顔向き連動照明装置及び顔向き連動照明方法
【課題】無駄な照明を防止するとともに、顔の向きに従って適宜に車両の前方を照明する。
【解決手段】顔向きカメラ12は、車両の運転者の顔を撮影し、CPU25は、運転者の顔を認識し、顔の向きを判別する。CPU25は、運転者の顔向きに合わせてベンディングライト17−1〜17−4による照明を行うようにライト制御部18を制御する。CPU25は、地図DB19、GPS受信機16、車速センサ13、ブレーキスイッチ14、シフトセンサ15から、それぞれ、信号機が設置された交差点の位置情報、車両の現在の位置情報、車速情報、ブレーキ情報、ギア位置情報を取得する。CPU25は、これらの情報に基づいて、車両が信号機が設置された交差点近傍で停車していると判定した場合、ベンディングライト17−1〜17−4による照明を禁止すると判定し、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する。
【解決手段】顔向きカメラ12は、車両の運転者の顔を撮影し、CPU25は、運転者の顔を認識し、顔の向きを判別する。CPU25は、運転者の顔向きに合わせてベンディングライト17−1〜17−4による照明を行うようにライト制御部18を制御する。CPU25は、地図DB19、GPS受信機16、車速センサ13、ブレーキスイッチ14、シフトセンサ15から、それぞれ、信号機が設置された交差点の位置情報、車両の現在の位置情報、車速情報、ブレーキ情報、ギア位置情報を取得する。CPU25は、これらの情報に基づいて、車両が信号機が設置された交差点近傍で停車していると判定した場合、ベンディングライト17−1〜17−4による照明を禁止すると判定し、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔向き連動照明装置及び顔向き連動照明方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者の顔の向きに連動させてライトを点灯させるようにした顔向き連動照明装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許3203951号公報(第4−8頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の顔向き連動照明装置では、信号待ちで運転者が周辺の景色や看板、歩道を歩く人等を眺めているような非運転時でも、顔の向きに合わせてライトが点灯してしまう。このような点灯は電力の無駄であり好ましくはない。
【0004】
また、運転者がルームミラーやナビ画面を見ているときにライトを点灯させておくのも、どうように電力の無駄であり好ましくない。
【0005】
また、夜間走行時、顔の動きは少なく、付近に歩行者が存在していることを認識している場合でも、歩行者への顔が向かなくなり、顔向きに応じてライトを点灯させると、見落とし防止の効果を果たすことができない。
【0006】
さらに、顔向きに応じてライトが常時点灯すると、運転者は、却って、ライトの点灯に慣れてしまい、注意力が薄れてしまう。このように、適宜にベンディングライトが点灯しなくなると、却って効果が低下してしまう。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、無駄な照明を防止することが可能な顔向き連動照明装置、顔向き連動照明方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、顔の向きに従って適宜に車両の前方を照明することが可能な顔向き連動照明装置及び顔向き連動照明方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る顔向き連動照明装置は、
車両の運転者の顔を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像によって得られた画像に基づいて、前記運転者の前記正面からの顔向き方向を判別して前記顔向きがあったか否かを判定する顔向き判定手段と、
照明を行う照明手段と、
前記車両の運転情報を取得する運転情報取得手段と、
前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定する照明判定手段と、
前記照明判定手段が照明を行うと判定したときは、照明を行うように前記照明手段を制御し、前記照明判定手段が照明を禁止すると判定したときは、前記照明手段の照明を禁止する点灯制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
車両停止条件付きの交差点の位置情報を記憶する交差点情報記憶手段を備えるとともに、
前記運転情報取得手段は、
前記車両の位置情報を前記車両の運転情報として取得する位置情報取得手段と、
前記車両の車速情報を前記車両の運転情報として取得する車速情報取得手段と、を備えたものであり、
前記車両のブレーキ情報を前記車両の運転情報として取得するブレーキ情報取得手段と、
前記車両のギア位置情報を前記車両の運転情報として取得するギア位置情報取得手段と、
前記照明判定手段は、前記位置情報取得手段が取得した前記車両の位置情報と前記交差点情報記憶手段が記憶する前記交差点の位置情報とに基づいて前記車両の位置が前記交差点近傍であることを判別し、かつ、前記車速情報取得手段が取得した車速情報に基づいて車速が零であることを判別したとき、前記ブレーキ情報取得手段が取得したブレーキ情報に基づいてブレーキがオンしたことを判別したとき、前記ギア位置情報取得手段が取得したギア位置情報に基づいてギア位置がパーキング、リバース、ニュートラルのいずれかの位置であることを判別したときのいずれかの場合に、前記照明手段の照明を禁止すると判定するようにしてもよい。
【0011】
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記車両内に設置された設置物の設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定するようにしてもよい。
【0012】
前記車両内に設置された設置物は、ナビゲーション装置であり、
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記ナビゲーション装置の設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定するようにしてもよい。
【0013】
前記車両内に設置された設置物は、ルームミラーであり、
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記ルームミラーの設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定するようにしてもよい。
【0014】
前記車両が通る道路に関する道路情報を記憶する道路情報記憶手段を備えるとともに、
前記顔向き判定手段は、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したときに、前記道路情報記憶手段が記憶する道路情報に基づいて前記顔向きがあった位置を判別し、判別した位置で夜間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったか否かを判定し、
前記照明判定手段は、前記車両の夜間走行時に、前記昼間走行時に前記運転者の顔向きがあったと判定した位置で前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの顔向きがなかったと判定したとき、照明を行うと判定するようにしてもよい。
【0015】
前記顔向き判定手段は、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、前記顔向きがあったと判別した位置の位置情報を前記道路情報記憶手段に記憶し、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したときに、前記道路情報記憶手段が記憶する位置情報の履歴に基づいて、前記顔向きがあった位置を判別するようにしてもよい。
【0016】
前記運転者の顔向き角度と前記車両の運転情報とに基づいて予め設定された条件として、前記照明手段を点灯させる照明点灯条件と前記照明手段の点灯を禁止する照明点灯禁止条件とを記憶する点灯条件記憶手段を備え、
前記照明判定手段は、前記顔向き角度取得手段が取得した前記運転者の顔向き角度と前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報とに基づいて、前記点灯条件記憶手段に記憶されている前記照明点灯条件と前記照明点灯禁止条件とを参照して、前記照明手段を点灯させるか前記照明手段の点灯を禁止するかを判定するようにしてもよい。
【0017】
本発明の第2の観点に係る顔向き連動照明装置は、
車両の運転者の顔を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像によって得られた画像に基づいて前記運転者の視線を検出し、検出した前記運転者の視線に基づいて前記運転者の顔向きがあったか否かを判定する顔向き判定手段と、
照明を行う照明手段と、
前記車両の運転情報を取得する運転情報取得手段と、
前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの視線の変化を検出したとき、前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定する照明判定手段と、
前記照明判定手段が照明を行うと判定したときは、照明を行うように前記照明手段を制御し、前記照明判定手段が照明を禁止すると判定したときは、前記照明手段の照明を禁止する点灯制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の観点に係る顔向き連動照明方法は、
車両の運転者の顔を撮像するステップと、
撮像によって得られた画像に基づいて、前記運転者の正面からの顔向き方向を判別して前記顔向きがあったか否かを判定するステップと、
前記車両の運転情報を取得するステップと、
前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定するステップと、
前記照明を行うと判定したときは、照明を行うように制御し、前記照明を禁止すると判定したときは、前記照明を禁止するステップと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、無駄な照明を防止することができる。また、顔の向きに従って適宜に車両の前方を照明することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る顔向き連動照明装置を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係る顔向き連動照明装置の構成を図1に示す。
実施形態1に係る顔向き連動照明装置は、赤外線照明部11と、顔向きカメラ12と、車速センサ13と、ブレーキスイッチ14と、シフトセンサ15と、GPS受信機16と、ベンディングライト17−1〜17−4と、ライト制御部18と、地図DB19と、ECU20と、を備える。
【0021】
この顔向き連動照明装置は、車両の運転者の顔の向きに連動してベンディングライト17−1〜17−4を点灯し、信号停車中等、照明点灯不要の条件の下では、ベンディングライト17−1〜17−4の点灯を禁止するようにしたものである。
【0022】
赤外線照明部11は、図2に示すように、赤外線により、車両51内の運転者52の顔を照明するためのものであり、車両51内の運転者52の前方のダッシュボード上やステアリングホイールの付近に設置される。
【0023】
顔向きカメラ12は、図2に示すように、赤外線照明部11によって照明された運転者52の顔を撮像するカメラであり、顔向きカメラ12には、夜間走行時でも運転者52の顔を撮像できるように、赤外線カメラが用いられる。顔向きカメラ12は、赤外線照明部11の近傍に設置され、運転者52から発生する赤外線を検知して運転者52の顔を撮像する。
【0024】
車速センサ13は、車両51の車速を検出して、検出した車速の情報を車両51の運転情報として取得するセンサである。ブレーキスイッチ14は、車両51のブレーキ情報を車両51の運転情報として取得するスイッチである。ブレーキスイッチ14は、ブレーキがかかると、オンする。
【0025】
シフトセンサ15は、ギア位置情報を運転情報として取得するものである。シフトセンサ15は、ギア位置がパーキング、リバース、ニュートラル、ドライブのいずれかの位置であることを検知する。
【0026】
