説明

電磁弁装置

【課題】電磁弁装置の小型化を図る。
【解決手段】調圧弁として機能する電磁弁50のスプリング室59に連通する第2ドレンポート52dにスプリング室用油路46aを接続し、このスプリング室用油路46aに吸入用逆止弁70を介して吸入用油路48を接続する共に吐出用逆止弁80を介してクラッチ用油路49bを接続する。また、電磁弁50は、調圧弁として機能させるときには、切替バルブ60によりスプリング室用油路46bとドレン用油路68とを接続してスプリング室59内の作動油をドレンする。これにより、電磁弁50を調圧弁として機能すると共に電磁ポンプとしても機能させることができるから、調圧弁と電磁ポンプとを別々に設けるものに比して装置をより小型化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電磁弁装置としては、作動油が流出入する各種ポートとして入力ポートと出力ポートとドレンポートとフィードバックポートとが形成された円柱状のバルブ室を有するスリーブと、バルブ室に挿入される軸状部材であってバルブ室の内径と略同一の外径の円柱形状の複数のランドとランドの外径よりも小さな外径の円柱形状で各ポート間を連通させる連通部とを有するスプールと、スプールを軸方向に移動させるソレノイドとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、電磁コイルの励磁と非励磁との繰り返しにより液体を圧送する電磁ポンプも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この電磁ポンプでは、ポンプ室を形成するピストンを弾発力により押圧するばね部材が取り付けられると共にばね部材の弾発力と逆向きに吸引力を発生させる電磁コイルが配置されており、電磁コイルを非励磁(OFF)とすることによりばね部材の弾発力でピストンを移動させることにより液体を吸引し、電磁コイルを励磁(ON)することにより電磁コイルの吸引力でピストンを移動させることにより吸引した液体を吐出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−176895号公報
【特許文献2】特開2007−126974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電磁弁の他にポンプも組み込まれた装置、例えば、車載用の自動変速機のクラッチ(ブレーキ)をオンオフするための油圧回路にクラッチ圧を調圧するための電磁弁(リニアソレノイド)や流体圧を発生させるためのポンプが組み込まれたものにおいては、その搭載スペースに制約がある場合があるため、できる限り小型化することが望ましい。
【0006】
本発明の電磁弁装置は、装置全体の小型化を図ることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電磁弁装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明の電磁弁装置は、
電磁部と、該電磁部の発生する電磁力により駆動されて摺動し流体圧源から供給される流体圧を調圧して出力する弁体と、該弁体を摺動方向に付勢するスプリングと、該スプリングを収納するスプリング室とを有する電磁弁と、
作動流体を貯留する貯留部と、
該貯留部から前記スプリング室への作動流体の流れを許容する吸入用逆止弁と、
前記スプリング室から前記貯留部とは異なる作動対象への作動流体の流れを許容する吐出用逆止弁とを備え、
前記スプリング室は、前記吸入用逆止弁からの作動流体の流入と前記吐出用逆止弁への作動流体の流出とを行なう一つの流入出ポートを備える
ことを特徴とする。
【0009】
この本発明の電磁弁装置では、電磁弁のスプリング室に、吸入用逆止弁からの作動流体の流入と吐出用逆止弁への作動流体の流出とを行なう一つの流入出ポートを備えるから、一つの電磁部を共用して調圧弁として機能させることができると共にポンプとしても機能させることができる。この結果、調圧弁と電磁ポンプとを別々に設けるものに比して装置全体をより小型化することができる。
【0010】
こうした本発明の電磁弁装置において、前記弁体は、入力ポートと出力ポートとが形成された中空のスリーブと、該スリーブ内を摺動することにより調圧を伴って前記入力ポートから入力された流体圧を前記出力ポートから出力されるよう前記スリーブとの間で調圧室を形成するスプールとを有し、前記スプリング室は、前記調圧室とは遮断された空間として形成されてなるものとすることもできる。こうすれば、一つのスリーブとスプールとにより調圧弁としての機能とポンプとしての機能を持たせることができ、装置をさらに小型化することができる。
【0011】
