説明

5−HT6受容体に関連する疾患の処置において有用な新規テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン誘導体および新規インドール誘導体

本発明は、式(I):


式(I)[式中、
U、P、W、W、W、v、Y、Z、RおよびR’は、本明細書中にて定義のとおりである]の化合物、該化合物を含む医薬組成物、それらの調製方法、ならびに5−HT受容体に関連する疾患に対する医薬の調製のための該化合物の使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、新規化合物、該化合物を含む医薬組成物、それらの調製方法、ならびに5−HT受容体に関連する疾患に対する医薬の調製のための該化合物の使用に関する。
【0002】
(背景技術)
肥満は、許容される標準値を上回る過剰体重を生じる体内の脂肪含有量の増大により特徴付けられる状態である。肥満は西欧諸国において最も重要な栄養障害であり、そして全ての産業国において主要な健康問題である。この疾患は、心血管疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、癌および2型糖尿病のごとき疾患の発症を増大させるために、死亡率の増大をもたらす。体重を減少させる化合物のための探求が数十年の間続けられている。ある一連の研究は、セロトニン受容体サブタイプを直接活性化するかまたはセロトニン再取り込みを阻害するかのどちらかによるセロトニン作動系の活性化である。しかしながら、必要とされる正確な受容体サブタイプ特性は知られていない。
【0003】
末梢および中枢神経系の主要な伝達物質であるセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミンもしくは5−HT)は、不安、睡眠制御、攻撃、摂食および鬱を含む広い範囲の生理学的および病理学的機能を調節する。複数のセロトニン受容体サブタイプが同定され、かつクローニングされている。これらの1つである5−HT受容体は、1993年に幾つかのグループによりクローニングされた(Ruat,M.ら.(1993)Biochem.Biophys.Res.Commun.193:268−276;Sebben,M.ら.(1994)NeuroReport 5:2553−2557)。この受容体はアデニルシクラーゼに積極的に結合し、そして、クロザピンなどの抗鬱剤へ親和性を示す。最近では、ラットの食物摂取量を減じる5−HTアンタゴニストおよび5−HTアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果が報告されている(Bentley,J.C.ら.(1999)Br J Pharmacol.Suppl.126,P66;Bentley,J.C.ら.(1997)J.Psychopharmacol.Suppl.A64,255;Woolley M.L.ら.(2001)Neuropharmacology 41:210−219)。
【0004】
5−HT受容体について高い親和性および選択性を有する化合物が、例えば、WO 00/34242において、およびIsaac,M.ら(2000)6−Bicyclopiperazinyl−1−arylsulphonylindoles and 6−Bicyclopiperidinyl−1−arylsulphonylindoles derivatives as novel,potent and selective 5−HT receptor antagonists Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 10:1719−1721(2000),Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 13:3355−3359(2003),Expert Opinion Therapeutic Patents 12(4)513−527(2002)により同定された。
【0005】
驚くことに、本発明に記載の化合物はアンタゴニストとしてナノモル範囲で5−HT受容体へ親和性を示すことが見出されている。本発明に記載の化合物およびそれらの医薬上許容される塩は、5−HT受容体アンタゴニスト、アゴニストおよび部分アゴニスト活性を有し、そして、肥満および2型糖尿病を処置または予防して、ならびに中枢神経系の疾患、例えば、不安、鬱、不安発作、記憶障害、認知障害、癲癇、睡眠障害、偏頭痛、食欲不振症、食欲亢進、過食症、強迫性障害、精神病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病および/または総合失調症、不安発作、注意欠損多動性障害(ADHD)、薬物濫用に起因する禁断症状、ニューロン成長の障害により特徴付けられる神経変性疾患および疼痛を処置または予防して体重および体重増加の減少を成し遂げるための潜在的な使用が考えられる。体重および体重増加の減少(例えば、体重障害の処置)はとりわけ食物摂取量の減少により達成される。本明細書中、用語「体重障害」は、エネルギー摂取およびエネルギー消費の間のアンバランスにより惹起され、異常な(例えば、過剰な)体重に至る障害を言う。かかる体重障害は肥満を含む。
【0006】
(情報開示)
WO 99/42465は、5−HT受容体に結合し、かつ、CNS疾患、例えば、不安、鬱、癲癇、強迫性障害、認知障害、ADHD、食欲不振症および食欲亢進、総合失調症ならびに薬物濫用の処置のために用いられ得るスルホンアミド誘導体を開示している。
【0007】
WO 01/32646 A1は、5−HT受容体に結合し、かつ、CNS疾患の処置のために用いられ、そしてとりわけ摂食障害の処置のために用いられてもよい化合物を開示している。
【0008】
WO 99/37623 A2は、5−HT受容体に結合し、かつ、CNS疾患の処置のために用いられ、そしてとりわけ摂食障害の処置のために用いられてもよい化合物を開示している。
【0009】
WO 99/42465 A3は、5−HT受容体に結合し、かつ、CNS疾患の処置のために用いられ、そしてとりわけ摂食障害の処置のために用いられてもよい化合物を開示している。
【0010】
EP 0 815 861 A1は、5−HT受容体に結合し、かつ、CNS疾患の処置のために用いられる化合物を開示している。
【0011】
WO 99/02502 A2は、5−HT受容体に結合し、かつ、CNS疾患の処置のために用いられ、そしてとりわけ摂食障害の処置のために用いられてもよい化合物を開示している。
【0012】
WO 98/27081 A1は、5−HT受容体に結合し、かつ、CNS疾患の処置のために用いられ、そしてとりわけ摂食障害の処置のために用いられてもよい化合物を開示している。
【0013】
EP 0701819は、5−HT1D受容体に結合し、かつ、CNS疾患および肥満の処置のために用いられる化合物を開示している。
【0014】
米国特許第6,191,141号およびWO 01/12629は、5−HT受容体に結合し、かつ、CNS疾患の処置のために用いられる化合物を開示している。
【0015】
WO 03/072198は、肥満の処置のためのベンゼンスルホンアミド誘導体を開示している。
【0016】
いずれの公報も、5−HT受容体に関連する疾患に対する本発明に記載の化合物およびそれらの使用を開示していない。
【0017】
(発明の開示)
本発明の一の目的は、式(I)
【化1】

[式中:
vは1もしくは2であり、かつ、Pは式(II)および式(III);
【化2】


の置換基から選択されるか、またはPは、HもしくはC1−6−アルキルから選択されてもよく、ただし、Rは、−NHSO11、−SONR11もしくは−S(O)11〔ここで、R11は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、およびeが0、1、2もしくは3である場合には、vは1である〕から選択され、かつR’はHであり;
【0018】
【化3】

は、単結合もしくは二重結合であり、ただし、両方の
【化4】

が二重結合であるか、または両方の
【化5】

が単結合であり;
、W、W、ZおよびYは、それぞれ炭素原子であるか;または
、W、W、ZおよびYの1つは、窒素原子であり、一方で、残りは炭素原子であり、ただし、式(I)中の両方の
【化6】

は単結合であり;
【0019】
Uは、CHR、CRおよびCR’から選択され、ただし、WおよびUを結ぶ点線が二重結合である場合には、UはCRであり;そしてさらには、ただし、WおよびUを結ぶ点線が単結合である場合には、UはCHRおよびCR’から選択され;
【0020】
は:
(a)C1−6−アルキル、
(b)C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、
(c)C3−6−アルケニル、
(d)ヒドロキシ−C1−6−アルキル、
(e)ハロ−C1−6−アルキル、
(f)アリール、
(g)アリールカルボニルメチル、
(h)アリール−C2−6−アルケニル、
(i)アリール−C1−6−アルキル、
(j)C3−7−シクロアルキル、
(k)ヘテロアリール、
(l)4−ピペリジニル、
(m)N−置換4−ピペリジニル、ここで、該置換基は、C1−6−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−6−アルキルおよびヘテロアリール−C1−6−アルキルから選択され、
(n)ヘテロアリール−C1−6−アルキル、
から選択され、ここで、単独かもしくは別の基の部分としての任意のヘテロアリールもしくはアリール残基は、所望により、1またはそれ以上の位置において、RおよびR’について定義した値を有する置換基で独立して置換されてもよく;
【0021】
およびR’はそれぞれ独立して:
(a)水素、
(b)ハロゲン、
(c)C1−6−アルキル、
(d)ヒドロキシ、
(e)C1−6−アルコキシ、
(f)C2−6−アルケニル、
(g)フェニル、
(h)フェノキシ、
(i)ベンジルオキシ、
(j)ベンゾイル、
(k)−OCF
(l)−CN、
(m)ヒドロキシ−C1−6−アルキル、
(n)ハロ−C1−6−アルキル、
(o)−NR1010
(p)−NO
(q)−CONR1010
(r)−NHSO11
(s)−NRCOR11
(t)−SONR11
(u)−C(=O)R11
(v)C1−6−アルコキシカルボニル、
(w)−S(O)11、ここで、eは0、1、2もしくは3であり、
(x)−SCF
(y)−CHF=CH
(aa)−OCFH、または
(ab)エチニル;
から選択され、
【0022】
ただし、R’は環Bの炭素原子に結合され;そしてさらには、ただし、式(I)中のW、WおよびWの1つが窒素原子であり、かつ両方の
【化7】

が単結合である場合には、その窒素原子はR〔ここで、Rは、水素もしくはC1−4−アルキルから選択され、かつvは1である〕に結合され;そしてさらには、ただし、式(I)中のW、WおよびWがそれぞれ炭素原子であり、かつ両方の
【化8】

が単結合である場合には、Rが水素もしくはメチルから選択され;そしてさらには、ただし、式(I)中の環AおよびB上の置換基としてのRもしくはR’が、フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシおよびベンゾイルから選択される場合には、そのフェニルもしくはアリール環は、所望により、C1−4−アルキル、ハロゲン、C1−4−アルコキシ、C1−4−アルキルチオ、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルまたはシアノにより置換されていてもよく;
【0023】
およびRは互いに連結されて、式(IV)
【化9】

の縮合型置換基を形成してもよく、ただし、RはWに結合され:
【0024】
UがCRもしくはCHRである場合には、Rは:
【化10】

〔式中:
n=0、1もしくは2であり、
o=1もしくは2であり、
p=1、2、3もしくは4であり、
r=2もしくは3であり、
s=1、2もしくは3である〕;
から選択される基であり、
【0025】
UがCHRである場合には、Rはさらに以下の基:
【化11】