GPS(Global Positioning System;全地球即位システム)受信機16は、GPS衛星からの電波を利用して、車両51の位置情報を車両51の運転情報として取得するものである。
【0027】
GPS受信機16は、ナビゲーション装置53に備えられている。このナビゲーション装置53は、車両51の運行時、運転者52に対して、現在位置や目的地への走行経路案内を行なう電子機器であり、図2に示すように、運転者52の前方に設置される。
【0028】
ナビゲーション装置53は、図3に示すように、このGPS受信機16と、ナビスイッチ53aと、ディスプレイ53bと、を備える。ナビスイッチ53aは、ナビゲーション装置53を操作するためのスイッチである。ディスプレイ53bは、車両51の現在位置や目的地への走行経路の案内表示を行なうものである。
【0029】
尚、車両51内の前面ガラスの手前の上部には、ルームミラー54が設置されている。
【0030】
ベンディングライト17−1〜17−4は、点灯して、車両51の運転者52が顔を向けている方向に照明を行うライトであり、図4(a)に示すように、車両51の前方に設置される。
【0031】
図4(b)に示すように、ベンディングライト17−1〜17−4は、それぞれ、運転者52側からみて、車両51の左方向の領域Sp1、左寄り前方の領域Sp2、右寄り前方の領域Sp3、右方向の領域Sp4に光を照射する。領域Sp1〜Sp4は、前照灯ではカバーし切れない領域である。
【0032】
ライト制御部18は、ベンディングライト17−1〜17−4の点灯、非点灯を制御するためのものである。ライト制御部18は、ECU20のCPU25から、運転者52の顔向き方向を照明方向として指定されて照明を行う旨のライト点灯信号が供給されると、ベンディングライト17−1〜17−4のうち、指定された照明方向に対応するものを点灯するようにベンディングライト17−1〜17−4の点灯制御を行う。
【0033】
一方、ライト制御部18は、CPU25から照明を禁止する旨のライト点灯禁止信号が供給されると、ベンディングライト17−1〜17−4のすべてを非点灯とする。
【0034】
地図DB(データベース)19は、車両停止条件付きの交差点として信号機が設置された交差点、停止線が記された交差点の位置情報を記憶するものである。
【0035】
ECU(Electronic Control Unit)20は、顔向き連動照明装置全体を制御するための電子制御装置であり、画像メモリ21と、画像処理部22と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、CPU(Central Processing Unit)25と、を備える。
【0036】
画像メモリ21は、顔向きカメラ12の撮影によって得られた画像のデータ及び画像処理部22が画像処理を施した画像のデータを記憶するための記憶装置である。
【0037】
画像処理部22は、顔向きカメラ12の撮影によって得られた画像のデータを画像メモリ21から取得して画像処理を施すものである。
【0038】
画像処理部22は、画像処理として、画像メモリ21から運転者52の顔画像を取得し、取得した顔画像に対してソーベルフィルタ処理を行い、横エッジ(顔の上下両側端)と縦エッジ(顔の左右両側端)を検出する。
【0039】
画像処理部22は、このような画像処理を行うことにより、図5(a)に示すような、運転者52の顔のエッジ画像52pを取得する。画像処理部22は、このエッジ画像52pのデータを画像メモリ21に記憶する。
【0040】
ROM23は、CPU25が後述する各処理を実行するためのプログラムデータ等を記憶するためのものである。RAM24は、CPU25が処理に必要なデータを記憶するための作業用メモリである。
【0041】
CPU25は、顔向き連動照明装置を制御するためのものである。
CPU25は、まず、赤外線照明部11、顔向きカメラ12を制御して、運転者52の顔画像を取得する。
【0042】
CPU25は、画像処理部22が画像処理を施した図5(a)に示すような顔画像52pに基づいて運転者52の顔の認識を行う。
【0043】
CPU25は、この運転者52の顔向きの有無を判定する。CPU25は、この判定を行うため、運転者52の顔のエッジ画像52pから、図5(b)に示すように、それぞれ、眉上、目下、口下、あご下、眼球の中心点のそれぞれの特徴点52a,52b,52c、52d,52eを取得する。
【0044】
CPU25は、各特徴点52a,52b,52c、52d,52eを取得すると、取得した各特徴点52a,52b,52c、52d間の間隔を取得する。
【0045】
図6(a)、(b)、(c)に示すエッジ画像52pを、それぞれ、運転者52が正面を向いている場合、下を向いている場合、上を向いている場合のものとすると、特徴点52aと52bとの間隔x、特徴点52bと52cとの間隔y、特徴点52cと52dとの間隔zは、図6(a)、(b)、(c)に示すエッジ画像52pで、それぞれ、異なる。
【0046】
下を向いている場合(図6(b))、上を向いている場合(図6(c))の間隔xは、正面を向いている場合(図6(a))の間隔xと比較して小さくなる。
【0047】
また、上を向いている場合(図6(c))の間隔zは、下を向いている場合(図6(b))の間隔zと比較して大きい。
【0048】
CPU25は、このように、間隔x,y,zを比較して、運転者52の顔向き方向を判別して運転者52の正面からの顔向きの有無を判定する。
【0049】
また、CPU25は、図6(a)に示すように、運転者52の左右方向の顔向きを、顔の中心線と左右端との間隔u1、u2に基づいて判別する。
【0050】
u1=u2であれば、CPU25は、運転者52が左右方向における正面を向いていると判定する。u1>u2であれば、CPU25は、運転者52が左を向いていると判定する。u1<u2であれば、CPU25は、運転者52が右を向いていると判定する。
【0051】
尚、CPU25は、間隔u1とu2の差と顔向き検知角度δとの関係を予め実験等により取得する。
【0052】
そして、CPU25は、図7に示すように、顔向き検知角度δを顔向き方向として、この顔向き方向を照明方向として指定し、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する。
【0053】
即ち、顔向き検知角度δがδL1〜δL2の場合、CPU25は、この顔向き検知角度δL1〜δL2を照明方向として指定して、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する。ライト制御部18は、このように照明方向が指定されると、ベンディングライト17−1を点灯する。
【0054】
顔向き検知角度δがδL2〜δL3の場合、CPU25は、この顔向き検知角度δL2〜δL3を照明方向として指定して、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する。ライト制御部18は、このように照明方向が指定されると、ベンディングライト17−2を点灯する。
【0055】
顔向き検知角度δがδR1〜δR2の場合、CPU25は、この顔向き検知角度δR1〜δR2を照明方向として指定して、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する。ライト制御部18は、このように照明方向が指定されると、ベンディングライト17−4を点灯する。
【0056】
顔向き検知角度δがδR2〜δR3の場合、CPU25は、この顔向き検知角度δR2〜δR3を照明方向として指定して、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する。ライト制御部18は、このように照明方向が指定されると、ベンディングライト17−3を点灯する。
【0057】
CPU25は、顔向きありと判定した場合でも、車両51が信号待ちで停車している場合、ナビゲーション装置53のディスプレイ53bを見ている場合、ルームミラー54を見ている場合には、ベンディングライト17−1〜17−4を点灯する必要はないと判定し、ベンディングライト17−1〜17−4の照明を禁止する。
【0058】
CPU25は、車両51が信号待ちで停車しているか否かを判定するため、後述するように信号停車判定処理を実行する。CPU25は、この処理において、地図DB19から、信号機の設置された交差点の位置情報を取得し、GPS受信機16から、車両51の現在の位置情報とを取得する。
【0059】
また、CPU25は、車速センサ13から車両51の車速情報を取得し、ブレーキスイッチ14から、ブレーキ情報を取得し、シフトセンサ15から、ギア位置情報を取得する。
【0060】
次に、CPU25は、ナビゲーション装置53のディスプレイ53bを見ているか否かを判定するため、後述するようにナビ見判定処理を実行する。CPU25は、この処理において、ナビゲーション装置53のナビスイッチ53aの操作情報を取得し、間隔x、y、zに基づいて、運転者52の顔が下向きか否かの判定を行う。
【0061】
次に、CPU25は、ルームミラー54を見ているか否かを判定するため、後述するようにミラー見判定処理を実行する。CPU25は、この処理において、間隔x、y、zに基づいて、運転者52の顔の上向き判定を行う。
【0062】
CPU25は、ベンディングライト17−1〜17−4の照明を禁止すると判定した場合、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する。
【0063】
次に実施形態1に係る顔向き連動照明装置の動作を説明する。
CPU25は、ROM23に記憶された顔向き連動照明処理のプログラムデータを読み出し、図8に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
CPU25は、赤外線照明部11、顔向きカメラ12を制御して、運転者52の顔画像を取得する(ステップS11)。
【0064】
CPU25は、画像メモリ21から、運転者52の顔のエッジ画像52pを取得し、このエッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔を認識する(ステップS12)。
【0065】
CPU25は、エッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔向きを判別する(ステップS13)。
【0066】
CPU25は、顔向きがあるか否かを判定する(ステップS14)。
【0067】
顔向きがあると判定した場合(ステップS14;Yes)、CPU25は、信号停車判定処理を実行する。CPU25は、図9に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
【0068】
CPU25は、地図DB19から、信号機が設置された交差点の位置情報を取得する(ステップS31)。
【0069】
CPU25は、GPS受信機16から、車両51の現在の位置情報を取得する(ステップS32)。
【0070】
CPU25は、車速センサ13から車速情報を取得する(ステップS33)。CPU25は、ブレーキスイッチ14から、ブレーキ情報を取得する(ステップS34)。CPU25は、シフトセンサ15からギア位置情報を取得する(ステップS35)。
【0071】
CPU25は、車両51の現在位置が信号のある交差点か否かを判定する(ステップS36)。
【0072】
信号のある交差点と判定した場合(ステップS36;Yes)、CPU25は、車速センサ13から取得した車速情報、ブレーキスイッチ14から取得したブレーキ情報、シフトセンサ15から取得したギア位置位置情報に基づいて、車両51が停車中か否かを判定する(ステップS37)。
【0073】
車速が0(零)の場合、ブレーキがオンの場合、あるいは、ギア位置がギア位置がパーキング、リバース、ニュートラルのいずれかの位置である場合、CPU25は、車両51が停車中と判定する(ステップS37;Yes)。
【0074】
一方、車速が0ではない場合、ブレーキがオフの場合、あるいは、ギア位置がドライブ位置である場合、CPU25は、車両51は停車中ではないと判定する(ステップS37;No)。
【0075】
車両51が停車中と判定した場合(ステップS37においてYes)、CPU25は、信号停車判定フラグに1をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS38)。
【0076】
一方、信号機が設置された交差点ではないと判定した場合(ステップS36;No)、停車中ではないと判定した場合(ステップS35;No)、CPU25は、信号停車判定フラグに0をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS37)。
【0077】
CPU25は、このように信号停車判定処理を実行すると、RAM23に記憶した信号停車判定フラグのフラグ値に基づいて信号停車中か否かを判定する(ステップS16)。
