説明

非選択性酸化物エッチング湿式洗浄組成物および使用方法

ドープされたシリコン含有材料の除去よりも速いかまたは等しい速度で、ドープされていないシリコン含有材料をマイクロエレクトロニクスデバイスから除去するための組成物および方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本発明は、一般に、ドープされたシリコン含有材料に対して、ドープされていないシリコン含有材料を選択的に除去する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
熱酸化物(ThOx)、CVD−TEOS、ボロホスホシリケートガラス(BPSG)、ボロシリケートガラス(BSG)、スピンオン誘電体(SOD)およびホスホシリケートガラス(PSG)などの様々なシリコン含有フィルムが半導体製造において使用されている。最も一般的な2種類は、ThOxおよびBPSGである。熱酸化物は典型的に純粋な二酸化シリコンから構成され、絶縁層が必要とされる時に利用される。例えば、熱酸化シリコンの「ゲート」薄層は、導電層を互いに分離するために、しばしば利用される。BPSG層は、ホウ素およびリンでドープされた酸化シリコンを含む。これらの層はアルカリ金属イオン汚染物質を「除去する(gettering)」目的に役に立ち、さもなければ、汚染物質が下層に移動して層材料の電気特性に悪影響を与え、デバイスの信頼性低下を引き起こし得る。
【0003】
これらのシリコン含有材料は、基板表面上でいくつかのパターン層に形成され、ますます高いアスペクト比および小さい寸法を有するように設計される。製造の間、ポストエッチング(post-ecth)またはポストアッシュ(post-ash)残渣は、パターン材料に損傷を与えることなく、パターン表面から除去されなければならない。例えば、コンタクトホール(contact-hole)の底の残渣(主にThOx)は、より密度の低いドープされたシリコン含有酸化物の最小エッチングによる除去を必要とする。都合が悪いことに、エッチング選択性および/またはポストエッチングまたはポストアッシュ残渣除去に関して設計された先行技術の除去組成物および方法は、ドープされていないシリコン含有材料(例えばThOx)よりも、ドープされたシリコン含有材料(例えばBPSG)の除去を優先するものであった。これによって、限界寸法が不利益に変更されたパターンが生じる。
【0004】
本開示は、特有のエッチング選択性、低エッチング速度、および強力な洗浄能力を有する、ドープされた酸化物およびドープされていない酸化物のための「液体コンタクトクリーナー」の開発に重点を置く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
概要
本発明は、一般に、ドープされたシリコン含有材料よりも速い速度または実質的に等しい速度で、ドープされていないシリコン含有材料を除去する組成物に関する。好ましい実施形態において、マイクロエレクトロニクスデバイス上に存在するドープされていないシリコン含有材料に対し、ドープされたシリコン含有材料をオーバーエッチングすることなく、マイクロエレクトロニクスデバイスの表面から、ポストエッチングおよび/またはポストアッシュ残渣を除去するための組成物および方法が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種のグリコール溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種とを含み、添加された水を実質的に含まない湿式洗浄組成物が記載される。
【0007】
別の態様において、少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種のグリコール溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種と、少なくとも1種の長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物とを含み、添加された水を実質的に含まない湿式洗浄組成物が記載される。
【0008】
さらに別の態様において、フッ化アンモニウムと、エチレングリコールと、イミノジ酢酸と、ポリエチレンイミンポリマーとを含む湿式洗浄組成物が記載される。
【0009】
なお別の態様において、フッ化アンモニウムと、エチレングリコールと、イミノジ酢酸と、ポリエチレンイミンポリマーと、長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物とを含む湿式洗浄組成物が記載される。
【0010】
別の態様は、ドープされたシリコン含有材料に対して、ドープされていないシリコン含有材料を選択的に除去する方法であって、ドープされていないシリコン含有材料およびドープされたシリコン含有材料を上に有するマイクロエレクトロニクスデバイスを接触条件下で湿式洗浄組成物と接触させることを含み、前記湿式洗浄組成物が、少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種のグリコール溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種とを含み、また前記組成物が、水を実質的に含まない方法に関する。この組成物は、少なくとも1種の長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物をさらに含んでもよい。
【0011】
さらに別の態様は、マイクロエレクトロニクスデバイスからポストエッチングおよび/またはポストアッシュ残渣を除去する方法であって、ポストエッチングおよび/またはポストアッシュ残渣を上に有するマイクロエレクトロニクスデバイスを接触条件下で湿式洗浄組成物と接触させることを含み、前記湿式洗浄組成物が、少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種のグリコール溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種とを含み、前記デバイス上に存在するドープされていないシリコン含有材料のエッチング速度が、前記デバイス上に存在するドープされたシリコン含有材料のエッチング速度より速いかまたは実質的に等しく、前記組成物が、水を実質的に含まない方法に関する。この組成物は、少なくとも1種の長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物をさらに含んでもよい。
【0012】
