説明

GPBAR1アゴニストとしてのピリダジン誘導体、ピリジン誘導体およびピラン誘導体

式(I)


(置換基は多様な意味を有する)
の化合物、所望によりその塩形および/または溶媒和物形ならびに医薬としてのそれらの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPBAR1調節剤、例えば特異的Gタンパク質共役受容体の活性を調節する化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
Gタンパク質共役受容体であるGPBAR1、例えばWO03051923に記載のもの(配列番号1のヌクレオチド配列、配列番号2のタンパク質配列)は、Gタンパク質共役受容体群のポリペプチドである。かかる免疫調節ポリペプチドの生物学的特性は、単球/マクロファージ移動/活性化、樹状細胞分化の制御、リンパ球活性化の制御、炎症の増殖および分化制御、サイトカイン産生および/または放出の制御、前炎症性メディエーター産生および/または放出の制御、免疫応答の制御、GLP(グルカゴン様ペプチド)−1分泌、インスリン分泌、食欲、膵臓再生、膵臓β細胞分化、膵臓β細胞増殖、インスリン抵抗性、エネルギー消費を含む。
【0003】
したがって、GPBAR1は、上記生物学的特性が原因であるかまたは寄与する障害の処置方法との関係で関心が示されている。かかる障害には、(慢性)炎症性疾患、自己免疫疾患、顕著な病理学的要素が免疫抑制である疾患または症候群、例えばウイルス性疾患、移植片拒絶危機および移植後の他の疾患、がん;神経障害、例えば神経学的CNS障害、心臓血管障害、糖尿病(II型)、肥満が含まれるが、これらに限定されない。
【発明の概要】
【0004】
本発明において、驚くべきことに、GPBAR1に対するアゴニスト活性を示し、したがって例えばGPBAR1機能を活性化する化合物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ある局面において、本発明は、式
【化1】

〔式中、
は(C6−18)アリールまたは(C6−18)アリール(C1−4)アルキル{ここで、該アリールは所望により、3〜12個、例えば6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}、
(C3−12)シクロアルキル{ここで、該シクロアルキルは所望により、3〜12個、例えば6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}、
(C5−12)シクロアルケニル{ここで、該シクロアルケニルは所望により、3〜12個、例えば6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}、または
3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリル{ここで、該ヘテロシクリルは所望により、(C3−12)シクロアルキル、(C5−12)シクロアルケニル、(C6−12)アリールと縮合しているか、あるいは所望により、3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む他のヘテロシクリルと縮合していてもよい}であり、
【0006】
はアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはアリール、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリル、好ましくはアリールもしくはヘテロシクリルで置換された(C1−4)アルキルであり、ここで
− アルキルは(C1−12)アルキルを含み、
− アルケニルは(C2−12)アルケニルを含み、
− アルキニルは(C2−12)アルキニルを含み、
− シクロアルキルは(C3−12)シクロアルキルを含み、
− シクロアルケニルは(C5−6)シクロアルケニルを含み、
− アリールは(C6−18)アリールおよび(C6−18)アリール(C1−4)アルキル{ここで、該アリールは所望により、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくは芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}を含み、
− ヘテロシクリルは3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリル{ここで、該ヘテロシクリルは所望により、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、(C6−12)アリールと縮合しているか、あるいは他のヘテロシクリルと縮合していてもよく、好ましくは他のヘテロシクリルと縮合しており、当該他のヘテロシクリルは3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリル、好ましくは芳香族性ヘテロシクリルを含む}を含み、
【0007】
は水素または(C1−4)アルキルであるか;あるいは
とRはそれらが結合している炭素原子と一体となって、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、フェニルまたはヘテロシクリルを形成し;
ここで上記シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニルまたはヘテロシクリルは所望により、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、(C6−12)アリールと縮合するか、あるいは5〜6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む他のヘテロシクリルと縮合していてもよく;
ここで上記R、Rまたは一体となったRとRの意味におけるアリール、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクリルは、非置換であるかまたは(C1−6)アルキル、例えば(C1−4)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、ハロ(C1−4)アルキル、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、=S、SH、SOH、SONH、(C1−4)アルキルメルカプト、ヒドロキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C6−12)アリールカルボニル、(C3−12)シクロアルキルカルボニル、(C5−6)シクロアルケニルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヒドロキシカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C6−12)アリールカルボニルオキシ、(C3−12)シクロアルキルカルボニルオキシ、(C5−6)シクロアルケニルカルボニルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、(C6−12)アリール、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、(C6−12)アリールオキシ、(C3−12)シクロアルコキシ、(C5−6)シクロアルケニルオキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、(C1−4)アルキルアミノ、(ジ(C1−4)アルキルアミノ、(C6−12)アリールアミノ、(C3−12)シクロアルキルアミノ、(C5−6)シクロアルケニルアミノ、ヘテロシクリルアミノ、(C1−4)アルキルカルボニルアミノ、(C6−12)アリールカルボニルアミノ、(C6−12)アリールカルボニルアミノ、(C3−12)シクロアルキルカルボニルアミノ、(C5−6)シクロアルケニルカルボニルアミノ、ヘテロシクリルカルボニルアミノまたはハロゲンで1回以上置換されており、そして
ここで、上記ヘテロシクリルは、5〜6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、例えば脂肪族および芳香族性ヘテロシクリルを含み、例えば当該ヘテロシクリルは所望により、他の環系、例えば(C3−12)シクロアルキル、(C6−12)アリールまたは5〜6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む他のヘテロシクリルと縮合しており、
【0008】
は式
【化2】

{式(IA)中、Rは水素または(C1−4)アルキルであり、そして
式(IB)中、
XはO、SまたはNRであり、Rは水素または(C1−4)アルキルであり、
YはOまたはSである}
の基である〕
の化合物を提供する。
【0009】
他の局面において、本発明は、
が(C6−18)アリールまたは(C6−18)アリール(C1−4)アルキル{ここで、該アリールは所望により、3〜12個、例えば6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}、
(C3−12)シクロアルキル{ここで、該シクロアルキルは所望により、3〜12個、例えば6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}、
(C5−12)シクロアルケニル{ここで、該シクロアルケニルは所望により、3〜12個、例えば6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}または
3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリル{ここで、該ヘテロシクリルは所望により、(C3−12)シクロアルキル、(C5−12)シクロアルケニル、(C6−12)アリールと縮合しているか、あるいは所望により、3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む他のヘテロシクリルと縮合していてもよい}であり、
【0010】
がアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはアリール、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリル、好ましくはアリールもしくはヘテロシクリルで置換された(C1−4)アルキルであり、ここで
− アルキルは(C1−12)アルキルを含み、
− アルケニルは(C2−12)アルケニルを含み、
− アルキニルは(C2−12)アルキニルを含み、
− シクロアルキルは(C3−12)シクロアルキルを含み、
− シクロアルケニルは(C5−6)シクロアルケニルを含み、
− アリールは(C6−18)アリールおよび(C6−18)アリール(C1−4)アルキル{ここで、該アリールは所望により、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくは芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}を含み、
− ヘテロシクリルは3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリル{ここで、該ヘテロシクリルは所望により、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、(C6−12)アリールと縮合しているか、あるいは他のヘテロシクリルと縮合していてもよく、好ましくは他のヘテロシクリルと縮合しており、当該他のヘテロシクリルは3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリル、好ましくは芳香族性ヘテロシクリルを含む}を含み、
【0011】
が水素または(C1−4)アルキルであり、
が式
【化3】

{式(IA)中、Rは水素または(C1−4)アルキルであり、そして
式(IB)中、
XはO、SまたはNRであり、Rは水素または(C1−4)アルキルであり、
YはOまたはSである}
の基である、
上記式(I)の化合物を提供する。
【0012】
別の局面において、本発明は、
が非置換であるかまたは(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、シアノの1個以上で置換されたフェニルまたはフェニル(C1−4)アルキルであり;
がフェニル、他の環系と縮合したフェニル、5もしくは6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリル、例えば芳香族性ヘテロシクリルおよび脂肪族ヘテロシクリル{ここで、当該ヘテロシクリルは所望により、他の環系と縮合していてもよく、例えば(C3−12)シクロアルキル、(C5−12)シクロアルケニル、(C6−12)アリールまたは5〜6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む他のヘテロシクリルと縮合しており、そして上記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、他の環系と縮合したアリール、ヘテロシクリルまたは他の環系と縮合したヘテロシクリルは、非置換であるかまたは(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、シアノ、ハロゲン、フェニルの1個以上で置換されている}であり、
が水素または(C1−4)アルキルであり、
が式(IA)の基であり、そして
が水素または(C1−4)アルキルである、
上記式(I)の化合物を提供する。
【0013】
別の局面において、本発明は、
が非置換フェニルまたはメチル、ハロ、シアノもしくはフェニルメチルの1もしくは2個で置換されたフェニルであり、
がメトキシフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、(ハロ)(メトキシ)フェニル、インドリル、所望によりフェニルで置換されたトリアゾリル、シアノフェニル、またはチアゾリルと縮合したイミダゾリルであり、
が水素またはメチルであり、
が式(IA)の基であり、
が水素またはメチルである、
上記式(I)の化合物を提供する。
【0014】
別の局面において、本発明は、
がハロゲン、シアノまたは(C1−4)アルキルで1回以上置換されたフェニルであり、
が3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリルと所望により縮合したフェニル{ここで、当該アリールは非置換であるかまたは(C1−4)アルキルもしくは(C1−4)アルコキシで置換されている}であり、
が水素または(C1−4)アルキルであり、
が式(IB)の基であり、ここでXがO、NHまたはNCHであり、YがOであり、
が水素またはメチルである、
上記式(I)の化合物を提供する。
【0015】
別の局面において、本発明は、N−(C6−12)−アリール−6−オキソ−6H−ピラン−3−カルボン酸アミド(ここで、該アミド基の窒素原子はさらに(C6−12)アリールメチルで置換されており、当該アリールは所望により、5もしくは6個の環員およびN、O、S、例えばNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリルと縮合しており、例えばここで、縮合ヘテロシクリルは芳香族性ヘテロシクリルを形成する)を提供する。
【0016】
別の局面において、本発明は、6−ヒドロキシ−ニコチンアミド(ここで、該アミド基の窒素原子は(C6−12)アリールメチルで置換されており、当該アリールは所望により、5もしくは6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリルと縮合しており、そして該アミド基の窒素原子はさらに(C6−12)アリールで置換されている)を提供する。
【0017】
別の局面において、本発明は、1−((C1−4)アルキル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸アミド(ここで、該アミド基の窒素原子はさらに(C6−12)アリールメチルで置換されており、当該アリールは所望により、5もしくは6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリルと縮合しており、そして該アミド基の窒素原子はさらに(C6−12)アリールで置換されている)を提供する。
【0018】
式(I)の化合物において、定義した1個の基または置換基はそれぞれ、好ましい基または置換基、例えばそれぞれ互いに独立して定義の基または置換基であってもよく;本明細書に定義の1個の化合物はそれぞれ、好ましい化合物であり得る。
【0019】
他の局面において、本発明は、
ピリダジン−4−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸[2−(4−シアノ−フェニル)−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−(3,5−ジクロロ−フェニル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(2−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸[2−(4−シアノ−フェニル)−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(2,4−ジフルオロ−6−メトキシ−ベンジル)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(2,6−ジメチル−イミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イルメチル)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミド、
3−メチル−ピリダジン−4−カルボン酸ジベンジルアミド、
3−メチル−ピリダジン−4−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド、
3−メチル−ピリダジン−4−カルボン酸ベンジル−フェニル−アミド、
6−オキソ−6H−ピラン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド、
6−オキソ−6H−ピラン−3−カルボン酸(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
N−(3,5−ジクロロ−フェニル)−6−ヒドロキシ−N−(2−メトキシ−ベンジル)−ニコチンアミド、
【0020】
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(2,4−ジフルオロ−5−メトキシ−ベンジル)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(2,6−ジメチル−イミダゾ[2,1−b]−チアゾール−5−イルメチル)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(2−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ナフタレン−1−イルメチル−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−[4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ベンジル]−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,4−ジクロロ−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2,6−ジメチル−イミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イルメチル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(3−フェニル−プロプ−2−イニル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イルメチル)−アミドおよび
N−(3,5−ジクロロ−フェニル)−2−ヒドロキシ−N−(2−メトキシ−ベンジル)−イソニコチンアミド(=2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−4−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド、
例えば本明細書の実施例の表1および2の“EX”1〜29に示す化合物
から選択される式(I)の化合物を提供する。
【0021】
本明細書に記載または定義の何れかの基は、非置換であるかまたは例えば本明細書に示すとおり1回以上置換されていてもよい。置換基は有機化学において常套の基、例えば本明細書に記載の基を含む。
【0022】
本発明が提供する化合物は、以後「本発明の化合物」と称する。本発明の化合物は何れかの形態、例えば遊離形、塩形、溶媒和物形および塩形の溶媒和物形の化合物を含む。
【0023】
他の局面において、本発明は、塩形の本発明の化合物を提供する。
かかる塩は好ましくは薬学的に許容される塩を含むが、例えば製造/単離/精製目的のために薬学的に許容されない塩が含まれる。
【0024】
遊離形の本発明の化合物は、塩形の対応する化合物に変換することができ、あるいは塩形の本発明の化合物は遊離形の対応する化合物に変換することもできる。遊離形または塩形の溶媒和物形の本発明の化合物は、遊離形または塩形の非溶媒和物形の対応する化合物に変換することができ、あるいは遊離形または塩形の非溶媒和物形の化合物は、遊離形または塩形の溶媒和物形の対応する化合物に変換することもできる。
【0025】
本発明の化合物は、異性体またはそれらの混合物;例えば光学異性体、ジアステレオ異性体、シス/トランス配座異性体の形態で存在していてもよい。本発明の化合物は、例えば不斉炭素原子を含んでいてよく、したがってエナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの混合物、例えばラセミ体の形態で存在していてもよい。本発明の化合物は、該化合物の特定の位置について(R)−、(S)−または(R,S)−立体配置、好ましくは(R)−または(S)−立体配置の形態で存在していてもよい。例えばRが分枝もしくは置換アルキルまたは置換シクロアルキルである式(I)の化合物、あるいは例えばRがアルキルである式(I)の化合物には、不斉炭素原子が存在し得て、例えばRおよびRが結合している炭素原子は不斉であってもよく、不斉炭素原子を有する化合物はかかる不斉炭素原子の位置について(R)−、(S)−または(R/S)−形態であり得る。
【0026】
異性体の混合物は適切に、例えば常套の方法に準じて、例えばそれと同様に分離して、純粋な異性体を得ることができる。本発明は、何れかの異性体形態および何れかの異性体の混合物形態の本発明の化合物を含む。
本発明はまた、タウトマーが存在し得るとき、本発明の化合物のタウトマーを含む。
【0027】
他の局面において、本発明は、本発明の化合物、例えば式(IA)の化合物を製造する方法であって、式
【化4】

