説明

low−kスピンオン誘電体膜におけるクラッキングの減少

本発明は、low−k誘電体高分子のクラッキングを最小限に抑制するプロセスに関する。実施の一形態では、プラズマ蒸着された酸化シリコンSiOで不動態化された金属層(220)上に配置される複合誘電体(230,240,250,260)を半導体基板(200)上に形成する方法がある。その方法は、プラズマ蒸着された酸化シリコンSiO(220)で保護された金属層(210)上にスピンオン誘電体からなる第1の所定の厚さの第1の層を堆積させるステップ(310,320)を含む。次に、第2の所定の厚さの薄い応力緩和層(240)が、スピンオン誘電体からなる第1の層(230)上に堆積される(330)。薄い応力緩和層(230)上には、スピンオン誘電体からなる第3の所定の厚さの第2の層(250)が堆積される(340,350)。low−kスピンオン誘電体は、水素メチルシルセスキオキサン(HSQ)及びメチルシルセスキオキサン(MSQ)を含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体プロセスに関する。特に、この発明は、low−k誘電体高分子のクラッキングを最小限に抑制するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス産業は、よりコンパクトな領域内で高機能デバイスを実現するため、半導体技術の進歩に依存し続けている。多くの用途において、高機能デバイスを実現するには、多数の電子デバイスを一つのシリコンウェーハ中に組み込むことが必要である。シリコンウェーハの所定の領域ごとの電子デバイス数が増大するにつれて、製造プロセスはより困難になる。
【0003】
多数の分野において様々な用途を有する多くの様々な半導体デバイスが製造されてきている。そのようなシリコンベースの半導体デバイスは、多くの場合、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、例えばpチャネルMOS(PMOS)トランジスタ、nチャネルMOS(NMOS)トランジスタ、相補型MOS(CMOS)トランジスタ、バイポーラトランジスタ、BiCMOSトランジスタを含んでいる。そのようなMOSFETデバイスは、導電ゲートとシリコンのような基板との間に絶縁層を含んでおり、従って、これらのデバイスは、通常、IGFET(絶縁ゲートFET)と称されている。
【0004】
これらの各半導体デバイスは、概して、多くの能動デバイスがその上に形成される半導体基板を含んでいる。所定の能動デバイスの特定の構造は、デバイスタイプ間で異なり得る。例えば、MOSトランジスタにおいて、能動デバイスは、通常、ソース領域及びドレイン領域と、ソース領域とドレイン領域との間の電流を変調するゲート電極とを含んでいる。
【0005】
また、そのようなデバイスは、例えばCMOS、BiCMOS、Bipolar等の多くのウェーハ製造プロセスにおいて形成されるデジタル又はアナログデバイスであり得る。基板は、シリコン、ガリウムヒ素(GaAs)、又は、超小型電子回路をその上に形成するのに適した他の基板であってもよい。
【0006】
デバイスがサブミクロンレベルまで縮小されるにつれて、寸法が数ミクロンのデバイスでは無視することができたキャパシタンス等の電気的特性が重要になってきた。例えば、0.2μm未満プロセスでは、誘電率が低い(即ち、「low−k」)材料への新たな興味が持たれるようになってきている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
サブミクロンデバイス処理における目標は、ゲート−ソース及びゲート−ドレインキャパシタンスを最小限に抑制しつつゲートキャパシタンスのレベルを維持することである。酸化物が更に薄くなるにつれて、キャパシタンスは以下のような関係で示されるように増大する。
【0008】
ゲート−ドレインキャパシタンスは、トランジスタ性能において特に重大である。これは、ミラー効果に起因してスイッチング中にゲート−ドレインキャパシタンスが増幅されるからである。例えば、一連のロジックステージにおいて、前のロジックステージに対する等価な容量性負荷は、ゲート−ソースキャパシタンスに(1+トランジスタの利得)という係数を掛け合わせたものである。トランジスタが100という利得を有する場合、観測される入力キャパシタンスは、ゲート−ドレインキャパシタンスの101倍である。それ故に、そのキャパシタンスを増大させる傾向があるパラメータを変更しないことが望ましい。従って、誘電率が低い誘電体を使用すると、キャパシタンスが低下する。寄生容量を最小限に抑制することができる場合には、集積回路構造の全体に亘ってlow−k材料を使用することが有益である。