別の態様において、組成物を形成するための以下の試薬の1種以上を、1個以上の容器中に含むキットであって、前記組成物が、少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種のグリコール溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種とを含み、ポストエッチング残渣、ポストアッシュ残渣、ドープされたシリコン含有材料、ドープされていないシリコン含有材料およびそれらの組み合わせを除去するために適切な組成物を形成するために応用されるキットが記載される。
【0013】
他の態様、特徴および利点については、以下の開示および添付の特許請求の範囲からより完全に明白である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】4KÅ TEOSおよび4.5KÅ PSGから製造された「壁」を有する約500ÅのPE−CVD SiN基部からなり、4分間45℃で調製物Bによって処理されたスタックのC/S SEM画像を例示する。
【図2】調製物Bを使用して洗浄された図1中のものと同様のスタックのC/S SEM画像を例示する(45℃/4分間)。
【図3】希釈HFを使用して洗浄された図1中のものと同様のスタックのC/S SEM画像を例示する(45℃/4分間)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、一般に、マイクロエレクトロニクスデバイスからポストエッチングおよび/またはポストアッシュ残渣を除去するための湿式洗浄組成物および方法であって、前記デバイス上に存在するドープされていないシリコン含有材料のエッチング速度が、前記デバイス上に存在するドープされたシリコン含有材料のエッチング速度よりも速い速度または実質的に等しい組成物および方法に関する。好ましくは、この湿式洗浄組成物は、接触プロフィールまたはパターンの限界寸法に対する影響が最少であり、シリコンおよび金属と適合性であり、後処理接触面が疎水性または親水性であり、安定である。
【0016】
参照の容易さのため、「マイクロエレクトロニクスデバイス」は、マイクロエレクトロニクス、集積回路またはコンピュータチップ用途のために製造された半導体基板、太陽電池(フォトボルタイクス)、フラットパネルディスプレーと微小電気機械システム(MEMS)と対応する。「マイクロエレクトロニクスデバイス」、「マイクロエレクトロニクス基板」および「マイクロエレクトロニクスデバイス構造」という用語は、決して限定するように意味するものではなく、最終的にマイクロエレクトロニクスデバイスまたはマイクロエレクトロニクスアセンブリとなるいかなる基板または構造も含むことは理解されるべきである。マイクロエレクトロニクスデバイスにはパターンがついていてよく、被覆されていてもよく、対照および/または試験デバイスであり得る。
【0017】
本明細書に使用される場合、「約」は、明示された値の±5%に相当する。
【0018】
本明細書に使用される場合、「ドープされていないシリコン含有材料」または「高密度誘電体」は、ホウ素、二フッ化ホウ素、リン、ヒ素、ガリウム、アンチモン、炭素、窒素およびインジウムなどの「ドーパント」を実質的に含まないシリケート材料に相当する。ドープされていないシリコン含有材料の例としては、限定されないが、付着方法に関係なく、熱酸化物、高密度プラズマ付着酸化物およびTEOSが挙げられる。「ドープされたシリコン含有材料」または「低密度誘電体」は、限定されないが、BSG、PSG、BPSG、FSG(フルオロシリケートガラス)、SiCOH、SiON、SiCON、炭素ドープ酸化物(CDO)およびSODを含む「ドーパント」を含む酸化シリコン材料に相当する。誘電体がゲルマニウムをさらに含んでもよいことは理解されるべきである。
【0019】
本明細書中に使用される場合、「SOD」およびスピンオンガラス(SOG)は同義である。
【0020】
本明細書に定義される場合、「実質的に含まない」とは、組成物の全重量を基準にして、組成物の約2重量%未満、より好ましくは1重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満に相当する。
【0021】
本明細書に定義される場合、「添加された水」は、本発明の組成物の利用者または生産者によって添加される水に相当する。添加された水は、本発明の組成物を形成するために混合される市販の化学製品にしばしば見られる水または吸湿水(hygrosopic water)には相当しない。
【0022】
本明細書に定義される場合、「実質的に等しい」は、ドープされたシリコン含有材料のエッチング速度(Å分−1)とドープされていないシリコン含有材料のエッチング速度とが同じ、または±40%であることに相当する。
【0023】
組成物は、以下により完全に記載されるように、多種多様な具体的な調製物で実現されてもよい。
【0024】
組成物の具体的な成分が、ゼロ下限を含む重量パーセント範囲に関して検討されるすべてのそのような組成物において、そのような成分は、組成物の様々な具体的な実施形態において存在しても不在でもよく、そのような成分が存在する場合、それらは、そのような成分が使用される組成物の全重量を基準にして0.001重量パーセント程度の低濃度で存在してもよいことは理解されるであろう。
【0025】
一態様において、少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種の有機溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種とを含むか、それらからなるか、またはそれらから本質的になり、添加された水を実質的に含まない湿式洗浄組成物が記載される。好ましい実施形態において、少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種のグリコール溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種とを含むか、それらからなるか、またはそれらから本質的になり、添加された水を実質的に含まない湿式洗浄組成物が記載される。
【0026】
少なくとも1種のフッ化物供給源は、二フッ化キセノン、ペンタメチルジエチレントリアンモニウムトリフルオリド、重フッ化アンモニウム、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩、フッ化水素アルキル(NRHF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)から選択される)、フッ化水素ジアルキルアンモニウム(NRF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキルから選択される)、フッ化水素トリアルキルアンモニウム(NRHF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキルから選択される)、フッ化三水素トリアルキルアンモニウム(NR:3HF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキルから選択される)、フッ化アンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化トリエタノールアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウムなどの式RNF(式中、各Rは、独立して、水素、C〜CアルキルおよびC〜Cアルカノール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)から選択される)のフッ化アンモニウム、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含んでもよい。