〔式中、R、RおよびRは上記定義の通りである〕
の化合物と式
【化5】

の化合物(ここで、例えば式IIIAの化合物は、例えば1−クロロ−N,N,2−トリメチル−1−プロペニルアミンと反応させた活性化形態である)を、アミン、例えばトリエチルアミンの存在下で反応させ、そして反応混合物から得られた式IAの化合物を単離することを含む方法を提供する。
【0028】
式IIA〔Rが水素である〕の化合物は、例えば式
CHO IVA
〔式中、Rは上記定義の通りである〕
の化合物と式
−NH VA
〔式中、Rは上記定義の通りである〕
の化合物をトリアセトキシホウ化水素ナトリウムのような還元剤の存在下で反応させて、反応混合物から得られた式IIA〔式中、RおよびRが上記定義の通りであり、Rが水素である〕の化合物を単離して得ることができる。
【0029】
式IIA〔式中、Rはアルキルである〕の化合物は、例えば式VAの化合物と式
【化6】

〔式中、Rは上記定義の通りであり、Rはアルキルである〕
の化合物をアミン、例えばトリエチルアミンの存在下で反応させて、次いで得られた反応混合物をチタンテトラクロライドおよびシアノホウ化水素ナトリウムで処理し;反応混合物から得られた式IIA〔式中、Rはアルキルであり、RおよびRは上記定義の通りである〕の化合物を単離して得ることができる。
【0030】
他の局面において、本発明は、本発明の化合物、例えば式(IB)の化合物を製造する方法であって、式
【化7】

〔式中、R、RおよびRは上記定義の通りである〕
の化合物と式
【化8】

〔式中、XおよびYは上記定義の通りである〕
の化合物(ここで、例えば式IIIBの化合物は、例えば1−クロロ−N,N,2−トリメチル−1−プロペニルアミンと反応させた活性化形態である)を、アミン、例えばトリエチルアミンの存在下で反応させ、そして反応混合物から得られた式IBの化合物を単離することを含む方法を提供する。
【0031】
式II〔Rが水素である〕の化合物は、例えば式
CHO IVB
〔式中、Rは上記定義の通りである〕
の化合物と式
−NH VB
〔式中、Rは上記定義の通りである〕
の化合物をトリアセトキシホウ化水素ナトリウムのような還元剤の存在下で反応させて、反応混合物から得られた式IIBの化合物を単離して得ることができる。
【0032】
式IIB〔式中、Rはアルキルである〕の化合物は、例えば式
−NH VB
〔式中、Rは上記定義の通りである〕
の化合物と式
【化9】

