、熱処理後の第一金属層16、第二金属層17、第三金属層18の合計のBe濃度を、0.1〜0.5wt%とすることができる。
このように、熱処理後の第一金属層、第二金属層、第三金属層の合計のBe濃度が0.1〜0.5wt%のオーミック電極が形成された半導体素子は、オーミック電極とp型半導体結晶との間の抵抗が小さなものであり、また、ワイヤーボンディングの際に、ワイヤーと電極の密着性に不良が発生する危険性が極力低いものとなっている。
【0059】
更に、第一金属層16の厚さが5〜100nm、第二金属層17の厚さが10〜200nm、第三金属層18の厚さが5〜100nmであり、かつこれら三層の厚さの合計が300nm以下とすることができる。
このように、各々の金属層の厚さや金属層の厚さの合計が上述の範囲内であれば、蒸着が長時間でないため生産性が良好であり、また、上述のような役割が十分に発揮される厚さとすることができる。
【0060】
また、p型のオーミック電極は、図4(a)の15’に示すように、更に、第三金属層18の直上にTiからなる第四金属層19と、第四金属層19の直上にAuからなる第五金属層20とを有するものとすることができる。
このように、第三金属層上にTiからなる第四金属層が形成されたオーミック電極は、p型半導体結晶から拡散してくるGa,Al等の元素や、AuBe層から拡散してくるBeが、その上部に形成された第五金属層に到達することをより強く抑制されたものとなっている。
またTiからなる第四金属層によってGaやBe等の不純物の拡散が抑制されているため、その上に形成されたAuからなる第五金属層の純度を高くできることによって、更に良好なワイヤーボンダビリティ特性のオーミック電極となっている。
【0061】
そして、第四金属層19は、厚さが50〜150nmとすることができる。
このように、第四金属層の厚さが50〜150nmであれば、生産性が十分に高く、GaやBe等の不純物が上部の第五金属層へ拡散することを確実に抑制することができる厚さとすることができる。
【0062】
更に、第五金属層20は、厚さが1.5〜2μmとすることができる。
第五金属層の厚さが1.5〜2μmであれば、ワイヤーをボンディングする際に、密着強度が十分に高いものとすることができる。
【0063】
そして、上述ような半導体素子10からダイシングすることによって発光素子を得ることができる。ダイシングは従来と同様に図7(d)に示したようなものとできる。
このような発光素子のp型のオーミック電極は、ワイヤーやp型半導体結晶と強く密着しているものである。このため、電極周りの不良が従来に比べて格段に少ない発光素子となっている。
【0064】
ここで、発光素子中のp型のオーミック電極の面積が、ダイシング後のp型半導体結晶の表面積の50%以下とすることができる。
このように、p型のオーミック電極の面積が、ダイシング後のp型半導体結晶の表面積の50%以下であれば、発光層からの光が電極で遮蔽される量を小さなものとすることができ、光の取り出し量を十分に高いものとすることができる。ここでいう表面積とは、電極が形成される表面の側の面積のことである。
【0065】
上記のような、半導体素子や発光素子上のオーミック電極は、以下に示すような本発明の電極の形成方法によって形成することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の電極の形成方法について図を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図2は本発明の電極の形成方法の一例を示した工程フローである。
【0066】
まず、各々が(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される、キャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のn型半導体結晶と、発光層と、キャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のp型半導体結晶とを、気相成長等の方法によって作製する。
このn型半導体結晶と発光層とp型半導体結晶の作製は一般的な方法で行えばよく、例えばn型半導体結晶にMOVPE法によって発光層を気相成長させた後に、p型半導体結晶をHVPE法によって形成することができる。
【0067】
その後、n型半導体結晶の表面上に、n型のオーミック電極を形成する。
この形成方法や電極の組成は、作製する半導体素子に合わせて適宜選択すればよい。
その後、n側電極の電極パターンを形成する。
電極パターンの形成方法も一般的な方法を用いることができる。
【0068】
その後、熱処理を行って、オーミック接触させる。
この熱処理も一般的な条件の熱処理とすることができる。
【0069】
そして、p型半導体結晶の表面上に、まず、第一金属層としてAuを蒸着させ、Au蒸着層を形成する。
【0070】
その後、第一金属層上に第二金属層としてAuBe合金材料とAuの混合物を蒸着させてAuBe合金層を形成する。
