説明

3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A還元酵素阻害剤と高血圧治療剤との複合製剤、及びその製造方法

HMG−CoA還元酵素阻害剤の徐放性製剤および高血圧治療剤速放性フィルム層を含む経口投与のための複合製剤であって、フイルム層は徐放性製剤上にコートされており、その複合製剤は迅速に高血圧治療剤を放出することによって高血圧治療剤の改良された効果を達成しながら、HMG−CoA還元酵素阻害剤の血液中の一定の薬剤レベルを徐放により保つ。従ってその複合製剤は高脂脂質血症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、心臓血管疾患等の病気を防止し治療するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)還元酵素阻害剤の徐放性製剤及び高血圧治療剤の速放性フィルム層を含む複合製剤及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高脂血症の代表的な例である高コレステロール血症は、血清内LDL(low−density lipoprotein)−コレステロール及び総コレステロールのレベルの上昇により発病し、これを治療するために血清内脂質、特にLDL−コレステロール値を低くすると、心血管疾患の発病リスク性が低下して動脈硬化症への進行を遅延させる(American diabetes association,Diabeti ccare,23(suppl.)S57−S65,2000)。従って、高脂血症または高コレステロール血症であると診断された患者の心血管疾患、特に冠状動脈性心臓病のリスクを減少させるために動脈硬化症の進行を遅延させるか、または動脈硬化症の遅延を誘導する脂質低下治療法が研究されている。
【0003】
高コレステロール血症などの高脂血症に用いられてきた3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)還元酵素阻害剤は、コレステロール生合成経路の初期段階であるHMG−CoAがメバロン酸塩に転換されることを妨害して人体内の総コレステロール及び低比重リポたんぱく質LDL−コレステロールを低下させるか、高比重リポタンパク質(high−density lipoprotein;HDL)−コレステロールのレベルを上昇させると知られている(S.M.Grundy,N.Engl.J.Med.,319(1),24−32,1988)。しかし、このようなHMG−CoA還元酵素阻害剤は、肝毒性、筋疾患及び横紋筋融解症などの副作用を起こす(Garnett W.R.,Am.J.Cardiol.,78,20−25,1996;Dujovne C.A.et.al.,Am.J.Med.,91,25S−30S,1991;及びMantell G.et.al.,Am.J.Cardiol.,66,11B−15B,1990)。
従って、HMG−CoA還元酵素阻害剤の速放出による副作用を防止または低減させるために、HMG−CoA還元酵素阻害剤の徐放性製剤の開発のためのいろいろな研究が行われている。
【0004】
上記研究の多くは、体内に吸収されたHMG−CoA還元酵素阻害剤の大部分(85%以上)が肝で代謝され、5%以下のみが全身循環系へ移送されるので、HMG−CoA還元酵素阻害剤の徐放性製剤は速放性製剤に比べて全身循環系への生体利用率が低いと報告している。しかし、徐放性製剤の標的部位への薬物伝達は、速放性製剤よりさらに高いことが報告され(John R.,Amer.J.Cardio.,89,15,2002)、その結果、HMG−CoA還元酵素阻害剤の徐放性製剤は速放性製剤に比べてLDLコレステロールのレベルを低下させるにさらに効果的であると報告されている(Monique P,Am.J.Drug Deliv.,1(4),287−290,2003)。
【0005】
高血圧は高脂血症を伴う場合が多く、これにより狭心症のような心臓疾患を引き起こし得る。従って、心血管疾患による死亡のリスクを減少させるためには投与対象が冠状動脈心臓疾患をわずらっているか否かにかかわらず高血圧の調整とともにコレステロール合成抑制剤を投与することが非常に重要である。
【0006】
例えば、Kramschらは、高血圧治療剤であるアムロジピンのようなカルシウムチャネル遮断薬が動脈硬化症に対する治療効果を高めるために脂質降下薬とともに投与することができるということを開示し(Kramsch et.al.,Journal of Human Hypertention,Suppl.1,53−59,1995)、Lichtlen P.R.らは、人の初期動脈硬化性疾患をカルシウムチャネル遮断薬の投与によって効果的に治療できると報告した(Lichtlen P.R.et.al.,Lancet,335,1109−1139,1990;及びWaters D.et.al.,Circulation,82,1940−1953,1990)。
【0007】
また、米国特許第4,681,893号は、アトロバスタチンなどの一部スタチン系の薬物が動脈硬化症の治療にも有用であるということを開示しており、スタチン系薬物(プラバスタチンまたはロバスタチン)をカルシウムチャネル遮断薬(アムロジピン)とともに投与する場合、このような二つの薬剤の相乗効果(synergisticeffects)を通じて動脈硬化性疾患の治療効果を更に高められることが報告されている(Jukema et.al.,Circulation,Suppl.1,1−197,1995;及びOrekhov et.al.,Cardiovescular Drug and Theraphy,11,350,1997)。しかし、現在市販されているアトルバスタチン−アムロジピン複合製剤であるカデュエット(登録商標)(Caduet(登録商標),Pfizer)の場合、二つの薬剤が速放的に放出されて肝毒性などを引き起こすという問題があり、治療効果も長期間持続させることができないという問題がある。
