説明

PPARアゴニストとしてのフェノキシ酢酸誘導体

一般式(I)の化合物、該化合物の薬学的組成物としての使用、該化合物を含有する薬学的組成物、該化合物および組成物を用いた治療方法。本発明の化合物は、ペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR)、特にPPARδサブタイプによって媒介される症状の治療および/または予防に有用である可能性がある。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、薬学的組成物としての該化合物の使用、該化合物を含有する薬学的組成物、並びに該化合物および組成物を用いた治療方法に関する。更に詳細に言えば、本発明の化合物は、ペルオキシソーム増殖因子活性化型受容体(Peroxisome Proliferator-Activated Receptors(PPAR))、特にPPARδサブタイプによって媒介される症状の治療および/または予防に利用することができる。
【発明の背景】
【0002】
冠動脈疾患(CAD)は、II型糖尿病および代謝性症候群の患者(即ち、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性、高トリグリセリド血症および/または肥満の「致死カルテット」に入る患者)における主要な死因である。
【0003】
血中脂質低下性フィブレート類(hypolipidaemic fibrates)および高糖尿病性チアゾリジンジオン類は、別々に穏やかなトリグリセリド低下活性を示すが、それらはII型糖尿病または代謝性症候群の患者に屡々見られる異常脂血症のための単独療法として選択されるためには十分に強力ではなく、また有効でもない。チアゾリジンジオン類はまた、II型糖尿病の動物モデルおよびヒトの循環グルコースレベルを強力に低下させる。しかし、フィブレート類の化合物は、血糖症に対して有益な効果をもたない。これら化合物の分子的作用に関する研究により、チアゾリジンジオン類およびフィブレート類は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)ファミリーの異なる転写因子を活性化することにより、それらの作用を働かせて、特定の酵素およびアポリポタンパク質(両者共に血漿トリグリセリド含量の調節における主役である)のそれぞれの増大または減少した発現を生じることが示されている。一方において、フィブレート類は、主に肝臓において作用するPPARαアクチベータである。他方において、チアゾリジンジオン類は、主に脂肪組織に対して作用するPPARγの高親和性リガンドである。
【0004】
脂肪組織は、脊椎動物における脂質ホメオスタシスおよびエネルギーバランス維持において中心的な役割を果たす。脂肪組織は、栄養が豊富な時期にはエネルギーをトリグリセリドの形態で保存し、栄養欠乏時にはそれを遊離脂肪酸の形態で放出する。白色脂肪組織の発生は、寿命の全体を通しての連続的な分化プロセスの結果である。多くの証拠が、この細胞分化の開始および調節におけるPPARγ活性化の中心的役割を指摘している。脂肪細胞の分化の際に、幾つかの高度に専門化されたタンパク質が誘導され、その殆どは脂質の蓄積および代謝に関与している。PPARγの活性化からグルコース代謝の変化(最も顕著には、筋肉におけるインスリン抵抗性)に至る正確なリンクは、未だ解明されていない。可能なリンクは遊離脂肪酸を経由するものであり、PPARγの活性化によって、脂肪組織ではリポタンパク質リパーゼ(LPL)、脂肪酸輸送タンパク質(FATP)およびアシルCoAシンターゼ(ACS)を誘導されるが、筋肉組織においては誘導されないようにするものである。次いで、これにより血漿中の遊離脂肪酸の濃度が劇的に低下し、細胞レベルでの基質競合に起因して、代謝速度の高い骨格筋および他の組織では、最終的に脂肪酸酸化からグルコース酸化に切替わり、結果としてインスリン抵抗性が減少する。
【0005】
PPARγは、脂肪酸のβ酸化の刺激に関与する。齧歯類においては、脂肪酸代謝に関与する遺伝子発現でのPPARαに媒介された変化が、主に肝臓および腎臓に限定されたペルオキシソーム増殖、多面性細胞応答の基礎をなしており、これらは齧歯類における肝臓癌形成を導く可能性がある。ペルオキシソーム増殖の現象は人間には見られない。齧歯類のペルオキシソーム増殖におけるその役割に加えて、PPARαは、齧歯類およびヒトにおけるHDLコレステロールの制御にも関与している。この効果は、少なくとも部分的には、主要なHDLアポリポタンパク質(アポA-IおよびアポA-II)のPPARαに媒介された転写調節に基づいている。また、フィブレート類および脂肪酸の血中トリグリセリド低下作用にもPPARαが関与しており、次の通り要約することができる:即ち、(I)リポタンパク質リパーゼおよびアポC-IIIレベルの変化に起因した、脂質分解および残留粒子クリアランスの増大、(II)脂肪酸結合性タンパク質およびアシルCoAシンターゼの誘導による、細胞の脂肪酸取込みおよびその後のアシルCoA誘導体への変換の刺激、(III)脂肪酸β酸化経路の誘導、(IV)脂肪酸およびトリグリセリド合成における減少、最後に(V)VLDL産生における減少である。従って、トリグリセリドに富む粒子の異化の増大、並びにVLDL粒子の分泌低下が、フィブレート類の血中脂質低下効果に寄与する機構を構成する。
【0006】
当初、PPARδの活性化は、グルコースもしくはトリグリセリドレベルの調節に関与しないと報告された(Berger et al., j. Biol. Chem. , 1999, Vol 274, pp. 6718-6725)。その後、PPARδの活性化はdb/dbマウスにおけるHDLコレステロールのレベル増大を導くことが示された(Leibowitz et al. FEBS letters 2000, 473, 333-336)。更に、PPARδアゴニストは、インスリン抵抗性の中年の肥満アカゲザルに投与したときに、血清HDLコレステロールにおける投与量依存性の劇的上昇を生じる一方、低密度LDL、空腹時トリグリセリドおよび空腹時インスリンのレベルを低下させた(Oliver et al. PNAS 2001, 98, 5306-5311)。この同じ論文によって、PPARδの活性化が、逆コレステロール輸送体ATP結合性カセットA1を増大させ、またアポタンパク質A1特異的コレステロール流出を誘導したことが示された。筋肉での脂肪酸酸化におけるPPARδの関与は、PPARαノックアウトマウスにおいて更に実証された。Muoio et al.(J. Biol. Chem. 2002, 277, 26089-26097)は、骨格筋における高レベルのPPARδが、PPARαの欠乏を補償できることを示した。
【0007】
最近、脂肪組織(Cell 2003, 113, 159-170)またはマウス組織(FASEB J. 2003, 17, 209-226)においてPPARδを過剰発現する二つの異なるトランスジェニックマウスモデルは、両者ともに、脂質の取り込みおよび代謝、並びにエネルギー脱共役を担当する遺伝子(LPL、FABP、FAT、CD36、CPT1b、およびACS)およびタンパク質(UCP-2)の上方調節を示した。両方のマウスが共に、脂肪組織を低減され、高脂肪食に誘導された体重増加から保護された。更に、高脂肪食に誘導されたインスリン抵抗性のマウスおよび糖尿病性ob/obの両方を、強力なPPARδアゴニストであるGW501516で薬理学的に治療したところ、血症グルコースおよびインスリンの低下を示し、また改善されたインスリン感受性を示した(PNAS 2003, 100, 15924-15929)。グルコースからFFAへの燃料切替えを示唆するインビボでの増大した酸素消費、ならびに骨格筋におけるFFAの酸化は、何れもインビボおよびインビトロで実証された。骨格筋が主要な標的器官であるとの仮説の裏付けは、TG加水分解およびFFA酸化(LPL↑, ACS4↑, CTP1↑)、選択的脂質利用(PDK4↑)、エネルギー消費(UCP1↑,-2↑, -3↑)、および脂質利用(ABCA1/G1↑)に関与する遺伝子の調節を示す、GW501516でのC2C12筋肉細胞のインビトロ処理に関する二つの刊行物であった(BioChem. Biophys. Acta 2003, 1633, 43-50; Mol. Endocrin. 2003, 17, 2477-2493)。最近立証された直接的および間接的な機構は、著者をして、「PPARδおよびそのリガンドは、炎症を減衰し、アテローム硬化症の進行を遅延させる治療的標的として働くかもしれない」旨を示唆するように促した(Science 2003, 302, 453-457)。
【0008】
これらの所見を総合すると、PPARδの活性化は、心血管系疾患、並びにアテローム硬化症、高トリグリセリド血漿および混合型異常脂血症、並びに2型糖尿病を含む症状の治療および予防に有用であることが示唆される。
【0009】
高血糖症、高脂血症および高コレステロール血症の治療に有用であるとして、多くのPPARδ化合物が報告されている(WO 01/00603, WO 02/59098, WO 03/084916, WO 03/074050, WO 03/074051, WO 03/074052, WO 03/035603, WO 03/97607, WO 04/005253, WO 03/33493, WO 03/16291, WO 02/76957, 02/46154, WO 03/16265, WO 02/100812, WO 02/98840, WO 02/80899, WO 02/79162, WO03/072100, WO 01/25181, WO 02/14291, WO 01/79197, WO 99/4815, WO 97/28149, WO 98/27974, WO 97/28115, WO 97/27857, WO 97/28137, WO 97/27847)。
【0010】
単一アプローチとしてのグルコースの低下は、2型糖尿病および代謝性症候群に付随する大血管合併症を克服しない。従って、2型糖尿病および代謝性症候群の新規な治療は、これら症候群に付随する顕性の高トリグリセリド血症を低下させること、並びに高血糖症を緩和することの両方を目的としなければならない。
【0011】
これは、PPARα、PPARγおよびPPARδの種々の程度の活性化を示す化合物の探索によって、II型糖尿病、異常脂血症、シンドロームX(代謝性症候群、即ち、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性、高トリグリセリド血症および/または肥満を含む)、心血管系疾患(アテローム硬化症を含む)および高コレステロール血症の治療において大きな潜在能力をもった、効果的なトリグリセリドおよび/またはコレステロールおよび/またはグルコース低下薬の発見が導かれるであろうことを示している。
【定義】
【0012】
以下の説明および本明細書の全体を通して記載される構造式において、次の用語は指示された意味を有する。
【0013】
ここで用いる「C1-6-アルキル」の用語は、単独または組合せにおいて、指定された数の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素鎖を表す。代表的な例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
ここで用いる「C1-6-アルキルカルボニル」の用語は、カルボニル基を介して結合された、指定された数の炭素原子を有する、上記で定義した「C1-6-アルキル」アルキル基を表す。代表的な例には、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、ネオペンチルカルボニル、tert-ペンチルカルボニル、n-ヘキシルカルボニル、イソヘキシルカルボニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
ここで用いる「C1-6-アルキルスルホニル」の用語は、スルホニル基を介して結合された、上記で定義した「C1-6-アルキル」基を含んでなる1価の置換基を意味する。代表的な例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、n-ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、tert-ペンチルスルホニル、n-ヘキシルスルホニル、イソヘキシルスルホニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0016】
ここで用いる「C1-6-アルキルアミド」の用語は、アミノ基を介して結合されたアシル基を意味する。代表的な例には、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、ピバロイルアミノ、バレリルアミノ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
ここで用いる「C3-6-シクロアルキル」の用語は、単独または組合せにおいて、指定された数の炭素原子を有する飽和の単環式炭化水素基を表す。代表的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0018】
ここで用いる「C2-6-アルケニル」の用語は、2ないし指定された数の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する、オレフィン的不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基を表す。代表的な例には、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、アリル、イソ-プロペニル、1,3-ブタンジエニル、1-ブテニル、ヘキセニル、ペンテニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
ここで用いる「C2-6-アルキニル」の用語は、2ないし指定された数の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する、不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基を表す。代表的な例には、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
ここで用いる「C4-6-アルケンイニル(アルケンイニル)」の用語は、4ないし指定された数の炭素原子、並びに少なくとも1つの二重結合および少なくとも1つの三重結合の両方を有する、不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基を表す。代表的な例には、1-ペンテン-4-イニル、3-ペンテン-1-イニル、1,3-ヘキサジエン-5-イニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
ここで用いる「C1-6-アルコキシ」の用語は、単独または組合せにおいて、エーテル酸素からその自由原子価結合を有するエーテル酸素を介して結合された、直鎖もしくは分岐鎖の構造を意味する。線型アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ等である。分岐したアルコキシの例は、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、イソペンチルオキシ、イソヘキシルオキシ等である。
【0022】
ここで用いる「C3-6-シクロアルコキシ」の用語は、単独または組合せにおいて、エーテル酸素からその自由原子化結合を有し、エーテル酸素を介して結合された指定された数の炭素原子を有する飽和の単環式炭化水素基を表す。シクロアルコキシ基の例は、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等である。
【0023】
ここで用いる「C1-6-アルキルチオ」の用語は、単独または組合せにおいて、硫黄原子からその自由原子化結合を有する2価の硫黄原子を介して結合され、且つ1〜6の炭素原子を有する、上記で定義された「C1-6-アルキル」基を含んでなる直鎖もしくは分岐鎖の1価の置換基を意味する。代表的な例には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
ここで用いる「C3-6-シクロアルキルチオ」の用語は、単独または組合せにおいて、硫黄原子からその自由原子価結合を有する2価の硫黄原子を介して結合された、指定された数の炭素原子を有する飽和の単環式炭化水素基を表す。シクロアルキルチオ基の例は、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等である。
【0025】
ここで用いる「C1-6-アルキルアミノ」の用語は、単独または組合せにおいて、窒素原子からその遊離原子価結合を有するアミノを介して結合された、上記で定義した「C1-6-アルキル」基を含んでなる直鎖もしくは分岐鎖の1価の置換基を意味する。代表的な例には、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
ここで用いる「C1-6-アルキルアミノカルボニル」の用語は、カルボニル基を介して結合されたC1-6-モノアルキルアミノ基を含んでなる1価の置換基、例えば、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n-プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、n-ブチルアミノカルボニル、sec-ブチルアミノカルボニル、イソブチルアミノカルボニル、tert-ブチルアミノカルボニル、n-ペンチルアミノカルボニル、2-メチルブチルアミノカルボニル、3-メチルブチルアミノカルボニル、n-ヘキシルアミノカルボニル、4-メチルペンチルアミノカルボニル、ネオペンチルアミノカルボニル、n-ヘキシルアミノカルボニル、および2-2-ジメチルプロピルアミノカルボニル等を意味する。
【0027】
ここで用いる「C3-6-シクロアルキルアミノ」の用語は、単独または組合せにおいて、窒素原子からその自由原子価結合を有するアミノを介して結合された、指定された数の炭素原子を有する飽和の単環式炭化水素基を表す。代表的な例には、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
ここで用いる「C1-6-アルコキシC1-6-アルキル」の用語は、単独または組合せにおいて、上記で定義した「C1-6-アルコキシ」基が結合された、上記で定義した「C1-6-アルキル」基を意味する。代表的な例には、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
ここで用いる「アリール」の用語は、単環式芳香族炭化水素基または二環系もしくは三環系の縮環芳香族炭化水素基を意味する。代表的な例には、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、アズレニル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
ここで用いる「アリーレン」の用語は、2価の、単環式芳香族炭化水素基または二環系もしくは三環系の縮環芳香族炭化水素基を意味する。代表的な例には、フェニレン、ナフチレン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
ここで用いる「アリールカルボニル」の用語は、カルボニル基を介して結合された、上記で定義したアリール基を意味する。代表的な例には、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、アントラセニルカルボニル、フェナントレニルカルボニル、アズレニルカルボニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
ここで用いる「アリールスルホニル」の用語は、スルホニル基を介して結合された、上記で定義したアリール基を意味する。代表的な例には、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラセニルスルホニル、フェナントレニルスルホニル、アズレニルスルホニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0033】
ここで用いる「アリールアミド」の用語は、アミノ基を介して結合されたアリールカルボニル基を意味する。代表的な例は、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、アントラセニルカルボニルアミノ、フェナントレニルカルボニルアミノ、アズレニルカルボニルアミノ等であるが、これらに限定されない。
【0034】
ここで用いる「ハロゲン」の用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0035】
ここで用いる「パーハロメチル」の用語は、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、またはトリヨードメチルを意味する。
【0036】
ここで用いる「パーハロメトキシ」の用語は、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリブロモメトキシ、またはトリヨードメトキシを意味する。
【0037】
ここで用いる「C1-6-ジアルキルアミノ」の用語は、二つの水素原子が、指定された数の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖の飽和炭化水素で独立に置換されたアミノ基を意味する。代表的な例には、ジメチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、N-(n-ブチル)-N-メチルアミノ、ジ(n-ペンチル)アミノ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
ここで用いる「アシル」の用語は、カルボニル基を介して結合された、上記で定義した「C1-6-アルキル」基を含んでなる1価の置換基を意味する。代表的な例には、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、バレリル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
ここで用いる「ヘテロアリール」の用語は、単独または組合せにおいて、窒素、酸素および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含む、5〜7員の単環式芳香族系または8〜10員の二環式芳香族系を含んでなる1価の置換基、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、イソインドリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、テトラゾリル、カルバゾリル、ベンゾチエニル、プテリジニル、およびプリニル等を意味する。
【0040】
ここで用いる「ヘテロアリーレン」の用語は、単独または組合せにおいて、窒素、酸素および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含む、5〜7員の単環式芳香族系または8〜10員の二環式芳香族系を含んでなる2価の置換基、例えば、フリレン、チエニレン、ピロリレン、イミダゾリレン、ピラゾリレン、トリアゾリレン、ピリジレン、ピラジニレン、ピリミジニレン、ピリダジニレン、イソチアゾリレン、イソオキサゾリレン、オキサゾリレン、オキサジアゾリレン、チアジアゾリレン、キノリレン、イソキノリレン、キナゾリニレン、キノキサリニレン、インドリレン、ベンゾイミダゾリレン、ベンゾフラニレン、ベンゾチエニレン、プテリジニレンおよびプリニレン等を意味する。
【0041】
ここで用いる「ヘテロアリールオキシ」の用語は、単独または組合せにおいて、酸素原子からその自由原子価結合を有する酸素原子に結合された、ここで定義したヘテロアリール、例えば、ピロリルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピラゾリルオキシ、トリアゾリルオキシ、ピラジニルオキシ、ピリミジニルオキシ、ピリダジニルオキシ、イソチアゾリルオキシ、イソオキサゾリルオキシ、オキサゾリルオキシ、オキサジアゾリルオキシ、チアジアゾリルオキシ、キノリニルオキシ、イソキノリニルオキシ、キナゾリニルオキシ、キノキサリニルオキシ、インドリルオキシ、ベンゾイミダゾリルオキシ、ベンゾフラニルオキシ、プテリジニルオキシおよびプリニルオキシ等を意味する。
【0042】
ここで用いる「アラルキル」の用語は、芳香族炭化水素で置換された1〜6の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐鎖の飽和炭素鎖を意味する。代表的な例には、ベンジル、フェネチル、3-フェニルプロピル、1-ナフチルメチル、2-(1-ナフチル)エチル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
ここで用いる「アリールオキシ」の用語は、フェノキシ、1-ナフチルオキシ、2-ナフチルオキシ等を意味する。
【0044】
ここで用いる「アラルコキシ」の用語は、芳香族炭化水素で置換されたC1-6-アルコキシ基、例えば、ベンジルオキシ、フェネトキシ、3-フェニルプロポキシ、1-ナフチルメトキシ、2-(1-ナフチル)エトキシ等を意味する。
【0045】
ここで用いる「ヘテロアラルキル」の用語は、ヘテロアリール基で置換された1〜6の炭素を含む直鎖もしくは分岐鎖の飽和炭素鎖、例えば、(2-フリル)メチル、(3-フリル)メチル、(2-チエニル)メチル、(3-チエニル)メチル、(2-ピリジル)メチル、1-メチル-1-(2-ピリミジル)エチル等を意味する。
【0046】
ここで用いる「ヘテロアラルコキシ」の用語は、酸素原子からその遊離原子価結合を有する酸素原子に結合された、ここで定義したヘテロアリールアルキルを意味する。代表的な例には、酸素に結合された、(2-フリル)メチル、(3-フリル)メチル、(2-チエニル)メチル、(3-チエニル)メチル、(2-ピリジル)メチル、1-メチル-1-(2-ピリミジル)エチル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
ここで用いる「アリールチオ」の用語は、単独または組合せにおいて、硫黄原子からその遊離原子価結合を有する2価の硫黄原子を介して結合されたアリール基を意味し、該アリール基は任意に、C1-6-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシまたはC1-6-アルコキシでモノ置換もしくは多置換される。代表的な例には、フェニルチオ、(4-メチルフェニル)-チオ、(2-クロロフェニル)チオ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
ここで用いる「ヘテロシクリル」の用語は、窒素、酸素、硫黄、S(=O)およびS(=O)2から選択される1以上のヘテロ原子を含む、飽和の3〜12員の単環式の環を表わす。代表的な例は、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオピラニル、1,4-ジオキサニル、1,3-ジオキサニル等である。ヘテロシクリルはまた、窒素、酸素、硫黄、S(=O)およびS(=O)2から選択される1以上のヘテロ原子を含む、飽和の二環式の環を表すことも意図している。代表的な例は、オクタヒドロインドリル、デカヒドロキノキサリニル等である。ヘテロシクリルはまた、窒素、酸素、硫黄、S(=O)およびS(=O)2から選択される1以上のヘテロ原子を含み、且つ一つまたは二つのブリッジを有する飽和ヘテロ環をも表すものである。代表的な例は、3-アザビシクロ[3.2.2]ノニル、2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、アトロピニル、トロピニル、キヌクリジニル、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル等である。ヘテロシクリルはまた、窒素、酸素、硫黄、S(=O)およびS(=O)2から選択される1以上のヘテロ原子を含み、且つ1以上のスピロ原子を含む飽和へテロ環をも表すものである。代表的な例は、1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカニル、8-アザスピロ[4.5]デカニル、2,8-ジアザスピロ[4.5]デカニル等である。
【0049】
ここで用いる「5〜8員環」の用語は、3〜6の原子を有する飽和または不飽和で置換または非置換の炭化水素鎖または炭化水素−ヘテロ原子鎖を意味し、ここでは、それらが結合しているArの中の炭素原子および隣接する炭素原子が5〜8員環を形成する。
【0050】
上記で定義した一定の用語は、1つの構造式において2回以上出てくることもあり、このような場合には、各用語は他から独立して定義されるべきものである。
【0051】
ここで用いる「任意に置換され」の用語は、問題の基が、特定された1以上の置換基で置換され、または置換されないことを意味する。問題の基が2以上の置換基で置換されるとき、これらの置換基は同じであっても異なっていてもよい。
【0052】
「治療」の用語は、疾患、症状または障害と闘い、またはこれらを緩和する目的での、患者の管理およびケアとして定義され、またこの用語は、症候群もしくは合併症の発生を予防し、または該症候群もしくは合併症を緩和し、または該疾患、状態または障害を排除する活性化合物の投与を含むものである。
【0053】
「薬学的に許容可能な」の用語は、悪影響を伴うことなく、ヒトに投与するのに適していることとして定義される。
【発明の説明】
【0054】
本発明は、下記一般式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体に関する:
【化2】

