説明

アライメントマークおよびアライメントマークの製造方法

【課題】ビアファーストデュアルダマシンプロセスを用いた半導体装置の製造における、配線マスク工程で使用するアライメントマークの視認性を高める。
【解決手段】アライメントマークを不透明な金属や金属化合物を含んで形成し、アライメントマークのパターン開口領域と非開口領域とに色彩が相違して視認される材料を配置することにより、高い視認性のアライメントマークを得ることが可能で、マスク工程の合わせずれを低減させ、デバイスの歩留まりおよび信頼性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造過程において、層間絶縁膜を開口して形成されるアライメントマーク、このアライメントマークの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
システムLSIを高速化する方法の1つに、層間絶縁膜として低誘電率膜を使用して配線間容量を低減し、かつCu埋め込み配線をダマシン法により形成して電気抵抗を低減した多層配線構造が提案されている。ダマシン法は半導体製造プロセスにおいて下地の絶縁膜に配線用の溝(配線溝)を形成し、その配線溝に配線材を埋め込む方法であり、これには配線だけを埋め込むシングルダマシン法と、配線とビアホールとを埋め込むデュアルダマシン法とがある。
【0003】
多層配線において下層配線に接続する上層配線を形成するために、ダマシン法によるCu配線用の配線溝及びビアホールをエッチングにより形成する際には、次の工程で必要になるアライメントマークも同時に加工、形成することが多い。アライメントマークはステッパー等でマスクパターンをウエハ上に転写する場合、既に形成されているウエハ上のアライメントマークを光学的に読み取り、これにマスク上のアライメントマークを位置合わせする(アライメント)ためのものである。
【0004】
従来のアライメントマーク2は、図8(a)に示すように、正方形環状部4とL字体部6とから構成されたパターンを有し、絶縁膜をエッチングして開口して、下層配線と同時に形成されたダミー配線部を露出させることにより形成される。または、アライメントマークとして、図8(b)に示すように、十字型から構成されたパターンを有し、絶縁膜をエッチングして開口して、下層配線と同時に形成されたダミー配線部を露出させることにより形成される。
【0005】
図9を参照して、ダマシン法による配線形成に際し、アライメントマークとビアホールとを同時に形成する従来の方法を説明する。ダマシン法により配線を形成する基板10は、図9(a)に示すように、トランジスタ12等が形成されたSi基板14上に、層間絶縁膜として設けられたBPSG膜16、BPSG膜16上にCVD法により成膜された第1のSiC膜22/第1のSiOCH膜24の積層膜、及び第1のSiOCH膜24上にCVD法により成膜された第2のSiC膜28/第2のSiOCH膜30の積層膜の積層構造を備えている。
【0006】
また、基板10は、シングルダマシン法及びCMP法を適用して第1のSiOCH膜24に埋め込み配線として形成されたCu溝配線26とCuダミー配線部27とを備え、更に、第1のSiC膜22及びBPSG膜16を貫通して、トランジスタ12の能動層18にCu溝配線26を接続するW(タングステン)プラグ20とを備えている。第1のSiC膜22は、Cu溝配線26及びダミー配線部27からCuが下方に拡散するのを防止する拡散防止膜の役割を有する。Wプラグ20は、下層配線であるCu溝配線26と能動層18とを接続する第1のメタルコンタクトとして形成されている。
【0007】
上述の配線構造を有する基板に上層配線を形成する際には、第2のSiC膜28/第2のSiOCH膜30の積層膜を貫通してCu溝配線26に連通するビアホール及びCu溝配線部上にアライメントマークを形成する。
【0008】
先ず、第2のSiOCH膜30上にリソグラフィー法によりレジストマスク32を形成する。レジストマスク32は、第2のメタルコンタクト形成用のビアホール34のパターン開口34a、アライメントマーク36形成用のパターン開口36a等のパターン開口を備えている。アライメントマーク36を形成するパターン開口36aは、図8に示したアライメントマーク2と同じパターンである。レジストマスク32をマスクとして、第2のSiOCH膜30/第2のSiC28の積層膜にコンタクトエッチングを施して、ビアホール34及びアライメントマーク36を形成する。上記エッチングは、ビアホール開口に適正なエッチング条件に設定されているので、ビアホール36は、側壁荒れ、ストライエーションの無いテーパ角88°程度の良好な開口形状で形成される。