【0008】
本発明者らは、このような副作用がないHMG−CoA還元酵素阻害剤及び高血圧治療剤の経口投与用複合製剤を開発するために鋭意研究を重ねた結果、高血圧治療剤の速放性フィルム層でコートされたHMG−CoA還元酵素阻害剤の徐放性製剤を含む経口投与用複合製剤が、副作用を最小化しながらも二つの薬剤の優れた相乗效果を実現させることを見出して本発明を完成するに至った。
【特許文献1】米国特許第4,681,893号
【非特許文献1】American diabetes association,Diabeticcare,23(suppl.)S57−S65,2000
【非特許文献2】S.M.Grundy,N.Engl.J.Med.,319(1),24−32,1988
【非特許文献3】Garnett W.R.,Am.J.Cardiol.,78,20−25,1996
【非特許文献4】Dujovne C.A.et.al.,Am.J.Med.,91,25S−30S,1991
【非特許文献5】Mantell G.et.al.,Am.J.Cardiol.,66,11B−15B,1990
【非特許文献6】John R.,Amer.J.Cardio.,89,15,2002
【非特許文献7】Monique P,Am.J.Drug Deliv.,1(4),287−290,2003
【非特許文献8】Kramsch et.al.,Journal of Human Hypertention,Suppl.1,53−59,199
【非特許文献9】Lichtlen P.R.et.al.,Lancet,335,1109−1139,1990
【非特許文献10】Waters D.et.al.,Circulation,82,1940−1953,1990
【非特許文献11】Jukema et.al.,Circulation,Suppl.1,1−197,1995
【非特許文献12】Orekhov et.al.,Cardiovescular Drug and Theraphy,11,350,1997
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、副作用を最小化しながらも二つの薬剤の優れた相乗效果を示すHMG−CoA還元酵素阻害剤及び高血圧治療剤の複合製剤を提供するものである。
本発明の他の目的は、前記複合製剤の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明の一様態によれば、本発明はHMG−CoA還元酵素阻害剤の徐放性製剤及び高血圧治療剤の速放性フィルム層を含み、前記速放性フィルム層が前記徐放性製剤上にコートされていることを特徴とする複合製剤を提供する。
【0011】
前記本発明の他の様態によれば、本発明は1)HMG−CoA還元酵素阻害剤、可溶化(solubilizing)担体及び安定化剤の混合物を乾燥させて固体分散体を得る段階;2)前記段階1で得られた固体分散体を徐放性担体及びゲル水和促進剤とともに乾式混合した後、製剤化して徐放性製剤を得る段階;及び3)前記段階2で得られた徐放性製剤を、高血圧治療剤を含む速放性フィルム層でコートして複合製剤を得る段階を含む、前記複合製剤の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
HMG−CoA還元酵素阻害剤及び高血圧治療剤を含む本発明の経口投与用複合製剤は、高血圧治療剤を速かに放出させて治療効果を高め、HMG−CoA還元酵素阻害剤を一定の速度で徐々に放出してその血中濃度を一定に維持させるので、薬物の副作用を最小化させながら、薬物間の相乗效果によって治療効果を最大化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の複合製剤が含有された各成分の特性及び種類によって説明する。
【0014】
1.徐放性製剤(Sustained release formulation)
本発明の複合製剤の中核(nucleus)に当る徐放性製剤は、活性成分であるHMG−CoA還元酵素阻害剤、可溶化担体及び安定化剤を含む固体分散体;徐放性担体;及びゲル水和促進剤が含まれることを特徴とする。
【0015】
1)薬理学的活性成分(Pharmacologically active ingredient)
HMG−CoA還元酵素阻害剤は、血中のリポタンパク質または脂質の濃度を低下させて高脂血症及び動脈硬化症の治療に用いられる公知のHMG−CoA還元酵素阻害剤のうち一つである。この代表的な例としては、メバスタチン(米国特許第3,983,140号)、ロバスタチン(米国特許第4,231,938号)、プラバスタチン(米国特許第4,346,227号及び第4,410,629号)、プラバスタチンのラクトン(米国特許第4,448,979号)、ベロスタチン、シンバスタチン(米国特許第4,448,784号及び第4,450,171号)、リバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン及びセリバスタチンなどが挙げられる。HMG−CoA還元酵素阻害剤は、複合製剤の組成物の総重量に対して1〜50重量%の量で用いることができ、ここで2〜30重量%が好ましい。このとき、1重量%未満であれば薬物の治療効果を期待することができず、50重量%を超えると薬物の1日量を超え、安全性の問題が発生し得る。
