説明

DLL回路及びこれを備える半導体装置、並びに、データ処理システム

【課題】短時間でロックさせることが可能なDLL回路を提供すること。
【解決手段】外部クロックCKと内部クロックLCLKの立ち上がりエッジの位相を比較する位相判定回路111と、外部クロックCKと内部クロックLCLKの立ち下がりエッジの位相を比較する位相判定回路112と、判定結果に基づいて内部クロックLCLKR,LCLKFのアクティブエッジの位置を調整する調整部120と、内部クロックLCLKR,LCLKFのアクティブエッジの調整方向とが互いに同方向であることに応答して内部クロックLCLKR,LCLKFの調整量の一方を他方よりも大きくする制御回路150とを備える。これにより、位相調整しながらデューティを50%に近づけることが可能となることから、DLL回路のロックに要する時間を短縮することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はDLL(Delay Locked Loop)回路及びこれを備える半導体装置に関し、特に、短時間でロックさせることが可能なDLL回路及びこれを備える半導体装置に関する。また、本発明は、このような半導体装置を備えるデータ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータなどのメインメモリとして、クロックに同期した動作を行うシンクロナスメモリが広く使用されている。中でも、DDR(Double Data Rate)型のシンクロナスメモリでは、入出力データを外部クロックに対して正確に同期させる必要があることから、外部クロックに同期した内部クロックを生成するためのDLL回路が必須である。特許文献1には、このようなDLL回路の例が開示されている。
【0003】
DLL回路は、内部クロックの立ち上がりエッジの位置を調整する機能と、内部クロックの立ち下がりエッジの位置を調整する機能を有しており、これによって外部クロックの位相と内部クロックの位相とを一致させる。内部クロックの立ち上がりエッジは、DLL回路内で生成されるRiseクロックによって規定され、内部クロックの立ち下がりエッジは、DLL回路内で生成されるFallクロックによって規定される。
【0004】
そして、外部クロックの立ち上がりエッジに対して内部クロックの立ち上がりエッジが進んでいる場合には、Riseクロックのアクティブエッジを1ピッチ遅らせ、逆に、外部クロックの立ち上がりエッジに対して内部クロックの立ち上がりエッジが遅れている場合には、Riseクロックのアクティブエッジを1ピッチ進める。同様に、外部クロックの立ち下がりエッジに対して内部クロックの立ち下がりエッジが進んでいる場合には、Fallクロックのアクティブエッジを1ピッチ遅らせ、逆に、外部クロックの立ち下がりエッジに対して内部クロックの立ち下がりエッジが遅れている場合には、Fallクロックのアクティブエッジを1ピッチ進める。
【特許文献1】特開2007−243735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、Riseクロックの調整方向とFallクロックの調整方向が同一である場合、つまり、両クロックのアクティブエッジを1ピッチ遅らせる場合又は両クロックのアクティブエッジを1ピッチ進める場合には、位相については内部クロックと外部クロックが近づく方向に調整されるものの、デューティについては調整前と比べて変化しない。このため、その後内部クロックのデューティを調整するのに必要なステップ数が多くなり、その結果、DLL回路のロックに要する時間が長くなってしまう。したがって、より短時間でロックさせることが可能なDLL回路が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるDLL回路は、第1のクロックの立ち上がりエッジと第2のクロックの立ち上がりエッジの位相を比較することにより、第1の判定信号を生成する第1の位相判定回路と、第1のクロックの立ち下がりエッジと第2のクロックの立ち下がりエッジの位相を比較することにより、第2の判定信号を生成する第2の位相判定回路と、第1の判定信号に基づいて、第3のクロックのアクティブエッジの位置を調整する第1の調整回路と、第2の判定信号に基づいて、第4のクロックのアクティブエッジの位置を調整する第2の調整回路と、第3及び第4のクロックに基づいて第2のクロックを生成するクロック生成回路と、第1の判定信号に基づく第3のクロックのアクティブエッジの調整方向と、第2の判定信号に基づく第4のクロックのアクティブエッジの調整方向とが互いに同方向であることに応答して、第1の調整回路による調整量及び第2の調整回路による調整量の一方を他方よりも大きくする制御回路と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第3のクロックと第4のクロックの調整方向が同一である場合には、一方の調整量が他方よりも大きく設定されることから、調整前と比べてデューティが変化する。このため、その後内部クロックのデューティを調整するのに必要なステップ数が少なくなることから、DLL回路のロックに要する時間を短縮することが可能となる。
【0008】