これは例えば、AuBe合金材料とAuを同じ抵抗加熱ボート、たとえばタングステンボートにいれて蒸着させればよい。
【0071】
ここで、AuBe合金材料として、Be濃度が1〜2wt%のものを用いることができる。これは以下に説明する理由による。
【0072】
オーミック電極中のBe濃度を減少させるためには、単純には蒸着時に用いるAuBe合金材料のBeの濃度を落とせばよいように思われる。しかしながら、AuBe合金を材料使用するにあたり、いくつかの問題が存在する。
従来から用いているAuBe合金材料としては、Be濃度が約1wt%と約2wt%のものが用いられてきた。これは、合金材料としての安定性に由来する濃度である。
【0073】
図3にAuBe合金の状態図の概略を示す。横軸は、右側がBe、左側がAuの割合が多いことを表す。今回、Be濃度が1〜2wt%付近の場合について説明する。
原子数の割合で、Be20at%当たりに共晶点が存在する。重量%で言うと1.1wt%付近に共晶点がある。それ以下の場合には共晶点はなく、金の融点1060℃あたりから、右下がりの液相線がある、いわゆる共晶型Iの状態図であることがわかる。
同図から、Beが20at%にある共晶点付近、つまりBe濃度1.1wt%当たりは、Beの濃度が安定したまま合金が固化させられることがわかる。これ以下では、AuとAuBe1.1wt%が共晶状態で混ざって存在することとなる。共晶点に近いAuBe1wt%は共晶の少ない、比較的Be濃度が安定した合金を得ることができることとなる。
【0074】
また、本発明で目的としているBeの低い側としては、例えばBe濃度0.5wt%のAuBe合金材料で考えてみると、1000℃程度から0.5wt%の熔けたAuBeを冷却し固化させる場合、940℃付近から初晶としてAuが固体として析出し始めるが、かたやそこから580℃付近までは液相側からAu100%の固体が析出しながら液相中のBe濃度は上昇する。そしてBe濃度20at%のAuBeが580℃で共晶することとなる。
つまり、AuとAuBe20at%の共晶状態となる。全体としては0.5wt%であるが、部分的にはBeが0wt%と2wt%が混在することとなる。実際の合金は、1mmφ程度のもので、0.5wt%の場合の共晶が均一に混在し固化しているとはいえず、Beが均一に分布していないものとなっている。従って、Be濃度0.5wt%のAuBe合金材料を用いると、蒸着させたAuBe合金層中のBe濃度が安定しない可能性がある。
【0075】
従って、安定性が求められるオーミック電極の成膜にこのような状態の合金材料を用いるのは、あまり望ましくない。
また、一回の蒸着に用いられるオーミック電極の合金の絶対量は数g以下であり、比重が大きいAuは、その原子数は更に少なくなって比重が更に減少してしまうため、更に望ましくない。
【0076】
またBe2wt%の場合、逆の傾きの液相線を持っており、また共晶点が無い領域で、やはり作製しにくいことがわかる。したがって、Be濃度2wt%といっても、材料として保証はされないことがわかる。
ちなみに、その次の共晶点は、原子数割合で40at%、重量割合で3wt%の辺りにある。いずれの共晶点は580〜600℃近辺にある。
【0077】
このようにAuBe合金はBe1.1wt%辺りに共晶点を有しているため、AuBe合金材料中のBe濃度を低減(例えば0.5wt%)させたものを用いるとBe濃度が過不足する恐れがある。
このように、合金材料として安定なBe濃度が1〜2wt%のAuBe合金材料を用いることによって、オーミック電極中のBe濃度をより確実に低濃度で安定させることができる。
【0078】
また、熱処理後に第一金属層、第二金属層、第三金属層の合計のBe濃度が0.1〜0.5wt%となるように、AuBe合金材料とこれに混合するAuの量を調節することができる。
このように、熱処理後に第一金属層、第二金属層、第三金属層の合計のBe濃度が0.1〜0.5wt%となるように、第二金属層を蒸着させる際にAuBe合金材料とこれに混合するAuの量を調節することによって、オーミック電極中のBe濃度を、オーミック性を取ることができる範囲内であって、且つ従来に比べてBe濃度の低いオーミック電極を更に容易に形成することができる。
従って、ワイヤーボンディング特性及び半導体結晶との密着性が更に良好で、且つ半導体結晶と電極間の抵抗が十分に小さなオーミック電極を更に容易に形成することができる。
【0079】
更に、第二金属層上に第三金属層としてAuを蒸着させる。
【0080】
そして、第一金属層の厚さを5〜100nm、第二金属層の厚さを10〜200nm、第三金属層の厚さを5〜100nmとし、かつ厚さの合計を300nm以下とすることができる。
各々の金属層の厚さを上述の範囲となるように形成することによって、蒸着の時間を長時間にせずに済み、生産性を向上させることができる。また、各々の層が発揮することが求められる効果を十分に発揮させることができる。
【0081】
