説明

電気化学的エネルギー貯蔵装置のためのフレーム

電気化学的エネルギー貯蔵装置(2)を少なくとも部分的に取り囲むために設けられており、第1の降伏点を有する第1のフレーム要素領域(5)を具備するフレーム要素(3)を備えた、電気化学的エネルギー貯蔵装置(2)のためのフレーム(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学的エネルギー貯蔵装置のためのフレーム、このフレームおよび電気化学的エネルギー貯蔵装置を備えたバッテリセル、少なくとも1つのこのようなバッテリセルを備えたバッテリ、本発明によるバッテリを備えた自動車、ならびに2種の稼働方法に関する。本発明を、自動車駆動部に電力供給するためのリチウムイオンバッテリに関連して説明する。本発明は、バッテリの構造型式または電力供給される駆動部の種類に関係なく使用可能であることも指摘しておく。
【背景技術】
【0002】
先行技術から、自動車駆動部に電力供給するためのバッテリが知られている。幾つかの構造型式に共通しているのは、例えばバッテリにより電力供給される自動車の事故の際に、これらバッテリの周囲が、バッテリの損傷により危険にさらされるということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって本発明の課題は、例えばバッテリにより電力供給される自動車の事故の際の、損傷したバッテリによる周囲の危険を減らすことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これは本発明に従い、独立請求項の教示により達成される。本発明の好ましいさらなる構成は従属請求項の対象である。
【0005】
本発明によるフレームは、1つ、2つ、またはそれ以上の電気化学的エネルギー貯蔵装置のために設けられている。このフレームは、特に、少なくとも1つの電気化学的エネルギー貯蔵装置を少なくとも部分的に取り囲むために、好ましくは電気化学的エネルギー貯蔵装置の複数の境界辺に沿って取り囲むために設けられている。このフレームは、少なくとも1つのフレーム要素を備えており、好ましくは2つ〜4つのフレーム要素を備えている。フレーム要素は、第1の降伏点を有する第1のフレーム要素領域を備えている。このフレームは、特に1つのフレーム要素に配設された第2のフレーム要素領域を特徴とする。この第2のフレーム要素領域は、本発明に従い第2の降伏点を有している。本発明によれば、第2のフレーム要素領域と第1のフレーム要素領域との降伏点の商qが所定の値を下回っている。
【0006】
本発明の意味においてフレームとは、特に、電気化学的エネルギー貯蔵装置を少なくとも部分的に取り囲むために用いられる装置のことである。このフレームは、1つ、2つ、またはそれ以上の電気化学的エネルギー貯蔵装置のための収容領域またはフレーム開口部を有している。好ましくは、フレームが1つの電気化学的エネルギー貯蔵装置をその少なくとも2つの互いに平行に配置されている境界辺に沿って取り囲む。特に好ましくは、フレームが電気化学的エネルギー貯蔵装置の全周を取り囲む。好ましくは、フレームが第1および第2の主拡張方向と、2つの平行な主平面とを有する肉薄のプレートとして形成されている。好ましくは、収容領域が、収容すべき電気化学的エネルギー貯蔵装置の形状に適合されている。好ましくは、フレームが電気化学的エネルギー貯蔵装置を所定の間隔をあけて取り囲んでいる。好ましくは、フレームが2つの略平行な境界面を有している。好ましくは、フレームが固体として形成されている。好ましくは、フレームの収容領域が2つ以上の電気化学的エネルギー貯蔵装置を収容する。好ましくは、フレームの厚さが収容される電気化学的エネルギー貯蔵装置の厚さより大きい。
【0007】
本発明の意味において電気化学的エネルギー貯蔵装置とは、特に、電気エネルギーを放出するために用いられると共に、貯蔵された化学エネルギーを電気エネルギーに変換するために用いられる装置のことである。電気化学的エネルギー貯蔵装置は、複数のアノードおよびカソード(電極)を備えた少なくとも1つの電極スタックを有しており、それぞれのアノードとカソードはセパレータによって隔てられている。電気化学的エネルギー貯蔵装置はさらに、極性の異なる2つの電流導体を備えており、この電流導体はそれぞれが電極の1つと電気的に接続されている。好ましくは、電気化学的エネルギー貯蔵装置はプレート状に、第1および第2の主拡張方向を有して形成されている。好ましくは、電気化学的エネルギー貯蔵装置は2つの平行な最大の境界面と、2対のそれぞれ互いに平行な比較的小さい境界面と、これら境界面の8つの境界辺とを有する平べったい直方体として形成されている。電流導体は、比較的小さい境界面から延びていることが好ましい。極性の異なる電流導体が、電気化学的エネルギー貯蔵装置の同じ1つの比較的小さい境界面から延びていることが好ましい。好ましくは、電気化学的エネルギー貯蔵装置は、フレームに付加成形されたかまたは嵌め込まれた少なくとも1つのスペーサにより、フレームの開口部内で移動しないよう固定されている。好ましくは、電気化学的エネルギー貯蔵装置は再充電可能である。好ましくは、セパレータが特にリチウムを含む電解質を有している。
【0008】
本発明の意味においてフレーム要素とはフレームの構成要素のことであり、フレーム要素は、電気化学的エネルギー貯蔵装置の主拡張方向の1つに沿って延びている。好ましくは、フレーム要素はバーとして形成されている。好ましくは、フレーム要素は、少なくとも、電気化学的エネルギー貯蔵装置のうちの割り当てられた隣接する境界辺と同じ長さに決められている。好ましくは、フレーム要素は固体として形成されている。好ましくは、フレームが、2つ、特に好ましくは4つのフレーム要素を備えており、それぞれ2つのフレーム要素が互いに平行に配置されている。本発明により、フレーム要素は2つの略平行な境界面を有している。好ましくは、この平行な境界面が、フレームの外寸に対応するプレート状の補充体の2つの最大の境界面とぴったり合わさる。
【0009】
本発明の意味において第1のフレーム要素領域とはフレーム要素の一領域のことである。第1のフレーム要素領域は第1の降伏点を特徴とする。好ましくは、この第1のフレーム要素領域は、フレーム要素の内側で電気化学的エネルギー貯蔵装置に隣接しており、かつ電気化学的エネルギー貯蔵装置に面して配置されている。好ましくは、第1のフレーム要素領域は、少なくとも、電気化学的エネルギー貯蔵装置のうちの隣接する境界辺の全長にわたって延びている。第1のフレーム要素領域が特に、フレーム要素の実質的な部分であることが好ましい。第1の降伏点が電気化学的エネルギー貯蔵装置の降伏点より高いことが好ましい。第1のフレーム要素領域が下記の群、すなわち鉄含有合金、スチール、例えばアルミニウム、チタン、またはマグネシウムなどの軽金属、例えば特にPP、PA、またはPEなどの、特に架橋され、かつ特に充填物質および/または織布/スクリムで、とりわけガラス繊維および/またはアラミド繊維で補強されたプラスチックを含む群からの少なくとも1つの材料を含んでいることが好ましい。第1のフレーム要素領域は、特に好ましくはアラミド繊維および/または金属フィルムによるハニカム構造を有することが好ましく、特に好ましくはハニカムの長手軸が異物の作用方向に配置されている。第1のフレーム要素領域は、特に好ましくはフレームの主平面内に延びるリブまたはウェブを備えていることが好ましい。
【0010】
