説明

TCPハンドリング装置

【課題】インデックスタイムを効果的に短縮することのできるTCPハンドリング装置を提供する。
【解決手段】TCPハンドリング装置1において、キャリアテープにおける露光単位マーク54を取得する第2カメラ6bと、TCPの外部端子およびコンタクト部の接続端子が正しく接続するように、位置ずれ補正を行うプッシャステージ4とを設ける。取得した露光単位マーク54の画像情報に基づいて、試験部に新たな露光単位が位置したと判断したときに、プッシャステージ4は位置ずれ補正を行い、位置ずれ補正を行った後、次の露光単位が試験部に位置すると判断するまでは、コンタクト不良となる以外、プッシャステージ4は位置ずれ補正を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICデバイスの1種であるTCP(Tape Carrier Package)やCOF(Chip On Film)(以下、TCP、COF、その他TAB(Tape Automated Bonding)実装技術によって製造されたデバイスを纏めて「TCP」という。)を試験するのに用いられるTCPハンドリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICデバイス等の電子部品の製造過程においては、最終的に製造されたICデバイスやその中間段階にあるデバイス等の性能や機能を試験する電子部品試験装置が必要であり、TCPの場合には、TCP用の試験装置が使用される。
【0003】
TCP用の試験装置は、一般的にテスタ本体と、テストヘッドと、TCPハンドリング装置(以下「TCPハンドラ」という場合がある。)とから構成される。このTCPハンドラは、テープ(フィルムの概念も含むものとする。以下同じ。)上にTCPが複数形成されたキャリアテープを搬送して、テストヘッドに電気的に接続されているプローブカードのプローブにキャリアテープを押圧し、TCPの外部端子をプローブにコンタクトさせることにより、複数のTCPを順次試験に付す機能を備えている。
【0004】
ここで、キャリアテープには、各TCP毎に位置決め用のマーク(アライメントマーク)が1個または複数個設けられており、このアライメントマークを基準にしてTCPの位置を特定し、TCPのプローブに対する位置決めを行っている。具体的には、カメラによって試験対象のTCPに係る所定のアライメントマークを画像認識してアライメントマークの位置情報を取得し、そのアライメントマークの位置情報に基づいてTCPの位置ずれ情報を特定し、その位置ずれ情報に基づいて、必要に応じてTCPのプローブに対する位置ずれ補正を行っている。
【0005】
このような位置ずれ補正を行うことで、TCPのプローブに対するコンタクトを高い精度で行うことが可能であるが、一のTCPについての試験が終了してから次のTCPについての試験が開始されるまでに要する時間、いわゆるインデックスタイムが長くなるという問題がある。インデックスタイムが長くなることは、それだけスループット(時間当たり処理量)が低下することを意味し、試験に要するコストがかさむこととなる。そのため、極力インデックスタイムを短縮することが強く求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、インデックスタイムを効果的に短縮することのできるTCPハンドリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、露光単位毎にTCPが複数形成されたキャリアテープを試験部に搬送して、テストヘッドに電気的に接続されている接続端子を有するコンタクト部に対してキャリアテープを押圧し、TCPの外部端子を前記コンタクト部の接続端子に接続させることにより、TCPを順次試験に付すことのできるTCPハンドリング装置であって、前記キャリアテープにおける露光単位情報を取得する手段と、前記TCPの外部端子および前記コンタクト部の接続端子が正しく接続するように、位置ずれ補正を行うアライメント装置と、を備え、前記取得した露光単位情報に基づいて、前記試験部に新たな露光単位が位置したと判断したときに、前記アライメント装置は位置ずれ補正を行い、前記位置ずれ補正を行った後、次の露光単位が前記試験部に位置すると判断するまでは、コンタクト不良となる以外、前記アライメント装置は位置ずれ補正を行わないことを特徴とするTCPハンドリング装置を提供する(発明1)。
【0008】
本発明における「露光単位情報」とは、露光単位に関する情報を意味し、例えば、キャリアテープに付された露光単位マーク(露光単位の始まりを示すマーク)の画像情報や、一の露光単位内に含まれるTCP数の情報や、露光単位のサイズ(長手方向の長さ)などが該当する。
【0009】
TCPのリードパターンは、耐熱性フィルム材に銅箔を張り合わせたテープにフォトレジストを塗布し、所定のパターンを有するネガマスクを介して露光した後、現像することにより、キャリアテープ上に形成される。この露光工程は、通常、一のネガマスクを使用して複数のTCPを一露光単位として露光し、その複数のTCP分だけテープを送り、再度複数のTCPを一露光単位として露光することを繰り返し行うものである。したがって、一の露光単位内の各TCPは高い精度で配置され、その位置関係は一定であり、一の露光単位内において各TCP相互間にずれが生じたり、露光単位ごとに露光単位内におけるTCPの位置関係が異なることはない。一方で、一の露光単位と次の露光単位との間には、必ずしも間隔が一定ではない露光継目が生じるため、露光継目の前後に位置するTCP間の位置関係は、必ずしも一定ではない。