【0055】
ここで、
X1は、アリールもしくはヘテロアリールであり、その各々が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノもしくはカルボキシ;または
・C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1-6-アルキルスルホニル、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、C1-6-アルキルアミド、アリールアミド、C1-6-アルキルアミノカルボニル、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノもしくはC3-6-シクロアルキルアミノ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;
X2は、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は下記から選択される1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、またはカルボキシ;または
・C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1-6-アルキルスルホニル、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、C1-6-アルキルアミド、アリールアミド、C1-6-アルキルアミノカルボニル、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノもしくはC3-6-シクロアルキルアミノ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;
Ar1は、アリーレンまたはヘテロアリーレンであり;
Ar2は、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されるアリーレンであり、
・ハロゲン、ヒドロキシ、またはシアノ;または
・C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、またはC3-6-シクロアルキルチオ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;または
・上記置換基の二つは、それらが隣接位置に配置されるときは、それらが結合する原子と一緒になって5〜8員環を形成してよい;
Y1は、OまたはSであり;
Y2は、OまたはSであり;
Z1は、-(CH2)n-であり、ここでのnは0、1、または2であり;
Z2は、-(CH2)-であり、ここでのnは1、2または3であり;
Rは、水素C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C4-6-アルケンイニル、またはアリールである。
【0056】
一つの実施形態において、本発明は式(I)の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0057】
もう一つの実施形態において、本発明は式(I)の化合物であって、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0058】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0059】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0060】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0061】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のヒドロキシルで任意に置換される。
【0062】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のハロゲンで任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する。
【0063】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたアリールであり、該アルキルは1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される、式(I)の化合物に関する。
【0064】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたアリールであり、該アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される、式(I)の化合物に関する。
【0065】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたアリールであり、該アルキルは1以上のヒドロキシで任意に置換される、式(I)の化合物に関する。
【0066】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたアリールであり、該アルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される、式(I)の化合物に関する。
【0067】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである、式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0068】
もう一つの実施形態において、本発明は、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0069】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のヒドロキシルで任意に置換される。
【0070】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0071】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。.
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のヒドロキシルで任意に置換される。
【0072】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が、1以上のハロゲンで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0073】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたフェニルであり、前記アルキルが1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0074】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたフェニルであり、前記アルキルが1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0075】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたフェニルであり、前記アルキルが1以上のヒドロキシで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0076】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のメチルまたはエチルで任意に置換されたフェニルである、式(I)の化合物に関する。
【0077】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のパーハロメチルで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0078】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のヒドロキシメチルで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0079】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたフェニルであり、前記アルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される、式(I)の化合物に関する。
【0080】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のメトキシまたはエトキシで任意に置換されたフェニルであり、前記メトキシまたはエトキシの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される、式(I)の化合物に関する。
【0081】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のメトキシで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0082】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1がフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0083】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0084】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0085】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のヒドロキシルで任意に置換される。
【0086】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0087】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0088】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のヒドロキシルで任意に置換される。
【0089】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のハロゲンで任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する。
【0090】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたヘテロアリールであり、前記アルキルは1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される化合物に関する。
【0091】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたヘテロアリールであり、前記アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される化合物に関する。
【0092】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたヘテロアリールであり、前記アルキルは1以上のヒドロキシで任意に置換される化合物に関する。
【0093】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたヘテロアリールであり、前記アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される化合物に関する。
【0094】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のハロゲンで任意に置換されたフリルまたはチエニルである式(I)の化合物に関する。
【0095】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のハロゲンで任意に置換されたチエニルである式(I)の化合物に関する。
【0096】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたベンゾチエニルまたはベンゾフリルである式(I)の化合物に関する。
【0097】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1がピリジル、チアゾリル、またはピロリルであり、その各々が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換される式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0098】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたピリジルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0099】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたチアゾリルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0100】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されるピロリルである、式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0101】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1がピリジル、チアゾリルまたはピロリルであり、それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0102】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のハロゲンで任意に置換されたピリジルである式(I)の化合物に関する。
【0103】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のハロゲンで任意に置換されたチアゾリルである式(I)の化合物に関する。
【0104】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のハロゲンで任意に置換されたピロリルである式(I)の化合物に関する。
【0105】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1がピリジル、チアゾリルまたはピロリルであり、その各々が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換され、該アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0106】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたピリジルであり、前記アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0107】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたチアゾリルであり、前記アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0108】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたピロリルであり、前記アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0109】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1がピリジル、チアゾリルまたはピロリルであり、それらの各々は1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換され、該アルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0110】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたピリジルであり、前記アルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0111】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたチアゾリルであり、前記アルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0112】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたピロリルであり、前記アルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0113】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1がピリジルである式(I)の化合物に関する。
【0114】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1がチアゾリルである式(I)の化合物に関する。
【0115】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1がピロリルである式(I)の化合物に関する。
【0116】
もう一つの実施形態において、本発明は、X1がC1-6-アルキルで任意に置換されたピロリルである式(I)の化合物に関する。
【0117】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0118】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニルまたはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0119】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のヒドロキシルで任意に置換される。
【0120】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0121】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0122】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のヒドロキシルで任意に置換される。
【0123】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のハロゲンで任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する。
【0124】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたアリールであり、前記アルキルが1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0125】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたアリールであり、前記アルキルが1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0126】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたアリールであり、前記アルキルが1以上のヒドロキシで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0127】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたアリールであり、前記アルコキシが1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0128】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0129】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0130】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のヒドロキシルで任意に置換される。
【0131】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0132】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0133】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のヒドロキシルで任意に置換される。
【0134】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のハロゲンで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0135】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたフェニルであり、前記アルキルが1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0136】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたフェニルであり、前記アルキルが1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0137】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたフェニルであり、前記アルキルが1以上のヒドロキシで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0138】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のメチルまたはエチルで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0139】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のパーハロメチルで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0140】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のヒドロキシメチルで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0141】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたフェニルであり、前記アルコキシが1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0142】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のメトキシまたはエトキシで任意に置換されたフェニルであり、前記メトキシまたはエトキシの各々が1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0143】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のメトキシで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0144】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2がフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0145】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0146】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0147】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のヒドロキシルで任意に置換される。
【0148】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【0149】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0150】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のヒドロキシルで任意に置換される。
【0151】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のハロゲンで任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する。
【0152】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたヘテロアリールであり、前記アルキルが1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0153】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたヘテロアリールであり、前記アルキルが1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0154】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたヘテロアリールであり、前記アルキルが1以上のヒドロキシで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0155】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたヘテロアリールであり、前記アルコキシが1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0156】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のハロゲンで任意に置換されたフリルまたはチエニルである式(I)の化合物に関する。
【0157】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のハロゲンで任意に置換されたチエニルである式(I)の化合物に関する。
【0158】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたベンゾチエニルまたはベンゾフリルである式(I)の化合物に関する。
【0159】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2がピリジル、チアゾリルまたはピロリルであり、その各々が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換される式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0160】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたピリジルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0161】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたチアゾリルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0162】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたピロリルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【0163】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2がピリジル、チアゾリルまたはピロリルであり、それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0164】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のハロゲンで任意に置換されたピリジルである式(I)の化合物に関する。
【0165】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のハロゲンで任意に置換されたチアゾリルである式(I)の化合物に関する。
【0166】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のハロゲンで任意に置換されたピロリルである式(I)の化合物に関する。
【0167】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2がピリジル、チアゾリルまたはピロリルであり、その各々が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換され、該アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0168】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたピリジルであり、前記アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0169】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたチアゾリルであり、前記アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0170】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたピロリルであり、前記アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0171】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2がピリジル、チアゾリルまたはピロリルであり、それらの各々は1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換され、該アルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0172】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたピリジルであり、前記アルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0173】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたチアゾリルであり、前記アルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0174】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたピロリルであり、前記アルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0175】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2がピリジルである式(I)の化合物に関する。
【0176】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2がチアゾリルである式(I)の化合物に関する。
【0177】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2がピロリルである式(I)の化合物に関する。
【0178】
もう一つの実施形態において、本発明は、X2がC1-6-アルキルで任意に置換されたピロリルである式(I)の化合物に関する。
【0179】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar1がフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0180】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar1チエニレンである式(I)の化合物に関する。
【0181】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar1ピリジレンである式(I)の化合物に関する。
【0182】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン、ヒドロキシ、またはシアノ;または
・C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、またはC3-6-シクロアルキルチオ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;または
・上記置換基の二つは、それらが隣接位置に配置されるときは、それらが結合する原子と一緒になって5〜8員環を形成してよい。
【0183】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar2が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、アリールオキシ、またはアラルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;または
・上記置換基の二つは、それらが隣接位置に配置されるときは、それらが結合する原子と一緒になって炭素5員環を形成してよい。
【0184】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar2がハロゲンで任意に置換されるフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0185】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたフェニレンであり、前記アルキルは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0186】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar2が1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたフェニレンであり、前記アルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0187】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar2が1以上のアリールオキシで任意に置換されたフェニレンであり、前記アリールオキシは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0188】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar2が1以上のアラルコキシで任意に置換されたフェニレンであり、前記アラルコキシは1以上のハロゲンで任意に置換される式(I)の化合物に関する。
【0189】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar2が1以上のメチルで任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0190】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar2がフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0191】