【0016】
2)可溶化担体(Solubilizing carrier)
大部分のHMG−CoA還元酵素阻害剤は水難溶性化合物であるので、本発明では前記薬物の溶解度を向上させるために可溶化担体が用いられる。前記可溶化担体の代表的な例としては、ビタミンE TPGS(d−α−tocopheryl polyethylene glycol 1000 succinate)、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル(polyoxyethylene stearate ester)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、粘度:3〜15cps)、ポリオキシプロピレン−ポリオキシプロピレン(polyoxypropylene−polyoxypropylene)ブロック共重合体などが挙げられる。可溶化担体はHMG−CoA還元酵素阻害剤の1重量部に対して0.05〜20重量部の量で用いることができ、ここで0.1〜10重量部が好ましい。この時、0.05重量部未満であれば前記薬物の可溶化が困難であり、10重量部を超過すると徐放性溶出を制御できない。
【0017】
3)安定化剤(Stabilizing agent)
本発明に用いられる安定化剤は、可溶化担体を含む固体分散体を製造するか、高血圧治療剤を含むフィルム層を形成する際、薬物の酸化を防止する公知の安定化剤のうち一つである。前記安定化剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、エリソルビン酸塩(erythorbic acid)、アスコルビン酸(ascorbic acid)及びトコフェロール(tocopherol)などがある。本発明の徐放性製剤は、前記安定化剤をHMG−CoA還元酵素阻害剤の1重量部に対し0.001〜3重量部の量で含むことができ、ここで0.002〜2重量部が好ましい。この時、0.001重量部未満であれば安全性を確保することが困難であり、3重量部を超えると安定化剤自体の安全性が低下し得る。また、高血圧治療剤を含むフィルム層は、前記安定化剤を高血圧治療剤の1重量部に対し0.004〜6重量部の量で含むことができ、ここで0.008〜4重量部が好ましい。この時、0.004重量部未満であれば安全性を確保することが困難であり、6重量部を超えると薬物フィルム層を形成できない。
【0018】
4)徐放性担体(Carrier for sustained release)
本発明において、徐放性担体はヒドロゲルの形成のために用いられ、キサンタンガムとローカストビーンガムとの混合物が好ましい。一般的に、キサンタンガムは製剤の構造的安定性に寄与して胃腸の運動(gastrointestinal motility)のような物理的な力によって溶出速度が変化することを最小化し、ローカストビーンガムはキサンタンガムとともに構造的な安定性を向上させる。前記担体が特定の割合で混合された場合には、初期放出の増加及び物理的な力による溶出率の変化を減少させることができる。
【0019】
徐放性担体は、HMG−CoA還元酵素阻害剤の1重量部に対して0.5〜20重量部を用いることができ、1〜10重量部が好ましい。この時、0.5重量部未満であれば徐放性効果を期待することができず、20重量部を超えると薬物の放出が遅くなるので所望の溶出速度を得ることができない。また、徐放性担体としてキサンタンゴムとローカストビーンガムとの混合物を用いる場合には、ローカストビーンガムをキサンタンガムの1重量部に対し0.01〜5重量部の量で用いることができ、ここで0.05〜2重量部が好ましい。
【0020】
5)ゲル水和促進剤(Gel hydration accelerator)
本発明の徐放性製剤が生体内(in vivo)の水液媒質と接触すると、ゲル水和促進剤は急速な水和を通じて水分を製剤の内部コアへ速かに侵透させて単一均質のゲル化コア(single homogeneous gelated core)を形成させる役割をする。本発明において、前記ゲル水和促進剤としては、アルギン酸プロピレングリコール(PGA)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)との混合物を使用することができ、前記HPMCは4,000〜100,000cps範囲の粘度を有することが好ましい。
【0021】
前記ゲル水和促進剤は、HMG−CoA還元酵素阻害剤の1重量部に対し0.1〜20重量部の量で用いることができ、0.5〜10重量部が好ましい。この時、0.1重量部未満であればゲルの水和能を期待できず、20重量部を超えると徐放性溶出の制御が困難になる。また、アルギン酸プロピレングリコールはHPMCの1重量部に対し0.05〜20重量部の量で用いることができ、ここで0.1〜10重量部が好ましい。
【0022】
6)薬学的に許容可能な添加剤(Pharmaceutically acceptableadditive)
本発明の徐放性製剤は、経口投与用固形製剤への製剤化のために分散剤、結合剤、滑沢剤、甘味制、賦形剤などのような薬学的に許容可能な公知の添加剤のうち少なくとも一種以上をさらに含むことができる。前記薬学的に許容可能な添加剤の代表的な例には、ポリビニルピロリドン(PVP)、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、蔗糖脂肪酸エステル、タルク、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸の亜鉛及びマグネシウム塩などが含まれる。
