飲食物加熱装置
【課題】加熱調理器の省電力化、製造コストの低減及び装置本体の薄型化を図る。
【解決手段】本発明の加熱調理器1は、食肉などの調理物を載せる調理用プレート5、6と、調理用プレート5、6の底部側に配置され、一対の絶縁フィルム7b、8bに挟まれつつ配線された導体パターン7a、8aを有する発熱シート7、8と、導体パターン7a、8aに通電を行って発熱シート7、8を発熱させる電力供給部25とを備える。
【解決手段】本発明の加熱調理器1は、食肉などの調理物を載せる調理用プレート5、6と、調理用プレート5、6の底部側に配置され、一対の絶縁フィルム7b、8bに挟まれつつ配線された導体パターン7a、8aを有する発熱シート7、8と、導体パターン7a、8aに通電を行って発熱シート7、8を発熱させる電力供給部25とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば食材を調理する加熱調理器や飲食物を保温する保温装置などの飲食物加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気ヒ−タが収容された調理器本体ケースに着脱自在に搭載された調理用プレート上において、例えば食肉やホットケーキの加熱調理を一般家庭で手軽に行えるようにしたホットプレートなどの加熱調理器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の飲食物の加熱装置では、上記電気ヒータとして、例えば熱伝導用の絶縁性の粉末とともにニクロム線を内部に収容したパイプを、調理用プレートの底部側において蛇行させつつ配置した、いわゆるシーズヒータなどが適用されている。
【特許文献1】特開2002−291621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したシーズヒータは、比較的多くの予熱時間が必要であるとともに、消費電力も大きく、省電力の観点において改善が求められている。そこで、加熱装置の薄型化及び製造コスト自体の低減を図るために、シーズヒータに代わる新たな熱源を開発することへの要請もある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、省電力化、製造コストの低減及び装置本体の薄型化を図ることができる飲食物加熱装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る飲食物加熱装置は、飲食物又は飲食物を入れた容器が置かれる被加熱部と、前記被加熱部の少なくとも底部側に配置され、一対の絶縁基板に挟まれつつ配線された導体パターンを有する発熱部材と、前記導体パターンに通電を行って前記発熱部材を発熱させる電力供給部と、を具備することを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、絶縁基板に挟まれた導体パターンへの通電により発熱する発熱部材、すなわち、伝熱効果の高い面状の発熱体で発熱源を構成しているので、例えばシーズヒータなどと異なり、比較的小さい消費電力でしかも短時間で、飲食物又は飲食物の容器が置かれる被加熱部を昇温でき、これにより、省電力化が実現される。また、この発明によれば、各種印刷技術やエッチングなどを利用して、導体パターンを絶縁基板で挟んだかたちの薄い発熱源を容易に形成することができるので、装置本体の製造コストの低減及び薄型化を図ることができる。
【0008】
ここで、本明細書において、飲食物とは、例えば肉、野菜などの食材、既に一度調理された食べ物、水、お湯、コーヒなどの飲料物を含む。また、本発明の飲食物加熱装置による飲食物の加熱とは、食材の調理、飲食物の保温及び加熱、並びに飲料物を沸騰させることなどを含む。さらに、上記の被加熱部は、飲食物又は飲食物の容器の底部に接触する部位の他、上記の容器の側面などに接触する部位を有していてもよい。また、このように被加熱部が、飲食物の容器の側面などに接触する部位を有している場合、容器の側面に対応する側にも発熱部材も設けてもよい。さらに、本発明において、導体パターンを、一対の絶縁基板の各内側面に沿って蛇行させつつ配線することで、絶縁基板の内側面の極力全面にわたって発熱部分を多く設けること(絶縁基板上の非発熱部分を極力少なくすること)が可能である。なお、導体パターンを一対の絶縁基板の各内側面に対しクランク状に配線した場合でも同様の効果を得ることができる。
【0009】
また、本発明の飲食物加熱装置は、前記被加熱部の上部表面に温度の異なる複数の加熱領域が形成されるように、この被加熱部の底部側の複数個所に対し前記発熱部材が複数個に分けてそれぞれ配置されていることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、例えば食材の調理用の領域と、既に調理された調理物の保温用の領域などとを、被加熱部を構成する単一の部材上に用意することができ、一台の飲食物加熱装置に対しての用途の拡張を図ることができる。ここで、飲食物(又は飲食物の容器)が置かれる載置部分を持つ被加熱部は、その部品構成として、例えば単一のプレートなどで構成されていてもよいし、加熱領域毎に個別となる複数のプレートなどで構成されていてもよい。
【0011】
さらに、本発明の飲食物加熱装置は、前記被加熱部の表面全体の加熱温度の可変制御及び/又はこの被加熱部表面の前記複数の加熱領域毎の加熱温度の可変制御を行う発熱制御部をさらに具備することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、対象の飲食物に対して最適な加熱温度を付与することができる。また、この発明において、被加熱部の上部表面の複数の加熱領域毎の温度制御が可能な場合、例えば調理温度などが各々異なる複数の種類の食材を一台の装置で好適に調理することができる。
【0013】
また、本発明の飲食物加熱装置は、商用電源に対応する交流電源入力用のインターフェース、自動車のバッテリ電源に対応する直流電源入力用のインターフェース、及び充電池に対応する直流電源入力用のインターフェースのうちの少なくとも一つを備えることを特徴とする。
【0014】
この発明では、商用電源を利用した飲食物加熱装置の住居内においての使用にのみならず、DC12Vのバッテリ電源を搭載した一般の乗用車や、DC24Vのバッテリ電源を搭載した、例えばオフロード車などからの電力の供給が可能となるので、キャンプ場などのアウトドア環境においても飲食物加熱装置を使用することができる。ここで、上記した商用電源に対応する交流電源入力用のインターフェースとは、日本国内におけるAC100Vに対応するインターフェースは勿論、AC110V、AC115V、AC120V、AC127V、AC220V、AC230V、AC240Vなどといった海外諸国の商用電源に対応するインターフェースを含む。
【0015】
さらに、この発明では、充電池に対応する直流電源入力用のインターフェースを備える飲食物加熱装置であれば、商用電源やバッテリ電源などに代えて、充電池を適用することが可能である。また、この発明では、実質的に携帯型(可搬型)の飲食物加熱装置を提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。さらに、この発明においては、商用電源、バッテリ電源及び充電池といった3種類の系統の電源を全てサポートするように飲食物加熱装置を構成してもよいし、また、これに代えて、商用電源仕様(例えば日本国内のAC100V仕様)の飲食物加熱装置、自動車用のバッテリ電源(例えばDC12V)仕様の飲食物加熱装置、充電池仕様の飲食物加熱装置といったように電源の種類に応じて専用機となる飲食物加熱装置を個別に構成してもよい。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明によれば、省電力化、製造コストの低減及び装置本体の薄型化を図ることが可能な飲食物加熱装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る飲食物加熱装置としての加熱調理器を示す平面図、図2は、この加熱調理器を示す断面図、図3は、この加熱調理器の入力操作部を詳細に示す図、図4は、この加熱調理器の制御系を機能的に示すブロック図である。