【0078】
信号停車判定フラグが1のとき、CPU25は、信号停車中と判定する(ステップS16;Yes)。この場合、CPU25は、ナビ見判定処理を行う(ステップS17)。CPU25は、図10に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
【0079】
CPU25は、ナビゲーション装置53のナビスイッチ53aの操作情報を取得する(ステップS41)。
【0080】
CPU25は、取得したナビスイッチ53aの操作情報に基づいて、ナビスイッチ53aが操作中であるか否かをする(ステップS42)。
【0081】
ナビスイッチ53aの操作中と判定した場合(ステップS42;Yes)、CPU25は、ナビ画面確認判定フラグに1をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS44)。
【0082】
一方、ナビスイッチ53aの操作中ではないと判定した場合(ステップS42;No)、CPU25は、運転者52の顔が下向きか否かを判定する(ステップS43)。
【0083】
運転者52の顔が下向きと判定した場合(ステップS43;Yes)、CPU25は、ナビ画面確認判定フラグに1をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS44)。
【0084】
運転者52の顔が下向きではないと判定した場合(ステップS43;No)、CPU25は、ナビ画面確認判定フラグに0をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS45)。
【0085】
CPU25は、このようにナビ見判定処理を実行すると、RAM23に記憶したナビ画面確認判定フラグのフラグ値に基づいて、ナビ画面確認中か否かを判定する(ステップS18)。
【0086】
ナビ画面確認判定フラグのフラグ値が0のとき、CPU25は、ナビゲーション装置53のディスプレイ53bの画面の確認中ではないと判定する(ステップS18;No)。この場合、CPU25は、ミラー見判定処理を実行する(ステップS19)。CPU25は、図11に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
【0087】
CPU25は、運転者52のエッジ画像52pを画像メモリ21から取得し、運転者52の顔が上向きか否かを判定する(ステップS51)。
【0088】
運転者52の顔が上向きであると判定した場合(ステップS51;Yes)、CPU25は、ミラー確認判定フラグのフラグ値を1にセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS52)。
【0089】
運転者52の顔が上向きではないと判定した場合(ステップS51;No)、CPU25はミラー確認判定フラグに0をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS53)。
【0090】
CPU25は、RAM23に記憶したミラー確認判定フラグのフラグ値に基づいて、ルームミラー54の確認中か否かを判定する(ステップS20)。
【0091】
ルームミラー54の確認中ではないと判定した場合(ステップS20;No)、CPU25は、運転者52の顔向き方向を照明方向として指定し、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する(ステップS21)。
【0092】
一方、運転者52の顔向きがないと判定した場合(ステップS14;No)、信号停車中ではないと判定した場合(ステップS16;No)、ナビ画面の確認中であると判定した場合(ステップS18;Yes)、ルームミラー54の確認中と判定した場合(ステップS20;Yes)、CPU25は、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する(ステップS22)。そして、CPU25は、この顔向き連動照明処理を終了させる。
【0093】
次に、この実施形態1に係る顔向き連動照明装置の具体的な動作について説明する。
図12(a)に示すように、車両51が信号機の設置されていない交差点を通過する場合、GPS受信機16から取得した車両51の現在の位置情報と地図DB19から取得した信号機が設置された交差点の位置情報とは対応しない。また、車速は0ではないか、ブレーキがオンしているか、あるいは、ギア位置がパーキング、リバース、ニュートラルのいずれかの位置である。
【0094】
この場合に、運転者52の顔が左側の横断歩道に向くと、CPU25は、運転者52の顔向きありと判定して(ステップS14;Yes)、ナビゲーション装置53の確認中でもなく(ステップS18;No)、ルームミラー54の確認中でもなければ(ステップS20;No)、運転者52の顔向き方向を照明方向として指定してライト点灯信号をライト制御部18に供給する(ステップS21)。
【0095】
ライト制御部18は、照明方向が指定されて、このライト点灯信号が供給されると、ベンディングランプ16−1を点灯するように制御する。ベンディングランプ16−1は、点灯して、車両51の左前方の領域Sp1に光を照らす。
【0096】
一方、図12(b)に示すように、車両51が信号機の設置された交差点の近傍で停車した場合(ステップS16;Yes)、GPS受信機16から取得した車両51の現在の位置情報と道路DBから取得した信号機が設置された交差点の位置情報とは対応する。また、車速は0であるか、ブレーキはオフか、あるいは、ギア位置はドライブ位置である。
【0097】
この場合に、運転者52が左に向いて、周辺の景色や看板、歩道を歩く人を漠然と眺めていたとしても、CPU25は、非運転時であり、ベンディングライト17−1〜17−4の点灯は必要なく、照明を禁止すると判定する。
【0098】
CPU25は、このように判定すると、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する(ステップS22)。ライト制御部18は、このライト点灯禁止信号が供給されて、ベンディングライト17−1〜17−4を非点灯とする。
【0099】
次に、図13に示すように、運転者52の顔がナビゲーション装置53の方向に向いた場合(ステップS18;Yes)、CPU25は、運転者52の顔向きがあると判定しても(ステップS14;Yes)、運転者52の顔は下向きであり、運転者52の顔向き方向がナビゲーション装置53が設置されている位置と対応する。このため、CPU25は、ベンディングライト17−1〜17−4の点灯は必要なく、照明を禁止すると判定する。
【0100】
CPU25は、このように判定すると、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する。ライト制御部18は、このライト点灯禁止信号が供給されて、ベンディングライト17−1〜17−4を非点灯とする(ステップS22)。
【0101】
次に、図14に示すように、運転者52の顔がルームミラー54の方向に向いた場合(ステップS20;Yes)、CPU25は、運転者52の顔向きがあると判定しても(ステップS14;Yes)、運転者52の顔は上向きであり、運転者52の顔向き方向がルームミラー54が設置されている位置と対応する。このため、CPU25は、ベンディングライト17−1〜17−4の点灯は必要なく、照明を禁止すると判定する。
【0102】
CPU25は、このように判定すると、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する。ライト制御部18は、このライト点灯禁止信号が供給されて、ベンディングライト17−1〜17−4を非点灯とする(ステップS22)。
【0103】
以上説明したように、本実施形態1によれば、CPU25は、運転者52の顔向きがあったとしても、車両51が信号待ちで停車している場合、ナビゲーション装置53のディスプレイ53bを見ている場合、ルームミラー54を見ている場合には、ベンディングライト17−1〜17−4の照明を禁止するようにした。
【0104】
従って、ベンディングライト17−1〜17−4の無駄な照明を防止することができ、消費電力を低減することができる。また、顔の向きに従って適宜に車両51の前方を照明することができる。
【0105】
(実施形態2)
実施形態2に係る顔向き連動照明装置は、夜間走行時、昼間と同じ地点を通過する場合に、運転者の顔向きがなかったときは、ベンディングライトを点灯させるようにしたものである。
【0106】
実施形態2に係る顔向き連動照明装置の構成を図15に示す。
顔向き連動照明装置は、ライト点灯スイッチ31を備える。ライト点灯スイッチ31は、オンしてライトを点灯させ、オフしてライトを消灯させるためのものである。
【0107】
CPU25は、このライト点灯スイッチ31のオン、オフの状態を取得し、取得した状態に基づいて、昼間走行時か夜間走行時かを判別する。
【0108】
また、ROM23は、昼間走行時処理、夜間走行時処理のプログラムデータを記憶する。
【0109】
次に実施形態2に係る顔向き連動照明装置の動作を説明する。
ライト点灯スイッチ31がオフのとき、CPU25は、このライト点灯スイッチ31のスイッチ状態を判別し、ROM23に記憶された昼間走行時処理のプログラムデータを読み出し、図16に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
【0110】
CPU25は、赤外線照明部11、顔向きカメラ12を制御して、運転者52の顔画像を取得する(ステップS61)。
CPU25は、画像メモリ21から、運転者52の顔のエッジ画像52pを取得し、このエッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔を認識する(ステップS62)。
【0111】
CPU25は、エッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔向きを判別する(ステップS63)。
【0112】
CPU25は、エッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔向きがあったか否かを判定する(ステップS64)。
【0113】
運転者52の顔向きがあったと判定し、顔向き角度が予め設定された閾値を越えていると判定した場合(ステップS64;Yes)、CPU25は、顔向きがあった現地点を示す現地点データを地図DB19に書き込んで(ステップS65)、この昼間走行時処理を終了させる。
【0114】
一方、運転者52の顔向きがなかったと判定した場合(ステップS64;No)、CPU25は、現地点データを地図DB19に書き込まずに、この昼間走行時処理を終了させる。
【0115】
ライト点灯スイッチ31がオンしたとき、CPU25は、このライト点灯スイッチ31のスイッチ状態を判別し、ROM23に記憶された夜間走行時処理のプログラムデータを読み出し、図17に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
【0116】
CPU25は、赤外線照明部11、顔向きカメラ12を制御して、顔画像を取得する(ステップS71)。
【0117】
CPU25は、画像メモリ21から、運転者52の顔のエッジ画像52pを取得し、このエッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔を認識する(ステップS72)。
【0118】
CPU25は、エッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔向きを判別する(ステップS73)。
【0119】
CPU25は、地図DB19から、現地点データの履歴を読み出す(ステップS74)。
【0120】
CPU25は、運転者52の顔向きの有無を判定する(ステップS75)。
運転者52の顔向きありと判定した場合(ステップS75;Yes)、CPU25は、運転者52の顔向き検知角度δを照明方向として指定し、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する(ステップS77)。
【0121】
運転者52の顔向きなしと判定した場合(ステップS75;No)、CPU25は、読み出した現地点データの履歴に基づいて顔向きの履歴があるか否かを判定する(ステップS76)。
【0122】
運転者52の顔向きの履歴があると判定した場合(ステップS76;Yes)、CPU25は、運転者52の顔向き検知角度δを照明方向として指定し、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する(ステップS77)。
【0123】
