説明

VEGFR−2及びVEGFR−3阻害性アントラニルアミドピリジン

【課題】VEGFR-2及びVEGFR-3阻害アントラニルアミドピリジンアミド、執拗な脈管形成により引き起こされる疾病の処理のための薬剤としてのその生成及び使用、及び前記化合物の生成のための中間体が開示される。
【解決手段】前記化合物は、例えば腫瘍又は転移性増殖、乾癬、カポジ肉腫、再狭窄、例えばステント誘発性再狭窄、子宮内膜症、クローン病、ホジキン病、白血病;関節炎、例えばリウマチ様関節炎、血管腫、血管線維腫、眼疾患、腎疾患、線維症性疾患、動脈硬化、などの治療に使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、VEGFR−2及びVEGFR−3阻害性アントラニルアミドピリジン、それらの生成及び執拗な脈管形成により誘発される疾病を処理するための医薬剤としてのそれらの使用、及び化合物の生成のための中間体生成物に関する。
【背景技術】
【0002】
執拗な脈管形成は、種々の疾病、例えば腫瘍又は転移性増殖、乾癬;関節炎、例えばリウマチ様関節炎、血管腫、血管線維腫;眼疾患、例えば糖尿病性網膜症、血管新生緑内障;腎疾患、例えば糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化、血栓性微小血管症候群、移植片拒絶及び糸球体症;線維症性疾患、例えば肝硬変、糸球体間質性細胞増殖疾患及び動脈硬化の原因又は前提条件であるか、又はそれらの疾病の悪化をもたらす。
【0003】
執拗な脈管形成は、VEGF因子により、その受容体を通して誘発される。VEGFがこの作用を発揮するためには、VEGFが受容体に結合し、そしてチロシンリン酸化が誘発される必要がある。
VEGF受容体(VEGF=血管内皮成長因子)の直接的又は間接的阻害が、そのような疾病及び他のVEGF−誘発された病理学的脈管形成及び血管透過性状態、例えば腫瘍脈管形成を処理するために使用され得る。例えば、腫瘍の増殖は、VEGFに対する可溶性受容体及び抗体により阻害され得ることは知られている。
【0004】
乾癬;関節炎、例えばリウマチ様関節炎、血管腫、血管線維腫;眼疾患、例えば糖尿病性網膜症、血管新生緑内障;腎疾患、例えば糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化、血栓性微小血管症候群、移植片拒絶及び糸球体症;線維症性疾患、例えば肝硬変、糸球体間質性細胞増殖疾患、動脈硬化、神経組織の外傷の処理のための、及び血管補綴におけるバルーンカテーテルの処置の後、又は血管開放を維持するための機械装置、例えばステントの使用の後、血管の再閉塞の阻害のための医薬剤として使用されるアントラニルアミドピリドンが、WO00/27820号(例えば、例38)から知られている。
WO00/27820号から知られている化合物は一般的に、示される徴候において効果的であるが、しかしそれらの有効性はほとんど明白ではない。
【0005】
チトクロームP450イソ酵素3A4の阻害において非常に効果的であるだけではなく、またその良好な阻害性を有するアントラニル酸アミドもまた、WO00/27819号例2.54)から知られている。チトクロームP450イソ酵素3A4は、医薬剤が分解される必須代謝酵素の1つである。このイソ酵素の阻害は、特に多病性患者(複数の疾病状態を有する疾患)の場合、所望しない医薬剤の相互作用をもたらす。他の薬剤との組合せ治療において、化合物の分解の阻害及び関連する過度の血清レベルに起因する高められた毒性が発生する問題がまたまた存在する。
【0006】
従って、一方では、効果的であり、そして他方では、より適合できるか、又はいずれの所望しない副作用も示さない活性成分が所望される。
【発明の概要】
【0007】
従って、一方では、より効果的で、且つ他方では、より適合性の化合物が所望される。
下記一般式I:
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、Xは、CH又はNを表し;
Wは、水素又は弗素を表し;
A, B, D, E及びQは、個々の場合、お互い独立して、窒素又は炭素原子を表し、ここで、最大2つの窒素原子のみが環に存在することができ;
【0010】
R1は、アリール又はヘテロアリールを表し、ここで、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C12−アルキル、C3-C6−シクロアルキル、C3-C6−アルケニル、C2-C6−アルキニル、アラルキルオキシ、C1-C12−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、シアノ−C1-C6−アルキル、又は基=O、-SO2R6もしくは-OR5により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換されていてもよく、ここで前記C1-C6−アルキルは任意には、基−OR5又は−NR9R10により置換されていてもよく、
Y及びZは、個々の場合、お互い独立して、結合、又は基=CO、=CS又は=SO2を表し、
R2及びR3は、お互い独立して、水素、又は基-CONR9R10, -SO2R6, -COR11, -COC1-C6−アルキル、-CO-C1-C6−アルキル-R11, -NR9R10、又はC1-C6−アルキル、C3-C10−シクロアルキル、C3-C6−シクロアルケニル、アリール又はヘテロアリール(ハロゲン、シアノ、C1-C12−アルキル、C1-C12−アルコキシ、ヒドロキシ-C1-C6−アルキル、ハロ−C1-C6−アルキル、又は基-NR7R8, -OR5, -C1-C6−アルキル-OR5, -SR4, -SOR4もしくは-SO2R6により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換される)を表し;あるいは
【0011】
R2, R3, Y及びZは、窒素原子と共に、3〜8員の飽和又は不飽和環(任意には、環に追加のヘテロ原子を含むことができ、そして任意には、ハロゲン、シアノ、C1-C12−アルキル、C1-C12−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ-C1-C6−アルキル、又は基=O, -OR5, -SR4, -SOR4もしくは-SO2R6により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換される)を形成し;
R4は、C1-C12−アルキル、アリール又はヘテロアリールを表し;
R5は、水素、C1-C12−アルキル、C3-C10−シクロアルキル、C1-C12−アルコキシ、ハロ-C1-C12−アルキル、又はハロ-C3-C6−シクロアルキルを表し;
【0012】
R6は、水素、C1-C12−アルキル、ハロ-C1-C12−アルキル、アリールもしくはヘテロアリール、又は基-N9R10を表し、ここで前記アリール又はヘテロアリール自体は任意には、C1-C12−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ハロゲン又はハロ−C1-C6−アルコキシにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよく;
R7及びR8は、お互い独立して、水素又はC1-C12−アルキルを表し、そして
R9及びR10は、お互い独立して、水素、C1-C6−アルキル、C2-C6−アルケニル、アリール、C3-C8−シクロアルキルもしくは基-CONR7R8、又はC1-C12−アルキル(任意には、アリール、モルホリノ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C12−アルコキシ又は基-NR7R8により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換される)を表し、ここで前記アリール自体は、任意にはC1-C6−アルコキシ又はハロ−C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の任意で置換されていてもよく;あるいは
【0013】
R9及びR10は、一緒になって、追加のヘテロ原子を含むことができる5〜8員の環を形成し;そして
R11は、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ヒドロキシ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ−C1-C6−アルコキシ、C3-C6−シクロアルキル、フェニル、ピリジル、ビフェニル又はナフチルを表し、ここで前記フェニル自体は、C1-C6−アルキル又はハロ-C1-C6−アルキルにより、同じ手段で又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよい]
で表される化合物、その異性体、ジアステレオマー、互変異体及び塩が、改良された性質、すなわち低いCYP450 3A4阻害性を伴って高い有効性を示すことが現在見出された。
【0014】
本発明の化合物は、チロシンリン酸化を妨げるか、又は執拗な脈管形成及び従って腫瘍の増殖及び拡大を停止し、それにより、それらは特に、チトクロームP450(3A4)のイソフォームのわずかな阻害により区別される。
従って、本発明の化合物の投薬は、同時に投与され、そしてそれらのイソフォームを通して分解される医薬剤に関してさえ危険性を有さない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
アルキルは個々の場合、直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ウンデシル又はドデシルとして定義される。
アルコキシは個々の場合、直鎖又は枝分かれ鎖のアルコキシ基、例えばメチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ペプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ又はドデシルオキシとして定義される。