尚、本発明において得られるデューティの変化は、正しいデューティ(=50%)からより離れる方向へ向かう可能性もある。しかしながら、このようなケースは、主に内部クロックと外部クロックの位相がまだ大きくずれている状態にて生じる。そして、内部クロックの位相が外部クロックの位相に近づくにつれて上記のケースは減少し、位相がほぼ一致した状態においてはディーティも50%に近い状態となる。また、第2の位相判定回路が第2のクロックのデューティを検出することによって、第1のクロックの立ち下がりエッジと第2のクロックの立ち下がりエッジの位相を比較するものであれば、本発明において得られるデューティの変化は、ほとんどのケースで正しいデューティ(=50%)に近づく方向へ向かう。したがって、本は詰めにおいて第2の位相判定回路は、第2のクロックのデューティを検出することにより、第1のクロックの立ち下がりエッジと第2のクロックの立ち下がりエッジの位相を比較するものであることが非常に好ましい。
【0009】
本発明においては、制御回路は第1の判定信号に基づく第3のクロックのアクティブエッジの調整方向と、第2の判定信号に基づく第4のクロックのアクティブエッジの調整方向とが互いに逆方向であることに応答して、第1の調整回路による調整動作及び第2の調整回路による調整動作のいずれか一方を停止させることが好ましい。
【0010】
これによれば、立ち上がりエッジの調整方向と立ち下がりエッジの調整方向とが互いに逆方向である場合、立ち上がりエッジの調整動作又は立ち下がりエッジの調整動作が停止されることから、クロック幅が一度に大きく変化する現象が防止される。このため、クロックの周波数が高い場合であってもパルスの消失リスクを低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
このように、本発明によれば、立ち上がりエッジの調整方向と立ち下がりエッジの調整方向が同一である場合には、一方の調整量を他方よりも大きくしていることから、位相調整しながらデューティを50%に近づけることが可能となる。このため、DLL回路のロックに要する時間を短縮することが可能となる。
【0012】
また、クロック幅が一度に大きく変化する条件が検出された場合、立ち上がりエッジの調整動作又は立ち下がりエッジの調整動作を停止させれば、クロックの周波数が高い場合であってもパルスの消失が生じにくくなる。したがって、このようなDLL回路は、高速なクロックに同期してデータの入出力を行う半導体装置、特に、DRAMへの内蔵が特に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるDLL回路を備えた半導体装置のブロック図である。図1には、本実施形態によるDLL回路を、パーソナルコンピュータなどのデータ処理システムに備えられるDRAMに内蔵した例を示している。
【0015】
図1に示す半導体装置10は、メモリセルアレイ20と、メモリセルアレイ20に対するアクセス制御を行うコントローラ30と、メモリセルアレイ20から読み出されたデータを外部に出力する出力バッファ40と、外部から入力されるデータを一時記憶する入力バッファ50と、出力バッファ40によるデータの出力タイミングを外部クロックCKに同期させるDLL回路100とを備えている。
【0016】
半導体装置10には、外部端子として少なくともクロック端子11、アドレス端子12、コマンド端子13及びデータ入出力端子14が設けられている。クロック端子11は、外部クロックCKが入力される端子であり、入力された外部クロックCKはコントローラ30及びDLL回路100に供給される。アドレス端子12及びコマンド端子13は、それぞれアドレス信号ADD及びコマンド信号CMDが入力される端子であり、これらアドレス信号ADD及びコマンド信号CMDはコントローラ30に供給される。
【0017】
コントローラ30は、コマンド信号CMDがリード動作を示している場合には、メモリセルアレイ20に記憶されたデータのうち、アドレス信号ADDにより指定されるアドレスに記憶されたデータにアクセスし、これを出力バッファ40に供給する。出力バッファ40に供給されたリードデータDQは、DLL回路100による制御のもと、外部クロックCKに同期してデータ入出力端子14より出力される。一方、コマンド信号CMDがライト動作を示している場合には、データ入出力端子14に入力されたライトデータDQを入力バッファ50を介して取り込み、メモリセルアレイ20のうち、アドレス信号ADDにより指定されるアドレスに書き込む。
【0018】
コントローラ30によるこれらの動作は、外部クロックCKに基づき生成された各種内部クロック(図示せず)に同期して行われる。
【0019】
次に、DLL回路100の回路構成について説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態によるDLL回路100は、外部クロックCKに基づいて内部クロックLCLKR(Riseクロック)及び同LCLKF(Fallクロック)を生成する入力レシーバ105と、外部クロックCKと内部クロックLCLKの位相を比較することにより判定信号R−U/D,F−U/Dを生成する位相判定部110と、判定信号R−U/D,F−U/Dに基づいて内部クロックLCLKR,LCLKFのアクティブエッジ(立ち上がりエッジ)の位置を調整する調整部120と、内部クロックLCLKR,LCLKFに基づいて内部クロックLCLKOEを生成する再生回路130と、内部クロックLCLKOEを遅延させることにより内部クロックLCLKを生成するレプリカバッファ140と、必要に応じて調整部120による調整動作を変化させる制御回路150とを備えている。本明細書では、再生回路130とレプリカバッファ140を纏めて「クロック生成回路」と呼ぶことがある。
【0021】
位相判定部110は、位相判定回路111,112によって構成されている。
【0022】