また、本発明の電磁弁装置において、前記スプリング室内の作動流体をドレンする第1の状態と、前記スプリング室内の作動流体のドレンを禁止する第2の状態とを切り替える切替バルブを備え、前記吐出用逆止弁は、前記切替バルブに内蔵されてなるものとすることもできる。こうすれば、装置をさらに小型化することができる。また、電磁弁を調圧弁として機能させるときには、切替バルブを用いてスプリング室内の作動流体をドレンするから、スプリング室内に残存している作動流体により調圧精度に悪影響を与えるのを防止することができる。この態様の本発明の電磁弁装置において、前記切替バルブは、前記電磁弁の弁体から出力された作動流体が流れる出力用流路と前記流入出ポートに接続されたスプリング室用流路と前記作動対象に接続された作動対象用流路と前記スプリング室内の作動流体をドレンするドレン用流路とが接続された中空部と、該中空部内を摺動するスプールと、前記中空部内に配置された前記吐出用逆止弁とを有し、前記スプールが第1のポジションにあるときには前記第1の状態として前記出力用流路と前記作動対象用流路とを連通し前記スプリング室用流路と前記作動対象用流路との連通を遮断し前記スプリング室用流路と前記ドレン用流路とを連通し、前記スプールが第2のポジションにあるときには前記第2の状態として前記出力用流路と前記作動対象用流路との連通を遮断し前記スプリング室用流路と前記ドレン用流路との連通を遮断し前記吐出用逆止弁を介して前記スプリング室用流路と前記作動対象用流路とを連通するよう構成されてなるものとすることもできる。この場合、前記切替バルブは、前記スプールと前記吐出用逆止弁とが同軸上に配置されてなるものとすることもできる。
【0012】
スプールと吐出用逆止弁とが同軸上に配置された態様の本発明の電磁弁装置において、前記吐出用逆止弁は、軸中心に前記スプリング室用流路に連通する中心孔が形成されると共に径方向に該中心孔と連通する貫通孔が形成された本体と、前記中心孔を開閉する開閉部材と、を備え、前記切替バルブは、前記スプールが前記第1のポジションにあるときには前記貫通孔と前記作動対象用流路との連通を遮断し、前記スプールが前記第2のポジションにあるときには前記貫通孔と前記作動対象用流路とを連通するものとすることもできる。こうすれば、比較的簡易な構成によりスプリング室内の作動流体を切替バルブを介してドレンすることができる。この態様の本発明の電磁弁装置において、前記切替バルブは、前記スプールが前記第1のポジションにあるときには前記貫通孔を介して前記スプリング室用流路と前記ドレン用流路とを連通するものとすることもできるし、前記吐出用逆止弁は、前記本体に前記中空部の径よりも縮径された縮径部が形成され、前記切替バルブは、前記スプールが前記第1のポジションにあるときには前記縮径部を介して前記スプリング室用流路と前記ドレン用流路とを連通するものとすることもできる。また、これらの態様の本発明の電磁弁装置において、前記吐出用逆止弁は、前記本体が前記スプールと一体的に動作するよう形成されてなるものとすることもできる。この場合、前記吐出用逆止弁は、前記本体が前記スプールに一体成型されてなるものとすることもできるし、前記吐出用逆止弁は、前記本体を前記スプールにねじ込むと共にねじ込み部をかしめることにより取り付けられてなるものとすることもできる。
【0013】
また、吐出用逆止弁は本体がスプールと一体的に動作するよう形成されてなる態様の本発明の電磁弁装置において、前記開閉部材は、ボールと、前記スプールをスプリング受けとして用いて前記ボールを付勢することにより前記中心孔を閉塞するスプリングとにより構成されてなるものとすることもできる。こうすれば、別途スプリング受けを設けるものに比して切替バルブをより小型化することができる。
【0014】
また、本発明の電磁弁装置において、前記スプリング室内の作動流体をドレンする第1の状態と、前記スプリング室内の作動流体のドレンを禁止する第2の状態とを切り替える切替バルブを備え、前記吸入用逆止弁と前記吐出用逆止弁は、前記電磁弁および前記切替バルブとは別体として構成されてなるものとすることもできる。この態様の本発明の電磁弁装置において、前記吸入用逆止弁と前記吐出用逆止弁は、バルブボディに組み込まれてなるものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例としての電磁弁装置を備える動力伝達装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】自動変速機構28の作動表である。
【図3】自動変速機構28の各回転要素の回転速度の関係を示す共線図である。
【図4】油圧回路30の構成の概略を示す構成図である。
【図5】切替バルブ60の構成の概略を示す構成図である。
【図6】変形例の切替バルブ160の構成の概略を示す構成図である。
【図7】変形例の油圧回路230の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の一実施例としての電磁弁装置を備える動力伝達装置20を搭載する車両10の構成の概略を示す構成図であり、図2は自動変速機構28の作動表である。
【0018】
実施例の動力伝達装置20は、図示するように、例えば、FF(フロントエンジンフロントドライブ)タイプの車両10に搭載されるものとして構成されており、EGECU(エンジン用電子制御ユニット)16による運転制御を受けるエンジン12からの動力をトルクの増幅を伴って伝達するロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ26と、トルクコンバータ26からの動力を変速を伴って車輪18a,18bに伝達する自動変速機構28と、装置全体をコントロールするATECU(自動変速機用電子制御ユニット)29とを備える。ATECU29は、EGECU16と共に車両全体をコントロールするメインECU(メイン電子制御ユニット)90に通信可能に接続されており、互いに制御信号や運転状態に関するデータのやり取りを行なっている。なお、メインECU90には、シフトレバー91の操作位置を検出するシフトポジションセンサ92からのシフトポジションSPやアクセルペダル93の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ94からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル95の踏み込みを検出するブレーキスイッチ96からのブレーキスイッチ信号BSW,車速センサ98からの車速Vなどが入力されている。