【0016】
シクロアルキルは、単環式アルキル環、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル又はシクロデシルとして、また二環式環又は三環式環、例えばアダマンタニルとして定義される。
シクロアルキル基は、炭素原子の代わりに、1又は複数のヘテロ原子、例えば酸素、硫黄、及び/又は窒素を含むことができる。3〜8個の環原子を有するそれらのヘテロシクロアルキルが好ましい。
【0017】
シクロアルケニルは、個々の場合、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル又はシクロデセニルとして定義され、それにより、連鎖は、二重結合及び単結合の両者に対して行われ得る。
ハロゲンは、個々の場合、弗素、塩素、臭素又はヨウ素として定義される。
ハロ−アルキル、ハロ−アルコキシ、等は、アルキル、アルコキシ、等がハロゲンにより、同じ手段で又は異なって、1又は複数の位置で置換されているものとして定義される。
【0018】
アルケニルは、個々の場合、2〜6個、好ましくは4〜6個のC原子を含む直鎖又は枝分かれ鎖のアルケニル基として定義される。例えば、次の基が言及される:ビニル、プロペン−1−イル、プロペン−2−イル、ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−2−エン−1−イル、2−メチル−プロプ−1−イル、ブト−1−エン−3−イル、ブト−3−エン−1−イル、及びアリル。
アリール基は個々の場合、3〜12個の炭素原子を含んで成り、そして個々の場合、ベンゾ縮合され得る。
【0019】
例えば、次のものが言及され得る:シクロプロペニル、シクロペンタジエニル、フェニル、トロピル、シクロオクタジエニル、インデニル、ナフチル、アズレニル、ビフェニル、フルオレニル、アントラセニル、等。
ヘテロアリール基は個々の場合、3〜16の環原子を含んで成り、そして炭素原子の代わりに、同じか又は異なっている1又は複数のヘテロ原子、例えば酸素、窒素又は硫黄を環に含むことができ、そして単環式、二環式又は三環式であり得、そしてさらに、個々の場合、ベンゾ縮合され得る。
【0020】
例えば、次のものが言及され得る:チエニル、フラニル、プロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、等、及びそれらのベンゾ誘導体、例えばベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、等;又はピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、等、及びそれらのベンゾ誘導体、例えばキノリル、イソキノリル、等;又はアゾシニル、インドリジニル、プリニル、等、及びそれらのベンゾ誘導体;又はキノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、キサンテニル又はオキセピニル、等。
【0021】
ヘテロアリール基は、個々の場合、ベンゾ縮合され得る。例えば、5−環状複素芳香族化合物として次のものが言及され得る:チオフェン、フラン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール及びそれらのベンゾ誘導体、そして6−環状複素芳香族化合物として次のものが言及され得る:ピリジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン及びそれらのベンゾ誘導体、
ヘテロ原子は、酸素、窒素又は硫黄原子として定義される。
窒素原子と共に形成される、R2, R3, Y及びZの意味における3〜8員の環は、C3-C8−シクロヘテロアルキル及びC3-C8−ヘテロアリールとして定義される。
【0022】
酸基が包含される場合、有機及び無機塩基の生理学的に適合できる塩は、容易に溶解できるアルカリ塩及びアルカリ土類塩、並びにN−メチル−グルカミン、ジメチル−グルカミン、エチル−グルカミン、リシン、1,6−ヘキサジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス−ヒドロキシ−メチル−アミノ−メタン、アミノプロパンジオール、Sovak塩基及び1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールのような塩として適切である。
塩基性基が包含される場合、有機及び無機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、等の生理学的に適合できる塩が適切である。
【0023】
本発明の一般式Iの化合物はまた、可能性ある互変異体形を含み、そしてE−変異体又はZ−異性体、又はキラル中心が存在する場合、またラセミ体及び鏡像異性体を含んで成る。
【0024】
Xが、CHを表し、
Wが、水素を表し、
A, B, D, E及びQが、環として、一緒になってピリジルを表し、
R1は、アリール又はヘテロアリールを表し、これらは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6−アルキル、C3-C6−シクロアルキル、C4-C6−アルケニル、C2-C6−アルキニル、アラルキルオキシ、C1-C6−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、シアノ−C1-C6−アルキル、又は基=O、-SO2R6もしくは-OR5により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換されていてもよく、ここで前記C1-C6−アルキルは任意には、基−OR5又は−NR9R10により置換されていてもよく、
Y及びZは、個々の場合、お互い独立して、結合を表し、
【0025】
R2及びR3は、お互い独立して、水素、又は基-CONR9R10, -SO2R6, -COR11, -COC1-C6−アルキル、-CO-C1-C6−アルキル-R11, -NR9R10、又はC1-C6−アルキル、C3-C6−シクロアルキル、C3-C6−シクロアルケニル、アリール又はヘテロアリール(ハロゲン、シアノ、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ヒドロキシ-C1-C6−アルキル、ハロ−C1-C6−アルキル、又は基-NR7R8, -OR5, -C1-C6−アルキル-OR5, -SR4, -SOR4もしくは-SO2R6により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換される)を表し、あるいは
【0026】
R2, R3, Y及びZは、窒素原子と共に、3〜8員の飽和又は不飽和環(任意には、環に追加のヘテロ原子を含むことができ、そして任意には、ハロゲン、シアノ、C1-C12−アルキル、C1-C12−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ-C1-C6−アルキル、又は基=O, -OR5, -SR4, -SOR4もしくは-SO2R6により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換されていてもよく)を形成し、
R4は、C1-C6−アルキル、アリール又はヘテロアリールを表し、
R5は、水素、C1-C6−アルキル、ハロ-C1-C6−アルキル、C1-C12−アルコキシ、C3-C10−シクロアルキル、又はハロ-C3-C6−シクロアルキルを表し、
【0027】
R6は、水素、C1-C6−アルキル、ハロ-C1-C6−アルキル、アリール又はヘテロアリール、又は基-N9R10を表し、ここで前記アリール又はヘテロアリール自体は任意には、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ハロゲン又はハロ−C1-C6−アルコキシにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよく、
R7及びR8は、お互い独立して、水素又はC1-C6−アルキルを表し、
R9及びR10は、お互い独立して、水素、C1-C6−アルキル、C2-C6−アルケニル、アリール、C3-C8−シクロアルキル、又は基-CONR7R8、又はC1-C6−アルキル(任意には、アリール、モルホリノ、ヒドロキシ、ハロゲンもしくはC1-C12−アルコキシ又は基-NR7R8により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよく)を表し、ここで前記アリール自体は、任意にはC1-C6−アルコキシ又はハロ−C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の任意で置換されていてもよく、そして
【0028】
R11は、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ヒドロキシ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ−C1-C6−アルコキシ、C3-C6−シクロアルキル、フェニル、ピリジル、ビフェニル又はナフチルを表し、ここで前記フェニル自体は、C1-C6−アルキル又はハロ-C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換され得る一般式Iのそれらの化合物、並びにその異性体、ジアステレオマー、互変異性体、及び塩は好都合であることがわかっている。
【0029】
Xが、CHを表し、
Wが、水素を表し、
A, B, D, E及びQが、環として、一緒になってピリジルを表し、