一方、運転者52の顔向きの履歴がないと判定した場合(ステップS76;No)、CPU25は、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給し(ステップS78)、この夜間走行時処理を終了させる。
【0124】
以上説明したように、本実施形態2によれば、夜間走行時、昼間と同じ地点を通過する場合に、運転者52の顔向きがなかったときは、ベンディングライト17−1〜17−4を点灯させるようにした。
【0125】
従って、夜間走行時の歩行者等の見落としを防止することができ、顔の向きに従って適宜に車両51の前方を照明することができる。また、常時ベンディングライト17−1〜17−4を点灯しないので、運転者52の注意を喚起することができる。
【0126】
また、CPU25は、顔向きがないと判定しても、顔向きのあった現地点データの履歴があれば、顔の動きが少ない夜間走行時、付近に歩行者が存在していることを認識していないと判別してベンディングライト17−1〜17−4を点灯させ、履歴がなければ非点灯とするようにした。
【0127】
このため、顔の動きが少ない夜間走行時でも、適宜にベンディングライト17−1〜17−4の点灯制御を行うことができる。
【0128】
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施の形態に限られるものではない。
例えば、上記実施の形態では、顔向きカメラ12に赤外線カメラを用いるものとして説明した。しかし、顔向きカメラ12に可視光カメラを用いることもできる。但し、夜間走行時、運転者52の顔を照明する照明装置を備える必要がある。
【0129】
上記実施形態1,2では、ベンディングライト17−1〜17−4による照明、照明の禁止の判定として、運転者52の顔向きを判別するようにした。しかし、運転者52の視線を検出し、この判定に、検出した運転者52の視線を用いてもよい。
【0130】
視線を検出する場合、運転者52が正面を向いている状態を基準として、顔向きカメラ12によって得られた顔画像から、運転者52の顔の角度、眼球の角度を判別する。眼球の角度を検出する場合、CPU25は、例えば、眼球の瞳孔中心とプルキニエ像との相対位置関係から視線の角度を算出する。
【0131】
実施形態1では、ベンディングライト17−1〜17−4の照明を禁止する場合の交差点は、信号機が設置された交差点として説明した。しかし、交差点は、信号機が設置されていなくても停止線が記された交差点であってもよい。
【0132】
上記実施形態1,2では、複数のベンディングライト17−1〜17−4が車両51の前面に固定的に取り付けられるものとして説明した。しかし、ベンディングライトの照明方向が可変であれば、ベンディングライトは1つでもよい。この場合、ライト制御部18は、CPU25から指定された照明方向に従って、ベンディングライトの方向を可変する。
【0133】
上記実施形態1,2では、CPUが、各処理をフローチャートに従って、実行するものとして説明した。しかし、ROM24が、図18(a)に示すような顔向きありでライトを非点灯とする条件、図18(b)に示すような夜間顔向き判定条件を示すテーブルを予め記憶し、CPU25が、このテーブルを参照して、ベンディングライト17−1〜17−4による照明、照明の禁止を判定するようにしてもよい。
【0134】
また、上記実施形態では、プログラムが、それぞれメモリ等に予め記憶されているものとして説明した。しかし、顔向き連動照明装置を、装置の全部又は一部として動作させ、あるいは、上述の処理を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0135】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の実施形態1に係る顔向き連動照明装置の構成を示すブロック図である。
【図2】車両内を示す図である。
【図3】ナビゲーション装置を示す図である。
【図4】ベンディングライトを示す図であり、(a)は、ベンディングライトの車両の取り付け位置を示し、(b)は、それぞれ点灯したときに光を照らす領域を示す。
【図5】運転者の顔画像を示す図であり、(a)は、画像処理部が画像処理を施して得られた顔画像のエッジ画像を示し、(b)は、エッジ画像の各特徴点を示す。
【図6】運転者の顔向き判定を示す図であり、(a)は、運転者が正面を向いている場合の顔画像を示し、(b)は、運転者が下を向いている場合の顔画像を示し、(c)は、運転者が上を向いている場合の顔画像を示す。
【図7】顔向き検出角度とベンディングライトの点灯との関係を示す図である。
【図8】図1に示すCPUが実行する顔向き連動照明処理を示すフローチャートである。
【図9】図1に示すCPUが実行する信号停車判定処理を示すフローチャートである。
【図10】図1に示すCPUが実行するナビ見判定処理を示すフローチャートである。
【図11】図1に示すCPUが実行するミラー見判定処理を示すフローチャートである。
【図12】実施形態1に係る顔向き連動照明装置の具体的な動作を示す図であり、(a)は、信号機が設置されていない交差点を車両が通過する場合の動作を示し、(b)は、信号機が設置されている交差点近傍で車両が停止している場合の動作を示す。
【図13】実施形態1に係る顔向き連動照明装置の具体的な動作として、運転者がナビゲーション装置の確認中であることを示す図である。
【図14】実施形態1に係る顔向き連動照明装置の具体的な動作として、運転者がルームミラーの確認中であることを示す図である。
【図15】本発明の実施形態2に係る顔向き連動照明装置の構成を示すブロック図である。
【図16】図15に示すCPUが実行する昼間走行時処理を示すフローチャートである。
【図17】図15に示すCPUが実行する夜間走行時処理を示すフローチャートである。
【図18】顔向き連動照明装置の応用例として、ROMに記憶されたテーブルを示す図であり、(a)は、顔向きありでライトを非点灯とする条件を示し、(b)は、夜間顔向き判定条件を示す。
【符号の説明】
【0137】
12 顔向きカメラ(撮像手段)
13 車速センサ(運転情報取得手段、車速情報取得手段)
14 ブレーキスイッチ(運転情報取得手段、ブレーキ情報取得手段)
15 シフトセンサ(運転情報取得手段、ギア位置情報取得手段)
16 GPS受信機(運転情報取得手段、位置情報取得手段)
17−1〜17−4 ベンディングライト(照明手段)
19 地図DB(交差点情報記憶手段、道路情報記憶手段)
25 CPU(顔向き判定手段、照明判定手段、点灯制御手段)
51 車両
52 運転者
53 ナビゲーション装置
53a ナビスイッチ
54 ルームミラー
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔向き連動照明装置及び顔向き連動照明方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者の顔の向きに連動させてライトを点灯させるようにした顔向き連動照明装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許3203951号公報(第4−8頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の顔向き連動照明装置では、信号待ちで運転者が周辺の景色や看板、歩道を歩く人等を眺めているような非運転時でも、顔の向きに合わせてライトが点灯してしまう。このような点灯は電力の無駄であり好ましくはない。
【0004】
また、運転者がルームミラーやナビ画面を見ているときにライトを点灯させておくのも、どうように電力の無駄であり好ましくない。
【0005】
また、夜間走行時、顔の動きは少なく、付近に歩行者が存在していることを認識している場合でも、歩行者への顔が向かなくなり、顔向きに応じてライトを点灯させると、見落とし防止の効果を果たすことができない。
【0006】
さらに、顔向きに応じてライトが常時点灯すると、運転者は、却って、ライトの点灯に慣れてしまい、注意力が薄れてしまう。このように、適宜にベンディングライトが点灯しなくなると、却って効果が低下してしまう。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、無駄な照明を防止することが可能な顔向き連動照明装置、顔向き連動照明方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、顔の向きに従って適宜に車両の前方を照明することが可能な顔向き連動照明装置及び顔向き連動照明方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る顔向き連動照明装置は、
車両の運転者の顔を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像によって得られた画像に基づいて、前記運転者の前記正面からの顔向き方向を判別して前記顔向きがあったか否かを判定する顔向き判定手段と、
照明を行う照明手段と、
前記車両の運転情報を取得する運転情報取得手段と、
前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定する照明判定手段と、
前記照明判定手段が照明を行うと判定したときは、照明を行うように前記照明手段を制御し、前記照明判定手段が照明を禁止すると判定したときは、前記照明手段の照明を禁止する点灯制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
車両停止条件付きの交差点の位置情報を記憶する交差点情報記憶手段を備えるとともに、
前記運転情報取得手段は、
前記車両の位置情報を前記車両の運転情報として取得する位置情報取得手段と、
前記車両の車速情報を前記車両の運転情報として取得する車速情報取得手段と、を備えたものであり、
前記車両のブレーキ情報を前記車両の運転情報として取得するブレーキ情報取得手段と、
前記車両のギア位置情報を前記車両の運転情報として取得するギア位置情報取得手段と、
前記照明判定手段は、前記位置情報取得手段が取得した前記車両の位置情報と前記交差点情報記憶手段が記憶する前記交差点の位置情報とに基づいて前記車両の位置が前記交差点近傍であることを判別し、かつ、前記車速情報取得手段が取得した車速情報に基づいて車速が零であることを判別したとき、前記ブレーキ情報取得手段が取得したブレーキ情報に基づいてブレーキがオンしたことを判別したとき、前記ギア位置情報取得手段が取得したギア位置情報に基づいてギア位置がパーキング、リバース、ニュートラルのいずれかの位置であることを判別したときのいずれかの場合に、前記照明手段の照明を禁止すると判定するようにしてもよい。
【0011】
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記車両内に設置された設置物の設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定するようにしてもよい。
【0012】
前記車両内に設置された設置物は、ナビゲーション装置であり、
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記ナビゲーション装置の設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定するようにしてもよい。
【0013】
前記車両内に設置された設置物は、ルームミラーであり、
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記ルームミラーの設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定するようにしてもよい。
【0014】
前記車両が通る道路に関する道路情報を記憶する道路情報記憶手段を備えるとともに、
前記顔向き判定手段は、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したときに、前記道路情報記憶手段が記憶する道路情報に基づいて前記顔向きがあった位置を判別し、判別した位置で夜間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったか否かを判定し、
前記照明判定手段は、前記車両の夜間走行時に、前記昼間走行時に前記運転者の顔向きがあったと判定した位置で前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの顔向きがなかったと判定したとき、照明を行うと判定するようにしてもよい。
【0015】