【0010】
上記発明(発明1)によれば、試験部に新たな露光単位が位置したと判断したときには、位置ずれ補正を行うため、露光継目の前後に位置するTCP間の位置関係がどうであろうと、露光単位内の1個目のTCPについては、コンタクト部の接続端子に対するコンタクトを高い精度で行うことが可能である。一方、位置ずれ補正を行った後、次の露光単位が試験部に位置すると判断するまでは、原則として位置ずれ補正を行わないが、上述した通り、一の露光単位内の各TCPは高い精度で配置され、その位置関係は一定であるため、露光単位内の1個目のTCPの位置ずれ補正がなされていれば、当該露光単位内の1個目以外のTCPについても、自動的に位置ずれ補正がなされていることとなるため、個別に位置ずれ補正を行うことなく、コンタクト部の接続端子に対するコンタクトを高い精度で行うことが可能である。そして、露光単位内の1個目以外のTCPについて位置ずれ補正を行わないことで、位置ずれ補正を行うための動作時間を省略することができ、したがって、インデックスタイムを大幅に短縮することができる。
【0011】
上記発明(発明1)においては、前記露光単位情報を取得する手段は、前記キャリアテープに付された露光単位マークを検出することのできる撮像装置であってもよいし(発明2)、露光単位内のTCP数を取得する手段を備えていてもよいし(発明3)、前記キャリアテープに付された露光単位マークを検出することのできる撮像装置と、露光単位内のTCP数を取得する手段との双方を備えていてもよい(発明4)。
【0012】
上記発明(発明1)においては、前記キャリアテープ上における所定の形状を有する特定図形を撮影し、当該特定図形の位置情報を取得する撮像装置をさらに備えており、前記アライメント装置は、前記取得した特定図形の位置情報に基づいて、位置ずれ補正を行うことが好ましい(発明5)。
【0013】
「所定の形状を有する特定図形」としては、例えば、アライメントマークの他、TCPの特定の外部端子(テストパッド)やパッケージの角部等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定図形としてアライメントマークのみを採用する場合には、キャリアテープ上に、所定のTCP毎(1個毎でもよいし、複数個毎であってもよい。)に複数のアライメントマークが付されている必要がある。
【0014】
上記発明(発明5)において、前記撮像装置は、前記キャリアテープに付された露光単位マークを検出し、もって前記露光単位情報を取得する手段を構成することが好ましい(発明6)。
【0015】
上記発明(発明6)によれば、キャリアテープ上における所定の形状を有する特定図形を撮影し、当該特定図形の位置情報を取得する撮像装置と、キャリアテープに付された露光単位マークを検出する撮像装置とを別々に設ける必要がなくなるため、TCPハンドリング装置において省スペース化を図ることができる。
【0016】
上記発明(発明1)においては、前記キャリアテープ上におけるTCPの有無を画像認識する撮像装置をさらに備えており、前記撮像装置は、前記キャリアテープに付された露光単位マークを検出し、もって前記露光単位情報を取得する手段を構成してもよい(発明7)。
【0017】
上記発明(発明7)によれば、キャリアテープ上におけるTCPの有無を画像認識する撮像装置と、キャリアテープに付された露光単位マークを検出する撮像装置とを別々に設ける必要がなくなるため、TCPハンドリング装置において省スペース化を図ることができる。
【0018】
上記発明(発明2、4)においては、前記撮像装置は、露光単位内のTCP数の情報に基づいて、前記露光単位マークの検出動作を、前記露光単位内のTCP数の間隔でのみ行うことが好ましい(発明8)。
【0019】
上記発明(発明8)によれば、露光単位内の全てのTCPについて始終露光単位マークの検出動作を行う必要がなくなるため、検出のための動作時間を省略することができ、したがって、インデックスタイムを大幅に短縮することができる。
【0020】
上記発明(発明8)においては、前記露光単位内のTCP数の情報は、前記撮像装置が一の露光単位マークを検出してから次の露光単位マークを検出するまでの間にあったTCPの数から取得してもよい(発明9)。
【0021】
上記発明(発明1)においては、前記アライメント装置は、所定の段階において、一または複数の位置ずれ補正の補正量または当該補正のパターンを記憶し、前記所定の段階の後において、前記記憶した位置ずれ補正の補正量または当該補正のパターンを利用して、位置ずれ補正を行うことが好ましい(発明10)。
【0022】
上記発明(発明10)によれば、記憶した位置ずれ補正の補正量または当該補正のパターンを利用して位置ずれ補正を行うことにより、位置ずれ補正の補正量または当該補正のパターンを改めて設定するための動作時間を省略することができ、したがって、インデックスタイムを大幅に短縮することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のTCPハンドリング装置によれば、位置ずれ補正の回数を削減することで、インデックスタイムを大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係るTCPハンドラを含むTCP用の試験装置の全体正面図である。
【図2】同実施形態に係るTCPハンドラにおけるプッシャユニットの側面図である。
【図3】同実施形態に係るTCPハンドラにおけるプッシャステージの平面図である。