【0019】
トルクコンバータ26は、エンジン12のクランクシャフト14に接続されたポンプインペラ26aと、自動変速機構28の入力軸22に接続されポンプインペラ26aに対向配置されたタービンランナ26bとを備え、ポンプインペラ26aによりエンジントルクを作動油の流れに変換すると共にこの作動油の流れをタービンランナ26bが入力軸22上のトルクに変換することによりトルクの伝達を行なう。また、トルクコンバータ26は、ロックアップクラッチ26cを内蔵しており、ロックアップクラッチ26cを係合することによりエンジンのクランクシャフト21と自動変速機構28の入力軸22とを直結して直接にエンジントルクを伝達する。
【0020】
自動変速機構28は、プラネタリギヤユニットPUと三つのクラッチC1,C2,C3と二つのブレーキB1,B2とワンウェイクラッチF1とを備える。プラネタリギヤユニットPUは、ラビニヨ式の遊星歯車機構として構成されており、外歯歯車の二つのサンギヤS1,S2と、内歯歯車のリングギヤRと、サンギヤS1に噛合する複数のショートピニオンギヤPSと、サンギヤS2および複数のショートピニオンギヤPSに噛合すると共にリングギヤRに噛合する複数のロングピニオンギヤPLと、複数のショートピニオンギヤPSおよび複数のロングピニオンギヤPLとを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリアCRと、を備え、サンギヤS1はクラッチC1を介して入力軸22に接続されており、サンギヤS2はクラッチC3を介して入力軸22に接続されると共にブレーキB1によりその回転が自由にまたは禁止されるようになっており、リングギヤRは出力軸24に接続されており、キャリアCRはクラッチC2を介して入力軸24に接続されている。また、キャリアCRは、ワンウェイクラッチF1によりその回転を一方向に規制されると共にワンウェイクラッチF1に対して並列的に設けられたブレーキB2によりその回転が自由にまたは禁止されるようになっている。なお、出力軸24に出力された動力は、図示しないカウンタギヤやデファレンシャルギヤを介して車輪18a,18bに伝達される。
【0021】
また、自動変速機構28は、図2の作動表に示すように、クラッチC1〜C3とブレーキB1,B2のオンオフの組み合わせにより前進1速〜4速と後進とを切り替えることができるようになっている。なお、図3に、自動変速機構28の各変速段におけるサンギヤS1,S2とリングギヤRとキャリアCRの回転速度の関係を示す共線図を示す。
【0022】
自動変速機構28におけるクラッチC1〜C3のオンオフとブレーキB1,B2のオンオフは、油圧回路30により行なわれる。図4は、油圧回路30の構成の概略を示す構成図であり、図5は、電磁弁50と切替バルブ60とを中心とした構成の概略を示す構成図である。油圧回路30は、図示するように、エンジン12からの動力によりストレーナ32を介して作動油を圧送する機械式オイルポンプ34と、機械式オイルポンプ34から圧送された作動油を調圧してライン圧PLを生成するレギュレータバルブ36と、ライン圧PLから図示しないモジュレータバルブを介して生成されるモジュレータ圧PMODを調圧して信号圧として出力することによりレギュレータバルブ36を駆動するリニアソレノイドSLTと、ライン圧PLを入力する入力ポート38aとD(ドライブ)ポジション用出力ポート38bとR(リバース)ポジション用出力ポート38cなどが形成されシフトレバー91の操作に連動して各ポート間の連通と遮断とを行なうマニュアルバルブ38と、マニュアルバルブ38のDポジション用出力ポート38bから出力された作動油を入力ポート52aを介して入力し第1ドレンポート52cへの排出を伴って調圧して出力ポート52bから出力する調圧弁として機能すると共にストレーナ32と機械式オイルポンプ34との間の吸入用油路48の作動油を吸入して吐出する電磁ポンプとしても機能する電磁弁50と、電磁弁50を調圧弁として機能させて調圧弁からの油圧をクラッチC1に供給する状態と電磁弁50を電磁ポンプとして機能させて電磁ポンプからの油圧をクラッチC1に供給する状態とを切り替える切替バルブ60などにより構成されている。なお、図4では、クラッチC1以外のクラッチC2,C3やブレーキB1,B2の油圧系については本発明の中核をなさないから省略しているが、これらの油圧系については周知のリニアソレノイドなどを用いて構成することができる。
【0023】