もう一つの実施形態において、本発明は、Ar2がインダニレンである式(I)の化合物に関する。
【0192】
もう一つの実施形態において、本発明は、Y1がSである式(I)の化合物に関する。
【0193】
もう一つの実施形態において、本発明は、Y1がOである式(I)の化合物に関する。
【0194】
もう一つの実施形態において、本発明は、Y2がOである式(I)の化合物に関する。
【0195】
もう一つの実施形態において、本発明は、Y2がSである式(I)の化合物に関する。
【0196】
もう一つの実施形態において、本発明は、nが0または1である式(I)の化合物に関する。
【0197】
もう一つの実施形態において、本発明は、nが0である式(I)の化合物に関する。
【0198】
もう一つの実施形態において、本発明は、mが1または2である式(I)の化合物に関する。
【0199】
もう一つの実施形態において、本発明は、mが1である式(I)の化合物に関する。
【0200】
もう一つの実施形態において、本発明は、Rが水素またはC1-6-アルキルである式(I)の化合物に関する。
【0201】
もう一つの実施形態において、本発明は、Rが水素である式(I)の化合物に関する。
【0202】
もう一つの実施形態において、本発明は、Rがメチルまたはエチルである式(I)の化合物に関する。
【0203】
もう一つの実施形態において、本発明は、アルキルがメチルまたはエチルである式(I)の化合物に関する。
【0204】
もう一つの実施形態において、本発明は、アルケニルがビニルまたは1-プロペニルである式(I)の化合物に関する。
【0205】
もう一つの実施形態において、本発明は、アルキニルが1-プロピニルである式(I)の化合物に関する。
【0206】
もう一つの実施形態において、本発明は、アルケンイニルが1-ペンテン-4-インである式(I)の化合物に関する。
【0207】
もう一つの実施形態において、本発明は、アルコキシがメトキシ、エトキシ、イソプロポキシまたはシクロプロポキシである式(I)の化合物に関する。
【0208】
もう一つの実施形態において、本発明は、アリールがフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0209】
もう一つの実施形態において、本発明は、アリーレンがフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0210】
もう一つの実施形態において、本発明は、ハロゲンが臭素、フッ素または塩素である式(I)の化合物に関する。
【0211】
もう一つの実施形態において、本発明は、パーハロメチルがトリフルオロメチルである式(I)の化合物に関する。
【0212】
もう一つの実施形態において、本発明は、パーハロメトキシがトリフルオロメトキシである式(I)の化合物に関する。
【0213】
もう一つの実施形態において、本発明は、ヘテロアリールがフリルまたはチエニルである式(I)の化合物に関する。
【0214】
もう一つの実施形態において、本発明は、ヘテロアリールがベンゾフリルまたはベンゾチエニルである式(I)の化合物に関する。
【0215】
もう一つの実施形態において、本発明は、ヘテロアリールがピリジルである式(I)の化合物に関する。
【0216】
もう一つの実施形態において、本発明は、ヘテロアリールがチアゾリルである式(I)の化合物に関する。
【0217】
もう一つの実施形態において、本発明は、ヘテロアリールがピロリルである式(I)の化合物に関する。
【0218】
もう一つの実施形態において、本発明は、アリーレンがフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0219】
もう一つの実施形態において、本発明は、ヘテロアリーレンがチエニレンである式(I)の化合物に関する。
【0220】
もう一つの実施形態において、本発明は、ヘテロアリーレンがピリジレンである式(I)の化合物に関する。
【0221】
もう一つの実施形態において、本発明は、アラルキルがベンジルである式(I)の化合物に関する。
【0222】
もう一つの実施形態において、本発明は、アリールオキシがフェノキシである式(I)の化合物に関する。
【0223】
もう一つの実施形態において、本発明は、アラルコキシがベンジルオキシである式(I)の化合物に関する。
【0224】
もう一つの実施形態において、本発明は、PPARδアゴニストである式(I)の化合物に関する。
【0225】
もう一つの実施形態において、本発明は、選択的PPARδアゴニストである式(I)の化合物に関する。
【0226】
本発明の特定の化合物の例は、
{4-[3-(4-クロロ-フェニルエチニル)-5-ピリジン-2-イルエチニル-フェニルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
[4-(3,5-ビス-ピリジン-2-イルエチニル-フェニルスルファニル)-2-メチル-フェノキシ]-酢酸;
{4-[3,5-ビス-(3-メトキシ-フェニルエチニル)-フェニルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;または
その薬学的に許容可能な酸または塩基との塩、その薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体である。
【0227】
本発明の特定の化合物の他の例は、
[4-[3,5-ビス-[(チアゾール-2-イル)エチニル]フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[4-[3,5-ビス-(3,4-ジメトキシフェニルエチニル)フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[4-[2,6-ビス-[(4-クロロフェニル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[4-[2,6-ビス[(2-ピリジル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[2-メチル-4-[2-(2-ピリジルエチニル)-6-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]フェノキシ]酢酸;
[4-[3,5-ビス-(1-メチル-1H-ピロール-2-イルエチニル)フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[2-メチル-4-[2,6-ビス[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジル-4-スルファニル]フェノキシ]酢酸;
{7-[2,6-ビス-(4-クロロ-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸;
{7-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸;
{4-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
{4-[2,6-ビス-(2-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
[4-[3,5-ビス-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ベンジルオキシ]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[4-[3,5-ビス[(2-チエニル)エチニル]ベンジルオキシ]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[4-[4,6-ビス[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジン-2-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
{4-[2,6-ビス-(4-トリフルオロメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルメチルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
{4-[2,6-ビス-(4-トリフルオロメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルメトキシ]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
{7-[2,6-ビス-(4-トリフルオロメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルメチルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸;
{4-[3,5-ビス-(4-クロロ-フェニルエチニル)-ベンジルオキシ]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;または
その薬学的に許容可能な酸または塩基との塩、何れかの光学異性体、ラセミ混合物を含む光学異性体の混合物、または何れかの多型体である。
【0228】
本発明はまた、本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩を包含する。このような塩には、薬学的に許容可能な酸付加塩、薬学的に許容可能な塩基付加塩、薬学的に許容可能な金属塩、アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩が含まれる。酸付加塩には、無機酸および有機酸の塩が含まれる。適切な無機酸の代表的な例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、および硝酸等が含まれる。適切な有機酸の代表的な例には、蟻酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、蓚酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サルフェート、ナイトレート、ホスフェート、パークロレート、ボレート、アセテート、ベンゾエート、ヒドロキシナフトエート、グリセロホスフェート、ケトグルタレート等が含まれる。薬学的に許容可能な無機または有機の酸付加塩の更なる例には、本明細書の一部として援用するJ. Pharm. Sci.、1977、66、2に列記された薬学的に許容可能な塩が含まれる。金属塩の例には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カルシウム塩等が含まれる。アミンおよび有機アミンの例には、アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、テトラメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、エチレンジアミン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、N-ベンジルフェニルエチルアミン、N-メチル-D-グルカミン、グアニジンなどが含まれる。陽イオン性アミノ酸の例には、リジン、アルギニン、ヒスチジン等が含まれる。
【0229】
薬学的に許容可能な塩は、式(I)の化合物と、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等のような1〜4当量の塩基とを、エーテル、THF、メタノール、t-ブタノール、ジオキサン、イソプロパノール、エタノール等のような溶媒中で反応させることによって調製される。溶媒の混合物を使用してもよい。また、リジン、アルギニン、ジエタノールアミン、コリン、グアニジン、およびそれらの誘導体等のような有機塩基を使用してもよい。或いは、適用可能な場合には常に、酸付加塩は、酢酸エチル、エーテル、アルコール、アセトン、THF、ジオキサン等のような溶媒中において、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、コハク酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸等で処理することによって調製される。また、溶媒の混合物を使用してもよい。
【0230】
本発明の一部を形成する化合物の立体異性体は、可能なときには何時でも、それらの単一のエナンチオマー形態の反応体をプロセスにおいて使用することにより、または単一のエナンチオマー形態の試薬または触媒の存在下で反応を行うことにより、または慣用的な方法により立体異性体の混合物を分割することによって調製すればよい。幾つかの好ましい方法には、微生物的分割、酵素的分割、並びに適用可能な場合は何時でも、マンデル酸、カンファー酸、酒石酸および乳酸等のキラル酸、またはブルシン、(R)-もしくは(S)-フェニルエチルアミン、キナアルカロイドおよびそれらの誘導体などのキラル塩基を用いて形成されたジアステレオマー塩を分割することが含まれる。通常使用される方法は、Jaques et alの「Enantiomers、Racemates and Resolution」(Wiley Interscience、1981)に従う。更に詳細に言えば、式(I)の化合物は、キラルなアミン、アミノ酸、アミノ酸から誘導されるアミノアルコールで処理することによって、ジアステレオマーアミドの1:1混合物に変換されてよい。酸をアミン変換するためには、慣用的な反応条件を用いればよい。このジアステレオマーは、分別結晶化またはクロマトグラフィーによって分離することができ、また、式(I)の化合物の立体異性体は、純粋なジアステレオマーアミドを加水分解することによって調製することができる。
【0231】
本発明の一部を形成する一般式(I)の化合物の種々の多型体は、異なる条件下で式(I)の化合物を結晶化することにより調製することができる。例えば、再結晶化のために通常用いられる種々の溶媒またはそれらの混合物;異なる温度での結晶化;結晶化の際の非常に速い冷却から非常に遅い冷却に亘る種々の冷却モードを使用する。また、多型体は、化合物を加熱または溶融させた後に、徐冷却または急冷却することによっても得ることができる。多型体の存在は、固体プローブNMRスペクトル、IRスペクトル、走査型示差熱分析、粉末X線回折または他の技術によって決定することができる。
【0232】
本発明はまた、本発明の化合物のプロドラッグをも包含するものであり、これは投与したとき、活性な薬理学的物質になる前に、代謝プロセスによって化学的変換を受けるものである。一般に、このようなプロドラッグは、必要な式(I)の化合物へとインビボで容易に変換可能な本発明の化合物の官能基誘導体である。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための慣用的な方法は、例えば、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」、H. Bundgaard、Elsevier、1985に記載されている。
【0233】
本発明はまた、本発明の化合物の活性代謝物をも包含する。
【0234】
本発明はまた、1以上の薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤と共に、活性成分として、少なくとも一つの式(I)の化合物、またはその何れかの光学異性体、幾何異性体、互変異性体もしくはそれらの混合物、或いはその薬学的に許容可能な塩を含有する薬学的組成物に関する。
【0235】
本発明は更に、上記で述べた症状のように、核内受容体、特にペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(Peroxisome Proliferator-Activated Receptors;PPAR)に媒介される症状を治療および/または予防するための薬学的組成物を製造するための、一般式(I)の化合物、またはその互変異性体、その立体異性体、その多型体、その薬学的に許容可能な塩、またはその薬学的に許容可能な溶媒和物の使用に関する。
【0236】
もう一つの側面において、本発明は、I型糖尿病またはII型糖尿病を治療および/または予防する方法に関する。
【0237】
更なる側面において、本発明は、I型糖尿病またはII型糖尿病を治療および/または予防するための薬学的組成物を製造するための、一般式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用に関する。
【0238】
更なる側面において、本発明の化合物は、IGTの治療および/または予防のために有用である。
【0239】
更なる側面において、本発明の化合物は、II型糖尿病の治療および/または予防のために有用である。
【0240】
更なる側面において、本発明の化合物は、IGTからII型糖尿病への進行を遅延または防止するために有用である。
【0241】
更なる側面において、本発明の化合物は、非インスリン要求性のII型糖尿病からインスリン要求性のII型糖尿病への進行を遅延または防止するために有用である。
【0242】
もう一つの側面において、本発明の化合物は、血中のグルコースおよびトリグリセリドのレベルを低下させ、従って、糖尿病および/または肥満のような病気および障害を治療および/または予防するために有用である。
【0243】
更にもう一つの側面において、本発明の化合物は、インスリン抵抗性(II型糖尿病)、グルコース寛容減損、異常脂血症、並びに高血圧、肥満、インスリン抵抗性、高血糖、アテローム硬化症、高脂血症、冠動脈疾患、心筋虚血および他の心血管系障害のようなシンドロームXに関連した障害を治療および/または予防するために有用である。
【0244】
更にもう一つの側面において、本発明は、冠動脈疾患、冠状心疾患、心臓発作、心筋梗塞、冠動脈梗塞症、一過性虚血発作(TIA)または脳卒中のような動脈硬化に関連した疾患または合併症を治療および/または予防するために有用である。
【0245】
更にもう一つの側面において、本発明の化合物は、ランゲルハンス島のβ細胞のような哺乳類細胞におけるアポトーシスの減少に有効である。
【0246】
更にもう一つの側面において、本発明の化合物は、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症を含む一定の腎疾患の治療のために有用である。
【0247】
更にもう一つの側面において、本発明の化合物はまた、痴呆症における認知機能の改善、糖尿病合併症、乾癬、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療、並びに骨喪失(たとえば骨粗鬆症)の治療および予防ために有用である。
【0248】
更にもう一つの側面において、本発明はまた、投与後にアテローム硬化症のバイオマーカー(限定されるものではないがc反応性タンパク質(CRP)、TNFαおよびIL-6等)を低下させる、本発明の化合物の使用に関する。
【0249】
本発明の化合物はまた、例えば、抗肥満剤、抗糖尿病薬、血圧降下剤、糖尿病に由来しまたはこれに付随する合併症の治療剤および/または予防剤、並びに肥満に由来しまたはこれに付随する合併症および疾患の治療剤および/または予防剤のような、1以上の更なる薬理学的活性物質と組合せて投与してもよい。
【0250】
従って、本発明の更なる側面において、本発明の化合物は1以上の抗肥満剤または食欲調節剤と組合せて投与してもよい。
【0251】
このような薬剤は、CART(コカインアンフェタミンに調節される転写物)アゴニスト、NPY(ニューロペプチドY)アンタゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、オーレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(コルチコトロピン放出因子)アゴニスト、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、MCH(メラニン細胞濃縮ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再取込み阻害剤、セロトニンおよびノルアドレナリン再取込み阻害剤、混合型セロトニンおよびノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出性化合物、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出性ホルモン)アゴニスト、UCP 2もしくは3(脱共役タンパク質2もしくは3)モジュレータ、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR(レチノイドX受容体)モジュレータ、またはTRβアゴニストからなる群から選択される。
【0252】
本発明の一つの実施形態において、前記抗肥満剤はレプチンである。
【0253】
もう一つの実施形態において、前記抗肥満剤はデキシアンフェタミンまたはアンフェタミンである。
【0254】
もう一つの実施形態において、前記抗肥満剤はフェンフルラミンまたはデキシフェンフルラミンである。
【0255】
更にもう一つの実施形態において、前記抗肥満剤はシブトラミンである。
【0256】
更にもう一つの実施形態において、前記抗肥満剤はオルリスタットである。
【0257】
もう一つの実施形態において、前記抗肥満剤はマジンドールまたはフェンテルミンである。
【0258】
適切な抗糖尿病薬には、インスリン、本明細書の一部として本願に援用するノボノルディスクA/SのWO 98/08871に開示されたGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)誘導体、並びに経口的に活性な血糖低下剤が含まれる。
【0259】
経口的に活性な血糖低下剤は、好ましくは、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、グルコシダーゼ阻害剤、ノボノルディスクA/Sおよびアグーロンファーマシューテカルズ社(Agouron Pharmaceuticals、Inc.)のWO 99/01423に開示されたようなグルカゴンアンタゴニスト、GLP-1アゴニスト、本明細書の一部として本願に援用するノボノルディスクA/SのWO 97/26265およびWO 99/03861に開示されたカリウムチャンネル開放剤、DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)阻害剤、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素の阻害剤、グルコース取込み調節剤、HMG CoA阻害剤(スタチン類)等の抗高脂血症剤および抗脂血症剤のような脂質代謝を修飾する化合物、食物摂取を低下させる化合物、RXRアゴニスト、並びにβ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに対して作用するアゴニストおよび薬剤を含むものである。
【0260】
本発明の一実施形態において、本発明の化合物はインスリンと組合せて投与される。
【0261】
更なる実施形態において、本発明の化合物は、スルホニル尿素、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、またはグリカジドと組合せて投与される。
【0262】
もう一つの実施形態において、本発明の化合物は、ビグアニド(例えばメトホルミン)と組合せて投与される。
【0263】
更にもう一つの実施形態において、本発明の化合物は、メグリチニド(例えばレパグリニドまたはセナグリニド)と組合せて投与される。
【0264】
更なる実施形態において、本発明の化合物は、αグルコシダーゼ阻害剤(例えばミグリトールまたはアカルボース)と組合せて投与される。
【0265】
もう一つの実施形態において、本発明の化合物は、β細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する薬剤、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリカジドまたはレパグリニドと組合せて投与される。
【0266】
更に、本発明の化合物は、ナテグリニドと組合せて投与されてもよい。
【0267】
更にもう一つの実施形態において、本発明の化合物は、抗高脂血症剤または抗脂血症剤、例えばコレスチラミン(cholestyramine)、コレスチポール(colestipol)、クロフィブレート(clofibrate)、ジェムフィブロジル(gemfibrozil)、フェノフィブレート(fenofibrate)、ベンザフィブレート(benzafibrate)、テサグリタザル(tesaglitazar)、EML-4156、LY-518674、LY-519818、MK-767、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン(lovastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、セリバスタチン(cerivastatin)、アシピポックス(acipimox)、エゼチミベ(ezetimibe)、プロブコール(probucol)、デキストロチロキシン(dextrothyroxine)、またはニコチン酸と組合せて投与される。
【0268】
更にもう一つの実施形態において、本発明の化合物は、チアゾリジンジオン、例えば、トログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、またはロシグリタゾンと組合せて投与される。
【0269】
更なる実施形態において、本発明の化合物は、上記で述べた化合物の2以上と組合せて、例えば、スルホニル尿素およびメトホルミン、スルホニル尿素およびアカルボース、レパグリニドおよびメトホルミン、インスリンおよびスルホニル尿素、インスリンおよびメトホルミン、インスリンおよびロバスタチン等と組合せて投与される。
【0270】
更に、本発明の化合物は、1以上の降圧剤と組合せて投与されてもよい。降圧剤の例は、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロールおよびメトプロロール等のβブロッカー;ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、キナラプリルおよびラミプリル等のACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤;ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン)、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼムおよびベラパミル等のカルシウムチャンネルブロッカー;およびドキサゾシン(doxazosin)、ウラピジル(urapidil)、プラゾシン(prazosin)およびテラゾシン(terazosin)等のαブロッカーである。更に、Remingtonの「The Science and Practice of Pharmacy」(19th Edition、Gennaro、Ed.、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1995)を参照することができる。
【0271】
本発明による化合物と、上記で述べた1以上の化合物、および任意に1以上の更なる薬理学的活性物質との適切な組合せは、本発明の範囲内にあるものとみなされることが理解されるべきである。
【0272】
本発明はまた、上記の新規化合物、その誘導体、その類似体、その互変異性体、その立体異性体、その多型体、その薬学的に許容可能な塩、または薬学的に許容可能な溶媒和物を調製する方法にも関する。
【0273】
<薬学的組成物>
本発明の化合物は、単独で、または薬学的に許容可能なキャリアもしくは賦形剤と組合せて、単回投与または多数回投与で投与すればよい。本発明による薬学的組成物は、薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤、並びに他の既知のアジュバントおよび賦形剤を用いて、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、19th Edition、Gennaro,Ed.、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1995に開示されたような従来の技術に従って処方すればよい。この組成物は慣用的な形態、例えばカプセル、錠剤、エアロゾル、溶液、懸濁液または局所的塗布剤の形態であってよい。
【0274】
典型的な組成物は、薬学的に許容可能な賦形剤(キャリアもしくは希釈剤であってよい)と会合された、またはキャリアで希釈された、或いはカプセル、サシェー、紙もしくは他の容器形態のキャリア中に封入された、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な酸付加塩を含んでいる。当該組成物の製造においては、薬学的組成物の調製のための従来の技術を使用すればよい。例えば、通常、活性化合物はキャリアと混合され、またはキャリアで希釈され、或いはアンプル、カプセル、サシェー、紙もしくは他の容器の形態のキャリア中に封入されるであろう。キャリアが希釈剤として働くとき、それは担体、賦形剤、または活性化合物のための媒質として作用する固体、半固体、または液体材料であってよい。活性化合物は、顆粒状の固体容器、例えばサシェーに吸着されてもよい。適切なキャリアの幾つかの例は、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエトキシ化ひまし油、ピーナッツ油、オリーブ油、ゼラチン、乳糖、白土、蔗糖、シクロデキストリン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸、もしくはセルロースの低級アルキルエーテル、珪酸、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロース、並びにポリビニルピロリドンである。同様に、キャリアまたは希釈剤には、単独の、またはワックスと混合されたモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような、当該技術において知られた何れかの持続放出材料が含まれてよい。当該処方剤はまた、湿潤剤、乳化剤もしくは懸濁剤、保存剤、甘味剤、香料を含んでいてもよい。本発明の処方剤は、当該技術において周知の方法を用いることにより、患者に投与した後に迅速な、持続的な、または遅延した活性成分の放出を提供するように処方してもよい。
【0275】
当該薬学的組成物は滅菌することができ、また所望であれば、活性化合物と有害な反応をしない補助剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、バッファーおよび/または着色物質などを混合してもよい。
【0276】
投与経路は、経口、経鼻、肺、経皮的、または非経腸的経路のような、活性化合物を適切または望ましい作用部位へと効果的に輸送する何れのルートであってもよく、例えば直腸、デポー、皮下、静脈内、尿道内、筋肉内、鼻内、点眼溶液または軟膏であり、経口経路が好ましい。
【0277】
経口投与のために固体キャリアが使用されるときは、この製剤は錠剤化してもよく、粉末もしくはペレットの形態で硬質ゼラチンカプセル中に配置してもよく、またはトローチもしくはロゼンジの形態であってもよい。液体キャリアが使用されるとき、当該製剤はシロップ、エマルジョン、軟質ゼラチンカプセル、または水性もしくは非水性の液体懸濁液もしくは溶液のような滅菌注射液の形態であってもよい。
【0278】
経鼻投与については、当該製剤は、液体キャリア(特にエアロゾル適用のための水性キャリア)中に溶解または懸濁された、式(I)の化合物を含むことができる。このキャリアは、可溶化剤(例えばポリエチレングリコール)、表面活性剤、例えばレシチン(ホスファチジルコリン)もしくはシクロデキストリンのような吸収増強剤、またはパラベンのような保存剤などの添加剤を含んでいてもよい。
【0279】
非経腸的適用のためには、注射可能な溶液または懸濁液、好ましくは活性成分をポリヒドロキシ化ひまし油中に溶解した水性溶液が特に好ましい。
【0280】
経口適用については、タルクおよび/または炭水化物のキャリアもしくはバインダなどを有する錠剤、ドラジェー、またはカプセルが特に好ましい。錠剤、ドラジェーまたはカプセルのための好ましいキャリアには、乳糖、コーンスターチ、および/またはポテトスターチが含まれる。シロップまたはエリキシールは、甘味添加された担体を使用できる場合に使用することができる。
【0281】
従来の錠剤化技術によって調製できる典型的な錠剤は、下記のものを含有する:
<コア>:
活性化合物(遊離化合物またはその塩として) 5 mg
コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil) 1.5 mg
微結晶セルロース(Avicel) 70 mg
修飾セルロースガム(Ac-ジ-Sol) 7.5 mg
ステアリン酸マグネシウム Ad.
<コーティング>:
HPMC 約9 mg
Mywacett 9-40 T 約0.9 mg
フィルムコーティングのための可塑剤として使用された
アシル化モノグリセリド
所望であれば、本発明の薬学的組成物は、上記で述べたような更なる薬理学的活性物質と共に、式(I)の化合物を含有してもよい。
【0282】
本発明の化合物は、血糖の調節に関する疾患の治療、予防、排除、緩和、または寛解を必要としている哺乳類、特にヒトに対して投与することができる。
【0283】
このような哺乳類には、例えば家庭用ペットのような家畜、および野生動物のような非家畜の何れの動物も含まれる。
【0284】
本発明の化合物は、広範な投与量範囲に亘って有効である。典型的な経口投与量は、1回以上の投与、例えば1〜3回の投与で投与される1日当り約0.001〜約100mg/kg体重、好ましくは1日当り約0.01〜約50mg/kg体重、より好ましくは1日当り約0.05〜約10mg/kg体重である。正確な投与量は、投与の頻度および形式、治療すべき患者の性別、年齢、体重および一般症状、治療される症状の性質および重篤度、並びに治療すべき併発疾患および当業者に明らかな他の因子に依存するであろう。
【0285】
当該処方剤は、当業者に知られた方法によって、単位投与量形態で提供されるのが便利である。1日当り1回以上、例えば1日1〜3回の経口投与のための典型的な単位投与量形態は、0.05〜約1000mg、好ましくは約0.1〜約500mg、より好ましくは0.5mg〜約200mgを含有することができる。
【0286】
ここに記載された新規な何れの特徴または特徴の組合せも、本発明に不可欠のものとみなされる。
【実施例】
【0287】
以下の例および一般手順は、本願明細書および合成スキームにおいて特定される中間体化合物および最終生成物に言及するものである。本発明の化合物の調製は、以下の例を用いて詳細に記述される。開示された本発明の範疇に含まれる各化合物に対して、反応がその記述される通りには適用されない場合がある。このような化合物は、当業者に直ちに認識されるであろう。そのような場合、当該反応は、当業者に知られた従来の改変によって、即ち、干渉基の適切な保護によって、他の従来の試薬への変更によって、または反応条件のルーチンの改変によって首尾よく行われ得る。或いは、ここに開示される他の反応、または他の慣用反応が、対応する本発明の化合物の調製に適用されるであろう。全ての調製方法において、全ての出発物質は公知であるか、または公知の出発物質から容易に調製できる。化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)により確認される。NMRシフト(δ)は、100万分の1(ppm)で示される。Mp は融点であり「℃」で示される。
【0288】
以下の例で用いられる略語は次の意味を有する:
THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド
CDCl3:重水素化クロロホルム
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
min:分
h:時間。
【0289】
一般手順(A)
ステップA:
下式IIの化合物:
【化3】