位相判定回路111は、外部クロックCKの立ち上がりエッジと内部クロックLCLKの立ち上がりエッジの位相を比較することにより、判定信号R−U/Dを生成する回路である。具体的には、外部クロックCKの立ち上がりエッジに対して内部クロックLCLKの立ち上がりエッジが遅れていれば判定信号R−U/Dをローレベルとし、外部クロックCKの立ち上がりエッジに対して内部クロックLCLKの立ち上がりエッジが進んでいれば判定信号R−U/Dをハイレベルとする。
【0023】
位相判定回路112は、外部クロックCKの立ち下がりエッジと内部クロックLCLKの立ち下がりエッジの位相を比較することにより、判定信号F−U/Dを生成する回路である。具体的には、外部クロックCKの立ち下がりエッジに対して内部クロックLCLKの立ち下がりエッジが遅れていれば判定信号F−U/Dをローレベルとし、外部クロックCKの立ち下がりエッジに対して内部クロックLCLKの立ち下がりエッジが進んでいれば判定信号F−U/Dをハイレベルとする。
【0024】
位相判定回路112は、内部クロックLCLKのデューティを検出することによって、外部クロックCKの立ち下がりエッジと内部クロックLCLKの立ち下がりエッジの位相を比較するものであることが好ましい。このような回路は、DCC回路(Duty correction circuit)と呼ばれ、両クロックの立ち下がりエッジを直接的に比較するのではなく、内部クロックLCLKのデューティに基づいて両クロックの立ち下がりエッジの比較を間接的に行う。具体的には、内部クロックLCLKの立ち上がりエッジを基準とした所定の検出サイクル内において、内部クロックLCLKがハイレベルである期間とローレベルである期間との差を検出し、これに基づいて内部クロックLCLKの立ち下がりエッジの位置を特定する。このように、位相判定回路112による立ち下がりエッジの位相比較は、外部クロックCKの立ち下がりエッジと内部クロックLCLKの立ち下がりエッジの位相を直接的に比較するものでなくても構わない。位相判定回路112がDCC回路からなる場合、検出の結果として得られる判定信号F−U/Dは、デューティが50%に近づく方向を示すことになる。
【0025】
調整部120は、判定信号R−U/Dに基づいてカウント値が更新されるカウンタ回路121と、判定信号F−U/Dに基づいてカウント値が更新されるカウンタ回路122と、カウンタ回路121のカウント値に基づいて入力レシーバ105が生成した内部クロックLCLKRを遅延させる遅延回路123と、カウンタ回路122のカウント値に基づいて入力レシーバ105が生成した内部クロックLCLKFを遅延させる遅延回路124とを備えている。本明細書では、カウンタ回路121又は122と遅延回路123又は124を纏めて「調整回路」と呼ぶことがある。
【0026】
カウンタ回路121,122は、対応する判定信号R−U/D又はF−U/Dがローレベルであればカウントダウンを行い、ハイレベルであればカウントアップを行う。遅延回路123,124は、対応するカウンタ回路121,122のカウント値が大きいほど、対応する内部クロックLCLKR,LCLKFの遅延量を増大させる。本実施形態においては、遅延回路123は、相対的に調整幅の大きい粗調回路123aと、相対的に調整幅の小さい微調回路123bとを含んでいる。また、遅延回路124は、相対的に調整幅の大きい粗調回路124aと、相対的に調整幅の小さい微調回路124bとを含んでいる。
【0027】
粗調回路123a,124aは、半導体装置10への電源投入直後など、DLL回路100がロックしていない期間において大まかな調整を行うために用いられる。その後、微調回路123b,124bを用いた微調整が行われ、これによりDLL回路100がロックした状態となる。
【0028】
再生回路130は、調整部120による調整を受けた内部クロックLCLKR,LCLKFに基づいて、内部クロックLCLKOEを生成する。具体的には、内部クロックLCLKRの立ち上がりエッジを内部クロックLCLKOEの立ち上がりエッジとし、内部クロックLCLKFの立ち上がりエッジを内部クロックLCLKOEの立ち下がりエッジとする。再生回路130が生成した内部クロックLCLKOEは、出力バッファ40及びレプリカバッファ140に入力される。
【0029】
出力バッファ40は、メモリセルアレイ20から供給されたリードデータDQを、内部クロックLCLKOEに同期してデータ入出力端子14より出力する。これにより、リードデータDQは、外部クロックCKに同期してデータ入出力端子14より出力されることになる。換言すれば、内部クロックLCLKOEは、リードデータDQを外部に出力するための出力バッファ40の動作タイミングを定めている。
【0030】
一方、レプリカバッファ140は、出力バッファ40と実質的に同じ回路構成を有しており、内部クロックLCLKOEに出力バッファ40による動作遅延を付加して内部クロックLCLKを生成する。これにより、レプリカバッファ140により生成される内部クロックLCLKは、リードデータDQと完全に同期した信号となる。
【0031】
制御回路150は、判定信号R−U/Dに基づく内部クロックLCLKRのアクティブエッジの調整方向と、判定信号F−U/Dに基づく内部クロックLCLKFのアクティブエッジの調整方向とが互いに同方向であることに応答して、カウンタ回路122の調整ピッチを2倍に増大させるとともに、判定信号R−U/Dに基づく内部クロックLCLKRのアクティブエッジの調整方向と、判定信号F−U/Dに基づく内部クロックLCLKFのアクティブエッジの調整方向とが互いに逆方向であることに応答して、カウンタ回路122の動作を一時的に停止させる回路である。したがって、内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向が互いに同方向である場合は、カウンタ回路122は2倍のカウントアップ又はカウントダウンを行う。また、内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向が互いに逆方向である場合は、カウンタ回路121のみがカウント値の更新を行い、カウンタ回路122のカウント値は固定される。