電磁弁50は、図5に示すように、コイルに電流を印加することにより形成される磁気回路により吸引力を発生させてプランジャ51aを駆動するソレノイド部51と、入力ポート52aと出力ポート52bと第1ドレンポート52cと第2ドレンポート52dとが形成された中空のスリーブ52と、ソレノイド部51のプランジャ51aの駆動に伴ってスリーブ52内を摺動し入力ポート52aと出力ポート52bと第1ドレンポート52cの各ポート間の連通と遮断とを行なう調圧室58を形成するスプール54と、調圧室58と空間的に遮断され第2ドレンポート52dと連通するスプリング室59に配置されてスプール54をソレノイド部51とは逆側から付勢するスプリング56とからなるリニアソレノイドバルブとして構成されている。
【0024】
切替バルブ60は、図5に示すように、機械式オイルポンプ34に接続されたライン圧用油路42と電磁弁50の出力ポート52bに接続された出力ポート用油路45とクラッチC1に接続されたクラッチ用油路49a,49bと機械式オイルポンプ34とストレーナ32との間の吸入用油路48と電磁弁50のスプリング室59(第2ドレンポート52d)に接続されたスプリング室用油路46a,46bとドレン用油路68とが接続された円筒空間62内を摺動するスプール64と、円筒空間62内に配置された吸入用逆止弁70と、同じく円筒空間62内に配置されると共にスプール64にねじ込みにより連結された吐出用逆止弁80と、スプール64を付勢するスプリング66とにより構成されている。この切替バルブ60は、スプール64,吐出用逆止弁80,吸入用逆止弁70の順に配置されており、吐出用逆止弁80と吸入用逆止弁70との間にスプリング66が設けられている。したがって、スプリング66は、吸入用逆止弁70をスプリング受けとして吐出用逆止弁80を介してスプール64を付勢する。なお、円筒空間62は、バルブボディに直接形成するものとしてもよいし、別部材により形成するものとしてもよい。
【0025】
吸入用逆止弁70は、軸中心に大径と小径の段差を有する中心孔72aが形成された中空円筒状の本体72と、中心孔72aに大径側から挿入されたボール74と、ボール74を本体72に押し付けるスプリング76と、本体72の中心孔72aに大径側からねじ込みにより連結され端面でスプリング76を受ける中空円筒状のスプリング受け78とを備え、下流が正圧のときにはスプリング76の付勢力によりボール74が中心孔72aを閉塞することにより閉弁し、負圧のときにはスプリング76の収縮を伴って中心孔72aを解放することにより開弁する。なお、本体72とスプリング受け78との連結部は、その連結が緩まないよう外面から縮径方向にカシメられている。
【0026】
吐出用逆止弁80は、軸中心に大径と小径の段差を有する中心孔82aが形成されると共に径方向に中心孔82aと連通する貫通孔82bが形成された中空円筒状の本体82と、中心孔82aに大径側から挿入されたボール84と、本体82の中心孔82aに大径側から螺合されたスプール64をスプリング受けとしてボール84を本体82に押し付けるスプリング86と、を備え、下流が正圧のときにはスプリング86の付勢力によりボール84が中心孔82aを閉塞することにより閉弁し、負圧のときにはスプリング86が収縮を伴って中心孔82aを解放することにより開弁する。なお、本体82とスプール64との連結部は、その連結が緩まないよう外面から縮径方向にカシメられている。
【0027】
切替バルブ60は、ライン圧PLがライン圧用油路42に入力されているときには、スプリング66の収縮を伴ってスプール64と吐出用逆止弁80とが図中下方に移動することにより、出力ポート用油路45とクラッチ用油路49aとを接続し貫通孔82bを介してスプリング室用油路46aとドレン用油路68とを接続する(図5(a)参照)。したがって、電磁弁50を調圧弁として機能させることにより、調圧を伴って出力ポート52bから出力された作動油をクラッチC1に作用させることができる。また、切替バルブ60は、ライン圧PLがライン圧用油路42に入力されていないときには、付勢力によりスプリング66の伸張を伴ってスプール64と吐出用逆止弁80とが図中上方に移動することにより、出力ポート用油路45とクラッチ用油路49aとの接続を遮断しスプリング室用油路46bとクラッチ用油路49bとの接続を遮断し吸入用逆止弁70(連通孔72b,中心孔72a)を介して吸入用油路48とスプリング室用油路46aとを接続し吐出用逆止弁80(中心孔82a,貫通孔82b)を介してスプリング室用油路46aとクラッチ用油路49bとを接続する(図5(b)参照)。電磁弁50では、ソレノイド部51の駆動によりスプール54を押し出している状態からソレノイド部51の駆動を解除すると、スプリング56によりスプール54が押し戻されるから、スプリング室59内に負圧が生じて吸入用逆止弁70が開弁すると共に吐出用逆止弁80が閉弁し、作動油は吸入用油路48,吸入用逆止弁70,スプリング室用油路46aを順に介してスプリング室59に導入される。次に、ソレノイド部51を駆動すると、スプール54が押し出されるから、スプリング室59内に正圧が生じて吸入用逆止弁70が閉弁すると共に吐出用逆止弁80が開弁し、スプリング室59に導入された作動油はスプリング室用油路46a,吐出用逆止弁80,クラッチ用油路49bを順に介してクラッチC1に供給される。したがって、ソレノイド部51を駆動と駆動の解除とを一定周期で繰り返すことにより、電磁弁50を電磁ポンプとして機能させてクラッチC1に作動油を供給することができる。