【0027】
少なくとも1種のグリコール溶媒は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、モノグリセリド、ジグリセリド、グリコールエーテル、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択されるグリコール溶媒を含んでもよい。グリコールエーテルは、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(すなわちブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む。
【0028】
少なくとも1種のキレート剤は、アセチルアセトネート(acetylacetonate)、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオンおよび1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオンなどのβ−ジケトネート化合物、ホルメートおよびアセテートおよび他の長鎖カルボキシレートなどのカルボキシレート、グリシン、セリン、プロリン、ロイシン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、バリンおよびリジンなどのアミンおよびアミノ酸、イミノジ酢酸(IDA)、マロン酸、シュウ酸、コハク酸、ホウ酸、ニトリロ三酢酸、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、マレイン酸、2,4−ペンタンジオン、塩化ベンザルコニウム、1−イミダゾールからなる群から選択されるポリプロトン酸、ならびにそれらの組み合わせを含んでもよい。追加的なキレート剤としては、ホスホン酸、ホスホン酸誘導体、例えば、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−トリス(メチレンホスホン酸)、エチドロン酸、エチレンジアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)および(1,2−シクロヘキシレンジニトリロ)テトラ酢酸(CDTA)、尿酸、テトラグライム、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、1,3,5−トリアジン−2,4,6―チチオール三ナトリウム塩水溶液、1,3,5−トリアジン−2,4,6−チチオールトリアンモニウム塩水溶液、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、1個のアルキル基(R=ヘキシル、オクチル、デシルまたはドデシル)および1個のオリゴエーテル(R(CHCHO)、式中、R=エチルまたはブチル)を有する二置換ジチオカルバメート(R(CHCHO)NRCS2Na)、硫酸アンモニウム、モノエタノールアミン(MEA)、Dequest 2000、Dequest 2010、Dequest 2060s、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、2−ヒドロキシピリジン1−オキシド、エチレンジアミンジコハク酸、五塩基性三リン酸ナトリウム(sodium triphosphate panta basic)、ならびに互いとのそれらの組み合わせ、または上記のβ−ジケトネート化合物、カルボキシレート、アミンおよびアミノ酸もしくはポリプロトン酸とのそれらの組み合わせが挙げられる。
【0029】
理論に制約されることを望まないが、少なくとも1種のポリマー種は、より良好な表面被覆のために添加され、フィルムの改善された表面保護及びより制御されたエッチング速度になると考えられる。好ましくは、ポリマー種は陽イオン性界面活性剤であり、少なくとも1種のポリプロピレンイミンデンドリマー(例えば、ポリプロピレンイミンテトラアミンデンドリマー、ポリプロピレンイミンオクタアミンデンドリマー、ポリプロピレンイミンヘキサデカアミンデンドリマー、ポリプロピレンイミンドトリアコンタアミンデンドリマー、ポリプロピレンイミンテトラヘキサコンタアミンデンドリマー)、ポリ(ビニルアミン)、ポリアミン、ポリイミドアミン、ポリエチルイミン、ポリアミドアミン、ポリ第4級アミン、ポリビニルアミド、ポリアクリルアミド、直鎖または分枝鎖ポリエチレンイミン、および前記ホモポリマーを含むか、またはそれらからなってもよく、カチオン性であっても、カチオン性でなくてもよいコポリマーを含んでよい。ポリマー種がポリエチレンイミンを含む場合、ポリエチレンイミン、エチレンジアミン−エチレンイミンコポリマー、水酸化ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。ポリマー種の例としては、Lupasol(登録商標)(BASF)およびEpomin(登録商標)(日本触媒)が挙げられる。
【0030】
好ましくは、湿式洗浄組成物のpHは、約4〜約9、好ましくは約5〜約9の範囲内である。
【0031】
一実施形態において、組成物は、限定されないが、ジシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジグリコールアミン、ピリジン、2−エチルピリジン、2−メトキシピリジンおよび3−メトキシピリジンなどのそれらの誘導体、2−ピコリン、ピリジン誘導体、ジメチルピリジン、ピペリジン、ピペラジン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、エチルアミン、メチルアミン、イソブチルアミン、第3級ブチルアミン、トリブチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピロール、イソキサゾール、1,2,4−トリアゾール、ビピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、インドール、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、アニリン、アニリン誘導体またはそれらの組み合わせを含む少なくとも1種のアミンをさらに含んでもよいか、それからなってもよいか、またはそれから本質的になってもよい。