【0009】
半導体産業においては、誘電率が低い絶縁材料の向上への要求が増加してきている。1/4ミクロン以下のデバイス(サブクォーターミクロンデバイス)におけるlow−k材料のための要件は、メチルシルセスキオキサン(MSQ)及び水素メチルシルセスキオキサン(HSQ)等のスピンオン(spin−on)誘電体への興味を新たにしてきている。HSQは2.8−2.9の誘電率を有している。HSQの実験式は(HSiO3/2である。HSQは、多層半導体デバイスを形成するための層間誘電体として使用され得る。low−k材料は、通常、密度が酸化シリコン又は窒化シリコンよりも比較的低い。これらのlow−k材料の一部は設計により多孔質にされる。これらの材料の多孔率は、それらの機械的強度を低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
金属線上にスピンコーティングされた高分子材料の機械的強度を向上させる必要性が存在する。多層半導体デバイスの製造においては、化学的汚染物質を排除するために各プロセスステップにおける構造体の完全性を確保することが必要である。誘電体を3層複合物として堆積させると、ヒドロシルセスキオキサンlow−k誘電体のクラッキングの可能性が減少する。シリコン含有誘電体からなる薄い丈夫な介在応力緩和層を伴うHSQ又は他の適当なlow−k絶縁体からなる二つの層は、応力クラッキングを防止するとともに、金属間誘電体の機械的強度を向上させ、それにより、デバイスの完全性を向上させる。
【0011】
本発明の実施の形態においては、プラズマ蒸着された酸化シリコン(SiO)で不動態化された金属層上に配置される複合誘電体を半導体基板上に形成する方法がある。その方法は、プラズマ蒸着された酸化シリコンにより保護された金属層上にスピンオン誘電体からなる第1の所定の厚さの第1の層を堆積させるステップを含んでいる。スピンオン誘電体上には、第2の所定の厚さの薄い応力緩和層が配置される。応力緩和層上には、スピンオン誘電体からなる第3の所定の厚さの第2の層が堆積される。この実施の形態の特徴は、堆積後にスピンオン誘電体からなる第1及び第2の層を硬化させることを含んでいる。
【0012】
他の実施の形態においては、ウェーハ基板上の半導体デバイスにおける金属線間に層間絶縁を形成する方法がある。その方法は、金属線上及び金属線間の空間にPECVDにより第1の酸化シリコン層を第1の所定の厚さで堆積させるステップを含んでいる。酸化シリコン層上には、第2の所定の厚さでlow−k誘電体高分子からなる第1の層がスピン形成される。窒素環境において、low−k誘電体高分子からなる第1の層が硬化させられる。low−k誘電体高分子からなる第1の層上には、PECVDにより第3の所定の厚さで第2の酸化シリコン層が堆積される。第2の酸化シリコン層上には、第4の所定の厚さでlow−k誘電体高分子からなる第2の層がスピン形成される。low−k誘電体高分子からなる第2の層は、窒素環境下で硬化させられる。low−k誘電体高分子からなる第2の層上には、第5の所定の厚さでPETEOSからなる層が堆積される。
【0013】
更なる他の実施の形態においては、酸化シリコンからなる層で不動態化された金属層を被覆する誘電構造体を有する半導体デバイスがある。誘電構造体は、第1の厚さの第1のlow−k誘電体層を備えている。第1のlow−k誘電体を被覆して、第2の厚さの応力緩和層が設けられる。第3の厚さのlow−k誘電体からなる第2の層が応力緩和層を被覆する。この実施の形態の特徴は、low−k誘電体からなる第2の層上に配置された絶縁層を含んでいる。
【0014】
本発明の上記概要は、本発明の開示された各実施の形態又は総ての態様を表そうとしたものではない。他の態様及び実施の形態は、図面及び以下の詳細な説明において与えられている。
【0015】
本発明は、添付図面に関連する本発明の様々な実施の形態の以下の詳細な説明を考慮すると、更に十分に理解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、low−k高分子スピンオン(spin−on)誘電体を使用することに伴う課題を解決するのに役立つことが判明している。
【0017】