【0018】
図1ないし図4に示すように、本実施形態の加熱調理器1は、焼肉などの加熱調理を一般家庭で手軽に行えるようにしたホットプレートであって、食肉やホットケーキなどの調理物(飲食物)が置かれる被加熱部としての調理用プレート5、6と、調理用プレート5、6の底部側に配置され、一対の絶縁フィルム(絶縁基板)7b、8bに挟まれつつ配線された導体パターン7a、8aを有する面状発熱体としての発熱シート(発熱部材)7、8と、導体パターン7a、8aに通電を行って発熱シート7、8を発熱させる電力供給部25と、を主に備える。
【0019】
詳細には、図1、図2に示すように、加熱調理器1の筐体部分は、支持ケース2で形成されている。調理用プレート5、6は、支持ケース2の最上部に着脱自在に搭載される。発熱シート7、8の導体パターン7a、8aの一端部及び他端部は、それぞれリード9a、10a、9b、10bを介して電力供給部25に接続されている。
【0020】
発熱シート7、8の上側の一方の絶縁フィルム7b、8bと調理用プレート5、6との間には、熱伝導率を向上させるためのアルミニウム製のプレート12が介在されている。また、発熱シート7、8の底部側の他方の絶縁フィルム7b、8bと支持ケース2との間には、内側から順に、加熱調理器1の底部側への熱の放散を抑制するためのガラスウール9と例えばアルミニウム製のプレート16とが介在されている。
【0021】
発熱シート7、8は、例えば所定の基材上に、まずエッチングや各種印刷技術などを利用して、導体パターン7a(又は8a)を形成し、この後、導体パターンを基材から剥がし、さらに、導体パターンを両側から一対の絶縁フィルム7b(又は8b)を貼り付けることなどで例えば作製される。また、発熱シート7、8は、一対の絶縁フィルムのうちの一方の絶縁フィルム上に導体パターンを形成し、この後、他方の絶縁フィルムを貼り合わせることなどでも作製することができる。上記の絶縁フィルム7b、8bとしては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、マイカ、ガラスシート、セラミックペーパなどの耐熱性材料が挙げられる。さらに、このような絶縁フィルム7b、8bに代えて、チタン合金、マグネシウム、アルミニウムなどの板材(母材)の表面に対し、例えばプラズマ酸化処理などにより、Al2O3(アルミナ)などのセラミックコーティングを施して得られる高耐熱性及び高絶縁性の基板を適用することもできる。ここで、上記のプラズマ酸化処理とは、超高電圧のプラズマ放電によりアルミニウムなどの母材の最表面層の溶解と凝固をパルス制御により繰返し、その際に電解液中の成分を巻き込んで被膜を得る皮膜形成処理である。また、導体パターン7a、8aは、例えば厚さ5μm〜0.1mm程度のステンレス箔、銅箔、銀箔などの金属箔をパターン形成して構成されている。金属箔をパターン形成するための手法としては、各種印刷技術や、エッチング加工、プレス加工、ワイヤーカット加工、レーザーカット加工などが例示される。また、このような導体パターン7a、8aは、一対の絶縁フィルム7b、8bの各内側面に沿って蛇行させつつ配線されている。詳細には、この導体パターン7a、8aは、絶縁フィルム7b、8bの内側面の全面を極力均一に配線されるようにパターン形成されている。これにより、絶縁フィルム7b、8bの内側面の全面にわたって発熱部分を均一に設けること(絶縁フィルム7b、8b上での温度むらの発生を極力抑えること)ができる。
【0022】
次に、本実施形態の加熱調理器1の制御系について説明する。
すなわち、図3及び図4に示すように、加熱調理器1の制御系には、上記した電力供給部25に加え、ユーザが入力操作を行う入力操作部3と、電力供給部25から発熱シート7、8への電流の供給を制御して、調理用プレート5、6の加熱温度を制御する発熱制御部21とが設けられている。発熱制御部21は、タイマ21aを備えており、例えばユーザにより入力操作部3を通じて設定された設定時間の経過をタイマ21aが検出した場合に、電力供給部25から発熱シート7、8への電流の供給を強制的に遮断する。ここで、発熱シート7、8に例えばサーミスタを取り付け、このサーミスタによって検出された発熱シート7、8の温度に基づいて、発熱制御部21に加熱温度のフィードバック制御を行わせるようにしてもよい。
【0023】
また、電力供給部25には、商用電源23を供給可能とするために、AC100Vに対応する交流電源入力用のインターフェースとしての端子部24が接続されている。さらに、電力供給部25には、自動車用のバッテリ電源28を供給可能とするために、DC24V及びDC12Vに対応する直流電源入力用のインターフェースである端子部27が、DC−ACインバータ26を介して接続されている。
【0024】
DC−ACインバータ26は、バッテリ電源28側から供給された24V/12Vの直流電源を100Vの交流電源に変換して、電力供給部25に供給する。DC−ACインバータ26に接続された電圧設定切替部22は、入力操作部3を介してのユーザからの入力操作に応じて、DC24VからAC100Vへの変換と、DC12VからAC100Vへの変換とを選択的に実行する。
【0025】
この構成は、加熱調理器の住居内においての商用電源23の使用にのみならず、DC12Vのバッテリ電源を搭載した一般の乗用車や、DC24Vのバッテリ電源を搭載した、例えばオフロード車などからの電力の供給を実現するものである。この構成により、本実施形態の加熱調理器1を携帯型の加熱調理器として適用することができ、キャンプ場などのアウトドア環境においても加熱調理器1を使用することができる。ここで、車両側の例えばシガレットライターソケット(DC12V/DC24V出力)と加熱調理器1の端子部27とを中継して接続する専用の接続ケーブルを当該加熱調理器1の付属品として設けるようにしてもよい。なお、アウトドア環境で適用されることのある固形燃料などを熱源として利用する調理器では、温度制御(例えば保温など)を行えず、また、燃料の燃焼を伴うことから安全性の面などにおいても課題を抱えているのに対し、本実施形態のこの加熱調理器1では、これらの課題が解消されている。
【0026】
次に、図3に基づき入力操作部3の構成について説明する。
同図3に示すように、入力操作部3は、加熱調理器1本体へ供給される駆動電源のON/OFFを切り替える電源スイッチ3aと、(図1、図2の右側に配置された)発熱シート8の上方位置にある調理用プレート6の加熱温度を主に調整(発熱制御部21を介しての導体パターン8aへの電力[電流]の供給を調整)するための温度調節つまみ3cとを備える。さらに、入力操作部3は、(図1、図2の左側に配置された)発熱シート7の上方位置にある調理用プレート5の加熱温度を主に調整(発熱制御部21を介しての導体パターン7aへの電力[電流]の供給を調整)するための温度調節つまみ3dと、温度調節つまみ3c、3dによる加熱温度の調整機能に所定の制御を加える分割スイッチ3bとを備える。
【0027】
上記した分割スイッチ3bをOFFに設定した状態では、温度調節つまみ3dによる温度調整機能は、無効になるとともに、温度調節つまみ3cを操作することで、発熱シート7、8が共に制御され、調理用プレート5、6の両方が同じ温度に調整される。
【0028】