【0032】
一実施形態において、湿式洗浄組成物は、提供される重量パーセント比で以下の成分を含む。
【0033】
【表1】

【0034】
別の実施形態において、湿式洗浄組成物は、提供される重量パーセント比で以下の成分を含む。
【0035】
【表2】

【0036】
一実施形態において、湿式洗浄組成物は、フッ化アンモニウム、エチレングリコール、イミノジ酢酸およびポリエチレンイミンポリマーを含むか、それらからなるか、またはそれらから本質的になる。好ましくは、ポリエチレンイミンポリマーは、Lupasol(登録商標)G20を含む。
【0037】
別の実施形態において、調製物は、疎水性表面を与えるために組成物に添加され、次の統合工程の待ち時間を増加させる長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物をさらに含む。好ましくは、長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物は、クロリドアニオンと組み合わせられたトリカプリルメチルアンモニウムカチオン[C2554]を含むが、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリドおよびポリ(アリルジメチルアンモニウム)クロリドを含む他のトリカプリルおよびトリオクチルメチルアンモニウムカチオン[C2554]含有化合物と、1個または2個の長鎖アルキルを有する塩も考えられる。長鎖アルキル基は、飽和であっても不飽和であってもよい。一実施形態において、長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物は、Aliquat 336(Cognis Corpの商標)を含む。したがって、特に好ましい実施形態において、組成物は、少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種のグリコール溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種と、少なくとも1種の長鎖第4級アンモニウム化合物とを含むか、それらからなるか、またはそれらから本質的になる。例えば、組成物は、フッ化アンモニウムと、エチレングリコールと、イミノジ酢酸と、ポリエチレンイミンポリマーと、長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物とを含んでもよいか、それらからなってもよいか、またはそれらから本質的になってもよい。好ましくは、ポリエチレンイミンポリマーは、Lupasol(登録商標)G20を含む。別の好ましい実施形態において、長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物は、Aliquat 336を含む。湿式洗浄組成物は、提供される重量パーセント比で以下の成分を含んでもよい。
【0038】
【表3】

【0039】
好ましくは、本発明の湿式洗浄組成物は、添加された水および添加されたHFを含まないか、または実質的に含まない。さらに、湿式洗浄組成物は、好ましくは、酸化剤、研磨材料、強酸および強塩基を含まない。
【0040】
湿式洗浄組成物は、それぞれの成分を単純に添加して、均質条件に混合することによって簡単に調製される。さらにまた、単一パッケージ調製物または使用時に混合される複数部の調製物として、組成物は容易に調製されてもよい。複数部の調製物の個々の部分は、ツールで、またはツール上流の貯蔵タンクで混合されてもよい。それぞれの成分の濃度は、組成物の特定の倍数で非常に様々あってよく、例えば、より希釈されるか、より濃縮され、組成物は、さまざまに、かつ、代替的に、本明細書に開示されたものと合致する成分のいかなる組み合わせを含むか、それらからなるか、それらから本質的になることができることは認識されるであろう。例えば、キレート剤とフッ化物供給源との、およびポリマー種とフッ化物供給源との詳述された重量パーセント比を有する濃縮物が調製されてもよく、利用者は、グリコール溶媒とフッ化物供給源と重量パーセント比が達成されるまで、組成物をグリコール溶媒で希釈してもよい。
【0041】
別の態様は、1個以上の容器中に、本明細書に記載の湿式洗浄組成物を形成するために構成された1種以上の成分を含むキットに関する。このキットは、1個以上の容器中に、少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種のグリコール溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種と、任意選択により少なくとも1種のアミンと、任意選択により少なくとも1種の長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物とを、そのまま、または希釈剤(例えば追加的なグリコール溶媒)と組み合わせるために含んでもよい。
【0042】
キットの容器は、その中に含有される成分を貯蔵および分配するために、化学的に評価されなければならない。例えば、キットの容器は、NOWPak(登録商標)容器(Advanced Technology Materials, Inc., (Danbury, Conn., USA))であってもよい。除去組成物の成分を含有する1個以上の容器は、好ましくは、ブレンドおよび分配のため、流体連通で前記1個以上の容器で成分を運搬する手段を含む。例えば、NOWPak(登録商標)容器を参照すると、前記1個以上の容器のライナーの外側に気体圧力が加えられ、ライナーの少なくとも一部の内容物が放出され、したがって、ブレンドおよび分配のための液体連通が可能となる。あるいは、従来の加圧可能な容器のヘッドスペースにガス圧力が加えられてもよく、または液体連通を可能にするためにポンプが使用されてもよい。加えて、この系は、好ましくは、ブレンドされた湿式洗浄組成物を加工ツールに分配するための分配ポートを含む。
【0043】
前記1個以上の容器のライナーを製作するために、好ましくは、高密度ポリエチレンなどの実質的に化学的に不活性で、不純物を含まず、可撓性で弾力のあるポリマーフィルム材料が使用される。望ましいライナー材料は、共押出形成またはバリア層を必要とすることなく、ライナーに配置される成分の純度必要条件に悪影響を与え得るいずれの顔料、UV抑制剤または加工剤も使用せずに加工される。望ましいライナー材料のリストには、バージン(添加剤を含まない)ポリエチレン、バージンポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリブチレンなどを含むフィルムが含まれる。そのようなライナー材料の好ましい厚さは、約5ミル(0.005インチ)〜約30ミル(0.030インチ)の範囲内であり、例えば、20ミル(0.020インチ)の厚さである。