【0028】
こうして構成された実施例の車両10では、シフトレバー91をD(ドライブ)の走行ポジションとして走行しているときに、車速Vが値0,アクセルオフ,ブレーキスイッチ信号BSWがオンなど予め設定された自動停止条件の全てが成立したときにエンジン12を自動停止する。エンジン12が自動停止されると、その後、ブレーキスイッチ信号BSWがオフなど予め設定された自動始動条件が成立したときに自動停止したエンジン12を自動始動する。
【0029】
実施例の車両10では、自動停止条件が成立してエンジン12が自動停止したときには、これに伴って機械式オイルポンプ34も停止するから、ライン圧PLが抜け、切替バルブ60のスプール64は出力ポート用油路45とクラッチ用油路49aとの接続を遮断しスプリング室用油路46bとクラッチ用油路49bとの接続を遮断し吸入用逆止弁70を介して吸入用油路48とスプリング室用油路46aとを接続すると共に吐出用逆止弁80を介してスプリング室用油路46aとクラッチ用油路49bとを接続する。したがって、電磁弁50を電磁ポンプとして機能させることにより、クラッチC1に油圧を作用させることができる。次に、自動始動条件が成立して停止しているエンジン12が自動始動されると、これに伴って機械式オイルポンプ34が作動するから、ライン圧PLが供給され、切替バルブ60のスプール64は出力ポート用油路45とクラッチ用油路49aとを接続すると共にスプリング室用油路46bとドレン用油路68とを接続する。したがって、電磁弁50を調圧弁として機能させることにより、クラッチC1を完全に係合して車両を発進させることができる。このとき、切替バルブ60はスプリング室用油路46bとドレン用油路68とを接続し、スプリング室59内に残存している作動油はドレンされるから、電磁弁50の調圧精度に悪影響を与えることはない。このようにエンジン12が自動停止している最中に電磁弁50を電磁ポンプとして機能させてクラッチC1に油圧を作用させておくことにより、エンジン12が自動始動した直後に電磁弁50を調圧弁として機能させたときにクラッチC1を迅速に係合させることができるから、発進をスムーズに行なうことができる。なお、実施例では、電磁弁50を、電磁ポンプとしての圧送性能がクラッチC1のピストンとドラムとの間に設けられたシールリングなどから漏れ出る量だけ作動油が補充できる程度となるよう設計するものとした。
【0030】
以上説明した実施例の電磁弁装置によれば、調圧弁として機能する電磁弁50のスプリング室59に連通する第2ドレンポート52dにスプリング室用油路46aを接続し、このスプリング室用油路46aに吸入用逆止弁70を介して吸入用油路48を接続すると共に吐出用逆止弁80を介してクラッチ用油路49bを接続するから、電磁弁50のスプリング室59を用いて電磁ポンプとしても機能させることができる。この結果、調圧弁と電磁ポンプとを別々に設けるものに比して油圧回路30をより小型化することができ、ひいては装置をより小型化することができる。また、電磁弁50は、調圧弁として機能させるとき即ち機械式オイルポンプ34が駆動してライン圧PLが生成されているときには、切替バルブ60によりスプリング室用油路46bとドレン用油路68とを接続してスプリング室59内の作動油をドレンするから、スプリング室59内に残存する作動油により調圧精度に悪影響を及ぼすのを防止することができる。また、電磁弁50のスプリング室59(第2ドレンポート52d)に接続する吸入用逆止弁70と吐出用逆止弁80とを切替バルブ60に内蔵するから、装置をさらに小型化することができる。
【0031】
実施例の電磁弁装置では、円筒空間62にライン圧用油路42と出力ポート用油路45とクラッチ用油路49a,49bと吸入用油路48とスプリング室用油路46a,46bとドレン用油路68とを接続してこれらの油路間の連通を遮断とをスプール64により切り替える切替バルブ60を備えるものとしたが、これに限られず、図6に例示する切替バルブ160を用いるものとしてもよい。切替バルブ160は、図示するように、ライン圧用油路42に接続された信号圧用入力ポート162aと出力ポート用油路45に接続された入力ポート162bとクラッチ用油路49に接続された出力ポート162c,162dとスプリング室用油路46b,46aにそれぞれ接続された入力ポート162eおよび出力ポート162fと吸入用油路48に接続された入力ポート162gとドレン用油路168,169にそれぞれ接続されたドレンポート162h,162iとが形成されたスリーブ162と、スリーブ162内を軸方向に摺動し吐出用逆止弁180と一体化されたスプール164と、スプール164を軸方向に付勢するスプリング166と、スリーブ162内に内蔵された吸入用逆止弁170とにより構成されている。
【0032】