また、第一金属層、第二金属層、第三金属層を形成する際に、更に、第三金属層の直上にTiからなる第四金属層、第四金属層の直上にAuからなる第五金属層を形成することができる。
このように、Tiからなる第四金属層を第三金属層上に形成することによって、p型半導体結晶からのGaやAl,In、AuBe層からのBeが上部に形成する第五金属層まで拡散することを強く抑制するバリアー層を設けることができ、最表面層である第五金属層中のGaやBe等の不純物濃度をより低減させることができる。
また、Auからなる第五金属層を第四金属層上に形成することによって、更に良好なワイヤーボンダビリティ特性を得ることができる。
【0082】
また、第四金属層の厚さを、50〜150nmとすることができる。
第四金属層の厚さを50〜150nmとすることによって、第五金属層へのGaやBe等の不純物の拡散を更に強く抑制することができる厚さとすることができ、また長時間蒸着させる必要がなく、製造時間の短縮を図ることができる。
【0083】
そして、第五金属層の厚さを、1.5〜2μmとすることができる。
このように、第五金属層の厚さを1.5〜2μmとすることによって、より良好なワイヤーボンディング特性を得ることができる。
【0084】
その後、電極パターンを形成する。
電極パターンの形成方法は一般的な方法を用いることができるが、特に、リフトオフ法、エッチング法のいずれかとすることが好ましい。
【0085】
電極パターンの形成にエッチング法を用いることによって、短時間で、高い精度で電極パターンを形成することができる。
また、リフトオフ法であれば、高い精度で電極パターンを形成することができるとともに、環境負荷の大きな酸やアルカリ性薬液を用いるエッチング工程を行わずに済む。
【0086】
その後、熱処理を行うことによって、金属層と半導体結晶とをオーミック接触させてオーミック電極を形成して半導体素子を製造することができる。
尚、本例示ではn型半導体結晶としてAlGaInPにて表される半導体結晶を用いる場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、n型半導体結晶としてはAlGaInPの他にGaAsを用いることができる。
【0087】
ここで、この熱処理の熱処理条件を、不活性ガス雰囲気中で、400℃〜500℃、10〜100分とすることができる。
このような熱処理条件であれば、第一金属層とp型半導体結晶をオーミック接触させることができる程度にBeを拡散させることができるとともに、各々の金属層が熱処理雰囲気と反応したり、熱によって劣化することを確実に防止することができる。
【0088】
以上説明したように、まず、AuBe合金材料を単独で蒸着させるのではなく、AuBe合金材料とAuを同じボートに載せ、AuBe合金層中のBe濃度を従来に比べて低くすることとした。また、Beが拡散する先として、AuBe合金層の両側にAuを蒸着させた。
【0089】
これにより、第一層がAuBe合金層ではなくAu層となるため、蒸着時の密着度が向上し、また熱処理後にBe濃度を従来より低くすることができる。
また、上下にAu層を設けることで、熱処理中に、Beが下のAu層(第一金属層)側に拡散し、それを通してp型半導体結晶に到達することとなる。つまり、Be濃度を下げることができるとともに、オーミック抵抗の上昇の発生を防止することができる。
【0090】
そして、AuBe合金自体は、Auより硬く、脆い。つまり、蒸着後の成膜したAuBe合金層の内部に残留する膜の応力は純Au層内部より強いと考えられる。実際、AuBe合金材料を直接蒸着させた場合に、剥離が発生することがあるが、Auを蒸着させ、その後AuBe合金材料とAuの混合物を蒸着させると剥離は激減した。
これらの効果によって、良好なワイヤーボンダビリティが得られ、また熱処理後の密着も良く、ハガレにくく、また再現性の良いオーミック電極を形成することができる。
【0091】
また、その後、電極を形成した半導体結晶(半導体素子)をダイシングする工程を行うことができる。
その後、ダイシングによるダメージを除去するためのエッチングや高輝度化のための粗面化処理等を任意で行うことによって発光素子を製造することができる。
【0092】
本発明の電極の形成方法によって形成されたオーミック電極は、ワイヤーボンダビリティ特性が良好で、且つ密着性が高いため剥がれが発生しにくく、更に構造が安定しているものとなっている。このため、このような電極の形成方法を用いてオーミック電極が形成された発光素子は、電極周りの不良が従来に比べて格段に少ない。従って、歩留りよく高品質な発光素子を従来より安価に製造することができる。
【0093】
ここで、電極の表面積を、ダイシング後のp型半導体結晶の表面積の50%以下とすることができる。
電極の表面積を、ダイシング後のp型半導体結晶の表面積の50%以下とすることによって、光の取り出しの障害となる電極面積を十分に小さくすることができるため、発光層からの光の取り出し量を十分に確保することができる。よって、発光輝度の強い発光素子を製造することができる。
【実施例】