【0044】
キットの容器に関して、以下の特許および特許出願の開示は、それらのそれぞれの全体を参照することによって本明細書に組み込まれる:「APPARATUS AND METHOD FOR MINIMIZING THE GENERATION OF PARTICLES IN ULTRAPURE LIQUIDS」と題された米国特許第7,188,644号、「RETURNABLE AND REUSABLE, BAG-IN-DRUM FLUID STORAGE AND DISPENSING CONTAINER SYSTEM」と題された米国特許第6,698,619号、ならびにJohn E.Q. Hughesの名義で2007年5月9日出願の「SYSTEMS AND METHODS FOR MATERIAL BLENDING AND DISTRIBUTION」と題された米国仮特許出願第60/916,966号ならびにAdvanced Technology Materials, Inc.の名義で2008年5月9日出願の「SYSTEMS AND METHODS FOR MATERIAL BLENDING AND DISTRIBUTION」と題された国際出願PCT/US08/63276号。
【0045】
マイクロエレクトロニクスデバイス製造操作に適用される場合、本発明の湿式洗浄組成物は、(i)マイクロエレクトロニクスデバイスの表面から、低密度誘電体(例えばドープされたシリコン含有材料)に対して、高密度誘電体(例えばドープされていないシリコン含有材料)を選択的に除去するために、および/または(ii)デバイス上に存在するドープされていないシリコン含有材料のエッチング速度が存在するドープされたシリコン含有材料のエッチング速度よりも早いか、または実質的に等しい条件で、マイクロエレクトロニクスデバイスの表面から、ポストエッチングおよび/またはポストアッシュ残渣を除去するために、有用に使用される。重要なことに、本発明の湿式洗浄組成物は、マイクロエレクトロニクスデバイス上に存在する下層、例えば、金属およびシリコンと適合可能である。
【0046】
本明細書に記載される組成物は、一工程または多工程除去プロセスにおいて使用されてもよいことは当業者によって認識される。好ましくは、除去される材料は、単一工程プロセスで除去される。
【0047】
洗浄の用途で、湿式洗浄組成物は、その上に除去される材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイス上にいずれかの適切な方法で、例えば、デバイスの表面に組成物を噴霧することによって、除去される材料を含むデバイスを浸す(大量の組成物に)ことによって、デバイスを別の材料、例えば、その上に吸収された組成物を有するパッドまたは繊維状吸着剤アプリケーター要素に接触させることによって、除去される材料を含むデバイスを循環組成物と接触させることによって、または湿式洗浄組成物に、マイクロエレクトロニクスデバイス上で除去される材料との接触がもたらされる他のいずれかの適切な手段、方法または技術によって適用される。当業者によって容易に決定されるように、洗浄用途は静的および/または動的であってよい。さらに、プロセスはバッチまたは単一ウエハーシステム用であってよい。湿式洗浄組成物と除去される材料との接触に続いて、湿式洗浄組成物は、前記湿式洗浄組成物中に懸濁および/または溶解されていてもよいドープされたシリコン含有材料、ドープされていないシリコン含有材料、ポストエッチング残渣、ポストアッシュ残渣およびそれらのの組み合わせからなる群から選択される残渣材料をさらに含んでよい。
【0048】
上に材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから材料を除去するための組成物の使用において、湿式洗浄組成物を、典型的に、約30秒〜約10分間、好ましくは約90秒〜7分間の十分な時間、約20℃〜約60℃、好ましくは約30〜50℃の範囲の温度などの十分な条件で、表面と接触させる。そのような接触時間および温度は例示であり、他のいずれかの適切な時間および温度条件も使用されてよい。
【0049】
エッチングのターゲットとしては、限定されないが、ThOx、BPSG、PSG、BSGおよびSODが含まれる。好ましくは、本研究のためのエッチングターゲットはThOxであり、約1Å分−1〜約20Å分−1、好ましくは約2Å分−1〜約10Å分−1、約35℃〜約50℃の範囲の温度で、BPSG対ThOxの選択性の比は、約0.4:1〜約1:1、好ましくは約0.4:1〜約0.6:1の範囲であり、PSG対ThOxの選択性の比は、約0.5:1〜約2.5:1、好ましくは約1:1〜約1.4:1の範囲であり、SOD対ThOxの選択性の比は、約0.5:1〜約1.4:1、好ましくは約1:1〜約1.4:1の範囲であり、BPSGは、3.6〜4.0%のBおよび3.3〜3.7%のPを含み、SOGは有機SOGであり、PSGは3.3〜3.7%のPを含む。ドープされた酸化物およびドープされていない酸化物に関して最良の観察された選択性は、1:1以下である。
【0050】
好都合にも、本明細書に記載される組成物は、ドープされたシリコン含有材料およびドープされていないシリコン含有材料を制御可能に除去する。加えて、組成物は、より容易に組成物を除去する有機溶媒以外の非常に低量の成分を有する。例えば、組成物は、好ましくは99重量%より多い有機溶媒を含む。
【0051】
本発明の特徴および利点については、以下の非限定的な実施例によって、より完全に例示される。全ての部およびパーセントは、他に明示されない限り、重量による。
【実施例】
【0052】
実施例1
組成物A:0.15重量%のIDA、0.04重量%のLupasol(登録商標)G20、0.25重量%のフッ化アンモニウム、99.56重量%のエチレングリコール。
【0053】
被覆されたBPSG(3000Åおよびアニール、3.6〜4.0% B、3.3〜3.7% P)、HDP(6000Å)、TEOS(2000Å)、ポリSi、ThOx(4000Å)、SOG(有機SOG、4500Å)、SiN(LPCVD(2000Å)およびPECVD(4000Å))、W(3000Å)、TiN(1000Å)およびPSG(4500Åおよびアニール、3.3〜3.7% P)を、攪拌せずに、指示された時間、30℃で組成物Aに浸漬し、表1の結果を得た。観察されるように、ほとんどの材料の選択性は、ThOxの選択性と同様であり、抵抗に基づき、金属および金属合金は組成物の影響を受けない。
【0054】
【表4】

【0055】
実施例2