【0023】
2.速放性フィルム層(Rapid release film layer)
本発明の速放性フィルム層は、活性成分として高血圧治療剤を含み、このような高血圧治療剤はアムロジピン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、フェロジピン、ニソルジピン、ベラパミル、ジルチアゼム及びミベフラジルなどのカルシウムチンネル遮断薬;アテノロール、メトプロロール、ブシドロール(bucidolol)及びカルベジロールなどのβ遮断薬;エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、ペリンドプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、トランドルラプリル、ロサルタン、イルベサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン及びエポロサルタンなどのACE(angiotensin−converting enzyme)阻害薬;またはアミロリド及びベンドロフルメチアザジドなどのカリウム保持性利尿薬からなる群から選択することができる。この高血圧治療剤は、本発明の複合製剤の総重量に対し0.5〜30重量%の量で用いることができ、ここで1〜20重量%が好ましい。この時、0.5重量%未満であれば治療効果を期待することができず、30重量%を超えるとフィルム層形成が困難になる。
【0024】
本発明の速放性フィルム層は、高血圧治療剤の酸化を防止するために前記徐放性製剤を製造するに用いられる安定化剤を含むことができる。前記速放性フィルム層における前記安定化剤は、高血圧治療剤の重量に対し0.04〜6重量部の量で用いることができる。
また、前記速放性フィルム層は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、エチルセルロース(EC)、メチルセルロース(MC)、ポリメタクリル酸塩、コリコート(登録商標)(Kollicoat(登録商標),Basf社製)及びオパドライ(登録商標)(Opadry(登録商標),Colorcon社製)などの公知されたフィルム形成物質(film−formingmaterials)のうち少なくとも一つ以上を含むことができる。また、速放性フィルム層はポリエチレングリコール(PEG)、トリアセチン(glycerol triacetate,Triacetin)、アセチル化モノグリセリド(acetylated monoglyceride,Myvacet)のような可塑剤(plasticizer)、及び精製水またはエタノールなどのように前記フィルム形成物質を溶解させることができる通常的な溶媒をさらに含むことができる。
【0025】
3.水溶性フィルム層(Water−soluble film layer)
本発明の複合製剤は、徐放性製剤と速放性フィルム層との間に位置する水溶性フィルム層をさらに含むことができ、このような水溶性フィルム層は徐放性核のHMG−CoA還元酵素阻害剤と速放性フィルム層の高血圧治療剤との間の相互接触を遮断する役割を果たす。前記水溶性フィルム層は、本発明の複合製剤の総重量比に対し0.5〜20重量%の量で用いることができ、ここで1〜10重量%が好ましい。この時、0.5重量%未満であれば十分な接触遮断効果を期待することが困難であり、20重量%を超えると薬物の溶出に逆效果をもたらし得る。
【0026】
また、前記水溶性フィルム層は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、エチルセルロース(EC)、メチルセルロース(MC)、ポリメタクリル酸、コリコート(登録商標)(Kollicoat(登録商標),Basf社製)及びオパドライ(登録商標)(Opadry(登録商標),Colorcon社製)などの公知のフィルム形成物質のうち少なくとも一つを含むことができる。また、ポリエチレングリコール(PEG)、トリアセチン(glycerol triacetate,Triacetin)、アセチル化モノグリセリド(acetylated monoglyceride,Myvacet)のような可塑剤(plasticizer)、及び精製水またはエタノールなどのように前記フィルム形成物質を溶解させることができる通常的な溶媒をさらに含むことができる。
【0027】
4.追加的なフィルム層(Additional film layer)
本発明の複合製剤は、光や水分などの安定性の阻害要因を遮断し、服用の便宜性を増大(例えば、苦味の遮蔽)させるために速放性フィルム層の外部にコートされる追加的なフィルム層をさらに含むことができる。前記追加フィルム層は、本発明の複合製剤の総重量に対し0.5〜20重量%の量で用いることができ、ここで1〜10重量%が好ましい。この時、0.5重量%未満であれば上述の保護効果を期待することができず、20重量%を超えると薬物の溶出に逆效果をもたらし得る。
【0028】
また、前記追加フィルム層はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、エチルセルロース(EC)、メチルセルロース(MC)、ポリメタクリル酸、コリコート(登録商標)(Kollicoat(登録商標),Basfトリアセチン社製)及びオパドライ(登録商標)(Opadry(登録商標),Colorcon社製)などの公知のフィルム形成物質のうち少なくとも一つを含むことができる。また、ポリエチレングリコール(PEG)、トリアセチン(glycerol triacetate,Triacetin)、アセチル化モノグリセリド(acetylated monoglyceride,Myvacet)のような可塑剤(plasticizer)、及び精製水またはエタノールなどのように前記フィルム形成物質を溶解させることができる通常的な溶媒をさらに含むことができる。