R1は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル又はインダゾリルを表し、これらは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6−アルキル、C2-C6−アルキニル、C1-C6−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、又はシアノ−C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換されていてもよく、ここで前記C1-C6−アルキルは任意には、基−OR5又は−NR9R10により置換されていてもよく、
Y及びZは、個々の場合、お互い独立して、結合、又は基=COを表し、
【0030】
R2及びR3は、お互い独立して、水素、又は基-CONR9R10, -SO2R6, -COR11, -COC1-C6−アルキル、-CO-C1-C6−アルキル-R11, -NR9R10、又はC1-C6−アルキル又はフェニル(基-NR7R8, 又は-OR5により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換されていてもよい)を表し、あるいは
R2, R3, Y及びZは、窒素原子と共に、3〜8員の飽和又は不飽和環(任意には、環に追加のヘテロ原子を含むことができ、そして任意には、ハロゲン、シアノ、C1-C12−アルキル、C1-C12−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ-C1-C6−アルキル、又は基=O, -OR5, -SR4, -SOR4もしくは-SO2R6により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換される)を形成し、
【0031】
R5は、水素又はC1-C6−アルキルを表し、
R6は、水素、C1-C6−アルキル、ハロ-C1-C6−アルキル、フェニル、ベンジル、チオフェニル、又はピリジルを表し、ここで前記フェニル、ベンジル、チオフェニル、又はピリジル自体は任意には、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ハロゲン又はハロ−C1-C6−アルコキシにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよく、
R7及びR8は、お互い独立して、水素又はC1-C6−アルキルを表し、
【0032】
R9及びR10は、お互い独立して、水素、C1-C6−アルキル、C2-C6−アルケニル、フェニル、ビフェニル、C3-C8−シクロアルキル、ナフチル、又は基-CONR7R8、又はC1-C6−アルキル(任意には、フェニル、モルホリノ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C12−アルコキシ又は基-NR7R8により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよい)を表し、ここで前記フェニル自体は、任意にはC1-C6−アルコキシ又はハロ−C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の任意で置換されていてもよく、そして
【0033】
R11は、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ヒドロキシ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ−C1-C6−アルコキシ、C3-C6−シクロアルキル、フェニル、ピリジル、ビフェニル又はナフチルを表し、ここで前記フェニル自体は、C1-C6−アルキル又はハロ-C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換され得る一般式のそれらの化合物、その異性体、ジアステレオマー、互変異性体、及び塩、特に興味あるものである。
【0034】
本発明の化合物及びそれらの生理学的に適合できる塩は、チロシン酸化を妨げるか、又は執拗な脈管形成及び従って腫瘍の増殖及び拡張を停止し、それにより、それらは特に、チトクロームP450(3A4)のイソフォームのわずかな阻害により区別される。従って、本発明の化合物を用いての投薬は、同時に投与され、そしてそれらのイソフォームを通して分解される医薬剤に関してさえ危険性を有さない。
【0035】
式Iの化合物及びそれらの医薬的に適合できる塩は、VEGF受容体のリン酸化に対するそれらの阻害活性に基づいて、医薬剤として使用され得る。それらの作用プロフィールに基づいて、本発明の化合物は、執拗な脈管形成により引き起こされるか又は促進される疾病を処理するために適切である。
式Iの化合物はチロシンキナーゼKDR及びFLTのインヒビターとして同定されているので、それらは特に、VEGF受容体を通して又は血管透過性の上昇により誘引される執拗な脈管形成により引き起こされるか又は促進されるそれらの疾病を処理するために適切である。
本発明の目的はまた、チロシンキナーゼKDR及びFLTのインヒビターとしての本発明の化合物の使用である。
従って、本発明の目的はまた、腫瘍の処理のための医薬剤、又はその使用である。
【0036】
本発明の化合物は、腫瘍又は転移性増殖、乾癬、カポジ肉腫、再狭窄、例えばステント誘発性再狭窄、子宮内膜症、クローン病、ホジキン病、白血病;関節炎、例えばリウマチ様関節炎、血管腫、血管線維腫;眼疾患、例えば糖尿病性網膜症、血管新生緑内障;腎疾患、例えば糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化、血栓性微小血管症候群、移植片拒絶及び糸球体症;線維症性疾患、例えば肝硬変、糸球体間質性細胞増殖疾患、動脈硬化、神経組織の外傷の場合、バルーンカテーテルの処置、血管補綴、又は血管開放を維持するための機械装置、例えばステントの使用後の血管の再閉塞の阻害、免疫抑制剤として、及び老年性角化症及び接触性皮膚炎における瘢痕のない治療の維持のための医薬剤として、単独で又は配合物において使用され得る。
【0037】
神経組織に対する損傷の処理においては、損傷部位上でのすばやい瘢痕形成が本発明の化合物により妨げられ、すなわち瘢痕形成が軸索再連結の前、発生を妨げられる。従って、神経化合物の再構成が促進される。
患者における腹水の形成はまた、本発明の化合物により抑制され得る。VEGF−誘発された水腫もまた抑制され得る。
リンパ脈管形成は、リンパ性転移において重要な役割を演じる(Karpanen, T. など., Cancer Res. 2001, Mar 1, 61(5): 1786-90, Veikkola, T., など., EMBO J. 2001, Mar 15; 20 (6): 1223-31)。
【0038】
本発明の化合物はまた、VEGFRキナーゼ3インヒビターとして卓越した作用を示し、そして従って、リンパ脈管形成の効果的なインヒビターとしても適切である。
本発明の化合物による処理により、転移のサイズの低下のみならず、また転移の数の低下も達成される。
そのような医薬剤、それらの配合及び使用もまた、本発明の目的である。
【0039】
本発明はまた、腫瘍又は転移性増殖、乾癬、カポジ肉腫、再狭窄、例えばステント誘発性再狭窄、子宮内膜症、クローン病、ホジキン病、白血病;関節炎、例えばリウマチ様関節炎、血管腫、血管線維腫;眼疾患、例えば糖尿病性網膜症、血管新生緑内障;腎疾患、例えば糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化、血栓性微小血管症候群、移植片拒絶及び糸球体症;線維症性疾患、例えば肝硬変、糸球体間質性細胞増殖疾患、動脈硬化、神経組織の外傷の場合、バルーンカテーテルの処置、血管補綴、又は血管開放を維持するための機械装置、例えばステントの使用後の血管の再閉塞の阻害、免疫抑制剤として、及び老年性角化症及び接触性皮膚炎における瘢痕のない治療の維持のための医薬剤の製造のためへの一般式Iの化合物の使用にも関する。
【0040】
患者における腹水の形成はまた、本発明の化合物により抑制され得る。VEGF−誘発された水腫もまた抑制され得る。
医薬剤として式Iの化合物を使用するためには、医薬剤は医薬製剤の形にされ、ここで前記製剤は、腸内又は非経口投与のための活性剤の他に、適切な有機又は無機の医薬的不活性キャリヤー材料、例えば水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ポリアルキレングリコール、等を含む。医薬製剤は、固体形、例えば錠剤、被覆された錠剤、坐剤、又はカプセルとして、又は液体形、例えば溶液、懸濁液又はエマルジョンとして存在することができる。それらは任意には、さらにアジュバント、例えば保存剤、安定剤、湿潤剤又は乳化剤、浸透圧を変えるための塩、又は緩衝液を含む。
【0041】
非経口投与に関しては、特に注射用溶液又は懸濁液、特にポリヒドロキシエトキシル化されたヒマシ油中、活性化合物の水溶液が適切である。
キャリヤーシステムとして、界面活性アジュバント、例えば胆汁酸の塩、又は動物又は植物リン脂質、又はそれらの混合物、及びリポソーム又はそれらの成分がまた使用され得る。
経口投与に関しては、特に、タルク、及び/又は炭化水素ビークル又は結合剤、例えばラクトース、コーンスターチ又はポテトスターチを含む、錠剤、被覆された錠剤又はカプセルが適切である。投与はまた、液体形で、例えば、任意には甘味剤又は必要なら、1又は複数の風味物質が添加されているジュースとして行われ得る。
【0042】
活性成分の用量は、投与の方法、患者の年齢及び体重、処理される疾病の型及び重症度、及び類似する要因に依存して変化する。毎日の用量は、0.5〜1000mg、好ましくは50〜200mgであり、それにより、用量は単一の用量として与えられるか、又は複数回の毎日の用量に分割され得る。
計量分配のための上記配合物及び形はまた、本発明の目的でもある。
本発明の化合物の生成は、当業界において知られている方法に従って行われる。例えば、一般式Iの化合物は、下記一般式II:
【0043】
【化2】