〔式中、Rは上記定義の通りであり、Rはアルキルである〕
の化合物をアミン、例えばトリエチルアミンの存在下で反応させて、次いで得られた反応混合物をチタンテトラクロライドおよびシアノホウ化水素ナトリウムで処理し;反応混合物から得られた式IIB〔式中、Rはアルキルであり、RおよびRは上記定義の通りである〕の化合物を単離して得ることができる。
【0033】
式IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIAまたはVIBの中間体(出発物質)に官能基が存在するとき、これは所望により保護形態であってもよく、あるいは塩形成基が存在するとき、塩形であってもよい。所望により存在してもよい保護基は、適切な段階で、例えば常套の方法に準じて、例えばそれと同様に除去することができる。
【0034】
得られた式(I)の化合物は他の式(I)の化合物に変換することができ、例えば遊離形の得られた式(I)の化合物は塩形の式(I)の化合物に変換することができ、そして塩形の得られた式(I)の化合物は遊離形の式(I)の化合物に変換することもできる。
【0035】
上記式IIの化合物と式IIIの化合物の反応はアシル化であり、適切に、例えば常套の方法に準じて、例えばそれと同様に実施することができる。
【0036】
式IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIAまたはVIBの中間体(出発物質)は既知であるか、あるいは常套の方法に準じて、例えばそれと同様にまたは本明細書に記載の通りに製造することができる。
本明細書に記載のあらゆる化合物、例えば本発明の化合物および式IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIAまたはVIBの中間体は、適切に、例えば常套の方法に準じて、例えばそれと同様にまたは本明細書に記載の通りに製造することができる。
【0037】
例えば遊離形または塩形、例えば所望により溶媒和物形の本発明の化合物は薬理学的活性を示し、したがって医薬として有用である。
本発明の化合物はGPBAR1に対してアゴニスト活性を示し、GPBAR1活性によって介在される、例えばその機能不全、例えば不十分な活性によって介在される障害の処置に有用である。
本発明の化合物の薬理活性は、例えばGPBAR1がGαs−共役GPCRであり、リガンドがGPBAR1を発現している細胞のcAMP形成を誘導するcAMPアッセイにおいて示すことができる。
【0038】
cAMPアッセイ
略語
cAMP 環状アデノシン3’,5’−モノリン酸
EC50 最大効果の50%を生み出すアゴニスト濃度
GPCR Gタンパク質共役受容体
αs アデニル酸シクラーゼ刺激Gタンパク質
GFP 緑色蛍光タンパク質
HBSS ハンクス平衡塩溶液
HTRF 均一時間分解蛍光
FRET 蛍光共鳴エネルギー移動
IBMX 3−イソブチル−1−メチルキサンチン
RT 室温
【0039】
ヒトリンパ芽球様細胞系Jurkatをマウス白血病ベースの複製欠損レトロウイルスベクター構築物で形質導入して、ORP9651 cDNAの安定な発現を仲介する。簡潔には、IRES(内部リボソーム侵入部位)−GFP発現カセットとプロマイシン耐性遺伝子を含むレトロウイルス発現ベクターpMXpieにヒトGPBAR1遺伝子のcDNAをクローン化する。製造業者の指示通りにLipofectAMINE(Invitrogen)を用いて、Phoenix(商標)−Amphoパッケージング細胞をトランスフェクトする。24時間トランスフェクション後、レトロウイルスを含む上清を採取し、濾過する(0.2μm)。Jurkat細胞系のレトロウイルス感染のために、10μg/mlのPolybrene(Sigma)を補ったウイルス含有上清と共に2×10細胞をインキュベートする。48時間培養後、高レベルのGFPを発現しているJurkat細胞を蛍光活性化細胞選別装置で回収し、次いで1μg/mlのプロマイシン、1IE/mlのペニシリンおよび1μg/mlのストレプトマイシンを含むAIM−V無血清培地(GIBCO BRL)中で培養する。RT−PCRでGPBAR1遺伝子の発現を確認する。
【0040】
CIS Bio International(Bagnols sur Ceze, France)のHTRFキットを用いて、GPBAR1を発現しているJurkat細胞に化合物を加えた後のcAMPの変化を測定するための実験を実施する。この方法は、細胞によって生産された天然cAMPとXL665で標識した添加cAMP間の競合イムノアッセイに基づき、製造業者の指示に従って、384ウェル黒色FIAプレート(Greiner)中で最終体積20μl/ウェルで実施する。簡潔には、1mMのIBMX(Sigma)を含むHBSS(GIBCO BRL)で1×10細胞/mlに調節した細胞懸濁液5μlと化合物希釈物5μlを含むアッセイプレートを、湿潤ボックス中RTで30分間インキュベートして、cAMP生産を刺激する。5μlのcAMP−XL655と5μlの抗cAMP−Cryptate抗体溶液(いずれも製造業者から提供された結合/溶解バッファーで1:20に予め希釈する)を加えて、細胞の合計cAMP濃度を分析する。湿潤ボックス中でさらに1時間インキュベーションした後、PHERAstar(BMT Labtech)プレートリーダー(励起337nm、放出620および665nm)でFRET測定を実施する。2つの波長L1(665nM)およびL2(620nM)でフィルターをかけた放出光の強度から、データをL1/L2比として計算し、ΔF=[(サンプル比−ネガティブ比)/ネガティブ比]×100で規格化する。
【0041】
GPBAR1に対する化合物の選択性は、空のpMXpieベクターを形質導入して作成したJurkat細胞コントロール細胞系を用い、その他は上記と全く同じプロトコルに従ったcAMPアッセイにおいて測定する。全ての化合物は当該細胞系で20μMの濃度まで不活性である。
【0042】
本発明の特定のGPBAR1化合物は、上記cAMPアッセイにおいて低ナノモル〜低マイクロモル範囲、例えば0.5〜25μMの範囲のEC50値を示す。したがって本発明の化合物は、GPBAR1活性、例えば不十分なGPBAR1活性によって介在される障害の処置に有用である。
【0043】
障害は、本明細書において使用するとき、疾患を含む。
GPBAR1アゴニスト、例えば本発明の特異的GPBAR1活性化化合物によって成功裏に処置され得るGPBAR1活性によって介在される障害は、GPBAR1の活性、例えば樹状細胞(DC)、単球またはリンパ球によって開始される免疫応答が原因であるかまたは寄与する障害を含む。
【0044】
かかる障害は、例えば次のものを含むが、それらに限定されない:
−炎症に関連した障害
例えば(慢性)炎症性障害、気管支の炎症に関連した障害、例えば気管支炎、子宮頸部、例えば子宮頸炎、結膜、例えば結膜炎、食道、例えば食道炎、心筋、例えば心筋炎、直腸、例えば直腸炎、強膜、例えば強膜炎、骨を含む歯肉、肺の炎症(肺胞炎)、気道、例えば喘息、例えば気管支喘息、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、炎症性皮膚障害、例えば接触性過敏症、アトピー性皮膚炎;繊維性疾患(例えば、肺線維症)、脳炎、炎症性骨溶解、
【0045】
−免疫系の状態に関連した障害
免疫障害、例えば自己免疫疾患、例えばグレーブス病、橋本病(慢性甲状腺炎)、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、関節炎、痛風、骨関節炎、強皮症、狼瘡症候群、全身性紅斑性狼瘡、ショーグレン症候群、乾癬、炎症性腸疾患、例えばクローン病、大腸炎、例えば潰瘍性大腸炎;敗血症、感染性ショック、自己免疫性溶血性貧血(AHA)、自己抗体誘発性じんま疹、天疱瘡、腎炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、強直性脊椎炎、ライター症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、サイトカイン介在性障害、インターロイキン−2障害、円形脱毛症、ブドウ膜炎、扁平苔癬、類天疱瘡、重症筋無力症、I型糖尿病,免疫介在性不妊、例えば早発閉経、多内分泌腺機能低下症、甲状腺機能低下症、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)が関連したものを含む自己免疫性肝炎、アジソン病、自己免疫性皮膚疾患、例えば乾癬、疱疹状皮膚炎、表皮水疱症、線状IgA水疱性皮膚疾患、後天性表皮水疱症、小児の慢性水疱性疾患、悪性貧血、溶血性貧血、白斑、I型、II型およびIII型多腺性自己免疫症候群、自己免疫性副甲状腺機能低下症、自己免疫性下垂体炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性精巣炎、妊娠性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、本態性混合型クリオグロブリン血症、免疫性血小板減少性紫斑病、グッドパスチャー症候群、自己免疫性好中球減少症、イートン・ランバート筋無力症候群、スティッフマン症候群、脳脊髄炎、急性播種性脳脊髄炎、ギランバレー症候群、小脳変性、網膜症、原発性硬化性胆管炎、硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎、グルテン過敏性腸症、反応性関節炎、多発性筋炎/皮膚筋炎、混合性結合組織病、ベーチェット症候群、結節性多発性動脈炎、アレルギー性血管炎(anguitis)および肉腫芽症(チャーグ−ストラウス疾患)、重複多発性血管炎症候群(過敏症)脈管炎、ウェグナー肉腫芽症、側頭動脈炎、川崎病、サルコイドーシス、寒冷症、セリアック病、
【0046】
−サイトカイン介在性障害に関係する障害、
例えばインターロイキン2障害、
−骨に関係する障害、
例えば骨粗鬆症、骨関節炎、
−脳および神経に関係する障害、
−神経変性障害、例えば中枢神経系の障害および末梢神経系の障害、例えば中枢神経感染、脳傷害、脳血管障害およびそれらの結果を含むCNS障害、パーキンソン病、大脳皮質基底核変性症、運動ニューロン疾患、ALSを含む認知症、多発性硬化症、外傷および外傷の炎症性結果を含む外傷性障害、外傷性脳損傷、卒中、卒中後、外傷後脳損傷、
小血管脳血管疾患、摂食障害;さらなる認知症、例えばアルツハイマー病、血管性痴呆、レヴィー小体認知症、前頭側頭骨性痴呆およびクロモソーム17に結合したパーキンソニズム、ピック病を含む前頭側頭骨性痴呆、進行性神経麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病、視床変性、クロイツフェルト・ヤコブ認知症、HIV認知症、認知症を伴う統合失調症、コルサコフ精神病、
認知関連障害、例えば軽度認識障害、加齢性記憶障害、加齢性認知欠損、血管性認識障害、注意欠損症、注意欠損多動性障害、および小児における学習障害を伴う記憶障害;視床下部・下垂体・副腎系軸に関係する状態、
【0047】
−神経障害、例えばニューロン移動障害、低血圧(筋緊張減少)、筋力低下、発作、発育遅延(肉体的または精神的発育障害)、精神遅滞、成長障害、採餌困難、リンパ水腫、小頭症、頭部および脳に影響する症状、運動機能障害;
−眼に関係する障害、
例えばぶどう膜網膜炎、硝子体網膜症、角膜疾患、虹彩炎、虹彩毛様体炎、白内障、ブドウ膜炎、糖尿病性網膜症、網膜色素変性、結膜炎、角膜炎、
【0048】
−胃腸管に関係する障害
例えば大腸炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、胃潰瘍、胃炎、食道炎、
−心臓および血管状態に関係する障害
−例えば心臓血管障害、例えば心不全、心臓梗塞、心臓肥大、心不全、例えば、基礎疾患とは関係なく、急性および慢性の、右側または左側の、収縮期または拡張期の高拍出量および低拍出量のような全ての形態の心臓拍出不全;心筋梗塞(MI)、MI予防(1次または2次的予防)、MIの急性処置、合併症の予防;心臓障害、増殖性血管障害、脈管炎、結節性多発性動脈炎、虚血の炎症性結果、虚血性心臓疾患、心筋梗塞、卒中、末梢血管疾患、肺高血圧、
虚血性障害、例えば心筋虚血、例えば安定狭心症、不安定狭心症、狭心症、気管支炎;無症候性不整脈、例えば全ての形態の動脈及び静脈不整脈、心房性頻脈、心房粗動、心房細動、房室リエントリー性頻脈、早期興奮症候群、心室性頻脈、心室粗動、心室細動、徐脈形態の不整脈;不整脈、慢性閉塞性肺疾患、
収縮期または拡張期高血圧のような高血圧、例えば本態性および二次性高血圧、例えば高血圧性血管障害、例えば本態性および腎臓、内分泌系、神経性および他の全ての種類の二次性動脈高血圧;
動脈および/または静脈流量が減少して血液供給と組織の酸素要求のアンバランスをもたらす末梢血管障害、例えば動脈硬化、慢性末梢動脈閉塞疾患(PAOD)、急性動脈血栓症および塞栓症、炎症性血管障害、レイノー現象および静脈障害;アテローム性動脈硬化症、血管壁がリモデルされる疾患、例えば血管壁内膜における細胞蓄積、平滑筋細胞および単球/マクロファージ炎症性細胞;
高血圧、
【0049】
−肝臓および腎臓に関係する障害、
例えば腎障害、腎臓障害、例えば急性腎不全、急性腎疾患、肝臓障害、例えば肝硬変、肝炎、肝不全、胆汁うっ帯、急性/慢性肝炎、硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変、急性/慢性間質性/糸球体腎炎、肉芽腫疾患、
−胃または膵臓状態に関係する障害
例えば、胃障害、例えば胃潰瘍、消化器潰瘍、膵臓障害、膵臓疲労、
【0050】
−呼吸管および肺に関係する障害
例えば肺の障害、慢性肺疾患、急性(成人)呼吸窮迫症候群(ARDS)、喘息、喘息性気管支炎、気管支拡張症、びまん性間質性肺障害、塵肺症、繊維化性肺胞炎、肺線維症、
−皮膚および結合組織状態に関係する障害
例えば湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、乾癬、ざ瘡、皮膚筋炎、ショーグレン症候群、チャーグ−ストラウス症候群、日焼け、皮膚がん、創傷治癒、じんま疹、中毒性表皮剥離症、
【0051】
−アレルギー状態に関係する障害、
例えば遅延型過敏症、アレルギー性結膜炎、薬剤アレルギー、鼻炎、アレルギー性鼻炎、脈管炎、接触性皮膚炎;
−血管新生に関係する障害、
例えば血液供給能力の不足、修飾血管新生によって特徴付けられる障害、血管新生が関係する腫瘍、
【0052】
−がんおよび細胞過増殖に関係する障害
例えば前がん状態、過増殖性障害、原発性または転移性がん、転移性子宮頸がん、制御されない細胞増殖によってもたらされるがん、固形腫瘍、通常死誘導シグナルに対する無応答(不死化)、細胞運動性および侵襲性高進、新血管形成(血管新生)の誘導による血液供給能の上昇、遺伝的不安定、脱制御遺伝子発現、例えばWO02066019に記載の固形腫瘍、例えば非小細胞肺がん、子宮頸がん;腫瘍増殖、リンパ腫、B細胞またはT細胞リンパ腫、良性腫瘍、良性非増殖性障害、腎臓がん、食道がん、胃がん、腎臓がん、膀胱がん、乳がん、結腸がん、肺がん、黒色腫、鼻咽頭がん、骨がん、卵巣がん、子宮がん;前立腺がん、皮膚がん、白血病、腫瘍新血管形成、血管腫、骨髄異形性障害、通常死誘導シグナルに対する無応答(不死化)、細胞運動性および侵襲性高進、遺伝的不安定、脱制御遺伝子発現、(神経)内分泌系がん(カルチノイド)、血液腫瘍、リンパ性白血病、神経芽腫;軟組織がん、がん予防、例えば転移の予防、
【0053】
−感染性障害、例えば慢性感染状態に関係する障害
例えば細菌性障害、中耳炎、ライム病、甲状腺炎、ウイルス性障害、寄生性障害、真菌性障害、マラリア、例えばマラリア貧血、敗血症、重症敗血症、感染性ショック、例えば内毒素誘導性感染性ショック、外毒素誘導性毒性ショック、感染性(真性敗血性)ショック、グラム陰性菌によって引き起こされる感染性ショック、骨盤炎症性疾患、AIDS、腸炎、肺炎;髄膜炎、脳炎、
−重症筋無力症に関係する障害、
−腎炎に関係する障害、
例えば糸球体腎炎、腸腎炎、ウェグナー肉腫芽症、線維症、
−糖尿病状態に関係する障害、
例えば、糖尿病(I型糖尿病、II型糖尿病、妊娠糖尿病)、糖尿病性網膜症、インスリン依存性糖尿病、糖尿病、妊娠性糖尿病)、インスリン分泌不全、肥満;
−子宮内膜症(endiometriosis)精巣機能障害に関係する障害、
【0054】
−疼痛に関係する障害、
例えばCNS障害に関係する障害、例えば多発性硬化症、脊髄損傷、坐骨神経痛、腰部手術不成功症候群、外傷性脳損傷、てんかん、パーキンソン病、卒中後、ならびに脳および脊髄の血管損傷(例えば、梗塞、出血、血管奇形);
非中枢神経因性疼痛、例えば乳房切除後疼痛に関係するもの、幻感覚、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)、三叉神経痛神経根障害(radioculopathy)、術後疼痛、HIV/AIDS関連疼痛、がん疼痛、代謝性神経障害(例えば、糖尿病性神経障害、脈管ニューロパシー二次的ないし結合性組織疾患)、例えば肺がんまたは白血病、またはリンパ腫、または前立腺がん、結腸がんまたは胃がんに関係する腫瘍随伴性多発性神経障害、三叉神経痛、頭部神経痛、およびヘルペス後神経痛;
末梢神経損傷に関係する疼痛、中心性疼痛(すなわち脳虚血のための)および様々な慢性疼痛、すなわち、腰痛、背中疼痛(腰部疼痛)、炎症性および/またはリウマチ性疼痛;
頭痛疼痛(例えば、前兆を伴う偏頭痛、前兆のない偏頭痛、および他の偏頭痛障害)、一過性および慢性緊張性頭痛、緊張性様頭痛、群発性頭痛、および慢性発作性偏頭痛;
内臓疼痛、例えば膵臓炎、腸炎、膀胱炎、月経困難症、過敏性腸症候群、クローン病、胆石疝痛、尿管疝痛、心筋梗塞および骨盤腔疼痛症候群、例えば外陰部疼痛、精巣痛、尿道症候群15および前立腺痛;
急性疼痛、例えば術後疼痛および外傷後疼痛;
【0055】
−リウマチ性障害に関係する障害
例えば関節炎、リウマチ性関節炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、結晶性関節炎、痛風、偽痛風、ピロリン酸カルシウム沈着症、狼瘡症候群、全身性エリテマトーデス、硬化症、強皮症、多発性硬化症、関節硬化症、動脈硬化症、脊椎関節症、全身性硬化症、反応性関節炎、ライター症候群、強直性脊椎炎、多発性筋炎、
−サルコイドーシスに関係する障害、
−移植に関係する障害、
例えば移植片拒絶危機および移植後の他の障害、例えば臓器または組織(異種)移植片拒絶、例えば心臓、肺、心肺、肝臓、腎臓、膵臓、皮膚、角膜移植のレシピエントの処置、移植片対宿主病、例えば骨髄移植後、虚血性再灌流障害。
【0056】
GPBAR1アゴニスト、例えば本発明の特異的GPBAR1活性化化合物によって成功裏に処置され得る、例えば不十分なGPBAR1活性によって介在される障害は、好ましくは、炎症性、免疫障害、例えば自己免疫障害およびアレルギー性障害、例えばリウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、移植拒絶危機、乾癬、がん、AIDS、糖尿病(II型糖尿病)、肥満;より好ましくはリウマチ性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、乾癬、糖尿病(II型糖尿病)、肥満;
例えば乾癬を含む。
【0057】
他の局面において、本発明は
例えば不十分なGPBAR1活性によって介在される障害の処置用
− 医薬として使用するための本発明の化合物、
− 医薬としての本発明の化合物の使用;
を提供する。
【0058】
医薬的使用のために、本発明の化合物の1種以上、例えば1種または2種以上の本発明の化合物の組合せを使用してもよい。
本発明の化合物は、医薬組成物の形態で医薬として使用してもよい。
【0059】
他の局面において、本発明は、本発明の化合物と少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤、例えば適切な担体および/または希釈剤、例えば増量剤、結合剤、崩壊剤、流動性調節剤、滑沢剤、糖または甘味剤、風味剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調節のための塩および/またはバッファーを含む医薬組成物を提供する。
【0060】
本発明によって提供する医薬組成物は、本明細書において、「本発明の医薬組成物」とも称する。
【0061】
他の局面において、本発明は、
− 例えば不十分なGPBAR1活性によって介在される障害の処置に使用するための本発明の医薬組成物;
− 例えば不十分なGPBAR1活性によって介在される障害の処置のための本発明の医薬組成物の使用;
を提供する。
【0062】
さらなる局面において、本発明は、例えば不十分なGPBAR1活性によって介在される障害、例えば上記障害を処置する方法であって、かかる処置を必要とする対象に、治療上有効量の、例えば医薬組成物の形態の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0063】
他の局面において、本発明は、
例えば不十分なGPBAR1活性によって介在される障害の処置用
− 医薬の製造のための、本発明の化合物、
− 医薬の製造のための、本発明の化合物の使用;
であって、例えば該医薬は本発明の医薬組成物を含むものを提供する。
【0064】
処置は、処置および予防(防止)を含む。
かかる処置のための適切な投与量は、例えば使用する本発明の化合物の化学的性質および薬物動態データ、個々の宿主、投与形態ならびに処置する状態の性質および重症度に基づいて当然に変化する。しかし、一般に、大型哺乳類、例えばヒトにおける満足のいく結果のために、適用される1日用量は、
− 約0.001g〜約1.5g、例えば0.001g〜1.5g、
− 約0.01mg/kg体重〜約20mg/kg体重、例えば0.01mg/kg体重〜20mg/kg体重、
の範囲の本発明の化合物が含まれ、例えば1日4回までの分割用量で投与する。
【0065】
本発明の化合物は、大型哺乳類、例えばヒトに、GPBAR1活性の他のメディエーター、例えば低分子量アクチベーターについて通常使用または適用されるものと同じ投与形態、例えば同じ投与量で投与することができる。
【0066】
本発明の化合物は、何れかの常套の経路、例えば経腸、例えば経鼻、頬側、直腸、経口投与;非経腸、例えば静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、皮下、骨内輸液、経皮(表皮を通じた分散)、経粘膜(粘膜を通じた分散)、吸入投与;局所;例えば皮膚上、鼻腔内、気管内投与;腹腔内(腹腔への輸液または注射);硬膜外(硬膜外)(硬膜空間への注射または輸液);髄腔内(脳脊髄液への注射または輸液);硝子体内(眼を通じた投与);または医薬デバイスを通じて、例えば局所送達のために、例えばステントで、
例えばコーティング錠剤または非コーティング錠剤、カプセル剤、(注射用)溶液、固体溶液、懸濁剤、分散剤、固体分散剤の形態で;例えばアンプル、バイアルの形態で、クリーム、ゲル、ペースト、吸入粉末、泡、チンキ、リップスティック、ドロップ、スプレーの形態で、または座薬の形態で投与することができる。
【0067】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩形または遊離形;所望により溶媒和物形態で、投与することができる。塩形および/または溶媒和物形の本発明の化合物は、遊離形の本発明の化合物と同程度の活性を示す。
局所的使用、例えば眼への投与について、満足のいく結果は、0.5〜10%、例えば1〜3%の濃度の活性物質を1日複数回、例えば1日2〜5回局所投与して得ることができる。
【0068】
本発明の化合物は、本明細書に記載の何れかの方法または使用のために、単独で、または1種以上の、少なくとも1種の、他の第2の薬剤物質との組合せで使用してもよい。
【0069】
他の局面において、本発明は:
− 本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質の組合せ剤;
− 本発明の化合物を、少なくとも1種の第2の薬剤物質との組合せで含む医薬組合せ剤;
− 本発明の化合物を、少なくとも1種の第2の薬剤物質と1種以上の薬学的に許容される賦形剤との組合せで含む医薬組成物;
− 本明細書に定義の何れかの方法において使用するための、例えば医薬組合せ剤または組成物の形態の、少なくとも1種の第2の薬剤物質と組み合わせた本発明の化合物;例えば
− 本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質を含む、医薬として使用するための組合せ剤、医薬組合せ剤または医薬組成物;
− 医薬組合せ剤または組成物の形態の、少なくとも1種の第2の薬剤物質との組合せにおける本発明の化合物の、医薬としての使用;
− 第2の薬剤物質と組合せて使用する医薬の製造のための、本発明の化合物の使用;
− かかる処置を必要とする対象における、例えば不十分なGPBAR1活性によって介在される障害を処置する方法であって、医薬組合せ剤または組成物の形態で治療上有効量の本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質を、同時または逐次的に共投与することを含んでなる方法;
− 例えば不十分なGPBAR1活性によって介在される障害に使用する医薬の製造に使用するための、例えば医薬組成物の形態の、少なくとも1種の第2の薬剤物質との組合せにおける本発明の化合物
を提供する。
【0070】
組合せ剤には、本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質が同じ製剤である固定された組合せ剤;本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質が異なる製剤で同じパッケージで、例えば共投与のための指示書と共に提供される、キット;および本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質が別個にパッケージされているが、同時または逐次投与のための指示書が与えられる、自由組合せ剤が含まれる。
【0071】
他の局面において本発明は、
− 本発明の化合物である第1の薬剤物質と少なくとも1種の第2の薬剤物質、そして組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ;
− 本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質との組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ;
− 少なくとも1種の第2の薬剤物質と本発明の化合物との組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ
を提供する。
【0072】
本発明の組合せ剤での処置は、単剤処置と比較して改善が得られる。
【0073】
他の局面において本発明は、
− 相乗的治療効果を創出するために適切な量の本発明の化合物と、当該量の第2の薬剤物質を含む医薬組合せ剤;
− 本発明の化合物の治療有用性を改善するための方法であって、治療上有効量の本発明の化合物と第2の薬剤物質を例えば同時または逐次的に共投与することを含んでなる方法;
− 第2の薬剤物質の治療有用性を改善するための方法であって、治療上有効量の本発明の化合物と第2の薬剤物質を例えば同時または逐次的に共投与することを含んでなる方法
を提供する。
【0074】
本発明の組合せ剤および組合せ成分としての第2の薬剤物質は、何れかの常套の経路で、例えば本発明の化合物について記載の通りに、投与することができる。第2の薬剤は適切な投与量で、例えば単剤処置に使用されるものと同じ投与量で、または例えば相乗効果の場合、常套の投与量以下で、投与することができる。
【0075】
本発明の医薬組成物は、例えば常套の方法に従って、例えばそれと同様に、例えば混合、造粒、コーティング、溶解または凍結乾燥手段によって製造することができる。単位投与形態は、例えば約0.1mg〜約1500mg、例えば1mg〜1000mgを含む。
本発明の組合せ剤を含む医薬組成物および本明細書に記載の第2の薬剤物質を含む医薬組成物は、適切に、例えば常套の方法に従って、例えばそれと同様に、または本発明の医薬組成物について記載の通りに、提供することができる。
【0076】
用語「第2の薬剤物質」は、化学治療薬剤、特に本発明の薬剤以外の何れかの化学治療薬剤を意味する。
例えば、第2の薬剤物質は、本明細書において使用するとき、抗炎症剤および/または免疫調節剤および/または抗がん剤、例えば抗ウイルス剤、例えばおよび/または麻酔剤を含む。
【0077】
本発明の化合物との組合せにおいて有用であり得る抗炎症剤および/または免疫調節剤は、例えば次のものを含む:
mTOR活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えば式
【化10】