(式中、AR1およびZ1は上記で定義した通りである)
を、下式IIIの化合物:
【化4】

(式中、Y1、AR2、Y2、Z2 およびRは上記で定義した通り;ただしRは水素ではない)
と、パラジウム補助の条件(n=0)の下で、PdCl2(dppf)/Et3N/NMP等のような試薬を用いるか、アルキル化条件(n=1および2)の下でK2CO3/アセトン等を用いて反応させ、下式IVの化合物:
【化5】

(式中、Y1、Y2、AR1、AR2、Z1、Z2 およびRは上記で定義した通り;ただしRは水素ではない)
を得る。
【0290】
ステップB:
上記式IVの化合物(式中、Y1、Y2、AR1、AR2、Z1、Z2 およびRは上述で定義した通りであるが、Rは水素ではない)を、Pd2(dba)3/Pd(P(t-Bu)3)2/CuI/iPR2NH/THF 等のような適切なカップリング条件で、X1またはX2のアセチレン誘導体と反応させ、式Iの化合物(式中、X1、X2、Y1、Y2、AR1、AR2、Z1、Z2 およびRは上述で定義した通り;ただし、Rは水素ではない)を得る。
【0291】
一般手順(B)
ステップA:
式IIの化合物(式中、AR1およびZ1は上記で定義した通りである)を、Pd2(dba)3/Pd(P(t-Bu)3)2/CuI/iPR2NH/THF 等のような適切なカップリング条件下で、X1またはX2のアセチレン誘導体(式中、X1およびX2は上記で定義した通りである)と、反応させ、下式Vの化合物:
【化6】

(式中、X1、X2、AR1およびZ1は上記で定義した通りである)
を得る。
【0292】
ステップB:
上記式Vの化合物(式中、X1、X2、AR1およびZ1は上記で定義した通りである)を、式IIIの化合物(式中、Y1、AR2、Y2、Z2 およびRは上記で定義した通り;ただしRは水素ではない)と、PdCl2(dppf)/Et3N/NMP 等のような試薬を用いるパラジウム補助の条件(n=0)の下で、またはK2CO3/アセトン等を用いるアルキル化条件(n= 1および2)の下で反応させ、式Iの化合物(式中、X1、X2、Y1、Y2、AR1、AR2、Z1、Z2 およびRは上記で定義した通り;ただしRは水素ではない)を得る。
【0293】
一般手順(C)
ステップA:
式Iの化合物(式中、X1、X2、Y1、Y2、AR1、AR2、Z1、Z2 およびRは上記で定義した通り;ただしRは水素ではない)を、化学的または酵素的に鹸化することにより、式Iの化合物(式中、X1、X2、Y1、Y2、AR1、AR2、Z1、Z2 およびRは上記で定義した通り;ただしRは水素である)を得る。
【0294】
実験
HPLC系
HPLC方法A
Gilsonシステム(4つのGilson 306ポンプ、Gilson 155 検出器、Gilson reodyne 手動注入、Gilson 811C ミキサ、およびGilson 202 画分回収器)で、Phenomenex RP synergi-MAX カラム(3μm、30 mmx250 mm)[溶媒A(水)中の5%〜100%の溶媒B(アセトニトリル)の勾配溶液、40min以内、60mL/min、210nmで検出、温度rt]を用いて、RP-精製を行う。プールした画分を真空下で蒸発乾固させるか、またはMeCNが除去されるまで真空下で蒸発させ、次いで凍結および凍結乾燥させる。
【0295】
HPLC 方法B
Gilsonシステム(3つのGilson 306ポンプ、Gilson 170 DAD 検出器およびGilson 215 液体制御器)でWaters X-terra RP(10μm、30 mmx150 mm)[溶媒A(水中の0.05% TFA)中における5%〜95%の溶媒B(アセトニトリル中に0.05% TFA)の勾配溶液、15min以内、40mL/min、210 nmで検出、温度rt]を用いて、RP-精製を行った。プールした画分を、空下下で蒸発乾固させるか、またはMeCNが除去されるまで真空下で蒸発させ、次いで凍結および凍結乾燥させる。
【0296】
HPLC-MS(システム1)
Agilent MS 検出器システムモデルVL(MW 0-1000)およびS.E.D.E.R.E モデルSedex 55 ELS検出器システムを備えたAgilent HPLCシステム(1100 脱気器、1100ポンプ,1100 注入器および1100 DAD)で、Waters X-terra MS C18 カラム(5μm、3.0mm x 50mm)[溶媒A(水中の0.05% TFA)中における5%〜95% 溶媒B(アセトニトリル中の0.05% TFA)の勾配溶液、3min以内、2.7mL/min]を用いて、RP-分析を行った;
TEA:トリエチルアミン
NMP:N-メチル-ピロリドン。
【0297】
例1 [4-[3,5-ビス-(3-メトキシフェニルエチニル)フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化7】

一般手順(A)
ステップA:
(4-メルカプト-2-メチルフェノキシ)酢酸(1.14g、5.0mmol)、1,3,5-トリ-ブロモベンゼン(1.88g、6.0mmol)、ジクロロメタンとの[1,1‘-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム錯体 (0.205g、0.25mmol)、トリエチルアミン(2.7mL、10mmol)およびN-メチルピロリジン-2-オン(10mL)の混合物を、窒素下にて80℃で4h加熱した。次いで、この反応混合物を水(100mL)中に注ぎ、塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した(3x30mL)。合体した有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下において蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 95:5)に供し、(3,5-ジブロモフェニルスルファニル)-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。
【0298】
収量:1.227g(62%)。
【0299】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 9:1) 0.55。
【0300】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):7,48(t、J=1.7Hz、1H);7.33-7.25(m、2H);7.12(d、J=1.7Hz、2H);6.72(d、J=8.9Hz、1H);4.68(s、2H);4.28(q、J=7.1Hz、1H);2.30(s、3H);1.31(t、J=7.1Hz、3H)。
【0301】
ステップB:
窒素雰囲気中において、上記エステル(115mg、0.25mmol)および1-エチニル-3-メトキシベンゼン(97mL、0.75mmol)を無水テトラヒドロフラン(4mL)中に溶解させた。シクロヘキサン(0.2mL、0.03mmol)中のトリ-tert-ブチルホスフィンの0.15M 溶液を、シリンジを介して添加した。ヨウ化銅(I)(1.9mg、0.01mmol)、ジクロロ(ビスベンゾニトリル)パラジウム(5.7mg、0.015mmol)およびジイソプロピルアミン(84mL、0.60mmol)を添加した。微量の空気を除去し、混合物を窒素下に周囲温度で一晩撹拌した。この混合物を、酢酸エチル(10mL)で希釈し、シリカゲルのショートパスを通して濾過した。この濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 7:3−1:1−3:7) により精製して、4-[3,5-ビス-(3-メトキシフェニルエチニル)フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。
【0302】
収量:87mg(62%)。
【0303】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 9:1) 0.25。
【0304】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):7.48(t、J=1.4Hz、1H);7.35-7.25(m、6H);7.15-7.01(m、4H);6.95-6.85(m、2H);6.72(d、J=8.5Hz、1H);4.67(s、2H);4.27(q、J=7.1Hz、2H);2.30(s、3H);1.29(t、J=7.1Hz、3H)。
【0305】
一般手順(C)
ステップA:
テトラヒドロフラン/メタノール 3:1の混合物(4mL)中の上記エステル(87mg、0.15mmol)の冷却した溶液に、水(1mL)中の水酸化リチウム一水和物(8.4mg、0.2mmol)の溶液を添加した。0℃で2h添加した後、水を添加し、混合物を塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した(3x20mL)。合体した有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ジクロロメタン/メタノール 9:1) により精製して標題の酸を得た。
【0306】
収量:65mg(80%)。
【0307】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 9:1) 0.45。
【0308】
上記の酸をクロロメタン(2mL)中に溶解させ、メタノール/水(1:1、5mL)中のL-リジン(18mg、0.12mmol)の溶液を添加した。この混合物を真空下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン(5mL)中に再び溶解させた。エーテルを用いて低温(冷蔵庫)で慎重に沈殿させ、標題化合物のL-リジネートを得た。
【0309】
収量:63mg(62%,エステルに関して)。
【0310】
M.p. 111-125℃(ジクロロメタン/エーテル)。
【0311】
1H NMRスペクトル(200MHz,AcOH-d4、δH):7.40-6.70(m、14H);4.68(s、2H);3.96(t、J=7.0Hz、1H);3.70(s、3H);2.98(t、J=7.3Hz、2H);2.18(s、3H);1.71-1.38(m、6H)。
【0312】
例2 [4-[3,5-ビス-[(ピリジン-2-イル)エチニル]フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化8】