本発明の意味において降伏点とは、特に、作用力への応答としての物体の挙動を説明する特性のことである。フレーム要素領域の降伏点は、フレーム要素領域の材料、幾何形状、および負荷の種類によって決定される。降伏点のための尺度としては、特にフレーム要素の材料の弾性限度、ならびに/または特にフレーム要素領域のうち力が掛かった面が力の方向および/もしくはこの力を横切る方向に変位する距離が用いられる。少なくとも部分的に結晶質の固体の場合、特に金属または部分結晶質ポリマーの場合、降伏点のための尺度として材料の弾性限度を用いることが好ましい。
【0011】
本発明の意味において第2のフレーム要素領域とは、フレームのさらなる領域、特にフレーム要素からのさらなる領域のことである。第2のフレーム要素領域は、特に第2の降伏点を特徴とする。好ましくは、第1のフレーム要素領域が第1のフレーム要素の部分であり、第2のフレーム要素領域が第2のフレーム要素の部分である。好ましくは、第2のフレーム要素領域は、属する電気化学的エネルギー貯蔵装置の1つの主拡張方向に沿って延びている。フレーム要素は、第1のフレーム要素領域も第2のフレーム要素領域も備えていることが好ましく、特に好ましいのは、第1のフレーム要素領域が、属する電気化学的エネルギー貯蔵装置に対して第2のフレーム要素領域より小さい間隔をあけて配置されていることである。好ましくは、第1のフレーム要素領域と第2のフレーム要素領域とが、属する電気化学的エネルギー貯蔵装置の幾つかの主拡張方向に沿って延びている。第2のフレーム要素領域は下記の群、すなわち例えばアルミニウム、チタン、またはマグネシウムなどの軽金属、非架橋プラスチック、エラストマー、ゲル、ガラス粒子または砂粒子、テキスタイルマットまたはスクリム、特にスチール、軽金属、例えば特にPUまたはPSなどのポリマーから成る発泡体を含む群からの少なくとも1つの材料を含んでいることが好ましい。第2のフレーム要素領域はハニカム構造を有することが好ましく、特に好ましくはハニカムの長手軸が異物の作用方向を横切って配置されている。第2のフレーム要素領域は、力が作用した際に第2のフレーム要素領域の横歪みを助長する構成を有していることが好ましい。好ましくは、第2のフレーム要素領域が波形輪郭および/または溝を有しており、この波形輪郭および/または溝の長手軸が、異物の作用方向を横切って配置されている。好ましくは、第2のフレーム要素領域は、
負荷が掛かると好ましくは変形して作用力をより大きな面に分散することによって、および/または、
作用力を、作用力を横断する方向に部分的に方向転換することによって、および/または、
作用エネルギーを特に散逸により熱に変換することによって、
機能する。
【0012】
本発明によれば、第2のフレーム要素領域と第1のフレーム要素領域との降伏点gの商qは所定の値qgを下回っている。商qは、下式のように計算される。
【0013】
【数1】

【0014】
好ましくは商qgの所定の値は1未満、好ましくは9/10未満、好ましくは8/10未満、好ましくは7/10未満、好ましくは6/10未満、好ましくは5/10未満、好ましくは4/10未満、好ましくは3/10未満、好ましくは2/10未満、好ましくは1/10未満で、好ましくは1/100超である。
【0015】
電気化学的エネルギー貯蔵装置のためのフレームの本発明に基づく形成により、特に第1のフレーム要素領域の高い形状剛性が達成される。むしろ可塑性の第2のフレーム要素領域は前述のように機能し、つまり作用力の電気化学的エネルギー貯蔵装置への損傷作用を小さくする。すなわち、例えば事故に起因する本発明によるバッテリの損傷の程度、および特に化学物質の流出による周囲の危険が減少し、本発明の基礎になっている課題が解決される。
【0016】
以下に、本発明の好ましいさらなる構成を説明する。
【0017】
有利には、第1のフレーム要素領域が第2のフレーム要素領域に隣接して配置されている。好ましくは、第1のフレーム要素領域が第2のフレーム要素領域に接触している。好ましくは、第1のフレーム要素領域が第2のフレーム要素領域に対して変位可能である。好ましくは、第1のフレーム要素領域が同じフレーム要素の第2のフレーム要素領域と、特に材料接続的に結合しており、特に好ましくは接着または溶接されている。好ましくは、フレーム要素の第1のフレーム要素領域と第2のフレーム要素領域の結合が部分的にのみ実施されている。好ましくは、第1のフレーム要素領域が同じフレーム要素の第2のフレーム要素領域に対して所定の間隔をあけて配置されている。好ましくは、第1のフレーム要素領域と第2のフレーム要素領域とが、同じフレーム要素の異なる層を構成している。好ましくは、これらの層の横断面が様々な形状を有している。
【0018】
有利には、フレームが、1つ、2つ、またはそれより多いフレーム連結領域を有している。フレーム連結領域は、特にさらなる物体との連結のために設けられている。このさらなる物体には、特にフレーム開口部のカバーおよびさらなるバッテリセルの隣接するフレームが含まれる。好ましくは、カバーがフレーム連結領域と特に材料接続的に結合している。好ましくは、フレーム連結領域が、特に連結手段を通すために用いられる空隙を備えている。この連結手段は、特に、複数のフレームを相互に連結する装置であり、とりわけ連結棒またはベルトである。有利には、フレームがフレーム補強部材を備えている。本発明の意味においてフレーム補強部材とは、高い曲げ剛性、座屈剛性、および/または高い降伏点を特色とする物体のことである。フレーム補強部材の降伏点、曲げ剛性、座屈剛性は、第1のフレーム要素領域の第1の降伏点より高いことが好ましい。好ましくは、フレームが複数のフレーム補強部材を備えている。好ましくは、フレーム補強部材が第1のフレーム要素領域に隣接して配置されており、特に第1のフレーム要素領域と材料接続的に結合している。好ましくは、フレーム補強部材が少なくとも部分的に第1のフレーム要素領域に内包されており、特に好ましくはほとんど内包されている。好ましくは、フレーム補強部材がフレーム要素の全長にわたって延びている。特に特殊輪郭を付けられたフレーム補強部材が高い抵抗モーメントを特色とするのが好ましい。
【0019】
有利には、フレームが、特にフレーム要素に配置された少なくとも1つのフレーム空隙を備えている。好ましくは、フレームが2つ以上のフレーム空隙を備えている。フレーム空隙は、フレーム要素に沿ってまたはフレーム要素を貫いて延びており、特に電気化学的エネルギー貯蔵装置の電流導体を収容するために用いられる。電流導体は、このフレーム空隙を通って案内されており、かつフレーム空隙を通ってフレーム要素を越えて周囲にまで及んでいる。第2のフレーム要素領域はフレーム空隙の領域内では途切れていることが好ましい。フレーム空隙に隣接して分離装置が配置されることが好ましい。この分離装置は、特に、案内されている電流導体を分断するために、またはセルコンタクト装置を外すために用いられる。
【0020】
本発明によればバッテリセルは、本発明によるフレームおよび電気化学的エネルギー貯蔵装置を備えている。これに関しフレームは、電気化学的エネルギー貯蔵装置を少なくとも部分的に取り囲んでおり、好ましくは電気化学的エネルギー貯蔵装置の複数の境界辺に沿って取り囲んでいる。好ましくは、バッテリセルが2つ以上の電気化学的エネルギー貯蔵装置を備えている。好ましくは、バッテリセルの2つの電気化学的エネルギー貯蔵装置が直列および/または並列に接続されている。
【0021】