【0009】
しかし、上記エッチングは、第2のSiOCH膜30のエッチング残り(図示略)が、アライメントマーク36を開口する第2のSiC膜28上に発生し、アライメントマーク36の形成が途中で停止して中途半端な形状のマークになり、上から見ると、例えばマーク底が2重に見えたり、マークの輪郭のシャープさが無くなったりして、輪郭が不明瞭で認識し難いマークになるという問題があった。このような形状不良のアライメントマーク36をアライメントマークとして使って、第2のSiOCH膜30上に形成された図示しない第3のSiOCH/SiC積層膜に形成される図示しないアライメントマークと、リソグラフィー工程でアライメントを行った場合は、十分なアライメント精度が得られず、合わせズレを起こしてしまう。
【0010】
合わせズレの大きさが、設計寸法に対する合わせズレ許容範囲以上になると、多層配線の回路に導通不良の箇所や短絡する箇所が発生して回路が正常に動作しなかったり、デバイスの性能、品質が著しく低下したりする。
【0011】
このような従来の課題に対して特許文献1の明細書には、ビアホールとアライメントマークとを同じエッチング工程で形成する際、正確でシャープな輪郭で形成できるアライメントマークを提供し、また、ビアホールのエッチング工程と同じ工程で、正確なシャープな輪郭のアライメントマークを形成できる、半導体装置の製造方法を提供したと記載されている。
【0012】
以下、上記特許文献1の明細書に記載されているアライメントマークを備えた半導体装置を図10を参照して説明する。
【0013】
図10(a)(b)は、それぞれ、特許文献1の半導体装置を製造する際の工程毎の基板断面図である。基板10に、ビアホール34と、アライメントマーク40とを同時に形成する。先ず、図10(a)に示すように、第2のSiOCH膜30上にリソグラフィー法によりレジストマスク70を形成する。このレジストマスク70は、第2のメタルコンタクト形成用のビアホール34のパターン開口34a、アライメントマーク40形成用のパターン開口40a等のパターン開口を備えている。レジストマスク70をマスクとし、従来と同じエッチング条件で第2のSiOCH膜30/第2のSiC膜28の積層膜にコンタクトエッチングを施して、ビアホール34及びアライメントマーク40を形成する。
【0014】
上述のエッチングにより、図10(b)に示すように、第2のSiOCH膜30/第2のSiC膜28の積層膜に、Cu溝配線26に連通する第2のメタルコンタクト形成用ビアホール34を、Cuダミー配線部27上にアライメントマーク40を形成する。
【0015】
以上において、特許文献1の明細書の記載によると、設計通りの正確さでシャープな輪郭のアライメントマーク40を形成することができるとしている。
【0016】
図11は特許文献1の製造方法におけるアライメントマークの平面図である。このアライメントマーク40は、下層配線に上層配線を接続するメタルコンタクトを形成するビアホールを層間絶縁膜に開口する際に、ビアホールを開口する同じエッチング工程で層間絶縁膜に開口するアライメントマークである。アライメントマーク40は、ドット42の千鳥状3列縦隊以上の集合体によりそれぞれ形成されている。
【0017】
以上の構成を備えたアライメントマーク40においては、Cuダミー配線部27が第2のSiOCH膜30/第2のSiC膜28の積層膜に覆われている領域と覆われていない領域44,46とが視認により識別されることにより機能するようになっている。すなわち、アライメントマーク40は、Cuダミー配線部27上の第2のSiOCH膜30/第2のSiC膜28の積層膜の有無により識別される。
【0018】
しかしながら、第2のSiOCH膜30/第2のSiC膜28は透明であるために、アライメントマーク40の開口領域と非開口領域とで共にCuダミー配線部27が視認されてしまう。そのように視認されてしまうと、アライメントマーク40の視認による識別は、第2のSiOCH膜30/第2のSiC膜28の積層膜の段差により行う以外にはなくなり、この段差の視認は極めて困難を伴う。例えばアライメントマーク40の合わせずれが、例えば20nm以上となると、配線間ショート等の配線不良が発生する。
【特許文献1】特開2003−209037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明により解決すべき課題は、アライメントマークの視認性を高くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係るアライメントマークは、半導体装置の製造過程において、層間絶縁膜を開口して形成されるアライメントマークであって、上記開口内に第1の色彩を有する第1の膜がアライメントマークとして形成されており、平面方向視で第1の膜の周囲に上記第1の色彩とは異なる第2の色彩を有する第2の膜が形成されており、当該アライメントマークは上記両色彩の相違により視認可能となっていることを特徴とするものである。
