説明

静電容量センサ及びその製造方法

【課題】静電容量センサのダイヤフラムとプレートの応力を最適化する。
【解決手段】可動電極を形成するダイヤフラムとなる膜を堆積し、前記ダイヤフラムとなる膜を第一の温度に加熱し、前記ダイヤフラムとなる膜を加熱した後に、前記可動電極に対する静止電極を形成するプレートとなる膜を堆積する、ことを含む静電容量センサの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量センサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧力センサやマイクロホンとして用いられる静電容量センサが知られている(例えば特許文献1参照)。静電容量センサは、コンデンサの対向電極として機能するダイヤフラムとプレートを備え、ダイヤフラムに加わる力に応じたダイヤフラムの変位を電気信号に変換して出力する。すなわち、静電容量センサはバイアス電圧を印加した状態で使用され、ダイヤフラムの変位による静電容量の変化が電圧の変化として静電容量センサから出力される。
【特許文献1】特表2002−518913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、半導体プロセスの材料として一般的なドープト多結晶シリコン膜によってダイヤフラムとプレートを形成する場合、膜に大きな引張方向の応力が蓄積される。しかし、力に対するダイヤフラムの変位を増大させると感度が増大するため、ダイヤフラムの応力によって決まる張力は小さい方が望ましい。一方、ダイヤフラムとプレートが静電引力によって密着しないように、プレートの剛性は高い方が望ましい。プレートの応力はプレートの剛性を決める一因子である。
【0004】
本発明は、静電容量センサのダイヤフラムとプレートの応力を最適化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記目的を達成するための静電容量センサの製造方法は、可動電極を形成するダイヤフラムとなる膜を堆積し、前記ダイヤフラムとなる膜を第一の温度に加熱し、前記ダイヤフラムとなる膜を加熱した後に、前記可動電極に対する静止電極を形成するプレートとなる膜を堆積する、ことを含む。
【0006】
堆積により形成される膜には結晶欠陥が内在し、この結晶欠陥が膜の内部に応力をもたらす。結晶欠陥は加熱により修復されるため、膜の温度や加熱時間を制御することにより膜の応力を制御することができる。この製造方法では、ダイヤフラムとなる膜の熱処理履歴とプレートとなる膜の熱処理履歴を異ならせ、その差分によってダイヤフラムとプレートの応力に差をつける。したがって、この製造方法では、ダイヤフラムの応力をプレートの応力よりも小さくすることができる。
【0007】
(2)上記目的を達成するための静電容量センサの製造方法において、前記プレートとなる膜を堆積した後に、前記ダイヤフラムとなる膜と前記プレートとなる膜とを第二の温度まで加熱する、ことを含んでもよい。
【0008】
この製造方法によると、プレートの応力を加熱により制御することができる。
【0009】
(3)上記目的を達成するための静電容量センサの製造方法において、前記第二の温度は前記第一の温度より低くてもよい。
【0010】
膜の応力は加わる熱の温度がある温度範囲では高ければ高いほど小さくなる。この製造方法によると、加熱処理によりプレートが至る温度はダイヤフラムとなる膜が2回の加熱処理で至る温度よりも低いため、プレートの応力をダイヤフラムの応力よりも高くすることができる。
【0011】
(4)上記目的を達成するための静電容量センサの製造方法において、前記ダイヤフラムとなる膜と前記プレートとなる膜の間にシリコン酸化膜を形成し、前記シリコン酸化膜をチップ毎に分断した後に、前記ダイヤフラムとなる膜と前記プレートとなる膜とを前記第二の温度に加熱しても良い。
【0012】
シリコン酸化膜が高温に加熱されると、シリコン酸化膜には大きな圧縮応力が蓄積される。薄く大きなワークの表面全体に形成されているシリコン酸化膜に大きな圧縮応力が蓄積されると、その圧縮応力によってクラックが生ずる場合がある。この製造方法によると、ダイヤフラムとプレートの間にあるシリコン酸化膜が加熱される前に、シリコン酸化膜がチップ毎に分断されるため、そのようなクラックを防止することができる。
【0013】
(5)上記目的を達成するための静電容量センサの製造方法において、前記シリコン酸化膜を形成するための処理温度は前記第一の温度よりも前記第二の温度よりも低くても良い。
【0014】