【図4】同実施形態に係るTCPハンドラにおけるプローブカードステージの平面図である。
【図5】同実施形態に係るTCPハンドラにおけるプローブカードステージの正面図である。
【図6】同実施形態に係るTCPハンドラで使用するキャリアテープの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るTCPハンドラを含むTCP用の試験装置の全体正面図であり、図2は、同実施形態に係るTCPハンドラにおけるプッシャユニットの側面図であり、図3は、同実施形態に係るTCPハンドラにおけるプッシャステージの平面図であり、図4は、同実施形態に係るTCPハンドラにおけるプローブカードステージの平面図であり、図5は、同実施形態に係るTCPハンドラにおけるプローブカードステージの正面図であり、図6は、同実施形態に係るTCPハンドラで使用するキャリアテープの平面図である。
【0026】
まず、本発明の実施形態に係るTCPハンドラを備えたTCP用の試験装置の全体構成について説明する。
【0027】
図1に示すように、TCP用の試験装置1は、図示しないテスタ本体と、テスタ本体に電気的に接続されたテストヘッド10と、テストヘッド10の上側に設けられたTCPハンドラ2とから構成される。
【0028】
TCPハンドラ2は、図6に示すキャリアテープ5を搬送することにより、キャリアテープ5上にその長手方向に沿って一列に並んで形成されている各TCPを順次試験に付するものである。なお、キャリアテープ5は、その長手方向に沿って2列又は複数列の配列でTCPが形成されているものであってもよい。
【0029】
本実施形態では、図4および図6に示すように、キャリアテープ5における各TCP毎に、全体として矩形のTCPの各角部近傍に、アライメントマーク52が1個ずつ、合計4個設けられている。4個のアライメントマーク52をそれぞれ第1のアライメントマーク521、第2のアライメントマーク522、第3のアライメントマーク523、第4のアライメントマーク524という。
【0030】
また、本実施形態におけるキャリアテープ5のTCPは、4個ずつ一度に露光して形成されており、その露光を繰り返すことにより、4個のTCPを含む複数の露光単位53がキャリアテープ5上に形成されている。すなわち、本実施形態における露光単位53内のTCP数は4個である。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
図6に示すように、各露光単位53にて最初に試験対象となるTCP(図6中、右端のTCP)の近傍には、露光単位マーク54が設けられている。
【0032】
なお、本実施形態のTCPハンドラ2は、TCPを1個ずつ試験に付するものであるが、TCPを2個以上ずつ同時に試験に付するものであってもよい。
【0033】
TCPハンドラ2は、巻出リール21と巻取リール22とを備えている。巻出リール21には試験前のキャリアテープ5が巻き取られており、キャリアテープ5は、巻出リール21から巻き出され、試験に付された後に巻取リール22に巻き取られるように搬送される。
【0034】
巻出リール21と巻取リール22との間には、キャリアテープ5から剥離した保護テープ51を、巻出リール21から巻取リール22に架け渡す3個のスペーサロール23a,23b,23cが設けられている。各スペーサロール23a,23b,23cは、保護テープ51の張力を調整することができるように、それぞれ上下動できるようになっている。
【0035】
巻出リール21の下側には、テープガイド24a、巻出リミットローラ25a、イン側サブスプロケット25bおよびイン側ガイドローラ25cが設けられており、巻出リール21から巻き出されたキャリアテープ5は、テープガイド24aによってガイドされつつ、巻出リミットローラ25a、イン側サブスプロケット25bおよびイン側ガイドローラ25cを経てプッシャユニット3に搬送される。
【0036】
巻取リール22の下側には、テープガイド24b、巻取リミットローラ25f、アウト側サブスプロケット25eおよびアウト側ガイドローラ25dが設けられており、プッシャユニット3において試験に付された後のキャリアテープ5は、アウト側ガイドローラ25d、アウト側サブスプロケット25eおよび巻取リミットローラ25fを経て、テープガイド24bによってガイドされつつ、巻取リール22に巻き取られる。
【0037】
イン側ガイドローラ25cと、アウト側ガイドローラ25dとの間には、プッシャユニット3が設けられている。そして、プッシャユニット3の前段側(図1中左側)には第1カメラ6aが、プッシャユニット3の下側(後述するプローブカードステージ7の内側)には第2カメラ6bが、プッシャユニット3の後段側(図1中右側)には第3カメラ6cが設けられている。また、プッシャユニット3と第3カメラ6cとの間には、マークパンチ26aおよびリジェクトパンチ26bが設けられている。
【0038】
マークパンチ26aは、試験の結果に基づいて、該当するTCPにつき所定の位置に1個または複数個の孔を開けるものであり、リジェクトパンチ26bは、試験の結果不良品であると判断されたTCPを打ち抜くものである。なお、マークパンチ26aやリジェクトパンチ26bは、動作させないように個別に制御することもできる。
【0039】