〔式中:
n=0、1もしくは2であり、
o=1もしくは2であり、
t=2、3もしくは4であり、
r=2もしくは3であり、
s=1、2もしくは3である〕;
から選択され、
【0026】
Xは、O、NRおよびSから選択され;
【0027】
は独立して:
(a)水素、
(b)C1−6−アルキル、
(c)2−シアノエチル、
(d)ヒドロキシ−C2−6−アルキル、
(e)C3−6−アルケニル、
(f)C3−6−アルキニル、
(g)C3−7−シクロアルキル、
(h)C3−7−シクロアルキル−C1−4−アルキル、
(i)C1−6−アルコキシ−C2−6−アルキル、
(j)アリール−C1−6−アルキル、
(k)ヘテロアリール−C1−6−アルキル、
(l)3,3,3−トリフルオロプロピル、
から選択される基であり、ここで、任意のアリールおよびヘテロアリール残基は、所望により、C1−4−アルキル、ハロゲン、C1−4−アルコキシ、C1−4−アルキルチオ、トリフルオロメチルもしくはシアノで置換されてもよく;
【0028】
は:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、
(c)ヒドロキシ−C1−4−アルキル、
(d)C1−4−アルコキシ−C1−4−アルキル、
(e)ハロ−C1−4−アルキル、
(f)−NR、ただし、該−NR基は、環の窒素原子に隣接する炭素原子に結合せず、
(g)−CO−NR
(h)ヒドロキシ、ただし、該ヒドロキシ基は、環の窒素原子に隣接する炭素原子に結合しない;
から選択され、
【0029】
は:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、
(c)ヒドロキシ−C1−4−アルキル、もしくは
(d)C1−4−アルコキシ−C1−4−アルキル、
(e)ヒドロキシ、ただし、該ヒドロキシ基は、複素環の窒素原子に隣接する炭素原子に結合せず、かつ該ヒドロキシ基は、オキソで置換されていない複素環に結合する;
から選択され、
【0030】
はそれぞれ独立して:
(a)水素、もしくは
(b)C1−6−アルキル
から選択され、
【0031】
は:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、ここで、1もしくは2つの基が任意の炭素原子上に存在してもよく、または2つの基が同じ炭素原子上に存在する場合には、それらは一緒になってシクロプロパン環を形成し、
(c)ヒドロキシ−C1−4−アルキル、
(d)C1−4−アルコキシ−C1−4−アルキル、
(e)ハロ−C1−4−アルキル、
から選択され、
【0032】
10はそれぞれ独立して:
(a)水素、
(b)C1−6−アルキル、
(c)ヒドロキシ−C2−4−アルキル、
(d)C3−7−シクロアルキル、もしくは
(e)C1−4−アルコキシ−C2−4−アルキル、
から選択され、ここで、2つのR10基はそれらが結合している窒素と一緒になって複素環を形成し;および2つのR10基がピペラジン環を形成する場合には、置換され得るピペラジン環の窒素は、Rから選択される基で置換されてもよく;
【0033】
11は:
(a)C1−6−アルキル、
(b)アリール、もしくは
(c)ヘテロアリール、
から選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、所望により、C1−4−アルキル、ハロゲン、C1−4−アルコキシ、C1−4−アルキルチオ、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルまたはシアノで置換されてもよく;
【0034】
12は:
(a)水素、もしくは
(b)メチル;
から選択され、
【0035】
UがR’である場合には、RおよびR’は互いに連結してピロリジンもしくはピペリジンから選択される複素環を形成し、ここで、N原子は、Rから選択される基により置換されてもよい]
;の化合物およびその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、幾何異性体、互変異性体、光学異性体ならびにプロドラッグ形態である。
【0036】
好ましくは、式(I)において:
Pは
【化12】

から選択され、
【0037】
、W、W、ZおよびYのそれぞれは炭素原子であり、ただし、式(I)中の両方の
【化13】

が二重結合であるか;または
、W、W、ZおよびYの1つが窒素原子であり、一方で、残りは炭素原子であり、ただし、式(I)中の両方の
【化14】

は単結合であり;
【0038】
Uは、CHR、CRおよびCR’から選択され、ただし、WおよびUを結ぶ点線が二重結合である場合には、UはCRであり;そしてさらには、ただし、WおよびUを結ぶ点線が単結合である場合には、Uは、CHRおよびCR’から選択され;
【0039】
は:
(f)アリール、
(h)アリール−C2−6−アルケニル、
(i)アリール−C1−6−アルキル、
(j)C3−7−シクロアルキル、
(k)ヘテロアリール、
(n)ヘテロアリール−C1−6−アルキル、
から選択され、ここで、単独かもしくは別の基の部分としての任意のヘテロアリールもしくはアリール残基は、所望により、1またはそれ以上の位置において、RおよびR’について定義した値を有する置換基で独立して置換され;
【0040】
およびR’はそれぞれ独立して:
(a)水素、
(b)ハロゲン、
(c)C1−6−アルキル、
(d)ヒドロキシ、
(e)C1−6−アルコキシ、
(f)C2−6−アルケニル、
(k)−OCF
(l)−CN、
(m)ヒドロキシ−C1−6−アルキル、
(n)ハロ−C1−6−アルキル、
(o)−NR1010
(q)−CONR1010
(r)−NHSO11
(s)−NRCOR11
(t)−SONR11
(u)−C(=O)R11
(w)−S(O)11、ここで、eは0、1、2もしくは3であり、
(x)−SCF
(y)−CHF=CH
(aa)−OCFH、もしくは
(ab)エチニル;
から選択され、
【0041】
ただし、R’は環Bの炭素原子に結合され;そしてさらには、ただし、式(I)中のW、WおよびWの1つが窒素原子であり、かつ両方の
【化15】

が単結合である場合には、該窒素原子は、R〔ここで、Rは、水素もしくはC1−4−アルキルから選択され、かつ、vは1である〕に結合され;そしてさらには、ただし、式(I)中のW、WおよびWがそれぞれ炭素原子であり、かつ両方の
【化16】

が単結合である場合には、Rは水素もしくはメチルから選択され;そしてさらには、ただし、RおよびR’が環AおよびB上の置換基である場合には、RおよびR’は独立して、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルまたはシアノから選択され;
【0042】
UがCRもしくはCHRである場合には、Rは:
【化17】

〔式中、
n=0、1もしくは2であり、
o=1もしくは2であり、
p=1、2、3もしくは4である〕
から選択される基であり、
【0043】
UがCHRである場合には、Rはさらに以下の基:
【化18】

〔式中:
n=0、1もしくは2であり、
o=1もしくは2であり、
t=2、3もしくは4であり、
r=2もしくは3である〕
から選択され、
【0044】
Xは、OおよびNRから選択され;
【0045】
は独立して:
(a)水素、
(b)C1−6−アルキル、
(c)2−シアノエチル、
(d)ヒドロキシ−C2−4−アルキル、
(e)C3−6−アルケニル、
(h)C3−7−シクロアルキル−C1−4−アルキルもしくは
(i)C1−4−アルコキシ−C2−4−アルキル、
から選択される基であり、
【0046】
は:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、
(c)ヒドロキシ−C1−2−アルキル、もしくは
(d)C1−2−アルコキシ−C1−2−アルキル;
から選択され、
【0047】
はそれぞれ独立して:
(a)水素、もしくは
(b)C1−6−アルキル、
から選択され、
【0048】
は:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、ここで、1もしくは2つの基が任意の炭素原子上に存在してもよく、または2つの基が同じ炭素原子上に存在する場合には、それらば一緒になってシクロプロパン環を形成し、
(c)ヒドロキシ−C1−2−アルキル、
(d)C1−2−アルコキシ−C1−2−アルキル、
(e)ハロ−C1−2−アルキル、
から選択され、
【0049】
10はそれぞれ独立して:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、
(c)ヒドロキシ−C2−4−アルキル
から選択され、ここで、2つのR10基はそれらが結合している窒素と一緒になって複素環を形成し;そして、2つのR10基がピペラジン環を形成する場合には、置換され得るピペラジン環の窒素は、Rから選択される基で置換されてもよく;
【0050】
11は:
(a)C1−4−アルキル
から選択され、
【0051】
12は:
(a)水素、もしくは
(b)メチル;
から選択され、
【0052】
UがR’である場合には、RおよびR’は互いに連結してピロリジンもしくはピペリジンから選択される複素環を形成し、ここで、N原子は、
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、
(d)ヒドロキシ−C2−4−アルキル、
(i)C1−4−アルコキシ−C2−4−アルキル、
(k)2−シアノエチル
から選択されるR基により置換されてもよい。
【0053】
好ましい化合物は:
4’−メチル−1’−(2−ナフチルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩、
4’−メチル−1’−(4−ブロモフェニルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩、
4’−メチル−1’−(5−ブロモ−2−チエニルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩、
4’−メチル−1’−(2−チエニルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩、
N−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イル)−2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−アセトアミド、
1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イル)−ピリジン−4−イル−アミン、
N−(4−ピペラジン−1−イル−1H−インドール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩、および
3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−8−アミントリフルオロ酢酸塩
である。
【0054】
本発明の別の目的は、上記のような化合物の調製方法であっって、以下の工程:
1)2−(2−エチルアミノ)ピロールおよび1−メチルピペラジン−4−オンを反応させて、4’−メチル−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}を得;次いで、
2)塩基の存在下、工程a)からの生成物をアリールスルホニルクロリドと反応させる
ことを含んでなる方法である。
【0055】
本発明の別の目的は、1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イルアミンおよびブロモアセチルブロミドの反応、ならびにエタノールアミンとのさらなる反応による、上記のような化合物の調製方法である。
【0056】
本発明の別の目的は、シアノホウ水素化ナトリウムおよび酢酸アンモニウムの存在下における、3−(トルエン−4−スルホニル)−6,9−ジヒドロ−3H,7H−ベンゾ[e]インドール−8−オンの還元的アミノ化による、上記のような化合物の調製方法である。
【0057】
本発明の別の目的は、治療における使用のための、特に、5−HT受容体に関連する疾患を処置または予防して体重および体重増加の減少を成し遂げるために使用するための、上記のような化合物である。
【0058】
本発明の別の目的は、医薬上許容される希釈剤または担体と組み合わせて有効成分として上記のような化合物を含有する医薬処方であって、特に、5−HT受容体に関連する疾患を処置または予防して体重および体重増加の減少を成し遂げるために用いるための医薬処方である。
【0059】
本発明の別の目的は、5−HT受容体に関連する疾患にかかっているヒトまたは動物対象を処置して体重および体重増加の減少を成し遂げるための方法である。該方法は、有効量の1またはそれ以上の本明細書中の任意の式の化合物、それらの塩またはその化合物もしくは塩を含む組成物をその必要のある対象(例えば、ヒトもしくは動物、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ)へ投与することを包含し得る。
【0060】
本明細書中記載の方法は、対象が、5−HT受容体に関連する疾患を処置されて体重および体重増加の減少を成し遂げられる必要があるかを同定する工程も含み得る。かかる処置の必要のある対象の同定は、対象もしくは医療専門家の判断であり得、および主観的(例えば、オピニオン)もしくは客観的(例えば、試験もしくは診断的方法により測定可能なもの)であり得る。
【0061】
本発明の別の目的は、5−HT受容体に関連する疾患を処置または予防して体重および体重増加の減少を成し遂げるための方法であって、かかる処置の必要のある対象へ有効量の上記のような化合物を投与することを含んでなる方法である。
【0062】
本発明の別の目的は、5−HT受容体活性を調節するための方法であって、かかる処置の必要のある対象へ有効量の上記のような化合物を投与することを含んでなる方法である。
【0063】
本発明の別の目的は、5−HT受容体に関連する疾患を予防または処置して体重および体重増加の減少を成し遂げるために用いるための医薬の製造における、上記のような化合物の使用である。
【0064】
上記のような化合物は、5−HT受容体についてのアゴニスト、部分アゴニストもしくはアンタゴニストであってもよい。好ましくは、化合物は、5−HT受容体についての部分アゴニストもしくはアンタゴニストとして作用する。
【0065】
5−HT受容体に関連する疾患の例は、肥満;II型糖尿病;中枢神経系の疾患、例えば、不安、鬱、不安発作、記憶障害、認知障害、癲癇、睡眠障害、偏頭痛、食欲不振症、食欲亢進、過食症、強迫性障害、精神病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、総合失調症、注意欠損多動性障害(ADHD)、薬物濫用に起因する禁断症状、ニューロン成長の障害により特徴付けられる神経変性疾患および疼痛である。
【0066】
化合物および組成物は、疾患を処置して体重および体重増加の減少を成し遂げるために有用である。疾患は、肥満;II型糖尿病;中枢神経系の疾患、例えば、不安、鬱、不安発作、記憶障害、認知障害、癲癇、睡眠障害、偏頭痛、食欲不振症、食欲亢進、過食症、強迫性障害、精神病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、総合失調症、注意欠損多動性障害(ADHD)、薬物濫用に起因する禁断症状、ニューロン成長の障害により特徴付けられる神経変性疾患および疼痛を含む。一の態様において、本発明は、上記疾患を処置もしくは予防するための方法であって、かかる処置の必要のある対象へ有効量の本明細書中記載の組成物を投与することを含んでなる方法に関する。
【0067】
本発明の別の目的は、化粧品的に許容される希釈剤もしくは担体と組み合わせて有効成分として上記のような化合物を含有する化粧品組成物であって、特に、5−HT受容体に関連する疾患を予防もしくは処置して体重および体重増加の減少を成し遂げるために用いるための化粧品組成物である。
【0068】
(定義)
以下の定義は、本明細書および添付の特許請求の範囲にわたって適用されるものとする。
【0069】
別記しない限り、用語「C1−6−アルキル」は、1ないし6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を意味する。かかるC1−6−アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルならびに直鎖および分岐鎖ペンチルおよびヘキシルを含む。「C1−6−アルキル」の範囲の一部として、その全てのサブグループは、例えば、C1−5−アルキル、C1−4−アルキル、C1−3−アルキル、C1−2−アルキル、C2−6−アルキル、C2−5−アルキル、C2−4−アルキル、C2−3−アルキル、C3−6−アルキル、C4−5−アルキルなどが熟慮される。「ハロ−C1−6−アルキル」は、1またはそれ以上のハロゲン原子により置換されたC1−6−アルキル基を意味する。かかるハロ−C1−6−アルキルの例は、2−フルオロエチル、フルオロメチル、トリフルオロメチルおよび2,2,2−トリフルオロエチルを含む。同様に、「アリール−C1−6−アルキル」は、1またはそれ以上のアリール基により置換されたC1−6−アルキル基を意味する。
【0070】
別記しない限り、用語「ヒドロキシ−C1−6−アルキル」は、その1個の水素原子がOHで置換されている直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。かかるヒドロキシ−C1−6−アルキルの例は、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピルおよび2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルを含む。
【0071】
別記しない限り、用語「C1−6−アルコキシ」は、1ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルコキシ基を意味する。かかるC1−6−アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシならびに直鎖および分岐鎖ペントキシおよびヘキソキシを含む。「C1−6−アルコキシ」の範囲の一部として、その全てのサブグループは、例えば、C1−5−アルコキシ、C1−4−アルコキシ、C1−3−アルコキシ、C1−2−アルコキシ、C2−6−アルコキシ、C2−5−アルコキシ、C2−4−アルコキシ、C2−3−アルコキシ、C3−6−アルコキシ、C4−5−アルコキシなどが熟慮される。
【0072】
別記しない限り、用語C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキルは、1ないし6個の炭素原子を有するアルキル基に連結した、1ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルコキシ基を意味する。かかるC1−6−アルコキシ−C1−6−アルキルの例は、メトキシメチル、エトキシメチル、イソ−プロポキシメチル、n−ブトキシメチル、t−ブトキシメチルならびに直鎖および分岐鎖ペントキシメチルを含む。「C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル」の範囲の一部として、その全てのサブグループは、例えば、C1−5−アルコキシ−C1−6−アルキル、C1−4−アルコキシ−C1−6−アルキル、C1−3−アルコキシ−C1−6−アルキル、C1−2−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−5−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−4−アルコキシ−C1−6−アルキル、C2−3−アルコキシ−C1−6−アルキル、C3−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、C4−5−アルコキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ−C1−5−アルキル、C1−6−アルコキシ−C1−4−アルキルなどが熟慮される。
【0073】
別記しない限り、用語「C2−6−アルケニル」は、2ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニル基を意味する。かかるC2−6−アルケニルの例は、ビニル、アリル、2,3−ジメチルアリル、1−ブテニル、1−ペンテニルおよび1−ヘキセニルを含む。「C2−6−アルケニル」の範囲の一部として、その全てのサブグループは、例えば、C2−5−アルケニル、C2−4−アルケニル、C2−3−アルケニル、C3−6−アルケニル、C4−5−アルケニルなどが熟慮される。同様に、「アリール−C2−6−アルケニル」は、1またはそれ以上のアリール基により置換されたC2−6−アルケニル基を意味する。かかるアリール−C2−6−アルケニルの例は、スチリルおよびシンナミルを含む。
【0074】
用語「オキソ」は、
【化19】