この場合、シリコン酸化膜の形成による影響をダイヤフラムとなる膜の応力が受けにくく、第一の温度と第二の温度とでダイヤフラムとなる膜の応力を調整できる。
【0015】
(6)上記目的を達成するための静電容量センサの製造方法において、前記ダイヤフラムとなる膜と前記プレートとなる膜とは同一組成であっても良い。
【0016】
(7)上記目的を達成するための静電容量センサの製造方法において、前記ダイヤフラムとなる膜は不純物が拡散している多結晶シリコン膜であっても良い。
【0017】
膜の形成方法や膜の性質の制御方法が種々確立されている多結晶シリコン膜をダイヤフラムとプレートに用いることにより、高品質な静電容量センサを安価に形成することができる。
【0018】
(8)上記目的を達成するための静電容量センサの製造方法において、前記不純物には例えば燐を用いる。
【0019】
(9)上記目的を達成するための静電容量センサは、堆積により形成された膜からなり可動電極を形成しているダイヤフラムと、堆積により形成された膜からなり前記可動電極に対する静止電極を形成しているプレートとを備え、前記ダイヤフラムと前記プレートの応力は異なる熱処理履歴を経て調整されている。
【0020】
尚、請求項に記載された動作の順序は、技術的な阻害要因がない限りにおいて記載順に限定されず、同時に実行されても良いし、記載順の逆順に実行されても良いし、連続した順序で実行されなくても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
・構成
図1は本発明にかかる静電容量センサの一実施形態としてのコンデンサマイクロホン1を示す断面図である。コンデンサマイクロホン1は半導体製造プロセスを用いて積層された複数の薄膜で機能要素が構成されている。
【0022】
プレート33とダイヤフラム36とはそれぞれ燐が高濃度に拡散している多結晶シリコンなどからなる導電膜12、14によって形成されている。燐が高濃度に拡散している多結晶シリコン膜を形成すると強い引張応力(例えば200MPa)が膜内に蓄積されるが、ダイヤフラム36の引張応力は20MPa以下に調整されている。プレート33の応力はダイヤフラム36とは異なる熱処理履歴を経てダイヤフラム36の応力に比べて高い約100MPaに設定されている。
【0023】
導電膜12は単結晶シリコンなどからなる基板10の上に接合されたシリコン酸化膜などの絶縁膜11の上に接合されている。導電膜12と導電膜14との間にはシリコン酸化膜などの絶縁膜13が接合されている。絶縁膜11と絶縁膜13とは、導電膜12の一部と導電膜14の一部との間に空隙が形成され、導電膜12の一部が絶縁膜11の残部で構成されるスペーサ35に張り渡され、導電膜14の一部が絶縁膜13の残部に張り渡される構造になるようにパターニングされている。導電膜12の、絶縁膜11の残部に張り渡されている部分がダイヤフラム36に相当する。本実施形態では振動するダイヤフラム36の全体が静止電極を形成しているが、静止電極がダイヤフラム36の一部に限定的に形成されていてもよい。例えばダイヤフラム36が導電膜と絶縁膜を含む複層膜で形成されていても良い。導電膜14の、絶縁膜13の残部で構成されるスペーサ32に張り渡されている部分がプレート33に相当する。本実施形態ではダイヤフラム36に向かい合うプレート33の全体が静止電極を形成しているが、静止電極がプレート33の一部に限定的に形成されていても良い。例えばプレート33が導電膜と絶縁膜を含む複層膜で形成されていても良い。プレート33には音波をダイヤフラム36に到達させるための複数の通孔34が形成されている。
【0024】
導電膜12にはダイヤフラム36を外部の信号処理回路に接続するための電極30が接合されている。導電膜14にはプレート33を外部の信号処理回路に接続するための電極38が接合されている。基板10には基板10を基準電位端子に接続するための電極39が接合されている。電極30、38、39は例えばアルミシリコン系の導電膜19からなる。
【0025】
基板10のダイヤフラム36の直下部分には通孔101が形成されている。通孔101の開口は実装基板によって閉塞される。通孔101はダイヤフラム36の直下にバックキャビティ37を形成している。バックキャビティ37は、導電膜12に形成されている通孔31を介して大気圧空間に解放されている。ダイヤフラム36を支持しているスペーサ35はダイヤフラム36の周方向に分断されており、バックキャビティ37と大気空間とをつなぐ図示しない通路を形成している。
【0026】
・作動