有利には、バッテリセルがセル圧力分散層を備えている。特に、セル圧力分散層は、異物によってこのセル圧力分散層に掛けられた力または圧力を平面的に分散するために用いられる。特に、セル圧力分散層はバッテリセルを異物から隔離する。好ましくは、セル圧力分散層は下記の群、すなわち鉄含有合金、スチール、例えばアルミニウム、チタン、またはマグネシウムなどの軽金属、特に架橋されたプラスチック、充填物質および/または織布/スクリム、とりわけ炭素繊維、ガラス繊維、および/またはアラミド繊維を有するプラスチックを含む群からの少なくとも1つの材料を含んでいる。好ましくは、セル圧力分散層は特にアラミド繊維および/または金属フィルムによるハニカム構造を有しており、特に好ましくはハニカムの長手軸が異物の作用方向に配置されている。ハニカムは、長手軸方向において上張層により閉じられていることが好ましい。セル圧力分散層は、特に好ましくは予測される異物の方向に延びたリブまたはウェブを備えていることが好ましい。好ましくは、セル圧力分散層はフレームの外側に、特に好ましくは第2のフレーム要素領域の外側に配置されている。セル圧力分散層は、好ましくはバッテリセルの所定の領域内にのみ配置されており、特に好ましくは、特に端面面積の小さい異物による危険が予測される領域内に配置されている。セル圧力分散層は、属するバッテリセルを越えて延びていることが好ましい。セル圧力分散層は、特に金属のコーティングおよび/または金属ワイヤにより、少なくとも部分的に導電性に形成されることが好ましい。
【0022】
本発明によれば、バッテリは2つ以上の本発明によるバッテリセルを備えており、バッテリセルは互いに平行におよび/または互いに接触して配置されている。
【0023】
好ましくは、隣接するバッテリセルの複数の第2のフレーム要素領域が一体的に形成されており、特に好ましくは、流動可能な材料および/または流体を有している。この流体は粘性に形成されているのが好ましく、その際、流体の粘度は作用する異物の予測速度に適合されている。流体は圧縮可能であることが好ましい。
【0024】
バッテリは、流体がもともと存在していた空間から出ることを可能にする負荷軽減装置を備えていることが好ましい。特に好ましくは、負荷軽減装置の開口部が、作用する異物の予測速度に適合されている。2つのバッテリセルがセル圧力分散層により隔てられていることが好ましい。好ましくは、複数のバッテリセルが互いに電気的に接続されている。特に好ましくは、複数のバッテリセルが1つのセルグループへと直列に接続されている。複数のセルグループは、好ましくは並列に接続されている。2つのセルグループがセル圧力分散層により隔てられていることが好ましい。
【0025】
バッテリが、1つ、2つ、4つ、またはそれより多い連結手段を備えており、この連結手段がバッテリセルを相互に連結し、バッテリセルをクランプおよび/または包囲することが好ましい。連結手段は、金属製クランプ、ネジ継手、または一周するベルトとして形成されることが好ましい。

バッテリは、特に電力消費部との間接的な電気的接続のために用いられるバッテリ接続装置または電極を有利には2つ備えている。好ましくは、2つのバッテリ接続装置がバッテリの外面に、特に好ましくは同じ1つの外面に配置されている。
【0026】
好ましくは、バッテリの隣接する複数のバッテリセルのセル圧力分散層が一体的に形成されている。これらセル圧力分散層がバッテリの外面を構成することが好ましい。
【0027】
有利には、バッテリが少なくとも部分的にバッテリ圧力分散層を備えている。バッテリ圧力分散層は、好ましくはバッテリの外面と平行に配置されており、特に好ましくは、バッテリ圧力分散層がバッテリの外面を構成している。バッテリ圧力分散層が下記の群、すなわち鉄含有合金、スチール、例えばアルミニウム、チタン、またはマグネシウムなどの軽金属、例えば特にPP、PA、またはPEなどの特に架橋され、かつ特に充填物質および/または織布/スクリムで、とりわけ炭素繊維、ガラス繊維、および/またはアラミド繊維で補強されたプラスチックを含む群からの少なくとも1つの材料を含んでいることが好ましい。バッテリ圧力分散層は、特に好ましくはアラミド繊維および/または金属フィルムによるハニカム構造を有することが好ましく、特に好ましくはハニカムの長手軸が異物の作用方向に配置されており、かつバッテリ圧力分散層を補強するために機能する。好ましくは、バッテリ圧力分散層が、特に好ましくは予測される異物の方向に延びたリブまたはウェブを備えている。好ましくは、バッテリ圧力分散層が波形輪郭および/または溝を有しており、この波形輪郭および/または溝の長手軸が、異物の作用方向に配置されている。バッテリ圧力分散層は、バッテリのうち異物による危険が予測される領域内に配置されることが好ましい。好ましくは、バッテリが複数のバッテリ圧力分散層を備えており、このバッテリ圧力分散層は、バッテリセルの幾つかの境界面と平行に配置されており、特に好ましくはバッテリの外面を構成している。複数のバッテリ圧力分散層が互いに結合されていることが好ましい。好ましくは、バッテリ圧力分散層が、バッテリセルに対して間隔をあけて配置されており、バッテリ圧力吸収層とバッテリセル、特にバッテリセルのセル圧力分散層との間に隙間を残している。好ましくは、この隙間が、注入可能または流動可能な物質、特に砂および/またはガラス粒子または物質混合物で満たされている。好ましくは、この隙間が満たされてはおらず、バッテリ圧力吸収層の変形が、その下にあるバッテリセルに接触することなく可能になる。好ましくは、バッテリ圧力分散層が、特に金属のコーティングおよび/または金属ワイヤにより、少なくとも部分的に導電性である。有利には、バッテリが、1つ、2つ、またはそれより多くの分離保護層を備えている。好ましくは、バッテリの分離保護層が、バッテリ圧力吸収層と、バッテリセルまたはバッテリセルのフレームとの間に配置されている。好ましくは、分離保護層が織布またはスクリムとして形成されており、特に好ましくは、特にアラミド繊維から成る耐切断性の織布として形成されている。好ましくは、複数の分離保護層が、バッテリのうち異物による作用が予測され得る領域内に配置されている。好ましくは、分離保護層が電気絶縁性に形成されている。好ましくは、分離保護層がバッテリ圧力分散層より低い降伏点を有している。この場合、分離保護層は、特に、より大きな面への力分散および異物作用方向を横切る方向への力の方向転換により、第2のフレーム要素領域に対応する機能をも果たす。
【0028】
有利には、バッテリが、1つ、2つ、またはそれより多いバッテリ補強部材を備えている。特に、バッテリ補強部材は作用力を複数のバッテリ圧力吸収層に分散するように機能する。特に、バッテリ補強部材は作用する異物をバッテリ圧力吸収層にぶつかる前に受け止めるように機能する。バッテリ補強部材は、保護枠または保護ケージとして形成されることが好ましい。好ましくは、バッテリを取り囲むバッテリ補強部材が、バッテリ圧力吸収層または分離保護層を、バッテリに対して間隔をあけて保持している。好ましくは、バッテリ補強部材とバッテリ連結領域とが結合している。
【0029】
有利には、バッテリが少なくとも1つの変形部材を備えており、この変形部材は、特に、とりわけ異物の作用により、所定の方式で変形するように設けられている。有利には、複数の変形部材が共同で、バッテリ圧力吸収層を突っ張り支持するために機能している。有利には、変形部材が、異物の運動エネルギーを形状変化仕事に変換しながら変形する。変形部材がバッテリ圧力吸収層とセル圧力吸収層との間に配置されることが好ましい。変形部材がバッテリの外面に配置されることが好ましい。変形部材が、隣接するバッテリ圧力吸収層およびセル圧力吸収層の降伏点より小さい降伏点を有することが好ましい。変形部材は、予測される異物または隣接するバッテリ圧力吸収層の方に向かってその断面積を減少させるように形成されることが好ましい。変形部材が少なくとも1つの対称軸を有することが好ましい。変形部材は、円錐状におよび/または開口角を有して形成されることが好ましく、この場合、円錐および/または開口角の頂点がバッテリ圧力吸収層を指している。