一方、分割スイッチ3bをONに設定した状態では、温度調節つまみ3dによる温度調整機能が有効になり、温度調節つまみ3dを操作することで、発熱シート7のみが制御され、調理用プレート5が固有の温度に調整される。さらに、分割スイッチ3bをONに設定した状態において、温度調節つまみ3cを操作することで、発熱シート8のみが制御され、調理用プレート6が、固有の温度(調理用プレート5に対して個別の温度)に調整される。ここで、例えば、温度調節つまみ3c、3dを適宜調整することで、例えば、調理用プレート5を保温用に例えば100℃とし、調理用プレート6を実際の調理用に例えば200℃とする設定などが可能となる。
【0029】
次に、本実施形態の加熱調理器1が備える発熱シート7の発熱特性の試験結果を図5及び図6に示す。ここで、試験に適用した発熱シート7としては、導体パターン7aに、厚さ35μm、幅3mm、抵抗値が約7Ωのステンレス箔の導体パターンを適用し、図1に示す導体パターン7aの表面の測定ポイントA、B、Cの温度を直接的に測定した。測定条件としては、室温28.2℃、湿度68%の環境下において、AC20V、AC25Vの2種類の入力電圧にて、所定時間経過毎に温度の測定を行った。
この測定結果から明らかなように、2分経過後には、温度の上昇がほぼ安定していることから、本実施形態の加熱調理器1の発熱シートは、温度上昇が迅速に行われ、多くの予熱時間を必要としないものであることがわかる。
【0030】
既述したように、本実施形態の加熱調理器1によれば、絶縁フィルム7b、8bに挟まれた導体パターン7a、8aへの通電により発熱する発熱シート7、8、すなわち、伝熱効果が高く、しかも調理用プレート5、6の底部に、より近接させて配置することが可能な面状の発熱体で発熱源を構成しているので、例えばシーズヒータなどと異なり、比較的小さい消費電力でしかも短時間で、調理物が置かれる調理用プレート5、6を昇温でき、これにより、省電力化が実現される。また、本実施形態の加熱調理器1によれば、各種印刷技術や、エッチング加工、プレス加工、ワイヤーカット加工、レーザーカット加工などを利用して、導体パターンを絶縁基板で挟んだかたちの薄い発熱源を容易に形成することができるので、装置本体の製造コストの低減及び薄型化を図ることができる。
【0031】
また、本実施形態の加熱調理器1では、実際の調理用の加熱領域と保温用の加熱領域とを調理用プレート5、6上に用意することができ、一台の加熱調理器に対しての用途の拡張を図ることができる。さらに、本実施形態の加熱調理器1によれば、調理用プレート5、6毎の温度制御が可能なので、例えば調理温度が各々異なる複数の種類の調理物を単一の調理器で好適に調理することができる。
【0032】
ここで、本実施形態においては、上記の加熱調理器1に代えて、図7に示すように、ドリンクホルダ35を本発明の飲食物加熱装置として適用することもできる。このドリンクホルダ35は、自動車用のエアコンの吹出口に取付可能なものであって、吹出口にはめ込む取付用爪部36と、飲料を入れるカップや管コーヒなどの容器の側面を保持する側面保持部37と、管コーヒなどの容器の底部を支持する底部支持部38とを備える。さらに、このドリンクホルダ35の底部支持部38には、加熱調理器1に設けられていた発熱シート7、8と同様の構造の発熱シート39が内蔵されている。すなわち、ドリンクホルダ35は、管コーヒなどを保持しつつこれを保温する保温機能を備える。このドリンクホルダ35には、自動車のバッテリ電源に対応する直流電源入力用のインターフェースを設けることが望ましい。
【0033】
また、本発明を、図8に示すように、薄型の加熱装置40に適用してもよい。この加熱装置40は、ポット42などを載置する加熱ステージ41や、加熱ステージ41の加熱温度を設定する入力操作部44を備える。さらに、この加熱装置40の加熱ステージ41の底部には、発熱シート7、8と同様の構造の発熱シート43が内蔵されている。つまり、この加熱装置40では、ポット42内に入れた水の沸騰や、沸騰させたお湯の保温などが可能となる。
【0034】
さらに、本発明の飲食物加熱装置を、図9に示すように、加熱調理鍋45に適用してもよい。この加熱調理鍋45は、鍋本体47と、蓋46と、鍋本体47を収容して鍋本体47の底部及び側面を覆う鍋収容器48とを備える。さらに、この加熱調理鍋45の鍋収容器48の底部には、発熱シート7、8と同様の構造の発熱シート49が内蔵されている。すなわち、この加熱調理鍋45では、上記の加熱調理器1と同様、比較的小さい消費電力でしかも短時間で鍋本体47を昇温することができ、省電力化を図ることができる。なお、発熱シートを、鍋収容器48の底部の他、鍋本体47の側面と対向する鍋収容器48の側面部分にも内蔵させるようにしてもよい。
【0035】
なお、図7〜図9で説明したドリンクホルダ35、薄型の加熱装置40及び加熱調理鍋45のそれぞれに、商用電源に対応する交流電源入力用のインターフェース、自動車のバッテリ電源に対応する直流電源入力用のインターフェース、及び充電池に対応する直流電源入力用のインターフェースを設けてもよい。
【0036】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図10〜図12に基づき説明する。
ここで、図10は、第2の実施形態に係る飲食物加熱装置としての加熱調理器を示す平面図、図11は、この加熱調理器を示す断面図、図12は、この加熱調理器の制御系を機能的に示すブロック図である。なお、図10〜図12において第1の実施形態の加熱調理器1と同様の機能を有する構成については、同一の符号を付与しその説明を省略する。
【0037】
図10〜図12に示すように、本実施形態の加熱調理器51は、第1の実施形態の加熱調理器1の発熱シート7、8に代えて、PTC発熱抵抗体57c及び58c、並びに電極(電極層)57a、57b及び58a、58bを上下から絶縁フィルム7b及び8bでそれぞれ挟んだかたちで構成される発熱シート57及び58を備える。
【0038】
詳細には、この発熱シート57、58は、PTC発熱抵抗体57c、58cの一方の面(本実施形態では底面)に銀や銅などの材料を用いて櫛形パターン状に電極(電極層)57a、57b、58a、58bを形成し、さらに、このPTC発熱抵抗体57c、58cを両側から一対の絶縁フィルム7b、8bで挟み込み例えば0.01mm〜2mmの厚さ(総厚)で構成される。PTC発熱抵抗体57c、58cでは、各種印刷技術を利用して所望の形状の印刷パターンが得られる。
【0039】
また、PTC発熱抵抗体57c、58cの材料としては、PTC材料、すなわち、抵抗の温度係数が正(Positive Temperature Coefficient of Resistance)を示す材料のなかで、100℃〜300℃でPTC特性を示すものが例えば使用される。本実施形態では、PTC発熱抵抗体57c、58cは同一のPTC特性を有する。さらに、具体的には、無機系ポリマー中に導電性粒子として、ニッケル、銅、タングステン、チタン、銀、金、アルミニウム、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化インジウム、酸化バナジウム、酸化レニウム、炭化珪素、窒化チタン等を分散させた無機ポリマー系PTC材料が、スクリーン印刷により可撓性の良好な層形成が可能であることから、好ましく使用される。なお、PTC発熱抵抗体57c、58cの単体の厚さは、例えば5μm〜1mm程度である。
【0040】
また、印刷技術を利用した上記製法に代えて、既述したようなPTC特性を有する所定の樹脂材料又は耐熱性材料にカーボンなどを混入しつつ、これをローラなどで圧延して、まずシート状の母材を形成し、次いでこの母材を所定形状に裁断する打ち抜き加工を施すことで、例えば50μm〜5mm程度の厚さのPTC発熱抵抗体を成形してもよい。この製法を採用した場合、PTC発熱抵抗体自体が電極としての機能をも有することになり、したがって、この場合のPTC発熱抵抗体の形状は、調理用プレート5、6の底面と対向する面に沿って例えば蛇行させて配置される形状などが例示される。さらにこの際、例えば蛇行させて配置したPTC発熱抵抗体の一端部が正極となり、他端部が負極となる。