コンデンサマイクロホン1は図示しない実装基板に固定され、ダイヤフラム36とプレート33とにバイアス電圧が印加された状態で使用される。通孔34から音波がダイヤフラム36に到達すると、ダイヤフラム36が振動する。このとき、通孔34を通過した音波が回り込むため、プレート33は実質的に静止した状態を維持する。すなわち、ダイヤフラム36がプレート33に対して振動することにより、ダイヤフラム36とプレート33とで構成されるコンデンサの容量が振動する。この容量変化は、電極30、38、39に接続される外部の信号処理回路によって電圧信号に変換される。
【0027】
ダイヤフラム36は応力が20MPa以下に調整された導電膜12で形成されているため、小さな張力でスペーサ35に張り渡されている。このようにダイヤフラム36の張力を低減することにより、コンデンサマイクロホン1の感度は増大する。
【0028】
ダイヤフラム36がプレート33に接近するとダイヤフラム36とプレート33との間に作用する静電引力が増大する。このときプレート33がダイヤフラム36に引きつけられてたわむと、ダイヤフラム36がプレート33に吸着される現象であるプルインが発生する。本実施形態ではスペーサ32に張り渡されているプレート33の張力を増大するため、プレート33を形成している導電膜14の応力がダイヤフラム36を形成している導電膜12の応力に比べて大きい約100MPaに調整されている。このようにプレート33の張力を増大することにより、プルインを防止することができる。
【0029】
・製造方法
図2から図8はコンデンサマイクロホン1の製造方法の一例を示す断面図である。
はじめに図2Aに示すように、基板10となる単結晶シリコンウェハの表面に絶縁膜11としてシリコン酸化膜をCVDなどによって堆積させる。絶縁膜11はダイヤフラム36を支持するスペーサ35を形成するとともに導電膜12と基板10とを絶縁するための膜である。
【0030】
次に図2Bに示すように、絶縁膜11の表面にダイヤフラム36となる導電膜12を減圧CVDなどによって堆積させる。導電膜12は前述したとおり例えば燐が高濃度にドープされた多結晶シリコン膜であり、例えば、膜の堆積と同時にドーパントを膜内に導入するin−situ(インサイチュウ)により形成される。原料ガスは、PH/SiHのモル比が例えば0.155のものを使用する。このとき、導電膜12には強い引張応力が蓄積される。
【0031】
次に図2Cに示すように、導電膜12をパターニングするためのフォトレジストマスク17を形成する。
【0032】
次に図2Dに示すように、フォトレジストマスク17を用いて導電膜12の不要部を異方性ドライエッチングにより除去する。その結果、ダイヤフラム36の通孔31と、ダイヤフラム36と電極30、38、39とを接続するための配線部とが形成される。
【0033】
堆積により形成された導電膜12には結晶欠陥が内在し、この結晶欠陥が導電膜12の内部に応力をもたらしている。結晶欠陥は加熱により修復されるため、膜の温度や加熱時間を制御することにより膜の応力を制御することができる。
そこで図3Aに示すようにフォトレジストマスク17を除去した状態において、ダイヤフラム36となる導電膜12の応力を緩和するための第一の加熱処理を実施する。ただし、第一の加熱処理の段階では、最終的にダイヤフラム36に残す応力には調整せず、後述する第二の加熱処理を経て最終的にダイヤフラム36の応力が調整されるように加熱条件が設定される。最終的にダイヤフラム36に残す応力を約20MPaとすると、1回のランプアニールでは900℃から925℃程度にダイヤフラム36を加熱する必要がある(図9参照)。そこで、第二の加熱処理による応力緩和分を考慮し、この段階では例えばランプアニールにより850℃から900℃までの温度に5〜15秒間程度ダイヤフラム36を加熱する。
【0034】
次に図3Bに示すように、ダイヤフラム36とプレート33との間に空隙を形成し、ダイヤフラム36を形成する導電膜12とプレート33を形成する導電膜14とを絶縁するための絶縁膜13を導電膜12の上に形成する。絶縁膜13は上述したとおりたとえばシリコン酸化膜などからなり、例えばダイヤフラム36の応力に影響を与えない低い温度のガスを用いたCVDにより形成される。
【0035】
次に図3Cに示すように、絶縁膜13の表面にプレート33となる導電膜14を堆積させる。導電膜14は上述したように例えば燐が高濃度に拡散している多結晶シリコン膜であり、例えば、膜の堆積と同時にドーパントを膜内に導入するin−situ(インサイチュウ)により形成される。原料ガスは、PH/SiHのモル比が例えば0.1〜0.5のものを使用する。成膜温度は550℃〜650℃の範囲である。このとき、導電膜14には強い引張応力が蓄積される。PH/SiHのモル比のオーダーが10−1レベルの高濃度の場合、加熱処理により応力緩和の効果を期待できる。