【0029】
本発明によるHMG−CoA還元酵素阻害剤及び高血圧治療剤の経口投与用複合製剤は、
1)HMG−CoA還元酵素阻害剤、可溶化担体及び安定化剤の混合物を乾燥させて固体分散体を得る段階;
2)前記段階1で得られた固体分散体を徐放性担体及びゲル水和促進剤とともに乾式混合した後、製剤化して徐放性製剤を得る段階;及び
3)前記段階2で得られた徐放性製剤を、高血圧治療剤を含む速放性フィルム層でコートして複合製剤を得る段階を含む工程によって製造することができる。
【0030】
段階1において、固体分散体は噴霧乾燥法、溶媒蒸発法、微粉砕湿式法、溶融法及び凍結乾燥法などのように通常的な方法によって製造することができ、製造された固体分散体は直径が5〜200μmである粒径を有することが好ましい。また、前記固体分散体の製剤化を容易にするために、前述したような薬学的に許容可能な添加剤を前記混合物に加えることができる。
【0031】
段階2において、前記徐放性製剤は乾式混合物を直接打錠法を用いて圧縮するか、乾式混合物を圧縮した後で粉砕及び打錠して製造することができる。また、製剤化を容易にするために前述した薬学的に許容可能な添加剤を前記混合物に追加することができる。
本発明の方法は、段階2で得られた徐放性製剤を段階3で得られた速放性フィルム層でコートする前に水溶性フィルム層でコートする段階をさらに含むことができる。
また、前記方法は光や水分などの安定性阻害要因の遮断及び患者の便宜性増大(例えば、苦味の遮蔽)のために、最終的に得られた複合製剤を追加的なフィルム層でコートする段階をさらに含むことができる。
【0032】
HMG−CoA還元酵素阻害剤及び高血圧治療剤を含む本発明の経口投与用複合製剤は、高血圧治療剤を速かに放出させて治療効果を高め、HMG−CoA還元酵素阻害剤を一定の速度で徐々に放出させてその血中濃度を一定に維持させるので、それぞれの放出パターンが異なるか、容量が異なる二つの薬物を含みながらも、薬物間の相乗效果を通じて治療効果を最大化させることができる。また、本発明の複合製剤は二つの不安定な構成薬物間の接触を最小化させるための分離層をさらに含むことができる。従って、本発明の製剤は、1日1回投与することによって高脂血症、動脈硬化症、高血圧、心血管系疾患及びこれらの複合疾患に対する予防及び治療に有用に用いられる。
次に、本発明を下記の実施例によってさらに説明及び例示されるが、これらの実施例は本発明の範囲を制限することではない。
【実施例1】
【0033】
実施例1〜3及び比較例1:
固体分散体の製造
シンバスタチン(韓美精密化学株式会社製、韓国)、MYRJ(ICI社製,米国)、HPMC2910(信越化学株式会社社、日本,粘度:3〜15cps)、BHT(UENO Fine Chemical社製,米国)及び軽質無水ケイ酸(分散剤)をそれぞれ表1の組成に該当する量でエタノールとジクロロメタンとの混合物に溶解させた後、その混合物を噴霧乾燥させて平均粒径が100μm以下の固体分散体を製造した。このように製造された実施例1〜実施例3、及び比較例1の固体分散体を表1に示した。
【表1】

【0034】
実施例4〜実施例8:
経口用徐放性製剤の製造
シンバスタチン、ロバスタチンまたはフルバスタチンを活性成分として用いて、それぞれMYRJ、HPMC2910、BHT及び軽質無水ケイ酸とともに表2〜表4に示した組成に該当する量を用いて前記実施例1と同一の工程で固体分散体を製造した。その後、各個体分散体をキサンタンガム(Kelco社製,米国)、ローカストビーンガム(Cesalpinia社製,イタリア)、アルギン酸プロピレングリコール(ISP社製,米国)、HPMC2208(粘度:4000〜100,000cps,信越化学株式会社社、日本)及びエリソルビン酸塩と30分間混合させた後、蔗糖脂肪酸エステル及び軽質無水ケイ酸粉末(第40号メッシュ体に通過)を加えて5分間混合させた。各結果混合物を、成形組立機(shaping assembler)を用いて混合物の塊(mass)にした後、得られた塊を20〜80範囲のメッシュサイズを有する顆粒に細かく粉砕した。これらの粒子を打錠機で圧縮打錠することによって徐放性製剤を製造した。このように得られた実施例4〜実施例8の徐放性製剤を表2〜4に示した。
【表2】

【表3】

【表4】

【0035】
実施例9〜実施例11:
経口用複合製剤の製造
前記実施例5、7及び8で得られた徐放性製剤をそれぞれオパドライ(登録商標)AMB(Opadry(登録商標)AMB,Colorcon社製)フィルムでコートした。カンシル酸アムロジピン(韓美精密化学株式会社製、韓国)、HPMC2910(粘度:3〜15cps)及びアセチル化モノグリセリド(acetylated monoglyceride,Myvacet)をそれぞれ表5の組成に該当する量でエタノールとジクロロメタンとの混合液に溶解させた後、これを前記フィルムでコートされた徐放性製剤上にコートした。
【表5】

【0036】
アムロジピンを光から保護するために、このように得られた製剤をそれぞれ下記の表6に示した組成を有する混合物で更にコートして複合製剤を製造した。このように得られた実施例9〜実施例11の複合製剤の組成を表5に示した。下記の表6における二酸化チタン及びHPMC2910は、遮光の目的で用いられ、ポリエチレングリコール6000(PEG 6000)及びタルクは、可塑剤として用いられた。