のラパマイシンおよびラパマイシン誘導体、例えば
40−O−アルキル−ラパマイシン誘導体、例えば40−O−ヒドロキシアルキル−ラパマイシン誘導体、例えば40−O−(2−ヒドロキシ)−エチル−ラパマイシン(エベロリムス)、
32−デオキソ−ラパマイシン誘導体および32−ヒドロキシ−ラパマイシン誘導体、例えば32−デオキソラパマイシン、
16−O−置換ラパマイシン誘導体、例えば16−ペント−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−ラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、
40位の酸素基がアシル化されているラパマイシン誘導体、例えば40−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシ−メチル)−2−メチルプロパノエート]−ラパマイシン(CCI779とも知られている)、
40位がヘテロシクリルで置換されているラパマイシン誘導体、例えば40−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン(ABT578とも知られている)、
そのいわゆるラパログ、例えばWO9802441、WO0114387およびWO0364383に記載のもの、例えばAP23573、および
TAFA−93、AP23464、AP23675、AP23841およびビオリムス(例えばビオリムスA9)という名称で開示されている化合物;
【0078】
− カルシニューリンのメディエーター、例えば阻害剤、例えばシクロスポリンA、FK506、ISA−247(ボクロスポリン);
− 免疫抑制特性を有するアスコマイシン、例えばABT−281、ASM981;
− コルチコステロイド;シクロホスファミド;シクロホスファミドIV(Revimmune(登録商標))、アザチオプレン;レフルノミド;ミゾリビン;
− ミコフェノール酸または塩;例えばナトリウム塩、ミコフェノール酸モフェチル;
− 15−デオキシスペルグアリンまたはその免疫抑制ホモログ、アナログまたは誘導体;
− bcr−ablチロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤;
− c−kit受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤;
− PDGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばGleevec(イマチニブ);
− p38MAPキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− VEGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− PKC活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばWO0238561またはWO0382859に記載のもの、例えば実施例56または70の化合物;
【0079】
− JAK3キナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばN−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−ベンジリデン−シアノアセトアミド、α−シアノ−(3,4−ジヒドロキシ)−]N−ベンジルシンナミド(Tyrphostin AG 490)、プロジギオシン25−C(PNU156804)、[4−(4’−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P131)、[4−(3’−ブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P154)、[4−(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン]WHI−P97、KRX−211、遊離形または薬学的に許容される塩形、例えば一クエン酸塩形の3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル(CP−690,550とも称される)、またはWO2004052359またはWO2005066156に記載の化合物;
【0080】
− S1P受容体活性のメディエーター、例えばアゴニストまたは調節剤、例えば所望によりリン酸化されたFTY720またはそのアナログ、例えば所望によりリン酸化された2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−1,3−プロパンジオールまたは1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;
− 免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば白血球受容体、例えばBlys受容体(例えばベリムマブ、Lymphostat B)、BAFF受容体、MHC、CD2、CD3(例えばベシリズマブ)、CD4(例えばザノリムマブ)、CD7、CD8、CD11a(例えばエファリズマブ(Raptiva(登録商標)))、CD20(例えばリツキシマブ(Rituxan(登録商標))、イブリツモマブ、111Inまたは90Yと複合化したチウキセタン(Zevalin(登録商標))、131Iトシツムマブ(Bexxar(登録商標))、CD25、CD28、CD33(例えばゲムツズマブ(Mylotarg(登録商標)))、CD40(例えば抗CD40Lまたは抗CD154、例えばIDEC−131)、CD45、CD52、CD54(例えばアレムツズマブ(Campath−I(登録商標)))、CD58、CD80、CD86、IL−2受容体(例えばダクリズマブ(Zenapax(登録商標)))、IL6受容体(例えばトシリズマブ、Actemra(登録商標))、IL−12受容体、IL−17受容体、IL−23受容体またはそれらのリガンドに対するモノクローナル抗体;例えばIL−12、IL−23(例えばCNTO 1275(IL−12/IL23 mAb))、IL−10(例えばB−N10)に対する抗体、例えば二本鎖DNA(dsDNA)に対する抗体、例えばナトリウムアベチムス(Riquent(登録商標))に対する抗体;
【0081】
− 免疫系に作用する他の化合物、例えば
− CTLA4またはその変異体の細胞外ドメインの少なくとも一部、例えば非CTLA4タンパク質配列と結合している少なくともCTLA4の細胞外部分またはその変異体を有する組換え結合分子、例えばCTLA4Ig(例えばATCC 68629)またはその変異体、例えばLEA29Y;または抗CTLA4薬剤、例えばイピリムマブ、チシリムマブ、
− グラチラメラセタット(コポリマー−1、Copaxone(登録商標))、
− MBP8298(合成ペプチド)、
− ラキニモド(ABR−215062)、
− 免疫調節活性を有するワクチン、例えばTovaxin(登録商標)、NeuroVax(登録商標)、
− ピルフェニドン、
− BG−12(経口用フマレート)、
【0082】
− 接着分子活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばLFA−1アンタゴニスト、ICAM−1または−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニスト、
− CCR9活性のメディエーター、例えばアンタゴニスト、
− MIF活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− 5−アミノサリチル酸塩(5−ASA)剤、例えばスルファサラジン、Azulfidine(登録商標)、Asacol(登録商標)、Dipentum(登録商標)、Pentasa(登録商標)、Rowasa(登録商標)、Canasa(登録商標)、Colazal(登録商標)、例えばメサラミンを含む薬剤;例えばヘパリンと組み合わせるメサラジン;
− TNFアルファ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばTNFアルファと結合する抗体、例えばインフリキシマブ(Remicade(登録商標))、サリドマイド、レナリドマイド、ゴリムマブ、アダリムマブ(Humira(登録商標)、ヒトTNFアルファに特異的な完全ヒト免疫グロブリンG(IgG1)モノクローナル抗体)、エタネルセプト(Enbrel(登録商標))、アレファセプト(Amevive(登録商標))、セルトリズマブ・ペグオール(Cimzia(登録商標)、CDP870)、アフェリモマブ、AME527(Lilly)、
【0083】
− 酸化窒素放出性非ステロイド抗炎症剤(NSAID)、例えばCOX阻害NO供与薬剤(CINOD);
− ホスホジエステラーゼ、例えばPDE4B活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− カスパーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− Gタンパク質共役受容体GPBAR1のメディエーター、例えばアゴニスト、
− セラミドキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
− 多機能抗炎症剤(MFAID)、例えば細胞質型ホスホリパーゼA2(cPLA2)阻害剤、例えばグリコサミノグリカンと結合した膜アンカーホスホリパーゼA2阻害剤;
【0084】
− 抗生物質および抗真菌剤、例えばペニシリン、セファロスポリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、スルホンアミド、例えばスルファジアジン、スルホイソキサゾール;スルホン、例えばダプソン;プレウロムチリン(pleuromutilin)、フルオロキノロン、例えばメトロニダゾール、キノロン、例えばシプロフロキサシン;レボフロキサシン;プロバイオティクス、共生細菌、例えば乳酸菌、乳酸菌ロイテリ菌(Lactobacillus reuteri);ミカファンギン
− 抗ウイルス剤、例えばリビビリン、ビダラビン、アシクロビル、ガンシクロビル、ザナミビル、リン酸オセルタミビル、ファムシクロビル、アタザナビル、アマンタジン、ジダノシン、エファビレンツ、ホスカネット、インジナビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、サクイナビル、スタブジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、シバシル、ジドブジン、RSVタンパク質、例えばRSV Fタンパク質に対する抗体、例えばパリビズマブ(Synagis(登録商標))、モタビズマブ、
【0085】
− 血中タンパク質「補体5(a)」のメディエーター、例えば阻害剤、例えばエクリズマブ、ペキセリズマブ、
− 血清中リン制御剤、例えば炭酸セベラマー(Renagel(登録商標));腎疾患患者における抗血清中リン酸レベルを低下させるリン酸結合剤、例えば炭酸ランタン(Fosrenol(登録商標))、
− GPBAR1メディエーター活性のメディエーター、例えばアゴニスト、例えば本発明の特異的GPBAR1活性化化合物とは異なる抗体および低分子量化合物、
− セラミドキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えば抗体および低分子量化合物、
− アルファ−4−インテグリン抗体、例えばナタリズマブ(Tysabri(登録商標))、
− 赤血球形成刺激タンパク質、例えばエポエチン(Procrit(登録商標))、歩エチンアルファ、(Epogen(登録商標))、ダルベポエチンアルファ(Aranesp(登録商標))。
【0086】
本発明の化合物との組合せで有用であり得る抗炎症剤には、例えば非ステロイド抗炎症剤(NSAID)、例えばプロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシン酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、およびチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸(fenclozic acid)、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタジンおよびゾメピラク)、フェナミン酸誘導体(フルフェナミン酸、メクロフェナミン酸、メフェナミン酸、ニフルミン酸およびトルフェナミン酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサル)、オキシカム(oxicam)(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカム)、サリチル酸塩(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)およびピラゾロン(アパゾン、ベズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン);シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、例えばセレコキシブ;ホスホジエステラーゼタイプIV(PDE−IV)の阻害剤;例えばMN−166、ケモカイン、特にCCR1、CCR2およびCCR3受容体アンタゴニスト、例えばZK811752(BX−471);コレステロール低下剤、例えばHMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチンおよびプラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチンおよび他のスタチン)、金属イオン封鎖剤(sequestrant)(コレスチルアミンおよびコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラートおよびベンズアフィブラート)、およびプロブコール;抗コリン作動性薬剤、例えばムスカリンアンタゴニスト(イプラトロピウムブロマイド);他の化合物、例えばテオフィリン、スルファサラジンおよびサリチル酸アミノ、例えば5−アミノサリチル酸およびそのプロドラッグ、抗リウマチ剤、IgE抗体、例えばオマリズマブ(Xolair(登録商標))が含まれる。
【0087】
本発明の化合物との組合せで有用であり得る抗アレルギー剤には、例えば抗ヒスタミン剤(H1−ヒスタミンアンタゴニスト)、例えばブロモフェニラミン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミンピリルアミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジン、および非ステロイド性抗喘息剤、例えばβ2−アゴニスト(テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール、サルメテロールおよびピルブテロール)、テオフィリン、クロモリンナトリウム、アトロピン、イプラトロピウムブロマイド、ロイコトリエンアンタゴニスト(ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト、SKB−106,203)、ロイコトリエン生合成阻害剤(ジレウトン、BAY−1005);気管支拡張剤、抗喘息剤(マスト細胞安定化剤)が含まれる。
【0088】
本発明の化合物との組合せで有用であり得る麻酔剤には、例えばエタノール、ブピバカイン、クロロプロカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカイン、ロピバカイン、テトラカイン、デスフルラン、イソフルラン、ケタミン、プロポフォール、セボフルラン、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、マルカイン、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、レミフェンタニル、スフェンタニル、ブトルファノール、ナルブフィン、トラマドール、ベンゾカイン、ジブカイン、エチルクロライド、キシロカインおよびフェナゾピリジンが含まれる。
【0089】
本発明の化合物との組合せにおいて有用であり得る、例えば本発明において有用であり得る組合せ成分として有用であり得る抗がん剤には、例えば次のものが含まれる:
i.ステロイド;例えばプレドニゾン。
ii.アデノシンキナーゼ阻害剤;核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸代謝を標的とし、減少させまたは阻害するもの、例えば7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン,5−ヨード−7−β−D−リボフラノシルとしても知られている5−ロドツベルシジン(lodotubercidin)。
iii.アジュバント;5−FU−TS結合を高進するもの、およびアルカリホスファターゼを標的とし、減少させまたは阻害する化合物、例えばロイコボリン、レバミゾールおよびがん化学療法アジュバントにおいて使用される他のアジュバント、例えばメスナ(Uromitexan(登録商標)、Mesnex(登録商標))。
【0090】
iv.副腎皮質アンタゴニスト;副腎皮質の活性を標的とし、減少させまたは阻害し、そしてコルチコステロイドの末梢代謝を変化して17−ヒドロキシコルチコステロイドを減少するもの、例えばミトタン。
v.AKT経路阻害剤;例えばタンパク質キナーゼB(PKB)としても知られているAktを標的とし、減少させまたは阻害する化合物、例えば3H−ビス[1]ベンゾピラノ[3,4−b:6’,5’−e]ピラン−7(7aH)−オン,13,13a−ジヒドロ−9,10−ジメトキシ−3,3−ジメチル−,(7a、13aS)としても知られるデグエリン;および1,4,5,6,8−ペンタアザエースナフチレン−3−アミン,1,5−ジヒドロ−5−メチル−1−β−D−リボフラノシルとしても知られているトリシリビン;KP372−1(QLT394)。
【0091】
vi.アルキル化剤;DNAのアルキル化を引き起こしてDNA分子を破壊するもの、ならびに二本鎖と架橋してDNA複製およびRNA転写に干渉するもの、例えばクロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン、エストラムスチン;ニトロソウレア、例えばカルムスチン、フォテムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン(ストレプトゾシン、STZ)、BCNU;Gliadel;デカルバジン、例えば塩酸塩形のメクロレタミン、例えば塩酸塩形のプロカルバジン、チオテパ、テモゾロミド、窒素マスタード、ミトマイシン、アルトレタミン、ブスルファン、エストラムスチン、ウラムスチン。シクロホスファミドは例えば、CYCLOSTIN(登録商標)の商標名で;イフォスファミドはHOLOXAN(登録商標)として、テモゾロミドはTEMODAR(登録商標)として、窒素マスタードはMUSTARGEN(登録商標)として、エストラムスチンはEMYCT(登録商標)として、ストレプトゾシンはZANOSAR(登録商標)として、例えば市販されている形態で投与することができる。
【0092】