[式中、A, B, D, E, Q, W, X及びR1は、一般式Iに示される意味を有し、そしてMはハロゲンである]で表される化合物がまず、アミンに転換され、そして次に、アシル化されるか、又はMがNHCOR’基により置換されることにより得られる。
【0044】
一般式Iの化合物はまた、次のようにして得られる:下記一般式IIa:
【化3】

[式中、RyはC1-C6−アルキル又は水素を表し、そしてFGは脱離基、例えばハロゲン、O−トリフレート、O−メシレート、O−トシレート又はスルホンを意味する]で表される化合物がまず、アミドに転換され、そして次に、脱離基が、N(Y-R2)-R3基により置換されるか、又は下記式III :
【0045】
【化4】

【0046】
[式中、R2, R3, Y及びZは、一般式Iに示される意味を有し、そしてRyはC1-C6−アルキル又は水素を表す]で表される化合物がまず、鹸化され、そして次に、アミドに転換される。
アミド形成は、当業界において知られている方法に従って行われる。
アミド形成に関しては、対応するエステルから出発することが可能である。エステルが、J. Org. Chem. 1995, 8414に従って、溶媒、例えばトルエン中、アルミニウムトリメチル及びその対応するアミンと、0℃〜溶媒の沸点の温度で反応せしめられる。分子が2つのエステル基を含む場合、両者は同じアミドに転換される。アルミニウムトリメチルの代わりに、ナトリウムヘキサメチルジシラジドがまた使用され得る。
【0047】
しかしながら、アミド形成に関しては、ペプチド化学から知られているすべての工程がまた利用できる。例えば対応する酸が、例えばヒドロキシベンゾトリアゾールに及びカルボジイミド、例えばジイソプロピルカルボジイミドにより得られる非プロトン性極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド中、アミンと、活性化された酸誘導体を通して、0℃〜溶媒の沸点の温度、好ましくは80℃で反応せしめられる。しかしながら、カルボン酸とアミンとの間の反応はまた、活性化試薬、例えばHATU(N-ジメチルアミノ−1H−1,2,3−トリアゾール−[4,5−b]ピリジン−イルメチレン−N−メチルメタナミニウムヘキサフルオロホスフェート−N−オキシド)により生成され得、ここで極性非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミドが反応のために適切である。
【0048】
塩基、例えばN−メチルモルホリンの添加が必要である。反応は0〜100℃の温度で進行し、ここで工程は好ましくは、室温で行われるが、しかし多くの場合、加熱が絶対的に必要である。アミド形成に関しては、前記工程がまた、酸ハロゲン化合物、混合された無水酸、イミダゾリド又はアジドと共に使用され得る。例えばアミドとしての追加のアミノ基の前もっての保護は、すべての場合、必要ではないが、しかし好都合には、反応に影響を及ぼすことができる。
【0049】
ビスエシッド(bisacid)塩化物の場合、環状化合物が生成され得る。また、ハロゲン酸ハロゲン化物の場合、環状化合物が生成され得る。次に、閉環は、任意には強塩基、例えばナトリウムアルコレートの添加により完結される。同じことが、スルホン酸ハロゲン化物に関して真であり、ここで二重スルホン化がまた生じ得る。
ウレアが、イソシアネートとの反応によりアミノ化合物から生成される。不活性溶媒、例えば塩化メチレン又はジメチルホルムアミドが、室温〜100℃の温度、好ましくは60℃で使用される。加圧は、その反応のために好都合である。
【0050】
アミドとハロピリジンとの反応は、触媒下で、例えばパラジウム又は銅触媒により行われる。銅触媒(Synlett. 2002, 427を参照のこと)の場合、触媒、例えばジオキサン又はジメチルホルムアミドが、溶媒の沸点までの温度、好ましくは120℃で使用される。塩基として、リン酸カリウム又は炭酸セシウムが使用される。エチレンジアミンは、触媒として使用されるヨウ化銅(I)を錯化するために好都合である。圧力の適用は有害ではない。パラジウム触媒の場合、両パラジウム(II)塩、例えば酢酸パラジウム(II)及びパラジウム(O)錯体、例えばパラジウム (O)2ジベンジリデンアセトン3(JACS 2002, 6043, THL 1999, 2035, Org. Lett 2001, 2539, THL 2001, 4381又はTHL 2001, 3681を参照のこと)が使用され得る。
【0051】
溶媒として、トルエン、ジオキサン又はジメチルホルムアミドが、室温〜溶媒の沸点の温度、好ましくは約100℃で使用される。補助リガンドとして、BINAP, DPPF又はXanthphosが使用される。塩基はまた必要である。このためには、炭酸セシウム、リン酸カリウム又はナトリウム−t−ブチレートが使用される。それらの成分は、種々の手段で組み合わされ得る。
【0052】
その対応する2−ハロピリジンからのピリジンアミンの生成は、溶媒、例えばピリジン下で又はプロトン性極性溶媒、例えばエチレングリコール下で、200℃までの温度で行われる。銅(I)塩による触媒がその反応のために必要である。圧力の適用は、低沸点アミンの反応の場合、絶対的に必要であるが、しかしまた、従来のアミンにおいても好都合である。
エーテル分解は、既知の方法に従って、例えば不活性溶媒、例えば塩化メチレン下で、-78℃〜室温、好ましくは-78℃での三臭化硼素との反応により達成される。
【0053】
一般式II、IIa及びIII :
【化5】

【0054】
[式中、A, B, D, E, Q, W, X, Y, Z,R2及びR3は、一般式Iに示される意味を有し、そしてMはハロゲンを表し、FGは脱離基、例えばハロゲン、O−トリフレート、O−メシレート、O−トシレート、又はスルホンを表し、そしてRyはC1-C6−アルキル又は水素を表す]で表される化合物は、本発明の一般式Iの化合物の生成のための価値ある中間体生成物を表し、そして従って、また本発明の目的でもある。
本発明の化合物の生成:
次の例は、本発明の化合物の生成を説明するものであって、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0055】
例1.0:2−{[2−(2−ジメチルアミノ−エチルアミノ)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドの生成
【化6】

【0056】
90mg(0.2mモル)の2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを、3mlのピリジンに溶解し、そして1mlのN, N−ジメチル−アミノエチルアミンと共に混合し、そして圧力容器において5時間、200℃の浴温まで加熱する。冷却の後、それを蒸発により濃縮し、そして90mgの2−{[2−(2−ジメチルアミノ−エチルアミノ)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを得る。
融点:100℃。
次の化合物をまた、同様にして生成する:
【0057】
【化7】

【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
例2.0:2−[(2−アミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドの生成
【化8】

【0061】
8.747g(19.4mモル)の2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを、150mlのエタンジオール中、175mgの酸化銅(I)と共に、オートクレープにおいて10バールのアンモニア圧力下で23時間、80℃まで加熱する。溶媒を真空下で蒸留した後、残渣を、溶離剤として酢酸エチル:エタノール(100:0〜0:100)のグラジエントを用いて、シリカゲル上で精製する。4.15g(理論値の51%)の2−[(2−アミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミド(融点:64℃)を得る。
同様にして、下記化合物を生成する:
【0062】
例2.1:2−[(2−アミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−イソキノリン−3−イル−ベンズアミド
【化9】

融点:202℃
【0063】
例2.2:2−[(2−アミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド
【化10】

MS:m/e 358
融点:200℃
【0064】
例2.3:2−[(2−アミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−メチル−2H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド
【化11】

MW:372.43
【0065】
例3.0:2−{[2−(3−ベンジル−ウレイド)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドの生成
【化12】

【0066】
100mg(0.26mモル)の2−[(2−アミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを、2.5mlの塩化メチレンにおいて、37.9mg(0.29mモル)のベンジルイソシアネートを共に混合し、そしてそれを室温で一晩、攪拌する。蒸発による濃縮の後、残渣をクロマトグラフィー処理する。66mg(理論値の49%)の2−{[2−(3−ベンジル−ウレイド)−ピリジン−イルメチル]−アミノ}−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミド(融点:153℃)を得る。
【0067】
同様にして、次の化合物をまた生成する:
【化13】

【0068】
【表3】

【0069】
【表4】

【0070】
【表5】

【0071】
例3.15及び3.29を、トリメチルイソシアネートを用いて、例3.0に類似して生成する。
例3.30:2−{[2−(3,3−ジメチル−ウレイド)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−イソキノリニル)−ベンズアミドの生成
【化14】

【0072】
100mg(0.23mモル)の2−[(2−ブロモピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−イソキノリニル)−ベンズアミドを、2mlのジオキサンにおいて89mg(0.28mモル)の炭酸セシウム、61mg(0.69mモル)のN, N−ジメチルウレア、4,7mg(0.0046mモル)のジパラジウム−トリベンジリデンアセトン及び7.9mg(0.014mモル)のXanthphosと共に、保護ガス下で及び湿気のない環境下で、9時間、100℃の浴温に加熱する。次に、それを20mlの塩化メチレンと共に混合し、吸引除去し、そして蒸発により濃縮する。残渣を、溶解剤として酢酸エチルを用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。24mg(理論値の24%)の2−{[2−(3,3−ジメチル−ウレイド)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−イソキノリニル)−ベンズアミドを得る。
(MS(CL):441 (M++H))。
同様にして、次の化合物をまた生成する:
【0073】
【化15】

【0074】
【表6】

【0075】
【表7】

【0076】
【表8】

【0077】
【表9】

【0078】
例4.0:2−[(2−メタンスルホニルアミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドの生成
【化16】

【0079】
90mg(0.2mモル)の2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミド及び23mg(0.24mモル)のメタンスルホン酸アミドを、5mlのジオキサン中に導入し、そして4mg(0.02mモル)のヨウ化銅(I)、85mg(0.4mモル)のリン酸カリウム及び2mg(0.02mモル)のエチレンジアミンと共に連続的に混合する。120℃の浴温での1時間の攪拌の後、それを20mlの水により希釈し、そして蒸発により濃縮する。次に、それをアンモニアによりアルカリ性にし、そして25mlの酢酸エチルと共に3度、振盪する。集められた有機相を水により洗浄し、濾過し、そして蒸発により濃縮する。残渣を、酢酸エチル及び少量のヘキサンにより結晶化し、攪拌し、吸引する。24mg(理論値の26%)の2−[(2−メタンスルホニルアミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミド(214.5℃の融点)を得る。
同様にして、下記化合物を生成する:
【0080】
【化17】