前記顔向き判定手段は、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、前記顔向きがあったと判別した位置の位置情報を前記道路情報記憶手段に記憶し、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したときに、前記道路情報記憶手段が記憶する位置情報の履歴に基づいて、前記顔向きがあった位置を判別するようにしてもよい。
【0016】
前記運転者の顔向き角度と前記車両の運転情報とに基づいて予め設定された条件として、前記照明手段を点灯させる照明点灯条件と前記照明手段の点灯を禁止する照明点灯禁止条件とを記憶する点灯条件記憶手段を備え、
前記照明判定手段は、前記顔向き角度取得手段が取得した前記運転者の顔向き角度と前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報とに基づいて、前記点灯条件記憶手段に記憶されている前記照明点灯条件と前記照明点灯禁止条件とを参照して、前記照明手段を点灯させるか前記照明手段の点灯を禁止するかを判定するようにしてもよい。
【0017】
本発明の第2の観点に係る顔向き連動照明装置は、
車両の運転者の顔を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像によって得られた画像に基づいて前記運転者の視線を検出し、検出した前記運転者の視線に基づいて前記運転者の顔向きがあったか否かを判定する顔向き判定手段と、
照明を行う照明手段と、
前記車両の運転情報を取得する運転情報取得手段と、
前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの視線の変化を検出したとき、前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定する照明判定手段と、
前記照明判定手段が照明を行うと判定したときは、照明を行うように前記照明手段を制御し、前記照明判定手段が照明を禁止すると判定したときは、前記照明手段の照明を禁止する点灯制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の観点に係る顔向き連動照明方法は、
車両の運転者の顔を撮像するステップと、
撮像によって得られた画像に基づいて、前記運転者の正面からの顔向き方向を判別して前記顔向きがあったか否かを判定するステップと、
前記車両の運転情報を取得するステップと、
前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定するステップと、
前記照明を行うと判定したときは、照明を行うように制御し、前記照明を禁止すると判定したときは、前記照明を禁止するステップと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、無駄な照明を防止することができる。また、顔の向きに従って適宜に車両の前方を照明することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る顔向き連動照明装置を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係る顔向き連動照明装置の構成を図1に示す。
実施形態1に係る顔向き連動照明装置は、赤外線照明部11と、顔向きカメラ12と、車速センサ13と、ブレーキスイッチ14と、シフトセンサ15と、GPS受信機16と、ベンディングライト17−1〜17−4と、ライト制御部18と、地図DB19と、ECU20と、を備える。
【0021】
この顔向き連動照明装置は、車両の運転者の顔の向きに連動してベンディングライト17−1〜17−4を点灯し、信号停車中等、照明点灯不要の条件の下では、ベンディングライト17−1〜17−4の点灯を禁止するようにしたものである。
【0022】
赤外線照明部11は、図2に示すように、赤外線により、車両51内の運転者52の顔を照明するためのものであり、車両51内の運転者52の前方のダッシュボード上やステアリングホイールの付近に設置される。
【0023】
顔向きカメラ12は、図2に示すように、赤外線照明部11によって照明された運転者52の顔を撮像するカメラであり、顔向きカメラ12には、夜間走行時でも運転者52の顔を撮像できるように、赤外線カメラが用いられる。顔向きカメラ12は、赤外線照明部11の近傍に設置され、運転者52から発生する赤外線を検知して運転者52の顔を撮像する。
【0024】
車速センサ13は、車両51の車速を検出して、検出した車速の情報を車両51の運転情報として取得するセンサである。ブレーキスイッチ14は、車両51のブレーキ情報を車両51の運転情報として取得するスイッチである。ブレーキスイッチ14は、ブレーキがかかると、オンする。
【0025】
シフトセンサ15は、ギア位置情報を運転情報として取得するものである。シフトセンサ15は、ギア位置がパーキング、リバース、ニュートラル、ドライブのいずれかの位置であることを検知する。
【0026】
GPS(Global Positioning System;全地球即位システム)受信機16は、GPS衛星からの電波を利用して、車両51の位置情報を車両51の運転情報として取得するものである。
【0027】
GPS受信機16は、ナビゲーション装置53に備えられている。このナビゲーション装置53は、車両51の運行時、運転者52に対して、現在位置や目的地への走行経路案内を行なう電子機器であり、図2に示すように、運転者52の前方に設置される。
【0028】
ナビゲーション装置53は、図3に示すように、このGPS受信機16と、ナビスイッチ53aと、ディスプレイ53bと、を備える。ナビスイッチ53aは、ナビゲーション装置53を操作するためのスイッチである。ディスプレイ53bは、車両51の現在位置や目的地への走行経路の案内表示を行なうものである。
【0029】
尚、車両51内の前面ガラスの手前の上部には、ルームミラー54が設置されている。
【0030】
ベンディングライト17−1〜17−4は、点灯して、車両51の運転者52が顔を向けている方向に照明を行うライトであり、図4(a)に示すように、車両51の前方に設置される。
【0031】
図4(b)に示すように、ベンディングライト17−1〜17−4は、それぞれ、運転者52側からみて、車両51の左方向の領域Sp1、左寄り前方の領域Sp2、右寄り前方の領域Sp3、右方向の領域Sp4に光を照射する。領域Sp1〜Sp4は、前照灯ではカバーし切れない領域である。
【0032】
ライト制御部18は、ベンディングライト17−1〜17−4の点灯、非点灯を制御するためのものである。ライト制御部18は、ECU20のCPU25から、運転者52の顔向き方向を照明方向として指定されて照明を行う旨のライト点灯信号が供給されると、ベンディングライト17−1〜17−4のうち、指定された照明方向に対応するものを点灯するようにベンディングライト17−1〜17−4の点灯制御を行う。
【0033】
一方、ライト制御部18は、CPU25から照明を禁止する旨のライト点灯禁止信号が供給されると、ベンディングライト17−1〜17−4のすべてを非点灯とする。
【0034】
地図DB(データベース)19は、車両停止条件付きの交差点として信号機が設置された交差点、停止線が記された交差点の位置情報を記憶するものである。
【0035】
ECU(Electronic Control Unit)20は、顔向き連動照明装置全体を制御するための電子制御装置であり、画像メモリ21と、画像処理部22と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、CPU(Central Processing Unit)25と、を備える。
【0036】
画像メモリ21は、顔向きカメラ12の撮影によって得られた画像のデータ及び画像処理部22が画像処理を施した画像のデータを記憶するための記憶装置である。
【0037】
画像処理部22は、顔向きカメラ12の撮影によって得られた画像のデータを画像メモリ21から取得して画像処理を施すものである。
【0038】
画像処理部22は、画像処理として、画像メモリ21から運転者52の顔画像を取得し、取得した顔画像に対してソーベルフィルタ処理を行い、横エッジ(顔の上下両側端)と縦エッジ(顔の左右両側端)を検出する。
【0039】
画像処理部22は、このような画像処理を行うことにより、図5(a)に示すような、運転者52の顔のエッジ画像52pを取得する。画像処理部22は、このエッジ画像52pのデータを画像メモリ21に記憶する。
【0040】
ROM23は、CPU25が後述する各処理を実行するためのプログラムデータ等を記憶するためのものである。RAM24は、CPU25が処理に必要なデータを記憶するための作業用メモリである。
【0041】
CPU25は、顔向き連動照明装置を制御するためのものである。
CPU25は、まず、赤外線照明部11、顔向きカメラ12を制御して、運転者52の顔画像を取得する。
【0042】
CPU25は、画像処理部22が画像処理を施した図5(a)に示すような顔画像52pに基づいて運転者52の顔の認識を行う。
【0043】
CPU25は、この運転者52の顔向きの有無を判定する。CPU25は、この判定を行うため、運転者52の顔のエッジ画像52pから、図5(b)に示すように、それぞれ、眉上、目下、口下、あご下、眼球の中心点のそれぞれの特徴点52a,52b,52c、52d,52eを取得する。
【0044】
CPU25は、各特徴点52a,52b,52c、52d,52eを取得すると、取得した各特徴点52a,52b,52c、52d間の間隔を取得する。
【0045】
図6(a)、(b)、(c)に示すエッジ画像52pを、それぞれ、運転者52が正面を向いている場合、下を向いている場合、上を向いている場合のものとすると、特徴点52aと52bとの間隔x、特徴点52bと52cとの間隔y、特徴点52cと52dとの間隔zは、図6(a)、(b)、(c)に示すエッジ画像52pで、それぞれ、異なる。
【0046】
下を向いている場合(図6(b))、上を向いている場合(図6(c))の間隔xは、正面を向いている場合(図6(a))の間隔xと比較して小さくなる。
【0047】
また、上を向いている場合(図6(c))の間隔zは、下を向いている場合(図6(b))の間隔zと比較して大きい。
【0048】
CPU25は、このように、間隔x,y,zを比較して、運転者52の顔向き方向を判別して運転者52の正面からの顔向きの有無を判定する。
【0049】
また、CPU25は、図6(a)に示すように、運転者52の左右方向の顔向きを、顔の中心線と左右端との間隔u1、u2に基づいて判別する。
【0050】
u1=u2であれば、CPU25は、運転者52が左右方向における正面を向いていると判定する。u1>u2であれば、CPU25は、運転者52が左を向いていると判定する。u1<u2であれば、CPU25は、運転者52が右を向いていると判定する。
【0051】
尚、CPU25は、間隔u1とu2の差と顔向き検知角度δとの関係を予め実験等により取得する。
【0052】
そして、CPU25は、図7に示すように、顔向き検知角度δを顔向き方向として、この顔向き方向を照明方向として指定し、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する。
【0053】
即ち、顔向き検知角度δがδL1〜δL2の場合、CPU25は、この顔向き検知角度δL1〜δL2を照明方向として指定して、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する。ライト制御部18は、このように照明方向が指定されると、ベンディングライト17−1を点灯する。
【0054】
顔向き検知角度δがδL2〜δL3の場合、CPU25は、この顔向き検知角度δL2〜δL3を照明方向として指定して、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する。ライト制御部18は、このように照明方向が指定されると、ベンディングライト17−2を点灯する。
【0055】
顔向き検知角度δがδR1〜δR2の場合、CPU25は、この顔向き検知角度δR1〜δR2を照明方向として指定して、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する。ライト制御部18は、このように照明方向が指定されると、ベンディングライト17−4を点灯する。
【0056】
顔向き検知角度δがδR2〜δR3の場合、CPU25は、この顔向き検知角度δR2〜δR3を照明方向として指定して、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する。ライト制御部18は、このように照明方向が指定されると、ベンディングライト17−3を点灯する。
【0057】
CPU25は、顔向きありと判定した場合でも、車両51が信号待ちで停車している場合、ナビゲーション装置53のディスプレイ53bを見ている場合、ルームミラー54を見ている場合には、ベンディングライト17−1〜17−4を点灯する必要はないと判定し、ベンディングライト17−1〜17−4の照明を禁止する。