【0032】
制御回路150は、判定信号R−U/Dに基づく内部クロックLCLKRのアクティブエッジの調整方向と、判定信号F−U/Dに基づく内部クロックLCLKFのアクティブエッジの調整方向とが互いに同方向であることを検出すると、ピッチ拡大信号X2を活性化させる。また、制御回路150は、判定信号R−U/Dに基づく内部クロックLCLKRのアクティブエッジの調整方向と、判定信号F−U/Dに基づく内部クロックLCLKFのアクティブエッジの調整方向とが互いに逆方向であることを検出すると、停止信号STPを活性化させる。これらピッチ拡大信号X2及び停止信号STPは、カウンタ回路122に供給される。
【0033】
図2は、カウンタ回路122の構成を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、カウンタ回路122は、判定信号F−U/Dを受ける10個のカウントビット回路CNT0〜CNT9と、カウントピッチを選択するカウンタ制御部122aとを備えている。カウントビット回路CNT0〜CNT9は10ビットのバイナリカウンタを構成しており、その出力はカウント値を構成する各ビットQ0〜Q9として用いられる。本例では、下位2ビットQ0,Q1が微調回路124bの制御に用いられ、上位8ビットQ2〜Q9が粗調回路124aの制御に用いられる。
【0035】
カウンタ制御部122aは、制御回路150より供給されるピッチ拡大信号X2及び停止信号STP、さらにはモード信号MODを受け、これらに基づいて制御信号X1_EN、X4_EN及びX8_ENのいずれかを活性化させる回路である。モード信号MODはカウンタ回路121にも供給される。
【0036】
モード信号MODは、粗調回路124aによる遅延調整を行うか、微調回路124bによる遅延調整を行うかを選択する信号であり、半導体装置10への電源投入直後など、DLL回路100がロックしていない期間においては粗調回路124aによる遅延調整が選択される。そして、粗調回路124aによる大まかな遅延調整が完了した後、微調回路124bによる遅延調整が選択される。
【0037】
モード信号MODが微調回路124bによる遅延調整を選択している場合、カウンタ制御部122aは制御信号X1_ENを活性化させる。これにより、カウントビット回路CNT0〜CNT9からなる10ビットのバイナリカウンタは、最小ピッチ(1ピッチ)でカウントアップ又はカウントダウンを行う。この調整ピッチは、微調動作における最小調整ピッチである。
【0038】
上述の通り、ピッチ拡大信号X2は、判定信号R−U/Dに基づく内部クロックLCLKRのアクティブエッジの調整方向と、判定信号F−U/Dに基づく内部クロックLCLKFのアクティブエッジの調整方向とが互いに同方向である場合に活性化する信号である。
【0039】
そして、カウンタ制御部122aは、ピッチ拡大信号X2が非活性状態であり、且つ、モード信号MODが粗調回路124aによる遅延調整を選択している場合、制御信号X4_ENを活性化させる。これにより、カウントビット回路CNT0〜CNT9からなる10ビットのバイナリカウンタは、最小ピッチの4倍(4ピッチ)でカウントアップ又はカウントダウンを行う。この調整ピッチは、粗調動作における最小調整ピッチである。一方、カウンタ制御部122aは、ピッチ拡大信号X2が活性状態であり、且つ、モード信号MODが粗調回路124aによる遅延調整を選択している場合、制御信号X8_ENを活性化させる。これにより、カウントビット回路CNT0〜CNT9からなる10ビットのバイナリカウンタは、最小ピッチの8倍(8ピッチ)でカウントアップ又はカウントダウンを行う。つまり、粗調動作における最小調整ピッチの2倍のピッチでカウント値が更新される。尚、モード信号MODが微調回路124bによる遅延調整を選択している場合、ピッチ拡大信号X2は無視される。
【0040】
上述の通り、停止信号STPは、判定信号R−U/Dに基づく内部クロックLCLKRのアクティブエッジの調整方向と、判定信号F−U/Dに基づく内部クロックLCLKFのアクティブエッジの調整方向とが互いに逆方向である場合に活性化する信号である。
【0041】
そして、カウンタ制御部122aは、停止信号STPが活性状態であり、且つ、モード信号MODが粗調回路124aによる遅延調整を選択している場合、制御信号X1_EN、X4_EN及びX8_ENを全て非活性化させる。これにより、カウントビット回路CNT0〜CNT9からなる10ビットのバイナリカウンタは、カウント動作が禁止される。尚、モード信号MODが微調回路124bによる遅延調整を選択している場合、停止信号STPは無視される。
【0042】
以上が本実施形態による半導体装置10の構成である。次に、本実施形態による半導体装置10の動作について説明する。
【0043】
図3は、内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向が互いに同じ方向である場合におけるDLL回路100の粗調動作を説明するためのタイミング図である。図3において、(1)を付した信号は調整前の内部クロックを示し、(2)を付した信号は調整後の内部クロックを示している(図4,5においても同様)。また、粗調動作とは、粗調回路123a,124aを用いた遅延量の調整を行う動作である。つまり、モード信号MODが微調回路124aによる遅延調整を選択している状態である。