【0041】
ここで、例えば、温度調節つまみ3c、3dを適宜調整することで、例えば、調理用プレート5を保温用に例えば100℃とし、調理用プレート6を実際の調理用に例えば200℃とした場合を想定する。調理用プレート5、6を加熱する発熱源としてシーズヒータなどを適用した場合には、一般には、その構造上例えば1200W+1200W程度の電力が必要となることがあり、一般家庭で使用した際には、ブレーカが落ちてしまうことなどが懸念される。しかしながら、本実施形態の加熱調理器51では、伝熱効果が高く、被加熱部に近接配置可能な面状発熱体としてのPTC発熱抵抗体57c、58cを有する発熱シート57、58を発熱源として適用していることで、加熱調理器51全体の消費電力も例えば500W程度に抑えることなどが可能となる。
【0042】
したがって、本実施形態の加熱調理器51によれば、伝熱効果の高い面状発熱体としての発熱シート57、58を通じて調理用プレート5、6を加熱するように構成されているので、比較的小さい消費電力で、しかも短時間で、調理用プレート5、6を所定の温度に加熱することができ、省電力化を図ることが可能となる。また、本実施形態の加熱調理器51では、PTC発熱抵抗体57c、58cのキュリー温度(PTC発熱抵抗体57c、58cの相転移の起こる温度)以上で抵抗値が急激に増大しこれに伴い電流が流れ難くなってPTC発熱抵抗体57c、58c自体の温度上昇が必然的に停止することになる。つまり、本実施形態の加熱調理器51によれば、発熱シート57、58のPTC発熱抵抗体57c、58cが有するこのような自己温度制御機能により、サーモスタットなどの発熱に対するリミッタ回路を敢えて設ける必要がなくなり、これにより、コストの低減を図れるとともに調理器の使用時の安全性を確保できる。
【0043】
なお、第1の実施形態の図7〜図9で説明したドリンクホルダ35の発熱シート39、薄型の加熱装置40の発熱シート43、及び加熱調理鍋45の発熱シート49に代えて、第2の実施形態のPTC発熱抵抗体57c、58cを有する発熱シート57、58と同様の構造の発熱シートを適用して、上記のドリンクホルダ、薄型の加熱装置、加熱調理鍋を構成してもよい。ここで、ドリンクホルダの場合、発熱源を設置するためのスペースを大きくとれないため、好適なPTC発熱抵抗体としては、上記したようにPTC特性を有する樹脂材料などにカーボンなどを混入したものと、通電用の配線と、をシート状の母材にそれぞれパターン印刷(2層に印刷)して得られるPTC発熱抵抗体を適用することが望ましい。なお、上記の通電用の配線パターンを母材に印刷することに代えて、銅箔などの導体箔をシート状の母材に積層するようにしてもよい。また、これらのドリンクホルダ、薄型の加熱装置及び加熱調理鍋のそれぞれに、商用電源に対応する交流電源入力用のインターフェース、自動車のバッテリ電源に対応する直流電源入力用のインターフェース、及び充電池に対応する直流電源入力用のインターフェースを設けてもよい。
【0044】
以上、本発明を第1、第2の実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこの実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、第2の実施形態においては、PTC特性の等しい複数のPTC発熱抵抗体に対し、それぞれ電力の供給量を変えることで、調理用プレート5と調理用プレート6とに温度差を設けてもよいし、また、PTC特性(温度特性)の異なる複数の種類のPTC発熱抵抗体を予め配置しておいてもよい。また、調理用プレート5と調理用プレート6との間での温度の伝達が低減されるように、これらのプレート間に断熱材などを介在させるようにしてもよい。また、上記実施形態では、調理用プレート5と調理用プレート6との二枚のプレートで、調理用のプレート部分が構成されていたが、これに代えて、一枚のプレートで調理用のプレート部分を構成し、この単一のプレート上に複数の加熱領域を設けるようにしてもよい。
【0045】
さらに、上述した実施形態では、AC100V、DC12V及びDC24Vといった3種類の系統の電源を全てサポートするように構成されていたが、これに代えて、AC100V仕様の加熱調理器、DC12V仕様の加熱調理器、DC24V仕様の加熱調理器といったように電源の種類に応じて専用機となる加熱調理器を個別に構成してもよい。この場合、上記加熱調理器に設けられていたDC−ACインバータ26及び電圧設定切替部22などが不要になるとともに、さらには、交流電源入力用の端子部24及び直流電源入力用の端子部27のうちのいずれか一方が不要となり、加熱調理器を構成する上でのコストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る加熱調理器を示す平面図。
【図2】図1の加熱調理器を示す断面図。
【図3】図1の加熱調理器の入力操作部を詳細に示す図。
【図4】図1の加熱調理器の制御系を機能的に示すブロック図。
【図5】図1の加熱調理器が備える発熱シートにおいて、入力電圧がAC20Vの場合の発熱特性を示す図。
【図6】図1の加熱調理器が備える発熱シートにおいて、入力電圧がAC25Vの場合の発熱特性を示す図。
【図7】図1の加熱調理器の発熱シートと同様の構造の発熱シートを内蔵したドリンクホルダを示す斜視図。
【図8】図1の加熱調理器の発熱シートと同様の構造の発熱シートを内蔵した薄型の加熱装置を示す斜視図。
【図9】図1の加熱調理器の発熱シートと同様の構造の発熱シートを内蔵した加熱調理鍋を示す斜視図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る加熱調理器を示す平面図。
【図11】図10の加熱調理器を示す断面図。
【図12】図10の加熱調理器の制御系を機能的に示すブロック図。
【符号の説明】
【0047】
1,51…加熱調理器、3b…分割スイッチ、5,6…調理用プレート、7,8,39,43,49,57,58…発熱シート、7a,8a…導体パターン、7b,8b…絶縁フィルム、21…発熱制御部、22…電圧設定切替部、23…商用電源、24,27…端子部、25…電力供給部、26…DC−ACインバータ、28…バッテリ電源、35…ドリンクホルダ、40…薄型の加熱装置、45…加熱調理鍋。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば食材を調理する加熱調理器や飲食物を保温する保温装置などの飲食物加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気ヒ−タが収容された調理器本体ケースに着脱自在に搭載された調理用プレート上において、例えば食肉やホットケーキの加熱調理を一般家庭で手軽に行えるようにしたホットプレートなどの加熱調理器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の飲食物の加熱装置では、上記電気ヒータとして、例えば熱伝導用の絶縁性の粉末とともにニクロム線を内部に収容したパイプを、調理用プレートの底部側において蛇行させつつ配置した、いわゆるシーズヒータなどが適用されている。