を意味する。
【0075】
別記しない限り、用語「C3−6−アルキニル」は、3ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキニル基を意味する。かかるC3−6−アルキニルの例は、1−プロピニル、1−ブチニルおよび1−ヘキシニルを含む。「C2−6−アルキニル」の範囲の一部として、その全てのサブグループは、例えば、C3−5−アルキニル、C3−4−アルキニル、C3−6−アルキニル、C4−5−アルキニルなどが熟慮される。
【0076】
別記しない限り、用語「C3−7−シクロアルキル」は、3ないし7個の炭素原子の環サイズを有する鎖状アルキル基を意味する。かかるシクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシルおよびシクロヘプチルを含む。「C3−7−シクロアルキル」の範囲の一部として、その全てのサブグループは、例えば、C3−6−シクロアルキル、C3−5−シクロアルキル、C3−4−シクロアルキル、C4−7−シクロアルキル、C4−6−シクロアルキル、C4−5−シクロアルキル、C5−7−シクロアルキル、C6−7−シクロアルキルなどが熟慮される。
【0077】
別記しない限り、用語「アリール」は、少なくとも1個の芳香環を有する炭化水素環系を言う。アリールの例は、フェニル、ペンタレニル、インデニル、インダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、1−ナフチル、2−ナフチル、フルオレニルおよびアントリルである。アリール環は、所望により置換されてもよい。同様に、フェノキシは、酸素原子に結合したフェニル基を言う。
【0078】
用語「ヘテロアリール」は、単環式もしくは二環式の芳香環系を言い、少なくとも1個の環が芳香族である必要があり、そして該ヘテロアリール部分は任意の環の炭素もしくは窒素原子を介して分子の残りの部分に結合され得、さらに5ないし10個の環原子を有するものであり(単環式もしくは二環式)、ここで、1またはそれ以上の環原子は炭素以外であり、例えば、窒素、硫黄、酸素およびセレンである。かかるヘテロアリール環の例は、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、クロマニル、キナゾリニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、インダゾリル、ピラゾリル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリルおよびベンゾトリアゾリル基を含む。二環式ヘテロアリール環が置換される場合には、任意の環において置換されてもよい。
【0079】
別記しない限り、用語「複素環」は、少なくとも1個のヘテロ原子、例えば、O、NもしくはSをもち、かつ、残りの環原子が炭素である、4ないし10個の環原子を有する非芳香族(すなわち、部分的もしくは完全に飽和されている)単環もしくは二環系を言う。複素環の基の例は、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、アゼピニル、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリニル、イミダゾリニル、チオモルホリニル、ピラニル、ジオキサニルおよびピペラジニル基を含む。存在する場合には、硫黄原子は、所望により、酸化された形態(すなわち、S=OもしくはO=S=O)であってもよい。酸化された形態の硫黄を含む複素環の基の例は、オクタヒドロチエノ[3、4b]ピラジン6,6−ジオキシドおよびチオモルホリン1,1−ジオキシドを包含する。
【0080】
別記しない限り、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素を意味するものとする。
【0081】
用語−S(O)11[ここで、eは0、1、2もしくは3である]は、式(V)−(VIII):
【化20】