vii.血管新生阻害剤;新血管形成を標的とし、減少させまたは阻害するもの、例えばメチオニンアミノペプチダーゼ−2(MetAP−2)、マクロファージ炎症性タンパク質−1(MIP−1アルファ)、CCL5、TGF−ベータ、リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼおよびトポイソメラーゼを標的とするもの、またはp21、p53、CDK2およびコラーゲン合成酵素を間接的に標的とするもの、例えば2,4,6,8−デカテトラエンジオン酸モノ[(3R,4S,5S,6R)−5−メトキシ−4−[(2R,3R)−2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2.5]オクト−6−イル]エステル,(2E,4E,6E,8E)−(9CI)としても知られているフマギリン;1,4−ナフタレンジオン,5,8−ジヒドロキシ−2−[(1R)−1−ヒドロキシ−4−メチル−3−ペンテニル]−(9CI)としても知られているシコニン;安息香酸2−[[3−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−オキソ−2−プロペニル]アミノ]としても知られているトラニラスト;ウルソール酸;スラミン;ベンガミドまたはその誘導体、サリドマイド、TNP−470。
【0093】
viii.抗アンドロゲン剤;正常および悪性前立腺組織の増殖を刺激する副腎および睾丸臓器のアンドロゲン作用を阻止するもの、例えばニルタミド;ビカルタミド(CASODEX(登録商標))、これは例えばUS4636505に記載の通りに製剤することができる。
【0094】
ix.抗エストロゲン剤;エストロゲン受容体レベルでエストロゲンの効果に拮抗するもの、例えばエストロゲン生産、すなわち基質のアンドロステンジオンおよびテストステロンのエストロンおよびエストラジオールへの変換をそれぞれ阻害する、アロマターゼインヒビター、
例えばアタメスタン、エキセメスタン、フォルメスタン、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、アタメスタン、エキセメスタン、フォルメスタン、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、トレミフェン;ビカルタミド;フルタミド;タモキシフェン、タモキシフェンサイトレート;タモキシフェン;フルベストラント;ラロキシフェン、ラロキシフェンヒドロクロライド。タモキシフェンは例えば市販されている形態、例えばNOLVADEX(登録商標)で;そしてラロキシフェンヒドロクロライドはEVISTA(登録商標)として市販されている形態で投与することができる。フルベストラントはUS4659516に記載されている通りに製剤することができ、FASLODEX(登録商標)として市販されている。
x.抗高カルシウム血症剤;高カルシウム血症の処置に使用するもの、例えばガリウム(III)ナイトレート水和物;およびパミドロネートジナトリウム。
【0095】
xi.代謝拮抗剤;DNAの合成を阻害または妨害して細胞死をもたらすもの、例えば葉酸、例えばメトトレキサート、ペメトレキセド、ラルチトレキセド;プリン、例えば6−メルカプトプリン、クラドリビン、クロファラビン;フルダラビン、チオグアニン(チオグアニン)、6−チオグアニン、ネララビン(化合物506)、チアゾフリン(イノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼおよびグアノシントリホスフェートプールを阻害する)、ペントスタチン(デオキシコフォルマイシン);シタラビン;フレクスウリジン;フルオロウラシル;5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン(5−FUdR)、カペシタビン;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシウレア(例えばHydrea(登録商標));DNA脱メチル化剤、例えば5−アザシチジン(Vidaza(登録商標))およびデシタビン;フルオロメチレンデオキシシチジン(FmdC)、5−アザ−2’−デオキシシチジン、トロキサシタビン(シトシンアナログL−異性体)、エダトレキサート。カペシタビンおよびゲムシタビンは、例えばXELODA(登録商標)およびGEMZAR(登録商標)のような市販の形態で投与することができる。
xii.アポトーシス誘導剤;細胞死を導く通常の細胞の連続事象を誘導するもの、例えば哺乳類アポトーシスタンパク質XIAPの選択的誘導性X架橋阻害剤、または例えば下方制御BCL−xL;例えばエタノール、2−[[3−(2,3−ジクロロフェノキシ)プロピル]アミノ];ガンボギ酸;2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン,2,5−ジヒドロキシ−3−ウンデシル−(9CI)としても知られているエムベリン;亜ヒ酸(TRISENOX(登録商標))。
【0096】
xiii.オーロラキナーゼ阻害剤;G2/Mチェックポイントから有糸分列チェックポイントおよび分裂後期までの全体の細胞サイクル後期を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばメタンイミドアミド、N’−[1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−5−イル]−N,N−ジメチル−(9CI)としても知られているビヌクレイン2。
xiv.ブルートン(Bruton)チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤;ヒトおよびマウスB細胞成長を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばテルレ酸(terreic acid)。
xv.カルシニューリン阻害剤;T細胞活性化経路を標的とし、減少させまたは阻害するもの、例えばシクロプロパンカルボン酸、3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチル−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステルとしても知られているシペルメトリン;プロパンカルボン酸、3−(2,2−ジブロモエテニル)−2,2−ジメチル−(S)−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル,(1R,3R)としても知られているデルタメトリン;ベンゼン酢酸、4−クロロ−α−(1−メチルエチル)−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステルとしても知られているフェンバレレート;およびチルホスチン8;ただしシクロスポリンまたはFK506を除く。
【0097】
xvi.CaMキナーゼII阻害剤;CaMキナーゼを標的とし、減少させまたは阻害するもの;これはホスホリラーゼキナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼ、およびCaMキナーゼI−IVを含む構造的に関連する酵素群を構成する;例えば5−イソキノリンスルホン酸、4−[(2S)−2−[(5−イソキノリニルスルホニル)メチルアミノ]−3−オキソ−3−(4−フェニル−1−ピペラジニル)プロピル]フェニルエステル(9CI);ベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ。
xvii.CD45チロシンホスファターゼ阻害剤;多様な炎症性および免疫障害の処置に有用である、Srcファミリータンパク質チロシンキナーゼの脱リン酸化制御pTyr残基を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばホスホン酸、[[2−(4−ブロモフェノキシ)−5−ニトロフェニル]ヒドロキシメチル]。
xviii.CDC25ホスファターゼ阻害剤;腫瘍において過剰に発現した脱リン酸サイクリン依存性キナーゼを標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えば1,4−ナフタレンジオン、2,3−ビス[(2−ヒドロエチル)チオ]。
【0098】
xix.CHKキナーゼ阻害剤;抗アポトーシスタンパク質Bcl−2の過剰発現を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばデブロモヒメニアルジシン(hymenialdisine)。CHKキナーゼ阻害剤の標的はCHK1および/またはCHK2である。
xx.ゲニステイン、オロムシンおよび/またはチルホスチンを制御する調節薬剤;例えば4H−1−ベンゾピラン−4−オンとして知られているダイゼイン、7−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル);イソオロモウシンおよびチルホスチン1。
xxi.シクロオキシゲナーゼ阻害剤;例えばCox−2阻害剤;酵素Cox−2(シクロオキシゲナーゼ−2)を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えば1H−インドール−3−アセトアミド、1−(4−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−N−(2−フェニルエチル);5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えばセレコキシブ(CELEBREX(登録商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(登録商標))、エトリコキシブ、バルデコキシブ;または5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブ;およびセレコキシブ。
【0099】
xxii.cRAFキナーゼ阻害剤;E−セレクチンおよびTNFによって誘導される血管接着分子−1の上方制御を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えば3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロインドール−2−オン;およびベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]。Rafキナーゼは、細胞分化、増殖およびアポトーシスにおける細胞外シグナル制御キナーゼとして重要な役割を果たす。cRAFキナーゼ阻害剤の標的にはRAF1が含まれるが、これに限定されない。
【0100】
xxiii.サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;哺乳類細胞サイクルの制御に関与するサイクリン依存性キナーゼを標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばN9−イソプロピル−オロモウシン;オロモウシン;安息香酸、2−クロロ−4−[[2−[[(1R)−1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル]アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−6−イル]アミノ]−(9CI)としても知られているプルバラノールB;ロアスコビチン;2H−インドール−2−オン,3−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドール−2−イリデン)−1,3−ジヒドロ−(9CI)としても知られているインジルビン;インドロ[3,2−d][1]ベンズアゼピン−6(5H)−オン,9−ブロモ−7,12−ジヒドロ−(9CI)としても知られているケンパウロン;1−ブタノール、2−[[6−[(3−クロロフェニル)アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]−3−メチル−(2R)−(9CI)としても知られているプルバラノールA;インジルビン−3’−モノオキシム。細胞サイクル進行は、サイクリン依存性キナーゼ(Cdk)およびサイクリンの活性化ならびに続く不活性化を含む一連の連続事象によって制御される。Cdkは、活性ヘテロダイマー複合体とそれらの制御サブユニット、サイクリンが結合することによって形成されるセリン/スレオニンキナーゼ群である。サイクリン依存性キナーゼ阻害剤の標的の例には、CDK、AHR、CDK1、CDK2、CDK5、CDK4/6、GSK3ベータおよびERKが含まれるが、これらに限定されない。
【0101】
xxiv.システインプロテアーゼ阻害剤;哺乳類細胞代謝回転およびアポトーシスに極めて重要な役割を果たすシステインプロテアーゼを標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えば4−モルホリンカルボキサミド,N−[(1S)−3−フルオロ−2−オキソ−1−(2−フェニルエチル)プロピル]アミノ]−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチル]。
xxv.DNA挿入剤;DNAと結合してDNA、RNAおよびタンパク質合成を阻害するもの;例えばプリカマイシン、デクチノマイシン。
【0102】
xxvi.DNA螺旋崩壊剤;DNA螺旋切断を引き起こして、DNA合成を阻害し、RNAおよびタンパク質合成を阻害するもの;例えばブレオマイシン。
xxvii.E3リガーゼ阻害剤;プロテアソームにおける分解のためにそれらをマーキングするユビキチン鎖のタンパク質への転移を阻害するE3リガーゼを標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばN−((3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル)プロピオニル)スルファニルアミド。
xxviii.内分泌系ホルモン;主に下垂体で作用することによってオスのホルモンの抑制(正味の影響はテストステロンの去勢レベルへの減少である)を引き起こし、メスにおいては卵巣エストロゲンおよびアンドロゲン合成を阻害するもの;例えばロイプロリド;メゲストロール、酢酸メゲストロール。
【0103】
xxix.上皮増殖因子ファミリー受容体チロシンキナーゼ(ホモまたはヘテロダイマーとしてのEGFR、ErbB2(HER−2)、ErbB3、ErbB4)の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、例えばEGF受容体チロシンキナーゼ群、例えばEGF受容体、ErbB1、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害するか、またはEGFもしくはEGF関連リガンドと結合する化合物、タンパク質または抗体、および特に、一般的かつ具体的に下記のものに記載の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体:WO 9702266、例えば実施例39の化合物、EP0564409、WO9903854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5747498、WO9810767、WO9730034、WO9749688、WO9738983、および特に、WO9630347、例えばCP358774と知られている化合物、WO9633980、例えばZD1839と知られている化合物;およびWO9503283、例えばZM105180(Zemab(登録商標))と知られている化合物、例えば二重作用チロシンキナーゼ阻害剤(ErbB1およびErbB2)ラパチニブ(GSK572016)、例えばラパチニブジトシレート;パニツズマブ、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、イレッサ、OSI−774、CI1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3、7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体、例えばWO03013541に開示のもの、エルロチニブ、ゲフィチニブ。エルロチニブは例えばTARCEVA(登録商標)として、そしてゲフィチニブはIRESSA(登録商標)として、市販されている形態で投与することができる。上皮増殖因子受容体に対するヒトモノクローナル抗体には、ABX−EGFRが含まれる。
【0104】
xxx.EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;例えばEGFRキナーゼ阻害剤、例えばザルツムマブ、チルホスチン23、チルホスチン25、チルホスチン47、チルホスチン51およびAG825;2−プロペンアミド、2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−N−フェニル−(2E);チルホスチンAg1478;ラベンズスチンA;3−ピリジンアセトニトリル、α−[(3,5−ジクロロフェニル)メチレン]−、(αZ);EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例には、例えばチルホスチン46が含まれる。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤にはチルホスチン46が含まれる。EGFRキナーゼ阻害剤の標的には、グアニリルシクラーゼ(GC−C)、HER2、EGFR、PTKおよびチューブリンが含まれる。
【0105】
xxxi.ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;Rasタンパク質を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばa−ヒドロキシファルネシルホスホン酸;ブタン酸、2−[[(2S)−2−[[(2S,3S)−2−[[(2R)−2−アミノ−3−メルカプトプロピル]アミノ]−3−メチルペンチル]オキシ]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]アミノ]−4−(メチルスルホニル)−,1−メチルエチルエステル、(2S);マヌマイシンA;L−744,832またはDK8G557、チピファルニブ(R115777)、SCH66336(ロナファルニブ)、BMS−214662、
xxxii.Flk−1キナーゼ阻害剤;Flk−1チロシンキナーゼ活性を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えば2−プロペンアミド、2−シアノ−3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−N−(3−フェニルプロピル)−(2E)。Flk−1キナーゼ阻害剤の標的にはKDRが含まれるが、これに限定されない。
【0106】
xxxiii.グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)阻害剤;グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばインジルビン−3’−モノオキシム。高度に保存され、偏在的に発現しているセリン/スレオニンタンパク質キナーゼであるグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK−3;タウタンパク質キナーゼI)は、多数の細胞プロセスのシグナル変換カスケードに関与する。タンパク質キナーゼは、タンパク質合成、細胞増殖、細胞分化、微小管凝集/解離、およびアポトーシスを含む様々な細胞機能アレイの制御に関与することが示されている。
【0107】