【特許文献1】特開2002−291621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したシーズヒータは、比較的多くの予熱時間が必要であるとともに、消費電力も大きく、省電力の観点において改善が求められている。そこで、加熱装置の薄型化及び製造コスト自体の低減を図るために、シーズヒータに代わる新たな熱源を開発することへの要請もある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、省電力化、製造コストの低減及び装置本体の薄型化を図ることができる飲食物加熱装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る飲食物加熱装置は、飲食物又は飲食物を入れた容器が置かれる被加熱部と、前記被加熱部の少なくとも底部側に配置され、一対の絶縁基板に挟まれつつ配線された導体パターンを有する発熱部材と、前記導体パターンに通電を行って前記発熱部材を発熱させる電力供給部と、を具備することを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、絶縁基板に挟まれた導体パターンへの通電により発熱する発熱部材、すなわち、伝熱効果の高い面状の発熱体で発熱源を構成しているので、例えばシーズヒータなどと異なり、比較的小さい消費電力でしかも短時間で、飲食物又は飲食物の容器が置かれる被加熱部を昇温でき、これにより、省電力化が実現される。また、この発明によれば、各種印刷技術やエッチングなどを利用して、導体パターンを絶縁基板で挟んだかたちの薄い発熱源を容易に形成することができるので、装置本体の製造コストの低減及び薄型化を図ることができる。
【0008】
ここで、本明細書において、飲食物とは、例えば肉、野菜などの食材、既に一度調理された食べ物、水、お湯、コーヒなどの飲料物を含む。また、本発明の飲食物加熱装置による飲食物の加熱とは、食材の調理、飲食物の保温及び加熱、並びに飲料物を沸騰させることなどを含む。さらに、上記の被加熱部は、飲食物又は飲食物の容器の底部に接触する部位の他、上記の容器の側面などに接触する部位を有していてもよい。また、このように被加熱部が、飲食物の容器の側面などに接触する部位を有している場合、容器の側面に対応する側にも発熱部材も設けてもよい。さらに、本発明において、導体パターンを、一対の絶縁基板の各内側面に沿って蛇行させつつ配線することで、絶縁基板の内側面の極力全面にわたって発熱部分を多く設けること(絶縁基板上の非発熱部分を極力少なくすること)が可能である。なお、導体パターンを一対の絶縁基板の各内側面に対しクランク状に配線した場合でも同様の効果を得ることができる。
【0009】
また、本発明の飲食物加熱装置は、前記被加熱部の上部表面に温度の異なる複数の加熱領域が形成されるように、この被加熱部の底部側の複数個所に対し前記発熱部材が複数個に分けてそれぞれ配置されていることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、例えば食材の調理用の領域と、既に調理された調理物の保温用の領域などとを、被加熱部を構成する単一の部材上に用意することができ、一台の飲食物加熱装置に対しての用途の拡張を図ることができる。ここで、飲食物(又は飲食物の容器)が置かれる載置部分を持つ被加熱部は、その部品構成として、例えば単一のプレートなどで構成されていてもよいし、加熱領域毎に個別となる複数のプレートなどで構成されていてもよい。
【0011】
さらに、本発明の飲食物加熱装置は、前記被加熱部の表面全体の加熱温度の可変制御及び/又はこの被加熱部表面の前記複数の加熱領域毎の加熱温度の可変制御を行う発熱制御部をさらに具備することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、対象の飲食物に対して最適な加熱温度を付与することができる。また、この発明において、被加熱部の上部表面の複数の加熱領域毎の温度制御が可能な場合、例えば調理温度などが各々異なる複数の種類の食材を一台の装置で好適に調理することができる。
【0013】
また、本発明の飲食物加熱装置は、商用電源に対応する交流電源入力用のインターフェース、自動車のバッテリ電源に対応する直流電源入力用のインターフェース、及び充電池に対応する直流電源入力用のインターフェースのうちの少なくとも一つを備えることを特徴とする。
【0014】
この発明では、商用電源を利用した飲食物加熱装置の住居内においての使用にのみならず、DC12Vのバッテリ電源を搭載した一般の乗用車や、DC24Vのバッテリ電源を搭載した、例えばオフロード車などからの電力の供給が可能となるので、キャンプ場などのアウトドア環境においても飲食物加熱装置を使用することができる。ここで、上記した商用電源に対応する交流電源入力用のインターフェースとは、日本国内におけるAC100Vに対応するインターフェースは勿論、AC110V、AC115V、AC120V、AC127V、AC220V、AC230V、AC240Vなどといった海外諸国の商用電源に対応するインターフェースを含む。
【0015】
さらに、この発明では、充電池に対応する直流電源入力用のインターフェースを備える飲食物加熱装置であれば、商用電源やバッテリ電源などに代えて、充電池を適用することが可能である。また、この発明では、実質的に携帯型(可搬型)の飲食物加熱装置を提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。さらに、この発明においては、商用電源、バッテリ電源及び充電池といった3種類の系統の電源を全てサポートするように飲食物加熱装置を構成してもよいし、また、これに代えて、商用電源仕様(例えば日本国内のAC100V仕様)の飲食物加熱装置、自動車用のバッテリ電源(例えばDC12V)仕様の飲食物加熱装置、充電池仕様の飲食物加熱装置といったように電源の種類に応じて専用機となる飲食物加熱装置を個別に構成してもよい。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明によれば、省電力化、製造コストの低減及び装置本体の薄型化を図ることが可能な飲食物加熱装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る飲食物加熱装置としての加熱調理器を示す平面図、図2は、この加熱調理器を示す断面図、図3は、この加熱調理器の入力操作部を詳細に示す図、図4は、この加熱調理器の制御系を機能的に示すブロック図である。
【0018】
図1ないし図4に示すように、本実施形態の加熱調理器1は、焼肉などの加熱調理を一般家庭で手軽に行えるようにしたホットプレートであって、食肉やホットケーキなどの調理物(飲食物)が置かれる被加熱部としての調理用プレート5、6と、調理用プレート5、6の底部側に配置され、一対の絶縁フィルム(絶縁基板)7b、8bに挟まれつつ配線された導体パターン7a、8aを有する面状発熱体としての発熱シート(発熱部材)7、8と、導体パターン7a、8aに通電を行って発熱シート7、8を発熱させる電力供給部25と、を主に備える。
【0019】
詳細には、図1、図2に示すように、加熱調理器1の筐体部分は、支持ケース2で形成されている。調理用プレート5、6は、支持ケース2の最上部に着脱自在に搭載される。発熱シート7、8の導体パターン7a、8aの一端部及び他端部は、それぞれリード9a、10a、9b、10bを介して電力供給部25に接続されている。
【0020】
発熱シート7、8の上側の一方の絶縁フィルム7b、8bと調理用プレート5、6との間には、熱伝導率を向上させるためのアルミニウム製のプレート12が介在されている。また、発熱シート7、8の底部側の他方の絶縁フィルム7b、8bと支持ケース2との間には、内側から順に、加熱調理器1の底部側への熱の放散を抑制するためのガラスウール9と例えばアルミニウム製のプレート16とが介在されている。
【0021】