により示される意味を有する。
【0082】
用語「脱離基」は、求核性置換反応の間に、分子から離されるべき基を言う。脱離基の例は、ヨージド、ブロミド、クロリド、メタンスルホナート、ヒドロキシ、メトキシ、チオメトキシ、トシルもしくはそれらの適当にプロトン化された形態(例えば、HO、MeOH)、特に、ブロミドおよびメタンスルホナートである。
【0083】
「所望の」もしくは「所望により」は、続いて記載される事象もしくは状況が必ずしも存在しなくてもよく、そしてその記載が事象もしくは状況が存在する場合および存在しない場合を含むことを意味する。
【0084】
「医薬上許容される」は、一般的に安全、非毒性、かつ、生物学的にもその他の点でも望ましくないことはない医薬組成物を調製する際に有用であることを意味し、そして、ヒトへの医薬上の使用に加えて獣医上の使用についても有用であることを含む。
【0085】
本明細書中、「処置」は、特定の疾患もしくは状態の予防、または疾患が発症したならば、疾患の改善もしくは排除を含む。
【0086】
「有効量」は、処置される対象へ治療的な効果を与える化合物の量を言う。治療的な効果は、客観的(すなわち、ある試験もしくはマーカーにより測定可能なもの)または主観的(すなわち、対象が効果の徴候を示すかまたは効果を感じる)であってもよい。
【0087】
用語「プロドラック形態」は、薬理学的に許容される誘導体、例えば、エステルもしくはアミドを意味し、該誘導体は体内で生体内変換されて有効な薬剤を形成する。Goodman and Gilman’s,The Pharmacological basis of Therapeutics,8th ed.,Mc−Graw−Hill,Int.Ed.1992,“Biotransformation of Drugs”,p.13−15;および“The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action”by Richard B.Silverman.Chapter 8,p352.(Academic Press,Inc.1992.ISBN 0−12−643730−0)を参照のこと。
【0088】
以下の省略形が用いられる:
CVは、変異係数を意味し、
DMSOは、ジメチルスルホキシドを意味し、
EDTAは、エチレンジアミン四酢酸を意味し、
EGTAは、エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)四酢酸を意味し、
HEPESは、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸を意味し、
HPLCは、高速液体クロマトグラフィーを意味し、
LSDは、リセルグ酸、ジエチルアミドを意味し、
MeCNは、アセトニトリルを意味し、
SPAは、シンチレーション近接アッセイを意味し、
t−BuOKは、カリウムtert−ブトキシドを意味し、そして
THFは、テトラヒドロフランを意味する。
【0089】
記載した化合物について可能な全ての異性体形態(純粋なエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、ラセミ混合物および2つのエナンチオマーの不均等な混合物)は、本発明の範囲内である。かかる化合物は、シス−もしくはトランス−、E−もしくはZ−の二重結合の異性体形態としても存在し得る。全ての異性体形態が熟慮される。
【0090】
式(I)の化合物は、そのままか、または適切な場合にはその薬理学的に許容される塩(酸もしくは塩基付加塩)として用いられてもよい。上記した薬理学的に許容される付加塩は、化合物が形成し得る治療的に有効な非毒性の酸および塩基付加塩形態を含むことが意図される。塩基性の性質を有する化合物は、塩基形態を適切な酸で処理することにより、それらの医薬上許容される酸付加塩に変換され得る。酸の例は、無機酸、例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸;および有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、琥珀酸、リンゴ酸、洒石酸、クエン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸、安息香酸、アスコルビン酸などを含む。塩基付加塩形態の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩、例えば、アンモニア、アルキルアミン、ベンザチンなどの医薬上許容されるアミン、ならびに例えば、アルギニンおよびリジンなどのアミノ酸との塩である。本明細書中、付加塩なる用語は、化合物およびその塩が形成し得る溶媒和物、例えば、水和物、アルコラートなども含む。
【0091】
臨床で使用するために、本発明の化合物は、経口、直腸、非経口もしくは他の様式での投与用の医薬処方に処方される。医薬処方は、通常、活性物質もしくはその医薬上許容される塩を慣用的な医薬用賦形剤と混合することにより調製される。賦形剤の例は、水、ゼラチン、ガムアラビカム、ラクトース、微結晶セルロース、デンプン、澱粉グリコール酸ナトリウム、リン酸一水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルカム、コロイダルシリコンダイオキサイドなどである。かかる処方は、他の薬理学的に有効な剤および慣用的な添加剤、例えば、安定剤、湿潤剤、乳化剤、着香剤、バッファーなども含んでもよい。通常、有効化合物の量は、調製物中、0.1−95重量%の間、好ましくは、非経口用のためには、調製物中、0.2−20重量%の間、そしてより好ましくは、経口投与のためには、調製物中、1−50重量%の間である。
【0092】
処方は、知られている方法、例えば、顆粒化、圧縮、マイクロカプセル化、スプレーコーティングなどによりさらに調製され得る。処方は、慣用的な方法により、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ、懸濁液、坐剤もしくは注射剤の投与形態にて調製されてもよい。液体処方は、活性物質を水もしくは他の適当なビヒクル中に溶解もしくは懸濁させることにより調製されてもよい。錠剤および顆粒剤は慣用的な様式によってコーティングされてもよい。
【0093】
さらなる態様において、本発明は、本明細書中の任意の式の化合物の製造方法であって、1またはそれ以上の本明細書中に記載の式の任意の化合物を反応させることを含み、本明細書中に記載の任意の過程を含んでなる方法に関する。上の式(I)の化合物は、慣用法もしくはそれに類似する方法により調製されてもよい。
【0094】
本発明の化合物を遊離塩基の形態かもしくは酸付加塩として得るために、上記した過程が行われてもよい。医薬上許容される酸付加塩を、塩基化合物から酸付加塩を調製するための慣用的な手順に従って、適当な有機溶媒中に遊離塩基を溶解し、次いで、その溶液を酸で処理することにより得てもよい。付加塩を形成する酸の例は、上記のものである。
【0095】
式(I)の化合物は、1またはそれ以上のキラル炭素原子を有してもよく、そしてそれ故に、それらは、光学異性体の形態、例えば、純粋なエナンチオマーもしくはエナンチオマーの混合物(ラセミ体)もしくはジアステレオマーを含む混合物として得られてもよい。純粋なエナンチオマーを得るための光学異性体の混合物の分割は、当該技術分野においてよく知られており、そして、例えば、光学活性のある(キラルな)酸を用いる塩の分別結晶によるか、またはキラルカラムでのクロマトグラフィー分離により達成されてもよい。
【0096】
本明細書中に記載の合成経路において用いられる化学物質は、例えば、溶媒、試薬、触媒ならびに保護基用および脱保護基用の試薬を含んでもよい。上記した方法は、本明細書中にて特に記載された工程の前もしくは後のいずれかに、適当な保護基を付加もしくは除去し、最終的に化合物の合成を可能にする工程をさらに含んでもよい。加えて、種々の合成工程の順序もしくは順番を交互に実施して所望の化合物を得てもよい。適切な化合物を合成する際に有用な合成化学変換および保護基の方法論(保護および脱保護)は、当該分野にて知られており、そして、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,John Wiley and Sons(1999);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);およびL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)ならびにそれらの続版において記載のものを含む。
【0097】
式(I)の化合物を調製するために必要な出発物質は、知られているか、もしくは既知の化合物の調製と同様に調製されてもよい。特定の化合物の投与量レベルおよび投与頻度は、用いられる特定の化合物の効力、その化合物の代謝安定性および作用時間、患者の年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与方法および時間、排出速度、併用薬、処置されるべき状態の重篤度ならびに患者が受けている治療を含む様々な因子に依存して変化するだろう。1日用量は、例えば、体重1キロあたり約0.001mgないし約100mgの範囲で、1回もしくは複数回用量にて投与されてもよく、例えば、それぞれ約0.01mgないし約25mgであってもよい。通常、かかる投与形は経口的に与えられるが、非経口投与が選択されてもよい。
【0098】
本発明は、以下の非限定的な実施例によりさらに説明されるだろう。
以下の具体的な実施例は、単に例示として解釈すべきであり、あらゆる意味において、開示内容を何ら制限するものではない。さらなる記述がなくとも、当業者は本明細書の記載に基づいて本末明を最大限に利用し得ると考えられる。本明細書中にて引用された全ての文献は、出典明示によりその全てを本明細書の1部となす。
【0099】
表1
【化21】

【表1】

【0100】
方法
Bruker Advance DPX 400分光計を用いて、H核磁気共鳴(NMR)および13C NMRをそれぞれ400.1および100.6MHzにて記録した。残留溶媒もしくは内部基準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて、全てのスペクトルを記録した。赤外線(IR)スペクトルを、Perkin−Elmer Spectrum 1000 FT−IR分光光度計で記録した。イオンスプレー質量分析(MS)スペクトルを、Perkin−Elmer API 150EX 質量分析計にて得た。Micromass LCTデュアルプローブを用いて、正確な質量の測定を行った。系A:ACE 5 C8カラム(19×50mm)、溶離剤:MilliQ水、MeCNおよびMilliQ/MeCN/0.1%TFAならびに系B:Xterra MS C18,5μm カラム(19×50mm)、溶離剤:MilliQ水、MeCNおよびNHHCO(100mM)を備えるWaters/Micromass Platform ZQシステムにて、調製用HPLC/質量分析を行った。Agilent 1100、カラム:ACE 3 C8 (系A)もしくはカラム:YMC−Pack(系B)、溶離剤:MilliQ/0.1%TFAおよびMeCNにて、分析用HPLCを行った。元素分析をVario El装置で行った。調製用フラッシュクロマトグラフィーを、Merckシリカゲル60(230−400メッシュ)にて行った。
【0101】
実験
4’−メチル−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}の合成
【化22】

【0102】
ベンゼン(100mL)中の2−(2−エチルアミノ)ピロール(Herz W.J.Am.Chem.Soc.75,483,1953;Wasley J.W.F,EP 338989 B,1989)(9.6g,87mmol)および1−メチルピペラジン−4−オン(9.85g,87mmol)の混合物を、減圧下、完全に蒸発させた。乾燥残渣をメタノール(50mL)中に溶解した。メタノール(107mL)中のHSO(43mL)を0℃(氷)でメタノール溶液に加えた。冷浴を除去し、混合物を室温で2時間攪拌した。その結果、密な白色沈殿が生じた。次いで、混合物を−20℃で一晩保持した。沈殿を濾過し、最小量の水中のNaOH(30%)中に溶解した。有機物質を酢酸エチル(100mL×4)で抽出した。有機相を合わせ、KCOにより乾燥し、つづいて濾過した。揮発物質を減圧下で除去した。残渣を冷酢酸エチルでトリチュレートし、濾過し、最小量の冷酢酸エチルで洗浄し、7.6g(44%)の生成物を得た。
【0103】
4’−メチル−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}スルホンアミドの一般的合成方法
【化23】

【0104】
無水THF(3mL)中のt−BuOK(160mg,1.4mmol)の懸濁液を、THF中の4’−メチル−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロール[3,2−b]ピリジン}(205mg,1mmol)の混合物へ加えた。混合物を攪拌しながら加温し(完全な溶解が40℃で観察された)、つづいてTHF(3mL)中の対応するスルホニルクロリド(1.2mmol)を加えた。混合物を急速に沸点まで加熱し、次いで冷却した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、乾燥し(KCO)、蒸発させた。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH:10/1)により単離した。この方法により合成された化合物の収率は18ないし62%にわたる。
【0105】
(実施例)
実施例1
4’−メチル−1’−(2−ナフチルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩
28.3mgの物質を単離した。H NMR(270MHz,メタノール−d)δ 2.25−2.50(m,4H),2.96(s,3H),3.19(app.t.,2H),3.52−5.65(m,6H),7.56(d,1H,J=3.22Hz),7.72(dq,1H,J=1.48Hz),7.83(dd,1H,J=1.86Hz,J=8.98Hz),7.99−8.02(m,1H),8.09(d,2H,J=8.98Hz),8.11−8.15(m,1H),8.67(d,1H,J=1.73Hz).HPLC純度 96%.
【0106】
実施例2
4’−メチル−1’−(4−ブロモフェニルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩
29.8mgの物質を単離した。H NMR(270MHz,DMSO−d)δ 1.45−1.50(bd,2H)Hz),1.71−1.83(dt,2H,J=4.21Hz),2.15(s,3H),2.36(app.t,2H),2.45−2.55(m,2H),2.59(app.t,2H),2.88(app.t,2H),2,86(app.t,2H),6.32(d,1H,J=3.46Hz),7.15(d,1H,J=3.46Hz),7.43(d,1H,J=3.96Hz),7.71(d,1H,J=3.96Hz).HPLC純度 95%.
【0107】
実施例3
4’−メチル−1’−(5−ブロモ−2−チエニルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩
254mgの物質を単離した。H NMR(270MHz,DMSO−d)δ 1.40−1.44(bd,2H,J=12.62Hz),1.72(dt,2H,J=4.21Hz),2.22(s,3H),2.25(bt,2H,J=10.89Hz),2.45−2.55(m,2H),2.42−2.46(m,2H),2.83(app.t,2H),2,86(app.t,2H),6.29(d,1H,J=3.46Hz),7.15(d,1H,J=3.22Hz),7.23(dd,1H,J=4.95Hz,J=3.96Hz),7.83(dd,1H,J=3.84Hz,J=1.36Hz),8.10(dd,1H,J=4.95Hz,J=1.24Hz).HPLC純度 95%.
【0108】
実施例4
4’−メチル−1’−(2−チエニルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩
67.6mgの物質を単離した。H NMR(270MHz,メタノール−d)δ1.45(d,2HJ=13.11Hz),1.75(dt,2H,J=3.96Hz),2.18(s,3H),2.25−2.40(m,2H),2.40−2.65(m,4H),2.59(app.t,2H),2,86(app.t,2H),6.29(d,1H,J=3.46Hz),7.15(d,1H,J=3.22Hz),7.23(dd,1H,J=4.95Hz,J=3.96Hz),7.83(dd,1H,J=3.84Hz,J=1.36Hz),8.10(dd,1H,J=4.95Hz,J=1.24Hz).HPLC純度 95%.
【0109】
表2
【化24】