【表6】

【0037】
試験例1
固体分散体の溶解度試験
前記比較例1及び実施例1〜実施例3の固体分散体、及び対照群であるシンバスタチン粉末を対象として大韓薬典の一般試験法のうち溶出試験法第1法(バスケット法;basket)による溶出試験装置を用いて下記の条件で精製水に対する溶解度試験を行った。
−溶出試験装置:Erweka DT 80(Erweka社製,ドイツ)
−溶出液:精製水900ml
−溶出液の温度:37±0.5℃
−回転速度:50、100及び150rpm
−分析法:液体クロマトグラフィー法
−コラム:コスモシル(Cosmosil)C18(nacalai tesque)
−移動相:アセトニトリル/pH4.0緩衝液
−流速:1.5ml/分
−検出器:紫外分光光度計(238nm)
−注入量:20μl
【0038】
この時、pH4.0緩衝液は、3mlの氷酢酸を1Lの精製水と混合した後、NaOHを用いて該混合物のpHを4.0に調節して製造した。
上記測定の結果、図2に示したように、実施例1〜実施例3の固体分散体は比較例1の固体分散体またはシンバスタチンの粉末に比べてより高い溶解度を示し、このような固体分散体の溶解度はHPMCの量よりはMYRJの量によって増加することを確認した。
【0039】
試験例2
活性成分の含量による薬物溶出試験
前記実施例4〜6から得られた徐放性製剤を対象として大韓薬典の一般試験法のうち溶出試験法第2法(パドル法:Paddle)に従って次のような条件で薬物溶出試験を行った。この時、製剤から溶出されたシンバスタチンの量を試験開始後1、2、4、6、8、10、12、16、20及び24時間後に液体クロマトグラフィを用いて測定した。
−溶出試験装置:Erweka DT 80
−溶出液:0.5%ラウリル硫酸ナトリウムを含む0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
−溶出液の温度:37±0.5℃
−回転速度:100rpm
−分析法:紫外分光光度法(247nm及び257nm)
−放出量の計算:累積放出量(cumulative release amount)
前記それぞれの時間後に得られた試料を前洗浄されたMnO(USPシンバスタチン錠剤1項参照)40mgと30分間反応させた後、3,000rpmで5分間遠心分離した。その後、各試料の247nm及び257nmにおける吸光度を紫外分光光度計で測定して、測定された前記二つの吸光度の差で実際の吸光度の値を計算した。
【0040】
上記測定の結果、図3に示したように、実施例4〜6で得られた徐放性製剤は活性成分の含量の差異に関係なく類似した薬物の溶出速度を示した。
【0041】
試験例3
活性成分の種類による薬物溶出試験
前記実施例7及び8で製造された徐放性製剤を対象として、シンバスタチンの代わりにロバスタチンまたはフルバスタチンの量を測定することを除いて、試験例2と同一の方法で溶出試験を行った。
【0042】
その結果、図4に示したように、前記実施例7及び8の徐放性製剤は含有されているHMG−CoA還元酵素阻害剤の種類を問わず互いに類似した徐放型溶出速度を示した。
【0043】
試験例4
本発明による複合製剤の薬物溶出試験
実施例9〜11で製造された複合製剤を対象として、紫外分光光度計の代わりに下記の条件下で液体クロマトグラフィー法(HPLC)を用いて分析することを除いては、前記試験例2と同一の方法により薬物溶出試験を行った。
−溶出試験装置:Erweka DT 80(Erweka,ドイツ)
−溶出液:0.5%ラウリル硫酸ナトリウムを含む0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
−溶出液の温度:37±0.5℃
−回転速度:100rpm
−分析法:液体クロマトグラフィー法
−コラム:コスモシル(Cosmosil)C18(nacalai tesque)
−移動相:アセトニトリル/pH4.0緩衝液
−流速:1.5ml/分
−検出器:紫外分光光度計(238nm)
−注入量:20μl
この時、pH4.0の緩衝液は、3mlの氷酢酸を1Lの精製水と混合した後、NaOHを用いて該混合物のPHを4.0に調節して製造した。
【0044】
上記測定の結果、図5に示したように、前記実施例9〜11の複合製剤は、前記実施例4〜8の徐放性製剤と類似した溶出速度を示した。これはHMG−CoA還元酵素阻害剤の溶出速度がコート層によりあまり大きく影響を受けないということを意味する。
【0045】
試験例5
本発明の複合製剤の回転速度による薬物溶出試験
前記実施例9で製造した複合製剤を対象として、回転速度をそれぞれ50、100または150rpmとすることを除いて、前記試験例4と同一の方法で溶出試験を行った。
その結果、図6に示したように、本発明の複合製剤は回転速度が変わってもHMG−CoA還元酵素阻害剤の溶出速度にいかなる変化も現れなかった。これは本発明の複合製剤を患者に投与したとき、HMG−CoA還元酵素阻害剤の初期濃度相乗效果(initial burst effect)による副作用が非常に減少されることを立証する。
【0046】
試験例6
本発明による複合製剤の高血圧治療剤の溶出試験
前記実施例9〜11の複合製剤及び比較製剤として市販中であるノルバスク(登録商標)(Norvasc(登録商標)、Pfizer社製)を対象として大韓薬典の一般試験法のうち溶出試験法第2法(パドル法:Paddle)に従って下記の条件下で薬物溶出試験を行った。この時、各試験製剤から溶出されたアムロジピンの量は溶出試験後にそれぞれ15、30、45及び60分後に液体クロマトグラフィー法によって測定された。