CMOSデバイスを形成するためのプロセスの一例においては、low−k(低誘電率)誘電体シルセスキオキサン高分子(HSQ)の使用が求められている。HSQは、金属線上にプラズマ蒸着プロセスにより塗布されたHRI(高屈折率)酸化シリコンSiO(X<2)上に亘ってスピンコーティング(回転塗布)される。誘電体層は、その後の手続きの一例に従って窒素環境内において420℃でベーキング処理される。HSQがコーティングされたウェーハは、ホットプレート上で、窒素下において連続して、60秒間150℃で、60秒間250℃で、60秒間350℃で加熱される。最後に、HSQがコーティングされたウェーハは、窒素下で、加熱炉内において15乃至30分間4200Cでベーキング処理される。異なる希釈の(DOW CORNINGの)高分子FOx−25及びFOx−24は、7000オングストローム乃至2000オングストロームの厚さ範囲の膜を形成する。FOx−25及びFOx−24を用いた研究によれば、硬化時に、厚さが5000オングストロームを超える膜がクラック(亀裂)を生じ易いことが分かった。図1を参照されたい。従来のプロセスの一例において、構造体100は、プラズマ化学蒸着により堆積されるPETEOS(プラズマ助長テトラエトキシシラン)からなる絶縁体層110と、金属線120とを描いている。PETEOSの厚さは約0.4μmである。この厚さは、特定のプロセスに応じて、これよりも大きく又は小さくてもよい。PETEOS110と金属線120とからなる基板上に亘って、PETEOSとほぼ同じ厚さの又はそれよりも薄い(約0.2μm乃至約0.4μm)高屈折率(HRI)膜からなる第1の層130がブランケット堆積された。このHRI(高屈折率)膜130は、化学式SiO(X<2)により表されるものよりも高い割合でシリコン原子を含む酸化シリコンを有している。HRIシリコンは、Si−Si結合を有しており、水分のゲッタ(getter)であるとして技術的に良く知られている。
【0018】
高屈折率シリコンは、Si−Si結合の割合が高いシリコンである。Si−Si結合の割合が高いことにより、屈折率が高くなる。しかしながら、HRIシリコンは、酸窒化シリコン又は窒化シリコンよりも低い応力、低い誘電率、望ましい機械的特性を有することで知られている。同じ理由から、SiO又はSiO又は非ドープ酸化シリコンも窒化物より好ましい。本発明に関して、3層複合物では、低い誘電率及び優れた機械的特性を有していることが、より重要である。HRIシリコンは、PECVDとして知られたプラズマ化学蒸着プロセスにより、SiH、NO、Nの混合物から堆積される。HRI膜上には、約0.4乃至1.0μmのスピンオングラス(SOG)層140がスピン塗布(回転塗布)されるとともに前述したように4200Cまでベーキング処理される。特定のプロセスにおいて、このSOG層はFOx−25又はFOx−24であってもよい。SOG層140上には約0.4μmの第2のPETEOS層150が堆積される。次の層(レベル)を形成するため、PETEOSの反応性イオンエッチングにより接点が形成される。ブランケットメタルが堆積される。パターンが描かれて、HRI堆積が繰り返され、その後、第2の層(レベル)を形成するためにlow−kSOGがスピン塗布される。しかしながら、0.5μmよりも大きい厚さを有するSOG膜は、クラック160の例で示されるように、クラックが生じ易い。多層(マルチレベル)半導体デバイスを形成するためには、各プロセスステップでの構造体の完全性が、化学的な汚染物質を防止するように確保されなければならない。
【0019】
MSQ及びHSQlow−k誘電体に関連するクラッキングは、優れた機械的特性を有するプラズマ蒸着されたシリコン含有層である薄い介在応力緩和層を伴うlow−k絶縁体からなる二つの異なる層を含む3層複合物としてlow−k金属間誘電体SOGを堆積することにより軽減できることが分かっている。
【0020】
図2を参照されたい。本発明の実施の形態では、PETEOS基板層200上に金属線210が与えられている。この後、前述したように、約0.2μm乃至約0.4μmのHRI酸化シリコン220が堆積される。HSQ(約0.2μm乃至約0.55μm)等のlow−k誘電体層230が220上にスピンコーティングされて窒素下において4200Cでベーキング処理される(図1の場合のように先に例示されたプロセスにおいて示されるように)。low−k誘電体層230上には、HRI酸化シリコン誘電体層からなる薄層240がPECVDにより堆積される。この層は、約0.025μm乃至約0.1μmの範囲の厚さであることが好ましい。そのような層は、シリコンリッチ(silicon−rich)酸化物又は二酸化シリコンを含んでいてもよい。