【0021】
アライメントマークは開口内の一部に視認される場合も開口内の全体に視認される場合も含む。したがって、開口内に第2の膜の一部等が存在しても、平面視方向では第1の膜の周囲に第2の膜が視認される場合を含むことができる。色彩は光学的に第1の色彩と第2の色彩とを区別して視認することができる色であればよい。
【0022】
層間絶縁膜の上にさらに別の不透明な層が積層されるとアライメントマークを光学的に視認することはできなくなる。しかしながら、本発明は半導体装置の全製造過程のうちの1つないしは複数の製造過程の段階においてアライメントマークを視認することができる構造を有する場合は、半導体装置の製造完了後ではアライメントマークを平面視方向から視認することができなくても、本発明に含むことができる。
【0023】
本発明においては、アライメントマークが第1の膜で構成されているので、当該第1の膜を平面視方向から視認する場合、その周囲の第2の膜とは色彩の相違から識別することができる。この場合の識別は、光学顕微鏡により得た光学像の信号処理により容易に実施することができる。
【0024】
従来のアライメントマークは透明でありまたその周囲も透明であり、したがって、アライメントマークの識別はアライメントマークとその周囲との段差に基づく光の陰影によるエッジ処理によるものであり、アライメントマークの識別が容易ではない。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、色彩の相違によりアライメントマークを視認して識別することができるので、従来よりも高い視認性のアライメントマークを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係るアライメントマークおよびその製造方法を説明すると、図1(a)〜図1(d)は、アライメントマークの製造工程を示す断面図、図1(e)は図1(d)におけるアライメントマークの平面図である。
【0027】
図1(a)に示す工程において、トランジスタ等の半導体素子を形成した半導体基板100上に、CVD法により、例えば厚さ200nmのSiOC膜からなる絶縁膜101を堆積する。
【0028】
続いて、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、絶縁膜101にダミー配線溝102を形成する。
【0029】
次に、CVD法またはスパッタ法により、絶縁膜101に形成したダミー配線溝102を埋めるように、例えば、厚さ30nmのバリアメタル膜103および厚さ700nmの金属膜104を堆積する。
【0030】
その後、CMP法(化学的機械研磨)により、金属膜104およびバリアメタル膜103を研磨し、ダミー配線105を形成する。金属膜104としては、例えば、銅(Cu)、バリアメタル膜103としては例えば、タンタル窒化膜(TaN)を用いる。
【0031】
次に、図1(b)に示すように、CVD法により、例えば厚さ50nmのSiCN膜からなる拡散防止膜106および厚さ400nmのSiOC膜からなる層間絶縁膜107を堆積する。
【0032】
次に、図1(c)に示すように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜107および拡散防止膜106に開口部108を形成し、金属膜104を露出させる。
【0033】
最後に、図1(d)に示すように、例えば、酸素雰囲気中で300℃で1分間晒すことにより、金属膜104が露出した表面部分のみを酸化して酸化膜109とする。
【0034】
この場合、金属膜104を銅膜とすると、酸化膜109は酸化銅膜となる。このとき、図1(e)の平面図に示すように、アライメントマークのパターン開口領域は金属膜104の酸化膜(第1の膜)である例えば酸化銅がアライメントマークとして、また、非開口領域には透明である層間絶縁膜107を通して金属膜104(第2の膜)である例えば銅が光学的に視認される。この場合、第1の膜材料である酸化銅の色彩(第1の色彩)と、この酸化銅とは異なる材料である第2の膜材料である銅との色彩(第2の色彩)とが相違することは周知であるので説明を略する。酸化すると変色する金属の種類は銅に限定されない。
【0035】
(第2の実施の形態)