一般手順(A)
ステップB:
窒素雰囲気中において、4-(3,5-ジブロモフェニルスルファニル)-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(138mg、0.30mmol;例1に記載のとおりに調製)および2-エチニルピリジン(80mL、0.80mmol)を、無水テトラヒドロフラン(4mL)中に溶解させた。シクロヘキサン(0.2mL、0.03mmol)中のトリ-tert-ブチルホスフィン0.15M 溶液を、シリンジを介して添加した。ヨウ化銅(I)(1.9mg、0.01mmol)、ジクロロ(ビスベンゾニトリル)パラジウム(5.7mg、0.015mmol)およびジイソプロピルアミン(112mL、0.80mmol)を添加した。微量の空気を除去し、混合物を窒素下にて周囲温度で一晩撹拌し、次いで50℃で1h撹拌した。この混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、シリカゲルのショートパスを通して濾過した。この濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 7:3−1:1−3:7) により精製して、4-[3,5-ビス-[(ピリジン-2-イル)エチニル]フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。
【0313】
収量:97mg(64%)。
【0314】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 1:1) 0.30。
【0315】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):8.62(d、J=5.9Hz、2H);7.74-7.64(m、2H);7.58-7.48(m、3H);7.35-7.22(m、6H);6.72(d、J=9.0Hz、1H);4.68(s、2H);4.28(q、J=7.2Hz、2H);2.30(s、3H);1.28(t、J=7.2Hz、3H)。
【0316】
一般手順(C)
ステップA:
テトラヒドロフラン/メタノール 3:1(4mL)中の、上記エステル(97mg、0.19mmol)の氷冷した溶液に、水(1mL)中の水酸化リチウム一水和物(12mg、0.30mmol)の溶液を添加した。1h0℃で撹拌した後、塩化アンモニウム水溶液(20mL)を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した(3x25mL)。合体した有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸発させた。粗製の標題の酸をテトラヒドロフラン(5mL)中に溶解させ、L-リジン水溶液(27mg、0.19mmol)を添加した。この混合物を蒸発乾固させ、残渣をテトラヒドロフラン(5mL)中に再び溶解させた。アセトニトリルを用いて慎重に沈殿させ、標題の化合物のL-リジネートを得た。
【0317】
収量:102mg(86%)。
【0318】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 4:1) 0.45(遊離酸)。
【0319】
M.p. 143-155℃(テトラヒドロフラン/アセトニトリル)。
【0320】
1H NMRスペクトル(200MHz,AcOH-d4、δH):8.63(d、J=5.1Hz、2H);7.92-7.78(m、2H);7.62-7.24(m、9H);6.81(d、J=9.2Hz、1H);4.72(s、2H);3.97(bs、1H);2.99(bs、2H);2.19(s、3H);1.74-1.40(m、6H)。
【0321】
例3 [4-[3-(4-クロロフェニルエチニル)-5-[(ピリジン-2-イル)エチニル]フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化9】

一般手順(A)
ステップB:
窒素雰囲気中において、[4-(3,5-ジブロモフェニルスルファニル)-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(460mg、1mmol;例1に記載のとおりに調製)および2-エチニルピリジン(110mL、1.1mmol)を、無水テトラヒドロフラン(7mL)中に溶解させた。シクロヘキサン(0.6mL、0.06mmol)中のトリ-tert-ブチルホスフィンの0.15M 溶液を、シリンジを介して添加した。ヨウ化銅(I)(3.8mg、0.02mmol)、ジクロロ(ビスベンゾニトリル)パラジウム(11mg、0.03mmol)およびジイソプロピルアミン(155mL、1.1mmol)を添加した。微量の空気を除去し、混合物を窒素下にて40℃で一晩撹拌した。この混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、シリカゲルのショートパスを通して濾過した。この濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 90:10−85:15) により精製して、4-[3-ブロモ-5-[(ピリジン-2-イル)エチニル]フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得、さらに144mg(30%)の未変化の出発ジブロモ誘導体を得た。
【0322】
収量:254mg(52%)。
【0323】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 3:1) 0.40。
【0324】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):8.59(d、J=5.6Hz、1H);7.68(dt、J=1.8 and 7.7Hz、1H);7.54-7.46(m、2H);7.33-7.19(m、5H);6.72(d、J=9.0Hz、1H);4.69(s、2H);4.28(q、J=7.2Hz、2H);2.30(s、3H);1.32(t、J=7.2Hz、3H)。
【0325】
上記エステル(238mg、0.49mmol)および(4-クロロフェニル)アセチレン(82mg、0.6mmol)を、窒素雰囲気において無水テトラヒドロフラン(5mL)中に溶解させた。シクロヘキサン(0.2mL、0.03mmol)中のトリ-tert-ブチルホスフィンの0.15M 溶液を、シリンジを介して添加した。ヨウ化銅(I)(2mg、0.01mmol)、ジクロロ(ビスベンゾニトリル)パラジウム(6mg、0.015mmol)およびジイソプロピルアミン(70mL、0.5mmol)を添加した。微量の空気を除去し、混合物を窒素下にて60℃で1h撹拌した。この混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、シリカゲルのショートパスを通して濾過した。この濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 90:10−85:15) により精製した。生成物と未反応の出発化合物との得られた混合物を、分取用HPLC(水中のアセトニトリル-0.1% トリフルオロ酢酸、C-18シリカゲル、Lunaカラム−Phenomenex)を用いて分離し、[4-[3-(4-クロロフェニルエチニル)-5-[(ピリジン-2-イル)エチニル]フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルのトリフルオロ酢酸塩の塩を得た。
【0326】
収量:126mg(40%)。
【0327】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 3:1) 0.40。
【0328】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):8.86(d、J=5.7Hz、1H);8.24(dt、J=1.6 and 7.8Hz、1H);7.84(d、J=8.2Hz、1H);7.78-7.68(m、1H);7.56(t、J=1.5Hz、1H);7.48-7.24(m、8H);6.73(d、J=9.1Hz、1H);4.69(s、2H);4.28(q、J=7.1Hz、2H);2.30(s、3H);1.30(t、J=7.0Hz、3H)。
【0329】
一般手順(C)
ステップA:
テトラヒドロフラン/メタノール 3:1混合物(4mL)中の、上記トリフルオロ酢酸塩(105mg、0.19mmol)の冷却した溶液に、水(1mL)中の水酸化リチウム一水和物(19mg、0.46mmol)の溶液を添加した。0℃で1h撹拌したのち、塩化アンモニウム水溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した(3x20mL)。合体した有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸発させた。粗生成物をジクロロメタン/エタノール混合物(1:1、5mL)中に溶解させ、1M 塩酸水溶液(0.2mL、0.2mmol)を添加した。標題の酸の固体塩酸塩を、エーテルを用いた沈殿により得た。
【0330】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 9:1) 0.2(遊離酸)。
【0331】
M.p. 185-189℃。
【0332】
1H NMRスペクトル(200MHz,AcOH-d4、δH):8.60(bs、1H);7.95-7.77(m、1H);7.75-7.13(m、11H);6.96(d、J=8.6Hz、1H);4.79(s、2H);2.22(s、3H)。
【0333】
例4 [4-[3,5-ビス-[(チアゾール-2-イル)エチニル]フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化10】

ヨウ化銅(I)(38mg、0.20mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(250mg、0.40mmol)およびN,N-ジイソプロピルアミン(1.40g、14mmol)を、2-ヨードチアゾール(1.50g、7.0mmol; J. Org. Chem. 1988、53、2489に記載のとおりに調製)および乾燥テトラヒドロフラン(50mL)の溶液に添加した。この反応混合物を脱気し、トリメチルシリルアセチレン (1.40g、14mmol)を、2回に分けて窒素雰囲気下で添加した。反応物を50℃にまで12h加熱した。形成された沈殿物を分離し、シリカゲルのショートパスを介する濾過によりパラジウムを除去した。この濾液を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60:ヘキサン/酢酸エチル 98:2−90:10) により精製して、2-(トリメチルシリルエチニル)チアゾールを黄色の油状物で得た。
【0334】
収量:600mg(32%)。
【0335】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 90:10) 0.30。
【0336】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):7.75(d、J=3.3Hz、1H);7.29(d、J=3.3Hz、1H);0.22(bs、9H)。
【0337】
一般手順(A)
ステップB:
フッ化テトラブチルアンモニウム(4.0mL、4.00mmol)および無水エタノール(5mL)の1M 溶液を、乾燥テトラヒドロフラン(15mL)中の2-(トリメチルシリルエチニル)チアゾール (600mg、3.20mmol)および[4-(3,5-ジブロモフェニルスルファニル)-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(460mg、1.00mmol;例1に記載のとおりに調製) の溶液に添加した。この反応混合物を、周囲温度で10 min撹拌し、続いて脱気した。窒素雰囲気中において、シクロヘキサン(0.7mL、0.10mmol)中のトリ-t-ブチルホスフィンの0.15M 溶液、ヨウ化銅(I)(8mg、0.04mmol)、tris(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体 (103mg、0.05mmol)およびN,N-ジイソプロピルアミン(500mg、4.0mmol)を反応混合物に添加し、得られた混合物を50℃で12h加熱した。この溶液をシリカゲルのショートパスを通して濾過し、真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60:ヘキサン/酢酸エチル 95:5〜50:50)により分離して一置換生成物および二置換生成物を得た。
【0338】
4-[3-ブロモ-5-[(チアゾール-2-イル)エチニル]フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル:
収量:140mg(30%)。
【0339】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 90:10) 0.40。
【0340】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):7.84(d、J=2.9Hz、1H);7.43(m、1H);7.39(d、J=3.1Hz、1H);7.30(m、1H);7.28(m、1H);7.23(m、1H);7.15(m、1H);6.71(d、J=9.1Hz、1H);4.67(s、2H);4.25(q、J=7.2Hz、2H);2.28(s、3H);1.27(t、J=7.1Hz、3H)。
【0341】
4-[3,5-ビス[(チアゾール-2-イル)エチニル]フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル
収量:250mg(50%)。
【0342】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 90:10) 0.15。
【0343】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):7.87(d、J=3.2Hz、2H);7.55(m、1H);7.41(d、J=3.2Hz、2H);7.35(m、1H);7.32(m、2H);7.29(bd、J=8.6Hz、1H);6.74(d、J=9.0Hz、1H);4.70(s、2H);4.28(q、J=7.1Hz、2H);2.32(s、3H);1.30(t、J=7.1Hz、3H)。
【0344】
一般手順(C)
ステップA:
上記の二置換エステル(250mg、0.48mmol)を、テトラヒドロフラン/メタノール/水の混合物(5:1:1、5mL)中に溶解させ、水酸化リチウムの飽和水溶液(0.5mL)を添加し、得られた反応混合物を周囲温度で2h撹拌した。酒石酸水溶液(2mL)、塩化アンモニウム水溶液(2mL)およびエーテル(10mL)を添加し、有機層を分離し、水相をエーテルで抽出した(3x15mL)。合体した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させ、十分に純粋な粗製の標題の酸を得た。
【0345】
収量:120mg(50%)。
【0346】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 80:20) 0.80。
【0347】
1H NMRスペクトル(200MHz、CD3COOD、δH):8.00(d、J=3.2Hz、2H);7.64(bs、1H);7.61(d、J=3.2Hz、2H);7.44(m、1H);7.41(s、1H);6.92(d、J=9.2Hz、1H);4.84(s、2H);2.35(s、3H)。
【0348】
上記の酸(120mg、0.26mmol)をトラヒドロフラン/メタノール/水の混合物(1:5:1、2mL)中に溶解させ、粉末のL-リジン(40mg、0.25mmol)を添加した。この混合物を3h撹拌し、続いて過剰の無水エーテル(20mL)を添加した。形成された懸濁物を1h撹拌し、沈殿物を沈降させ、溶媒をデカントした。沈殿物をエーテルで同様に洗浄した(4x20mL)。得られた標題の酸のL-リジネートを真空下で乾燥させた。
【0349】
収量:129mg(82%)。
【0350】
M.p. 136−143℃(非晶質)。
【0351】
1H NMRスペクトル(200MHz、DMSO-d6、δH):7.97(s、4H);7.70(s、2H);7.36(s、4H);6.82(m、1H);4.32(s、2H);3.21(m、2H);2.72(m、2H);2.17(s、3H);1.74〜1.28(m、6H)。
【0352】
例5 [4-[3,5-ビス-(3,4-ジメトキシフェニルエチニル)フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化11】

一般手順(A)
ステップB:
乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中の[4-(3,5-ジブロモフェニルスルファニル)-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(0.50g、1.10mmol;例1に記載のとおりに調製)および1,2-ジメトキシ-4-エチニルベンゼン(360mg、2.20mmol)の溶液を脱気し、シクロヘキサン(0.730mL、0.11mmol)中のトリ-t-ブチルホスフィンの0.15M 溶液、ヨウ化銅(I)(8mg、0.044mmol)、tris(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(57mg、0.055mmol)およびN,N-ジイソプロピルアミン(0.25mL、2.20mmol)を添加した。反応フラスコを窒素で再びフラッシュし、該反応混合物を50℃で一晩撹拌し、さらに周囲温度で6h撹拌した。この反応溶液をシリカゲルのショートパスを通して濾過し、シリカゲルをエーテル(100mL)で洗浄し、合体した濾液を真空下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60:ヘキサン/酢酸エチル 98:2-40:60) により精製し、4-[3,5-ビス-(3,4-ジメトキシフェニルエチニル)フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。
【0353】
収量:190mg(28%)。
【0354】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 80:20) 0.15。
【0355】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):7.36(m、1H);7.33(s、1H);7.25(m、1H);7.13(dd、J=8.3および1.8Hz、2H);7.02(d、J=1.8Hz、2H);7.00-6.86(m、2H);6.84(d、J=8.4Hz、2Hz);6.72(d、J=8.2Hz、1H);4.67(s、2H);4.28(q、J=7.1Hz、2H);3.19(bs、12H);2.31(s、3H);1.30(t、J=7.3Hz、3H)。
【0356】
一般手順(C)
ステップA:
上記エステル(190mg、0.305mmol)をテトラヒドロフラン/メタノール/水の混合物(2:1:1、5mL)中に溶解させ、水酸化リチウムの飽和水溶液(0.5mL)を添加し、この反応混合物を周囲温度で2h撹拌した。酒石酸の希釈溶液(2mL)およびエーテル(10mL)を添加し、有機層を分離し、水相をエーテルで抽出した(3x15mL)。合体した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させ、十分に純粋な粗製の標題の酸を得た。
【0357】
収量:80mg(50%)。
【0358】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 80:20) 0.75。
【0359】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):7.50-6.56(m、14H);4.82(bs、2H);3.78(bs、12H);2.01(s、3H)。
【0360】
上記酸(80mg、0.140mmol)をテトラヒドロフラン/メタノール/水の混合物(1:5:1、2mL)中に溶解させ、粉末のL-リジン(21mg、0.150mmol)を添加した。この混合物を3h撹拌し、無水エーテル(20mL)を添加し、形成された沈殿物を沈降させ、溶媒をデカントした。この沈殿物をエーテルで同様に洗浄した(4x20mL)。得られた標題の酸のL-リジネートを真空下で乾燥させた。
【0361】
収量:58mg(58%)。
【0362】
M.p. 148−151℃(非晶質)。
【0363】
1H NMRスペクトル(200MHz、DMSO-d6、δH):8.32(s、1H);7.65-6.89(m、11H);6.82(bd、J=8.8Hz、2Hz);4.33(bs、2H);3.77(bs、12H);3.23(m、1H);2.71(m、2H)、2.17(s、3H);1.78〜1.22(m、7H)。
【0364】
例6 [4-[2,6-ビス-[(4-クロロフェニル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化12】

一般手順(A)
ステップA:
(4-メルカプト-2-メチルフェノキシ)酢酸エチル(1.0g、4.4mmol)、2,4,6-トリブロモピリジン(1.26g、4mmol;Chem. Ber. 1989、122、489に記載のとおりに調製)、[1,1‘-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムのジクロロメタンとの錯体(0.163g、0.20mmol)、トリエチルアミン(1.23mL、8.8mmol)、およびN-メチルピロリジノン(12mL)の混合物を、窒素下にて80℃で3h加熱した。次いでこの反応混合物を水(60mL)中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(3x70mL)。合体した有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 98:2−80:20)に供して、[4-(2,6-ジブロモピリジン-4-イルスルファニル)-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。
【0365】
収量:1.33g(72%)。
【0366】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 90:10) 0.30。
【0367】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):7.34-7.31(m、2H);6.97(s、2H);6.78(d、J=9.1Hz、1H);4.72(s、2H);4.29(q、J=7.1Hz、2H);2.33(s、3H);1.32(t、J= 7.1Hz、3H)。
【0368】
ステップB:
窒素雰囲気中において、上記エステル(190mg、0.412mmol)および4-クロロ-1-エチニルベンゼン(169mg、1.24mmol)を、無水の脱気したテトラヒドロフラン(5mL)中に溶解させた。シクロヘキサン中のトリ-tert-ブチルホスフィンの0.15M 溶液(0.327mL、0.049mmol)を、シリンジを介して添加した。ヨウ化銅(I)(3.0mg、0.016mmol)、ジクロロ(ビスベンゾニトリル)パラジウム(9.6mg、0.025mmol)およびジイソプロピルアミン(138mL、0.99mmol)を添加した。微量の空気を除去し、混合物を窒素下にて周囲温度で一晩撹拌した。この混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、シリカゲルのショートパスを通して濾過した。この濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 95:5-90:10)により精製して、[4-[2,6-ビス[(4-クロロフェニル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。
【0369】
収量:235mg(99%)。
【0370】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 75:25) 0.65。
【0371】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):7.50(d、J=8.6Hz、4H);7.39-7.30(m、6H);7.05(s、2H);6.79(d、J=9.1Hz、1H);4.72(s、2H);4.29(q、J=7.1Hz、2H);2.34(s、3H);1.31(t、J=7.1Hz、3H)。
【0372】
一般手順(C)
ステップA:
上記エステル(228mg、0.398mmol)をテトラヒドロフラン/メタノール混合物(5:1、9mL)中に溶解させ、水(1mL)中の水酸化リチウム(25mg、0.597mmol)の溶液を冷却下で(0℃)添加し、この反応混合物を周囲温度で2h撹拌した。酒石酸(89mg、0.597mmol)の水溶液(2mL)、塩化アンモニウム飽和溶液(2mL)、水(4mL)およびエーテル(10mL)を添加し、有機層を分離し、水相をエーテルで抽出した(3x10mL)。合体した有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ジクロロメタン/メタノール 98:2-80:20)に供して、標題の酸を白色の結晶で得た。
【0373】
収量:125mg(58%)。
【0374】
M.p. 180〜202℃(非晶質)。
【0375】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 90:10) 0.50。
【0376】
1H NMRスペクトル(200MHz、DMSO-d6、δH):7.62(d、J=8.5Hz、4H);7.51(d、J=8.5Hz、4H);7.42(d+s、J=7.6Hz、2H);7.18(s、2H);6.98(d、J=8.4Hz、1H);4.67(s、2H);2.23(s、3H)。
【0377】
例7 [4-[2,6-ビス[(2-ピリジル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化13】