【0030】
有利には、バッテリが、1つ、2つ〜4つ、またはそれより多いバッテリ連結領域を有している。バッテリ連結領域は、特に、さらなる物体との、好ましくは自動車のバッテリ収容装置との、電力供給すべき機械または設備との連結のために設けられている。好ましくは、バッテリ連結領域は、機械的連結手段を備えているか、または機械的連結手段との相互作用のために形成されている。好ましくは、機械的連結手段が規定破断個所を備えており、特に好ましくは切込みを付けられたピンまたは接続管として形成されている。好ましくは、バッテリ接続装置または電極がバッテリ連結領域内に配置されている。バッテリとさらなる物体を連結する際、同時に、バッテリ接続装置と、電力供給すべき機械もしくは設備の電気的装置との間の電気的接続が作られることが好ましい。このためにバッテリ接続装置は、好ましくは規定破断個所を備えた突出部として、特に切込みを付けられたピンまたは接続管として形成されている。バッテリ連結領域は所定の力だけを伝達することが好ましい。この所定の力は、バッテリ連結領域の数を考慮し、特に事故によるバッテリの予測され得る加速度またはバッテリへの力作用に関連して選択される。
【0031】
有利には、バッテリがセルコンタクト装置を備えている。特に、セルコンタクト装置は電気化学的エネルギー貯蔵装置とバッテリ接続装置との電気的接続のために用いられる。好ましくは、バッテリの2つのバッテリ接続装置または電極接点がセルコンタクト装置と接続している。セルコンタクト装置は、略プレート状に形成されており、かつバッテリの外面と平行に延びていることが好ましい。この場合、セルコンタクト装置は、バッテリ圧力分散層および/または分離保護層により周囲から隔離されている。セルコンタクト装置は、バッテリのうち損傷を与えるかもしれない異物の作用が予測されない領域内に配置されることが好ましい。好ましくは、セルコンタクト装置はプリント基板として形成されている。セルコンタクト装置は、バッテリ接続装置と電気的に接続されている2つの共同端子を備えている。共同端子とバッテリ接続装置とが一体的に形成されることが好ましく、特に好ましくはバッテリ接続装置がセルコンタクト装置上に配置される。共同端子は、特にプリント基板として形成されたセルコンタクト装置上に、差込端子またはネジ端子として配置されることが好ましい。セルコンタクト装置は、特に電気化学的エネルギー貯蔵装置またはバッテリセルの電流導体と接続するための少なくとも2つのセルコンタクト装置を備えている。セルコンタクト装置は、バッテリセルごとに1対のセルコンタクト装置を備えていることが好ましい。セルコンタクト装置は、取外し可能に形成されることが好ましく、特に好ましくはバネにより負荷を掛けられたクランプとして形成されている。好ましくは、セルコンタクト装置が、プリント基板として形成されたセルコンタクト装置上に配置されており、特に好ましくははんだ付けまたは溶接されている。
【0032】
有利には、セルコンタクト装置が、好ましくは導体路、送電ベルト、送電レール、またはフラットケーブルとして形成された1つ、2つ、またはそれより多い通電装置を備えている。特に、通電装置は第1のバッテリセルのセルコンタクト装置を、さらなるバッテリセルのセルコンタクト装置および/または共同端子と接続するために用いられる。好ましくは、バッテリセルを直列接続および/または並列接続するために多数の通電装置が形成されている。特に4つずつのバッテリセルが通電装置により1つのセルグループへと直列に接続されることが好ましい。好ましくは、複数のセルグループが通電装置により並列および/または直列に接続されている。好ましくは、少なくとも幾つかの通電装置がセルコンタクト装置上で平面的に形成されている。好ましくは、少なくとも複数の通電装置が光化学的方法に基づき、および/または厚銅技術において製造されている。
【0033】
好ましくは、1つまたは複数の通電装置が、1つまたは複数の熱交換装置と熱伝導的に結合している。この熱交換装置は、少なくとも1つの通電装置および/またはセルコンタクト装置に平面的に接触する冷却体および/または流体路を備えた装置であることが好ましい。熱交換装置は、熱伝導性で電気絶縁性の層により通電装置から隔てられていることが好ましい。好ましくは、少なくとも1つの熱交換装置が、バッテリ圧力分散層または分離保護層内の空隙を通って延びている。好ましくは、少なくとも1つの熱交換装置が、バッテリのうち異物の損傷作用が予測されない領域内に配置されている。好ましくは、複数の熱交換装置が共通の流体路を形成しながら相互に結合されており、この流体路が、特に好ましくは一時的に冷却材により貫流される。好ましくは、熱交換装置に流体が流れる。
【0034】
有利には、バッテリ接続装置とバッテリセルとの間の電流回路が遮断器装置を備えている。この遮断器装置は、特に、セルコンタクト装置、通電装置、および/または共同端子を含む電流回路を遮断するために用いられる。好ましくは、それぞれの電流回路が各々の遮断器装置を備えている。好ましくは、遮断器装置がスイッチ(トランジスタもしくはリレー)として、または規定破断個所を備えた電気導体として、または薄い部位を備えた導体路として形成されている。
【0035】
有利には、遮断器装置が1つまたは複数の作動装置と接続されている。この作動装置は、圧力面、誘導性コンタクト、または容量性コンタクトとして形成されることが好ましい。作動装置は、バッテリ圧力分散層もしくは分離層の内側もしくは外側で、またはこれらの層に隣接して配置されることが好ましい。作動装置は、バッテリ圧力分散層または分離層内の空隙を通って突き出ていることが好ましい。作動装置は、複数の遮断器装置と結合しており、複数の遮断器装置を一緒に作動させることが好ましい。作動装置は、バッテリのうち異物の危険な作用が予測される領域内に配置されることが好ましい。好ましくは複数の作動装置がバッテリの様々な外面に配置されており、これにより、損傷を与える異物の作用方向に関係なく、少なくとも1つの遮断器装置が作動する。好ましくは、遮断器装置と作動装置とが一体的に形成されている。作動装置が、セルコンタクト装置をバッテリセルとの電気的接続が遮断されるように作動させることが好ましい。作動装置が、電気化学的エネルギー貯蔵装置の電流導体が分割されるように分離装置を作動させることが好ましい。作動装置は、押しボタン、突き体として、特に突き棒として形成されることが好ましい。作動装置は、バッテリ接続装置の規定破断個所に作用することが好ましい。
【0036】
有利には、電気化学的エネルギー貯蔵装置の電極スタックのために、電子を伝導しないかまたは伝導しにくく、かつ少なくとも部分的には物質透過性の支持体から成るセパレータが使用される。この支持体は、好ましくは少なくとも片面で、無機材料によりコーティングされている。少なくとも部分的に物質透過性の支持体としては、好ましくは織り込まれていない不織布として仕上げられた有機材料を使用することが好ましい。好ましくはポリマーおよび特に好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)を含む有機材料が、無機で、好ましくはイオン伝導性の、さらに好ましくは-40℃〜200℃の温度範囲内でイオン伝導性の材料によりコーティングされている。この無機材料は、好ましくは、元素Zr、Al、Liのうちの少なくとも1つを含む酸化物、リン酸塩、硫酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩の群からの少なくとも1つの化合物、特に好ましくは酸化ジルコニウムを含んでいる。この無機でイオン伝導性の材料は最大直径100nm未満の粒子を含んでいることが好ましい。このようなセパレータは、例えば「Separion」の商品名でドイツのEvonik AGにより販売されている。