図2(a)〜図2(d)は、本発明の第2の実施形態に係るアライメントマークの製造工程を示す断面図である。また、図2(e)は図2(d)におけるアライメントマークの平面図である。
【0036】
まず、図2(a)に示す工程において、トランジスタ等の半導体素子を形成した半導体基板200上に、CVD法により、例えば厚さ200nmのSiOC膜からなる絶縁膜201を堆積する。続いて、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、絶縁膜201にダミー配線溝202を形成する。次に、CVD法もしくはスパッタ法により、絶縁膜201に形成したダミー配線溝202を埋めるように、例えば、厚さ30nmのバリアメタル膜203および厚さ700nmの金属膜204を堆積する。その後、CMP法により、金属膜204およびバリアメタル膜203を研磨し、ダミー配線205を形成する。金属膜204としては例えば銅(Cu)、バリアメタル膜203としては例えばタンタル窒化膜(TaN)を用いる。
【0037】
次に、図2(b)に示すように、CVD法により、例えば厚さ50nmのSiCN膜からなる拡散防止膜206および厚さ400nmのSiOC膜からなる層間絶縁膜207を堆積する。
【0038】
次に、図2(c)に示すように、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜207および拡散防止膜206に開口部208を形成し、金属膜204を露出させる。
【0039】
次に、図2(d)に示すように、選択メッキ法により、金属膜204の露出した表面部分のみに例えば厚さ30nmのCoWPからなるキャップメタル膜209を堆積する。
【0040】
このとき、図2(e)の平面図に示すように、アライメントマークのパターン開口領域はキャップメタル膜209(第1の膜)の材料である例えばCoWPがアライメントマークとして、また、非開口領域は金属膜204(第2の膜)の材料である例えば銅が透明である層間絶縁膜207および拡散防止膜206を通して光学的に視認される。この場合、第1の膜材料であるCoWPの色彩(第1の色彩)と、このCoWPとは異なる第2の膜材料である銅との色彩(第2の色彩)とが相違することは周知であるので説明を略する。この金属の組み合わせはCoWPと銅とに限定されない。
【0041】
(第3の実施形態)
図3(a)〜図3(d)は、本発明の第3の実施形態に係るアライメントマークの製造工程を示す断面図である。また、図3(e)は図3(d)におけるアライメントマークの平面図である。
【0042】
まず、図3(a)に示す工程において、トランジスタ等の半導体素子を形成した半導体基板300上に、CVD法により、例えば厚さ200nmのSiOC膜からなる絶縁膜301を堆積する。続いて、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、絶縁膜301にダミー配線溝302を形成する。次に、CVD法もしくはスパッタ法により、絶縁膜301に形成したダミー配線溝302を埋めるように、例えば、厚さ30nmのバリアメタル膜303および厚さ700nmの金属膜304を堆積する。その後、CMP法により、金属膜304およびバリアメタル膜303を研磨し、ダミー配線305を形成する。金属膜304としては例えば銅(Cu)、バリアメタル膜303としては例えばタンタル窒化膜(TaN)を用いる。
【0043】
次に、図3(b)に示すように、CVD法により、例えば厚さ50nmのSiCN膜からなる拡散防止膜306および厚さ400nmのSiOC膜からなる層間絶縁膜307を堆積する。
【0044】
次に、図3(c)に示すように、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜307および拡散防止膜306に開口部308を形成し、金属膜304を露出させる。
【0045】
次に、図3(d)に示すように、ウェットエッチング法により、開口部308において、金属膜304をバリアメタル膜303が露出するまで除去する。
【0046】
このとき、図3(e)の平面図に示すように、アライメントマークのパターン開口領域はバリアメタル膜303(第1の膜)の材料である例えばTaNがアライメントマークとして、また、非開口領域は金属膜304(第2の膜)の材料である例えば銅が透明である層間絶縁膜307および拡散防止膜306を通して光学的に視認される。この場合、第1の膜材料であるTaNの色彩(第1の色彩)と、このTaNとは異なる第2の膜材料である銅との色彩(第2の色彩)とが相違することは周知であるので説明を略する。この金属の組み合わせはTaNと銅とに限定されない。
【0047】