【0036】
次に図3Dに示すように、導電膜14をパターニングするためのフォトレジストマスク15を形成する。
【0037】
次に図4Aに示すように、フォトレジストマスク15を用いて導電膜14の不要部を異方性ドライエッチングにより除去する。その結果、プレート33の通孔34と、プレート33と電極38とを接続するための配線部とが形成される。
【0038】
次に図4Bに示すように、フォトレジストマスク15を除去する。
【0039】
次に図4Cに示すように、シリコン酸化膜13と導電膜14を覆う絶縁膜16をワークの表面全体に形成する。絶縁膜16は例えばプレート33とダイヤフラム36の応力に影響を与えない低い温度のガスを用いたCVDにより形成される。具体的には例えば、絶縁膜16は400℃以下の雰囲気で成膜可能なプラズマCVDによる成膜方法により形成される。
【0040】
次に図4Dに示すように、絶縁膜16をパターニングするためのフォトレジストマスク18を形成する。
【0041】
次に図5Aに示すように、基板10、ダイヤフラム36となる導電膜12、プレートとなる導電膜14のそれぞれに電極30、38、39を接続するための接続孔163、161、162を、フォトレジストマスク18を用いたウェットエッチングやドライエッチングやこれらの組み合わせにより形成する。
【0042】
次に図5Bに示すようにフォトレジストマスク18を除去した状態で、チップ毎に分断するための図示しないスクライブラインを形成する。その結果、基板10に溝が形成されるとともに、基板10の上に積層されている絶縁膜11、絶縁膜13、絶縁膜16がチップ毎に分断される。
【0043】
堆積により形成された導電膜14には結晶欠陥が内在し、この結晶欠陥が導電膜14の内部に応力をもたらしている。結晶欠陥は加熱により修復されるため、膜の温度や加熱時間を制御することにより膜の応力を制御することができる。
そこでスクライブラインを形成した後、電極30、38、39を形成する前に、第二の加熱処理を実施し、ダイヤフラム36とプレート33の応力を調整する。第二の加熱処理をこのタイミングで実施する理由は次の通りである。シリコン酸化膜が高温に加熱されると、応力が引張応力から圧縮応力に変化する。第一の理由は、基板10となるウェハ全体を切れ目のないシリコン酸化膜が覆っている状態では、その圧縮応力によるクラックが生ずる可能性があるからである。また第二の理由は、電極30、38、39を低融点材料で形成する場合には、電極30、38、39を形成した後に高温に加熱することはできないからである。
【0044】
第二の加熱処理は、ダイヤフラム36の応力を最終目標値に調整するとともに、プレート33の応力を緩和するものである。プレート33にダイヤフラム36よりも高い応力を残すため、第二の加熱処理では第一の加熱処理よりも低い温度が適用される。具体的には、第一の加熱処理の設定温度が850℃から900℃であるのに対し、第二の加熱処理の設定温度は例えば約850℃、加熱時間は5〜15秒に設定される。このような温度設定では、プレート33には約100MPaの引張応力が残り、ダイヤフラム36には約20MPaの引張応力が残る。
【0045】
次に図5Cに示すように、電極30、38、39を形成するための導電膜19をワークの表面全体に堆積させる。導電膜19は上述したように例えばアルミシリコン系の膜である。
【0046】
次に図5Dに示すように、導電膜19をパターニングするためのフォトレジストマスク20を形成する。
【0047】
次に図6Aに示すように、フォトレジストマスク20を用いたウェットエッチングにより導電膜19の不要部を除去する。その結果、電極30、38、39が形成される。
【0048】
次に図6Bに示すように、フォトレジストマスク20を除去する。
【0049】
次に図6Cに示すように、基板10の裏面に堆積している導電膜12と導電膜14とを研削により除去する。
【0050】
次に図6Dに示すように、基板10に通孔101を形成するためのフォトレジストマスク21を形成する。
【0051】
次に図7Aに示すように、フォトレジストマスク21を用いた異方性ドライエッチングにより基板10に通孔101を形成する。
【0052】
次に図7Bに示すように、フォトレジストマスク21を除去する。
【0053】
次に図7Cに示すように、絶縁膜16をパターニングするためのフォトレジストマスク22を形成し、フォトレジストマスク22を用いて絶縁膜16の一部をウェットエッチングにより除去することにより、プレート33となる導電膜14とダイヤフラム36となる導電膜12との間にある絶縁膜13を露出させる。