【0094】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、n型GaP層と、AlGaInP発光層と、p型GaP層からなる半導体結晶を作製した。
その後n型GaP層の表面を硫酸過水で洗浄した後に純水で洗浄した。
そして1×10Torr程度の真空度でAuSi/Ni電極の真空蒸着を行った。
その後、フォトリソ、パターンエッチング、レジスト剥離、熱処理の順で、n側電極を形成した。
【0095】
次に、p型GaP層の表面を硫酸過水3:1:1で洗浄した後に純水で洗浄した。
その後、1×10Torr程度の真空度で、第一金属層としてAuを20nm真空蒸着させた。
次に、第二金属層として、Be濃度1wt%のAuBe合金材料とAuを2:1の比率、つまりBeが0.6〜0.7wt%程度に薄まるよう混合した混合物をタングステンボートにセットし、加熱溶融させ、蒸気圧が低い状態で溶かして蒸発させ、AuBe合金層を厚さ60nmとなるように蒸着させた。
そして、第三金属層としてAuを20nm真空蒸着させた。この三層の合計のBe濃度は0.4wt%程度であった。
【0096】
その第三金属層であるAu層上に、第四金属層として、EBガン蒸着によってTiを70nm真空蒸着させた。このTi層形成の際は、シャッターを閉めた状態で、蒸発しない程度の電流でTiインゴットを10分程度電子ビームで加熱して、成膜内の水分、酸素、窒素などTiに吸着されているであろう成分を放出させる脱ガスを行った後にTiを蒸発させた。
そしてTi層上に、第五金属層としてAuを1.5μm真空蒸着させた。
【0097】
次に、フォトリソ法で120μm四角の電極を形成した。
その後、熱処理を行ってオーミック接触を得た。作製されたオーミック電極とpGaP層との抵抗を評価したところ、隣接する電極間で5Ω程度であった。また作製したオーミック電極の概略は、図4(a)の15’に示すようなものであった。
【0098】
その後、280μmピッチで半導体素子をダイシングし、一辺が約250μmの四角形の発光素子チップを切り出した。
その後、ダイシングの歪除去として、液温40℃の硫酸過水で4分のエッチングを行って発光素子を作製した。
その後、素子表面に対して粗面化のエッチングを行い、光取り出し効率の向上を図った。
【0099】
作製した発光素子に対し、以下に示すような評価実験を行った。
まず、作製したオーミック電極とp型GaP層の密着力を評価するために、シア強度を評価した。
また、工程途中や、最終段階での外観検査によって、電極に剥がれやめくれが発生しているか否かを評価した。
そして、20mA通電した際の電極間の抵抗をカーブトレーサーを用いて評価した。これらの結果を表1に示す。
更に、電極の外観を評価するために、作製した電極の画像を撮影した。その結果を図5(a)に示す。
【0100】
(比較例1)
図4(b)に示すような構造の電極を作製した以外は実施例1と同様の方法で発光素子を製造した。
電極の形成は、第一層に、Be濃度1wt%のAuBe合金材料を真空蒸着させて厚さ200nmのAuBe層37を形成し、その後実施例1の第四金属層と同様の方法でTiを厚さ80nm蒸着させてTi層39を形成し、更にその表面に厚さ1.5μmのAuを蒸着させてAu層40を形成し、p側電極35を形成した。
【0101】
そして作製した発光素子に対して、実施例1と同様の評価を行った。
シア強度、外観検査、電極間抵抗の結果は表1に、電極画像は図5(b)に示す。
【0102】
【表1】

【0103】
ワイヤーボンディングのボールボンド部の剥離シア強度は、比較例1の電極では40gであったのに対し、実施例1の電極は60gと十分に強く、従来の構造に比べて20g程度向上していることが判った。
また、実施例1の電極は、剥がれやめくれもなく、良好な状態であった。これは、AuBe合金層の下地に当たるAu層の効果と考えられる。またAu中のBe濃度が低くなったため、金の硬化が少なく純金に近づいたためと考えられる。
更に、実施例1の電極は比較例1の電極に比べて表面の視認性も良好で、装置でのカメラによる認識も良好であった。
【0104】
図5(a)に、実施例1のオーミック電極の外観を観察した様子を示す。
この図からもわかるとおり、実施例1の発光素子のp側オーミック電極は、2回の強酸、混酸によるエッチングの後にもかかわらず、下地からのハガレ、AuBe合金層とTi層と間での剥離、またはTi層そのもののサイドエッチングによる、電極外周のめくれ等の不良も発生していない。
これに対して、図5(b)に示すように、比較例1のオーミック電極には、めくれが発生しているものがあった。また、表面も実施例1の電極に比べて荒れていることがわかった。
【0105】
(実施例2−4、比較例2−4)
実施例1において、電極の形状やサイズを変えた(電極幅を100μmとした(実施例2)、電極を直径80μmの円形とした(実施例3)、電極を直径60μmの円形とした(実施例4))以外は実施例1と同様の方法で発光素子を製造した。