このような導体を使用することで、電気化学的エネルギー貯蔵装置の電極スタック内での短絡の危険が減少することが有利である。
【0037】
自動車が少なくとも1つの自動車接続装置およびバッテリ収容装置を備えていることが有利である。これらの装置は、バッテリ接続装置およびバッテリ連結領域と相互作用するための相手部品として形成されている。有利には、バッテリ収容装置内にバッテリを装着することにより、少なくとも1つのバッテリ接続装置およびバッテリ連結領域が、自動車のそれぞれの相手部品と結合する。
【0038】
好ましくは、バッテリ連結領域内で、機械的連結手段とバッテリ接続装置とが互いに近い空間に配置されている。好ましくは、規定破断個所を備えた1つまたは2つのバッテリ接続装置がバッテリから特に下へと、特に上に開いた自動車接続装置内へと突き出ている。好ましくは、機械的連結手段とバッテリ接続装置とが同軸に形成されている。好ましくは、バッテリ接続装置が、自動車のボルトもしくはピンおよび/またはネジもしくはリベットを収容するためのスリーブとして形成されており、このボルトやピンなどの直径はそれぞれスリーブの穴より小さい。好ましくは、機械的連結手段がバッテリ接続装置を通って案内される。好ましくは、機械的連結手段が規定破断個所を備えている。好ましくは、バッテリの移動が、バッテリ接続装置の規定破断個所を不全化させる。好ましくは、1つまたは2つのバッテリ接続装置が、それぞれ1つのバッテリ連結領域を通って案内されている。自動車とバッテリ連結領域との間の機械的連結は、例えば自動車事故の際に、特に水平方向における所定の加速度または力がこの機械的連結を不全化させるように形成されることが好ましい。これに続くバッテリの移動が、少なくとも1つのバッテリ接続装置の規定破断個所を不全化させることが有利である。
【0039】
バッテリの本発明による稼働方法は、特に、とりわけ力により作動装置を作動させることを特徴とする。作動装置の作動は、バッテリに作用する異物および/または自動車の構成要素によって行われる。これに関しては特に、バッテリが存在している空間内に異物が侵入し得る前に、バッテリの外面に配置された作動装置が異物によって少なくとも接触される。続いて異物が実際に、バッテリが存在している空間内に入り込んだ場合に限り、バッテリは電気エネルギーを放出できなくなる。同じことが、バッテリが存在している空間内に車両部材が入り込みそうな場合に、またはバッテリがもともと存在していた空間から出て自動車の部材にぶつかる場合に生じる。有利には、作動装置が遮断器装置に作用して電流回路を遮断する。作動装置が、電流導体を分割するための分離装置に、および/またはバッテリ接続装置を不全化するためのバッテリ接続装置の規定破断個所に、および/または通電装置を不全化するための通電装置の規定破断個所に作用することが好ましい。
【0040】
有利には、本発明によるバッテリの稼働方法は、最初に第1の力がバッテリに掛かることを特色とする。例えば異物または自動車の部材により、この第1の力がバッテリに掛けられる。この第1の力は、場合によっては、予測される力に応じて選択された所定の力を上回る。この所定の力を上回ると、少なくとも1つのバッテリ連結領域が、自動車内の規定場所から離れる。つまりバッテリが移動する。本発明によれば、バッテリの移動によりバッテリ接続装置のうちの少なくとも1つが不全化する。このために、このバッテリ接続装置は規定破断個所を備えて形成されている。好ましくは、特に送電ケーブルまたは送電ベルトが破断することにより、少なくとも1つのバッテリ接続装置またはバッテリセルとの電気的接続が遮断される。好ましくは、その際に少なくとも1つのバッテリ接続装置がバッテリ複合体から外れる。
【0041】
有利には、セル圧力分散層とバッテリ圧力分散層とが共にコンデンサとして機能する。この場合、セル圧力分散層が第1のコンデンサプレートになり、バッテリ圧力分散層が第2のコンデンサプレートになる。有利には、分離保護層が、これらのコンデンサプレートの間の誘電体として機能する。圧力分散層またはコンデンサプレートは様々な電荷Qおよび電位差ΔUを有することが好ましい。コンデンサプレートは一時的に電圧源と接続されることが好ましい。特に好ましくは、セル圧力分散層およびバッテリ圧力分散層が一時的にバッテリの1つまたは複数のバッテリセルと電気的に接続される。電荷Qが蓄えられると、この電気的接続は再び分離される。好ましくは、所定の時点でコンデンサプレートの電荷の回復が行われる。有利には、測定装置が所定の時点で電位差ΔUを測定する。さらに電位差が計算される。
【0042】
【数2】

【0043】
式中、x0はプレートの間隔、Aはプレート面積、εは分離保護層の誘電率である。電位差の計算には、好ましくは、圧力分散層またはコンデンサプレートの充電および/または電荷の回復も行う制御装置が用いられる。制御装置は、計算した電位差と測定した電位差との比較も行う。好ましくはバッテリ管理システムがこの制御装置の機能を果たす。計算した電位差と測定した電位差とが異なる場合には、このプレート式コンデンサの変化が推測され得る。好ましくは、計算した電位差と測定した電位差との時間的な推移の違いからプレート式コンデンサの変化を推測する。これにより、実際には常に回避できるわけではないコンデンサプレート間のリーク電流が顧慮される。測定された電位差のその時々の推移または時間的な推移の変化から、関連する部材、特にバッテリ外被の変形を推測できる。
【0044】
本発明のさらなる利点、特徴、および適用可能性は、図に関連した以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】装着された電気化学的エネルギー貯蔵装置と共に、第1および第2のフレーム要素領域を備えた本発明によるフレームを示す図である。
【図2】第1および第2のフレーム要素領域を備えた本発明によるフレームならびにこれらフレーム要素領域の様々な形成を示す図である。
【図3】切断されたフレームを備えた、本発明によるバッテリセルを開放的な状態で示す図であり、第2のフレーム要素領域は流動可能な材料で形成されている。
【図4】複数のバッテリセルを備えた本発明によるバッテリの部分断面図である。
【図5】熱交換装置が載置された本発明によるセルコンタクト装置を示す図である。
【図6】セルコンタクト装置、規定破断個所を備えたバッテリ接続装置、および自動車のバッテリ収容装置と連結するためのバッテリ連結領域を備えた本発明によるバッテリの部分断面図である。