【0081】
【表10】

【0082】
【表11】

【0083】
例5.0:2−[(2−ビスメタンスルホニルアミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドの生成
【化18】

【0084】
193mg(0.5mモル)の[(2−アミノ−ピリジン−イルメチル)−アミノ]−N(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを、3mlのジクロロメタンにおいて、69mg(0.6mモル)のメタンスルホン酸塩化物及び61mg(0.6mモル)のトリエチルアミンと共に混合し、そして室温で1.5時間、一緒に攪拌する。次に、それを希炭酸水素ナトリウム溶液により1度、洗浄し、乾燥し、濾過し、そして蒸発により濃縮する。残渣を、溶離剤としてシクロヘキサン:酢酸エチル(100:0〜50:50)のグラジエントを用いて、フラッシュクロマトグラフィー(5gのIsolute)によりクロマトグラフィー処理する。80mg(理論値の30%)の2−[(2−ビスメタンスルホニルアミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを樹脂として得る。
(MS:m/e 542)。
【0085】
例6.0:2−[(2−ブチリルアミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−イソキノリニル)−ベンズアミドの生成
【化19】

【0086】
100mg(0.23mモル)の2−[(2−ブロモピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−イソキノリニル)−ベンズアミドを、1mlのジオキサンにおいて、89mg(0.28mモル)の炭酸セシウム、24mg(0.69mモル)のブチルアミド、4.7mg(0.0046mモル)のジパラジウム−トリベンジリデンアセトン及び7.9mg(0.014mモル)のXanthphosと共に、カバーガス下で及び湿気を有さない環境下で25時間、90℃の浴温に加熱する。次に、それを、20mlの塩化メチレンと共に混合し、吸引し、そして蒸発により濃縮し、残渣を、溶離剤として、まずヘキサン、次にヘキサン:酢酸エチル(8:2)及び次にヘキサン:酢酸エチル(1:1)を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、45mg(理論値の42%)の2−[(2−ブチリルアミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−イソキノリニル)−ベンズアミド(融点:173℃)を得る。
同様にして、下記化合物を生成する:
【0087】
【化20】

【0088】
【表12】

【0089】
【表13】

【0090】
【表14】

同様にして、下記化合物を生成する:
【0091】
例6.32:2−{[2−(アセチル−メチル−アミノ)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−イソキノリン−3−イル−ベンズアミド
【化21】

融点:71℃。
【0092】
例7.0:2−{[2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドの生成
【化22】

【0093】
156mg(0.5mモル)の2−{[2−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−安息香酸を、5mlのジメチルホルムアミドにおいて、0.12ml(1mモル)の3−アミノベンゾトリフルオリド、228mg(0.6mlモル)のHATU(N−ジメチルアミノ−1H−1,2,3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン−N−メチルメタンアンモニウムヘキサフルオロホスフェート−N−オキシド)及び0.14mlのN−メチルモルホリンと共に混合し、そしてそれを室温で一晩、攪拌する。
【0094】
それを酢酸エチルにより希釈し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び飽和食塩溶液により連続的に洗浄する。有機相を乾燥し、濾過し、そして蒸発により濃縮する。残渣を、移動溶媒としてのIsolute上でクロマトグラフィー処理する。95mg(理論値の42%)の2−{[2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを得る。
(MS:m/e 454)。
同様にして、下記化合物を生成する:
【0095】
【化23】

R2, R3, Y及びZ=G
【0096】
【表15】

【0097】
例8.0
例6.0に類似して下記化合物を生成する:
2−{[2−(2−ヒドロキシメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−イソキノリン−3−イル−ベンゾアミド
【化24】

【0098】
同様にして、下記化合物を生成する:
【化25】

【0099】
【表16】

【0100】
【表17】

【0101】
例9.0:2−{[2−(2.5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドの生成
【化26】

【0102】
193mg(0.5mモル)の2−[(2−アミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを、20mlのクロロメタンにおいて、0.21ml(1.5mモル)のトリエチルアミンと共に混合し、そしてそれを室温で、3mlの塩化メチレン中、93mg(0.6mモル)の琥珀酸ジクロリドの溶液と共に室温で少しづつ混合する。室温での一晩の攪拌の後、それを塩化メチレンにより希釈し、そして水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び飽和食塩溶液により連続的に洗浄する。
【0103】
次に、有機相を乾燥し、濾過し、そして蒸発により濃縮する。残渣を、塩化メチレン:エタノール(100:0〜95:5)のグラジエントを用いて、Isolute(Separtis Company)上でクロマトグラフィー処理する。120mg(理論値の51%)の2−{[2−(2.5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを得る。
(MS:m/e 468)。
同様にして、次の化合物を生成する:
【0104】
例9.1:2−{[2−(3,5−ジオキソ−モルホリン−4−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミド
【化27】

融点:201.9℃。
【0105】
例10.0:2−[(2−(3−クロロプロパンスルホニルアミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドの生成
【化28】

【0106】
135mg(0.35mモル)の2−[(2−アミノ−ピリジン−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを、10mlのジクロロメタンにおいて、62mg(0.35mモル)の3−クロロプロパンスルホン酸塩化物及び49μl(0.35mモル)のトリエチルアミンと共に混合し、そしてそれを室温で2時間、攪拌する。次に、それを飽和炭酸水素ナトリウム溶液により1度、洗浄し、濾過し、そして蒸発により濃縮する。残渣を、溶離剤としてジクロロメタン:エタノール(100:0〜90:10)のグラジエントを用いて、フラッシュクロマトグラフィー(5gのIsolute)によりクロマトグラフィー処理する。67mg(理論値の36%)の2−[(2−(3−クロロプロパンスルホニルアミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを得る。
(MS(Cl):491(100%、M++H-HCl)。
【0107】
例11.0:2−{[2−(1,1−ジオキソ−1λ6−イソチアゾリジン−2−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドの生成
【化29】

58mg(0.11mモル)の2−[(2−(3−クロロプロパンスルホニルアミノ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを、5mlのエタノールに懸濁し、そして5mgの水素化ナトリウム(鉱油中、55%)と共に混合する。その混合物を1時間、環流し、10mlの水と共に混合し、そして酢酸エチルにより抽出する。水性相を、硫酸ナトリウムにより飽和化し、そして酢酸エチルにより一晩、攪拌することにより、反復して抽出する。組合された抽出物を蒸発により濃縮した後、50mg(理論値の93%)の2−{[2−(1,1−ジオキソ−1λ6−イソチアゾリジン−2−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミドを得る。
(MS(Cl):491 (100%, M-+H))。
【0108】
例12.0:N−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−インダゾール−5−イル]−2−{[2−(3−メチル−ウレイド)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}―ベンズアミド
【化30】

【0109】
50mg(0.11mモル)のN−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−インダゾール−5−イル]−2−{[2−(3−メチル−ウレイド)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−ベンズアミドを、5mlの塩化メチレン中に導入し、そしてアルゴン下で、及び湿気を有さない環境下で、-78℃で、0.56mlの三臭化硼素(塩化メチレン中、1M)と共に少しづつ混合する。それを、さらに15分間、攪拌し、冷浴を除去し、そして次に、それをさらに2時間、攪拌する。
【0110】
次に、水と共に混合し、塩化メチレンを流し出し、炭酸水素ナトリウム溶液によりアルカリ性にし、そしてそれぞれ15mlの酢酸エチルにより2度、抽出する。集められた有機相を乾燥し、濾過し、そして蒸発により濃縮する。残渣を、溶離剤として塩化メチレン:エタノール(100:0〜90:10)のグラジエントを用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、そして27mgのN−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−インダゾール−5−イル]−2−{[2−(3−メチル−ウレイド)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}―ベンズアミドを得る。
同様にして、その対応するメトキシ化合物から、下記化合物を生成する。
【0111】
【化31】

【0112】
【表18】

【0113】
中間体化合物の生成:
例A
中間体化合物の生成が記載されていない場合、それらの化合物は知られているか、又は既知の化合物又は本明細書に記載されている方法に類似して生成され得る。
段階1:
【0114】
a)下記式:
【化32】