発熱シート7、8は、例えば所定の基材上に、まずエッチングや各種印刷技術などを利用して、導体パターン7a(又は8a)を形成し、この後、導体パターンを基材から剥がし、さらに、導体パターンを両側から一対の絶縁フィルム7b(又は8b)を貼り付けることなどで例えば作製される。また、発熱シート7、8は、一対の絶縁フィルムのうちの一方の絶縁フィルム上に導体パターンを形成し、この後、他方の絶縁フィルムを貼り合わせることなどでも作製することができる。上記の絶縁フィルム7b、8bとしては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、マイカ、ガラスシート、セラミックペーパなどの耐熱性材料が挙げられる。さらに、このような絶縁フィルム7b、8bに代えて、チタン合金、マグネシウム、アルミニウムなどの板材(母材)の表面に対し、例えばプラズマ酸化処理などにより、Al2O3(アルミナ)などのセラミックコーティングを施して得られる高耐熱性及び高絶縁性の基板を適用することもできる。ここで、上記のプラズマ酸化処理とは、超高電圧のプラズマ放電によりアルミニウムなどの母材の最表面層の溶解と凝固をパルス制御により繰返し、その際に電解液中の成分を巻き込んで被膜を得る皮膜形成処理である。また、導体パターン7a、8aは、例えば厚さ5μm〜0.1mm程度のステンレス箔、銅箔、銀箔などの金属箔をパターン形成して構成されている。金属箔をパターン形成するための手法としては、各種印刷技術や、エッチング加工、プレス加工、ワイヤーカット加工、レーザーカット加工などが例示される。また、このような導体パターン7a、8aは、一対の絶縁フィルム7b、8bの各内側面に沿って蛇行させつつ配線されている。詳細には、この導体パターン7a、8aは、絶縁フィルム7b、8bの内側面の全面を極力均一に配線されるようにパターン形成されている。これにより、絶縁フィルム7b、8bの内側面の全面にわたって発熱部分を均一に設けること(絶縁フィルム7b、8b上での温度むらの発生を極力抑えること)ができる。
【0022】
次に、本実施形態の加熱調理器1の制御系について説明する。
すなわち、図3及び図4に示すように、加熱調理器1の制御系には、上記した電力供給部25に加え、ユーザが入力操作を行う入力操作部3と、電力供給部25から発熱シート7、8への電流の供給を制御して、調理用プレート5、6の加熱温度を制御する発熱制御部21とが設けられている。発熱制御部21は、タイマ21aを備えており、例えばユーザにより入力操作部3を通じて設定された設定時間の経過をタイマ21aが検出した場合に、電力供給部25から発熱シート7、8への電流の供給を強制的に遮断する。ここで、発熱シート7、8に例えばサーミスタを取り付け、このサーミスタによって検出された発熱シート7、8の温度に基づいて、発熱制御部21に加熱温度のフィードバック制御を行わせるようにしてもよい。
【0023】
また、電力供給部25には、商用電源23を供給可能とするために、AC100Vに対応する交流電源入力用のインターフェースとしての端子部24が接続されている。さらに、電力供給部25には、自動車用のバッテリ電源28を供給可能とするために、DC24V及びDC12Vに対応する直流電源入力用のインターフェースである端子部27が、DC−ACインバータ26を介して接続されている。
【0024】
DC−ACインバータ26は、バッテリ電源28側から供給された24V/12Vの直流電源を100Vの交流電源に変換して、電力供給部25に供給する。DC−ACインバータ26に接続された電圧設定切替部22は、入力操作部3を介してのユーザからの入力操作に応じて、DC24VからAC100Vへの変換と、DC12VからAC100Vへの変換とを選択的に実行する。
【0025】
この構成は、加熱調理器の住居内においての商用電源23の使用にのみならず、DC12Vのバッテリ電源を搭載した一般の乗用車や、DC24Vのバッテリ電源を搭載した、例えばオフロード車などからの電力の供給を実現するものである。この構成により、本実施形態の加熱調理器1を携帯型の加熱調理器として適用することができ、キャンプ場などのアウトドア環境においても加熱調理器1を使用することができる。ここで、車両側の例えばシガレットライターソケット(DC12V/DC24V出力)と加熱調理器1の端子部27とを中継して接続する専用の接続ケーブルを当該加熱調理器1の付属品として設けるようにしてもよい。なお、アウトドア環境で適用されることのある固形燃料などを熱源として利用する調理器では、温度制御(例えば保温など)を行えず、また、燃料の燃焼を伴うことから安全性の面などにおいても課題を抱えているのに対し、本実施形態のこの加熱調理器1では、これらの課題が解消されている。
【0026】
次に、図3に基づき入力操作部3の構成について説明する。
同図3に示すように、入力操作部3は、加熱調理器1本体へ供給される駆動電源のON/OFFを切り替える電源スイッチ3aと、(図1、図2の右側に配置された)発熱シート8の上方位置にある調理用プレート6の加熱温度を主に調整(発熱制御部21を介しての導体パターン8aへの電力[電流]の供給を調整)するための温度調節つまみ3cとを備える。さらに、入力操作部3は、(図1、図2の左側に配置された)発熱シート7の上方位置にある調理用プレート5の加熱温度を主に調整(発熱制御部21を介しての導体パターン7aへの電力[電流]の供給を調整)するための温度調節つまみ3dと、温度調節つまみ3c、3dによる加熱温度の調整機能に所定の制御を加える分割スイッチ3bとを備える。
【0027】
上記した分割スイッチ3bをOFFに設定した状態では、温度調節つまみ3dによる温度調整機能は、無効になるとともに、温度調節つまみ3cを操作することで、発熱シート7、8が共に制御され、調理用プレート5、6の両方が同じ温度に調整される。
【0028】
一方、分割スイッチ3bをONに設定した状態では、温度調節つまみ3dによる温度調整機能が有効になり、温度調節つまみ3dを操作することで、発熱シート7のみが制御され、調理用プレート5が固有の温度に調整される。さらに、分割スイッチ3bをONに設定した状態において、温度調節つまみ3cを操作することで、発熱シート8のみが制御され、調理用プレート6が、固有の温度(調理用プレート5に対して個別の温度)に調整される。ここで、例えば、温度調節つまみ3c、3dを適宜調整することで、例えば、調理用プレート5を保温用に例えば100℃とし、調理用プレート6を実際の調理用に例えば200℃とする設定などが可能となる。
【0029】
次に、本実施形態の加熱調理器1が備える発熱シート7の発熱特性の試験結果を図5及び図6に示す。ここで、試験に適用した発熱シート7としては、導体パターン7aに、厚さ35μm、幅3mm、抵抗値が約7Ωのステンレス箔の導体パターンを適用し、図1に示す導体パターン7aの表面の測定ポイントA、B、Cの温度を直接的に測定した。測定条件としては、室温28.2℃、湿度68%の環境下において、AC20V、AC25Vの2種類の入力電圧にて、所定時間経過毎に温度の測定を行った。
この測定結果から明らかなように、2分経過後には、温度の上昇がほぼ安定していることから、本実施形態の加熱調理器1の発熱シートは、温度上昇が迅速に行われ、多くの予熱時間を必要としないものであることがわかる。
【0030】
既述したように、本実施形態の加熱調理器1によれば、絶縁フィルム7b、8bに挟まれた導体パターン7a、8aへの通電により発熱する発熱シート7、8、すなわち、伝熱効果が高く、しかも調理用プレート5、6の底部に、より近接させて配置することが可能な面状の発熱体で発熱源を構成しているので、例えばシーズヒータなどと異なり、比較的小さい消費電力でしかも短時間で、調理物が置かれる調理用プレート5、6を昇温でき、これにより、省電力化が実現される。また、本実施形態の加熱調理器1によれば、各種印刷技術や、エッチング加工、プレス加工、ワイヤーカット加工、レーザーカット加工などを利用して、導体パターンを絶縁基板で挟んだかたちの薄い発熱源を容易に形成することができるので、装置本体の製造コストの低減及び薄型化を図ることができる。
【0031】