【図7】バッテリ接続装置、バッテリ補強部材、およびバッテリ連結領域を備えた本発明によるバッテリの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、装着された電気化学的エネルギー貯蔵装置2と共に、フレーム要素3の第1のフレーム要素領域5および第2のフレーム要素領域6を備えた本発明によるフレーム1を示している。フレーム1は、フレーム1内で移動しないように電気化学的エネルギー貯蔵装置2を突っ張り支持する複数の付加成形されたスペーサ4を備えている。さらにフレーム1は、上側の水平なフレーム要素内に形成されており、その見えない縁が垂直な破線で示されたフレーム空隙9を備えている。このフレーム空隙9を通って、電気化学的エネルギー貯蔵装置2の電流導体13が案内されている。垂直なフレーム要素3の各々が、第1のフレーム要素領域5および第2のフレーム要素領域6を備えており、これに関しては第2のフレーム要素領域6の降伏点が第1のフレーム要素領域5の降伏点より低い。第1のフレーム要素領域5は繊維複合材料から作製されており、フレーム補強部材として金属製の挿入物8を備えている。第2のフレーム要素領域6はエラストマーから作製されている。両方のフレーム要素領域5、6は、それぞれの横断面形状によっても異なっている。幾つかの例が図面内に含まれている。フレーム1は、穴を備えたフレーム連結領域7を有しており、この穴を通ってネジ棒が案内される。セル圧力分散層12は水平な平行線を付けて示されている。このセル圧力分散層は、図示されていないバッテリ圧力分散層に対して突っ張り支持するために形成されており、第2のフレーム要素領域6を越えて突き出ている。フレーム開口部のカバーは、バッテリセル11のほかの構成要素を示しやすくするために省略している。
【0047】
図2は、第1のフレーム要素領域5および第2のフレーム要素領域6を1つずつ備えた本発明によるフレーム1の一部を概略的に示している。フレーム要素領域5、6の様々な横断面が図面内に含まれている。第1のフレーム要素領域5の第1の横断面51は、正方形に形成されており、挿入物8を内包しており、この挿入物の降伏点は、第1のフレーム要素領域5の降伏点より高い。挿入物8は、その横断面に基づいてもその材料に基づいても補強的に機能する。好ましい輪郭を有する様々な挿入物8、8a、8bが示されている。第2のフレーム要素領域61は、硬質発泡体、特に発泡金属、PS発泡体、またはPU発泡体から作製されている。異物は、場合によっては少なくとも部分的に発泡体内に入り込み、発泡体を圧縮し、その際、異物の運動エネルギーが変換される。第2のフレーム要素領域62、63、64、65、および68は、入り込んでくる異物に対し、エネルギーを吸収しながら異物の運動方向に変形することにより、および横歪みすることにより反応する。この横歪みにより、隣接するフレームの第2のフレーム要素領域6が共に異物を減速させるために機能する。さらに、入り込んでくる物体の作用をより大きな面に分散させる。第2のフレーム要素領域66、67は、圧縮可能な流体で満たされた中空空間をそれぞれ1つ内包している。この方式でも隣接する第2のフレーム要素領域6が、異物の作用を平面的に分散するために共に機能する。横断面63、67を有する第2のフレーム要素領域6は、肉厚が、予測される異物の方に向かって次第に減少していくことを特色とする。したがって入り込んでくる異物は次第に上昇する抵抗にさらされる。
【0048】
図3aは、流動可能な第2のフレーム要素領域6aを備えた本発明によるバッテリセル11を開放的な状態で示している。電気化学的エネルギー貯蔵装置2は、第1のフレーム要素領域5および第2のフレーム要素領域6、6aを備えるフレーム1によって取り囲まれている。フレーム1はフレーム空隙9を備えており、このフレーム空隙を通って電流導体13、13aが延びている。第1のフレーム要素領域5は、輪郭を付けられた挿入物8を備えている。バッテリセル11は、セル圧力分散層12およびさらなるセル圧力分散層12aによって取り囲まれている。セル圧力分散層12aは、セル圧力分散層12を越えて延びており、図示されていないバッテリ圧力分散層を突っ張り支持するために用いられる。セル圧力分散層12aは、この層の座屈を回避するためのリブまたはウェブを備えていることが好ましい。挿入物8の降伏点は第1のフレーム要素領域5の降伏点より高い。第1のフレーム要素領域5の降伏点は第2のフレーム要素領域6、6aの降伏点より高い。セル圧力吸収層12、12aの降伏点も第2のフレーム要素領域6、6aの降伏点より高い。第2のフレーム要素領域6aは流体から構成されている。この第2のフレーム要素領域6aは、流体が制御されずに漏れ出る可能性がないように、取り囲んでいる部材によって包囲されている。有利には、所定の力を上回ると流体がキャピラリ開口部71を通って流出するように第2のフレーム要素領域6aの粘度が選択されている。キャピラリ開口部71は弁によって閉じられていることが好ましく、この弁が、図示されていないバッテリ管理システムまたはより上位の自動車制御部により必要に応じて開かれることが特に好ましい。第2のフレーム要素領域6は発泡金属として形成されている。電流導体13、13aとセルコンタクト装置20とは接続されている。
【0049】
図3bは、別の視角からの図3aのバッテリセルを示している。図3bは、挿入物8の輪郭、フレーム1の対称軸に沿ったフレーム空隙9の位置、および分離装置10を示している。
【0050】
図3cは、図3aおよび図3bのバッテリセル11の一変形形態を示している。第2のフレーム要素領域6はエラストマーによって形成されている。フレーム空隙9はフレーム1の縁領域内に配置されている。フレーム空隙9に隣接する分離装置10は、フレーム1の対称軸の付近にある。フレーム空隙9を通って、電気化学的エネルギー貯蔵装置2の電流導体13が案内されている。第2のフレーム要素領域6の横断面は、その肉厚が、予測される異物の方に向かって減少していくように選択されている。さらに、横断面の空隙内には圧縮可能な流体が配置されている。
【0051】
図4aは、複数のバッテリセル11を備えた本発明によるバッテリ14の部分図を示している。バッテリ14の外被は、バッテリ圧力分散層16によって構成されている。バッテリ圧力分散層の内側には分離保護層17が配置されている。分離保護層17は、バッテリ圧力分散層16より明らかに小さな降伏点を有している。さらに、分離保護層17は、ある程度は圧縮可能および変形可能に形成されている。分離保護層17はアラミド織布として形成されている。分離保護層17の内側ではセル圧力分散層12、12aが接している。セル圧力分散層12の降伏点は、バッテリ圧力分散層16の降伏点にほぼ相当している。異なる第1のフレーム要素領域5および第2のフレーム要素領域6および挿入物8を備えたフレーム1の様々な実施形態が示されている。個々のフレーム要素領域5、6の特性は、図2および図3に対する解説によって説明されている。キャピラリ71は、セル圧力分散層12a、分離保護層17、およびバッテリ圧力分散層16を通って突き出ている。キャピラリ71は、第2のフレーム要素領域6aの流体が、特にキャピラリ71内表面での流体摩擦により異物の運動エネルギーを変換しながら流出することを可能にする。第2の要素領域6aは、幾つかのフレーム1の複数のそれぞれの第2の要素領域6が共通の領域に結合されている。
【0052】
図4bは、図4aの拡大部分図およびセル圧力分散層12への異物の作用方向を示している。さらに、キャピラリ71を制御可能な弁72により閉じ得ることが示されている。
【0053】