−溶出試験装置:Erweka DT 80
−溶出液:0.01N塩酸液500ml
−溶液の温度:37±0.5℃
−回転速度:75rpm
−分析法:紫外分光光度法(237nm)
−放出量計算:累積放出量(Cumulative release amount)で計算
【0047】
上記測定の結果、図7に示したように、前記実施例9〜11の複合製剤は比較製剤と同様に優れたアムロジピンの速放性溶出速度(30分に90%)を示した。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の複合製剤の代表的な例の断面図である。
【図2】実施例1〜3及び比較例1で製造された固体分散体の溶解度を示す図である。
【図3】実施例4〜6で製造された徐放性製剤の薬物溶出試験結果を示す図である。
【図4】実施例7及び8で製造された徐放性製剤の薬物溶出試験結果を示す図である。
【図5】実施例9〜11で製造された複合製剤のシンバスタチンの溶出試験結果を示す図である。
【図6】実施例9で製造された複合製剤の回転速度50、100または150rpmにおけるシンバスタチン溶出試験結果を示す図である。
【図7】実施例9〜11で製造された複合製剤及びノルバスク(登録商標)(Pfizer社製)のアムロジピンの溶出試験結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HMG−CoA還元酵素阻害剤の徐放性製剤及び高血圧治療剤を含有する速放性フィルム層を含み、前記速放性フィルム層が前記徐放性製剤上にコートされていることを特徴とする複合製剤。
【請求項2】
前記徐放性製剤が、HMG−CoA還元酵素阻害剤、可溶化担体及び安定化剤を含む固体分散体;徐放化担体;及びゲル水和促進剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の複合製剤。
【請求項3】
前記HMG−CoA還元酵素阻害剤が、メバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、プラバスタチンのラクトン、ベロスタチン、シンバスタチン、リバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン及びセリバスタチンからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の複合製剤。
【請求項4】
前記HMG−CoA還元酵素阻害剤が複合製剤の総重量に対して1〜50重量%の量で含まれることを特徴とする請求項1に記載の複合製剤。
【請求項5】
前記可溶化担体が、ビタミンE TPGS(d−α−tocopheryl polyethylene glycol 1000 succinate)、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びポリオキシプロピレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる群から選ばれることを特徴とする請求項2に記載の複合製剤。
【請求項6】
前記可溶化担体がHMG−CoA還元酵素阻害剤の1重量部に対して0.05〜20重量部の量で含まれることを特徴とする請求項2に複合製剤。
【請求項7】
前記安定化剤が、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、エリソルビン酸、アスコルビン酸及びトコフェロールからなる群から選ばれることを特徴とする請求項2に記載の複合製剤。
【請求項8】
前記安定化剤がHMG−CoA還元酵素阻害剤の1重量部に対して0.001〜3重量部の量で含まれることを特徴とする請求項2に記載の複合製剤。
【請求項9】
前記徐放性担体がキサンタンガムとローカストビーンガムとの混合物であることを特徴とする請求項2に記載の複合製剤。
【請求項10】
前記ローカストビーンガムがキサンタンガムの1重量部に対して0.01〜5重量部の量で含まれることを特徴とする請求項9に記載の複合製剤。
【請求項11】
前記徐放性担体がHMG−CoA還元酵素阻害剤の1重量部に対して0.5〜20重量部の量で含まれることを特徴とする請求項2に記載の複合製剤。
【請求項12】
前記ゲル水和促進剤がアルギン酸プロピレングリコールエステル及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)との混合物であることを特徴とする請求項2に記載の複合製剤。
【請求項13】
前記HPMCが4,000〜100,000cps範囲の粘度を有することを特徴とする請求項12に記載の複合製剤。
【請求項14】
前記アルギン酸プロピレングリコールエステルがHPMCの1重量部に対して0.05〜20重量部の量で含まれることを特徴とする請求項12に記載の複合製剤。
【請求項15】
前記ゲル水和促進剤がHMG−CoA還元酵素阻害剤の1重量部に対して0.1〜20重量部の量で含まれることを特徴とする請求項2に記載の複合製剤。
【請求項16】
前記徐放性製剤が薬学的に許容可能な添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の複合製剤。
【請求項17】
前記薬学的に許容可能な添加剤が、軽質無水ケイ酸、蔗糖脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸の亜鉛及びマグネシウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項16に記載の複合製剤。