【0021】
誘電率の最小化が懸案事項でない場合、他のプロセスにおいて、窒化シリコン及び酸窒化シリコンが使用されてもよい。しかしながら、窒化シリコン及び酸窒化シリコンは、高い応力を有するとともに、高い誘電率も有している。いくつかのプロセスの例では、これらの特性が許容されてもよい。
【0022】
HRI酸化シリコン層240上には、low−k誘電体HSQ250からなる第2の層250(約0.2μm乃至約0.55μm)がスピン塗布されて前述したように420℃まで硬化させられる。この後、low−k誘電体からなる第2の層250上に、PETEOS(約0.4μm)260又は他の適当な酸化シリコンタイプの誘電体が堆積され、これにより、次の金属層(金属レベル)を形成するための表面が設けられる。ここに図示されていないが、その後の金属堆積及びパターンエッチング並びに誘電体の同じ組の連続的な堆積が前述したように使用されてもよい。この例では、単一の金属層が示されているが、本発明はそれに限定されない。現代の半導体デバイスは複数の層を有している。ある半導体デバイスは二つの層を有する場合があり、他のものは三つの層を有する場合があり、三つを超える場合もある。
【0023】
特定のプロセスの例において、絶縁体厚さが1ミクロンを超える金属low−k絶縁構造体は、HRI酸化シリコン不動態金属線上に約0.51μmのFOx−25からなる膜をスピンコーティングすることによって製造される。この構造体は、FOx仕様のプロトコルに従って窒素下において約420℃の温度でベーキング処理される。low−k膜上には、約0.052μmの高屈折率(HRI)SiO(X<2)誘電体が約400℃で(SiH+NO+Nから)プラズマ蒸着された。
【0024】
この後、約0.52μmのFOx−25からなる第2の層が塗布され、この第2の層は前述したように約420℃まで硬化させられた。このようにして堆積された約0.51+0.052+0.52=1.082ミクロン厚の複合誘電体層は、クラッキングを伴うことなく、その後のステップを切り抜けて残存する。
【0025】
他のプロセスの例では、同様にクラッキングを伴うことなくその後のプロセスステップに耐えるため、プラズマ蒸着された非ドープシリコングラス(USG)からなる薄い中間層を有する同様のlow−k複合構造体が見出される。一般にSiO又はSiOとして示されるUSGも、SiH+NO+Nから得られるが、HRIよりも高い頻度で堆積される。それは、同程度の機械的特性を有している。USGは、HRIの酸素含有量よりも大きい酸素含有量を有している。しかしながら、異なる電力設定により、SiH分子の酸化が更に完全になり(SiH+NO+N SiO+HO+N)、SiOの構造に更に類似する構造が得られる。Si−Si結合を有するHRIが水を吸収できる場合、HRI材料は、治金及びPETEOS上ではなく3層複合物において使用されてもよい。
【0026】
図3は、本発明に係るプロセスの一例のフローチャートである。高屈折率(HRI)グラスのプラズマ蒸着によりコーティングされた金属層(現代のプロセスでは、複数存在する場合がある)においては、low−k誘電体からなる層がスピン塗布される(310)。窒素環境においてlow−k膜が硬化させられる(320)。硬化後、シリコン含有誘電体からなる非常に薄い層が堆積される(330)。シリコンの様々な酸化物が使用されてもよい。プラズマ蒸着又は化学蒸着(CVD)は、シリコン含有誘電体を塗布できる一つの方法である。low−k誘電体からなる第2のスピンコートがシリコン含有絶縁体上に亘って塗布される(340)。low−k誘電体からなる第2のスピンコートは、窒素環境下で硬化させられる(350)。金属層が複数ある場合には、low−k誘電体からなる第2のスピンコート上に更なる誘電体が堆積される(350)。この更なる誘電体は、PETEOS又は他の適当な材料であってもよい。図2を参照されたい。その後、プロセスが繰り返される。
【0027】
いくつかの特定の実施の形態に関して本発明を説明してきたが、当業者であれば認識できるように、これらの実施の形態に対しては、請求項に記載されている本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、多くの変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(従来の技術)従来のプロセスのクラッキングを断面で示している。
【図2】本発明に係る3層複合構造体の一例の断面である。