図5aは、本発明によるセルコンタクト装置20を示している。その下にある電気化学的エネルギー貯蔵装置2またはバッテリセル11が破線で示されている。セルコンタクト装置20は2つの共同端子21、21aを備えている。共同端子は、セルコンタクト装置22、22aに付加成形されることが有利である。セルコンタクト装置22のペアは、それぞれ1つの通電装置23によって相互に接続されている。こうすることで、破線で示した電気化学的エネルギー貯蔵装置2またはバッテリセル11の直列接続が達成される。電流導体13は、セルコンタクト装置22aにより接触されている。ここでは、セルコンタクト装置20がマルチプレックスプリント基板として形成されている。通電装置23は導体路として形成されている。セルコンタクト装置22はこの導体路上にはんだ付けされている。共同端子21、21aは、接続ケーブルまたはバッテリ電極をネジ込むための貫通穴を備えている。好ましくは、図示されていないバッテリ接続装置またはバッテリ電極が、規定破断個所を備えたボルトとして形成され、共同端子21、21aの穴を通って案内される。さらなる有利な一実施形態ではバッテリ接続装置が短いケーブルにより共同端子21、21aと接続している。作動時には、図示されていない作動装置25が、共同端子21と図示されていないバッテリ接続装置との間のこの接続ケーブルを切断する。さらなる有利な一実施形態では、作動装置25が、特にバネにより負荷を掛けられたセルコンタクト装置22に直接作用してセルコンタクト装置を開く。さらなる有利な一実施形態では、作動装置25が、セルコンタクト装置20全体に直接作用して、セルコンタクト装置をもとの位置から移動させる。その際、少なくとも幾つかの電流導体13が、属するセルコンタクト装置22から外れる。
【0054】
図5bは、セルコンタクト装置20のさらなる一実施形態を示している。通電装置23は、破線で示した電気化学的エネルギー貯蔵装置2またはバッテリセル11を並列接続するためにセルコンタクト装置22を接続している。
【0055】
図5cは、セルコンタクト装置20の透視図を示している。このセルコンタクト装置20もプリント基板として形成されている。セルコンタクト装置20は、貫通穴を備えた共同端子21、21a、複数のセルコンタクト装置22、22a、および(黒く示されている)複数の通電装置23、23aを備えている。さらに熱交換装置27、ここではアルミニウムから成るリブ付きの冷却体が示されており、この冷却体の横断面が図面内に含まれている。冷却体27は、通電装置23、23aと結合している。冷却体27は、その下にある導体路を認識しやすくするために短縮して示されている。
【0056】
図6は、本発明によるバッテリ14の断面を概略的に示している。バッテリは複数のバッテリセル11を備えている。バッテリセルは、側面図において、そこから延びる電流導体13を備えたブロックとして示されているだけである。電流導体13は、セルコンタクト設備20のセルコンタクト装置22により電気的に接続されている。さらに、セルコンタクト装置20とバッテリ接続装置15とが接続されている。バッテリ接続装置は、一周する切込みとして形成された規定破断個所をそれぞれ1つ備えている。バッテリ接続装置15は、部分的に電気絶縁されて、バッテリ圧力分散層16aの穴を通って突き出ている。このバッテリ圧力分散層16aは、さらに2つのバッテリ連結領域19を有している。バッテリ連結領域19は、切込みを付けられたセンタリングピン191および貫通穴192を機械的連結手段として備えている。バッテリ接続装置15もバッテリ連結領域19内に配置されている。バッテリ連結領域19は、自動車の対応する装置との機械的連結のため、および特に電気的接続のためにも機能する。バッテリ14の外被は、バッテリ圧力分散層16によって構成されている。バッテリ圧力分散層に隣接して分離保護層17が配置されている。バッテリセル11またはそのフレーム1の詳細は図示されていない。連結ピン191およびバッテリ接続装置15は、バッテリ接続装置15の規定破断個所を不全化するためよりも高いせん断力が、連結ピン191の規定破断個所を不全化するために必要であるように決定されている。バッテリ14が、バッテリ圧力分散層16aの領域内で、形状接続および/または摩擦接続により保持されていることが有利である。バッテリ14をクランプするために有利なのは、バッテリ圧力分散層16aに作用し、バッテリ14の迅速な交換を可能にするクランプレバーである。連結ピン191を円錐形に形成することにより、バッテリ14を自動車内に装着することでバッテリ接続装置15も対応する相手部品内に装填される。バッテリ14はさらに複数の作動装置25を備えている。この作動装置25は、バッテリ14の選択された外面に沿った圧力面として形成されている。作動装置25は、バッテリ14内部の図示されていない遮断器装置24を作動させる。
【0057】
図7は、バッテリ接続装置15、バッテリ補強部材18、およびバッテリ連結領域19を備えた本発明によるバッテリ14の透視図を示している。バッテリ14の外被は、複数のバッテリ圧力分散層16、16aによって構成されている。バッテリ補強部材18は保護ケージとして形成されている。バッテリ補強部材18は、バッテリ圧力分散層16に対して間隔をあけて配置されているが、バッテリ圧力分散層16aとは複数のバッテリ連結領域19内で結合している。図示されていない一実施形態では、バッテリ補強部材18が複数のバッテリ圧力分散層16、16aを保持している。バッテリ圧力分散層16の表面には、圧力プレートとして形成された作動装置25が配置されている。この作動装置は、バッテリ14内部の図示されていない遮断器装置、セルコンタクト装置と結合している。図示されていないが、作動装置25がバッテリ14のコーナー領域内に配置されており、バッテリが移動すると最初に車体部品と接触することが有利である。
【符号の説明】
【0058】
1 フレーム
2 電気化学的エネルギー貯蔵装置
3 フレーム要素
4 スペーサ
5 第1のフレーム要素領域
51 第1のフレーム要素領域の第1の横断面
6、6a、66、67 第2のフレーム要素領域
61、62、63、64、65、68 第2のフレーム要素領域の横断面
7 フレーム連結領域
8、8a、8b 挿入物
9 フレーム空隙
10 分離装置
11 バッテリセル
12、12a セル圧力分散層、セル圧力吸収層
13、13a 電流導体
14 バッテリ
15 バッテリ接続装置
16、16a バッテリ圧力分散層
17 分離保護層
18 バッテリ補強部材
19 バッテリ連結領域
191 センタリングピン、連結ピン
192 貫通穴
20 セルコンタクト装置
21、21a 共同端子
22、22a セルコンタクト装置
23 通電装置
24 遮断器装置
25 作動装置
27 熱交換装置、冷却体
71 キャピラリ開口部
72 弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学的エネルギー貯蔵装置(2)を少なくとも部分的に取り囲むために設けられており、
第1の降伏点を有する第1のフレーム要素領域(5)を具備するフレーム要素(3)を備えた、
前記電気化学的エネルギー貯蔵装置(2)のためのフレーム(1)において、
前記フレームが、第2の降伏点を有する第2のフレーム要素領域(6)を備えており、かつ、
前記第2のフレーム要素領域(6)と前記第1のフレーム要素領域(5)との降伏点の商が所定の値を下回ることを特徴とするフレーム(1)。
【請求項2】
前記第1のフレーム要素領域(5)が、前記第2のフレーム要素領域(6)に隣接して配置されており、
前記フレーム(1)が、前記フレームとさらなる物体との連結のために設けられたフレーム連結領域(7)を有しており、
前記フレーム(1)が、前記第2の降伏点より高い降伏点を有するフレーム補強部材(8)を備えており、かつ/または、
前記フレーム(1)が、好ましくは分離装置(10)と共にフレーム空隙(9)を備えており、前記分離装置が、前記フレーム空隙(9)に隣接して配置されていることを特徴する請求項1に記載のフレーム(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載のフレーム(1)と電気化学的エネルギー貯蔵装置(2)とを備えたバッテリセル(11)であって、