組成物B:0.15重量%のIDA、0.04重量%のLupasol(登録商標)G20、0.25重量%のフッ化アンモニウム、0.06%のAliquat 336および99.50重量%のエチレングリコール。
【0056】
被覆されたBPSG(3000Åおよびアニール、3.6〜4.0% B、3.3〜3.7% P)、HDP(6000Å)、TEOS(2000Å)、ポリSi、ThOx(4000Å)、SOG(有機SOG、4500Å)、SiN(LPCVD(2000Å)およびPECVD(4000Å))、W(3000Å)、TiN(1000Å)およびPSG(4500Åおよびアニール、3.3〜3.7% P)を、攪拌せずに、指示された時間、30℃で組成物Bに浸漬し、表2の結果を得た。観察されるように、ほとんどの材料の選択性は、ThOxの選択性と同様であり、抵抗に基づき、金属および金属合金は組成物の影響を受けない。
【0057】
【表5】

【0058】
比較のために、被覆されたBPSG(3000Åおよびアニール、3.6〜4.0% B、3.3〜3.7% P)、HDP(6000Å)、TEOS(2000Å)、ポリSi、ThOx(4000Å)、SOG(有機SOG、4500Å)、SiN(LPCVD(2000Å)およびPECVD(4000Å))、W(3000Å)、TiN(1000Å)およびPSG(4500Åおよびアニール、3.3〜3.7% P)を、攪拌せずに、30分間、30℃で希釈フッ化水素酸(DHF)に浸漬し、表3の結果を得た。
【0059】
【表6】

【0060】
好ましくは、ドープされていないシリコン含有材料のエッチング速度は、ドープされたシリコン含有材料のエッチング速度より大きいか、実質的に等しいが、ドープされたもの:ドープされていないもののエッチング速度比が1を超える事例があることが認識される。例えば、PSG:DHFを有するThOxのエッチング速度は、5.89:1であったが、調製物Bを使用することにより、2.16:1まで大いに減少した。このような減少は、たとえ、ドープされたもの:ドープされていないもののエッチング速度比がなお1:1より大きい場合であっても、また都合がよい。
【0061】
実施例3
調製物Bを使用して、熱酸化物と比較した低エネルギーまたは高エネルギードーピングに応じて、ドープされたポリシリコンのエッチング速度を決定した。As75(低)、As75(高)、P31(低)、P31(高)、BF(低)およびBF(高)でドープされたポリシリコンの試料を30分間、30℃で調製物Bに浸漬し、それぞれのエッチング速度を決定した。熱酸化物と比較した、各ドープされた材料の選択性を表4に示す。各フィルムが熱酸化物と等しいか、それより低い速度でエッチングすることがわかる。
【0062】
【表7】

【0063】
実施例4
加えて、調製物のポストアッシュおよびコンタクトホール残渣除去能力も研究された。図1に、4分間、45℃で調製物Bによって処理されたクーポンのC/S SEM画像を例示する。約20ÅのThOx除去が生じた。4KÅ TEOSおよび4.5KÅ PSGから製造された「壁」を有する約500ÅのPE−CVD SiN基部からなるパターンのスタック構造についても図1に例示される。
【0064】
図2および図3には、それぞれ、調製物B(45℃/4分)および希釈フッ化水素酸(DHF)(25℃/4分)を使用して洗浄された同様の構造のクーポンのC/S SEM画像を例示する。DHFで洗浄されたクーポンでは、約13.6ÅのThOx除去が生じ、ポストアッシュ残渣は完全に除去されず、CDがある程度悪化したことがわかる。
【0065】
実施例5
以下の通り、追加的な組成物を調製した。
組成物C:0.18重量%のコハク酸、0.05重量%のLupasol(登録商標)G20、0.30重量%のフッ化アンモニウムおよび99.47重量%のプロピレングリコール。
組成物D:0.18重量%のコハク酸、0.05重量%のLupasol(登録商標)G20、0.15重量%のフッ化アンモニウム、0.15重量%の重フッ化アンモニウムおよび99.47重量%のプロピレングリコール。
組成物E:0.4重量%のIDA、0.14重量%のポリ(アリルアミン)、0.70重量%のフッ化アンモニウムおよび98.76重量%のエチレングリコール。
組成物F:0.4重量%のIDA、0.14重量%のポリ(アリルアミン)、0.70重量%のフッ化アンモニウム、0.2重量%のCTABおよび98.56重量%のエチレングリコール。
組成物G:0.4重量%のIDA、0.14重量%のポリ(アリルアミン)、0.70重量%のフッ化アンモニウム、0.15重量%のAliquat 336および98.61重量%のプロピレングリコール。
組成物H:0.2重量%のコハク酸、0.07重量%のLupasol(登録商標)G20、0.35重量%のフッ化アンモニウム、0.10重量%のCTABおよび99.28重量%のプロピレングリコール
【0066】
このように、本発明は、本明細書に、本発明の具体的な態様、特徴および具体例に関して記載されているが、発明の有用性がそのように限定されることはなく、むしろ、数多くの他の態様、特徴および実施形態にまで及び、それらを含むことは理解されるであろう。したがって、以下に明示される特許請求の範囲は、それらの趣旨および範囲内で、全てのそのような態様、特徴および実施形態を含むものとして、対応して広く解釈されるように意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種のグリコール溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種とを含み、添加された水を実質的に含まない、湿式洗浄組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種のフッ化物供給源が、二フッ化キセノン、ペンタメチルジエチレントリアンモニウムトリフルオリド、重フッ化アンモニウム、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩、フッ化水素アルキル(NRHF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキルから選択される)、フッ化水素ジアルキルアンモニウム(NRF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキルから選択される)、フッ化水素トリアルキルアンモニウム(NRHF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキルから選択される)、フッ化三水素トリアルキルアンモニウム(NR:3HF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキルから選択される)、式RNF(式中、各Rは、独立して、水素、C〜CアルキルおよびC〜Cアルカノールから選択