各カメラ6a,6b,6cは、図示しない画像処理装置に接続されている。第1カメラ6aおよび第3カメラ6cは、キャリアテープ5上におけるTCPの有無やマークパンチ26aによる孔の位置や数を判断するためのものである。また、第2カメラ6bは、キャリアテープ5上のアライメントマーク52、露光単位マーク54、TCPの外部端子(以下「テストパッド」ということがある。)およびプローブ81の先端部を撮影し、それらの有無の情報や位置情報を取得したり、撮影した画像をモニタ(図示せず)に表示してオペレータがコンタクト状況を把握できるようにするものである。なお、上記画像処理装置は、第2カメラ6bが取得した各部の位置情報に基づいて、TCPのプローブ81に対する位置ずれ量を演算することができるものである。
【0040】
第2カメラ6bは、カメラステージ61上に搭載されており、カメラステージ61が有するアクチュエータによって平面視縦横方向(X軸−Y軸方向)および上下方向(Z軸方向)に移動可能となっている。これにより、第2カメラ6bは、キャリアテープ5上の第1〜第4のアライメントマーク521,522,523,524の全て、および露光単位マーク54を撮影することができる。
【0041】
図1および図2に示すように、プッシャユニット3のフレーム(プッシャフレーム)36には、ボールねじ32を回転させることのできるサーボモータ31がブラケット361を介して取り付けられている。そして、ボールねじ32が螺合するプッシャ本体部33がZ軸方向に延びる2本のリニアモーションガイド(以下「LMガイド」という。)37を介して取り付けられている。このプッシャ本体部33は、サーボモータ31を駆動させると、LMガイド37にガイドされながら上下方向(Z軸方向)に移動する。
【0042】
このプッシャ本体部33の下端部には、負圧源(図示省略)に接続されてTCPを吸引することによりキャリアテープ5を吸着保持して固定状態とすることのできる吸着プレート34が設けられている。
【0043】
プッシャ本体部33の前段側(図1中左側)には、テンションスプロケット35aが設けられており、プッシャ本体部33の後段側(図1中右側)には、メインスプロケット35bが設けられている。
【0044】
図2および図3に示すように、プッシャフレーム36におけるプッシャ本体部33の背面側には、基台38に載せられるようにしてプッシャステージ4(本発明のアライメント装置に該当)が設置されており、プッシャステージ4の回転台であるトップテーブル48はプッシャフレーム36に固定されている。
【0045】
プッシャステージ4のベース40上には、X軸方向に軸を有するボールねじ42aを回転させるサーボモータ41aと、Y軸方向に軸を有するボールねじ42bを回転させるサーボモータ41bと、Y軸方向に軸を有するボールねじ42cを回転させるサーボモータ41cとが設けられており、サーボモータ41bおよびサーボモータ41cは、それぞれベース40上の両端部に位置している。
【0046】
ボールねじ42aには、X軸方向のLMガイド43a,43aにガイドされてX軸方向に摺動可能な摺動ブロック44aが螺合している。摺動ブロック44aには、Y軸方向のLMガイド45aを介して摺動板46aがY軸方向に摺動可能に取り付けられている。摺動板46aの上側には、内部にローラリングを有する回転部材47aが固定されており、回転部材47aは、トップテーブル48に回転自在に取り付けられている。
【0047】
ボールねじ42bには、Y軸方向のLMガイド43b,43bにガイドされてY軸方向に摺動可能な摺動ブロック44bが螺合している。摺動ブロック44bには、X軸方向のLMガイド45bを介して摺動板46bがX軸方向に摺動可能に取り付けられている。摺動板46bの上側には、内部にローラリングを有する回転部材47bが固定されており、回転部材47bは、トップテーブル48に回転自在に取り付けられている。
【0048】
ボールねじ42cには、Y軸方向のLMガイド43c,43cにガイドされてY軸方向に摺動可能な摺動ブロック44cが螺合している。摺動ブロック44cには、X軸方向のLMガイド45cを介して摺動板46cがX軸方向に摺動可能に取り付けられている。摺動板46cの上側には、内部にローラリングを有する回転部材47cが固定されており、回転部材47cは、トップテーブル48に回転自在に取り付けられている。
【0049】
このような構成を有するプッシャステージ4においては、サーボモータ41aを駆動して、摺動ブロック44a、摺動板46bおよび摺動板46cをX軸方向に摺動させることにより、トップテーブル48をX軸方向に移動させることができる。また、サーボモータ41bおよびサーボモータ41cを駆動して、摺動ブロック44b、摺動ブロック44cおよび摺動板46aをY軸同方向に摺動させることにより、トップテーブル48をY軸方向に移動させることができる。さらには、サーボモータ41aを駆動して、摺動ブロック44aをX軸方向に摺動させるとともに、サーボモータ41bおよびサーボモータ41cを駆動して、摺動ブロック44bおよび摺動ブロック44cを互いにY軸反対方向に摺動させ、そして各回転部材47a,45b,45cを回転させることにより、トップテーブル48をその垂直軸回りに回転させることができる。このプッシャステージ4によれば、プッシャユニット3をX軸−Y軸方向に移動させること、および垂直軸回りに回転移動させることができる。
【0050】
なお、プッシャステージ4は、プローブカードステージ7よりも短時間で移動可能である。但し、プッシャステージ4は、キャリアテープ5を吸着保持した状態でTCPを移動させるため、X軸−Y軸方向の移動及び回転移動の移動量は微少となるものの、実用的に使用可能である。
【0051】