一般手順(C)
ステップB:
窒素雰囲気中において、4-(2,6-ジブロモピリジン-4-イルスルファニル)-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(110mg、0.239mmol;例6に記載のとおりに調製)および2-エチニルピリジン(74mg、0.717mmol)を、脱気した無水テトラヒドロフラン(2mL)中に溶解させた。シクロヘキサン(0.191mL、0.029mmol)中のトリ-tert-ブチルホスフィンの0.15M 溶液を、シリンジを介して添加した。ヨウ化銅(I)(1.9mg、0.010mmol)、ジクロロ(ビスベンゾニトリル)パラジウム(5.5mg、0.014mmol)およびジイソプロピルアミン(80mL、0.574mmol)を連続して添加した。微量の空気を除去し、混合物を窒素下にて周囲温度で一晩撹拌した。この混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、シリカゲルのショートパスを通して濾過した。この濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 9:1-1:9)により精製し、[4-[2,6-ビス[(2-ピリジル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを茶色の油状物で得、さらに副生成物として一置換誘導体,[4-[6-ブロモ-2-[(2-ピリジル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た(50mg、22%収率)。
【0378】
収量:105mg(43%)。
【0379】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 90:10) 0.70。
【0380】
1H NMRスペクトル(300MHz、CDCl3、δH):8.61(d、J=4.6Hz、2H);7.68-7.59(m、4H);7.36-7.25(m、4H);7.17(s、2H);6.78(d、J=9.0Hz、1H);4.72(s、2H);4.28(q、J=7.1Hz、2H);2.33(s、3H);1.30(t、J=7.1Hz、3H)。
【0381】
一般手順(C)
ステップA:
上記エステル(210mg、0.415mmol)をテトラヒドロフラン/メタノール 混合物(5:1、9mL)中に溶解させ、水(1mL)中の水酸化リチウム一水和物(26mg、0.623mmol)の溶液を冷却下で(0℃) 添加し、この反応混合物を周囲温度で2h撹拌した。水(2mL)中の酒石酸 (100mg、0.664mmol)の溶液、塩化アンモニウム飽和溶液(4mL)、水(2mL)およびエーテル(10mL)を添加し、有機層を分離し、水相をエーテルで抽出した(3x10mL)。合体した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をアセトニトリルおよび水の混合物から結晶化させて、標題の酸を薄い茶色の結晶物で得た。
【0382】
収量:142mg(72%)。M.p. 190〜193℃(アセトニトリル/水)。
【0383】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 90:10) 0.25。
【0384】
1H NMRスペクトル(300MHz、DMSO-d6、δH):8.64(d、J=5.6Hz、2H);7.92-7.86(m、2H);7.72(d、J=7.8Hz、2H);7.50-7.46(m、4H);7.26(s、2H);7.04(d、J=8.1Hz、1H);4.83(s、2H);2.25(s、3H)。
【0385】
例8 [2-メチル-4-[2-(2-ピリジルエチニル)-6-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]フェノキシ]酢酸
【化14】

一般手順(A)
ステップB:
窒素雰囲気中において、[4-(2,6-ジブロモピリジン-4-イルスルファニル)-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(369mg、0.80mmol,例6に記載のとおりに調製)および2-エチニルピリジン(91mg、0.88mmol)を、脱気した無水テトラヒドロフラン(7mL)中に溶解させた。シクロヘキサン(0.64mL、0.096mmol)中のトリ-tert-ブチルホスフィンの0.15M 溶液を、シリンジを介して添加した。ヨウ化銅(I)(6.1mg、0.032mmol)、ジクロロ(ビスベンゾニトリル)パラジウム(18.4mg、0.048mmol)およびジイソプロピルアミン(269mL、1.92mmol)を連続して添加した。微量の空気を除去し、混合物を窒素下にて周囲温度で一晩撹拌した。この混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、シリカゲルのショートパスを通して濾過した。この濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 9:1〜1:9) により精製して、4-[6-ブロモ-2-(2-ピリジルエチニル)ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。この回収した出発物質 (119mg、32%収率)を、二置換生成物の[4-[2,6-ビス[(2-ピリジル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(67mg、17%収率)と共に、さらなる反応において用いた。
【0386】
収量:185mg(48%)。
【0387】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 75:25) 0.15。
【0388】
1H NMRスペクトル(200MHz、CDCl3、δH):8.61(d、J=4.8Hz、1H);7.75-7.57(m、2H);7.36-7.26(m、3H);7.08(d、J=1.5Hz、1H);7.06(d、J=1.5Hz、1H);6.78(d、J=9.1Hz、1H);4.72(s、2H);4.29(q、J=7.2Hz、2H);2.33(s、3H);1.32(t、J=7.2Hz、3H)。
【0389】
窒素雰囲気中において、上記生成物(182mg、0.377mmol)および(4-トリフルオロメチルフェニル)アセチレン(96mg、0.565mmol)を、脱気した無水テトラ-ヒドロフラン(4mL)中に溶解させた。シクロヘキサン(0.300mL、0.045mmol)中のトリ-tert-ブチルホスフィンの0.15M 溶液を、シリンジを介して添加した。ヨウ化銅(I)(2.9mg、0.015mmol)、ジクロロ(ビスベンゾニトリル)パラジウム(8.7mg、0.023mmol)およびジイソプロピルアミン(127mL、0.903mmol)を連続して添加した。微量の空気を除去し、混合物を窒素下にて周囲温度で一晩撹拌した。この混合物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、シリカゲルのショートパスを通して濾過した。この濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 9:1-4:6)により精製し、[2-メチル-4-[2-(2-ピリジルエチニル)-6-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]フェノキシ]酢酸エチルを得た。
【0390】
収量:185mg(86%)。
【0391】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 1:1) 0.70。
【0392】
1H NMRスペクトル(300MHz、CDCl3、δH):8.61(d、J=4.6Hz、1H);7.69-7.59(m、5H);7.37-7.26(m、3H);7.17(s、1H);7.10(s、1H);6.79(d、J=8.9Hz、1H);4.72(s、2H);4.29(q、J=7.1Hz、2H);2.34(s、3H);1.31(t、J=7.1Hz、3H)。
【0393】
一般手順(C)
ステップA:
上記エステル(185mg、0.323mmol)をトラヒドロフラン/メタノール混合物(5:1、9mL)中に溶解させ、水(1mL)中の水酸化リチウム一水和物(20mg、0.485mmol)の溶液を冷却下で(0℃)添加し、反応混合物を周囲温度で2h撹拌した。水(2mL)中の酒石酸(78mg、0.517mmol)の溶液、塩化アンモニウム飽和溶液(2mL)、水(4mL)およびエーテル(10mL)を添加し、有機層を分離し、水相をエーテルで抽出した(3x10mL)。合体した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ジクロロメタン/メタノール 100:0-85:15)に供し、アセトニトリル、水およびテトラヒドロフランの混合物からの結晶化によって標題の酸をオフホワイト色の結晶で得た。
【0394】
収量:100mg(57%)。
【0395】
M.p. 120〜123℃(アセトニトリル/水/テトラヒドロフラン)。
【0396】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 90:10) 0.35。
【0397】
1H NMRスペクトル(300MHz、DMSO-d6、δH):8.62(bs、1H);7.90-7.81(m、5H);7.70(d、J=7.5Hz、1H);7.48-7.38(m、3H);7.29(s、1H);7.19(s、1H);4.52(s、2H);2.21(s、3H)。
【0398】
例9 [4-[3,5-ビス-(1-メチル-1H-ピロル-2-イルエチニル)フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化15】

一般手順(A)
ステップB:
テトラヒドロフラン(5mL)中の4-[3,5-ジブロモフェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(550mg、1.20mmol;例1に記載のとおりに調製)および3-トリメチルシリルエチニル-N-メチルピロル(630mg、3.55mmol)の溶液を脱気し、次いで無水エタノール(1mL)およびテトラブチルアンモニウムフッ化物(3mL、3.00mmol)の1M 溶液を添加した。この混合物を周囲温度で1h撹拌した。トリ-t-ブチル-ホスフィンの0.15M 溶液(0.8mL、0.12mmol)、ヨウ化銅(I)(9mg、0.05mmol)、tris(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(62mg、0.06mmol)およびN,N-ジイソプロピルアミン(0.50mL、4.80mmol)を添加した。この反応フラスコを窒素を再度窒素でフラッシュし、この反応混合物を60℃で5h撹拌した。最後に、反応溶液をシリカゲルのショートパスを通して濾過し、シリカゲルをエーテル(100mL)で洗浄し、合体した濾液を真空下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60:ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン 98:2:0.05−90:10:0.05) により精製して、[4-[3,5-ビス-(1-メチル-1H-ピロル-2-イルエチニル)フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸塩を得た。
【0399】
収量:0.43g(70%)。
【0400】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 80:20) 0.45。
【0401】
1H NMRスペクトル(250MHz、CDCl3、δH):7.36(bt、J=1.4Hz、1H);7.32-7.26(m、2H);7.19(bd、J=1.5Hz、2H);6.71(d、J=8.2Hz、1H);6.68(dd、J=2.7、1.7Hz;2H);6.47(dd、J=3.8、1.7Hz;2H);6.10(dd、J=3.8、2.7Hz;2H);4.66(s、2H);4.26(q、J=7.2Hz、2H);3.71(s、6H);2.29(s、3H);1.29(t、J=7.1Hz、3H)。
【0402】
一般手順(C)
ステップA:
蒸留水(1mL)中の水酸化リチウム一水和物(0.05g、1.00mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン/メタノール混合物(5:1;6mL)中の上記エステル(0.43g、0.85mmol)の氷水冷却溶液に添加し、得られた溶液を冷却しながら45min撹拌した。この反応混合物を酒石酸飽和溶液(5mL)で中和し、塩化アンモニウム飽和溶液(5mL)および水(10mL)を添加した。この溶液を、クロロホルムで抽出し(4x20mL)、合体した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で蒸発させた。これにより十分に純粋な[4-[3,5-ビス-[3-(モルホリン-4-イル)プロピニル] フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸を得た。
【0403】
収量:400mg(98%)。
【0404】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 80:20) 0.55。
【0405】
1H NMRスペクトル(250MHz、CDCl3、δH):7.37(t、J=1.4Hz、1H);7.30-7.26(m、2H);7.20(d、J=1.4Hz、2H);6.73(d、J=8.2Hz、1H);6.67(dd、J=2.6、1.7Hz;2H);6.47(dd、J=3.8、1.7Hz;2H);6.10(dd、J=3.8、2.7Hz;2H);4.70(s、2H);3.70(s、6H);2.28(s、3H)。
【0406】
蒸留水(0.8mL)中のL-リジン(120mg、0.83mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(8mL)およびメタノール(4mL)混合物中の上記酸(400mg、0.83mmol)の溶液に添加した。得られた溶液を60min撹拌し、真空下で蒸発させた。残渣を最少量のメタノール中に溶解させ、乾燥アセトニトリル(50mL)を添加した。沈殿物を濾過除去したのち、無水エーテル(50mL)で洗浄し、標題の酸のL-リジネートを得た。
【0407】
収量:150mg(29%)。
【0408】
M.p. 128〜135℃(非晶質)。
【0409】
1H NMRスペクトル(250MHz、DMSO-d6、δH):7.42(m、1H);7.33(m、2H);7.13(m、2H);6.94(m、2H);6.83(m、1H);6.46(m、2H);6.05(m、2H);4.33(m、2H);3.68(m、2H);3.50(m、〜1H);2.77(m、〜2H);2.19(s、3H);1.84〜1.22(m、〜4)。
【0410】
例10 [2-メチル-4-[2,6-ビス[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジル-4-スルファニル]フェノキシ]酢酸
【化16】

窒素雰囲気中において、[4-(2,6-ジブロモピリジル-4-スルファニル)-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(461mg、1.0mmol;例6に記載のとおりに調製)および4-(トリフルオロメチル)フェニルアセチレン(255mg、1.5mmol)を、無水かつ脱気したテトラヒドロフラン(8mL)中に溶解させた。シクロヘキサン(0.80mL、0.12mmol)中のトリ-tert-ブチルホスフィン0.15M 溶液を、シリンジを介して添加した。ヨウ化銅(I)(7.6mg、0.04mmol)、ジクロロ(ビスベンゾニトリル)パラジウム(23mg、0.06mmol)およびジイソプロピルアミン(336mL、2.4mmol)を添加し、微量の空気を除去し、混合物を窒素下にて周囲温度で一晩撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、シリカゲルのショートパスを通して濾過した。この濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 99:1〜90:10)により精製して、一置換生成物である[2-メチル-4-[6-ブロモ-2-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジル-4-スルファニル]フェノキシ]酢酸エチル、および二置換生成物である[2-メチル-4-[2,6-ビス[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジル-4-スルファニル]-フェノキシ]酢酸エチルの混合物を得た(全体の収量:450mg)。この混合物全部をさらに、後続のN-プロパルギルモルホリンを用いたSonogashira 反応で処理し、最終的に二置換生成物を分離した。
【0411】
収量:210mg(33%;2置換の生成物)。
【0412】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 90:10) 0.30。
【0413】
1H NMRスペクトル(300MHz、CDCl3、δH):7.67(d、J=8.4Hz、4H);7.61(d、J=8.4Hz、4H);7.39-7.36(m、2H);7.10(s、2H);6.80(d、J=8.9Hz、1H);4.72(s、2H);4.29(q、J=7.1Hz、2H);2.34(s、3H);1.31(t、J=7.1Hz、3H)。
【0414】
一般手順(C)
ステップA:
上記エステル(210mg、0.328mmol)をテトラヒドロフラン/メタノール 混合物(5:1、9mL)中に溶解させ、水(1mL)中の水酸化リチウム(21mg、0.492mmol)の溶液を冷却しながら(0℃)添加し、この反応混合物を周囲温度で2h撹拌した。水(2mL)中の酒石酸(79mg、0.525mmol)の溶液、塩化アンモニウム飽和溶液(4mL)、水(2mL)およびエーテル(10mL)を添加し、有機層を分離し、水相をエーテルで抽出した(3x10mL)。合体した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物を、アセトニトリルおよび水混合物から結晶化させて、標題の酸を白色の結晶で得た。
【0415】
収量:105mg(53%)。M.p. 198−206℃(非晶質)。
【0416】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン 90:10:0.5) 0.50。
【0417】
1H NMRスペクトル(300MHz、DMSO-d6、δH):13.13(bs、1H);7.83(s、8H);7.49-7.46(m、2H);7.28(s、2H);7.03(d、J=8.3Hz、1H);4.81(s、2H);2.25(s、3H)。
【0418】
例11 {7-[2,6-ビス-(4-クロロ-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸
【化17】