される)のフッ化アンモニウム、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種のフッ化物供給源がフッ化アンモニウムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種のグリコール溶媒が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、モノグリセリド、ジグリセリド、グリコールエーテル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるグリコール溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記グリコールエーテルが、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(すなわちブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種のグリコール溶媒がエチレングリコールを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種のキレート剤がポリプロトン酸を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種のキレート剤が、アセチルアセトネート、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、ホルメート、アセテート、グリシン、セリン、プロリン、ロイシン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、バリン、リジン、イミノジ酢酸(IDA)、マロン酸、シュウ酸、コハク酸、ホウ酸、ニトリロ三酢酸、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、マレイン酸、2,4−ペンタンジオン、塩化ベンザルコニウム、1−イミダゾール、ホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−トリス(メチレンホスホン酸)、エチドロン酸、エチレンジアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、(1,2−シクロヘキシレンジニトリロ)テトラ酢酸(CDTA)、尿酸、テトラグライム、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、1,3,5−トリアジン−2,4,6−チチオール三ナトリウム塩水溶液、1,3,5−トリアジン−2,4,6−チチオールトリアンモニウム塩水溶液、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、二置換ジチオカルバメート、硫酸アンモニウム、モノエタノールアミン(MEA)、Dequest 2000、Dequest 2010、Dequest 2060s、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、2−ヒドロキシピリジン1−オキシド、エチレンジアミンジコハク酸、五塩基性三リン酸ナトリウム、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種のキレート剤がイミノジ酢酸を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種のポリマー種が陽イオン性界面活性剤である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種のポリマー種が、ポリプロピレンイミンデンドリマー、ポリ(ビニルアミン)、ポリアミン、ポリイミドアミン、ポリエチルイミン、ポリブタジエン、ポリアミドアミン、ポリ第4級アミン、ポリビニルアミド、ポリアクリルアミド、直鎖ポリエチレンイミン、分枝鎖ポリエチレンイミン、および前記ホモポリマーを含むコポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリエチレンイミンが、ポリエチレンイミン、エチレンジアミン−エチレンイミンコポリマー、水酸化ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記ポリマー種がポリエチレンイミンを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種の長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物が、トリカプリルメチルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、セチルトリメチルアンモニウムカチオン、ドデシルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムカチオン、ジオクチルジメチルアンモニウムカチオン、ポリ(アリルジメチルアンモニウム)カチオンおよびそれらの混合物からなる群から選択される種を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
フッ化アンモニウムと、エチレングリコールと、イミノジ酢酸と、ポリエチレンイミンポリマーとを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
フッ化アンモニウムと、エチレングリコールと、イミノジ酢酸と、ポリエチレンイミンポリマーと、長鎖アルキル第4級アンモニウム化合物とを含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
添加されたHFを実質的に含まない、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
ドープされたシリコン含有材料、ドープされていないシリコン含有材料、ポストエッチング残渣、ポストアッシュ残渣、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される残渣材料をさらに含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
熱酸化物(ThOx)、TEOS、ボロホスホシリケートガラス(BPSG)、ホスホシリケートガラス(PSG)、フルオロシリケートガラス(FSG)、スピンオン誘電体(SOD)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される残渣材料をさらに含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