なお、図3(e)に示す工程において、さらにウエハ全面をエッチバックすることにより、開口部308から覗くバリアメタル膜303を部分的に除去してもよい。このとき、アライメントマークのパターン開口領域は半導体基板300表面が、非開口領域は銅が視認される。
【0048】
また、図3(e)に示す工程において、ウェットエッチング法により、開口部308から金属膜304を全て除去し、続いて、ウエハ全面をエッチバックすることにより、開口部308からのぞくバリアメタル膜303を部分的に除去してもよい。このとき、アライメントマークのパターン開口領域は半導体基板300表面が、非開口領域はTaN膜が視認される。
【0049】
(第4の実施形態)
図4(a)〜図4(d)は、本発明の第4の実施形態に係るアライメントマークの製造工程を示す断面図である。また、図4(e)は図4(d)におけるアライメントマークの平面図である。
【0050】
まず、図4(a)に示す工程において、トランジスタ等の半導体素子を形成した半導体基板400上に、CVD法により、例えば厚さ200nmのSiOC膜からなる絶縁膜401を堆積する。続いて、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、絶縁膜401にダミー配線溝402を形成する。次に、CVD法もしくはスパッタ法により、絶縁膜401に形成したダミー配線溝402を埋めるように、例えば、厚さ30nmのバリアメタル膜403および厚さ700nmの金属膜404を堆積する。その後、CMP法により、金属膜404およびバリアメタル膜403を研磨し、ダミー配線405を形成する。金属膜404としては例えば銅(Cu)、バリアメタル膜403としては例えばタンタル窒化膜(TaN)を用いる。
【0051】
次に、図4(b)に示すように、選択メッキ法により、ダミー配線405の表面部分のみに例えば厚さ30nmのCoWPからなるキャップメタル膜406を堆積する。
【0052】
次に、図4(c)に示すように、CVD法により、例えば厚さ50nmのSiCN膜からなる拡散防止膜407および厚さ400nmのSiOC膜からなる層間絶縁膜408を堆積する。
【0053】
次に、図4(d)に示すように、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜408、拡散防止膜407およびキャップメタル膜406に開口部409を形成し、金属膜404を露出させる。
【0054】
このとき、図4(e)の平面図に示すように、アライメントマークのパターン開口領域は金属膜404(第1の膜)の材料である例えばCuがアライメントマークとして、また、非開口領域はキャップメタル膜406(第2の膜)の材料であるCoWPが透明である層間絶縁膜408および拡散防止膜407を通して光学的に視認される。この場合、第1の膜材料である銅の色彩(第1の色彩)と、この銅とは異なる第2の膜材料であるCoWPの色彩(第2の色彩)とが相違することは周知であるので説明を略する。この金属の組み合わせはCoWPと銅とに限定されない。
【0055】
ここでは、金属膜404の拡散防止層に拡散防止膜407を用いているが、それは拡散防止効果をより高めるためのもので、キャップメタル膜にも拡散防止効果は備わっていることから、アライメントークの視認性を高めるためには、必ずしも拡散防止膜407を必要としない。
【0056】
なお、本発明の第3の実施形態と同様に、図4(d)に示す工程において、ウェットエッチング法により、開口部409から金属膜404をバリアメタル膜403が露出するまで除去してもよい。このとき、アライメントマークのパターン開口領域はTaN膜が、非開口領域はCoWP膜が視認される。
【0057】
また、本発明の第3の実施形態と同様に、図4(d)に示す工程において、ウェットエッチング法により、開口部409から金属膜404をバリアメタル膜403が露出するまで除去し、続いて、ウエハ全面をエッチバックすることにより、開口部409からのぞくバリアメタル膜403を部分的に除去してもよい。このとき、アライメントマークのパターン開口領域は半導体基板400表面が、非開口領域はCoWP膜が視認される。
【0058】
(第5の実施形態)
図5(a)〜図5(c)は、本発明の第5の実施形態に係るアライメントマークの製造工程を示す断面図である。また、図5(c)は図5(b)におけるアライメントマークの平面図である。
【0059】