【図3】本発明に係るプロセスの一例のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化シリコンSiOで不動態化された金属層上に配置される複合誘電体を半導体基板上に形成する方法であって、堆積された酸化シリコンSiOで不動態化された前記金属層上にスピンオン誘電体からなる第1の所定の厚さの第1の層を堆積させるステップと、スピンオン誘電体からなる前記第1の層上に配置される第2の所定の厚さの薄い応力緩和層を形成するステップと、前記応力緩和層上にスピンオン誘電体からなる第3の所定の厚さの第2の層を堆積させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
スピンオン誘電体からなる前記第1の層を堆積させる前記ステップは、堆積後にスピンオン誘電体からなる前記第1の層を硬化させることを含み、スピンオン誘電体からなる前記第2の層を堆積させる前記ステップは、堆積後にスピンオン誘電体からなる前記第2の層を硬化させることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スピンオン誘電体は、メチルシルセスキオキサン、水素メチルシルセスキオキサンのうちの少なくとも一つを含むスピンオングラス(SOG)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記各スピンオン誘電体層の厚さは、約0.2μm乃至約0.55μmの範囲の厚さを有していることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記応力緩和層は、プラズマ蒸着された二酸化シリコン、シリコンリッチ酸化物、及び、Siを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記応力緩和層は、化学蒸着(CVD)及びプラズマ化学蒸着(PECVD)のうちの一つによって蒸着されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記応力緩和層は、約0.25μm乃至約1.0μmの範囲の厚さで堆積されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
半導体デバイスを製造する方法であって、酸化シリコンSiOで不動態化された金属層上にlow−kスピンオン誘電体からなる第1の所定の厚さの第1の層を堆積させるとともに、窒素環境においてスピンオン誘電体からなる前記第1の層を硬化させるステップと、スピンオン誘電体からなる前記第1の層上に配置される第2の所定の厚さの応力緩和層をプラズマ蒸着により形成するステップと、前記応力緩和層上にスピンオン誘電体からなる第3の所定の厚さの第2の層を堆積させるとともに、窒素環境においてスピンオン誘電体からなる前記第2の層を硬化させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記応力緩和層は、二酸化シリコン又はシリコンリッチ酸化物SiO(X<2)のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記スピンオン誘電体は、メチルシルセスキオキサン(MSQ)、水素メチルシルセスキオキサン(HSQ)のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記応力緩和層は、化学蒸着(CVD)及びプラズマ化学蒸着(PECVD)のうちの一つによって蒸着されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
ウェーハ基板上の半導体デバイスにおける金属線間に層間絶縁を形成する方法であって、前記金属線上及び金属線間の空間にPECVDにより第1の酸化シリコン層を第1の所定の厚さで堆積させるステップと、前記第1の酸化シリコン層上に第2の所定の厚さでlow−k誘電体高分子からなる第1の層をスピン形成するステップと、窒素環境においてlow−k誘電体高分子からなる前記第1の層を硬化させるステップと、low−k誘電体高分子からなる前記第1の層上にPECVDにより第3の所定の厚さで第2の酸化シリコン層を堆積させるステップと、前記酸化シリコン層上に第4の所定の厚さでlow−k誘電体高分子からなる第2の層をスピン形成するステップと、窒素環境においてlow−k誘電体高分子からなる前記第2の層を硬化させるステップと、low−k誘電体高分子からなる前記第2の層上に第5の所定の厚さでPETEOS層を堆積させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記第1の酸化シリコン層及び前記第2の酸化シリコン層は、HRIシリコン及びUSGのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