吸入用逆止弁170は、軸中心に大径と小径の段差を有する中心孔172aが形成された中空円筒状の本体172と、中心孔172aの段差をスプリング受けとして大径側から挿入されたスプリング176と、スプリング176を挿入した後に中心孔172aに大径側から挿入されたボール174と、中心孔172aに挿入されてボール174を受ける中空円筒状のボール受け178と、ボール受け178を本体172に固定するためのスナップリング179とにより構成されている。一方、吐出用逆止弁180は、スプール164と一体成型され軸中心に凹状に中心孔182aが形成されると共に径方向に中心孔182aを貫通する貫通孔182bが形成された本体182と、中心孔182aの底をスプリング受けとして中心孔182aに挿入されたスプリング186と、スプリング186を挿入した後に中心孔182aに挿入されたボール184と、中心孔182aに挿入されてボール184を受ける中空円筒状のボール受け188と、ボール受け188を本体182に固定するためのスナップリング189とにより構成されている。また、吐出用逆止弁180の本体182には、外径の一部が縮径した縮径部182cが形成されている。
【0033】
こうした切替バルブ160では、ライン圧PLが信号圧用入力ポート162aに入力されているときにはライン圧PLによりスプリング166の収縮を伴ってスプール164が図中下方に移動し、入力ポート162bと出力ポート162cとを連通し縮径部182cを介して入力ポート162eとドレンポート162iとを連通するため、電磁弁50を調圧弁として機能させることにより、出力ポート52bからクラッチC1に油圧を作用させることができる。このとき、スプリング室59内に残存している作動油は、第2ドレンポート52d,スプリング室用油路46b,入力ポート162e,縮径部182c,ドレンポート162iを順に介してドレンされるから、電磁弁50の調圧精度に悪影響を与えることはない。また、吸入用逆止弁170の本体172には、吐出用逆止弁180の本体182と当接する部分に連通孔172bが形成されており、吸入用逆止弁170と吐出用逆止弁180との間の空間に残存している作動油も、出力ポート162f,スプリング室用油路46a,46b,入力ポート162e,縮径部182c,ドレンポート162iを順に介してドレンされるようになっている。また、ライン圧PLが信号圧用入力ポート162aに入力されていないときには付勢力によりスプリング166の伸張を伴ってスプール164が図中上方に移動し、入力ポート162bと出力ポート162cとの連通を遮断し入力ポート162gと出力ポート162fとを吸入用逆止弁170(中心孔172a,連通孔172b)を介して連通し入力ポート162e,162fと出力ポート162dとを吐出用逆止弁180(中心孔182a,貫通孔182b)を介して連通し入力ポート162eとドレンポート162h,162iとの連通を遮断するため、電磁弁50を電磁ポンプとして機能させることにより、作動油を吸入用油路48,切替バルブ160の入力ポート162g,吸入用逆止弁170,出力ポート162f,スプリング室用油路46aを順に介してスプリング室59に吸入すると共に吸入した作動油をスプリング室用油路46b,46b,切替バルブ160の入力ポート162e,162f,吐出用逆止弁180,出力ポート162dを順に介してクラッチC1に供給する。
【0034】
実施例の電磁弁装置では、吸入用逆止弁70と吐出用逆止弁80とを切替バルブ60に内蔵するものとしたが、吐出用逆止弁を切替バルブに内蔵するが吸入用逆止弁を切替バルブ外のバルブボディに組み込むものとしてもよいし、吸入用逆止弁を切替バルブに内蔵するが吐出用逆止弁は切替バルブ外のバルブボディに組み込むものとしてもよいし、吸入用逆止弁と吐出用逆止弁とを共に切替バルブ外のバルブボディに組み込むものとしてもよい。吸入用逆止弁と吐出用逆止弁とをバルブボディに組み込む場合の油圧回路30Cの一例を図7に示す。吸入用逆止弁270と吐出用逆止弁280は、円筒形状のハウジングにボールとスプリングとが配置されて構成されており、バルブボディに形成された凹部に嵌合されて組み込まれている。切替バルブ260は、ライン圧用油路42に接続された信号圧用入力ポート262aと出力ポート用油路45に接続された入力ポート262bとスプリング室用油路46に吐出用逆止弁280を介して接続された入力ポート262cとクラッチ用油路49に接続された出力ポート262dと吸入用油路48に接続された入力ポート262eとスプリング室用油路46に吸入用逆止弁270を介して接続された出力ポート262fとスプリング室用油路46に接続された入力ポート262hとドレンポート262iとが形成されたスリーブ262と、スリーブ262内を軸方向に摺動するスプール264と、スプール264を軸方向に付勢するスプリング266とにより構成されている。この切替バルブ260は、ライン圧PLが信号圧用入力ポート262aに入力されているときにはスプリング266の収縮に伴ってスプール264が図中右側の領域に示す位置に移動し、入力ポート262bと出力ポート262dとを連通し入力ポート262cと出力ポート262dとの連通を遮断し入力ポート262hとドレンポート262iとを連通するため、電磁弁50を調圧弁として機能させることにより、出力ポート52bからクラッチC1に油圧を作用させることができる。このとき、スプリング室59内に残存している作動油は、第2ドレンポート52d,スプリング室用油路46,入力ポート262h,ドレンポート262iを順に介してドレンされるから、電磁弁50の調圧精度に悪影響を与えることはない。また、ライン圧PLが信号圧用入力ポート262aに入力されていないときには付勢力によりスプリング266の伸張を伴ってスプール264が図中左側の領域に示す位置に移動し、入力ポート262bと出力ポート262dとの連通を遮断し入力ポート262cと出力ポート262dとを連通し入力ポート262eと出力ポート262fとを連通し入力ポート262hとドレンポート262iとの連通を遮断するため、電磁弁50を電磁ポンプとして機能させることにより、作動油を吸入用油路48,切替バルブ60の入力ポート262e,出力ポート262f,吸入用逆止弁270,スプリング室用油路46を順に介してスプリング室59に吸入すると共に吸入した作動油をスプリング室用油路46,吐出用逆止弁280,切替バルブ60の入力ポート262c,出力ポート262dを順に介してクラッチC1に供給する。