まず、図5(a)に示す工程において、トランジスタ等の半導体素子を形成した半導体基板500上に、CVD法もしくはスパッタ法により、例えば、厚さ100nmの密着層501、厚さ300nmの金属膜502および厚さ100nmの反射防止膜503を堆積する。密着層501としては例えば、TiN/Ti積層膜、金属膜502としては例えばアルミニウム(Al)、反射防止膜503としては例えばチタン窒化膜(TiN)を用いる。続いて、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、ダミー配線504を形成する。
【0060】
次に、図5(b)に示すように、CVD法により、厚さ400nmのSiOC膜からなる層間絶縁膜505を堆積し、CMP法により、層間絶縁膜505を研磨し、平坦化を行う。
【0061】
次に、図5(c)に示すように、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜505および反射防止膜503に開口部506を形成し、金属膜502を露出させる。
【0062】
このとき、図5(d)の平面図に示すように、アライメントマークのパターン開口領域は金属膜502(第1の膜)の材料であるAlが、また、非開口領域は反射防止膜503(第2の膜)のTiNが透明である層間絶縁膜505を通して光学的に視認される。この場合、第1の膜材料であるAlの色彩(第1の色彩)と、このAlとは異なる第2の膜材料であるTiNの色彩(第2の色彩)とが相違することは周知であるので説明を略する。この金属の組み合わせはTiNとAlとに限定されない。
【0063】
なお、図5(c)に示す工程において、密着層501を露出させてもよい。反射防止膜にTiN、密着層にTiN/Ti積層膜を用いた場合は、開口領域と非開口領域で視認される材料が同じTiNであるため、そのときは密着層501のTi膜が露出するまで開口すればよい。このとき、アライメントマークのパターン開口領域はTi膜が、非開口領域はTiN膜が視認される。
【0064】
また、図5(c)に示す工程において、密着層501に開口部506を形成してもよい。このとき、アライメントマークのパターン開口領域は半導体基板500表面が、非開口領域はTiN膜が視認される。
【0065】
(第6の実施形態)
図6(a)〜図6(c)は、本発明の第6の実施形態に係るアライメントマークの製造工程を示す断面図である。また、図6(d)は図6(c)におけるアライメントマークの平面図である。
【0066】
まず、図6(a)に示すように、トランジスタ等の半導体素子を形成した半導体基板600上に、CVD法により、例えば厚さ400nmのSiOC膜からなる層間絶縁膜601を堆積する。
【0067】
次に、図6(b)に示すように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜601に開口部602を形成する。
【0068】
次に、図6(c)に示すように、CVD法もしくはスパッタ法により、層間絶縁膜601に形成した開口部602を埋めるように、例えば、厚さ30nmの金属膜603を堆積する。金属膜603としては例えばアルミニウム(Al)を用いる。その後、ウエハ全面をエッチバックすることにより、開口部602内にのみ金属膜603を残す。
【0069】
このとき、図6(d)の平面図に示すように、アライメントマークのパターン開口領域は金属膜603(第1の膜)の材料であるAl(第1の色彩を有する)がアライメントマークとして、また、非開口領域は半導体基板600(第2の膜)表面(第2の色彩を有する)が透明である層間絶縁膜601を通して光学的に視認される。
【0070】
アライメントマークの使用が終われば、開口部602内に残った金属膜603はアルカリ性の溶液で洗浄することにより、取り除くことができる。
【0071】
(第7の実施形態)
図7(a)〜図7(b)は、本発明の第7の実施形態に係るアライメントマークの製造工程を示す断面図である。また、図7(c)は図7(b)におけるアライメントマークの平面図である。
【0072】
まず、図7(a)に示す工程において、トランジスタ等の半導体素子を形成した半導体基板700上に、CVD法により、例えば厚さ400nmのSiOC膜からなる層間絶縁膜701を堆積し、続いて、CVD法もしくはスパッタ法により、例えば厚さ100nmのTiN膜からなる反射防止膜702を堆積する。
【0073】
次に、図7(b)に示すように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、反射防止膜702および層間絶縁膜701に開口部703を形成する。
【0074】
このとき、図7(c)の平面図に示すように、アライメントマークのパターン開口領域は半導体基板700(第1の膜)表面(第1の色彩を有する)がアライメントマークとして透明である層間絶縁膜700を通して、また、非開口領域は反射防止膜702(第2の膜)の材料であるTiN(第2の色彩を有する)が視認される。