【表2】

【0110】
スキーム1
【化25】

【0111】
スキーム1の説明:i)N,N−ジイソプロピルエチルアミン、アセトニトリル、加熱;ii)H、Pd/Cメタノール、ギ酸アンモニウム、室温;iii)ブロモアセチルブロミド、NaHCO、CHCl;iv)エタノールアミン、KI、エタノール、加熱。
【0112】
中間体1
4−ニトロ−1H−インドール
p−トルエンスルホン酸一水和物(0.10kg)を111℃でオルトギ酸トリエチル(8.00kg)に加えた。混合物を5分間攪拌し、次いで、3−ニトロ−o−トルイジン(4.10kg)を少しずつ加えた。添加はわずかに発熱を伴い、添加速度を調節して、温度が111℃未満に下がるのを避けた。添加時間は65分間だった。添加の間、蒸留を開始し、形成されたエタノールを除去する。添加完了後、反応混合物を大気圧で70分間、125℃で蒸留した。全部で4.5Lのエタノールを蒸留除去した。蒸留速度が落ちる場合には、減圧(800mbar−140mbar)を適用して、蒸留を完了させた。リアクター中に約6Lが残存する時点で、蒸留を中止した。反応混合物を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(15L)で希釈し、43℃に冷却した。シュウ酸ジエチル(4.20kg)を加えた。温度を38−45℃の間に保ちながら、得られた混合物へカリウムtert−ブトキシド(4.08kg)を少しずつ加えた。添加時間は55分間だった。添加完了後、反応物を40−45℃で10分間攪拌した。次いで、反応混合物を50−60℃で水(90L)に加えた。添加の間、生成物は結晶化した。20℃に冷却後、生成物をヌッチェフィルター上で単離した。得られた生成物ケークを25Lの水で洗浄し、十分な減圧を適用しながら、80℃で乾燥した。乾燥後の生成物の重量は2.90kg(66%)だった。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ ppm 7.05(d,J=2.93Hz,1H)7.28(t,J=7.93Hz,1H)7.75(d,J=2.93Hz,1H)7.89(d,J=7.32Hz,1H)8.04(d,J=8.06Hz,1H)11.96(s,1H).13C NMR(101MHz,DMSO−d)δ ppm 101.11(s,1C)116.79(s,1C)119.13(s,1C)120.06(s,1C)121.26(s,1C)130.65(s,1C)138.13(s,1C)139.09(s,1C).
【0113】
中間体2
1−ベンゼンスルホニル−4−ニトロ−1H−インドール
アセトニトリル(69.5kg)中の4−ニトロ−1H−インドール(9.49kg)の溶液を81℃に加温した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(Huenigs塩基)(8.98kg)を加え、つづいて、塩化ベンゼンスルホニルを少しずつ加えた。発熱を伴う塩化ベンゼンスルホニルの添加は、温度が75−81℃の間に保たれる速度で行った。添加時間は45分間だった。反応混合物を30分間80℃で攪拌した後、分析により出発物質の消失が示された。水(8.2L)を80℃で反応混合物に加えた(注意。レシピは16Lの水の添加を指示していたので、重大な間違いをした)。反応混合物を80℃で50分間保持した。冷却すると、生成物は約74℃で結晶化を開始した。得られたスラリーを10℃に冷却した。生成物をヌッチェフィルター上で単離し、アセトニトリル(21.9kg)および水(9.1L)の混合物で洗浄した。70℃および十分な減圧にて乾燥し、12.71kg(72%)の標記化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm7.34(d,J=3.91Hz,1H)7.55−7.65(m,3H)7.69−7.76(m,1H)8.05−8.09(m,2H)8.18−8.23(m,2H)8.42(dd,J=8.30,0.73Hz,1H).13C NMR(101MHz,DMSO−d)δ ppm 107.64(s,1C)119.75(s,1C)120.18(s,1C)124.20(s,1C)124.66(s,1C)126.78(s,2C)129.94(s,2C)131.17(s,1C)135.07(s,1C)135.36(s,1C)136.34(s,1C)139.96(s,1C).
【0114】
中間体3
1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イルアミン
アルゴン下、MeOH(7mL)中の4−ニトロ−1H−インドール(1g,3.3mol)の溶液へ、Pd/C(150mg)およびギ酸アンモニウム(3g,47mmol)を加えた。始めのニトロ化合物が完全に消失するまで、得られた混合物を1.5時間還流温度に加熱した。触媒を濾過で除き、残渣をメタノールで洗浄した。次いで、溶液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、0.72g(80%)の標記化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ ppm 5.57(s,2H)6.39(d,J=7.81Hz,1H)6.95−7.05(m,2H)7.12(d,J=8.06Hz,1H)7.50−7.58(m,3H)7.59−7.67(m,1H)7.91(d,J=7.57Hz,2H).13C NMR(101 MHz,DMSO−d)δ ppm 101.49(s,1C)107.29(s,1C)108.26(s,1C)118.55(s,1C)124.12(s,1C)126.61(s,1C)127.19(s,2C)130.25(s,2C)134.91(s,1C)136.11(s,1C)137.86(s,1C)142.91(s,1C).
【0115】
中間体4
N−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イル)−2−ブロモ−アセトアミド
CHCl(10mL)中の1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イルアミン(0.6g,2.2mmol)の溶液へ、水(10mL)中のNaHCO(0.84g,10mmol)の溶液を滴下して加えた。次いで、ブロモアセチルブロミド(0.21mL,2.4mmol)を、同時に攪拌しながら、得られた混合物へ加えた。反応混合物を30分間攪拌し、次いで、有機相を分け、濃縮した。生成物の収量は0.78g(90%)だった。生成物の形成をTLC(薄層クロマトグラフィー)によりモニターした。化合物はさらに分析することなく次の工程に用いた。
【0116】
実施例5
N−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イル)−2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−アセトアミド
EtOH(5mL)中に溶解したN−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イル)−2−ブロモ−アセトアミド(0.78g,2mmol)へ、KI(0.07g,0.4mmol)およびエタノールアミン(0.6mL,10mmol)を加えた。反応の完了がTLCにより示されるまで、反応混合物を10分間還流温度に加熱した。生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離系 CHCl/CHOH 5:1)により精製した。生成物の収量は0.52g(70%)だった。収量;0.52g(70%)の物質を単離した;HPLC純度 95%;H NMR(400MHz,DMSO−d)δ ppm 2.62(t,J=5.40Hz,2H)3.47(q,J=5.44Hz,2H)4.65(t,J=5.27Hz,2H)6.99(d,J=3.51Hz,1H)7.29(t,J=8.16Hz,1H)7.59(t,J=7.78Hz,2H)7.69(t,J=7.53Hz,2H)7.78−7.85(m,2H)7.94−8.00(m,2H);質量分析(posEI−DIP)m/z 374(M+H).
【0117】
実施例6
1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イル)−ピリジン−4−イル−アミン
DMF(4mL)中の1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イルアミン(0.5g,1.8mmol)の溶液へ、4−ブロモピリジン塩酸塩(0.36g,1.8mmol)およびKI(0.07g,0.40mmol)を加えた。反応混合物を2時間還流温度に加熱した。反応物をTLCによりモニターした。有機相を濃縮し、最終化合物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離:CHCl)により精製した。生成物の収量は0.175g(35%)だった。HPLC純度 98%;H NMR(270MHz,DMSO−d)δ 6.77−6.87(m,1H),6.96−7.10(m,2H),7.23−7.32(m,1H),7.36−7.50(m,1H),7.55−7.78(m,4H),7.82−7.93(m,2H),7.98−8.01(m,2H),8.18−8.30(m,2H),10.45(brs,1H);質量分析(posEI−DIP)m/z 350(M+H).
【0118】
中間体5
4−(1−アミノ−1H−インドール−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
DMF(30mL)中の4−(1H−インドール−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.56g,1.9mmol)(WO 02/32863)の溶液へ、0℃で、KOH(1.04g,18.6mmol)を加え、つづいて、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(0.42g,3.7mmol)を30分にわたって少しずつ加えた。周囲温度で1時間攪拌した後、混合物を濾過し、濾液を氷水(200mL)に注ぎ、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機相を水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた油状物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、勾配溶離、CHCl→CHCl+5% MeOH→CHCl+10% MeOHを溶離剤として用いることにより精製し、0.536gの生成物を得た。HPLC純度 91%;質量分析(posEI−DIP)m/z 317(M+H).(LarryDaviesら.J.Med.Chem,1996,39,582−587).
【0119】
実施例7
N−(4−ピペラジン−1−イル−1H−インドール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
5mLのDMF中のNaH(0.05g,2.0mmol;50%油分散液)の懸濁液へ、0℃で、DMF(5mL)中の4−(1−アミノ−1H−インドール−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.54g,1.7mmol)の溶液を加えた。30分間50℃に温めた後、溶液を0℃に冷却し、DMF(3mL)中の塩化ベンゼンスルホニル(0.30g,1.7mmol)の溶液を徐々に加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、次いで、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、溶離剤としてCHCl+5%MeOHを用いて、粗中間体を得、これをMeOH中に溶解し、エーテル(1M)中のHClを加えた。混合物を室温で16時間にわたって攪拌し、次いで、濃縮して、0.223gの粗生成物を得た。その粗生成物を調製用HPLCにより精製し、そのHCl塩に変換し、次いで、凍結乾燥し、0.010gの純粋な生成物を茶色固体として得た。その固体を減圧下、60℃で5日間乾燥し、全溶媒を除去した。収量;10mgの物質を単離した;HPLC純度 95%;H NMR(270MHz,メタノール−d)δ ppm 3.37−3.53(m,8H)6.46(appd,J=3.46Hz,1H)6.66(appd,J=7.55Hz,1H)6.70−6.75(m,1H)6.79(appd,J=8.16Hz,1H)6.89−7.02(m,1H)7.50(appt,J=7.67Hz,2H)7.61−7.77(m,3H);質量分析(posEI−DIP)m/z 357(M+H).(Larry Daviesら.J.Med.Chem,1996,39,582−587).(Ishibashi,Hiroyuki;Akamatsu,Susumu;Iriyama,Hiroko;Ikeda,Masazumi.Convenient synthesis of 4−alkyl,alkenyl,and alkynyl substituted N−(phenylsulfonyl)indoles.Chemical&Pharmaceutical Bulletin(1994),42(10),2150−3.Ishibashi,Hiroyuki;Tabata,Takashi;Hanaoka,Kyoko;Iriyama,Hiroko;Akamatsu,Susumu;Ikeda,Masazumi.A new,general entry to 4−substituted indoles.Synthesis of (S)−(−)−pindolol and (±)−chuangxinmycin.Tetrahedron Letters(1993),34(3),489−92).
【0120】
実施例8
3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−8−アミントリフルオロ酢酸塩
乾燥メタノール(2mL)中の3−(トルエン−4−スルホニル)−6,9−ジヒドロ−3H,7H−ベンゾ[e]インドール−8−オン(0.017g,0.1mmol)の懸濁液へ、室温で、まず酢酸アンモニウム(0.0387g,0.5mmol)を加え、次いで2分後にシアノホウ水素化ナトリウム(0.0157g,0.03mmol)を加えた。混合物を70℃に加温した。16時間後、試料を冷却しておき、次いで濃水性HClをpH2に達するまで加えた。混合物をジエチルエーテル(2×20mL)で洗浄し、次いで、水相を5Mの水性NaOHで処理した。得られた懸濁液をジエチルエーテル(2×20mL)で抽出し、ブライン(1×10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、調製用HPLCにより精製し、所望の生成物を白色固体(0.0027g,15%)として得た。HPLC 100%、R=2.828分(系A、3分にわたり5−60% MeCN);100%、R=2.451分(系B、3分にわたり5−60% MeCN);1H NMR(270MHz,メタノール−D4)δ ppm 1.21−1.39(m,2H)2.08−2.24(m,1H)2.33(s,3H)2.77−3.07(m,2H)3.55(d,J=1.48Hz,2H)6.71(d,J=3.71Hz,1H)7.09(d,J=8.41Hz,1H)7.29(d,J=8.16Hz,2H)7.64(d,J=3.46Hz,1H)7.70−7.88(m,3H);質量分析(ESI+)C1920Sについて m/z 341(M+H).3−(トルエン−4−スルホニル)−6,9−ジヒドロ−3H,7H−ベンゾ[e]インドール−8−オンの調製は、J.Med.Chem.1995,38,2217−30に記載されている。
【0121】
中間体6
4−メチル−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール
文献の方法に従って、物質を調製した。HPLC純度 99%;H NMR(400MHz,DMSO−d)δ ppm 2.41(s,3H)6.88(d,J=3.76Hz,1H)7.04(d,J=7.53Hz,1H)7.18−7.26(m,1H)7.57(t,J=7.65Hz,2H)7.67(t,J=7.40Hz,1H)7.72−7.81(m,2H)7.92−7.98(m,2H);質量分析(ESI+C1513NOSについて m/z 272(M+H)+.(Chemical&Pharmaceutical Bulletin(1994),42(10),2150−3,Tetrahedron Letters(1993),34(3),489−92).
【0122】
中間体7
4−(ブロモメチル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール
【化26】