【0035】
実施例の電磁弁装置では、切替バルブ60をライン圧PLを用いて駆動するものとしたが、ライン圧PLを図示しないモジュレータバルブを介して降圧したモジュレータ圧PMODを用いて駆動するものとしてもよいし、ライン圧PLやモジュレータ圧がソレノイドバルブを介して切替バルブ60に供給されるようにしてこのソレノイドバルブを用いて駆動するものとしても構わない。
【0036】
実施例の電磁弁装置では、クラッチC1の油圧を調圧するリニアソレノイドSLC1と電磁ポンプとを組み合わせて電磁弁20を構成するものとしたが、これに限られず、例えば、レギュレータバルブ36を駆動するリニアソレノイドSLTと電磁ポンプとを組み合わせるものとしてもよいし、リニアソレノイドに代えてオンオフソレノイドバルブと電磁ポンプとを組み合わせるものとしてもよい。
【0037】
実施例では、前進1速〜4速の4段変速の自動変速機構28を組み込むものとしたが、これに限定されるものではなく、2段変速や3段変速や5段以上の変速段とするなど如何なる段数の自動変速機構を組み込むものとしてもよい。
【0038】
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、ソレノイド部51が「電磁部」に相当し、調圧室58を形成するスリーブ52やスプール54が「弁体」に相当し、スプリング室59が「スプリング室」に相当し、吸入用油路48が「貯留部」に相当し、吸入用逆止弁70が「吸入用逆止弁」に相当し、吐出用逆止弁80が「吐出用逆止弁」に相当し、第2ドレンポート52dが「流入出ポート」に相当する。また、切替バルブ60が「切替バルブ」に相当する。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、自動車産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 車両、12 エンジン、14 クランクシャフト、16 エンジン用電子制御ユニット(EGECU)、18a,18b 車輪、20 動力伝達装置、22 入力軸、24 出力軸、26 トルクコンバータ、26a ポンプインペラ、26b タービンランナ、26c ロックアップクラッチ、28 自動変速機構、29 自動変速機用電子制御ユニット(ATECU)、30 油圧回路、32 ストレーナ、34 機械式オイルポンプ、36 レギュレータバルブ、38 マニュアルバルブ、38a 入力ポート、38b ドライブ(D)ポジション用出力ポート、38c リバース(R)ポジション用出力ポート、42 ライン圧用油路、44 油路、45 出力ポート用油路、46,46a,46b スプリング室用油路、48 吸入用油路、49,49a,49b クラッチ用油路、50 電磁弁、51 ソレノイド部、51a プランジャ、52 スリーブ、52a 入力ポート、52b 出力ポート、52c 第1ドレンポート、52d 第2ドレンポート、54 スプール、56 スプリング、58 調圧室、59 スプリング室、60,160,260 切替バルブ、62,162,262 スリーブ、64,164,264 スプール、66,166,266 スプリング、68,168 ドレン用油路、70,170 吸入用逆止弁、72,172 本体、72a,172a 中心孔、74,174 ボール、76,176 スプリング、78 スプリング受け、80,180 吐出用逆止弁、82,182 本体、82a,182a 中心孔、84,184 ボール、86,186 スプリング、90 メイン電子制御ユニット(メインECU)、91 シフトレバー、92 シフトポジションセンサ、93 アクセルペダル、94 アクセルペダルポジションセンサ、95 ブレーキペダル、96 ブレーキスイッチ、98 車速センサ、162a,262a 信号圧用入力ポート、162b,262b 入力ポート、162c 出力ポート、162d,262d 出力ポート、162e,262e 入力ポート、162f,262f 出力ポート、162g 入力ポート、162h,162i ドレンポート、178 ボール受け、179 スナップリング、182b 貫通孔、188 ボール受け、189 スナップリング、262c,262h 入力ポート、262g,262i ドレンポート、SLT リニアソレノイド、PU プラネタリギヤユニット、S1,S2 サンギヤ、R リングギヤ、PS ショートピニオンギヤ、PL ロングピニオンギヤ、CR キャリア、C1〜C3 クラッチ、B1,B2 ブレーキ、F1 ワンウェイクラッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁部と、該電磁部の発生する電磁力により駆動されて摺動し流体圧源から供給される流体圧を調圧して出力する弁体と、該弁体を摺動方向に付勢するスプリングと、該スプリングを収納するスプリング室とを有する電磁弁と、