一方、プッシャユニット3の下側であって、テストヘッド10の上部には、図4に示されるように、TCPのテストパッドとコンタクトし得る多数本のプローブ(接続端子)81を備えたプローブカード8が搭載されたプローブカードステージ7(本発明のアライメント装置に該当)が設置されている。ここで、プローブカードステージ7は、モーター駆動機構で移動制御できるものと、手動調整機能のみを有するものとがあるが、本実施形態では、モーター駆動機構を有するものとする。
【0052】
図4および図5に示すように、プローブカードステージ7の基台71上には、X軸方向に軸を有するボールねじ712を回転させるサーボモータ711と、4つのX軸方向のLMガイド713とが設けられている。それら4つのLMガイド713上には、各LMガイド713によりX軸方向に摺動可能にガイドされる矩形のXベース72が設けられている。このXベース72の一側部には、ボールねじ712が螺合している螺合部721が形成されている。
【0053】
Xベース72上には、Y軸方向に軸を有するボールねじ723を回転させるサーボモータ722と、2本のY軸方向のLMガイド724とが設けられている。それら2本のLMガイド724上には、各LMガイド724によりY軸方向に摺動可能にガイドされる矩形のYベース73が設けられている。このYベース73の一側部には、ボールねじ723が螺合している螺合部731が形成されている。
【0054】
Yベース73上には、Y軸方向に軸を有するボールねじ733を回転させるサーボモータ732と、カードリング735を回転自在に支持する接続リング734とが設けられている。カードリング735の一部には、ボールねじ733が螺合している螺合部736が形成されている。複数のプローブ81を備えたプローブカード8は、4本のピン82によってカードリング735に着脱自在に取り付けられている。
【0055】
なお、プローブカード8の各プローブ81は、テストヘッド10を介してテスタ本体に電気的に接続されており、プローブカード8の下側であって、プローブカードステージ7の内側には第2カメラ6bが位置している。
【0056】
このような構成を有するプローブカードステージ7においては、サーボモータ711を駆動することにより、Xベース72、ひいてはプローブカード8をX軸方向に移動させることができ、サーボモータ722を駆動することにより、Yベース73、ひいてはプローブカード8をY軸方向に移動させることができる。また、サーボモータ732を駆動してボールねじ733を回転させ、螺合部736を移動させることにより、カードリング735およびプローブカード8をその垂直軸回りに回転させることができる。
【0057】
以上説明した試験装置では、プッシャユニット3は、プローブカードステージ7まで搬送されてきたキャリアテープ5を、吸着・支持しながらテストヘッド10上のプローブカード8に押圧する。すると、キャリアテープ5上のTCPが、プローブカード8のプローブ81にコンタクトする状態になる。この状態でまず、微少な直流電流を各IC端子へ印加して、TCPの内部回路(例えば保護用のダイオード)に流れる電流の有無や電圧値の測定からコンタクトチェックを行い、全てのテストパッドが電気的にプローブ81に接触していることや隣接ピン間のショートの有無を確認する。その後に、テスタ本体からのテスト信号をTCPに印加し、TCPから読み出した応答信号をテストヘッド10を通じてテスタ本体に送る。この応答信号に基づいてTCPの性能や試験等を試験し、TCPについてパス判定(良品判定)またはフェイル判定(不良判定)を行う。
【0058】
次に、TCPハンドラ2の実稼動時の動作を説明する。なお、本実施形態では、プローブカードステージ7は、初期設定で登録した登録位置にプローブカード8を移動して固定状態にするものとし、順次移送されるTCPの各試験前に行う位置ずれ補正の微調整は、微調整用のプッシャステージ4により行うものとする。ただし、この微調整は、プッシャステージ4の代わりにプローブカードステージ7を微動させる方法でも可能である。
【0059】
ここで、TCPハンドラ2には、試験に付すキャリアテープ5の事前情報として、露光単位53内のTCP数が4個であるとの情報が入力され、TCPハンドラ2は、その露光単位53内のTCP数を記憶しているものとする。
【0060】
TCPハンドラ2が主動作を開始すると、メインスプロケット35bおよびテンションスプロケット35aが所定角度回転することによりキャリアテープ5を移動させ、第1の露光単位53内の1個目のTCPを吸着プレート34の下側の所定位置(試験部)まで搬送する。
【0061】
TCPが吸着プレート34の下側まで搬送されてきたら、プッシャユニット3のサーボモータ31が駆動し、プッシャ本体部33を介して吸着プレート34をZ軸下方向に移動させる。ここで、テンションスプロケット35aは、キャリアテープ5の走行方向と逆方向のトルクが付与されることにより、キャリアテープ5に所定のテンションをかけているので、キャリアテープ5はたるみが無い状態となり、キャリアテープ5の位置精度が向上する。吸着プレート34は、キャリアテープ5を吸着してTCPを保持固定状態にし、その後、撮影位置まで下降する。
【0062】
次に第2カメラ6bは、カメラステージ61によって移動し、キャリアテープ5上の露光単位マーク54の検出を行う。露光単位マーク54を検出した場合には、第2カメラ6bは、当該露光単位53内の1個目のTCPに係る第1〜第4のアライメントマーク521〜524のいずれか1個または複数個を撮影し、得られた画像データを画像処理装置に送信する。
【0063】