また、比較例1において、電極の形状やサイズを変えた(電極幅を100μmとした(比較例2)、電極を直径80μmの円形とした(比較例3)、電極を直径60μmの円形とした(比較例4))以外は比較例1と同様の方法で発光素子を製造した。
そして作製したオーミック電極のp型GaP層との密着性を評価するために、実施例1〜4,比較例1〜4の半導体素子や発光素子に対して以下のような評価実験を行った。
【0106】
まず、熱処理前に、粘着シート(SPV−224テープ(日東電工製))によるピールオフ試験や、粘着シート(TR−20テープ(ツカサ商会製))によるピールオフ試験を行った。また、熱処理後にスクラッチテストを行った。その結果を表2にまとめて示す。
表2中において、ピールオフ試験の結果の欄の◎、○、△、×は、◎;剥がれ無し、○;エッジ部にめくれ無し、△;エッジ部にめくれ有り、×;剥がれるもの有り、を示すものである。またスクラッチテストの欄の◎、○、△、×は、◎;容易に剥がれず、○;一部削れる、△;電極エッジのめくれ有り、×;簡単に剥がれるものあり、を示すものである。
【0107】
【表2】

【0108】
表2に示すように、実施例1〜4の発光素子のオーミック電極は、熱処理前の2種類のピールオフ試験や熱処理後のスクラッチテスト全てで良好な結果であり、p型GaP層との密着性が非常によいことが判った。また、電極サイズが小さくなっていっても、密着力の低下が見受けられなかった。
これに対し、比較例1〜4の発光素子の電極は、電極面積が小さくなるほどp型GaP層との密着力が弱くなっていることが判った。
これらの結果から、本発明の電極の形成方法は、電極のサイズが小型になればなるほどその効果が大きいことが判った。
【0109】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0110】
3…半導体結晶、 5…オーミック電極、 7…オーミック層、 9…ボンディングパッド層、
10…半導体素子、
11…n型半導体結晶、 12…発光層、 13…p型半導体結晶、
14…(n型)オーミック電極、 15,15’…(p型)オーミック電極、
16…第一金属層、 17…第二金属層、 18…第三金属層、 19…第四金属層、 20…第五金属層、
21…n−GaP層(n型半導体結晶)、 22…発光層、 23…p−GaP層(p型半導体結晶)、
24…n側電極、 25…p側電極、
26…半導体素子、 27…発光素子、
35…オーミック電極(p側電極)、 37…AuBe層、 39…Ti層、 40…Au層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、キャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のn型半導体結晶と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される発光層と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表されるキャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のp型半導体結晶とがこの順で形成された半導体結晶にオーミック電極を形成する方法であって、
前記半導体結晶のp型半導体結晶の表面上に、少なくとも、第一金属層としてAuを蒸着させ、該第一金属層上に第二金属層としてAuBe合金材料とAuの混合物を蒸着させてAuBe合金を形成し、該第二金属層上に第三金属層としてAuを蒸着させ、その後熱処理を行うことによってオーミック電極を形成することを特徴とする電極の形成方法。
【請求項2】
前記AuBe合金材料として、Be濃度が1〜2wt%のものを用いることを特徴とする請求項1に記載の電極の形成方法。
【請求項3】
前記熱処理後の前記第一金属層、前記第二金属層、前記第三金属層の合計のBe濃度が0.1〜0.5wt%となるように前記AuBe合金材料の量を調節することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電極の形成方法。
【請求項4】
前記第一金属層の厚さを5〜100nm、前記第二金属層の厚さを10〜200nm、前記第三金属層の厚さを5〜100nmとし、かつ厚さの合計を300nm以下とすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電極の形成方法。
【請求項5】
前記第一金属層、前記第二金属層、前記第三金属層を形成する際に、更に、前記第三金属層の直上にTiからなる第四金属層、該第四金属層の直上にAuからなる第五金属層を形成することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電極の形成方法。
【請求項6】
前記第四金属層の厚さを、50〜150nmとすることを特徴とする請求項5に記載の電極の形成方法。
【請求項7】
前記第五金属層の厚さを、1.5〜2μmとすることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電極の形成方法。