作動流体を貯留する貯留部と、
該貯留部から前記スプリング室への作動流体の流れを許容する吸入用逆止弁と、
前記スプリング室から前記貯留部とは異なる作動対象への作動流体の流れを許容する吐出用逆止弁とを備え、
前記スプリング室は、前記吸入用逆止弁からの作動流体の流入と前記吐出用逆止弁への作動流体の流出とを行なう一つの流入出ポートを備える
電磁弁装置。
【請求項2】
請求項1記載の電磁弁装置であって、
前記弁体は、入力ポートと出力ポートとが形成された中空のスリーブと、該スリーブ内を摺動することにより調圧を伴って前記入力ポートから入力された流体圧を前記出力ポートから出力されるよう前記スリーブとの間で調圧室を形成するスプールとを有し、
前記スプリング室は、前記調圧室とは遮断された空間として形成されてなる
ことを特徴とする電磁弁装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の電磁弁装置であって、
前記スプリング室内の作動流体をドレンする第1の状態と、前記スプリング室内の作動流体のドレンを禁止する第2の状態とを切り替える切替バルブを備え、
前記吐出用逆止弁は、前記切替バルブに内蔵されてなる
ことを特徴とする電磁弁装置。
【請求項4】
前記切替バルブは、前記電磁弁の弁体から出力された作動流体が流れる出力用流路と前記流入出ポートに接続されたスプリング室用流路と前記作動対象に接続された作動対象用流路と前記スプリング室内の作動流体をドレンするドレン用流路とが接続された中空部と、該中空部内を摺動するスプールと、前記中空部内に配置された前記吐出用逆止弁とを有し、前記スプールが第1のポジションにあるときには前記第1の状態として前記出力用流路と前記作動対象用流路とを連通し前記スプリング室用流路と前記作動対象用流路との連通を遮断し前記スプリング室用流路と前記ドレン用流路とを連通し、前記スプールが第2のポジションにあるときには前記第2の状態として前記出力用流路と前記作動対象用流路との連通を遮断し前記スプリング室用流路と前記ドレン用流路との連通を遮断し前記吐出用逆止弁を介して前記スプリング室用流路と前記作動対象用流路とを連通するよう構成されてなることを特徴とする請求項3記載の電磁弁装置。
【請求項5】
前記切替バルブは、前記スプールと前記吐出用逆止弁とが同軸上に配置されてなることを特徴とする請求項4記載の電磁弁装置。
【請求項6】
請求項5記載の電磁弁装置であって、
前記吐出用逆止弁は、軸中心に前記スプリング室用流路に連通する中心孔が形成されると共に径方向に該中心孔と連通する貫通孔が形成された本体と、前記中心孔を開閉する開閉部材と、を備え、
前記切替バルブは、前記スプールが前記第1のポジションにあるときには前記貫通孔と前記作動対象用流路との連通を遮断し、前記スプールが前記第2のポジションにあるときには前記貫通孔と前記作動対象用流路とを連通する
ことを特徴とする電磁弁装置。
【請求項7】
前記切替バルブは、前記スプールが前記第1のポジションにあるときには前記貫通孔を介して前記スプリング室用流路と前記ドレン用流路とを連通することを特徴とする請求項6記載の電磁弁装置。
【請求項8】
請求項6記載の動力伝達装置であって、
前記吐出用逆止弁は、前記本体に前記中空部の径よりも縮径された縮径部が形成され、
前記切替バルブは、前記スプールが前記第1のポジションにあるときには前記縮径部を介して前記スプリング室用流路と前記ドレン用流路とを連通する
ことを特徴とする電磁弁装置。
【請求項9】
前記吐出用逆止弁は、前記本体が前記スプールと一体的に動作するよう形成されてなる請求項6ないし8いずれか1項に記載の電磁弁装置。
【請求項10】
前記吐出用逆止弁は、前記本体が前記スプールに一体成型されてなる請求項9記載の電磁弁装置。
【請求項11】
前記吐出用逆止弁は、前記本体を前記スプールにねじ込むと共にねじ込み部をかしめることにより取り付けられてなる請求項9記載の電磁弁装置。
【請求項12】
前記開閉部材は、ボールと、前記スプールをスプリング受けとして用いて前記ボールを付勢することにより前記中心孔を閉塞するスプリングとにより構成されてなる請求項6ないし11いずれか1項に記載の電磁弁装置。
【請求項13】
前記吸入用逆止弁は、前記切替バルブに内蔵されてなる請求項3ないし12いずれか1項に記載の電磁弁装置。
【請求項14】
請求項1または2記載の電磁弁装置であって、
前記スプリング室内の作動流体をドレンする第1の状態と、前記スプリング室内の作動流体のドレンを禁止する第2の状態とを切り替える切替バルブを備え、
前記吸入用逆止弁と前記吐出用逆止弁は、前記電磁弁および前記切替バルブとは別体として構成されてなる
ことを特徴とする電磁弁装置。
【請求項15】
前記吸入用逆止弁と前記吐出用逆止弁は、バルブボディに組み込まれてなることを特徴とする請求項14記載の電磁弁装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−223359(P2010−223359A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72198(P2009−72198)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】