【0044】
図3(a)に示す例では、調整前の内部クロックLCLKの立ち上がりエッジが、外部クロックCKの立ち上がりエッジに比べて進んでいる。したがって、判定信号R−U/Dはハイレベルとなり、内部クロックLCLKRの位相を遅らせるよう、カウンタ回路121を制御する。また、調整前の内部クロックLCLKの立ち下がりエッジも、外部クロックCKの立ち上がりエッジに比べて進んでいる。したがって、判定信号F−U/Dもハイレベルとなり、内部クロックLCLKFの位相を遅らせるよう、カウンタ回路122を制御する。
【0045】
このため、これらの判定信号を受けたカウンタ回路121,122はともにカウントアップを行い、内部クロックLCLKR及び内部クロックLCLKFの位相を遅らせる。ここで、内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向は、互いに同じ方向であることから、制御回路150はピッチ拡大信号X2を活性化させる。これを受けて、カウンタ回路122の内部では制御信号X8_ENが活性化し、粗調動作における通常の調整ピッチ(4ピッチ)の倍のピッチ(8ピッチ)でカウントアップされる。カウンタ回路121においては通常の調整ピッチ(4ピッチ)でカウントアップされる。
【0046】
一方、図3(b)に示す例では、調整前の内部クロックLCLKの立ち上がりエッジが、外部クロックCKの立ち上がりエッジに比べて遅れている。したがって、判定信号R−U/Dはローレベルとなり、内部クロックLCLKRの位相を進めるよう、カウンタ回路121を制御する。また、調整前の内部クロックLCLKの立ち下がりエッジも、外部クロックCKの立ち上がりエッジに比べて遅れている。したがって、判定信号F−U/Dもローレベルとなり、内部クロックLCLKFの位相を進めるよう、カウンタ回路122を制御する。
【0047】
このため、これらの判定信号を受けたカウンタ回路121,122はともにカウントダウンを行い、内部クロックLCLKR及び内部クロックLCLKFの位相を進める。ここで、内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向は、互いに同じ方向であることから、制御回路150はピッチ拡大信号X2を活性化させる。これを受けて、カウンタ回路122の内部では制御信号X8_ENが活性化し、粗調動作における通常の調整ピッチ(4ピッチ)の倍のピッチ(8ピッチ)でカウントダウンされる。カウンタ回路121においては通常の調整ピッチ(4ピッチ)でカウントダウンされる。
【0048】
このように、粗調動作において内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向が互いに同じ方向である場合には、カウンタ回路121は通常のピッチ(4ピッチ)でカウント値の更新を行い、カウンタ回路122は通常の2倍のピッチ(8ピッチ)でカウント値の更新を行う。その結果、内部クロックLCLKは位相のみならずディーティについても補正され、より50%に近づくことになる。特に、位相判定回路112がDCC回路によって構成されている場合、判定信号F−U/Dに基づく内部クロックLCLKFの調整方向は、デューティが50%に近づく方向を必ず示している。にもかかわらず、内部クロックLCLKRを同一ピッチで同一方向に調整すると、デューティの変化が生じない。これに対し、本実施形態では、上記のケースにおいて内部クロックLCLKFの調整量を2倍としていることから、内部クロックLCLKの位相とディーティが同時に補正されることになる。
【0049】
図4は、内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向が互いに逆方向である場合におけるDLL回路100の粗調動作を説明するためのタイミング図である。
【0050】
図4(a)に示す例では、調整前の内部クロックLCLKの立ち上がりエッジが、外部クロックCKの立ち上がりエッジに比べて進んでいる。したがって、判定信号R−U/Dはハイレベルとなり、内部クロックLCLKRの位相を遅らせるよう、カウンタ回路121を制御する。これに対し、調整前の内部クロックLCLKの立ち下がりエッジは、外部クロックCKの立ち上がりエッジに比べて遅れている。したがって、判定信号F−U/Dはローレベルとなり、内部クロックLCLKFの位相を進めるよう、カウンタ回路122を制御する。このように、内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向は、互いに逆方向である。
【0051】
このため、制御回路150は停止信号STPを活性化させ、カウンタ回路122の動作を一時的に停止させる。結果として、カウンタ回路121のカウントアップのみが行われ、内部クロックLCLKRの位相が4ピッチ遅延される一方、内部クロックLCLKFの遅延量は固定される。したがって、内部クロックLCLKのクロック幅は、調整前に比べて4ピッチ分だけ小さくなり、クロック幅が小さくなりすぎるおそれが少ない。
【0052】