【請求項8】
前記電極のパターンを、リフトオフ法、エッチング法のいずれかの方法により形成することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の電極の形成方法。
【請求項9】
前記熱処理の熱処理条件を、不活性ガス雰囲気中で、400℃〜500℃、10〜100分とすることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の電極の形成方法。
【請求項10】
少なくとも、キャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のn型半導体結晶と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される発光層と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表されるキャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のp型半導体結晶とをこの順で形成して半導体結晶を作製する工程と、
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の電極の形成方法を用いて前記p型半導体結晶の表面に電極を形成する工程と、
前記電極を形成した前記半導体結晶をダイシングする工程とを含むことを特徴とする発光素子の製造方法。
【請求項11】
前記電極の表面積を、前記ダイシング後の前記p型半導体結晶の表面積の50%以下とすることを特徴とする請求項10に記載の発光素子の製造方法。
【請求項12】
少なくとも、キャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のn型半導体結晶と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される発光層と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし0≦x≦1,0≦y≦1)にて表されるキャリア濃度が1×1017atoms/cm以上のp型半導体結晶とがこの順で形成された半導体結晶にオーミック電極が形成された半導体素子であって、
前記電極は、少なくとも、前記p型半導体結晶に近い側から順に第一金属層、第二金属層、第三金属層とからなり、
前記第一金属層はAu蒸着層、前記第二金属層はAuBe合金材料とAuの混合物を蒸着させたAuBe合金層、前記第三金属層はAu蒸着層からなるものに熱処理を加えたものであることを特徴とする半導体素子。
【請求項13】
前記AuBe合金材料として、Be濃度が1〜2wt%のものが用いられたものであることを特徴とする請求項12に記載の半導体素子。
【請求項14】
前記熱処理後の前記第一金属層、前記第二金属層、前記第三金属層の合計のBe濃度が0.1〜0.5wt%であることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の半導体素子。
【請求項15】
前記第一金属層の厚さが5〜100nm、前記第二金属層の厚さが10〜200nm、前記第三金属層の厚さが5〜100nmであり、かつ厚さの合計が300nm以下であることを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載の半導体素子。
【請求項16】
前記電極は、更に、前記第三金属層の直上にTiからなる第四金属層と、該第四金属層の直上にAuからなる第五金属層とを有するものに熱処理を加えたものであることを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の半導体素子。
【請求項17】
前記第四金属層は、厚さが50〜150nmであることを特徴とする請求項16に記載の半導体素子。
【請求項18】
前記第五金属層は、厚さが1.5〜2μmであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の半導体素子。
【請求項19】
請求項12ないし請求項18のいずれか1項に記載の半導体素子からダイシングされたものであることを特徴とする発光素子。
【請求項20】
前記電極の面積が、前記ダイシング後の前記p型半導体結晶の表面積の50%以下であることを特徴とする請求項19に記載の発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−239042(P2010−239042A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87461(P2009−87461)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000190149)信越半導体株式会社 (867)
【Fターム(参考)】