また、本実施形態の加熱調理器1では、実際の調理用の加熱領域と保温用の加熱領域とを調理用プレート5、6上に用意することができ、一台の加熱調理器に対しての用途の拡張を図ることができる。さらに、本実施形態の加熱調理器1によれば、調理用プレート5、6毎の温度制御が可能なので、例えば調理温度が各々異なる複数の種類の調理物を単一の調理器で好適に調理することができる。
【0032】
ここで、本実施形態においては、上記の加熱調理器1に代えて、図7に示すように、ドリンクホルダ35を本発明の飲食物加熱装置として適用することもできる。このドリンクホルダ35は、自動車用のエアコンの吹出口に取付可能なものであって、吹出口にはめ込む取付用爪部36と、飲料を入れるカップや管コーヒなどの容器の側面を保持する側面保持部37と、管コーヒなどの容器の底部を支持する底部支持部38とを備える。さらに、このドリンクホルダ35の底部支持部38には、加熱調理器1に設けられていた発熱シート7、8と同様の構造の発熱シート39が内蔵されている。すなわち、ドリンクホルダ35は、管コーヒなどを保持しつつこれを保温する保温機能を備える。このドリンクホルダ35には、自動車のバッテリ電源に対応する直流電源入力用のインターフェースを設けることが望ましい。
【0033】
また、本発明を、図8に示すように、薄型の加熱装置40に適用してもよい。この加熱装置40は、ポット42などを載置する加熱ステージ41や、加熱ステージ41の加熱温度を設定する入力操作部44を備える。さらに、この加熱装置40の加熱ステージ41の底部には、発熱シート7、8と同様の構造の発熱シート43が内蔵されている。つまり、この加熱装置40では、ポット42内に入れた水の沸騰や、沸騰させたお湯の保温などが可能となる。
【0034】
さらに、本発明の飲食物加熱装置を、図9に示すように、加熱調理鍋45に適用してもよい。この加熱調理鍋45は、鍋本体47と、蓋46と、鍋本体47を収容して鍋本体47の底部及び側面を覆う鍋収容器48とを備える。さらに、この加熱調理鍋45の鍋収容器48の底部には、発熱シート7、8と同様の構造の発熱シート49が内蔵されている。すなわち、この加熱調理鍋45では、上記の加熱調理器1と同様、比較的小さい消費電力でしかも短時間で鍋本体47を昇温することができ、省電力化を図ることができる。なお、発熱シートを、鍋収容器48の底部の他、鍋本体47の側面と対向する鍋収容器48の側面部分にも内蔵させるようにしてもよい。
【0035】
なお、図7〜図9で説明したドリンクホルダ35、薄型の加熱装置40及び加熱調理鍋45のそれぞれに、商用電源に対応する交流電源入力用のインターフェース、自動車のバッテリ電源に対応する直流電源入力用のインターフェース、及び充電池に対応する直流電源入力用のインターフェースを設けてもよい。
【0036】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図10〜図12に基づき説明する。
ここで、図10は、第2の実施形態に係る飲食物加熱装置としての加熱調理器を示す平面図、図11は、この加熱調理器を示す断面図、図12は、この加熱調理器の制御系を機能的に示すブロック図である。なお、図10〜図12において第1の実施形態の加熱調理器1と同様の機能を有する構成については、同一の符号を付与しその説明を省略する。
【0037】
図10〜図12に示すように、本実施形態の加熱調理器51は、第1の実施形態の加熱調理器1の発熱シート7、8に代えて、PTC発熱抵抗体57c及び58c、並びに電極(電極層)57a、57b及び58a、58bを上下から絶縁フィルム7b及び8bでそれぞれ挟んだかたちで構成される発熱シート57及び58を備える。
【0038】
詳細には、この発熱シート57、58は、PTC発熱抵抗体57c、58cの一方の面(本実施形態では底面)に銀や銅などの材料を用いて櫛形パターン状に電極(電極層)57a、57b、58a、58bを形成し、さらに、このPTC発熱抵抗体57c、58cを両側から一対の絶縁フィルム7b、8bで挟み込み例えば0.01mm〜2mmの厚さ(総厚)で構成される。PTC発熱抵抗体57c、58cでは、各種印刷技術を利用して所望の形状の印刷パターンが得られる。
【0039】
また、PTC発熱抵抗体57c、58cの材料としては、PTC材料、すなわち、抵抗の温度係数が正(Positive Temperature Coefficient of Resistance)を示す材料のなかで、100℃〜300℃でPTC特性を示すものが例えば使用される。本実施形態では、PTC発熱抵抗体57c、58cは同一のPTC特性を有する。さらに、具体的には、無機系ポリマー中に導電性粒子として、ニッケル、銅、タングステン、チタン、銀、金、アルミニウム、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化インジウム、酸化バナジウム、酸化レニウム、炭化珪素、窒化チタン等を分散させた無機ポリマー系PTC材料が、スクリーン印刷により可撓性の良好な層形成が可能であることから、好ましく使用される。なお、PTC発熱抵抗体57c、58cの単体の厚さは、例えば5μm〜1mm程度である。
【0040】
また、印刷技術を利用した上記製法に代えて、既述したようなPTC特性を有する所定の樹脂材料又は耐熱性材料にカーボンなどを混入しつつ、これをローラなどで圧延して、まずシート状の母材を形成し、次いでこの母材を所定形状に裁断する打ち抜き加工を施すことで、例えば50μm〜5mm程度の厚さのPTC発熱抵抗体を成形してもよい。この製法を採用した場合、PTC発熱抵抗体自体が電極としての機能をも有することになり、したがって、この場合のPTC発熱抵抗体の形状は、調理用プレート5、6の底面と対向する面に沿って例えば蛇行させて配置される形状などが例示される。さらにこの際、例えば蛇行させて配置したPTC発熱抵抗体の一端部が正極となり、他端部が負極となる。
【0041】
ここで、例えば、温度調節つまみ3c、3dを適宜調整することで、例えば、調理用プレート5を保温用に例えば100℃とし、調理用プレート6を実際の調理用に例えば200℃とした場合を想定する。調理用プレート5、6を加熱する発熱源としてシーズヒータなどを適用した場合には、一般には、その構造上例えば1200W+1200W程度の電力が必要となることがあり、一般家庭で使用した際には、ブレーカが落ちてしまうことなどが懸念される。しかしながら、本実施形態の加熱調理器51では、伝熱効果が高く、被加熱部に近接配置可能な面状発熱体としてのPTC発熱抵抗体57c、58cを有する発熱シート57、58を発熱源として適用していることで、加熱調理器51全体の消費電力も例えば500W程度に抑えることなどが可能となる。
【0042】
したがって、本実施形態の加熱調理器51によれば、伝熱効果の高い面状発熱体としての発熱シート57、58を通じて調理用プレート5、6を加熱するように構成されているので、比較的小さい消費電力で、しかも短時間で、調理用プレート5、6を所定の温度に加熱することができ、省電力化を図ることが可能となる。また、本実施形態の加熱調理器51では、PTC発熱抵抗体57c、58cのキュリー温度(PTC発熱抵抗体57c、58cの相転移の起こる温度)以上で抵抗値が急激に増大しこれに伴い電流が流れ難くなってPTC発熱抵抗体57c、58c自体の温度上昇が必然的に停止することになる。つまり、本実施形態の加熱調理器51によれば、発熱シート57、58のPTC発熱抵抗体57c、58cが有するこのような自己温度制御機能により、サーモスタットなどの発熱に対するリミッタ回路を敢えて設ける必要がなくなり、これにより、コストの低減を図れるとともに調理器の使用時の安全性を確保できる。
【0043】