で表される2−ブロモピリジン−5−カルバルデヒドの生成は、F.J. Romero-Salguerraなど., THL 40,859 (1999) に従って行われる。
【0115】
b)下記式:
【化33】

で表される2−ブロモ−イソニコチン酸の生成:
【0116】
160g(0.93モル)の2−ブロモ−4−メチル−ピリジンを、4Lの水中、152g(0.96モル)の過マンガン酸カリウムに滴下する。次に、それを、環流下で1時間、攪拌し、その後、152g(0.96モル)の過マンガン酸カリウムを一度に添加する。環流下でのさらなる2時間の攪拌の後、それをセライト上に、熱い状態で吸引し、そして水により洗浄する。水性相をジクロロメタンと共に3度、振盪する。水性相を、蒸発により、その元の体積の半分に濃縮し、そしてpHを、濃塩酸により2に設定する。沈殿された固形物を吸引し、そして真空下で70℃で乾燥する。56.5gの白色固体生成物が蓄積する。
【0117】
下記式:
【化34】

で表される2−ブロモ−4−ヒドロキシメチル−ピリジンの生成:
【0118】
30.2ml(295mモル)のトリエチルアミンを、1.2LのTHF中、56.5g(280mモル)の2−ブロモ−イソニコチン酸に添加する。次に、それを−10℃に冷却し、そして38.2ml(295mモル)のイソブチルクロロホルメートと共に少しづつ混合する。攪拌を−10℃で1時間、続けた後、それを−70℃に冷却し、そして590ml(590mモル)のLiAlH4溶液(THF中、1M)と共に少しづつ混合する。攪拌を−70℃で1時間、続けた後、それを−40℃に達しめる。50%酢酸600mlを添加する。それを室温で一晩、攪拌する。不溶性成分を吸引し、そして濾液を蒸発により濃縮する。残渣を、ヘキサン及びヘキサン/酢酸エチル(1:1)を用いて、シリカゲル上で精製する。28.0gの固化する白色油状物が蓄積する。
【0119】
下記式:
【化35】

で表される2−ブロモ−4−ホルミル−ピリジンの生成:
【0120】
149g(1714mモル)の二酸化マンガンを、6時間以内に、500mlのジクロロメタン中、28.0g(148.9mモル)の2−ブロモ−4−ヒドロキシメチル−ピリジンに測定された量で添加する。次に、攪拌を室温で48時間、続ける。それを、セライト上に吸引し、そして蒸発により濃縮する。16.4gの固化する白色油状物が蓄積する。
2−ブロモ−4−ホルミル−ピリジンをまた、THL 42,6815 (2001)に従って、2−ブロモ−4−ピコリンから2段階で生成することができる。
【0121】
段階2:
下記式:
【化36】

で表される2−[(6−ブロモ−ピリジン−3−イルメチル)−アミノ]−N−イソキノリン−3−イル−ベンズアミドの生成:
【0122】
3.46g(13.17mモル)の2−アミノ−N−イソキノリン−3−イル−ベンズアミドを、50mlのメタノール中に導入し、1.5mlの氷酢酸及び2.45g(13.17mモル)の2−ブロモピリジン−5−カルバルデヒドと共に混合し、そしてアルゴン下で及び湿気を有さない環境下で、室温で24時間、攪拌する。次に、それを828mg(13.17mモル)のシアノ硼水素化ナトリウムと共に混合し、そして室温でさらに24時間、攪拌する。真空下での蒸発による濃縮の後、残渣を希炭酸水素ナトリウム溶液に取り、そして吸引する。得られる残渣を、少しの酢酸エチルにおいて吸収沈殿せしめ、そして反復して吸引する。この場合に得られる残渣を、溶離剤としてヘキサン:酢酸エチル(1:1)を用いて、シリカゲル上でのクロマトグラフィー処理する。3.27g(理論値57%)の2−[(6−ブロモ−ピリジン−3−イルメチル)−アミノ]−N−イソキノリン−3−イル−ベンズアミドを得る。
同様にして、下記化合物を生成する:
【0123】
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−イソキノリン−3−イル−ベンズアミド:
【化37】

【0124】
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミド:
【化38】

【0125】
例B:
第1段階:
下記式:
【化39】

【0126】
で表される2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−安息香酸メチルエステルの生成:
600mlのメタノール中、6.04g(40mモル)のアントラニル酸メチルエステルを、3.2mlの酢酸及び7.4g(40mモル)の2−ブロモピリジン−4−カルバルデヒドと共に混合し、そして40℃で一晩、攪拌する。3.8g(60mモル)のシアノ硼水素化ナトリウムをそこに添加し、そして40℃で一晩、攪拌する。3.8g(60mモル)のシアノ硼水素化ナトリウムを再び添加し、そして40℃で週末の間、攪拌する。それを水と共に混合し、そして蒸発により濃縮する。水性相を酢酸エチルにより抽出し、そして組合された有機相を乾燥し、そして蒸発により濃縮する。粗生成物を、溶離剤としてヘキサン及びヘキサン/酢酸エチル(1:1)から成るグラジエントを用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。10.0g(理論値の78%)の2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−安息香酸メチルエステルを、無色の油状物として得る。
【0127】
例C:
第1段階:
下記式:
【化40】

で表される2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−安息香酸:
【0128】
10.0g(31.2mモル)の2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−安息香酸メチルエステルを、290mlのエタノールに溶解し、そして31.2mlの2M水酸化ナトリウム溶液と共に混合する。室温で一晩、攪拌した後、エタノールを流し、そして水性相を酢酸エチルと共に振盪する。水性相を、濃塩酸により酸性化する。形成される沈殿物を吸引し、そして乾燥する。5.93g(62%)の2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−安息香酸が、白色固形物の形で蓄積する。
【0129】
第2段階:
下記式:
【化41】

で表される2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−メチル−2H−インダゾール−6−イル)−ベンズイミドの生成:
【0130】
25mlのジメチルホルムアミド中、0.500g(1.6mモル)の2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−安息香酸、0.471g(3.2mモル)の2−メチル−2H−インダゾール−6−イルアミン、0.4ml(3.68mモル)のN−メチルモルホリン及び0.729g(1.92mモル)のO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)を、室温で16時間、攪拌する。ジメチルホルムアミドを、油ポンプ真空下で排水する。残留する残渣を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液に排水する。それを、酢酸エチルにより3度、抽出し、そして組合された有機相を乾燥し、濾過し、そして蒸発により濃縮する。残渣を、ヘキサン:アセトン(100:0〜50:50)から成るグラジエントを溶離剤として用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。0.669g(理論値の96%)の[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−メチル−2H−イミダゾール−6−イル)−ベンズイミドを、ベージュ色の発泡体の形で得る。
【0131】
同様にして、次の化合物をまた生成する:
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド:
【化42】

【0132】
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド:
【化43】

【0133】
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド:
【化44】

【0134】
例D:
下記式:
【化45】

で表される2−{[2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−安息香酸メチルエステルの生成:
【0135】
870mg(2.78mモル)の2−[(2−ブロモ−4−イルメチル)−アミノ]−安息香メチルエステル、53mg(0.28mモル)のヨウ化銅(I)、1.126g(5.5mモル)のリン酸カリウム及び0.26ml(3.6mモル)のピロリジン−2−オンを、15mlのジオキサン下での8時間、還流する。水を添加した後、ジオキサンを真空下で蒸留し、約12%のアンモニア溶液によりアルカリ性にし、そして酢酸エチルにより数度、振盪する。集められた酢酸エチル相を洗浄し、乾燥し、濾過し、そして蒸発により濃縮する。残渣として、700mg(理論値の77%)の2−{[2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−安息香酸メチルエステルを、粗生成物として得、これを、次の段階に、さらに精製しないで使用する。
【0136】
同様にして、下記化合物を生存する:
【化46】

【0137】
【表19】

【0138】
段階3:
下記式:
【化47】

で表される2−{[2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−安息香酸の生成:
【0139】
700mg(2.15mモル)の2−{[2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−安息香酸メチルエステルを、15mlのメタノールにおいて、2.7mlの1Nの水酸化ナトリウム溶液と共に混合し、そして1時間、還流する。メタノールを真空下で蒸留した後、それを水により希釈し、そして酢酸エチルと共に1度、振盪する。水性相を1Mクエン酸溶液5mlと共に混合し、そして一晩、攪拌する。固形物の沈殿物を吸引し、そして非常にすばやく乾燥する。600mgの2−{[2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−4−イルメチル]−アミノ}−安息香酸を得、これを、次の段階において粗生成物として使用する。
【0140】
同様にして、下記化合物を生成する:
【化48】