第2カメラ6bが1つのアライメントマーク52を撮影した場合、画像処理装置は、得られた1つのアライメントマーク52の位置情報に基づいて、TCPのプローブ81に対する位置ずれ情報(位置ずれの方向(X軸方向・Y軸方向)および位置ずれの量ΔD)を演算により求める。
【0064】
第2カメラ6bが2つ以上のアライメントマーク52を撮影した場合、画像処理装置は、得られた2つ以上のアライメントマーク52の位置情報に基づいて、それらの平均値を算出し、TCPのプローブ81に対する位置ずれ情報(位置ずれの方向(X軸方向・Y軸方向・θ回転方向)および位置ずれの量ΔD)を演算により求める。
【0065】
得られた位置ずれ量ΔDに基づいて、位置ずれ補正の必要があると判断した場合には、プッシャステージ4を駆動して、位置ずれ補正を実行する。なお、位置ずれ補正は、通常はX軸方向・Y軸方向だけで足り、θ回転方向の位置ずれ補正は不要である。したがって、θ回転方向については、必要に応じて「補正する」または「補正しない」を設定することが可能となっている。ここでは、θ回転方向は「補正しない」に設定されているものとする。
【0066】
位置ずれを補正して位置合わせをするには、プッシャステージ4のサーボモータ41a,41bを駆動させてトップテーブル48、ひいてはプッシャユニット3を動かし、吸着プレート34で吸着しているキャリアテープ5をX軸−Y軸方向に移動させる方法を用いる。なお、プローブカードステージ7のサーボモータ711,722を駆動させてXベース72、Yベース73を動かし、プローブカード8をX軸−Y軸方向に移動させる方法を用いることもできるが、プッシャステージ4は、プローブカードステージ7よりも短時間に移動制御ができるので、プッシャステージ4を移動させる方が、インデックスタイム短縮・スループット向上の観点で有利である。
【0067】
次いで、プッシャユニット3のサーボモータ31が駆動し、プッシャ本体部33を介して吸着プレート34をさらにZ軸下方向に移動させる。キャリアテープ5を吸着した吸着プレート34は、コンタクト位置まで下降し、TCPをプローブカード8のプローブ81に対して押圧する。
【0068】
TCPのテストパッドがプローブ81にコンタクトしたら、先ず、微少な直流電流を各テストパッドに印加して、TCPの内部回路(例えば保護用のダイオード)に流れる電流の有無や電圧値を測定し、全てのテストパッドが電気的に接触しているか否か、および隣接ピン間のショートの有無を確認(コンタクトチェック)する。そのコンタクトチェックでコンタクト不良が発生した場合には、コンタクト状態のまま、吸着プレート34を前後左右へ微少に揺動(スクライブ)させたり、吸着プレート34に超音波振動を与えたり、プッシャ本体部33を上下させて再コンタクト動作を行ったりする。それによっても再度コンタクト不良となる場合には、そのTCPは不良品であると判断する。
【0069】
その後、試験実行として、テスタ本体からテストヘッド10を通じてTCPにテスト信号を印加し、TCPから読み出した応答信号を、テストヘッド10を通じてテスタ本体に送る。これによりTCPの性能や機能等が試験され、TCPについて良品、不良品、ランク分け等の判定がなされる。そして、良品と判定されたTCPは、マークパンチ26aの位置まで搬送されたときに、マークパンチ26aによって良品であるマークが付与され、不良品と判定されたTCPは、リジェクトパンチ26bの位置まで搬送されたときに、リジェクトパンチ26bによって打ち抜かれることとなる。なお、マークパンチ26aやリジェクトパンチ26bは、運用形態により、動作させないようにする場合もある。
【0070】
上記のようにして1個目のTCPの試験が終了すると、プッシャユニット3のサーボモータ31が駆動し、プッシャ本体部33を介して吸着プレート34をZ軸上方向に移動させ、初期状態にする。そして、吸着プレート34は、キャリアテープ5の吸着を停止してキャリアテープ5を解放するとともに、さらにZ軸上方向に移動する。
【0071】
次に、メインスプロケット35bおよびテンションスプロケット35aが所定角度回転することによりキャリアテープ5を移動させ、第1の露光単位53内の2個目のTCPを吸着プレート34の下側の所定位置(試験部)まで搬送する。
【0072】
2個目のTCPが吸着プレート34の下側まで搬送されてきたら、プッシャユニット3のサーボモータ31が駆動し、プッシャ本体部33を介して吸着プレート34をZ軸下方向に移動させる。このとき、当該2個目のTCPについては、位置ずれ補正を行わない。したがって、当該2個目のTCPについては、上記のアライメントマーク52の撮影〜位置ずれ量の演算〜位置ずれ補正の動作を行うことなく、プッシャユニット3のサーボモータ31が駆動し、プッシャ本体部33を介して吸着プレート34をさらにZ軸下方向に移動させる。
【0073】
キャリアテープ5を吸着した吸着プレート34は、2個目のTCPをプローブカード8のプローブ81に対して押圧し、コンタクトチェックを行う。コンタクトチェックがパスしたら、試験を実行し、2個目のTCPにテスト信号を印加して、当該TCPから読み出した応答信号を、テストヘッド10を通じてテスタ本体に送る。2個目のTCPの試験が終了すると、プッシャユニット3の吸着プレート34は、所定位置に戻る。
【0074】
第1の露光単位53内の3個目のTCPおよび4個目のTCPも、上記と同様にして、位置ずれ補正を行うことなく試験を行う。このように、露光単位53内の2個目〜4個目のTCP(1個目以外のTCP)については、位置ずれ補正を行わないため、位置ずれ補正を行うための動作時間を省略することができ、したがって、インデックスタイムを大幅に短縮することができる。