【請求項18】
前記高血圧治療剤が、アムロジピン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、フェロジピン、ニソルジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ミベフラジル、アテノロール、メトプロロール、ブシドロール(bucidolol)、カルベジロール、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、ペリンドプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、トランドルラプリル、ロサルタン、イルベサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン、アミロリド及びベンドロフルメチアジドを含む群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の複合製剤。
【請求項19】
前記高血圧治療剤が複合製剤重量に対して0.5〜30重量%の量で含まれることを特徴とする請求項1に記載の複合製剤。
【請求項20】
前記速放性フィルム層が安定化剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の複合製剤。
【請求項21】
前記安定化剤が、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、エリソルビン酸、アスコルビン酸及びトコフェロールからなる群から選ばれることを特徴とする請求項20に記載の複合製剤。
【請求項22】
前記安定化剤が高血圧治療剤の1重量部に対して0.004〜6重量部の量で含まれることを特徴とする請求項20に記載の複合製剤。
【請求項23】
前記徐放性製剤と前記速放性フィルム層との間に位置する水溶性フィルム層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の複合製剤。
【請求項24】
前記水溶性フィルム層が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、エチルセルロース(EC)、メチルセルロース(MC)、ポリメタクリル酸、コリコート(登録商標)(Basf社製)及びオパドライ(登録商標)(Colorcon社製)からなる群から選ばれた少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする請求項23に記載の複合製剤。
【請求項25】
1)HMG−CoA還元酵素阻害剤、可溶化担体及び安定化剤の混合物を乾燥させて固体分散体を得る段階;
2)前記段階1で得られた固体分散体を徐放性担体及びゲル水和促進剤とともに乾式混合した後、製剤化して徐放性製剤を得る段階;及び
3)前記段階2で得られた徐放性製剤を、高血圧治療剤を含む速放性フィルム層でコートして複合製剤を得る段階を含む、請求項1に記載の複合製剤の製造方法。
【請求項26】
前記段階1の乾燥工程が噴霧乾燥法、溶媒蒸発法、微粉砕湿式法、溶融法または凍結乾燥法を用いて行われることを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記段階1から得られた固体分散体が直径5〜200μm範囲の粒子のサイズを有することを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
【請求項28】
前記段階2の製剤化工程が前記乾式混合物を直接打錠して錠剤を収得するか、前記乾式混合物を圧縮した後、粉砕及び打錠して錠剤を収得する工程によって行われることを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
【請求項29】
前記段階1が前記乾式混合物に薬学的に許容可能な添加剤を加える段階をさらに含むことを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
【請求項30】
前記段階2が前記徐放性製剤を水溶性フィルム層でコートする段階をさらに含むことを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
【請求項31】
前記段階3で得られた複合製剤を追加的なフィルム層でコートする段階をさらに含むことを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
【請求項32】
前記追加的なフィルム層が遮光フィルム層、防湿フィルム層または糖フィルム層であることを特徴とする請求項31に記載の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2008−526732(P2008−526732A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549260(P2007−549260)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【国際出願番号】PCT/KR2005/004607
【国際公開番号】WO2006/071077
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(599139534)ハンミ ファーム. シーオー., エルティーディー. (56)
【Fターム(参考)】