好ましくは、
セル圧力分散層(12)が、前記フレーム(1)に対して所定の第1の間隔をあけて配置されており、および/または、
前記電気化学的エネルギー貯蔵装置(2)の電流導体(13、13a)が、前記フレーム空隙(9)を通って案内されているバッテリセル(11)。
【請求項4】
請求項3に記載のバッテリセル(11)を2つ以上備えたバッテリ(14)であって、前記バッテリセル(11)のうちの2つが互いに平行に配置されており、かつ、
電力消費部との電気的接続のために設けられたバッテリ接続装置(15)を備えており、
好ましくは、前記バッテリ接続装置(15)が前記バッテリの外面の領域内に配置されているバッテリ(14)。
【請求項5】
前記バッテリが、好ましくは前記バッテリの外面と平行に所定の第2の間隔をあけて配置されたバッテリ圧力分散層(16)を備えており、
前記バッテリ(14)が、フレーム要素(3)に隣接して配置された分離保護層(17)を備えており、
前記バッテリ(14)が、第2の降伏点より高い降伏点を有するバッテリ補強部材(18)を備えており、
前記バッテリ(14)が、所定の方式で変形するように設けられた変形部材(4)を備えており、および/または、
前記バッテリ(14)が、さらなる物体との連結のために設けられた少なくとも1つのバッテリ連結領域(19)を有しており、好ましくは前記バッテリ接続装置(15)が前記バッテリ連結領域(19)内に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のバッテリ(14)。
【請求項6】
電気化学的エネルギー貯蔵装置とバッテリ接続装置との電気的接続のために設けられたセルコンタクト装置(20)であって、
それぞれバッテリ接続装置(15)との電気的接続のために設けられた2つの共同端子(21、21a)と、
バッテリセル(11)またはその電気化学的エネルギー貯蔵装置(2)との電気的接続のために設けられた2つのセルコンタクト装置(22、22a)と、
1つのセルコンタクト装置(22)ともう1つのセルコンタクト装置(22)および/または共同端子(21)との電気的接続のために設けられた通電装置(23、23a)と、
を備えており、
好ましくは、前記通電装置(23)が特に好ましくは流体が流される熱交換装置(27)と熱伝導的に結合されている、セルコンタクト装置(20)を特徴とする請求項4または5に記載のバッテリ(14)。
【請求項7】
少なくとも、
2つのセルコンタクト装置(22)と、
1つの共同端子(21)と、
1つの通電装置(23)と、
を備えたバッテリ(14)において、
セルコンタクト装置(22)および/もしくは共同端子(21)の電気絶縁のため、ならびに/または通電装置(23)の遮断のために設けられた遮断器装置(24)と、
前記遮断器装置(24)を作動させるために設けられており、前記バッテリ(14)の外面に隣接して配置されている作動装置(25)と、
を特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載のバッテリ(14)。
【請求項8】
電気化学的エネルギー貯蔵装置(2)が、電子を伝導しないかまたは伝導しにくく、かつ少なくとも部分的には物質透過性の支持体から成る少なくとも1つのセパレータを備えており、前記支持体が、好ましくは少なくとも片面で、無機材料によりコーティングされており、その際、少なくとも部分的に物質透過性の支持体としては、好ましくは織り込まれていない不織布として仕上げられた有機材料が使用されることが好ましく、前記有機材料が、好ましくはポリマー、特に好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)を含み、前記有機材料が、無機で、好ましくはイオン伝導性の、さらに好ましくは-40℃〜200℃の温度範囲内でイオン伝導性の材料によりコーティングされており、前記無機材料が、好ましくは、元素Zr、Al、Liの内少なくとも1つの酸化物、リン酸塩、硫酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩の群からの少なくとも1つの化合物、特に好ましくは酸化ジルコニウムを含んでおり、かつ前記無機でイオン伝導性の材料が、好ましくは最大直径100nm未満の粒子を含んでいることを特徴とする請求項4から7のいずれか一項に記載のバッテリ(14)。
【請求項9】
請求項4から8のいずれか一項に記載のバッテリ(14)を備え、バッテリ接続装置(15)との電気的接続のために設けられた自動車接続装置を備えた自動車において、
少なくとも1つのバッテリ連結領域(19)が、好ましくは摩擦接続および/または形状接続により前記自動車と連結されており、
バッテリ接続装置(15)が、前記バッテリ連結領域(19)内に配置されており、かつ
前記バッテリ接続装置(15)が、前記自動車接続装置と導電性に接続されていることを特徴とする自動車。
【請求項10】
請求項6から8のいずれか一項に記載のバッテリ(14)の稼働方法において、
a)前記作動装置(25)を作動させるステップと、
b)前記作動装置(25)により前記遮断器装置(24)を作動させるステップと、
c)前記遮断器装置(24)により、セルコンタクト装置(22)および/もしくは共同端子(21)を絶縁し、ならびに/または通電装置(23)を遮断するステップと、
を特徴とする稼働方法。
【請求項11】
請求項7または8に記載のバッテリ(14)の稼働方法において、
a)第1の力が前記バッテリ(14)に掛かり、その際、前記第1の力が所定の力を上回るステップと、
b)前記バッテリ(14)が移動し、その際、バッテリ接続装置(15)が不全化するステップと、
を特徴とする稼働方法。
【請求項12】
請求項5から8のいずれか一項に記載のバッテリ(14)の稼働方法であって、
セル圧力分散層(12)およびバッテリ圧力分散層(16)が、分離保護層(17)によって離隔されており、前記セル圧力分散層(12)および前記バッテリ圧力分散層(16)が、少なくとも部分的に導電性に形成されており、前記分離保護層(17)が部分的に電気絶縁性に形成されており、かつ前記セル圧力分散層(12)およびバッテリ圧力分散層(16)が異なる電位を有している稼働方法において、
前記両方の圧力分散層(12、16)の間の電圧が所定の時点で測定および記憶され、かつ、
様々な時点の電圧が相互に比較されることを特徴とする稼働方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図3c】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図5c】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2013−517591(P2013−517591A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548346(P2012−548346)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007719
【国際公開番号】WO2011/085778
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(511173550)リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー (85)
【Fターム(参考)】