【0075】
ここで、一の露光単位53内の各TCPは、一のネガマスクを使用して露光・形成され、高い精度で配置されることとなるため、一の露光単位53内における各TCPの位置関係は一定であり、一の露光単位53内において各TCP相互間にずれが生じたり、露光単位53ごとに露光単位53内における各TCPの位置関係が異なることはない。したがって、当該露光単位53内の1個目のTCPの位置ずれ補正がなされていれば、当該露光単位53内の2個目〜4個目のTCPについても、自動的に位置ずれ補正がなされていることとなり、個別に位置ずれ補正を行うことなく、プローブカード8のプローブ81に対するコンタクトを高い精度で行うことが可能である。
【0076】
なお、露光単位53内の2個目〜4個目のTCPのコンタクトチェックにてコンタクト不良が発生した場合には、1個目のTCPと同じく、吸着プレート34を前後左右へ微少に揺動(スクライブ)させたり、吸着プレート34に超音波振動を与えたり、プッシャ本体部33を上下させて再コンタクト動作を行ったりするが、それによっても再度コンタクト不良となる場合には、個別に位置ずれ補正を行う。すなわち、当該TCPについて改めてアライメントマーク52を撮影し、位置ずれの量ΔDを演算して、それに基づいてプッシャステージ4を駆動し、位置ずれ補正を実行する。
【0077】
以上のようにして第1の露光単位53内の1個目〜4個目のTCPの試験が完了したら、第2の露光単位53内の1個目のTCPを吸着プレート34の下側の所定位置(試験部)まで搬送する。
【0078】
ここで、本実施形態におけるTCPハンドラ2は、露光単位53内のTCP数を4個と記憶しているため、第1の(現在の)露光単位53内の4個目のTCPの試験が完了したら、次に搬送されてくるTCPは、第2の(次の)露光単位53内の1個目のTCPであることを認識している。
【0079】
したがって、TCPハンドラ2は、露光単位マーク54の検出を行うことなく、第2の露光単位53内の1個目のTCPに係るアライメントマーク52を撮影し、位置ずれの量ΔDを演算して、それに基づいてプッシャステージ4を駆動し、位置ずれ補正を実行する。このように、露光単位53内の1個目のTCPについては、必ずアライメント動作を行うため、露光継目の前後に位置するTCP間の位置関係が一定でなくても、プローブカード8のプローブ81に対するコンタクトを高い精度で行うことが可能である。また、上記のように、あらかじめ露光単位53内のTCP数を記憶しておき、露光単位マーク54の検出を行わないことで、露光単位マーク54の検出を行うための動作時間を省略することができ、したがって、この段階でインデックスタイムが余分にかかることを防止することができる。
【0080】
第2の露光単位53内の1個目のTCPの試験が完了したら、その後の動作は、第1の露光単位53内の2個目のTCP以降の動作と同じである。
【0081】
なお、上記位置ずれ補正の動作に関しては、一の露光単位53における位置ずれの量ΔD(位置ずれ補正の補正量)を記憶しておき、次の露光単位53において、その記憶していた位置ずれの量ΔDを加味して被試験TCPの位置を定めることで、当該TCPについて位置ずれ補正が不要になったり、補正量が小さく済んだりする場合がある。また、複数の露光単位53における位置ずれの量ΔDを記憶しておき、その位置ずれの量ΔDの現れ方に一定のパターンがある場合には、その後の露光単位53において、上記パターンに基づいて予想される位置ずれの量ΔDを加味して被試験TCPの位置を定めることで、当該TCPについて位置ずれ補正が不要になったり、補正量が小さく済んだりする場合がある。
【0082】
TCPハンドラ2は、試験を行ったTCPが最後のデバイスであるか否かを判断し、最後のデバイスであると判断した場合には、主動作を終了する。
【0083】
以上のように動作するTCPハンドラ2によれば、位置ずれ補正の回数を削減することで、インデックスタイムを大幅に短縮して、短時間で効率良くTCP試験を行うことができ、もってスループットを向上させることができる。
【0084】
ここで、上記実施形態に係るTCPハンドラ2では、露光単位53内のTCP数をあらかじめ記憶しておき、その情報に基づいて、第2の露光単位53以降、被試験TCPが露光単位53内の1個目のTCPであるかどうか、すなわち位置ずれ補正の対象とすべきTCPかどうかを判断するが、これに限定されるものではない。
【0085】
例えば、露光単位53内のTCP数をあらかじめ記憶せずに、第2カメラ6bが第1の露光単位53の露光単位マーク54を検出してから第2の露光単位53の露光単位マーク54を検出するまでの間にあったTCPの数(第1カメラ6aからの情報や試験を行った回数等から取得可能)から、一の露光単位53内のTCP数を取得してもよい。この場合、第3の露光単位53以降の露光単位53については、露光単位マーク54の検出は不要である。
【0086】
また、露光単位53内のTCP数をあらかじめ記憶している場合であって、一番最初に試験部に搬送されるTCPが第1の露光単位53内の1個目のTCPであることが分かっている場合には、当該第1の露光単位53においても露光単位マーク54の検出を省略することができる。
【0087】
一方、上記実施形態に係るTCPハンドラ2では、第2カメラ6bが露光単位マーク54の検出を行ったが、これに限定されることなく、キャリアテープ5上におけるTCPの有無を判断する第1カメラ6aが露光単位マーク54の検出を行うようにしてもよい。露光単位マーク54が第1カメラ6aで認識できる程度に大きい場合には、これが可能である。この場合、カメラステージ61によって第2カメラ6bを移動させて露光単位マーク54を検出する動作を省略することができる。