一般手順(A)
ステップA:
1,3,5-トリブロモピリジン(3,3g、10,5mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.35g、0.63mmol)およびtris(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.28g、0.31mmol)を、乾燥させた反応フラスコに窒素雰囲気下にて添加した。乾燥NMP(80mL)を添加し、続いてTEA(3.7mL)および乾燥NMP(20mL)中に予め溶解した(7-メルカプト-インダン-4-イルオキシ)-酢酸メチルエステル(2.5g、10,5mmol)を添加した。反応混合物を60℃に2時間半加熱し、室温にまで冷却した。この反応混合物に塩化ナトリウム飽和液(200mL)、水(200mL)、5%クエン酸水溶液(30mL)および酢酸エチル(約300mL)を添加した。この有機相を水相から分離し、水相を酸エチル(200mL)で抽出した。プールした有機相を、塩化ナトリウム飽和水溶液(30mL)および水(30mL)の混合物で洗浄し、有機相を乾燥させ、蒸発乾固させた。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘプタン;1:20→1:10) により精製して、7-(2,6-ジブロモ-ピリジン-4-イルスルファニル)-インダン-4-イルオキシ]-酢酸メチルエステルを白色固体で得た(2.0g;40%)。
【0419】
LC-MS(系1):Rt:2.60min;Mw:474.2。
【0420】
ステップB:
7-(2,6-ジブロモ-ピリジン-4-イルスルファニル)-インダン-4-イルオキシ]-酢酸メチルエステル(0.2g;0.42mmol)、ヨウ化銅(3.2mg;0.017mmol)、4-クロルフェニルアセチレン(86,6mg;0.63mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 塩化物(12mg;0,017mmol)を、乾燥した反応フラスコに窒素雰囲気下にて添加した。ビス-(トリ-t-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(13mg;0,025mmol)、ジイソプロピルアミン(0,10mL;0,72mmol)およびジオキサン(10mL)を添加し、該反応混合物を40℃で18h撹拌した。この反応混合物を蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル)および分取用HPLC(方法B)により精製して、{7-[2,6-ビス-(4-クロロ-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸メチルエステルを得た。収量:100mg;45%。
【0421】
LC-MS(系1):Rt:3.19min. ;Mw:584.1。
【0422】
一般手順(C)
ステップA:
{7-[2,6-ビス-(4-クロロ-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸メチルエステル(100mg;0,17mmol)を、THF およびエタノールの混合物(1:2)(30mL)中に溶解させ、1N 水酸化ナトリウム(1.5mL)を添加した。この反応混合物を約1h撹拌し、1N 塩化水素水溶液(3mL)、水(10mL)および酢酸エチル(20mL)を添加した。この有機相を水相から分離し、水相を酢酸エチル(10mL)で抽出した。プールした有機相を水(10mL)で洗浄し、乾燥させ、乾燥するまで蒸発させて、{7-[2,6-ビス-(4-クロロ-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸を得た。収量:80mg。
【0423】
LC-MS(系1):Rt:3.07min.;Mw:570.4。
【0424】
例12 {7-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸
【化18】

一般手順(A)
ステップB:
7-(2,6-ジブロモ-ピリジン-4-イルスルファニル)-インダン-4-イルオキシ]-酢酸メチルエステル(0.1g;0.21mmol、例11に記載のとおりに調製)、ヨウ化銅(1.2mg;0.006mmol)、4-エチニルベンジルアルコール(83,8mg;0.63mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン) パラジウム(II)塩化物(5.9mg;0,008mmol)を、乾燥した反応フラスコに窒素雰囲気下で添加した。トリエチルアミン(4mL)を添加し、この反応混合物を40℃で2日間撹拌した。この反応混合物を蒸発させ、分取用HPLC(方法A)により精製して、{7-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸メチルエステルを得た。収量:25mg。
【0425】
LC-MS(系1):Rt:2.09min.;Mw:562.5。
【0426】
一般手順(C)
ステップA:
{7-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸メチルエステル(70mg;0.12mmol)を、THFおよびエタノールの混合物(1:2)(30mL)中に溶解させ、1N 水酸化ナトリウム(1mL)を添加した。この反応混合物を約16h撹拌し、塩化水素の1N 水溶液(2mL)、水(10mL)および酢酸エチル(20mL)を添加した。この有機相を水相から分離し、水相を酢酸エチル(10mL)で抽出した。プールした有機相を水(10mL)で洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固させて、{7-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸を得た。収量:64mg。LC-MS(系1):
Rt:2.09;Mw:562.5。
【0427】
例13 {4-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸
【化19】

一般手順(A)
ステップB:
7-(2,6-ジブロモ-ピリジン-4-イルスルファニル)-2-メチル-フェノキシ}-酢酸メチルエステル(0.3g;0.67mmol、例6に記載のとおりに調製)、ヨウ化銅(3.8mg;0.02mmol)、4-エチニルベンジルアルコール(266mg;2,01mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物(18.8mg;0,027mmol)を、乾燥した反応フラスコに窒素雰囲気下にて添加した。トリエチルアミン(2mL)およびDMF(2mL)を添加し、この反応混合物を、マイクロウェーブオーブン内において70℃で10min反応させた。該反応混合物を分取用HPLC(方法B) により精製して、{4-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸メチルエステルを得た。収量:260mg;70%。LC-MS(系1):
Rt:3.02min.;Mw:576.4。
【0428】
一般手順(C)
ステップA:{4-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸メチルエステル(150mg;0.27mmol)を、THFおよびエタノールの混合物(1:1)(10mL)中に溶解させ、1N 水酸化ナトリウム(1.5mL)を添加した。この反応混合物を約1h撹拌し、塩化水素の1N 水溶液(3mL)、水(10mL)および酢酸エチル(20mL)を添加した。この有機相を水相から分離し、水相を酢酸エチル(10mL)で抽出した。プールした有機相を水(10mL)で洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。蒸発の間に形成された固体を濾過により除去し、乾燥させて、{4-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸を得た。収量:51mg。
【0429】
LC-MS(系1):Rt:1.2min.;Mw:536.1。
【0430】
例14 {4-[2,6-ビス-(2-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸
【化20】

一般手順(A)
ステップB:
7-(2,6-ジブロモ-ピリジン-4-イルスルファニル)-2-メチル-フェノキシ}-酢酸メチルエステル(0.15g;0.33mmol)、ヨウ化銅(1.8mg;0.01mmol)、2-エチニルベンジルアルコール(128mg;0,98mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 塩化物(9.1mg;0,013mmol)を、乾燥した反応フラスコ窒素雰囲気下にて添加した。トリエチルアミン(1mL)およびDMF(1mL)を添加し、この反応混合物を10minマイクロウェーブオーブン内において70℃で反応させた。この反応混合物を分取用HPLC(方法B)により精製して、{4-[2,6-ビス-(3-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸メチルエステルを得た。収量:51mg。
【0431】
LC-MS(系1):Rt:2.3min.;Mw:624.6。
【0432】
一般手順(C)
ステップA:
{4-[2,6-ビス-(2-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸メチルエステル(51mg;0,090mmol)を、THFおよびエタノールの混合物(2:1)(10mL)中に溶解させ、1N 水酸化ナトリウム(0.5mL)を添加した。この反応混合物を約1h撹拌し、1N 塩化水素水溶液(3mL)、水(10mL)および酢酸エチル(20mL)を添加した。この有機相を水相から分離し、水相を酢酸エチル(10mL)で抽出した。プールした有機相を水(10mL)で洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固させた。この粗生成物を分取用HPLCにより精製し、{4-[2,6-ビス-(2-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸を得た。収量:23mg。
【0433】
LC-MS(系1):Rt:2.04 Mw:536.1。
【0434】
例15 [4-[3,5-ビス-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ベンジルオキシ]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化21】

3,5-ジブロモベンズアルデヒド(1.7g、6.3mmol)をメタノール(100mL)中に溶解させ、ホウ水素化ナトリウム(0.250g、6.3mmol)を0℃で添加した。この反応混合物を0.5h0℃で、次いで20℃で、さらに0.5h撹拌した。該反応混合物を真空下で濃縮し、塩水(250mL)で希釈し、塩酸で酸性にし、ジクロロメタンで抽出した(3x50mL)。有機溶液の蒸発により、3,5-ジブロモベンジルアルコールを白色の結晶状化合物で得た。収量:1.4g(84%)。
【0435】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 9:1) 0.25。
【0436】
1H NMRスペクトル(300MHz、CDCl3、δH):7.59(d、J=1.5Hz、1H);7.47(d、J=1.5Hz、2H);4.36(s、2H);1.55(s、1H)。
【0437】
上記 ベンジルアルコール(0.26g、1.0mmol)、(4-ヒドロキシ-2-メチルフェノキシ)酢酸メチル(0.30g、1.5mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.50g、1.85mmol)を、無水トルエン(3mL)およびテトラヒドロフラン(1mL)の混合物中に溶解させ、混合物を0℃にまで冷却した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.22g、1.2mmol)を窒素下にて滴下添加した。この反応混合物を周囲温度で12h撹拌し、溶媒を真空下で蒸発させた。カラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 98:2-90:10)により、[4-(3,5-ジブロモ)ベンジルオキシ]-2-メチルフェノキシ]酢酸メチルを得た。
【0438】
収量:0.25g(56%)。
【0439】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 8:2) 0.45。
【0440】
1H NMRスペクトル(300MHz、CDCl3、δH):7.61(s、1H);7.48(s、2H);6.80(s、1H);6.67(s、2H);4.92(s、2H);4.60(s、2H);3.80(s、3H);2.28(s、3H)。
【0441】
ヨウ化銅(I)(4mg、0.02mmol)、tris(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(26mg、0.025mmol)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.33mL、0.05mmol)の0.15M 溶液およびN,N-ジイソプロピルアミン(0.1mL、1.00mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中の上記エステル(0.25g、0.5mmol)および1-エチニル-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.17g、1.00mmol)の脱気した溶液に添加した。窒素雰囲気中において、得られた混合物を60℃で一晩撹拌した。この反応混合物を、シリカゲルを介して濾過し、該シリカゲルをエーテル(100mL)で洗浄し、合体した濾液を真空下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 98:2-90:10)により精製して、[4-[3,5-ビス-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ベンジルオキシ]-2-メチルフェノキシ]酢酸メチルを得た。
【0442】
収量:0.25g(90%)。
【0443】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 8:2) 0.40。
【0444】
上記化合物(0.120g、0.19mmol)をテトラヒドロフラン/メタノール混合物(3:1;4mL)中に溶解させ、水酸化リチウムの水溶液(0.013g、1mL水中に0.30mmol)を添加した。20℃で1h後、混合物を塩酸で酸性にし、ジクロロメタンで抽出した(3x10mL)。
【0445】
得られた十分に純粋な酸(0.080g、0.13mmol)をメタノール(2mL)中に溶解させ、水(1mL)中のL-リジン(0.025g、0.18mmol)の水溶液を添加した。アセトニトリルを用いた沈殿により、標題の酸のL-リジネート(酸:L-リジンの比 1:1.2)を得た。
【0446】
収量:0.030g(31%)。
【0447】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 90:10) 0.80。
【0448】
1H NMRスペクトル(300MHz、DMSO-d6、δH):7.79(s、9H);7.70(s、2H);6.90-6.65(m、3H);5.07(s、2H);4.54(bs、2H);2.15(s、3H);1.60-1.00(m、7.2H)。
【0449】
例16 [4-[3,5-ビス[(2-チエニル)エチニル]ベンジルオキシ]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化22】

乾燥トリエチルアミン(8mL)中の[4-(3,5-ジブロモベンジルオキシ)-2-メチルフェノキシ]酢酸メチル(444mg、1.0mmol;例15に記載のとおりに調製)、ヨウ化銅(I)(13mg、0.07mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(35mg、0.03mmol)の混合物に、トリメチルシリルアセチレン(420μL、3.0mmol)を添加した。この反応混合物を70℃で3h、次いで周囲温度で一晩撹拌した。得られた混合物を真空下で蒸発させ、残渣を、エーテル/酢酸エチル 混合物(1:1、20mL)中に溶解させ、形成された沈殿物を濾過により除去した。濾液を真空下で蒸発させ、赤茶色の油状物を得た。この油状物に、炭酸カリウム(23mg、0.17mmol)、乾燥メタノール(2mL)および乾燥ジクロロメタン(2mL)を窒素下にて添加し、得られた混合物を3h撹拌した。ジクロロメタン(15mL)を添加し、混合物を塩水(15mL)で洗浄した。水層をジクロロメタンで抽出し(2x10mL);合体した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 90:10-80:20)により精製し、[4-(3,5-ジエチニルベンジルオキシ)-2-メチルフェノキシ]酢酸メチルを得た。
【0450】
収量:184mg(55%)。
【0451】
M.p.:---(油状物)。RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 9:1) 0.20。
【0452】
1H NMRスペクトル(300MHz、CDCl3、δH):7.55(s、1H);7.52(s、2H);6.80(d、J=2.6Hz、1H);6.69(d、J=8.9Hz、1H);6.65(d、J=9.0Hz、1H);4.94(s、2H);4.60(s、2H);3.39(s、3H);3.09(s、2H);2.28(s、3H)。
【0453】
窒素雰囲気中において、上記エステル(180mg、0.538mmol)および2-ブロモチオフェン(202mg、1.238mmol)を、無水かつ脱気したテトラヒドロフラン(4mL)中に溶解させた。シクロヘキサン(0.43mL、0.065mmol)中のトリ-tert-ブチルホスフィンの0.15M 溶液を、シリンジを介して添加した。ヨウ化銅(I)(4.1mg、0.022mmol)、tris(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(16.5mg、0.032mmol)およびジイソプロピルアミン(131mL、1.29mmol)を添加した。微量の空気を除去し、混合物を窒素下にて周囲温度で一晩撹拌した。この混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、塩水で洗浄した(2x10mL)。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 98:2-90:10)により精製して、[4-[3,5-ビス[(2-チエニル)エチニル]ベンジルオキシ]-2-メチルフェノキシ]酢酸メチルを、わずかに橙色の固体塊で得た。
【0454】
収量:201mg(75%)。
【0455】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 80:20) 0.50。
【0456】
1H NMRスペクトル(300MHz、CDCl3、δH):7.61(s、1H);7.52(s、1H);7.32-7.29(m、4H);7.02(dd、J=5.1および3.7Hz、2H);6.83(s、1H);6.70-6.64(m、2H);4.98(s、2H)、4.60(s、2H);3.80(s、3H);2.29(s、3H)。
【0457】
上記エステル(190mg、0.381mmol)をテトラヒドロフラン/メタノール 混合物(5:1、9mL)中に溶解させ;水(1mL)中の水酸化リチウム一水和物(24mg、0.571mmol)の溶液を冷却しながら(0℃)添加し、続いて、この反応溶液を周囲温度で一晩撹拌した。この混合物をエーテル(10mL)で希釈し、塩化アンモニウム(10mL)の飽和水溶液で洗浄した。水層をエーテルで抽出した(2x10mL)。合体した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸発させた。粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル混合物(1:1)から結晶化させて、標題の酸を白色の固体で得た。
【0458】
収量:121mg(65%)。
【0459】
M.p.:127〜129℃(ヘキサン/酢酸エチル 1:1)。
【0460】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 90:10) 0.40。
【0461】
1H NMRスペクトル(300MHz、CDCl3、δH):7.62(s、1H);7.52(s、2H);7.32-7.28(m、4H);7.02(dd、J=5.1および3.7Hz、2H);6.84(s、1H);6.71(m、2H);4.99(s、2H);4.63(d、2H);2.28(s、3H)。
【0462】
例17 [4-[4,6-ビス[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジン-2-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化23】

(4-メルカプト-2-メチルフェノキシ)酢酸エチル(1.0g、4.4mmol)、2,4,6-トリブロモピリジン(1.26g、4.0mmol;Chem. Ber. 1989、122、489に記載のとおりに調製)、[1,1‘-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(0.163g、0.20mmol)、トリエチルアミン(1.23mL、8.8mmol)およびN-メチルピロリジノン(12mL)の混合物を、窒素下にて80℃で3h加熱した。次いで、この反応混合物を水(60mL)中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(3x70mL)。合体した有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で蒸発させた。粗生成物のカラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 98:2-80:20)により、[4-(4,6-ジブロモピリジン-2-イルスルファニル)-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを副生成物として、[4-(2,6-ジブロモピリジン-4-イルスルファニル)-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを主生成物として得た。
【0463】
主生成物の収量:1.33g(72%)。
【0464】
副生成物の収量:0.076g(4%)。
【0465】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 90:10) 0.30(副生成物)。
【0466】
窒素雰囲気中において、上記副生成物のエステル(76mg、0.165mmol)および4-(トリフルオロメチル)フェニルアセチレン(84mg、0.495mmol)を、無水の脱気したテトラヒドロフラン(2mL)中に溶解させた。シクロヘキサン(0.132mL、0.02mmol)中のトリ-tert-ブチルホスフィンの0.15M 溶液を、シリンジを介して添加した。ヨウ化銅(I)(2.0mg、0.01mmol)、ジクロロ(ビスベンゾニトリル)パラジウム(3.8mg、0.01mmol)、およびジイソプロピルアミン(336mL、0.33mmol)を添加した。微量の空気を除去し、混合物を窒素下にて周囲温度で一晩撹拌した。この混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、シリカゲルのショートパスを通して濾過した。この濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル Fluka 60、ヘキサン/酢酸エチル 99:1-90:10)により精製し、[4-[4,6-ビス[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジン-2-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを茶色の油状物で得た。
【0467】
収量:70mg(66%)。
【0468】
RF(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 90:10) 0.30。
【0469】
1H NMRスペクトル(300MHz、CDCl3、δH):7.69(d、J=8.3Hz、2H);7.62(d、J=8.3Hz、2H);7.61(s、4H);7.45-7.42(m、2H);7.34(s、1H);6.79(d、J=8.1Hz、1H);6.75(s、1H);4.71(s、2H);4.28(q、J=7.1Hz、2H);2.34(s、3H);1.31(t、J=7.1Hz、3H)。
【0470】
上記エステル(60mg、0.094mmol)をテトラヒドロフラン/メタノール混合物(5:1、1.8mL)中に溶解させ、水(0.2mL)中の水酸化リチウム(5.9mg、0.141mmol)の溶液を冷却しながら(0℃)添加し、この反応混合物を周囲温度で2h撹拌した。この混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、塩化アンモニウム(10mL)飽和水溶液で洗浄した。有機層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した(2x10mL)。合体した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させ、十分に純粋な標題の酸を茶色の油状物で得た。
【0471】
収量:57mg(99%)。
【0472】
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 90:10) 0.40。
【0473】
1H NMRスペクトル(300MHz、DMSO-d6、δH):7.87-7.80(m、8H);7.66(s、1H);7.47-7.44(m、2H);6.99(d、J=8.2Hz、1H);6.85(s、1H);4.76(s、2H);2.24(s、3H)。
【0474】
例18 {4-[2,6-ビス-(4-トリフルオロメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルメチルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸
【化24】