一方、図4(b)に示す例では、調整前の内部クロックLCLKの立ち上がりエッジが、外部クロックCKの立ち上がりエッジに比べて遅れている。したがって、判定信号R−U/Dはローレベルとなり、内部クロックLCLKRの位相を進めるよう、カウンタ回路121を制御する。これに対し、調整前の内部クロックLCLKの立ち下がりエッジは、外部クロックCKの立ち上がりエッジに比べて進んでいる。したがって、判定信号F−U/Dはハイレベルとなり、内部クロックLCLKFの位相を遅らせるよう、カウンタ回路122を制御する。このように、内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向は、互いに逆方向である。
【0053】
このため、制御回路150は停止信号STPを活性化させ、カウンタ回路122の動作を一時的に停止させる。結果として、カウンタ回路121のカウントダウンのみが行われ、内部クロックLCLKRの位相が4ピッチ進められる一方、内部クロックLCLKFの遅延量は固定される。したがって、内部クロックLCLKのクロック幅は、調整前に比べて4ピッチ分だけ大きくなり、クロック幅が大きくなりすぎるおそれが少ない。
【0054】
ここで、カウンタ回路122の動作を停止させない場合に生じる問題についてより具体的に説明する。
【0055】
図5(a)に示す例では、図4(a)に示した例と同様、調整前の内部クロックLCLKの立ち上がりエッジが進んでおり、且つ、調整前の内部クロックLCLKの立ち下がりエッジが遅れている。このような状態で、カウンタ回路121のカウントアップとカウンタ回路122のカウントダウンの両方を行うと、生成される内部クロックLCLKのクロック幅が小さくなりすぎてしまう。つまり、調整前と比べて、内部クロックのクロック幅は8ピッチ分小さくなる。このような現象は、1回の調整ピッチに対してクロック周期が十分に長ければ大きな問題とはならない。しかしながら、外部クロックの周波数が高い場合、内部クロックのクロック幅が一度に8ピッチ分狭くなると、クロック幅が小さくなりすぎてショートパルスとなり、場合によってはパルスが消失する危険性が生じる。
【0056】
このような問題は、上記の例と逆のケースにおいても生じる。図5(b)に示す例では、図4(b)に示した例と同様、調整前の内部クロックLCLKの立ち上がりエッジが遅れており、且つ、調整前の内部クロックLCLKの立ち下がりエッジが進んでいる。このような状態で、カウンタ回路121のカウントダウンとカウンタ回路122のカウントアップの両方を行うと、生成される内部クロックLCLKのクロック幅が大きくなりすぎてしまう。したがって、場合によってはロー側のパルスがショートパルスとなり、消失する危険性が生じる。
【0057】
このように、外部クロックの周波数が高い場合、カウンタ回路121,122を逆方向に更新すると、内部クロックのパルスが消失する可能性がある。このようなパルスの消失が発生すると、もはやDLL回路は動作不能となり、システムをリセットせざるを得なくなる。
【0058】
しかしながら、本実施形態によるDLL回路100においては、粗調動作においてカウンタ回路121,122を逆方向に更新することがないため、外部クロックの周波数が高い場合であっても、内部クロックのパルスが消失する危険性が少なくなる。
【0059】
以上説明したように、半導体装置10によれば、粗調動作においてカウンタ回路121,122を同方向に更新する場合、カウンタ回路122のカウント値をカウンタ回路121の2倍のピッチで更新していることから、位相制御を行いながらデューティの補正を行うことも可能となる。これにより、デューティの補正を行うために要する時間を短縮することが可能となり、高速にDLL回路をロックさせることが可能となる。しかも、粗調動作においてカウンタ回路121,122を逆方向に更新しないことから、内部クロックLCLKのクロック幅が大きくなりすぎたり小さくなりすぎたりすることを防止できる。
【0060】
図6は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置を用いたデータ処理システム1000の構成を示すブロック図であり、本実施形態による半導体装置がDRAMである場合を示している。
【0061】
図6に示すデータ処理システム1000は、データプロセッサ1200と、本実施形態による半導体装置(DRAM)10が、システムバス1100を介して相互に接続された構成を有している。データプロセッサ1200としては、例えば、マイクロプロセッサ(MPU)、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)などを含まれるが、これらに限定されない。図6においては簡単のため、システムバス1100を介してデータプロセッサ1200とDRAM1300とが接続されているが、システムバス1100を介さずにローカルなバスによってこれらが接続されていても構わない。
【0062】
また、図6には、簡単のためシステムバス1100が1組しか描かれていないが、必要に応じ、コネクタなどを介しシリアルないしパラレルに設けられていても構わない。また、図6に示すメモリシステムデータ処理システムでは、ストレージデバイス1400、I/Oデバイス1500、ROM1600がシステムバス1100に接続されているが、これらは必ずしも必須の構成要素ではない。
【0063】
ストレージデバイス1400としては、ハードディスクドライブ、光学ディスクドライブ、フラッシュメモリなどが挙げられる。また、I/Oデバイス1500としては、液晶ディスプレイなどのディスプレイデバイスや、キーボード、マウスなどの入力デバイスなどが挙げられる。また、I/Oデバイス1500は、入力デバイス及び出力デバイスのいずれか一方のみであっても構わない。さらに、図6に示す各構成要素は、簡単のため1つずつ描かれているが、これに限定されるものではなく、1又は2以上の構成要素が複数個設けられていても構わない。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0065】