【0123】
化合物を、CCl中、臭素化剤としてN−ブロモスクシンイミド(1.2当量)および開始剤としてベンゾイルペルオキシド(0.25当量)を用いて得た。最終生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(溶離剤としてCClを用いて、白色結晶を得た(収量:3.5g(61.6%);溶離系 クロロホルム−ヘキサン 1:1).HPLC純度 92%;H NMR(400MHz,DMSO−d)δ ppm 4.94(s,2H)7.04(d,J=3.76Hz,1H)7.28−7.37(m,2H)7.59(t,J=7.78Hz,2H)7.69(t,J=7.53Hz,1H)7.89−7.94(m,2H)8.00(d,J=8.03Hz,2H);質量分析(ESI+)C1512BrNOSについて m/z 351(M+H)+(WO 9602502 A1 19960201).
【0124】
実施例9
N’−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イルメチル)−N,N−ジメチル−エタン−1,2−ジアミン
化合物を中間体7およびジメチルエチルアミンから調製した。収量:184mg(98%);RT=1.44 HPLC(系A.3分にわたり10−97% MeCN)および99% RT=1.31(系B.3分にわたり10−90% MeCN).H NMR(400MHz,MeOD)δ ppm 2.93(s,6H)3.44−3.61(m,4H)4.51(s,2H)7.05(d,J=3.51Hz,1H)7.42(d,J=3.76Hz,2H)7.50(t,J=7.65Hz,2H)7.61(t,J=7.40Hz,1H)7.80−7.85(m,1H)7.96(d,J=8.03Hz,2H)8.09−8.15(m,1H)(ESI+)C1923Sについて m/z 358(M+H)+
【0125】
生物学的試験
本発明に記載の化合物の、5−HT受容体に結合する能力、および医薬的に有用なものとしての能力が、当該分野にて知られているインビボおよびインビトロアッセイを用いて決定され得る。
【0126】
(a)5−HT受容体結合アッセイ
ヒト5−HT受容体への結合親和性実験を、Boess F.Gら.Neuropharmacology 36(4/5)713−720,1997により記載されているような一般的な方法に従って、標識リガンドとして[H]−LSDを用いて、5−HT受容体を形質移入されたHEK293細胞において行った。
【0127】
材料
細胞培養
ヒト5−HT受容体を形質移入されたHEK−293細胞株を、5% 透析ウシ胎児血清(Gibco BRL 10106−169)、0.5mM ピルビン酸ナトリウムおよび400μg/ml ジェネテシン(G−418)(Gibco BRL10131−019)含有のダルベッコ変法イーグル培地中で培養した。細胞を1週間に2回、1:10で継代した。
【0128】
化学物質
放射性リガンド[H]LSD60−240Ci/mmolは、Amersham Pharmacia Biotech,(Buckinghamshire,England)から得、エタノール中、−20℃で貯蔵した。その化合物を100% DMSO中に溶解し、結合バッファーで希釈した。
【0129】
ディスポーザブル
化合物を、Costar96ウェルV−ボトムポリプロピレンプレート(Corning Inc.Costar,NY,USA)内で希釈した。試料を、Packard Optiplate(Packard Instruments B.V.,Groningen,The Netherlands)内でインキュベーションした。加えた放射性リガンドの全量を、Microscint(登録商標)20シンチレーション用流体(Packard Bioscience,Meriden,CT,USA)の存在下、Packard24ウェルBarexプレート(Packard Instruments B.V.,Groningen,The Netherlands)内で測定した。
【0130】
バッファー
20mM HEPES、150mM NaCl、10mM MgClおよび1mM EDTA、pH7.4からなる結合バッファー。
【0131】
方法
メンブレン調製
24.5×24.5mmの培養ディッシュ上で、細胞を約90%の集密に成長させた。培地を吸引し、氷冷PBSでリンスした後、25mlのトリスバッファー(50mM トリス−HCl、1mM EDTA、1mM EGTA、pH7.4)およびウィンドウスクレーパーを用いて、細胞をこすり落とした。次いで、ポリトロンホモジナイザーを用いて細胞を破壊し、残りの粒子状物質を、5分間、1000×gの低速遠心により除去した。最後に、高速遠心(20000×g)によりメンブレンを収集し、結合バッファー中に懸濁させ、アリコートに分けて−70℃で凍結した。
【0132】
放射性リガンド結合
凍結した細胞メンブレンを解凍し、ポリトロンホモジナイザーを用いて、直ちに再度ホモジナイズし、連続的に管を振盪しながら、30分間、SPA小麦胚芽アグルチニンビーズ(Amersham Life Sciences,Cardiff,England)に結合させた。結合後、そのビーズを1000gで10分間遠心し、つづいて、96−ウェルプレートあたり20mlの結合バッファー中に懸濁した。次いで、放射性リガンドおよび試験化合物をビーズ−メンブレン懸濁液へ加えることにより、結合反応を開始した。室温でのインキュベーションの後に、アッセイプレートをシンチレーション計測に付した。
【0133】
メンブレンをHeLa細胞(Dinh DM,Zaworski PG,Gill GS,Schlachter SK,Lawson CF,Smith MW)の代わりにヒト5−HT受容体を発現するHEK293細胞から調製することを除いて、オリジナルのSPA法を続けた。HeLa細胞メンブレンにおいて発現されるヒト5−HT受容体の確認:飽和結合研究、標準的なCNS剤の医薬特性およびSPAの開発(The Upjohn Company Technical Report 7295−95−064 1995;27 December)。[H]−LSDの特異的結合は飽和可能であったのに対して、非特異的結合は加えられる放射性リガンドの濃度に対して直線的に増大した。[H]−LSDは、5−HT受容体へ高親和性で結合した。K値は、4つの別々の実験に基づいて、2.6±0.2nMと推定された。
【0134】
競合実験において用いられた放射性リガンド濃度である、3nMの[H]−LSDにおける全結合量は、典型的に6000dpmであり、特異的結合は70%以上であった。2つの異なるメンブレン調製物に対して試験した場合に、5−HTは、全体の平均Ki値が236nMという[H]−LSD結合の濃度依存の阻害を惹起した。3つの実験におけるアッセイ間のばらつきは、10%のCVが173nM(SD30)の平均K値および0.94(SD 0.09)のヒル係数を伴うことを示した。アッセイ内のばらつきは、3%(n=4)だった。全ての非標識リガンドは、異なる効力であるものの濃度依存の様式で、[H]−LSDの特異的結合を置換した。参照化合物の、5−HT受容体への親和性の序列は、メチオテピン(Ki 2nM)>ミアンセリン(190nM)≒5−HT(236nM)>メチセルジド(482nM)>メスレルギン(mesulergine)(1970nM)である。
【0135】
蛋白質測定
蛋白質濃度を、BioRad蛋白質アッセイ(Bradford MM.A rapid and sensitive method for the quantitation of microgram quantities of protein utilizing the principle of protein−dye binding.Anal.Biochem.1976;72:248−54)を用いて測定した。ウシ血清アルブミンを標準として用いた。
【0136】
シンチレーション計測
放射活性を、Packard TopCount(登録商標)シンチレーション計測装置(Packard Instruments,Meriden,CT,USA)で、約20%の計数効率にて決定した。計数効率は別のセットの実験において決定した。
【0137】
飽和実験
飽和実験において、少なくとも6種の濃度の放射性リガンド(0.1−20nMの[H]−LSD)を二組用いた。特異的結合を、全結合および非特異的結合の間の差異として算出し、これを、5μMのリスリドの存在下における放射性リガンドの結合として定めた。Bmaxおよび解離定数、Kを、方程式1を用いて非直線回帰分析から決定した。Lは結合しなかった放射性リガンドの濃度であり、yは結合量である。
【表3】

【0138】
競合実験
放射性リガンドの全−および非−特異的結合を、それぞれ8回繰り返して決定した。試験化合物を含む試料は、11種の濃度について二組実施した。インキュベーションを室温で3時間行った。IC50値、すなわち、放射性リガンドの特異的結合を50%阻害する試験化合物の濃度を、非直線回帰分析を用いて決定し、そして、K値を方程式2[Cheng Y.C.Biochem.Pharmacol.22,3099−3108,1973]を用いて算出した。
【表4】

L=放射性リガンドの濃度
=放射性リガンドの親和性
【0139】
b)5−HT内因性活性アッセイ
ヒト5−HT受容体に対するアンタゴニストは、ヒト5−HT受容体を発現するHEK293細胞において5−HTが誘導するcAMPの増大の阻害を測定することにより特徴付けられる(Boessら.(1997)Neuropharmacology 36:713−720を参照のこと)。すなわち、HEK293/5−HT細胞を、ポリリシンコートの96−ウェルプレート内に25,000/ウェルの密度で播種し、次いで、5% 透析ウシ胎児血清含有のDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)(フェノールレッド不含)中、48時間、37℃で、5% COインキュベーターにて培養した。次いで、その培地を吸引し、0.1ml アッセイ培地(20mM HEPES,1.5mM イソブチルメチルキサンチンおよび1mg/ml ウシ血清アルブミン含有のハンクス平衡塩溶液)に交換した。試験物質を添加した後、50μlをアッセイ培地中に溶解し、37℃で10分間、5% COインキュベーター内で細胞をインキュベーションした。その培地を再度吸引し、cAMP含有量を放射性cAMPキット(Amersham Pharmacia Biotech,BIOTRAK RPA559)を用いて決定した。式IC50,corr=IC50/(1+[5HT]/EC50)を用いて、cAMPの増大を引き起こす5−HT([5−HT]=EC50の8倍)の50%阻害を惹起する濃度を決定することにより、アンタゴニストの効力を定量した。
【0140】
本発明に従う化合物は、ヒト5−HT受容体に対して、KiおよびIC50,corr値が0.5nMおよび5μMの間という選択的親和性を有し、すなわち、50nMにおいて≧20%の[H]−LSDの%阻害を示し、そして、5−HTにおけるアンタゴニスト、アゴニストもしくは部分アゴニストである。該化合物は、ヒトクローン化5−HT1a、5−HT1b、5−HT2a、5−HT2bおよび5−HT2c受容体にわたって良好な選択性を示す。
【0141】
表3
h5−HT受容体における結合親和性(Ki)
【表5】