xxxiv.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤;ヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖性活性を有するもの;例えばWO0222577に記載の化合物、特にN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、およびN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、およびそれらの薬学的に許容される塩;スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA);[4−(2−アミノ−フェニルカルバモイル)−ベンジル]−カルバミン酸ピリジン−3−イルメチルエステルおよびその誘導体;ブチル酸、ピロキサミド、トリコスタチンA、オキサムフラチン、アピシジン、デプシペプチド;デプデシン;トラポキシン、シクロ[L−アラニル−D−アラニル−(□S,2S)−□−アミノ−□−オキソオキシランオクタノイル−D−プロリル](9CI)としても知られているHCトキシン;フェニルブチレートナトリウム、スベロイルビス−ヒドロキサム酸;トリコスタチンA、BMS−27275、ピロキサミド、FR−901228、バルプロン酸、PXD101、Savicol(登録商標)。
【0108】
xxxv.HSP90阻害剤;HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とし、減少させまたは阻害するもの;HSP90クライアントタンパク質をユビキチンプロテアーゼ経路を介して分解する、標的とし、減少させまたは阻害するもの。HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物は、特にHSP90のATPアーゼ活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば17−アリルアミノ,17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラジシコールおよびHDAC阻害剤である。HSP90阻害剤の他の例には、ゲルダナマイシン、17−デメトキシ−17−(2−プロペニルアミノ)が含まれる。HSP90阻害剤の潜在的な間接標的には、FLT3、BCR−ABL、CHK1、CYP3A5*3および/またはNQ01*2が含まれる。ニロチニブはBCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤の例である。
【0109】
xxxvi.I−カッパB−アルファキナーゼ阻害剤(IKK);NF−カッパBを標的とし、減少させまたは阻害するもの、例えば2−プロペンニトリル、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−(2E)。
xxxvii.インスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ、微小管関連タンパク質、およびS6キナーゼの活性を調節するもの;例えばヒドロキシル−2−ナフタレニルメチルホスホン酸、LY294002。
xxxviii.c−Jun N末端キナーゼ(JNK)キナーゼ阻害剤;Jun N末端キナーゼを標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばピラゾールアントロンおよび/またはエピガロカテキンガラート。Jun N末端キナーゼ(JNK)、セリン指向タンパク質キナーゼは、リン酸化およびc−JunおよびATF2の活性化に関与し、そして代謝、増殖、細胞分化およびアポトーシス代謝における重要な役割を有する。JNKキナーゼ阻害剤の標的は、DNMTが含まれるが、これに限定されない。
【0110】
xxxix.微小管結合剤;有糸分列および中間期細胞機能に必須である微小管ネットワークの阻止によって作用するもの;例えばビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン;ビンクリスチン、硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;ビノレルビン;タキサン類、例えばタキサン、例えばドセタキセル;パクリタキセル;ディスコデルモリド;コルヒチン、エポチロンおよびその誘導体、例えばエポチロンBまたはその誘導体。パクリタキセルはTAXOL(登録商標)として;ドセタキセルは例えばTAXOTERE(登録商標);硫酸ビンブラスチンは例えばVINBLASTIN R.P(登録商標);そして硫酸ビンクリスチンは例えばFARMISTIN(登録商標)として市販されている。また、パクリタキセルのガレヌス製剤およびパクリタキセルの様々な形態が含まれる。パクリタキセルのガレヌス製剤には、塩酸ベタキソロールが含まれるが、これに限定されない。パクリタキセルの様々な投与形態には、ABRAXANE(登録商標)として市販されているアルブミンナノパーティクルパクリタキセル;ONXOL(登録商標)、CYTOTAX(登録商標)が含まれるが、これらに限定されない。ディスコデルモリドは例えばUS5010099に記載の通りに得ることができる。また、US6194181、WO98/0121、WO9825929、WO9808849、WO9943653、WO9822461およびWO0031247に記載のエポチロン誘導体を含む。エポチロンAおよび/またはBが特に好ましい。
【0111】
xl.マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ阻害剤;マイトジェン活性化タンパク質を標的とし、減少させまたは阻害するもの、例えばベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ。マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼは、様々な細胞外刺激に応答して活性化され、細胞表面から核へのシグナル伝達を仲介するタンパク質セリン/スレオニンキナーゼのグループである。それらは、炎症、アポトーシス性細胞死、発がん遺伝子形性、腫瘍細胞侵襲および転移を含む様々な生理的および病的細胞減少を制御する。
【0112】
xli.MDM2阻害剤;MDM2とp53腫瘍サプレッサーの相互作用を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばトランス−4−ヨード,4’−ボラニル−カルコン。
xlii.MEK阻害剤;MAPキナーゼMEKのキナーゼ活性を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばソラフェニブ、例えばNexavar(登録商標)(ソラフェニブトシレート)、ブタンジニトリル、ビス[アミノ[2−アミノフェニル)チオ]メチレン]。MEK阻害剤の標的には、ERKが含まれるが、これに限定されない。MEK阻害剤の間接的な標的には、サイクリンD1が含まれるが、これに限定されない。
【0113】
xliii:マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMP)阻害剤;ポリペプチド結合の加水分解を選択的に触媒するプロテアーゼ酵素のクラス(腫瘍周辺の組織構造の喪失を促進し、腫瘍増殖、血管新生および転移を促進する酵素MMP−2およびMMP−9を含む)を標的とし、減少させまたは阻害するもの、例えばブタンジアミド、N−4−ヒドロキシ−N1−[(1S)−1−[[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジニル]カルボニル]−2−メチルプロピル]−2−ペンチル−、(2R)−(9CI)としても知られているアクチノニン;エピガロカテキンガラート;コラーゲンペプチド模倣物、および非ペプチド模倣阻害剤;テトラサイクリン誘導体、例えばヒドロキサメートペプチド模倣阻害剤、バチマスタット;およびその経口的に生物利用可能なアナログ、マリマスタット、プリマスタット、メタスタット、ネオバスタット、タノマスタット、TAA211、BMS−279251、BAY12−9566、MMI270BまたはAAJ996。MMP阻害剤の標的には、ポリペプチドデホルミラーゼが含まれるが、これに限定されない。
【0114】
xliv.NGFRチロシンキナーゼ阻害剤;神経増殖因子依存性p140c−trkチロシンリン酸化反応を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばチルホスチンAG879。NGFRチロシンキナーゼ阻害剤の標的には、HER2、FLK1、FAK、TrkA、および/またはTrkCが含まれるが、これらに限定されない。間接的標的はRAF1の発現を阻害する。
xlv.SAPK2/p38キナーゼ阻害剤を含むp38MAPキナーゼ阻害剤;MAPK群であるp38−MAPKを標的とし、減少させまたは阻害するもの、例えばフェノール、4−[4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)−1H−イミダゾール−2−イル]。SAPK2/p38キナーゼ阻害剤の例には、ベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]が含まれるが、これに限定されない。MAPK群は、チロシンおよびスレオニン残基のリン酸化によって活性化されるセリン/スレオニンキナーゼである。このキナーゼは、様々な細胞ストレスおよび炎症性刺激によってリン酸化および活性化され、アポトーシスおよび炎症性応答のような重要な細胞応答の制御に関与すると考えられている。
【0115】
xlvi.p56チロシンキナーゼ阻害剤;T細胞発生および活性化に重要なリンパ特異的srcファミリーチロシンキナーゼである、p56チロシンキナーゼを標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えば2−アントラセンカルボキシアルデヒド,9,10−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−1メトキシ−9,10−ジオキソ、Tyrphostin46としても知られているダムナカンタール(damnacanthal)。p56チロシンキナーゼ阻害剤の標的はLckであるが、これに限定されない。LckはCD4、CD8およびIL−2受容体のベータ鎖の細胞質ドメインに関係し、TCR介在性T細胞活性化の初期段階に関与すると考えられている。
【0116】
xlvii.PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;C−kit受容体チロシンキナーゼ(PDGFRファミリーの一部)の活性を標的とし、減少させまたは阻害するもの、例えばc−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、減少させまたは阻害するもの、特にc−Kit受容体を阻害するもの。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤(例えばチルホスチンAG1296;チルホスチン9;1,3−ブタジエン−1,1,3−トリカルボニトリル,2−アミノ−4−(1H−インドール−5−イル);N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、IRESSA(登録商標))の標的の例には、PDGFR、FLT3および/またはc−KITが含まれるが、これらに限定されない。PDGFは細胞増殖、走化性、および正常細胞における生存の制御、ならびにがん、アテローム性動脈硬化症、および繊維性疾患のような様々な疾患状態において重要な役割を果たしている。PDGFファミリーは二量体アイソフォーム(PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CC、およびPDGF−DD)を構成し、これは2個の受容体チロシンキナーゼと差次的に結合することによって細胞効果を発揮する。PDGFR−αおよびPDGFR−βはそれぞれ170および180kDaの分子量を有する。
【0117】
xlviii.ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤;PI 3キナーゼを標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えば3H−フロ[4,3,2−デ]インデノ[4,5−h]−2−ベンゾピラン−3,6,9−トリオン,11−(アセチルオキシ)−1,6b,7,8,9a,10,11,11b−オクタヒドロ−1−(メトキシメチル)−9a,11b−ジメチル−,(1S,6bR,9aS,11R,11bR)−(9CI)としても知られているウォルトマンニン(wortmannin);8−フェニル−2−(モルホリン−4−イル)−クロメン−4−オン;クエルセチン、クエルセチン2水和物。PI 3キナーゼ活性は、インスリン、血小板由来増殖因子、インスリン様増殖因子、上皮増殖因子、コロニー刺激因子および肝細胞増殖因子を含むホルモンおよび増殖因子に応答して増加し、そして細胞増殖および形質転換に関連するプロセスに関与することが示されている。ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤の標的の例にはPi3Kが含まれるが、これに限定されない。
【0118】
xlix.ホスファターゼ阻害剤;ホスファターゼを標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばカンタリド酸;カンタリジン;およびL−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−(E)。ホスファターゼはホスホリル基を除去して元の脱リン酸化状態にタンパク質を復元する。したがって、リン酸化−脱リン酸サイクルは分子の「オン−オフ」スイッチと見なすことができる。
【0119】
l.プラチナ薬剤;白金を含み、ストランド内およびストランド間にDNA分子の架橋を形成することによってDNA合成を阻害するもの;例えばカルボプラチン;シスプラチン;オキサリプラチン;シスプラチナム;サトラプラチンおよびプラチナ薬剤、例えばZD0473、BBR3464。カルボプラチンは例えば、CARBOPLAT(登録商標)として;そしてオキサリプラチンはELOXATIN(登録商標)として、例えば市販されている形態で投与することができる。
【0120】
li.PP1およびPP2阻害剤ならびにチロシンホスファターゼ阻害剤を含むタンパク質ホスファターゼ阻害剤;タンパク質ホスファターゼを標的とし、減少させまたは阻害するもの。PP1およびPP2A阻害剤の例には、カンタリド酸および/またはカンタリジンが含まれる。チロシンホスファターゼ阻害剤の例には、L−P−ブロモテトラミソールオキサレート;2(5H)−フラノン4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−(1−オキソヘキサデシル)−,(5R);およびベンジルホスホン酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0121】
用語「PP1およびPP2阻害剤」は、本明細書において使用するとき、Ser/Thrタンパク質ホスファターゼを標的とし、減少させまたは阻害する化合物に関する。PP1を含むI型ホスファターゼは、阻害剤−1(I−1)および阻害剤−2(I−2)として知られている2個の熱安定タンパク質によって阻害され得る。それらは、ホスホリラーゼキナーゼのサブユニットを主として脱リン酸化する。II型ホスファターゼはホスファターゼのクラス、自発的に活性な(PP2A)、CA2+依存性(PP2B)、およびMg2+依存性(PP2C)に分類される。
【0122】
用語「チロシンホスファターゼ阻害剤」は、本明細書において使用するとき、チロシンホスファターゼを標的とし、減少させまたは阻害するものに関する。タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)は比較的最近ホスファターゼ群に加えられている。それらはタンパク質のリン酸化チロシン残基からリン酸基を除去する。PTPは様々な構造的特徴を示し、細胞増殖、分化、細胞接着および運動性、ならびに細胞骨格機能に重要な役割を果たしている。チロシンホスファターゼの標的の例には、アルカリホスファターゼ(ALP)、ヘパラナーゼ、PTPアーゼ、および/またはプロスタト酸ホスファターゼを含むが、これらに限定されない。
【0123】
lii.PKC阻害剤およびPKCデルタキナーゼ阻害剤:用語「PKC阻害剤」は、本明細書において使用するとき、タンパク質キナーゼおよびアイソザイムを標的とし、減少させまたは阻害する化合物に関する。偏在性リン脂質依存性酵素であるタンパク質キナーゼC(PKC)は、細胞増殖、分化およびアポトーシスに関係するシグナル伝達に関与する。PKC阻害剤の標的の例にはMAPKおよび/またはNF−カッパBが含まれるが、これらに限定されない。PKC阻害剤の例には、1−H−ピロロ−2,5−ジオン,3−[1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドール−3−イル]−4−(1H−インドール−3−イル);ビスインドリルマレイミドIX;4−オクタデセン−1,3−ジオール,2−アミノ−,(2S,3R,4E)−(9CI)として知られているスフィンゴシン;9,13−エポキシ−1H,9H−ジインドロ[1,2,3−gh:3’,2’,1’−lm]ピロロ[3,4−j][1,7]ベンゾジアゾニン−1−オンとして知られているスタウロスポリン、例えばEP0296110に記載されているスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリン;2,3,10,11,12,13−ヘキサヒドロ−10−メトキシ−9−メチル−11−(メチルアミノ)−,(9S,10R,11R,13R)−(9CI);チルホスチン51;およびフェナントロ[1,10,9,8−opqra]ペリレン−7,14−ジオン,1,3,4,6,8,13−ヘキサヒドロキシ−10,11−ジメチル−,立体異性体(6CI,7CI,8CI,9CI)としても知られているハイペリシン、UCN−01,サフィンゴル、BAY43−9006、ブリオスタチン1、ペリフォシン;ルモフォシン;RO 318220およびRO 320432;GO 6976;Isis 3521;LY333531/LY379196が含まれるが、これらに限定されない。用語「PKCデルタキナーゼ阻害剤」は、本明細書において使用するとき、PKCのデルタアイソザイムを標的とし、減少させまたは阻害する化合物に関する。デルタアイソザイムは常套のPKCアイソザイムであり、Ca2+依存性である。PKCデルタキナーゼ阻害剤の例には、2−プロペン−1−オン,1−[6−[(3−アセチル−2,4,6−トリヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−5,7−ジヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−8−イル]−3−フェニル−(2E)−(9CI)としても知られているRottlerinが含まれるが、これらに限定されない。
【0124】
liii.ポリアミン合成阻害剤;ポリアミンスペルミジンを標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えば(−)−2−ジフルオロメチルオルニチンとしても知られているDMFO;N1,N12−ジエチルスペルミン4HCl。ポリアミンスペルミジンおよびスペルミンは細胞増殖にとって極めて重要であるが、それらの正確なメカニズムは不明である。腫瘍細胞は、生合成酵素の活性上昇および上昇したポリアミンプールを反映した、変化したポリアミンホメオスタシスを有する。
【0125】
liv.プロテオソーム阻害剤;プロテオソームを標的とし、減少させまたは阻害するもの、例えばアクラシノマイシンA;グリオトキシン;PS−341;MLN341;ブルテゾミブ;ベルケード。プロテオソーム阻害剤の標的の例には、O(2)(−)−産生NADPHオキシダーゼ、NF−カッパB、および/またはファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルトランスフェラーゼIが含まれるが、これらに限定されない。