R2, R3, Y及びZ=G
【0141】
【表20】

【0142】
例E:
下記式:
【化49】

【0143】
で表される2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド及び2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミドの生成:
4.22g(10mモル)の2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミドを、30mlのジメチルホルムアミドにおいて、氷により冷却しながら、3.6g(11mモル)の炭酸セシウム及び0.68ml(11mモル)のヨウ化メチルと共に混合し、そしてそれを、室温で一晩、攪拌する。
【0144】
次に、それを250mlの氷冷却された水中に攪拌し、攪拌を15分間、続け、そしてそれを吸引する。フィルターケークを非常にすばやく乾燥し、そして溶離剤として酢酸エチル:ヘキサン(1:1〜100:0)のグラジエントを用いて、シリカゲル上でのクロマトグラフィー処理する。1.79g(理論値の41%)の2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド(融点:173.8℃)及び830mg(理論値の19%)の2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド(融点:183.8℃)を得る。
【0145】
同様にして、下記化合物を生成する:
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−イソプロピル−1H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−イソプロピル−2H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−エチル−1H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−エチル−2H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−[2−メトキシエチル]−1H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド;
【0146】
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−[2−メトキシエチル]−2H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−[シアノメチル]−1H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−[シアノメチル]−2H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−[2−ジメチルアミノエチル]−1H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−[2−ジメチルアミノエチル]−2H−インダゾール−5−イル)−ベンズアミド;
【0147】
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−メチル−2H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−イソプロピル−1H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−イソプロピル−2H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−エチル−1H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド;
【0148】
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−エチル−2H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−[2−メトキシエチル]−1H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−[2−メトキシエチル]−2H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−[シアノメチル]−1H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−[シアノメチル]−2H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド;
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(1−[2−ジメチルアミノエチル]−1H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド;及び
2−[(2−ブロモ−ピリジン−4−イルメチル)−アミノ]−N−(2−[2−ジメチルアミノエチル]−2H−インダゾール−6−イル)−ベンズアミド。
【0149】
下記サンプル適用は、本発明の化合物の生物学的作用及び使用を説明するが、それらは本発明を限定するものではない。
試験のために必要とされる溶液
原液:
原液A:水中、3mモルのATP、pH7.0(−70℃);
原液B:g−33P−ATP 1mCi/100μl:
原液C;ポリ−(Glu4Tyr)10mg/ml水:
希釈のための溶液:
基質溶媒:10mモルのDTT、10mモルの塩化マンガン、100mモルの塩化マグネシウム;
酵素溶液:120mモルのトリス/HCl、pH7.5、10μMの酸化ナトリウムバナジウム。
【0150】
サンプル適用1
本発明の化合物の存在下でのKDR−及びFLT−キナーゼ活性の阻害:
一点に先細になっているマイクロタイタープレート(タンパク質結合のない)において、10μlの基質混合物(10μlのATP原液A+25μCiのg−33P−ATP(約2.5μlの原液B)+30μlのポリ−(Glu4Tyr)原液C+1.21mlの基質溶媒)、10μlのインヒビター溶液(希釈に対応する物質、対照として基質溶媒中、3%のDMSO)、及び10μlの酵素原液(KDR又はFLT−1キナーゼ))を、1.25mlの酵素溶液(稀)に4℃で添加する。それを十分に混合し、そして室温で10分間インキュベートする。次に、10μlの停止溶液(250mモルのEDTA, pH7.0)を添加し、混合し、そして10μlのその溶液を、P81ホスホセルロースフィルターに移す。次に、それを0.1Mのリン酸により数回、洗浄する。フィルター紙を乾燥し、Meltilexにより被覆し、そしてマイクロベーターカウンターにより測定する。
【0151】
IC50値を、ブランク読み取り(EDTAにより停止された反応)の除去の後、リン酸組込みを阻害されていない組込みの50%まで阻害するのに必要であるインヒビター濃度から決定する。
μMでのキナーゼ阻害IC50の結果が下記表に示されている。
【0152】
サンプル適用2
チトクロームP450阻害:
チトクロームP450阻害を、バキュロウィルス/昆虫細胞−発現されたヒトチトクロームP450イソ酵素(3A4)を用いて、Crespiなど. (Anal. Biochem., 248, 188-190 (1997))に従って行った。結果は、次の表に示される。
【0153】
【表21】

【0154】
既知化合物に比較して、本発明の化合物の卓越した作用が前記結果から明白に見出され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式I:
【化1】