例えば、上記実施形態では、内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向が互いに同じ方向である場合、カウンタ回路121については通常のピッチでカウント値の更新を行い、カウンタ回路122については通常の2倍のピッチでカウント値の更新を行っているが、これとは逆に、カウンタ回路122については通常のピッチでカウント値の更新を行い、カウンタ回路121については通常の2倍のピッチでカウント値の更新を行っても構わない。但し、位相判定回路112としてDCC回路を用いる場合、上述の通り、内部クロックLCLKの立ち上がりエッジを基準としたデューティ検出が行われるため、内部クロックLCLKの立ち上がりエッジについては、通常のピッチで位相制御することが望ましい。この点を考慮すれば、上記実施形態のように、カウンタ回路122のカウントピッチを拡大する方が好ましい。
【0066】
また、調整ピッチの拡大は、通常のピッチの2倍である必要はなく、それ以下又はそれ以上であっても構わない。さらには、一方の調整ピッチを拡大するのではなく、一方の調整ピッチを縮小することによって差を設けても構わない。但し、この場合は上記実施形態よりもDLL回路のロックに時間がかかるため、上記実施形態のように、一方の調整ピッチを通常通りとし、他方の調整ピッチを通常以上(好ましくは2倍)とすることが望ましい。2倍が好ましいのは、カウンタ回路はバイナリ形式であることがほとんどだからである。
【0067】
さらに、上記実施形態では、内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向が互いに逆方向である場合、制御回路150によってカウンタ回路122の動作を停止させているが、カウンタ回路122の代わりにカウンタ回路121の動作を停止させても構わない。但し、内部クロックLCLKの立ち下がりエッジを検出する位相判定回路112としては、上述の通り、DCC回路(Duty correction circuit)が用いられることがある。DCC回路は、内部クロックLCLKの立ち上がりエッジを利用するため、カウンタ回路121の動作が停止すると、DCC回路の動作にもずれが生じてしまう。このような点を考慮すれば、上記実施形態のように、制御回路150によってカウンタ回路122の動作を停止させる方が好ましい。
【0068】
また、制御回路150による停止動作の実行可否を外部から入力されるコマンドにより設定可能としてもよい。これによれば、外部クロックCKの周波数が低い場合など、制御回路150によってカウンタ回路122を停止させる必要のないケースにおいて、DLL回路100のロック時間を短縮することが可能となる。
【0069】
さらに、本発明においては、粗調動作において内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向が互いに逆方向であっても、制御回路150によってカウンタ回路122を停止させることは必須でない。つまり、粗調動作においてカウンタ回路121,122を逆方向に更新しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるDLL回路を備えた半導体装置のブロック図である。
【図2】カウンタ回路122の構成を示すブロック図である。
【図3】内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向が互いに同じ方向である場合におけるDLL回路100の粗調動作を説明するためのタイミング図である。
【図4】内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向が互いに逆方向である場合におけるDLL回路100の粗調動作を説明するためのタイミング図である。
【図5】内部クロックLCLKR,LCLKFの調整方向が互いに逆方向である場合において、カウンタ回路122の動作を停止させない場合に生じる問題を説明するためのタイミング図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態による半導体装置を用いたデータ処理システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
10 半導体装置
11 クロック端子
12 アドレス端子
13 コマンド端子
14 データ入出力端子
20 メモリセルアレイ
30 コントローラ
40 出力バッファ
50 入力バッファ
100 DLL回路
105 入力レシーバ
110 位相判定部
111,112 位相判定回路
120 調整部
121,122 カウンタ回路
122a カウンタ制御部
123,124 遅延回路
123a,124a 粗調回路
123b,124b 微調回路
130 再生回路
140 レプリカバッファ
150 制御回路
1000 データ処理システム
1100 システムバス
1200 データプロセッサ
1400 ストレージデバイス
1500 I/Oデバイス
1600 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のクロックの立ち上がりエッジと第2のクロックの立ち上がりエッジの位相を比較することにより、第1の判定信号を生成する第1の位相判定回路と、
前記第1のクロックの立ち下がりエッジと前記第2のクロックの立ち下がりエッジの位相を比較することにより、第2の判定信号を生成する第2の位相判定回路と、