【0142】
(c)食物摂取量の減少のインビトロアッセイ
セロトニンおよび食物摂取量の検討のために、Blundell,J.E.and Halford,J.C.G.(1998)Serotonin and Appetite Regulation.Implications for the Pharmacological Treatment of Obesity.CNS Drugs 9:473−495を参照のこと。
【0143】
肥満(ob/ob)マウスをスクリーニングのための主要な動物モデルとして選択する。とうのも、この突然変異マウスは多量の食物を消費し、結果として高い信号対雑音比を生じるからである。効力のデータをさらに実証し、かつ比較するために、食物消費への化合物の効果を野生型(C57BL/6J)マウスにおいても研究する。化合物を注入してから15時間の間に消費される食物量を記録する。
【0144】
8−9週齢、平均体重が50g(肥満)および25g(痩せ)の雄マウス(肥満 C57BL/6JBom−Lepobおよび痩せた野生型 C57BL/6JBom;Bomholtsgaard,Denmark)を全研究において用いる。動物を1匹ずつ、23±1℃、湿度40−60%のケージに入れ、そして、水および標準的な実験室用食飼を自由に摂取させた。12/12時間の明/暗サイクルをセットし、午後5時に明かりを消す。研究を開始する少なくとも1週間前から、動物の状態を整える。
【0145】
試験化合物をそれぞれの特定化合物に適当な溶媒、例えば、シクロデキストリン、シクロデキストリン/メタンスルホン酸、ポリエチレングリコール/メタンスルホン酸、生理的食塩水中に溶解する。各研究のために新鮮な溶液を作製する。体重1kg、1日あたり30、50および100mgの用量を用いる。試験化合物の純度は分析用のグレードである。
【0146】
研究の初めに動物の体重を測定し、そして体重に基づいて無作為化する。Alzet浸透圧ミニポンプ(モデル2001D;注入速度8μl/時間)を用いて、基本的にAlzet技術情報マニュアル(Alza Scientific Products,1997;Theeuwes,F.and Yam,S.I.Ann.Biomed.Eng.4(4).343−353,1976)により推奨されているように与える。24時間にわたる連続的な皮下注入を行う。ミニポンプを、ビヒクル中に溶解された異なる濃度の試験化合物か、またはビヒクル溶液だけのどちらかで充填し、そして予め37℃に温めたビヒクル中で維持する(約1時間)。ミニポンプを、短期に作用する麻酔(メトファン/エンフルラン)の下、首/背後の領域の皮下に埋め込む。この外科的処置を約5分間続ける。
【0147】
食物ペレットの重量を、浸透圧ミニポンプの埋め込み前の2日間(ベースライン)および埋め込み後の1日の午後5時および午後8時に測定する。計量は、コンピューター補助のMettler Toledo PR 5002天秤を用いて行う。時々生じる取りこぼしを補正する。研究の終わりに、首を脱臼させて動物を屠殺し、後で血漿の薬物濃度を分析するために、胴体の血液を採取した。
【0148】
血漿試料蛋白質をメタノールで沈殿させ、遠心し、上清をHPLC用バイアルに移し、次いで、液体クロマトグラフィー/質量分析計システムに注入する。質量分析計は、エレクトロスプレー陽イオンモードおよび複数反応モニタリングに設定する。オリジンを通して強制させられた標準の直線回帰分析を用いて、未知試料の濃度を算出する。
【0149】
連続した3日間について15時間の食物消費を測定し、そして、基礎レベル値のパーセンテージは、それぞれの動物について処置の前の日および処理の後の日に由来する。その値を、投与群あたり8匹の動物からの平均±SDおよび±SEMとして表す。統計的評価は、基礎値のパーセントを用いて、Kruskal−Wallis一元配置ANOVAにより行う。統計的有意性がp<0.05のレベルに達する場合には、対照および処置群の間の統計的比較のためにMann−Whitney U−試験を行う。
【0150】
本発明に記載の化合物は、5−200mg/kg/日の範囲の効果(すなわち、食物摂取量の減少)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(I)
[式中:
vは1もしくは2であり、かつPは式(II)および式(III);
【化2】

の置換基から選択されるか、またはPは、HもしくはC1−6−アルキルから選択されてもよく、ただし、Rは、−NHSO11、−SONR11もしくは−S(O)11〔ここで、R11はアリールおよびヘテロアリールから選択され、かつeが0、1、2もしくは3である場合には、vは1である〕から選択され、およびR’はHであり;

【化3】

は、単結合もしくは二重結合であり、ただし、両方の
【化4】

が二重結合であるか、または両方の
【化5】

が単結合であり;
、W、W、ZおよびYは、それぞれ炭素原子であるか;または
、W、W、ZおよびYの1つは、窒素原子であり、一方で、残りは炭素原子であり、ただし、式(I)中の両方の
【化6】

は単結合であり;

Uは、CHR、CRおよびCR’から選択され、ただし、WおよびUを結ぶ点線が二重結合である場合には、UはCRであり;そしてさらには、ただし、WおよびUを結ぶ点線が単結合である場合には、UはCHRおよびCR’から選択され;

は:
(a)C1−6−アルキル、
(b)C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、
(c)C3−6−アルケニル、
(d)ヒドロキシ−C1−6−アルキル、
(e)ハロ−C1−6−アルキル、
(f)アリール、
(g)アリールカルボニルメチル、
(h)アリール−C2−6−アルケニル、
(i)アリール−C1−6−アルキル、
(j)C3−7−シクロアルキル、
(k)ヘテロアリール、
(l)4−ピペリジニル、
(m)N−置換4−ピペリジニル〔ここで、該置換基は、C1−6−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1−6−アルキルおよびヘテロアリール−C1−6−アルキルから選択される〕、
(n)ヘテロアリール−C1−6−アルキル、
から選択され、ここで、単独かもしくは別の基の部分としての任意のヘテロアリールもしくはアリール残基は、1またはそれ以上の位置において、RおよびR’について定義した値を有する置換基で独立して置換されてもよく;

およびR’はそれぞれ独立して:
(a)水素、
(b)ハロゲン、
(c)C1−6−アルキル、
(d)ヒドロキシ、
(e)C1−6−アルコキシ、
(f)C2−6−アルケニル、
(g)フェニル、
(h)フェノキシ、
(i)ベンジルオキシ、
(j)ベンゾイル、
(k)−OCF
(l)−CN、
(m)ヒドロキシ−C1−6−アルキル、
(n)ハロ−C1−6−アルキル、
(o)−NR1010
(p)−NO
(q)−CONR1010
(r)−NHSO11
(s)−NRCOR11
(t)−SONR11
(u)−C(=O)R11
(v)C1−6−アルコキシカルボニル、
(w)−S(O)11[ここで、eは0、1、2もしくは3である]、
(x)−SCF
(y)−CHF=CH
(aa)−OCFH、または
(ab)エチニル;
から選択され、ただし、R’は環Bの炭素原子に結合され;そしてさらには、ただし、式(I)中のW、WおよびWの1つが窒素原子であり、かつ両方の
【化7】

が単結合である場合には、その窒素原子はR〔ここで、Rは、水素もしくはC1−4−アルキルから選択され、かつvは1である〕に結合され;そしてさらには、ただし、式(I)のW、WおよびWがそれぞれ炭素原子であり、かつ両方の
【化8】

が単結合である場合には、Rが水素もしくはメチルから選択され;そしてさらには、ただし、式(I)中の環AおよびB上の置換基として、RもしくはR’が、フェニル、フェノキシ、ベンジルオキシおよびベンゾイルから選択される場合には、そのフェニルもしくはアリール環は、C1−4−アルキル、ハロゲン、C1−4−アルコキシ、C1−4−アルキルチオ、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルもしくはシアノにより置換されていてもよく;

ここで、RおよびRは互いに連結して、式(IV):
【化9】

の縮合型置換基を形成してもよく、ただし、RはWに結合され、

UがCRもしくはCHRである場合には、Rは:
【化10】

〔式中:
n=0、1もしくは2であり、
o=1もしくは2であり、
p=1、2、3もしくは4であり、
r=2もしくは3であり、
s=1、2もしくは3である〕;
から選択される基であり、

UがCHRである場合には、Rは、以下の基:
【化11】

〔式中:
n=0、1もしくは2であり、
o=1もしくは2であり、
t=2、3もしくは4であり、
r=2もしくは3であり、
s=1、2もしくは3である〕;
からさらに選択され、

Xは、O、NRおよびSから選択され;

は独立して:
(a)水素、
(b)C1−6−アルキル、
(c)2−シアノエチル、
(d)ヒドロキシ−C2−6−アルキル、
(e)C3−6−アルケニル、
(f)C3−6−アルキニル、
(g)C3−7−シクロアルキル、
(h)C3−7−シクロアルキル−C1−4−アルキル、
(i)C1−6−アルコキシ−C2−6−アルキル、
(j)アリール−C1−6−アルキル、
(k)ヘテロアリール−C1−6−アルキル、
(l)3、3、3−トリフルオロプロピル:
から選択される基であり、ここで、任意のアリールおよびテロアリール残基は、C1−4−アルキル、ハロゲン、C1−4−アルコキシ、C1−4−アルキルチオ、トリフルオロメチルもしくはシアノで置換されていてもよく、

は:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、
(c)ヒドロキシ−C1−4−アルキル、
(d)C1−4−アルコキシ−C1−4−アルキル、
(e)ハロ−C1−4−アルキル、
(f)−NR、ただし、該−NR基は、環の窒素原子に隣接する炭素原子に結合せず、
(g)−CO−NR
(h)ヒドロキシ、ただし、該ヒドロキシ基は、環の窒素原子に隣接する炭素原子に結合しない;
から選択され、

は:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、
(c)ヒドロキシ−C1−4−アルキル、または
(d)C1−4−アルコキシ−C1−4−アルキル、
(e)ヒドロキシ、ただし、該ヒドロキシ基は、複素環の窒素原子に隣接する炭素原子に結合せず、かつ、該ヒドロキシ基は、オキソで置換されていない複素環に結合する;
から選択され、

はそれぞれ独立して:
(a)水素または
(b)C1−6−アルキル
から選択され、

は:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、ここで、1または2つの基が任意の炭素原子上に存在してもよく、または2つの基が同じ炭素原子上に存在する場合には、それらは一緒になってシクロプロパン環を形成する、
(c)ヒドロキシ−C1−4−アルキル、
(d)C1−4−アルコキシ−C1−4−アルキル、
(e)ハロ−C1−4−アルキル、
から選択され、