【0058】
CPU25は、車両51が信号待ちで停車しているか否かを判定するため、後述するように信号停車判定処理を実行する。CPU25は、この処理において、地図DB19から、信号機の設置された交差点の位置情報を取得し、GPS受信機16から、車両51の現在の位置情報とを取得する。
【0059】
また、CPU25は、車速センサ13から車両51の車速情報を取得し、ブレーキスイッチ14から、ブレーキ情報を取得し、シフトセンサ15から、ギア位置情報を取得する。
【0060】
次に、CPU25は、ナビゲーション装置53のディスプレイ53bを見ているか否かを判定するため、後述するようにナビ見判定処理を実行する。CPU25は、この処理において、ナビゲーション装置53のナビスイッチ53aの操作情報を取得し、間隔x、y、zに基づいて、運転者52の顔が下向きか否かの判定を行う。
【0061】
次に、CPU25は、ルームミラー54を見ているか否かを判定するため、後述するようにミラー見判定処理を実行する。CPU25は、この処理において、間隔x、y、zに基づいて、運転者52の顔の上向き判定を行う。
【0062】
CPU25は、ベンディングライト17−1〜17−4の照明を禁止すると判定した場合、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する。
【0063】
次に実施形態1に係る顔向き連動照明装置の動作を説明する。
CPU25は、ROM23に記憶された顔向き連動照明処理のプログラムデータを読み出し、図8に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
CPU25は、赤外線照明部11、顔向きカメラ12を制御して、運転者52の顔画像を取得する(ステップS11)。
【0064】
CPU25は、画像メモリ21から、運転者52の顔のエッジ画像52pを取得し、このエッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔を認識する(ステップS12)。
【0065】
CPU25は、エッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔向きを判別する(ステップS13)。
【0066】
CPU25は、顔向きがあるか否かを判定する(ステップS14)。
【0067】
顔向きがあると判定した場合(ステップS14;Yes)、CPU25は、信号停車判定処理を実行する。CPU25は、図9に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
【0068】
CPU25は、地図DB19から、信号機が設置された交差点の位置情報を取得する(ステップS31)。
【0069】
CPU25は、GPS受信機16から、車両51の現在の位置情報を取得する(ステップS32)。
【0070】
CPU25は、車速センサ13から車速情報を取得する(ステップS33)。CPU25は、ブレーキスイッチ14から、ブレーキ情報を取得する(ステップS34)。CPU25は、シフトセンサ15からギア位置情報を取得する(ステップS35)。
【0071】
CPU25は、車両51の現在位置が信号のある交差点か否かを判定する(ステップS36)。
【0072】
信号のある交差点と判定した場合(ステップS36;Yes)、CPU25は、車速センサ13から取得した車速情報、ブレーキスイッチ14から取得したブレーキ情報、シフトセンサ15から取得したギア位置位置情報に基づいて、車両51が停車中か否かを判定する(ステップS37)。
【0073】
車速が0(零)の場合、ブレーキがオンの場合、あるいは、ギア位置がギア位置がパーキング、リバース、ニュートラルのいずれかの位置である場合、CPU25は、車両51が停車中と判定する(ステップS37;Yes)。
【0074】
一方、車速が0ではない場合、ブレーキがオフの場合、あるいは、ギア位置がドライブ位置である場合、CPU25は、車両51は停車中ではないと判定する(ステップS37;No)。
【0075】
車両51が停車中と判定した場合(ステップS37においてYes)、CPU25は、信号停車判定フラグに1をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS38)。
【0076】
一方、信号機が設置された交差点ではないと判定した場合(ステップS36;No)、停車中ではないと判定した場合(ステップS35;No)、CPU25は、信号停車判定フラグに0をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS37)。
【0077】
CPU25は、このように信号停車判定処理を実行すると、RAM23に記憶した信号停車判定フラグのフラグ値に基づいて信号停車中か否かを判定する(ステップS16)。
【0078】
信号停車判定フラグが1のとき、CPU25は、信号停車中と判定する(ステップS16;Yes)。この場合、CPU25は、ナビ見判定処理を行う(ステップS17)。CPU25は、図10に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
【0079】
CPU25は、ナビゲーション装置53のナビスイッチ53aの操作情報を取得する(ステップS41)。
【0080】
CPU25は、取得したナビスイッチ53aの操作情報に基づいて、ナビスイッチ53aが操作中であるか否かをする(ステップS42)。
【0081】
ナビスイッチ53aの操作中と判定した場合(ステップS42;Yes)、CPU25は、ナビ画面確認判定フラグに1をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS44)。
【0082】
一方、ナビスイッチ53aの操作中ではないと判定した場合(ステップS42;No)、CPU25は、運転者52の顔が下向きか否かを判定する(ステップS43)。
【0083】
運転者52の顔が下向きと判定した場合(ステップS43;Yes)、CPU25は、ナビ画面確認判定フラグに1をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS44)。
【0084】
運転者52の顔が下向きではないと判定した場合(ステップS43;No)、CPU25は、ナビ画面確認判定フラグに0をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS45)。
【0085】
CPU25は、このようにナビ見判定処理を実行すると、RAM23に記憶したナビ画面確認判定フラグのフラグ値に基づいて、ナビ画面確認中か否かを判定する(ステップS18)。
【0086】
ナビ画面確認判定フラグのフラグ値が0のとき、CPU25は、ナビゲーション装置53のディスプレイ53bの画面の確認中ではないと判定する(ステップS18;No)。この場合、CPU25は、ミラー見判定処理を実行する(ステップS19)。CPU25は、図11に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
【0087】
CPU25は、運転者52のエッジ画像52pを画像メモリ21から取得し、運転者52の顔が上向きか否かを判定する(ステップS51)。
【0088】
運転者52の顔が上向きであると判定した場合(ステップS51;Yes)、CPU25は、ミラー確認判定フラグのフラグ値を1にセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS52)。
【0089】
運転者52の顔が上向きではないと判定した場合(ステップS51;No)、CPU25はミラー確認判定フラグに0をセットして、このフラグ値をRAM23に記憶する(ステップS53)。
【0090】
CPU25は、RAM23に記憶したミラー確認判定フラグのフラグ値に基づいて、ルームミラー54の確認中か否かを判定する(ステップS20)。
【0091】
ルームミラー54の確認中ではないと判定した場合(ステップS20;No)、CPU25は、運転者52の顔向き方向を照明方向として指定し、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する(ステップS21)。
【0092】
一方、運転者52の顔向きがないと判定した場合(ステップS14;No)、信号停車中ではないと判定した場合(ステップS16;No)、ナビ画面の確認中であると判定した場合(ステップS18;Yes)、ルームミラー54の確認中と判定した場合(ステップS20;Yes)、CPU25は、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する(ステップS22)。そして、CPU25は、この顔向き連動照明処理を終了させる。
【0093】
次に、この実施形態1に係る顔向き連動照明装置の具体的な動作について説明する。
図12(a)に示すように、車両51が信号機の設置されていない交差点を通過する場合、GPS受信機16から取得した車両51の現在の位置情報と地図DB19から取得した信号機が設置された交差点の位置情報とは対応しない。また、車速は0ではないか、ブレーキがオンしているか、あるいは、ギア位置がパーキング、リバース、ニュートラルのいずれかの位置である。
【0094】
この場合に、運転者52の顔が左側の横断歩道に向くと、CPU25は、運転者52の顔向きありと判定して(ステップS14;Yes)、ナビゲーション装置53の確認中でもなく(ステップS18;No)、ルームミラー54の確認中でもなければ(ステップS20;No)、運転者52の顔向き方向を照明方向として指定してライト点灯信号をライト制御部18に供給する(ステップS21)。
【0095】
ライト制御部18は、照明方向が指定されて、このライト点灯信号が供給されると、ベンディングランプ16−1を点灯するように制御する。ベンディングランプ16−1は、点灯して、車両51の左前方の領域Sp1に光を照らす。
【0096】
一方、図12(b)に示すように、車両51が信号機の設置された交差点の近傍で停車した場合(ステップS16;Yes)、GPS受信機16から取得した車両51の現在の位置情報と道路DBから取得した信号機が設置された交差点の位置情報とは対応する。また、車速は0であるか、ブレーキはオフか、あるいは、ギア位置はドライブ位置である。
【0097】
この場合に、運転者52が左に向いて、周辺の景色や看板、歩道を歩く人を漠然と眺めていたとしても、CPU25は、非運転時であり、ベンディングライト17−1〜17−4の点灯は必要なく、照明を禁止すると判定する。
【0098】
CPU25は、このように判定すると、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する(ステップS22)。ライト制御部18は、このライト点灯禁止信号が供給されて、ベンディングライト17−1〜17−4を非点灯とする。
【0099】
次に、図13に示すように、運転者52の顔がナビゲーション装置53の方向に向いた場合(ステップS18;Yes)、CPU25は、運転者52の顔向きがあると判定しても(ステップS14;Yes)、運転者52の顔は下向きであり、運転者52の顔向き方向がナビゲーション装置53が設置されている位置と対応する。このため、CPU25は、ベンディングライト17−1〜17−4の点灯は必要なく、照明を禁止すると判定する。
【0100】
CPU25は、このように判定すると、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する。ライト制御部18は、このライト点灯禁止信号が供給されて、ベンディングライト17−1〜17−4を非点灯とする(ステップS22)。
【0101】
次に、図14に示すように、運転者52の顔がルームミラー54の方向に向いた場合(ステップS20;Yes)、CPU25は、運転者52の顔向きがあると判定しても(ステップS14;Yes)、運転者52の顔は上向きであり、運転者52の顔向き方向がルームミラー54が設置されている位置と対応する。このため、CPU25は、ベンディングライト17−1〜17−4の点灯は必要なく、照明を禁止すると判定する。
【0102】
CPU25は、このように判定すると、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給する。ライト制御部18は、このライト点灯禁止信号が供給されて、ベンディングライト17−1〜17−4を非点灯とする(ステップS22)。
【0103】
以上説明したように、本実施形態1によれば、CPU25は、運転者52の顔向きがあったとしても、車両51が信号待ちで停車している場合、ナビゲーション装置53のディスプレイ53bを見ている場合、ルームミラー54を見ている場合には、ベンディングライト17−1〜17−4の照明を禁止するようにした。