なお、第1の実施形態の図7〜図9で説明したドリンクホルダ35の発熱シート39、薄型の加熱装置40の発熱シート43、及び加熱調理鍋45の発熱シート49に代えて、第2の実施形態のPTC発熱抵抗体57c、58cを有する発熱シート57、58と同様の構造の発熱シートを適用して、上記のドリンクホルダ、薄型の加熱装置、加熱調理鍋を構成してもよい。ここで、ドリンクホルダの場合、発熱源を設置するためのスペースを大きくとれないため、好適なPTC発熱抵抗体としては、上記したようにPTC特性を有する樹脂材料などにカーボンなどを混入したものと、通電用の配線と、をシート状の母材にそれぞれパターン印刷(2層に印刷)して得られるPTC発熱抵抗体を適用することが望ましい。なお、上記の通電用の配線パターンを母材に印刷することに代えて、銅箔などの導体箔をシート状の母材に積層するようにしてもよい。また、これらのドリンクホルダ、薄型の加熱装置及び加熱調理鍋のそれぞれに、商用電源に対応する交流電源入力用のインターフェース、自動車のバッテリ電源に対応する直流電源入力用のインターフェース、及び充電池に対応する直流電源入力用のインターフェースを設けてもよい。
【0044】
以上、本発明を第1、第2の実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこの実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、第2の実施形態においては、PTC特性の等しい複数のPTC発熱抵抗体に対し、それぞれ電力の供給量を変えることで、調理用プレート5と調理用プレート6とに温度差を設けてもよいし、また、PTC特性(温度特性)の異なる複数の種類のPTC発熱抵抗体を予め配置しておいてもよい。また、調理用プレート5と調理用プレート6との間での温度の伝達が低減されるように、これらのプレート間に断熱材などを介在させるようにしてもよい。また、上記実施形態では、調理用プレート5と調理用プレート6との二枚のプレートで、調理用のプレート部分が構成されていたが、これに代えて、一枚のプレートで調理用のプレート部分を構成し、この単一のプレート上に複数の加熱領域を設けるようにしてもよい。
【0045】
さらに、上述した実施形態では、AC100V、DC12V及びDC24Vといった3種類の系統の電源を全てサポートするように構成されていたが、これに代えて、AC100V仕様の加熱調理器、DC12V仕様の加熱調理器、DC24V仕様の加熱調理器といったように電源の種類に応じて専用機となる加熱調理器を個別に構成してもよい。この場合、上記加熱調理器に設けられていたDC−ACインバータ26及び電圧設定切替部22などが不要になるとともに、さらには、交流電源入力用の端子部24及び直流電源入力用の端子部27のうちのいずれか一方が不要となり、加熱調理器を構成する上でのコストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る加熱調理器を示す平面図。
【図2】図1の加熱調理器を示す断面図。
【図3】図1の加熱調理器の入力操作部を詳細に示す図。
【図4】図1の加熱調理器の制御系を機能的に示すブロック図。
【図5】図1の加熱調理器が備える発熱シートにおいて、入力電圧がAC20Vの場合の発熱特性を示す図。
【図6】図1の加熱調理器が備える発熱シートにおいて、入力電圧がAC25Vの場合の発熱特性を示す図。
【図7】図1の加熱調理器の発熱シートと同様の構造の発熱シートを内蔵したドリンクホルダを示す斜視図。
【図8】図1の加熱調理器の発熱シートと同様の構造の発熱シートを内蔵した薄型の加熱装置を示す斜視図。
【図9】図1の加熱調理器の発熱シートと同様の構造の発熱シートを内蔵した加熱調理鍋を示す斜視図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る加熱調理器を示す平面図。
【図11】図10の加熱調理器を示す断面図。
【図12】図10の加熱調理器の制御系を機能的に示すブロック図。
【符号の説明】
【0047】
1,51…加熱調理器、3b…分割スイッチ、5,6…調理用プレート、7,8,39,43,49,57,58…発熱シート、7a,8a…導体パターン、7b,8b…絶縁フィルム、21…発熱制御部、22…電圧設定切替部、23…商用電源、24,27…端子部、25…電力供給部、26…DC−ACインバータ、28…バッテリ電源、35…ドリンクホルダ、40…薄型の加熱装置、45…加熱調理鍋。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物又は飲食物を入れた容器が置かれる被加熱部と、
前記被加熱部の少なくとも底部側に配置され、一対の絶縁基板に挟まれつつ配線された導体パターンを有する発熱部材と、
前記導体パターンに通電を行って前記発熱部材を発熱させる電力供給部と、
を具備することを特徴とする飲食物加熱装置。
【請求項2】
前記導体パターンは、前記一対の絶縁基板の各内側面に沿って蛇行させつつ配線されていることを特徴とする請求項1記載の飲食物加熱装置。
【請求項3】
前記被加熱部の上部表面に温度の異なる複数の加熱領域が形成されるように、この被加熱部の底部側の複数個所に対し前記発熱部材が複数個に分けてそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の飲食物加熱装置。
【請求項4】
前記被加熱部の上部表面全体の加熱温度の可変制御及び/又はこの被加熱部の上部表面の前記複数の加熱領域毎の加熱温度の可変制御を行う発熱制御部をさらに具備することを特徴とする請求項3記載の飲食物加熱装置。
【請求項5】
商用電源に対応する交流電源入力用のインターフェース、自動車のバッテリ電源に対応する直流電源入力用のインターフェース、及び充電池に対応する直流電源入力用のインターフェースのうちの少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の飲食物加熱装置。
【請求項1】
飲食物又は飲食物を入れた容器が置かれる被加熱部と、
前記被加熱部の少なくとも底部側に配置され、一対の絶縁基板に挟まれつつ配線された導体パターンを有する発熱部材と、
前記導体パターンに通電を行って前記発熱部材を発熱させる電力供給部と、
を具備することを特徴とする飲食物加熱装置。
【請求項2】
前記導体パターンは、前記一対の絶縁基板の各内側面に沿って蛇行させつつ配線されていることを特徴とする請求項1記載の飲食物加熱装置。
【請求項3】
前記被加熱部の上部表面に温度の異なる複数の加熱領域が形成されるように、この被加熱部の底部側の複数個所に対し前記発熱部材が複数個に分けてそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の飲食物加熱装置。
【請求項4】
前記被加熱部の上部表面全体の加熱温度の可変制御及び/又はこの被加熱部の上部表面の前記複数の加熱領域毎の加熱温度の可変制御を行う発熱制御部をさらに具備することを特徴とする請求項3記載の飲食物加熱装置。
【請求項5】
商用電源に対応する交流電源入力用のインターフェース、自動車のバッテリ電源に対応する直流電源入力用のインターフェース、及び充電池に対応する直流電源入力用のインターフェースのうちの少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の飲食物加熱装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−143804(P2007−143804A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341566(P2005−341566)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(398055819)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(398055819)
【Fターム(参考)】
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