前記第1の判定信号に基づいて、第3のクロックのアクティブエッジの位置を調整する第1の調整回路と、
前記第2の判定信号に基づいて、第4のクロックのアクティブエッジの位置を調整する第2の調整回路と、
前記第3及び第4のクロックに基づいて前記第2のクロックを生成するクロック生成回路と、
前記第1の判定信号に基づく前記第3のクロックのアクティブエッジの調整方向と、前記第2の判定信号に基づく前記第4のクロックのアクティブエッジの調整方向とが互いに同方向であることに応答して、前記第1の調整回路による調整量及び前記第2の調整回路による調整量の一方を他方よりも大きくする制御回路と、を備えることを特徴とするDLL回路。
【請求項2】
前記第1の調整回路は、前記第1の判定信号に基づいてカウント値が更新される第1のカウンタ回路と、前記第1のカウンタ回路のカウント値に基づいて前記第3のクロックを遅延させる第1の遅延回路とを含み、
前記第2の調整回路は、前記第2の判定信号に基づいてカウント値が更新される第2のカウンタ回路と、前記第2のカウンタ回路のカウント値に基づいて前記第4のクロックを遅延させる第2の遅延回路とを含むことを特徴とする請求項1に記載のDLL回路。
【請求項3】
前記第1の遅延回路は、相対的に調整幅の大きい第1の粗調回路と、相対的に調整幅の小さい第1の微調回路とを含み、
前記第2の遅延回路は、相対的に調整幅の大きい第2の粗調回路と、相対的に調整幅の小さい第2の微調回路とを含み、
前記制御回路は、前記第1の判定信号に基づく前記第3のクロックのアクティブエッジの調整方向と、前記第2の判定信号に基づく前記第4のクロックのアクティブエッジの調整方向とが互いに同方向であることに応答して、前記第1の粗調回路による調整量及び前記第2の粗調回路による調整量の一方を他方よりも大きくすることを特徴とする請求項2に記載のDLL回路。
【請求項4】
前記クロック生成回路は、前記第3及び第4のクロックに基づいて第5のクロックを生成する再生回路と、前記第5のクロックを遅延させることにより前記第2のクロックを生成するレプリカバッファとを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のDLL回路。
【請求項5】
前記第5のクロックは、データを外部に出力するための出力バッファの動作タイミングを定めるものであり、前記レプリカバッファは、前記出力バッファと実質的に同じ回路構成を有していることを特徴とする請求項4に記載のDLL回路。
【請求項6】
前記第1のクロックが外部クロックであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のDLL回路。
【請求項7】
前記第2の位相判定回路は、前記第2のクロックのデューティを検出することにより、前記第1のクロックの立ち下がりエッジと前記第2のクロックの立ち下がりエッジの位相を比較し、
前記制御回路は、前記第1の判定信号に基づく前記第3のクロックのアクティブエッジの調整方向と、前記第2の判定信号に基づく前記第4のクロックのアクティブエッジの調整方向とが互いに同方向であることに応答して、前記第2の調整回路による調整量を前記第1の調整回路による調整量よりも大きくすることを備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のDLL回路。
【請求項8】
前記制御回路は、前記第1の判定信号に基づく前記第3のクロックのアクティブエッジの調整方向と、前記第2の判定信号に基づく前記第4のクロックのアクティブエッジの調整方向とが互いに同方向であることに応答して、前記第1の調整回路による調整量を、前記第1の判定信号に基づく前記第3のクロックのアクティブエッジの調整方向と、前記第2の判定信号に基づく前記第4のクロックのアクティブエッジの調整方向とが互いに逆方向である場合における第1の調整量と同じ調整量に設定することを特徴とする請求項7に記載のDLL回路。
【請求項9】
前記制御回路は、前記第1の判定信号に基づく前記第3のクロックのアクティブエッジの調整方向と、前記第2の判定信号に基づく前記第4のクロックのアクティブエッジの調整方向とが互いに同方向であることに応答して、前記第2の調整回路による調整量を、前記第1の調整量の2倍である第2の調整量に設定することを特徴とする請求項8に記載のDLL回路。
【請求項10】
前記制御回路は、前記第1の判定信号に基づく前記第3のクロックのアクティブエッジの調整方向と、前記第2の判定信号に基づく前記第4のクロックのアクティブエッジの調整方向とが互いに逆方向であることに応答して、前記第1の調整回路による調整動作及び前記第2の調整回路による調整動作のいずれか一方を停止させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のDLL回路。
【請求項11】
外部から供給される前記第1のクロックに同期してデータを出力する半導体装置であって、請求項5に記載のDLL回路と、前記第5のクロックに同期してデータを出力する出力バッファとを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置を備えるデータ処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−154019(P2010−154019A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327611(P2008−327611)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】