【0104】
従って、ベンディングライト17−1〜17−4の無駄な照明を防止することができ、消費電力を低減することができる。また、顔の向きに従って適宜に車両51の前方を照明することができる。
【0105】
(実施形態2)
実施形態2に係る顔向き連動照明装置は、夜間走行時、昼間と同じ地点を通過する場合に、運転者の顔向きがなかったときは、ベンディングライトを点灯させるようにしたものである。
【0106】
実施形態2に係る顔向き連動照明装置の構成を図15に示す。
顔向き連動照明装置は、ライト点灯スイッチ31を備える。ライト点灯スイッチ31は、オンしてライトを点灯させ、オフしてライトを消灯させるためのものである。
【0107】
CPU25は、このライト点灯スイッチ31のオン、オフの状態を取得し、取得した状態に基づいて、昼間走行時か夜間走行時かを判別する。
【0108】
また、ROM23は、昼間走行時処理、夜間走行時処理のプログラムデータを記憶する。
【0109】
次に実施形態2に係る顔向き連動照明装置の動作を説明する。
ライト点灯スイッチ31がオフのとき、CPU25は、このライト点灯スイッチ31のスイッチ状態を判別し、ROM23に記憶された昼間走行時処理のプログラムデータを読み出し、図16に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
【0110】
CPU25は、赤外線照明部11、顔向きカメラ12を制御して、運転者52の顔画像を取得する(ステップS61)。
CPU25は、画像メモリ21から、運転者52の顔のエッジ画像52pを取得し、このエッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔を認識する(ステップS62)。
【0111】
CPU25は、エッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔向きを判別する(ステップS63)。
【0112】
CPU25は、エッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔向きがあったか否かを判定する(ステップS64)。
【0113】
運転者52の顔向きがあったと判定し、顔向き角度が予め設定された閾値を越えていると判定した場合(ステップS64;Yes)、CPU25は、顔向きがあった現地点を示す現地点データを地図DB19に書き込んで(ステップS65)、この昼間走行時処理を終了させる。
【0114】
一方、運転者52の顔向きがなかったと判定した場合(ステップS64;No)、CPU25は、現地点データを地図DB19に書き込まずに、この昼間走行時処理を終了させる。
【0115】
ライト点灯スイッチ31がオンしたとき、CPU25は、このライト点灯スイッチ31のスイッチ状態を判別し、ROM23に記憶された夜間走行時処理のプログラムデータを読み出し、図17に示すフローチャートに従って、この処理を実行する。
【0116】
CPU25は、赤外線照明部11、顔向きカメラ12を制御して、顔画像を取得する(ステップS71)。
【0117】
CPU25は、画像メモリ21から、運転者52の顔のエッジ画像52pを取得し、このエッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔を認識する(ステップS72)。
【0118】
CPU25は、エッジ画像52pに基づいて、運転者52の顔向きを判別する(ステップS73)。
【0119】
CPU25は、地図DB19から、現地点データの履歴を読み出す(ステップS74)。
【0120】
CPU25は、運転者52の顔向きの有無を判定する(ステップS75)。
運転者52の顔向きありと判定した場合(ステップS75;Yes)、CPU25は、運転者52の顔向き検知角度δを照明方向として指定し、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する(ステップS77)。
【0121】
運転者52の顔向きなしと判定した場合(ステップS75;No)、CPU25は、読み出した現地点データの履歴に基づいて顔向きの履歴があるか否かを判定する(ステップS76)。
【0122】
運転者52の顔向きの履歴があると判定した場合(ステップS76;Yes)、CPU25は、運転者52の顔向き検知角度δを照明方向として指定し、ライト制御部18にライト点灯信号を供給する(ステップS77)。
【0123】
一方、運転者52の顔向きの履歴がないと判定した場合(ステップS76;No)、CPU25は、ライト制御部18にライト点灯禁止信号を供給し(ステップS78)、この夜間走行時処理を終了させる。
【0124】
以上説明したように、本実施形態2によれば、夜間走行時、昼間と同じ地点を通過する場合に、運転者52の顔向きがなかったときは、ベンディングライト17−1〜17−4を点灯させるようにした。
【0125】
従って、夜間走行時の歩行者等の見落としを防止することができ、顔の向きに従って適宜に車両51の前方を照明することができる。また、常時ベンディングライト17−1〜17−4を点灯しないので、運転者52の注意を喚起することができる。
【0126】
また、CPU25は、顔向きがないと判定しても、顔向きのあった現地点データの履歴があれば、顔の動きが少ない夜間走行時、付近に歩行者が存在していることを認識していないと判別してベンディングライト17−1〜17−4を点灯させ、履歴がなければ非点灯とするようにした。
【0127】
このため、顔の動きが少ない夜間走行時でも、適宜にベンディングライト17−1〜17−4の点灯制御を行うことができる。
【0128】
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施の形態に限られるものではない。
例えば、上記実施の形態では、顔向きカメラ12に赤外線カメラを用いるものとして説明した。しかし、顔向きカメラ12に可視光カメラを用いることもできる。但し、夜間走行時、運転者52の顔を照明する照明装置を備える必要がある。
【0129】
上記実施形態1,2では、ベンディングライト17−1〜17−4による照明、照明の禁止の判定として、運転者52の顔向きを判別するようにした。しかし、運転者52の視線を検出し、この判定に、検出した運転者52の視線を用いてもよい。
【0130】
視線を検出する場合、運転者52が正面を向いている状態を基準として、顔向きカメラ12によって得られた顔画像から、運転者52の顔の角度、眼球の角度を判別する。眼球の角度を検出する場合、CPU25は、例えば、眼球の瞳孔中心とプルキニエ像との相対位置関係から視線の角度を算出する。
【0131】
実施形態1では、ベンディングライト17−1〜17−4の照明を禁止する場合の交差点は、信号機が設置された交差点として説明した。しかし、交差点は、信号機が設置されていなくても停止線が記された交差点であってもよい。
【0132】
上記実施形態1,2では、複数のベンディングライト17−1〜17−4が車両51の前面に固定的に取り付けられるものとして説明した。しかし、ベンディングライトの照明方向が可変であれば、ベンディングライトは1つでもよい。この場合、ライト制御部18は、CPU25から指定された照明方向に従って、ベンディングライトの方向を可変する。
【0133】
上記実施形態1,2では、CPUが、各処理をフローチャートに従って、実行するものとして説明した。しかし、ROM24が、図18(a)に示すような顔向きありでライトを非点灯とする条件、図18(b)に示すような夜間顔向き判定条件を示すテーブルを予め記憶し、CPU25が、このテーブルを参照して、ベンディングライト17−1〜17−4による照明、照明の禁止を判定するようにしてもよい。
【0134】
また、上記実施形態では、プログラムが、それぞれメモリ等に予め記憶されているものとして説明した。しかし、顔向き連動照明装置を、装置の全部又は一部として動作させ、あるいは、上述の処理を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0135】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の実施形態1に係る顔向き連動照明装置の構成を示すブロック図である。
【図2】車両内を示す図である。
【図3】ナビゲーション装置を示す図である。
【図4】ベンディングライトを示す図であり、(a)は、ベンディングライトの車両の取り付け位置を示し、(b)は、それぞれ点灯したときに光を照らす領域を示す。
【図5】運転者の顔画像を示す図であり、(a)は、画像処理部が画像処理を施して得られた顔画像のエッジ画像を示し、(b)は、エッジ画像の各特徴点を示す。
【図6】運転者の顔向き判定を示す図であり、(a)は、運転者が正面を向いている場合の顔画像を示し、(b)は、運転者が下を向いている場合の顔画像を示し、(c)は、運転者が上を向いている場合の顔画像を示す。
【図7】顔向き検出角度とベンディングライトの点灯との関係を示す図である。
【図8】図1に示すCPUが実行する顔向き連動照明処理を示すフローチャートである。
【図9】図1に示すCPUが実行する信号停車判定処理を示すフローチャートである。
【図10】図1に示すCPUが実行するナビ見判定処理を示すフローチャートである。
【図11】図1に示すCPUが実行するミラー見判定処理を示すフローチャートである。
【図12】実施形態1に係る顔向き連動照明装置の具体的な動作を示す図であり、(a)は、信号機が設置されていない交差点を車両が通過する場合の動作を示し、(b)は、信号機が設置されている交差点近傍で車両が停止している場合の動作を示す。
【図13】実施形態1に係る顔向き連動照明装置の具体的な動作として、運転者がナビゲーション装置の確認中であることを示す図である。
【図14】実施形態1に係る顔向き連動照明装置の具体的な動作として、運転者がルームミラーの確認中であることを示す図である。
【図15】本発明の実施形態2に係る顔向き連動照明装置の構成を示すブロック図である。
【図16】図15に示すCPUが実行する昼間走行時処理を示すフローチャートである。
【図17】図15に示すCPUが実行する夜間走行時処理を示すフローチャートである。
【図18】顔向き連動照明装置の応用例として、ROMに記憶されたテーブルを示す図であり、(a)は、顔向きありでライトを非点灯とする条件を示し、(b)は、夜間顔向き判定条件を示す。
【符号の説明】
【0137】
12 顔向きカメラ(撮像手段)
13 車速センサ(運転情報取得手段、車速情報取得手段)
14 ブレーキスイッチ(運転情報取得手段、ブレーキ情報取得手段)
15 シフトセンサ(運転情報取得手段、ギア位置情報取得手段)
16 GPS受信機(運転情報取得手段、位置情報取得手段)
17−1〜17−4 ベンディングライト(照明手段)
19 地図DB(交差点情報記憶手段、道路情報記憶手段)
25 CPU(顔向き判定手段、照明判定手段、点灯制御手段)
51 車両
52 運転者
53 ナビゲーション装置
53a ナビスイッチ
54 ルームミラー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者の顔を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像によって得られた画像に基づいて、前記運転者の前記正面からの顔向き方向を判別して前記顔向きがあったか否かを判定する顔向き判定手段と、
照明を行う照明手段と、
前記車両の運転情報を取得する運転情報取得手段と、
前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定する照明判定手段と、
前記照明判定手段が照明を行うと判定したときは、照明を行うように前記照明手段を制御し、前記照明判定手段が照明を禁止すると判定したときは、前記照明手段の照明を禁止する点灯制御手段と、を備えた、
ことを特徴とする顔向き連動照明装置。
【請求項2】
車両停止条件付きの交差点の位置情報を記憶する交差点情報記憶手段を備えるとともに、
前記運転情報取得手段は、
前記車両の位置情報を前記車両の運転情報として取得する位置情報取得手段と、
前記車両の車速情報を前記車両の運転情報として取得する車速情報取得手段と、
前記車両のブレーキ情報を前記車両の運転情報として取得するブレーキ情報取得手段と、
前記車両のギア位置情報を前記車両の運転情報として取得するギア位置情報取得手段と、
を備えたものであり、