10はそれぞれ独立して:
(a)水素、
(b)C1−6−アルキル、
(c)ヒドロキシ−C2−4−アルキル、
(d)C3−7−シクロアルキル、または
(e)C1−4−アルコキシ−C2−4−アルキル、
から選択され、ここで、2つのR10基は、それらが結合している窒素と一緒になって複素環を形成し;および2つのR10基がピペラジン環を形成する場合には、置換され得るピペラジン環の窒素は、Rから選択される基で置換されてもよく;

11は:
(a)C1−6−アルキル、
(b)アリール、または
(c)ヘテロアリール;
から選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、C1−4−アルキル、ハロゲン、C1−4−アルコキシ、C1−4−アルキルチオ、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルまたはシアノで置換されてもよく;

12は:
(a)水素、または
(b)メチル;
から選択され、

UがR’である場合には、RおよびR’は互いに連結してピロリジンもしくはピペリジンから選択される複素環を形成し、ここでN原子は、Rから選択される基により置換されてもよい]
の化合物;およびその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物、幾何異性体、互変異性体、光学異性体ならびにプロドラッグ形態。
【請求項2】
Pが
【化12】

から選択され、
、W、W、ZおよびYのそれぞれが炭素原子であり、ただし、式(I)中の両方の
【化13】

が二重結合であるか;または
、W、W、ZおよびYの1つが窒素原子であり、一方で、残りは炭素原子であり、ただし、式(I)中の両方の
【化14】

は単結合であり;

Uが、CHR、CRおよびCR’から選択され、ただし、WおよびUを結ぶ点線が二重結合である場合には、UはCRであり;そしてさらには、ただし、WおよびUを結ぶ点線が単結合である場合には、Uは、CHRおよびCR’から選択され;

が:
(f)アリール、
(h)アリール−C2−6−アルケニル、
(i)アリール−C1−6−アルキル、
(j)C3−7−シクロアルキル、
(k)ヘテロアリール、
(n)ヘテロアリール−C1−6−アルキル、
から選択され、ここで、単独かもしくは別の基の部分としての任意のヘテロアリールもしくはアリール残基は、1またはそれ以上の位置において、RおよびR’について定義した値を有する置換基で独立して置換されてもよく;

およびR’がそれぞれ独立して:
(a)水素、
(b)ハロゲン、
(c)C1−6−アルキル、
(d)ヒドロキシ、
(e)C1−6−アルコキシ、
(f)C2−6−アルケニル、
(k)−OCF
(l)−CN、
(m)ヒドロキシ−C1−6−アルキル、
(n)ハロ−C1−6−アルキル、
(o)−NR1010
(q)−CONR1010
(r)−NHSO11
(s)−NRCOR11
(t)−SONR11
(u)−C(=O)R11
(w)−S(O)11、ここで、eは0、1、2または3であり、
(x)−SCF
(y)−CHF=CH2、
(aa)−OCFH、または
(ab)エチニル;
から選択され、

ただし、R’は環Bの炭素原子に結合され;そしてさらには、ただし、式(I)中のW、WおよびWの1つが窒素原子であり、かつ両方の
【化15】

が単結合である場合には、その窒素原子はR[ここで、Rは、水素もしくはC1−4−アルキルから選択され、かつ、vは1である]に結合され;そしてさらには、ただし、式(I)中のW、WおよびWがそれぞれ炭素原子であり、かつ両方の
【化16】

が単結合である場合には、Rは水素もしくはメチルから選択され;そしてさらには、ただし、RおよびR’が環AおよびB上の置換基である場合には、RおよびR’は独立して、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチルまたはシアノから選択され;

UがCRもしくはCHRである場合には、Rは:
【化17】

[式中、
n=0、1もしくは2であり、
o=1もしくは2であり、
p=1、2、3もしくは4である]
から選択される基であり、

UがCHRである場合には、Rはさらに以下の基:
【化18】

[式中:
n=0、1もしくは2であり、
o=1もしくは2であり、
t=2、3もしくは4であり、
r=2もしくは3である]
から選択され、

Xが、OおよびNRから選択され;

が独立して:
(a)水素、
(b)C1−6−アルキル、
(c)2−シアノエチル、
(d)ヒドロキシ−C2−4−アルキル、
(e)C3−6−アルケニル、
(h)C3−7−シクロアルキル−C1−4−アルキル、または
(i)C1−4−アルコキシ−C2−4−アルキル、
から選択される基であり、

が:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、
(c)ヒドロキシ−C1−2−アルキル、または
(d)C1−2−アルコキシ−C1−2−アルキル;
から選択され、

がそれぞれ独立して:
(a)水素、または
(b)C1−6−アルキル、
から選択され、

が:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、ここで、1または2つの基が任意の炭素原子上に存在してもよく、または2つの基が同じ炭素原子上に存在する場合には、それらは一緒になってシクロプロパン環を形成し、
(c)ヒドロキシ−C1−2−アルキル、
(d)C1−2−アルコキシ−C1−2−アルキル、
(e)ハロ−C1−2−アルキル、
から選択され、

10がそれぞれ独立して:
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、
(c)ヒドロキシ−C2−4−アルキル
から選択され、ここで、2つのR10基はそれらが結合している窒素と一緒になって複素環を形成し;そして、2つのR10基がピペラジン環を形成する場合には、置換され得るピペラジン環の窒素は、Rから選択される基で置換されてもよく;

11が:
(a)C1−4−アルキル
から選択され、

12が:
(a)水素、または
(b)メチル;
から選択され、

UがR’である場合には、RおよびR’は互いに連結してピロリジンもしくはピペリジンから選択される複素環を形成し、ここで、N原子は、
(a)水素、
(b)C1−4−アルキル、
(d)ヒドロキシ−C2−4−アルキル、
(i)C1−4−アルコキシ−C2−4−アルキル、
(k)2−シアノエチル
から選択されるR基により置換されてもよい、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Arがフェニル、ナフチルおよびチエニルから選択され、そのAr基がハロゲン、メチル、メトキシにより置換されてもよい、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
4’−メチル−1’−(2−ナフチルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩、
4’−メチル−1’−(4−ブロモフェニルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩、
4’−メチル−1’−(5−ブロモ−2−チエニルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩、
4’−メチル−1’−(2−チエニルスルホニル)−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}塩酸塩、
N−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イル)−2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−アセトアミド、および
1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イル)−ピリジン−4−イル−アミン、
N−(4−ピペラジン−1−イル−1H−インドール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩、および
3−(フェニルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−8−アミントリフルオロ酢酸塩
から選択される、請求項1ないし3いずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1記載の化合物の調製方法であって、以下の工程:
(a)2−(2−エチルアミノ)ピロールおよび1−メチルピペラジン−4−オンを反応させて、4’−メチル−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロスピロ{ピペリジン−2,7’−ピロロ[3,2−b]ピリジン}を得;次いで
(b)塩基の存在下、工程a)からの生成物を塩化アリールスルホニルと反応させること
を含んでなる方法。
【請求項6】
請求項1記載の化合物の調製方法であって、以下の工程:
(c)1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−4−イルアミンおよびブロモアセチルブロミドを反応させ、次いでエタノールアミンとさらに反応させること
を含んでなる方法。
【請求項7】
請求項1記載の化合物の調製方法であって、以下の工程:
(d)シアノホウ水素化ナトリウムおよび酢酸アンモニウムの存在下における、3−(トルエン−4−スルホニル)−6,9−ジヒドロ−3H、7H−ベンゾ[e]インドール−8−オンの還元的アミノ化
を含んでなる方法。
【請求項8】
治療における使用のための、請求項1ないし4いずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
5−HT受容体に関連する疾患の処置または予防において使用して体重および体重増加の減少を成し遂げるための、請求項1ないし4いずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
疾患が、肥満;II型糖尿病;中枢神経系の疾患、例えば、不安、鬱、不安発作、記憶障害、認知障害、癲癇、睡眠障害、偏頭痛、食欲不振症、食欲亢進、過食症、強迫性障害、精神病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、総合失調症、注意欠損多動性障害、薬物濫用に起因する禁断症状、ニューロン成長の障害により特徴付けられる神経変性疾患および疼痛から選択される、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
医薬上許容される希釈剤または担体と組み合わせて有効成分として請求項1ないし4いずれか1項に記載の化合物を含有する、医薬処方。
【請求項12】
5−HT受容体に関連する疾患を予防または処置して体重および体重増加の減少を成し遂げるために用いるための、請求項11記載の医薬処方。
【請求項13】
疾患が、肥満;II型糖尿病;中枢神経系の疾患、例えば、不安、鬱、不安発作、記憶障害、認知障害、癲癇、睡眠障害、偏頭痛、食欲不振症、食欲亢進、過食症、強迫性障害、精神病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、総合失調症、注意欠損多動性障害、薬物濫用に起因する禁断症状、ニューロン成長の障害により特徴付けられる神経変性疾患および疼痛から選択される、請求項11または12いずれか1項に記載の医薬処方。
【請求項14】
5−HT受容体に関連する疾患を予防または処置して体重および体重増加の減少を成し遂げるための方法であって、かかる処置の必要のある対象へ有効量の請求項1ないし4いずれか1項に記載の化合物を投与することを含んでなる、方法。
【請求項15】
疾患が、肥満;II型糖尿病;中枢神経系の疾患、例えば、不安、鬱、不安発作、記憶障害、認知障害、癲癇、睡眠障害、偏頭痛、食欲不振症、食欲亢進、過食症、強迫性障害、精神病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、総合失調症、注意欠損多動性障害、薬物濫用に起因する禁断症状、ニューロン成長の障害により特徴付けられる神経変性疾患および疼痛から選択される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
5−HT受容体活性を調節するための方法であって、かかる処置の必要のある対象へ有効量の請求項1ないし4いずれか1項に記載の化合物を投与することを含んでなる、方法。
【請求項17】
5−HT受容体に関連する疾患を予防または処置して体重および体重増加の減少を成し遂げるために用いるための医薬の製造における、請求項1ないし4いずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
疾患が、肥満;II型糖尿病;中枢神経系の疾患、例えば、不安、鬱、不安発作、記憶障害、認知障害、癲癇、睡眠障害、偏頭痛、食欲不振症、食欲亢進、過食症、強迫性障害、精神病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、総合失調症、注意欠損多動性障害、薬物濫用に起因する禁断症状、ニューロン成長の障害により特徴付けられる神経変性疾患および疼痛から選択される、請求項17記載の使用。
【請求項19】
化粧品的に許容される希釈剤または担体と組み合わせて有効成分として請求項1ないし4いずれか1項に記載の化合物を含有する、化粧品組成物。
【請求項20】
5−HT受容体に関連する疾患を予防または処置して体重および体重増加の減少を成し遂げるために用いるための、請求項19記載の化粧品組成物。

【公表番号】特表2007−509140(P2007−509140A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536482(P2006−536482)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001508
【国際公開番号】WO2005/037834
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(501354233)ビオヴィトルム・アクチボラゲット (25)
【氏名又は名称原語表記】Biovitrum AB
【Fターム(参考)】