low−k誘電体高分子からなる前記第1の層及びlow−k誘電体高分子からなる前記第2の層は、HSQ及びMSQのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の酸化シリコン層の前記第1の所定の厚さは約0.2μm乃至約0.4μmの範囲であり、low−k誘電体高分子からなる前記第1の層の前記第2の所定の厚さは約0.2μm乃至約0.8μmの範囲であり、前記第2の酸化シリコン層の前記第3の所定の厚さは約0.02μm乃至約0.15μmの範囲であり、low−k誘電体高分子からなる前記第2の層の前記第4の所定の厚さは約0.2μm乃至約0.8μmの範囲であり、前記PETEOS層の前記第5の所定の厚さは約0.3μm乃至約0.7μmの範囲であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
窒素環境において硬化させる前記ステップは、約1分間に亘って約150℃で前記ウェーハ基板の底面を加熱すること、更に、約1分間に亘って約250℃で前記ウェーハ基板の底面を加熱すること、更に、約1分間に亘って約350℃で前記ウェーハ基板の底面を加熱すること、更に、約15分間乃至約30分間に亘って約420℃で前記ウェーハ基板を加熱炉内でベーキング処理することを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
酸化シリコンからなる第1の層で不動態化された金属層上に配置された誘電構造体を有する半導体デバイスであって、前記誘電構造体は、第1の厚さの第1のlow−k誘電体層と、前記第1のlow−k誘電体層上に配置された第2の厚さの応力緩和層と、前記応力緩和層上に配置された第3の厚さのlow−k誘電体からなる第2の層とを備えていることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項18】
low−k誘電体からなる前記第2の層上に配置された絶縁層を更に備えていることを特徴とする請求項17に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記絶縁層は、PETEOSを含むことを特徴とする請求項17に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
前記low−k誘電体は、メチルシルセスキオキサン、水素メチルシルセスキオキサンのうちの一つ以上を含むことを特徴とする請求項17に記載の誘電構造体。
【請求項21】
前記low−k誘電体は、スピンオンコーティングであることを特徴とする請求項18に記載の誘電構造体。
【請求項22】
前記応力緩和層は、二酸化シリコン、シリコンリッチ酸化物、Siのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項17に記載の誘電構造体。
【請求項23】
前記応力緩和層は、化学蒸着(CVD)及びプラズマ化学蒸着(PECVD)のうちの一つによって蒸着される材料からなることを特徴とする請求項20に記載の誘電構造体。
【請求項24】
low−k誘電体からなる前記第1の層の前記第1の厚さは約0.2μm乃至約0.8μmの範囲であり、前記応力緩和層の前記第2の厚さは約0.02μm乃至約0.15μmの範囲であり、low−k誘電体からなる前記第2の層の厚さは約0.2μm乃至約0.8μmの範囲であり、前記絶縁層の厚さは約0.3μm乃至約0.7μmの範囲であることを特徴とする請求項18に記載の半導体デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−502165(P2008−502165A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526655(P2007−526655)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051885
【国際公開番号】WO2005/122227
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】