前記照明判定手段は、前記位置情報取得手段が取得した前記車両の位置情報と前記交差点情報記憶手段が記憶する前記交差点の位置情報とに基づいて前記車両の位置が前記交差点近傍であることを判別し、かつ、前記車速情報取得手段が取得した車速情報に基づいて車速が零であることを判別したとき、前記ブレーキ情報取得手段が取得したブレーキ情報に基づいてブレーキがオンしたことを判別したとき、前記ギア位置情報取得手段が取得したギア位置情報に基づいてギア位置がパーキング、リバース、ニュートラルのいずれかの位置であることを判別したときのいずれかの場合に、前記照明手段の照明を禁止すると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項3】
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記車両内に設置された設置物の設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項4】
前記車両内に設置された設置物は、ナビゲーション装置であり、
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記ナビゲーション装置の設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項5】
前記車両内に設置された設置物は、ルームミラーであり、
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記ルームミラーの設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項6】
前記車両が通る道路に関する道路情報を記憶する道路情報記憶手段を備えるとともに、
前記顔向き判定手段は、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したときに、前記道路情報記憶手段が記憶する道路情報に基づいて前記顔向きがあった位置を判別し、判別した位置で夜間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったか否かを判定し、
前記照明判定手段は、前記車両の夜間走行時に、前記昼間走行時に前記運転者の顔向きがあったと判定した位置で前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの顔向きがなかったと判定したとき、照明を行うと判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項7】
前記顔向き判定手段は、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、前記顔向きがあったと判別した位置の位置情報を前記道路情報記憶手段に記憶し、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したときに、前記道路情報記憶手段が記憶する位置情報の履歴に基づいて、前記顔向きがあった位置を判別する、
ことを特徴とする請求項6に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項8】
前記運転者の顔向き角度と前記車両の運転情報とに基づいて予め設定された条件として、前記照明手段を点灯させる照明点灯条件と前記照明手段の点灯を禁止する照明点灯禁止条件とを記憶する点灯条件記憶手段を備え、
前記照明判定手段は、前記顔向き角度取得手段が取得した前記運転者の顔向き角度と前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報とに基づいて、前記点灯条件記憶手段に記憶されている前記照明点灯条件と前記照明点灯禁止条件とを参照して、前記照明手段を点灯させるか前記照明手段の点灯を禁止するかを判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項9】
車両の運転者の顔を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像によって得られた画像に基づいて前記運転者の視線を検出し、検出した前記運転者の視線に基づいて前記運転者の顔向きがあったか否かを判定する顔向き判定手段と、
照明を行う照明手段と、
前記車両の運転情報を取得する運転情報取得手段と、
前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの視線の変化を検出したとき、前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定する照明判定手段と、
前記照明判定手段が照明を行うと判定したときは、照明を行うように前記照明手段を制御し、前記照明判定手段が照明を禁止すると判定したときは、前記照明手段の照明を禁止する点灯制御手段と、を備えた、
ことを特徴とする顔向き連動照明装置。
【請求項10】
車両の運転者の顔を撮像するステップと、
撮像によって得られた画像に基づいて、前記運転者の正面からの顔向き方向を判別して前記顔向きがあったか否かを判定するステップと、
前記車両の運転情報を取得するステップと、
前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定するステップと、
前記照明を行うと判定したときは、照明を行うように制御し、前記照明を禁止すると判定したときは、前記照明を禁止するステップと、を備えた、
ことを特徴とする顔向き連動照明方法。
【請求項1】
車両の運転者の顔を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像によって得られた画像に基づいて、前記運転者の前記正面からの顔向き方向を判別して前記顔向きがあったか否かを判定する顔向き判定手段と、
照明を行う照明手段と、
前記車両の運転情報を取得する運転情報取得手段と、
前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定する照明判定手段と、
前記照明判定手段が照明を行うと判定したときは、照明を行うように前記照明手段を制御し、前記照明判定手段が照明を禁止すると判定したときは、前記照明手段の照明を禁止する点灯制御手段と、を備えた、
ことを特徴とする顔向き連動照明装置。
【請求項2】
車両停止条件付きの交差点の位置情報を記憶する交差点情報記憶手段を備えるとともに、
前記運転情報取得手段は、
前記車両の位置情報を前記車両の運転情報として取得する位置情報取得手段と、
前記車両の車速情報を前記車両の運転情報として取得する車速情報取得手段と、
前記車両のブレーキ情報を前記車両の運転情報として取得するブレーキ情報取得手段と、
前記車両のギア位置情報を前記車両の運転情報として取得するギア位置情報取得手段と、
を備えたものであり、
前記照明判定手段は、前記位置情報取得手段が取得した前記車両の位置情報と前記交差点情報記憶手段が記憶する前記交差点の位置情報とに基づいて前記車両の位置が前記交差点近傍であることを判別し、かつ、前記車速情報取得手段が取得した車速情報に基づいて車速が零であることを判別したとき、前記ブレーキ情報取得手段が取得したブレーキ情報に基づいてブレーキがオンしたことを判別したとき、前記ギア位置情報取得手段が取得したギア位置情報に基づいてギア位置がパーキング、リバース、ニュートラルのいずれかの位置であることを判別したときのいずれかの場合に、前記照明手段の照明を禁止すると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項3】
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記車両内に設置された設置物の設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項4】
前記車両内に設置された設置物は、ナビゲーション装置であり、
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記ナビゲーション装置の設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項5】
前記車両内に設置された設置物は、ルームミラーであり、
前記照明判定手段は、前記顔向き判定手段が判別した前記運転者の正面からの顔向き方向と前記ルームミラーの設置位置とが対応しているときは、前記照明手段の照明を禁止すると判定する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項6】
前記車両が通る道路に関する道路情報を記憶する道路情報記憶手段を備えるとともに、
前記顔向き判定手段は、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したときに、前記道路情報記憶手段が記憶する道路情報に基づいて前記顔向きがあった位置を判別し、判別した位置で夜間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったか否かを判定し、
前記照明判定手段は、前記車両の夜間走行時に、前記昼間走行時に前記運転者の顔向きがあったと判定した位置で前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの顔向きがなかったと判定したとき、照明を行うと判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項7】
前記顔向き判定手段は、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、前記顔向きがあったと判別した位置の位置情報を前記道路情報記憶手段に記憶し、前記車両の昼間走行時に前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したときに、前記道路情報記憶手段が記憶する位置情報の履歴に基づいて、前記顔向きがあった位置を判別する、
ことを特徴とする請求項6に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項8】
前記運転者の顔向き角度と前記車両の運転情報とに基づいて予め設定された条件として、前記照明手段を点灯させる照明点灯条件と前記照明手段の点灯を禁止する照明点灯禁止条件とを記憶する点灯条件記憶手段を備え、
前記照明判定手段は、前記顔向き角度取得手段が取得した前記運転者の顔向き角度と前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報とに基づいて、前記点灯条件記憶手段に記憶されている前記照明点灯条件と前記照明点灯禁止条件とを参照して、前記照明手段を点灯させるか前記照明手段の点灯を禁止するかを判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の顔向き連動照明装置。
【請求項9】
車両の運転者の顔を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像によって得られた画像に基づいて前記運転者の視線を検出し、検出した前記運転者の視線に基づいて前記運転者の顔向きがあったか否かを判定する顔向き判定手段と、
照明を行う照明手段と、
前記車両の運転情報を取得する運転情報取得手段と、
前記顔向き判定手段が前記運転者の正面からの視線の変化を検出したとき、前記運転情報取得手段が取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定する照明判定手段と、
前記照明判定手段が照明を行うと判定したときは、照明を行うように前記照明手段を制御し、前記照明判定手段が照明を禁止すると判定したときは、前記照明手段の照明を禁止する点灯制御手段と、を備えた、
ことを特徴とする顔向き連動照明装置。
【請求項10】
車両の運転者の顔を撮像するステップと、
撮像によって得られた画像に基づいて、前記運転者の正面からの顔向き方向を判別して前記顔向きがあったか否かを判定するステップと、
前記車両の運転情報を取得するステップと、
前記運転者の正面からの顔向きがあったと判定したとき、取得した前記車両の運転情報に基づいて、前記照明を行うか前記照明を禁止するかを判定するステップと、
前記照明を行うと判定したときは、照明を行うように制御し、前記照明を禁止すると判定したときは、前記照明を禁止するステップと、を備えた、
ことを特徴とする顔向き連動照明方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−120230(P2008−120230A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305784(P2006−305784)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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