【0075】
アライメントマークの使用が終われば、反射防止膜702はウエハ全面をエッチバックすることにより、取り除くことができる。
【0076】
ここでは、非開口領域から視認される材料に反射防止膜を用いているが、それは図7(b)におけるフォトリソグラフィー工程を効果的に行うためのもので、アライメントマークの視認性を高めるためには、必ずしも反射防止効果が備わっている材料を必要としない。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の半導体装置は、ビアファーストデュアルダマシンプロセスを用いた半導体装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるアライメントマークの製造方法を示す断面図及びアライメントマークを示す平面図
【図2】本発明の第2の実施形態におけるアライメントマークの製造方法を示す断面図及びアライメントマークを示す平面図
【図3】本発明の第3の実施形態におけるアライメントマークの製造方法を示す断面図及びアライメントマークを示す平面図
【図4】本発明の第4の実施形態におけるアライメントマークの製造方法を示す断面図及びアライメントマークを示す平面図
【図5】本発明の第5の実施形態におけるアライメントマークの製造方法を示す断面図及びアライメントマークを示す平面図
【図6】本発明の第6の実施形態におけるアライメントマークの製造方法を示す断面図及びアライメントマークを示す平面図
【図7】本発明の第7の実施形態におけるアライメントマークの製造方法を示す断面図及びアライメントマークを示す平面図
【図8】従来のアライメントマークの平面図
【図9】従来のアライメントマークを備えた半導体装置の断面図
【図10】従来の半導体装置の製造工程におけるアライメントマークの製造方法を示す断面図
【図11】従来のアライメントマークを示す平面図
【符号の説明】
【0079】
100、200、300、400、500、600、700…半導体基板
101、201、301、401、601、701・・・絶縁膜
102、202、302、402・・・ダミー配線溝
103、203、303、403、603・・・バリアメタル膜
104、204、304、404、502・・・金属膜
105、205、305、405、504 ダミー配線
106、206、306、407・・・拡散防止膜
107、207、307、408、505・・・層間絶縁膜
108、208、308、409、506、602、703・・・開口部
109・・・酸化銅
209、406、702・・・キャップメタル膜
501・・・密着層
503、702・・・反射防止膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置の製造過程において、層間絶縁膜を開口して形成されるアライメントマークであって、
上記開口内に第1の色彩を有する第1の膜がアライメントマークとして形成されており、
平面方向視で第1の膜の周囲に上記第1の色彩とは異なる第2の色彩を有する第2の膜が形成されており、
当該アライメントマークは上記両色彩の相違により視認可能となっている、ことを特徴とするアライメントマーク。
【請求項2】
上記第1の膜は、金属膜、金属酸化膜、金属窒化膜、絶縁膜、半導体基板のいずれかの材料からなり、
上記第2の膜は、金属膜、金属酸化膜、金属窒化膜、絶縁膜、半導体基板のいずれかのうち第1の膜とは色彩が異なる材料からなる、ことを特徴とする請求項1に記載のアライメントマーク。
【請求項3】
半導体装置の製造過程において、層間絶縁膜を開口して形成されるアライメントマークの製造方法であって、
上記開口内に第1の色彩を有する第1の膜を視認可能に形成する第1の工程と、
上記第1の色彩とは異なる第2の色彩を有する第2の膜を平面方向視で第1の膜の周囲に視認可能に形成する第2の工程と、
を備える、ことを特徴とするアライメントマークの製造方法。
【請求項4】
半導体基板上に形成された絶縁膜に金属膜からなる配線を形成する第1の工程と、
上記配線を含む上記絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する第2の工程と、
上記配線上の上記層間絶縁膜に開口部を形成して上記金属膜を露出させる第3の工程と、
上記開口部に露出した上記金属膜を酸化する第4の工程と、
を備えることを特徴とするアライメントマークの製造方法。
【請求項5】
半導体基板上に形成された絶縁膜に金属膜からなる配線を形成する第1の工程と、