pHが約4〜約9の範囲にある、請求項1〜20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
ドープされたシリコン含有材料に対して、ドープされていないシリコン含有材料を選択的に除去する方法であって、ドープされていないシリコン含有材料およびドープされたシリコン含有材料を上に有するマイクロエレクトロニクスデバイスを接触条件下で湿式洗浄組成物と接触させることを含み、前記湿式洗浄組成物が、少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種のグリコール溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種とを含み、前記組成物が、水を実質的に含まない、方法。
【請求項23】
マイクロエレクトロニクスデバイスからポストエッチングおよび/またはポストアッシュ残渣を除去する方法であって、ポストエッチングおよび/またはポストアッシュ残渣を上に有するマイクロエレクトロニクスデバイスを接触条件下で湿式洗浄組成物と接触させることを含み、前記湿式洗浄組成物が、少なくとも1種のフッ化物供給源と、少なくとも1種のグリコール溶媒と、少なくとも1種のキレート剤と、少なくとも1種のポリマー種とを含み、前記デバイス上に存在するドープされていないシリコン含有材料のエッチング速度が、前記デバイス上に存在するドープされたシリコン含有材料のエッチング速度より速いかまたは実質的に等しく、前記組成物が、水を実質的に含まない、方法。
【請求項24】
前記少なくとも1種のフッ化物供給源が、二フッ化キセノン、ペンタメチルジエチレントリアンモニウムトリフルオリド、重フッ化アンモニウム、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩、フッ化水素アルキル(NRHF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキルから選択される)、フッ化水素ジアルキルアンモニウム(NRF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキルから選択される)、フッ化水素トリアルキルアンモニウム(NRHF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキルから選択される)、フッ化三水素トリアルキルアンモニウム(NR:3HF)(式中、各Rは、独立して、水素およびC〜Cアルキルから選択される)、式RNF(式中、各Rは、独立して、水素、C〜CアルキルおよびC〜Cアルカノールから選択される)のフッ化アンモニウム、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1種のグリコール溶媒が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(すなわちブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるグリコール溶媒を含む、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1種のキレート剤が、アセチルアセトネート、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、ホルメート、アセテート、グリシン、セリン、プロリン、ロイシン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、バリン、リジン、イミノジ酢酸(IDA)、マロン酸、シュウ酸、コハク酸、ホウ酸、ニトリロ三酢酸、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、マレイン酸、2,4−ペンタンジオン、塩化ベンザルコニウム、1−イミダゾール、ホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−トリス(メチレンホスホン酸)、エチドロン酸、エチレンジアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、(1,2−シクロヘキシレンジニトリロ)テトラ酢酸(CDTA)、尿酸、テトラグライム、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、1,3,5−トリアジン−2,4,6−チチオール三ナトリウム塩水溶液、1,3,5−トリアジン−2,4,6−チチオールトリアンモニウム塩水溶液、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、二置換ジチオカルバメート、硫酸アンモニウム、モノエタノールアミン(MEA)、Dequest 2000、Dequest 2010、Dequest 2060s、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、2−ヒドロキシピリジン1−オキシド、エチレンジアミンジコハク酸、五塩基性三リン酸ナトリウム、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1種のポリマー種が、ポリプロピレンイミンデンドリマー、ポリ(ビニルアミン)、ポリアミン、ポリイミドアミン、ポリエチルイミン、ポリブタジエン、ポリアミドアミン、ポリ第4級アミン、ポリビニルアミド、ポリアクリルアミド、直鎖ポリエチレンイミン、分枝鎖ポリエチレンイミン、および前記のホモポリマーのコポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項22〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記接触条件が、約30秒〜約10分間の範囲の時間、約20℃〜約60℃の範囲の温度、およびそれらの組み合わせを含む、請求項22〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記ドープされていないシリコン含有材料が熱酸化物を含み、熱酸化物のエッチング速度が約1Å分−1〜約20Å分−1の範囲である、請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−517328(P2011−517328A)
【公表日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549916(P2010−549916)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/036366
【国際公開番号】WO2009/111719
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】