lv.PTP1B阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤であるPTP1Bを標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばL−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−(E)。
lvi.SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤を含むタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;Sykチロシンキナーゼ阻害剤;およびJAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤;
【0126】
用語「タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤」は、本明細書において使用するとき、タンパク質チロシンキナーゼを標的とし、減少させまたは阻害する化合物に関する。タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)は、細胞増殖、分化、代謝、移動および生存の制御に重要な役割を果たしている。それらは受容体PTKと非受容体PTKに分類される。受容体PTKは膜貫通セグメントを有する1個のポリペプチド鎖を含む。このセグメントの細胞外末端は高親和性リガンド結合ドメインを含むが、細胞質末端は触媒核および制御配列を含む。チロシンキナーゼ阻害剤の標的の例には、ERK1、ERK2、ブルートンチロシンキナーゼ(Btk)、JAK2、ERK1/2、PDGFR、および/またはFLT3が含まれるが、これらに限定されない。間接的標的の例には、TNFアルファ、NO、PGE2、IRAK、iNO、ICAM−1、および/またはE−セレクチンが含まれるが、これらに限定されない。チロシンキナーゼ阻害剤の例には、チルホスチンAG126;チルホスチンAg1288;チルホスチンAg1295;ゲルダナマイシン;およびゲニステインが含まれるが、これらに限定されない。
【0127】
非受容体チロシンキナーゼには、Src、Tec、JAK、Fe、Abl、FAK、Csk、およびSyk群が含まれる。それらは細胞質および核に局在している。それらは異なるキナーゼ制御、基質リン酸化および機能を示す。これらのキナーゼの脱制御は、様々なヒト疾患ともリンクしている。
用語「SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤」は、本明細書において使用するとき、SRCを標的とし、減少させまたは阻害する化合物に関する。SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤の例には、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン,1−(1,1−ジメチルエチル)−3−(1−ナフタレニル)−(9CI)としても知られているPP1;および1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン,3−(4−クロロフェニル)−1−(1,1−ジメチルエチル)−(9CI)としても知られているPP2が含まれるが、これらに限定されない。
【0128】
用語「Sykチロシンキナーゼ阻害剤」は、本明細書において使用するとき、Sykを標的とし、減少させまたは阻害する化合物に関する。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の標的の例には、Syk、STAT3、および/またはSTAT5が含まれるが、これらに限定されない。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の例には、1,2−ベンゼンジオール,4−[(1E)−2−(3,5−ジヒドロキシフェニル)エテニル]−(9CI)としても知られているピセアタンノール(piceatannol)が含まれるが、これらに限定されない。
【0129】
用語「Janus(JAK−2および/またはJAK−3)チロシンキナーゼ阻害剤」は、本明細書において使用するとき、ヤヌス(janus)チロシンキナーゼを標的とし、減少させまたは阻害する化合物に関する。Janusチロシンキナーゼ阻害剤は、抗血栓、抗アレルギーおよび免疫抑制特性を有する抗白血病薬剤を示す。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の標的には、JAK2、JAK3、STAT3が含まれるが、これらに限定されない。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の間接的な標的には、CDK2が含まれるが、これらに限定されない。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の例には、Tyrphostin AG490;および2−ナフチルビニルケトンが含まれるが、これらに限定されない。
c−Abl群およびそれらの遺伝子融合生成物の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物には、例えばPD180970;AG957;またはNSC680410が含まれる。
【0130】
lvii.レチノイド;レチノイド依存性受容体を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えばイソトレチノイン、トレチノイン、アリトレチノリン、ベキサロテン, 例えばDNAのレチノイン酸応答成分と相互作用する薬剤、例えばイソトレチノイン(13−cis−レチノイン酸)。
lviii.RNAポリメラーゼII伸長阻害剤;CHO細胞におけるインスリン刺激性核および細胞質p70S6キナーゼを標的とし、減少させまたは阻害する;およびウシ卵母細胞において卵核胞崩壊を標的とし、減少させまたは阻害するもの;例えば5,6−ジクロロ−1−ベータ−D−リボフラノシルベンゾイミダゾール。
【0131】
lvix.セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;セリン/スレオニンキナーゼを阻害するもの;例えば2−アミノプリン。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の標的の例には、dsRNA依存性タンパク質キナーゼ(PKR)が含まれるが、これに限定されない。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の間接的な標的の例には、MCP−1、NF−カッパB、elF2アルファ、COX2、RANTE、IL8、CYP2A5、IGF−1、CYP2B1、CYP2B2、CYP2H1、ALAS−1、HIF−1、エリスロポイエチン、および/またはCYP1A1が含まれるが、これらに限定されない。
lx.ステロール生合成阻害剤;コレステロールのようなステロールの生合成を阻害するもの;例えばテルビナジン。ステロール生合成阻害剤の標的の例には、スクアレンエポキシダーゼ、およびCYP2D6が含まれるが、これらに限定されない。
【0132】
lxi.トポイソメラーゼ阻害剤;トポイソメラーゼI阻害剤およびトポイソメラーゼII阻害剤を含む。トポイソメラーゼI阻害剤の例には、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテカンおよびそのアナログ、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトテシン結合PNU−166148(WO9917804の化合物A1);10−ヒドロキシカンプトテシン、例えばその酢酸塩;イダルビシン、例えばその塩酸塩;イリノテカン、例えばその塩酸塩;エトポシド;テニポシド;トポテカン、トポテカン塩酸塩;ドキソルビシン;エピルビシン、塩酸エピルビシン;4’−エピドキソルビシン、ミトキサントロン、例えば塩酸ミトキサントロン;ダウノルビシン、塩酸ダウノルビシン、バルルビシン、ダサチニブ(BMS−354825)が含まれるが、これらに限定されない。イリノテカンは例えば、CAMPTOSAR(登録商標)の商品名で、例えば市販されている形態で投与することができる。トポテカンは例えば、HYCAMTIN(登録商標)の商品名で、例えば市販されている形態で投与することができる。用語「トポイソメラーゼII阻害剤」は、本明細書において使用するとき、アントラサイクリン、例えばリポソーム製剤を含むドキソルビシン、例えばCAELYX(登録商標)、リポソーム製剤を含むダウノルビシン、例えばDAUNOSOME(登録商標)、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン;アントラキノンミトキサントロンおよびロソキサントロン;およびポドフィロトキシンエトポシドおよびテニポシドが含まれるが、これらに限定されない。エトポシドはETOPOPHOS(登録商標)として;テニポシドはVM26−BRISTOL(登録商標)として;ドキソルビシンはADRIBLASTIN(登録商標)またはADRIAMYCIN(登録商標)として;エピルビシンはFARMORUBICIN(登録商標)として;イダルビシンはZAVEDOS(登録商標)として;そしてミトキサントロンはNOVANTRON(登録商標)として、市販されている。
【0133】
lxii.VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤;正常および病的血管新生の調節に関与する既知の血管形成増殖因子およびサイトカインを標的とする、減少するおよび/または阻害するもの。VEGFファミリー(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D)およびそれらの対応する受容体チロシンキナーゼ[VEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(Flk−1、KDR)、およびVEGFR−3(Flt−4)]は、血管形成およびリンパ管形成プロセスの多くの局面で極めて重要かつ必須の役割を果たしている。VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例には、3−(4−ジメチルアミノベンジリデニル)−2−インドリノンが含まれる。VEGFRの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物は、とりわけVEGF受容体チロシンキナーゼを阻害する、VEGF受容体を阻害する、もしくはVEGFと結合する化合物、タンパク質または抗体であり、そしてとりわけ、WO9835958に一般的かつ具体的に記載の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体、例えば1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその薬学的に許容される塩、例えばコハク酸塩、またはWO0009495、WO0027820、WO0059509、WO9811223、WO0027819およびEP0769947に記載のもの;例えばM. Prewett et al の Cancer Research 59 (1999) 5209-5218、F. Yuan et al の Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 93, pp. 14765-14770, Dec. 1996、Z. Zhu et al の Cancer Res. 58,1998,3209-3214、および J. Mordenti et al の Toxicologic Pathology, Vol. 27, no. 1, pp 14-21,1999に記載のもの;WO0037502およびWO9410202に記載のもの; M. S. O’Reilly et al の Cell 79,1994,315-328に記載のアンギオスタチン; M. S. O’Reilly et al の Cell 88,1997,277-285に記載のエンドスタチン;アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474(バンデタニブ);SU5416;SU6668、AZD2171(Recentin(登録商標));または抗VEGF抗体、例えばVEGFアルファ抗体タニビズマブ(Lucentis(登録商標))または抗VEGF受容体抗体、例えばRhuMab(ベバシズマブ、Avastin(登録商標))である。抗体とは、インタクトのモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2個の無傷の抗体から形成される多特異的な抗体、および記載の生物学的活性を示す程度の長さの抗体フラグメントを意味する。VEGF−R2阻害剤の例には、例えばアクシチニブが含まれる。
【0134】
lxiii.ゴナドレリンアゴニスト、例えばアバレリクス、ゴセレリン、酢酸ゴセレリン、
lxiv.細胞分化プロセスを誘導する化合物、例えばレチノイン酸、アルファ−、ガンマ−もしくは8−トコフェロール、またはアルファ−、ガンマ−または8−トコトリエノール。
lxv.ビスホスホネート、例えばエトリドン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸。
lxvi.ヘパラン硫酸分解を阻止するヘパラナーゼ阻害剤、例えばPI−88、
lxvii.生物学的応答調節剤、好ましくはリンホカインまたはインターフェロン、例えばインターフェロンアルファ、
lxviii.テロメラーゼ阻害剤、例えばテロメスタチン、
lxix.メディエーター、例えばカテコール−O−メチルトランスフェラーゼの阻害剤、例えばエンタカポン、
lxx:イスピネシブ、ペルメトレキシド(Alimta(登録商標))、スニチニブ(SU11248)、ジエチルスチルベストロール(DES)、BMS224818(LEA29Y)、バタナリブ、
【0135】
lxxi.ソマトスタチンまたはソマトスタチンアナログ、例えばオクトレオチド(Sandostatin(登録商標)またはSandostatin LAR(登録商標))。
lxxii.成長ホルモン受容体アンタゴニスト、例えばペグビソマント、フィルグラスチムまたはペグフィルグラスチムまたはインターフェロンアルファ:
lxxiii.例えば白血病(AML)処置に有用なモノクローナル抗体、例えばアレムツズマブ(Campath(登録商標))、リツキシマブ/Rituxan(登録商標))、ゲムツズマブ、(オゾガミシン、Mylotarg(登録商標))、エプラツズマブ。
lxxiv.アルトレタミン、アムサクリン、アスパルギナーゼ(Elspar(登録商標))、デニロイキンジフチトクス、マソプロコール、ペグアスパルガーゼ、ゲムツズマブ(MYLOTARG(登録商標))。
lxxv.ホスホジエステラーゼ阻害剤、例えばアナグレリド(Agrylin(登録商標)、Xagrid(登録商標))。
lxxvi.がんワクチン、例えばMDX−1379。
【0136】
lxxvii.免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば白血球受容体に対するモノクローナル抗体、
例えばCD20、例えばリツキシマブ(Rituxan(登録商標)、イブリツモマブ、111Inまたは90Yと複合化したチウキセタン(Zevalin(登録商標))、131Iトシツムマブ(Bexxar(登録商標))、オファツムマブ、オクレリズマブ、hA20(Immunomedics)、
CD22、例えばエプラツズマブ、イノツズマブオゾガマイシン(CMC544)、CAT−3888、
CD33、例えばゲムツズマブ(Mylotarg(登録商標))、
CD52、例えばアレムツズマブ(Campath−I(登録商標))、
またはそれらのリガンド、
CD11a、例えばエファリズマブ(Raptiva(登録商標))、
CD3、例えばビシリズマブ、
lxxxii.癌胎児抗原(CEA)に対する抗体、例えばラペツズマブ、例えばラペツズマブ−イットリウム90、KSB−303、MFECP1、MFE−23。
【0137】
所望により抗がん剤と組み合わせるがん処置は、DOTATATE治療、例えばY90−DOTATATE治療を含む放射線療法と関連していてもよい。がん処置はまた、ビタミンまたはビタミン誘導体(例えばLeucovorin(登録商標))処置と関連していてもよい。
例えば乳がんの処置用の抗がん剤は、例えば薬剤の放出が改善されており、そして例えばパクリタキセルとabraxane(登録商標)の組合せ投与の場合に、薬剤の有用性が向上し得るabraxane(登録商標)との組合せで使用してもよい。(ここで、abraxane(登録商標)は、薬剤物質のパクリタキセルとタンパク質のアルブミンを組み合わせており、これは血流中に注入されたときナノ粒子となって、腫瘍内の薬剤濃度がより高くなり、腫瘍細胞の成長に必要な栄養を枯渇させることができる)。
【0138】
本発明の化合物を他の薬剤物質と組合せて投与するとき、共投与する第2の薬剤物質の投与量は、本発明の化合物の場合と同様に、使用する共薬剤のタイプ、使用する具体的な薬剤、処置する状態に依存して当然に変化する。一般に、第2の薬剤の供給者によって提供されるものと同様の投与量が適当であり得る。
【0139】
本明細書に記載の本発明の化合物の化学名は、ISIS、バージョン2.5(AutoNom 2000 Name)から転記している。第2の薬剤物質および他の物質の化学名は、インターネット、例えばSCI FINDERのような研究プログラムに由来し得る。
【0140】
下記実施例において、全ての温度は摂氏度で示す。
【0141】
次の略語を使用する:
AcOH 酢酸
aq. 水性
CHCl ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
MeOH メタノール
RT 室温
sat. 飽和
THF テトラヒドロフラン
【実施例】
【0142】
実施例1
ピリダジン−4−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド
3,5−ジクロロアニリン(1.0g)のTHF(10ml)溶液に2−メトキシベンズアルデヒド(840g)とジブチルスズジクロライド(93.8mg)を加える。得られた混合物を5分間撹拌し、フェニルシラン(2.67g)を加え、得られた混合物をRTで一夜撹拌する。HOを滴下して反応をクエンチし、EtOAcで希釈し、NaHCO飽和溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。
(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミンを得る。
【0143】
1,5−ジクロロエタン(2ml)に(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(68.3mg)を溶解させる。得られた混合物にピリダジン−4−カルボン酸(30mg)、ピリジン(95mg)およびPOCl(61mg)を加える。得られた混合物を80℃で10分間マイクロウェーブ処理する。得られた有機層をNaHCO飽和水溶液(2ml)で洗浄し、溶媒を蒸発させる。
ピリダジン−4−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミドを得る。
【0144】
実施例1に記載の方法に準じて、適切な出発物質(中間体)を用いて、式
【化11】