【0088】
さらには、TCPハンドラ2には、露光単位53内のTCP数を入力するのではなく、露光単位のサイズ(長手方向の長さ)を入力して、TCPハンドラ2にて、当該露光単位のサイズから露光単位53内のTCP数を自動算出するようにしてもよい。
【0089】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0090】
例えば、アライメントマーク52の替わりに、利用可能な他の図形、例えば他のマーク、TCPの特定のテストパッド、パッケージの角部等を画像認識するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明に係るTCPハンドリング装置は、インデックスタイムを短縮して、短時間で効率良くTCP試験を行うのに有効である。
【符号の説明】
【0092】
1…TCP用の試験装置
10…テストヘッド
2…TCPハンドラ
21…巻出リール
22…巻取リール
3…プッシャユニット
5…キャリアテープ
52,521,522,523,524…アライメントマーク
53…露光単位
54…露光単位マーク
6a,6b,6c…カメラ
7…プローブカードステージ
8…プローブカード
81…プローブ(接続端子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光単位毎にTCPが複数形成されたキャリアテープを試験部に搬送して、テストヘッドに電気的に接続されている接続端子を有するコンタクト部に対してキャリアテープを押圧し、TCPの外部端子を前記コンタクト部の接続端子に接続させることにより、TCPを順次試験に付すことのできるTCPハンドリング装置であって、
前記キャリアテープにおける露光単位情報を取得する手段と、
前記TCPの外部端子および前記コンタクト部の接続端子が正しく接続するように、位置ずれ補正を行うアライメント装置と、を備え、
前記取得した露光単位情報に基づいて、前記試験部に新たな露光単位が位置したと判断したときに、前記アライメント装置は位置ずれ補正を行い、
前記位置ずれ補正を行った後、次の露光単位が前記試験部に位置すると判断するまでは、コンタクト不良となる以外、前記アライメント装置は位置ずれ補正を行わない
ことを特徴とするTCPハンドリング装置。
【請求項2】
前記露光単位情報を取得する手段は、前記キャリアテープに付された露光単位マークを検出することのできる撮像装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載のTCPハンドリング装置。
【請求項3】
前記露光単位情報を取得する手段は、露光単位内のTCP数を取得する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のTCPハンドリング装置。
【請求項4】
前記露光単位情報を取得する手段は、
前記キャリアテープに付された露光単位マークを検出することのできる撮像装置と、
露光単位内のTCP数を取得する手段と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のTCPハンドリング装置。
【請求項5】
前記キャリアテープ上における所定の形状を有する特定図形を撮影し、当該特定図形の位置情報を取得する撮像装置をさらに備えており、
前記アライメント装置は、前記取得した特定図形の位置情報に基づいて、位置ずれ補正を行うことを特徴とする請求項1に記載のTCPハンドリング装置。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記キャリアテープに付された露光単位マークを検出し、もって前記露光単位情報を取得する手段を構成することを特徴とする請求項5に記載のTCPハンドリング装置。
【請求項7】
前記キャリアテープ上におけるTCPの有無を画像認識する撮像装置をさらに備えており、
前記撮像装置は、前記キャリアテープに付された露光単位マークを検出し、もって前記露光単位情報を取得する手段を構成することを特徴とする請求項1に記載のTCPハンドリング装置。
【請求項8】
前記撮像装置は、露光単位内のTCP数の情報に基づいて、前記露光単位マークの検出動作を、前記露光単位内のTCP数の間隔でのみ行うことを特徴とする請求項2または4に記載のTCPハンドリング装置。
【請求項9】
前記露光単位内のTCP数の情報は、前記撮像装置が一の露光単位マークを検出してから次の露光単位マークを検出するまでの間にあったTCPの数から取得することを特徴とする請求項8に記載のTCPハンドリング装置。
【請求項10】
前記アライメント装置は、所定の段階において、一または複数の位置ずれ補正の補正量または当該補正のパターンを記憶し、前記所定の段階の後において、前記記憶した位置ずれ補正の補正量または当該補正のパターンを利用して、位置ずれ補正を行うことを特徴とする請求項1に記載のTCPハンドリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−237387(P2011−237387A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111386(P2010−111386)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】