上記配線を含む上記絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する第2の工程と、
上記配線上の上記層間絶縁膜に開口部を形成して上記金属膜を露出させる第3の工程と、
上記開口部に露出した上記金属膜上にキャップメタル膜を形成する第4の工程と、
を備えることを特徴とするアライメントマークの製造方法。
【請求項6】
半導体基板上に形成された絶縁膜にバリアメタル及び金属膜からなる配線を形成する第1の工程と、
上記配線を含む上記絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する第2の工程と、
上記配線上の上記層間絶縁膜に開口部を形成して上記金属膜を露出させる第3の工程と、
上記開口部に露出した金属膜を除去して上記バリアメタル膜を露出させる第4の工程と、
を備えることを特徴とするアライメントマークの製造方法。
【請求項7】
半導体基板上に形成された絶縁膜にバリアメタル及び金属膜からなる配線を形成する第1の工程と、
上記配線を含む上記絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する第2の工程と、
上記配線上の上記層間絶縁膜に開口部を形成して上記金属膜を露出させる第3の工程と、
上記開口部に露出した上記金属膜及び上記バリアメタルを除去して上記半導体基板を露出させる第4の工程と、
を備えることを特徴とするアライメントマークの製造方法。
【請求項8】
上記第4の工程は、上記金属膜の全てを除去することを特徴とする請求項7に記載のアライメントマークの製造方法。
【請求項9】
半導体基板上に形成された絶縁膜に金属膜及びキャップメタル膜からなる配線を形成する第1の工程と、
上記配線を含む上記絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する第2の工程と、
上記配線上の上記層間絶縁膜及び上記キャップメタル膜に開口部を形成して上記金属膜を露出させる第3の工程と、
を備えることを特徴とするアライメントマークの製造方法。
【請求項10】
半導体基板上に形成された絶縁膜にバリアメタル膜、金属膜及びキャップメタル膜からなる配線を形成する第1の工程と、
上記配線を含む上記絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する第2の工程と、
上記配線上の上記層間絶縁膜及び上記キャップメタル膜に開口部を形成して上記金属膜を露出させる第3の工程と、
上記開口部に露出した金属膜を除去し手上記バリアメタル膜を露出させる第4の工程と、
を備えることを特徴とするアライメントマークの製造方法。
【請求項11】
上記第4の工程は、上記金属膜の全てを除去することを特徴とする請求項10に記載のアライメントマークの製造方法。
【請求項12】
半導体基板上に密着層、金属膜及び反射防止膜からなる配線を形成する第1の工程と、
上記配線を覆うように半導体基板上に層間絶縁膜を形成する第2の工程と、
上記層間絶縁膜と上記反射防止膜に開口部を形成して上記金属膜を露出させる第3の工程と、
を備えることを特徴とするアライメントマークの製造方法。
【請求項13】
上記第3の工程において、上記層間絶縁膜、上記反射防止膜及び上記金属膜に開口部を形成して上記密着層を露出させることを特徴とする請求項12に記載のアライメントマークの製造方法。
【請求項14】
上記第3の工程において、上記層間絶縁膜、上記反射防止膜、上記金属膜、及び上記密着膜に開口部を形成して上記半導体基板を露出させることを特徴とする請求項12に記載のアライメントマークの製造方法。
【請求項15】
半導体基板上に層間絶縁膜を形成する工程と、
上記層間絶縁膜に開口部を形成する工程と、
上記開口部を覆うように上記層間絶縁膜上に金属膜を形成する工程と、
上記層間絶縁膜上の上記金属膜を除去して上記開口部内にのみ上記金属膜を残す工程と、
を備えることを特徴とするアライメントマークの製造方法。
【請求項16】
半導体基板の上に層間絶縁膜を形成する工程と、
上記層間絶縁膜の上に反射防止膜を形成する工程と、
上記反射防止膜及び上記層間絶縁膜に開口を形成する工程と、を備えることを特徴とするアライメントマークの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−214399(P2007−214399A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−33252(P2006−33252)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】