(式中、R、RおよびRは下記表1に定義の通りであり、RはHである。ただし、実施例10〜12においてRはCHである)を得る。
【0145】
表1
【表1】

【表2】

【表3】

表1のデータには、対応する化合物の特徴データを記載している。
【0146】
実施例13
6−オキソ−6H−ピラン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド
3,5−ジクロロアニリン(1.0g)のTHF(10ml)溶液に2−メトキシベンズアルデヒド(840g)とジブチルスズジクロライド(93.8mg)を加える。得られた混合物を5分間撹拌し、フェニルシラン(2.67g)を加え、得られた混合物をRTで一夜撹拌する。HOを滴下して反応をクエンチし、EtOAcで希釈し、NaHCO飽和溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。
(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミンを得る。
【0147】
1,2−ジクロロエタン(2ml)に(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(40mg)を溶解させ、ピリジン(56mg)およびPOCl(35mg)を加え、得られた混合物を80℃で20分間マイクロウェーブ処理する。得られた有機層をNaHCO飽和水溶液(2ml)で洗浄し、溶媒を蒸発させる。
6−オキソ−6H−ピラン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミドを得る。
【0148】
実施例14
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド
実施例1に準じて、適切な出発物質を用いて得た6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2メトキシ−ベンジル)−アミド(35mg)を、DMF(2ml)に溶解させる。カリウムt−ブチレート(12.3mg)を加え、得られた混合物を5分間撹拌する。MeI(19.9mg)を加え、得られた混合物をRTでさらに2時間撹拌する。HO(5ml)を加えて反応をクエンチし、NHのHO 10%溶液(15ml)を塩水(2ml)と共に加える。えら得た混合物をCHCl(10ml)で抽出する。さらに水層を塩水(10ml)で希釈し、CHCl(10ml)で2回抽出する。得られた有機層を合併し、NaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミドを得る。
【0149】
実施例13および14に記載の方法に準じて、適切な出発物質(中間体)を用いて、式
【化12】

(式中、X、Y、R、RおよびRは下記表2に定義の通りである)を得る。
【0150】
表2
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【0151】
中間体:3−メチル−ピリダジン−4−カルボン酸の合成
2−アセチル−ペント−4−エン酸エチルエステル(1.0g)とSudan III(0.5mg)のCHCl(30ml)およびMeOH(3ml)溶液を、該溶液が脱色されるまで、−78℃、O中でO気流に曝す。4.2gのPL−TPP(ポリマー結合トリフェニルホスフィン、負荷1.42mMol/g、2.96mMol)を加え、得られた反応混合物をRTまで温める。1時間ゆっくりと撹拌した後、得られた反応混合物を濾過し、溶媒を蒸発させる。
3−オキソ−2−(2−オキソ−エチル)−酪酸エチルエステルを得る。
【0152】
3−オキソ−2−(2−オキソ−エチル)−酪酸エチルエステル(3.64g)のEtOH(35ml)溶液を、ヒドラジン水和物(724μl)のEtOH(10ml)溶液で0℃でゆっくりと処理する。得られた反応混合物をRTにさせて、2.5時間撹拌する。亜硝酸ナトリウム(2.21g)のHO(1ml)溶液を加え、次いでAcOH(7.0ml)を加える。1時間後、ガスの発生が停止するまでNaHCO飽和水溶液を加える。得られた反応混合物をEtOAcで抽出する。得られた有機層を合併し、NaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。
3−メチル−ピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを得る。
【0153】
3−メチル−ピリダジン−4−カルボン酸エチルエステル(704mg)のTHF(2ml)溶液をLiOH水溶液(2.2ml)で処理し、RTで1.5時間撹拌する。溶媒を蒸発させる。
3−メチル−ピリダジン−4−カルボン酸のリチウム塩を得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

〔式中、
は(C6−18)アリールまたは(C6−18)アリール(C1−4)アルキル{ここで、該アリールは所望により、3〜12個、例えば6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}、
(C3−12)シクロアルキル{ここで、該シクロアルキルは所望により、3〜12個、例えば6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}、
(C5−12)シクロアルケニル{ここで、該シクロアルケニルは所望により、3〜12個、例えば6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}、または
3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリル{ここで、該ヘテロシクリルは所望により、(C3−12)シクロアルキル、(C5−12)シクロアルケニル、(C6−12)アリールと縮合しているか、あるいは所望により、3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む他のヘテロシクリルと縮合していてもよい}であり、
はアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはアリール、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリル、好ましくはアリールもしくはヘテロシクリルで置換された(C1−4)アルキルであり、ここで
− アルキルは(C1−12)アルキルを含み、
− アルケニルは(C2−12)アルケニルを含み、
− アルキニルは(C2−12)アルキニルを含み、
− シクロアルキルは(C3−12)シクロアルキルを含み、
− シクロアルケニルは(C5−6)シクロアルケニルを含み、
− アリールは(C6−18)アリールおよび(C6−18)アリール(C1−4)アルキル{ここで、該アリールは所望により、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくは芳香族性ヘテロシクリルと縮合していてもよい}を含み、
− ヘテロシクリルは3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリル{ここで、該ヘテロシクリルは所望により、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、(C6−12)アリールと縮合しているか、あるいは他のヘテロシクリルと縮合していてもよく、好ましくは他のヘテロシクリルと縮合しており、当該他のヘテロシクリルは3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリル、好ましくは芳香族性ヘテロシクリルを含む}を含み、
は水素または(C1−4)アルキルであるか;あるいは
とRはそれらが結合している炭素原子と一体となって、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、フェニルまたはヘテロシクリルを形成し;
ここで上記シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニルまたはヘテロシクリルは所望により、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、(C6−12)アリールと縮合するか、あるいは5〜6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む他のヘテロシクリルと縮合していてもよく;
ここで上記R、Rまたは一体となったRとRの意味におけるアリール、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクリルは、非置換であるかまたは(C1−6)アルキル、例えば(C1−4)アルキル、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、ハロ(C1−4)アルキル、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、=S、SH、SOH、SONH、(C1−4)アルキルメルカプト、ヒドロキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C6−12)アリールカルボニル、(C3−12)シクロアルキルカルボニル、(C5−6)シクロアルケニルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヒドロキシカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C6−12)アリールカルボニルオキシ、(C3−12)シクロアルキルカルボニルオキシ、(C5−6)シクロアルケニルカルボニルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、(C6−12)アリール、(C3−12)シクロアルキル、(C5−6)シクロアルケニル、(C6−12)アリールオキシ、(C3−12)シクロアルコキシ、(C5−6)シクロアルケニルオキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、(C1−4)アルキルアミノ、(ジ(C1−4)アルキルアミノ、(C6−12)アリールアミノ、(C3−12)シクロアルキルアミノ、(C5−6)シクロアルケニルアミノ、ヘテロシクリルアミノ、(C1−4)アルキルカルボニルアミノ、(C6−12)アリールカルボニルアミノ、(C6−12)アリールカルボニルアミノ、(C3−12)シクロアルキルカルボニルアミノ、(C5−6)シクロアルケニルカルボニルアミノ、ヘテロシクリルカルボニルアミノまたはハロゲンで1回以上置換されており、そして
ここで、上記ヘテロシクリルは、5〜6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、例えば脂肪族および芳香族性ヘテロシクリルを含み、例えば当該ヘテロシクリルは所望により、他の環系、例えば(C3−12)シクロアルキル、(C6−12)アリールまたは5〜6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む他のヘテロシクリルと縮合しており、
は式
【化2】

{式(IA)中、Rは水素または(C1−4)アルキルであり、そして
式(IB)中、
XはO、SまたはNRであり、Rは水素または(C1−4)アルキルであり、
YはOまたはSである}
の基である〕
の化合物。
【請求項2】
が非置換であるかまたは(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、シアノの1個以上で置換されたフェニルまたはフェニル(C1−4)アルキルであり;
がフェニル、他の環系と縮合したフェニル、5もしくは6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリル、例えば芳香族性ヘテロシクリルおよび脂肪族ヘテロシクリル{ここで、当該ヘテロシクリルは所望により、他の環系と縮合していてもよく、例えば(C3−12)シクロアルキル、(C5−12)シクロアルケニル、(C6−12)アリールまたは5〜6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む他のヘテロシクリルと縮合しており、そして上記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、他の環系と縮合したアリール、ヘテロシクリルまたは他の環系と縮合したヘテロシクリルは、非置換であるかまたは(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、シアノ、ハロゲン、フェニルの1個以上で置換されている}であり、
が水素または(C1−4)アルキルであり、
が式(IA)の基であり、そして
が水素または(C1−4)アルキルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が非置換フェニルまたはメチル、ハロ、シアノもしくはフェニルメチルの1もしくは2個で置換されたフェニルであり、
がメトキシフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、(ハロ)(メトキシ)フェニル、インドリル、所望によりフェニルで置換されたトリアゾリル、シアノフェニル、またはチアゾリルと縮合したイミダゾリルであり、
が水素またはメチルであり、
が式(IA)の基であり、
が水素またはメチルである、
請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
がハロゲン、シアノまたは(C1−4)アルキルで1回以上置換されたフェニルであり、
が3〜12個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む脂肪族または芳香族性ヘテロシクリルと所望により縮合したフェニル{ここで、当該アリールは非置換であるかまたは(C1−4)アルキルもしくは(C1−4)アルコキシで置換されている}であり、
が水素または(C1−4)アルキルであり、
が式(IB)の基であり、ここでXがO、NHまたはNCHであり、YがOであり、
が水素またはメチルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
N−(C6−12)−アリール−6−オキソ−6H−ピラン−3−カルボン酸アミド(ここで、該アミド基の窒素原子はさらに(C6−12)アリールメチルで置換されており、当該アリールは所望により、5もしくは6個の環員およびN、O、S、例えばNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリルと縮合しており、例えばここで、縮合ヘテロシクリルは芳香族性ヘテロシクリルを形成する)。
【請求項6】
6−ヒドロキシ−ニコチンアミド(ここで、該アミド基の窒素原子は(C6−12)アリールメチルで置換されており、当該アリールは所望により、5もしくは6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリルと縮合しており、そして該アミド基の窒素原子はさらに(C6−12)アリールで置換されている)。
【請求項7】
1−((C1−4)アルキル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸アミド(ここで、該アミド基の窒素原子はさらに(C6−12)アリールメチルで置換されており、当該アリールは所望により、5もしくは6個の環員およびN、O、Sから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリルと縮合しており、そして該アミド基の窒素原子はさらに(C6−12)アリールで置換されている)。
【請求項8】
ピリダジン−4−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド、ピリダジン−4−カルボン酸[2−(4−シアノ−フェニル)−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−(3,5−ジクロロ−フェニル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(2−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸[2−(4−シアノ−フェニル)−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル]−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(2,4−ジフルオロ−6−メトキシ−ベンジル)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミド、
ピリダジン−4−カルボン酸(2,6−ジメチル−イミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イルメチル)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミド、
3−メチル−ピリダジン−4−カルボン酸ジベンジルアミド、
3−メチル−ピリダジン−4−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド、
3−メチル−ピリダジン−4−カルボン酸ベンジル−フェニル−アミド、
6−オキソ−6H−ピラン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド、
6−オキソ−6H−ピラン−3−カルボン酸(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
N−(3,5−ジクロロ−フェニル)−6−ヒドロキシ−N−(2−メトキシ−ベンジル)−ニコチンアミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(2,4−ジフルオロ−5−メトキシ−ベンジル)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(2,6−ジメチル−イミダゾ[2,1−b]−チアゾール−5−イルメチル)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(2−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ナフタレン−1−イルメチル−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−[4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ベンジル]−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,4−ジクロロ−フェニル)−(2−メチル−1H−インドール−4−イルメチル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2,6−ジメチル−イミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イルメチル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(3−フェニル−プロプ−2−イニル)−アミド、
1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(6−メトキシ−ピリジン−3−イルメチル)−アミドおよび
N−(3,5−ジクロロ−フェニル)−2−ヒドロキシ−N−(2−メトキシ−ベンジル)−イソニコチンアミド(=2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−4−カルボン酸(3,5−ジクロロ−フェニル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミド)
から選択される、請求項1〜7の何れかに記載の化合物。
【請求項9】
塩形の請求項1〜8の何れかに記載の化合物。
【請求項10】
医薬として使用するための請求項1〜9の何れかに記載の化合物。
【請求項11】
GPBAR1活性によって介在される障害の処置用医薬製造のための、請求項1〜9の何れかに記載の化合物。
【請求項12】
請求項1〜9の何れかに記載の化合物と少なくとも1種の医薬賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
GPBAR1活性によって介在される障害を処置する方法であって、かかる処置を必要とする対象に治療上有効量の請求項1〜9の何れかに記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項14】
請求項1〜9の何れかに記載の化合物と少なくとも1種の第2薬剤物質の組合せ剤。

【公表番号】特表2010−523627(P2010−523627A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502524(P2010−502524)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/054422
【国際公開番号】WO2008/125627
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】