[式中、Xは、CH又はNを表し;
Wは、水素又は弗素を表し;
A, B, D, E及びQは、個々の場合、お互い独立して、窒素又は炭素原子を表し、ここで、最大2つの窒素原子のみが環に存在することができ;
R1は、アリール又はヘテロアリールを表し、これらはハロゲン、ヒドロキシ、C1-C12−アルキル、C3-C6−シクロアルキル、C3-C6−アルケニル、C2-C6−アルキニル、アラルキルオキシ、C1-C12−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、シアノ−C1-C6−アルキル、又は基=O、-SO2R6もしくは-OR5により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換されていてもよく、ここで前記C1-C6−アルキルは任意には、基−OR5又は−NR9R10により置換されていてもよく;
Y及びZは、個々の場合、お互い独立して、結合、又は基=CO、=CSもしくは=SO2を表し;
R2及びR3は、お互い独立して、水素、又は基-CONR9R10, -SO2R6, -COR11, -COC1-C6−アルキル、-CO-C1-C6−アルキル-R11, -NR9R10、又はC1-C6−アルキル、C3-C10−シクロアルキル、C3-C6−シクロアルケニル、アリール又はヘテロアリール(ハロゲン、シアノ、C1-C12−アルキル、C1-C12−アルコキシ、ヒドロキシ-C1-C6−アルキル、ハロ−C1-C6−アルキル、又は基-NR7R8, -OR5, -C1-C6−アルキル-OR5, -SR4, -SOR4もしくは-SO2R6により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換される)を表し;あるいは
R2, R3, Y及びZは、窒素原子と共に、3〜8員の飽和又は不飽和環(任意には、環に追加のヘテロ原子を含むことができ、そして任意には、ハロゲン、シアノ、C1-C12−アルキル、C1-C12−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ-C1-C6−アルキル、又は基=O, -OR5, -SR4, -SOR4もしくは-SO2R6により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換される)を形成し;
R4は、C1-C12−アルキル、アリール又はヘテロアリールを表し;
R5は、水素、C1-C12−アルキル、C3-C10−シクロアルキル、C1-C12−アルコキシ、ハロ-C1-C12−アルキル、又はハロ-C3-C6−シクロアルキルを表し;
R6は、水素、C1-C12−アルキル、ハロ-C1-C6−アルキル、アリールもしくはヘテロアリール、又は基-N9R10を表し、ここで前記アリール又はヘテロアリール自体は任意には、C1-C12−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ハロゲン又はハロ−C1-C6−アルコキシにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよく;
R7及びR8は、お互い独立して、水素又はC1-C12−アルキルを表し;そして
R9及びR10は、お互い独立して、水素、C1-C6−アルキル、C2-C6−アルケニル、アリール、C3-C8−シクロアルキルもしくは基-CONR7R8、又はC1-C12−アルキル(任意には、アリール、モルホリノ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C12−アルコキシ又は基-NR7R8により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換される)を表し、ここで前記アリール自体は、任意にはC1-C6−アルコキシ又はハロ−C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の任意で置換されていてもよく;あるいは
R9及びR10は、一緒になって、追加のヘテロ原子を含むことができる5〜8員の環を形成し;そして
R11は、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ヒドロキシ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ−C1-C6−アルコキシ、C3-C6−シクロアルキル、フェニル、ピリジル、ビフェニル又はナフチルを表し、ここで前記フェニル自体は、C1-C6−アルキル又はハロ-C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよい]
で表される化合物、並びにその異性体、ジアステレオマー、互変異体及び塩。
【請求項2】
Xが、CHを表し、
Wが、水素を表し、
A, B, D, E及びQが、環として、一緒になってピリジルを表し、
R1は、アリール又はヘテロアリールを表し、これらは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6−アルキル、C3-C6−シクロアルキル、C4-C6−アルケニル、C2-C6−アルキニル、アラルキルオキシ、C1-C6−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、シアノ−C1-C6−アルキル、又は基=O、-SO2R6もしくは-OR5により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換されていてもよく、ここで前記C1-C6−アルキルは任意には、基−OR5又は−NR9R10により置換されていてもよく、
Y及びZは、個々の場合、お互い独立して、結合を表し、
R2及びR3は、お互い独立して、水素、又は基-CONR9R10, -SO2R6, -COR11, -COC1-C6−アルキル、-CO-C1-C6−アルキル-R11, -NR9R10、又はC1-C6−アルキル、C3-C6−シクロアルキル、C3-C6−シクロアルケニル、アリール又はヘテロアリール(ハロゲン、シアノ、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ヒドロキシ-C1-C6−アルキル、ハロ−C1-C6−アルキル、又は基-NR7R8, -OR5, -C1-C6−アルキル-OR5, -SR4, -SOR4もしくは-SO2R6により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換される)を表し、あるいは
R2, R3, Y及びZは、窒素原子と共に、3〜8員の飽和又は不飽和環(任意には、環に追加のヘテロ原子を含むことができ、そして任意には、ハロゲン、シアノ、C1-C12−アルキル、C1-C12−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ-C1-C6−アルキル、又は基=O, -OR5, -SR4, -SOR4もしくは-SO2R6により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換されていてもよい)を形成し、
R4は、C1-C6−アルキル、アリール又はヘテロアリールを表し、
R5は、水素、C1-C6−アルキル、ハロ-C1-C6−アルキル、C1-C12−アルコキシ、C3-C10−シクロアルキル、又はハロ-C3-C6−シクロアルキルを表し、
R6は、水素、C1-C6−アルキル、ハロ-C1-C6−アルキル、アリール又はヘテロアリール、又は基-N9R10を表し、ここで前記アリール又はヘテロアリール自体は任意には、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ハロゲン又はハロ−C1-C6−アルコキシにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよく、
R7及びR8は、お互い独立して、水素又はC1-C6−アルキルを表し、
R9及びR10は、お互い独立して、水素、C1-C6−アルキル、C2-C6−アルケニル、アリール、C3-C8−シクロアルキル、又は基-CONR7R8、又はC1-C6−アルキル(任意には、アリール、モルホリノ、ヒドロキシ、ハロゲンもしくはC1-C12−アルコキシ又は基-NR7R8により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよい)を表し、ここで前記アリール自体は、任意にはC1-C6−アルコキシ又はハロ−C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の任意で置換されていてもよく、そして
R11は、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ヒドロキシ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ−C1-C6−アルコキシ、C3-C6−シクロアルキル、フェニル、ピリジル、ビフェニル又はナフチルを表し、ここで前記フェニル自体は、C1-C6−アルキル又はハロ-C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換され得る請求項1記載の化合物、並びにその異性体、ジアステレオマー、互変異性体、及び塩。
【請求項3】
Xが、CHを表し、
Wが、水素を表し、
A, B, D, E及びQが、環として、一緒になってピリジルを表し、
R1は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル又はインダゾリルを表し、これらは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C6−アルキル、C2-C6−アルキニル、C1-C6−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、又はシアノ−C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換されていてもよく、ここで前記C1-C6−アルキルは任意には、基−OR5又は−NR9R10により置換されていてもよく、
Y及びZは、個々の場合、お互い独立して、結合、又は基=COを表し、
R2及びR3は、お互い独立して、水素、又は基-CONR9R10, -SO2R6, -COR11, -COC1-C6−アルキル、-CO-C1-C6−アルキル-R11, -NR9R10、又はC1-C6−アルキル又はフェニル(基-NR7R8, 又は-OR5により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換されていてもよい)を表し、あるいは
R2, R3, Y及びZは、窒素原子と共に、3〜8員の飽和又は不飽和環(任意には、環に追加のヘテロ原子を含むことができ、そして任意には、ハロゲン、シアノ、C1-C12−アルキル、C1-C12−アルコキシ、ハロ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ-C1-C6−アルキル、又は基=O, -OR5, -SR4, -SOR4もしくは-SO2R6により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で任意に置換されていてもよい)を形成し、
R5は、水素又はC1-C6−アルキルを表し、
R6は、水素、C1-C6−アルキル、ハロ-C1-C6−アルキル、フェニル、ベンジル、チオフェニル、又はピリジルを表し、ここで前記フェニル、ベンジル、チオフェニル、及びピリジル自体は任意には、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ハロゲン又はハロ−C1-C6−アルコキシにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよく、
R7及びR8は、お互い独立して、水素又はC1-C6−アルキルを表し、
R9及びR10は、お互い独立して、水素、C1-C6−アルキル、C2-C6−アルケニル、フェニル、ビフェニル、C3-C8−シクロアルキル、ナフチル、又は基-CONR7R8、又はC1-C6−アルキル(任意には、フェニル、モルホリノ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C12−アルコキシ又は基-NR7R8により、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換されていてもよい)を表し、ここで前記フェニル自体は、任意にはC1-C6−アルコキシ又はハロ−C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の任意で置換されていてもよく、そして
R11は、C1-C6−アルキル、C1-C6−アルコキシ、ヒドロキシ−C1-C6−アルキル、ヒドロキシ−C1-C6−アルコキシ、C3-C6−シクロアルキル、フェニル、ピリジル、ビフェニル又はナフチルを表し、ここで前記フェニル自体は、C1-C6−アルキル又はハロ-C1-C6−アルキルにより、同じ様に又は異なって、1又は複数の位置で置換され得る請求項1又は2記載の化合物、並びにその異性体、ジアステレオマー、互変異性体、及び塩。
【請求項4】
少なくとも1つの一般式Iの化合物を含んで成る医薬剤。
【請求項5】
腫瘍又は転移性増殖、乾癬、カポジ肉腫、再狭窄、例えばステント誘発性再狭窄、子宮内膜症、クローン病、ホジキン病、白血病;関節炎、例えばリウマチ様関節炎、血管腫、血管線維腫;眼疾患、例えば糖尿病性網膜症、血管新生緑内障;腎疾患、例えば糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化、血栓性微小血管症候群、移植片拒絶及び糸球体症;線維症性疾患、例えば肝硬変、糸球体間質性細胞増殖疾患、動脈硬化、神経組織の外傷の場合、バルーンカテーテルの処置、血管補綴、又は血管開放を維持するための機械装置、例えばステントの使用後の血管の再閉塞の阻害、免疫抑制剤として、及び老年性角化症及び接触性皮膚炎における瘢痕のない治療の維持への使用のためへの請求項4記載の医薬剤。
【請求項6】
リンパ管発生のVEGFR(血管内皮成長因子受容体)キナーゼ3−インヒビターとしての使用のための請求項5の医薬剤。
【請求項7】
適切な配合物及びビークルと共に請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物を含んで成る請求項4〜6のいずれか1項記載の医薬剤。
【請求項8】
チロシンキナーゼKDR及びFLTのインヒビターとしての請求項1〜3のいずれか1項記載の式Iの化合物の使用。
【請求項9】
腸内、非経口及び経口投与のための医薬製剤の形での請求項1〜3のいずれかの1項目記載の一般式Iの化合物の使用。
【請求項10】
腫瘍又は転移性増殖、乾癬、カポジ肉腫、再狭窄、例えばステント誘発性再狭窄、子宮内膜症、クローン病、ホジキン病、白血病;関節炎、例えばリウマチ様関節炎、血管腫、血管線維腫;眼疾患、例えば糖尿病性網膜症、血管新生緑内障;腎疾患、例えば糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化、血栓性微小血管症候群、移植片拒絶及び糸球体症;線維症性疾患、例えば肝硬変、糸球体間質性細胞増殖疾患、動脈硬化、神経組織の外傷の場合、バルーンカテーテルの処置、血管補綴、又は血管開放を維持するための機械装置、例えばステントの使用後の血管の再閉塞の阻害、免疫抑制剤として、及び老年性角化症及び接触性皮膚炎における瘢痕のない治療の維持のためへの請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項11】
下記一般式II、IIa及びIII :
【化2】

[式中、A, B, D, E, Q, W, X, Y, Z,R2及びR3は、一般式Iに示される意味を有し、そしてMはハロゲンを表し、FGは脱離基、例えばハロゲン、O−トリフレート、O−メシレート、O−トシレート、又はスルホンを表し、そしてRyはC1-C6−アルキル又は水素を表す]
で表される、本発明の一般式Iの化合物の生成のための中間生成物として化合物。

【公開番号】特開2011−26344(P2011−26344A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−233026(P2010−233026)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【分割の表示】特願2004−525272(P2004−525272)の分割
【原出願日】平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】