【0054】
次に図8Aに示すように、フォトレジストマスク22と導電膜14の間と通孔34とから露出している絶縁膜13の不要部と、通孔101から露出している絶縁膜11の不要部とをバッファードフッ酸などを用いたウェットエッチングにより除去する。その結果、スペーサ35とスペーサ32とが形成されるとともにダイヤフラム36とプレート33との間に空隙が形成される。
【0055】
最後に図8Bに示すように、フォトレジストマスク22を除去し、スクライブラインに沿って基板10を分断すると、コンデンサマイクロホン1が完成する。
【0056】
・その他の実施形態
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えばダイヤフラム36とプレート33はゲルマニウム、カーボン等の多結晶ポリシリコン以外の材料で構成しても良い。また例えばダイヤフラム36とプレート33に拡散させる不純物はボロンやヒ素でもよい。また、本発明はコンデンサマイクロホン以外の例えば圧力センサなどに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態にかかる断面図。
【図2】本発明の一実施形態にかかる断面図。
【図3】本発明の一実施形態にかかる断面図。
【図4】本発明の一実施形態にかかる断面図。
【図5】本発明の一実施形態にかかる断面図。
【図6】本発明の一実施形態にかかる断面図。
【図7】本発明の一実施形態にかかる断面図。
【図8】本発明の一実施形態にかかる断面図。
【図9】本発明の一実施形態にかかるグラフ。
【符号の説明】
【0058】
1:コンデンサマイクロホン、10:基板、11:絶縁膜、11:導電膜、12:導電膜、13:絶縁膜、14:導電膜、16:絶縁膜、19:導電膜、30:電極、31:通孔、32:スペーサ、33:プレート、34:通孔、35:スペーサ、36:ダイヤフラム、37:バックキャビティ、38:電極、39:電極、101:通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動電極を形成するダイヤフラムとなる膜を堆積し、
前記ダイヤフラムとなる膜を第一の温度に加熱し、
前記ダイヤフラムとなる膜を加熱した後に、前記可動電極に対する静止電極を形成するプレートとなる膜を堆積する、
ことを含む静電容量センサの製造方法。
【請求項2】
前記プレートとなる膜を堆積した後に、前記ダイヤフラムとなる膜と前記プレートとなる膜とを第二の温度に加熱する、
ことを含む請求項1に記載の静電容量センサの製造方法。
【請求項3】
前記第二の温度は前記第一の温度より低い、
請求項2に記載の静電容量センサの製造方法。
【請求項4】
前記ダイヤフラムとなる膜と前記プレートとなる膜の間にシリコン酸化膜を形成し、
前記シリコン酸化膜をチップ毎に分断した後に、前記ダイヤフラムとなる膜と前記プレートとなる膜とを前記第二の温度に加熱する、
請求項2または3に記載の静電容量センサの製造方法。
【請求項5】
前記シリコン酸化膜を形成するための処理温度は前記第一の温度よりも前記第二の温度よりも低い、
請求項4に記載の静電容量センサの製造方法。
【請求項6】
前記ダイヤフラムとなる膜と前記プレートとなる膜とは同一組成である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電容量センサの製造方法。
【請求項7】
前記ダイヤフラムとなる膜と前記プレートとなる膜とは不純物が拡散している多結晶シリコン膜である、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電容量センサの製造方法。
【請求項8】
前記不純物は燐である、
請求項7に記載の静電容量センサの製造方法。
【請求項9】
堆積により形成された膜からなり可動電極を形成しているダイヤフラムと、
堆積により形成された膜からなり前記可動電極に対する静止電極を形成しているプレートとを備え、
前記ダイヤフラムと前記プレートの応力は異なる熱処理履歴を経て調整されている、
静電容量センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−51511(P2008−51511A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−224978(P2006−224978)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】