例19 {4-[2,6-ビス-(4-トリフルオロメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルメトキシ]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸
【化25】

例20 {7-[2,6-ビス-(4-トリフルオロメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルメチルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸
【化26】

例21 {4-[3,5-ビス-(4-クロロ-フェニルエチニル)-ベンジルオキシ]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸
【化27】

<薬理学的方法>
インビトロでの、PPARアルファ、PPARガンマおよびPPARデルタの活性化作用:
PPARの一時的なトランス活性化アッセイは、それぞれキメラ試験タンパク質およびレポータタンパク質コードする二つのプラスミドを、ヒトHEK293細胞の中に一時的にトランスフェクトすることに基づいている。該キメラ試験タンパク質は、酵母GAL4転写因子由来のDNA結合ドメイン(DBD)を、ヒトPPARタンパク質のリガンド結合ドメイン(LBD)に融合させたものである。PPAR-LBD部分は、リガンド結合ポケットに加えて、天然の活性化ドメイン(活性化機能2=AF2)をも含んでおり、融合タンパク質がPPARリガンド依存性の転写因子として機能することを可能にする。GAL4 DBDは、Gal4エンハンサ(HEK293細胞には存在しないもの)にのみ結合するように、該キメラタンパク質に指令するであろう。当該レポータプラスミドは、蛍ルシフェラーゼタンパク質の発現を駆動するGal4エンハンサーを含んでいた。トランスフェクションの後、HEK293細胞はGAL4-DBD-PPAR-LBD 融合タンパク質を発現させた。次いで、該融合タンパク質はGal4エンハンサに結合してルシフェラーゼの発現を制御し、またリガンドの不存在下では何もしないであろう。PPARリガンドを細胞に加えると、PPARタンパク質の活性化に対応する量でルシフェラーゼタンパク質が産生されるであろう。ルシフェラーゼタンパク質の量は、適切な基質を添加した後の発光によって測定される。
【0475】
細胞培養およびトランスフェクション:
HEK293細胞を、DMEM+10% FCSの中で増殖させた。トランスフェクションの前日に細胞を96-ウエルのプレートに播種して、トランスフェクション時には50〜80%の集密度を得た。0.64 μg pM1α/γLBD、0.1 μg pCMVβGal、0.08 μg pGL2(Gal4)5および 0.02 μg pADVANTAGEを含んだ合計 0.8 μgのDNAを、FuGeneトランスフェクション試薬を使用し、また製造業者(Roche)のインストラクションに従って、ウエル毎にトランスフェクションした。48時間に亘って細胞にタンパク質を発現させ、続いて化合物を添加した。
【0476】
プラスミド:それぞれヒト肝臓、脂肪組織および胎盤に由来するmRNAの逆転写により合成されたcDNAを使用して、PCR増幅を行うことにより、ヒトPPARα、γおよびδが得られた。増幅されたcDNAをpCR2.1の中にクローニングし、配列決定した。各PPARアイソフォームのリガンド結合ドメイン(LBD)をPCRによって作製し(PPARα: aa 167〜C末端;PPARγ: aa 165〜C末端;PPARδ: aa 128〜C末端)、この断片を、ベクターpM1(Sadowski et al. (1992)、Gene 118、137)の中にインフレームでサブクローニングすることにより、酵母転写因子GAL4のDNA結合ドメイン(DBD)に融合させて、プラスミドpM1αLBD、pM1γLBDおよびpM1δを作製した。確実な融合を、配列決定によって確認した。レポータは、GAL4認識配列の5リピートをコードするオリゴヌクレオチド(5×CGGAGTACTGTCCTCCG(AG))(Webster et al. (1988)、Nucleic Acids Res. 16、8192)をベクターpGL2プロモータ(Promega社)の中に挿入し、プラスミドpGL2(GAL4)5を作製することによって構築された。pCMVβGalはClontech社から購入し、またpADVANTAGEはPromega社から購入した。
【0477】
インビトロのトランス活性化アッセイ:
化合物: 全ての化合物をDMSO中に溶解し、細胞に添加するときに1:1000に希釈した。化合物は、0.001〜300μMの濃度で四回試験された。細胞を化合物で24時間処理し、続いてルシフェラーゼアッセイを行った。各化合物は、少なくと二つの別々の実験で試験した。
【0478】
ルシフェラーゼアッセイ: 試験化合物を含む媒質を吸引し、1mM Mg++およびCa++ を含む100 μl PBS inclを各ウエルに添加した。このルシフェラーゼアッセイは、LucLiteキットを使用し、製造業者(Packard Instruments)の手引書に従って行った。発光は、パッカード(Packard)社のLumiカウンタ上でカウントすることにより定量した。βガラクトシダーゼ活性を測定するために、各トランスフェクション溶解物から、25 μlの上清を新たなマイクロプレートに移した。β-ガラクトシダーゼアッセイはPromega社のキットを使用して行い、Labsystems Ascent Multiscanリーダで読取った。このβ-ガラクトシダーゼのデータを使用して、ルシフェラーゼのデータを正規化した(トランスフェクション効率、細胞増殖など)。
【0479】
<統計的方法>
化合物の活性は、未処理のサンプルに比較した誘導倍数として計算される。各化合物にの効果(最大活性)は、PPARαについてはWy14,643、PPARγについてはロシグリタゾン(Rosiglitazone)、およびPPARδについてはカルバサイクリン(Carbacyclin)と比較したときの相対的活性として与えられる。そのEC50は、観察された最大活性の50%を与える濃度である。EC50値は、GraphPad PRISM 3.02(GraphPadソフトウエア、San Diego、Ca)を使用した非線型回帰により計算された。その結果を、平均±SDとして表した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体:
【化1】

ここで、
X1は、アリールもしくはヘテロアリールであり、その各々が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノもしくはカルボキシ;または
・C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1-6-アルキルスルホニル、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、C1-6-アルキルアミド、アリールアミド、C1-6-アルキルアミノカルボニル、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノもしくはC3-6-シクロアルキルアミノ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;
X2は、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は下記から選択される1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、またはカルボキシ;または
・C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1-6-アルキルスルホニル、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、C1-6-アルキルアミド、アリールアミド、C1-6-アルキルアミノカルボニル、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノもしくはC3-6-シクロアルキルアミノ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;
Ar1は、アリーレンまたはヘテロアリーレンであり;
Ar2は、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されるアリーレンであり、
・ハロゲン、ヒドロキシ、またはシアノ;または
・C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、またはC3-6-シクロアルキルチオ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;または
・上記置換基の二つは、それらが隣接位置に配置されるときは、それらが結合する原子と一緒になって5〜8員環を形成してよい;
Y1は、OまたはSであり;
Y2は、OまたはSであり;
Z1は、-(CH2)n-であり、ここでのnは0、1、または2であり;
Z2は、-(CH2)-であり、ここでのnは1、2または3であり;
Rは、水素C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C4-6-アルケンイニル、またはアリールである。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体であって、
X1は、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は下記から選択される1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、またはカルボキシ;または
・C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1-6-アルキルスルホニル、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、C1-6-アルキルアミド、アリールアミド、C1-6-アルキルアミノカルボニル、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノ、またはC3-6-シクロアルキルアミノ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;
X2は、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々は下記から選択される1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、またはカルボキシ;または
・C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1-6-アルキルスルホニル、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、C1-6-アルキルアミド、アリールアミド、C1-6-アルキルアミノカルボニル、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノ、またはC3-6-シクロアルキルアミノ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;
Ar1は、アリーレンまたはヘテロアリーレンであり;
Ar2は、アリーレンであり、これは下記から選択される1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、またはシアノ;または
・C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、またはC3-6-シクロアルキルチオ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;または
・上記置換基の二つは、それらが隣接位置に配置されるときは、それらが結合する原子と一緒になって5〜8員環を形成してよい;
Y1は、OまたはSであり;
Y2は、OまたはSであり;
Z1は、-(CH2)n-であり、ここでのnは0、1、または2であり;
Z2は、-(CH2)-であり、ここでのnは1、2または3であり;
Rは、水素、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C4-6-アルケンイニル、またはアリールである化合物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項5】
請求項3に記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、またはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【請求項6】
請求項5に記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ。
【請求項7】
請求項4の何れか1項に記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される
【請求項8】
請求項7記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項9】
請求項7に記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【請求項10】
請求項9に記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項11】
請求項1または2記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換されるそれらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項12】
請求項11記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項13】
請求項11記載の化合物であって、X1が、ピリジル、チアゾリル、またはピロリルであり、その各々が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換される化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項14】
請求項13に記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたピリジルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項15】
請求項14に記載の化合物であって、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたピリジルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項16】
請求項12記載の化合物であって、X1がチアゾリルまたはピロリルであり、その各々が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換される化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項17】
請求項1〜16の何れか1項に記載の化合物であって、X2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されるアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【請求項18】
請求項17記載の化合物であって、X2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項19】
請求項17記載の化合物であって、X2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々はそれらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【請求項20】
請求項19記載の化合物であって、X2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ、それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項21】
請求項17記載の化合物であって、X2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【請求項22】
請求項21記載の化合物であって、X2は、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項23】
請求項21記載の化合物であって、X2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンまたはヒドロキシで任意に置換される。
【請求項24】
請求項23記載の化合物であって、X2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項25】
請求項1〜16の何れか1項に記載の化合物であって、X2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項26】
請求項25記載の化合物であって、X2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項27】
請求項25記載の化合物であって、X2がピリジル、チアゾリルまたはピロリルであり、その各々が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換される化合物;
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項28】
請求項27記載の化合物であって、X2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたピリジルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、またはC1-6-アルキルスルホニルオキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項29】
請求項28記載の化合物であって、X2 が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたピリジルである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項30】
請求項27記載の化合物であって、X2 がチアゾリルまたはピロリルであり、その各々が下記から選択される1以上の置換基で任意に置換される化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される。
【請求項31】
請求項1〜30の何れか1項に記載の化合物であって、Ar1がフェニレンである化合物。
【請求項32】
請求項1〜30の何れか1項に記載の化合物であって、Ar1がピリジレンである化合物。
【請求項33】
請求項1〜32の何れか1項に記載の化合物であって、Ar2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されるフェニレンである化合物:
・ハロゲン、ヒドロキシ、またはシアノ;または
・C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、またはC3-6-シクロアルキルチオ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;
・上記置換基の二つは、それらが隣接位置に配置されるときは、それらが結合する原子と一緒になって5〜8員環を形成してよい;
・上記置換基の二つは、それらが隣接位置に配置されるときは、それらが結合する原子と一緒になって5〜8員環を形成してよい;
【請求項34】
請求項33記載の化合物であって、Ar2が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されるフェニレンである化合物:
・ハロゲン;または
・C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、アリールオキシ、またはアラルコキシ;それらの各々は1以上のハロゲンで任意に置換される;または
・上記置換基の二つは、それらが隣接位置に配置されるときは、それらが結合する原子と一緒になって5員の炭素環を形成してよい;
【請求項35】
請求項33または34に記載の化合物であって、Ar2が、メチルで任意に置換されたフェニレンである化合物。
【請求項36】
請求項1〜32の何れか1項に記載の化合物であって、Ar2がインダニレンである化合物。
【請求項37】
請求項1〜36の何れか1項に記載の化合物であって、Y1がSである化合物。
【請求項38】
請求項1〜36の何れか1項に記載の化合物であって、Y1がOである化合物。
【請求項39】
請求項1〜38の何れか1項に記載の化合物であって、Y2がOである化合物。
【請求項40】
請求項1〜39の何れか1項に記載の化合物であって、nが0である化合物。
【請求項41】
請求項1〜40の何れか1項に記載の化合物であって、mが1である化合物。
【請求項42】
請求項1〜41の何れか1項に記載の化合物であって、Rが水素またはC1-6-アルキルである化合物。
【請求項43】
請求項42記載の化合物であって、Rが水素である化合物。
【請求項44】
請求項1〜43の何れか1項に記載の化合物であって、
{4-[3-(4-クロロ-フェニルエチニル)-5-ピリジン-2-イルエチニル-フェニルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
[4-(3,5-ビス-ピリジン-2-イルエチニル-フェニルスルファニル)-2-メチル-フェノキシ]-酢酸;
{4-[3,5-ビス-(3-メトキシ-フェニルエチニル)-フェニルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;または
その薬学的に許容可能な酸または塩基との塩、何れかの光学異性体、ラセミ混合物を含む光学異性体の混合物、または何れかの互変異性体である化合物。
【請求項45】
請求項1〜43の何れか1項に記載の化合物であって、
[4-[3,5-ビス-[(チアゾール-2-イル)エチニル]フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[4-[3,5-ビス-(3,4-ジメトキシフェニルエチニル)フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[4-[2,6-ビス-[(4-クロロフェニル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[4-[2,6-ビス[(2-ピリジル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[2-メチル-4-[2-(2-ピリジルエチニル)-6-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジン-4-イルスルファニル]フェノキシ]酢酸;
[4-[3,5-ビス-(1-メチル-1H-ピロール-2-イルエチニル)フェニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[2-メチル-4-[2,6-ビス[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジル-4-スルファニル]フェノキシ]酢酸;
{7-[2,6-ビス-(4-クロロ-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸;
{7-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸;
{4-[2,6-ビス-(4-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
{4-[2,6-ビス-(2-ヒドロキシメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
[4-[3,5-ビス-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ベンジルオキシ]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[4-[3,5-ビス[(2-チエニル)エチニル]ベンジルオキシ]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[4-[4,6-ビス[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]ピリジン-2-イルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
{4-[2,6-ビス-(4-トリフルオロメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルメチルスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
{4-[2,6-ビス-(4-トリフルオロメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルメトキシ]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
{7-[2,6-ビス-(4-トリフルオロメチル-フェニルエチニル)-ピリジン-4-イルメチルスルファニル]-インダン-4-イルオキシ}-酢酸;
{4-[3,5-ビス-(4-クロロ-フェニルエチニル)-ベンジルオキシ]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;または
その薬学的に許容可能な酸または塩基との塩、何れかの光学異性体、ラセミ混合物を含む光学異性体の混合物、または何れかの互変異性体である化合物。
【請求項46】
PPARδアゴニストである、請求項1〜45の何れか1項に記載の化合物。
【請求項47】
選択的PPARδアゴニストである、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
薬学的組成物としての、請求項1〜47の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項49】
1以上の薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、活性成分として、請求項1〜47の何れか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する薬学的組成物。
【請求項50】
請求項49に記載の薬学的組成物であって、1日当たり約0.05 mg〜約1000 mg、好ましくは約0.1〜約500 mg、特に好ましくは約0.5 mg〜約200 mgの請求項1〜47の何れか1項に記載の化合物を含有する単位投与量形態の薬学的組成物。
【請求項51】
核受容体、特にペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)によって媒介される症状を治療および/または予防するための薬学的組成物であって、1以上の薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、請求項1〜47の何れか1項に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
【請求項52】
I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性または肥満を治療および/または予防するための薬学的組成物であって、1以上の薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、請求項1〜47の何れか1項に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
【請求項53】
経口、経鼻、経皮、肺、または非経腸的投与ための、請求項49〜52の何れか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項54】
核受容体、特にペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)によって媒介される症状を治療および/または予防するための薬学的組成物を調製するための、請求項1〜47の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項55】
I型糖尿病、II型糖尿病、異常脂血症、シンドロームX(代謝性症候群、即ち、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性、高トリグリセリド血症および/または肥満を含む)、心血管系疾患(アテローム硬化症を含む)および高コレステロール血症を治療および/または予防するための薬学的組成物を調製するための、請求項1〜47の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項56】
核受容体、特にペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)によって媒介される症状を治療および/または予防するための方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜47の何れか1項に記載の化合物またはこれを含有する薬学的組成物を投与することを含んでなる方法。
【請求項57】
I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性または肥満を治療および/または予防するための方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜47の何れか1項に記載の化合物またはこれを含有する薬学的組成物を投与することを含んでなる方法。
【請求項58】
請求項56または57の方法において、請求項1〜47の何れか1項に記載の化合物の有効量が、1日当たり約0.05 mg〜約1000mg、好ましくは約0.1〜約500 mg、特に好ましくは約0.5 mg〜約200 mgである方法。

【公表番号】特表2007−536343(P2007−536343A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512189(P2007−512189)
【出願日】平成17年5月3日(2005.5.3)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052014
【国際公開番号】WO2005/105726
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(391032071)ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (148)
【氏名又は名称原語表記】NOVO NORDISK AKTIE SELSXAB
【Fターム(参考)】